JP2017012053A - 畜肉含有菓子様加工食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】畜肉を含有しながらも、軽くてソフトな食感を有する菓子様加工食品の提供。具体的には、加熱、冷却工程を経ることで、弾力的食感となる畜肉の生地を改良し、軽くてソフトな食感を有するケーキ等の菓子様加工食品の提供。【解決手段】畜肉及び発酵セルロース複合体を含有する畜肉含有菓子様加工食品。畜肉が塩ずりされていないものである畜肉含有菓子様加工食品。菓子様加工食品が、ケーキ、マフィン、カステラ、マドレーヌ、フィナンシェ、ドーナツ又はパンのいずれか一種である畜肉含有菓子様加工食品。畜肉の含量が、畜肉含有菓子様加工食品100質量部に対し20〜50質量部である畜肉含有菓子様加工食品。【選択図】なし
Description
本発明は、牛肉、豚肉及び鶏肉といった畜肉を含有する菓子様加工食品に関する。具体的には、牛肉、豚肉及び鶏肉といった畜肉を含有したケーキやドーナツといった菓子様加工食品であって、軽くソフトな食感を有し、畜肉特有の臭気も低減された菓子様の加工食品に関する。
近年の健康嗜好、食の多様化に伴い、様々なケーキやドーナツ等の菓子様加工食品が提案されている。例えば、特許文献1には、蛋白分解エキスと糖類とを含む変性防止剤を含有し、かつすり身を含有する焼物又は揚げ物澱粉代替食品として、ケーキ類やドーナツ等が開示されている。同様にして、魚肉すり身を含有するドーナツ(特許文献2)、澱粉、すり身、乾燥ポテト及び卵白を必須原料とする、すり身含有揚げ菓子(特許文献3)等が知られている。
また一方では、動物性タンパク質を含有する揚げ物食品(特許文献4)、小麦粉等の粉と鶏肉材料を主原料とするパン(特許文献5)、牛肉、豚肉、鶏肉などの家畜の肉類を含有するドーナツ(特許文献6)が開示されている。
また一方では、動物性タンパク質を含有する揚げ物食品(特許文献4)、小麦粉等の粉と鶏肉材料を主原料とするパン(特許文献5)、牛肉、豚肉、鶏肉などの家畜の肉類を含有するドーナツ(特許文献6)が開示されている。
牛肉等の畜肉や魚肉すり身は、加熱により筋肉タンパク質であるアクトミオシンが熱変性を起こし、ゲルにより三次元構造を形成する。これらの原料肉に対し塩摺りすることで、アクトミオシンの抽出が加速され、結果として、最終製品はアクトミオシンのゲル化によって弾力のある食感を呈し、油脂含量の低下から油っこさの抑えられた風味を有する食品が得られることが知られている。
ここで、牛肉等の畜肉や魚肉といった原料肉に対し塩摺りを行わなかった場合、上述のようなアクトミオシンのゲル化が弱くなり加工食品の保形性が不十分な場合や、適度な食感が得られない場合が生じる。
ここで、牛肉等の畜肉や魚肉といった原料肉に対し塩摺りを行わなかった場合、上述のようなアクトミオシンのゲル化が弱くなり加工食品の保形性が不十分な場合や、適度な食感が得られない場合が生じる。
また、ケーキやドーナツといった菓子様加工食品に魚肉すり身を応用した場合は、焼成、油ちょうやスチーム等の加熱工程時は生地が膨張するものの、製品の品温が低下すると共に生地が収縮し、密な組織を形成して重い食感となることは避けられなかった。
本発明者は、上記のごとき課題を解決すべく、魚肉すり身加工食品について鋭意研究した結果、デキストリン、殊に馬鈴薯由来でDEが2〜5のデキストリンを用いることで、水産練り製品特有の弾力ある食感とは異なり、ケーキやドーナツ等の菓子に求められるような軽くてソフトな食感を有する、魚肉すり身入り菓子様加工食品を提供できることを見出し、特開2005−12810号として開示した。
しかしながら、牛肉等の畜肉を含む加工食品の食感に関しては、まだ改善の余地があった。本発明者は、牛肉等の畜肉を含む菓子様加工食品に対し、発酵セルロース複合体を添加することにより、上記課題が解決できるとの知見を得て、本発明を完成した。
本発明者は、上記のごとき課題を解決すべく、魚肉すり身加工食品について鋭意研究した結果、デキストリン、殊に馬鈴薯由来でDEが2〜5のデキストリンを用いることで、水産練り製品特有の弾力ある食感とは異なり、ケーキやドーナツ等の菓子に求められるような軽くてソフトな食感を有する、魚肉すり身入り菓子様加工食品を提供できることを見出し、特開2005−12810号として開示した。
