JP2017002706A - デッキ材およびこれを用いたデッキ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】水はけ性の良好なデッキ材およびこれを用いたデッキ構造を提供する。【解決手段】デッキ材1は、上面2と、上面2の幅方向両端に連設され、外側ほど高さが低くなるように傾斜した傾斜面5とを備え、上面2および傾斜面5の算術平均粗さRaは、3.0μm以上、好ましくは3.0μm以上30μm以下、より好ましくは4.5μm以上20μm以下に設定される。また、デッキ構造は、当該デッキ材1と、デッキ材1を下から支持する支持フレーム10と、支持フレーム10を地盤Eに固定する台座部20とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、屋外に設置されるデッキ材、およびこれを用いたデッキ構造に関する。
従来から、テラス、ベランダ、遊歩道(ボードウォーク)、ベンチなどの屋外の構造物において、木材や合成樹脂などの適宜の材質により形成された板状のデッキ材が使用されている。
例えば、下記特許文献1には、成形の自由度が高くかつ天然木に近い風合い(木質感)をもったデッキ材を得るために、木粉が配合された合成樹脂を原料として、押出成形や射出成形によりデッキ材を成形することが開示されている。
特開2009−243208号公報
上記特許文献1のような木粉配合樹脂製のデッキ材においては、木粉の配合比率が高いほど、より天然木に近い風合いが得られることになる。しかしながら、木粉の配合比率が高すぎると、降雨などによってデッキ材が濡れた場合に、木粉が多量の水を吸収して膨潤し、当該膨潤によってデッキ材の反り変形などが生じることが懸念される。したがって、デッキ材の形状安定性という観点からは、木粉の配合比率は低い方が望ましいといえる。
一方で、デッキ材は、その上を人が歩行あるいは腰掛ける部材であるため、例えば雨上がり後に早期に乾燥するように、水はけ性が良好であることが求められる。この点、上記のように木粉の配合比率を低下させた場合には、木粉による吸水力が低下するため、デッキ材の上面に長期間に亘って水が残存し、水はけ性が悪化するという問題がある。
なお、当然ながら、水はけ性の問題は、上記特許文献1のような木粉配合樹脂製のデッキ材に限らず、種々の材質のデッキ材において同様に解決されるべきものである。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、水はけ性の良好なデッキ材およびこれを用いたデッキ構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明は、屋外に設置され、所定方向に延びる板状のデッキ材であって、上面と、当該上面の幅方向両端に連設され、外側ほど高さが低くなるように傾斜した傾斜面とを備え、前記上面および傾斜面の算術平均粗さRaが3.0μm以上に設定された、ことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明のデッキ材によれば、その上面および傾斜面がRa≧3.0μmにまで粗面化されているため、仮に降雨等によって上面に多量の水が付着したとしても、この付着した水が上面の上で拡散し易くなるとともに、当該傾斜面に連設された傾斜面を通じて外部に排出され易くなる。これにより、デッキ材の上面が乾燥し易くなり、屋外に設置するのに好適な水はけ性のよいデッキ材を得ることができる。
前記上面および傾斜面の算術平均粗さRaは、3.0μm以上30μm以下に設定されることが好ましい(請求項2)。
このように、上面および傾斜面の表面粗さの上限をRa≦30μmとした場合には、デッキ材の外観や触感が損なわれるのを回避でき、商品性を良好に維持しながらデッキ材の水はけ性を向上させることができる。
前記上面および傾斜面の算術平均粗さRaは、4.5μm以上20μm以下に設定されることがより好ましい(請求項3)。
このようにすれば、デッキ材の外観や触感を良好にしながら、水はけ性をさらに向上させることができる。
本発明のデッキ材において、好ましくは、少なくとも前記上面および傾斜面を形成する部分が、合成樹脂に木粉を配合した木粉配合樹脂により構成される(請求項4)。
このようにすれば、デッキ材の上面および傾斜面(つまり目視される部分)に木質感を付与することができ、商品性を向上させることができる。しかも、上面および傾斜面が粗面化されており、それによる表面の凹凸が木質感を向上させる結果、木粉の配合比率をそれほど高めなくても、上面および傾斜面の木質感を十分に確保することができる。また、木粉の配合比率を小さくできるので、デッキ材に多量の水が付着してそれが木粉に吸収されたとしても、当該木粉の膨潤によってデッキ材が反り変形するような悪影響が生じるのを回避でき、水付着時のデッキ材の形状安定性を高めることができる。
前記デッキ材は、より好ましくは、木粉配合樹脂製の基材と、当該基材を覆うとともに前記上面および傾斜面を構成する木粉配合樹脂製の表層材とを備える。この場合、前記基材における木粉の配合比率よりも、前記表層材における木粉の配合比率の方が小さくされる(請求項5)。
