JP2017003911A - 感光性樹脂組成物、感光性フィルム、スクリーン印刷用版材および感光性レジストフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
下記の成分Aの水溶液中に、成分Bおよび成分Cの混合物が成分Dの存在下で乳化分散してなることを特徴とする、感光性樹脂組成物。
成分A:水溶性ポリマー、
成分B:少なくとも一つのアミノ基で置換されたエチレン性不飽和結合を有する化合物、
成分C:少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物(但し、上記の成分Bに該当する化合物を除く)
成分D:光ラジカル重合開始剤もしくは光ラジカル重合開始系。
本発明による感光性樹脂組成物は、
下記の成分A〜Dを含んでなる感光性樹脂組成物であって、
下記の成分Aの水溶液中に、成分Bおよび成分Cの混合物が成分Dの存在下で乳化分散してなること、を特徴とするものである。
成分A:水溶性ポリマー、
成分B:少なくとも一つのアミノ基で置換されたエチレン性不飽和結合を有する化合物、
成分C:少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物(但し、上記の成分Bに該当する化合物を除く)、
成分D:光ラジカル重合開始剤もしくは光ラジカル重合開始系。
本発明における水性感光性樹脂組成物は、水溶性ポリマーである成分Aの水溶液中に、成分Bおよび成分Cの混合物を成分Dの存在下で乳化分散させて製造される。したがって、成分Aは乳化分散安定剤としての機能を有する水溶性ポリマーであり、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、水溶性ナイロンならびにポリビニルアルコール誘導体が使用可能である。この中で、光硬化した塗膜の機械的強度などの観点から、ポリ酢酸ビニルあるいは酢酸ビニルとオレフィンとの共重合体のけん化物であるポリビニルアルコール誘導体が好ましい。酢酸ビニルと共重合体を形成するオレフィンとしては、エチレン、ブテンジオール、アクリル酸誘導体、マレイン酸誘導体などを挙げることができる。ポリビニルアルコール誘導体におけるビニルアルコール単位は酢酸ビニル単位のけん化体に相当するが、そのけん化度は65%から99%であることが好ましい。重合度には制約はなく、300から4000であればよい。けん化度および重合度が異なる2種類以上のポリビニルアルコール誘導体を混合することもできる。また、カチオン変性、アニオン変性、カルボン酸変性、部分アセタール化変性、さらには、アセトアセテート変性されたポリビニルアルコールを用いることが可能である。
で表わされるスチリル基で置換された4級化窒素からなる複素環あるいはそれらのベンゼン縮合環単位を主鎖中に導入したポリビニルアルコール系重合体あるいは水溶性エチレン‐ビニルアルコール系共重合体が好ましい。本発明では、上記式におけるR1が、水素原子、メチル基、エチル基、アリル基、カルバモイルメチル基、メトキシエチル基、ベンジル基であり、R2が、水素原子、メチル基であり、mが1〜4の整数であり、nが0または1であり、Xが、炭素炭素二重結合、イオウ原子、酸素原子であり、Y−が、クロリド、ブロミド、メトサルフェート、フォスフェート、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p‐トルエンスルホネートである、化合物が好ましい。
〔特許文献27〕特開平10−16667号公報
〔特許文献28〕特開平10−310769号公報
成分Bは、少なくとも一つのアミノ基で置換された少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物である。以下に、本発明に好適に用いられる成分Bを例示するが、これらを2種類以上組み合わせて用いることができる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」および「(メタ)アクリルアミド」は、それぞれ、「メタクリレート」と「アクリレート」ならびに「メタクリルアミド」と「アクリルアミド」を意味する。
