JP2007292468A - 位相特異点検出方法、及び、位相特異点検出装置、並びに、プログラム - Google Patents

位相特異点検出方法、及び、位相特異点検出装置、並びに、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画像強度情報から位相特異点を検出する位相特異点検出方法、及び、位相特異点検出装置、並びに、プログラムに関し、画像の1画素以下の精度で位相特異点の位置を決定できる位相特異点検出方法、及び、位相特異点検出装置、並びに、プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、画像強度情報から位相特異点を検出する位相特異点検出方法であって、画像の強度情報から擬似位相情報を抽出する擬似位相情報抽出手順と、擬似位相情報抽出手順で抽出された擬似位相情報から擬似位相情報の1画素の分解能で位相特異点の位置を特定する位相特異点特定手順と、位相特異点特定手順で特定された位相特異点近傍の擬似位相情報を補間し、その補間結果に基づいて位相特異点の位置を決定する位相特異点決定手順とを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は位相特異点検出方法、及び、位相特異点検出装置、並びに、プログラムに係り、特に、画像強度情報から位相特異点を検出する位相特異点検出方法、及び、位相特異点検出装置、並びに、プログラムに関する。
レーザースペックルパターンやランダムドットパターンなどのように空間的にランダムな構造をもつパターンやテクスチャを指標として物体の微小変位を非接触で計測する技術は非破壊検査や材料強度試験など産業応用上の重要な位置を占めている。
従来、ランダムな構造をもつ空間パターンの変位の検出は以下のような方法によって行われてきた。パターンやテクスチャを用いて微小変位を検出する際の信号処理技術として相関法が知られている。
図19は相関法の動作を説明するため図を示す。
相関法を用いて変位を検出する場合、図19(A)に矢印で示すように場の変位が位置により異なるときには図19(B)に示すように各領域に分けて計算する必要があり、各点での相関値を決定するごとに2次元相関積分計算または2次元フーリエ変換・逆変換を行う必要があったため、1ピクセル以下での変位検出の分解能を上げようとしてピクセル内部での相関値の計算点数を増やすと計算時間が膨大になっていた。なお、位相情報を利用する相関関数の計算方法としては、位相限定相関法が知られている(特許文献1参照)。
この相関法は、複素関数である合成スペクトルの振幅を一定化又は対数関数等により抑制し、位相情報のみからなる振幅限定複素合成スペクトルを作成してこれをフーリエ逆変換して相互相関関数を求めるものである。
変位を与える前後で2つのパターンの光強度分布をカメラで記録して、その強度分布の空間信号領域で相互相関関数を直接計算してそのピーク位置より変位の方向と変位量を求める。あるいは、これと数学的にまったく同等な処理を空間周波数領域でおこなう。すなわち、変位前後の2つの空間パターンをそれぞれフーリエ変換して得られる空間周波数スペクトルの一方の複素共役をとり他方に掛け合わせた合成スペクトルをつくり、それをフーリエ逆変換して相互相関関数を求める。
これらの相関関数は基本的に空間パターンの強度分布そのものから直接計算された強度相関関数であるので、光強度を検出するカメラの感度の非線形特性や量子ノイズの影響を受けやすいという難点がある。
一般に通信理論では信号の強度情報よりは位相情報のほうが検出器の非線形特性や量子化ノイズに強いことが知られている。このことは,相関関数の計算に強度情報を直接用いる従来の相関関数の代わりに、信号の位相情報を利用すれば変位検出装置の性能を向上させることができる。位相情報を利用した計算法として相関法が知られている。相関法は各点での相関値を決定するごとに2次元相関積分計算または2次元フーリエ変換・逆変換を必要とするため、1ピクセル以下での変位検出の分解能を上げようとしてピクセル内部での相関値の計算点数を増やすと計算時間が膨大になっていた。
特許第3035654号
しかるに、従来の位相特異点は、画像の1画素単位で決定されていたため、変位前後の画像の1画素以下の微小変位を検出することができなかった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、画像の1画素以下の精度で位相特異点の位置を決定できる位相特異点検出方法、及び、位相特異点検出装置、並びに、プログラムを提供することを目的とする。
