JP2017015742A - 位相変換作用を持つフィルター、レンズ、結像光学系及び撮像システム - Google Patents

位相変換作用を持つフィルター、レンズ、結像光学系及び撮像システム Download PDF

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Abstract

【課題】被写界深度の拡大が可能であり、しかも、良好な点像分布を有するフィルター、レンズ、結像光学系及び撮像システムを提供する。【解決手段】位相分布内に回転成分を含み、かつ、周辺部の位相変換量が中央部に比べて大きい光波面変換素子を用いる。光波面変換素子の色消しはプリズムの色消しと同様に光学分散値の異なる光波面変換素子を組み合わせることで実現する。これらにより、接眼系やコンタクトレンズなどの撮影後の画像処理を行わない用途に於いても被写界深度の広がった良好な画像を得ることが可能となる。【選択図】図21

Description

本発明は、光学系によって作られる実像または虚像の被写界深度を拡張する技術に関する。取り分けWFC(wave-front coding)、EDOF(Extended Depth of Field)技術が適用可能なレンズ、コンタクトレンズ、眼内レンズ、結像光学系、接眼光学系及び撮像システムに関する。
WFC、EDOF技術は、像の明るさを損なうことなく結像光学系の被写界深度を拡張することを目的とした位相フィルターを光学系とともに用いる技術である。(特許文献1、非特許文献1などを参照)
前記位相フィルター分布を記述する位相関数として、直交三次関数、即ち、Cubic Phase Mask (CPM)が提案されている。(非特許文献1)
更に、前記被写界深度拡を更に拡張しようと、位相関数としてa x3 + b y3 + c x2y + d xy2で表される多項式やZernike多項式の一つであるr3 cos(3q)も提案されている。(特許文献4) 加えて、被写界深度拡大性を向上させようと、さまざまな位相関数の試みが報告されている。(非特許文献2から11などを参照)
また、被写界深度を拡張する方法としてレンズ開口を複数の輪帯領域に分割する手法が報告されている。(特許文献5)
また、前記目的の位相フィルター及び光学系が発生させる色収差についての報告もなされている。(非特許文献12、13、14)
前記位相フィルターの機能をコンタクトレンズ、角膜変形処理、眼内レンズに適用しようという提案もなされている。(特許文献2、3)
共役位置に対して前後方向の深度を考慮した深度拡張の報告もなされている。(特許文献6)
インコヒーレント光学系の瞳関数から点像分布を計算する方法は周知の技術である。(非特許文献15)
光学系の球面収差の過剰補正と二線ボケとの関係の報告もされている。(非特許文献16)
プリズムの色消し条件も周知の技術である。(非特許文献17)
米国特許5748371 米国特許6536898 米国特許7025454 特許公開文献WO/1999/057599 特開2009−271537号公報 特開2012−253602号公報
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上記文献リストに示されている位相関数のうち、直交三次関数Cubic Phase Mask (CPM)に似ている関数に対応する点像分布関数 (PSF)も線状に分布する傾向を持ち、位相フィルターの影響を受けた画像は劣化が目立ってしまう。所謂、ボケ形状の悪い、もとの物体にはないパターンを含む画像となってしまう。
レンズ開口を複数の輪帯領域に分割する方法が報告されている(特許文献5)が、レンズ開口内の不連続境界はフレアや迷光の発生原因となり、取り分け画像処理に際して良好な結果を得ることを難しくしてしまう。
位相変化を不連続境界を持たない回転対称な関数とする場合、その点像分布関数(PSF)に輪帯状の集中部を発生させてしまうことがある。
従来に於いて、十分な被写界深度拡張機能を持ちつつ、その点像分布関数 (PSF)が直線状または好ましくないパターンとなることなく、かつ、共役距離に対する前後位置を考慮した位相関数作成の指針は示されていなかった。
位相フィルターに起因する色収差発生を低減するための光学的指針が示されていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、光学系と伴に用いる位相フィルターに於いて、前記光学系によって作成される像の深度を拡大させる機能を持ちつつ、前記光学系により作成される点像分布関数 (PSF)内に直線線状などの不自然な光の集中部を発生させず、同時に、その有効面内に不連続境界を含まない被写界深度拡張位相フィルターを実現する手段を提供することである。
併せて解決しようとする課題は、位相関数を用いる光学系の仕様に応じて関数の設定を変更する指針を提示することである。
