JPWO2020045518A1 - 接眼光学系及び画像観察装置 - Google Patents

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Abstract

輪線の発生を低減し且つ精細度の高い像をユーザに提供できるレンズ系を提案する。レンズ系は、少なくとも1つのフレネルレンズを有する。フレネルレンズのレンズ面は、同心円状に形成されている複数の溝を有している。隣り合う2つの溝の間の距離であるピッチと複数の溝の深さの双方が、レンズ系の中心を通る光軸からの距離に応じて変化している

Description

本開示は、フレネルレンズを有するレンズ系と画像観察装置とに関する。
図1はフレネルレンズの構造を模式的に示す断面図である。図1に示すように、フレネルレンズには、同心円状に並ぶ複数の溝Rが形成されている。隣り合う2つの溝Rの間に、傾斜面3aと鉛直面3bとを有する平面視で環状の凸部(プリズム3)が形成されている。傾斜面3aは、球面形状又は非球面形状のレンズ面を複数の環状の領域に分割したものである。下記特許文献1には、従来のフレネルレンズの例が開示されている。
国際公開第2017/138480号
図1に示すように、フレネルレンズでは、傾斜面3aと鉛直面3bとがレンズの径方向に交互に繰り返す。傾斜面3aは、結像を得るための光の屈折を生じる有効面であるのに対して、鉛直面3bは結像に寄与しない非有効面である。そのため、表示面の全域に亘って輝度が均一な画像を表示面に表示した場合でも、フレネルレンズを通してこの画像を観察すると、レンズの径方向において階調変化(コントラスト)が発生することがある。そして、この階調変化が、観察者において、光軸を中心とする円形の模様(図26参照)として認識されることがある。本明細書では、フレネルレンズの形状に起因するこのような模様を「輪線」と称する(図26では、輪線を強調するために、輪線の発生位置に破線Tを付している。)。
本開示の目的の一つは、輪線の発生を低減し且つ解像度(精細度)の高い像をユーザに提供できるレンズ系と画像観察装置とを提案することにある。
本開示で提案するレンズ系は、少なくとも1つのフレネルレンズを有する。前記少なくとも1つのフレネルレンズのレンズ面は、前記少なくとも1つのフレネルレンズの径方向に並んでいる複数の溝を有している。隣り合う2つの溝の間の距離であるピッチと前記複数の溝の深さの双方が、前記レンズ系の中心を通る光軸からの距離に応じて変化している。本開示で提案する画像観察装置は、前記レンズ系を有している。
フレネルレンズの断面を模式的に示す図である。 本開示に係るレンズ系が適用される画像観察装置の例であるヘッドマウントディスプレイを示す図である。 本開示で提案するレンズ系の構成例を示す図である。この図では、1枚のフレネルレンズで構成されるレンズ系が示されている。 フレネルレンズの溝の深さと、溝のピッチとの変化の例を示すグラフである。 図3で示すレンズ系の構成について、溝のピッチと光軸からの距離との条件を示すグラフである。 本開示で提案するレンズ系の構成例を示す図である。この図では、2枚のフレネルレンズで構成されるレンズ系が示されている。 図6で示すレンズ系の構成について、溝のピッチと光軸からの距離との条件を示すグラフである。 図5及び図7で示す条件を得るための手順を説明するための図である。この図は準備したレンズ系による撮影の条件を示している。 図5及び図7で示す条件を得るための手順を説明するための図である。この図は撮影画像における階調と視線角度との関係を示している。 視線角度を説明するための図である。 空間周波数と人間のコントラスト感度との関係を示すグラフである。 図11Aで示す曲線の近似式を定義する係数を示す表である。 図5及び図7で示す条件を得るための手順を説明するための図である。この図は撮影画像から得る輪線評価値を示している。 図5及び図7で示す条件を得るための手順を説明するための図である。撮影に利用するレンズ系が有している溝のピッチの例を示している。 図5で示す条件を得るために使用したレンズ系の構成を示す図である。 図5で示す条件を得るために使用したレンズ系SGが有していた溝のピッチを示すグラフである。 レンズ系SGの利用により得られた輪線評価値を示すグラフである。 図5で示す条件を得るために使用したレンズ系SHが有していた溝のピッチを示すグラフである。 レンズ系SHの利用により得られた輪線評価値を示すグラフである。 図5で示す条件を得るために使用したレンズ系SIが有していた溝のピッチを示すグラフである。 レンズ系SIの利用により得られた輪線評価値を示すグラフである。 図5で示す条件を得るために選択された溝のピッチを示す表である。 図7で示す条件を得るために使用したレンズ系SAの構成を示す図である。 レンズ系SAが有していた溝のピッチを示すグラフである。 レンズ系SAの利用により得られた輪線評価値を示すグラフである。 図7で示す条件を得るために使用したレンズ系SBの構成を示す図である。 レンズ系SBが有していた溝のピッチを示すグラフである。 レンズ系SBの利用により得られた輪線評価値を示すグラフである。 図7で示す条件を得るために使用したレンズ系SCの構成を示す図である。 レンズ系SCが有していた溝のピッチを示すグラフである。 レンズ系SCの利用により得られた輪線評価値を示すグラフである。 図7で示す条件を得るために使用したレンズ系SDの構成を示す図である。 レンズ系SDが有していた溝のピッチを示すグラフである。 レンズ系SDの利用により得られた輪線評価値を示すグラフである。 図7で示す条件を得るために使用したレンズ系SEの構成を示す図である。 レンズ系SEが有していた溝のピッチを示すグラフである。 レンズ系SEが有していた溝の深さを示すグラフである。 レンズ系SEの利用により得られた輪線評価値を示すグラフである。 図7で示す条件を得るために選択された溝のピッチを示す表である。 第1実施例によるレンズ系を説明するためのグラフである。溝のピッチが示されている。 第1実施例によるレンズ系を説明するためのグラフである。溝の深さが示されている。 第1実施例によるレンズ系を説明するためのグラフである。輪線評価値が示されている。 第1実施例によるレンズ系の使用により得られた撮影画像である。 第2実施例によるレンズ系を説明するためのグラフである。溝のピッチが示されている。 第2実施例によるレンズ系を説明するためのグラフである。溝の深さが示されている。 第2実施例によるレンズ系を説明するためのグラフである。輪線評価値が示されている。 第2実施例によるレンズ系の使用により得られた撮影画像である。 従来のフレネルレンズの使用により発生する輪線(階調変化)を示す図である。
以下、本開示で提案するレンズ系と画像観察装置の一実施形態について説明する。
本開示で提案するレンズ系は少なくとも1つのフレネルレンズを有する。レンズ系は、例えば、ユーザが表示素子に表示される静止画像または、動画像を見るための画像観察装置に搭載される接眼光学系として利用される。
[画像観察装置]
画像観察装置は、例えばヘッドマウントディスプレイ100(図2参照)である。ヘッドマウントディスプレイ100は、ユーザ(観察者)の眼前に配置される表示面Dsと、後述するレンズ系S1或いはレンズ系S2とを有している。表示面Dsは、例えば、液晶表示装置や、有機EL(electroluminescence)表示装置、マイクロOLED表示装置などである。レンズ系S1(S2)がヘッドマウントディスプレイ100に搭載される場合、2つのレンズ系S1(S2)が左右に並んで配置される。なお、レンズ系S1(S2)が搭載される画像観察装置はヘッドマウントディスプレイ100に限られず、例えばカメラの電子ビューファインダーなどであってもよい。この場合、画像観察装置に搭載されるレンズ系S1(S2)の数は1つでよい。
