JPS6226489Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、階段の隅角部、踏面、蹴上げ部まで
を連続して被覆して接着することのできる階段用
すべり止めシートに関するもので、特にこのシー
トのＬ字状先端部を耐摩耗性の合成樹脂層と接着
可能な可撓性合成樹脂層の二層にすることによつ
て、シートを階段に施工する際に接着性を良好に
して簡易に施工できるようにするとともに、Ｌ字
状先端部の耐摩耗性、滑り止め効果を高めること
ができる階段用すべり止めシートに関するもので
ある。

従来階段の隅角部、踏面、蹴上げ部までいわゆ
る階段全体を合成樹脂製のシートで連続して被覆
するものがあつたが、階段昇降の際人の踏圧を受
け易い階段の先端部（隅角部）は摩耗し易いのが
一般的であつた。ところがこの摩耗した部分を補
修するためにはシート全体を交換しなければなら
ず、さほど摩耗していなく末だ使用可能な踏面、
蹴上げ部を覆つているシート全体を交換すること
は不経済で面倒なものであつた。

また従来の汎用合成樹脂である可撓性のシート
本体は、成形の際の残留応力や使用時の踏圧で収
縮、反り等の変形を生じて前垂れ部が前方へ浮い
たり、上方へ引つ張られて段階の蹴上げ面から剥
離するという欠点もあつた。

そこでこの考案はこの欠点を解消するために、
先端部をＬ字状に折曲して前垂れ部を垂設すると
ともに、階段の隅角部、踏面、蹴上げ部を連続的
に被覆して接着でき且つ可撓性を有する合成樹脂
製のシート本体と、前記合成樹脂製シート本体の
前記Ｌ字状先端部の上面に耐摩耗性を有する合成
樹脂製でその表面に凸状が形成され、前記Ｌ字状
先端部水平面部上面から前記前垂部前面にかけて
覆つたすべり止め部を一体的に形成した階段用す
べり止めであつて、このすべり止め部は、前記シ
ート本体のＬ字状先端部の可撓性を損なわない厚
みと硬さを有し、Ｌ字状先端部の水平面部および
前垂れ部の外面を連続して一体に被覆したことを
特徴とする階段用すべり止めシートを提供するこ
とによつて、先端部が摩耗し難く、且つ階段に容
易に接着することができる階段用すべり止めシー
トを得ることを目的とするものである。

以下図面に従つて本考案の一実施例について説
明する。第１図は本考案の階段用すべり止めシー
トの断面図であつて、シート本体１は階段に容易
に接着され、且つブリード現象等により剥離しな
いよう適量の炭酸カルシーウム等の充填材を混入
して可撓性を有する塩化ビニール等の合成樹脂よ
りなるものであつて、第２図に示されるように階
段３の隅角部３ａ、踏面３ｂ、蹴上げ部３ｃを連
続して被覆できる巾と長さを有する。第１図に戻
つてこのシート本体１の先端はＬ字状に形成され
このＬ字状に形成された先端部１ａは先端から垂
下されている前垂れ部１ｂと、階段３の踏面３ｂ
の前端部を被覆できる前端の水平面部１ｃとから
構成され、この前垂れ部１ｂから前端の水平面部
１ｃに亘つて炭酸カルシーウム等の充填材を加え
ず純度の高い合成樹脂を使用した耐摩耗性を有す
る合成樹脂製のすべり止め部２がシート本体１の
上部に一体的に成形されている。この耐摩耗性の
合成樹脂としてはポリウレタン、ポリアミド、ポ
リアセタールのような熱可塑性を有する押出し成
形可能で、その性質はいずれも硬く粘り強いもの
である。このすべり止め部２には間隔をおいてす
べり止め用凸条２ａが並設されている。またシー
ト本体１の後端部１ｄは略垂直方向上方に折曲し
て階段３の蹴上げ部３ｃを被覆できるようになつ
ている。さらにシート本体１の裏面１ｅは凹凸状
に形成されて階段３との接着を確実にしている。

