JP2017006293A - フットウエア用ソール構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フットウエアにおいて、ソール前足部領域の屈曲性を一層向上できるとともに、屈曲性能を細やかにコントロールできるソール構造体を提供する。
【解決手段】 シューズ用ソール構造体において、シューズSが少なくとも前足部Fに軟質弾性部材製のミッドソール1を備える。ミッドソール1の踏付部領域の一部を含む領域に凹部1aが形成され、凹部1a内に可撓性部材10が収容されている。可撓性部材10は凹部1a内に固着されていない。
【選択図】 図2
【解決手段】 シューズ用ソール構造体において、シューズSが少なくとも前足部Fに軟質弾性部材製のミッドソール1を備える。ミッドソール1の踏付部領域の一部を含む領域に凹部1aが形成され、凹部1a内に可撓性部材10が収容されている。可撓性部材10は凹部1a内に固着されていない。
【選択図】 図2
Description
本発明は、シューズ、サンダルおよびブーツ等を含むフットウエアのためのソール構造体に関し、詳細には、ソール前足部領域の屈曲性を一層向上でき、さらには、屈曲性を細やかにコントロールできるようにするためのソール構造体の構造の改良に関する。
履物のミッドソールとして、たとえば特公平1−36362号公報には、低硬度の内層発泡体の周囲を高硬度の外層発泡体で被覆した二層構造のものが提案されている(第3欄第16〜34行、第1図〜第4図参照)。当該公報には、内層発泡体が有する軽量性およびクッション性と、外層発泡体が有する強度および回復力とを効果的に発揮できると記載されている(第3欄6〜12行参照)。また、当該公報には、屈曲性に関し、外層発泡体の踏付部の厚みを薄くすることで屈曲性が増して足への屈曲抵抗を緩和し(第6欄第20〜21行参照)、内層発泡体を踏付部上面に露出させることで足への屈曲抵抗を減らし(第7欄第3〜7行参照)、踏付部の両外側端に内層発泡体の突部を設けることで屈伸作用力を緩和吸収して足への屈伸抵抗力を減じる(第7欄第13〜17行参照)と記載されている。
上記公報に記載のミッドソールにおいては、屈曲性の向上はあくまで二次的なものであって、主たる目的は、軽量性・クッション性および強度・回復力の双方の実現にある。そのため、上記公報に記載の構造は、ソール前足部領域の屈曲性の向上の観点からは必ずしも十分なものとはいえない。
その一方、ソール前足部領域の屈曲性は、クッション性や反発性等とともに重要なソール特性の一つであって、少なくともシューズ着用者(ユーザー)の足の動きに追随できる程度の屈曲性能が必要である。ところが、ユーザーの体格や筋力、動き等は千差万別であって、従来のフットウエアが、すべてのユーザーに適合した屈曲性を有しているかは疑問の残るところである。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、ソール前足部領域の屈曲性を一層向上させることができるフットウエア用ソール構造体を提供することにある。また、本発明は、屈曲性能を細やかにコントロールすることができるフットウエア用ソール構造体を提供しようとしている。
本発明に係るフットウエア用ソール構造体は、フットウエアの少なくとも前足部領域に配置される軟質弾性部材製のソール本体を備えている。ソール本体の踏付部領域の少なくとも一部を含む領域には凹部が形成され、凹部内には可撓性部材が収容されており、可撓性部材は凹部内に固着されていない(請求項1参照)。ここで、本明細書中において、「固着」とは、成形による接合や接着等によって、双方の部材が互いに離れることなく常時(屈曲の前後においても)強固にくっついている状態をいう。
本発明によれば、ソール構造体の前足部領域の屈曲時には、可撓性部材はソール本体とともに屈曲する。このとき、可撓性部材がソール本体の凹部内に固着されていないことにより、可撓性部材はソール本体と一体に屈曲するのではなく、ソール本体の凹部内においてソール本体とは独立して変形する。これにより、可撓性部材は、凹部内で滑りやずれまたは間隙を生じつつ屈曲し、その結果、ソール前足部領域の屈曲性を一層向上させることができる。
ところで、上述した特公平1−36362号公報には、ミッドソールの製造方法に関し、予め成形された内層発泡体を金型内にセットした後、外層発泡体となる液状材料を金型内に射出し、内層発泡体を外層発泡体で被覆密着させることで、ミッドソールを成形すると記載されている(第4欄第35〜41行、第5欄第13〜17行参照)。すなわち、上記公報に記載のミッドソールにおいては、内層発泡体は外層発泡体に接合されて固着されている。したがって、上記公報に記載のものでは、ミッドソールの前足部領域の屈曲時には、ミッドソール内部の内層発泡体は、ミッドソール外部の外層発泡体の界面との間で滑りやずれを生じることなく、外層発泡体と一体に屈曲することになる。このような構造において、ソール前足部領域の屈曲性を向上させるには、外層発泡体の厚みを薄くしたり、内層発泡体の延在領域を増やしたり、材質を変更したりすることが考えられるが、その場合でもその効果は限定的であり、ソール前足部領域の屈曲性の一層の向上は困難である。
本発明においては、可撓性部材の前端または後端の少なくともいずれか一方が凹部内に固着されていない(請求項2参照)。この場合、固着されていない側の端部が凹部内でソール本体とは独立して変形する。
