JP4016011B2 - 構造化表面を有するエラストマ材料からなる床張建材 - Google Patents

Description

床張建材として、それぞれの使用分野に応じて、異種材料が、種々に着色され、また種々に構造化されて使用されている。特に酷使される、例えば公共の建物の中の床張建材のために、エラストマ材料からなる床張建材が使用されるが、エラストマ材料は高い摩耗強度、耐摩耗性を有し、そのため長期間にわたりその魅力的な外観を維持することができる。本発明はエラストマ材料からなる床張建材に関する。より詳細には、本発明は、構造化された表面を有する床張建材に関する。

湾曲した起伏、レリーフを有し、エラストマ材料からなる床張建材、スラブが公知である（例えば特許文献１参照）。特許文献１に記載されているレリーフの高さは0.2mm〜1.0 mmの範囲にある。床張建材又はスラブは、多数の細長いレリーフをそれぞれ含むいくつかのグループから構成され、鏡面状の平面を備え、床を見る角度に応じて、それぞれ床が異なる外観をもたらす。床張建材自体が単色であるにもかかわらず、特許文献１に記載の床張建材は、鏡面であることによって、種々に構成された色の所望の効果をもたらす。この形式の床張建材では、床張建材を清掃することが困難であり、著しい転がり抵抗をも有することが欠点として挙げられる。転がり抵抗は、特に空港、駅等で、旅客がローラ付きトランク又はローラ付きカバンを床張建材上で引張る場合に不利な影響を及ぼす。

構造化された表面又はレリーフ状に構成されている表面を有するエラストマ材料からなる床張建材、床仕上げ材が公知である（例えば特許文献２参照）。特許文献２に記載されている床張建材の表面は、不規則に分布した凹部を備え、その凹部は、長く延びる形状であり、部分的に接触し及び／又は切断され、0.2mm〜2.5mmの範囲の幅と、５mm〜50 mmの範囲の長さと、0.02mm〜0.2mmの範囲の深さを有する。対応する床張建材は高い堅牢性を有し、良好に清掃することができ、可能な限り小さな転がり抵抗を有し、高い耐摩耗性を有するべきである。
特開平3-8967号公報（ヨーロッパ特許出願公開第0399959号）明細書 特開2002-89016号公報（独国特許出願公開第DE10039118A1号）明細書

本発明は、反射を防止することによって歩行安全性を高め、かつ床の表面上の摩耗又は下張り床の凹凸が目立たない床張建材の提供を課題とする。

上記課題は、発明に基づき、構造化された表面を有するとともにエラストマ材料からなる床張建材であって、表面が、不規則に分布し、部分的に互いに重なり合う隆起部を有し、隆起部が丸められた角部と1.2mm〜６mmの範囲の広がり（辺の長さ）を有する平坦な表面の長方形又は正方形の形状をなし、隆起部の高さ（Ｈ）が0.01mm〜0.1mmの範囲にある床張建材によって解決される。この構成により、床の表面構造は、完全に無指向性の、反射屈折特性を有する。

上記のような構成の床張建材は、平坦な床張建材としてほぼ良好な特性を保持し、この特性は、例えば非常に小さな転がり抵抗をもたらし、かつ清掃を良好に行うことを可能とし、同時に床張建材は視覚的に心地よく作用し、望ましくない多少の摩耗も目立つことがなく、それによって改善された外観を有する。隆起部の高さは、汚れの堆積が目立つのが回避されるほどに小さい。隆起部のこの選択された形状とその表面上の配列とによって視覚的に非常に魅力的でもある外観がもたらされる。

好適な実施形態において、隆起部は、0.02mm〜0.05mmの範囲の高さＨと、1.3〜3.6mmの範囲の広がり（辺の長さ）を有する。各隆起部の高さが互いに等しいことがより好ましい。また各隆起部の辺の長さが異なることがより好ましい。

床張建材内の隆起部は、床張建材が個別に繰り返される面積単位から構成されるように取り付けられることが好ましい。

製造技術上の理由から、床張建材が単層の材料から形成されていることが有利である。床張建材の厚みは２mm〜５mmの範囲から選択され、好ましくは2.5mm〜４mmの範囲から選択される。