しかしながら、牛肉等の畜肉を含む加工食品の食感に関しては、まだ改善の余地があった。本発明者は、牛肉等の畜肉を含む菓子様加工食品に対し、発酵セルロース複合体を添加することにより、上記課題が解決できるとの知見を得て、本発明を完成した。
本発明は、以下の態様を有する畜肉含有菓子様加工食品に関する;
項1
畜肉及び発酵セルロース複合体を含有することを特徴とする、畜肉含有菓子様加工食品。
項2
畜肉が塩ずりされていないものである項1記載の畜肉含有菓子様加工食品。
項3
菓子様加工食品が、ケーキ、マフィン、カステラ、マドレーヌ、フィナンシェ、ドーナツ又はパン等のいずれか一種である、項1又は2に記載の畜肉含有菓子様加工食品。
項4
畜肉の含量が、畜肉含有菓子様加工食品100質量部に対し20〜50質量部である項1乃至3に記載の畜肉含有菓子様加工食品。
項1
畜肉及び発酵セルロース複合体を含有することを特徴とする、畜肉含有菓子様加工食品。
項2
畜肉が塩ずりされていないものである項1記載の畜肉含有菓子様加工食品。
項3
菓子様加工食品が、ケーキ、マフィン、カステラ、マドレーヌ、フィナンシェ、ドーナツ又はパン等のいずれか一種である、項1又は2に記載の畜肉含有菓子様加工食品。
項4
畜肉の含量が、畜肉含有菓子様加工食品100質量部に対し20〜50質量部である項1乃至3に記載の畜肉含有菓子様加工食品。
本発明によれば、牛肉等の畜肉を含有しながらも、軽くてソフトな食感を有する菓子様の加工食品を提供できる。具体的には、加熱、冷却工程を経ることで、弾力的食感となる畜肉含有生地を改良し、軽くてソフトな食感を有する菓子様加工食品を提供できる。更に、本発明で得られた菓子様加工食品は、畜肉特有の臭気も低減されており、畜肉類が苦手な人でも抵抗なく食せる、畜肉含有ケーキ等を提供できる。
本発明は、牛肉等の畜肉を含有する菓子様加工食品に関する発明であり、その原料の一つとして発酵セルロース複合体を含有することを特徴とする。
本発明で用いられる発酵セルロースは、セルロース生産菌が生産するセルロースであればよく、特に限定されない。通常、発酵セルロースは、セルロース生産菌を既知の方法、例えば特開昭61−212295号公報、特開平3−157402号公報、特開平9−121787号公報等に記載される方法に従って培養し、得られた培養物からセルロース生産菌を単離するか、または所望に応じて適宜精製することによって製造することができる。
ここでセルロース生産菌としては、アセトバクター属、シュードモナス属、アグロバクテリウム属等に属する細菌が挙げられるが、好適にはアセトバクター属である。発酵セルロースを生産するアセトバクター属の細菌として、より具体的には、アセトバクター・パスツリアヌス株(例えば、ATCC10245等)、アセトバクター・エスピーDA株(例えば、FERM P−12924等)、アセトバクター・キシリナム株(例えば、ATCC23768、ATCC23769、ATCC10821、ATCC1306−21等)を挙げることができる。好ましくは、アセトバクター・キシリナム株である。
かかるセルロース生産菌を培養する培地及び条件としては、特に限定されず、常法に従うことができる。例えば、培地は、基本的に窒素源、炭素源、水、酸素及びその他の必要な栄養素を含有しており、上記微生物が増殖して目的の発酵セルロースを産生することができるものであればよく、例えばHestrin−Schramm培地を挙げることができる。なお、セルロースの生産性を向上させるために、培地中にセルロースの部分分解物、イノシトール、フィチン酸等を添加することもできる(特開昭56−46759号公報、特開平5−1718号公報)。培養条件としては、例えばpH5〜9、培養温度20〜40℃の範囲が採用され、発酵セルロースが十分産生されるまで培養が続けられる。培養方法は、静置培養、攪拌培養、通気培養のいずれでもよいが、好適には通気攪拌培養である。
