JP2008015063A - 立体視光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な立体視効果を確実に得ることのできる立体視光学系を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の立体視光学系は、視差を持った複数の要素画像(12)を同一面上に配列して表示する表示部(11)と、前記複数の要素画像(12)の各々の射出光束の広がりを規定する光学系(13)とを備え、前記要素画像(12)の配置ピッチd、前記光学系から観察眼(E)までの観察距離L、前記観察眼(E)の角度分解能θ、前記観察眼(E)の瞳径D、前記光学系(13)の開口径φ、前記要素画像(12)の射出光束の波長λ、前記要素画像(12)の画素ピッチP、前記光学系(13)の半画角ω、前記光学系(13)の焦点距離fは、d<Lθ …(1),d<D/2 …(2),d>φ …(3),d>λL/φ …(4),f>P/θ …(6),f<d/(2tanω) …(8)の各式を満たすことを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、多眼式の立体視光学系に関する。
多眼式の立体視光学系は、例えば、多数の画像表示素子を同一面上に配列した表示パネルと、その前面に配置されたレンズアレイとで構成される。それら画像表示素子の各々には、視差を持った要素画像が表示される。そのとき観察者が左右の眼で個別にレンズを覗くと、視差を持った要素画像が左右の眼で個別に捉えられる(両眼視差が得られる)ので、立体視が実現する。また、観察者が覗く位置をずらすと、左右の眼に捉えられる要素画像が視差を持った他の要素画像に変化する(運動視差が得られる)ので、別の方向から見た立体視も可能である。
このような多眼式の立体視光学系の原理は、非特許文献1,2などにも開示されている。この立体視光学系で完璧な立体視効果を得るためには、画像表示素子の配置密度を高めればよい。この事実は、非特許文献1にも開示されている。
日経マイクロデバイス7月号,2005年,p82-83 梶木善裕,"超多眼領域における立体像表示",日本光学会第69回微小光学研究会,1/6-6/6
しかし、実際には、良好な立体視効果を得るために必要な条件は複数ある。一方、複数の条件を具体的に説明した例は無く、このことが立体視光学系の実用化を遅らせる一因となっている。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、良好な立体視効果を確実に得ることのできる立体視光学系を提供することを目的とする。
本発明の立体視光学系は、視差を持った複数の要素画像を同一面上に配列して表示する表示部と、前記複数の要素画像の各々の射出光束の広がりを規定する光学系とを備え、前記要素画像の配置ピッチd、前記光学系から観察眼までの観察距離L、前記観察眼の角度分解能θ、前記観察眼の瞳径D、前記光学系の開口径φ、前記要素画像の射出光束の波長λ、前記要素画像の画素ピッチP、前記光学系の半画角ω、前記光学系の焦点距離fは、d<Lθ …(1),d<D/2 …(2),d>φ …(3),d>λL/φ …(4),f>P/θ …(6),f<d/(2tanω) …(8)の各式を満たすことを特徴とする。
なお、前記開口径φ、前記波長λ、前記画素ピッチP、前記焦点距離fは、f<Pφ/λ …(7)の式を更に満たすことが望ましい。
また、前記観察距離Lは、1.94m<L<17.5m …(11G)の式を更に満たすことが望ましい。
本発明によれば、良好な立体視効果を確実に得ることのできる立体視光学系が実現する。
[第1実施形態]
第1実施形態を説明する。本実施形態は、立体視光学系の実施形態である。
先ず、立体視光学系の構成を説明する。
図1は、立体視光学系の構成を示す分解図である。図1に示すとおり、立体視光学系は、多眼表示パネル11と、多眼表示パネル11の前面に配置されるレンズアレイ13とで構成される。多眼表示パネル11は、基板上に多数の画像表示素子(液晶表示素子など)12を二次元的に配列してなり、レンズアレイ13は、多数の画像表示素子12の各々に正対する同数の要素レンズ131を有する。よって、要素レンズ131の配列パターンは、画像表示素子12の配列パターンと同じである。このレンズアレイ13において、互いに隣接する要素レンズ131の間隙は、斜線で示すとおり、絞りの働きをする遮光部となっていることが望ましい。
