JP2017023040A - 加熱調理用油脂組成物とそれを用いた加熱調理食品 - Google Patents

加熱調理用油脂組成物とそれを用いた加熱調理食品 Download PDF

Info

Publication number
JP2017023040A
JP2017023040A JP2015144142A JP2015144142A JP2017023040A JP 2017023040 A JP2017023040 A JP 2017023040A JP 2015144142 A JP2015144142 A JP 2015144142A JP 2015144142 A JP2015144142 A JP 2015144142A JP 2017023040 A JP2017023040 A JP 2017023040A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
fatty acid
fat
cooking
triglyceride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015144142A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6272276B2 (ja
Inventor
晶 太田
Akira Ota
晶 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miyoshi Yushi KK
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Miyoshi Yushi KK
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Miyoshi Yushi KK, Miyoshi Oil and Fat Co Ltd filed Critical Miyoshi Yushi KK
Priority to JP2015144142A priority Critical patent/JP6272276B2/ja
Publication of JP2017023040A publication Critical patent/JP2017023040A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6272276B2 publication Critical patent/JP6272276B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Confectionery (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

【課題】トランス脂肪酸量の少ない油脂組成物であっても、経時的なひきの発生がなく、甘味に優れ、オイリー感のないドーナツ等の加熱調理食品を得ることができ、さらに加熱調理時の臭いも少ない加熱調理用油脂組成物とそれを用いた加熱調理食品を提供する。【解決手段】2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの含有量が油脂全量に対して25〜65質量%であり、構成脂肪酸の総炭素数が46〜50のトリグリセリドの含有量が油脂全量に対して30〜60質量%であることを特徴としている。【選択図】なし