[第1実施形態]
図3は第1の実施形態に係るレンズ系S1の構成を示す図である。レンズ系S1は1枚のフレネルレンズFLで構成されている。レンズ系は、後において説明するように、2枚のフレネルレンズで構成されてもよい。フレネルレンズFLは、表示面Ds側に向いているレンズ面Lfを有している。レンズ面Lfはフレネル構造を有している。フレネルレンズFLは、レンズ面Lfとは反対側に、レンズ面Lnを有している。レンズ面Lnは、例えば、凸状の非球面形状を有する。
レンズ系S1の構造は、図3に示す例に限られない。例えば、フレネルレンズFLは、非球面形状を有するレンズ面Lnを有していなくてもよい。フレネル構造を有するレンズ面Lfは表示面Dsとは反対側に向いてもよい。
図1に示したフレネルレンズと同様、フレネルレンズFLのレンズ面Lfには、同心円状に並ぶ複数の溝(図1において符号R)が形成されている。隣り合う2つの溝の間に、凸部(プリズム3)が形成されている。図4は、光軸LCからの距離と、溝の深さとの関係の例を示すグラフである。光軸LCはフレネルレンズFLの中心を通る。
フレネルレンズFLのレンズ面Lfでは、隣り合う2つの溝の間の距離であるピッチすなわちプリズム3の幅(図1において符号P)と、溝の深さSa、すなわちプリズム3の高さ(図1において符号Sa)の双方が、光軸LC(レンズ中心)からの距離に応じて変化している(以下では、ピッチを「溝ピッチ」と称し、溝の深さを「溝深さ」と称する。)光軸LCからの距離に応じて溝ピッチが漸進的に変化する範囲と、光軸LCからの距離に応じて溝深さが漸進的に変化する範囲は、少なくとも部分的に重複していればよい。すなわち、溝ピッチが漸進的に変化している範囲と溝深さが漸進的に変化している範囲は、必ずしも完全には一致していなくてもよい。例えば、光軸LCからの距離が3mmから10mmの範囲で溝ピッチが漸進的に変化するとき、溝深さは、光軸LCからの距離が5mmから25mmの範囲で漸進的に変化してよい。この場合、光軸LCからの距離が5mmから10mmの範囲で、溝ピッチと溝深さの双方が漸進的に変化している。
なお、「レンズ中心からの距離に応じて溝深さが漸進的に変化する」とは、フレネルレンズの径方向に連続的に並ぶ複数の溝に亘って、溝深さの減少が継続すること、及び、フレネルレンズの径方向に連続的に並ぶ複数の溝に亘って、溝深さの増大が継続することを意味する。また、「レンズ中心からの距離に応じて溝ピッチが漸進的に変化する」とは、フレネルレンズの径方向に連続的に並ぶ複数の溝に亘って、溝ピッチの減少が継続すること、及び、フレネルレンズの径方向に連続的に並ぶ複数の溝に亘って、溝ピッチの増大が継続することを意味する。また、「溝ピッチ」とは、隣り合う2つの溝の距離であり、より詳細には、溝の最も深い位置と、隣の溝の最も深い位置との距離P(図4参照)である。「溝深さ」とは、溝に隣接するプリズムの頂部と溝の最も深い位置までの鉛直方向での距離である。
表示面Dsの全域に亘って輝度が均一な画像を表示し、従来のフレネルレンズを通してこの画像を観察すると、光軸から離れる方向において階調変化(コントラスト)が発生することがある。そして、この階調変化が、観察者において、光軸の位置を中心とする円形の模様(輪線)として認識されることがある。溝ピッチを小さくすると、プリズムの鉛直面(図1において符号3b)に起因して暗くなっていた領域にも、その鉛直面の両隣にある傾斜面(図1において符号3a)を透過した光が達するので、階調変化が小さくなる。すなわち、溝ピッチを小さくすると、輪線の発生が抑えられる。ところが、現実のフレネルレンズにおいては、溝ピッチを小さくするほど、傾斜面の角度の、正規の値(設計値)からのずれが大きくなり易く、正しい結像が得られにくくなる。すなわち、溝ピッチを小さくするほど、解像度(精細度)の低い像が形成され易くなる。
なお、本明細書において、鉛直面3bは水平面(光軸に対して垂直な面)に対して実質的に垂直な面である。鉛直面3bと水平面との間の角度は90度から僅かにずれていてもよい。
従来のフレネルレンズでは、溝ピッチがレンズ全体に亘って均等か、或いは、溝深さがレンズ全体に亘って均等であった。そのため、輪線の低減と解像度の高い像の形成とにとって好適な値に、溝ピッチを設定することが困難であった。例えば、溝ピッチがレンズ全体に亘って均等であるフレネルレンズにおいて溝ピッチを小さくすると、フレネルレンズを通して形成される像の解像度(精細度)が低くなる。また、フレネルレンズは、球面形状又は非球面形状のレンズ面を複数の領域に分割して得られる複数の傾斜面を、水平面上に並べたものである。したがって、溝深さがレンズ全体に亘って一定の値であるフレネルレンズにおいては、溝ピッチが光軸LCからの距離に応じて確定する。このように確定する溝ピッチは、輪線の低減や解像度の高い像形成との観点では、必ずしも好ましい値とはならない。
これに対して、本開示で提案するフレネルレンズFLによると、溝ピッチと溝深さの双方が光軸LC(レンズ中心)からの距離に応じて変化する。そのため、輪線の低減と、解像度(精細度)の高い像形成の双方を実現することが容易となる。
フレネルレンズFLの一例では、溝深さは、光軸LCからの距離が増すにつれて漸進的に増大する範囲を有する。溝ピッチは、光軸LCからの距離についての範囲の少なくとも一部において、光軸LCからの距離が増すにつれて漸進的に減少する。溝ピッチは、例えば、フレネルレンズFLの全域において、光軸LCからの距離が増すにつれて漸進的に減少する。溝ピッチの減少割合は、例えば、0mmから所定距離(例えば、5mm)までの範囲では急激であり、0mmから所定距離(例えば、5mm)までの範囲よりも所定距離を超える範囲では緩やかとなる。これとは異なり、溝ピッチは、所定距離を超える範囲では一定値であってもよい。一方、溝深さは、漸進的に減少する範囲と、漸進的に増大する範囲とを有してもよい。例えば、溝深さは、0mmから所定距離までの範囲において漸進的に減少し、その所定距離を超えると漸進的に増大してよい。
なお、従来のフレネルレンズでは、フレネル構造を有するレンズ面は、溝の最も深い点が水平面上に並ぶように形成されていた。これに対して、フレネルレンズFLのレンズ面Lfは、図4に示すように、隣り合う2つの溝の間に形成されている凸部(プリズム)の高さ方向(溝の深さ方向)での中間点(図4のn1・n2・n3等)が水平面上に並ぶように形成されてよい。この場合、凸部(プリズム)は水平面上に限られず、非球面(例えば、凹面)に沿って並んでいてもよい。
図5は、望ましい溝ピッチの条件を示すためのグラフである。同図において実線PL1は、下の式(1)を示す線である。
式(1):
0mm≦X≦10mm:P=0.00021(X−10)^4+0.6
10mm<X:P=0.6mm
式(1)において、「P」は溝ピッチ(mm)であり、「X」は光軸LC(レンズ中心)からの距離(mm)である。また、図5のグラフにおいて、光軸LCからの距離が0mmでの溝ピッチは、光軸LCから最も内側に位置している溝までの距離を意味する。言い換えれば、光軸LCからの距離が0mmでの溝ピッチは、レンズの中心にあるプリズム3(図1おいてプリズム3A)の半径である。これらの定義は、以降の説明において同様である。
図5の破線PL2及び破線PL3で示すように、0mm≦X≦10mmの範囲では、XとPが以下の条件を満たすのが望ましい。
条件(1−1):
破線PL2:P≦(0.00021(X−10)^4+0.6)×1.5
破線PL3:P≧(0.00021(X−10)^4+0.6)×0.5
溝ピッチが条件(1−1)の範囲内であることにより、溝ピッチが条件(1−1)の範囲よりも大きくなる場合に比して、輪線を低減することが容易となる。また、溝ピッチが条件(1−1)の範囲よりも小さくなる場合に比して、解像度(精細度)の高い像を得ることが容易となる。