画像表示素子12の各々は、不図示の駆動回路から入力される駆動信号に応じて、互いに視差を持った要素画像を表示する。このとき、観察者がレンズアレイ13を介して多眼表示パネル11を覗くと、両眼視差を得ることができる。また、観察者が多眼表示パネル11の面に沿った方向へ平行移動すると、運動視差を得ることもできる。
なお、画像表示素子12に表示する要素画像を時間変調すれば、運動する立体の観察も可能となる。また、図1では、画像表示素子12及び要素レンズ131の配置面を平面としたが、曲面としてもよい。また、図1では、運動視差の得られる方向を2方向とするために、画像表示素子12及び要素レンズ131の配列を二次元的にしたが、運動視差の得られる方向を1方向に限定してもよいならば、配列を一次元的にしてもよい。
図2は、画像表示素子12の各々に表示されるべき要素画像を説明する概念図である。図2に示すように、多眼表示パネル11の背後に仮想的な立体A,Bを想定する。これを観察者に立体視させるためには、個々の画像表示素子12に表示される要素画像を、個々の画像表示素子12の配置位置から立体A,Bを観察したときに見える画像と同じにすればよい。
したがって、図2において、配置位置の離れた2つの画像表示素子12−1,12−2には、その距離の分だけずれた要素画像I1,I2が表示される。因みに、画像表示素子12−1の配置位置からは、略正面に立体Aが観察できるので、要素画像I1には立体Aが比較的大きく映っている。一方、画像表示素子12−2の配置位置からは、略正面に立体Bが観察できるので、要素画像I2には、立体Bが比較的大きく映っている。
図3は、要素レンズ131を説明する図である。
要素レンズ131は、凸レンズであり、その焦点面は、画像表示素子12の近傍に位置する。この要素レンズ131を介して観察眼Eが画像表示素子12を見ると、画像表示素子12が実際よりも遠方に存在しているように見え、また、実際よりも大きく見える。
また、この要素レンズ131は、画像表示素子12からの射出光束の広がりを抑えるので、観察眼Eが同時に観察できる画像表示素子12の個数を制限する機能も有する。
次に、立体視光学系のパラメータを説明する。
立体視光学系のパラメータは、以下のとおりである。図4には、各パラメータの採り方を示した。
画像表示素子12の発光波長λ,
観察眼Eの瞳径D,
左右の観察眼Eの幅(眼幅)H,
観察眼Eの角度分解能θ,
要素レンズ131の半画角ω,
立体視光学系から観察眼Eまでの距離(観察距離)L,
画像表示素子12の配置ピッチd,
要素レンズ131の開口径φ,
要素レンズ131の焦点距離f,
画像表示素子12の画素ピッチP,
このうち、瞳径D,眼幅H,角度分解能θは、ヒトの特性によって決まるものであり、発光波長λ,半画角ωは、ヒトの特性に合わせて決められるものである。因みに、発光波長λは、ヒトが感知可能な波長範囲に設定されるのが好ましく、半画角ωは、ヒトの視野角に一致させるのが好ましい。
一方、観察距離L,配置ピッチd,開口径φ,焦点距離f,画素ピッチPは、立体視光学系の設計時、以下の各条件を満たすように決定される。
(i)格子模様が観察されないための条件
観察眼Eが個々の要素レンズ131を解像してしまうと、要素画像の手前に格子模様が見えてしまうので、立体視の妨げになる。観察眼Eが要素レンズ131を解像しないためには、互いに隣接する2つの画像表示素子12が観察距離Lの位置で張る角度が、観察眼Eの角度分解能θより小さければよい。したがって、この条件(i)を数式化すると、以下のとおりとなる。
d<Lθ …(1)
但し、dとLθとの差が大きすぎるのも余り好ましく無いので、式(1)の代わりに式(1’)を用いてもよい。
Lθ/2<d<Lθ …(1’)
(ii)運動視差を滑らかにするための条件
運動視差を滑らかにするためには、観察眼Eに対し少なくとも2つの画像表示素子12からの射出光束が同時に入射する必要がある。少なくとも2の画像表示素子12からの射出光束が観察眼Eへ同時に入射するための条件を数式化すると、以下のとおりとなる。なお、ここでは、画像表示素子12の配置位置が要素レンズ131の焦点面に一致しており、観察眼Eから見た画像表示素子12の表示距離を無限遠と仮定した。
d<D/2 …(2)