更に解決しようとする課題は、位相フィルターが発生する色収差を小さく保つ条件を提示することである。
上記の点像分布関数 (PSF)内に直線線状などの不自然な光の集中部が発生するという課題を解決する手段は、光学系を通過する波面を変化させる位相関数に光軸を中心とした螺旋、円周、または、放射形状の分布、即ち「回転成分」を適宜含ませることである。加えて、開口の周辺領域の位相値幅を中央領域の位相値幅よりも大きくすることで点像分布関数(PSF)の分布をより中心部に集中させることである。
上記の有効面内の不連続境界は、位相分布を造形的に平滑化させることで取り除く。
上記の輪帯状の集中の発生を防ぐための手段は、使用する光学系に本発明で提示する条件を備えた位相フィルターを取り付けた状態の点像分布関数(PSF)を設計時に計算し、輪帯状の集中が見られる場合はこれを回避する位相分布に変更することである。
上記の共役距離に対する前後位置を考慮した位相関数作成を行うために、特許文献6で提示した位相分布と被写界深度拡張の関係を指針とする。
上記の位相フィルターに起因する色収差発生を小さく抑えるために、光学分散値の異なる材質からなる複数の位相フィルターを非特許文献17に提示されている条件を満たすように組み合わせて使用する。
本発明によれば、被写界深度の拡張と同時に好ましくないボケの回避、光ノイズの発生原の回避、及び位相フィルターに起因する色収差を小さく抑えた位相変換作用を持つ位相フィルター、レンズ、結像光学系、及び撮像システムを実現することが可能となる。
撮像システムの全体構成図である。 座標系および瞳関数を説明するための図である。 瞳の中央部と周辺部を通過する光線の様子を示す模式図である。 Cubic Phase Mask (CPM)の位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 CPMに中心点からの距離rを掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 CPMに中心点からの距離rの自乗を掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 CPMに中心点からの距離rの3乗を掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 実施形態群1である一条螺旋位相分布の一例とその点像分布関数(PSF)の図である。 図8の位相分布に中心点からの距離rを掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 図8の位相分布に中心点からの距離rの自乗を掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 図8の位相分布に中心点からの距離rの3乗を掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 図8の位相分布に中心点からの距離rの4乗を掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 図12の旋回量を半分にした位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 中心点からの距離が有効径の0から1/2倍では平面、周辺部は図12と同じ関数にした位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 中心点からの距離が有効径の0から1/2倍では平面、周辺部は図13と同じ関数にした位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 実施形態群2の六条螺旋位相分布の一例とその点像分布関数(PSF)の図である。 図16の位相分布に中心点からの距離rを掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 図16の位相分布に中心点からの距離rの自乗を掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 図16の位相分布に中心点からの距離rの3乗を掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 四条螺旋位相分布の一例とその点像分布関数(PSF)の図である。 中心点からの距離が有効径の0から1/2倍では平面、周辺部は四条螺旋位相分布の一例とその点像分布関数(PSF)の図である。 中心点からの距離が有効径の0から1/3倍では平面、周辺部は四条螺旋位相分布の一例とその点像分布関数(PSF)の図である。 中心点からの距離が有効径の0から1/4倍では平面、周辺部は四条螺旋位相分布の一例とその点像分布関数(PSF)の図である。 