JP2017014361A - 凝集の抑制されたゴム粒子の製造方法、空気入りタイヤの製造方法及びゴム製品の製造方法 - Google Patents

凝集の抑制されたゴム粒子の製造方法、空気入りタイヤの製造方法及びゴム製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 凝集の抑制されたゴム粒子を製造する方法を提供する。【解決手段】 Rubber Elongation Factor(REF)ファミリー蛋白質をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて蛋白質合成を行い、ゴム粒子にREFファミリー蛋白質を結合させる工程を含む凝集の抑制されたゴム粒子の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、凝集の抑制されたゴム粒子の製造方法、空気入りタイヤの製造方法、及びゴム製品の製造方法に関する。
ゴム粒子は室温に置いておくと凝集する性質を有していることから、従来、保存、輸送等の時には低温とすることで凝集を防いでいた。
ただし、低温ではゴム合成に係わる酵素が働かないため、低温下のゴム粒子ではゴム合成を効率的に行うことができない。そこで、ゴム粒子を用いて試験管(プラント)内で天然ゴムを合成するためには、酵素が活性化する温度(約37℃)まで反応溶液の温度を上げる必要があった。
ここで、ゴム粒子はゴム産生植物のラテックスから採取される脂質膜で覆われた粒子であるが、その膜は天然の膜であるため、その表面には植物体内で合成された蛋白質が結合している。そのような蛋白質としては、例えば、Rubber Elongation Factor(REF)や、Small Rubber Particle Protein(SRPP)などが知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。また、REFをコードする遺伝子の発現をゴム産生植物内で減少させるとゴム合成能力が低下することも知られている。
他方、SRPPを発現させた組換え微生物において発現したSRPPをゴム粒子と共存させるとゴムの合成が促進されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−316586号公報
Rubber particle proteins, HbREF and HbSRPP, show different interactions with model membranes、 Biochimica et Biophysica Acta、2014年、Volume 1838、(2014年)、p.287−299 Rubber Elongation Factor(REF), a Major Allergen Component in Hevea brasiliensis Latex Has Amyloid Properties、 PLOS ONE、2012年、Volume 7、Issue 10
上述のように、ゴム粒子が室温では凝集してしまうことにまつわり、種々問題があったことから、室温等、低温でなくてもゴム粒子の凝集を抑制できる技術が求められていた。
本発明は、前記課題を解決し、凝集の抑制されたゴム粒子を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、Rubber Elongation Factor(REF)ファミリー蛋白質をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて蛋白質合成を行い、ゴム粒子にREFファミリー蛋白質を結合させる工程を含む凝集の抑制されたゴム粒子の製造方法に関する。
上記REFファミリー蛋白質は、パラゴムノキ由来であることが好ましい。
上記無細胞蛋白合成溶液は、胚芽抽出物を含むことが好ましい。
上記胚芽抽出物は、小麦由来であることが好ましい。
上記無細胞蛋白合成溶液と共存させるゴム粒子の濃度は、5〜50g/Lであることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム粒子の製造方法により得られるゴム粒子を用いてゴムを合成する合成工程、上記ゴムと、添加剤とを混練して混練物を得る混練工程、上記混練物から生タイヤを成形する生タイヤ成形工程、及び上記生タイヤを加硫する加硫工程を含む空気入りタイヤの製造方法に関する。
本発明はまた、上記ゴム粒子の製造方法により得られるゴム粒子を用いてゴムを合成する合成工程、上記ゴムと、添加剤とを混練して混練物を得る混練工程、上記混練物から生ゴム製品を成形する生ゴム製品成形工程、及び上記生ゴム製品を加硫する加硫工程を含むゴム製品の製造方法に関する。
本発明によれば、Rubber Elongation Factor(REF)ファミリー蛋白質をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて蛋白質合成を行い、ゴム粒子にREFファミリー蛋白質を結合させる工程を含む凝集の抑制されたゴム粒子の製造方法であるので、ゴム粒子にREFファミリー蛋白質を結合させることで、室温等、低温でなくてもゴム粒子を安定化させ、その凝集を抑制することができ、凝集の抑制されたゴム粒子を製造することができる。これにより、室温においても、ゴム粒子の表面積(反応面積)を広い状態でゴム合成反応を継続することができ、結果的にゴム粒子のゴム合成能力が増強し、より効率的に反応槽(試験管、プラントなど)内でゴムを生産することが可能となる。
本発明の空気入りタイヤの製造方法は、本発明のゴム粒子の製造方法により得られるゴム粒子を用いてゴムを合成する合成工程、上記ゴムと、添加剤とを混練して混練物を得る混練工程、上記混練物から生タイヤを成形する生タイヤ成形工程、及び上記生タイヤを加硫する加硫工程を含む空気入りタイヤの製造方法であるので、ゴム粒子製造時にゴム粒子を安定化させ、凝集するのを抑制できる手法で得られたゴム粒子から得られるゴムから空気入りタイヤを製造するため、植物資源を有効に利用でき、環境に配慮して空気入りタイヤを製造することができる。
本発明のゴム製品の製造方法は、本発明のゴム粒子の製造方法により得られるゴム粒子を用いてゴムを合成する合成工程、上記ゴムと、添加剤とを混練して混練物を得る混練工程、上記混練物から生ゴム製品を成形する生ゴム製品成形工程、及び上記生ゴム製品を加硫する加硫工程を含むゴム製品の製造方法であるので、ゴム粒子製造時にゴム粒子を安定化させ、凝集するのを抑制できる手法で得られたゴム粒子から得られるゴムからゴム製品を製造するため、植物資源を有効に利用でき、環境に配慮してゴム製品を製造することができる。
実施例において透析法を行っている様子を示す概略図である。
本発明の凝集の抑制されたゴム粒子の製造方法は、Rubber Elongation Factor(REF)ファミリー蛋白質をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて蛋白質合成を行い、ゴム粒子にREFファミリー蛋白質を結合させる工程を含む。すなわち、REFファミリー蛋白質をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて(より具体的には、REFファミリー蛋白質をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを混合して)蛋白質合成を行うことで、REFファミリー蛋白質の結合したゴム粒子を得ることができる。
ここで、リポソームはリン脂質、グリセロ糖脂質、コレステロール等から構成される脂質二重膜として人工的に製造されるため、製造されたリポソームの表面には蛋白質は結合していないのに対して、ゴム産生植物のラテックスから採取されるゴム粒子も脂質膜で覆われた粒子であるが、その膜は天然由来の膜であるため、その表面には植物体内で合成された蛋白質が既に結合している。このことから、蛋白質が結合していないリポソームなどに比べて、既に蛋白質が結合しており、蛋白質で覆われた状態にあるゴム粒子に更に蛋白質を結合させるのは困難であることが予想される。また、ゴム粒子に既に結合している蛋白質が無細胞蛋白合成を阻害することも懸念される。
以上のような点から、ゴム粒子共存下での無細胞蛋白合成は実現が困難であると考えられてきた。このような状況下、本発明者らは、これまでに試みられていなかった、REFファミリー蛋白質の無細胞蛋白合成をゴム粒子の共存下で行ったところ、ゴム粒子の共存下で無細胞蛋白合成を行うことでREFファミリー蛋白質の結合したゴム粒子を製造することができることを初めて見出し、そのようにして製造されたゴム粒子は、REFファミリー蛋白質が結合しているために、室温においても安定で、凝集が抑制されることを見出した。これまで、REFファミリー蛋白質はゴム産生植物体内でゴム合成に関与することは示唆されていたが、その働きは未だ明確には分かっていなかったところ、本発明者らは、REFファミリー蛋白質がゴム粒子の安定化に寄与するだけでなく、ゴム粒子の凝集を抑制する働きを有していることを初めて見出した。
なお、従来から界面活性剤等を用いてゴム粒子を分散させてきたが、界面活性剤は酵素活性の阻害剤として働いてしまう場合があるが、ゴム粒子に結合させたREFファミリー蛋白質はゴム産生植物体内でもともとゴム粒子上に存在する蛋白質であり、ゴム合成活性を阻害することはないと考えられる。したがって、本発明において製造されるゴム粒子は、室温においても、ゴム粒子の表面積(反応面積)を広い状態でゴム合成反応を継続することができ、結果的にゴム粒子のゴム合成能力が増強し、より効率的に反応槽(試験管、プラントなど)内でゴムを生産することができる。
