JP2017002476A - ブレース構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の層間変形においてはブレースの降伏を抑制しながら、中間荷重による柱の変形を拘束することができるブレース構造を提供する。
【解決手段】ブレース構造20は、第1のブレース部材21と第2のブレース部材22とガセット25とを備える。第1のブレース部材21は、下部梁15と柱11,12との交点から上方向に斜めに配置され、第2のブレース部材22は、上部梁16と柱11,12との交点から下方向に斜めに配置される。ガセット25は、下部梁15と上部梁16との間に配置された中間梁17に、回転中心点Cg周りに回動可能に支持されている。このガセット25は、回転中心点Cgに対して下方で第1のブレース部材21と固定され、回転中心点Cgに対して上方で第2のブレース部材22と固定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、上部梁と下部梁との間に斜めに配置されるブレース部材を備えたブレース構造に関する。
エレベータのシャフトを構築する場合等、地震や風によって上下階の中間に大きな荷重がかかることがある。そこで、建物の中に構築される部屋や縦シャフトを構築する場合には、上下階の梁の中間に、地震力や風荷重受けの梁の架設が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この文献に記載の建物架構においては、互いに対向する2つの柱スパンに複数の増設柱を設け、増設柱と本設柱との間にブレースを設け、増設柱間にフロアレベルの梁を取り付けている。
一方、地震等によって建物に層間変形が生じた場合におけるブレースの損傷を抑えた構成が検討されている(例えば、特許文献2参照。)。この文献に記載の構造物においては、架構の4つのガセットプレートに一端がそれぞれピン連結された4つのブレース部材を設けている。各ブレース部材他端には、ノード材が設けられている。架構が一方向にせん断変形するとノード材が回転する。ノード材の回転途中では、4つのブレース部材には、圧縮力、引張力が生じない。更に変形が進むと、ブレース部材及びブレース部材がそれぞれ同一直線上に配置され、ブレース部材に圧縮力が生じ、ブレース部材に引張力が生じて、水平荷重に抵抗する。これにより、建物において、所定の変位を超えた変形を拘束している。
特開平10−184072号公報 特開2010−70991号公報
上述した特許文献2に記載のブレースを備えた構造物においては、上下階の梁の間に設置された柱の中間に、地震や風による荷重を受ける場合は考慮されていなかった。また、上下階の階高が高い場合、上下階の梁の間に設置された柱の中間に荷重受けの梁を架設する。この場合には、中間にかかる荷重による変形や応力を抑えるために、柱の断面積を大きくする必要があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、建物の層間変形においてはブレースの降伏を抑制しながら、中間荷重による柱の変形を拘束することができるブレース構造を提供することにある。
上記課題を解決するブレース構造は、下部梁と上部梁との間に斜めに配置されるブレース部材を備えたブレース構造であって、第1梁と柱との交点から上方向に斜めに配置される第1のブレース部材と、前記第1梁の上方に間隔をおいて配置された第2梁と前記柱との交点から下方向に斜めに配置される第2のブレース部材と、前記第1梁と前記第2梁との間に配置された回転中心の周りに回動可能に支持されるとともに、前記回転中心に対して下方で前記第1のブレース部材に固定され、前記回転中心に対して上方で前記第2のブレース部材に固定されたガセットとを備えたことを要旨とする。これにより、建物において層間変形が発生した場合には、ガセットが回転中心周りに回転して、第1及び第2のブレース部材に加わる力を逃がすので、第1及び第2のブレース部材に作用する応力を低減して、ブレースの降伏を抑制することができる。一方で、柱の中間に荷重が作用した場合には、柱の変形を拘束することができる。
上記ブレース構造において、前記ガセットを、前記第1梁と前記第2梁との間に配置される中間梁に、回動可能に取り付けることが好ましい。これにより、簡単な構成で、回動可能に支持されるガセットを取り付けることができる。
