JP2007056549A - 階段用床材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
階段の踏み面部と段鼻部と蹴上げ部とにそれぞれに配設される水平部と屈曲部と前垂れ部とを有する略L字形状の床材であって、床材の前垂れ部の表面に水平方向に連続する水切り突起を形成することによって、階段の蹴上げ部に雨水が伝って流れることがなく、雨だれの筋ができるのを防止することができる。
【選択図】図1
Description
この雨だれの筋は、階段の蹴上げ部のコンクリート表面に、あるいは階段の蹴上げ部が階段用床材水平部から延設された階段用床材の垂直部で覆われている場合には、当該階段用床材の垂直部表面にできるのであるが、一般にコンクリートの方が階段用床材に比べて表面が平滑ではないので汚れが付きやすく、早期に雨だれの筋が目立つようになる。
しかし、何れの場合にも、長期的な使用による雨水流下の結果、雨だれの筋ができるので、階段の蹴上げ部または階段用床材の垂直部の美観を損ねるという問題があった。
そして、水切り突起を、床材の前垂れ部の上端部に有することが望ましい。
さらに、床材の水平部に凹凸が形成されていることも望ましい。
図1は本発明の実施例1に係る階段用床材を階段に配設した状態を示す断面図である。
そして、床材1の水平部3は、階段Sの踏み面部S1の全体を覆う事なく、踏み面部の一部である段鼻部S2近くのみを覆い、また、床材1の前垂れ部5も蹴上げ部3の一部である上部を覆っている。
なお、階段Sの踏み面部S1、蹴上げ部S3のいずれか一方、あるいは両方の全面を覆うように階段用床材を形成して配設しても良い。
水切り突起2は、水切りの機能、即ち屈曲部4から流下してきた雨水が、水切り突起2の先端から落下して蹴上げ部S3に接しないようにする機能を有すれば、特に形状を限定されるものではないが、例えば図2の拡大図に示すように、前垂れ部5の表面から前方へ三角形状に突出し、その先端が鋭角になされ且つ下方を向くように、その三角形状水切り突起2の先端である突起先端23を下側の突起根本25よりも下方に位置するようにすることが好ましい。このような形状であると、雨水が突起2の上斜辺21を勢いよく前下方に流れ落ちるので、突起先端23から突起根本25へと伝い流れることがなくて、蹴上げ部S3に雨だれの筋が効果的に予防できる。
三角形状水切り突起2の上斜辺21と突起上部26の表面との角度αは5°〜70°が好ましく、70°より小さいと水が上斜辺の途中で止まることなく、スムーズに滑り落ち、5°より大きいと突起先端23と前垂れ部5の表面との距離を一定以上に保つことができて突起先端23から突起下部24に回り込むことがないからである。
そして、水切り突起2の下斜辺22と突起下部24の表面とのなす角度βは90°未満に、さらには、70°未満にすることが好ましい。この角度βが90°未満であると、水切り突起2から雨水が落下する水切り機能が発揮し易く、さらに70°未満であると多少の風が吹き込んでも突起先端23から突起根本25の方向へと下斜辺22を水滴が伝い流れることがなく、確実に水切りを行うことが出来る。
なお、本実施例においては、階段の蹴上げ部S3には、表面に化粧材が貼付されていないが、前垂れ部の裏面と蹴上げ部表面との間において蹴上げ部の上端から下端まで化粧材を貼付することもでき、その場合に水切り突起2は、蹴上げ面に貼付された化粧材の表面に雨だれ筋ができるのを防ぐ。
図3は本発明の実施例2の階段用床材を示す断面図である。この床材11は、その水平部3を後方に延設し、階段の踏み面全面を覆うようにした点、前垂れ部5を下方に延設すると共に薄肉化した点以外は、実施例1の階段用床材1と同じであるので、説明を省略する。
この実施形態の床材11は、雨水が屈曲部4を通って前垂れ部5に流下しても、水切り突起2によって雨水が階段の蹴上げ部S3あるいは蹴上げ部に化粧材が貼付された場合の化粧材の表面または床材11の突起下部24へと伝い流れず、雨だれの筋ができるのを防ぐことが出来ると共に踏み面全面が階段用床材の水平部3で被覆されているので、美観に優れ、歩行時にクッション性を与えるという効果も有している。
図4は本発明の実施例3の階段用床材を示す断面図である。この床材12は、その水平部3を後方にさらに延設して、階段への配設固定時に上方に折り曲げて階段の蹴上げ部S3を覆う垂直部32が形成できるようにした点以外は、実施例2の階段用床材11と同じであるので、説明を省略する。
この階段用床材12は、図4に示すように、下側の階段用床材12の水平部3を折り曲げて垂直部32を形成して階段の下段側から階段Sに配設固定した後に、上段の階段用床材12を配設するのであるが、その際に、下段の床材12の垂直部32の表面に上段の床材12の前垂れ部5が重なるように配設して接着することで、階段Sに配設固定できるのである。
この階段用床材12では、水切り突起2によって、雨水が階段用床材12の突起下部24と床材12の垂直部32へと伝い流れず、雨だれの筋ができるのを防ぐことが出来る。
図5は本発明の階段用床材の実施例4を示し、階段用床材本体131の前垂れ部5に水切り具8を接合することによって成形されたものである。
階段用床材本体131は、階段の踏み面部S1と段鼻部S2と蹴上げ部S3に沿わせて固定される略L字状の床材であって、踏み面部S1に配設される水平部3に滑り止め用の突起31が形成され、蹴上げ部S3に配設される前垂れ部5の下側は薄肉とされているが、水切り突起2は形成されていない。なお、水平部3は階段の踏み面部S1の一部又は全面を覆っても良いし、前垂れ部5は蹴上げ部S3の一部又は全部を覆ってもよい。
