JP2017002207A - 架橋ポリオレフィン系樹脂フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
より具体的には、耐熱性が高く、電子レンジで加熱した時の容器に対する密着性と防曇性が良好な架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムに関する。
このようなラップフィルムは、殆ど巻回体で収容箱に収容されているために、収容箱からの低い引出力、フィルムを切断する際の低いカット力と安定した伝播性が同時に要求される。その上、良質で且つ安価なラップフィルムを提供するために効率良く生産することも重ねて重要なことである。
高密着力、刃を用いた際の良好なカット性を有するため、特に塩化ビニリデン系樹脂を含むラップフィルムが、主に家庭用食品包装材として広く使用されている。他に、非塩素系樹脂であるポリオレフィン系樹脂を含むラップフィルムも使用されている。
特許文献2には密着性、収容箱からの引出性、耐熱性に優れたグリセリンモノ脂肪酸エステルを0.0500〜0.800質量部有し、架橋された二軸延伸された積層ラップフィルムが開示されている。
特許文献3には両外層と内層の3層から構成され、各層がエチレンとα−オレフィンとの共重合体やポリエチレンを含む架橋された樹脂からなり、2.0〜8.0重量% のグリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤を有し、該界面活性剤が少なくともフィルムの片面に3.0〜20.0mg/m2の量で層状に存在していることを特徴とするシュリンク包装フィルムが開示されている。
さらに、特許文献1及び2にはラップフィルムが記載されているものの、これらのラップフィルムについては、容器の上部開口部を覆い、電子レンジで加熱した時の容器に対する密着性が十分でないという問題がある。特に、お椀のように凹みがある容器の開口部の縁でラップフィルムが折られて、開口部下の容器の外面に密着させる場合には、フィルムの容器に対する密着性が十分でないと、フィルムの引張弾性率によってはフィルムと容器の間に隙間が生じやすく、加熱完了直後に容器内の水蒸気や空気が、容器に密着したフィルムと容器の隙間から漏れ出し、結果的に容器内が減圧になり、大気に押されて、開口部のフィルムが凹み、内容物を押しつぶす現象が発生する。
[1]ポリオレフィン系樹脂及び炭素間二重結合を有さないグリセリン脂肪酸エステルを含み、
MD方向及びTD方向の引張弾性率がいずれも200〜300MPаであり、
ゲル分率が5〜20質量%である、
架橋ポリオレフィン系樹脂フィルム。
[2]耐熱性が130℃以上である、[1]に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂フィルム。
[3][1]又は[2]に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムが巻回された、巻回体。
[4]23℃、相対湿度50%での引出力が10〜80cN/30cmである、[3]に記載の巻回体。
[5][3]又は[4]に記載の巻回体と、該巻回体を収容する容器とを有し、該容器が、前記架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムを切断するための切断具を有する、収容体。
[6]前記切断具が、前記容器の一部に具備された突起状のものである、[5]に記載の収容体。
[7][3]又は[4]に記載の巻回体と、該巻回体を収容する容器とを有し、該容器が、前記架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムを切断するための切断具を有さない、収容体。
本実施形態に係る架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムは、ポリオレフィン系樹脂及び炭素間二重結合を有さないグリセリン脂肪酸エステルを含み、MD方向及びTD方向の引張弾性率がいずれも200〜300MPаであり、ゲル分率が5〜20重量%である。
ラップフィルムとは、対象物を被覆又は包装するために使用されるフィルムをいい、代表的なものとして、食品等の簡易的包装材として主に一般家庭や飲食店で手によりカットして使用されるものが挙げられる。
家庭用ラップフィルム用途においては、ラップフィルムが手で所定方向に直線的に容易に切ることができれば、収容容器の刃が不要となり、子供などが使用する場合でも安全に使用することができる。さらに、刃が不要となれば収容容器の製造コストを下げられるばかりでなく、廃棄コストも下げることができる。なお、このような課題は、シュリンク包装用フィルムなど、業務用用途であって、装置などを用いてフィルムを切断して食品を包装する用途においては、特段問題とはならない。