上記ブレース構造において、前記ガセットを、第1及び第2のブレース部材が取り付けられている柱に並立された柱に、回動可能に取り付けることが好ましい。これにより、下部梁と上部梁との間において中間梁以外の位置にガセットを取り付けることができる。
本発明によれば、建物の層間変形においてはブレースの降伏を抑制しながら、中間荷重による柱の変形を拘束することができる。
第1の実施形態におけるブレース構造を説明する説明図であって、(a)は全体概念図、(b)は要部の拡大正面図、(c)は要部の拡大斜視図、(d)は、ブレース構造のガセットの回転中心点の取り付け位置を説明する概念図。 第1の実施形態におけるブレース構造に力が作用した場合の動きを説明する説明図であって、(a)は力が作用しない状態を示し、(b)は層間変形発生時の状態を示し、(c)は(b)の要部の拡大正面図、(d)は中間荷重が作用したときの状態を示す。 第2の実施形態におけるブレース構造の要部を説明する説明図であって、(a)は要部の拡大正面図、(b)は要部の拡大斜視図。 第3の実施形態におけるブレース構造を説明する説明図であって、(a)は力が作用しない状態における概念図、(b)は(a)の要部の拡大正面図、(c)は層間変形発生時の状態における概念図、(d)は(c)の要部の拡大正面図。 変更例におけるブレース構造の説明図であって、(a)は柱間の空間に各ブレース構造を配置した場合、(b)はブレース部材が交差するように2つのブレース構造を配置した状態、(c)はブレース構造を上下に複数配置した状態、(d)及び(e)はガセットを回動可能に柱に取り付けた状態を示す。
(第1の実施形態)
以下、図1及び図2を用いて、ブレース構造を具体化した第1の実施形態を説明する。
図1(a)は、本実施形態のブレース構造20の模式図である。図1(b)及び図1(c)は、ブレース構造20の要部の拡大正面図及び拡大斜視図である。
図1(a)に示すように、本実施形態のブレース構造20は、隣接する柱11,12の間に架設される。柱11,12には、下部梁15と上部梁16とが間隔をおいて架設されている。各梁(15,16)は、それぞれ、建物の隣接する階を構成する梁である。本実施形態では、下部梁15と上部梁16の間に、中間梁17が配置されている。この中間梁17は、梁(15,16)と平行になる配置で、柱11,12に架設されて固定されている。
本実施形態では、柱11,12の間に、2つのブレース構造20が設けられている。これらブレース構造20は、柱11,12のスパン中央13に対して線対称に配置されている。
各ブレース構造20は、第1のブレース部材21及び第2のブレース部材22を備えている。
第1のブレース部材21は、各柱11,12と下部梁15との交点から、上方に向かうように斜めに配置される。第1のブレース部材21の下端部は、図示しない金具等によって、各柱11,12と下部梁15との交点に固定されている。本実施形態では、第1のブレース部材21は、スパン中央13と中間梁17との交点に向かって傾斜している。
第2のブレース部材22は、各柱11,12と上部梁16との交点から下方に向かうように斜めに配置される。第2のブレース部材22の上端部は、図示しない金具等によって、各柱11,12と上部梁16との交点に固定されている。本実施形態では、第2のブレース部材22は、第1のブレース部材21と同様に、スパン中央13と中間梁17との交点に向かって傾斜している。
更に、各ブレース構造20は、ガセット25を備えている。図1(a)においては、ガセット25を、模式的に直角二等辺三角形状で表示している。
図1(b)は、右側のガセット25の説明図である。なお、左側のブレース構造20は、右側のブレース構造20の左右を反転した構造であるため、説明は省略する。このように、本実施形態では、ガセット25は、直角二等辺三角形状の2つの底角(上端及び下端の頂点)を欠いた五角形状の鋼片によって構成される。ガセット25は、頂角の二等分線(対称軸)に対して線対称の形状をしている。なお、2つの底角を欠かずに、直角二等辺三角形状の鋼片を用いることも可能である。
ガセット25は、回転中心点Cgとして、上下両方向に回転(回動)可能に中間梁17に支持されている。回転中心点Cgは、ガセット25の対称軸上で、直角の頂角の近傍に位置されている。ガセット25の下端部(一方の底角近傍)は、第1のブレース部材21の上端部と接合されている。また、ガセット25の上端部(他方の底角近傍)は、第2のブレース部材22の下端部と接合されている。
次に、図1(b)及び図1(c)を用いて、ガセット25の構成について詳述する。
