JP2015004804A - 光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定波長範囲の可視光を放出する光源からの可視光を制御するプリズムであって、色ムラを改善することができる光学素子を提供する。【解決手段】所定波長範囲の可視光を放出する光源からの可視光を制御するプリズム14nであって、断面形状が傾斜部14n1及び起立部14n2を含む鋸歯形状のプリズム14nを含む光学素子14において、前記所定波長範囲の短波長側の特定の波長又は長波長側の特定の波長を第1設計波長とし、前記所定波長範囲の前記第1設計波長とは反対側の長波長側の特定の波長又は短波長側の特定の波長を第2設計波長とした場合、前記傾斜部14n1で屈折して出射する前記第1設計波長の光RayBの進行方向と前記傾斜部14n1で回折して出射する前記第2設計波長の光RayRの進行方向とが一致するように、前記傾斜部14n1の長さLが調整されていることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、光学素子、特に、所定波長範囲の可視光を放出する光源からの可視光を制御するプリズムであって、断面形状が傾斜部及び起立部を含む鋸歯形状のプリズムを含む光学素子に関する。
従来、所定波長範囲の可視光を放出する光源からの可視光を制御するプリズムであって、断面形状が傾斜部及び起立部を含む鋸歯形状のプリズムを含む光学素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載の光学素子を用いた照明装置200の断面図である。
図7に示すように、特許文献1に記載の照明装置200は、所定波長範囲の可視光を放出する光源210(LED)、光源210からの可視光を制御するプリズムであって、断面形状が傾斜部及び起立部を含む鋸歯形状の直線状プリズム222を複数含む光学素子220(リニアフレネルレンズ)等を備えている。
特開2008−218186号公報
しかしながら、上記構成の照明装置200においては、プリズム222の高さ及び幅を小さくして光学素子220の厚みを薄くしようとする場合、プリズム222の高さ及び幅がある寸法以下になると回折現象が強くなり、意図しない光が分光して出てきてしまい、色ムラが発生するという問題がある。
本願の発明者は、このことを実験により確認した。実験では、所定波長範囲の可視光を放出する光源としてLEDを用い、断面形状が傾斜部222Aa及び起立部222Abを含む鋸歯形状のプリズム222Aを複数含む光学素子220Aとして図8(a)、図8(b)に示すリニアフレネルレンズを用い、光源(LED)からの光を光学素子220A(個々のプリズム222A)で制御して図9に示す配光パターンを形成した。但し、個々のプリズム222Aの高さ、幅及び斜面長さは全て同じで、図8(b)に示す数値を採用した。なお、光源(LED)は、図8(a)において、光学素子220Aの下方に配置されているが、図示は省略してある。
本願の発明者は、上記構成の光学素子220A(個々のプリズム222A)で制御される光源(LED)からの光により形成される配光パターンには、図9に示すように、(特に、配光パターンの輪郭近傍に)色ムラが発生することを確認した。色ムラの原因は、材料の色分散によって生じる波長ごとの屈折率差による色収差、プリズム222Aの高さ及びピッチにて生じる回折による分光である。
本願の発明者は、上記色ムラを改善するために鋭意検討した結果、光源の分光特性を考慮して、所定波長範囲の短波長側の特定の波長(又は長波長側の特定の波長)を第1設計波長とし、所定波長範囲の第1設計波長とは反対側の長波長側の特定の波長(又は短波長側の特定の波長)を第2設計波長として決定し、短波長側の特定の波長(又は長波長側の特定の波長)の屈折によって生じる色収差と、長波長側の特定の波長(又は短波長側の特定の波長)の回折によって生じる分光とが、打消し合うように、プリズムの傾斜部の長さを調整することで、上記色ムラが改善されること、を見出した。