このように、直接水に触れない基材の木粉配合比率を、これを覆う表層材の木粉配合比率よりも大きくした場合には、水付着時のデッキ材の形状安定性を確保しつつ、デッキ材全体として比較的多くの木粉を含有させることができ、例えば廃棄木材等から作られる木粉の有効利用を図ることができる。
ここで、傾斜面を通じた水の排出を促す観点から、前記傾斜面の幅は、1.5mm以上5mm以下に設定することが好ましく、より好ましくは2mm以上4mm以下である。また、同様の理由により、水平面に対する前記傾斜面の傾斜角度は、20°以上70°以下に設定することが好ましく、より好ましくは30°以上60°以下である(請求項6,7)。
また、本発明は、屋外に設置され、所定方向に沿って延びる複数の凹溝が上面に形成された板状のデッキ材であって、前記各凹溝は、凹溝以外の領域に形成される複数の凸条の上面である凸端面から下方に落ち込む一対の溝側面と、各溝側面の下端どうしをつなぐ溝底面とにより区画された溝であり、前記溝底面は、前記所定方向の端部に、終端に近づくほど高さが低くなるように傾斜するとともに当該端部以外の領域よりも表面が粗くされた傾斜粗面部を有する、ことを特徴とするものである(請求項8)。
本発明によれば、所定方向に延びる複数の凹溝がデッキ材の上面に形成されているため、仮に降雨等によりデッキ材の上面に水が付着したとしても、その水が凹溝内に流下することにより、凹溝以外の領域(凸条)の上面である凸端面から水が除去され易くなり、人が直接触れる凸端面の乾燥を促進することができる。しかも、各凹溝の溝底面における前記所定方向の端部には、終端に近づくほど高さが低くなるように傾斜しかつ表面が粗くされた傾斜粗面部が形成されているため、凹溝内に比較的多くの水が溜まった場合でも、その水は、溝底面の端部から傾斜粗面部を通じて容易に外部に排出される。これにより、凹溝内に長期間に亘って水が残存するのを回避でき、屋外に設置するのに好適な水はけ性のよいデッキ材を得ることができる。
前記溝側面は、好ましくは、前記所定方向の端部に、当該端部以外の領域よりも表面が粗くされた粗面部を有する(請求項9)。
この構成によれば、凹溝内に溜まった水を外部に排出する効果をより高めることができる。
前記凸端面は、好ましくは、前記溝底面における前記傾斜粗面部以外の領域よりも粗い面に形成される(請求項10)。
この構成によれば、凸端面に付着した水の拡散性が高まるので、凸端面上の水を確実に凹溝内に流下させることができ、凸端面の乾燥をより促進することができる。
また、本発明は、前記デッキ材と、前記デッキ材を下から支持する支持フレームと、前記支持フレームを地盤に固定する台座部とを備えたデッキ構造を提供する(請求項11)。
本発明によれば、水はけ性のよいデッキ材を備えた屋外向きのデッキ構造を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、デッキ材の一部を粗面化するという簡単な方法により、デッキ材およびデッキ構造の水はけ性を改善することができる。
本発明の第1実施形態にかかるデッキ構造を示す斜視図である。 上記デッキ構造の正面図である。 上記デッキ構造に用いられるデッキ材を単体で示す斜視図である。 上記デッキ材の断面図である。 上記デッキ材の水はけ性を評価するために行った実験の結果を示す表である。 上記デッキ材に付着した水の接触角を表現した説明図である。 本発明の第2実施形態にかかるデッキ構造を示す斜視図である。 上記デッキ構造に用いられるデッキ材を単体で示す斜視図である。 上記デッキ材の断面図である。 図8の一部拡大図である。 図9の一部拡大図である。 図11のXII−XII線に沿った断面図である。 上記第2実施形態の変形例を説明するための図12相当図である。
<第1実施形態>
(1)デッキ構造の説明
図1および図2は、本発明の第1実施形態にかかるデッキ構造を示している。本図に示されるデッキ構造は、例えば屋外においてテラスもしくは遊歩道(ボードウォーク)として使用されるものであり、床面を形成する複数のデッキ材1と、デッキ材1を下から支持する支持フレーム10と、支持フレーム10を地盤Eに支持する複数の台座部20とを備えている。
支持フレーム10は、矢印Xに示す方向(以下、所定方向Xという)に延びる複数の縦材11と、縦材11の上側において所定方向Xと直交する方向に延びるように配設された複数の横材12とを有している。縦材11および横材12は、それぞれ上向きに突出した断面ハット型の鋼材からなり、互いに直角に交差するように井桁状に組み合わされた状態でネジ部材13(図2)により互いに結合されている。
台座部20は、地盤Eに埋設された図外の基礎コンクリートから上方に突設されたアンカーボルト21と、アンカーボルト21に螺着された複数のナット22と、ナット22の上側に配置されたベースプレート23とを有している。ベースプレート23には、支持フレーム10の縦材11がネジ部材24により固定されている。
デッキ材1は、一定の幅をもって所定方向Xに延びるように形成された板状の部材である。デッキ材1は、複数用意されて支持フレーム10の上面に敷設されている。具体的に、複数のデッキ材1は、その長手方向(所定方向X)に互いに平行に延び、かつ幅方向(Xと直交する方向)に互いに隣接するように並べられた状態で支持フレーム10の上面に取り付けられている。