発酵セルロースを大量生産するためには、多段階接種法が好ましい。この場合、通常、2段階の予備接種プロセス、一次接種発酵プロセス、二次接種発酵プロセス及び最終発酵プロセスからなる5段階の発酵プロセスが採用され、各プロセスで増殖された細菌について細胞の形態およびグラム陰性であることを確認しながら、次プロセスの発酵器に継代される。
発酵後、産生された発酵セルロースは培地から分離処理され、洗浄されて、適宜精製される。精製方法は特に限定されないが、通常、培地から回収した発酵セルロースを洗浄後、脱水し、再度水でスラリー化した後に、アルカリ処理によって微生物を除去し、次いで該アルカリ処理によって生じた溶解物を除去する方法が用いられる。具体的には、次の方法が例示される。
まず、微生物の培養によって得られる培養物を脱水し、固形分約20%のケーキとした後、このケーキを水で再スラリー化して固形分を1〜3%にする。これに水酸化ナトリウムを加えて、pH13程度にして攪拌しながら数時間、系を65℃に加熱して、微生物を溶解する。次いで、硫酸でpHを6〜8に調整し、該スラリーを脱水して再度水でスラリー化し、かかる脱水・スラリー化を数回繰り返す。精製された発酵セルロースは、必要に応じて乾燥処理を施すことができる。乾燥処理としては特に制限されることなく、自然乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥、スプレードライ、ドラムドライ等の公知の方法を用いることができる。好ましくはスプレードライ法、ドラムドライ法である。
かくして得られる発酵セルロースは、白色から黄褐色の物質であり水に急速に分散できる非常に繊細な繊維性粒子からなる。なお、本発明で用いられる発酵セルロースは、上記方法で調製される発酵セルロースと同一若しくは類似の性質を有し、本発明の目的を達成しえるものであれば、その調製方法によって限定されるものではない。
そして本発明における発酵セルロースは、他の高分子物質と組み合わせ、複合化した状態(複合体)にて用いる。発酵セルロースを高分子物質と複合化させる方法としては、特開平9−121787号公報に記載される2種類の方法を挙げることができる。
第一の方法は、微生物を培養して発酵セルロースを産生させるにあたり、培地中に高分子物質を添加して培養を行い、発酵セルロースと高分子物質とが複合化した発酵セルロース複合化物として得る方法である。
また第二の方法は、微生物の培養によって生産された発酵セルロースのゲルを高分子物質の溶液に浸漬して、高分子物質を発酵セルロースのゲルに含浸させて複合化する方法である。発酵セルロースのゲルは、そのままか、あるいは常法により均一化処理を行ったのちに高分子物質の溶液に浸漬する。均一化処理は、公知の方法で行えばよく、例えばブレンダー処理や500kg/cm2で40回程度の高圧ホモジナイザー処理、1000kg/cm2で3回程度のナノマイザー処理などを用いた機械的解離処理が有効である。浸漬時間は、制限されないが、30分以上24時間程度、好ましくは1晩を挙げることができる。また、浸漬終了後は遠心分離や濾過などの方法で浸漬液を除去することが望ましい。さらに、水洗いなどの処理を行って過剰の高分子物質を除去すると、高分子物質と複合化された状態の発酵セルロースを取得することができ、複合化に利用されないで残存する高分子物質の影響を抑えることができる。
発酵セルロースとの複合化に使用される高分子物質としては、例として、キサンタンガム、カラギーナン、ガラクトマンナン(グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム等)、カシアガム、グルコマンナン、ネイティブ型ジェランガム、脱アシル型ジェランガム、タマリンドシードガム、ペクチン、サイリウムシードガム、ゼラチン、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、ガティガム、マクロホモプシスガム、寒天、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、カードラン、プルラン、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)の塩、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等のセルロース誘導体、微結晶セルロース、水溶性ヘミセルロース、大豆多糖類、加工・化工でん粉、未加工でん粉(生でん粉)といった各種高分子物質を挙げることができる。これらは一種単独で使用してもよいし、または2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