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、所定波長範囲の可視光を放出する光源からの可視光を制御するプリズムであって、断面形状が傾斜部及び起立部を含む鋸歯形状のプリズムを含む光学素子において、色ムラを改善することができる光学素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、所定波長範囲の可視光を放出する光源からの可視光を制御するプリズムであって、断面形状が傾斜部及び起立部を含む鋸歯形状のプリズムを含む光学素子において、前記所定波長範囲の短波長側の特定の波長又は長波長側の特定の波長を第1設計波長とし、前記所定波長範囲の前記第1設計波長とは反対側の長波長側の特定の波長又は短波長側の特定の波長を第2設計波長とした場合、前記傾斜部で屈折して出射する前記第1設計波長の光の進行方向と前記傾斜部で回折して出射する前記第2設計波長の光の進行方向とが一致するように、前記傾斜部の長さが調整されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、所定波長範囲の可視光を放出する光源からの可視光を制御するプリズムであって、断面形状が傾斜部及び起立部を含む鋸歯形状のプリズムを含む光学素子において、色ムラを改善することができる光学素子を提供することが可能となる。これは、傾斜部で屈折して出射する第1設計波長の光の進行方向と傾斜部で回折して出射する第2設計波長の光の進行方向とが一致するように、傾斜部の長さが調整されている結果、第1設計波長の屈折によって生じる色収差と、第2設計波長の回折によって生じる分光とが、打消し合うことによるものである。
請求項2に記載の発明は、所定波長範囲の可視光を放出する光源からの可視光を制御して所定配光パターンを形成するプリズムであって、断面形状が傾斜部及び起立部を含む鋸歯形状のプリズムを複数含む光学素子において、前記複数のプリズムのうち少なくとも前記光源からの可視光を前記所定配光パターンの輪郭近傍に制御するプリズムは、前記所定波長範囲の短波長側の特定の波長又は長波長側の特定の波長を第1設計波長とし、前記所定波長範囲の前記第1設計波長とは反対側の長波長側の特定の波長又は短波長側の特定の波長を第2設計波長とした場合、前記傾斜部で屈折して出射する前記第1設計波長の光の進行方向と前記傾斜部で回折して出射する前記第2設計波長の光の進行方向とが一致するように、前記傾斜部の長さが調整されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、所定波長範囲の可視光を放出する光源からの可視光を制御して所定配光パターンを形成するプリズムであって、断面形状が傾斜部及び起立部を含む鋸歯形状のプリズムを複数含む光学素子において、所定配光パターンの輪郭近傍に発生する色ムラを改善することができる光学素子を提供することが可能となる。これは、傾斜部で屈折して出射する第1設計波長の光の進行方向と傾斜部で回折して出射する第2設計波長の光の進行方向とが一致するように、傾斜部の長さが調整されている結果、第1設計波長の屈折によって生じる色収差と、第2設計波長の回折によって生じる分光とが、打消し合うことによるものである。
また、請求項2に記載の発明によれば、複数のプリズム全ての傾斜部の長さを調整することなく、一部のプリズムの傾斜部の長さを調整することで、色ムラを改善することができる。例えば、複数のプリズムのうち少なくとも光源からの可視光を所定配光パターンの輪郭近傍に制御するプリズムの傾斜部の長さを調整することで、色ムラを改善することができる。これは、図9に示すように、光源からの可視光を所定配光パターンの輪郭の内側に制御するプリズムについてはその傾斜部の長さを調整しなくても所定配光パターンの輪郭の内側の色ムラが目立たないこと、及び、光源からの可視光を所定配光パターンの輪郭近傍に制御するプリズムについてはその傾斜部の長さを調整しないと所定配光パターンの輪郭近傍の色ムラが目立つこと、によるものである。