但し、運動視差を得るためには、本来、観察眼Eに対し多くの画像表示素子12からの射出光束が同時に入射することは好ましくない。そこで、3以上の画像表示素子12からの射出光束が同時に入射しないよう、式(2)の代わりに式(2’)を用いてもよい。
D/3<d<D/2 …(2’)
(iii)要素レンズ13を適正に配列するための条件
画像表示素子12の配置ピッチdを要素レンズ13の開口径φより大きくしておかなければ、要素レンズ13を画像表示素子12と同じ配列パターンで配列することはできない。この条件を数式化すると、以下のとおりである。
d>φ …(3)
但し、dとφとの差が大き過ぎると無駄なスペースが生じてしまうので、配置ピッチdは、開口径φと近い値に決定されることが望ましい。よって、式(3)の代わりに式(3’)を用いることが望ましい。
d>φ,かつd≒φ …(3’)
(iv)表示距離の誤認を防ぐための条件
図5に示すように、画像表示素子12−1に表示された或る像Iからの射出光束L10は、基本的に、実線で示すとおりに進行するが、実際は、射出光束L10の一部は要素レンズ131の開口で回折して回折光束L1+となり、点線で示すとおり異なる方向へ進行する。この回折光束L1+は、隣接する画像表示素子12−2に表示された同じ像I’からの射出光束L20の光路へ到達する可能性がある(像Iと像I’とは、表示すべき立体の互いに同じ箇所の像であって、画像表示素子12−1における像Iの表示位置と、画像表示素子12−2における像I’の表示位置とは、略同じである。)。
仮に、回折光束L1+と非回折光束L20とのクロス箇所(ドットで示す箇所)が観察眼Eの瞳より前であったとすると、観察眼Eが像I’の表示距離を誤認する可能性がある。一方、回折光束L1+と非回折光束L20とのクロス箇所が観察眼Eより後であったとすると、その可能性は無い。
よって、誤認を防ぐためには、回折光束L1+の回折角度が十分に小さく、回折光束L1+と非回折光束L10とのずれ量が瞳上で配置ピッチdより小さければよい。この条件を数式化すると、以下のとおりである。
d>λL/φ …(4)
なお、上述したクロス箇所が観察眼Eの瞳上であったとしても、誤認は生じないと考えられるので、式(4)の代わりに式(4’)を用いてもよい。
d≧λL/φ …(4’)
(v)両眼視差を良好に得るための条件
図6に示すように、画像表示素子12−1からの非回折光束L10と回折光束L1+とが左右の観察眼Eに到達してしまうと、左右の観察眼Eが視差の無い要素画像を同時に観察してしまうので、両眼視差の妨げとなる。これを回避するための条件を数式化すると、以下のとおりである。
H>λL/φ …(5)
但し、この条件(v)は、条件(iv)が満たされれば自動的に満たされる(なぜなら、ヒトの構造上、H>dである。)。よって、以下では、この条件(v)を検討対象から外す。
(vi)画像表示素子12の画素が解像されないための条件
画像表示素子12の個々の画素を観察眼Eが解像してしまうと、要素画像が荒れて見える。要素画像を滑らかに見せるためには、各画素をボケさせればよい。つまり、図7に示すように、隣接する画素p1,p2からの射出光束同士が観察眼Eの側で成す角度θ’が、観察眼Eの角度分解能θより小さければよい。角度θ’は、θ’=P/fで表されるので、この条件(vi)を数式化すると、P/f<θとなり、それを変形すると以下のとおりである。
f>P/θ …(6)
なお、条件(vi)の厳しさを調節する可能性を考慮し、式(6)の代わりに式(6’)を用いてもよい。
f>β6P/θ,かつ0.5≦β6≦1.5 …(6’)
(vii)画像表示素子12の画素がボケ過ぎないための条件
画像表示素子12の画素がボケ過ぎると、要素画像の精細度が低下する。要素画像を精細に見せるためには、各画素のボケ量を適量にすればよい。つまり、図8に示すように、隣接する画素p1,p2の像同士の重なり量を、一方の像を成す1次回折光と非回折光とのずれ量以下に収めればよい。この条件(vii)を数式化すると、λ/φ<P/fとなり、変形すると以下のとおりである。
f<φP/λ …(7)
なお、この条件(vii)の厳しさを調節する可能性を考慮し、式(7)の代わりに式(7’)を用いることが望ましい。
f<β7φP/λ,かつ0.5≦β7≦1.5 …(7’)
因みに、β7=0.61とおくと、レーリーの解像条件の式と同じになる。
(viii)1つの要素レンズ131が1つの要素画像のみを捉えるための条件
