JP2006330432A - フレネルレンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】 フレネルレンズにおいて、入射光を均一に調整する。
【解決手段】 各輪帯領域RZ内に形成された各三角形状回折格子11は、各輪帯ピッチRpに合わせて底辺長さを設定した底辺11aと、外周側に向けて傾斜した傾斜面を有し且つ入射光Lに対して特定次数の回折光を回折して所定の集光位置に集光させる第1回折格子部11bと、内周側に向けて傾斜した傾斜面を有し且つ第1回折格子部11bと異なる回折次数に入射光Lを回折して特定次数以外の回折光を発生させると共に入射光Lに対して光透過率を調整する第2回折格子部11cとを備えてなり、第1,第2回折格子部11b,11cの各輪帯ピッチRpに対する占有比率を略一定に設定した上で、底辺11aを高さ基準として各三角形状回折格子11の高さHを、各輪帯領域RZがそれぞれ要求する光透過率になるように各輪帯領域RZごとに可変させたフレネルレンズ10を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光透過性を有する円盤状の光学基板上に、複数の輪帯領域が中心から外周側に向かって各輪帯ピッチを除々に狭めて設定され、且つ、各輪帯領域内に各三角形状回折格子が形成されたフレネルレンズにおいて、各三角形状回折格子は各輪帯ピッチに合わせて底辺長さを設定した底辺と、底辺と対向して外周側に向けて傾斜させた傾斜面を有する第1回折格子部と、底辺と対向して内周側に向けて傾斜させた傾斜面を有する第2回折格子部とを備え、第1,第2回折格子部の各輪帯ピッチに対する占有比率を略一定に設定した上で、底辺を高さ基準として各三角形状回折格子の高さを、各輪帯領域がそれぞれ要求する光透過率になるように各輪帯領域ごとに可変させることで、各輪帯領域ごとに入射光に対する光透過率を調整して、内周部及び外周部での光量分布を均一化できるように構成したフレネルレンズに関するものである。
最近、回折光学素子の一種であるフレネルレンズは、非球面レンズと組み合わせることにより、光学的な収差を小さな値に設定できる等の理由から、光ディスク装置の光ピックアップや、光通信装置の光学系に多用されている。
この種のフレネルレンズの一例として直角三角形状の回折格子を有するフレネルレンズを、ガラス材を用いて金型により加熱圧縮成形するか、又は、透明樹脂材を用いて金型により射出成形して作製する場合に、フレネルレンズ用の金型をダイヤモンド工具により切削加工して作製する技術的思想が開示されている(非特許文献1)。
光技術コンタクト Vol.26、No3(1988)、P208〜212
図14(a),(b)は従来例として直角三角形状の回折格子を有するフレネルレンズを示した平面図,縦断面図、
図15は図14に示した従来のフレネルレンズを金型により成形する際に、フレネルレンズ用の金型をダイヤモン工具により切削加工して作製する状態を模式的に示した縦断面図、
図16は従来のフレネルレンズに、中央部の光束は光強度が強く、且つ、外周部の光束は光強度が弱いレーザー光を入射させた状態を模式的に示した図である。
図14(a),(b)に示したように、従来のフレネルレンズ100は、光透過性を有するガラス材や透明樹脂材などを用いた円盤状の光学基板(Optical Base Plate)OBP上に、複数の輪帯領域(Ring Zone)RZが中心0を中心にしてリング状の同心円を描き、且つ、中心0から外周側に向かって各輪帯ピッチを除々に狭めて設定されていると共に、各輪帯領域RZ内には直角三角形状の回折格子101がそれぞれ形成されている。この際、上記した回折格子101は、光学基板OBP上で入射光となるレーザー光Lが入射する側に仮想に設定した底辺101aと、この底辺101aと対向して入射光回折面となる傾斜面101bと、位相折り返しポイント面となる垂直面101cとに囲まれて直角三角形状に形成されている。
そして、各輪帯領域RZ内に形成された各回折格子101の回折効果を利用してレンズ機能を持たせている。
ところで、上記した従来のフレネルレンズ100を例えば光ディスク装置(図示せず)のピックアップの回折光学素子として用いるような場合には、素子としての小型化と、フレネルレンズ100に入射させるレーザー光のビームパワーを有効利用するために高い回折効率との双方が要求されている。
これらの要求を実現するために、従来のフレネルレンズ100は、前述したように、ガラス材を用いて金型により加熱圧縮成形するか、又は、透明樹脂材を用いて金型により射出成形して作製されているが、この際、図15に示したように、フレネルレンズ用の金型150が、ダイヤモンド工具151により金属製金型母材上で仮想に設定した底辺150aと、この底辺150aに対向した傾斜面150bと、垂直面150cとに囲まれて直角三角形状に切削加工して作製されている。
具体的には、図15に示したように、フレネルレンズ用の金属製金型母材を回転させながらダイヤモンド工具151の先端に取り付けたダイヤモンドバイト151aを移動させて直角三角形状の回折格子パターンを刻んでおり、回折格子101{図14(b)}の位相分布を直線近似する方法によって、加工時間を短縮できること、切削加工面が良好な表面粗さに保てること等のメリットが得られる。
