JPS589932Y2 - 鉄鋼製階段の踏板スリツプ防止具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鉄鋼製などの金属製階段の踏板のスリップ事故
防止及び防音を目的とするスリップ防止具に関する。

金属製階段における踏板は、金属製なるがために、滑り
易く、スリップ事故を起゛こす危険があり、かつ階段の
昇降の際に履物などによる衝撃音によって階段据付近傍
に騒音を伝播するなどの問題を有する。

このスリップ事故防止策として砥粒や鉱滓粉粒を合成樹
脂剤と混練して踏板面に塗着すること、また上記混線物
を布類面に塗着したものを敷設すること、更に条溝を施
したシートを踏板面に接着敷設する等の手段が採られて
いるが、作業が面倒であること及び剥離し易い共通な欠
点を有する。

剥離の重大な理由は踏板登り縁部における履物の蹟き及
び異種の熱膨張等によるものである。

更にスリップ事故において頭部を踏板登り縁部に打つ事
故頻度の高いことにも注目される。

本考案は金属製階段の踏板における従来のスリップ部材
の改良を図ったものであって、本考案の一例を示す図面
に従って構成ならびに作用・効果を説明する。

断面で示される添付図において、Ａはスリップ止め板で
あって、図示においては踏板１の登り縁部の折返し下垂
縁１ａと反対側の縁部は上向に折返し縁部１ｂを形成し
ている踏板面に敷設されるスリップ止め板を示すもので
ある。

スリップ止め板Ａの上面部には凹凸条２が板体の長手方
向に複数個配設されている。

更にこのスリップ止め板の一側縁部は踏板の上向折返し
縁部１ｂに嵌合するように嵌合溝３を有する屈曲部４に
形成されている。

しかしながら、踏板に上向折返じ縁部１ｂを設けられて
いない場合には嵌合溝３を有する屈曲部４に形成する必
要はない。

凹凸条２の断面形状は図示のように四角形状の凹凸ある
いはその凹溝の両側を若干下向に広くした蟻溝状にして
もよい。

また全体的に見れば断面角波型又は先渡型に形成される
。

凹凸条の形状及び深さ、間隔等は本考案の要部とするも
のではなく適宜に定められる。

また、スリップ止め板の幅は建築物法規則による踏板の
幅を考慮して定められ、長さは踏板の長さ全体に定める
よ′りも、稍々短＜シ、両側より雨水や塵などの取除き
を便にするのが好ましい。

Ｂはスリップ止め板押え覆体であり、カギ状に層成され
た板体の一側辺の下側部に踏板の登り縁部の折返し下垂
縁部１ａに嵌合する嵌合溝５を有し、その板体の屈曲部
６の屈曲方向の他側辺は適宜の長さに覆い辺部７を形成
し、この覆い辺部の下面に上記スリップ止め板に設けた
凹凸条２に嵌合させる嵌合凹凸条８が数個設けられる。

この凹凸条はスリップ止め板Ａに設けた凹凸条２と互い
に嵌合する形状・寸法に設けられる。

スリップ止め板押え覆体Ｂの横幅はスリップ止め板Ａの
長さに対応させる。

この押え覆体Ｂの嵌合凹凸条を設けた覆い辺部７の奥行
き幅は踏板の奥行き幅にもよるが、その士程度を目安と
して定められる。

従って押え覆体Ｂの屈曲部６の肉厚及び曲部長さはスリ
ップ止め板の肉厚及び嵌合凹凸条８の位置などを考慮し
て定められる。

更に必要により押え覆体Ｂの嵌合溝５は踏板登り縁部の
下垂縁部１ａの長さよりも長くして押え覆体Ｂの嵌合を
便ならしめてもよい。

更に押え覆体Ｂの覆い辺部７の先端部は蹟きを防止する
ために丸味又は斜めに形成する配慮が採られる。

斜めに形成する場合は上向斜面に鋏などで切断して形成
される。

また押え覆体Ｂを塑成する際に夜光塗料を配合すると夜
間又は暗い場所に設けられた階段において足元が確めら
れるので便利となり得る。

更に必要により押え覆体Ｂの屈曲部６面に複数個の条溝
６ａを横幅方向に配設してより一層のスリップ止めを図
ってもよい。

本考案のスリップ防止具の実施態様は、先ず、踏板表面
部にスリップ止め板Ａの裏面を接着剤などで接着し、次
いで押え覆体Ｂの嵌合溝５を踏板の下垂縁部１ａに嵌合
して、嵌合凹凸条８を接着剤を塗布して対応するスリッ
プ止め板Ａの凹凸条２に嵌合接着させる。

この場合、既述せるように、凹凸条２の溝形が稍々蟻溝
状に形成し、この形状に合わせた嵌合凹凸条８を嵌合す
ると、互いの密装性によって係合するので接着剤は僅少
となり得るし、また階段の昇降頻度の少ない据付場所に
よっては接着剤を必要としない。

本考案のスリップ止め板及び押え覆体の材質としては硬
質ゴム、熱可塑性合成樹脂などのプラスチックス材が緩
衝性の良い上から使用される。

本考案のスリップ防止具はフリーサイズに切断ができ、
かつ取付が簡単であり、スリップ事故防止及び防音が図
られる。

しかも、異種の材料の熱膨張によってスリップ止め板Ａ
が踏板より剥離しても、押え覆体Ｂで押えられるのでス
リップ止め板のめくれを防止することができる等の実用
的効果をもたらす。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案のスリップ防止具の一例を示す断面図であ
る。 Ａ・・・・・・スリップ止め板、Ｂ・・・・・・スリッ
プ止め板押え覆体、１ａ・・・・・・踏板の登り縁部の
折返し下垂縁部、１ｂ・・・・・・踏板の上向折返し縁
部、２・・・・・・スリップ止め板の凹凸条、３，５・
・・・・・嵌合溝、４，６・・・・・・屈曲部、７・・
・・・・覆い辺部、８・・・・・・嵌合凹凸条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 踏板の表面部に敷設されるプラスチックス板体の上面部
   に複数個の凹凸条を板体の長手方向に配設してなるスリ
   ップ止め板と、カギ状に層成されたプラスチックス製板
   体の一側辺の下側部に踏板の登り縁部の折返し下垂縁部
   に嵌合される嵌合溝を設け、他側辺は適宜の長さを有す
   る覆い辺部となし、この辺部の下面部に上記スリップ止
   め板に設けた凹凸条に嵌合される数個の嵌合凹凸条を設
   けてなるスリップ止め板の押え覆体とから成る鉄鋼製階
   段の踏板スリップ防止具。