本発明においては、可撓性部材が単一の部材から構成されている(請求項3参照)。
本発明においては、可撓性部材が、積層された複数の部材から構成されており、ソール本体の屈曲時には、各部材が互いに摺動しつつ屈曲するようになっている(請求項4参照)。この場合には、可撓性部材の屈曲時には、各部材が他の部材と摺動しつつ他の部材から独立して屈曲変形するので、可撓性部材全体の屈曲性をより一層向上できる。また、この場合には、積層する部材の枚数や各部材の厚み、各部材の凹部との間隙、各部材間の摺動性等を適宜調整することによって、屈曲性能をより細やかにコントロールすることができるようになり、これにより、ユーザーに合わせた屈曲性能を実現できる。
本発明においては、凹部が、ソール本体の上下面の双方に貫通する貫通穴、ソール本体の上下面のいずれか一方に貫通する有底穴、またはソール本体の上下面のいずれにも貫通しない空所である(請求項5参照)。
本発明においては、凹部が、ソール本体の内甲側端部または外甲側端部の少なくともいずれか一方に開口している(請求項6参照)。
本発明においては、可撓性部材が、着用者の足の少なくとも、第1趾中足骨骨頭部(つまり拇指球骨頭部)の一部および第2趾中足骨骨頭部の一部を含む領域に配置されている(請求項7参照)。
本発明においては、可撓性部材の足長方向の長さが、少なくとも第1趾中足骨骨頭長さ(つまり拇指球骨頭幅)に相当する長さを有している(請求項8参照)。
本発明においては、可撓性部材が、着用者の足の中足趾節関節に沿って配置されている(請求項9参照)。
本発明においては、可撓性部材が、ソール本体の前足部領域の最大足圧領域に対応する領域に配置されている(請求項10参照)。
本発明においては、ソール本体の下面側には、接地面を有するアウトソールがさらに設けられている(請求項11参照)。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図10は、本発明の一実施例によるフットウエア用ソール構造体を説明するための図である。ここでは、フットウエアとしてシューズを例にとる。なお、以下の説明中、上方(上側/上)および下方(下側/下)とは、シューズの上下方向の位置関係を表し、前方(前側/前)および後方(後側/後)とは、シューズの前後方向の位置関係を表しており、幅方向とはソール左右方向を指すものとする。すなわち、上方および下方は、図2を例にとった場合、同図の紙面手前側および紙面奥側をそれぞれ指しており、前方および後方は、同図の上方および下方をそれぞれ指しており、幅方向は、同図の左右方向を指している。また、図2中、Hはソール構造体の踵部を、Mは中足部を、Fは前足部をそれぞれ示している。
図1ないし図10は、本発明の一実施例によるフットウエア用ソール構造体を説明するための図である。ここでは、フットウエアとしてシューズを例にとる。なお、以下の説明中、上方(上側/上)および下方(下側/下)とは、シューズの上下方向の位置関係を表し、前方(前側/前)および後方(後側/後)とは、シューズの前後方向の位置関係を表しており、幅方向とはソール左右方向を指すものとする。すなわち、上方および下方は、図2を例にとった場合、同図の紙面手前側および紙面奥側をそれぞれ指しており、前方および後方は、同図の上方および下方をそれぞれ指しており、幅方向は、同図の左右方向を指している。また、図2中、Hはソール構造体の踵部を、Mは中足部を、Fは前足部をそれぞれ示している。
図1に示すように、シューズSは、ミッドソール(ソール本体)1と、その上に設けられ、着用者の足を覆うアッパー(甲被部)Uと、ミッドソール1の下面側に配置され、路面と接地する接地面20を有するアウトソール2とを備えている。ミッドソール1は、この例では、シューズSの全長にわたって延設されている。
図2に示すように、ミッドソール1の前足部Fにおいて踏付部領域(つまり前足部Fから足趾領域を除く領域)の少なくとも一部を含む領域には、凹部1aが形成されており、当該凹部1a内に可撓性部材10が収容されている。可撓性部材10は、好ましくは、その前後端面、内外甲側面および上下面のいずれもが凹部1a内に固着されずに設けられている。可撓性部材10の外周形状は、好ましくは、凹部1aの内周形状に沿った形状を有している。可撓性部材10は、凹部1aに対して隙間なく収容されていてもよいが、より好ましくは、凹部1aに対してわずかな隙間を介して収容されている。
図3の縦断面図および図4の横断面図に示すように、凹部1aは、ミッドソール1の上面1Aおよび下面1Bを上下に貫通する貫通穴になっている。凹部1aの下面側開口は、アウトソール2の上面21で閉塞されており、可撓性部材10は、凹部1a内においてアウトソール2の上面21に載置されている。ミッドソール1の上面1Aは、着用者の足裏当接側の面を構成している。上面1Aの幅方向両側縁部には、上方に巻き上がる巻上げ部1A’が形成されており、巻上げ部1A’にアッパーUの下面が接着等で固着されるようになっている。可撓性部材10は、複数枚(この例では4枚)の薄板10A〜10Dを上下に積層してなる積層体から構成されている。各薄板10A〜10Dは、好ましくは、接着等で互いに固着されることなく設けられている。なお、図3および図4の各断面図においては、図示の便宜上、アウトソール2のハッチングを省略している。