図1(c)に示すように、ガセット25を取り付ける中間梁17は、H鋼で構成されている。中間梁17のウェブ17wには、ガセット25を配置する位置に、上下に貫通する貫通孔17hが形成されている。この貫通孔17hは、中間梁17の延在方向を長手方向とした長方形状となっている。
図1(b)に示すように、ガセット25は、中間梁17の貫通孔17hに挿通され、柱11,12を含む垂直面内に配置される。なお、ガセット25の設置時には、対称軸が中間梁17の延在方向と平行に配置される。
ガセット25の下端部には、第1のブレース部材21の上端部が、ボルトとナットの組み合わせ等により固定されている。ガセット25の上端部には、第2のブレース部材22の下端部が、ボルトとナットの組み合わせ等により固定されている。本実施形態では、第1のブレース部材21と第2のブレース部材22は、ガセット25の対称軸に対して線対称に配置される。
図1(b)及び図1(c)に示すように、ガセット25には、回転軸26が貫通して固定されている。この回転軸26が回転することにより、回転中心点Cgを中心としてガセット25が回動する。回転軸26は、両端部において各固定部材27を用いて、回動可能に中間梁17に支持されている。
次に、図1(d)を用いて、ガセット25の回転中心点Cgの位置について説明する。図1(d)は、図1(a)と同様に、ガセット25の模式図である。
本実施形態では、第1及び第2のブレース部材21,22は、中間梁17とスパン中央13との交点に向かって傾斜するように配置される。ここで、まず、下部梁15と上部梁16との間に生じる層間変形の許容量に応じて、ガセット25の回転許容量が算出される。そして、ガセット25は、この回転許容量に基づいて大きさが決定される。図1(d)では、この回転許容量に基づいて、中間梁17から、ガセット25が各ブレース部材(21,22)を支持する位置までの距離(オフセットOf)を示している。
ここで、ブレース部材(21,22)の傾斜が異なる場合を想定する。図1(d)の点線のブレース部材(21,22)は、実線のブレース部材(21,22)よりも垂直に近い角度で配置される場合を示している。ブレース部材(21,22)の傾斜が異なる場合にも、同じオフセットOfにおいてブレース部材(21,22)と接するように、ガセット25を水平に移動させることにより、回転中心点Cgの位置を決定することができる。
次に、図2を用いて、上述したブレース構造20の作用について説明する。
図2(a)は、柱11,12や梁(15,16)に横方向に力が加わっていない状態のブレース構造20を示している。本実施形態では、ブレース構造20のガセット25は、対称軸が中間梁17とほぼ平行となっている。
図2(b)は、地震時により層間変形が発生した状態のブレース構造20を示している。ここでは、下部梁15に対して上部梁16を水平方向(図の右方向)に移動した層間変形が生じた状態を示している。図2(c)は、この状態における右側のガセット25を拡大した図である。
図2(b)に示すように、右側のブレース構造20の第1のブレース部材21と、左側のブレース構造20の第2のブレース部材22とには、圧縮する方向に力が加わる。また、右側のブレース構造20の第2のブレース部材22と、左側の第1のブレース部材21とには、引っ張る方向に力が加わる。ここで、ガセット25を介して連結されている第1のブレース部材21と第2のブレース部材22とは、反対方向(圧縮する方向と引っ張る方向)の力を受けることになる。
従って、図2(c)に示すように、ガセット25は、回転軸26の回転中心点Cgを中心として、時計回りに回転する。ここで、二点鎖線は、回転前のガセット25及びブレース部材(21,22)の位置を示し、実線は、回転後のガセット25及びブレース部材(21,22)の位置を示している。
