JP2007062384A - ポリオレフィン系積層ストレッチシュリンクフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエチレン系樹脂(A)(特定の低結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体(B)を含んでよい。)からなる表層、ポリエチレン系樹脂(A)と特定の低結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体(B)、ポリプロピレン系樹脂(C)及び特定のα−オレフィン系共重合体(D)のうちの1種以上との混合物からなる芯層、ポリプロピレン系樹脂(C)(特定のα−オレフィン系共重合体(D)を含んでより。)からなるもう一つの表層を有する三層以上の積層フィルムで、縦横それぞれ2倍以上の延伸加工を施した積層ストレッチシュリンクフィルム。
【選択図】なし
Description
このため、可塑化ポリ塩化ビニルに代わるフイルムの開発がポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂等を使って活発に行われている。しかしながら、前記エチレン系樹脂やポリプロピレン樹脂で得られるフイルムは安全衛生、公害の問題はないものの、ストレッチフイルムとしてまだ満足すべきものでない。
また、生産性アップ、包装スピードアップの観点からハンドラップ包装機に替ってストレッチ自動包装機、ストレッチシュリンク自動包装機等の普及がコンビニエンスストアー、スーパーマーケットの拡大と相まって著しく、包装フイルムに対する自動包装機適性向上の要望も強い。
すなわち本発明は、下記(A)、(B)が数5で示される重量比で配合された混合物からなる一つの表層と、下記(A)、(B)、(C)、(D)が数6あるいは数7で示される重量比で配合された混合物からなる芯層と、下記(C)、(D)が数8で示される重量比で配合された混合物からなるもう一つの表層とを有する三層以上の積層フィルムであって、縦横それぞれ2倍以上の延伸加工を施した積層ストレッチシュリンクフィルムを提供するものである。
(B)密度が0.860〜0.900g/cm3、190℃、2.16Kg荷重のメルトインデックスが0.1〜20g/10分の非晶性或いは示差走査熱量計による融解ピーク温度が50〜100℃の低結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体。
(C)ポリプロピレン単独重合体、プロピレンとα−オレフィンの共重合体、プロピレンとα−オレフィンの3元共重合体の中から選ばれる少なくとも一種以上のポリプロピレン系樹脂。
(D)プロピレン或いはブテン−1を主成分として含み、ビカット軟化点が100℃以下のα−オレフィン系共重合体。
0≦(B)/(A+B)≦0.8
(C+D)=0であって、0<(B)/(A+B+C+D)≦0.8(ただしA≠0)
(B)=0であって、0<(C+D)/(A+B+C+D)≦0.5(ただしA≠0)
0≦(D)/(C+D)≦0.8
本発明において、ポリエチレン系樹脂(A)を必須とする一つの表層(以下、表層Aと略す)は、主として自動包装機におけるヒートシールを果たすものであり、用いるポリエチレン系樹脂(A)は、長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン、エチレンとプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1を含む炭素数3〜20個、好ましくは炭素数が4〜8個の1種または2種以上のα−オレフィンとの共重合体である線状低密度ポリエチレン及び超低密度ポリエチレンの中から選ばれる少なくとも一種以上であり、密度が0.890〜0.930g/cm3 、190℃、2.16Kg荷重におけるメルトインデックス(以下、MIと略す)が0.3〜10のものが低温シール性と耐ブロッキング性を両立し易い点で好ましく用いられる。またメタロセン触媒(シングルサイト触媒)により得られる、比較的分子量分布が狭い線状低密度ポリエチレンも、同様な点で好ましい。
密度が0.860g/cm3未満では低温ヒートシール性の効果は大きくなるがブロッキングが発生し好ましくなく、0.900g/cm3を越えると低温ヒートシール性の効果が小さく好ましくない。また、MIが0.1g/10分未満では加工性が低下し好ましくなく、20g/10分を越えると過度のブロッキングが発生し易くなり好ましくない。
0≦(B)/(A+B)≦0.8
(C+D)=0であって、0<(B)/(A+B+C+D)≦0.8(ただしA≠0)
(B)=0であって、0<(C+D)/(A+B+C+D)≦0.5(ただしA≠0)
0≦(D)/(C+D)≦0.8