また、10mm<Xの範囲では、溝ピッチが以下の条件を満たすのが望ましい。条件(1−2):
線PL2:P≦0.9
線PL3:0.3≦P
溝ピッチが条件(1−2)の範囲を満たすことにより、溝ピッチが条件(1−2)の範囲よりも大きくなる場合に比して、10mm<Xの領域で輪線を低減することが容易となる。溝ピッチが条件(1−2)の範囲を満たすことにより、溝ピッチが条件(1−2)の範囲よりも小さくなる場合に比して、10mm<Xの領域で解像度(精細度)の高い像を得ることが容易となる。
なお、フレネルレンズFLのレンズ面Lfは、球面形状又は非球面形状のレンズ面を溝ピッチで複数の領域に分割して得られる傾斜面を水平面上に並べたものである。したがって、フレネルレンズFLのレンズ面Lfの基となったレンズ面の面形状と溝ピッチとが確定していると、溝深さは自動的に確定する。フレネルレンズFLのレンズ面Lfの基となるレンズ面の面形状は、レンズ系S1が適用される画像観察装置で求められる光学性能に応じて設計されてよい。
また、0mm≦X≦10mmの範囲では、光軸LCからの距離Xと溝ピッチPが以下の条件を満たしてもよい。
条件(2−1):
P≦(0.00021(X−10)^4+0.6)×1.5
P≧(0.00021(X−10)^4+0.6)×0.9
溝ピッチが条件(2−1)の範囲を満たすことにより、溝ピッチが条件(2−1)の範囲よりも小さくなる場合に比して、解像度(精細度)の高い像を得ることが容易となる。
また、10mm<Xの範囲では、溝ピッチPが以下の条件を満たすのが望ましい。
条件(2−2):
0.54≦P≦0.90
溝ピッチが条件(2−2)の範囲を満たすことにより、溝ピッチが条件(2−2)の範囲よりも小さくなる場合に比して、10mm<Xの領域で解像度(精細度)の高い像を得ることが容易となる。
また、0mm≦X≦10mmの範囲では、光軸LCからの距離Xと溝ピッチPが以下の条件を満たしてもよい。
条件(3−1):
P≦(0.00021(X−10)^4+0.6)×1.1
P≧(0.00021(X−10)^4+0.6)×0.5
溝ピッチが条件(3−1)の範囲を満たすことにより、輪線を低減することがさらに容易となる。
また、10mm<Xの範囲では、溝ピッチPが以下の条件を満たすのが望ましい。
条件(3−2):
0.30≦P≦0.66
溝ピッチPが条件(3−2)の範囲を満たすことにより、10mm<Xの領域で輪線を低減することが、さらに容易となる。
また、溝ピッチPは、以下の条件を満たすのが望ましい。
条件(4)
光軸LCからの距離が0mmの位置:1.35≦P≦4.05mm
光軸LCからの距離が5mmの位置:0.37≦P≦1.10mm
光軸LCからの距離が10mmの位置:0.30≦P≦0.90mm
溝ピッチPが条件(4)の範囲内であることにより、条件(4)の範囲よりも大きくなる場合に比して、輪線を低減することが容易となる。また、溝ピッチPが条件(4)の範囲よりも小さくなる場合に比して、解像度(精細度)の高い像を得ることが容易となる。
また、溝ピッチPは、以下の条件を満たしてもよい。
条件(5)
光軸LCからの距離が0mmの位置:2.43≦P≦4.05mm
光軸LCからの距離が5mmの位置:0.66≦P≦1.10mm
光軸LCからの距離が10mmの位置:0.54≦P≦0.9mm
溝ピッチPが条件(5)の範囲内であることにより、溝ピッチが条件(5)の範囲よりも小さくなる場合に比して、解像度(精細度)の高い像を得ることが容易となる。
また、溝ピッチPは、以下の条件を満たしてもよい。
条件(6)
光軸LCからの距離が0mmの位置:1.35≦P≦2.97mm
光軸LCからの距離が5mmの位置:0.37≦P≦0.80mm
光軸LCからの距離が10mmの位置:0.30≦P≦0.66mm
溝ピッチPが条件(6)の範囲内であることにより、条件(6)の範囲よりも大きくなる場合に比して、輪線を低減することが容易となる。
[第2実施形態]
図6は第2の実施形態に係るレンズ系S2の構成を示す図である。レンズ系S2は光軸方向で並んでいる2枚のフレネルレンズFL1、FL2で構成されている。第1のフレネルレンズFL1は、表示面Ds側に向いているレンズ面L1nを有している。レンズ面L1nは、例えば、非球面形状のレンズ面である。第1のフレネルレンズFL1は、レンズ面L1nとは反対側に、フレネル構造を有しているレンズ面L1fを有している。第2のフレネルレンズFL2は、第1のフレネルレンズFL1に向いており且つフレネル構造を有しているレンズ面L2fを有している。したがって、第1のフレネルレンズFL1のレンズ面L1fと第2のフレネルレンズFL2のレンズ面L2fは互いに向き合っている。第2のフレネルレンズFL2は、レンズ面L2fとは反対側に、概平面L2nを有している。
レンズ系S2の構造は、図6の例に限られない。第1のフレネルレンズFL1の表示面Ds側の面L1nはレンズ面でなくてもよい。さらに他の例として、第1のフレネルレンズFL1のレンズ面L1f(フレネル構造を有する面)と第2のフレネルレンズFL2のレンズ面L2f(フレネル構造を有する面)の双方が、表示面Ds側に向いてもよいし、表示面Dsとは反対側に向いてもよい。
フレネルレンズFL1、FL2のレンズ面L1f、L2fには、同心円状に並ぶ複数の溝(図1において符号R)が形成されている。隣り合う2つの溝の間に、凸部(プリズム)が形成されている。これらのフレネルレンズFL1、FL2では、レンズ系S1のフレネルレンズFLと同様に、隣り合う2つの溝の間の距離である溝ピッチと溝深さの双方が、光軸LC(レンズ中心)からの距離に応じて変化している。すなわち、光軸LCからの距離に応じて溝ピッチが漸進的に変化する範囲と、光軸LCからの距離に応じて溝深さが漸進的に変化する範囲は、少なくとも部分的に重複している。溝ピッチが漸進的に変化している範囲と溝深さが漸進的に変化している範囲は、必ずしも完全には一致していなくてもよい。
フレネルレンズFL1、FL2では、溝ピッチと溝深さの双方が光軸LC(レンズ中心)からの距離に応じて変化するので、レンズ系S1と同様の理由で、輪線の低減と、解像度(精細度)の高い像形成の双方を実現することが容易となる。
フレネルレンズFL1、FL2の一例では、溝深さは、光軸LCからの距離が増すにつれて漸進的に増大する範囲を有する。溝ピッチは、少なくとも一部の範囲において、光軸LCからの距離が増すにつれて漸進的に減少する。溝ピッチは、例えば、フレネルレンズFL1、FL2の全域において、光軸LCからの距離が増すにつれて漸進的に減少する。溝ピッチの減少割合は、例えば、0mmから所定距離(例えば、10mm)までの範囲では急激であり、所定距離を超える範囲では緩やかとなる。これとは異なり、溝ピッチは、所定距離を超える範囲では一定値であってもよい。一方、溝深さは、漸進的に減少する範囲と、漸進的に増大する範囲とを有してもよい。例えば、溝深さは、所定距離(例えば、10mm)までの範囲において漸進的に減少し、その所定距離を超えると漸進的に増大してよい。これとは異なり、溝深さは、所定距離(例えば、30mm)までの範囲において漸進的に増大し、その所定距離を超えると漸進的に減少してよい。
なお、フレネルレンズFL1、FL2のレンズ面L1f、L2fは、レンズ系S1のフレネルレンズFLのレンズ面Lfと同様に、隣り合う2つの溝の間に形成されている凸部(プリズム)の高さ方向(溝の深さ方向)での中間点(図4のn1・n2・n3等)が水平面上に並ぶように形成されてよい。
図7は、2枚のフレネルレンズFL1、FL2で構成されるレンズ系S2において、溝ピッチPを示すためのグラフである。このグラフにおいて、実線PL4は、下の式(2)を示す線である。
