JP2017024601A - 鞍乗型車両の乗車シート - Google Patents

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Abstract

【課題】クッション材の使用量を低減してコストダウンができ且つ乗り心地性に優れた鞍乗型車両の乗車シートを提供する。【解決手段】シート底板11と、シート底板11の上部に配置されるクッション材12と、クッション材12の表面を覆う表皮13と、を備える鞍乗型車両1の乗車シート10において、シート底板11は、乗員が着座する着座領域SEに対応してシート底板基部11dから上方に突出する凸部11aを有し、凸部11aの周囲には、蛇腹状もしくは階段状に構成された折り曲げ部11bが設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は鞍乗型車両の乗車シートに関する。
従来の自動二輪車等の鞍乗型車両の乗車シートとして、シート底板の上にクッション材を設け、そのクッション材の上面を表皮材にて覆うように構成された乗車シートが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002-211460号公報
鞍乗型車両においては、乗車シートに搭乗者が跨ることで、乗車シートの一部分が“へたり”を起こして乗り心地が低下するという課題があった。そこで、特許文献1に開示された技術は、乗車シートに対するヒップポイントにおけるクッション材の圧縮量を大きく設定して、クッション材を部分的に高密度にすることで、乗車シートの“へたり”が生じても乗り心地性を確保することができる、というものである。しかしながら、特許文献1の技術は、クッション材の圧縮量を大きくするため、クッション材を多く使用することになる。近年の鞍乗型車両のコストダウンの要求はより強まっており、コストダウンを図りながら、乗り心地性を確保する必要がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、クッション材の使用量を低減してコストダウンができ且つ乗り心地性に優れた鞍乗型車両の乗車シートを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、
シート底板と、前記シート底板の上部に配置されるクッション材と、前記クッション材の表面を覆う表皮と、を備える鞍乗型車両の乗車シートにおいて、前記シート底板は、乗員が着座する着座領域に対応してシート底板基部から上方に突出する凸部を有し、前記凸部の周囲には、蛇腹状もしくは階段状に構成された折り曲げ部が設けられていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の構成に加えて、
前記折り曲げ部は、前記凸部の最上面からシート底板外周縁に向かって外側に広がるように形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の構成に加えて、
前記折り曲げ部における略水平方向に沿う曲げ部横面の肉厚は、前記最上面の肉厚よりも小さく構成されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の構成に加えて、
前記折り曲げ部における略垂直方向に沿う曲げ部縦面の肉厚は、前記曲げ部横面の肉厚よりも大きく且つ前記最上面の肉厚よりも小さく構成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の構成に加えて、
前記折り曲げ部の左右側方部は、シート底板外周縁に沿うように形成されていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の構成に加えて、
前記シート底板には、前記シート底板基部から前記折り曲げ部に向かって前後方向に延出する補強リブが設けられていることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の構成に加えて、
前記シート底板は、少なくとも前記凸部に複数の開口部を有することを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の構成に加えて、