図2(d)には、水平方向(図の右方向)の荷重が中間梁17に作用して、柱11,12が変形した場合のブレース構造20を示している。下部梁15及び上部梁16に対して水平方向(図の右方向)に移動する変形を生じさせる中間荷重が加わった場合、中間梁17は、図2(d)に示す形状に変形しようとする。この場合、本実施形態のブレース構造20のガセット25の上下にほぼ均等に力が加わることになるため、ガセット25を回転させる力がほとんど加わらず、ガセット25は回転しない。従って、ブレース部材(21,22)が、下部梁15及び上部梁16に対して中間梁17を移動させたような柱11,12の変形を拘束する。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態のブレース構造20は、第1のブレース部材21と第2のブレース部材22とガセット25とを備える。第1のブレース部材21は、下部梁15と柱11,12との交点から上方向に斜めに配置され、第2のブレース部材22は、上部梁16と柱11,12との交点から下方向に斜めに配置される。ガセット25は、下部梁15と上部梁16との間に配置された回転中心点Cg周りに回動可能に支持され、回転中心点Cgに対して下方で第1のブレース部材21と固定され、回転中心点Cgに対して上方で第2のブレース部材22と固定される。これにより、建物において層間変形が発生した場合には、ガセット25が回転中心点Cg周りに回転して、各ブレース部材(21,22)に加わる力を逃がすので、各ブレース部材(21,22)に作用する応力を低減して、ブレース部材(21,22)の降伏を抑制することができる。一方で、柱11,12の中間に荷重が作用した場合には、ガセット25が回転しないため、柱11,12の断面積を大きくせずに、従来のX型ブレース部材と同様な変形拘束効果が期待できる。
(2)本実施形態のブレース構造20のガセット25は、下部梁15と上部梁16との間に設けた中間梁17に、回動可能に支持されている。これにより、回動可能に支持されたガセット25の下部に第1のブレース部材21を固定し、ガセット25の上部に第2のブレース部材22を固定する構成を実現することができる。
(3)本実施形態では、ブレース構造20のガセット25を、中間梁17のウェブ17wに長方形状に形成された貫通孔17hに挿通する。ガセット25の対称軸上で頂角の近傍に回転軸26を貫通させて固定し、この回転軸26を回転可能に中間梁17に支持する。これにより、中間梁17が配置される面内領域において、ブレース構造20を配置することができる。
(第2の実施形態)
次に、図3を用いて、ブレース構造を具体化した第2の実施形態を説明する。本実施形態では、上記実施形態におけるブレース構造20のガセットと、このガセットを取り付ける中間梁との具体的構成が異なる。なお、本実施形態のブレース構造20は、第1の実施形態の図1(a)で示したブレース構造20と同じ模式図で示される。以下の実施形態においては、上記実施形態と同様の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図3(a)及び図3(b)は、本実施形態の右側のブレース構造20に取り付けられるガセット45を示している。
図3(a)に示すように、本実施形態におけるブレース構造のガセット45は、下ガセット部45a及び上ガセット部45bから構成されている。ガセット45は、中間梁37に回動可能に取り付けられる。中間梁37は、上記中間梁17と同様に、下部梁15と上部梁16との間の位置で、隣接する柱11,12に架設されている。
中間梁37は、上記第1の実施形態の中間梁17と同様に、H鋼で構成されている。本実施形態の中間梁37のウェブ37wの一部には、所定形状(本実施形態ではコ字形状)の切り込みによって、長方形状の突出部材37aが形成されている。この突出部材37aは、薄板形状をしており、ブレース構造20の各ブレース部材(21,22)の一端部が固定された柱11側(図3(a)において右側)において、中間梁37のウェブ37wと連接している。この突出部材37aと、ウェブ37wとの連接部(接続線)が、本実施形態では、ガセット45の回転中心点Cgとして機能する。そして、突出部材37aの左側(柱11と反対側)の先端部が、回転中心点Cgの周りで上下方向に回動可能になっている。
突出部材37aの下面には、板形状の下ガセット部45aが溶接により固定されている。突出部材37aの上面には、板形状の上ガセット部45bが溶接により固定されている。下ガセット部45a及び上ガセット部45bは、面一となって、同一の垂直面を構成するように配置されている。下ガセット部45a及び上ガセット部45bは、中間梁17の延在方向と平行で、ウェブ17wによって構成される水平面と直交する垂直面内に配置されている。
更に、下ガセット部45aには、第1のブレース部材21が、ボルト及びナットの組み合わせ等により固定されている。上ガセット部45bには、第2のブレース部材22がボルト及びナットの組み合わせ等により固定されている。
