JP2002303026A - 塩化ビニル系樹脂組成物からなる階段用床材 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物からなる階段用床材

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JP2002303026A
JP2002303026A JP2001109528A JP2001109528A JP2002303026A JP 2002303026 A JP2002303026 A JP 2002303026A JP 2001109528 A JP2001109528 A JP 2001109528A JP 2001109528 A JP2001109528 A JP 2001109528A JP 2002303026 A JP2002303026 A JP 2002303026A
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stairs
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chloride resin
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Akinobu Satomi
昭宣 里見
Keizo Fujito
敬三 藤戸
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Takiron Co Ltd
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Takiron Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属製又はコンクリート製等の階段の昇降時
の騒音を軽減するとともに、耐摩耗性、耐久性に優れて
いることに加え、防滑性及びクッション性が良好な塩化
ビニル系樹脂組成物からなる階段用床材を提供するこ
と。 【解決手段】 階段の踏み面及び蹴上げをそれぞれ覆う
踏み面被覆部11及び蹴上げ被覆部13を、階段の前端
のコーナー部を覆うコーナー部被覆部12を介して略直
角に折れ曲げて接続することにより一体に形成した塩化
ビニル系樹脂組成物からなる階段用床材において、少な
くともコーナー部被覆部12とその近傍位置の縦断面構
造を、基材層1Aと表面層1Bの2層以上の積層構造と
し、表面層1Bを構成する塩化ビニル系樹脂組成物の可
塑剤及び充填材の添加量を、基材層1Aを構成する塩化
ビニル系樹脂組成物の可塑剤の添加量の30〜70%及
び充填材の添加量の0〜60%に設定するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
組成物からなる階段用床材に関し、特に、階段の踏み面
及び蹴上げをそれぞれ覆う踏み面被覆部及び蹴上げ被覆
部を、階段の前端のコーナー部を覆うコーナー部被覆部
を介して略直角に折れ曲げて接続することにより一体に
形成した塩化ビニル系樹脂組成物からなる階段用床材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属製又はコンクリート製等の階
段の昇降時の騒音を軽減するとともに、防滑性及びクッ
ション性を良好にするために、階段の踏み面及び蹴上げ
をそれぞれ覆う踏み面被覆部及び蹴上げ被覆部を、階段
の前端のコーナー部を覆うコーナー部被覆部を介して略
直角に折れ曲げて接続することにより一体に形成した合
成樹脂製の階段用床材が提案され、実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の合成
樹脂製の階段用床材は、防滑性を一層良好にするため
に、踏み面被覆部の表面に防滑用突起を形成し、さら
に、その表面に防滑用小突条8(図2(c)参照)を形
成するようにしているが、この防滑用小突条8は、製造
上の理由から、階段用床材の他の部分と同じ材料で以て
形成されており、さらに、人が躓くことなく安全に昇降
するために、この防滑用突起の高さを、5mm以下、さ
らに好ましくは、2mm程度に設定することが望ましい
ため、耐久性に乏しいという問題が指摘されていた。す