なお、請求項1、2においては、短波長側の特定の波長を例えば青系の波長(例えば、450〜460nmから選択される特定の波長)とすることができ、長波長側の特定の波長を例えば赤系の波長(600〜650nmから選択される特定の波長)とすることができる。
本発明によれば、所定波長範囲の可視光を放出する光源からの可視光を制御するプリズムであって、断面形状が傾斜部及び起立部を含む鋸歯形状のプリズムを含む光学素子において、色ムラを改善することができる光学素子を提供することが可能となる。
本実施形態の光学素子10の断面図である。 アクリル(PMMA)とポリカーボネイト(PC)の分光屈折率を表すグラフである。 (a)発光色が青系の色のLEDチップとこれを覆う黄色系の蛍光体(例えば、YAG蛍光体)とを組み合わせた構造のLEDが放出する可視光の所定波長範囲(発光スペクトル)を表すグラフ、(b)RGB三色のLEDチップを組み合わせた構造のLEDが放出する可視光の所定波長範囲(発光スペクトル)を表すグラフである。 (a)傾斜部14n1に特定の方向から入射し、当該傾斜部14n1で屈折して出射する第1設計波長の光RayBの進行方向を表す図、(b)傾斜部14n1に特定の方向から入射し、当該傾斜部14n1で回折して出射する第2設計波長の光RayRの進行方向を表す図である。 (a)(b)第1設計波長の光(屈折光)の進行方向と第2設計波長の光(一次回折光)の進行方向とが一致する(βRB=βDR)場合のaとαとの関係(シミュレーション結果)を描いたグラフである。 (a)傾斜部14n1に特定の方向から入射し、当該傾斜部14n1で屈折して出射する第1設計波長の光RayRの進行方向を表す図、(b)傾斜部14n1に特定の方向から入射し、当該傾斜部14n1で回折して出射する第2設計波長の光RayBの進行方向を表す図である。 特許文献1に記載の光学素子を用いた照明装置200の断面図である。 (a)実験で用いた光学素子220A(リニアフレネルレンズ)の斜視図、(b)図8(a)中の円内を拡大した拡大断面図である。 光学素子220A(個々のプリズム222A)で制御される光源(LED)からの光により形成される配光パターンの例である。
以下、本発明の一実施形態である光学素子10について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の光学素子10の断面図である。
図1に示すように、本実施形態の光学素子10は、所定波長範囲の可視光を放出する光源12からの可視光を制御するプリズムであって、断面形状が傾斜部14n1(プリズム面)及び起立部14n2を含む鋸歯形状のプリズム14n(マイクロプリズム)を複数含む光学素子である。
光学素子10は、例えば、透明樹脂(例えば、アクリル又はポリカーボネイト)製で、互いに平行かつ直線状に延びる(図1中紙面に直交する方向に延びる)複数のプリズム14nを含む表面10aと、その反対側の平面である裏面10bと、を含む薄板状のリニアフレネルレンズとして構成されている。光学素子10は、例えば、薄型LEDストロボレンズ、可変配光用マイクロプリズム又はその他照明用薄型フレネルレンズとして用いることができる。なお、アクリル(PMMA)とポリカーボネイト(PC)の分光屈折率は図2に示すとおりである。図2の縦軸は屈折率を表し、横軸は波長を表している。
光源12は、所定波長範囲の可視光を放出する光源で、例えば、LEDである。LEDは、発光色が青系の色のLEDチップとこれを覆う黄色系の蛍光体(例えば、YAG蛍光体)とを組み合わせた構造のものであってもよいし、RGB三色のLEDチップを組み合わせた構造のものであってもよい。図3(a)は前者の構造のLEDが放出する可視光の所定波長範囲(発光スペクトル)を表し、図3(b)は後者の構造のLEDが放出する可視光の所定波長範囲(発光スペクトル)を表している。
本実施形態の光学素子10と光源12とを組み合わせることで、奥行薄型の照明装置を構成することができる。
各プリズム14nは、次のようにして設計することができる。
各プリズム14nの傾斜部14n1の角度は、目的とする配光パターンに合わせて屈折現象を考慮して決定されている。