ジアリルアミンがマイケル付加する単官能性(メタ)アクリレートとして以下の化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。以下、「エチ(プロピ)レン」は、「エチレン」および「プロピレン」の両者を意味する。すなわち、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシ‐3‐アリルオキシプロピルアクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、2‐エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチ(プロピ)レングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチ(プロピ)レングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチ(プロピ)レングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチ(プロピ)レングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチ(プロピ)レングリコール(メタ)アクリレート等である。
成分Cは、上記した成分Bに属さず脂肪族アミノ基を有しないエチレン性不飽和結合を有する化合物である。たとえば、「光硬化技術データブック」(テクノネット社、2000年)に記載のモノマーおよびオリゴマーが該当する。アリルエーテル基を有する重合性モノマーも利用可能ではあるが、重合速度がより速い(メタ)アクリレート類が本発明には好ましい。
本発明の組成物を光不溶化させるために必要な成分Dは、光ラジカル重合開始剤もしくは光ラジカル重合開始系である。ここで、光ラジカル重合開始剤とはそれ自体の光化学反応によってラジカル種を発生する物質を意味し、光ラジカル重合開始系は、光ラジカル重合開始剤あるいはそれ自体ではラジカル発生効率が低い増感剤に配合される光重合開始助剤とからなるものを言う。本発明の感光性組成物には、これら2つのタイプのいずれをも用いることができる。
本発明における必須成分の配合割合は、以下の通りである。
成分Aの1重量部に対する成分Bおよび成分Cを合算した重量部の割合は、0.3〜8重量部、好ましくは、0.5〜5重量部である。配合割合がこの範囲以下では、一般式(1)に記載の光架橋単位を有さない場合には光架橋が十分に起こらない。一方、この範囲超過では感光性塗膜としての解像度が著しく低下する。一方、成分Bと成分Cとの配合割合に関しては、1重量部の成分Bに対して成分Cは2〜20重量部、好ましくは、4〜10重量部である。この範囲より少ない場合には十分な光画像形成ができないし、この範囲を越えると、光画像は水膨潤が著しくなるためにレリーフ形成に困難を生じ、かつ、解像性が劣化する。成分Bおよび成分Cを合算した重量部1に対する成分Dの重量部は、0.005〜0.5、好ましくは、0.01〜0.5である。この範囲以下ではレリーフ画像形成が不全となる一方、この範囲以上では反応光の深部への透過が困難となり、解像性が劣化する。
本発明の感光性組成物には、非感光性の水性ポリマーエマルションを配合することができる。このための水性ポリマーエマルションとして、例えば、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/エチレン共重合体、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、クロロプレン重合体、イソプレン重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、シリコーン樹脂、ポリエチレン、ポリウレタン、フッ素樹脂等を挙げることができる。これら疎水性重合体粒子は、重合工程中により得られるポリ酢酸ビニルエマルジョン、エチレン・酢酸ビニルコポリマーエマルジョン、酢酸ビニル・アクリルコポリマーエマルジョン、エチレン・酢酸ビニル・アクリル3元共重合エマルジョン、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーエマルジョン、アクリルエマルジョン、スチレン・ブタジエンラテックスエマルジョン、MBRラテックスエマルジョン、アクリロニトリル・ブタジエンゴムラテックスエマルジョン、クロロプレンゴムラテックスエマルジョン、塩化ビニリデンエマルジョン等を挙げることができる。さらには、多官能性(メタ)アクリレートから調製される水性エマルジョンを熱重合開始剤あるいは光重合開始剤によって乳化重合し、架橋構造を有するポリマーの水性エマルジョンも好適に用いることができる。これらの水性ポリマーエマルジョンの配合割合は、成分Aである水溶性ポリマー1重量部に対して、0.3〜7重量部、好ましくは、0.5〜5重量部である。この範囲以下では、水性ポリマーエマルジョンによる改質効果が得られないし、この範囲以上では感度低下が著しくなり、使用に耐えない。