本発明は、画像強度情報から位相特異点を検出する位相特異点検出方法であって、画像の強度情報から擬似位相情報を抽出する擬似位相情報抽出手順と、擬似位相情報抽出手順で抽出された擬似位相情報から擬似位相情報の1画素の分解能で位相特異点の位置を特定する位相特異点特定手順と、位相特異点特定手順で特定された位相特異点近傍の擬似位相情報を補間し、その補間結果に基づいて位相特異点の位置を決定する位相特異点決定手順とを有することを特徴とする。
また、位相特異点特定手順は、擬似位相情報のうち周囲の閉経路上の位相勾配の積分が+−2πの整数倍となる点を位相特異点の位置として特定することを特徴とする。
位相特異点決定手順は、位相特異点特定手順で特定された位相特異点周辺の擬似位相情報の実部と虚部とを各々線形補間し、その交点を位相特異点として決定することを特徴とする。
さらに、擬似位相情報抽出手順は、画像強度情報をフーリエ変換するフーリエ変換手順と、フーリエ変換手順で変換された空間周波数スペクトルに対してその複素共役対称性を崩すようなフィルタをかけるフィルタリング手順と、フィルタリング手順でフィルタリングされた信号をフーリエ逆変換するフーリエ逆変換手順とを有することを特徴とする。
フィルタリング手順は、中心に位相特異点をもち、その周囲で位相が(−π、π]となるらせん状に位相特定を持つフィルタを乗じることを特徴とする。
フィルタは、ラゲールガウスフィルタであることを特徴とする。
本発明によれば、画像の強度情報から擬似位相情報を抽出し、抽出された擬似位相情報から擬似位相情報の1画素の分解能で位相特異点の位置を決定し、決定された位相特異点近傍の擬似位相情報を補間して、位相特異点を決定することにより、擬似位相情報の1画素以下の分解能で位相特異点を決定することができ、よって、精度よく位相特異点を決定できる。これによって、画像の位置決めを精度よく行うことが可能となる。
本実施例では、本発明の位相特異点検出方法を用いた変位検出装置について説明する。
〔システム構成〕
図1は本発明の一実施例のシステム構成図を示す。
本実施例の変位検出装置101は、画像検出部111及び信号処理部112から構成されている。
画像検出部111は、光源121及び撮像装置122から構成されている。画像検出部111は、光源121から測定対象102に光を照射し、撮像装置122により測定対象102の表面画像を撮像する。
画像検出部111で撮像された画像は、信号処理部112に供給される。信号処理部112は、例えば、コンピュータシステムであり、フレームメモリ131、処理部132、フーリエ変換部133、ROM134、ハードディスクドライブ135、ディスプレイ136,入力装置137から構成されている。
フレームメモリ131は、画像検出部111からの画像をフレーム毎に記憶する。処理部132は、ハードディスクドライブ135に予めインストールされた変位検出プログラムに基づいて測定対象102の微小変位を検出するための処理を実行する。
フーリエ変換部133は、画像検出部111で撮像された画像に対してフーリエ変換を行う部分である。メモリ134は、処理部132の作業用記憶領域として用いられる。ハードディスクドライブ135は、変位検出プログラムや画像検出部111で検出された画像データ、あるいは、変位検出プログラムでの途中結果、変位検出結果などのデータが記憶される。
ディスプレイ136は、LCD、CRTなどから構成されており、画像、変換画像、途中結果、変位検出結果などの処理部132での処理結果を表示する。入力装置137は、キーボード、マウスなどから構成されており、データ入力や各種コマンドの入力するために用いられる。
本実施例の変位検出装置101は、予めハードディスクドライブ135にインストールされた変位検出プログラムに基づいて測定対象102から取得した画像の変位を検出する。
〔変位検出プログラム〕
図2は変位検出プログラムの処理フローチャートを示す。
処理部132は、変位検出プログラムに従って、まず、ステップS1−1で対象画像をハードディスクドライブ135からメモリ134などに読み出す。
次に処理部132は、ステップS1−2で対象画像データから位相特異点を取得する。
なお、位相特異点とは、その点を囲む閉経路上の位相勾配の積分が+−2πの整数倍となる点であり、複素数の実部と虚部が共に0となる点である。ランダムなスペックルの波動場には、スペックル斑点の数に比例する多数の位相特異点が存在する。
次に処理部132は、ステップS1−3で変位前後の画像の位相特異点の位置から画像の変位を検出する。
〔位相特異点取得処理〕
次にステップS1−2の位相特異点取得処理について説明する。