ここで、フレネルレンズ用の金型150において、一つの輪帯領域分の位相形状は略直角三角形であり、フレネルレンズ100の入射光回折面となる傾斜面101b{図15(b)}と対応した傾斜面150bは輪帯ピッチにおける切削最高高さから最小高さまでを結んだ略直線状になっていると共に、フレネルレンズ100の位相折り返しポイント面となる垂直面101c{図15(b)}と対応した垂直面150cは金型水平方向に対して略垂直に立ち上がる形状になっている。
そして、ダイヤモンド工具151の先端に取り付けたダイヤモンドバイト151aが切削加工面と平行となる際、切削加工面が鏡面状になるので、ダイヤモンドバイト151aを傾斜させて傾斜面150bを所定の傾斜角を持って切削加工する一方、ダイヤモンドバイト151aを略垂直に起立させて垂直面150cを略垂直に切削加工することで、フレネルレンズ用の金型150が作製されている。
この後、作製したフレネルレンズ用の金型150を用いて、上記した従来のフレネルレンズ100をガラス材又は透明樹脂材により成形している。
ところで、光ピックアップ等の光源に使用されている半導体レーザー(図示せず)は光強度分布を持っており、図16に示した如く、従来のフレネルレンズ100に、半導体レーザーから出射したレーザー光Lを不図示のコリメータレンズで平行光に変換して入射させた時に、一般的に、適宜な位置で断面した時の断面積が略円形であるレーザー光Lの光束の中央部は光強度が強く(光量が大きく)、且つ、外周部の光束は光強度が弱い(光量が小さい)傾向がある。このように不均一な光強度分布(光量分布)を持ったレーザー光Lの光束を従来のフレネルレンズ100に入射させて集光した場合、レンズ外周部の光強度が、中央部と比較して弱くなるために、レンズの口径が小さくなった状態と等価な現象となる。このため、レンズの開口数(NA)が低下し、集光スポットが本来のレンズ設計と比較して、大きくなるといった現象が起き、光学特性の劣化が発生し、問題となっている。
そこで、本発明では、レーザー光を集光するフレネルレンズに、集光機能の他に、レーザー光源の光強度分布(光量分布)を調整する機能を備え、フレネルレンズへの入射光を均一に調整することで、フレネルレンズの中央部と外周部での光量分布を均一とし、前述のNA低下を抑制し、集光スポットの劣化を防止することができる構造形態のフレネルレンズが望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、光透過性を有する光学基板上に複数の輪帯領域が中心から外周側に向かって各輪帯ピッチを除々に狭めて設定され、且つ、各輪帯領域内に各三角形状回折格子が形成されたフレネルレンズにおいて、
前記各三角形状回折格子は、前記光学基板上で入射光が入射する側に前記各輪帯ピッチに合わせて底辺長さを設定した底辺と、前記底辺を透過した前記入射光が出射する側に外周側に向けて傾斜した傾斜面を有し且つ前記入射光に対して特定次数の回折光を回折して所定の集光位置に集光させる第1回折格子部と、前記底辺を透過した前記入射光が出射する側に内周側に向けて傾斜した傾斜面を有し且つ前記第1回折格子部と異なる回折次数に前記入射光を回折して特定次数以外の回折光を発生させると共に前記入射光に対して光透過率を調整する第2回折格子部とを備えてなり、
前記第1,第2回折格子部の前記各輪帯ピッチに対する占有比率を略一定に設定した上で、前記底辺を高さ基準として前記各三角形状回折格子の高さを、前記各輪帯領域がそれぞれ要求する光透過率になるように前記各輪帯領域ごとに可変させたことを特徴とするフレネルレンズである。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のフレネルレンズにおいて、
前記光学基板上でレンズ中心部の前記輪帯領域内に形成される三角形状回折格子は、前記第1回折格子部のみを有することを特徴とするフレネルレンズである。
請求項1記載のフレネルレンズによると、とくに、光学基板上で中心から外周側に向かって各輪帯ピッチを除々に狭めて設定した各輪帯領域内に形成された各三角形状回折格子は、各輪帯ピッチに合わせて底辺長さを設定した底辺と、底辺と対向して外周側に向けて傾斜させた傾斜面を有する第1回折格子部と、底辺と対向して内周側に向けて傾斜させた傾斜面を有する第2回折格子部とを備え、第1,第2回折格子部の各輪帯ピッチに対する占有比率を略一定に設定した上で、底辺を高さ基準として各三角形状回折格子の高さを、各輪帯領域がそれぞれ要求する光透過率になるように各輪帯領域ごとに可変させているので、本発明に係るフレネルレンズを例えば光ピックアップに適用した時に、フレネルレンズに入射する入射光に光量分布があっても、入射光に対して光量分布を均一に補正して、この入射光を所定の集光位置に集光さることができるので、これにより劣化のない集光スポットを得ることができる。更に、本発明に係るフレネルレンズは、入射光の光強度分布を均一化するのみでなく、組み合わせられる光学系の特性に合わせて、任意な光透過率を設定し、任意な光透過光量分布を得ることができる。
また、請求項2記載のフレネルレンズによると、とくに、光学基板上でレンズ中心部の輪帯領域内に形成される三角形状回折格子は、第1回折格子部のみを有しているので、このフレネルレンズ用の金型を作製する際に、レンズ中心部の三角形状回折格子を容易に切削加工することができる。
以下に本発明に係るフレネルレンズの一実施例について図1〜図13を参照して詳細に説明する。