ミッドソール1は、好ましくは軟質弾性部材から構成されており、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性合成樹脂やその発泡体、ポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂やその発泡体、またはブタジエンラバーやクロロプレンラバー等のラバー素材やその発泡体から構成されている。ミッドソール1の硬度は、アスカーCスケールで、たとえば30C〜80C(好ましくは45C〜70C、具体的には55C)に設定されている。ミッドソール1を構成する材料およびその特性は、主に、クッション性、安定性および耐久性(へたりにくさ)等の観点から選択される。ミッドソール1の踏付部領域の厚みは、前後方向の略中央部において、この例では約12mmになっている。
可撓性部材10を構成する各薄板10A〜10Dは、同様に、軟質弾性部材から構成されており、ミッドソール1を構成する材料と同一の材料でもよいが、異なる材料から構成されていてもよい。各薄板10A〜10Dの硬度は、ミッドソール1の硬度と同程度でもよいが、好ましくは、ミッドソール1の硬度よりも若干低め(たとえば45C〜55C程度)に設定されている。
アウトソール2は、好ましくは、ミッドソール1よりも高硬度の硬質弾性部材から構成されており、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂、またはブタジエンラバーやクロロプレンラバー等のラバー素材から構成されている。アウトソール2の厚みは、この例では、2〜7mm(好ましくは3〜5mm)になっている。
可撓性部材10およびこれを収容する凹部1aは、この例では、図2に示すように、中足趾節関節MJを覆いつつ踏付部領域の大部分を覆うとともに足趾領域の一部を覆うように配置されている。
ここで、ソール屈曲時の左足の足圧分布を図5に示す。同図において、色の濃い領域ほど足圧が高いことを示している。図5中の最大足圧領域を足の骨格図中に記したものが図6である(図6では最大足圧領域の輪郭のみを示している)。図2に示した可撓性部材10および凹部1aの領域は、この図6中の最大足圧領域に概ね対応しており、当該最大足圧領域を概ね覆うように配置されている。足の屈曲は、中足趾節関節MJに沿って行われるため、可撓性部材10および凹部1aの領域は、好ましくは、中足趾節関節MJに沿って配置される。
足の屈曲時には、上記最大足圧領域の中でも、とくに第1趾中足骨骨頭部(つまり拇指球骨頭部)および第2趾中足骨骨頭部で荷重を支えることになるため、これら第1趾および第2趾中足骨骨頭部が最も重要である。そこで、可撓性部材10の理論上の最小延在可能領域を図7中の骨格図に示す。同図に示すように、可撓性部材10は、第1趾中足骨骨頭部の一部および第2趾中足骨骨頭部の一部を含む領域である。
可撓性部材10の前後方向長さhは、好ましくは、
h=0.08L(L:足長)
に設定されており、より詳細には、
h=(0.08±0.03)L
に設定されている。hは、第1趾中足骨骨頭長さ(つまり拇指球骨頭幅)に相当している。
可撓性部材10の板厚tは、好ましくは、
t≦h
に設定されている。ここでは、可撓性部材10を矩形状の領域で示しているが、その他の形状でもよい。
h=0.08L(L:足長)
に設定されており、より詳細には、
h=(0.08±0.03)L
に設定されている。hは、第1趾中足骨骨頭長さ(つまり拇指球骨頭幅)に相当している。
可撓性部材10の板厚tは、好ましくは、
t≦h
に設定されている。ここでは、可撓性部材10を矩形状の領域で示しているが、その他の形状でもよい。
なお、可撓性部材10が中足趾節関節MJに沿って第1趾から第5趾にかけて延設される場合、中足趾節関節MJは、第1中足趾節関節MP1〜第5中足趾節関節MP5を曲線上に結んだものであって(図2参照)、図7に示すように、第1中足趾節関節MP1は、踵後端から概ね0.72L(L:足長)の位置、詳細には(0.72±0.03)Lに配置され、第5中足趾節関節MP5は、踵後端から概ね0.63Lの位置、詳細には(0.63±0.03)Lに配置されており、可撓性部材10は、好ましくは、これらの位置を跨ぐように配置される。
次に、図8は、シューズの屈曲試験の概要を示している。
同図に示す屈曲試験装置100は、シューズSのつま先部が配置される固定テーブル101と、固定テーブル101上において支軸102の回りに一端が上下方向に回動可能に設けられた可動テーブル103と、シューズSのつま先部を固定テーブル101との間でクランプして固定する昇降可能なクランプパッド104と、可動テーブル103を下方から駆動する上下動可能なロッド105とを備えている。ロッド105の先端には、可動テーブル103の下面に当接する当接部材106がロードセル107を介して設けられている。
同図に示す屈曲試験装置100は、シューズSのつま先部が配置される固定テーブル101と、固定テーブル101上において支軸102の回りに一端が上下方向に回動可能に設けられた可動テーブル103と、シューズSのつま先部を固定テーブル101との間でクランプして固定する昇降可能なクランプパッド104と、可動テーブル103を下方から駆動する上下動可能なロッド105とを備えている。ロッド105の先端には、可動テーブル103の下面に当接する当接部材106がロードセル107を介して設けられている。