なお、本発明の製造方法は、上記工程を含む限りその他の工程を含んでいてもよく、また、各工程は1回行われてもよいし、複数回繰り返し行われてもよい。
上記REFファミリー蛋白質をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて行われる蛋白質合成は、いわゆる、無細胞蛋白合成法を用いたREFファミリー蛋白質の合成であり、生物学的機能を担持した(native状態の)REFファミリー蛋白質を合成でき、当該無細胞蛋白合成法をゴム粒子の共存下で行うことにより、合成されるREFファミリー蛋白質をnative状態でゴム粒子に結合させることが可能となる。
ここで、本明細書において、上記無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子との共存下、蛋白質合成を行うことで、ゴム粒子にREFファミリー蛋白質が結合するとは、当該蛋白質合成により合成されたREFファミリー蛋白質の全部又は一部がゴム粒子中に取り込まれる又はゴム粒子の膜構造に挿入される、といったことを意味するが、これに限らず、ゴム粒子表面又は内部に局在する等の場合をも意味する。
なお、本発明において、ゴム粒子に結合するREFファミリー蛋白質の量は特に限定されない。
上記ゴム粒子の由来は特に限定されず、例えば、パラゴムノキ、ロシアンタンポポ、グアユール、ノゲシ、インドゴムノキなどのゴム産生植物のラテックス由来であればよい。
また、上記ゴム粒子の粒子径も特に限定されず、所定の粒子径のものを分取して用いてもよいし、様々な粒子径のものが含まれた状態のものを使用してもよく、所定の粒子径のものを分取して用いる場合であっても、用いられるゴム粒子としては、粒子径の小さいSmall Rubber Particles(SRP)を用いてもよいし、粒子径の大きいLarge Rubber Particles(LRP)を用いてもよい。
上記所定の粒子径のゴム粒子を分取する方法としては、通常行われる方法を採用することができるが、例えば、遠心分離処理、より好ましくは多段階の遠心分離処理、を行う方法などが挙げられる。具体的には、500〜1500×gでの遠心分離処理、1700〜2500×gでの遠心分離処理、7000〜9000×gでの遠心分離処理、15000〜25000×gでの遠心分離処理、40000〜60000×gでの遠心分離処理を順に行う方法が挙げられる。なお、各遠心分離処理の処理時間としては、20分以上が好ましく、30分以上がより好ましく、40分以上が更に好ましい。一方、120分以下が好ましく、90分以下がより好ましい。また、各遠心分離処理の処理温度としては、0〜10℃が好ましく、2〜8℃がより好ましく、4℃が特に好ましい。
上記REFファミリー蛋白質をコードするmRNAは、翻訳されてREFファミリー蛋白質を合成しうる翻訳鋳型である。
上記REFファミリー蛋白質をコードするmRNAの由来は特に制限されないが、植物由来であることが好ましく、Hevea属、Sonchus属、Taraxacum属、及びParthenium属からなる群より選択される少なくとも1種の属に属する植物由来であることがより好ましい。中でも、パラゴムノキ、ノゲシ、グアユール及びロシアンタンポポからなる群より選択される少なくとも1種の植物由来であることが更に好ましく、特に好ましくは、パラゴムノキ由来であることである。
上記植物としては、特に限定されず、例えば、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)等のHevea属;ノゲシ(Sonchus oleraceus)、オニノゲシ(Sonchus asper)、ハチジョウナ(Sonchus brachyotus)等のSonchus属;セイタカアワダチソウ(Solidago altissima)、アキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. asiatica)、ミヤマアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. leipcarpa)、キリガミネアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. leipcarpa f. paludosa)、オオアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. gigantea)、オオアワダチソウ(Solidago gigantea Ait. var. leiophylla Fernald)等のSolidago属;ヒマワリ(Helianthus annuus)、シロタエヒマワリ(Helianthus argophyllus)、ヘリアンサス・アトロルベンス(Helianthus atrorubens)、ヒメヒマワリ(Helianthus debilis)、コヒマワリ(Helianthus decapetalus)、ジャイアントサンフラワー(Helianthus giganteus)等のHelianthus属;タンポポ(Taraxacum)、エゾタンポポ(Taraxacum venustum H.Koidz)、シナノタンポポ(Taraxacum hondoense Nakai)、カントウタンポポ(Taraxacum platycarpum Dahlst)、カンサイタンポポ(Taraxacum japonicum)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale Weber)、ロシアンタンポポ(Taraxacum koksaghyz)等のTaraxacum属;イチジク(Ficus carica)、インドゴムノキ(Ficus elastica)、オオイタビ(Ficus pumila L.)、イヌビワ(Ficus erecta Thumb.)、ホソバムクイヌビワ(Ficus ampelas Burm.f.)、コウトウイヌビワ(Ficus benguetensis Merr.)、ムクイヌビワ(Ficus irisana Elm.)、ガジュマル(Ficus microcarpa L.f.)、オオバイヌビワ(Ficus septica Burm.f.)、ベンガルボダイジュ(Ficus benghalensis)等のFicus属;グアユール(Parthenium argentatum)、アメリカブクリョウサイ(Parthenium hysterophorus)、ブタクサ(Parthenium hysterophorus)等のParthenium属;レタス(Lactuca serriola)、ベンガルボダイジュ等が挙げられる。
上記REFファミリー蛋白質をコードするmRNAは、翻訳されてREFファミリー蛋白質を合成しうる翻訳鋳型であればその調製方法は特に制限されないが、例えば、ゴム産生植物のラテックスからホットフェノール法などによりTotal RNAを抽出し、得られたTotal RNAからcDNAを合成し、REFファミリー蛋白質をコードする遺伝子の塩基配列情報を元に作製したプライマーを用いてREFファミリー蛋白質をコードする遺伝子のDNA断片を取得して、該DNA断片を元に通常行われるインビトロでの転写反応を行うことにより調製することができる。
なお、本明細書において、Rubber Elongation Factor(REF)ファミリー蛋白質は、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)等のゴム産出植物のラテックスに存在するゴム粒子に結合するゴム粒子結合蛋白質であるREF及びSmall Rubber Particle Protein(SRPP)のことである。
上記REFファミリー蛋白質の特徴としては、REF superfamily domain(NCBI Accession No.pfam05755)に含まれるアミノ酸配列を有することである。
上記REFの具体例としては、下記[1]が挙げられる。
[1]配列番号4で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質
また、蛋白質は、元のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、又は付加を含む場合であっても本来持つ機能を有する場合があることが知られている。従って、上記REFの具体例としては、下記[2]も挙げられる。
[2]配列番号4で表されるアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は付加を含む配列からなり、かつラテックスに存在するゴム粒子に結合するゴム粒子結合蛋白質
なお、上記REFとしての機能を維持するためには、配列番号4で表されるアミノ酸配列において、好ましくは1若しくは複数個のアミノ酸、より好ましくは1〜28個のアミノ酸、更に好ましくは1〜21個のアミノ酸、更により好ましくは1〜14個のアミノ酸、特に好ましくは1〜7個のアミノ酸、最も好ましくは1〜3個のアミノ酸、より最も好ましくは1個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は付加を含むアミノ酸配列であることが好ましい。