本実施形態においても、上記実施形態と同様に、層間変形が発生した場合には、ブレース部材(21,22)に加わる力が、ブレース部材(21,22)の端部を移動させて、回転中心点Cgを中心としてガセット45を同じ方向に回転させる。また、中間梁37に水平方向に荷重が作用した場合には、ガセット45は回転しない。従って、ブレース部材(21,22)が、下部梁15及び上部梁16に対して中間梁17を移動させたような柱11,12の変形を拘束する。
本実施形態によれば、上述した(1),(2)に記載の効果と同様な効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(4)本実施形態では、中間梁37には、切り込みによって、柱12側に突出した突出部材37aを形成する。この突出部材37aには、第1のブレース部材21が固定された下ガセット部45aが下面に固定され、第2のブレース部材22が固定された上ガセット部45bが上面に固定される。これにより、中間梁37の一部を用いて、回動可能なガセット45を形成することができる。
(第3の実施形態)
次に、図4を用いて、ブレース構造を具体化した第3の実施形態を説明する。本実施形態では、第1の実施形態におけるブレース構造20のガセットの構成が異なる。
図4(a)及び図4(c)は、本実施形態のブレース構造20の模式図である。図4(a)は、横方向に力が加わっていない状態、図4(c)は、層間変形が生じた状態を示している。また、図4(b)及び図4(d)は、それぞれ、図4(a)及び図4(c)の場合の右側のブレース構造20のガセット65を示している。
図4(a)に示すように、本実施形態のブレース構造20は、上記実施形態と同様に、第1のブレース部材21、第2のブレース部材22及びガセット65を備えている。
本実施形態では、ブレース構造20のガセット65は、回動可能に支持された回転部材66と、この回転部材66の一部に巻かれた巻回部材68とから構成されている。回転部材66は、例えば、外周に溝が形成された略円板形状のプーリー等が用いられる。この溝に巻回部材68の一部を配置し、巻回部材68の長さ及び張力を調整することにより、回転部材66の外周から巻回部材68が離脱しないように保持されている。
また、図4(b)に示すように、巻回部材68は、例えばワイヤ等の可撓性部材で構成されている。この巻回部材68の両端部は、それぞれ第1のブレース部材21の端部及び第2のブレース部材22の端部にそれぞれ固定されている。これにより、巻回部材68は、第1のブレース部材21の上端部と第2のブレース部材22の下端部とを連結している。なお、図4(a)及び図4(c)では、巻回部材68を明示するために、回転部材66から離して表示している。
図4(b)に示すように、回転部材66は、ウェブ17wの水平面内で、その回転軸が中間梁17の延在方向と直交するように、中間梁17に形成された貫通孔17hに挿通されている。回転部材66の回転軸の両端部は、上記第1の実施形態と同様に、固定部材(図示せず)によって、中間梁17に回動可能に支持されている。なお、本実施形態では、ガセット65の回転中心点Cgは、回転部材66の回転軸の中心が対応する。
次に、本実施形態のブレース構造20の作用について説明する。
図4(c)は、下部梁15に対して上部梁16を水平方向(図の右方向)に移動した層間変形が生じた状態を示している。この場合、図2(b)に示したブレース構造20と同様に、右側のブレース構造20の第1のブレース部材21と、左側のブレース構造20の第2のブレース部材22とには、圧縮する方向に力が加わる。また、右側のブレース構造20の第2のブレース部材22と、左側の第1のブレース部材21とには、引っ張る方向に力が加わる。
ここで、巻回部材68を介して連結されている第1のブレース部材21と第2のブレース部材22とは、反対方向(圧縮する方向と引っ張る方向)の力を受けることになり、各ブレース部材(21,22)の端部が移動して、巻回部材68が回転部材66とともに回転する。そして、図4(d)に示すように、巻回部材68は回転部材66に沿って回転し、各ブレース部材(21,22)の回転部材66側の端部の位置が移動させる。
また、本実施形態においても、上記実施形態と同様に、層間変形が発生した場合には、ブレース部材(21,22)に加わる力が、ブレース部材(21,22)の端部を移動させて、回転中心点Cgしてガセット65の巻回部材68を同じ方向に回転させる。また、中間梁17に水平方向に荷重が作用した場合には、巻回部材68は回転しない。従って、ブレース部材(21,22)が、下部梁15及び上部梁16に対して中間梁17を移動させたような柱11,12の変形を拘束する。
