JP7168955B2 - ポリイソプレノイドの製造方法、ベクター、形質転換植物、空気入りタイヤの製造方法及びゴム製品の製造方法 - Google Patents
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Description
[1]配列番号7で表される塩基配列からなるDNA
[2]配列番号7で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつイソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸とを基質として、ネリル二リン酸を合成する反応を触媒する酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
(第1の本発明)
第1の本発明のポリイソプレノイドの製造方法は、生体外で、ネリル二リン酸合成酵素をコードする遺伝子を発現させた蛋白質をゴム粒子に結合させる結合工程を含む。
本発明者らは、生体外で、ゴム粒子にネリル二リン酸合成酵素を結合させることで、ゴム粒子中に100%シス型のポリイソプレノイドを含むポリイソプレノイドを合成することができることを初めて見出した。ネリル二リン酸合成酵素は、ゴム粒子上に配置され、イソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸とを基質として、ネリル二リン酸を合成することで、ポリイソプレノイド合成の開始末端(ω末端)を用意し、ゴム粒子によるゴム合成に関与しているものと推測される。より具体的には、ネリル二リン酸合成酵素によって合成されたイソプレン単位がシス型で連結されたネリル二リン酸を開始末端として、ゴム粒子上に存在する、イソプレノイド化合物の鎖長をシス型に延長する反応を触媒するシス型プレニルトランスフェラーゼ等によりポリイソプレノイドが合成されることから、100%シス型のポリイソプレノイドを含むポリイソプレノイドが合成されるものと考えられる。したがって、第1の本発明の製造方法のように、生体外で(例えば、反応槽(試験管、プラントなど)内で)、ゴム粒子にネリル二リン酸合成酵素を結合させることで、ゴム粒子中に100%シス型のポリイソプレノイドを含むポリイソプレノイドを合成することができ、効率的に反応槽(試験管、プラントなど)内でポリイソプレノイドを生産することができる。
また、上述のとおり、ネリル二リン酸合成酵素は、炭素数10までしかイソプレノイド鎖を伸長させることができず、短鎖のイソプレノイド鎖しか合成できないものであることが知られていた。
このような中で、第1の本発明の製造方法においては、ネリル二リン酸合成酵素をゴム粒子に結合させることにより、ネリル二リン酸合成酵素の生成物をゴム粒子に結合しているCPTが利用することで、100%シス型のポリイソプレノイドを含むポリイソプレノイドを合成することが可能となったものであり、この結果は、当業者の予測することのできない驚くべき結果といえる。そして更には、ネリル二リン酸合成酵素に上述のような変異を導入してゴム粒子に結合させることにより、ネリル二リン酸合成酵素自身で100%シス型のポリイソプレノイドを含むポリイソプレノイドを合成することが可能となり、この結果も、当業者の予測することのできない驚くべき結果といえる。
また、第1の本発明において、ゴム粒子に結合するネリル二リン酸合成酵素の量は特に限定されない。
例えば、配列番号2で示されるトマト由来のNDPSであれば、配列番号2における2位から44位までのアミノ酸配列がシグナル配列に相当する。
[1]配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質
[2]配列番号8で表されるアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は付加を含む配列からなり、かつイソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸とを基質として、ネリル二リン酸を合成する反応を触媒する酵素活性を有する蛋白質
[3]配列番号8で表されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつイソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸とを基質として、ネリル二リン酸を合成する反応を触媒する酵素活性を有する蛋白質
[1]配列番号7で表される塩基配列からなるDNA
[2]配列番号7で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつイソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸とを基質として、ネリル二リン酸を合成する反応を触媒する酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
なお、縮重プライマーは、上記目的蛋白質と共通性の高い配列部位を有する植物由来の配列から作製することが好ましい。