図4(a)は、傾斜部14n1に特定の方向から入射し、当該傾斜部14n1で屈折して出射する第1設計波長の光RayBの進行方向を表す図である。
例えば、各プリズム14nの傾斜部14n1の角度は、所定波長範囲の短波長側の特定の波長(例えば、青系の波長(例えば、450〜460nmから選択される特定の波長450nm))を第1設計波長とした場合、図4(a)に示すように、傾斜部14n1に特定の方向から入射し、当該傾斜部14n1で屈折して出射する第1設計波長の光RayBが目的とする配光パターン中の目的の箇所(例えば、配光パターン中の中央近傍又は輪郭近傍)へ向かうように決定されている。
特定の方向とは、例えば、図1に示す光源12の発光面の中心12aもしくは光源12の外周部のうちプリズムから最も近い点から放出されて、傾斜部14n1の中心に入射する光の方向のことで、個々のプリズム14n(傾斜部14n1)ごとに異なるものとなる。なお、図4(a)、図4(b)中の符号aは、光源12の発光面の中心12aから放出されて、傾斜部14n1の中心に入射する光線に対して平行で、かつ、傾斜部14n1の両端を通る光線の幅を表している。
図4(b)は、傾斜部14n1に特定の方向から入射し、当該傾斜部14n1で回折して出射する第2設計波長の光RayRの進行方向を表す図である。
各プリズム14nの傾斜部14n1の長さLは、所定波長範囲の第1設計波長とは反対側の長波長側の特定の波長(例えば、赤系の波長(例えば、600〜650nmから選択される特定の波長650nm))を第2設計波長とした場合、図4(b)に示すように、傾斜部14n1に特定の方向から入射し、当該傾斜部14n1で回折して出射する第2設計波長の光RayR(一次回折光)の進行方向と上記傾斜部14n1で屈折して出射する第1設計波長の光RayB(屈折光)の進行方向とが一致するように調整されている。
傾斜部14n1の長さLは、次のようにして調整することができる。
まず、特定のプリズム14nの傾斜部14n1に特定の方向から入射し、当該傾斜部14n1で屈折して出射する第1設計波長の光RayBの屈折角βRB(図4(a)参照)を、スネルの法則に従って、次の式で求める。
但し、n1Bは入射側である光学素子10の第1設計波長に対する屈折率、n2Bは出射側である空気の第1設計波長に対する屈折率である。αは傾斜部14n1に対する入射角(又は入射光線に直交する線と傾斜部14n1とがなす角)である。βRBは傾斜部14n1に対する出射角(又は屈折による出射光線(第1設計波長)に直交する線と傾斜部14n1とがなす角)である。
次に、特定のプリズム14nの傾斜部14n1に特定の方向から入射し、当該傾斜部14n1で回折して出射する第2設計波長の光RayRの一次回折角βDR(図4(b)参照)を、回折方程式に従って、次の式で求める。
但し、n1Rは入射側である光学素子10の第2設計波長に対する屈折率、n2Rは出射側である空気の第2設計波長に対する屈折率である。βDRは傾斜部14n1に対する出射角(又は回折による出射光線(第2設計波長)に直交する線と傾斜部14n1とがなす角)である。λは第2設計波長である。aは一つのプリズム14nに当たる光線の最大有効幅、Lは一つの傾斜部14n1の最大有効長さである。
なお、m=1としたのは、回折光の場合、一次回折光(m=1)の影響が最も大きいためである。
次に、第1設計波長の光RayB(屈折光)の進行方向と第2設計波長の光RayR(一次回折光)の進行方向とが一致する(βRB=βDR)場合のaを、次の式で求める。
上記のようにして求められるaを採用することで、特定のプリズム14nの傾斜部14n1で屈折して出射する第1設計波長の光RayB(屈折光)の進行方向と当該特定のプリズム14nの傾斜部14n1で回折して出射する第2設計波長の光RayR(一次回折光)の進行方向とが一致するように、傾斜部14n1の長さLが調整される。
上記のようにして求められるaは個々のプリズム14nごとに異なるものとなる。その結果、傾斜部14n1の長さLも、個々のプリズム14nごとに異なるものとなる。