本実施形態によれば、上述した(1),(2)に記載の効果と同様な効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(5)本実施形態では、ブレース構造20のガセット65は、回動可能に支持された回転部材66と、この回転部材66に巻回された巻回部材68とから構成されている。巻回部材68は、第1のブレース部材21の端部と第2のブレース部材22の端部とを連結している。回転部材66は、回転中心点Cg周りに回動可能に、中間梁17に支持されている。これにより、回転部材66及び巻回部材68を用いて、回動可能なガセット65を形成することができる。
また、上記各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態においては、柱11,12の間に、スパン中央13において線対称をなす2つのブレース構造20を配置した。隣接する柱11,12の間に配置するブレース構造20の数は、これに限定されない。
例えば、図5(a)に示すように、複数の柱11,12,14が立設している場合には、柱11,12の間、柱12とこれに隣接する柱14との間に、それぞれ1つのブレース構造20を設けてもよい。この場合、隣接するブレース構造20を柱12に対して線対称に配置してもよい。階高が高い(下部梁15と上部柱16との間隔が大きい)場合には、図1のように配置するよりも、ブレース部材(21,22)を45度により近い傾斜で配置することができるので、柱11,12の変形を効率よく拘束することができる。
・上記各実施形態においては、柱11,12間における二つのブレース構造20を離間して配置した。柱11,12間に配置する二つのブレース構造20の配置はこれに限定されるものではない。例えば、二つのブレース構造20を接触させたり、部分的に重複させたりするように配置してもよい。
図5(b)に示すように、ブレース構造20の第1のブレース部材21同士、第2のブレース部材22同士を交差させて配置してもよい。この場合にも、ブレース部材(21,22)を45度により近い傾斜で配置することができるので、柱11,12の変形を効率よく拘束することができる。
・上記各実施形態のブレース構造20においては、第1のブレース部材21の端部を、下部梁15と柱11,12の交点に固定し、第2のブレース部材22の端部は、上部梁16と柱11,12の交点に固定した。ブレース部材(21,22)が固定される位置は、下部梁15及び上部梁16に限定されない。
図5(c)に示すように、階高が高い(下部梁15と上部柱16の間隔が大きい)場合には、下部梁15と上部梁16との間に、複数の中間梁17を配置することがある。この場合、上下方向に並べてブレース構造20を配置してもよい。ここでは、下部梁15と上部梁16との間に2つの中間梁17が配置されている。下側に配置されたブレース構造20は、下部梁15と柱11との交点に端部が固定された第1のブレース部材21と、中間梁17と柱11との交点に端部が固定された第2のブレース部材22と、中間梁17に回動可能に支持されたガセット25とを備える。上側に配置されたブレース構造20は、中間梁17と柱11との交点に端部が固定された第1のブレース部材21と、上部梁16と柱11との交点に端部が固定された第2のブレース部材22と、中間梁17に回動可能に支持されたガセット25とを備える。これにより、階高が高い場合には、下部梁15と上部梁16との間に配置する中間梁17を設け、この中間梁17と柱11との交点にブレース部材(21,22)を固定することにより、ブレース部材(21,22)を45度により近い傾斜で配置することができる。
また、下部梁15と上部梁16との間に配置する中間梁17は均等に配置しなくてもよい。この場合、非線対称形状のガセット25を有したブレース構造20としてもよい。
・上記各実施形態においては、ブレース構造20のガセット25,45,65は、中間梁17,37に取り付けた。これに代えて、ブレース構造20のガセットを、中間梁以外に設けてもよい。
例えば、図5(d)に示すように、ブレース構造20のガセット25を、第1及び第2のブレース部材(21,22)が固定された柱11と異なる(隣接する)柱12に回動可能に取り付ける。この場合には、下部梁15と上部梁16との間に中間梁はなくてもよい。この場合においても、上記各実施形態と同様な効果を得ることができる。