また、上記蛋白質をコードする塩基配列が既知の場合には、その知られている塩基配列から開始コドンを含むプライマー及び終止コドンを含むプライマーを設計し、合成したcDNAを鋳型にしてRT-PCRを行うことで全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定することができる。
なお、上記マルチプルシーケンスアライメントは、後述の実施例の方法により実施できる。
[4]配列番号12で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質
[5]配列番号12で表されるアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は付加を含む配列からなり、かつイソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸とを基質として、100%シス型のポリイソプレノイドを合成する反応を触媒する酵素活性を有する蛋白質
[6]配列番号12で表されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつイソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸とを基質として、100%シス型のポリイソプレノイドを合成する反応を触媒する酵素活性を有する蛋白質
[3]配列番号11で表される塩基配列からなるDNA
[4]配列番号11で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつイソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸とを基質として、100%シス型のポリイソプレノイドを合成する反応を触媒する酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
すなわち、ネリル二リン酸合成酵素をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて(より具体的には、ネリル二リン酸合成酵素をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを混合して)蛋白質合成を行うことで、ネリル二リン酸合成酵素の結合したゴム粒子を得ることが好ましい。
なお、リポソームはリン脂質、グリセロ糖脂質、コレステロール等から構成される脂質二重膜として人工的に製造されるため、製造されたリポソームの表面には蛋白質は結合していないのに対して、ゴム産生植物のラテックスから採取されるゴム粒子も脂質膜で覆われた粒子であるが、その膜は天然由来の膜であるため、その表面には植物体内で合成された蛋白質が既に結合している。このことから、蛋白質が結合していないリポソームなどに比べて、既に蛋白質が結合しており、蛋白質で覆われた状態にあるゴム粒子に更に蛋白質を結合させるのは困難であることが予想される。また、ゴム粒子に既に結合している蛋白質が無細胞蛋白合成を阻害することも懸念される。以上のような点から、ゴム粒子共存下での無細胞蛋白合成は実現が困難であると考えられてきた。このような状況下、本発明者らは、これまでに試みられていなかった、ネリル二リン酸合成酵素の無細胞蛋白合成をゴム粒子の共存下で行ったところ、ネリル二リン酸合成酵素の結合したゴム粒子を製造することができることを見出した。
上記ネリル二リン酸合成酵素をコードするmRNAの由来は特に制限されず、微生物由来であっても、動物由来であっても、植物由来であってもよいが、植物由来であることが好ましく、Solanum属由来であることがより好ましい。中でも、トマト由来であることが特に好ましい。
上記その他の蛋白質をコードするmRNAとしては、翻訳されてその他の蛋白質を発現することができるものを用いることができる。なお、その他の蛋白質としては、上述したものと同様のものを挙げることができる。
なお、上記特開2005-218357号公報に記載された方法で調製された胚芽抽出物には蛋白質合成反応に必要とされる量のtRNAが含まれているため、当該方法により調製された胚芽抽出物を無細胞蛋白合成溶液に用いる場合には、別途調製したtRNAを追加することは必須要件ではない。すなわち、無細胞蛋白合成溶液には、必要に応じてtRNAを追加すればよい。
また、無細胞蛋白合成溶液と共存させるゴム粒子の濃度は、5~50g/Lであることが好ましい。すなわち、無細胞蛋白合成溶液1Lに対してゴム粒子を5~50g共存させることが好ましい。無細胞蛋白合成溶液と共存させるゴム粒子の濃度が5g/L未満であると、合成されたネリル二リン酸合成酵素が結合したゴム粒子を回収するために、超遠心分離等による分離処理を行った際に、ゴム層が形成されず、合成されたネリル二リン酸合成酵素が結合したゴム粒子を回収することが困難になる場合がある。一方、無細胞蛋白合成溶液と共存させるゴム粒子の濃度が50g/Lを超えると、ゴム粒子同士が凝集し、合成されたネリル二リン酸合成酵素がうまくゴム粒子に結合できなくなるおそれがある。上記ゴム粒子の濃度としてより好ましくは10~40g/L、更に好ましくは15~35g/L、特に好ましくは15~30g/Lである。