式(2):
0mm≦X≦18mm:P=−0.00039(X−18)^3+0.2
18mm<X:P=0.2mm
なお、図7のグラフにおいても、式(2)において、「P」は溝ピッチ(mm)であり、「X」は光軸LC(レンズ中心)からの距離(mm)である。また、図7のグラフにおいて、光軸LCからの距離が0mmでの溝ピッチは、光軸LCから最も内側に位置している溝までの距離を意味する。
図7の破線PL5及び破線PL6で示すように、0mm≦X≦18mmの範囲では、XとPが以下の条件を満たすのが望ましい。
条件(7−1):
破線PL5:P≦(−0.00039(X−18)^3+0.2)×1.5
破線PL6:P≧(−0.00039(X−18)^3+0.2)×0.5
溝ピッチが条件(7−1)の範囲内であることにより、溝ピッチPが条件(7−1)の範囲よりも大きくなる場合に比して、輪線を低減することが容易となる。また、溝ピッチが条件(7−1)の範囲よりも小さくなる場合に比して、解像度(精細度)の高い像を得ることが容易となる。
また、18mm<Xの範囲では、溝ピッチPが以下の条件を満たすのが望ましい。
条件(7−2):
破線PL5:P≦0.3
破線PL6:0.1≦P
溝ピッチが条件(7−2)の範囲を満たすことにより、溝ピッチが条件(7−2)の範囲よりも大きくなる場合に比して、18mm<Xの領域で輪線を低減することが容易となる。また、条件(7−2)の範囲よりも小さくなる場合に比して、18mm<Xの領域で解像度(精細度)の高い像を得ることが容易となる。
なお、フレネルレンズFL1、FL2のレンズ面L1f、L2fは、球面形状又は非球面形状のレンズ面を溝ピッチで複数の領域に分割して得られる傾斜面を水平面上に並べたものである。したがって、フレネルレンズFL1、FL2のレンズ面L1f、L2fの基となったレンズ面の面形状と溝ピッチとが確定していると、溝深さは自動的に確定する。フレネルレンズFL1、FL2のレンズ面L1f、L2fの基となるレンズ面の面形状は、レンズ系S2が適用される画像観察装置で求められる光学性能に応じて設計されてよい。
0mm≦X≦18mmの範囲では、2枚のフレネルレンズFL1、FL2のそれぞれについて、溝ピッチPと光軸LCからの距離Xとが以下の条件を満たしてもよい。条件(8−1):
P≦(−0.00039(X−18)^3+0.2)×1.5
P≧(−0.00039(X−18)^3+0.2)×0.9
溝ピッチが条件(8−1)の範囲を満たすことにより、溝ピッチが条件(8−1)の範囲よりも小さくなる場合に比して、解像度(精細度)の高い像を得ることが容易となる。
また、18mm<Xの範囲では、溝ピッチPが以下の条件を満たすのが望ましい。
条件(8−2):
0.18≦P≦0.30
溝ピッチが条件(8−2)の範囲を満たすことにより、18mm<Xの領域で輪線を低減することが、さらに容易となる。
0mm≦X≦18mmの範囲では、2枚のフレネルレンズFL1、FL2のそれぞれについて、溝ピッチPと光軸LCからの距離Xとが以下の条件を満たしてもよい。条件(9−1):
P≦(−0.00039(X−18)^3+0.2)×1.2
P≧(−0.00039(X−18)^3+0.2)×0.5
溝ピッチが条件(9−1)の範囲を満たすことにより、輪線を低減することがさらに容易となる。
また、18mm<Xの範囲では、溝ピッチPが以下の条件を満たすのが望ましい。
条件(9−2):
0.10≦P≦0.24
溝ピッチが条件(9−2)の範囲を満たすことにより、18mm<Xの領域で輪線を低減することが、さらに容易となる。
また、溝ピッチPは、以下の条件を満たすのが望ましい。
条件(10)
光軸LCからの距離が0mmの位置:1.25≦P≦3.75mm
光軸LCからの距離が5mmの位置:0.53≦P≦1.59mm
光軸LCからの距離が18mm以上となる位置:0.10≦P≦0.30mm
溝ピッチが条件(10)の範囲内であることにより、条件(10)の範囲よりも大きくなる場合に比して、輪線を低減することが容易となる。また、溝ピッチが条件(10)の範囲よりも小さくなる場合に比して、解像度(精細度)の高い像を得ることが容易となる。なお、条件(10)において、光軸LCからの距離が10mmの位置で0.20≦P≦0.60mmが満たされてもよい。
また、溝ピッチPは、以下の条件を満たしてもよい。
条件(11)
光軸LCからの距離が0mmの位置:2.22≦P≦3.75mm
光軸LCからの距離が5mmの位置:0.95≦P≦1.59mm
光軸LCからの距離が18mm以上となる位置:0.18≦P≦0.30mm
溝ピッチPが条件(11)の範囲内であることにより、溝ピッチが条件(11)の範囲よりも小さくなる場合に比して、解像度(精細度)の高い像を得ることが容易となる。なお、条件(11)において、光軸LCからの距離が10mmの位置で0.35≦P≦0.60mmが満たされてもよい。
また、溝ピッチPは、以下の条件を満たしてもよい。
条件(12)
光軸LCからの距離が0mmの位置:1.24≦P≦2.97mm
光軸LCからの距離が5mmの位置:0.53≦P≦1.27mm
光軸LCからの距離が18mm以上となる位置:0.10≦P≦0.24mm
溝ピッチPが条件(12)の範囲内であることにより、条件(12)の範囲を超える場合に比して、輪線を低減することが容易となる。なお、条件(12)において、光軸LCからの距離が10mmの位置で0.20≦P≦0.48mmが満たされてもよい。
また、溝ピッチPは、以下の条件を満たしてもよい。
条件(13)
光軸LCからの距離が0mmの位置:2.22≦P≦3.75mm
光軸LCからの距離が5mmの位置:0.53≦P≦1.27mm
光軸LCからの距離が18mm以上となる位置:0.10≦P≦0.30mm
溝ピッチPが条件(13)の範囲内であることにより、レンズ中心部で解像度(精細度)の高い像を得ることが容易となる。なお、条件(13)において、光軸LCからの距離が10mmの位置で0.20≦P≦0.48mmが満たされてもよい。
レンズ系S2では、フレネル構造が適用されたレンズ面L1f、L2fが向き合っているので、例えばフレネル構造が適用されたレンズ面L1f、L2fが同じ方向に向いている場合とは異なり、光軸方向におけるレンズ系の中心(例えば、光軸に直交し且2つのレンズFL1、FL2の間に位置する平面)に対して、レンズ系S2の構造を対称に近づけることができる。その結果、画像観察装置の表示装置で低減することが困難な像面湾曲(非点収差)の補正が容易となる。すなわち、レンズ面L1fに起因する収差と、レンズ面L2fに起因する収差とを相殺し、全体の収差をキャンセルすることが容易となる。また、フレネル構造を有するレンズ面L1f、L2fが互いに向き合っているので、これら2つのレンズ面L1f、L2fにゴミや塵が付着することを抑えることができる。レンズ面L1f、L2fの間の隙間は、2つのレンズFL1、FL2の縁に取り付けられる封止材によって封止されてもよい。こうすれば、レンズ面L1f、L2fにゴミや塵が付着することを、より効果的に抑えることができる。
[条件の特定手順]
以下では、溝ピッチについての上述した条件の特定手順を説明する。
フレネルレンズでは、図1に示したように、光軸LC(レンズ中心)を中心として径方向に並んでいる複数の溝Rが形成され、隣り合う2つの溝Rの間に、結像を得るための光の屈折を生じる傾斜面3aと、結像に寄与しない鉛直面3bとを有するプリズム3が形成されている。そのため、従来のフレネルレンズは、鉛直面3bに起因する輪線(図26に示すT、階調変化)を生じていた。