更に、図5(e)に示すように、柱12の中央に、柱11側に突出する取付部12aを形成してもよい。この取付部12aの柱11側に、ガセット25の回転中心点Cgを配置することにより、ガセット25が柱12よりも外側に大きく突出することを回避することができる。
・上記第1及び第2の実施形態においては、ガセット25,45は五角形状とした。ガセット25,45の形状はこれに限定されず、例えば、円弧形状や、「く」の字形状等であってもよい。
・上記第各実施形態のブレース構造20においては、ガセット25,45,65は、回転中心点Cgの斜め下方において第1のブレース部材21と接合し、回転中心点Cgの斜め上方において第2のブレース部材22と接合した。ブレース構造20は、回転中心点Cgの位置と各ブレース部材(21,22)との接合位置の関係を満足し、作用荷重に抵抗できれば、ガセットの形状やブレース構造の配置等はどんなものでもよい。
・上記第2実施形態においては、中間梁17にコ字形状の切り込みを入れて、長方形状の突出部材37aを形成した。中間梁17に形成する突出部材37aは、配置されるブレース構造20のブレース部材(21,22)が固定される柱11と反対側に突出していれば、形状は限定されない。例えば、中間梁17に底辺が連接された三角形状や弦が連接された扇形状等であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)前記ガセットは、前記中間梁に形成された上下に貫通する孔に挿通され、
前記ガセットに固定された回転中心軸を前記中間梁に回動可能に支持したことを特徴とする請求項2に記載のブレース構造。
従って、この(a)に記載の発明によれば、中間梁が配置される面内領域に、回動可能に支持されたガセットに第1及び第2のブレース部材を固定したブレース構造を配置することができる。
(b)前記中間梁の一部に、前記柱側と反対側に突出した突出部材が形成され、
前記ガセットは、
前記突出部材の下面に固定され、前記第1のブレース部材を固定する下ガセット部と、
前記突出部材の上面に固定され、前記第2のブレース部材を固定する上ガセット部とを有し、
前記突出部材の連接部を前記ガセットの回転中心とし、前記突出部材の前記柱側と反対側の先端を前記回転中心の周りに回動可能としたことを特徴とする請求項2に記載のブレース構造。
従って、この(b)に記載の発明によれば、中間梁の一部で形成した回動可能な突出部材を用いて、中間梁が配置される面内領域に、回動可能に支持されたガセットに第1及び第2のブレース部材を固定したブレース構造を配置することができる。
Cg…回転中心点、Of…オフセット、11,12,14…柱、12a…取付部、13…スパン中央、15…下部梁、16…上部梁、17,37…中間梁、17h…貫通孔、17w,37w…ウェブ、20…ブレース構造、21…第1のブレース部材、22…第2のブレース部材、25,45,65…ガセット、26…回転軸、27…固定部材、37a…突出部材、45a…下ガセット部、45b…上ガセット部、66…回転部材、68…巻回部材。

Claims (3)

  1. 下部梁と上部梁との間に斜めに配置されるブレース部材を備えたブレース構造であって、
    第1梁と柱との交点から上方向に斜めに配置される第1のブレース部材と、
    前記第1梁の上方に間隔をおいて配置された第2梁と前記柱との交点から下方向に斜めに配置される第2のブレース部材と、
    前記第1梁と前記第2梁との間に配置された回転中心の周りに回動可能に支持されるとともに、前記回転中心に対して下方で前記第1のブレース部材に固定され、前記回転中心に対して上方で前記第2のブレース部材に固定されたガセットとを備えたことを特徴とするブレース構造。
  2. 前記ガセットを、前記第1梁と前記第2梁との間に配置される中間梁に、回動可能に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載のブレース構造。
  3. 前記ガセットを、第1及び第2のブレース部材が取り付けられている柱に並立された柱に、回動可能に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載のブレース構造。
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