各デッキ材1は、隣接する2つのデッキ材1の間で共用されるネジ部材30および取付具31(図2)により支持フレーム10の横材12に固定されている。後でも説明するように、デッキ材1の左右の側面4にはそれぞれ溝部4aが形成されており、互いに対向する2つのデッキ材1の各溝部4aに取付具31が共通に挿入されている。そして、当該取付具31に上から挿入されたネジ部材30が横材12に締結されることにより、デッキ材1が支持フレーム10に固定されている。
(2)デッキ材の説明
次に、主に図3および図4を用いて、デッキ材1の詳細構造について説明する。本図に示すように、デッキ材1は、内部に空間(後述する複数の閉空間S)を有する中空状の部材であり、その断面は全体として扁平な矩形状を呈している。すなわち、デッキ材1は、水平面に沿って形成された平坦な上面2および下面3と、鉛直面に沿って形成された左右一対の側面4とを有している。
上面2の幅方向両端と左右の側面4との間には、外側ほど(側面4に近づくほど)高さが低くなるように傾斜した傾斜面5が形成されている。また、下面3の幅方向両端と左右の側面4との間には、内側ほど(側面4から離れるほど)高さが低くなるように傾斜した下側傾斜面6が形成されている。
図4に示すように、傾斜面5の水平面に対する傾斜角度θは、20°以上70°以下、より好ましくは30°以上60°以下(例えば45°)に設定される。また、傾斜面5の幅wは、1.5mm以上5mm以下、より好ましくは2mm以上4mm以下(例えば3mm)に設定される。傾斜面5の傾斜角度θおよび幅wをこのような数値範囲に設定するのは、上面2に付着した水が傾斜面5を通じて排出され易くするためである。
一方、下側傾斜面6については、上面2に付着した水の排出とは無関係であるため、特にその傾斜角度や幅についての限定は受けない。このため、例えば下側傾斜面6の幅を傾斜面5の幅wよりも小さくしてもよい。場合によっては、下面3との側面4とが交差する角部に最小限の面取り(糸面取り)だけを施して、実質的に下側傾斜面6の形成を省略してもよい。
上面2および傾斜面5は、デッキ材1の他の面(側面4、下面3、および下側傾斜面6)に比べて粗い面とされている。具体的に、上面2および傾斜面5の表面粗さは、算術平均粗さRaで3.0μm以上30μm以下、より好ましくは4.5μm以上20μmに設定される。このように上面2および傾斜面5が粗面化されるのは、親水性を高めて傾斜面5からの排水を促進するためである。
左右の側面4には、デッキ材1の幅方向中心側に凹入した溝部4aがそれぞれ形成されている。各溝部4aは、上面2と下面3との間の一定の高さ位置において、デッキ材1の一端面から他端面にかけて長手方向(所定方向X)に延びるように形成されている。この溝部4aには、デッキ材1を支持フレーム10に固定する際に使用される上述した取付具31(図2)が挿入される。
当実施形態において、デッキ材1は2層構造とされている。すなわち、デッキ材1は、基材1Bと、基材1Bを覆う表層材1Aとを一体に有している。
基材1Bは、断面視で上下方向に延びる複数の区画壁Kによって内部が仕切られた梯子状の中空断面を有している。すなわち、基材1Bは、その内部に、隣接する区画壁Kの間に形成された複数の閉空間Sを有している。各閉空間Sは、区画壁Kを挟んで幅方向に並ぶとともに、基材1Bを長手方向に貫通するように設けられている。
表層材1Aは、基材1Bの長手方向の両端面と下面とを除いた大部分の外面を覆うように設けられている。上述したデッキ材1の上面2、側面4、傾斜面5、及び下側傾斜面6は、表層材1Aの表面によって形成されており、デッキ材1の下面3は、基材1Bの下側の露出面(表層材1Aに覆われていない部分)によって形成されている。
基材1Bおよび表層材1Aは、ともに、合成樹脂に木粉を配合した木粉配合樹脂により構成されている。例えば、基材1Bとして、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂またはABS樹脂に木粉を配合したものを好適に使用可能であり、表層材1Aとして、ASA樹脂に木粉を配合したものを好適に使用可能である。もちろん、ここで挙げた合成樹脂の種類は好ましい例示に過ぎず、これ以外の種々の合成樹脂を使用可能である。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、EVA樹脂、ポリスチレンなどが使用可能である。木粉についても、木材を細かくしたものであれば特に種類を問わず使用可能である。
ただし、基材1Bと表層材1Aとでは木粉の配合比率が異なり、表層材1Aにおける木粉の配合比率の方が基材1Bのそれよりも高い値に設定されている。具体的に、基材1Bにおける木粉の配合比率は、20%以上80%以下(例えば30%)に設定され、表層材1Aにおける木粉の配合比率は、5%以上30%以下、より好ましくは5%以上20%以下(例えば10%)に設定される。
なお、基材1Bおよび表層材1Aには、木粉以外にも種々の成分を配合し得る。例えば、木質感を演出するための着色顔料の他、発泡剤や紫外線吸収剤、難燃剤、もしくは帯電防止剤等の種々の添加剤を配合することができる。
以上のような構造のデッキ材1は、例えば共押出成形により製造することが可能である。すなわち、基材1Bの原料と表層材1Aの原料とを溶融したものを別々の押出ヘッドから1つの金型内に押出すことにより、基材1Bと表層材1Aとを一体に有する二層構造のデッキ材1を製造することができる。なお、このときの押出方向は、デッキ材1の長手方向(所定方向X)に一致する。また、押出成形後の表層材1Aの厚み(粗し加工前の厚み)は、0.5〜3mmに設定される。
