JPS58537B2 - タテモノヨウスベリドメ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、建物の階段、特に鉄骨階段の如く段鼻部が
比較的大きな曲率半径の弧状をなす階段に適した建物用
すべり止めに関する。

従来、階段に使用される建物用すべり止めとしては、そ
の踏代部や階段段鼻部を覆う部分にすべり止め用の凹凸
条や弾性クッション用の中空条を形成したものが多数提
案されている。

しかしながら、鉄骨階段の如く段鼻部が比較的大きな曲
率半径の弧状をなす階段においては、その段鼻部を覆う
部分に凹凸条や中空条を形成して光分なすべり止め効果
と充分な弾性クッション効果とを発揮させるには曲率半
径の大きさに応じて突出寸法の大きい凹凸条や巾広の中
空状を形成しなければならず、優れたすべり止め効果と
優れた弾性クッション効果とを同時に満足させることは
難かしかった。

この発明は、かかる観点に鑑み、階段の段鼻部を覆う部
分に、上方に向けて突出する多数の棒状突子を互いに近
接して設け、踏圧時少くとも隣接する各棒状突子が互い
に重なり合うようにし、これによって段鼻部において優
れたすべり止め効果と優れた弾性クッション効果とを同
時に発揮することができると共に、単に曲率半径の大き
い段鼻部を有する階段のみならず、段鼻部が略直角状を
なす木製階段やコンクリート階段等にも使用することが
できて汎用性の高い建物用すべり止めを提供するもので
ある。

以下、添付図面に示す実施例に基づいてこの発明の詳細
な説明すると、Ａは、その全体が可撓性を有する軟質合
成樹脂で略扁平状に形成された弾性クッション体で、階
段９の踏面に固着される踏代部１と階段９の段鼻部１０
に固着される平板状薄肉部３とで構成されている。

上記踏代部１には、その上面長手方向に沿って断面のこ
歯状に形成された複数の凹凸条２が形成されており、又
、これら各凹凸条２の下方位置には各凹凸条２に対応し
て複数の中空状１４が形成されている。

又、上記平板状薄肉部３の上面にはその長手方向に沿っ
て比較的突出寸法の大きい多数の棒状突子４が上方に向
けて突設されており、各棒状突子４は少くともその突出
寸法よりも狭い間隔で互いに近接し、踏圧時に各棒状突
子４が屈曲した際に隣接する各棒状突子４に互いに重な
り合うようになっている。

尚、この棒状突子４については、上記以外に、その上端
部を膨出状に形成したり、長手方向不連続状に形成した
り、あるいはウレタン等の耐摩耗性が高い材料で形成し
て植設してもよく、更に、上記平板状薄肉部３と一体に
形成してもよいほか、別個に形成して一体的に植設する
ものでもよい。

５は、上記弾性クッション体Ａの下面に、透孔折曲条６
、突起あるいは接着剤等の手段で一体又は一体重に設け
られた薄板で、アルミニューム、ステンレス等の金属や
ポリカーボネート、ＡＢＳ樹脂、硬質塩化ビニール樹脂
等で形成されて巻回可能であり、かつ、引張力に対して
剛性を発揮し得るものである。

この薄板５の下面には、取付施工時まで剥離紙８で保護
される接着剤層７が設けられている。

尚、この接着剤層７は、第６図に示すように、階段９の
表面の凹凸模様を吸収できるように発泡体等のやや厚い
スポンジ状に形成することもできる。

従って、階段９への取付けは、先ず平板状薄肉部３を階
段９の段鼻部１０に合せて略弧状に折曲げ、位置決めを
した後踏代部１の部分のみ剥離紙８を剥し、この踏代部
１を接着剤層７により貼付け、次いで、剥離紙８を全部
剥して折曲された平板状薄肉部３を段鼻部１０に貼付け
るものであるが、特にこれに限定されるものでないこと
は勿論である。