本発明において発酵セルロースは、前述する高分子物質のグァーガム又はキサンタンガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)若しくはその塩からなる群から選択される少なくとも1種を複合化させた状態で用いられる。好ましくは、キサンタンガムとCMCのナトリウム塩を組み合わせて使用する態様である。
なお、上記高分子化合物と複合化された発酵セルロースは商業的に入手可能であり、例えば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンアーティスト[登録商標]PG(グァーガムおよびCMCのナトリウム塩と発酵セルロースとの複合体の製剤)、サンアーティスト[登録商標]PN(キサンタンガムおよびCMCのナトリウム塩と発酵セルロースとの複合体の製剤)などを挙げることができる。
本発明で用いる畜肉は、牛、豚、鶏といった家畜が挙げられ、他に鹿、猪、兎、馬、羊、山羊等の肉も利用することができる。また、これらの畜肉には、精肉以外のレバー等の内臓、鶏皮、豚脂、牛脂等も含むことができる。これらの畜肉は常法に従って製造可能であり、必要に応じて油抜きや血抜き処理といった前処理を適宜行っても良い。
蒲鉾や竹輪などの水産練り製品を製造する場合、すり身に塩を添加し、タンパク質であるアクトミオシンを溶出、水和させる「塩摺り」工程が行われている。本工程を行うことで、魚肉中の筋肉たん白質を溶かし出し、筋肉たん白質の網状構造を形成させ弾力を持ったゲルを作り、足(弾力)のある水産練り製品ができる。
ミンチ等の肉類に対しても、例えば特開2009−65885号公報では塩ずりが行われているが、本発明ではこれら畜肉に対する塩摺りが不要な点が特徴として挙げられる。
ミンチ等の肉類に対しても、例えば特開2009−65885号公報では塩ずりが行われているが、本発明ではこれら畜肉に対する塩摺りが不要な点が特徴として挙げられる。
本発明が対象とする食品は、上記発酵セルロース複合体及び畜肉を含有する菓子様加工食品である。本発明において、菓子様加工食品とは、菓子様の外観や食感を有する畜肉を含む加工食品であり、具体的には、ケーキ、マフィン、カステラ、マドレーヌ、フィナンシェ、ドーナツまたはパン等が例示できる。
本発明の菓子様加工食品は、油ちょう、焼成、スチーム工程等、加工食品を調製する際に利用される一般的な加熱工程を経て製造されるものが挙げられる。具体的な加熱工程の条件としては、165〜175℃で3〜5分間の油ちょう工程や、140〜200℃で30〜40分間の焼成工程、80〜90℃で30〜40分間のスチーム工程等が例示できるが、いずれも調製する加工食品に応じた温度と加熱時間を適宜組み合わせた条件を設定することが可能である。
菓子様加工食品中の畜肉の含量は、商品コンセプト等に応じて適宜調整できるが、通常は原料の全量に対し50質量%以下、好ましくは20〜40質量%である。畜肉含量が50質量%より高くなると、生地のふくらみが悪化し、重い食感となりやすい。一方、本発明の効果は十分に発揮されているが、畜肉含量が低いと畜肉を添加すること自体のメリットが現れにくいが、概ね20質量%以上の添加で、畜肉特有の食感や風味を発現することが可能となる。
パウンドケーキのような菓子様加工食品に畜肉を添加すると、ソーセージ様の弾力ある食感となりやすいが、本発明によれば、ソフトで軽い食感の菓子様加工食品を提供できる。
パウンドケーキのような菓子様加工食品に畜肉を添加すると、ソーセージ様の弾力ある食感となりやすいが、本発明によれば、ソフトで軽い食感の菓子様加工食品を提供できる。