輪線の発生は溝ピッチに依存する。溝ピッチを小さくすると、プリズムの鉛直面3bに起因して暗くなっていた領域にも、その鉛直面3bの両隣にある傾斜面3aを透過した光が達し、階調変化が小さくなる。すなわち、溝ピッチを小さくすると、輪線の発生が抑えられる。一方、溝ピッチを小さくするほど、傾斜面3aの角度に誤差が生じやすくなり、解像度(精細度)の低い像が形成され易くなる。また、ある鉛直面3bに起因して輪線が見えるか否かは、人間の瞳の視線角度(言い換えれば、光軸LCからその鉛直面3bまでの距離)にも依存する。そこで、溝ピッチについての上述した条件を得るために、まず溝ピッチが予め判明している複数のフレネルレンズを準備し、その複数のフレネルレンズを通して静止画像を観察した。そして、その静止画像における輪線の見えにくさを評価した。輪線の見えにくさは、光軸LCからの距離毎に評価した。そして、輪線と解像度との観点で望ましい溝ピッチの範囲を光軸LCからの距離毎に求めた。
以下において、上述した条件を規定する式と数値を特定した手順をより具体的に説明する。
それぞれが1枚又は2枚のフレネルレンズで構成される複数のレンズ系を準備した。使用するフレネルレンズは、溝ピッチが予め分かっているフレネルレンズである。使用するフレネルレンズは従来のフレネルレンズであり、使用するフレネルレンズでは、溝ピッチと溝深さのいずれか一方が、光軸LC(レンズ中心)からの距離によらず均一である。
[撮影条件]
次に、全表示領域に亘って輝度が均一な画像を、準備したフレネルレンズ(レンズ系)を通して撮影した。図8は、その撮影条件を示す図である。この図に示すように、表示装置101から離してレンズ系Sを配置し、そのレンズ系Sから離して、カメラ本体103とレンズ102とからなるカメラユニット104を配置した。レンズ系Sからカメラユニット104までの距離Z1は12mmとした。表示装置101としては、Samsung Electronics株式会社製の「GalaxyS8」を使用し、カメラ本体103としては、ソニー株式会社製の「α6500」を使用し、レンズ102はソニー株式会社製の「SEL1018」を使用した。なお、表示装置101の画素を区画するブラックマトリックスは輪線の評価にとってノイズとなる可能性があるので、ブラックマトリックスが撮影画像に写らないようにレンズ系Sの位置(表示装置101からの距離Z2)を調整した。また、輪線は画面が明るいほど発生しやすいので、カメラ本体103の絞りは、明るい時の人間の瞳孔の大きさφ2.5mmに相当するF4.0とした。また、カメラ本体103の露出は、白飛びしない範囲でできるだけ明るい撮影画像が得られるように調整した。
[輪線評価値]
図9のグラフで示されるように、視線角度に応じた階調値を撮影画像から得た。具体的には、撮影画像上の座標と視線角度との関係を、光線追跡(光路の演算)により算出した。そして、撮影画像から得られる座標と階調値との関係から、視線角度と階調値との関係を得た。こうして得られた階調値は視線角度に応じて漸進的に減少する。ここで、視線角度は、光軸LCに対する視線Vの角度θである(図10参照)。
階調値の変化から、空間周波数とコントラストの逆数とを算出した。空間周波数は次の式で定義され、視線角度に対応する空間周波数を算出することができる。ω=1/(x2−x0)
この式において、「ω」は空間周波数であり、「x0」と「x2」は、図9に示すように、隣り合う2つのピークの視線角度である。また、コントラストの逆数は、次の式で定義される。
Ci=(AVERAGE(y2,y0)+y1)/(AVERAGE(y2,y0)−y1)
Ciはコントラストの逆数である。y0、y1、y2は、それぞれ視線角度がx0、x1、x2の位置での階調値である。AVERAGE(y2,y0)は、隣り合う2つのピークの平均である。(以下では、コントラストの逆数を「コントラスト逆数」と称する。)
階調変化の周波数(空間周波数)には、人間の瞳がコントラスト(階調変化)を感じやすい周波数と、人間の瞳がコントラストを感じにくい周波数とがあることが知られている。下の論文には、空間周波数と、人間の眼のコントラスト感度との関係が示されている。コントラスト感度とは、人間の眼が識別できるコントラストの限界を示す値である。コントラスト感度は、限界となるコントラストの逆数で示されている。「F. L. Van Nes, J.J. Koenderink, H.Nas, and M.A.Bouman、(1967)、Spatiotemporal Modulation Transfer in the Human Eye、Journal of the Optical Society of America Vol.57, Issue 9, pp.1082−1088」
図11Aは、上述の論文で提示されているコントラスト感度と空間周波数との関係を示すグラフである。この論文を参照して、コントラスト感度と空間周波数との関係について近似式を得た。コントラスト感度と空間周波数は、空間周波数ωが0.1から10の範囲では、以下の近似式で表される関係を有する。
Cs=A1×ω+A2×ω^2+A3×ω^3
+A4×ω^4+A5×ω^5+A6×ω^6
+A7×ω^7+A8×ω^8+A9×ω^9
Csはコントラスト感度であり、ωが空間周波数である。A1〜A9は図11Bの表で示す係数である。
そこで、撮影画像から得たコントラスト逆数と、上述した近似式から得られるコントラスト感度との差に基づいて、輪線評価値を算出した。輪線評価値は、輪線の見えにくさを表す評価値となる。例えば大きな輪線評価値は、その輪線評価値に対応する階調変化が輪線として観察者に認識され難いことを示す。以下の式(3)により、輪線評価値を算出した。
式(3):η=Ci−Cs+5×(θ−40)
「η」が輪線評価値である。また、「Ci」は撮影画像から得られるコントラスト逆数である。「Cs」は、上述した空間周波数ωと、係数A1〜A9(図11B参照)とで表されるコントラスト感度である。「θ」は視線角度である。なお、輪線評価値ηの算出には、図9に示す3点が必要である。そのため、輪線評価値ηは極小値(図9においてy1)のある位置で算出され得る。
人間の瞳は、視線角度によってコントラスト(階調変化)の感じやすさが異なる。人間の瞳は光軸方向に向いているときに(視線角度θ=0のとき)、コントラストについての視覚的な認識力が最も高くなる。瞳が回転するにつれて、コントラストについての認識力が下がる。そこで、式(3)では、「Ci−Cs」に「5×(θ−40)」を加算した。これによって、瞳が光軸方向に向いているとき(θ=0degのとき)、輪線評価値に「−200」が補正値として加算され、瞳が最も回転しているとき(θ=40degのとき)に、補正値が0となる。このように補正値を利用して式(3)から算出される輪線評価値が、0よりも大きいと、その輪線評価値で表される階調変化は、人間によって輪線として認識されない程度に十分に小さいと考えられる。一方、式(3)から算出される輪線評価値が、0を大きく下回っていると、その輪線評価値で表される階調変化は、人間によって輪線として認識される可能性が生じる。
したがって、0を大きく下回る輪線評価値が発生しないように溝ピッチを設定すれば、輪線を生じないフレネルレンズが得られる。そこで、輪線評価値について0を基準値とし、各レンズ系を利用して得た結果から、輪線評価値が0以上となる溝ピッチを求めた。
詳細には、準備したフレネルレンズ(レンズ系S)について得られた階調値と視線角度との関係(図9参照)から、視線角度θに対応するコントラスト逆数Ciと空間周波数ωとを算出した。そして、式(3)を使用して、視線角度θに対応する輪線評価値ηを算出した。上述したように、撮影に利用するレンズ系Sを構成するフレネルレンズの溝ピッチは、予め分かっている。そこで、輪線評価値が0又は0に近い値となる視線角度を特定し、その視線角度にあるプリズム3(図1参照)を特定し、そのプリズム3が隣のプリズム3との間に有する溝ピッチを求めた。