以上の通り、本発明の建物用すべり止めは、階段９の段
鼻部１０を覆う平板状薄肉部３の上面に上方に向けて突
出する多数の棒状突子４を互いに近接させて設け、踏圧
時少くとも隣接する各棒状突子４が互いに重なり合うよ
うにしたので、踏圧した際に各棒状突子４は屈曲してそ
の先端側が隣接する他の棒状突子４の根元側上面に重な
り合い、これによって屈曲した棒状突子４と平板状薄肉
部３との間に空隙が形成され、優れた弾性クッション効
果を発揮すると同時に、屈曲した各棒状突子４の先端側
が隣接する棒状突子４の上面に位置して段差を形成し、
又、その弾性により復元しようとする力が作用するので
足裏に密着し、優れたすべり止め効果を発揮するもので
あり、加えて、踏代部１にはすべり止め用の凹凸条２と
その下方に位置する中空条１４とが形成されているので
、これら凹凸条２や中空状１４と上記棒状突子４とが相
俟って、鉄骨階段等の比較的大きい曲率半径の段鼻部１
０を有する階段９に使用してもその踏面から段鼻部１０
にかけて優れたすべり止め効果と弾性クッション効果と
を発揮することができる。

又、本発明の建物用すべり止めは、その全体が軟質合成
樹脂で略扁平状に形成されて踏代部１と取付施工時に折
曲される平板状薄肉部３とを有する弾性クッション体Ａ
と、その下面に一体又は一体重に設けられた巻回可能な
薄板５とで構成されているので、製造時には長尺に形成
し、これを巻回して保管や運搬を行うことができてその
取扱いが極めて便利であると共に、施工現場では順次繰
り出して階段中に合せて切断し取付けることができるの
で商品損失が殆どなく、極めて経済的である。

加えて、各棒状突子４は互いに近接して設けられている
ので、踏圧時に多数の棒状突子４が同時に屈曲し、踏圧
が広範囲に分散されるほか、弾性クッション体Ａの下面
には引張力に対して剛性を発揮する薄板５が設けられて
いるので、踏圧によって中空条１４が圧縮されることに
より生じる踏代部１の引きつれは薄板５全体に分散され
、これによって建物用すべり止めが部分的に浮上って来
たり端部が剥れたりするのを完全に防止することができ
る。

しかも、製造時にはその全体が略扁平状に形成され、段
鼻部１０を覆う平板状薄肉部３を段鼻部１０に合せて折
曲して取付施工するものであり、鉄骨階段等の比較的大
きい曲率半径の段鼻部１０を有する階段９に限らず、略
直角状の段鼻部を有する木製階段、コンクリート階段等
についても使用することができ、種々の階段に適用でき
るものである。

次に、第３図々示の実施例は、平板状薄肉部３の先端側
に階段９の蹴上げに固定される前方固定縁１１を連接し
たものであり、階段９に対してより強固に取付けること
ができる。

又、第４図々示の実施例は、踏代部１、平板状薄肉部３
及び前方固定縁１１の各下面に夫々分割された薄板５を
設けると共に平板状薄肉部３の下方に空隙１２を形成し
、この平板状薄肉部３の上面を踏代部１の上面と略同一
平面にしたものである。

更に、第５図図示の実施例は、第４図の場合とは異なり
、平板状薄肉部３の下面側に中空部１３を形成するよう
にしてその踏代部１、平板状薄肉部３の下方及び前方固
定縁１１にかけて連続する薄板５を設けたものである。

尚、以上は平板状薄肉部３を折曲げて階段９に取付施工
することで説明したが、この建物用すべり止めはその全
体を略扁平状のまま施工することもできる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の実施例に係る建物用すべり止めを示す
横断面図、第２図は第１図の建物用すべり止めの取付状
態を示す横断面図、第３図ないし第６図は他の実施例を
示す横断面図である。 Ａ……弾性クッション体、１……踏代部、２……すべり
止め用の凹凸条、３……平板状薄肉部、４……棒状突子
、５……薄板、９……階段、１０……段鼻部、１４……
中空条。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １全体が軟質合成樹脂で略扁平状に形成され、階段９の
   踏面に固着される踏代部１と取付施工時に折曲されて階
   段９の段鼻部１０に固着される平板状薄肉部３とを有す
   る弾性クッション体Ａと、この弾性クッション体Ａの下
   面に一体又は一体的に設けられて踏圧時の引張力に対し
   て剛性を発揮する薄板５とからなり、上記踏代部１には
   その上面長手方向に沿ってすべり止め用の凹凸条２を形
   成すると共にこの凹凸条２の下方に中空状１４を形成し
   、上記平板状薄肉部３の上面には上方に向けて突出する
   多数の棒状突子４を互いに近接させて設け、踏圧時少く
   とも隣接する各棒状突子４が互いに重なり合うことを特
   徴とする建物用すべり止め。