アミノ酸置換の例としては、保存的置換が好ましく、具体的には以下のカッコ内のグループ内での置換が挙げられる。例えば、(グリシン、アラニン)(バリン、イソロイシン、ロイシン)(アスパラギン酸、グルタミン酸)(アスパラギン、グルタミン)(セリン、トレオニン)(リジン、アルギニン)(フェニルアラニン、チロシン)である。
また、蛋白質は、元のアミノ酸配列と配列同一性の高いアミノ酸配列を有する蛋白質も同様の機能を有する場合があることが知られている。従って、上記REFの具体例としては、下記[3]も挙げられる。
[3]配列番号4で表されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつラテックスに存在するゴム粒子に結合するゴム粒子結合蛋白質
なお、上記REFとしての機能を維持するためには、配列番号4で表されるアミノ酸配列との配列同一性は、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。
上記SRPPの具体例としては、下記[4]が挙げられる。
[4]配列番号12で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質
また、蛋白質は、元のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、又は付加を含む場合であっても本来持つ機能を有する場合があることが知られている。従って、上記SRPPの具体例としては、下記[5]も挙げられる。
[5]配列番号12で表されるアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は付加を含む配列からなり、かつラテックスに存在するゴム粒子に結合するゴム粒子結合蛋白質
なお、上記SRPPとしての機能を維持するためには、配列番号12で表されるアミノ酸配列において、好ましくは1若しくは複数個のアミノ酸、より好ましくは1〜41個のアミノ酸、更に好ましくは1〜31個のアミノ酸、更により好ましくは1〜20個のアミノ酸、特に好ましくは1〜10個のアミノ酸、最も好ましくは1〜4個のアミノ酸、より最も好ましくは2個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は付加を含むアミノ酸配列であることが好ましい。
アミノ酸置換の例としては、保存的置換が好ましく、具体的には以下のカッコ内のグループ内での置換が挙げられる。例えば、(グリシン、アラニン)(バリン、イソロイシン、ロイシン)(アスパラギン酸、グルタミン酸)(アスパラギン、グルタミン)(セリン、トレオニン)(リジン、アルギニン)(フェニルアラニン、チロシン)である。
また、蛋白質は、元のアミノ酸配列と配列同一性の高いアミノ酸配列を有する蛋白質も同様の機能を有する場合があることが知られている。従って、上記SRPPの具体例としては、下記[6]も挙げられる。
[6]配列番号12で表されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつラテックスに存在するゴム粒子に結合するゴム粒子結合蛋白質
なお、上記SRPPとしての機能を維持するためには、配列番号12で表されるアミノ酸配列との配列同一性は、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。
アミノ酸配列や塩基配列の配列同一性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST[Pro. Natl. Acad. Sci. USA, 90, 5873(1993)]やFASTA[Methods Enzymol., 183, 63 (1990)]を用いて決定することができる。
上記REFファミリー蛋白質であることを確認する方法としては、例えば、従来公知の方法を用いることができ、例えば、アミノ酸配列を同定し、REF superfamily domain(NCBI Accession No.pfam05755)に含まれるアミノ酸配列を有しているかどうかを確認する方法が挙げられる。
上記REFをコードする遺伝子としては、具体的には、下記[1]又は[2]が挙げられる。
[1]配列番号3で表される塩基配列からなるDNA
[2]配列番号3で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつラテックスに存在するゴム粒子に結合するゴム粒子結合蛋白質をコードするDNA
ここでいう「ハイブリダイズする」とは、特定の塩基配列を有するDNAまたは該DNAの一部にDNAがハイブリダイズする工程である。したがって、該特定の塩基配列を有するDNAまたは該DNAの一部の塩基配列は、ノーザンまたはサザンブロット解析のプローブとして有用であるか、またはPCR(Polymerase Chain Reaction)解析のオリゴヌクレオチドプライマーとして使用できる長さのDNAであってもよい。プローブとして用いるDNAとしては、少なくとも100塩基以上、好ましくは200塩基以上、より好ましくは500塩基以上のDNAをあげることができるが、少なくとも10塩基以上、好ましくは15塩基以上のDNAであってもよい。
DNAのハイブリダイゼーション実験の方法はよく知られており、例えばモレキュラー・クローニング第2版、第3版(2001年)、Methods for General and Molecular Bacteriology, ASM Press(1994)、Immunology methods manual, Academic press(Molecular)に記載の他、多数の他の標準的な教科書に従ってハイブリダイゼーションの条件を決定し、実験を行うことができる。
上記のストリンジェントな条件とは、例えばDNAを固定化したフィルターとプローブDNAとを50%ホルムアミド、5×SSC(750mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%の硫酸デキストラン、および20μg/lの変性させたサケ精子DNAを含む溶液中で42℃で一晩、インキュベートした後、例えば約65℃の0.2×SSC溶液中で該フィルターを洗浄する条件をあげることができるが、より低いストリンジェント条件を用いることもできる。ストリンジェントな条件の変更は、ホルムアミドの濃度調整(ホルムアミドの濃度を下げるほど低ストリンジェントになる)、塩濃度および温度条件の変更により可能である。低ストリンジェント条件としては、例えば6×SSCE(20×SSCEは、3mol/lの塩化ナトリウム、0.2mol/lのリン酸二水素ナトリウム、0.02mol/lのEDTA、pH7.4)、0.5%のSDS、30%のホルムアミド、100μg/lの変性させたサケ精子DNAを含む溶液中で、37℃で一晩インキュベートした後、50℃の1×SSC、0.1%SDS溶液を用いて洗浄する条件をあげることができる。また、さらに低いストリンジェントな条件としては、上記した低ストリンジェント条件において、高塩濃度(例えば5×SSC)の溶液を用いてハイブリダイゼーションを行った後、洗浄する条件をあげることができる。
上記した様々な条件は、ハイブリダイゼーション実験のバックグラウンドを抑えるために用いるブロッキング試薬を添加、または変更することにより設定することもできる。上記したブロッキング試薬の添加は、条件を適合させるために、ハイブリダイゼーション条件の変更を伴ってもよい。
上記したストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能なDNAとしては、例えばBLASTおよびFASTA等のプログラムを用いて、上記パラメータに基づいて計算したときに、配列番号3で表される塩基配列と少なくとも80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上の配列同一性を有する塩基配列からなるDNAをあげることができる。
上記したDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAが、REFファミリー蛋白質をコードするDNAであることを確認する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、DNAをアミノ酸配列に翻訳した際に、REF superfamily domain(NCBI Accession No.pfam05755)に含まれるアミノ酸配列を有しているかどうかを確認する方法が挙げられる。
上記SRPPをコードする遺伝子としては、具体的には、下記[3]又は[4]が挙げられる。
[3]配列番号11で表される塩基配列からなるDNA
[4]配列番号11で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつラテックスに存在するゴム粒子に結合するゴム粒子結合蛋白質をコードするDNA
ここでいう「ハイブリダイズする」とは、上述したのと同様である。また、上記ストリンジェントな条件についても、上述したのと同様である。