Description

本発明は、フライ食品等の加熱調理食品の調理に熱媒体として使用される加熱調理用油脂組成物とそれを用いた加熱調理食品に関する。
フライ食品の加熱調理には、各種の植物油脂や動物油脂が使用されているが、油脂の加熱安定性を向上するために、これらの油脂を原料とし触媒を用いて水素添加した硬化油が使用されることが多い。
しかし、水素添加した硬化油は一般にトランス脂肪酸量が高く、近年では、消費者の健康意識の高まりと共にトランス脂肪酸を低減させたいという要求も出てきている。
従来、トランス脂肪酸を低減させながら、水素添加臭とも称されている硬化油独特の風味を付与する技術が提案されている(特許文献1、2)。
特許文献1では、フライ油の甘味とコクを付与するために、豚脂または硬化油を使用している。しかし、豚脂の使用量が少ないことから甘味が不十分であり、またエステル交換油脂を使用しておらず粗大結晶ができやすくなり、結果としてフライ食品のひきが強くなってしまう。また、硬化油を使用した配合では、トランス脂肪酸量の数値が高くなってしまう。
特許文献2では、硬化油独特の水素添加臭を付与するため、分別したパーム系油脂と硬化油を組み合わせることが提案されている。しかし、分別油と単一の油脂の組み合わせでは、粗大結晶ができやすくなり、結果としてフライ食品のひきが強くなってしまう。また、硬化油を使用するためトランス脂肪酸量の数値が高くなってしまう。
トランス脂肪酸量を低減させる方法としては、エステル交換油脂を使用することも行われている。エステル交換油脂を使用した技術としては、例えば、特許文献3〜5の技術が提案されている。
特許文献3、4では、パーム油とナタネ油のエステル交換油脂を使用しているが、エステル交換油脂のヨウ素価が高く、オイリー感が出る傾向にある。
特許文献5ではパーム系エステル交換油脂を配合しているが、構成脂肪酸の総炭素数が46〜50のトリグリセリドの含有量が多いことから、固化しにくく、ねちゃつくため、ひきが強いフライ製品となる。また、SUS/SSUの値も高く、そのため固液分離が促進され、液状油が増えることで甘味を過大に感じてしまう傾向にある。
また、硬化油の代替として用いられるようになったエステル交換油脂はトリグリセリド中の脂肪酸をランダムに再配列し硬化油と同等の物性を得た油脂であるため、元々の原料油脂に含まれる不飽和脂肪酸量は変わらない。一方、硬化油は水素添加反応により不飽和脂肪酸の量が減少している。そのため、エステル交換油脂を用いた加熱調理用油脂組成物においては、不飽和脂肪酸に起因する油脂の劣化が始まり、硬化油を使用した加熱調理用油脂に比べて調理中に臭いを感じる傾向にある。
特開2009−005681号公報 特開2010−099037号公報 特開2000−270771号公報 特開平9−313104号公報 特開2010−187562号公報
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、トランス脂肪酸量の少ない油脂組成物であっても、経時的なひきの発生がなく、甘味に優れ、オイリー感のないドーナツ等の加熱調理食品を得ることができ、さらに加熱調理時の臭いも少ない加熱調理用油脂組成物とそれを用いた加熱調理食品を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の加熱調理用油脂組成物は、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの含有量が油脂全量に対して25〜65質量%であり、構成脂肪酸の総炭素数が46〜50のトリグリセリドの含有量が油脂全量に対して30〜60質量%であることを特徴としている。
本発明の加熱調理食品は、前記加熱調理用油脂組成物を使用したものである。
本発明によれば、トランス脂肪酸量の少ない油脂組成物であっても、経時的なひきの発生がなく、甘味に優れ、オイリー感のないドーナツ等の加熱調理食品を得ることができる。さらに、加熱調理時の臭いも少ない。
2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドは、分子構造上歪を形成しており、回転運動する際に、分子構造の障害となりやすい。そのため、油脂中の各トリグリセリドの分子同士が近付きにくくなるため、結晶化しにくい状態となる。その結果、加熱調理後の徐冷時において結晶化部分(固)と非結晶部分(液)とが混在(固液分離)した状態となりやすい。本発明の加熱調理用油脂組成物は、この特性をもつ2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドと、構成脂肪酸の総炭素数が46〜50のトリグリセリドとのバランスによって、ドーナツ等の加熱調理食品は経時的なひきの発生がなく、甘味に優れ、オイリー感のないドーナツ等の加熱調理食品を得ることができる。さらに、加熱調理時の臭いも少ない。
なお、「ひき」とは、フライ等によって加熱調理された食品の噛み切り難さをいい、ひきがなく、容易に噛み切れるものが一般に好まれている。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、トリグリセリドとは、1分子のグリセロールに3分子の脂肪酸がエステル結合した構造を有するものである。トリグリセリドの1位、2位、3位とは、脂肪酸が結合した位置を表している。