図3は位相特異点取得処理の処理フローチャート、図4は位相特異点取得処理の動作説明図を示す。
ステップS1−3の位相特異点取得処理は、取得した画像の強度信号を2次元高速フーリエ変換し、フーリエ変換された信号の複素共役の対称性を崩すようなフィルタリング処理を行い、擬似位相情報を取得し、取得した擬似位相情報に基づいて位相特異点を取得する処理である。
処理部132は、まず、ステップS2−1で前処理を行う。ステップS2−1の前処理は、対象画像の全体の強度情報の平均値を求め、求めた全体画像の強度情報の平均値を対象画像の強度情報から減算する処理を行う処理であり、この処理によって、画像データ強度情報中の直流成分が除去される。直流成分が除去されることにより、位相特異点が強調される。
次に、処理部132は、ステップS2−2でフーリエ変換部133を制御して、強度情報に対して2次元高速フーリエ変換を行い、空間周波数スペクトルを得る。
例えば、図4において、画像検出部111で得られた物体のテクスチャの強度情報211を
とする。この強度情報を2次元フーリエ変換することにより、空間周波数スペクトル
を求めることができる。なお、図4において212は空間周波数スペクトルの振幅分布、213は位相分布を示している。空間周波数スペクトルは、実部のみをもつ強度情報をフーリエ変換したものなので、周波数原点に対して複素共役の対称性、すなわちエルミート対称性をもつ。
そこで、処理部132は、ステップS2−3で実部を基に虚部を作り出して複素解析信号を得るために、図4に221〜225で示すような特性を持ち、周波数領域上の複素共役の対称性を崩すようなフィルタリング処理を行う。
フィルタリング処理では、例えば、ヒルベルト変換、スパイラル位相フィルタ、LG(ラゲールガウス)フィルタなどが用いられる。
なお、図4において221はヒルベルト変換の振幅分布、222はスパイラル位相フィルタの位相分布、224はLGフィルタの振幅分布、225はLGフィルタの位相分布を示している。
〔ヒルベルト変換〕
ヒルベルト変換について説明する。
図5はヒルベルト変換の位相構造図を示す。
ヒルベルト変換は、正の周波数領域だけを通して実部から虚部を作り出し解析信号を得る変換nであり、
で表せる。
ヒルベルト変換の位相構造は、一点鎖線と二点鎖線の断面が中心を対称に負の成分を0に正の成分を1にしており、負と正の境界線上の二点鎖線ではヒルベルト変換が行われない構造となっている。
また、左図に示した長方形のフィルタ透過周波数域の形状からわかるようにx方向の周波数帯域幅とy方向の帯域幅が異なるため計測分解能に差が生じる。したがって、ヒルベルト変換ではフィルタ特性が非等方性となる。
〔スパイラル位相フィルタ〕
図6、図7はスパイラル位相フィルタの位相構造図を示す。
スパイラルフェイズフィルタは、
で表せる。
スパイラル位相フィルタは、図6(A)に示すように渦状の位相構造をしており、図6(B)、(C)、(D)に示すようにその断面は中心を通るどの直線で切っても位相をπだけずらす操作が与えられる。したがって、スパイラル位相フィルタによって、ヒルベルト変換の境界上での非等方性と周波数透過帯域幅の非等方性の問題が解決されることになる。
一方、スパイラル位相フィルタは、位相特異点の存在する中心点において不連続性が生じている。図7に示すようにスパイラル位相フィルタは、実部の中心点である点A、B、虚部の虚部の中心である点A’、B’を見ると中心点において不連続になっていることが確認できる。この不連続な部分はノイズの要因となる。
〔ラゲールガウス(LG)フィルタ〕
図8、図9はラゲージガウスの位相構造を示す図である。
ラゲールガウスは図8(C)、図8(D)に示すように中心に位相特異点をもつようならせん状の位相構造を有しており、図8(A)、(B)に示すような位相特異点を中心としたドーナツ状の強度分布をもつ関数であり、中心を対称に複素共役を位相上でπだけずらし,ドーナツ状の振幅透過率分布をしている。
LGフィルタは、
で表せる。
ラゲールガウスフィルタは、図8、図9に示すように中心点での不連続性の問題が解消されていることが分かる。
よって、ラゲールガウスフィルタは実部から虚部を作り出して解析信号を得るためのフィルタとして利用でき、従来の解析信号を得る方法であるヒルベルト変換や強度は一定でラゲールガウスフィルタと同じらせん状の位相構造を持つスパイラルフェイズフィルタに代わる手法として考えられる。