上記したストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能なDNAとしては、例えばBLASTおよびFASTA等のプログラムを用いて、上記パラメータに基づいて計算したときに、配列番号11で表される塩基配列と少なくとも80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上の配列同一性を有する塩基配列からなるDNAをあげることができる。
上記したDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAが、REFファミリー蛋白質をコードするDNAであることを確認する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、DNAをアミノ酸配列に翻訳した際に、REF superfamily domain(NCBI Accession No.pfam05755)に含まれるアミノ酸配列を有しているかどうかを確認する方法が挙げられる。
また、上記蛋白質のアミノ酸配列及び塩基配列を同定する方法は、従来公知の方法を用いることができ、例えば、生育する植物から、Total RNAを抽出し、必要に応じてmRNAを精製し、逆転写反応によりcDNAを合成する。次に目的蛋白質に相当する既知の蛋白質のアミノ酸配列をもとに、縮重プライマーを設計し、RT−PCRを行い、部分的にDNA断片の増幅を行い、部分的に配列を同定する。次いで、RACE法などを行い、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定する。RACE法(Rapid Amplification of cDNA Ends法)とは、cDNAの塩基配列が部分的に把握されているときに、その既知領域の塩基配列情報を基にPCRを行って、cDNA末端までの未知領域をクローニングする方法で、cDNAライブラリーの作製を経ずに、PCR法によって全長のcDNAをクローニングすることができる方法である。
なお、縮重プライマーは、上記目的蛋白質と共通性の高い配列部位を有する植物由来の配列から作製することが好ましい。
また、上記蛋白質をコードする塩基配列が既知の場合には、その知られている塩基配列から開始コドンを含むプライマー及び終止コドンを含むプライマーを設計し、合成したcDNAを鋳型にしてRT−PCRを行うことで全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定することができる。
上記無細胞蛋白合成溶液は、上記REFファミリー蛋白質をコードするmRNAを含む限り、その他の蛋白質をコードするmRNAを含んでいてもよい。
上記その他の蛋白質をコードするmRNAの由来は特に制限されないが、上述した植物由来であることが好ましく、Hevea属、Sonchus属、Taraxacum属、及びParthenium属からなる群より選択される少なくとも1種の属に属する植物由来であることがより好ましい。中でも、パラゴムノキ、ノゲシ、グアユール及びロシアンタンポポからなる群より選択される少なくとも1種の植物由来であることが更に好ましく、特に好ましくは、パラゴムノキ由来であることである。
上記その他の蛋白質としては、何ら制限されずいかなる蛋白質であってもよいが、ゴム粒子のゴム合成能力を増強させる観点からは、ゴム産生植物体内でもともとゴム粒子上に存在する蛋白質であることが好ましい。なお、ゴム粒子上に存在する蛋白質は、大きくゴム粒子の膜表面に結合する蛋白質であってもよいし、ゴム粒子の膜に挿入されるように結合する蛋白質であってもよいし、上記膜に結合している蛋白質と複合体を形成して膜表面上に存在することになる蛋白質であってもよい。
上記ゴム産生植物体内でもともとゴム粒子上に存在する蛋白質としては、例えば、シス型プレニルトランスフェラーゼ(CPT)、Nogo−B receptor(NgBR)、β−1,3−グルカナーゼ、Heveinなどが挙げられる。
上記その他の蛋白質としては、中でも、ゴム産生植物体内でもともとゴム粒子上に存在し、ゴム合成に関与する蛋白質であることが好ましい。このようなゴム合成に関与する蛋白質をゴム粒子に結合させることで、ゴム粒子のゴム合成能力を増強し、より効率的に反応槽(試験管、プラントなど)内でゴムを生産することが可能となる。
具体的には、CPT及び/又はNgBRが好ましい。
本発明においては、ゴム粒子の共存下でREFファミリー蛋白質の無細胞蛋白合成が行われるが、本発明における無細胞蛋白合成溶液を用いて、従来と同様の方法で行うことができる。用いられる無細胞蛋白合成系としては、通常用いられる無細胞蛋白質合成手段を採用することができる。例えば、Rapid Translation System RTS500(Roshe Diagnostics社製)やProc.Natl.Acad.Sci.USA,97:559−564(2000)、特開2000−236896号公報、特開2002−125693号公報、特開2002−204689号公報に従って調製された小麦胚芽抽出液及びその無細胞蛋白質合成系(特開2002−204689号公報、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,99:14652−14657(2002))を使用することができる。中でも、胚芽抽出物を用いる系が好ましい。すなわち、上記無細胞蛋白合成溶液が、胚芽抽出物を含むこともまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記胚芽抽出物の由来は特に限定されないが、翻訳効率の観点からは、植物の蛋白質を無細胞蛋白合成法で合成する場合には植物由来の胚芽抽出物を用いることが好ましい。特に好ましくは小麦由来の胚芽抽出物を用いることである。すなわち、上記胚芽抽出物が小麦由来であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記胚芽抽出物の調製方法としては特に制限されず、通常の胚芽抽出物調製方法を採用することができるが、例えば、特開2005−218357号公報に記載された方法を採用すればよい。
本発明において用いられる無細胞蛋白合成溶液は、更にサイクリックヌクレオシド一リン酸誘導体又はその塩(以降、単に「活性増強物質」とも称する。)を含むことが好ましい。該活性増強物質を含有することにより、蛋白質合成活性を更に増強させることができる。
上記サイクリックヌクレオシド一リン酸誘導体又はその塩としては、無細胞蛋白合成活性を増強しうるものであれば特に制限されず、例えば、アデノシン−3’,5’サイクリック一リン酸及びその塩、アデノシン−3’,5’サイクリックチオ一リン酸(Spアイソマー)及びその塩、アデノシン−3’,5’サイクリックチオ一リン酸(Rpアイソマー)及びその塩、グアノシン−3’,5’サイクリック一リン酸及びその塩、グアノシン−3’,5’サイクリックチオ一リン酸(Spアイソマー)及びその塩、グアノシン−3’,5’サイクリックチオ一リン酸(Rpアイソマー)及びその塩、8−ブロモアデノシン−3’,5’−サイクリック一リン酸(ブロモcAMP)及びその塩、8−(4−クロロフェニルチオ)アデノシン−3’,5’−サイクリック一リン酸(クロロフェニルチオcAMP)及びその塩、5,6−ジクロロ−1−β−D−リボフラノシルべンジミダゾルアデノシン−3’,5’−サイクリック一リン酸(ジクロロリボフラノシルべンジミダゾルcAMP)及びその塩、アデノシン−2’,5’サイクリック一リン酸及びその塩、アデノシン−2’,5’サイクリックチオ一リン酸(Spアイソマー)及びその塩、アデノシン−2’,5’サイクリックチオ一リン酸(Rpアイソマー)及びその塩、グアノシン−2’,5’サイクリック一リン酸及びその塩、グアノシン−2’,5’サイクリックチオ一リン酸(Spアイソマー)及びその塩、グアノシン−2’,5’サイクリックチオ一リン酸(Rpアイソマー)及びその塩等が挙げられる。
上記サイクリックヌクレオシド一リン酸誘導体との塩を形成する塩基としては、生化学的に許容しうるもので、当該誘導体と塩を形成するものであれば特に制限されないが、中でも好ましいものとしては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、トリスヒドロキシアミノメタン等の有機塩基が挙げられる。
上記活性増強物質としては、中でも、アデノシン−3’,5’サイクリック一リン酸、アデノシン−3’,5’サイクリック一リン酸ナトリウムが特に好ましい。また、これら活性増強物質は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記活性増強物質は、あらかじめ本発明における無細胞蛋白合成溶液に加えておいてもよいが、当該溶液中で不安定である場合には、無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて蛋白質合成反応を行う際に加えるのが好ましい。
上記活性増強物質の添加量としては、本発明における無細胞蛋白合成溶液による蛋白質合成反応が活性化(増加)しうる濃度であれば特に制限されない。具体的には、反応系中の最終濃度として、通常0.1ミリモル/リットル以上であればよい。濃度の下限は、好ましくは0.2ミリモル/リットル、より好ましくは0.4ミリモル/リットル、特に好ましくは0.8ミリモル/リットルである。他方、濃度の上限は、好ましくは24ミリモル/リットル、より好ましくは6.4ミリモル/リットル、特に好ましくは3.2ミリモル/リットルである。