本発明のフィルムの厚みは特に制限はないが、要求されるフィルム強度に応じて5〜30μ、好ましくは5〜20μの範囲で用いられる。
実施例及び比較例において用いた原料樹脂を下記に示す。
A1:低密度ポリエチレン(高圧法、密度=0.922g/cm3、MI=2.0g/10分)
A2:線状低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒、密度=0.920g/cm3、MI=1.0g/10分)
A3:線状低密度ポリエチレン(シングルサイト触媒、密度=0.916g/cm3、MI=1.5g/10分)
B1:エチレン−ブテン−1共重合体(密度=0.88g/cm3、MI=3.6g/10分、融解ピーク温度=74℃)
B2:エチレン−プロピレン共重合体(密度=0.87g/cm3、MI=0.4g/10分、融解ピーク温度は観測されず)
C1:プロピレン単独重合体(MFR(230℃、2.16Kg荷重)=2.4g/10分、融解ピーク温度=162℃)
C2:プロピレン−エチレンランダム共重合体(MFR=2.6g/10分、融解ピーク温度=143℃)
C3:ポリプロピレン系軟質樹脂(アタクチックポリプロピレン含量 30重量%、MFR=2.5g/10分、融解ピーク温度=161℃)
D1:プロピレン−ブテン−1共重合体(密度=0.89g/cm3、MI=3.2g/10分、ビカット軟化点=83℃)
D2:ブテン−1−プロピレン共重合体(密度=0.90g/cm3、MI=1.0g/10分、ビカット軟化点=59℃)
(1)ヘイズ
JIS−K7105に準じて測定した。
(2)90℃熱収縮率
縦横共10.0cmの正方形に切り取ったフィルムにタルクの粉末をまぶした後、90℃のオーブン中に15分間放置し、取り出して急冷後、縦横の長さを測定し、数9で示される式により算出した。
90℃熱収縮率=100−A×B
但し、A,Bはそれぞれ急冷後の縦横の長さ(単位はcm)を示す。
製品ロールの内面同士のヒートシールにより製袋され、収縮トンネルを通過させる事により、包装を仕上げる市販の自動包装機を用い、ふた付き容器(縦210mm、横180mm、高さ35mm)に、スパゲティー250gを入れ、容器とフィルムの方向が同じになるようにして包装を行い、ヒートシール性及び収縮温度範囲を評価した。
(1)ヒートシール性
包装品について、下記基準で評価した。
○:ヒートシール部分の剥離もなく、無理に剥離しようとするとフィルムが大きく伸びたり、破れたりする程十分に溶着している。
×:ヒートシール部分が剥離していたり、或いはフィルムが大きく伸びたり、破れたりすることなく、ヒートシール部分を剥離出来る。
(2)収縮温度範囲
収縮トンネルの温度を5℃毎変えて包装し、収縮開始温度から耐熱温度までの温度範囲を評価した。評価は以下の観点で行った。
・収縮開始温度:包装品に収縮不足によるシワやタルミが無く、美麗な仕上がりが得られる最低温度。
・耐熱温度 :フィルムが溶融して孔が開き始める前の最高温度。
表1に示す配合比からなる各層の原料に非イオン系界面活性剤のジグリセリン脂肪酸エステル1.0重量%を添加した表層A用組成物と表層C用組成物と芯層用組成物を3台の押出機で、それぞれを170℃〜240℃にて溶融混練し、延伸後の厚みが13μm、各層の厚み比を表層(内層):芯層:表層(外層)=1:8:1になるように各押出機の押出量を調節して、240℃に保った3層環状ダイスのスリットより下向きに押し出した。環状ダイスのスリットの直径は75mmでスリットのギャップは0.8mmであった。押し出された3層構成溶融チューブ状フイルムをダイス直下に取付た外径76mmで内部に20℃の冷却水を循環している円筒形マンドレルの外表面を摺動させながら外側は水槽を通すことにより水冷して室温まで冷却して引取り、直径約75mm、厚さ245μmのチューブ状未延伸フイルムを得た。このチューブ状未延伸フイルムを第1図に示したチューブラー二軸延伸装置に導き、膨張延伸を行った。この時、予熱器4の環状赤外線ヒーターの電圧、電流を調節し、予熱器出口のフイルム温度を調節した。主熱器5の8本の環状赤外線ヒーターを4区分して各々の電圧、電流を調節してフイルムを加熱し、主熱器下方よりバブルに沿って流れる空気を供給する中で低速ニップロール2、高速ニップロール3の間の管状フイルムに加圧空気を送り込んで該空気と低速、高速ニップロールの周速比によって縦5.0倍、横4.0倍(面積延伸倍率20倍)にバブル延伸し、約13μmの延伸フイルムを得た。得られたフィルムを切り開き、表層Aがロール内面となるように紙管に巻き取り、製品ロールとした。
延伸性は良好であり、延伸点の上下動や延伸バブルの揺動もなく、また、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。