上記のような押出成形の後、表層材1Aに対して粗し加工を行うことにより、デッキ材1の上面2および傾斜面5をRa=3.0〜30μm(好ましくは4.5〜20μm)の粗面に形成する。例えば、高速で巻回駆動される無端状のサンディングベルト(研磨シート)を備えたベルトサンダーを用いて、表層材1Aの上面2および傾斜面5に対し粗し加工を行う。このとき、ベルトサンダーは、サンディングベルトが表層材1Aに対し長手方向(所定方向X)と平行に摺接するような姿勢で使用される。
なお、当然ながら、粗し加工に用いられる工具はベルトサンダーに限られない。例えば、バフ研磨機やディスクグラインダー等を用いて粗し加工を行ってもよい。特に、傾斜面5は上面2に比べて面積が小さいため、回転工具の先端に金属ブラシを取り付けたものを用いて傾斜面5を粗し加工したり、サンドペーパを用いて手作業で傾斜面5を粗し加工してもよい。
以上説明した第1実施形態のデッキ材1によれば、上面2および傾斜面5がRa≧3.0μm(好ましくはRa≧4.5μm)にまで粗面化されているため、仮に降雨等によって上面2に多量の水が付着したとしても、この付着した水が上面2の上で拡散し易くなるとともに、当該上面2に連設された傾斜面5を通じて外部に排出され易くなる。これにより、デッキ材1の上面2が乾燥し易くなり、屋外に設置するのに好適な水はけ性のよいデッキ材1を得ることができる。
また、上面2および傾斜面5の表面粗さの上限がRa≦30μm(好ましくはRa≦20μm)とされているため、デッキ材1の外観や触感が損なわれるのを回避でき、商品性を良好に維持しながらデッキ材1の水はけ性を向上させることができる。
また、上記第1実施形態では、デッキ材1が基材1Bおよび表層材1Aからなる二層構造とされているとともに、これら基材1Bおよび表層材1Aが、ともに木粉配合樹脂によって構成されているので、表層材1Aにおける目視される部分(つまり上面2および傾斜面5)の木質感を損ねることなく、表層材1Aの木粉配合比率を比較的小さくでき、それによって水付着時の形状安定性を十分に確保することができる。
すなわち、上記第1実施形態では、デッキ材1の上面2および傾斜面5が粗面化されているので、それによる表面の凹凸が木質感を向上させる結果、上面2および傾斜面5を構成する表層材1Aの木粉配合比率をそれほど高めなくても(例えば10%程度にまで低下させても)、上面2および傾斜面5の木質感を十分に確保することができる。また、表層材1Aの木粉配合比率を小さくできるので、表層材1Aに多量の水が付着してそれが木粉に吸収されたとしても、当該木粉の膨潤によってデッキ材1が反り変形するような悪影響が生じるのを回避でき、水付着時のデッキ材1の形状安定性を高めることができる。
一方、上記第1実施形態では、表層材1Aに覆われている(そのために水に濡れる心配のない)基材1Bについては、表層材1Aよりも木粉配合比率が高くされているため(例えば30%)、デッキ材1全体として比較的多くの木粉を含有させることができ、例えば廃棄木材等から作られる木粉の有効利用を図ることができる。
なお、上記第1実施形態では、デッキ材1の幅方向の端部の上面(上面2と側面4との間)に粗面化された傾斜面5を形成したが、当該傾斜面5と同様の粗面化された傾斜面を、デッキ材1の長手方向(所定方向X)の端部の上面に追加で形成してもよい。
(3)実験
次に、上記第1実施形態のデッキ材1による水はけ性の改善効果を確認するために行った実験について、図5を用いて説明する。図5は、表面粗さや材質の異なる種々のデッキ材を実施例1〜4および比較例1〜3として用意し、それらの水はけ性を比較する実験を行った結果を示した表である。
(実施例1)
実施例1として、図1〜図4に示したような二層構造のデッキ材を、幅145mmで長さ1mのテストピースに加工したものを用意した。傾斜面5の傾斜角度θは45°、幅wは3mmとした。表層材1Aにおける木粉の配合比率は10%、基材1Bにおける木粉の配合比率は30%とした。そして、サンドペーパを用いて傾斜面5を粗し加工するとともに、ベルトサンダーを用いて上面2を粗し加工することにより、傾斜面5の表面粗さ(算術平均粗さ)をRa=3.0μm、上面2の表面粗さをRa=7.2μmとした。
(実施例2)
実施例2として、実施例1と同じ形状・構造のデッキ材のテストピースを用意した。ただし、実施例1と異なり、傾斜面5の表面粗さをRa=4.6μmとした(上面2は同じくRa=7.2μm)。
(実施例3)
実施例3として、実施例1と同じ形状・構造のデッキ材のテストピースを用意した。ただし、実施例1と異なり、傾斜面5の表面粗さをRa=7.4μmとした(上面2は同じくRa=7.2μm)。
(実施例4)
実施例4として、実施例1と同じ形状・構造のデッキ材のテストピースを用意した。ただし、実施例1と異なり、傾斜面5の表面粗さをRa=15.9μmとした(上面2は同じくRa=7.2μm)。また、傾斜面5の粗し加工には、サンドペーパではなく金属ブラシを使用した。
(比較例1)
比較例1として、実施例1と同じ形状・構造のデッキ材のテストピースを用意した。ただし、実施例1と異なり、傾斜面5の表面粗さをRa=1.2μmとした(上面2は同じくRa=7.2μm)。