図5(a)、図5(b)は、第1設計波長の光(屈折光)の進行方向と第2設計波長の光(一次回折光)の進行方向とが一致する(βRB=βDR)場合のaとαとの関係(シミュレーション結果)を描いたグラフである。図5(a)、図5(b)の縦軸はaを表し、横軸はαを表している。図5(b)は、図5(a)の一部を拡大したグラフである。但し、n1側の材質はアクリル、n2側の材質は空気、光源12はLEDである。n1Rは1.4894、n1Bは1.50122、n2Rは1.0002763、n2Bは1.0002805、第1設計波長λは450nm、第2設計波長λは650nmである。図5(b)を参照すると、例えば、α=20°のとき、傾斜部14n1の長さa=11.57μmとすると、最も色ムラが目立たないプリズムとなることが分かる。
図9に示すように、光源からの可視光を所定配光パターンの輪郭の内側に制御するプリズムについてはその傾斜部の長さを調整しなくても所定配光パターンの輪郭の内側の色ムラが目立たない。一方、光源からの可視光を所定配光パターンの輪郭近傍に制御するプリズムについてはその傾斜部の長さを調整しないと所定配光パターンの輪郭近傍の色ムラが目立つ。
したがって、複数のプリズム14nのうち少なくとも光源12からの可視光を所定配光パターンの輪郭近傍に制御するプリズム14nの傾斜部14n1の長さLを上記のように調整することで、色ムラを改善することができる。
以上説明したように、本実施形態の光学素子10によれば、所定波長範囲の可視光を放出する光源12からの可視光を制御するプリズム14nであって、断面形状が傾斜部14n1及び起立部14n2を含む鋸歯形状のプリズム14nを含む光学素子10において、色ムラを改善することができる光学素子10を提供することが可能となる。これは、傾斜部14n1で屈折して出射する第1設計波長の光RayBの進行方向と傾斜部14n1で回折して出射する第2設計波長の光RayAの進行方向とが一致するように、傾斜部14n1の長さLが調整されている結果、第1設計波長の屈折によって生じる色収差と、第2設計波長の回折によって生じる分光とが、打消し合うことによるものである。
また、本実施形態の光学素子10によれば、所定波長範囲の可視光を放出する光源12からの可視光を制御して所定配光パターンを形成するプリズム14nであって、断面形状が傾斜部14n1及び起立部14n2を含む鋸歯形状のプリズム14nを複数含む光学素子10において、所定配光パターンの輪郭近傍に発生する色ムラを改善することができる光学素子10を提供することが可能となる。これも、傾斜部14n1で屈折して出射する第1設計波長の光RayBの進行方向と傾斜部14n1で回折して出射する第2設計波長の光RayRの進行方向とが一致するように、傾斜部14n1の長さLが調整されている結果、第1設計波長の屈折によって生じる色収差と、第2設計波長の回折によって生じる分光とが、打消し合うことによるものである。
また、本実施形態の光学素子10によれば、複数のプリズム14n全ての傾斜部14n1の長さLを調整することなく、一部のプリズム14nの傾斜部14n1の長さLを調整することで、色ムラを改善することができる。例えば、複数のプリズム14nのうち少なくとも光源12からの可視光を所定配光パターンの輪郭近傍に制御するプリズム14nの傾斜部14n1の長さLを調整することで、色ムラを改善することができる。これは、図9に示すように、光源からの可視光を所定配光パターンの輪郭の内側に制御するプリズムについてはその傾斜部の長さを調整しなくても所定配光パターンの輪郭の内側の色ムラが目立たないこと、及び、光源からの可視光を所定配光パターンの輪郭近傍に制御するプリズムについてはその傾斜部の長さを調整しないと所定配光パターンの輪郭近傍の色ムラが目立つこと、によるものである。
次に、変形例について説明する。