上記活性増強物質を本発明における無細胞蛋白合成溶液に加える際の無細胞蛋白合成溶液の温度としては特に限定されないが、0〜30℃が好ましく、10〜26℃がより好ましい。
本発明における無細胞蛋白合成溶液は、REFファミリー蛋白質をコードするmRNA(翻訳鋳型)に加え、蛋白質合成に必須の成分であるATP、GTP、クレアチンリン酸、クレアチンキナーゼ、L型アミノ酸、カリウムイオン及びマグネシウムイオン等を含有し、更には必要に応じて活性増強物質を含むものであり、このような無細胞蛋白合成溶液を用いることにより無細胞蛋白合成反応系とすることができる。
なお、上記特開2005−218357号公報に記載された方法で調製された胚芽抽出物には蛋白質合成反応に必要とされる量のtRNAが含まれているため、当該方法により調製された胚芽抽出物を無細胞蛋白合成溶液に用いる場合には、別途調製したtRNAを追加することは必須要件ではない。すなわち、無細胞蛋白合成溶液には、必要に応じてtRNAを追加すればよい。
本発明においては、REFファミリー蛋白質をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて蛋白質合成を行うものであるが、具体的には蛋白質の合成前又は合成後の適当な時期に、好ましくは蛋白質合成前に、上記無細胞蛋白合成溶液にゴム粒子を加えることにより行うことができる。
また、無細胞蛋白合成溶液と共存させるゴム粒子の濃度は、5〜50g/Lであることが好ましい。すなわち、無細胞蛋白合成溶液1Lに対してゴム粒子を5〜50g共存させることが好ましい。無細胞蛋白合成溶液と共存させるゴム粒子の濃度が5g/L未満であると、合成されたREFファミリー蛋白質が結合したゴム粒子を回収するために、超遠心分離等による分離処理を行った際に、ゴム層が形成されず、合成されたREFファミリー蛋白質が結合したゴム粒子を回収することが困難になる場合がある。一方、無細胞蛋白合成溶液と共存させるゴム粒子の濃度が50g/Lを超えると、ゴム粒子同士が凝集し、合成されたREFファミリー蛋白質がうまくゴム粒子に結合できなくなるおそれがある。上記ゴム粒子の濃度としてより好ましくは10〜40g/L、更に好ましくは15〜35g/L、特に好ましくは15〜30g/Lである。
また、上記無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子との共存下での蛋白質合成は、その反応の進展に伴い、適宜ゴム粒子を追加していってもよい。ゴム粒子を上記無細胞蛋白合成溶液に加えてから例えば3〜48時間(好ましくは3〜30時間、より好ましくは3〜24時間)など無細胞蛋白合成系が活性な間、上記無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とが共存するようにしておくことが好ましい。
上記ゴム粒子は、前記無細胞蛋白合成溶液と共存させる前に前処理等の特段の処理を行う必要はない。ただし、ゴム粒子上に存在する蛋白質の内、本発明の方法により結合させたいREFファミリー蛋白質の割合を高めるために、予め界面活性剤によりゴム粒子から蛋白質を除去してもよい。このように、本発明において用いられるゴム粒子が、前記無細胞蛋白合成溶液と共存させる前に、界面活性剤で洗浄されたものであることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記界面活性剤としては特に限定されず、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、膜上の蛋白質の変性作用が小さい点で、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が好適に用いられ、両性界面活性剤が特に好適に用いられる。すなわち、上記界面活性剤が、両性界面活性剤であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
これら界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンエーテル系、ポリオキシアルキレンエステル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、糖脂肪酸エステル系、アルキルポリグリコシド系、ポリオキシアルキレンポリグルコシド系の非イオン性界面活性剤や、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
これらの中でも、ポリオキシアルキレンエーテル系の非イオン性界面活性剤、多価アルコール脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤が好ましい。
上記ポリオキシアルキレンエーテル系の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンポリオールアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノ、ジ、又はトリスチリルフェニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルが好適に使用される。なお、前記ポリオールとしては、炭素数2〜12の多価アルコールが好ましく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、グルコース、スクロース、ペンタエリトリトール、ソルビタン等が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレンエステル系の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルロジン酸エステル等が挙げられる。
上記多価アルコール脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜12の多価アルコールの脂肪酸エステル又はポリオキシアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステル等が挙げられる。より具体的には、例えば、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル等が挙げられる。また、これらのポリアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル等)も使用可能である。これらの中でも、ソルビタン脂肪酸エステルが好適に使用される。
上記糖脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ショ糖、グルコース、マルトース、フルクトース、多糖類の脂肪酸エステル等が挙げられ、これらのポリアルキレンオキサイド付加物も使用可能である。
上記アルキルポリグリコシド系の非イオン性界面活性剤としては、グリコシドとしてグルコース、マルトース、フルクトース、ショ糖などが挙げられ、例えば、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルポリグルコシドなどが挙げられ、これらの脂肪酸エステル類も挙げられる。また、これらすべてのポリアルキレンオキサイド付加物も使用可能である。
これら非イオン性界面活性剤におけるアルキル基としては、例えば、炭素数4〜30の直鎖又は分岐した飽和若しくは不飽和のアルキル基が挙げられる。また、ポリオキシアルキレン基としては、炭素数2〜4のアルキレン基を有するものが挙げられ、例えば、酸化エチレンの付加モル数が1〜50モル程度のものが挙げられる。また、前記脂肪酸としては、例えば、炭素数4〜30の直鎖又は分岐した飽和若しくは不飽和の脂肪酸が挙げられる。
上記非イオン性界面活性剤としては、中でも、ゴム粒子の膜を安定化させた状態で、かつ蛋白質の変性作用が小さい状態で、適度に膜結合蛋白質を除去できるという理由から、ポリオキシエチレンエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(Triton X−100)、ソルビタンモノラウレート(Span 20)が特に好ましい。
上記両性界面活性剤としては、例えば、四級アンモニウム塩基/スルホン酸基(−SOH)タイプ、四級アンモニウム塩基/リン酸酸基タイプ(水に可溶)、四級アンモニウム塩基/リン酸酸基タイプ(水に不溶)、四級アンモニウム塩基/カルボキシル基タイプなどの両性イオン界面活性剤が挙げられる。なお、前記の酸基は塩であってもよい。
特に、前記の両性イオン界面活性剤が一分子中に+と−の両電荷を有することが好ましく、前記の酸基の酸解離定数(pKa)が、5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましく、3以下であることが更に好ましい。