(比較例2)
比較例2として、実施例1と同じ形状・構造のデッキ材のテストピースを用意した。ただし、実施例1と異なり、傾斜面5の表面粗さをRa=7.4μmとし、かつ上面2の表面粗さをRa=0.7μmとした。すなわち、傾斜面5のみを粗し加工して上面2には粗し加工をしないことにより、傾斜面5をRa=7.4μmの粗面とする一方、上面2は押出成形後の素の面(Ra=0.7μm)のままとした。
(比較例3)
比較例3として、木粉が50%の比率で配合された木粉配合樹脂からなる単層構造のデッキ材を、実施例1と同じく幅145mmで長さ1mのテストピースに加工したものを用意した。この比較例3も、実施例1〜4と同様の(図1〜図4に示した上面2および傾斜面5と同様の)上面および傾斜面を有している。ただし、上面のみに粗し加工を行い、傾斜面への粗し加工は特に行わなかった。その結果、傾斜面の表面粗さはRa=0.7μm、上面の表面粗さはRa=5.0μmとなった。
なお、以上の実施例および比較例において、表面粗さ(算術平均粗さRa)の測定には、株式会社東京精密製の「handysurf E−35A」という機種のモバイル型表面粗さ測定器を使用した。測定条件としては、カットオフ値を2.5mm、評価長さを12.5mmとし、デッキ材1の長手方向(所定方向X)に沿って測定器のピックアップを移動させることにより測定を行った。
(水はけ性の評価)
図5において、水はけ性の欄に記載した「〇」「◎」「×」は、水はけ性の良し悪しを表している。具体的に、水はけ性の評価は、デッキ材の上面に30分間にわたって散水し、散水完了後1時間が経過した時点での上面の乾き度合を観察することにより行った。そして、1時間経過後に上面からほとんど水がなくなった(乾いた)場合の水はけ性を「◎」(良好)、少々の水が残った場合の水はけ性を「〇」(良)、多くの水が残った場合の水はけ性を「×」(不可)と評価した。
図5によれば、最も水はけ性が良いのは評価が「◎」の実施例2、実施例3、および実施例4であり、その次に水はけ性が良いのは評価が「〇」の実施例1および比較例3であった。一方、最も水はけ性が悪かったのは評価が「×」の比較例1および比較例2であった。
(4)考察
次に、図5のような実験結果が得られた理由等について考察する。まず、実施例1〜4と比較例1とを対比すると、同じ材質および構造(図1〜図4参照)をもったデッキ材1であるにもかかわらず、上面2または傾斜面5の表面粗さの相違によって水はけ性に有意な差が生じていることが分かる。
例えば、傾斜面5の表面粗さがRa=1.2μmである比較例1では水はけ性が「×」(不可)であるのに対し、傾斜面5の表面粗さをRa=3.0μmにまで粗くした実施例1では水はけ性が「〇」(良)になり、さらに表面粗さを粗くした実施例2〜4(Ra=4.6/7.4/15.9μm)では水はけ性が「◎」(良好)になっている。このことから、散水後1時間程度で概ね乾くような水はけ性をデッキ材1に付与するには、少なくとも傾斜面5の表面粗さをRa=3.0μm以上にする必要があるといえる。
ただし、比較例2では、傾斜面5がRa=7.4μmの粗面であるにもかかわらず、水はけ性が「×」(不可)となっている。これは、上面2がRa=0.7μmの平滑面であったためと考えられる。すなわち、上面2が平滑面であれば、上面2に付着した水が水玉状に形成され易いため、上面2の上を水が拡散し難くなる。これにより、上面2に付着した水が傾斜面5まで移動し難くなるので、傾斜面5を通じた水の排出が起き難くなる結果、水はけ性に改善が見られなかったものと考えられる。
逆に、比較例1では、上面2がRa=7.2μmの粗面であるにもかかわらず、傾斜面5の表面粗さがRa=1.2μmと小さいため、やはり水はけ性が「×」(不可)となっている。これは、上面2の粗面化により水が拡散し易くなったとしても、傾斜面5が十分に粗くなければ、上面2から傾斜面5へとスムーズに水が流れなくなり、上面2と傾斜面5との境界部で水が留まり易くなるためと考えられる。
以上のことから、デッキ材1の水はけ性を改善するには、上面2および傾斜面5の両方が粗面である必要があり、片方だけが粗面であっても水はけ性は改善されないことが分かる。水はけ性を改善するための上面2および傾斜面5の表面粗さの下限は、評価が「〇」であった実施例1における傾斜面5の表面粗さの値から、Ra=3.0μmであると予想される。また、より好ましい表面粗さの下限は、評価が「◎」であった実施例2における表面粗さの値から、Ra=4.5μmであると予想される。以上の検討結果に基づいて、上述した本発明の第1実施形態では、デッキ材1の上面2および傾斜面5の表面粗さを、ともにRa≧3.0μm(好ましくはRa≧4.5μm)としている。なお、実施例1,2では、上面2の表面粗さがRa=7.2μmとされているが、本来、上面2の表面粗さの下限と傾斜面5の表面粗さの下限との間に特に差は生じないと考えられるため、上記第1実施形態では、上面2および傾斜面5ともに、同一の表面粗さの下限値を採用した。
ここで、上面2および傾斜面5を粗くすることが水はけ性の改善につながった理由についてより詳しく考察する。表層材1Aの材質は木粉配合樹脂であり、かつその表面には特に撥水処理が施されていないため、図6に示すように、表層材1Aに水が接触したとき、その接触角α(水の界面と接触面とのなす角度)は90°未満になる。つまり、表層材1Aは基本的に親水性を有する。しかしながら、表層材1Aの表面が平滑過ぎると、接触角αが大きくなって90°に近くなり、表層材1Aに付着した水が水玉状に形成され易くなる。このことは、表層材1Aに付着した水が水玉形状を保ったまま同じ場所に留まり易くなることを意味する。