本発明による床張建材の、公知の床張建材に対する長所は、DIN5036により測定した光沢率の低減にある。光を85゜の角度で滑らかな表面を有する床張建材に入射させた場合に、約96%の光が反射され、つまり約96%反射率を有するが、他方本発明による床張建材では約48%の反射率を有するにすぎない。反射率が低いことによって、心理的な作用に基づき、非光沢表面の床張建材の上でより高い歩行安全性が達成される。これは窓の配置によって一条の光が入射するとき、床張建材が高い反射率を有することによって、強く輝き、通行時に危険をもたらし得るような場合に適用するとき長所となる。同時に半光沢又はつや消しの表面によって、下張り床の凹凸が光沢のある表面の場合よりも良好に隠され、目立たない。本発明による実施形態は、表面に凹部を有する床張建材に比べて、汚水が凹部内からよりも良好に除去可能であるという長所をもたらす。

本発明は、構造化された表面を有するとともにエラストマ材料からなる床張建材に関し、表面（２）が、不規則に分布し、部分的に互いに重なり合う隆起部（３）を有し、隆起部が丸められた角部と1.2mm〜６mmの範囲の広がり（辺の長さ）を有する長方形又は正方形の形状をなし、隆起部（３）の高さ（Ｈ）が0.01mm〜0.1mmの範囲にあることを特徴とする床張建材である。このような構成であることによって、反射を防止することによって歩行安全性を高め、かつ床の表面上の摩耗又は下張り床の凹凸が目立たない床張建材を提供することが可能となる。

添付の図面を参照して、実施例に基づき、本発明を以下により詳しく説明する。

図１は、エラストマ材料からなる床張建材１の一部分を示す平面図である。この実施例では、床張建材１の厚みＳは３mmである。図１には、種々の大きさの正方形及び長方形の隆起部が、不規則に分布し、それによって表面が構造化されている床張建材１の例を示している。一実施形態では、床張建材の表面２には、隆起部３が不規則に分布し、面積４cm²に、約18個の大きな（一辺の長さが3.6mm）正方形の隆起部、約10個の中位の大きさ（一辺の長さが約2.1mm）の正方形の隆起部、及び18個の小さな（一辺の長さが1.2mm）正方形の隆起部が配置されている。代替的に、正方形でなく長方形の隆起部も使用することができ、その場合には、長辺と短辺の長さの比は最大５：１とすることができる。このような長方形の特別の場合が、長辺と短辺の長さが等しい、すなわち１：１の比を有する正方形である。正方形の隆起部を利用する場合にも、長方形の隆起部を利用する場合にも、それぞれの角部、四角形の角は角が取られ、丸められている。

図２は、図１のＡ−Ｂ線に沿った断面を示す図である。エラストマ材料からなる床張建材１のＡ−Ｂ線に沿った断面を示している。この実施例では、床張建材１の表面２上で、不規則的に分布し、部分的に重なり合う隆起部の高さＨは最大で0.08mmである。

本発明による床張建材の一部分を示す平面図である。 図１のＡ−Ｂ線に沿った断面を示す図である。

符号の説明

１ 床張建材
２ 表面
３ 隆起部

Claims (9)

1. レリーフ表面を有するとともにエラストマ材料からなる床張建材であって、
   前記表面（２）が、単位面積にわたって不規則に分布し、部分的に互いに重なり合う隆起部（３）を有し、該隆起部が丸められた角部と1.2mm〜６mmの範囲の辺の長さを有する長方形又は正方形の形状をなし、
   前記隆起部（３）の高さ（Ｈ）が0.01mm〜0.1mmの範囲にあることを特徴とする床張建材。
2. 前記隆起部（３）が、0.02mm〜0.05mmの範囲の高さと、1.3mm〜3.6mmの範囲の辺の長さ（Ｋ）を有する請求項１記載の床張建材。
3. １つの隆起部（３）が最大２つの別の隆起部（３）と重なり合い、重なり合う複数の隆起部が異なる高さを有する請求項１又は２記載の床張建材。
4. 前記隆起部（３）の長方形又は正方形の形状が、種々の種類のものからなる請求項１〜３のいずれか１項記載の床張建材。
5. 前記隆起部（３）の高さ（Ｈ）が等しい請求項１〜４のいずれか１項記載の床張建材。
6. 各隆起部（３）の辺の長さ（Ｋ）が異なる請求項１〜５のいずれか１項記載の床張建材。
7. 単位面積にわたって配置されている複数のレリーフが繰り返されている請求項１〜６のいずれか１項記載の床張建材。
8. 前記床張建材（１）が単層の材料からなる請求項１〜７のいずれか１項記載の床張建材。
9. 前記床張建材（１）の厚みが、２mm〜５mmの範囲、好ましくは2.5mm〜４mmの範囲にある請求項１〜８のいずれか１項記載の床張建材。

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