図9に示すように、1つの要素レンズ131が捉えることのできる画像表示素子12上の幅は、要素レンズ131の半画角ω、要素レンズ131の焦点距離fにより、2×f・tanωで表される。この幅が画像表示素子12の配置ピッチdよりも広いと、1つの要素レンズ131が2つの画像表示素子12を捉えてしまう。したがって、この条件(viii)を数式化すると、f・tamω<d/2となり、変形すると以下のとおりである。
f<d/(2tanω) …(8)
なお、条件(viii)を緩やかにする可能性を考慮し、式(8)の代わりに式(8’)を用いてもよい。係数β8の値は、製造可能な画像表示素子12のサイズなどで決めるとよい。
f<β8d/(2tanω),かつ1≦β8≦1.5 …(8’)
以上の各条件が、良好な立体視効果を確実に得るための条件である。
なお、条件(vi),(vii)からは、開口径φに関する条件(ix)と、画素ピッチPに関する条件(x)とが導出される。よって、必要に応じて、条件(vi),(vii)の代わりに条件(ix),(x)を用いてもよい。
(ix)開口径φに関する条件
φ>β6λ/(β7θ) …(9)
なお、式(9)は、(6’),(7’)から導出されたものである。
(x)画素ピッチPに関する条件
λf/(β7φ)<P<θf/β6 …(10)
なお、式(10)は、(6’),(7’)から導出されたものである。
[その他]
なお、第1実施形態の立体視光学系では、個々の要素画像(ここでは、画像表示素子12)からの射出光束を制限する光学系としてレンズアレイを用いたが、光軸方向に厚みを持った格子板や、筒状の絞りを多並べたものなど、他の光学系を用いてもよい。
また、第1実施形態の立体視光学系では、多数の要素画像を配列するために、多数の表示素子と多数のレンズとを使用したが、1つの表示素子と1つのレンズとからの射出光束を仮想面上で高速にスキャンすれば、多数の表示素子と多数のレンズとを配列したのと同等の効果を得ることができる。因みに、このような立体視光学系の原理は、非特許文献2にも記載されている。
[第2実施形態]
第2実施形態を説明する。本実施形態は、立体視光学系のパラメータ決定方法の実施形態である。
(手順1)
ヒトの特性等に基づき、発光波長λ,瞳径D,角度分解能θ,半画角ωを決定する。これらパラメータの一般的な値を以下に示す。
発光波長λ=400nm〜700nm,
瞳径D=3mm〜7mm,
角度分解能θ=0.0003〜0.0006rad,
半画角ω≒0.1rad
(手順2)
条件(i),(ii),(iv),(viii)を用いて観察距離Lの存在範囲を調べる。
観察距離Lは、立体視光学系の仕様から決定されてもよいが、条件(i),(ii),(iv),(viii)を用いることにより、d,φの解が存在し、かつ解が異常値とならないような範囲に決定されることが望ましいからである。
ここでは、説明上、各条件の条件式として、以下の各条件式を採用する。
条件(i):
d<Lθ …(1)
条件(ii):
d<D/2 …(2)
条件(iii)
d>φ,かつd≒φ …(3’)
条件(iv)
d≧λL/φ …(4’)
条件(viii)
f<d/(2tanω) …(8)
このうち、式(3’)を式(4’)へ代入すると、d≧√[λL]が得られ、dの最小値が求まる。さらに、dの最小値√[λL]を式(1),(2)へ代入すると、Lの存在範囲の条件式(11)が得られる。
λ/θ2<L<D2/(4λ) …(11)
したがって、例えば、発光波長λ=500nm,角度分解能θ=0.0006rad,瞳径D=5mmであったとすると、Lの存在範囲は、以下の式(11A)のとおりとなる。
1.39m<L<12.5m …(11A)
但し、実際には、発光波長λ=400〜700nm,角度分解能θ=0.0003〜0.0006rad,瞳径D=3mm〜7mmであり、それぞれ幅を持つので、それらの値の組み合わせによりLの存在範囲も変化する。以下、それを説明する。
先ず、条件式(11)を参照すると、Lの下限は角度分解能θが大きいほど小さくなり、Lの上限は瞳径Dが大きいほど大きくなることがわかる。よって、Lの下限を与える角度分解能θの値は、θ=0.0006radであり、Lの上限を与える瞳径Dの値は、D=7mmである。このため、θ=0.0006rad,D=7mmに設定した上で、発光波長λを400〜700nmの各値に変化させ、そのときのLの存在範囲の変化を調べると、以下のことがわかる。
λ=400nmのとき:
1.11m<L<30.6m …(11B)
λ=450nmのとき:
1.25m<L<27.2m …(11C)
λ=500nmのとき:
1.39m<L<24.5m …(11D)
λ=550nmのとき:
1.53m<L<22.3m …(11E)
λ=600nmのとき:
1.67m<L<20.4m …(11F)
λ=700nmのとき:
1.94m<L<17.5m …(11G)
したがって、発光波長λが長いときほど、Lの存在範囲が狭まることがわかる。例えば、要素画像が単色画像であり、その色の波長がλ=600nmであるときには、観察距離Lの存在範囲は(11F)となる。また、例えば、要素画像が500nm〜700nmのカラー画像であるときには、その中で最も長い波長(700nm)を考慮し、観察距離Lの存在範囲は(11G)となる。
(手順3)
決定済みの値と、開口径φ及び配置ピッチdに関する条件(i),(ii),(iii),(iv),(ix)とを用いて、開口径φと配置ピッチdとを決定する。
但し、これらの条件を満たすd,φの解は1組ではないので、φ−d座標(図10参照)上に、条件(i)を満たす領域A1と、条件(ii)を満たす領域A2と、条件(iii)を満たす領域A3と、条件(iv)を満たす領域A4と、条件(ix)を満たす領域A9とを描き(図10参照)、それらの領域の重複領域(図10の斜線部)を見出す。この重複領域が、d,φの解の存在領域である。本手順では、d,φの値を、その存在領域に属するように決定する。
(手順4)
条件(viii)に決定済みの値を当てはめて焦点距離fの存在範囲を求める。また、条件(x)に決定済みの値を当てはめて画素ピッチPの存在範囲を求める。両者の存在範囲から、焦点距離f,画素ピッチPの値を決定する(以上、手順4)。
立体視光学系のパラメータ決定方法の実施例を説明する。本実施例は、第2実施形態の具体例である。
(手順1)
先ず、ヒトの特性等に基づき、発光波長λ,瞳径D,角度分解能θ,半画角ωを、以下のとおり決定する。
発光波長λ=500nm,
瞳径D=7mm,
眼幅H=65mm
角度分解能θ=0.0006rad,
半画角ω=0.1rad(≒5.7°)
因みに、瞳径Dは、暗所におけるヒトの眼の瞳径を想定した。
また、角度分解能θは、視力が0.5である観察眼の角度分解能を想定した。一般に、視力が1.0である眼の角度分解能は1分であり、視力が0.5〜1.0である観察眼の角度分解能は1’〜2’(0.0003〜0.0006rad)である。よって、視力が0.5である観察眼の角度分解能は、θ=0.0006radとなる。
また、半画角ωは、ヒトの眼の視野角に一致させた。一般に、視力は視野中心から5°ずれると0.1に下がると言われているので、視野角を5°(≒0.1rad)とみなした。
また、本実施例では、後続する手順において、以下の各条件式を採用する。
条件(i):
Lθ/2<d<Lθ …(1’)
条件(ii):
D/3<d<D/2 …(2’)
条件(iii):
d>φ,かつd≒φ …(3’)
条件(iv):
d≧λL/φ …(4’)
条件(vi):
f>P/θ …(6)
条件(vii):
f<β7φP/λ …(7’)
条件(viii):
f<d/(2tanω) …(8)
条件(ix)
φ>β6λ/(β7θ) …(9)
条件(x)
λf/(β7φ)<P<θf/β6 …(10)
但し、β6=1,β7=0.5とする。因みに、β7=0.5によると、条件(vii)がレーリーの解像条件(β7=0.16)よりも若干緩やかになる。
(手順2)
本手順では、式(1’),(2’),(4’),(8)を用いて観察距離Lの存在範囲を調べる。すると、条件式(11A)が得られる。
1.39m<L<12.5m …(11A)
したがって、本手順では、観察距離Lがこの存在範囲に含まれるよう、L=5mに決定する。
(手順3)
条件式(1’)に決定済みの値を当てはめると、1.5mm<d<3mmが得られる。したがって、図10のφ−d座標上において、この条件式(1’)を満たす領域A1は、境界IIと境界IIIとに挟まれた領域である。
条件式(2’)に決定済みの値を当てはめると、2.333mm<d<3.5mmが得られる。したがって、図10のφ−d座標上において、この条件式(2’)を満たす領域A2は、境界IVと境界Vとに挟まれた領域である。
条件式(3’)は、d>φ,かつd≒φであるので、図10のφ−d座標上において、この条件式(3’)を満たす領域A3は、境界VIの右側の細長い領域である。