ラップフィルムの用途としては、上記の食品包装用途以外に、下記の用途に使用してもよい。美容院等での髪染め時に染色液が他に転写して汚れるのを防止し、染色液の揮発を抑制し、染色効果を高める目的でラップフィルムを頭に巻きつける用途、皮膚のひび割れ、傷口に対して、保湿、塗り薬の揮発を防止する目的で当該部にラップフィルムを巻きつける用途、運動後の筋肉、関節部の炎症を軽減する、いわゆるクールダウンのために、氷、保冷剤等を当該部に接触、固定化する目的でラップフィルムを巻きつける用途、運動時に腹部の保温性を高めて、ダイエット効果を高める目的でラップフィルムを巻きつける用途、運動時に大腿部、膝などの保温性を高めて、怪我を防止する目的でラップフィルムを巻きつける用途等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィンに由来する単位を含む高分子をいい、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ4メチルペンテンなどのオレフィン類の単独重合体若しくは2種以上のオレフィン類の共重合体、又は1種以上のオレフィン類とオレフィン類以外の異種成分との共重合体が挙げられる。
オレフィン単量体単位の含有量に限定はないが、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、100質量%であってもよい。
ポリオレフィン系樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィン系樹脂は、上述したものの中でも、ポリエチレン系樹脂を含むことが好ましい。ポリエチレン系樹脂とは、エチレン単位を含むポリオレフィン樹脂をいう。このようなポリエチレン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体;エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルメタクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルメタクリレート共重合体等のエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂を含むことにより、ラップフィルム製膜時の延伸性、電子線架橋性、低温下における強度等により優れる傾向にある。ポリエチレン系樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリエチレン系樹脂の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量%に対して、70〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%がさらに好ましい。ポリエチレン系樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、ラップフィルム製膜時の延伸性、電子線架橋性、低温下におけるフィルム強度等により優れる傾向にある。
低密度ポリエチレンの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、一般に公知の方法、例えば高圧法が使用できる。高圧法において、具体的には、100〜300℃、100〜350MPaの高温高圧下でパーオキサイドなどの遊離基発生剤の存在下でエチレンをオートクレープ又はチューブリアクターなどで重合することにより、低密度ポリエチレンを製造できる。
α−オレフィンとしては、特に限定されないが、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、4−メチル−1−ペンテン、及び1−オクテン等の炭素数が3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。このなかでも、1−ブテン、1−へキセン、及び1−オクテンが好ましい。また、線状低密度ポリエチレン中に占めるαオレフィンの含有量は、仕込みモノマー基準において、6〜30質量%が好ましい。
LLDPEの含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量%に対して、50〜95質量%が好ましく、55〜90質量%がより好ましく、60〜85質量%がさらに好ましい
LLDPEの密度は、0.900〜0.940g/cm3が好ましく、0.910〜0.935g/cm3がより好ましく、0.920〜0.930がさらに好ましい。密度が0.900g/cm3以上であることにより、過剰密着が抑制され引出力がより向上する、フィルムの弾性(張りと腰)がより向上する傾向にある。また、0.940g/cm3以下であることにより、ラップフィルムの密着性がより向上する傾向にある。
線状低密度ポリエチレンの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、気相流動床法、気相攪拌床法、液相スラリー法、液相溶液法、高圧反応釜法などの一般に公知の方法が挙げられる。具体的には、例えば遷移金属触媒の存在下、低温、低圧でエチレンとα−オレフィンとを気相又は液相内で共重合する方法が挙げられる。上記触媒としては、特に限定されないが、例えばチーグラー系触媒、フィリップス系触媒及びメタ口セン系触媒などが挙げられる。このなかでも、チーグラー系触媒が好ましい。チーグラー系触媒を用いることにより、得られるポリエチレン中の低分子量成分が多くなり、密着性が適度に高くなる傾向にある。