これら界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ポリオキシアルキレンエーテル系の非イオン性界面活性剤、多価アルコール脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤が好ましい。
上記多価アルコール脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2~12の多価アルコールの脂肪酸エステル又はポリオキシアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステル等が挙げられる。より具体的には、例えば、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル等が挙げられる。また、これらのポリアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル等)も使用可能である。これらの中でも、ソルビタン脂肪酸エステルが好適に使用される。
上記糖脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ショ糖、グルコース、マルトース、フルクトース、多糖類の脂肪酸エステル等が挙げられ、これらのポリアルキレンオキサイド付加物も使用可能である。
上記アルキルポリグリコシド系の非イオン性界面活性剤としては、グリコシドとしてグルコース、マルトース、フルクトース、ショ糖などが挙げられ、例えば、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルポリグルコシドなどが挙げられ、これらの脂肪酸エステル類も挙げられる。また、これらすべてのポリアルキレンオキサイド付加物も使用可能である。
特に、前記の両性イオン界面活性剤が一分子中に+と-の両電荷を有することが好ましく、前記の酸基の酸解離定数(pKa)が、5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましく、3以下であることが更に好ましい。
なお、上記mRNAの添加時間、添加回数、添加量等は特に制限されず、適宜設定することができる。
また、遠心分離処理温度としては、ゴム粒子に結合したネリル二リン酸合成酵素のタンパク活性を維持するという観点から、0~10℃が好ましく、2~8℃がより好ましく、4℃が特に好ましい。
すなわち、ポリイソプレノイドを合成する方法であって、該方法は、生体外(例えば、反応槽(試験管、プラントなど)内)で、ネリル二リン酸合成酵素をコードする遺伝子を発現させた蛋白質を、ゴム粒子に結合させる結合工程を含むポリイソプレノイドを合成する方法もまた、第1の本発明の1つである。
なお、生体外で、ネリル二リン酸合成酵素をコードする遺伝子を発現させた蛋白質を、ゴム粒子に結合させる結合工程については、上述したとおりである。
第1の本発明のゴム製品の製造方法は、上記第1の本発明のポリイソプレノイドの製造方法により得られたポリイソプレノイドと、添加剤とを混練して混練物を得る混練工程、上記混練物から生ゴム製品を成形する生ゴム製品成形工程、及び上記生ゴム製品を加硫する加硫工程を含むゴム製品の製造方法である。
混練工程では、上記ポリイソプレノイドの製造方法により得られたポリイソプレノイドと、添加剤とを混練して混練物を得る。
生ゴム製品成形工程では、混練工程により得られた混練物から生ゴム製品(タイヤの場合は生タイヤ)を成形する。
生ゴム製品の成形方法としては特に限定されず、生ゴム製品の成形に用いられる方法を適宜適用すればよい。例えば、ゴム製品が空気入りタイヤの場合、混練工程により得られた混練物を、各タイヤ部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、各タイヤ部材を貼り合わせ、生タイヤ(未加硫タイヤ)を成形すればよい。
加硫工程では、生ゴム製品成形工程により得られた生ゴム製品を加硫することにより、ゴム製品が得られる。
生ゴム製品を加硫する方法としては特に限定されず、生ゴム製品の加硫に用いられる方法を適宜適用すればよい。例えば、ゴム製品が空気入りタイヤの場合、生ゴム製品成形工程により得られた生タイヤ(未加硫タイヤ)を加硫機中で加熱加圧して加硫することにより空気入りタイヤが得られる。
(ベクター)
第2の本発明のベクターは、乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するプロモーターに、ネリル二リン酸合成酵素をコードする遺伝子を機能的に連結させた塩基配列を含むベクターである。このようなベクターを植物に導入して形質転換を行うことにより、当該ベクターに含まれる、ポリイソプレノイド生合成に関わる蛋白質をコードする遺伝子が乳管特異的に発現し、当該植物におけるシス型イソプレノイド、ポリイソプレノイドの生産量を向上させることが可能となる。これは、乳液の生産性向上のために導入した外来遺伝子の発現が乳管以外の部位で促進されると、植物体の代謝や乳液の生産に負荷がかかり、悪影響を及ぼすためと推測される。