前記開口部は、左右方向の中央線に沿って左右に分離され且つ左右対称に形成されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、シート底板は、乗員が着座する着座領域に対応してシート底板基部から上方に突出する凸部を有し、凸部の周囲には、蛇腹状もしくは階段状に構成された折り曲げ部が設けられていることで、クッション材の圧縮に加えて、折り曲げ部の撓みにより、乗車シートの着座領域の衝撃を吸収できる。この結果、クッション材を薄くすることができ、乗り心地性を確保しながら乗車シートのコストを低減することができる。また、クッション材を薄くできるので、乗車シート構造を薄型でコンパクトにすることができる。
請求項2の発明によれば、折り曲げ部は、凸部の最上面からシート底板外周縁に向かって外側に広がるように形成されていることで、折り曲げ部を乗車シートの形状に沿うように形成できる。また、折り曲げ部の形状が外側に広がるように形成されるので、折り曲げ部の成型が容易である。
請求項3の発明によれば、折り曲げ部における略水平方向に沿う曲げ部横面の肉厚は、最上面の肉厚よりも小さく構成されているので、折り曲げ部に撓みを生じ易くでき、乗車シートの着座領域の衝撃を折り曲げ部にて効果的に吸収できる。
請求項4の発明によれば、折り曲げ部における略垂直方向に沿う曲げ部縦面の肉厚は、曲げ部横面の肉厚よりも大きく且つ最上面の肉厚よりも小さく構成されている。この結果、曲げ部縦面は、荷重を縦方向で受けるため最上面よりも薄肉化でき、さらに曲げ部横面が最も撓みやすくなるので、乗車シートの着座領域の衝撃を折り曲げ部にて効果的に吸収できる。
請求項5の発明によれば、折り曲げ部の左右側方部は、シート底板外周縁に沿うように形成されていることで、凸部の左右両側方の間隔を大きくすることができ、凸部の最上面の面積を確保することができる。この結果、着座時の押圧力や振動を効果的に分散することができる。
請求項6の発明によれば、シート底板には、シート底板基部から折り曲げ部に向かって前後方向に延出する補強リブが設けられているので、シート底板の剛性を確保しながら適度な撓みを発生させることができる。
請求項7の発明によれば、シート底板は、複数の開口部を有するので、部分的な変形がし易くなり、シート底板を搭乗者の臀部の押圧力に合わせて撓ませることができる。この結果、搭乗時の臀部の面圧を効果的に分散させるので、座り心地性を向上させることができる。
請求項8の発明によれば、開口部は、左右方向の中央線に沿って左右に分離されていることで、シート底板を左右方向で独立して撓ませることができるので、車両の左右旋回時における臀部の左右圧力変化に左右別々に対応することができ、乗車シートのフィット感が向上し操作性をよくすることができる。また、開口部は、左右対称に形成されているので、左右変形のバランスを均等にでき左右旋回時における操作性を均一にすることができる。
本発明の一実施形態に係るスクーター型車両の左側面図である。 図1に示すスクーター型車両の乗車シートの前後方向の垂直断面図である。 図2に示す乗車シートの分解断面図である。 図2に示す乗車シートのシート底板の左側面図である。 図2に示す乗車シートのシート底板の平面図である。 図5に示す乗車シートをA−A線に沿って垂直に切断した断面斜視図である。 図5のB−B線に沿った部分の拡大断面図である。 図5のC−C線に沿った部分の拡大断面図である。 図5に示す乗車シートのシート底板の斜視図である。 階段状の折り曲げ部を示す乗車シートの要部拡大断面図である。 第2実施形態における乗車シートの底板の斜視図である。 図11に示す乗車シートの底板の左側面図である。 図11に示す乗車シートの底板を下方側から見た裏面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態の鞍乗型車両であるスクーター型車両について、図1〜図10を参照して説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとし、以下の説明において、前後、左右、上下は、操縦者から見た方向に従い記載し、また、図面に車両の前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。
図1に示すように、スクーター型車両1は、車体フレーム2と、車体フレーム2のヘッドパイプ2aに取付けられたフロントフォーク3と、フロントフォーク3に取り付けられた前輪FWと、フロントフォーク3に連結されたハンドル4と、車体フレーム2の後部に上下スイング可能に取付けられたパワーユニット5と、パワーユニット5に連結された後輪RWと、パワーユニット5の後端部を懸架したリヤクッションユニット7と、車体フレーム2の後方上部に取付けられた収納ボックス18と、収納ボックス18の上に配置されて開閉可能に取付けられた乗車シート10と、等を有している。