以上の構成の階段用すべり止めシートを第２
図、第３図に示すように階段３に施工するのであ
るがその施工方法は、先ず階段用すべり止めシー
トを階段３の隅角部３ａ、踏面３ｂ、蹴上げ部３
ｃに亘つて全体を接着剤で接着する。この接着す
る際シート本体１は接着性のある且つ可撓性を有
するので、階段３との接着性が良好容易に施工で
きるものである。なお階段３の踏面３ｂと蹴上げ
部３ｃとが直交するコーナー部分に空隙が生ずる
ときは、適宜のコーナー下地材４を予め貼着して
おくものである。

このようにして一段の階段に階段用すべり止め
シートが被覆されると、次に上段の階段を被覆す
るのであるが、第３図に示されるように、この場
合前の階段３の蹴上げ部３ｃを被覆しているシー
ト本体１の後端部１ｄを覆つて前垂れ部１ｂの先
端を後端部１ｄに接着して階段３の隅角部３ａを
被覆するのであるが、シート本体１の後端部１ｄ
は階段３の蹴上げ部３ｃ全体を覆うことができ
ず、その結果僅かの空隙部５が形成される。この
隅角部３ａに生ずる空隙部５により階段用すべり
止めシートが直接踏圧を受けると、すべり止め部
２の隅角部分は変形、破損を起し易いものである
が、すべり止め部分２を耐摩耗性の樹脂で形成し
てあるので、変形、破損を防止することができ
る。

以上本考案によれば、シート本体を接着可能な
可撓性の合成樹脂で形成しているので、階段との
接着性が良好で、シート本体を容易に階段に施工
できるとともに、シート本体を階段の隅角部、踏
面、蹴上げ部に亘つて連続して被覆できるように
したので階段の仕上げ材として利用できる。

またシート本体のＬ字状先端部の上面に耐摩耗
性を有する合成樹脂製であつてその表面に凸条が
形成されたすべり止め部を一体的に形成したので
従来人の踏圧を受け摩耗し易かつたＬ字状先端部
は摩耗し難くなり、その結果階段用シート全体を
交換する必要がなくなり、階段用シートの耐用年
数を延長することができるとともにすべり止め効
果を向上させる。

さらにシート本体は比較的安価な接着可能な可
撓性を有する汎用合成樹脂にて製造し、Ｌ字状先
端部の上面のみをシート本体より高価な耐摩耗性
樹脂で形成したので、階段用すべり止めシート全
体としては安価に製造できる。

その上すべり止め部は、前記シート本体のＬ字
状先端部の可撓性を損なわない厚みと硬さを有
し、 Ｌ字状先端部の水平面部および前垂れ部の外面
を連続して一体に被覆しているので、Ｌ字状先端
部の形状及び寸法の安定性が向上して、前垂れ部
をシート本体の後端部に常に常時所定の角度をも
つて押圧することができ、その結果シート本体の
後端部を階段の蹴上げ面に密接させて、シート本
体の後端部が蹴上げ面から剥離することがない等
の利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例であつて、第１図は階
段用すべり止めシートの断面図、第２図は階段用
すべり止めシートを階段に施工した状態の斜視
図、第３図は第２図の隅角部の拡大断面図であ
る。 １……シート本体、２……すべり止め部、３…
…階段、３ａ……階段の隅角部、３ｂ……階段の
踏面、３ｃ……階段の蹴上げ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端部をＬ字状に折曲して前垂れ部を垂設する
   とともに、階段の隅角部、踏面、蹴上げ部を連続
   的に被覆して接着でき且つ可撓性を有する合成樹
   脂製のシート本体と、この合成樹脂製シート本体
   の前記Ｌ字状先端部の上面に耐摩耗性を有する合
   成樹脂製でその表面に凸状が形成され、前記Ｌ字
   状先端部水平面部上面から前記前垂部前面にかけ
   て覆つたすべり止め部を一体的に形成した階段用
   すべり止めであつて、前記すべり止め部は、前記
   シート本体のＬ字状先端部の可撓性を損なわない
   厚みと硬さを有し、Ｌ字状先端部の水平面部およ
   び前垂れ部の外面を連続して一体に被覆したこと
   を特徴とする階段用すべり止めシート。