本発明の油脂中の構成脂肪酸である飽和脂肪酸としては、特に限定されないが、例えば、酪酸(4)、カプロン酸(6)、カプリル酸(8)、カプリン酸(10)、ラウリン酸(12)、ミリスチン酸(14)、パルミチン酸(16)、ステアリン酸(18)、アラキジン酸(20)、ベヘン酸(22)、リグノセリン酸(24)等が挙げられる。なお、上記数値表記は、各脂肪酸の炭素数である。本発明の油脂中の構成脂肪酸である飽和脂肪酸は、同一の飽和脂肪酸であってもよいし、異なる飽和脂肪酸であってもよい。
本発明の油脂中の構成脂肪酸である不飽和脂肪酸としては、特に限定されないが、例えば、ミリストレイン酸(14:1)、パルミトレイン酸(16:1)、ヒラゴン酸(16:3)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、エイコセン酸(20:1)、エルカ酸(22:1)、セラコレイン酸(24:1)等が挙げられる。上記不飽和脂肪酸についての括弧内の数値表記は、左側が脂肪酸の炭素数であり、右側が二重結合数を意味する。本発明の油脂中の構成脂肪酸である不飽和脂肪酸は、同一の不飽和脂肪酸であってもよいし、異なる不飽和脂肪酸であってもよい。
2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1、3位の構成脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。2位がオレイン酸であるトリグリセリドとしては、例えば、SOS型トリグリセリド、SOU型トリグリセリド(位置異性体も含む)、UOU型トリグリセリド等が挙げられるが、特に限定されない。なお、「S」は、トリグリセリドの構成脂肪酸である飽和脂肪酸を意味し、「U」は、トリグリセリドの構成脂肪酸である不飽和脂肪酸を意味し、「O」は、トリグリセリドの構成脂肪酸であるオレイン酸を意味する。経時的なひきの発生がなく、甘味に優れ、オイリー感のないドーナツ等の加熱調理食品を得ることができ、さらに、加熱調理時の臭いも少ないことから、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸である場合、炭素数4〜24の飽和脂肪酸であることが好ましい。2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が不飽和脂肪酸である場合、炭素数16の不飽和脂肪酸、炭素数18の不飽和脂肪酸(オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)等)、炭素数20の不飽和脂肪酸であることが好ましい。2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸である場合、上述の飽和脂肪酸(炭素数4〜24の飽和脂肪酸)と不飽和脂肪酸(炭素数16の不飽和脂肪酸、炭素数18の不飽和脂肪酸(オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)等)、炭素数20の不飽和脂肪酸)であることが好ましい。
本発明の加熱調理用油脂組成物において、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの含有量は、油脂全量に対して25〜65質量%である。この範囲内であると、構成脂肪酸の総炭素数が46〜50のトリグリセリドとのバランスによって、経時的なひきの発生がなく、甘味に優れ、オイリー感のないドーナツ等の加熱調理食品を得ることができる。さらに、加熱調理時の臭いも少ない。2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの含有量を25質量%以上とすることで、相対的に油脂中のオレイン酸量が多くなることに起因し、分子構造による結晶化の阻害によって、非結晶化部分が多くなり、経時的なひきが抑制され、甘味が向上する。2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの含有量を65質量%以下とすることで、相対的に油脂中のオレイン酸量が少なくなることに起因し、分子構造による結晶化の阻害による非結晶化部分の量が多すぎず適度になり、オイリー感を抑制できると共に、加熱調理時の臭いも少ない。これらの点を考慮すると、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの含有量は、油脂全量に対して30〜60質量%であることが好ましい。
本発明の加熱調理用油脂組成物において、構成脂肪酸の総炭素数が46〜50のトリグリセリドの含有量は、油脂全量に対して30〜60質量%である。この範囲内であると、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドが加熱調理後の徐冷時において結晶化部分(固)と非結晶部分(液)とが混在(固液分離)した状態となりやすいことと、構成脂肪酸の総炭素数が46〜50のトリグリセリドによる結晶化作用とが相俟って、経時的なひきの発生がなく、甘味に優れ、オイリー感のないドーナツ等の加熱調理食品を得ることができる。さらに、加熱調理時の臭いも少ない。構成脂肪酸の総炭素数が46〜50のトリグリセリドの含有量を30質量%以上とすることで、経時的なひきの発生がなく、甘味に優れ、オイリー感のないドーナツ等の加熱調理食品を得ることができる。構成脂肪酸の総炭素数が46〜50のトリグリセリドの含有量を60質量%以下とすることで、固化しやすく、ねちゃつきにくくなるため、経時的なひきが抑制される。