パワーユニット5は、前部のエンジン21と後部の動力伝達機構22とを有している。なお、エンジン21は、シリンダヘッドを前方に向けて略水平に配置された構造である。
スクーター型車両1は、車体フレーム2をボディカバー30で覆うように構成されている。このボディカバー30は、ヘッドパイプ2aの前部を覆うフロントカバー31と、運転者(乗員)の脚部前方を覆うレッグシールド32と、運転者の足を載せるステップフロア33と、ステップフロア33の外縁から下方へ延ばした左右のフロアサイドカバー34と、これらフロアサイドカバー34の下縁間を覆うアンダカバー35と、収納ボックス18の前半部周囲を覆うシート下部カバー36と、収納ボックス18の後半部周囲並びに車体後部を覆うリヤカバー37と、これらシート下部カバー36並びにリヤカバー37から下方へ延した左右のサイドカバー38と、を有している。
また、スクーター型車両1の前部側には、ハンドル4の左右先端のハンドルグリップ41、ブレーキレバー42、ハンドル4の上方のミラー44、ハンドル4および計器類の周囲を覆うハンドルカバー46、ハンドルカバー46から左右両側に突出するウインカ45、ヘッドランプ47、フロントフェンダ48等が設けられている。スクーター型車両1の後部には、排気用マフラ25、リヤフェンダ26、テールランプ27、ウインカ28が設けられ、更に、エンジン21の左側面にはエンジン始動用キックペダル23が、エンジン21の下側にはメインスタンド24が設けられている。
本実施形態における乗車シート10は、図2および図3に示すように、シート底板11が最下部に配置され、このシート底板11の上部にクッション材12が配置され、さらにクッション材12の表面を表皮13が覆うように構成されている。なお、表皮13は、クッション材12を覆うと共にその端部がシート底板11の縁部の下面に重ね合わせるように折返して固定されている。
本実施形態におけるシート底板11は、例えば硬質樹脂製品にて形成されている。また、クッション材12は、例えば軟質ポリウレタン樹脂発泡材等の発泡材製品から構成されている。また、表皮13は、合成皮革製品にて構成されている。
本実施形態におけるシート底板11は、図4に示すように、乗員が着座する着座領域SEに対応してシート底板基部11dから上方に突出する凸部11aが形成されている。また、凸部11aの周囲には、蛇腹状もしくは階段状に構成された後述する折り曲げ部11bが設けられている。シート底板基部11dは、前方基部11f、側方基部11tおよび後方基部11rから構成されている。後方基部11rは、前方基部11fおよび側方基部11tよりも上方に盛り上がり後方側が高くなる後方凸部11rpを有している。このため、乗車シート10が車体に取り付けられた状態において、シート後方部分が若干高くなるように傾斜している。
凸部11aの最上面11atは、平坦で略水平(図4参照)に構成さている。また、凸部11aは、シート底板基部11dから立ち上がる壁面が、図5に示すように、前方側の前方壁11efとこの前方壁11efよりも左右方向に幅広な後方側の後方壁11erおよび左右両側のサイド壁11esとから構成されて、平面視で丸みのある略台形状となっている。すなわち、後方壁11erから前方壁11efに向かって左右幅が狭まる前方先細りの形状となっている(図9参照)。
また、前方壁11ef、後方壁11erおよびサイド壁11esは、最上面11atからシート底板外周縁11reに向かって外側に広がるように傾斜した構成となっている(図4および図7参照)。
また、本実施形態の折り曲げ部11bは、図5に示すように、車両の左右側方部11bsが、シート底板外周縁11reに沿うように且つ接近して形成されている。すなわち、凸部11aの左右両側方の間隔が広く、凸部11aの最上面11atの面積が大きく確保されている。
本実施形態における凸部11aの周囲、すなわち、前方壁11ef、後方壁11erおよびサイド壁11esには、折り曲げ部11bが全周にわたって設けられている。この折り曲げ部11bは、図6に示すように、シート底板基部11dから折り曲げ部基部11bcが立ち上がると共に山部11btと谷部11bbが湾曲して形成されることで、所謂蛇腹状に構成されている。
折り曲げ部11bは、図7および図8に拡大して示すように、凸部11aの高さ方向(矢印Y方向)に対して蛇腹形状が車幅方向(矢印X方向)に広がるように構成されている。そして、側方基部11t(シート底板基部11d)が収納ボックス18の上端部18tに当接するように構成されている。なお、シート底板基部11dは、上方に凹んだ基部凹部11dcが形成されており、この基部凹部11dcの内側にパッキン19が設けられている。