条件式(4’)に決定済みの値を当てはめると、d≧2.5/φが得られる。したがって、図10のφ−d座標上において、この条件式(4’)を満たす領域A4は、境界VIIの上側の領域である。
条件式(9)に決定済みの値を当てはると、φ>1.37mmが得られる。したがって、図10に示すφ−d座標上において、この条件式(9)を満たす領域A9は、境界Iより右側の領域A9であることがわかる。
したがって、領域A9,A1,A2,A3,A4の重複領域は、図10中に斜線で示すとおり、座標(2.8mm,2.8mm)の近傍に位置する三角形状の領域である。この領域が、d,φの解の存在領域である。そこで、本手順では、この領域に属するよう、開口径φ,配置ピッチdの値を、φ=2.8mm,d=2.8mmに決定する。
(手順4)
条件式(8)に決定済みの値を当てはめると、f<14mmが得られる。但し、ここでは、ω=0.1radなのでtanω=0.1とした。よって、本手順では、焦点距離fを、f=10mmに決定する。
条件式(10)に決定済みの値を当てはめると、3.57×10-3mm<P<6×10-3が得られる。よって、本手順では、画素ピッチPを、P=4.0μmに決定する(以上、手順4)。
以上、本実施例で決定されたパラメータをまとめると、以下のとおりである。
発光波長λ=500nm
瞳径D=7mm
眼幅H=65mm
角度分解能=0.0006rad
半画角ω=0.1rad (≒5.7°)
観察距離L=5m
配置ピッチd=2.8mm
開口径φ=2.8mm
焦点距離f=10mm
画素ピッチ=4.0μm
なお、本実施例では、立体視光学系の全体サイズそのものを規定しなかったが、観察距離L=5mより、全体サイズは、2m×1m程度が適当である。
また、配置ピッチd=2.8mmより、画像表示素子12の画面サイズは、最大で2.8×2.8mm程度となる。
また、全体サイズを2m×1mとし、配置ピッチd=2.8mmとしたとき、画像表示素子12の配列数は、概ね714×357=約255000個となる。
また、画素ピッチP=4.0μmであるので、画像表示素子12の画面サイズを2.8×2.8mmとしたならば、画像表示素子12の最大の画素数は、49万個となる。
立体視光学系の構成を示す分解図である。 画像表示素子12の各々に表示されるべき要素画像を説明する概念図である。 要素レンズ131を説明する図である。 パラメータの採り方を示す図である。 条件(iv)を説明する図である。 条件(v)を説明する図である。 条件(vi)を説明する図である。 条件(vii)を説明する図である。 条件(viii)を説明する図である。 φ−d座標上に各条件を満たす領域を描いた図である。
符号の説明
11…多眼表示パネル11,13…レンズアレイ,12…画像表示素子,131要素レンズ

Claims (3)

  1. 視差を持った複数の要素画像を同一面上に配列して表示する表示部と、
    前記複数の要素画像の各々の射出光束の広がりを規定する光学系とを備え、
    前記要素画像の配置ピッチd、
    前記光学系から観察眼までの観察距離L、
    前記観察眼の角度分解能θ、
    前記観察眼の瞳径D、
    前記光学系の開口径φ、
    前記要素画像の射出光束の波長λ、
    前記要素画像の画素ピッチP、
    前記光学系の半画角ω、
    前記光学系の焦点距離fは、
    d<Lθ …(1)
    d<D/2 …(2)
    d>φ …(3)
    d>λL/φ …(4)
    f>P/θ …(6)
    f<d/(2tanω) …(8)
    の各式を満たすことを特徴とする立体視光学系。
  2. 請求項1に記載の立体視光学系において、
    前記開口径φ、
    前記波長λ、
    前記画素ピッチP、
    前記焦点距離fは、
    f<Pφ/λ …(7)
    の式を更に満たすことを特徴とする立体視光学系。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の立体視光学系において、
    前記観察距離Lは、
    1.94m<L<17.5m …(11G)
    の式を更に満たすことを特徴とする立体視光学系。
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