これらの点を考慮すると、構成脂肪酸の総炭素数が46〜50のトリグリセリドの含有量は、油脂全量に対して35〜55質量%であることが好ましい。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、2飽和トリグリセリドのうち対称型トリグリセリド(SUS)と非対称型トリグリセリド(SSU)との質量比(SUS/SSU)が0.5以上3未満であることが好ましい。この範囲内であると、加熱調理後の徐冷時において油脂の結晶化が調整されて固液分離が適度になり、経時的なひきの発生がなく、甘味に優れ、オイリー感のないドーナツ等の加熱調理食品を得ることができる。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、油脂の構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を含んでいてもよく、含まなくてもよいが、トランス脂肪酸の摂取量が多くなると、人体に摂取された際のLDLコレステロールが増加しうる。よって、これを抑制しやすい点から、本発明においては、油脂の構成脂肪酸中のトランス脂肪酸の含有量は、油脂の構成脂肪酸全体の質量に対して10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましく、3質量%未満であることが最も好ましい。
本発明の加熱調理用油脂組成物の製造に用いられる油脂としては、特に限定されないが、パーム油、ヤシ油、パーム核油、豚脂(ラード)、牛脂、菜種油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、乳脂、それらの分別油またはそれらの加工油(硬化およびエステル交換反応のうち1つ以上の処理がなされたもの)等が挙げられる。油脂中の2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの含有量と構成脂肪酸の総炭素数が46〜50のトリグリセリドの含有量を適宜調整するために、これらの油脂としては、1種あるいは2種以上を選択して含有させることが好ましい。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、トランス脂肪酸量の少ない油脂組成物とすることができ、かつ、本発明の効果の発現に適していることから、エステル交換油脂を含むことが好ましい。特に、本発明の加熱調理用油脂組成物は、ヨウ素価が50〜60であるエステル交換油脂を含むことが好ましい。エステル交換油脂の原料となる油脂は、例えばパーム油、パーム分別軟質油、パーム分別硬質油、パーム分別中融点油、またはそれらの油脂に水素添加反応を施した油脂などのパーム系油脂があげられる。また、それらを適時組み合わせてヨウ素価を調整し、油脂組成物に用いることができる。中でも使用する油脂としてはパーム油、パーム分別軟質油が好ましい。ヨウ素価がこのような範囲であるものを使用することで、オイリー感のないドーナツ等の加熱調理食品を得ることができる。
ここでエステル交換反応には、エステル交換触媒として化学触媒や酵素触媒が用いられる。化学触媒としてはナトリウムメチラートや水酸化ナトリウム等が用いられ、酵素触媒としてはリパーゼ等が用いられる。リパーゼとしてはアスペルギルス属、アルカリゲネス属等のリパーゼが挙げられ、イオン交換樹脂、ケイ藻土、セラミック等の担体上に固定したものを用いても、粉末の形態として用いてもよい。また位置選択性のあるリパーゼ、位置選択性のないリパーゼのいずれも用いることができるが、位置選択性のないリパーゼを用いることが好ましい。
エステル交換反応に化学触媒を用いる場合、触媒を油脂質量の0.05〜0.15質量%添加し、減圧下で80〜120℃に加熱し、0.5〜1.0時間攪拌巣することでエステル交換反応が平衡状態となって完了し、エステル交換油脂を得ることができる。また酵素触媒を用いる場合、リパーゼ等の酵素触媒を油脂質量の0.01〜10質量%添加し、40〜80℃でエステル交換反応を行うことによりエステル交換反応が平衡状態となって完了し、エステル交換油脂を得ることができる。エステル交換反応はカラムによる連続反応、バッチ反応のいずれの方法で行うこともできる。エステル交換反応後、必要に応じて脱色、脱臭等の精製を行うことができる。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、上記ヨウ素価が50〜60であるエステル交換油脂を、油脂全量に対して18質量%以上80質量%未満の量で含有することが好ましい。
本発明の加熱調理用油脂組成物は液状油を含んでいても良い。その場合の液状油は、菜種油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、コーン油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油等の植物油脂に代表されるが、ヨウ素価が100〜150であるものが好ましい。添加量としては、加熱調理時の臭いの発生を抑えるという観点から、油脂全量に対して25質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下であり、液状油を含まないものが最も好適である。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、その効果を損なわない範囲において、上記の油脂に加えて、食品添加物等のその他の成分を配合することができる。
