JP2017002152A - スチールコード被覆用ゴム組成物、スチールコード−ゴム複合体及びタイヤ - Google Patents

スチールコード被覆用ゴム組成物、スチールコード−ゴム複合体及びタイヤ Download PDF

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【課題】スチールコードを被覆する被覆ゴムに用いた場合において、スチールコードとの接着性が良好で、耐破壊性に優れるスチールコード被覆用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ゴム成分と、ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物と、を含むことを特徴とする、スチールコード被覆用ゴム組成物である。前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物としては、下記式(1):
Figure 2017002152

[式中、Aは炭素数6〜30のヒドロカルビルエステル基又は炭素数6〜30のヒドロカルビルエーテル基であり、X、X、X及びXはそれぞれ独立して−OH又は−R(ここで、−Rは−H又は−CHOHである)であり、但し、X、X、X及びXのうち少なくとも3つは−OHである]で表わされる化合物が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、スチールコード被覆用ゴム組成物、スチールコード−ゴム複合体及びタイヤに関するものである。
従来、スチールコードと、該スチールコードの被覆ゴムとの接着性を向上させる手段として、被覆ゴム用のゴム組成物にデンプン等の糖類を添加する技術が知られている。例えば、特開平07−118457号公報(特許文献1)には、スチールコードとの接着性を向上させるために、D−フルクトース、D−グルコース等の単糖類、D−マンニトール等の糖アルコール、デンプン等の多糖類、等の炭水化物をジエン系ゴムに配合したゴム組成物が提案されており、これら炭水化物と共に、メトキシ化メチロールメラミン樹脂を配合することで、ゴム組成物のスチールコードとの接着性が向上し、更には、ゴム組成物の硬度が向上することが開示されている。
特開平07−118457号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示のように、糖類等を配合したゴム組成物をスチールコードの被覆ゴムに用いても、スチールコードと被覆ゴムとの間の接着性には、依然として改良の余地がある。
また、スチールコードと、それを被覆する被覆ゴムから作製したスチールコード−ゴム複合体(所謂、トリート)は、タイヤ等のゴム製品に組み込まれる前に、放置(保管)されるのが通常であり、かかる放置を経ても、被覆ゴムとスチールコードとの間の接着性(即ち、トリートの放置安定性)が良好であることも求められる。
また、上記特許文献1には、ゴム組成物の耐破壊性についての言及が無いが、本発明者が検討したところ、上記特許文献1に開示のように、糖類等を配合して得たゴム組成物を用いた被覆ゴムは、その耐破壊性に改良の余地があることが分かった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、スチールコードを被覆する被覆ゴムに用いた場合において、スチールコードとの接着性(特には、初期接着性)が良好で、耐破壊性にも優れるスチールコード被覆用ゴム組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、かかるスチールコード被覆用ゴム組成物を用いた、スチールコードと被覆ゴムとの間の接着性が良好で、被覆ゴムの耐破壊性にも優れるスチールコード−ゴム複合体、更には、かかるスチールコード−ゴム複合体を用いた、スチールコードと被覆ゴムとの間の接着性が良好で、被覆ゴムの耐破壊性にも優れるタイヤを提供することを更なる課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、ゴム成分と、ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物と、を含むことを特徴とする。
かかる本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、スチールコードを被覆する被覆ゴムに用いた場合において、スチールコードとの接着性が良好で、放置安定性も良好である上、耐破壊性に優れる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物の好適例においては、前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物が、下記式(1):
Figure 2017002152
[式中、Aは炭素数6〜30のヒドロカルビルエステル基又は炭素数6〜30のヒドロカルビルエーテル基であり、X、X、X及びXはそれぞれ独立して−OH又は−R(ここで、−Rは−H又は−CHOHである)であり、但し、X、X、X及びXのうち少なくとも3つは−OHである]で表わされる化合物である。この場合、上述したスチールコードとの接着性及び放置安定性が十分に高いことに加えて、耐破壊性が更に向上する。
ここで、前記式(1)中のAのヒドロカルビル基部分の炭素数は、12〜24であることが好ましい。この場合、スチールコードを被覆する被覆ゴムに用いた場合の放置安定性が特に良好であり、また、耐破壊性(特には、耐亀裂性)が大幅に向上する。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物の他の好適例においては、前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜3質量部である。この場合、ゴム組成物の耐破壊性やスチールコードとの接着性が十分に高いことに加えて、スチールコードを被覆する被覆ゴムに用いた場合の放置安定性が特に良好である。
また、本発明のスチールコード−ゴム複合体は、スチールコードと、該スチールコードを被覆する被覆ゴムと、を具え、
前記被覆ゴムに、上記のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いたことを特徴とする。
かかる本発明のスチールコード−ゴム複合体は、スチールコードと被覆ゴムとの間の接着性が良好で、放置安定性も良好である上、耐破壊性に優れる。