これに対し、表層材1Aの表面を粗くすると、接触角αが小さくなり、親水性が高くなる。このことは、水玉を壊れ易くし、表層材1Aに付着した水を周囲に拡散し易くする。上面2および傾斜面5がともに粗くされた(Ra≧3.0μmとされた)実施例1〜4において水はけ性が「〇」(良)もしくは「◎」(良好)であったのは、このような粗面化による親水性の向上が原因であると考えられる。すなわち、上面2が粗面とされることにより、上面2に付着した水が容易に周囲に拡散するようになり、傾斜面5まで水が移動し易くなる。また、傾斜面5が同じく粗面とされることにより、上面2と傾斜面5との境界で水が留まることが回避されるので、当該傾斜面5に沿って水が落下し易くなる結果、排水性が向上する。
ここで、比較例3では、傾斜面がRa=0.7μmの平滑面であるにもかかわらず、水はけ性が「〇」(良)となっている。これは、比較例3の単層構造のデッキ材を構成する木粉配合樹脂に、50%という高い割合で木粉が含有されているためと考えられる。すなわち、木粉の配合比率が50%と高いことにより、デッキ材に付着した水の多くが木粉に吸収される結果、水はけ性が向上したものと考えられる。しかしながら、この比較例3では、水を吸収した木粉が膨潤することにより、デッキ材が反り変形するなどの影響が生じ、水付着時の形状安定性が損なわれることが懸念される。
これに対し、実施例1〜4では、水に直接触れる表層材1Aの木粉配合比率が10%と小さくされているので、上記のような木粉の膨潤による悪影響を回避することができ、水付着時の形状安定性を向上させることができる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、デッキ材1の上面2が平坦面とされていたが、デッキ材の上面は平坦面に限られず、凹凸面であってもよい。次に、その一例を本発明の第2実施形態(図7〜図12)として説明する。
図7〜図12に示される第2実施形態では、多数の凹溝60が上面52に形成されたデッキ材51が用いられる。デッキ材51が敷設される領域には、先の第1実施形態と同様に、縦材11および横材12を井桁状に組み合わせた支持フレーム10と、支持フレーム10を地盤Eに固定する台座部20とが設置され(図7参照)、当該支持フレーム10の上面に複数のデッキ材51が敷設されている。具体的に、複数のデッキ材51は、デッキ材51の長手方向である所定方向Xに互いに平行に延び、かつ幅方向(Xと直交する方向)に互いに隣接するように並べられた状態で支持フレーム10の上面に取り付けられている。
デッキ材51は、多数の凹溝60が形成された凹凸面からなる上記上面52と、上面52と平行に延びる平坦面からなる下面53と、左右一対の側面54と、上面52の幅方向両端と左右の側面54との間に形成された左右一対の傾斜面55と、下面53の幅方向両端と左右の側面54との間に形成された左右一対の下側傾斜面56とを有している。
傾斜面55は、幅方向の外側ほど(側面4に近づくほど)高さが低くなるように傾斜しており、下側傾斜面56は、幅方向の内側ほど(側面4から離れるほど)高さが低くなるように傾斜している。
左右の側面54にはそれぞれ溝部54aが形成されており、この溝部54aには、デッキ材51を支持フレーム10に固定するための図外の取付具(図2に示した取付具31と同様のもの)が挿入される。
デッキ材51は、先の第1実施形態のデッキ材1と同じく二層構造とされ、基材51Bと、基材51Bを覆う表層材51Aとを一体に有している。
基材51Bは、断面視で上下方向に延びる複数の区画壁Kによって内部が仕切られた梯子状の中空断面を有している。すなわち、基材51Bは、その内部に、隣接する区画壁Kの間に形成された複数の閉空間Sを有している。各閉空間Sは、区画壁Kを挟んで幅方向に並ぶとともに、基材51Bを長手方向に貫通するように設けられている。
表層材51Aは、基材51Bの長手方向の両端面と下面とを除いた大部分の外面を覆うように設けられている。上述したデッキ材51の上面52、側面54、傾斜面55、及び下側傾斜面56は、表層材51Aの表面によって形成されており、デッキ材51の下面53は、基材51Bの下側の露出面(表層材1Aに覆われていない部分)によって形成されている。
基材51Bおよび表層材51Aは、先の第1実施形態のもの(基材1Bおよび表層材1A)と同様に、合成樹脂に木粉を配合した木粉配合樹脂により構成されており、表層材51Aにおける木粉の配合比率は、基材51Bのそれよりも高い値に設定されている。
デッキ材51の上面52に形成された複数の凹溝60は、上面52に対応する上側の(基材51Bの上面を覆う部分の)表層材51Aに凹設されている。すなわち、凹溝60の形成領域が基材51Bにまで達しないように、凹溝60の最深部(後述する溝底面62)の深さは、上側の表層材51Aの厚みよりも小さい値に設定されている。