上記実施形態では、光学素子10を、互いに平行かつ直線状に延び、断面形状が傾斜部14n1及び起立部14n2を含む鋸歯形状のプリズムを複数含む光学素子(リニアフレネルレンズ)として構成した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、光学素子10を、同心円状に延び、断面形状が傾斜部14n1及び起立部14n2を含む鋸歯形状のプリズムを複数含む光学素子(同心円フレネルレンズ)として構成してもよい。
また、上記実施形態では、第1設計波長を、所定波長範囲の短波長側の特定の波長(例えば、青系の波長(例えば、450〜460nmから選択される特定の波長450nm))とし、第2設計波長を、所定波長範囲の第1設計波長とは反対側の短波長側の特定の波長(例えば、赤系の波長(例えば、600〜650nmから選択される特定の波長650nm))とした例について説明したが本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態とは逆に、第1設計波長を、所定波長範囲の長波長側の特定の波長(例えば、赤系の波長(例えば、600〜650nmから選択される特定の波長650nm))とし、第2設計波長を、所定波長範囲の第1設計波長とは反対側の短波長側の特定の波長(例えば、青系の波長(例えば、450〜460nmから選択される特定の波長450nm))としてもよい。
本変形例の場合、特定のプリズム14nの傾斜部14n1に特定の方向から入射し、当該傾斜部14n1で屈折して出射する第1設計波長の光RayRの屈折角βRR(図6(a)参照)は、スネルの法則に従って、次の式で求めることができる。
但し、n1Rは入射側である光学素子10の第1設計波長に対する屈折率、n2Rは出射側である空気の第1設計波長に対する屈折率である。αは傾斜部14n1に対する入射角(又は入射光線に直交する線と傾斜部14n1とがなす角)である。βRRは傾斜部14n1に対する出射角(又は屈折による出射光線(第1設計波長)に直交する線と傾斜部14n1とがなす角)である。
また、特定のプリズム14nの傾斜部14n1に特定の方向から入射し、当該傾斜部14n1で回折して出射する第2設計波長の光RayBの一次回折角βDB(図6(b)参照)は、回折方程式に従って、次の式で求めることができる。
但し、n1Bは入射側である光学素子10の第2設計波長に対する屈折率、n2Bは出射側である空気の第2設計波長に対する屈折率である。βDBは傾斜部14n1に対する出射角(又は回折による出射光線(第2設計波長)に直交する線と傾斜部14n1とがなす角)である。λは第2設計波長である。aは一つのプリズム14nに当たる光線の最大有効幅、Lは一つの傾斜部14n1の最大有効長さである。
なお、m=1としたのは、回折光の場合、一次回折光(m=1)の影響が最も大きいためである。
また、第1設計波長の光RayR(屈折光)の進行方向と第2設計波長の光RayB(一次回折光)の進行方向とが一致する(βRR=βDB)場合のaは、次の式で求めることができる。
上記のようにして求められるaを採用することで、特定のプリズム14nの傾斜部14n1で屈折して出射する第1設計波長の光RayR(屈折光)の進行方向と当該特定のプリズム14nの傾斜部14n1で回折して出射する第2設計波長の光RayB(一次回折光)の進行方向とが一致するように、傾斜部14n1の長さLが調整される。
上記のようにして求められるaは個々のプリズム14nごとに異なるものとなる。その結果、傾斜部14n1の長さLも、個々のプリズム14nごとに異なるものとなる。
以上説明したように、本変形例によっても、上記実施形態と同様、所定波長範囲の可視光を放出する光源12からの可視光を制御するプリズム14nであって、断面形状が傾斜部14n1及び起立部14n2を含む鋸歯形状のプリズム14nを含む光学素子10において、色ムラを改善することができる光学素子10を提供することが可能となる。これは、傾斜部14n1で屈折して出射する第1設計波長の光RayAの進行方向と傾斜部14n1で回折して出射する第2設計波長の光RayBの進行方向とが一致するように、傾斜部14n1の長さLが調整されている結果、第1設計波長の屈折によって生じる色収差と、第2設計波長の回折によって生じる分光とが、打消し合うことによるものである。