図21の旋回回転方向を逆方向とした位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 図21の位相分布に比して旋回量を2倍とした位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 旋回せず、放射形状の位相分布の一例とその点像分布関数(PSF)の図である。 実施形態群3の同心状位相分布の一例とその点像分布関数(PSF)の図である。 図27位相分布に中心点からの距離rを掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。変動周期を微調整してある。 図27の位相分布に中心点からの距離rの自乗を掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。変動周期を微調整してある。 図27の位相分布に中心点からの距離rの3乗を掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。変動周期を微調整してある。 図27の位相分布に中心点からの距離rの4乗を掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。変動周期を微調整してある。 図27の位相分布に近い位相分布に中心点からの距離が有効径の0から1/2倍では平面、周辺部は同心位相分布の一例とその点像分布関数(PSF)の図である。 図32の位相分布に中心点からの距離rを掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。変動周期を微調整してある。 図32の位相分布に中心点からの距離rの自乗を掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。変動周期を微調整してある。 図32の位相分布に中心点からの距離rの3乗を掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。変動周期を微調整してある。 図33の位相分布に中心点からの距離rの4乗を掛けた位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。変動周期を微調整してある。 中心値が極大値である実施形態群3の同心状位相分布の一例とその点像分布関数(PSF)の図である。 図37の位相分布と比して同心円周期が2倍である位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 図37の位相分布と比して同心円周期が3倍である位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 図37の位相分布と比して同心円周期が約4倍である位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 図37の位相分布と比して同心円周期が約8倍である位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。 位相分布を値の範囲で区分分けして、変形する手法の一例を紹介する図である。 位相フィルターに於ける色収差補正の原理を説明する図である。 位相フィルターを接合する様子を説明する図である。 位相フィルターを接眼光学系に用いる様子の一例を示している図である。 位相フィルターを眼球の一部に実現する形態を説明するための図である。
[実施形態]
以下、本発明の実施形態の1つとして、結像光学系を備えた撮像装置を説明する。
先ず、撮像装置の全体構成を説明する。図1は、撮像装置の全体構成を示すブロック図である。図1に示すとおり撮像装置には、結像光学系11、光波面変換素子12、撮像素子、画像処理回路などが備えられる。なを、本発明により形成される被写界深度が拡張された点像分布の形状は良好であるため、前記画像処理回路を用いないで使用することも可能な場合もある。
光波面変換素子12の配置位置は、結像光学系11の内部又はその近傍であることが望ましい。光波面変換素子12には可変光学素子を用いても良い。
点像分布関数(PSF)について説明する。点像分布関数(PSF)は理想点物体の像面上の分布であるが、波動光学的な観点からは「インコヒーレント系で瞳関数をフーリエ変換し、その振幅を自乗したもの」でもあることが知られている。
位相分布を実現する方法について説明する。空間的な位相の変化を実現する方法としては、光学部材の厚さ分布を使う方法、光学部材の厚さ分布を使う方法、及び、前記2方法を同時に使う方法がある。また、空間位相変調素子のような可変光学素子を用いても良い。
光波面変換素子12の実現形態を説明する。光波面変換素子は平面状の部材に限らず、レンズのように、曲面に対して所望の位相分布を追加したものであっても良い。