複数の凹溝60は、デッキ材51の長手方向(所定方向X)に沿って互いに平行に延びるとともに、一定のピッチで幅方向(Xと直交する方向)に並ぶように設けられている。凹溝60を除く残余の領域、つまり、隣接する凹溝60の間の部分と、最も幅方向の外側に位置する凹溝60のさらに外側(凹溝60と傾斜面55との間)の部分とには、それぞれ断面視台形の凸条64が形成されている。各凸条64の上面を凸端面65(図10〜図12)とすると、これら複数の凸端面65は、それぞれ長手方向に延びる帯状の(一定幅の)平坦面とされ、凹溝60を挟んで一定のピッチで並ぶように設けられている。
各凹溝60は、図10〜図12に示すように、凸端面65から下方に落ち込む左右一対の溝側面61と、各溝側面61の下端どうしをつなぐ溝底面62とにより区画された溝である。溝側面61は、凸端面65の幅方向の外端から斜め下方に向かうように傾斜しており、これにより、一対の溝側面61の間の距離である凹溝60の幅(溝幅)は、下方ほど狭くなるように(上方ほど広くなるように)設定されている。溝底面62は、凸端面65に対し溝側面61の高さの分だけ低くされた位置において凸端面65と平行に長手方向に延びるように設けられている。
溝底面62の長手方向(所定方向X)の両端部には、終端に近づくほど(つまりデッキ材51の長手方向の端面に近づくほど)高さが低くなるように傾斜した傾斜粗面部62aが形成されている。すなわち、溝底面62に対応する部分の表層材51Aのうち、デッキ材51の長手方向の端面の近傍に位置する部分が、当該端面に近づくほど厚みが小さくなるように形成されることにより、この厚みが漸減された部分の上面が斜め下向きの上記傾斜粗面部62aとして形成されている。また、傾斜粗面部62aには、例えばヤスリ(棒ヤスリ)、マイクログラインダー、サンドペーパ等により粗し加工が施されている。これにより、傾斜粗面部62aは、溝底面62における傾斜粗面部62a以外の領域よりも表面が粗くされている。
傾斜粗面部62aと同様の粗し加工は、溝側面61の長手方向の両端部にも施されている。すなわち、溝側面61の長手方向の両端部には、当該両端部以外の領域よりも表面が粗くされた粗面部61aが形成されている。
当実施形態では、さらに、凹溝60以外の領域(凸条64)の上面である凸端面65と、デッキ材51の左右の傾斜面55とに対しても、その表面を粗くする粗し加工が施されている。ただし、これら凸端面65および傾斜面55には、先の第1実施形態のデッキ材1における上面2および傾斜面5と同様に、ベルトサンダー、バフ研磨機、もしくはディスクグラインダー等を用いた全面的な粗し加工が施されている。すなわち、凸端面65および傾斜面55は、その全面が、溝底面62および溝側面61の主要部分(つまり傾斜粗面部62aおよび粗面部61aを除いた平滑な部分)よりも粗い面に形成されている。
このように、当実施形態では、凹溝60における溝底面62および溝側面61の各端部(傾斜粗面部62aおよび粗面部61a)と、凸端面65と、傾斜面55とが、他の面に比べて粗い面に形成されている。図面(主に図10)では、これら粗面化された部分をグレー着色して示している。
以上説明した第2実施形態のデッキ材51によれば、その上面52に複数の凹溝60が形成されているため、仮に降雨等によりデッキ材51の上面52に水が付着したとしても、その水が凹溝60内に流下することにより、凹溝60以外の領域(凸条64)の上面である凸端面65から水が除去され易くなり、人が直接触れる凸端面65の乾燥を促進することができる。しかも、各凹溝60の溝底面62における長手方向の端部には、終端に近づくほど高さが低くなるように傾斜しかつ表面が粗くされた傾斜粗面部62aが形成されているため、凹溝60内に比較的多くの水が溜まった場合でも、その水は、溝底面62の端部から傾斜粗面部62aを通じて容易に外部に排出される。これにより、凹溝60内に長期間に亘って水が残存するのを回避でき、屋外に設置するのに好適な水はけ性のよいデッキ材51を得ることができる。
また、上記第2実施形態では、凹溝60の溝側面61の端部にも表面が粗くされた粗面部61aが形成されているので、凹溝60内に溜まった水を外部に排出する効果をより高めることができる。
また、上記第2実施形態では、凸端面65が全面的に粗面化されているため、凸端面65に付着した水の拡散性を高めることができ、凸端面65上の水を確実に凹溝60内に流下させることができる。これにより、凸端面65の乾燥をより促進することができる。
なお、上記第2実施形態では、隣接する凹溝60の間に断面視台形の凸条64が形成されるように、下方ほど溝幅が狭くなる断面視略逆台形状の凹溝60を形成したが、凹溝としては、このような形状に限らず、種々の形状のものを採用可能である。例えば、凹溝の溝底面および溝側面をそれぞれ円弧状に形成して両者を滑らかにつなぐことにより、実質的に断面視半円形もしくはこれに近い曲面形状の凹溝を形成してもよい。
また、上記第2実施形態では、凸端面65の長手方向(所定方向X)の端部に傾斜面を形成することについて特に言及しなかったが、例えば図13に示すように、凸端面65の長手方向の端部に面取りを施してその上面を粗し加工する等により、溝底面62の傾斜粗面部62aと同様の傾斜粗面部65aを凸端面65の長手方向の端部に形成してもよい。