屈曲試験の際には、ロッド105を矢印b方向とは逆方向に駆動して、可動テーブル103を矢印a方向とは逆方向に回動させ、可動テーブル103のテーブル面を固定テーブル101のテーブル面と平行な状態におく。この状態から、シューズSのつま先部を固定テーブル101上に配置し、シューズSのつま先部から後方側の部分を可動テーブル103上に配置するとともに、クランプパッド104を下降させて、シューズSのつま先部を固定テーブル101との間でクランプして固定する。
次に、ロッド105を矢印b方向に駆動して可動テーブル103を矢印a方向に回動させ、可動テーブル103を固定テーブル101に対して徐々に傾斜させることにより、シューズSの前足部領域を徐々に屈曲させる(図8参照)。このとき、シューズSの屈曲時にロッド105に作用する荷重がロードセル107によって測定される。
屈曲試験に用いたシューズSは以下のとおりである。
〔本発明品〕
i) EVA製ミッドソール(厚み12mm)。
ii) ミッドソール凹部(貫通穴)内に板厚6mmのEVA製薄板2枚(合計板厚12mm)からなる可撓性部材を収容。
iii)アウトソール厚み5.5mm。
〔従来品〕
i) EVA製ミッドソール(厚み12mm)。
ii) 可撓性部材なし。
iii)アウトソール厚み5.5mm。
〔本発明品〕
i) EVA製ミッドソール(厚み12mm)。
ii) ミッドソール凹部(貫通穴)内に板厚6mmのEVA製薄板2枚(合計板厚12mm)からなる可撓性部材を収容。
iii)アウトソール厚み5.5mm。
〔従来品〕
i) EVA製ミッドソール(厚み12mm)。
ii) 可撓性部材なし。
iii)アウトソール厚み5.5mm。
図9は、本発明品および従来品のそれぞれについて屈曲時の最大曲げモーメントを示している。同図に示すように、本発明品は従来品に比べて最大曲げモーメントが減少しており、本発明品においては、最大屈曲時の曲げ抵抗が減少していることが分かる。図10は、本発明品および従来品のそれぞれについて屈曲角度と曲げモーメントの関係を示している。同図に示すように、最大屈曲角度に至る途中の屈曲段階においても、本発明品は従来品に比べて曲げモーメントが減少しており、本発明品においては、屈曲の初期の段階から最大屈曲の段階まで曲げ抵抗が減少していることが分かる。
このように本実施例によれば、ソール前足部領域の屈曲性を一層向上させることができる。本実施例においてこのような作用効果を実現できるのは、以下の理由による。
ソール前足部領域の屈曲時には、可撓性部材10はミッドソール1とともに屈曲するが、このとき、可撓性部材10がミッドソール1の凹部1a内に固着されていないことにより、可撓性部材10はミッドソール1と一体に屈曲するのではなく、ミッドソール1の凹部1a内においてミッドソール1とは独立して変形する。これにより、可撓性部材10は、凹部1a内においてアウトソール2の上面21との間で滑りやずれを生じたり、凹部1aとの間で間隙を生じたりしつつ屈曲し、その結果、ソール前足部領域の屈曲性を一層向上させることができる。
とくに、本実施例のように、可撓性部材10が複数の薄板を積層して構成されている場合には、可撓性部材10の屈曲時には、各薄板が他の薄板と摺動しつつ他の薄板から独立して屈曲変形するので、可撓性部材10全体の屈曲性をより一層向上できる。しかも、積層する薄板の枚数や各薄板の厚み、各薄板の凹部1aとの間隙、各薄板間の摺動性等を適宜調整することによって、ソール前足部領域の屈曲性能をより細やかにコントロールできるようになり、これにより、ユーザーに合わせた屈曲性能を実現できる。また、本実施例においては、ミッドソール1の上下面1A、1Bを貫通する凹部1aがストレート穴であり、すべての薄板が幅方向の広い領域に延在しているので、ミッドソール1の上面1Aから下面1Bにかけて高い屈曲性を実現できる。
以上、本発明に好適な実施例について説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、本発明には種々の変形例が含まれる。以下に変形例のいくつかの例を挙げておく。なお、変形例を示す図面において、前記実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
<第1の変形例>
前記実施例では、ミッドソール1がシューズSの踵部Hから中足部Mをへて前足部Fに至るまでシューズSの全長にわたって配設された例を示したが、本発明によるソール構造体は、ミッドソール1がシューズSの少なくとも前足部領域に配置されたものに適用可能である。
前記実施例では、ミッドソール1がシューズSの踵部Hから中足部Mをへて前足部Fに至るまでシューズSの全長にわたって配設された例を示したが、本発明によるソール構造体は、ミッドソール1がシューズSの少なくとも前足部領域に配置されたものに適用可能である。
<第2の変形例>
前記実施例では、可撓性部材10の前後端面、内外甲側面および上下面のいずれもが凹部1a内に固着されていない例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
前記実施例では、可撓性部材10の前後端面、内外甲側面および上下面のいずれもが凹部1a内に固着されていない例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
可撓性部材10の前後端面のいずれか一方は、凹部1aの内壁面に固着されていてもよい。逆の言い方をすれば、本発明においては、可撓性部材10の前後端面の双方が凹部1aの内壁面に固着されていなければよい。この場合でも、固着されていない側の端面が凹部1a内でミッドソール1とは独立して変形することで、ソール前足部の屈曲性を一層向上させることが可能である。