光波面変換素子の開口に就いて説明する。開口面上の位置を指定する方法には、図2(a)で示す直交座標形式と図2(b)で示す極座標形式とが挙げられる。開口を正面から見た様子を図2(c)に示す。中心部 21と周辺部22とに分けることができる。
光波面変換素子に望ましい開口形状は、取り付けて使用する光学系の開口を遮蔽せず、且つ、開口径が前記光学系と比して大きすぎないものが望ましい。円形の開口を持つ光学系と伴に使用する場合は円形であることが望ましい。円形開口の関数表記例を図2(d)に示す。
位相分布内に不連続部がある場合、不連続部は散乱の原因となるめ画像ノイズの原因となる。ノイズ発生源を避けるために、特異点や不連続境界を持たない関数形状を用いるか、不連続部を滑らかな形状に加工して用いることが望ましい。
位相フィルターに於ける位相値の正負は、検討する位置に光軸と平行に入射する光線の位相を、位相フィルターの光軸位置を通過する光線と比べ、位相が進む場合を正、遅れる場合を負とする。光学部材の厚さのみが位相に作用する場合、光軸部よりも薄い箇所を通る光線は位相に正の増加を受け、光軸部よりも厚い箇所を通る光線は位相に負の減少を受ける。光学部材の屈折率分布のみが位相に作用する場合、光軸部よりも低い屈折率からなる箇所を通る光線は位相に正の増加を受け、光軸部よりも高い屈折率からなる箇所を通る光線は位相に負の減少を受ける。
領域としての位相値を比較する方法として様々な方法が考えられる。幾つか例を挙げると、設定した基準値との大小を面積で積分した値での比較、平均値と分散値の比較、それぞれの境域内の最大値から最小値を引いた差の比較などが挙げられる。
瞳面内に於いて、中心部とは光軸を含む光軸近傍領域を指し、中央部とは、図3に於いて光線32が通過している「中心部を含む瞳中央部分」。周辺部とは、図3に於いて光線31が通過している、「中央部を取り囲む部分」である。
図3からも分かるように、結像光学系に於いて開口中心に近い部分を通過する光線群が形成する画像は、開口周辺部を通過する光線群と比べてより広い被写界深度を有している。従って、被写界深度に及ぼす影響は開口周辺部を通過する光線の方が大きい。更に、円形開口の場合面積に於いても中心部に比べて周辺部の寄与が大きい。
以下、位相分布の設計手法を説明する。位相分布の設計に於いて関数を用いる手法の利点は、製造の全ての行程に渡って一義的な形状を共有することができる点、製造する前に結像性能を計算によって知ることができる点、使用する材質を変更する必要性が生じた場合いの設計変更が簡単に行える点、色消し条件を満たす形状の寸法の計算が簡単に行える点、及び、スケールを変えた同形状分布部品の作成も極めて容易にできる点が挙げられる。
位相分布の設計に於いてCADなどでの造形手段を使用する手法の利点は、単一の関数で記述できない形状や、特異点、不連続境界を持つ分布を容易に修正して不連続部を含まない滑らかな形状とすることができる点、既存の分布を修正した分布の作成を容易に行うことができる点が挙げられる。従って、CADなどでの造形手段を使用する手法は関数を接続した分布や数式での作成が難しい分布を作成する場合に有効である。
[事例の比較]
以下、位相分布のパターン事例を挙げ、それらの違いを述べる。
[各事例に共通する計算条件]
以下に示す位相関数グラフは、各自間の違いを識別し易くするために底面が正方形である立体グラフ表示をするが、PSFの計算時には図2(d)の円形開口係数を掛けて計算したものである。
[比較計算例]
先ず、以後提示する様々な位相分布に対する比較計算例としてx3+y3の成分を有する位相関数例とそのPSF計算結果を示す。(瞳関数の位相分布を図4(a), PSFを図4(b))
これに原点からの距離、即ち半径の長さrを掛けた位相分布を図5(a), PSFを図5(b)に示す。
これに原点からの距離、即ち半径の長さrの2乗を掛けた位相分布を図6(a), PSFを図6(b)に示す。
これに原点からの距離、即ち半径の長さrの3乗を掛けた位相分布を図7(a), PSFを図7(b)に示す。
[実施形態群]
本発明の実施形態を3群に分けて提示するが、どの群もその位相分布形状に「回転成分」を含む。
この「回転成分」を含む理由は、PSFの分布に直線状のものが発生することを防ぐためである。
実施形態群1を用いて、一条の螺旋形状を含む位相分布を紹介する。螺旋分布とは、分布の半径方向の極大値をつないだ線、半径方向の極小値をつないだ線、または隣接する等値部をつないだ線が螺旋となる分布のことを指す。
螺旋形状を用いる利点は深度分布の設計を特許文献6で示した指針に基づいて行えるとともに、この深度分布の設計とは独立にPSF形状の設計を行うことが可能となる点である。
図8(a)は、螺旋状であってその極大値は中心からの距離、即ち、半径が変わっても一定、中心から計った極大値間の距離、即ち、螺旋幅も一定である一条螺旋分布の例、図8(b)はそのPSFである。