本発明の感光性組成物は、従来の感光性組物と同様に各種分野に適用可能なものであって、そのいずれの分野においても、本発明の感光性組成物の優れた効果、目的等を達成できるものである。本発明の感光性組成物の効果、目的が特に顕著に認められるものとしては、例えば、下記のような感光性フィルム、スクリーン印刷用版材、スクリーン印刷用ステンシルおよび感光性レジストフィルムが包含される。
プラスチックフィルムと、上記の本発明による感光性樹脂組成物とを含んでなることを特徴とする、感光性フィルム。
スクリーンメッシュと、上記の本発明による感光性樹脂組成物とを含んでなることを特徴とする、スクリーン印刷用版材。
上記の感光性フィルムと、スクリーンメッシュとを含んでなることを特徴とする、スクリーン印刷用版材。
上記のスクリーン印刷用版材に光によって潜像を描画し、ついで、水現像および乾燥して成ることを特徴とする、スクリーン印刷用ステンシル。
上記の感光性フィルムと、基材とを含んでなることを特徴とする、感光性レジストフィルム。
本発明の感光性樹脂組成物をポリエステルフィルム上にバーコーターを用いて展開し、暗所で乾燥して厚さ約3μmの塗膜を得た。この感光膜にポジフィルムを密着させ、3kWメタルハライドランプで1mの距離より5分間露光した。水に2分間浸漬してから、水でスプレー現像することによりレリーフ画像を得た。また、本発明の感光性樹脂組成物をアルミニウム枠に固定したポリエステル繊維(商品名「テトロン」)製300メッシュの上にステンレス鋼製バケットを用いて塗布、乾燥した。これを繰り返して、厚さ15μmの感光膜とした。この感光膜にポジフィルムを密着させ、3kWメタルハライドランプで1mの距離より5分間露光した。水に2分間浸漬してから、水でスプレー現像することによりスクリーン印刷用ステンシルを得た。得られたステンシルについて、耐水性、耐溶剤性を下記の方法で測定した。
耐水性
得られたステンシルを3cm四方に切り取り、室温で水中に24時間浸漬させた後40℃24時間乾燥させた。このときの溶出率を重量%で求めた。溶出率が2.0%未満のものを○、2.0%以上のものを×とした。
耐溶剤性
得られたステンシルを3cm四方に切り取り、室温でトルエン中に24時間浸漬させた後40℃24時間乾燥させた。このときの溶出率を重量%で求めた。溶出率が1.0%未満のものを○、1.0%以上のものを×とした。
成分Aに該当する水溶性ポリマーとしては、GH17(重合度=1700、けん化度=88%)を用いた。また、スチリルピリジニウム基で置換されたポリビニルアルコール(PVA−SbQ)は常法に従い、以下のようにして製造した。GH17の水溶液に1‐メチル‐4‐(ホルミルフェニル)ピリジニウムメトサルフェートを溶解してリン酸で酸性としてアセタール化反応に供し、中和処理を施すことによってスチリルピリジニウム基が1.2モル%付加したPVA‐SbQの15%水溶液を得た。
GH17の水溶液を攪拌しながら、イルガキュア系光重合開始剤を溶解した成分BであるDMAEA、および、成分CであるPE3Aの混合液を添加し、感光性組成物を水性エマルジョン液として得た。こうして調製した感光性組成物の各成分の配合量を実施例として表1にまとめる。上述の方法に従って、これらの感光性組成物をポリエステル繊維製300メッシュ上に乾燥塗膜を形成してフォトマスク越しにメタルハライドランプで照射した後、水現像を行った。その結果、良好な画像を得ることができた。また、ポリエステルフィルム上に設けた塗膜にフォトマスク越しに露光し、ついで水現像を行うことにより、レリーフ画像が形成されることを確認した。以上の結果も表1にまとめる。
ポリビニルアルコール(GH17)の水溶液を攪拌しながら、これにイルガキュア系光ラジカル重合開始剤を溶解した成分CであるPE3AあるいはTMPTAのみを添加して水性エマルジョン液を得た。こうして調製した組成物を比較例として表1にまとめる。実施例1〜3と同様にしてポリエステル繊維製300メッシュ上に設けた乾燥塗膜をフォトマスク越しに露光し、水現像を行った。いずれも水現像によって塗膜が流れ落ちるか、あるいは、一部不溶化物が生成したものの、明瞭な画像形成が認められなかった。結果を表1にまとめる。
ポリビニルアルコール(GH17)の水溶液を攪拌しながら、これに光重合開始剤を溶解した成分BであるDMAEAあるいはDMPAと成分Cであるモノマーの混合液を添加し、感光性組成物を水性エマルジョン液として得た。こうして調製した感光性組成物の各成分の配合量を実施例4〜7として表2にまとめる。上述の方法に従って、これらの感光性樹脂組成物をポリエステル繊維製300メッシュ上に乾燥塗膜を形成してフォトマスク越しにメタルハライドランプで照射したのち、水現像を行った。その結果、良好な画像を得ることができた。また、ポリエステルフィルム上に設けた塗膜にフォトマスク越しに露光し、ついで水現像を行うことにより、レリーフ画像が形成されることを確認した。以上の結果も表2にまとめる。