なお、水切り突起部81の形状や突出の距離などは、実施例1の水切り突起2と同様であるので説明を省略する。
この実施形態の床材13であれば、雨水が床材13の屈曲部4を通って前垂れ部5に流下しても、水切り突起2によって雨水が階段の蹴上げ部S3あるいは蹴上げ部S3に化粧材が貼付された場合の該化粧材の表面又は床材13の前垂れ部5の突起下部24へと伝い流れず、雨だれの筋ができるのを防ぐことが出来ると共に、床材本体131に水切り具8を接合するだけであるので、床材本体131を水切り具8を接合することなく配設することもできるし、水切り具8を接合した床材13としても使用できるし、或いは床材本体131を階段Sに配設固定した後に水切り具8を接合することもできるので、用途或いは要望に応じたものとすることができる、という利点を有する。
図6は本発明の階段用床材の実施例5を示し、図7にこの階段用床材14が施工された階段構造を、図8に本実施例に用いる水切り部材9を示す。この実施例5の階段用床材14は、実施例4で用いた階段用床材本体131の前垂れ部5の下端に水切り部材9を取り付けて形成されたものである。階段用床材本体131は、実施例4で用いられたものと同じであるので説明を省略する。
上記溝部95の幅は前垂れ部5の厚さと同じ0.5〜2.0mmとし、溝部95の両側の側壁の厚さは強度保持と薄肉化との兼ね合いから0.5〜2mmとすることが好ましい。
水切り突起2の上面である水切り斜辺91の角度α2(上部壁部表面と水切り斜辺のなす角度)、水切り突起2の下面である水切り下面92の角度β2(上部壁部裏面と水切り下面のなす角度)、及び水切り部材9の先端93の突出の距離H2(上部壁部裏面と先端93との距離)は、それぞれ先述した実施例1の水切り突起2の上斜辺21の角度α、下斜辺22の角度β、及び先端23の突出距離Hと同様の寸法と角度を有するものであるので、説明を省略する。
また、すでに階段に施工されている階段用床材であっても前垂れ部は粘着剤で固定している場合には、前垂れ部を一時的に捲り上げ、水切り部材9を前垂れ部の下端に取り付けることにより、実施例4に係る階段用床材13を使用した階段構造を形成することができる。よって、階段に新規に水切り突起を有する階段用床材を設置する場合のみならず、既設の階段用床材からも形成することができる点で特徴を有する。
図9は本発明の階段用床材の実施例6を示す。この実施例6の階段用床材15は、前垂れ部の下端縁28が前方鋭角に形成されたものである。下端縁28が前方鋭角とは、図9において下端縁28と前垂れ部5の表面とのなす角度が鋭角となっていることをいうが、この角度は、通常下端縁28と前垂れ部裏面とのなす角度β3と同じであるため、β3によって表す。角度β3は、80°未満に、さらには70°未満にすることが好ましい。この角度β3が80°未満であると下端縁の先端27から雨水が落下する水切り機能が発揮しやすく、さらに70°未満であると多少の風が吹き込んでも下端縁の先端27から前垂れ部裏面の方向へと下端縁28を水滴が伝い流れることがなく、確実に水切りを行うことが出来る。
そして、端縁の先端27から床材裏面までの水平距離H3は、前垂れ部の厚みと同じであって、1mm以上であると下端縁の先端27から落下する水滴が階段の蹴上げ部又は床材の垂直部を濡らすこともなく、10mm以下であると歩行者のつま先が下端縁の先端27に引っ掛かってつまずく恐れもないので、1〜10mmが好ましく、さらに好ましくは、2〜6mmである。
前垂れ部の長さは、5〜80mmの範囲で選択されうるが、水切りを蹴上げ部の上部で行うことが好ましいことから、50mm未満にすることがより好ましい。
水平部3は、階段の踏み面部S1の一部又は全面を覆っても良い。また、水平部3からさらに延設して垂直部32を形成しても良い。
2 水切り突起
3 水平部
31 防滑突起
32 垂直部
4 屈曲部
5 前垂れ部
8 水切り具
9 水切り部材
S 階段
S1 踏み面部
S2 段鼻部
S3 蹴上げ部
Claims (7)
- 階段の踏み面部と段鼻部と蹴上げ部の一部若しくは全部にそれぞれに配設される水平部と屈曲部と前垂れ部とを有する略L字形状の床材であって、該床材の前垂れ部の表面に水平方向に連続する水切り突起を形成したことを特徴とする階段用床材。
- 階段の踏み面部と段鼻部と蹴上げ部とにそれぞれに配設される水平部と屈曲部と前垂れ部とを有する略L字形状の床材であって、該床材の前垂れ部の下端に水切り突起を有する水切り部材を固定してなることを特徴とする階段用床材。
- 水切り突起が、床材の前垂れ部の表面から1.5〜15mm突出していることを特徴とする請求項1ないし2に記載の階段用床材。
- 水切り突起を、床材の前垂れ部の上端部に形成したことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の階段用床材。
- 水平部に凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の階段用床材。
- 階段の踏み面部と段鼻部と蹴上げ部の一部若しくは全部にそれぞれに配設される水平部と屈曲部と前垂れ部とを有する略L字形状の床材であって、該床材の前垂れ部の下端縁が前方鋭角に形成されていることを特徴とする階段用床材。
- 請求項1ないし6に記載のいずれかの階段用床材を、階段に固定させたことを特徴とする階段構造。
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