ポリオレフィン系樹脂の密度は、0.860〜0.960g/cm2が好ましく、0.900〜0.955g/cm2がより好ましく、0.915〜0.950g/cm2がさらに好ましい。密度が上記範囲内であることにより、フィルムの弾性(張りと腰)、強度、密着性、製膜安定性により優れる傾向にある。なお、密度は実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリオレフィン系樹脂の190℃、2.16kgにおけるメルトフローレート(以下、「MFR」ともいう。)は、0.1〜25g/10分が好ましく、0.2〜10g/10分がより好ましく、0.3〜5g/10分がさらに好ましい。MFRが0.1g/10分以上であることにより、分子鎖の絡まりが程よく弱くなり、切断するのに要する力がより小さくなり、樹脂の押出工程における分解物などの異物の発生頻度もより少なくなる傾向にある。また、MFRが25g/10分以下であることにより、分子鎖の絡まりが程よく大きくなり、ポリオレフィン樹脂が配向しやすくなるため、ラップフィルムが不用意に破れることをより抑制できる傾向にある。なお、MFRは実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態において、架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムは、ポリオレフィン系樹脂を含む層を少なくとも一層有しているフィルムをいい、例えば、ポリオレフィン系樹脂を含む単層又はその積層体であってもよいし、ポリオレフィン系樹脂を含む層と、その他の樹脂を含む層を含む積層体からなるものであってもよい。積層体の場合、表面層にエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いると、ラップフィルムの密着性が向上する。
ポリオレフィン系樹脂を含む層には、ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂や各種添加剤が配合されても良い。ポリオレフィン系樹脂を含む層におけるポリオレフィン系樹脂の含有量に限定はないが、層を構成する樹脂(高分子)の合計を100質量%としたときに、その50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であってもよい。
架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムは、必要に応じて、食品包装材料等に用いられる可塑剤、安定剤、耐候性向上剤、染料又は顔料などの着色剤、防曇剤、抗菌剤、滑剤、核剤など公知の添加剤を含んでいてもよい。これらは1種単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチルクエン酸トリブチルのようなクエン酸エステル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、グリセリン、グリセリンエステル、ワックス、流動パラフィン、リン酸エステル及びエポキシ化大豆油が挙げられる。
安定剤としては、特に限定されないが、具体的には、2,5−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブロピオネート、及び4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)等の酸化防止剤;エポキシ化植物油、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩、オレイン酸塩、リシノール酸塩、2−エチル−ヘキシル酸塩、イソデカン酸塩、ネオデカン酸塩、及び安息香酸カルシウム等の熱安定剤が挙げられる。
耐候性向上剤としては、特に限定されないが、具体的には、エチレン−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾリトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、及び2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤が挙げられる。
染料又は顔料などの着色剤としては、特に限定されないが、具体的には、カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、及びベンガラが挙げられる。
このようなグリセリン脂肪酸エステルとしては、グリセリンと炭素数2〜22の飽和脂肪酸からなるエステルが挙げられる。脂肪酸エステルは、例えば、酢酸エステル、カプロン酸エステル、カプリル酸エステル、カプリン酸エステル、ラウリン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステルなどの飽和脂肪酸エステルがあげられる。好ましい具体例としては、例えば、ジグリセリンラウレートやジグリセリンステアレート等が挙げられる。
該防曇剤の各層中の添加量に限定はないが、0.8質量%より多いことが好ましく、1.0〜3.0質量%であることがより好ましい。