また、可撓性部材10の上下面の一部は、アッパーUまたはアウトソール2に接着されていてもよい。この場合、可撓性部材10の上面または下面の一部がアッパーUまたはアウトソール2により動きを拘束されたとしても、拘束されているのは上面または下面のそれぞれ一部であり、しかも、拘束されていない側の面は、凹部1a内でミッドソール1とは独立して変形し得るからである。
<第3の変形例>
前記実施例では、可撓性部材10を構成する各薄板10A〜10Dが互いに固着されていない例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
前記実施例では、可撓性部材10を構成する各薄板10A〜10Dが互いに固着されていない例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
上下に隣り合ういずれかまたはすべての各薄板同士の接触面の一部(たとえば各薄板の前端側部分)は互いに固着されていてもよい。この場合でも、固着されていない大部分の接触面が互いに摺動することで、各薄板がミッドソール1とは独立して変形するので、ソール前足部の屈曲性を一層向上させることが可能である。
<第4の変形例>
前記実施例では、可撓性部材10が複数枚の薄板を上下に積層した積層体から構成された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されず、可撓性部材10は単一の部材から構成されていてもよい。
前記実施例では、可撓性部材10が複数枚の薄板を上下に積層した積層体から構成された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されず、可撓性部材10は単一の部材から構成されていてもよい。
この場合、単一の可撓性部材10は、好ましくは、ミッドソール1の凹部1a内に収容された状態で、凹部1a内のすべての内壁面、アッパーUの底面およびアウトソール2の上面のいずれにも固着されていない。この場合、ソール前足部の屈曲時には、可撓性部材10は、ミッドソール1と一体に屈曲するのではなく、ミッドソール1の凹部1a内においてミッドソール1とは独立して変形する。これにより、可撓性部材10は、凹部1aとの間で間隙を生じる一方で、アウトソール2の上面やアッパーUの底面との間で滑りやずれを生じつつ屈曲し、その結果、ソール前足部の屈曲性を一層向上させることができる。
なお、単一の可撓性部材10は、その前端面または後端面のいずれか一方が凹部1aの内壁面に固着されていてもよい。この場合でも、固着されていない側の端面が凹部1a内でミッドソール1とは独立して変形することで、ソール前足部の屈曲性を一層向上させることが可能である。あるいは、単一の可撓性部材10の上面または下面の一部がアッパーUまたはアウトソール2に接着されていてもよい。この場合、単一の可撓性部材10の上面または下面の一部がアッパーUまたはアウトソール2により動きを拘束されたとしても、拘束されているのは上面または下面のそれぞれ一部であり、しかも、拘束されていない側の面は、凹部1a内でミッドソール1とは独立して変形し得るからである。
<第5の変形例>
前記実施例では、ミッドソール1の凹部1aが平面視略四角形状に形成された例を示したが、本発明による凹部1aの形状としては、このような異形の四角形状に限らず、長方形状、台形状、扇状、帯状、楕円状等、任意の形状を採用し得る。
前記実施例では、ミッドソール1の凹部1aが平面視略四角形状に形成された例を示したが、本発明による凹部1aの形状としては、このような異形の四角形状に限らず、長方形状、台形状、扇状、帯状、楕円状等、任意の形状を採用し得る。
<第6の変形例>
前記実施例では、凹部1aが、ミッドソール1の上下面1A、1Bの双方に貫通する貫通穴である例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。凹部1aは、ミッドソール1の上下面のいずれか一方にのみ貫通する有底穴(盲穴)でもよい。
前記実施例では、凹部1aが、ミッドソール1の上下面1A、1Bの双方に貫通する貫通穴である例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。凹部1aは、ミッドソール1の上下面のいずれか一方にのみ貫通する有底穴(盲穴)でもよい。
図11は、凹部1aがミッドソール1の下面にのみ貫通した例を、図12および図13は、凹部1aがミッドソール1の上面にのみ貫通した例を示している。これらいずれの場合においても、凹部1aが有底穴であることによって、有底穴の底面が可撓性部材10の載置面となるので、可撓性部材10の凹部1aへの組付けが容易になる。
<第7の変形例>
前記実施例および前記第6の変形例では、凹部1aがミッドソール1内で上下方向に延びるストレート穴であり、各薄板が実質的に同一の幅および前後方向長さを有している例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
前記実施例および前記第6の変形例では、凹部1aがミッドソール1内で上下方向に延びるストレート穴であり、各薄板が実質的に同一の幅および前後方向長さを有している例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