なお、ラゲールガウスフィルタは、図9に示すように位相特異点の存在する中心点において連続で滑らかな構造であるため、ノイズ成分となる直流成分を除去できる。また、ラゲールガウスフィルタ自身がローパスフィルタの役割を果たすので,信号成分の集中する低周波数成分を強調してノイズ成分を多く含む高周波数成分を除去することができる。
なお、本実施例において、LGフィルタを用いることにより単に解析信号を得るだけでなく、解析信号を得る操作の中でステップS2−1での前処理段階における強度情報から直流成分を引く操作を省くことができる。また、信号成分が多く含まれる低周波数成分を強調し、ノイズ成分を多く含む高周波成分を除去することができる。これによって、SN比がよくなり、計測の精度を上げることができる。
さらに、本実施例ではランダムなパターンの強度情報を用いて解析を行っており、測定対象102の構造などによってスペックという丸い斑点のようなパターンが多数存在することになる。このスペックルは、本実施例で指標としている位相特異点に対応関係がある。
なお、このスペックルのサイズによりフーリエ変換したときの周波数領域に位相特異点の情報を多く含む周波数が変わる。例えば、スペックルのサイズが小さいと位相特異点の情報を含む周波数成分は高くなり、逆にサイズが大きいと位相特異点の情報を含む周波数成分は低くなる。つまり、位相特異点の情報を高精度に求めるにはドーナツ状の強度分布をもつLGフィルタが最適であり、ドーナツ状のサイズをスペックルのサイズに合わせて調節することにより、より位相特異点の情報を高精度に求めることができる。一方、ローパスフィルタでは、低周波数成分を強調し、位相特異点の情報をうまく取り出すことができない。
以上のように、本実施例における解析信号の生成過程ではLGフィルタを用いることが最適となる。
なお、221、223に示すようなヒルベルト変換またはスパイラル位相フィルタをかけても同種の解析信号を得ることはできるが、ヒルベルト変換またはスパイラル位相フィルタを使うためには予め直流成分を除去しておかなければならない。
処理部132は、ステップS2−4でフィルタをかけた空間周波数スペクトルをフーリエ逆変換して複素解析信号
を得る。なお、図4において216はフーリエ逆変換後の振幅分布、217はフーリエ逆変換後の位相特性を示している。
図10は位相特異点取得処理の動作説明図を示す。図10(A)はフーリエ逆変換後の振幅分布を拡大したものであり、図10(B)は図10(A)の所定の部分を更に拡大したものである。
この複素解析信号の擬似位相情報から図10(B)に示すような位相特異点Pを取得することができる。
次に処理部132は、ステップS2−5で位相特異点の位置を1ピクセルより小さい分解能であるサブピクセルの分解能で決定する処理を行う。
図11、図12、図13は位相特異点の位置をサブピクセルで決定する動作を説明するための図を示す。
図11(A)は擬似位相情報、図11(B)は位相特異点周辺画素の拡大図、図11(C)は実部、図11(D)は虚部を示している。また、図12(A)は位相特異点近傍の擬似位相情報、図12(B)は位相特異点近傍の擬似位相情報の虚部、図12(C)は位相特異点近傍の擬似位相情報の実部、図12(D)は位相特異点近傍の擬似位相情報を直線補間したもの、図12(E)は位相特異点近傍の擬似位相情報の虚部を直線補間したもの、図12(F)は位相特異点近傍の擬似位相情報の実部を直線補間したものを示している。
擬似位相情報は(-π,π)までの値をとり、図11、図12において黒から白になるにしたがって値が大きくなる。
位相特異点Pは、その点を囲む閉経路上の位相勾配の積分が±2πの整数倍になり、また、複素数の実部と虚部が共にゼロとなるという性質を持っている。
図11(B)、図12(C)に示すような互いに隣接しあう4画素を結ぶ正方形閉経路に対して位相勾配の積分が±2πの整数倍になるという性質を用いて位相特異点の存在している位置を決定していた。このため、1ピクセル以上の分解能をもって位相特異点の位置を決定することができない。
本実施例では、複素数の実部と虚部が共にゼロとなるという性質を用いて1ピクセルの分解能より小さいサブピクセルの分解能で位相特異点の位置を決定するようにしている。本実施例では、図12(B)、図12(C)に示す特異点近傍の離散化された実部と虚部を平面で線形補間することにより図12(E)、図12(F)に示すように実部及び虚部を共に滑らかな構造として、実部がゼロとなる線分Lre0、虚部がゼロとなる線分Lim0を求める。図12(D)に示すように位相特異点の位置は実部がゼロとなる線分Lre0と虚部がゼロとなる線分Lim0の交わる点を位相特異点P0として設定することによりサブピクセルの分解能をもって位相特異点を決定することができる.