もっとも、炭素間二重結合を有する脂肪酸エステルを含む防曇剤やその他の添加剤をポリオレフィン系樹脂を含む層に添加する場合、ロール状に巻いたフィルムの最表面で、防曇剤やその他、添加剤がブリードして、べたつきが発生しやすくなる。特に室温以上で、長期間保管した場合、その現象の発生が顕著となる場合がある。したがって、炭素間二重結合を有する脂肪酸エステル(例えば、カプロレイン酸エステル、ラウロレイン酸エステル、ミリストレイン酸エステル、パルミトレイン酸エステル、オレイン酸エステル、エルカ酸エステルなどの不飽和脂肪酸エステル)の各層中の含有量は、0.1質量%以下であることが好ましく、これらを全く含まないことがより好ましい。
なお、この原因としては、炭素間二重結合を含む脂肪酸エステルは、酸素がある状態では、酸化され、二重結合が切れて、末端がカルボキシ基(−COOH)に変化することで、極性が高くなり、極性が低いポリオレフィン系樹脂との親和性が低くなり、ブリードしやすくなるためと推定される。
滑剤としては、炭化水素基が全て飽和結合で、不飽和結合(二重結合)を含まないものが使用出来、具体的には、エチレンビスステロアミド、ブチルステアレート、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル等の脂肪酸炭化水素系滑剤、高級脂肪酸滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、及び脂肪酸エステル滑剤が挙げられる。
核剤としては、特に限定されないが、具体的には、リン酸エステル金属塩が挙げられる。
架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムの耐熱性(耐熱温度)は、130℃以上が好ましく、135℃以上がより好ましく、140℃以上がさらに好ましい。耐熱性が上記範囲内であることにより、例えば電子レンジで使用した際に高温の油が架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムに付着することにより穴が開くことなどをより抑制できる傾向にある。耐熱性は、フィルムを構成する樹脂の種類、密度、架橋度などによって、調整することができる。
なお、耐熱性は実施例に記載の方法により測定することができる。
架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムの密着仕事量は、0.50〜3.50mJが好ましく、0.80〜3.00mJがより好ましく、1.00〜2.00mJがさらに好ましい。密着仕事量が0.50mJ以上であることにより、密着性が高くフィルムが独りでに剥がれることを抑制できる傾向にある。また、密着仕事量が3.50mJ以下であることにより、過剰密着を防ぎ、取り扱い性がより向上する傾向にある。密着仕事量は、容器や食品にラップフィルムを被せたときのフィルム同士や容器との密着性を評価する指標であり、引出力と併せて重要な特性である。
なお、密着仕事量は実施例に記載の方法により測定することができる。密着仕事量は、用いる樹脂の密度や組み合わせなどによって調整することが可能である。
本実施形態における架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムの引張弾性率は、MD方向(フィルム製造時における機械流れ方向)、TD方向(フィルム製造時における巾方向、MD方向に直交する方向)いずれにおいても、200MPa〜300MPaであり、200MPa〜250MPaであることが好ましい。
引張弾性率が300MPaを超えると、お椀のように凹みがある容器の開口部の縁でラップフィルムが折られて、開口部下の容器の外面に密着させる際に、フィルムと容器の間に隙間が生じやすくい。フィルムと容器の間に隙間がある状態で電子レンジ等で加熱を行うと、加熱完了直後に容器内の水蒸気や空気が、容器に密着したフィルムと容器の隙間から漏れ出し、結果的に容器内が減圧になり、大気に押されて、開口部のフィルムが凹み、内容物を押しつぶす現象が発生する問題が生じる。300MPaを下回ると、フィルムの張り、腰及び手触り感が大きく低下する問題が生じる。
なお、引張弾性率は実施例に記載の方法により測定することができる。また、引張弾性率は、フィルムを構成する樹脂の密度、架橋度、延伸倍率などで調整することができる。
本実施形態における架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムの巻回体の23℃、相対湿度50%における引出力は10〜80cN/30cmであることが好ましい。ここで引出力とは、巻回体から、フィルムを、1000mm/分の速度で引き出すのに必要な力をいう。
引出力は、10〜70cN/30cmであると非常に引出性が良く、優れたレベルにあり、好ましい。引出力が10cN/30cmを下回ると、引出性が軽すぎ、実用不可である。また、引出力が80cN/30cmを超えると、引出性に劣り、実用上、問題がある。特に100cN/30cmを超えると、途中切れ等の問題が生じる場合がある。