本発明で用いる発酵セルロース複合体の添加量は、対象食品によって適宜調整することが可能であるが、菓子様加工食品100質量部に対し概ね0.03〜0.5質量部が例示できる。例えばパウンドケーキのようなケーキには、0.03〜0.3質量部、ドーナツには0.1〜0.5質量部があげられる。発酵セルロース複合体の添加量が上記対象食品に示すもの以上である場合、作業効率の低下が生じてしまい、また添加量が少なくなると、畜肉臭の抑制や食感の改善効果が不十分となりやすい。
本発明の菓子様加工食品は、調製直後のみならず、得られた食品の品温が低下した場合や、冷凍解凍した場合であっても、ソフトで軽い食感が保持される。
例えば、畜肉を含有したパウンドケーキを製造した場合、焼成時は生地が膨張するが、品温の低下と共に生地が縮んで密となり、重い食感、畜肉特有の弾力ある食感となりやすい。生地が密になると、電子レンジを用いてケーキを加温しても重い食感は回避できず、目的とするソフトで軽い食感が得られない。
しかし、本発明では、発酵セルロース複合体を用いることで、調製直後のみならず、品温が低下した場合や、冷凍解凍した場合であっても、ソフトで軽い食感が保持された油ちょう・焼成食品を提供できる。
例えば、畜肉を含有したパウンドケーキを製造した場合、焼成時は生地が膨張するが、品温の低下と共に生地が縮んで密となり、重い食感、畜肉特有の弾力ある食感となりやすい。生地が密になると、電子レンジを用いてケーキを加温しても重い食感は回避できず、目的とするソフトで軽い食感が得られない。
しかし、本発明では、発酵セルロース複合体を用いることで、調製直後のみならず、品温が低下した場合や、冷凍解凍した場合であっても、ソフトで軽い食感が保持された油ちょう・焼成食品を提供できる。
本発明の菓子様加工食品は、畜肉及び発酵セルロース複合体を用いる以外は、通常用いられる原料、例えば各種甘味料、着色料、香料、酸味料、安定剤、酸化防止剤や保存料等を任意で添加することができる。また、畜肉以外にも魚肉すり身を併用してもよい。
例えば、畜肉入りパウンドケーキであれば、畜肉、発酵セルロース複合体に薄力粉、砂糖、食塩などを加え、混合、成型後焼成することで製造できる。同様にして、畜肉入りドーナツであれば、畜肉、発酵セルロース複合体、デキストリンに卵、砂糖、必要に応じて小麦粉などを添加、混合後、油ちょう、焼成することで製造できる。
例えば、畜肉入りパウンドケーキであれば、畜肉、発酵セルロース複合体に薄力粉、砂糖、食塩などを加え、混合、成型後焼成することで製造できる。同様にして、畜肉入りドーナツであれば、畜肉、発酵セルロース複合体、デキストリンに卵、砂糖、必要に応じて小麦粉などを添加、混合後、油ちょう、焼成することで製造できる。
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」、文中「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。
実験例1:畜肉含有菓子様加工食品(パウンドケーキ風)
表1の処方に従って、肉含量30%のパウンドケーキ風のチキンのケーキを調製した。
表1の処方に従って、肉含量30%のパウンドケーキ風のチキンのケーキを調製した。
<製法>
(1) 予め2と3を篩っておく。
(2) カッターに1、10〜12、18の半分量を加え、カッティングした。
(3) (2)に6〜9、13、14及び18の残りを加え、カッティングした。
(4) (3)に4、5、15〜17を加え、カッティングした。
(5) (4)に(1)を加え、軽く混合した(最終品温14℃以下)
(6) (5)を200g容量の容器に充填し、アーモンドスライスを飾り、コンベクションオーブンにて焼成(140℃40分間)した後、急速凍結した。
(1) 予め2と3を篩っておく。
(2) カッターに1、10〜12、18の半分量を加え、カッティングした。
(3) (2)に6〜9、13、14及び18の残りを加え、カッティングした。
(4) (3)に4、5、15〜17を加え、カッティングした。
(5) (4)に(1)を加え、軽く混合した(最終品温14℃以下)
(6) (5)を200g容量の容器に充填し、アーモンドスライスを飾り、コンベクションオーブンにて焼成(140℃40分間)した後、急速凍結した。
<評価>