Small Rubber Particle Protein(SRPP)は、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)等のゴム産生植物のラテックスに存在するゴム粒子に結合するゴム粒子結合蛋白質のことである。
Hevein2.1(HEV2.1)は、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)等のゴム産生植物の乳管細胞に多く発現している蛋白質のことであり、ゴム粒子の凝集に関与し、抗真菌活性を有するものである。
また、MYC1 transcription factor(MYC1)は、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)等のゴム産生植物のラテックスで多く発現している、ジャスモン酸シグナルに関わる転写因子のことである。ここで、transcription factor(転写因子)とは、遺伝子の転写量を増加若しくは減少(好ましくは増加)させる活性を有する蛋白質を意味する。すなわち、本明細書において、MYC1は、ジャスモン酸シグナルに関わる蛋白質のうち少なくとも1種の蛋白質をコードする遺伝子の転写量を増加若しくは減少(好ましくは増加)させる活性(転写因子活性)を有する蛋白質のことである。
上記REFをコードする遺伝子のプロモーターは、その由来は特に制限されないが、植物由来であることが好ましく、ゴム産生植物由来であることがより好ましく、Hevea属、Sonchus属、Taraxacum属、及びParthenium属からなる群より選択される少なくとも1種の属に属する植物由来であることが更に好ましい。中でも、パラゴムノキ、ノゲシ、グアユール及びロシアンタンポポからなる群より選択される少なくとも1種の植物由来であることがより更に好ましく、特に好ましくは、パラゴムノキ由来であることである。
[A1]配列番号3で表される塩基配列からなるDNA
[A2]配列番号3で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するDNA
[A3]配列番号3で表される塩基配列と60%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、かつ乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するDNA
上記SRPPをコードする遺伝子のプロモーターは、その由来は特に制限されないが、植物由来であることが好ましく、ゴム産生植物由来であることがより好ましく、Hevea属、Sonchus属、Taraxacum属、及びParthenium属からなる群より選択される少なくとも1種の属に属する植物由来であることが更に好ましい。中でも、パラゴムノキ、ノゲシ、グアユール及びロシアンタンポポからなる群より選択される少なくとも1種の植物由来であることがより更に好ましく、特に好ましくは、パラゴムノキ由来であることである。
[B1]配列番号4で表される塩基配列からなるDNA
[B2]配列番号4で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するDNA
[B3]配列番号4で表される塩基配列と60%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、かつ乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するDNA
上記HEV2.1をコードする遺伝子のプロモーターは、その由来は特に制限されないが、植物由来であることが好ましく、ゴム産生植物由来であることがより好ましく、Hevea属、Sonchus属、Taraxacum属、及びParthenium属からなる群より選択される少なくとも1種の属に属する植物由来であることが更に好ましい。中でも、パラゴムノキ、ノゲシ、グアユール及びロシアンタンポポからなる群より選択される少なくとも1種の植物由来であることがより更に好ましく、特に好ましくは、パラゴムノキ由来であることである。
[C1]配列番号5で表される塩基配列からなるDNA
[C2]配列番号5で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するDNA
[C3]配列番号5で表される塩基配列と60%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、かつ乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するDNA
上記MYC1をコードする遺伝子のプロモーターは、その由来は特に制限されないが、植物由来であることが好ましく、ゴム産生植物由来であることがより好ましく、Hevea属、Sonchus属、Taraxacum属、及びParthenium属からなる群より選択される少なくとも1種の属に属する植物由来であることが更に好ましい。中でも、パラゴムノキ、ノゲシ、グアユール及びロシアンタンポポからなる群より選択される少なくとも1種の植物由来であることがより更に好ましく、特に好ましくは、パラゴムノキ由来であることである。