上記両性界面活性剤としては、具体的には、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CHAPSO)、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−プロパンスルホン酸(CHAPS)、N,N−ビス(3−D−グルコナミドプロピル)−コラミド、n−オクタデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−デシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−ドデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−テトラデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸{Zwittergent(商標)−3−14}、n−ヘキサデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−オクタデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸等のアンモニウムスルホベタイン類、n−オクチルホスホコリン、n−ノニルホスホコリン、n−デシルホスホコリン、n−ドデシルホスホコリン、n−テトラデシルホスホコリン、n−ヘキサデシルホスホコリン等のホスホコリン類、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジリノレオイルホスファチジルコリン等のホスファチジルコリン類が挙げられる。これらの中でも、ゴム粒子の膜を安定化させた状態で適度に蛋白質を除去できるという理由から、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−プロパンスルホン酸(CHAPS)が特に好ましい。
上記界面活性剤の処理濃度は、使用する界面活性剤の臨界ミセル濃度(CMC)の3倍以内であることが好ましい。臨界ミセル濃度の3倍を超える濃度の界面活性剤で処理するとゴム粒子の膜安定性が低下するおそれがある。より好ましくは2.5倍以内であり、更に好ましくは2.0倍以内である。また下限としては、0.05倍以上であることが好ましく、0.1倍以上であることがより好ましく、0.3倍以上であることが更に好ましい。
本発明における蛋白質合成のための反応システムまたは装置としては、バッチ(回分)法(Pratt,J.M.et al.,Transcription and Tranlation,Hames,179−209,B.D.&Higgins,S.J.,eds,IRL Press,Oxford(1984))や、アミノ酸、エネルギー源等を連続的に反応系に供給する連続式無細胞蛋白質合成システム(Spirin,A.S.et al.,Science,242,1162−1164(1988))、透析法(木川等、第21回日本分子生物学会、WID6)、重層法(PROTEIOSTM Wheat germ cell−free protein synthesis core kit取扱説明書:TOYOBO社製)等が挙げられる。その他、蛋白質合成反応系に、鋳型のRNA、アミノ酸、エネルギー源等を必要時に供給し、合成物や分解物を必要時に排出する方法等も用いることができる。
中でも、重層法は操作が簡便であるという利点はあるものの反応溶液中でゴム粒子が分散してしまい、合成されるREFファミリー蛋白質をゴム粒子に効率よく結合させることが困難であるのに対して、透析法では、合成されるREFファミリー蛋白質の原料となるアミノ酸は透析膜を透過できるがゴム粒子は透過しないため、ゴム粒子の分散を防ぐことができ、効率的にゴム粒子に合成されるREFファミリー蛋白質を結合させることができることから、透析法が好ましい。
なお、上記透析法とは、本発明における蛋白質合成の合成反応液を透析内液とし、透析外液と物質移動が可能な透析膜によって隔離される装置を用いて、蛋白質合成を行う方法である。具体的には、例えば、翻訳鋳型を除いた上記合成反応液を必要に応じて適当時間プレインキュベートした後、翻訳鋳型を添加して、適当な透析容器に入れ反応内液とする。透析容器としては、底部に透析膜が付加されている容器(第一化学社製の透析カップ12,000等)や、透析用チューブ(三光純薬社製の12,000等)が挙げられる。透析膜は、10,000ダルトン以上の分子量限界を有するものが用いられるが、12,000ダルトン程度の分子量限界を有するものが好ましい。
上記透析外液としては、アミノ酸を含む緩衝液が用いられる。透析外液は反応速度が低下した時点で、新鮮なものと交換することにより透析効率を上昇させることができる。反応温度及び時間は用いる蛋白質合成系において適宜選択されるが、例えば、小麦由来の胚芽抽出物を用いた系においては、通常10〜40℃、好ましくは18〜30℃、より好ましくは20〜26℃で、10分〜48時間(好ましくは10分〜30時間、より好ましくは10分〜24時間)行うことができる。
また、本発明における無細胞蛋白合成溶液に含まれるREFファミリー蛋白質をコードするmRNAは、分解されやすいことから、上記蛋白質合成反応中に適宜当該mRNAを追加することで、蛋白質の合成をより効率的に行うことができる。すなわち、上記蛋白質合成反応中に、上記REFファミリー蛋白質をコードするmRNAを更に加えることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
なお、上記mRNAの添加時間、添加回数、添加量等は特に制限されず、適宜設定することができる。
本発明の製造方法においては、REFファミリー蛋白質をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて蛋白質合成を行い、ゴム粒子にREFファミリー蛋白質を結合させる工程を行った後、必要に応じてゴム粒子を回収する工程を行ってもよい。
上記ゴム粒子回収工程は、ゴム粒子を回収することができればその手法は特に制限されず、ゴム粒子を回収する通常行われる方法により行うことができる。具体的には、例えば、遠心分離により行う方法などが挙げられる。当該遠心分離によりゴム粒子を回収する場合、その遠心力や、遠心分離処理時間、遠心分離処理温度はゴム粒子を回収できるよう適宜設定することができるが、例えば、遠心分離処理の遠心力としては、15000×g以上が好ましく、20000×g以上がより好ましく、25000×g以上が更に好ましい。一方、遠心力は大きくしすぎてもそれに見合うだけの分離効果が望めないことから、遠心力の上限としては、50000×g以下が好ましく、45000×g以下がより好ましい。遠心分離処理時間としては、20分以上が好ましく、30分以上がより好ましく、40分以上が更に好ましい。一方、遠心分離処理時間を長くしすぎてもそれに見合うだけの分離効果が望めないことから、遠心分離処理時間の上限としては、120分以下が好ましく、90分以下がより好ましい。
また、遠心分離処理温度としては、ゴム粒子に結合したREFファミリー蛋白質のタンパク活性を維持するという観点から、0〜10℃が好ましく、2〜8℃がより好ましく、4℃が特に好ましい。
上記遠心分離処理を行うと、ゴム粒子が上層に、無細胞蛋白合成溶液が下層に分離される。その後、下層の無細胞蛋白合成溶液を除去することで、REFファミリー蛋白質を結合させたゴム粒子を回収することができる。回収したゴム粒子はpHが中性の適当な緩衝液に再懸濁することで保存することができる。
なお、ゴム粒子に結合させたREFファミリー蛋白質は、ゴム産生植物体内でもともとゴム粒子上に存在する蛋白質であるため、上記ゴム粒子回収工程を行った後に回収されたゴム粒子は更なる特別な処理を経ずに通常の天然ゴムと同様に用いることができる。
このように、本発明によれば、REFファミリー蛋白質をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて蛋白質合成を行うことで、ゴム粒子にREFファミリー蛋白質を結合させることができる。そしてこれにより、ゴム粒子にREFファミリー蛋白質を結合させることで、室温等、低温でなくてもゴム粒子を安定化させ、その凝集を抑制することができ、凝集の抑制されたゴム粒子を製造することができる。すなわち、ゴム粒子の凝集を抑制する方法であって、該方法は、REFファミリー蛋白質をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて蛋白質合成を行い、ゴム粒子にREFファミリー蛋白質を結合させる工程を含むゴム粒子の凝集を抑制する方法もまた、本発明の1つである。
なお、REFファミリー蛋白質をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて蛋白質合成を行い、ゴム粒子にREFファミリー蛋白質を結合させる工程については、上述したとおりである。
(ゴム製品の製造方法)
本発明のゴム製品の製造方法は、上記ゴム粒子の製造方法により得られるゴム粒子を用いてゴムを合成する合成工程、上記ゴムと、添加剤とを混練して混練物を得る混練工程、上記混練物から生ゴム製品を成形する生ゴム製品成形工程、及び上記生ゴム製品を加硫する加硫工程を含むゴム製品の製造方法である。
ゴム製品としては、ゴム(好ましくは天然ゴム)を使用して製造できるゴム製品であれば特に限定されず、例えば、空気入りタイヤ、ゴムローラ、ゴム防舷材、手袋、医療用ゴムチューブ等が挙げられる。
ゴム製品が空気入りタイヤの場合、すなわち、本発明のゴム製品の製造方法が本発明の空気入りタイヤの製造方法の場合、上記生ゴム製品成形工程は、上記混練物から生タイヤを成形する生タイヤ成形工程に、上記加硫工程は、上記生タイヤを加硫する加硫工程に相当する。すなわち、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、上記ゴム粒子の製造方法により得られるゴム粒子を用いてゴムを合成する合成工程、上記ゴムと、添加剤とを混練して混練物を得る混練工程、上記混練物から生タイヤを成形する生タイヤ成形工程、及び上記生タイヤを加硫する加硫工程を含む空気入りタイヤの製造方法である。