図9(a)は、図8の位相分布に中心点からの距離rを掛けた位相分布。図9(b)は、その点像分布関数(PSF)の図である。
図10(a)は、図8の位相分布に中心点からの距離の長さrの2乗を掛けた位相分布。図10(b)は、その点像分布関数(PSF)の図である。
図11(a)は、図8の位相分布に中心点からの距離の長さrの3乗を掛けた位相分布。図11(b)は、その点像分布関数(PSF)の図である。
図12(a)は、図8の位相分布に中心点からの距離の長さrの4乗を掛けた位相分布。図12(b)は、その点像分布関数(PSF)の図である。
実施形態群1の図8から12を比較することによりrの次数の変化によるPSF形状の変化を知ることができる。実施形態群1の事例は「回転成分」を含み、比較形態群と比してrの次数の変化によるPSFの中心部への集中度合いが大きい事が分かる。被写界深度拡張と位相関数の次数に関しては特許文献6で述べられている。
図13(a)は図12(a)の旋回量を半分にした位相分布、図13(b)はそのPSFである。
図14(a)は図13(a)の中心点からの距離が有効径の0から1/2倍では平面、周辺部は図13(a)と同じ関数にした位相分布、図14(b)はそのPSFである。
図15(a)は図12(a)の中心点からの距離が有効径の0から1/2倍では平面、周辺部は図12(a)と同じ関数にした位相分布、図15(b)はそのPSFである。
実施形態群1の中の図12と図13、及び、図14と図15の比較により一条螺旋分布に於ける旋回量とPSFの関係を知ることができる。旋回量が大きくなる程、PSFの形状は同心に近い形状となっていく。
実施形態群1の中の図12と図15、及び、図13と図14の比較により一条螺旋分布に於ける中央平坦部の存在とPSFの関係を知ることができる。中心平坦部が存在すると、PSFの中心への集中度合いが高まる。
実施形態群2を用いて、放射・多条螺旋形状の位相分布を紹介する。
図16(a)は六条の螺旋位相分布の一例、図16(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。
図17(a)は図16の位相分布に中心点からの距離rを掛けた位相分布、図17(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。
図18(a)は図16の位相分布に中心点からの距離rの自乗を掛けた位相分布、図18(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。
図19(a)は図16の位相分布に中心点からの距離rの3乗を掛けた位相分布、図19(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。
実施形態群2の中の図16から図19の比較により多条螺旋形状の位相分布に於けるrの次数の変化によるPSF形状の変化を知ることができる。実施形態群2の事例は「回転成分」または「回転対称成分」を含み、比較形態群と比してrの次数の変化によるPSFの中心部への集中度合いが大きい事が分かる。被写界深度拡張と位相関数の次数に関しては特許文献6で述べられている。
図20(a)は四条の螺旋位相分布の一例、図20(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。
図10、図17、及び、図20を比較することにより螺旋分布に於いて条数が変化するときのPSFの変化を知ることができる。条数が多くなる程、より少ない旋回量でもPSFは回転対称に近くなる。
図21(a)は図16(a)の中心点からの距離が有効径の0から1/2倍では平面、周辺部は図16(a)と同じ関数にした位相分布、図21(b)はそのPSFである。
図22(a)は図16(a)の中心点からの距離が有効径の0から1/3倍では平面、周辺部は図16(a)と同じ関数にした位相分布、図22(b)はそのPSFである。
図23(a)は図16(a)の中心点からの距離が有効径の0から1/4倍では平面、周辺部は図16(a)と同じ関数にした位相分布、図23(b)はそのPSFである。
図24(a)は図21(a)の旋回回転方向を逆方向とした位相分布、図24(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。
図25(a)は図21(a)の位相分布に比して旋回量を2倍とした位相分布、図25(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。
図26(a)は旋回しない六条位相分布の例である。中心点からの距離が有効径の0から1/2倍では平面、周辺部に正の位相変換領域と負の位相変換領域を有する1/6回転の回転対称性を有し、位相変化量は中心点からの距離rに比例して増加している。図26(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。