図14ないし図17は、凹部1aが段付穴である例を示している。図14および図16に示す例では、凹部1aがミッドソール1の上面1Aから下面1Bに向かって徐々に幅狭となっており、図15に示す例では、これとは逆に、凹部1aがミッドソール1の下面1Bから上面1Aに向かって徐々に幅狭となっており、また、図17に示す例では、凹部1aがミッドソール1の上面1Aから下面1Bに向かって徐々にその前後方向長さが短くなっている。また、図14においては、凹部1aがミッドソール1の上下面1A、1Bの双方に貫通しており、図15においては、凹部1aがミッドソール1の下面1Bにのみ貫通しており、図16および図17においては、凹部1aがミッドソール1の上面1Aにのみ貫通している。なお、図14ないし図16に示す例では、凹部1aの縦断面は、段付穴でもストレート穴でもよい。また、図17に示す例では、凹部1aの横断面は、段付穴でもストレート穴でもよい。
図14、図16および図17に示す例では、最上位の薄板10Aが最も幅広または長尺になっているので、ミッドソール1の上面1Aで高い屈曲性を実現できる。また、図15に示す例では、最下位の薄板10Dが最も幅広になっているので、ミッドソール1の下面1Bで高い屈曲性を実現できる。
なお、凹部1aをテーパ穴とし、幅方向または前後方向に略平坦状に延びる各薄板の端面を当該テーパ穴に沿う傾斜面とするようにしてもよい。
<第8の変形例>
前記実施例ならびに前記第6および第7の変形例では、各薄板が幅方向に平坦状でかつ前後方向にも平坦状に延びる(または前後方向に緩やかに湾曲する)部材である例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
前記実施例ならびに前記第6および第7の変形例では、各薄板が幅方向に平坦状でかつ前後方向にも平坦状に延びる(または前後方向に緩やかに湾曲する)部材である例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
図18および図20は、各薄板が幅方向に扁平なV字状に形成された例を示し、図19は、各薄板が幅方向に扁平な逆V字状に形成された例を示し、図21は、各薄板が前後方向に扁平なV字状に形成された例を示している。なお、ここには示していないが、各薄板は前後方向に扁平な逆V字状の部材でもよい。図18および図20では、凹部1aの横断面形状が扁平なV字状に形成され、図19では、凹部1aの横断面形状が逆V字状に形成され、図21では、凹部1aの縦断面形状がV字状に形成されている。なお、図18、図20および図21に示すものでは、最上位の薄板10Aの上部に形成される横断面三角形状または縦断面三角形状の凹部領域に各薄板と同等の軟質弾性部材が充填されている。同様に、図19に示すものでは、最下位の薄板10Cの下部に形成される横断面三角形状の凹部領域に各薄板と同等の軟質弾性部材が充填されている。
図18ないし図20に示す例では、各薄板が幅方向にV字状に屈曲して傾斜していることで、屈曲の方向をコントロールできる。また、図21に示す例では、前後方向にV字状に屈曲する各薄板によって、平坦状または湾曲状の薄板に比べて屈曲性が向上するので、ソール前足部領域の屈曲性をより一層向上できる。
<第9の変形例>
前記第7の変形例では、凹部1aが幅方向の両側部において段付穴である例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。図22ないし図24に示すように、凹部1aは、幅方向のいずれ一方の端部において段付穴であり、他方の端部においてストレート穴であってもよい。なお、図22ないし図24は、前記第7の変形例の図14ないし図16にそれぞれ対応している。
前記第7の変形例では、凹部1aが幅方向の両側部において段付穴である例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。図22ないし図24に示すように、凹部1aは、幅方向のいずれ一方の端部において段付穴であり、他方の端部においてストレート穴であってもよい。なお、図22ないし図24は、前記第7の変形例の図14ないし図16にそれぞれ対応している。
図22および図24に示す例では、最上位の薄板10Aが最も幅広になっているので、ミッドソール1の上面1Aで高い屈曲性を実現できる。また、図23に示す例では、最下位の薄板10Dが最も幅広になっているので、ミッドソール1の下面1Bで高い屈曲性を実現できる。なお、この場合においても、凹部1aの段付穴側の側壁面をテーパ穴として、幅方向に平坦状に延びる各薄板の端面を当該テーパ穴に沿う傾斜面とするようにしてもよい。
<第10の変形例>
前記実施例では、凹部1aの横断面形状が幅方向の両側部において上下方向に延びる平坦面で形成されている例を示し、前記第8の変形例では、凹部1aの横断面形状が幅方向の両側部において傾斜面から形成されている例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
前記実施例では、凹部1aの横断面形状が幅方向の両側部において上下方向に延びる平坦面で形成されている例を示し、前記第8の変形例では、凹部1aの横断面形状が幅方向の両側部において傾斜面から形成されている例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
図25ないし図27に示すように、凹部1aの横断面形状は、幅方向の一方の側部において上下方向に延びる平坦面から形成されるとともに、幅方向の他方の側部において傾斜面から形成されていてもよい。