なわち、例えば、1日当たり24万人の乗降客がある都
市部の駅の階段に従来の合成樹脂製の階段用床材を使用
すると、1月の摩耗量は0.035mmに達し、高さ2
mmの防滑用小突条8は、約57ヶ月で摩耗してしま
い、防滑性が著しく低下する。そして、さらに、これを
そのまま放置すると踏み面被覆部の表面に割れ等が発生
し、この部分に躓いたりして危険であるため、摩耗によ
る割れ等が発生する前に、階段用床材を新しいものと短
期間で張り替える必要があり、手数とコストがかかると
いう問題があった。
【0004】本発明は、従来の階段用床材の有する問題
点に鑑み、金属製又はコンクリート製等の階段の昇降時
の騒音を軽減するとともに、耐摩耗性、耐久性に優れて
いることに加え、防滑性及びクッション性が良好な塩化
ビニル系樹脂組成物からなる階段用床材を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物からなる階段用床
材は、階段の踏み面及び蹴上げをそれぞれ覆う踏み面被
覆部及び蹴上げ被覆部を、階段の前端のコーナー部を覆
うコーナー部被覆部を介して略直角に折れ曲げて接続す
ることにより一体に形成した塩化ビニル系樹脂組成物か
らなる階段用床材において、少なくともコーナー部被覆
部とその近傍位置の縦断面構造を、基材層と表面層の2
層以上の積層構造とし、前記表面層を構成する塩化ビニ
ル系樹脂組成物の可塑剤及び充填材の添加量を、基材層
を構成する塩化ビニル系樹脂組成物の可塑剤の添加量の
30〜70%及び充填材の添加量の0〜60%にしてな
ることを特徴とする。
【0006】この塩化ビニル系樹脂組成物からなる階段
用床材は、金属製又はコンクリート製等の階段の昇降時
の騒音を軽減し、防滑性を良好にすることができること
に加え、少なくともコーナー部被覆部とその近傍位置の
縦断面構造を、基材層と表面層の2層以上の積層構造と
し、前記表面層を構成する塩化ビニル系樹脂組成物の可
塑剤及び充填材の添加量を、基材層を構成する塩化ビニ
ル系樹脂組成物の可塑剤の添加量の30〜70%及び充
填材の添加量の0〜60%にするようにしているので、
最も摩耗しやすいコーナー部被覆部とその近傍位置の摩
耗量を低減することができ、また、階段用床材全体とし
ては、適度の弾性を有することと相俟って、クッション
性及び耐久性に優れ、長期間に亘って安全な使用環境を
提供することができるとともに、階段用床材を新しいも
のと張り替える期間を延長することができる。
【0007】この場合において、コーナー部被覆部とそ
の近傍位置の縦断面構造を、基材層と表面層の2層以上
の積層構造とするほか、階段用床材の使用状況等に応じ
て、階段用床材全体や他の摩耗しやすい任意の箇所の縦
断面構造を、基材層と表面層の2層以上の積層構造とす
ることができる。
【0008】これにより、階段用床材の使用状況等に応
じて、効果的な構成を採用することができる。
【0009】また、階段用床材を、発泡合成樹脂層を含
む積層構造とすることができる。
【0010】これにより、階段用床材のクッション性を
一層良好にすることができる。
【0011】また、階段用床材を、繊維強化層を含む積
層構造とすることができる。
【0012】これにより、階段用床材の耐久性を一層良
好にすることができる。
【0013】また、踏み面被覆部の表面に防滑用小突条
を形成することができる。
【0014】これにより、防滑性を一層良好にすること
ができる
【0015】また、踏み面被覆部の表面に断面が略V状
の防滑用溝を形成することができる。
【0016】これにより、防滑性を一層良好にすること
ができるとともに、階段用床材の摩耗量を一層低減する
ことができ、耐久性を向上することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の塩化ビニル系樹脂
組成物からなる階段用床材の実施の形態を図面に基づい
て説明する。
【0018】図1〜図3に、本発明の塩化ビニル系樹脂
組成物からなる階段用床材の一実施例を示す。この塩化
ビニル系樹脂組成物からなる階段用床材1は、金属製又
はコンクリート製等の階段の昇降時の騒音を軽減すると
ともに、防滑性及びクッション性を良好にするために、
階段に接着剤により貼着すること等により設置されるも