また、折り曲げ部11bは、図7に示す凸部11aの中央領域(図5におけるB−B断面)の断面形状では、上周縁角部11euの車幅方向への傾斜がなだらかな形状であり、図8に示す凸部11aの後方側(図5におけるC−C断面)の断面形状では、上周縁角部11euの傾斜が略垂直な形状である。したがって、上周縁角部11euおよび折り曲げ部11bの撓み方が若干異なる。
本実施形態においては、図9に示すように、凸部11aの前後に、前後方向に延出する補強リブ11vが設けられている(図4および図5参照)。後方側の補強リブ11vは、後方基部11rの前側壁11rwから折り曲げ部11bの山部11btへ橋渡すように設けられている。また、補強リブ11vの数は、本実施形態では9個設けられている。なお、この補強リブ11vは、折り曲げ部11bの下方側部分である折り曲げ部基部11bcを支持する構造となっている。
また、前方側の補強リブ11vは、前方基部11fから折り曲げ部11bの山部11btに向かって橋渡すように3個設けられている。この前方の補強リブ11vにおいても、折り曲げ部基部11bcを支持する構造となっている。
このように、補強リブ11vが折り曲げ部11bの全体ではなく下方側(折り曲げ部基部11bc)のみに連結する構造であることで、後述する折り曲げ部11bの撓みを維持しつつ凸部11aを補強できる。
本実施形態の乗車シート10は、乗員(運転者)が着座した状態において、折り曲げ部11bが適宜撓むことがきる。この撓みについてより詳細に説明する。
凸部11aの前後方向中央領域の折り曲げ部11bは、図7に示すように、凸部11aに対して上方側から乗員(運転者)の重量によって押圧され、下方に移動する。このとき、凸部11aから上周縁角部11euを介して連続する谷部11bbは、下方に向かって移動する。この谷部11bbの下方への移動に伴って、山部11btも下方に向かって移動する。
折り曲げ部11bは、このように蛇腹形状によって撓みやすく、凸部11aに対する押圧力が効果的に分散される。また、スクーター型車両1の車両走行に伴う振動や衝撃については、折り曲げ部11bの弾性によって適宜吸収することができ、乗員への伝播を減衰させる。
一方、凸部11aの前方側および後方側の折り曲げ部11bは、前述のように補強リブ11vにより支持されている。この結果、補強リブ11vに支持された折り曲げ部11bは、上方からの押圧力に対して、凸部11aの中央領域の折り曲げ部11bよりも剛性が高く弾性変形量が少なくなる。
このように、凸部11aは、その中央領域の変形量が、前後側よりもし易い構成であることで、乗員が着座した時に、乗車シート10が臀部hpの形状に合わせて中央領域が大きく凹むように湾曲変形する。この結果、乗員の乗り心地性を確保することができる。
折り曲げ部11bは、図10に示すように、階段状の構成にしてもよい。この場合、山部11btと谷部11bbとは、上周縁角部11euに沿った仮想の傾斜線SLに対する凹凸位置を示している。すなわち、この場合においては、上周縁角部11euと折り曲げ部基部11bcとの間に二つの山部11btと二つの谷部11bbとが交互に設けられた構造となっている。この折り曲げ部11bの構造においても、図7および図8に示す蛇腹状の折り曲げ部11bの場合と同様に撓みが生じる。
本実施形態のシート底板11は、図10に示すように、折り曲げ部11bにおける略水平方向に沿う曲げ部横面11bhは、その肉厚t3が、最上面11atの肉厚t1よりも小さく構成されている。したがって、シート底板11は、折り曲げ部11bにおいて撓みが生じ易い。なお、本実施形態においては、曲げ部横面11bhは、二箇所設けられているが、その肉厚t1は同じであっても異なっていても良い。
また、折り曲げ部11bにおいて、略垂直方向に沿う曲げ部縦面11bpの肉厚t2は、曲げ部横面11bhの肉厚t3よりも大きく且つ最上面11atの肉厚t1よりも小さく構成されている。これは、曲げ部縦面11bpは、荷重を縦方向で受けるため最上面11atよりも薄肉としても強度が維持される。このように、最上面11atの肉厚t1よりも折り曲げ部11bの何れの肉厚(肉厚t2および肉厚t3)が薄く構成ており、折り曲げ部11bに撓みが生じ易い構成となっている。なお、本実施形態においては、二箇所の曲げ部縦面11bpの肉厚t2は、同じであっても異なっていても良い。
また、折り曲げ部11bの肉厚構造は、図10に示す階段状のものに限らず、図7および図8に示す蛇腹状の折り曲げ部11bの場合にも適用することができる。