ポリビニルアルコール(GH17)の水溶液を攪拌しながら、これに光重合開始剤を溶解した成分CであるPE3AあるいはTMP3Aを添加して水性エマルジョン液を得た。こうして調製した組成物を比較例として表2にまとめる。実施例1〜3と同様にしてポリエステル繊維製300メッシュ上に設けた乾燥塗膜をフォトマスク越しに露光し、水現像を行った。いずれも水現像によって塗膜が流れ落ちるか、あるいは、一部不溶化物が生成するものの、明瞭な画像形成が認められなかった。その結果も表2にまとめる。
PE3A;19.38gにDMAEA;1.0g、QTX:0.24g、DMBI:0.24およびMPTE;0.25gを溶解し、この混合物をポリビニルアルコール(GH17);7.9gを水;69.4gに溶解した水溶液に攪拌しながら添加し、感光性組成物を水性エマルジョン液として得た。これをステンレス製300メッシュ上に塗布乾燥して得た塗膜をフォトマスク越しにメタルハライドランプで照射したのち、水現像を行った。その結果、良好な画像を得ることができた。
PE3A、EGDAあるいはHEAを撹拌しながら所定量のDAAを添加し、混合物の温度を24時間60℃に保って反応を完結させた。ついで、光重合開始剤を含有する成分Cであるモノマーと混合した後、この混合物をGH17の水溶液に攪拌しながら添加して感光性組成物を水性エマルジョン液として得た。こうして調製した感光性組成物の各成分の配合量を実施例として表3にまとめる。上述の方法に従って、これらの感光性組成物をポリエステル繊維製300メッシュ上に乾燥塗膜を形成してフォトマスク越しにメタルハライドランプで照射したのち、水現像を行った。その結果、良好な画像を得ることができた。また、ポリエステルフィルム上に設けた塗膜にフォトマスク越しに露光し、ついで水現像を行うことにより、レリーフ画像が形成されることを確認した。以上の結果も表3にまとめる。
GH17あるいはPVA−SbQの15重量%水溶液を攪拌しながら、これに光重合開始剤を溶解した成分BであるDMAEAと成分Cであるモノマーとの混合液を添加して水性エマルジョン液を得た。こうして調製した感光性組成物に水性ポリマーエマルジョンならびに顔料分散液を撹拌しながら添加し、感光性組成物を得た。これらの各成分の配合量を表4にまとめる。ポリエステルフィルム上に設けた塗膜にフォトマスク越しに露光し、ついで水現像を行うことにより、レリーフ画像が形成されることを確認した。以上の結果を表4まとめる。
実施例3、8、11および13で調製した感光性組成物をポリエステル繊維製300メッシュ上に乾燥塗膜を形成してフォトマスク越しにメタルハライドランプで照射したのち、水現像を行った。こうして得たステンシルの耐水性および耐溶剤性を評価した結果を表5にまとめる。
実施例3で調製した組成物をポリエステル支持フィルム上に塗布、乾燥させて20μmの感光性フィルムとした。ポリエステル繊維製300メッシュスクリーンを水で湿潤させてから、この感光性フィルムに圧着して貼りつけ、40℃で乾燥を行ってスクリーン製版材料とした。この感光層に密着させたフォトマスク越しにメタルハライドランプで照射した後、スプレイガンで水を吹き付けて現像し、ついで乾燥してステンシルを得た。耐水性、耐溶剤性ともに良好な結果を得た。同様にして、実施例8、11および14で得た組成物から感光性フィルムを調製し、これをポリエステルメッシュスクリーンに貼り付けでマスク越しに露光し、水現像、乾燥を行ってステンシルを得た。これらも良好な耐水性および耐溶剤性を示した。
比較例3、4および7で得た感光性組成物エマルジョンをポリエステル繊維製300メッシュ上に乾燥塗膜を形成してフォトマスク越しにメタルハライドランプで照射したのち、水現像を行った。いずれの場合も、水現像によって露光部はほとんど流れ落ちるか、あるいは、剥がれ落ちるため、ステンシルとしての形成は認められず、耐水性および耐溶剤性の評価を行うことができなかった。以上の結果も表5にまとめる。
実施例5で得た感光性組成物をポリエステル支持フィルム上に塗布して50μmのフィルムとし、これを40℃で4時間乾燥して感光性フィルムとした。8mmの厚さのガラス板表面をスポンジで濡らしてから感光性フィルム層を圧着させて貼り付けて60℃で1時間乾燥させた後、支持フィルム上にフォトマスクを密着させて3KWメタルハライドランプで1メートルの距離から照射した。ついで、ポリエステルフィルムを剥離してからスプレイガンで水を吹き付けて現像し、未露光部を除去してリレーフパターンを得た。このガラス板をサンドブラスト機内に設置し、アルミナ#80の研磨剤を圧縮空気圧4kg/cm3の条件下で噴射してブラスト彫刻を行った。その結果、樹脂層に被覆されたガラス表面は研磨されることはなく、フォトマスクに忠実なサンドブラスト画像が得られた。サンドブラスト終了後にガラス板を水に浸漬し、樹脂層を剥離除去した。