架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムのゲル分率(フィルム全体のゲル分率)は、架橋度の指標であり、本実施形態においては5〜20質量%であり、10〜20質量%が好ましく、15〜20質量%がより好ましい。ゲル分率が20質量%を超えると、架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムの引張弾性率が250MPaを超えることがあり、好ましくない。一方、5質量%を下回ると耐熱性が低下し、特にポリオレフィン系樹脂がポリエチレンの場合、実包耐熱油性が低下する可能性が高い。
なお、ゲル分率は実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムの厚みは、5.0〜15.0μmが好ましく、5.0〜12.0μmがより好ましく、5.0〜8.5μmがさらに好ましい。全層厚みが5μm以上であることにより、破れやすくなることをより抑制できる傾向にある。また、全層厚みが15μm以下であることにより、カット性がより向上する傾向にある。
なお、厚みは実施例に記載の方法により測定することができる。上記全層厚みの調整は、製造時の各層押出機の吐出量又はその比率、ライン速度、延伸倍率などによって行なうことができる。
本実施形態の本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムの製造方法の一例について説明する。
まず各層を構成する樹脂(樹脂組成物)をそれぞれの押出機で溶融して、単層あるいは多層ダイで共押出し急冷固化して、単層あるいは多層フィルム原反を得る。押出法は、Tダイ法、サーキュラー法等が用いることができるが、好ましくは後者がよい。単層を積層して積層体とする場合には、例えば、ドライラミネート法、エクストルージョンラミネート法等により、積層することができる。
このようにして得たフィルム原反を加熱して、配向を付与するのに適当な温度条件下で少なくとも一方向に延伸を行なうことが好ましい。延伸方法としては、ロール延伸法、テンター法、インフレ法(ダブルバブル法を含む)等があるが、同時二軸延伸で製膜される方法が延伸性その他合理性等より好ましい。また、延伸倍率は、一般に面積延伸倍率で3〜80倍程度であり、一般的には好ましくは3〜50倍、より好ましくは4〜40倍であるが、用途により必要な熱収縮率等に応じて適宜選択される。
家庭用ラップフィルムの場合には、MD及びTD方向の延伸倍率は、5.0〜12倍が好ましく、5.5〜11倍が以上より好ましく、6.0〜10倍がさらに好ましい。延伸倍率が上記範囲であると、ポリオレフィン系樹脂の配向度が高くなり手によるカット性により優れ、かつ裂けトラブルがより抑制されたラップフィルムが得られる傾向にある。TD方向の延伸倍率は、(延伸後のフィルム巾)/(延伸前のパリソン巾)の比であり、MD方向の延伸倍率は、(延伸後のライン速度)/(延伸前のライン速度)の比である。また、面積延伸倍率は、5〜70倍が好ましく、20〜60倍がより好ましい。面積延伸倍率が、5倍以上であるとカット性により優れる傾向にある。また、面積延伸倍率が、70倍以下であると製品の寸法変化がより小さくなる傾向にある。延伸温度は、融点+60℃以下が好ましく、融点+40℃以下がより好ましく、融点+30℃以下がさらに好ましい。延伸温度が上記範囲であると、ポリオレフィン系樹脂の配向度が高くなり手によるカット性により優れる傾向にある。
また、必要に応じ、後処理、例えば寸法安定性のためのヒートセット、他種フィルム等とのラミネーションが行なわれてもよい。
また、架橋方法にも限定はなく、電子線(例えば、50〜1000kVのエネルギーのもの)、紫外線、X線、α線、γ線等のエネルギー線の照射による方法、架橋処理をする層にパーオキサイド等の架橋剤を添加し(場合により、架橋処理をする層に架橋助剤を添加したり、架橋処理をしない層に架橋遅延剤等を添加してもよい)、加熱処理を行なう方法、又は両方法の併用等の他、公知の方法により行なってもよい。
さらに、エネルギー線照射による場合、片面の表層や両面の表層のみに照射したり全層に照射してもよいし(積層体の場合)、透過深度をコントロールして厚み方向に架橋分布を設けてもよい。
架橋処理により、耐熱性、耐油性、ヒートシール性、特に高速包装におけるシール性がより向上する。架橋処理による耐熱性の向上により、電子レンジでの高温条件下でも使用可能になり、さらに延伸前に架橋処理を行った場合には高温での高倍率延伸によるフィルム製膜が可能となるため、得られるフィルムに高い熱収縮性を付与することも可能となる。さらに、架橋処理したものであることにより、より容易に手で切ることができるようにもなる。
本実施形態の架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムは、さらに、巻き取り機で巻き取る等して巻回されて巻回体とされてよい。
芯体に巻き取る場合、芯体としては、特に限定されないが、例えば、紙製、プラスチック製、金属製、木製、またはこれらの組み合わせのものを使用することができる。また、芯体を使用せずに、エアシャフト等を巻き芯にして巻き取ることで、芯体のない巻回体を得ることもできる。
巻回体は容器に収容されていてもよい。巻回体を収容する収容容器の大きさ、形状に限定はなく、例えば家庭用ラップフィルムの収納箱として公知のものを使用することができる。