図13(A)に示すように位相勾配の積分が±2πの整数倍になる性質を用いる方法では、1ピクセルの面積を持つ正方形の閉経路内のどこかに位相特異点が存在することはわかってもその位置を特定することができなかった。これに対して図13(B)に示すように複素数の実部と虚部が共にゼロとなるという性質を用いて実部と虚部の内挿と実部と虚部のゼロの交差点から位相特異点を求めることにより1ピクセルより小さいサブピクセルの分解能をもって位相特異点の位置を決定できる。
〔実験〕
検証実験について説明する。
図14は検証実験方法を説明するための図を示す。
検証実験は、図14(A)に示すように20倍の対物レンズと0.45倍のリレーレンズを付けた顕微鏡301を使い,物体302の表面を画素間隔5.2×5.2〔μm/pixel〕のCMOSイメージセンサ303上で結像し、物体302表面のテクスチャの強度情報を取得する。
物体302として、電圧に対して線形な変位を与えることができるピエゾ素子を用いた。一定の電圧を加えていき電圧を加える前後でピエゾ表面のテクスチャを撮影する。
図14(B)はピエゾ表面のテクスチャを撮影した図を示す。
電圧を加えていった時の撮影した強度情報から上記の方法を用いて変位計測を行った。
次にその実験結果を説明する。
図15は、実験結果を説明するための図を示す。
図15(A)はピエゾに電圧を0.04Vずつ加えていったときのx方向の位相特異点の変位のヒストグラムを示している。
図15(A)に示すように電圧を加えていくとピーク位置がシフトしているのが確認できる。
図15(B)は、ピエゾに加える電圧に対する検出した変位量ΔLをプロットしたものであり、変位量をピクセルから実寸へ変換する比例定数は光学系の倍率とCMOSイメージセンサ303の画素間隔によって求めることができる。このときのピクセルと実寸とのスケール変換係数は570nm/pixelとなる。ピエゾに加えた電圧に対して本発明の方法を用いて検出した変位量は線形な結果が得られたことが確認できる。この例では約10[nm]の変位が検出できた。
上記実施例では場の変位のような面内変位を計測する場合について説明したが、3次元形状計測のような面外変位の計測にも応用できる。
図16は3次元形状測定方法を説明するための図を示す。
3次元形状測定では、図15に示すようにプロジェクタ401からある角度
でランダムパターンを投影し、物体402がある時とない時の投影したランダムパターンを計測物体の上に設置したCCDイメージセンサ403で撮影する。
物体402がない時には光線の到達点は点Aとなるのに対し物体402を置くと物体の高さによって光線の到達点は点A’にずれる。このずれ量は物体の高さに依存していて
htanθ
となる。よって、このような光学系を用いて場の変位を求めることにより高さ情報に結びつけることができる。本実施例では各位相特異点の変位量が高さ情報に結びつくことになる。
図17は3次元形状計測方法を説明するための図、図18、図19は変異前後の各位相特異点の変位量を2次元で表したシミュレーション結果を示す図である。
図17に示すように非計測物体402には、高さ0.1[pixel]の直方体を仮定した。物体402の高さと本計測で得られる位相特異点の変位量は比例関係にあり、ここでは(位相特異点の変位量)=(高さ)と考える。
図18(A)は物体402を置く前、図18(B)は物体402を置いた後の強度情報をしめしている。
図18では、見た目には観察できないが物体402を置いた部分だけ0.1[pixel]左にシフトしている。図18(A)に示す画像と図18(B)に示す画像の変位前後の2枚の強度情報から本実施例の位相特異点検出方法を用いて位相特異点を検出し、検出した位相特異点の変位量を求める。
図19に破線で囲んだ物体402を置いた部分には、白い点が分布していて、物体402を置いた時にこの領域内に存在する位相特異点が変位して、位相特異点の存在しない部分と物体のない部分では変位を与えていないので値は0となり黒い部分に相当する。このように変位量は物体402がある領域は約0.1[pixel]となり、正しい結果が得られた。
以上のようにこのように本発明の位相特異点検出方法を用いて3次元形状の変位測定も可能であることがわかる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形例が考えられることは言うまでもない。