ので、階段の踏み面及び蹴上げをそれぞれ覆う踏み面被
覆部11及び蹴上げ被覆部13を、階段の前端のコーナ
ー部を覆うコーナー部被覆部12を介して略直角に折れ
曲げて接続することにより一体に形成した合成樹脂製の
ものからなる。
【0019】この階段用床材1は、その主成分が塩化ビ
ニル系樹脂組成物からなるものであるが、少なくともコ
ーナー部被覆部12とその近傍位置(本実施例において
は、階段用床材1の全体)の縦断面構造を、基材層1A
と表面層1Bの2層以上(本実施例においては、2層)
の積層構造とし、表面層1Bを構成する塩化ビニル系樹
脂組成物の可塑剤の添加量を、基材層1Aを構成する塩
化ビニル系樹脂組成物の可塑剤の添加量の30〜70
%、より好ましくは、60〜70%程度、表面層1Bを
構成する塩化ビニル系樹脂組成物の充填材の添加量を、
基材層1Aを構成する塩化ビニル系樹脂組成物の充填材
の添加量の0〜60%、より好ましくは、45〜55%
程度にするようにしている。
【0020】この場合において、塩化ビニル系樹脂に添
加する可塑剤としては、特に限定されるものではない
が、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ2エチルヘキ
シルフタレート、ジブチルフタレート(DBP)、ジイ
ソノニルフタレート(DINP)等の任意の可塑剤を用
いることができる。
【0021】また、塩化ビニル系樹脂組成物に添加する
充填材としては、炭酸カルシウム等の任意の充填材を用
いることができる。
【0022】そして、表面層1Bを構成する塩化ビニル
系樹脂組成物の可塑剤の添加量が、基材層1Aを構成す
る塩化ビニル系樹脂組成物の可塑剤の添加量の30%よ
りも少ないと、表面層1Bの硬度が高くなるものの、脆
くなり、好ましくない。逆に、表面層1Bを構成する塩
化ビニル系樹脂組成物の可塑剤の添加量が、基材層1A
を構成する塩化ビニル系樹脂組成物の可塑剤の添加量の
70%よりも多いと、表面層1Bの柔軟性が高くなるも
のの、硬度が低くなり、好ましくない。
【0023】一方、表面層1Bを構成する塩化ビニル系
樹脂組成物の充填材の添加量が、基材層1Aを構成する
塩化ビニル系樹脂組成物の充填材の添加量の60%より
も多いと、表面層1Bの粘り強さが低くなり、好ましく
ない。
【0024】ところで、本実施例においては、階段用床
材1の全体の縦断面構造を、基材層1Aと表面層1Bの
2層の積層構造としたが、階段用床材の使用状況等に応
じて、例えば、図4の第1変形実施例に示すように、コ
ーナー部被覆部12とその近傍位置のみ、あるいは、図
5の第2変形実施例に示すように、他の摩耗しやすい任
意の箇所、具体的には、コーナー部被覆部12とその近
傍位置に加えて、踏み面被覆部11の縦断面構造を、基
材層1Aと表面層1Bの2層以上の積層構造とすること
ができる。これにより、階段用床材1の使用状況等に応
じて、効果的な構成を採用することができる。
【0025】このように、階段用床材1の少なくともコ
ーナー部被覆部12とその近傍位置の縦断面構造を、基
材層1Aと表面層1Bの2層以上の積層構造とし、表面
層1Bを構成する塩化ビニル系樹脂組成物の可塑剤及び
充填材の添加量を、基材層1を構成する塩化ビニル系樹
脂組成物の可塑剤の添加量の30〜70%及び充填材の
添加量の0〜60%にするようにしているので、最も摩
耗しやすい階段用床材1のコーナー部被覆部12とその
近傍位置の摩耗量を低減することができ、また、階段用
床材1全体としては、適度の弾性を有することと相俟っ
て、クッション性及び耐久性に優れ、長期間に亘って安
全な使用環境を提供することができるとともに、階段用
床材1を新しいものと張り替える期間を延長することが
でき、これによって、階段用床材の張り替えに要する手
数とコストを低減することができるものとなる。
【0026】一方、階段用床材1の踏み面被覆部11の
表面には、防滑用突起2を形成するようにするのが好ま
しい。この防滑用突起2の高さ、形状及び配列等は、特
に限定されるものではなく、階段用床材1の使用箇所等
に応じて、適宜設計することができる。そして、本実施
例の階段用床材1においては、高さ0.5〜5mm程度
の防滑用突起2を、踏み面被覆部11の表面全面に亘っ
て形成するようにしているが、このうち、踏み面被覆部