[D1]配列番号6で表される塩基配列からなるDNA
[D2]配列番号6で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するDNA
[D3]配列番号6で表される塩基配列と60%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、かつ乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するDNA
なお更には、第2の本発明のベクターを、上記DNAを導入する方法などにより、微生物、酵母、動物細胞、昆虫細胞等の、生物体、生物体の一部、器官、組織や培養細胞、スフェロプラスト、プロトプラストなどに導入することによって、シス型イソプレノイド、ポリイソプレノイドを生産することも可能である。
第2の本発明のゴム製品の製造方法は、上記第2の本発明のベクターを植物に導入することにより得られる形質転換植物から得られるポリイソプレノイドと、添加剤とを混練して混練物を得る混練工程、上記混練物から生ゴム製品を成形する生ゴム製品成形工程、及び上記生ゴム製品を加硫する加硫工程を含むゴム製品の製造方法である。
混練工程では、上記第2の本発明のベクターを植物に導入することにより得られる形質転換植物から得られるポリイソプレノイドと、添加剤とを混練して混練物を得る。
なお、上記形質転換植物からのラテックスの採取方法は特に制限されず、通常行われる方法を採用することができるが、例えば、植物の幹を傷つけてにじみ出る乳液を回収したり(タッピング)、根など形質転換植物の一部を切断し、切断した部分からにじみ出る乳液を回収したり、切断した組織を粉砕し、有機溶媒を用いて抽出して採取したりすることができる。
上記採取されたラテックスは、固化工程に供される。固化する方法としては、特に限定されず、エタノール、メタノール、アセトン等のポリイソプレノイドを溶解しない溶媒にラテックスを添加する方法やラテックスに酸を添加する方法等が挙げられる。固化工程を行うことにより、ラテックスからゴム(ポリイソプレノイドの1種)を固形分として回収できる。得られたゴムは、必要に応じて乾燥してから使用すればよい。
生ゴム製品成形工程では、第1の本発明において上述した工程と同様である。
加硫工程は、第1の本発明において上述した工程と同様である。
〔ベクターの構築〕
トマト(Solanum lycopersicum)ネリル二リン酸合成酵素遺伝子(NDPS)のBLASTに公開されている情報(配列番号1)をもとに、開始コドンから終始コドンまでの領域のうち、シグナル配列をコードする塩基配列部分(配列番号1の4塩基目から132塩基目まで)を取り除いたtrNDPS1遺伝子を遺伝子合成サービスをもとに合成して作成した。
なお、配列番号1で示されるNDPSの塩基配列によってコードされるNDPSのアミノ酸配列を配列番号2に示す。
上記作製したVectorを用いて大腸菌DH5αの形質転換を行い、形質転換体はアンピシリンとX-galを含むLB寒天培地上で培養し、青/白スクリーニング法によって目的遺伝子を導入した大腸菌の選別を行った。
目的遺伝子を含むプラスミドで形質転換された大腸菌は、LB液体培地上で37℃で一晩培養したのち、菌体を回収し、プラスミドの回収を行った。プラスミドの回収はFast Geneプラスミドミニキット(日本ジェネティクス社製)を使用した。
回収したプラスミドに挿入された遺伝子の塩基配列に変異がないことをシークエンス解析により確認した。
無細胞発現系の遺伝子の挿入はSLiCE(Seamless Ligation Cloning Extract)法を用いて行った。
上記〔ベクターの構築〕で獲得したpUC57-trNDPS1を鋳型に下記するプライマー1、2を用いてPCR反応を行い、trNDPS1遺伝子の両端に19~21塩基の無細胞発現用ベクターに含まれる配列を付加したPCR断片を得た。
プライマー1:5′-CTGTATTTTCAGGGCGGATATTCTGCTCGTGGACTCAAC-3′
プライマー2:5′-CAAAACTAGTGCGGCCGCGTCAATATGTGTGTCCACC-3′
培養した大腸菌DH5α 0.3~0.4gを3% Triton X-100を含む50mM Tris-HCL(pH8.0)1.2mLで穏やかに懸濁し、室温で10分間インキュベートした。インキュベート後、4℃、20000×gの条件下で2分間遠心し、上清を回収した。回収した上清に等量の80%グリセロール溶液を添加し、SLiCE溶液とした。SLiCE溶液は一定量ごとに小分けし、使用するまで-80℃で保管した。得られたPCR断片、制限酵素処理したベクターを1:1~3:1の比率になるように混ぜ、10×SLiCE Buffer(500μM Tris-HCL(pH7.5)、100mM MgCl2、10mM ATP、10mM DTT)を反応系最終容量の10分の1量、SLiCE溶液を反応系最終容量の10分の1量加え、37℃で15分反応させ、pEU-His-N2-trNDPS1を作製した。
上記作製したVectorを用いて大腸菌DH5αの形質転換を行い、形質転換体はアンピシリンとX-galを含むLB寒天培地上で培養し、コロニーPCRによって目的遺伝子を導入した大腸菌の選別を行った。