凍結保存したケーキを、自然解凍又はラップで包まずに電子レンジにて解凍して食した。
得られたパウンドケーキ風のチキンのケーキは肉含量30%であったが、肉の臭みや肉塊を感じるような食感ではなく、肉が入っていないパウンドケーキとそん色ない食べ応えであった。
凍結保存したケーキを、自然解凍又はラップで包まずに電子レンジにて解凍して食した。
得られたパウンドケーキ風のチキンのケーキは肉含量30%であったが、肉の臭みや肉塊を感じるような食感ではなく、肉が入っていないパウンドケーキとそん色ない食べ応えであった。
実験例2:畜肉含有菓子様加工食品(パウンドケーキ風)
表2及び3の処方に従って、肉含量40%のパウンドケーキ風のチキンのケーキを調製した。尚、表3の「18 発酵セルロース複合体(サンアーティストPN)」を含むものを実施例2、含まないものを比較例1とした。
表2及び3の処方に従って、肉含量40%のパウンドケーキ風のチキンのケーキを調製した。尚、表3の「18 発酵セルロース複合体(サンアーティストPN)」を含むものを実施例2、含まないものを比較例1とした。
<製法>
(1) 予め2と4を篩っておく。
(2) カッターに1、11、12、18及び3の半分量を加え、カッティングした。
(3) (2)に7〜10、13、14及び3の残りを加え、カッティングした。
(4) (3)に5、6、15〜17を加え、カッティングした。
(5) (4)に(1)を加え、軽く混合した(最終品温14℃以下)
(6) (5)を200g容量の容器に充填し、アーモンドスライスを飾り、コンベクションオーブンにて焼成(140℃40分間)した後、急速凍結した。
(1) 予め2と4を篩っておく。
(2) カッターに1、11、12、18及び3の半分量を加え、カッティングした。
(3) (2)に7〜10、13、14及び3の残りを加え、カッティングした。
(4) (3)に5、6、15〜17を加え、カッティングした。
(5) (4)に(1)を加え、軽く混合した(最終品温14℃以下)
(6) (5)を200g容量の容器に充填し、アーモンドスライスを飾り、コンベクションオーブンにて焼成(140℃40分間)した後、急速凍結した。
<評価>
凍結保存したケーキを、自然解凍又はラップで包まずに電子レンジにて解凍して食した。
得られたパウンドケーキ風のチキンのケーキは肉含量40%であったが、比較例1は、生地の下部の膨らみが悪く、水分を保持しており、重い食感であった。
実施例2は肉の臭みや畜肉練り製品を感じるような食感ではなく、軽くてソフトな食感で、肉が入っていないパウンドケーキとそん色ない食べ応えであった。
凍結保存したケーキを、自然解凍又はラップで包まずに電子レンジにて解凍して食した。
得られたパウンドケーキ風のチキンのケーキは肉含量40%であったが、比較例1は、生地の下部の膨らみが悪く、水分を保持しており、重い食感であった。
実施例2は肉の臭みや畜肉練り製品を感じるような食感ではなく、軽くてソフトな食感で、肉が入っていないパウンドケーキとそん色ない食べ応えであった。
上記実施例に示す通り、畜肉含有菓子様加工食品に発酵セルロース複合体を添加することにより、畜肉に対し塩ずりを行わなくても、軽いソフトな食感を付与することができ、畜肉臭をも抑制できることが明らかとなった。
Claims (4)
- 畜肉及び発酵セルロース複合体を含有することを特徴とする、畜肉含有菓子様加工食品。
- 畜肉が塩ずりされていないものである請求項1に記載の畜肉含有菓子様加工食品。
- 菓子様加工食品が、ケーキ、マフィン、カステラ、マドレーヌ、フィナンシェ、ドーナツまたはパンのいずれか一種である、請求項1又は2に記載の畜肉含有菓子様加工食品。
- 畜肉の含量が、畜肉含有菓子様加工食品100質量部に対し20〜50質量部である請求項1乃至3に記載の畜肉含有菓子様加工食品。
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- 2015-06-30 JP JP2015130808A patent/JP2017012053A/ja active Pending
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