本発明に係るフレネルレンズは、例えば、不図示の光ディスク装置の光ピックアップに取り付けられた非球面を有する対物レンズと組み合わせて適用されている。そして、光ピックアップ内でレーザー光源から出射した不均一な光強度分布(光量分布)を有する光束をフレネルレンズに入射させた時に、フレネルレンズで均一な光強度分布(光量分布)を有する光束に補正して、対物レンズ側に出射できるように構成されている。
図1(a),(b)は本発明に係るフレネルレンズを示した上面図,縦断面図、
図2は本発明に係るフレネルレンズを使用した時に、光学系の光路を説明するための図、
図3は本発明に係るフレネルレンズを使用した時に、光学系の光強度分布及び光透過率を図2中の位置X1〜X3に対応して示した図である。
図1(a),(b)に示した如く、本発明に係るフレネルレンズ10は、光透過性を有するガラス基板を用いた円盤状の光学基板(Optical Base Plate)OBP上に、複数の輪帯領域(Ring Zone)RZが中心0を中心にしてリング状の同心円を描き、中心0から外周側に向かって各輪帯ピッチを除々に狭めて設定されている。
また、フレネルレンズ10の各輪帯領域RZ内には各三角形状回折格子11が各輪帯ピッチに合わせて中心0から外周側に向かって形成されている。
そして、フレネルレンズ10の各輪帯領域RZ内に形成された各三角形状回折格子11は、光学基板OBP上で入射光となるレーザー光Lが入射する側に仮想に設定した底辺11aがその底辺長さを各輪帯ピッチに合わせて設定され、且つ、底辺11aを透過したレーザー光Lが出射する側に第1回折格子部11bが外周側に向けて傾斜した傾斜面を有して形成されていると共に、底辺11aを透過したレーザー光Lが出射する側に第2回折格子部11cが内周側に向けて傾斜した傾斜面を有して形成されている。
尚、図1(a),(b)中において、レンズ中心部の輪帯領域内には底辺11aと対向して第1回折格子部11bのみが形成されているが、これについては後で述べる。
この際、三角形状回折格子11中の第1回折格子部11bは、輪帯領域RZ内に入射した入射光に対して特定次数の回折光として例えば1次回折光を回折して所定の集光位置(焦点位置)に集光させるレンズ集光作用を備えている。即ち、三角形状回折格子11中の底辺11aと第1回折格子部11bとが成す角が各輪帯ピッチに応じて内周側から外周側に向かうにつれて大きくなり、これに伴って各第1回折格子部11bに平行に入射したレーザー光Lは各第1回折格子部11bに応じて入射角が変化するのでこれに応じて屈折角も異なることにより所定の集光位置(焦点位置)に集光させることができる。
一方、三角形状回折格子11中の第2回折格子部11cは、第1回折格子部11bと異なる回折次数に入射光を回折して特定次数以外(1次回折光以外)の回折光を発生させ、且つ、入射光に対して光透過率を調整する作用を備えている。
従って、三角形状回折格子11中の第1回折格子部11bは1次回折光回折面となり、一方、第2回折格子部11cは1次回折光以外の回折光への回折面及び位相折り返しポイント面となる。
更に、フレネルレンズ10の各輪帯領域RZ内に形成された各三角形状回折格子11は、第1,第2回折格子部11b,11cの各輪帯ピッチRpに対する占有比率を全ての輪帯領域RZに対して略一定に設定した上で、底辺11aから第1,第2回折格子部11b,11cが交わる頂点までの高さH(H,H,H,H,……,H 但し、n:0以上の正の整数)、言い換えると、底辺11aを高さ基準として各三角形状回折格子11の高さHを、各輪帯領域RZがそれぞれ要求する光透過率になるように各輪帯領域RZごとに可変させており、内周側から外周側に向かうにつれて高さHが徐々に高くなっているが、これについては後で詳述する。
ここで、フレネルレンズ10において、複数の輪帯領域RZを、光学基板OBPの中心0から外周側に向かって順にRZ,RZ,RZ,RZ,……,RZ(但し、n:0以上の正の整数)と設定した場合に、まず、光学基板OBPの中心0を中心としてn番目の輪帯領域RZに対応するレンズ半径(輪帯半径)Rを下記の数1より求めることができる。
Figure 2006330432
この数1中で、Rはn番目のレンズ半径であり、λは入射光の波長であり、入射光として波長λが0.4μmのレーザー光を用いている。また、f1は三角形状回折格子11中の第1回折格子部11bによる1次回折光の焦点距離であり、この実施例ではf1=20mmに設定されている。また、dは回折次数であり、この実施例では第1回折格子部11bによる1次回折光を対象にしているのでd=1である。
従って、光学基板OBPの中心0を中心としてRZ,RZ,RZ,RZ,……,RZに対応してレンズ半径R,R,R,R,……,Rが求められる。
次に、光学基板OBPの中心0を含む輪帯領域RZの輪帯ピッチRpは、下記の数2より求めることができる。
Figure 2006330432
次に、上記したn=0の場合を除外して、n番目の輪帯ピッチRpは、下記の数3より求めることができる。
Figure 2006330432
従って、数2及び数3から、レンズ中心部の輪帯領域RZのみが輪帯ピッチRpを半径にして円形に設定されるものの、輪帯領域RZ,RZ,RZ,……,RZは、輪帯ピッチRp,Rp,Rp,……,Rpの各ピッチ幅でリング状に設定されている。