得られたフイルムは表2に示すように、ヘイズ値も小さく透明性は良好であり、熱収縮性も十分であった。得られたフィルムを用いて、自動包装機で包装した包装品は十分にヒートシールされており、耐熱温度が高く、収縮温度範囲も広く、実用性の高いものであった。
表1に示すように原料構成を変えた以外は実施例1と同様にして、積層ストレッチシュリンクフイルムを製造した。延伸性はいずれも良好であり、延伸点の上下動や延伸バブルの揺動もなく、また、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。
得られたフイルムはいずれも表2に示すように、ヘイズ値も小さく透明性は良好であり、熱収縮性も十分であった。得られたフィルムを用いて、自動包装機で包装した包装品は十分にヒートシールされており、耐熱温度が高く、収縮温度範囲も広く、実用性の高いものであった。
表1に示すように表層Cの配合比を変えた以外は実施例1と同様にして、積層ストレッチシュリンクフイルムを製造した。延伸性はいずれも良好であり、延伸点の上下動や延伸バブルの揺動もなく、また、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。
得られたフイルムは表2に示すように、ヘイズ値も小さく透明性は良好であり、熱収縮性も十分であった。得られたフィルムを用いて、自動包装機で包装した包装品はヒートシールは十分であったが、耐熱温度が低くいため、収縮温度範囲も狭く、実用性の低いものであった。
表1に示すように芯層の原料構成を変えた以外は実施例1と同様にして、積層ストレッチシュリンクフイルムを製造した。延伸性はいずれも良好であり、延伸点の上下動や延伸バブルの揺動もなく、また、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。
得られたフイルムは表2に示すように、ヘイズ値が大きく、透明性は不十分なものであった。熱収縮性や自動包装機におけるヒートシール、収縮温度範囲は良好であったが、外観的に実用性が低いと判断された。
表1に示すように芯層の原料構成を変えた以外は実施例1と同様にして、積層ストレッチシュリンクフイルムを製造しようとしたが、延伸点の上下動や延伸バブルの揺動がひどく、延伸が持続せず、フィルムを得ることが出来なかった。
2 低速ニップロール
3 高速ニップロール
4 予熱器
5 主熱器
6 冷却エアーリング
7 折りたたみロール
Claims (4)
- 下記(A)、(B)が数1で示される重量比で配合された混合物からなる一つの表層と、下記(A)、(B)、(C)、(D)が数2あるいは数3で示される重量比で配合された混合物からなる芯層と、下記(C)、(D)が数4で示される重量比で配合された混合物からなるもう一つの表層とを有する三層以上の積層フィルムであって、縦横それぞれ2倍以上の延伸加工を施した積層ストレッチシュリンクフィルム。
(A)低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンの中から選ばれる少なくとも一種以上のポリエチレン系樹脂。
(B)密度が0.860〜0.900g/cm3、190℃、2.16Kg荷重のメルトインデックスが0.1〜20g/10分の非晶性或いは示差走査熱量計による融解ピーク温度が50〜100℃の低結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体。
(C)ポリプロピレン単独重合体、プロピレンとα−オレフィンの共重合体、プロピレンとα−オレフィンの3元共重合体の中から選ばれる少なくとも一種以上のポリプロピレン系樹脂。
(D)プロピレン或いはブテン−1を主成分として含み、ビカット軟化点が100℃以下のα−オレフィン系共重合体。
(数1)
0≦(B)/(A+B)≦0.8
(数2)
(C+D)=0であって、0<(B)/(A+B+C+D)≦0.8(ただしA≠0)
(数3)
(B)=0であって、0<(C+D)/(A+B+C+D)≦0.5(ただしA≠0)
(数4)
0≦(D)/(C+D)≦0.8 - 少なくとも1層以上に非イオン系界面活性剤組成物を0.1〜4.0重量%配合した請求項1記載の積層ストレッチシュリンクフィルム。
- ポリプロピレン系樹脂(C)が、アタクチックポリプロピレン5〜40重量%と結晶性アイソタクチックポリプロピレン60〜95重量%の混合物からなるポリプロピレン系軟質樹脂である請求項1乃至2記載の積層ストレッチシュリンクフィルム。
- α−オレフィン系共重合体(D)がプロピレンとブテン−1の共重合体である請求項1乃至3のいずれか1項記載の積層ストレッチシュリンクフィルム。
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