図25においては、薄板10B〜10Dが平坦状部分および傾斜状部分からなる屈曲板から構成され、図26および図27においては、薄板10B、10Cが、傾斜状部分および平坦状部分からなる屈曲板から構成されているので、各薄板の傾斜状部分によって屈曲の方向をコントロールできる。
<第11の変形例>
前記第8の変形例の図21では、各薄板が前後方向にV字状に屈曲する例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
前記第8の変形例の図21では、各薄板が前後方向にV字状に屈曲する例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
図28に示すように、各薄板は、前後方向にV字状に屈曲する屈曲部分に加えて、前後方向に平坦状に(または緩やかに湾曲しつつ)延設された平坦状部分を有していてもよい。この場合には、ソール前足部領域の屈曲性をより一層向上できるとともに、着地時の足の動きに合わせて屈曲性能をコントロールできる。なお、同図に示すものでは、最上位の薄板10Aの上部に形成される縦断面三角形状の凹部領域に各薄板と同等の軟質弾性部材が充填されている。
<第12の変形例>
前記第10の変形例の図25では、各薄板の平坦状部分が略均等の肉厚から構成された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。図29に示すように、各薄板の平坦状部分の肉厚は均等でなく、偏肉であってもよい。同図に示す例では、各薄板の肉厚は、幅方向の端部にいくほど、徐々に薄くまたは厚くなっている。この場合には、着地時の足の動きに合わせて屈曲性能をコントロールできる。
前記第10の変形例の図25では、各薄板の平坦状部分が略均等の肉厚から構成された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。図29に示すように、各薄板の平坦状部分の肉厚は均等でなく、偏肉であってもよい。同図に示す例では、各薄板の肉厚は、幅方向の端部にいくほど、徐々に薄くまたは厚くなっている。この場合には、着地時の足の動きに合わせて屈曲性能をコントロールできる。
<第13の変形例>
前記実施例では、ミッドソール1の凹部1aが、ミッドソール1の内甲側面および外甲側面のいずれにも開口していない例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。凹部1aは、ミッドソール1の内甲側面または外甲側面の少なくともいずれか一方に開口していてもよい。
前記実施例では、ミッドソール1の凹部1aが、ミッドソール1の内甲側面および外甲側面のいずれにも開口していない例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。凹部1aは、ミッドソール1の内甲側面または外甲側面の少なくともいずれか一方に開口していてもよい。
図30は、凹部1aがミッドソール1の外甲側面に開口している例を示している。この例では、凹部1aが、その前後方向長さに比べて短い開孔1bを介して、ミッドソール1の外甲側面に開口している。この場合には、ミッドソール内部の可撓性部材10が開孔1bを通してミッドソール外部から見えるので、購買者に対する訴求効果を期待できる。なお、凹部1aは、ミッドソール1の内甲側に設けられた開孔(図示せず)を介して、ミッドソール1の内甲面に開口していてもよい。また、開孔1bは、凹部1aの前後方向長さと同等の長さを有していてもよい。
図31は、凹部1aがミッドソール1の内甲側面および外甲側面の双方に開口している例を示している。この例では、可撓性部材10が凹部1a内において幅方向全体にわたって延在している。
<第14の変形例>
前記実施例では、凹部1aがミッドソール1の上下面の双方に貫通する例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
前記実施例では、凹部1aがミッドソール1の上下面の双方に貫通する例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。
図32に示すように、凹部1aは、ミッドソール1の上下面1A、1Bのいずれにも貫通せず、周囲をミッドソール1で囲まれた空所でもよい。なお、同図に示す例では、凹部1aは、ミッドソール1の幅方向の一方の側部において、ミッドソール外部に開口しかつ凹部1aに連通する開孔1cを有している。可撓性部材10は、開孔1cを介して凹部1a内に組み込まれる。なお、開孔1cには、たとえば透明樹脂製の部材が充填される。
<第15の変形例>
前記実施例では、可撓性部材10がミッドソール1の凹部1a内に直接収容された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。可撓性部材10の周囲を滑り性の高いフィルム、たとえばTPU(熱可塑性ポリウレタン)等で覆った状態で、凹部1a内に収容するようにしてもよい。可撓性部材10は、前記実施例のように複数枚の薄板からなる積層体のみならず、前記第4の変形例のような単一の部材でもよい。このように、可撓性部材10の周囲を滑り性の高いフィルムで覆うことで、とくに可撓性部材10が複数枚の薄板から構成されている場合において、薄板同士の摺動時に滑り音が発生するおそれを回避できる。また、前記第13の変形例のように、凹部1aがミッドソール1の内甲側面または外甲側面のいずれか一方または双方に開口している場合に、当該開口からの異物の混入を防止できる。