実施形態群3を用いて、同心状の位相分布を紹介する。「同心状」とは、中心の周りに角度を任意量回転させても同形状になることを意味する。
同心状の位相フィルターを用いる場合、同時に使用する光学系との合成PSFに於いて、「円環状の集中」を発生させる危険性を有する。この「円環状の集中」は二線ボケの原因となる。
図27(a)は中心から半径方向に行くにつれて位相分布が正弦状に変化する同心状位相分布、図27(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。
図28(a)は図27(a)に中心点からの距離rを掛けた位相分布、図28(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。正弦の周期を微調整してある。
図29(a)は図27(a)に中心点からの距離rの自乗を掛けた位相分布、図29(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。正弦の周期を微調整してある。
図30(a)は図27(a)に中心点からの距離rの3乗を掛けた位相分布、図30(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。正弦の周期を微調整してある。
図31(a)は図27(a)に中心点からの距離rの4乗を掛けた位相分布、図31(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。正弦の周期を微調整してある。
実施形態群3の中の図27から図31の比較により同心状位相分布に於けるrの次数の変化によるPSF形状の変化を知ることができる。実施形態群3の事例は「回転成分」を含み、比較形態群と比してrの次数の変化によるPSFの中心部への集中度合いが大きい事が分かる。被写界深度拡張と位相関数の次数に関しては特許文献6で述べられている。
図32(a)は中心点からの距離が有効径の0から1/2倍では平面、周辺部は半径方向に位相分布が正弦状に変化する同心状位相分布、図32(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。
図33(a)は図32(a)に中心点からの距離rを掛けた位相分布、図33(b)そのは点像分布関数(PSF)の図である。変動周期を微調整してある。
図34(a)は図32(a)に中心点からの距離rの自乗を掛けた位相分布、図34(b)そのは点像分布関数(PSF)の図である。変動周期を微調整してある。
図35(a)は図32(a)に中心点からの距離rの3乗を掛けた位相分布、図35(b)そのは点像分布関数(PSF)の図である。変動周期を微調整してある。
図36(a)は図32(a)に半径rの4乗を掛けた位相分布、図36(b)そのは点像分布関数(PSF)の図である。変動周期を微調整してある。
実施形態群3の中の図32から図36の比較により中央に平面部を持つ同心状位相分布に於けるrの次数の変化によるPSF形状の変化を知ることができる。実施形態群3の事例は「回転成分」を含み、比較形態群と比してrの次数の変化によるPSFの中心部への集中度合いが大きい事が分かる。被写界深度拡張と位相関数の次数に関しては特許文献6で述べられている。
図37(a)は中心から半径方向に行くにつれて位相分布が余弦状に変化する同心状位相分布、図37(b)はその点像分布関数(PSF)の図である。
図38(a)は図37(a)の位相分布と比して同心円周期が2倍である位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。
図39(a)は図37(a)の位相分布と比して同心円周期が3倍である位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。
図40(a)は図37(a)の位相分布と比して同心円周期が約4倍である位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。
図41(a)は図37(a)の位相分布と比して同心円周期が8倍である位相分布とその点像分布関数(PSF)の図である。
実施形態群3の中の図37から図41の比較により同心状余弦位相分布に於けるrの次数の変化によるPSF形状の変化を知ることができる。実施形態群3の事例は「回転成分」を含み、比較形態群と比してrの次数の変化によるPSFの中心部への集中度合いが大きい事が分かる。被写界深度拡張と位相関数の次数に関しては特許文献6で述べられている。
[位相分布設計値の変更方法]