そして、フレネルレンズ10のレンズ半径の最大値に対応するnの最大値を例えば140に設定した場合に、nを0〜140の範囲で順次可変しながらλ=0.4μm,f1=20mm,d=1を数1に代入してレンズ半径Rを計算し、この後、数2及び数3により、例えば、輪帯領域RZと対応したレンズ半径Rが光学基板OBPの中心0を含んだ0μm近傍(RZ),500μm(RZ15),1000μm(RZ62),レンズ最外周部に位置する1500μm(RZ140)における輪帯ピッチRpをそれぞれ求めると、126.5μm(Rp),16.1μm(Rp15),8.0μm(Rp62),5.4μm(Rp140)が得られ、以下、ここで得られたレンズ半径R及び輪帯ピッチRpの各値を使用して説明する。
尚、実施例のフレネルレンズ10を設計する場合には、全ての輪帯領域RZ(n=0〜140)に対応したレンズ半径R及び輪帯ピッチRpを求めれば良い。
次に、上記構成による本発明に係るフレネルレンズ10を使用するにあたって、図2に示したように、位置X1を入射光となるレーザー光Lと対応した位置とし、また、位置X2をフレネルレンズ10と対応した位置とし、また、位置X3を出射光と対応した位置とし、更に、位置X4を出射光の集光位置とした場合に、レーザー光源(図示せず)から出射したレーザー光Lをコリメータレンズ(図示せず)で平行光に変換して、適宜な位置で断面した時の断面形状が略円形であるレーザー光Lの平行光をフレネルレンズ10の一方の面から入射させ、他方の面上で複数の輪帯領域RZ内にそれぞれ形成した三角形状回折格子11中の第1,第2回折格子部11b,11cにより回折させてから出射させた時に、とくに、第1回折格子部11bで回折された1次回折光が光軸K上で焦点距離f1に対応した所定の集光位置に集光され、且つ、第2回折格子部11cで回折された1次回折光以外の回折光が第1回折格子部11bとは異なる回折位置に回折されるようになっている。
ここで、図3中で点線を用いて示した如く、断面形状が略円形であるレーザー光Lの平行光をフレネルレンズ10に入射した時に、図2に示した位置X1における入射光束の光強度分布は光軸Kを中心にして対称であると仮定した場合、半導体レーザーの特性により、中央部の光強度を100%とすると、レンズ半径が500μm,1000μm,1500μmでは光強度がそれぞれ、97.5%,90.0%,77.5%に低下しており、中央部が凸状に突出した凸型の光強度分布特性となっている。
このように中央部が凸型の光強度分布を持った入射光束を、先に図16用いて説明したように従来のフレネルレンズ100で集光すると、レンズ外周部の光量が、中央部と比較して小さくなるために、レンズの口径が小さくなった状態と等価な現象となり、レンズの開口数(NA)が低下し、集光スポットが本来のレンズ設計と比較して、大きくなるといった現象が起き、光学特性の劣化が発生する。
この問題を解決する為に、図2中の位置X2におけるフレネルレンズ10上での光束の光透過率分布において、図3中で実線を用いて示したように、レンズ半径が0μm,500μm,1000μm,1500μmで必要な光透過率が、それぞれ77.5%, 79.5%, 86.1%, 100%になるように設定し、即ち、位置X1における凸型の光強度分布特性に対して反転させて、位置X2で中央部が凹状にへこんだ凹型の光透過率分布特性になるように逆補正している。
この設定により、入射光がフレネルレンズ10を透過して出射した時に、図2に示した位置X3における出射光の光強度分布は、図3中で一点鎖線を用いて示したように、入射光量とフレネルレンズ透過率との積となり、その結果フラットなものとなる。
これにより、フレネルレンズ10の外周部の光量が、中央部と略等しくなるので、レンズの口径は変化しない状態と等価になり、レンズの開口数(NA)は変化せず、集光スポットが本来のレンズ設計と比較して、大きくなるといった現象が発生しなくなる。
但し、出射光の光強度分布がフラットになった際、全体の光量は低下するが、高輝度レーザー等の、より光量の大きいレーザー光源を使用すれば、光量の低下は防止できる。
次に、本発明に係るフレネルレンズ10において、各輪帯領域RZ(RZ,RZ,RZ,RZ,……,RZ)内で各三角形状回折格子11を各輪帯ピッチRp(Rp,Rp,Rp,Rp,……,Rp)に合わせて中心0から外周側に向かって形成した時に、外周側,内周側に向けてそれぞれ傾斜させた第1,第2回折格子部11b,11cの各輪帯ピッチRpに対する占有比率を略一定に設定した上で、底辺11aを高さ基準として各三角形状回折格子11の高さHを、各輪帯領域RZがそれぞれ要求する光透過率になるように各輪帯領域RZごとに可変させて、フレネルレンズ10上で図3中で実線を用いて示したような位置X2における凹型の光透過率分布が得られるように補正する構造及び方法について、図4〜図13を用いて説明する。
図4は本発明に係るフレネルレンズにおいて、一つの輪帯領域内に形成した三角形状回折格子の高さを説明するために拡大して示した図であり、(a)は三角形状回折格子が直角三角形の場合を示し、(b)は三角形状回折格子中の第2回折格子部11cに対してダイヤモンド工具の最大切削各角度を例えば75°に設定した場合を示した図、
図5は本発明に係るフレネルレンズにおいて、一つの輪帯領域内に形成した三角形状回折格子の高さと1次回折光回折効率との関係を示した図、
図6は本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径1500μmにおける輪帯ピッチ5.4μm内での三角形状回折格子の高さを示した図、