また、上記第2実施形態では、デッキ材51の上面52に長手方向(所定方向X)に延びる凹溝60のみを形成したが、例えばデッキ材51の長手方向の寸法がかなり大きい場合には、凹溝60内に溜まるトータルの水量も多くなる結果、凹溝60内に溜まった水を速やかにデッキ材51の端面から(傾斜粗面部62aを通じて)排出することが困難になるおそれがある。そこで、このような場合には、長手方向に延びる上記凹溝60に加えて、幅方向(Xに直交する方向)に延びる少なくとも1つの凹溝(以下、横溝という)を各凹溝60を横断するように形成するとよい。このようにすれば、デッキ材51の長手方向の中間部において凹溝60内に溜まった水を、上記横溝を通じてデッキ材51の幅方向の外側に移動させることができ(最終的には左右の傾斜面55を通じて外部に排出することができ)、比較的長尺なデッキ材であってもその上面の水はけ性を向上させることができる。
<その他の変形例>
上記各実施形態では、梯子状の中空断面を有するデッキ材1(51)を例示したが、本発明のデッキ材は種々の断面形状を有することが可能であり、例えば中実断面を有したデッキ材であってもよい。
上記各実施形態では、基材1Bと表層材1Aとを有する二層構造のデッキ材1(51)を例示したが、本発明のデッキ材は二層構造に限られず、例えば単層構造であってもよい。
上記各実施形態では、所定方向Xに真っ直ぐ延びるようなデッキ材1(51)を例示したが、本発明のデッキ材は直線状に延びるものに限られず、例えば曲線に沿って湾曲しつつ延びるデッキ材であってもよい。また、デッキ材の幅寸法は一定である必要はなく、場所によって異なる幅を有するデッキ材であってもよい。
上記各実施形態では、テラスまたは遊歩道(ボードウォーク)として使用されるデッキ構造(図1、図2)に本発明のデッキ材を適用した例について説明したが、本発明のデッキ材は、テラスや遊歩道に限らず、屋外に設置される種々の構造物に適用可能であり、例えばベランダやベンチなどに本発明のデッキ材を適用してもよい。
1 デッキ材
1A 表層材
1B 基材
2 上面
5 傾斜面
10 支持フレーム
20 台座部
51 デッキ材
52 上面
60 凹溝
61 溝側面
61a 粗面部
62 溝底面
62a 傾斜粗面部
65 凸端面
E 地盤

Claims (11)

  1. 屋外に設置され、所定方向に延びる板状のデッキ材であって、
    上面と、当該上面の幅方向両端に連設され、外側ほど高さが低くなるように傾斜した傾斜面とを備え、
    前記上面および傾斜面の算術平均粗さRaが3.0μm以上に設定された、ことを特徴とするデッキ材。
  2. 請求項1記載のデッキ材において、
    前記上面および傾斜面の算術平均粗さRaが3.0μm以上30μm以下に設定された、ことを特徴とするデッキ材。
  3. 請求項2記載のデッキ材において、
    前記上面および傾斜面の算術平均粗さRaが4.5μm以上20μm以下に設定された、ことを特徴とするデッキ材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のデッキ材において、
    少なくとも前記上面および傾斜面を形成する部分が、合成樹脂に木粉を配合した木粉配合樹脂により構成された、ことを特徴とするデッキ材。
  5. 請求項4記載のデッキ材において、
    木粉配合樹脂製の基材と、当該基材を覆うとともに前記上面および傾斜面を構成する木粉配合樹脂製の表層材とを備え、
    前記基材における木粉の配合比率よりも、前記表層材における木粉の配合比率の方が小さくされた、ことを特徴とするデッキ材。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のデッキ材において、
    前記傾斜面の幅が1.5mm以上5mm以下に設定されるとともに、水平面に対する前記傾斜面の傾斜角度が20°以上70°以下に設定された、ことを特徴とするデッキ材。
  7. 請求項6記載のデッキ材において、
    前記傾斜面の幅が2mm以上4mm以下に設定されるとともに、水平面に対する前記傾斜面の傾斜角度が30°以上60°以下に設定された、ことを特徴とするデッキ材。
  8. 屋外に設置され、所定方向に沿って延びる複数の凹溝が上面に形成された板状のデッキ材であって、
    前記各凹溝は、凹溝以外の領域に形成される複数の凸条の上面である凸端面から下方に落ち込む一対の溝側面と、各溝側面の下端どうしをつなぐ溝底面とにより区画された溝であり、
    前記溝底面は、前記所定方向の端部に、終端に近づくほど高さが低くなるように傾斜するとともに当該端部以外の領域よりも表面が粗くされた傾斜粗面部を有する、ことを特徴とするデッキ材。
  9. 請求項8記載のデッキ材において、
    前記溝側面は、前記所定方向の端部に、当該端部以外の領域よりも表面が粗くされた粗面部を有する、ことを特徴とするデッキ材。
  10. 請求項8または9記載のデッキ材において、
    前記凸端面は、前記溝底面における前記傾斜粗面部以外の領域よりも粗い面に形成されている、ことを特徴とするデッキ材。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のデッキ材と、
    前記デッキ材を下から支持する支持フレームと、
    前記支持フレームを地盤に固定する台座部とを備えた、ことを特徴とするデッキ構造。
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