この作業を図12A及び図12Bを用いて説明する。図12Aは、算出される輪線評価値の例を示す図である。また、フレネルレンズは、例えば、光軸LC(レンズ中心)からの距離と溝ピッチとの間に、図12Bのグラフで示すような関係を有する。図12Bでは、各プリズム3の位置に溝ピッチの値がプロットされている。図12Bのグラフにおいて、レンズ中心からの距離が0mmでの溝ピッチは、レンズ中心から、最も内側に位置している溝までの距離を意味する。言い換えれば、レンズ中心からの距離が0mmでの溝ピッチは、レンズの中心にあるプリズム3(図1おいてプリズム3A)の半径である。また、図12Bにおいて、2番目の点が示す溝ピッチは、レンズ中心から2番目にあるプリズム3(図1においてプリズム3B)の幅に対応する。また、3番目の点が示す溝ピッチは、レンズ中心から3番目にあるプリズム3(図1においてプリズム3C)の幅に対応する。このことは、後述する他のレンズ系(レンズ系SA〜SJ)について、光軸LCからの距離と溝ピッチとの関係を示すグラフにおいても同様である。
図12Aの例では、0に一致する輪線評価値ηは算出されていないものの、点P1、P2の概ね中間位置(破線P3で囲む範囲)で輪線評価値ηが0になる。この図の例では、破線P3で囲む範囲では、視線角度が約9度である。この場合、視線角度:9度に対応するプリズム3を光線追跡により特定する。図12Bの例では、視線角度:約9度に対応するプリズム3が、光線追跡により4番目のプリズムであると特定されている。この図の例において、4番目のプリズム3は、レンズ中心からの距離として4.9mmを有し、溝ピッチとして0.75mmを有する。この場合、光軸LC(レンズ中心)からの距離が4.9mmの位置では、溝ピッチを0.75mmより小さくしておけば、輪線の発生を十分に抑えることが可能であると認められる。
準備した複数のレンズ系のそれぞれについて、以上説明した作業を実行し、フレネルレンズ上の複数の位置での望ましい溝ピッチを求めた。そこから、光軸LCからの距離と望ましい溝ピッチとの関係(図5で示すPL1、図7に示すPL4)を得た。以下において、準備した複数のレンズ系から得られた結果を示す。なお、輪線の発生位置は、フレネルレンズの元となった凸レンズの面形状には依拠していない。また、輪線の発生位置は、フレネルレンズのフレネル構造を有するレンズ面とは反対側のレンズ面の面形状にも依拠していない。そのため、本明細書では各レンズ係について、レンズ面の面形状を記載していない。
[1枚のフレネルレンズで構成されるレンズ系]
まず、1枚のフレネルレンズだけで構成されるレンズ系SG、SH、SIから得られた結果を示す。レンズ系SG、SH、SIはそれぞれ1枚のフレネルレンズFLを有する。
図13は、レンズ系SGの構成を示す図である。レンズ系SGを構成するフレネルレンズFLは、表示面Ds側にフレネル構造を有するレンズ面Lfを有し、レンズ面Lfとは反対側に非球面の凸状レンズ面Lnを有していた。
なお、輪線は、フレネル構造を構成するプリズムの鉛直面(図1の鉛直面3b)に起因して発生する。そのため、非球面のレンズ面Lnの面形状は輪線の発生に影響しない。また、フレネル構造を有するレンズ面Lfの基となったレンズ面の面形状(言い換えれば、レンズ面Lfのレンズパワー)も、輪線の発生に影響しない。
図14Aは、レンズ系SGを構成するフレネルレンズFLが有する、光軸LCからの距離と溝ピッチとの関係を示すグラフである。レンズ系SGにおいて、溝深さは光軸LCからの距離によらず一定であり、0.25mmであった。図14Bは、このフレネルレンズFLを使用して得られた輪線評価値と視線角度との関係を示すグラフである。このグラフによると、範囲G1と範囲G2とにおいて輪線評価値ηが0に近しい値となっている。この範囲G1、G2に対応するプリズムを光線追跡により特定すると、図14A及び図17に示すように、点G1(視線角度13.5度(レンズ中心からの距離:7.2mm))、及び点G2(視線角度23.2度(レンズ中心からの距離:12.9mm))のプリズムであった。これらのプリズムが有する溝ピッチは、図17で提示する表の通りであった。
レンズ系SHのフレネルレンズFLは、上述したレンズ系SGのフレネルレンズFLと同様、表示面Ds側にフレネル構造を有するレンズ面Lfを有し、このレンズ面Lfとは反対側に非球面の凸状レンズ面Lnを有する(図13参照)。図15Aはレンズ系SHを構成するフレネルレンズFLが有する、光軸LCからの距離と溝ピッチとの関係を示すグラフである。レンズ系SHにおいて、溝深さは光軸LCからの距離によらず一定であり、0.15mmであった。図15Bは、このフレネルレンズFLを使用して得られた輪線評価値と視線角度との関係を示すグラフである。このグラフによると、図15Bの破線Hで示す範囲で輪線評価値ηが0或いは0に近い値となっている。この範囲Hに対応するプリズムを光線追跡により特定すると、図15A及び図17で提示する点H1〜点H3で示すプリズムであった。これらのプリズムが有する溝ピッチは、図17で提示する表の通りであった。
レンズ系SIのフレネルレンズFLは、上述したレンズ系SGのフレネルレンズFLと同様、表示面Ds側にフレネル構造を有するレンズ面Lfを有し、このレンズ面Lfとは反対側に非球面の凸状レンズ面Lnを有する(図13参照)。図16Aはレンズ系SIを構成するフレネルレンズFLが有する、光軸LCからの距離と溝ピッチとの関係を示すグラフである。レンズ系SIにおいて、溝深さは光軸LCからの距離によらず一定であり、0.115mmであった。図16Bは、レンズ系SIのフレネルレンズFLを使用して得られた輪線評価値と視線角度との関係を示すグラフである。このグラフによると、レンズ系SIのフレネルレンズFLは、他の2つのレンズ系SG、SHのフレネルレンズFLよりも小さな溝ピッチを有しており、輪線評価値はどの位置においても0よりも十分に大きな値が得られた。
以上のようにして選択した5点G1、G2、H1、H2、H3から、図5に示す望ましい溝ピッチの条件を得た。すなわち、図5に示す5点(G1、G2、H1、H2、H3)の近傍を通過する式(1)を求めた。この式(1)は、輪線評価値が0或いは0に近しい値となる溝ピッチを示す関数である。溝ピッチが、「式(1)×1.5」の値以下であれば、輪線の発生を抑えることができる。また、溝ピッチが小さくなるほど、レンズ系を通して得られる像の解像度は悪くなるが、「式(1)×0.5」の値以上であれば、解像度についても許容される結果が得られる。
[2枚のフレネルレンズで構成されるレンズ系]
次に、2枚のフレネルレンズで構成されるレンズ系SA、SB、SC、SD、SEから得られた結果を示す。
図18Aは、レンズ系SAの構成を示す図である。レンズ系SAはフレネルレンズFL1とフレネルレンズFL2とで構成される。第1のフレネルレンズFL1は、表示面Ds側に非球面形状のレンズ面L1nを有し、レンズ面L1nとは反対側にフレネル構造を有するレンズ面L1fを有する。第2のフレネルレンズFL2は、第1のフレネルレンズFL1のレンズ面L1fと向き合い且つフレネル構造を有しているレンズ面L2fを有し、レンズ面L2fとは反対側に非球面形状のレンズ面L2nを有する。
図18Bは、フレネルレンズFL1、FL2が有している、光軸LCからの距離と溝ピッチとの関係を示すグラフである。溝深さはレンズ中心からの距離によらず一定であり、0.15mmであった。図18Cは、レンズ系SAを使用して得られた輪線評価値と視線角度との関係を示すグラフである。このグラフによると、図18Cの破線Aで示す範囲で輪線評価値ηが0或いは0に近い値となっている。この範囲Aに対応するプリズムを光線追跡により特定すると、図18B及び図23で提示する点A1〜点A5で示すプリズムであった。また、これらのプリズムが有する溝ピッチは、図23で提示する表の通りであった。