目的遺伝子を含むプラスミドで形質転換された大腸菌は、LB液体培地上で37℃で一晩培養したのち、菌体を回収し、プラスミドの回収を行った。プラスミドの回収はFast Geneプラスミドミニキット(日本ジェネティクス社製)を使用した。
ゴム粒子は、5段階の遠心分離によってパラゴムノキのラテックス(Heveaラテックス)から調製した。Heveaラテックス900mLに、20mMのジチオスレイトール(DTT)を含む1M Tris緩衝液(pH7.5)100mLを添加し、ラテックス溶液を調製した。得られたラテックス溶液を、1000×g、2000×g、8000×g、20000×g、50000×gの異なる遠心速度で段階的に遠心分離した。遠心分離はいずれも4℃、45分で行った。50000×gでの遠心分離で残ったゴム粒子層に、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアミノ]-プロパンスルホン酸(CHAPS)を終濃度0.1~2.0×CMC(臨界ミセル濃度CMCの0.1~2.0倍)になるように加え、ゴム粒子を洗浄した。洗浄処理後、洗浄されたゴム粒子を超遠心分離(40000×g、4℃、45分)によって回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
透析カップ(MWCO 12000)(Bio-Teck社製)中に、以下の量をそれぞれ添加した。WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って全量60μLで反応溶液を調整した。反応溶液にゴム粒子を1~2mg添加した。さらに、PP容器No.2(マルエム容器)にSUB-AMIX 650μLを添加した。
透析カップをPP容器No.2にはめ、26℃で蛋白合成反応を開始した。反応開始から2度のmRNAの追加と透析外液(SUB-AMIX)の交換を行った。反応は24時間行った。透析法を行っている様子の概略図を図1に示す。
透析カップの溶液を新しい1.5μLチューブに移し、反応後のゴム粒子を超遠心分離(40000×g、4℃、45分)によって回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を以下の方法により測定した。
まず、50mM Tris-HCl(pH7.5)、2mM DTT、5mM MgCl2、15μM ジメチルアリル二リン酸(DMAPP)、100μM 1-14Cイソペンテニル二リン酸([1-14C]IPP)(比活性:5Ci/mol)、10μL ゴム粒子溶液を混合した反応溶液(Total 100μL)を調製し、30℃で16時間反応させた。
反応後、飽和NaClを200μL加え、1mLのジエチルエーテルでイソペンテノールなどを抽出した。次に、水相のポリプレニル二リン酸を1mLの食塩水飽和BuOHで抽出し、その後さらに、水相の超長鎖ポリイソプレノイド(ゴム)を1mLのトルエン/ヘキサン(1:1)で抽出し、放射活性を計測した。各層の放射活性は液体シンチレーションカウンターで14Cのカウントを計測した。放射活性(dpm)が高いほど、超長鎖ポリイソプレノイド(ゴム)が多く生産されており、ゴム合成活性が高いことを示す。
結果を表1に示す。
上記合成した超長鎖ポリイソプレノイド(ゴム)の分子量分布を下記の条件でRadio HPLCにより測定した。結果を図2に示す。
HPLCシステム:GILSON社製
カラム:TOSOH社製のTSKguardcolumn MP(XL),TSKgel Multipore HXL-M(2本)
カラム温度:40℃
溶媒:Merck社製のTHF
流速:1ml/分
UV検出:215nm
RI検出:Ramona Star(Raytest GmbH)
〔ベクターの構築〕
トマト(Solanum lycopersicum)ネリル二リン酸合成酵素遺伝子(NDPS)のBLASTに公開されている情報(配列番号1)をもとに、実施例1と同様に、開始コドンから終始コドンまでの領域のうち、シグナル配列をコードする塩基配列部分(配列番号1の4塩基目から132塩基目まで)を取り除き、更にHelix3部位をコードする塩基配列部分(配列番号1の439塩基目から489塩基目まで)を、炭素数50以上のイソプレノイド鎖を生成するシス型プレニルトランスフェラーゼであるシロイヌナズナ由来のCPT4(AtCPT4)のHelix3部位をコードする塩基配列と置換したtrNDPS1 Chimera遺伝子を遺伝子合成サービスをもとに合成して作成した。
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
実施例1と同様にして行った。
実施例1と同様にSLiCE法を用いて無細胞発現用ベクターpEU-E01-His-TEV-MCS-N2に挿入し、pEU-His-N2-trNDPS1 Chimeraを作製した。
上記作製したVectorを用いて、実施例1と同様にして行った。
実施例1と同様にして行った。
実施例1と同様にして行った。