前記実施例では、可撓性部材10がミッドソール1の凹部1a内に直接収容された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。可撓性部材10の周囲を滑り性の高いフィルム、たとえばTPU(熱可塑性ポリウレタン)等で覆った状態で、凹部1a内に収容するようにしてもよい。可撓性部材10は、前記実施例のように複数枚の薄板からなる積層体のみならず、前記第4の変形例のような単一の部材でもよい。このように、可撓性部材10の周囲を滑り性の高いフィルムで覆うことで、とくに可撓性部材10が複数枚の薄板から構成されている場合において、薄板同士の摺動時に滑り音が発生するおそれを回避できる。また、前記第13の変形例のように、凹部1aがミッドソール1の内甲側面または外甲側面のいずれか一方または双方に開口している場合に、当該開口からの異物の混入を防止できる。
<その他の変形例>
上述した実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
上述した実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
<他の適用例>
前記実施例では、当該ソール構造体がシューズに適用された例を示したが、本発明は、シューズのほか、サンダル、ブーツ等の履物(つまりフットウエア)全般に適用可能である。
前記実施例では、当該ソール構造体がシューズに適用された例を示したが、本発明は、シューズのほか、サンダル、ブーツ等の履物(つまりフットウエア)全般に適用可能である。
以上のように、本発明は、フットウエア用ソール構造体に有用であり、とくに、軟質弾性部材製のソール本体を備えたものに適している。
1: ミッドソール(ソール本体)
1a: 凹部
10: 可撓性部材
10A〜10D: 薄板
2: アウトソール
MB1: 第1趾中足骨
MB2: 第2趾中足骨
MJ: 中足趾節関節
F: 前足部
S: シューズ(フットウエア)
1a: 凹部
10: 可撓性部材
10A〜10D: 薄板
2: アウトソール
MB1: 第1趾中足骨
MB2: 第2趾中足骨
MJ: 中足趾節関節
F: 前足部
S: シューズ(フットウエア)
Claims (11)
- フットウエア用ソール構造体において、
フットウエアの少なくとも前足部領域に配置される軟質弾性部材製のソール本体を備え、
前記ソール本体の踏付部領域の少なくとも一部を含む領域に凹部が形成され、当該凹部内に可撓性部材が収容されるとともに、前記可撓性部材が前記凹部内に固着されていない、
ことを特徴とするフットウエア用ソール構造体。 - 請求項1において、
前記可撓性部材の前端または後端の少なくともいずれか一方が前記凹部内に固着されていない、
ことを特徴とするフットウエア用ソール構造体。 - 請求項1において、
前記可撓性部材が単一の部材から構成されている、
ことを特徴とするフットウエア用ソール構造体。 - 請求項1において、
前記可撓性部材が、積層された複数の部材から構成されており、前記ソール本体の屈曲時には、前記各部材が互いに摺動しつつ屈曲するようになっている、
ことを特徴とするフットウエア用ソール構造体。 - 請求項1において、
前記凹部が、前記ソール本体の上下面の双方に貫通する貫通孔、前記ソール本体の上下面のいずれか一方に貫通する有底穴、または前記ソール本体の上下面のいずれにも貫通しない空所である、
ことを特徴とするフットウエア用ソール構造体。 - 請求項1において、
前記凹部が、前記ソール本体の内甲側端部または外甲側端部の少なくともいずれか一方に開口している、
ことを特徴とするフットウエア用ソール構造体。 - 請求項1において、
前記可撓性部材が、着用者の足の少なくとも、第1趾中足骨骨頭部の一部および第2趾中足骨骨頭部の一部を含む領域に配置されている、
ことを特徴とするフットウエア用ソール構造体。 - 請求項1において、
前記可撓性部材の足長方向の長さが、少なくとも第1趾中足骨骨頭長さに相当する長さを有している、
ことを特徴とするフットウエア用ソール構造体。 - 請求項1において、
前記可撓性部材が、着用者の足の中足趾節関節に沿って配置されている、
ことを特徴とするフットウエア用ソール構造体。 - 請求項1において、
前記可撓性部材が、前記ソール本体の前足部領域の最大足圧領域に対応する領域に配置されている、
ことを特徴とするフットウエア用ソール構造体。 - 請求項1において、
前記ソール本体の下面側には、接地面を有するアウトソールがさらに設けられている、
ことを特徴とするフットウエア用ソール構造体。
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- 2015-06-19 JP JP2015123613A patent/JP2017006293A/ja active Pending
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- 2016-05-18 WO PCT/JP2016/064698 patent/WO2016203893A1/ja active Application Filing
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