なお、2枚のフレネルレンズFL1、FL2のうち、レンズ系SAの輪線の発生に影響するのは大きなピッチを有するフレネルレンズであると推察される。図18Bで示すように、点A1、A2、A3に対応する範囲では、第1のフレネルレンズFL1の溝ピッチが第2のフレネルレンズFL2の溝ピッチよりも大きい。そこで、点A1、A2、A3に対応する溝ピッチとしては、第1のフレネルレンズFL1のピッチを選択した。このことは、後に説明する他のレンズ系でも同様である。すなわち、輪線評価値が0に近い値となる位置での溝ピッチとしては、2枚のフレネルレンズのうち大きな溝ピッチを有するフレネルレンズの値を選択した。
図19Aは、レンズ系SBの構成を示す図である。レンズ系SBは非球面レンズL3と、第1のフレネルレンズFL1と、第2のフレネルレンズFL2とで構成される。非球面レンズL3は、表示面Ds側に非球面形状のレンズ面L3aを有し、レンズ面L3aとは反対側に概平面L3bを有している。第1のフレネルレンズFL1は、レンズL3側に、概平面L1nを有し、概平面L1nとは反対側にフレネル構造を有するレンズ面L1fを有している。第2のフレネルレンズFL2は、第1のフレネルレンズFL1のレンズ面L1fと向き合い且つフレネル構造を有しているレンズ面L2fと、レンズ面L2fとは反対側に概平面L2nを有している。
図19Bは、レンズ系SBが有している、光軸LCからの距離と溝ピッチとの関係を示すグラフである。溝深さはレンズ中心からの距離によらず一定であり、第1のフレネルレンズFL1のレンズ面L1fの溝深さは0.15mmで、第2のフレネルレンズFL2のレンズ面L2fの溝深さは0.12mmであった。図19Cは、レンズ系SBを使用して得られた輪線評価値と視線角度との関係を示すグラフである。このグラフによると、図19Cの破線Bで示す範囲で輪線評価値ηが0或いは0に近い値となっている。この範囲Bに対応するプリズムを光線追跡により特定すると、図19B及び図23で提示する点B1で示すプリズムであった。また、このプリズムが有する溝ピッチは、図23で提示する表の通りであった。
なお、図19Cで示されるように、視線角度θが約30度より大きい範囲においても、輪線評価値ηが0になる点が存在する。これらの点を選択しなかったのは、他のレンズ系(具体的には、後述するレンズ系SE)から得られる溝ピッチのほうが低いためである。
図20Aは、レンズ系SCの構成を示す図である。レンズ系SCはフレネルレンズFL1とフレネルレンズFL2とで構成される。第1のフレネルレンズFL1は、表示面Ds側に概平面L1nを有し、概平面L1nとは反対側にフレネル構造を有するレンズ面L1fを有する。第2のフレネルレンズFL2は、第1のフレネルレンズFL1のレンズ面L1fと向き合い且つフレネル構造を有しているレンズ面L2fを有し、レンズ面L2fとは反対側に概平面L2n有している。
図20Bは、フレネルレンズFL1、FL2が有している、光軸LCからの距離と溝ピッチとの関係を示すグラフである。この図に示すように、2枚のフレネルレンズFL1、FL2の双方で、溝ピッチは光軸LCからの距離によらず一定であり、0.5mmであった。レンズ系SCは外部から購入したものであるため、溝深さは不明であった。図20Cは、レンズ系SCを使用して得られた輪線評価値と視線角度との関係を示すグラフである。このグラフによると、図20Cの破線Cで示す範囲で輪線評価値ηが0或いは0に近い値となっている。この範囲Cに対応するプリズムを光線追跡により特定すると、図20B及び図23で提示する点C1で示す位置(レンズ中心からの距離が10.5mm)にあるプリズムであった。また、このプリズムが有する溝ピッチは、上述したように、0.5mmである。
図21Aはレンズ系SDの構成を示す図である。レンズ系SDは第1のフレネルレンズFL1と第2のフレネルレンズFL2とで構成される。この2つのフレネルレンズFL1、FL2の構成は、レンズ系SCのフレネルレンズFL1、FL2と同じである。すなわち、第1のフレネルレンズFL1は、概平面L1nと、フレネル構造を有するレンズ面L1fを有する。また、第2のフレネルレンズFL2は、フレネル構造を有しているレンズ面L2fと、概平面L2nとを有している。
図21Bは、フレネルレンズFL1、FL2が有している、光軸LCからの距離と溝ピッチとの関係を示すグラフである。この図に示すように、2枚のフレネルレンズFL1、FL2の双方について、溝ピッチは光軸LCからの距離によらず一定であり、0.3mmであった。レンズ系SDは外部から購入したものであるため、溝深さは不明であった。図21Cは、レンズ系SDを使用して得られた輪線評価値と視線角度との関係を示すグラフである。このグラフによると、図21Cの破線Dで示す範囲で輪線評価値ηが0或いは0に近い値となっている。この範囲Dに対応するプリズムを光線追跡により特定すると、図21B及び図23で提示する点D1で示す位置(レンズ中心からの距離が12.6mm)にあるプリズムであった。また、このプリズムが有する溝ピッチは、上述したように、0.3mmである。
図22Aは、レンズ系SEの構成を示す図である。レンズ系SEは、レンズ系SBと同様に、非球面レンズL3と、第1のフレネルレンズFL1と、第2のフレネルレンズFL2とで構成される。非球面レンズL3は非球面形状のレンズ面L3aを有し、レンズ面L3aとは反対側に概平面L3bを有している。第1のフレネルレンズFL1は、概平面L1nと、フレネル構造を有するレンズ面L1fとを有している。第2のフレネルレンズFL2は、フレネル構造を有しているレンズ面L2fと、概平面L2nとを有している。
図22Bは、レンズ系SEが有している、光軸LCからの距離と溝ピッチとの関係を示すグラフであり、図22Cは、光軸LCからの距離と溝深さとの関係を示すグラフである。図22Bに示すように、2枚のフレネルレンズFL1、FL2の双方で、溝ピッチは光軸LCからの距離によらず一定であり、0.2mmであった。一方、溝深さは、図22Cに示すように、光軸LCからの距離に応じて増大している。図22Dは、レンズ系SDを使用して得られた輪線評価値と視線角度との関係を示すグラフである。このグラフによると、範囲E1と範囲E2とにおいて輪線評価値ηが0に近しい値となっている。この範囲E1、E2に対応するプリズムを特定すると、図22B及び図23に示すように、点E1(視線角度27.6度(レンズ中心からの距離:16.3mm))、及び点E2(視線角度42.1度(レンズ中心からの距離:26.1mm))のプリズムであった。これらのプリズムが有する溝ピッチは、上述したように、0.2mmであった。
以上のようにして選択した図23に示す10点から、図7に示す望ましい溝ピッチの条件を得た。すなわち、10点の間を通過する式(2)を求めた。この式(2)は、輪線評価値が0に近しい値となる溝ピッチを示す関数である。したがって、溝ピッチが、「式(2)×1.5」の値以下であれば、輪線の発生を抑えることができる。また、溝ピッチが小さくなるほど、レンズ系を通して得られる像の解像度は悪くなるが、「式(2)×0.5」の値以上であれば、解像度についても許容される結果が得られる。
1枚のフレネルレンズだけで構成されるレンズ系の実施例を説明する。
この実施例によるレンズ系の構成は、図3で示したレンズ系S1と同様であり、1枚のフレネルレンズLで構成され、フレネルレンズLは、表示面Ds側に向いているレンズ面Lfを有している。レンズ面Lfはフレネル構造を有している。フレネルレンズLは、レンズ面Lfとは反対側に、レンズ面Lnを有している。レンズ面Lnは非球面形状を有するレンズ面である。