11の前端部においては、階段用床材1の幅方向に長い
突起21を、踏み面被覆部11の中間部においては、密
な配列で高さの大きい主突起22を、また、踏み板の後
端部においては、疎な配列で高さの小さい副突起23
を、それぞれ複数列に亘って形成するようにする。
【0027】そして、防滑用突起2、すなわち、長い突
起21、主突起22、副突起23のそれぞれの間には、
踏み面被覆部11からコーナー部被覆部12を介して蹴
上げ被覆部13に通じる排水用の溝4を形成するように
する。
【0028】このように踏み面被覆部11に排水用の溝
4を形成するとともに、踏み面被覆部11に水や砂等が
溜まるのを防止するため、階段用床材1のコーナー部被
覆部12から蹴上げ被覆部13にかけて、階段用床材1
の耐久性を向上するために形成した防滑用突起2と同程
度の高さの肉盛り部3に、踏み面被覆部11に形成した
溝4と連通する溝5を所定の間隔に形成するようにして
いる。
【0029】そして、本実施例の階段用床材1におい
て、踏み面被覆部11に形成した防滑用突起2、すなわ
ち、長い突起21、主突起22及び副突起23、並びに
コーナー部被覆部12から蹴上げ被覆部13にかけて形
成した肉盛り部3の材質を、少なくともコーナー部被覆
部12とその近傍位置の表面層1Bと同じ塩化ビニル系
樹脂組成物で形成するようにしている。これにより、コ
ーナー部被覆部12とその近傍位置及び防滑用突起2を
含む踏み面被覆部11の表面や、さらに、コーナー部被
覆部12から蹴上げ被覆部13にかけて形成した肉盛り
部3の表面が、摩耗しにくくなり、階段用床材1の耐久
性が向上し、長期間に亘って安全な使用環境を提供する
ことができるとともに、階段用床材1を新しいものと張
り替える期間を延長することができ、階段用床材1の張
り替えに要する手数とコストを低減することができるも
のとなる。
【0030】また、図2及び図6(第3変形実施例)に
示すように、踏み面被覆部11の表面(踏み面被覆部1
1に形成した防滑用突起2の表面を含む。)に、断面が
略V状の防滑用溝7を形成することができる。この防滑
用溝7は、特に限定されるものではないが、幅、深さと
も、0.5〜2mm程度、隣接する防滑用溝7間の距離
を3〜10mm程度に設定することが望ましい。これに
より、防滑性を一層良好にすることができるとともに、
防滑性を良好にするために、階段用床材1の踏み面に凹
凸を形成する場合における実効踏み面の面積割合が減少
することを防止し、摩耗量を一層低減することができ、
耐久性を向上することができるものとなる。この場合、
図6の第3変形実施例に示すように、踏み面被覆部11
に形成した防滑用突起2、具体的には、長い突起21
と、コーナー部被覆部12から蹴上げ被覆部13にかけ
て形成した肉盛り部3とを、連続して形成することによ
り、踏み面被覆部11の前縁部に所要幅の肉盛り部を形
成することもでき、これにより、実効踏み面の面積割合
を増大させて摩耗量をより一層低減する、具体的には、
図2に示す実施例との比較で、図6に示す第3変形実施
例は、摩耗量を約1/2程度により一層低減することが
できる。なお、踏み面被覆部11の表面(踏み面被覆部
11に形成した防滑用突起2の表面を含む。)に、防滑
用溝7に代えて、図2(c)に示すような、防滑用小突
条8を形成することもできる。
【0031】さらに、この階段用床材1は、踏み面被覆
部11の裏面に幅方向に延びる折り曲げ用の溝6を形成
するようにしている。これにより、階段用床材1を貼着
等する金属製又はコンクリート製等の階段、特に、その
踏み面の大きさに合わせて、階段用床材1を切除するこ
となく、折り曲げ用の溝6の位置で折り曲げて、階段用
床材1を貼着等することができ、施工を簡易に行うこと
ができるとともに、階段用床材1の端縁の貼着状態等を
綺麗に仕上げることができるものとなる。
【0032】また、本実施例の階段用床材1において
は、踏み面被覆部11に形成した防滑用突起2、すなわ
ち、長い突起21、主突起22、副突起23のそれぞれ
の表面を、踏み面被覆部11の裏面に対して平行に形成
するとともに、防滑用突起2間に形成した踏み面被覆部
11からコーナー部被覆部12を介して蹴上げ被覆部1
3に通じる溝4を、踏み面被覆部11の裏面に対して蹴