食品添加物は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、酸化防止剤、消泡剤、乳化剤、着色料、フレーバー等が挙げられる。
酸化防止剤としては、L−アスコルビン酸やL−アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコトリエノール、リグナン、ユビキノン類、キサンチン類、オリザノール、植物ステロール、カテキン類、ポリフェノール類、茶抽出物等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
着色料としては、カロテン、アスタキサンチン、アナトー等が挙げられる。
フレーバーとしては、バターフレーバー、ミルクフレーバー等が挙げられる。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、例えば、原料となる1種または2種以上の前述したような油脂を加温下で溶解し、溶解した油脂中に必要に応じて前述した食品添加物等のその他の成分を添加し、公知の方法で均一に分散し、溶解することによって製造することができる。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、これを熱媒体に用いて、通常のフライ食品等の加熱調理食品に使用される具材や生地を、例えば120〜200℃、好ましくは150〜200℃に加熱して調理することにより加熱調理食品を得ることができる。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、加熱調理した食品中に浸透した油脂含量が多い食品であると効果の発現がより顕著であり、好適である。油脂含量が多い食品としては、揚げ物(フライ食品)を挙げることができ、本発明の加熱調理用油脂組成物は、ドーナツ類、揚げパイ類、揚げ和菓子類等の揚げ菓子類や、揚げパン類等の揚げ物の加熱調理に好適である。特にドーナツ類の加熱調理には好適である。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(1)測定方法
2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの含有量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」と「奨2−2013 2位脂肪酸組成」)で測定し、それぞれ脂肪酸量を用いて計算にて求めた。
構成脂肪酸の総炭素数が46〜50であるトリグリセリドの含有量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.6.1−2013 トリアシルグリセリン組成(ガスクロマトグラフ法)」)により測定した。
油脂における対称型トリグリセリド(SUS)と非対称型トリグリセリド(SSU)との質量比(SUS/SSU)は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」と「奨2−2013 2位脂肪酸組成」)により求めたSUS型トリグリセリドとSSU型トリグリセリドの質量より算出した。
各油脂のヨウ素価は、基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.3.4.1−2013ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」で測定した。
(2)加熱調理用油脂組成物の調製
表1および表2に示す配合比にて各油脂を混合し、外掛けで3ppmになるようシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製 KS−66)を添加し、実施例および比較例の油脂組成物を得た。
(エステル交換油脂1)
パーム分別軟質油に、触媒としてナトリウムメチラートを添加し、減圧下でエステル交換反応を行った。エステル交換反応後、水洗、脱水、脱色、脱臭を行い、エステル交換油脂1を得た。エステル交換油脂1のヨウ素価は56であった。
(エステル交換油脂2)
パーム油に、触媒としてナトリウムメチラートを添加し、減圧下でエステル交換反応を行った。エステル交換反応後、水洗、脱水、脱色、脱臭を行い、エステル交換油脂2を得た。エステル交換油脂2のヨウ素価は53であった。
(3)評価
<ケーキドーナツの作製>
次の手順でケーキドーナツを作製した。
[1]下記配合のショートニング、全卵、水を除く全ての原料を均一に篩っておく。
[2]篩った原材料をミキサーボールに入れ全卵と水を加えビータで低速30秒、中低速1分ミキシングする。
[3]ショートニングを加え低速30秒、中低速2分ミキシングする。
[4]できた生地を、麺棒で1cm厚に伸ばしドーナツ型で型抜きし、ドーナツフライテストに供した。
ドーナツフライテストでは、各油脂組成物を電気フライヤーに7000g採取し、油温180℃でコントロールし、ケーキドーナツ生地を投入後、片面90秒、さらに反転して90秒フライした。
〈ケーキドーナツの配合〉
薄力粉 1000質量部
砂糖 400質量部
食塩 15質量部
ショートニング※1 100質量部
全卵(正味) 220質量部
ベーキングパウダー 30質量部
水 280質量部