このように本実施形態においては、シート底板11は、乗員が着座する着座領域SEに対応してシート底板基部11dから上方に突出する凸部11aを有し、凸部11aの周囲には、蛇腹状もしくは階段状に構成された折り曲げ部11bが設けられていることで、クッション材12の圧縮に加えて、折り曲げ部11bの撓みにより、乗車シート10の着座領域SEの衝撃を吸収できる。この結果、クッション材12を薄くすることができ、乗り心地性を確保しながら乗車シート10のコストを低減することができる。また、クッション材12を薄くできるので、乗車シート10の構造を薄型でコンパクトにすることができる。
また、本実施形態においては、折り曲げ部11bは、凸部11aの最上面11atからシート底板外周縁11reに向かって外側に広がるように形成されていることで、折り曲げ部11bを乗車シート10の形状に沿うように形成できる。また、折り曲げ部11bの形状が外側に広がるように形成されるので、折り曲げ部11bの成型が容易である。
また、本実施形態においては、折り曲げ部11bにおける略水平方向に沿う曲げ部横面11bhの肉厚t3が、最上面11atの肉厚t1より薄く構成されているので、折り曲げ部11bに撓みが生じ易く、乗車シート10の着座領域SEの衝撃を折り曲げ部11bにて効果的に吸収できる。
また、本実施形態においては、折り曲げ部11bにおける略垂直方向に沿う曲げ部縦面11bpの肉厚t2が、曲げ部横面11bhの肉厚t3よりも大きく且つ最上面11atの肉厚t1よりも小さく構成されている。この結果、曲げ部縦面11bpは、荷重を縦方向で受けるため最上面11atよりも薄肉化でき、さらに曲げ部横面11bhが最も撓みやすくなることで、乗車シート10の着座領域SEの衝撃を折り曲げ部11bにて効果的に吸収できる。
また、本実施形態においては、折り曲げ部11bの左右側方部11bsは、シート底板外周縁11reに沿うように形成されていることで、凸部11aの左右両側方の間隔を大きくすることができる。この結果、着座時の押圧力や振動を効果的に分散することができる。
また、本実施形態においては、シート底板11には、シート底板基部11dから折り曲げ部11bに向かって前後方向に延出する補強リブ11vが設けられているので、シート底板11の剛性を確保しながら適度な撓みを発生させることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図11〜図13を参照して、その特徴部分のみを以下説明する。なお、第1実施形態を同じ構成要素については、同符号を付して説明を適宜省略する。図11は、第2実施形態における乗車シートの底板の斜視図であり、図12は、図11に示す乗車シートの底板の左側面図、図13は、図11に示す乗車シートの底板を下方側から見た裏面図である。
本実施形態においては、図11に示すように、シート底板11には、開口部として多数のスリット11sが設けられている。凸部11aに設けられたスリット11sは、最上面11atから上周縁角部11euにかけて平面視(図13参照)で左右方向に延びるように形成されている。なお、凸部11aの前方壁11ef側に形成された4個のスリット11sは、前後方向および左右斜め方向に形成されている。また、後方凸部11rpの上面にも、左右方向並びに斜め方向のスリット11sが設けられている。
また、スリット11sは、図13に示すように、左右方向の中央線CLに沿って左右に分離されており、さらに、左右対称に形成されている。
また、本実施形態における補強リブ11vは、前記実施形態と同様に凸部11aの前後に設けられているが、前記実施形態とは、補強リブ11vの形成高さが異なる。すなわち、図12に示すように、補強リブ11vは、上周縁角部11euから折り曲げ部基部11bcに至る部分、すなわち、折り曲げ部11bの縦方向の全域に対応した補強構造となっている。なお、本実施形態においても、前方の補強リブ11vは、3個で設けられているが、左右方向の中央のものは、凸部11aの最上面11atまで延びた補強構造となっている。
このように本実施形態においては、シート底板11には、複数のスリット11sが設けられているので、部分的な変形がし易くなり、シート底板11を搭乗者の臀部hpの押圧力に合わせて撓ませることができる。この結果、搭乗時の臀部hpの面圧を効果的に分散させるので、座り心地性を向上させることができる。
また、本実施形態においては、スリット11sは、左右方向の中央線CLに沿って左右に分離されていることで、シート底板11を左右方向で独立して撓ませることができる。この結果、車両の左右旋回時における臀部hpの左右圧力変化に左右別々に対応することができ、乗車シート10のフィット感が向上し操作性をよくすることができる。また、スリット11sが、左右対称に形成されているので、左右変形のバランスを均等にでき左右旋回時における操作性を均一にすることができる。