上げ側(踏み面被覆部11の先端側)に向かって順次低
くなるように傾斜させて形成するようにしている。これ
により、排水性を維持しながら、実質的な踏み面となる
防滑用突起2の表面を水平にすることができ、防滑性を
良好に維持することができるものとなる。この場合、踏
み面被覆部11の表面(踏み面被覆部11に形成した溝
4)の傾斜αは、1/50〜1/200、さらに好まし
くは、1/100程度に設定することにより、排水性を
維持しながら、傾斜を付けることによる不安感を人に与
えることがなく、また、防滑性を良好に維持することが
できるものとなる。
【0033】また、本実施例の階段用床材1において
は、踏み面被覆部11に形成した溝4のみを傾斜するよ
うにしたが、踏み面被覆部11に形成した溝4に加え、
踏み面被覆部11に形成した防滑用突起2、すなわち、
長い突起21、主突起22及び副突起23のそれぞれの
表面を、踏み面被覆部11の裏面に対して蹴上げ側(踏
み面被覆部11の先端側)に向かって順次低くなるよう
に傾斜させて形成するようにすることができる(図示省
略)。これにより、実質的な踏み面となる防滑用突起2
の表面に水が滞留することを防止することができ、防滑
性を良好に維持することができるものとなる。
【0034】なお、本実施例においては、階段用床材1
を、基材層1Aと表面層1Bの2層の積層構造とした例
を示したが、中間に発泡合成樹脂層や繊維強化層を含む
3層以上の積層構造とすることもでき、これにより、階
段用床材1のクッション性や耐久性を一層良好にするこ
とができる。
【0035】
【実施例】次に、階段用床材1に用いる塩化ビニル系樹
脂組成物の一例を以下に示す。 [基材層1A] 塩化ビニル系樹脂:100重量部 可塑剤(ジオクチルフタレート(DOP)):60重量
部 充填材(炭酸カルシウム):20重量部 [表面層2B] 塩化ビニル系樹脂:100重量部 可塑剤(ジオクチルフタレート(DOP)):40重量
部(基材層1Aの可塑剤の67%) 充填材(炭酸カルシウム):10重量部(基材層1Aの
充填材の50%)
【0036】図7に、上記実施例と、表面層2Bを基材
層1Aと同じ塩化ビニル系樹脂組成物で形成した場合
(従来例)の耐摩耗性比較試験(JIS K 7204)
の結果を示す。この試験結果からも明らかなように、実
施例と従来例を比較した場合、1.6倍程度の摩耗量の
低減効果があることが確認できた。
【0037】以上、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物か
らなる階段用床材について、複数の実施例に基づいて説
明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定さ
れるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において
適宜その構成を変更することができるものである。
【0038】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物からな
る階段用床材によれば、金属製又はコンクリート製等の
階段の昇降時の騒音を軽減し、防滑性を良好にすること
ができることに加え、少なくともコーナー部被覆部とそ
の近傍位置の縦断面構造を、基材層と表面層の2層以上
の積層構造とし、前記表面層を構成する塩化ビニル系樹
脂組成物の可塑剤及び充填材の添加量を、基材層を構成
する塩化ビニル系樹脂組成物の可塑剤の添加量の30〜
70%及び充填材の添加量の0〜60%にするようにし
ているので、最も摩耗しやすいコーナー部被覆部とその
近傍位置の摩耗量を低減することができ、また、階段用
床材全体としては、適度の弾性を有することと相俟っ
て、クッション性及び耐久性に優れ、長期間に亘って安
全な使用環境を提供することができるとともに、階段用
床材を新しいものと張り替える期間を延長することがで
き、これによって、階段用床材の張り替えに要する手数
とコストを低減することができる。
【0039】この場合、コーナー部被覆部とその近傍位
置の縦断面構造を、基材層と表面層の2層以上の積層構
造とするほか、階段用床材の使用状況等に応じて、階段
用床材全体や他の摩耗しやすい任意の箇所の縦断面構造
を、基材層と表面層の2層以上の積層構造とすることに