※1 ショートニング:ミヨシ油脂製「ミヨシショートニングZ」
下記の評価において、パネルは、五味(甘、酸、塩、苦、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準嗅覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判断された20〜40代の男性4名、女性6名を選抜した。
[ドーナツのひき]
フライしたケーキドーナツを25℃に調温した恒温器内に保管し、24時間後のひきをパネル10名により次の基準で評価した。
評価基準
◎:パネル10名中8名以上が、ひきがないと評価した。
○:パネル10名中7〜5名が、ひきがないと評価した。
△:パネル10名中4〜3名が、ひきがないと評価した。
×:パネル10名中ひきがないと評価したのは2名以下であった。
[ドーナツの甘味]
フライしたケーキドーナツを25℃に調温した恒温器内に保管し、24時間後のドーナツの甘味をパネル10名により次の基準で評価した。
評価基準
◎:パネル10名中8名以上が、甘味があると評価した。
○:パネル10名中7〜5名が、甘味があると評価した。
△:パネル10名中4〜3名が、甘味があると評価した。
×:パネル10名中甘味があると評価したのは2名以下であった。
[ドーナツのオイリー感]
フライしたケーキドーナツを25℃に調温した恒温器内に保管し、24時間後のドーナツのオイリー感をパネル10名により次の基準で評価した。
評価基準
◎:パネル10名中8名以上が、オイリー感がないと評価した。
○:パネル10名中7〜5名が、オイリー感がないと評価した。
△:パネル10名中4〜3名が、オイリー感がないと評価した。
×:パネル10名中オイリー感がないと評価したのは2名以下であった。
[加熱調理時の臭い]
ケーキドーナツを1日40個フライし、2日目終了時点での油脂組成物の加熱臭を評価した。
評価基準
◎:加熱臭が無く、極めて良好
○:加熱臭が無く、良好
△:加熱臭がややあり、不良
×:加熱臭があり、極めて不良
上記の評価結果を表1および表2に示す。
Figure 2017023040
Figure 2017023040