収容容器の材質にも限定はなく、例えばプラスチック、ダンボール及び板紙などが挙げられる。
収容容器はフィルムを切断するための切断具を有していてもよいし、有していなくてもよい。本実施形態の架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムは、手で容易に所定方向に直線的に切ることができるので、容器に切断具がなくてもよい。
切断具の形状は、収容容器に取り付けられる適度な大きさで、フィルムを軽く切断できるものであればよく、例えば、突起状のもの(刃山)が連続している形状等が挙げられる。切断具の材質にも限定はなく、例えば、高分子材料、紙類、金属類等が挙げられる。
実施例で採用した測定方法及び評価方法は以下のとおりである。
<密着性>
フィルム同士密着性及び対ガラス密着性は、30℃の恒温槽に1週間保管したフィルムと、同じ温度で1ヶ月保管したフィルムについて測定した。
この方法は、フィルムを容器に被せたときや、フィルムで食品等を直に包んだときのフィルム同士の密着性を評価するものであり、以下のように測定した剥離力を用いて、フィルム同士の密着性を評価した。
予めスライド板の中央に皺が入らないよう固定しておいた幅2cm、長さ5cmのフィルムと、幅2cm、長さ7cmのフィルムとを長さ方向の一端をそろえ、幅2cm、長さ7cmのフィルムの他端約2cm部分を遊ばせた状態でフィルム面同士がぴったり重なり合うようにして試験板を用意した。この際、フィルムの重ねる部分には何も触れないようにした。次に、重ねたフィルムの上からハンドルのついた手動圧着ローラ(質量2kg)を1往復半させて、フィルム同士を圧着した。その後、23℃の恒温室で、引張試験機の下部つかみに水平に取り付けた取りつけジグにフィルム同士を圧着した試験板を挿入して、遊びの一端を上部つかみに挟み、100mm/分の速さでフィルムを引き剥がした。
以上の操作を、同種の別サンプルで計3回おこない、引き剥がしはじめてから、1cmを剥がした時点から4cmまでの間の剥離力の平均値を求め、これをフィルム同士の剥離力(単位:mN/2cm幅)とした。
[評価記号] 剥離力(mN/2cm幅)で判定した。
◎ 13以上 十分な密着性を有し、優れたレベルにある
○ 9以上13未満 密着性を有し、実用レベルにある
× 9未満 僅かに密着性を有するが実用性に問題あり
出荷後の流通、及び家庭での保管を想定し、製膜直後の巻回フィルムを28℃に設定した恒温槽にて1ヶ月間保管した後、巻回フィルムの対ガラス密着性を評価した。
この方法は、食品を入れた容器、例えば、ガラス容器をラップフィルムで被せたときの容器面に対する密着性を評価するものであり、以下のように測定した剥離力を用いて、対ガラス密着性を評価した。
JIS Z 0237 の90度引きはがし法に準じた取り付けジグを用意した。ピンセットを用いて、予めスライド板の中央に固定しておいた幅2cm、長さ5cm「PYREX」(株式会社旭硝子製、登録商標)ガラス板と、幅2cm、長さ7cmのフィルムとを長さ方向の一端をそろえ、フィルムの他端約2cm部分を遊ばせた状態でガラス面とフィルムとが面がぴったり重なり合うようにして試験版を用意した。この際、ガラス面とフィルムとを重ねる部分には何も触れないようにした。次に、重ねたフィルムの上からハンドルのついた手動圧着ローラ(質量2kg)を1往復半させて、ガラス板とフィルムを圧着した。その後、23℃の恒温室で、引張試験機の下部つかみに水平に取り付けた取り付けジグに試験板を挿入して、遊びの一端を上部つかみに挟み、100mm/分の速さでフィルムを引き剥がした。
以上の操作を、同種の別サンプルで計3回おこない、引き剥がしはじめてから、1cmを剥がした時点から4cmまでの間の剥離力の平均値を求め、これをフィルムのガラスに対する剥離力(単位:mN/2cm幅)とした。
[評価記号] 剥離力(mN/2cm幅)で判定した。
◎ 13以上 十分な密着性を有し、優れたレベルにある
○ 9以上13未満 密着性を有し、実用レベルにある
× 9未満 僅かに密着性を有するが実用性に問題あり
出荷後の流通、及び家庭での保管を想定し、製膜直後の巻回フィルムを28℃に設定した恒温槽にて1ヶ月間保管した後、巻回フィルムの引出力を求め、引出性を評価した。
引出力の測定は、幅30cmのフィルムを直径3.3cmの芯に30回巻いた巻回体を用意し、23℃、相対湿度50%RHの雰囲気中で、図1に示す装置を用いて以下のように行った。長さ約310mmで、直径を巻回フィルム7の紙管3の内径に合わせた駆動部1と、長さ330mmの支点軸2とからなるプラスチック製フリーロールを、巻回フィルム7の幅方向中央とフリーロール駆動部1の長さ方向中央とが合うように、巻回フィルム7の紙管3中に装着した。引張圧縮試験機(島津製作所製;オートグラフ(AG−IS))上部のロードセル側につり下げたハンガー4と支点軸2が平行で、ハンガー4中央の鉛直方向に巻回フィルム7の幅方向中央が位置するように、巻回フィルム7と一体になったフリーロールの支点軸2を、上記試験機下部5に設置した軸受け6に入れて固定した。さらに、フリーロールと一体になった巻回フィルム7を、引き剥がして上記試験上部のロードセル側につり下げたハンガー4に皺のないよう両面テープで固定した。