図42は位相分布を値の範囲で区分分けして変形する手法の一例を紹介する図である。 図42(a)は変形を行う前の位相分布を表し、図42(b)は変形を行った後の位相分布を表している。位相分布に対して変更を加える部分は421、変更を加えない部分は422である。421の各部に対して一定の係数を掛けることにより位相分布形状が423のように変形されている。この手法は、撮影系の被写界深度の設計に於いて、光学系の合焦距離よりも近い方向の被写界深度と遠い方向の被写界深度を分けて設定する場合などに有用なものである。なを、変形後の領域423と変更を施さない領域422との接続部に於いて不連続が発生しないように分布形状の微調整を行うことが好ましい。
[色収差補正原理]
図43は、位相フィルターに於ける色収差補正の原理を説明する図である。位相フィルターの色収差補正に当たっては、プリズムやレンズに於ける色消しと同様に、頂角及び材質の光学分散値の異なる部品を組み合わせる手法が適用可能である。主たるプリズムの頂角をσ1色収差補正のためのプリズムの頂角をσ2とし、主たるプリズムの光学分散値をν1プリズムの部分分散をdn1色収差補正のためのプリズムの頂角をσ2とするとき、σ1ε / dn112), σ2ε / dn212)の条件を満たすことが望ましい(非特許文献17、13-8式) 。位相フィルターに於いては位相変動成分の変動幅をプリズムの頂角に対応するものとみなし色消し条件とする。また、プリズムやレンズに於ける色消しと同様に、組み合わせる部品数は3部品以上であっても構わない。
図44は、位相フィルターを接合する様子を説明する図である。互いに対応する部分の凹凸が逆に近い形状の部材を接着剤を介して接合している。接合に当たって泡などの混入を減らすためには、同心状の形状よりも、螺旋または放射状の形状が有効である。 また、この時、隣接する材質の屈折率差が0.5以上になると接合境界での反射率が高くなりすぎてしまう。
図45は、本発明を接眼光学系に用いる様子の一例を示している図である。接眼光学系に入射する空中像451、前側レンズ部452、光波面変換素子453、後側レンズ部454、アイポイント455が配置されている。本発明により点像分布関数(PSF)に直線などの不自然な形を含まないようになれば、図1のpost processingを伴わない光学系に於いても被写界深度が広がった画像を使用することが可能である。
図46は、本発明を、コンタクトレンズ、角膜加工、または眼内レンズに適用する形態を表す。本発明の位相変換作用を有するコンタクトレンズを角膜461に取り付けることにより、眼球レンズ462の被写界深度を拡張することが可能である。また、角膜自体に本発明の位相変換機能を持つような加工を施しても眼球レンズ462の被写界深度を拡張することが可能である。更に、眼内レンズ463に対して本発明の位相変換機能を持たせることにより被写界深度を拡張することが可能である。本発明により点像分布関数(PSF)に直線などの不自然な形を含まないようになれば、図1のpost processingを伴わない使用法に於いても被写界深度が広がった画像を得ることができる。
各実施形態群で示した位相分布を、単一の光学面上でのみ形成する必要はなく、分布成分を複数の光学面に分割して形成することで部品加工を容易にすることや多種の光学系に対して共通部品を流用することが可能となる。
本発明の光波面変換素子は、屈折面だけに用いることに限定されるものではなく、反射面、部分透過面、回折面に於いて用いても良い。
11…結像光学系、12…光波面変換素子、21…開口中心部、22…開口周辺部、31…開口周辺部を通過する光線、32…開口中心部を通過する光線、421…位相分布に対して変更を加える部分、422…位相分布に対して変更を加えない部分、423…変形された位相分布、431…主たるプリズム、432…色収差補正のためのプリズム、451…接眼光学系に入射する空中像、452…前側レンズ部、453…光波面変換素子、454…後側レンズ部、455…アイポイント、461…角膜、462…眼球レンズ、463…眼内レンズ

Claims (15)

  1. 結像光学系と伴に用いる位相フィルターであって、前記結像光学系の近傍または内部に配置され、前記光学系による波面の位相を空間的に変調することにより、前記光学系が作成する像の深度を拡げる作用をし、前記位相分布内に不連続点、不連続境界線及び不連続領域を含まず、有効面内の周辺領域の位相値幅が中央領域の位相値幅よりも大きく、その周辺領域に於いて位相を正方向に変換させる部分と負方向に変換させる部分を少なくともそれぞれ1つ以上有し、前記周辺領域において前記位相を正方向に変換させる部分及び前記位相を負方向に変換させる部分に於ける位相変化量は周辺部へ行く程大きくなる部分を有し、周辺部の位相変換量の分布において螺旋部分を含むもの。