Claims (4)

  1. 2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの含有量が油脂全量に対して25〜65質量%であり、構成脂肪酸の総炭素数が46〜50のトリグリセリドの含有量が油脂全量に対して30〜60質量%である加熱調理用油脂組成物。
  2. 2飽和トリグリセリドのうち対称型トリグリセリド(SUS)と非対称型トリグリセリド(SSU)との質量比(SUS/SSU)が0.5以上3未満である請求項1に記載の加熱調理用油脂組成物。
  3. ヨウ素価が50〜60であるエステル交換油脂を含有する請求項1または2に記載の加熱調理用油脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の加熱調理用油脂組成物を使用した加熱調理食品。
JP2015144142A 2015-07-21 2015-07-21 加熱調理用油脂組成物とそれを用いた加熱調理食品 Active JP6272276B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015144142A JP6272276B2 (ja) 2015-07-21 2015-07-21 加熱調理用油脂組成物とそれを用いた加熱調理食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015144142A JP6272276B2 (ja) 2015-07-21 2015-07-21 加熱調理用油脂組成物とそれを用いた加熱調理食品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017023040A true JP2017023040A (ja) 2017-02-02
JP6272276B2 JP6272276B2 (ja) 2018-01-31

Family

ID=57944614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015144142A Active JP6272276B2 (ja) 2015-07-21 2015-07-21 加熱調理用油脂組成物とそれを用いた加熱調理食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6272276B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11155483A (ja) * 1997-11-25 1999-06-15 Asahi Denka Kogyo Kk フライ用油脂組成物
JP2007530071A (ja) * 2004-03-31 2007-11-01 カウンシル オブ サイエンティフィク アンド インダストリアル リサーチ 微量栄養素が豊富でトランス型脂肪酸を含まないショートニング生成物の製法
JP2008148670A (ja) * 2006-12-20 2008-07-03 Adeka Corp 複合菓子用油脂組成物
JP2009005681A (ja) * 2007-05-29 2009-01-15 Fuji Oil Co Ltd 加熱調理用油脂
JP2010187562A (ja) * 2009-02-16 2010-09-02 Nisshin Oillio Group Ltd フライ用油脂及びドーナツ
JP2015033343A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 日清フーズ株式会社 加熱調理用油脂組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11155483A (ja) * 1997-11-25 1999-06-15 Asahi Denka Kogyo Kk フライ用油脂組成物
JP2007530071A (ja) * 2004-03-31 2007-11-01 カウンシル オブ サイエンティフィク アンド インダストリアル リサーチ 微量栄養素が豊富でトランス型脂肪酸を含まないショートニング生成物の製法
JP2008148670A (ja) * 2006-12-20 2008-07-03 Adeka Corp 複合菓子用油脂組成物
JP2009005681A (ja) * 2007-05-29 2009-01-15 Fuji Oil Co Ltd 加熱調理用油脂
JP2010187562A (ja) * 2009-02-16 2010-09-02 Nisshin Oillio Group Ltd フライ用油脂及びドーナツ
JP2015033343A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 日清フーズ株式会社 加熱調理用油脂組成物

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"15.3 パーム油の成分と特性", 油脂・油糧ハンドブック, JPN6017026626, 1988, JP, pages 262 - 263, ISSN: 0003672295 *
大武由之ら: "玄米給与が豚脂の脂肪酸ならびにトリグリセリド組成におよぼす影響", 日畜会報, vol. 42巻・11号, JPN6017026627, 1971, JP, pages 551 - 558, ISSN: 0003672296 *
無類井建夫、庄下順子: "植物油のトリアシルグリセリン組成の分析と油脂の配合推定への応用", 日本油化学会誌, vol. 第45巻、第1号, JPN6017026628, 1996, JP, pages 29 - 36, ISSN: 0003672297 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP6272276B2 (ja) 2018-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5913121B2 (ja) 油脂組成物及び当該油脂組成物を用いたベーカリー食品、並びに当該ベーカリー食品を用いた複合食品の各製造方法
JP2009232738A (ja) サンドクリーム用油脂組成物
JP2015126716A (ja) 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物を用いた食品
JP6225278B2 (ja) 可塑性油脂組成物
JP6685798B2 (ja) フィリング及び/又はトッピング用油脂組成物、フィリング及び/又はトッピング用油中水型乳化油脂組成物、及び該油中水型乳化油脂組成物を含む食品
JP4517043B1 (ja) ルウ用油脂組成物及びルウ
JP6497875B2 (ja) 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品
JP5209453B2 (ja) 油脂組成物
JP2015006132A (ja) 可塑性油脂組成物
JP2018019619A (ja) 可塑性油脂組成物
JP4964863B2 (ja) 焼成菓子
JP7203555B2 (ja) 油脂組成物
JP2016082888A (ja) バタークリーム又はベーカリー製品用可塑性油脂組成物とそれを用いた食品の製造方法
JP6571971B2 (ja) 水産加工食品用油脂組成物とそれを用いた可塑性油脂組成物及び水産加工食品
JP6382588B2 (ja) 水産加工食品用油脂組成物とそれを用いた可塑性油脂組成物及び水産加工食品
JP2018068290A (ja) スプレッドとバタークリーム用油中水型乳化物およびバタークリームの製造方法
JP6272276B2 (ja) 加熱調理用油脂組成物とそれを用いた加熱調理食品
JP5833728B1 (ja) 層状食品用油脂組成物とそれを用いた生地及び焼成品の製造方法
JP6901953B2 (ja) フィリング用油中水型油脂組成物
JP5729731B2 (ja) サンドクリーム用油脂組成物
JP2016189751A (ja) 新規なロールインマーガリン
JP2016019515A (ja) 即席調理食品用油脂組成物とそれを用いた即席調理食品
JP6430724B2 (ja) 加熱調理用油脂組成物
JP7150397B2 (ja) ホワイトソース用油脂組成物
US8377495B2 (en) Water-in-oil type fat or oil composition and method for producing the same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170327

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20170327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170705

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170719

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6272276

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250