図7は本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径1500μmにおける輪帯ピッチ5.4μm内での三角形状回折格子の回折光強度を示した図、
図8は本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径1000μmにおける輪帯ピッチ8.0μm内での三角形状回折格子の高さを示した図、
図9は本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径1000μmにおける輪帯ピッチ8.0μm内での三角形状回折格子の回折光強度を示した図、
図10は本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径500μmにおける輪帯ピッチ16.1μm内での三角形状回折格子の高さを示した図、
図11は本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径500μmにおける輪帯ピッチ16.1μm内での三角形状回折格子の回折光強度を示した図、
図12は本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径0μm近傍における輪帯ピッチ126.5μm内での三角形状回折格子の高さを示した図、
図13は本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径0μm近傍における輪帯ピッチ126.5μm内での三角形状回折格子の回折光強度を示した図である。
まず、図4(a)に示した如く、横軸に輪帯ピッチRpを示し、縦軸に位相差λを示した場合に、一つの輪帯ピッチRp内に形成された三角形状回折格子11が直角三角形であると仮定すると、底辺11aから直角三角形の頂点までの高さHは、一般的に下記の数4より求めることができる。
Figure 2006330432
この数4中で、Hは直角三角形状の回折格子(11)の高さ、λは光源の波長、dは回折次数で1以上の整数、kはフレネルレンズ10の屈折率である。
上記した直角三角形状の回折格子(11)中の第1回折格子部11bは、1次回折構造の回折格子を使用しているので、λを0.40μm、dを1、kを1.46とすると、直角三角形状の回折格子(11)の高さHは0.869μmとなり、この直角三角形状の回折格子(11)の高さHは入射光の1波長λ分の位相差を有することになり、且つ、直角三角形状の回折格子(11)の1次回折光回折効率は100%となる。
ところで、前述したように、フレネルレンズ10をガラス材を用いて金型で成形する場合に、フレネルレンズ用の金型を作製する際に、ダイヤモンド工具の先端形状からの加工限界、あるいは成形時の型抜きを考慮し、直角三角形の90°部分の角度を、図4(b)に示したように90°よりも小さい角度で例えば75°にダイヤモンド工具の最大切削角度を設定する場合がある。
この場合に、三角形状回折格子11中で底辺11aと第2回折格子部11cとが成す角が75°となり、この時に最大回折効率が得られる三角形状回折格子11の高さHは、底辺11aから第1,第2回折格子部11b,11cが交わる頂点までの高さ、言い換えると、底辺11aを高さ基準とした時の三角形状回折格子11の高さになり、この時の高さHは直角三角形の高さHよりも当然低くなっている。この際、三角形状回折格子11中の第2回折格子部11cに対するダイヤモンド工具の切削角度が小さくなると、三角形状回折格子11の高さHは低くなる。
また、各輪帯領域RZごとに輪帯ピッチRpの値を正規化して1.00と設定した場合に、図4(a)に示した直角三角形の回折格子(11)では一つの輪帯ピッチRp内に第1回折格子部11bのみが占有している一方、図4(b)に示した三角形状回折格子11では一つの輪帯ピッチRp内に第1回折格子部11bと第2回折格子部11cとが(1.00−α):αの占有比率でそれぞれ占有しており、この時に、αは0から0.1以内の所定値に設定される。
更に、図4(b)中で、一つの輪帯ピッチRp内に形成した三角形状回折格子11において、底辺11aと対向して外周側に向かって傾斜させた傾斜面を有する第1回折格子部11bは、入射光に対して1次回折光のみを回折して、この1次回折光を光軸K(図2)上で所定の集光位置に集光する機能を備えているものであり、一方、底辺11aと対向して内周側に向かって傾斜させた傾斜面を有する第2回折格子部11cは、入射光に対して1次回折光以外の回折光を回折して第1回折格子11とは異なる回折位置に回折する機能を備えているものである。
ここで、フレネルレンズ10(図1)中で最も大きな光透過率を必要とするレンズ最外周部のレンズ半径1500μmにおける輪帯ピッチ5.4μmの場合に、図4(a)に示した直角三角形の回折格子(11)では前述したように100%の1次回折光回折効率が得られるものの、図4(b)に示したように三角形状回折格子11中の第2回折格子部11cに対してダイヤモンド工具の最大切削角度を例えば75°に設定して三角形状回折格子11を形成すると、フレネルレンズ10(図1)のレンズ最外周部での最高光透過率は低下するが、フレネルレンズ10(図1)に対して目的である光透過量の光量分布への均一化を図ることができ、この際、必然的に、三角形状回折格子11の高さHが0.833μmと算出され、且つ、5.4μmの輪帯ピッチに対して第1回折格子部11bの占有比率が0.959、第2回折格子部11cの占有比率が0.041と算出され、即ち、αが0.041となる。