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。上記〔無細胞蛋白合成法用ベクターの作製〕で獲得したベクターpEU-His-N2-trNDPS1 Chimeraを鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。
結果を表1に示す。
上記〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕で合成した超長鎖ポリイソプレノイドの分子量分布を、実施例1と同様にして測定した。結果を図2に示す。
〔ゴム粒子の調製〕
実施例1と同様にして行った。
無細胞蛋白合成は、WEPRO7240H Expression kit((株)セルフリーサイエンス製)を使用して行った。無細胞発現用ベクターpEU-E01-His-TEV-MCS-N2を鋳型に、WEPRO7240H Expression kitのプロトコルに従って、mRNAの転写反応を行った。
転写反応後、得られたmRNAはエタノール沈殿により精製した。
上記mRNAを用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
実施例1と同様にして反応後のゴム粒子を回収し、等量の2mMのジチオスレイトール(DTT)を含む100M Tris緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。
回収した反応後のゴム粒子のゴム合成活性を、実施例1と同様にして測定した。
結果を表1に示す。
上記〔反応後のゴム粒子のゴム合成活性の測定〕で合成した超長鎖ポリイソプレノイドの分子量分布を、実施例1と同様にして測定した。結果を図2に示す。
また、変異型ネリル二リン酸合成酵素(trNDPS1 Chimera;実施例2)は、イソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸とを基質として、イソプレノイド化合物の鎖長をネリル二リン酸以上にシス型に延長する反応をも触媒することができるために、実施例1に比べて実施例2では更に超長鎖ポリイソプレノイドの生産量が向上しているものと考えられる。
UPPS(Escherichia coli).は、大腸菌(Escherichia coli)由来のウンデカプレニルリン酸合成酵素(UPPS)の71位から125位を抜粋したものである。
Srt1(Yeast CPT)は、酵母由来のSRT1の121位から180位を抜粋したものである。
HDS(Human CPT)は、ヒト由来のHDSの80位から137位を抜粋したものである。
配列番号1:トマト由来のNDPSをコードする遺伝子の塩基配列
配列番号2:トマト由来のNDPSのアミノ酸配列
配列番号3:パラゴムノキ由来のRubber Elongation Factorをコードする遺伝子のプロモーターの塩基配列
配列番号4:パラゴムノキ由来のSmall Rubber Particle Proteinをコードする遺伝子のプロモーターの塩基配列
配列番号5:パラゴムノキ由来のHevien2.1をコードする遺伝子のプロモーターの塩基配列
配列番号6:パラゴムノキ由来のMYC1 transcription factorをコードする遺伝子のプロモーターの塩基配列
配列番号7:実施例1で得られるトマト由来のtrNDPS1をコードする遺伝子の塩基配列
配列番号8:実施例1で得られるトマト由来のtrNDPS1のアミノ酸配列
配列番号9:プライマー1
配列番号10:プライマー2
配列番号11:実施例2で得られるトマト由来のtrNDPS1 Chimeraをコードする遺伝子の塩基配列
配列番号12:実施例2で得られるトマト由来のtrNDPS1 Chimeraのアミノ酸配列
配列番号13:シロイヌナズナ由来のCPT4(AtCPT4)における147位から167位のアミノ酸配列
配列番号14:大腸菌由来のウンデカプレニルリン酸合成酵素(UPPS)における86位から106位のアミノ酸配列
配列番号15:マイクロコッカス属菌由来のウンデカプレニル二リン酸合成酵素(UPS)における90位から110位のアミノ酸配列
配列番号16:酵母由来のSRT1における136位から161位のアミノ酸配列
配列番号17:ヒト由来のHDSにおける95位から118位のアミノ酸配列
Claims (17)
- 生体外で、ネリル二リン酸合成酵素をコードする遺伝子を発現させた蛋白質をゴム粒子に結合させる結合工程を含み、前記結合工程が、ネリル二リン酸合成酵素をコードするmRNAを含む無細胞蛋白合成溶液とゴム粒子とを共存させて蛋白質合成を行い、ゴム粒子に、ネリル二リン酸合成酵素を結合させる工程であるポリイソプレノイドの製造方法。
- 前記ポリイソプレノイドが、100%シス型のポリイソプレノイドである請求項1記載のポリイソプレノイドの製造方法。
- 前記ネリル二リン酸合成酵素をコードする遺伝子が、植物由来である請求項1又は2記載のポリイソプレノイドの製造方法。
- 前記ネリル二リン酸合成酵素をコードする遺伝子が、トマト由来である請求項1~3のいずれかに記載のポリイソプレノイドの製造方法。
- 前記ネリル二リン酸合成酵素をコードする遺伝子が、以下の[1]又は[2]のいずれかに記載のDNAからなる請求項1~4のいずれかに記載のポリイソプレノイドの製造方法。