本発明の一実施例のシステム構成図である。 変位検出プログラムの処理フローチャートである。 位相特異点取得処理の処理フローチャートである。 位相特異点取得処理の動作説明図である。 ヒルベルト変換の位相構造図である。 スパイラル位相フィルタの位相構造図である。 スパイラル位相フィルタの位相構造図である。 ラゲージガウスの位相構造を示す図である。 ラゲージガウスの位相構造を示す図である。 位相特異点取得処理の動作説明図である。 位相特異点の位置をサブピクセルで決定する動作を説明するための図である。 位相特異点の位置をサブピクセルで決定する動作を説明するための図である。 位相特異点の位置をサブピクセルで決定する動作を説明するための図である。 全位相特異点の位置の差を求めx方向,y方向の変位をヒストグラムに表した図である。 実験結果を説明するための図である。 シミュレーション実験を説明するための図である。 3次元形状計測方法を説明するための図である。 変異前後の各位相特異点の変位量を2次元で表したシミュレーション結果を示す図である。 変異前後の各位相特異点の変位量を2次元で表したシミュレーション結果を示す図である。 相関法の動作を説明するため図である。
符号の説明
101 変位検出装置、102 測定対象
111 画像検出部、112 信号処理部
121 光源、122 撮像装置
131 フレームメモリ、132 処理部、133 フーリエ変換部、134 ROM
135 ハードディスクドライブ、136 ディスプレイ、137 入力装置
301 顕微鏡、302 物体、303 CMOSイメージセンサ
401 プロジェクタ、402 物体、403 CMOSイメージセンサ

Claims (9)

  1. 画像強度情報から位相特異点を検出する位相特異点検出方法であって、
    前記画像の強度情報から擬似位相情報を抽出する擬似位相情報抽出手順と、
    前記擬似位相情報抽出手順で抽出された前記擬似位相情報から前記擬似位相情報の1画素の分解能で位相特異点の位置を特定する位相特異点特定手順と、
    前記位相特異点特定手順で特定された位相特異点近傍の前記擬似位相情報を補間し、その補間結果に基づいて位相特異点の位置を決定する位相特異点決定手順とを有することを特徴とする位相特異点検出方法。
  2. 前記位相特異点特定手順は、前記擬似位相情報のうち周囲の閉経路上の位相勾配の積分が+−2πの整数倍となる点を位相特異点の位置として特定することを特徴とする請求項1記載の位相特異点検出方法。
  3. 前記位相特異点決定手順は、前記位相特異点特定手順で特定された位相特異点周辺の前記擬似位相情報の実部と虚部とを各々平面で補間し、ゼロとなる線分の交点を位相特異点として決定することを特徴とする請求項1記載の位相特異点検出方法。
  4. 前記擬似位相情報抽出手順は、前記画像強度情報をフーリエ変換するフーリエ変換手順と、
    前記フーリエ変換手順で変換された空間周波数スペクトルに対してその複素共役対称性を崩すようなフィルタをかけるフィルタリング手順と、
    前記フィルタリング手順でフィルタリングされた信号をフーリエ逆変換するフーリエ逆変換手順とを有することを特徴とする請求項1記載の位相特異点検出方法。
  5. 前記フィルタリング手順は、中心に位相特異点をもち、その周囲で位相が(−π、π]となるらせん状に位相特定を持つフィルタを乗じることを特徴とする請求項4記載の位相特異点検出方法。
  6. 前記フィルタは、ラゲールガウスフィルタであることを特徴とする請求項5記載の位相特異点検出方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項記載の位相特異点検出方法で検出された位相特異点の変位に基づいて変位前後の画像の変位を検出することを特徴とする変位検出方法。
  8. 画像強度情報から位相特異点を検出する位相特異点検出装置であって、
    前記画像の強度情報から擬似位相情報を抽出する擬似位相情報抽出手段と、
    前記擬似位相情報抽出手段で抽出された前記擬似位相情報から前記擬似位相情報の1画素の分解能で位相特異点の位置を特定する位相特異点特定手段と、
    前記位相特異点特定手段で決定された位相特異点近傍の前記擬似位相情報を補間して、その補間結果から位相特異点の位置を決定する位相特異点決定手段とを有することを特徴とする位相特異点検出装置。
  9. コンピュータに、
    画像の強度情報から擬似位相情報を抽出する擬似位相情報抽出手順と、
    前記擬似位相情報抽出手順で抽出された前記擬似位相情報から前記擬似位相情報の1画素の分解能で位相特異点の位置を特定する位相特異点特定手順と、
    前記位相特異点特定手順で決定された位相特異点近傍の前記擬似位相情報を補間し、その補間結果に基づいて位相特異点の位置を決定する位相特異点決定手順とを実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラム。
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