より、階段用床材の使用状況等に応じて、効果的な構成
を採用することができる。
【0040】また、階段用床材を、発泡合成樹脂層を含
む積層構造とすることにより、階段用床材のクッション
性を一層良好にすることができる。
【0041】また、階段用床材を、繊維強化層を含む積
層構造とすることにより、階段用床材の耐久性を一層良
好にすることができる。
【0042】また、踏み面被覆部の表面に防滑用小突条
を形成することにより、防滑性を一層良好にすることが
できる
【0043】また、踏み面被覆部の表面に断面が略V状
の防滑用溝を形成することにより、防滑性を一層良好に
することができるとともに、階段用床材の摩耗量を一層
低減することができ、耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な効果】
【図1】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物からなる階段
用床材の一実施例を示す外観斜視図である。
【図2】同要部を示し、(a)は外観斜視図、(b)は
防滑用溝の説明図、(c)は防滑用小突条の説明図であ
る。
【図3】同断面図で、(a)は図1のA−A断面図、
(b)は図1のB−B断面図、(C)は要部の拡大断面
図である。
【図4】本発明の階段用床材の第1変形実施例を示す断
面図で、(a)は図1のA−A断面図に対応する断面
図、(b)は図1のB−B断面図に対応する断面図であ
る。
【図5】本発明の階段用床材の第2変形実施例を示す断
面図で、(a)は図1のA−A断面図に対応する断面
図、(b)は図1のB−B断面図に対応する断面図であ
る。
【図6】本発明の階段用床材の第3変形実施例の要部を
示し、(a)は外観斜視図、(b)は防滑用溝の説明図
である。
【図7】耐摩耗性比較試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 階段用床材 1A 基材層 1B 表面層 11 踏み面被覆部 12 コーナー部被覆部 13 蹴上げ被覆部 2 防滑用突起 21 突起 22 主突起 23 副突起 3 肉盛り部 4 溝 5 溝 6 溝 7 防滑用溝 8 防滑用小突条

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 階段の踏み面及び蹴上げをそれぞれ覆う
    踏み面被覆部及び蹴上げ被覆部を、階段の前端のコーナ
    ー部を覆うコーナー部被覆部を介して略直角に折れ曲げ
    て接続することにより一体に形成した塩化ビニル系樹脂
    組成物からなる階段用床材において、少なくともコーナ
    ー部被覆部とその近傍位置の縦断面構造を、基材層と表
    面層の2層以上の積層構造とし、前記表面層を構成する
    塩化ビニル系樹脂組成物の可塑剤及び充填材の添加量
    を、基材層を構成する塩化ビニル系樹脂組成物の可塑剤
    の添加量の30〜70%及び充填材の添加量の0〜60
    %にしてなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物
    からなる階段用床材。
  2. 【請求項2】 階段用床材全体の縦断面構造を、基材層
    と表面層の2層以上の積層構造としたことを特徴とする
    請求項1記載の階段用床材。
  3. 【請求項3】 階段用床材が、発泡合成樹脂層を含むこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の階段用床材。
  4. 【請求項4】 階段用床材が、繊維強化層を含むことを
    特徴とする請求項1、2又は3記載の階段用床材。
  5. 【請求項5】 踏み面被覆部の表面に防滑用小突条が形
    成されてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4
    記載の階段用床材。
  6. 【請求項6】 踏み面被覆部の表面に断面が略V状の防
    滑用溝が形成されてなることを特徴とする請求項1、
    2、3、4又は5記載の階段用床材。
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