<合成工程>
合成工程では、上記ゴム粒子の製造方法により得られるゴム粒子を用いてゴムを合成する。ゴム粒子を用いてゴムを合成するには、例えば、反応槽(試験管、プラントなど)内などでゴム粒子とゴムの原料となる基質とを混合するなどして従来公知の方法で行うことができる。
<混練工程>
混練工程では、上記合成工程で得られるゴムと、添加剤とを混練して混練物を得る。
上記合成工程で得られるゴムは、上記合成工程後のゴム粒子を以下の固化工程に供することにより得られる。
<固化工程>
上記合成工程後のゴム粒子は、固化工程に供される。固化する方法としては、特に限定されず、エタノール、メタノール、アセトン等のポリイソプレノイド(天然ゴム)を溶解しない溶媒にゴム粒子を添加する方法やゴム粒子に酸を添加する方法等が挙げられる。固化工程を行うことにより、ゴム粒子からゴム(天然ゴム)を固形分として回収できる。得られたゴム(天然ゴム)は、必要に応じて乾燥してから使用すればよい。
添加剤としては特に限定されず、ゴム製品の製造に用いられる添加剤を使用できる。例えば、ゴム製品が空気入りタイヤの場合、例えば、上記ゴム粒子から得られたゴム以外のゴム成分、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルクなどの補強用充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加工助剤、各種老化防止剤、オイルなどの軟化剤、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤等が挙げられる。
混練工程における混練は、オープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて行えばよい。
<生ゴム製品成形工程(タイヤの場合は生タイヤ成形工程)>
生ゴム製品成形工程では、混練工程により得られた混練物から生ゴム製品(タイヤの場合は生タイヤ)を成形する。
生ゴム製品の成形方法としては特に限定されず、生ゴム製品の成形に用いられる方法を適宜適用すればよい。例えば、ゴム製品が空気入りタイヤの場合、混練工程により得られた混練物を、各タイヤ部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、各タイヤ部材を貼り合わせ、生タイヤ(未加硫タイヤ)を成形すればよい。
<加硫工程>
加硫工程では、生ゴム製品成形工程により得られた生ゴム製品を加硫することにより、ゴム製品が得られる。
生ゴム製品を加硫する方法としては特に限定されず、生ゴム製品の加硫に用いられる方法を適宜適用すればよい。例えば、ゴム製品が空気入りタイヤの場合、生ゴム製品成形工程により得られた生タイヤ(未加硫タイヤ)を加硫機中で加熱加圧して加硫することにより空気入りタイヤが得られる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(実施例1)
〔HeveaラテックスからのTotal RNA抽出〕
パラゴムノキのラテックスからホットフェノール法により、Total RNAを抽出した。ラテックス6mLに100mM酢酸ナトリウム緩衝液6mL、10%SDS溶液1mLを添加し、さらに65℃で予温しておいた水飽和フェノールを12mL添加した。65℃で5分間インキュベートしたのち、ボルテックスで撹拌し、室温、7000rpmで10分間遠心分離を行った。遠心後、上清を新しいチューブに移し、フェノール:クロロホルム(1:1)溶液12mLを添加し、2分間振盪撹拌した。撹拌後、再度、室温、7000rpmで10分間遠心分離を行った後、上清を新しいチューブに移し、クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)溶液12mLを添加し、2分間振盪撹拌した。撹拌後、再度、室温、7000rpmで10分間遠心分離を行った後、上清を新しいチューブに移し、3M酢酸ナトリウム溶液1.2mLとイソプロパノール13mLを添加し、ボルテックスで撹拌した。Total RNAを沈殿させるために、−20℃で30分間インキュベートした。インキュベート後、4℃、15000rpmで10分間遠心し、上清を取除くことでTotal RNAの沈殿を回収した。回収したTotal RNAは70%エタノールで2度洗浄したのち、RNase freeの水で溶解させた。
〔Total RNAからcDNAの合成〕
回収したTotal RNAをもとに、cDNAを合成した。cDNAの合成はPrimeScript II 1st strand cDNA Synthesis Kit(Takara)の説明書に従って行った。
〔cDNAからREF遺伝子の取得〕
作製した1st strand cDNAを鋳型にREF遺伝子の取得を行った。PCRはKOD−plus−Neo(TOYOBO)を使用し、説明書に従って行った。PCRは、98℃で10秒、58℃で30秒、68℃で1分を1サイクルとして、35サイクル行った。
REF遺伝子の取得は、プライマーとして、
プライマー1:5‘− tttctcgagatggctgaagacgaagac −3’
プライマー2:5‘− tttggatcctcaattctctccataaaac −3’
を使用した。
上述の方法により、REF遺伝子が得られた。得られた遺伝子について、その配列を同定し、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定した。REFの塩基配列を配列番号3に示した。また、REFのアミノ酸配列を配列番号4に示した。
〔ベクターの構築〕
上記取得したDNA断片にdA付加を行った後、pGEM−T Easy Vector System(Promega)を利用してpGEM−T Easy Vectorに挿入し、pGEM−REFを作製した。
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて大腸菌DH5αの形質転換を行い、形質転換体はアンピシリンとX−galを含むLB寒天培地上で培養し、青/白スクリーニング法によって目的遺伝子を導入した大腸菌の選別を行った。
〔プラスミドの抽出〕
目的遺伝子を含むプラスミドで形質転換された大腸菌は、LB液体培地上で37℃で一晩培養したのち、菌体を回収し、プラスミドの回収を行った。プラスミドの回収はFast Geneプラスミドミニキット(日本ジェネティクス)を使用した。
回収したプラスミドに挿入された遺伝子の塩基配列に変異がないことをシークエンス解析により確認した。
〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕
上記〔ベクターの構築〕で獲得したpGEM−REFを制限酵素Xho IとBam HIで処理したのち、同様にXho IとBam HIで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−MCS−TEV−His−C1に挿入し、pEU−C1−REFを作製した。
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて大腸菌DH5αの形質転換を行い、形質転換体はアンピシリンとX−galを含むLB寒天培地上で培養し、コロニーPCRによって目的遺伝子を導入した大腸菌の選別を行った。
〔プラスミドの抽出〕
目的遺伝子を含むプラスミドで形質転換された大腸菌は、LB液体培地上で37℃で一晩培養したのち、菌体を回収し、プラスミドの回収を行った。プラスミドの回収はFast Geneプラスミドミニキット(日本ジェネティクス)を使用した。
〔ゴム粒子の調製〕
ゴム粒子は、5段階の遠心分離によってHeveaラテックスから調製した。Heveaラテックス900mLに、20mMのジチオスレイトール(DTT)を含む1M Tris緩衝液(pH7.5)100mLを添加し、ラテックス溶液を調製した。得られたラテックス溶液を、1000×g、2000×g、8000×g、20000×g、50000×gの異なる遠心速度で段階的に遠心分離した。遠心分離はいずれも4℃、45分で行った。50000×gでの遠心分離で残ったゴム粒子層に、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−プロパンスルホン酸(CHAPS)を終濃度0.1〜2.0×CMC(臨界ミセル濃度CMCの0.1〜2.0倍)になるように加え、ゴム粒子を洗浄した。洗浄処理後、洗浄されたゴム粒子を超遠心分離(40000×g、4℃、45分)によって回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したpEU−C1−REFを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
透析カップ(MWCO 12000)(Bio−Teck社製)中に、以下の量をそれぞれ添加した。WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って全量60μLで反応溶液を調整した。反応溶液にゴム粒子を1〜2mg添加した。さらに、PP容器No.2(マルエム容器)にSUB−AMIX 650μLを添加した。