また、本変形例によっても、所定波長範囲の可視光を放出する光源12からの可視光を制御して所定配光パターンを形成するプリズム14nであって、断面形状が傾斜部14n1及び起立部14n2を含む鋸歯形状のプリズム14nを複数含む光学素子10において、所定配光パターンの輪郭近傍に発生する色ムラを改善することができる光学素子10を提供することが可能となる。これも、傾斜部14n1で屈折して出射する第1設計波長の光RayRの進行方向と傾斜部14n1で回折して出射する第2設計波長の光RayBの進行方向とが一致するように、傾斜部14n1の長さLが調整されている結果、第1設計波長の屈折によって生じる色収差と、第2設計波長の回折によって生じる分光とが、打消し合うことによるものである。
また、本実施形態の光学素子10によれば、複数のプリズム14n全ての傾斜部14n1の長さLを調整することなく、一部のプリズム14nの傾斜部14n1の長さLを調整することで、色ムラを改善することができる。例えば、複数のプリズム14nのうち少なくとも光源12からの可視光を所定配光パターンの輪郭近傍に制御するプリズム14nの傾斜部14n1の長さLを調整することで、色ムラを改善することができる。これは、図9に示すように、光源からの可視光を所定配光パターンの輪郭の内側に制御するプリズムについてはその傾斜部の長さを調整しなくても所定配光パターンの輪郭の内側の色ムラが目立たないこと、及び、光源からの可視光を所定配光パターンの輪郭近傍に制御するプリズムについてはその傾斜部の長さを調整しないと所定配光パターンの輪郭近傍の色ムラが目立つこと、によるものである。
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
10…光学素子、12…光源、12a…中心、14n…プリズム、14n1…傾斜部、14n2…起立部

Claims (4)

  1. 所定波長範囲の可視光を放出する光源からの可視光を制御するプリズムであって、断面形状が傾斜部及び起立部を含む鋸歯形状のプリズムを含む光学素子において、
    前記所定波長範囲の短波長側の特定の波長又は長波長側の特定の波長を第1設計波長とし、前記所定波長範囲の前記第1設計波長とは反対側の長波長側の特定の波長又は短波長側の特定の波長を第2設計波長とした場合、前記傾斜部で屈折して出射する前記第1設計波長の光の進行方向と前記傾斜部で回折して出射する前記第2設計波長の光の進行方向とが一致するように、前記傾斜部の長さが調整されていることを特徴とする光学素子。
  2. 所定波長範囲の可視光を放出する光源からの可視光を制御して所定配光パターンを形成するプリズムであって、断面形状が傾斜部及び起立部を含む鋸歯形状のプリズムを複数含む光学素子において、
    前記複数のプリズムのうち少なくとも前記光源からの可視光を前記所定配光パターンの輪郭近傍に制御するプリズムは、前記所定波長範囲の短波長側の特定の波長又は長波長側の特定の波長を第1設計波長とし、前記所定波長範囲の前記第1設計波長とは反対側の長波長側の特定の波長又は短波長側の特定の波長を第2設計波長とした場合、前記傾斜部で屈折して出射する前記第1設計波長の光の進行方向と前記傾斜部で回折して出射する前記第2設計波長の光の進行方向とが一致するように、前記傾斜部の長さが調整されていることを特徴とする光学素子。
  3. 前記短波長側の特定の波長は青系の波長であり、前記長波長側の特定の波長は赤系の波長であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 前記短波長側の特定の波長は450〜460nmから選択される特定の波長であり、前記長波長側の特定の波長は600〜650nmから選択される特定の波長であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
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