  2. 結像光学系と伴に用いる位相フィルターであって、前記結像光学系の近傍または内部に配置され、前記光学系による波面の位相を空間的に変調することにより、前記光学系が作成する像の深度を拡げる作用をし、前記位相分布内に不連続点、不連続境界線及び不連続領域を含まず、有効面内の周辺領域の位相値幅が中央領域の位相値幅よりも大きく、その周辺領域に於いて位相を正方向に変換させる部分と負方向に変換させる部分を少なくともそれぞれ1つ以上有し、前記周辺領域において前記位相を正方向に変換させる部分及び前記位相を負方向に変換させる部分に於ける位相変化量は周辺部へ行く程大きくなる部分を有し、周辺部の位相変換量の分布に於いて同心形である部分を含むもの。
  3. 結像光学系と伴に用いる位相フィルターであって、前記結像光学系の近傍または内部に配置され、前記光学系による波面の位相を空間的に変調することにより、前記光学系が作成する像の深度を拡げる作用をし、前記位相分布内に不連続点、不連続境界線及び不連続領域を含まず、有効面内の周辺領域の位相値幅が中央領域の位相値幅よりも大きく、その周辺領域に於いて位相を正方向に変換させる部分と負方向に変換させる部分を少なくともそれぞれ1つ以上有し、前記周辺領域において前記位相を正方向に変換させる部分及び前記位相を負方向に変換させる部分に於ける位相変化量は周辺部へ行く程大きくなる部分を有し、周辺部の位相変換量の分布に於いて放射状の形を含むもの。
  4. 結像光学系と伴に用いる位相フィルターであって、前記結像光学系の近傍または内部に配置され、前記光学系による波面の位相を空間的に変調することにより、前記光学系が作成する像の深度を拡げる作用をし、前記位相分布内に不連続点、不連続境界線及び不連続領域を含まず、有効面内の周辺領域の位相値幅が中央領域の位相値幅よりも大きく、その周辺領域に於いて位相を正方向に変換させる部分と負方向に変換させる部分を少なくともそれぞれ1つ以上有し、前記周辺領域において前記位相を正方向に変換させる部分及び前記位相を負方向に変換させる部分に於ける位相変化量は周辺部へ行く程大きくなる部分を有し、位相分布形状はほぼ回転対称であって、前記位相分布形状が半径方向に少なくとも1つの極大輪帯領域または少なくとも1つの極小輪帯領域を有し、周辺領域の位相値幅が中央領域の位相値幅よりも大きいもの。
  5. 結像光学系と伴に用いる位相フィルターであって、前記結像光学系の近傍または内部に配置され、前記光学系による波面の位相を空間的に変調することにより、前記光学系が作成する像の深度を拡げる作用をし、前記位相分布内に不連続点、不連続境界線及び不連続領域を含まず、有効面内の周辺領域の位相値幅が中央領域の位相値幅よりも大きく、その周辺領域に於いて位相を正方向に変換させる部分と負方向に変換させる部分を少なくともそれぞれ1つ以上有し、前記周辺領域において前記位相を正方向に変換させる部分及び前記位相を負方向に変換させる部分に於ける位相変化量は周辺部へ行く程大きくなる部分を有し、少なくとも2枚の位相フィルターを互いに近い位置に配置し、前記位相フィルターの材質の光学分散値は少なくとも2種以上のもので構成され、前記位相フィルターの少なくとも1枚の位相変化量は他の位相フィルターに対して逆符号の相似分布を有するもの。
  6. 請求項5に於いて、隣接する位相フィルターの間に透明媒質を配置していて、前記透明媒質の屈折率は前記隣接する位相フィルターとの差に於いて0.5以下であるもの。
  7. 請求項5に於いて、各位相フィルターの位相変換量の変動幅と分散値とが。プリズムの色消し条件をほぼ満たすもの。
  8. 請求項1から7に於いて、中央部に位相変化量が定数である領域を含むもの。
  9. 請求項 1から8に於いて、位相変換量分布を可変光学素子を用いて変化させるもの。
  10. 請求項 1から9 に於いて、位相変換作用を異なる部品上で実現するもの。
  11. 光学レンズ要素であって、前記結像光学系の一箇所または複数箇所に配置され、前記結像光学系による波面の位相を空間的に変調する部分を有し、この変調部の作用により前記結像光学系が作成する像の深度を拡げる機能を持ち、このレンズが請求項1から11の少なくとも一つの特徴を有するもの。
  12. 請求項11のレンズであって、眼球近傍または眼球内に配置して用いるもの。
  13. 結像光学系であって、前記結像光学系内に少なくとも1つの請求項1から11の特徴を有する部品を含むもの。
  14. 接眼光学系であって、前記接眼光学系内に少なくとも1つの請求項1から10の特徴を有する部品を含むもの。
  15. 撮像システムであって、その光学系に少なくとも一つの被写界深度を拡張するための位相変換部品を含み、撮影された画像に対して前記光学系の点像分布関数を用いて周波数空間に於ける演算処理を行い、前記位相変換部品は、少なくとも一つの請求項1から10の特徴を有する部品を含むもの。
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