この際、輪帯領域RZ内の1次回折光回折効率は、三角形状回折格子11の位相分布をフーリエ変換することによって算出されることが一般に行われており、レンズ半径1500μmにおける輪帯ピッチ5.4μmの場合でダイヤモンド工具の最大切削角度を例えば75°に設定した時に1次回折光回折効率が91.7%となる。
そこで、フレネルレンズ10に対してレンズ半径が0μm,500μm,1000μm,1500μmで必要な光透過率は、前述したように、それぞれ77.5%, 79.5%, 86.1%, 100%であるが、金型製作の容易性、型抜きの容易性を考慮した場合に、上記したレンズ半径1500μmにおける輪帯ピッチ5.4μmの場合でダイヤモンド工具の最大切削角度を例えば75°に設定した時に得られた1次回折光回折効率91.7%を基準の補正値に設定して、レンズ半径が0μm,500μm,1000μmでもレンズ半径1500μmの場合を基準して補正し、即ち、レンズ半径が0μm,500μm,1000μm,1500μmで必要な光透過率77.5%, 79.5%, 86.1%, 100%に対して補正値0.917をかけて補正し、それぞれ、71.0%, 72.9%,78.9%, 91.7%を必要な補正光透過率としても、フレネルレンズ10(図1)に対して目的である光透過量の光量分布への均一化を図ることができる。
更に、上記したレンズ半径1500μmにおける輪帯ピッチ5.4μmの場合でダイヤモンド工具の最大切削角度を例えば75°に設定した時に得られた輪帯ピッチ内での第1,第2回折格子部11b,11cの占有比率(0.959:0.041)を一定に固定した状態で、三角形状回折格子11中の底辺11aから第1,第2回折格子部11b,11cが交わる頂点までの高さH、言い換えると、底辺11aを高さ基準として三角形状回折格子11の高さHを、各輪帯領域RZがそれぞれ要求する補正後の光透過率(補正光透過率)になるように各輪帯領域RZごとに可変させている。
上記に伴って、図5は、輪帯ピッチ内での第1,第2回折格子部11b,11cの占有比率(0.959:0.041)を一定に固定した状態で、三角形状回折格子11の高さHを変化させた時の1次回折光回折効率を示している。
この図5において、横軸は三角形状回折格子11の高さHの相対値を示していて、最大値1.00が0.833μmに対応し、相対値を0.65から1.00まで変化させているので、実質的には0.541μmから0.833μmまで変化させていることになる。この際、相対値が1.00の時にダイヤモンド工具の最大切削角度は75.0°となり、相対値が0.65の時に切削角度は67.7°となる。一方、縦軸は、1次回折光回折効率(%)を示し、三角形状回折格子11の位相分布を、フーリエ変換することにより、1次回折光における光強度を算出したものである。
この図5より、三角形状回折格子11の高さHの相対値が、0.65, 0.80,
0.90, 1.00と変化した時に、1次回折光回折効率は、それぞれ61.3%,
80.6%, 88.7%, 91.7%となり、三角形状回折格子11の高さH
を変化させた場合に連続的に1次回折光回折効率を制御できることがわかる。
そして、図5のように、三角形状回折格子11の高さHと1次回折光回折効率の関係をテーブルとして持つことにより、逆に、1次回折光回折効率、すなわちフレネルレンズ10の必要な補正光透過率に対応して三角形状回折格子11の高さHを求めることができる。
以下、一つの輪帯領域RZのレンズ半径Rと対応した輪帯ピッチRp内で三角形状回折格子11の高さHを求める具体例について順を追って説明する。
まず、図6に示した如く、フレネルレンズ10(図1)の光学基板OBP上において、前述したように、レンズ最外周部に位置する輪帯領域RZ140と対応したレンズ半径1500μmにおける輪帯ピッチRp140は5.4μmであり、且つ、フレネルレンズ用の金型を作製する時にこの輪帯ピッチ内で三角形状回折格子11中の第2回折格子部11cに対するダイヤモンド工具の最大切削角度が75°に設定されていると共に、三角形状回折格子11の構成は、5.4μmの輪帯ピッチに対して第1回折格子部11bの占有比率が0.959、第2回折格子部11cの占有比率が0.041に設定されている。
そして、輪帯領域RZ140内で要求される三角形状回折格子11の必要な補正光透過率は前述したように91.7%である。この場合、図5に示した特性曲線において1次回折光回折効率の値が必要な補正光透過率の値と等価であるものとすると、図5に示した特性曲線中の1次回折光回折効率91.7%の値から三角形状回折格子11の高さHが相対値で1.00であると読み取れるので、この相対値1.00に対応して三角形状回折格子11の高さHは0.833μmである。
この際、レンズ半径1500μmにおける輪帯ピッチ5.4μm内での回折次数における回折光強度を図7に示す。図7中で横軸は−9次から+9次までの次数を示し、縦軸は最大値を255として規格化された回折光強度を示す。この図7から明らかなように、回折光の91.7%がレンズ集光を担う+1次の次数に集中している。
次に、図8に示した如く、フレネルレンズ10(図1)の光学基板OBP上において、前述したように、輪帯領域RZ62と対応したレンズ半径1000μmにおける輪帯ピッチRp62は8.0μmであり、且つ、三角形状回折格子11の構成は、図6の場合と同様に、8.0μmの輪帯ピッチに対して第1回折格子部11bの占有比率が0.959、第2回折格子部11cの占有比率が0.041に設定されている。