以上、本発明の第1実施形態および第2実施形態について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、適宜変更できる。
例えば、上記実施形態においては、折り曲げ部11bの蛇腹の向きを水平方向(矢印X方向)沿うように設けたが、その向きは、水平でなく適宜傾けた構成としても良い。また、蛇腹の山部と谷部の数は、上記実施形態に示す数に限るものではなく適宜変更できる。
また、折り曲げ部11bは、凸部11aの最上面11atからシート底板外周縁11reとは反対側に向かって内側に形成されていてもよい。
また、補強リブ11v及び開口部の数や形状は適宜変更することができる。例えば、開口部はスリット11s以外にも長穴であってもよい。
また、上記実施形態では、乗車シート10は、乗員一人用の構造について説明したが、二人乗り可能な乗車シート10においては、凸部11aを前後に二つ設けてそれぞれに折り曲げ部11bを設けた構造としてもよい。
また、上記実施形態においては、スクーター型車両について説明したが、本発明は、他の自動二輪車やバギー等の鞍乗型車両でもよい。
1 スクーター型車両(鞍乗型車両)
10 乗車シート
11 シート底板
11a 凸部
11at 最上面
11b 折り曲げ部
11bh 曲げ部横面
11bp 曲げ部縦面
11bs 左右側方部
11d シート底板基部
11re シート底板外周縁
11s スリット(開口部)
11v 補強リブ
12 クッション材
13 表皮
CL 中央線
SE 着座領域

Claims (8)

  1. シート底板(11)と、
    前記シート底板(11)の上部に配置されるクッション材(12)と、
    前記クッション材(12)の表面を覆う表皮(13)と、
    を備える鞍乗型車両(1)の乗車シート(10)において、
    前記シート底板(11)は、乗員が着座する着座領域(SE)に対応してシート底板基部(11d)から上方に突出する凸部(11a)を有し、
    前記凸部(11a)の周囲には、蛇腹状もしくは階段状に構成された折り曲げ部(11b)が設けられている
    ことを特徴とする鞍乗型車両(1)の乗車シート(10)。
  2. 前記折り曲げ部(11b)は、前記凸部(11a)の最上面(11at)からシート底板外周縁(11re)に向かって外側に広がるように形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両(1)の乗車シート(10)。
  3. 前記折り曲げ部(11b)における略水平方向に沿う曲げ部横面(11bh)の肉厚(t3)は、前記最上面(11at)の肉厚(t1)よりも小さく構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両(1)の乗車シート(10)。
  4. 前記折り曲げ部(11b)の略垂直方向に沿う曲げ部縦面(11bp)の肉厚(t2)は、前記曲げ部横面(11bh)の肉厚(t3)よりも大きく且つ前記最上面(11at)の肉厚(t1)よりも小さく構成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の鞍乗型車両(1)の乗車シート(10)。
  5. 前記折り曲げ部(11b)の左右側方部(11bs)は、シート底板外周縁(11re)に沿うように形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の鞍乗型車両(1)の乗車シート(10)。
  6. 前記シート底板(11)には、前記シート底板基部(11d)から前記折り曲げ部(11b)に向かって前後方向に延出する補強リブ(11v)が設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の鞍乗型車両(1)の乗車シート(10)。
  7. 前記シート底板(11)は、少なくとも前記凸部(11a)に複数の開口部(11s)を有する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の鞍乗型車両(1)の乗車シート(10)。
  8. 前記開口部(11s)は、左右方向の中央線(CL)に沿って左右に分離され且つ左右対称に形成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の鞍鞍乗型車両(1)の乗車シート(10)。
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