実施例5で得た感光性組成物をポリエステルフィルム上の塗布、乾燥して25μmの感光フィルムとし、これを水で湿潤させた紙フェノール樹脂を基板とする銅張り積層板上に圧着させて貼り付け、70℃で30分間乾燥させた。フォトマスク越しに3KWハロゲンランプを用いて4分間露光してから支持フィルムを剥離し、スプレイガンで水を吹き付けて現像し、未露光部を除去してレリーフパターンを得た。これを5%の塩化第二鉄の水溶液に室温で浸漬してエッチングを行った後、水洗してから2%の過ヨウ素酸ナトリウム水溶液に3分間浸漬してレジスト層を剥離した。その結果、フォトマスクに忠実な銅パターンを得た。
Claims (14)
- 下記の成分A〜Dを含んでなる感光性樹脂組成物であって、
下記の成分Aの水溶液中に、成分Bおよび成分Cの混合物が成分Dの存在下で乳化分散してなることを特徴とする、感光性樹脂組成物。
成分A:水溶性ポリマー、
成分B:少なくとも一つのアミノ基で置換されたエチレン性不飽和結合を有する化合物、
成分C:少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物(但し、上記の成分Bに該当する化合物を除く)、
成分D:光ラジカル重合開始剤もしくは光ラジカル重合開始系。 - 前記の成分Aが、けん化度65〜99モル%のポリビニルアルコール系重合体、水溶性エチレン‐ビニルアルコール系共重合体、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよび水溶性ナイロンからなる群から選ばれる少なくとも1種類の水溶性ポリマーである、感光性樹脂組成物。
- 前記の成分Aが、下記の一般式(1)で表わされるスチリル基で置換された4級化窒素からなる複素環あるいはそれら複素環のベンゼン縮合環単位を0.5モル%〜5モル%含有するポリビニルアルコール系重合体あるいはエチレン‐ビニルアルコール系共重合体である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記の成分Bが、(メタ)アクリレートあるいは(メタ)アクリルアミドの(メタ)アクリロイル基にジアリルアミンをマイケル付加反応させて得られるエチレン性不飽和化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記の成分Aに対する成分Bおよび成分Cを合算した配合割合が、重量部比で1:0.3から1:8の範囲にある、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記の成分Bに対する成分Cの割合が、重量部比で1:2から1:20の範囲にある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- さらに、シランカップリング剤を含んでなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- さらに、水性ポリマーエマルジョンを含んでなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- さらに、無機粒子または/および有機粒子を含んでなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- プラスチックフィルムと、請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物とを含んでなることを特徴とする、感光性フィルム。
- スクリーンメッシュと、請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物とを含んでなることを特徴とする、スクリーン印刷用版材。
- 請求項10に記載の感光性フィルムと、スクリーンメッシュとを含んでなることを特徴とする、スクリーン印刷用版材。
- 請求項11または12に記載のスクリーン印刷用版材に光によって潜像を描画し、ついで、水現像および乾燥して成ることを特徴とする、スクリーン印刷用ステンシル。
- 請求項10に記載の感光性フィルムと、基材とを含んでなることを特徴とする、感光性レジストフィルム。
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