そして、輪帯領域RZ62内で要求される三角形状回折格子11の必要な補正光透過率は前述したように78.9%である。この場合、図5に示した特性曲線中の1次回折光回折効率78.9%の値から三角形状回折格子11の高さHが相対値で0.791であると読み取れるので、この相対値0.791に対応して三角形状回折格子11の高さHは0.659μmである。更に、フレネルレンズ用の金型を作製する時に、この輪帯ピッチ内で三角形状回折格子11中の第2回折格子部11cへの切削角度は63.5°になる。
この際、レンズ半径1000μmにおける輪帯ピッチ8.0μm内での回折次数における回折光強度を図9に示す。この図9で明らかなように、メインの+1次の回折光の他に、0次、+2次、及び、−1次以上の高次光が僅かに存在し、これらが、集光位置とは異なる方向に入射光を回折し、輪帯ピッチ8.0μm内での光透過率を下げている。
次に、図10に示した如く、フレネルレンズ10(図1)の光学基板OBP上において、前述したように、輪帯領域RZ15と対応したレンズ半径500μmにおける輪帯ピッチRp15は16.1μmであり、且つ、三角形状回折格子11の構成は、図6及び図8の場合と同様に、16.1μmの輪帯ピッチに対して第1回折格子部11bの占有比率が0.959、第2回折格子部11cの占有比率が0.041に設定されている。
そして、輪帯領域RZ15内で要求される三角形状回折格子11の必要な補正光透過率は前述したように72.9%である。この場合、図5に示した特性曲線中の1次回折光回折効率72.9%の値から三角形状回折格子11の高さHが相対値で0.743であると読み取れるので、この相対値0.743に対応して三角形状回折格子11の高さHは0.619μmである。更に、フレネルレンズ用の金型を作製する時に、この輪帯ピッチ内で三角形状回折格子11中の第2回折格子部11cへの切削角度は43.3°になる。
この際、レンズ半径500μmにおける輪帯ピッチ16.1μm内での回折次数における回折光強度を図11に示す。この図11で明らかなように、メインの+1次の回折光の他に、0次、+2次、及び、−1次以上の高次光が図9の場合よりも多く存在し、これらが、集光位置とは異なる方向に入射光を回折し、輪帯ピッチ16.1μm内での光透過率を下げている。
次に、図12に示した如く、フレネルレンズ10(図1)の光学基板OBP上において、前述したように、輪帯領域RZと対応したレンズ半径0μm近傍における輪帯ピッチRpは126.5μmであり、且つ、三角形状回折格子11の構成は、図6及び図8並びに図10の場合と同様に、126.5μmの輪帯ピッチに対して第1回折格子部11bの占有比率を0.959、第2回折格子部11cの占有比率を0.041に設定しても良いが、レンズ中心部では第2回折格子部11cによる位相折り返しポイント面を削除しても光透過率の性能に影響を与えないために、ここでは輪帯ピッチ126.5μm内に第1回折格子部11bのみを占有させることで三角形状回折格子11が直角三角形になり、フレネルレンズ用の金型を作製する際にレンズ中心部の三角形状回折格子11を容易に切削加工することができる。
そして、輪帯領域RZ内で要求される三角形状回折格子11の必要な補正光透過率は前述したように71.0%である。この場合、図5に示した特性曲線中の1次回折光回折効率71.0%の値から三角形状回折格子11の高さHが相対値で0.713であると読み取れるので、この相対値0.713に対応して三角形状回折格子11の高さHは0.594μmである。更に、フレネルレンズ用の金型を作製する時に、レンズ中心部では第2回折格子部11cによる位相折り返しポイント面が削除されているために、第2回折格子部11cに対するダイヤモンド工具の切削角度は存在せず、第1回折格子部11bのみを切削加工すれば良い。
この際、レンズ半径0μm近傍における輪帯ピッチ126.5μm内での回折次数における回折光強度を図13に示す。この図13で明らかなように、メインの+1次の回折光の他に、0次、+2次、及び、−1次以上の高次光が図11の場合よりも僅かに多く存在し、これらが、集光位置とは異なる方向に入射光を回折し、輪帯ピッチ126.5μm内での光透過率を下げている。
以上のように、全ての輪帯領域RZ(但し、n=0〜140)に対応してレンズ半径R及び輪帯ピッチRpを求めて、各輪帯領域RZ内で各輪帯ピッチRpに対応して形成した各三角形状回折格11の必要な補正光透過率を求め、各三角形状回折格11の高さHを各輪帯ピッチRpごとに求めれば良い。
上述したように、本発明に係るフレネルレンズ10では、各輪帯領域RZと対応した各輪帯ピッチRp内に各三角形状回折格子11を形成した際、各三角形状回折格子11中の第1,第2回折格子部11b,11cの各輪帯ピッチRpに対する占有比率を略一定に設定した上で、底辺11aを高さ基準として各三角形状回折格子11の高さHを、各輪帯領域RZがそれぞれ要求する光透過率になるように各輪帯領域RZごとに可変させているので、本発明に係るフレネルレンズ10を例えば光ピックアップに適用した時に、フレネルレンズ10に入射する入射光に光量分布があっても、入射光に対して光量分布を均一に補正して、この入射光を所定の集光位置に集光さることができるので、これにより劣化のない集光スポットを得ることができる。