次いで、引張圧縮試験機にて1000mm/分の速度で巻回フィルム7を紙管3から垂直に引き剥がした。以上の操作を3回行い、巻回フィルム7を紙管3から引き剥がすのに必要な力の平均値を引出力(単位:cN/30cm幅)とした。
巻回ラップフィルムの引出性は、測定した引出力の値をもとに、以下の4段階で評価した。
[評価記号] 引出力(cN/30cm)で判定した。
× 10未満 引出性が軽すぎ、実用不可
◎ 10以上70未満 非常に引出性が良く、優れたレベルにある
○ 70以上80未満 引出性が良く、実用レベルにある
△ 80以上100未満 引出性に劣り、実用上問題あり
× 100以上 引出性が非常に劣り、実用不可(途中切れ等の問題が生じる場合がある)
図2に示すような上部開口部が直径122mmの円状、高さ61mm、底面が直径85mmの円状になっている(上面直径:122mm、底面直径:85mm、高さ:61mmの逆円錐台形状を有する)凹みがある容器の中に市販のマヨネーズ(食用油・酢・卵を主材料とした半固体状ドレッシング)0.5gと水50gを入れ、開口部を縦22cm、横22cmの大きさのフィルムを覆い、フィルムの開口部からはみ出す部分については、開口部の縁より下の容器の外側部分に密着させた。
以上のようにして用意した試料(マヨネーズと水を入れてラップした容器)を家庭用電子レンジ(出力1000W)で30秒加熱した。加熱後、容器を取出してから、20秒後、ラップしたフィルムが開口部に対し、凹むかどうかを評価した。
[評価記号] 上面からの凹みの深さで判定した。
○ 凹みは全くない(加熱完了後、内容物をおしつぶさない)。
△ 凹みの深さが0〜5mm(加熱完了後、内容物にフィルムが密着する)。
× 凹みの深さが5mm以上(加熱完了後、内容物をフィルムが押しつぶし、内容物の外観を損ねる)。
フィルムのMD方向及びTD方向の引張弾性率は、ASTMD−882に準じて測定した。測定条件は、引張速度は5mm/min、初期試料長(つかみ具間隔)は100mm、試料幅は10mmであり、2%伸長時の応力から算出した。
フィルムのゲル分率は、ASTM−D2765に準拠し以下のように測定した。沸騰パラキシレン中、12時間抽出した後の不溶分の質量分率を次式により表示したものをゲル分率とした。尚、試料は、延伸されたフィルムを140℃で熱収縮させてパリソン状に戻したものを使用した。
ゲル分率(質量%)=(抽出後の試料質量/抽出前の試料質量)×100
フィルムの耐熱温度は、東京都消費生活条例11条に基づくラップ品質表示実施要領(都民表第29号)に準拠しつつ、一部条件を変更して、次の通り評価した。
フィルムを幅3cm×長さ14cmに裁断し、上端及び下端のフィルムの両面に、幅3cm×長さ2.5cm、厚み0.7mmの板目紙を外れないように両面テープにて接着し、これを試料片とした。この試料の下端に重りをつるさずに、これを所定の温度に保たれたオーブン中に上端をジグで固定し、1時間後に切断の有無を確認した。フィルムが切断していた場合は、オープンの温度を5℃下げて同様にして測定を行った。フィルムが未切断の場合は、オープンの温度を5℃上げて同様にして測定を行った。そして、この結果より得られる試料が未切断の最高の温度を、耐熱温度とした。評価は、以下の通り、3段階にて行った。
[評価基準]
〇:140℃以上 耐熱性が優れている。十分使用可能。
△:100℃以上140℃未満 耐熱性は問題なし。電子レンジで使用可能。
×:100℃未満 耐熱性が悪い。電子レンジで使用しづらい。
500mlのビーカーに20℃に調節した水を入れ、ビーカーの口をフィルムで密閉した。そのビーカーを2℃に調整した冷蔵ショーケースに保管し、120分後フィルムについた水滴の状態を確認し、防曇性を評価した。
[評価基準]
○:全く曇りがない。
△:部分的に曇りがある。
×:全面的に曇っている。
出荷後の流通、及び家庭での保管を想定し、製膜直後の巻回ラップフィルムを28℃に設定した恒温槽にて1ヶ月間保管した後、巻回フィルムの最表面でのべたつきを評価した。
[評価基準]
○:全くべたつきがない。
△:部分的にべたつきがある。
×:全面的にべたつきがある。
フィルムの厚みは、ASTME−252に準じて測定した。具体的には、TECLOCKCORPORATION製 TECLOCK US−26を使用して測定を行った。
実際に料理をラップ包装し、電子レンジ加熱した際の実用的な耐熱油性である実包耐熱油性は、以下のように測定した。
お皿にカレーライスを盛り、その上からラップフィルムで包装した後、電子レンジで、750W×1分加熱した後、ラップフィルムに破れ、穴あき、ピンホール等の有無を目視確認し、下記評価基準により評価した。
[評価基準]
◎:破れ、穴あき、ピンホール等の生成なし。
○:外径5mm未満のピンホールのみ生成。
×:外形5mm以上の穴あき、破れなどが生成。
◎:防曇性、耐熱性、引出性、凹みがある容器への加熱時の密着性に優れ、長期間保管時後のフィルムの最表面でのべたつきが発生しない 防曇性○以上、実包耐熱油性○以上、引出性○以上、凹みがある容器への加熱時の密着性○以上、長期間保管時後のフィルムの最表面でのべたつき○以上
○:防曇性、耐熱性、引出性、凹みがある容器への加熱時の密着性に優れるが、長期間保管時後のフィルムの最表面でのべたつきが部分的に発生する。