[1]配列番号7で表される塩基配列からなるDNA
[2]配列番号7で表される塩基配列と90%以上の配列同一性を有する塩基配列からなり、かつイソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸とを基質として、ネリル二リン酸を合成する反応を触媒する酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA - 前記ネリル二リン酸合成酵素が、Helix3部位を、炭素数35以上のイソプレノイド鎖を生成するシス型プレニルトランスフェラーゼのHelix3部位に置換した変異蛋白質である請求項1~5のいずれかに記載のポリイソプレノイドの製造方法。
- 前記無細胞蛋白合成溶液が、胚芽抽出物を含む請求項1~6のいずれかに記載のポリイソプレノイドの製造方法。
- 前記胚芽抽出物が、小麦由来である請求項7記載のポリイソプレノイドの製造方法。
- 前記無細胞蛋白合成溶液と共存させるゴム粒子の濃度が、5~50g/Lである請求項1~8のいずれかに記載のポリイソプレノイドの製造方法。
- 請求項1~9のいずれかに記載のポリイソプレノイドの製造方法により得られたポリイソプレノイドと、添加剤とを混練して混練物を得る混練工程、前記混練物から生タイヤを成形する生タイヤ成形工程、及び前記生タイヤを加硫する加硫工程を含む空気入りタイヤの製造方法。
- 請求項1~9のいずれかに記載のポリイソプレノイドの製造方法により得られたポリイソプレノイドと、添加剤とを混練して混練物を得る混練工程、前記混練物から生ゴム製品を成形する生ゴム製品成形工程、及び前記生ゴム製品を加硫する加硫工程を含むゴム製品の製造方法。
- 乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するプロモーター、及び、該プロモーターに機能的に連結されたネリル二リン酸合成酵素をコードする遺伝子を含むベクターを植物に導入することにより、該植物におけるポリイソプレノイドの生産量を向上させる方法。
- 前記乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するプロモーターが、Rubber Elongation Factor(REF)をコードする遺伝子のプロモーター、Small Rubber Particle Protein(SRPP)をコードする遺伝子のプロモーター、Hevein2.1(HEV2.1)をコードする遺伝子のプロモーター、及び、MYC1 transcription factor(MYC1)をコードする遺伝子のプロモーターからなる群より選択される少なくとも1種である請求項12記載のポリイソプレノイドの生産量を向上させる方法。
- 乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するプロモーター、及び、該プロモーターに機能的に連結されたネリル二リン酸合成酵素をコードする遺伝子を含むベクターを植物に導入することにより得られる形質転換植物から得られるポリイソプレノイドと、添加剤とを混練して混練物を得る混練工程、前記混練物から生タイヤを成形する生タイヤ成形工程、及び前記生タイヤを加硫する加硫工程を含む空気入りタイヤの製造方法。
- 前記乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するプロモーターが、Rubber Elongation Factor(REF)をコードする遺伝子のプロモーター、Small Rubber Particle Protein(SRPP)をコードする遺伝子のプロモーター、Hevein2.1(HEV2.1)をコードする遺伝子のプロモーター、及び、MYC1 transcription factor(MYC1)をコードする遺伝子のプロモーターからなる群より選択される少なくとも1種である請求項14記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するプロモーター、及び、該プロモーターに機能的に連結されたネリル二リン酸合成酵素をコードする遺伝子を含むベクターを植物に導入することにより得られる形質転換植物から得られるポリイソプレノイドと、添加剤とを混練して混練物を得る混練工程、前記混練物から生ゴム製品を成形する生ゴム製品成形工程、及び前記生ゴム製品を加硫する加硫工程を含むゴム製品の製造方法。
- 前記乳管特異的に遺伝子を発現させるプロモーター活性を有するプロモーターが、Rubber Elongation Factor(REF)をコードする遺伝子のプロモーター、Small Rubber Particle Protein(SRPP)をコードする遺伝子のプロモーター、Hevein2.1(HEV2.1)をコードする遺伝子のプロモーター、及び、MYC1 transcription factor(MYC1)をコードする遺伝子のプロモーターからなる群より選択される少なくとも1種である請求項16記載のゴム製品の製造方法。
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