透析カップをPP容器No.2にはめ、26℃で蛋白合成反応を開始した。反応開始から2度のmRNAの追加と透析外液(SUB−AMIX)の交換を行った。
反応は24時間行った。透析法を行っている様子の概略図を図1に示す。
〔反応後のゴム粒子の回収〕
透析カップの溶液を新しい1.5μLチューブに移し、反応後のゴム粒子を超遠心分離(40000×g、4℃、45分)によって回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
〔反応後のゴム粒子の粒子径測定〕
回収した反応後のゴム粒子の粒子径を、Photal(大塚電子株式会社)のゼータ電位・粒径測定システムELSZを用いて測定した。
(比較例1)
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。無細胞発現用ベクターpEU−E01−His−TEV−MCS−N2を鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
〔反応後のゴム粒子の粒子径測定〕
回収した反応後のゴム粒子の粒子径を、実施例1と同様にして測定した。
(比較例2)
〔HeveaラテックスからのTotal RNA抽出〕
実施例1と同様にして行った。
〔Total RNAからcDNAの合成〕
実施例1と同様にして行った。
〔cDNAからNgBR遺伝子の取得〕
作製した1st strand cDNAを鋳型にNgBR遺伝子の取得を行った。PCRはKOD−plus−Neo(TOYOBO)を使用し、説明書に従って行った。PCRは、98℃で10秒、58℃で30秒、68℃で1分を1サイクルとして、35サイクル行った。
NgBR遺伝子の取得は、プライマーとして、
プライマー3:5‘− tttctcgagatggatttgaaacctggagctg −3’
プライマー4:5‘− tttctcgagtcatgtaccataattttgctgcac −3’
を使用した。
上述の方法により、NgBR遺伝子(HRTBP)が得られた。得られた遺伝子について、その配列を同定し、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定した。HRTBPの塩基配列を配列番号7に示した。また、HRTBPのアミノ酸配列を配列番号8に示した。
〔ベクターの構築〕
上記取得したDNA断片にdA付加を行った後、pGEM−T Easy Vector System(Promega)を利用してpGEM−T Easy Vectorに挿入し、pGEM−HRTBPを作製した。
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕
上記〔ベクターの構築〕で獲得したpGEM−HRTBPを制限酵素Xho Iで処理したのち、同様にXho Iで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−MCS−TEV−His−C1に挿入し、pEU−C1−HRTBPを作製した。
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したpEU−C1−HRTBPを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
〔反応後のゴム粒子の粒子径測定〕
回収した反応後のゴム粒子の粒子径を、実施例1と同様にして測定した。
(実施例2)
〔HeveaラテックスからのTotal RNA抽出〕
実施例1と同様にして行った。
〔Total RNAからcDNAの合成〕
実施例1と同様にして行った。
〔cDNAからSRPP遺伝子の取得〕
作製した1st strand cDNAを鋳型にSRPP遺伝子の取得を行った。PCRはKOD−plus−Neo(TOYOBO)を使用し、説明書に従って行った。PCRは、98℃で10秒、58℃で30秒、68℃で1分を1サイクルとして、35サイクル行った。
SRPP遺伝子の取得は、プライマーとして、
プライマー5:5‘−tttctcgagatggctgaagaggtggag −3’
プライマー6:5‘−tttggatccttatgatgcctcatctcc −3’
を使用した。
上述の方法により、SRPP遺伝子が得られた。得られた遺伝子について、その配列を同定し、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定した。SRPPの塩基配列を配列番号11に示した。また、SRPPのアミノ酸配列を配列番号12に示した。
〔ベクターの構築〕
上記取得したDNA断片にdA付加を行った後、pGEM−T Easy Vector System(Promega)を利用してpGEM−T Easy Vectorに挿入し、pGEM−SRPPを作製した。
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕
上記〔ベクターの構築〕で獲得したpGEM−SRPPを制限酵素Xho IとBam HIで処理したのち、同様にXho IとBam HIで制限酵素処理した無細胞発現用ベクターpEU−E01−MCS−TEV−His−C1に挿入し、pEU−C1−SRPPを作製した。
〔大腸菌の形質転換〕
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
〔プラスミドの抽出〕
実施例1と同様にして行った。
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
〔無細胞蛋白合成反応(STEP1 mRNAの転写反応)〕
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したpEU−C1−SRPPを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
〔mRNAの精製〕
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
〔無細胞蛋白合成反応(STEP2 透析法による蛋白合成)〕
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
〔反応後のゴム粒子の回収〕
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
〔反応後のゴム粒子の粒子径測定〕
回収した反応後のゴム粒子の粒子径を、実施例1と同様にして測定した。
実施例1〜2、比較例1〜2における、反応後のゴム粒子の粒子径測定の結果を表1に示す。
Figure 2017014361
表1より、REFファミリー蛋白質であるREF、SRPPをゴム粒子に結合させることにより、ゴム粒子の平均粒子径を小さいまま維持できることが分かる。このことから、ゴム粒子にREFファミリー蛋白質を結合させることで、室温等、低温でなくてもゴム粒子を安定化させ、その凝集を抑制することができ、凝集の抑制されたゴム粒子を製造することができることが示された。
(配列表フリーテキスト)
配列番号1:プライマー1
配列番号2:プライマー2
配列番号3:パラゴムノキ由来のREFをコードする遺伝子の塩基配列
配列番号4:パラゴムノキ由来のREFのアミノ酸配列
配列番号5:プライマー3
配列番号6:プライマー4
配列番号7:パラゴムノキ由来のHRTBPをコードする遺伝子の塩基配列
配列番号8:パラゴムノキ由来のHRTBPのアミノ酸配列
配列番号9:プライマー5
配列番号10:プライマー6
配列番号11:パラゴムノキ由来のSRPPをコードする遺伝子の塩基配列
配列番号12:パラゴムノキ由来のSRPPのアミノ酸配列

Claims (7)

  1. Rubber Elongation Factor(REF)ファミリー蛋白質をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて蛋白質合成を行い、ゴム粒子にREFファミリー蛋白質を結合させる工程を含む凝集の抑制されたゴム粒子の製造方法。
  2. 前記REFファミリー蛋白質が、パラゴムノキ由来である請求項1記載の凝集の抑制されたゴム粒子の製造方法。
  3. 前記無細胞蛋白合成溶液が、胚芽抽出物を含む請求項1又は2記載の凝集の抑制されたゴム粒子の製造方法。
  4. 前記胚芽抽出物が、小麦由来である請求項3記載の凝集の抑制されたゴム粒子の製造方法。
  5. 前記無細胞蛋白合成溶液と共存させるゴム粒子の濃度が、5〜50g/Lである請求項1〜4のいずれかに記載の凝集の抑制されたゴム粒子の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム粒子の製造方法により得られるゴム粒子を用いてゴムを合成する合成工程、前記ゴムと、添加剤とを混練して混練物を得る混練工程、前記混練物から生タイヤを成形する生タイヤ成形工程、及び前記生タイヤを加硫する加硫工程を含む空気入りタイヤの製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム粒子の製造方法により得られるゴム粒子を用いてゴムを合成する合成工程、前記ゴムと、添加剤とを混練して混練物を得る混練工程、前記混練物から生ゴム製品を成形する生ゴム製品成形工程、及び前記生ゴム製品を加硫する加硫工程を含むゴム製品の製造方法。
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