防曇性○以上、実包耐熱油性○以上、引出性○以上、凹みがある容器への加熱時の密着性○以上、長期間保管時後のフィルムの最表面でのべたつき△以上
△:防曇性、耐熱性、引出性に優れる。
防曇性○以上、実包耐熱油性○以上、引出性○以上、凹みがある容器への加熱時の密着性△、長期間保管時後のフィルムの最表面でのべたつき△以上
×:防曇性、実包耐熱油性、引出性、凹みがある容器への加熱時の密着性、長期間保管時後のフィルムの最表面でのべたつきのいずれか一つ以上が×
以下の樹脂を表層、中間層および内部層の材料として用いた。
・LL1:エチレン−1−オクテン共重合体、密度=0.926g/cm3、MI=2.0g/10分
・LL2:エチレン−1−へキセン共重合体、密度=0.913g/cm3、MI=2.0g/10分
・LL3:エチレン−1−ヘキセン共重合体、密度=0.926g/cm3、MI=2.5g/10分
・LL4:エチレン−1−ヘキセン共重合体、密度=0.916g/cm3、MI=2.3g/10分
・VL1:エチレン−1−ヘキセン共重合体、密度=0.900g/cm3、MI=2.0g/10分
・VL2:エチレン−1−ヘキセン共重合体、密度=0.905g/cm3、MI=4.0g/10分
・ML1:エチレン−オクテン共重合体、密度=0.939g/cm3、MI=2.1g/10分
・LD1:高圧法低密度ポリエチレン、密度=0.921g/cm3、MI=0.4g/10分
・LD2:高圧法低密度ポリエチレン、密度=0.922g/cm3、MI=0.2g/10分
・EL1:エチレン−1−オクテン共重合エラストマー、密度=0.877g/cm3、MI=0.5g/10分
・EL2:エチレン−1−オクテン共重合エラストマー、密度=0.868g/cm3、MI=0.5g/10分
・EVA1:エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル成分=15%、密度=0.940g/cm3、MI=2.0g/10分
・EVA2:エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル成分=15%、密度=0.940g/cm3、MI=1.0g/10分
・PP1:ホモポリプロピレン、密度=0.900g/cm3、MI=3.3g/10分
・PB1:プロピレン−ブテン共重合体、密度=0.890g/cm3、MI=2.0g/10分
・A1:ジグリセリンラウレート
・A2:モノグリセリンオレート
表1に示す組成の樹脂又は樹脂組成物に、ジグリセリンオレート(A1)のみを2.0質量%添加(各層いずれにもしたものを環状ダイより単層または3層原反(表面層−内部層−表面層)または5層原反(表面層−中間層−内部層−中間層−表面層)として押出した後、冷水にて冷却固化して、折り巾120mm、厚さ400μmのチューブ状原反を作製した。
これを電子線照射装置に誘導し、500kVに加速した電子線を照射し、吸収線量として80kGyになるように架橋処理を行った。
これを延伸機内に誘導して再加熱を行い、2対の差動ニップロール間に通して、エアー注入によりバブルを形成し、表1に示す延伸条件でそれぞれ延伸を行い、実施例1、2、3のフィルムを得た。
各種物性を表1に示す。
表1に示す樹脂と防曇剤を用いて、表1に示す製膜条件で、実施例1〜3と同様にして比較例1、3〜5のフィルムを得た。なお、電子線架橋条件は、実施例1〜4と同様であった。
各種物性を表1に示す。
[比較例2、6、7]
表1に示す樹脂と防曇剤を用いて、表1に示す製膜条件で、実施例1〜3と同様にして比較例2、6、7のフィルムを得た。これらについては電子線架橋は行わなかった。
各種物性を表1に示す。
2 支点軸
3 紙管
4 ハンガー
5 試験部下部
6 軸受け
7 巻回フィルム
Claims (7)
- ポリオレフィン系樹脂及び炭素間二重結合を有さないグリセリン脂肪酸エステルを含み、
MD方向及びTD方向の引張弾性率がいずれも200〜300MPаであり、
ゲル分率が5〜20質量%である、
架橋ポリオレフィン系樹脂フィルム。 - 耐熱性が130℃以上である、請求項1に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂フィルム。
- 請求項1又は2に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムが巻回された、巻回体。
- 23℃、相対湿度50%での引出力が10〜80cN/30cmである、請求項3に記載の巻回体。
- 請求項3又は4に記載の巻回体と、該巻回体を収容する容器とを有し、該容器が、前記架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムを切断するための切断具を有する、収容体。
- 前記切断具が、前記容器の一部に具備された突起状のものである、請求項5に記載の収容体。
- 請求項3又は4に記載の巻回体と、該巻回体を収容する容器とを有し、該容器が、前記架橋ポリオレフィン系樹脂フィルムを切断するための切断具を有さない、収容体。
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