尚、上記した実施例では、三角形状回折格子11中の第1,第2回折格子部11b,11cに、1次回折構造を使用しているが、この回折次数に限定されるものでなく、2次、3次等、より高次な回折構造でも同様な機能を備えることができる。
また、本発明に係るフレネルレンズ10の用途は、実施例で挙げた、入射光の光強度分布を均一化するのみでなく、組み合わせられる光学系の特性に合わせて、任意な光透過率を設定し、任意な光透過光量分布を得ることができる。
(a),(b)は本発明に係るフレネルレンズを示した上面図,縦断面図である。 本発明に係るフレネルレンズを使用した時に、光学系の光路を説明するための図である。 本発明に係るフレネルレンズを使用した時に、光学系の光強度分布及び光透過率を図2中の位置X1〜X3に対応して示した図である。 本発明に係るフレネルレンズにおいて、一つの輪帯領域内に形成した三角形状回折格子の高さを説明するために拡大して示した図であり、(a)は三角形状回折格子が直角三角形の場合を示し、(b)は三角形状回折格子中の第2回折格子部11cに対してダイヤモンド工具の最大切削各角度を例えば75°に設定した場合を示した図である。 本発明に係るフレネルレンズにおいて、一つの輪帯領域内に形成した三角形状回折格子の高さと1次回折光回折効率との関係を示した図である。 本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径1500μmにおける輪帯ピッチ5.4μm内での三角形状回折格子の高さを示した図である。 本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径1500μmにおける輪帯ピッチ5.4μm内での三角形状回折格子の回折光強度を示した図である。 本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径1000μmにおける輪帯ピッチ8.0μm内での三角形状回折格子の高さを示した図である。 本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径1000μmにおける輪帯ピッチ8.0μm内での三角形状回折格子の回折光強度を示した図である。 本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径500μmにおける輪帯ピッチ16.1μm内での三角形状回折格子の高さを示した図である。 本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径500μmにおける輪帯ピッチ16.1μm内での三角形状回折格子の回折光強度を示した図である。 本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径0μm近傍における輪帯ピッチ126.5μm内での三角形状回折格子の高さを示した図である。 本発明に係るフレネルレンズにおいて、レンズ半径0μm近傍における輪帯ピッチ126.5μm内での三角形状回折格子の回折光強度を示した図である。 (a),(b)は従来例として直角三角形状の回折格子を有するフレネルレンズを示した平面図,縦断面図である。 図14に示した従来のフレネルレンズを金型により成形する際に、フレネルレンズ用の金型をダイヤモン工具により切削加工して作製する状態を模式的に示した縦断面図である。 従来のフレネルレンズに、中央部の光束は光強度が強く、且つ、外周部の光束は光強度が弱いレーザー光を入射させた状態を模式的に示した図である。
符号の説明
10…本発明に係るフレネルレンズ、
11…三角形状回折格子、
11a…底辺、11b…第1回折格子部、11c…第2回折格子部、
OBP…光学基板、0…光学基板の中心、
K…光軸、L…入射光(レーザー光)、
RZ(RZ,RZ,RZ,RZ,……,RZ)…輪帯領域、
(R,R,R,R,……,R)…レンズ半径、
Rp(Rp,Rp,Rp,Rp,……,Rp)…輪帯ピッチ。

Claims (2)

  1. 光透過性を有する光学基板上に複数の輪帯領域が中心から外周側に向かって各輪帯ピッチを除々に狭めて設定され、且つ、各輪帯領域内に各三角形状回折格子が形成されたフレネルレンズにおいて、
    前記各三角形状回折格子は、前記光学基板上で入射光が入射する側に前記各輪帯ピッチに合わせて底辺長さを設定した底辺と、前記底辺を透過した前記入射光が出射する側に外周側に向けて傾斜した傾斜面を有し且つ前記入射光に対して特定次数の回折光を回折して所定の集光位置に集光させる第1回折格子部と、前記底辺を透過した前記入射光が出射する側に内周側に向けて傾斜した傾斜面を有し且つ前記第1回折格子部と異なる回折次数に前記入射光を回折して特定次数以外の回折光を発生させると共に前記入射光に対して光透過率を調整する第2回折格子部とを備えてなり、
    前記第1,第2回折格子部の前記各輪帯ピッチに対する占有比率を略一定に設定した上で、前記底辺を高さ基準として前記各三角形状回折格子の高さを、前記各輪帯領域がそれぞれ要求する光透過率になるように前記各輪帯領域ごとに可変させたことを特徴とするフレネルレンズ。
  2. 前記光学基板上でレンズ中心部の前記輪帯領域内に形成される三角形状回折格子は、前記第1回折格子部のみを有することを特徴とする請求項1記載のフレネルレンズ。

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