図24Aは、実施例によるレンズ系(フレネルレンズL)が有している光軸LCからの距離と溝ピッチとの関係を示すグラフである。同図では、光軸LCからの距離と溝ピッチとの関係が実線PL7として示されている。また、上述した式(1)で表される実線PL1と、溝ピッチの条件を規定する破線PL2、PL3とが示されている。同図に示すように、フレネルレンズLの溝ピッチは、破線PL2、PL3で特定される条件を満たしている。
図24Bは、光軸LCからの距離と、溝深さとの関係を示すグラフである。これらの図に示すように、実施例によるフレネルレンズLの溝ピッチと溝深さの双方は、光軸LCからの距離に応じて漸進的に変化している。
詳細には、溝ピッチは、光軸LCからの距離に応じて、全範囲に亘って漸進的に減少している。光軸LCからの距離が0mm〜5mmの範囲において、ピッチは急激に減少し、光軸LCからの距離が5mm以上の範囲において、ピッチは緩やかに減少している。一方、溝深さは、光軸LCからの距離が約5mmの位置で最小となり、光軸LCからの距離が約5mm以上となる範囲では、溝深さは漸進的に増大している。
レンズ系SG〜SIと同様の手法で、実施例によるレンズ系(フレネルレンズL)についても輪線評価値を得た。図24Cは、このフレネルレンズLを使用して得られた輪線評価値と視線角度との関係を示すグラフである。このグラフに示されるように、いずれの範囲においても、0を大きく下回る輪線評価値は発生しなかった。このことは、実施例によるレンズ系は輪線を発生しないことを意味している。図24Dは、実施例によるレンズ系を使用して、図8に示す撮影条件での撮影により得られた画像である。この図に示すように、実際に、撮影画像のどの位置においても輪線の発生は認められなかった。
2枚のフレネルレンズで構成されるレンズ系の実施例を説明する。
実施例によるレンズ系の構成は、図6で示したレンズ系と同様であり、2枚のフレネルレンズFL1、FL2で構成されている。第1のフレネルレンズFL1は、表示面Ds側に向いているレンズ面L1nを有している。レンズ面L1nは非球面レンズを構成する。第1のフレネルレンズFL1は、レンズ面L1nとは反対側に、フレネル構造を有しているレンズ面L1fを有している。第2のフレネルレンズFL2は、第1のフレネルレンズFL1に向いており且つフレネル構造を有しているレンズ面L2fを有している。したがって、第1のフレネルレンズFL1のレンズ面L1fと第2のフレネルレンズFL2のレンズ面L2fは互いに向き合っている。第2のフレネルレンズFL2は、レンズ面L2fとは反対側に、概平面L2nを有している。
図25Aは、実施例によるレンズ系のフレネルレンズFL1、FL2が有している光軸LCからの距離と溝ピッチとの関係を示すグラフである。溝ピッチは、2つのフレネルレンズFL1、FL2において共通である。同図では、光軸LCからの距離と溝ピッチとの関係が実線PL8として示されている。また、上述した式(2)で表される実線PL4と、溝ピッチの条件を規定する破線PL5、PL6が示されている。同図に示すように、フレネルレンズFL1、FL2の溝ピッチは、破線PL2、PL3で特定される条件を満たしている。
図25Bは、フレネルレンズFL1、L2が有している光軸LCからの距離と溝深さとの関係を示すグラフである。これらの図に示すように、実施例によるフレネルレンズFL1、FL2の溝ピッチと溝深さの双方は、光軸LCからの距離に応じて漸進的に変化している。
詳細には、溝ピッチは、光軸LCからの距離に応じて、全範囲に亘って漸進的に減少している。光軸LCからの距離が0mm〜約8mmの範囲において、ピッチは急激に減少し、光軸LCからの距離が8mm以上の範囲において、ピッチは緩やかに減少している。一方、第1のフレネルレンズFL1の溝深さは、図25Bに示すように、光軸LCからの距離が約20mmまでの範囲において漸進的に増大し、約20mm以上の範囲において漸進的に減少している。第2のフレネルレンズFL2の溝深さは、約3mm以上、10mm以下の範囲において、漸進的に減少し、10mm以上の範囲において緩やかに漸進的に増大している。
レンズ系SA〜SEと同様の手法で、実施例によるレンズ系(フレネルレンズFL1、FL2)についても輪線評価値を得た。図25Cは実施例によるレンズ系を使用して得られた輪線評価値と視線角度との関係を示すグラフである。このグラフに示されるように、いずれの範囲においても、0を大きく下回る輪線評価値は発生しなかった。このことは、実施例によるレンズ系は輪線を発生しないことを意味している。図25Dは、実施例によるレンズ系を使用して、図8に示す撮影条件での撮影により得られた画像である。この図に示すように、実際に、撮影画像のどの位置においても輪線の発生は認められなかった。

Claims (10)

  1. 少なくとも1つのフレネルレンズを有するレンズ系であって、
    前記少なくとも1つのフレネルレンズのレンズ面は、同心円状に形成されている複数の溝を有し、
    隣り合う2つの溝の間の距離であるピッチと前記複数の溝の深さの双方が、前記レンズ系の中心を通る光軸からの距離に応じて変化している
    レンズ系。
  2. 前記溝の深さは、前記光軸からの距離に応じて漸進的に増大する範囲を有し、
    前記溝のピッチは、前記範囲の少なくとも一部において、前記光軸からの距離に応じて漸進的に減少する
    請求項1に記載のレンズ系。
  3. 前記少なくとも1つのフレネルレンズの数は1枚であり、
    前記フレネルレンズの中心からの距離をX(mm)とし、前記ピッチをP(mm)としたとき、0mm≦X≦10mmの範囲では、XとPが以下の条件を満たす
    P≦(0.00021(X−10)^4+0.6)×1.5
    P≧(0.00021(X−10)^4+0.6)×0.5
    請求項1に記載のレンズ系。
  4. 10mm<Xの範囲では、Pが以下の条件を満たす
    0.3≦P≦0.9
    請求項3に記載のレンズ系。
  5. 前記少なくとも1つのフレネルレンズの数は1枚であり、
    前記光軸からの距離が0mmの位置で、前記ピッチが1.35mm以上、4.05mm以下であり、
    前記光軸からの距離が5mmの位置で、前記ピッチが0.37mm以上、1.10mm以下であり、
    前記光軸からの距離が10mmの位置で、前記ピッチが0.30mm以上、0.90mm以下である
    請求項1に記載のレンズ系。
  6. 前記少なくとも1つのフレネルレンズである第1のフレネルレンズと、
    前記少なくとも1つのフレネルレンズである第2のフレネルレンズと、を有し、
    前記第1のフレネルレンズと前記第2のフレネルレンズとが光軸方向で並んでいる
    請求項1に記載のレンズ系。
  7. 前記光軸からの距離をX(mm)とし、前記第1のフレネルレンズと前記第2のフレネルレンズのそれぞれのピッチをP(mm)としたとき、0mm≦X≦18mmの範囲では、XとPが以下の条件を満たす
    P≦(−0.00039(X−18)^3+0.2)×1.5
    P≧(−0.00039(X−18)^3+0.2)×0.5
    請求項6に記載のレンズ系。
  8. 18mm<Xの範囲では、XとPが以下の関係を有する
    0.10≦P≦0.30
    請求項7に記載のレンズ系。
  9. 前記第1のフレネルレンズと前記第2のフレネルレンズのそれぞれについて、
    前記光軸からの距離が0mmの位置で、前記ピッチが1.25mm以上、3.75mm以下であり、
    前記光軸からの距離が5mmの位置で、前記ピッチが0.53mm以上、1.59mm以下であり、
    前記光軸からの距離が18mm以上の範囲で、前記ピッチが0.10mm以上、0.30mm以下である
    請求項6に記載のレンズ系。
  10. 請求項1に記載のレンズ系を有している画像観察装置。

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