また、本発明のタイヤは、上記のスチールコード−ゴム複合体を具えることを特徴とする。
かかる本発明のタイヤは、スチールコードと被覆ゴムとの間の接着性が良好で、耐破壊性に優れる。
本発明によれば、スチールコードを被覆する被覆ゴムに用いた場合において、スチールコードとの接着性が良好で、放置安定性も良好である上、耐破壊性にも優れるスチールコード被覆用ゴム組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、かかるスチールコード被覆用ゴム組成物を用いた、スチールコードと被覆ゴムとの間の接着性及び放置安定性が良好で、被覆ゴムの耐破壊性にも優れるスチールコード−ゴム複合体、更には、かかるスチールコード−ゴム複合体を用いた、スチールコードと被覆ゴムとの間の接着性が良好で、被覆ゴムの耐破壊性にも優れるタイヤを提供することができる。
以下に、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物、スチールコード−ゴム複合体及びタイヤを、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
<スチールコード被覆用ゴム組成物>
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、ゴム成分と、ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物と、を含むことを特徴とする。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物を含有し、該環状ポリオール化合物がヒドロキシル基(−OH)を複数有するため、スチールコードを被覆する被覆ゴムに用いた場合のスチールコードとの接着性が良好となる。
また、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物においては、環状ポリオール化合物がヒドロカルビル基を有し、該環状ポリオール化合物がヒドロカルビル基を有することで、環状ポリオール化合物の融点が低下し且つ疎水性が向上する。これらに起因して、ゴム成分への環状ポリオール化合物の分散性が向上し、ゴム組成物の耐破壊性(特には、耐亀裂性)が向上する。
更に、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物においては、前記環状ポリオール化合物がヒドロカルビル基を有することで、環状ポリオール化合物のスチールコードへの吸着が抑制される。そのため、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を被覆ゴムに用いて、スチールコード−ゴム複合体として、放置しても、被覆ゴム中で環状ポリオール化合物が安定的に分散しており、被覆ゴムとスチールコードとの間の接着性の低下を抑制でき、放置安定性が良好となる。
以上の点から、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を、スチールコードを被覆する被覆ゴムに用いることで、スチールコードと被覆ゴムとの間の接着性を良好としつつ、スチールコード−ゴム複合体の放置安定性も良好にでき、加えて、被覆ゴムの耐破壊性も向上させることができる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物に用いるゴム成分としては、天然ゴム(NR)及び合成ゴムが挙げられ、該合成ゴムの例として、具体的には、ポリブタジエンゴム(BR)、合成ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)等の合成ジエン系ゴムが挙げられる。これらゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上のブレンドとして用いてもよい。また、使用するゴム成分は、変性されていても、未変性であってもよい。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物に用いるヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物[以下、「変性環状ポリオール化合物」と略記することがある]は、ヒドロカルビル基を有し、また、環状構造を有することに加え、ヒドロキシル基(−OH)を複数有する化合物である。該変性環状ポリオール化合物をゴム組成物に配合することで、ゴム組成物のスチールコードに対する接着性が向上することに加え、該ゴム組成物を被覆ゴムとするスチールコード−ゴム複合体の放置安定性も向上し、更には、該ゴム組成物の耐破壊性を向上させることもできる。
ここで、前記ヒドロカルビル基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。また、アルキル基としては、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基等が挙げられ、アルケニル基としては、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、トリル基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。これらの中でも、前記環状ポリオール化合物が有するヒドロカルビル基としては、アルキル基、アルケニル基が好ましい。
前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物としては、上記式(1)で表わされる化合物が好ましい。前記変性環状ポリオール化合物として、上記式(1)で表わされる化合物を配合したゴム組成物をスチールコードの被覆ゴムに用いることで、スチールコードとの接着性及び放置安定性が十分に高くなることに加えて、耐破壊性が更に向上する。
上記式(1)中、Aは炭素数6〜30のヒドロカルビルエステル基又は炭素数6〜30のヒドロカルビルエーテル基であり、該Aのヒドロカルビル基部分の炭素数は、12〜24であることが好ましい。式(1)中のAのヒドロカルビル基部分の炭素数が12〜24の範囲であれば、ゴム組成物を、スチールコードを被覆する被覆ゴムに用いた場合において、放置安定性が特に良好であり、また、耐破壊性が大幅に向上する。
なお、式(1)中のAは、環部分から1番目の原子(即ち、環に結合している原子)、又は環部分から2番目の原子が酸素原子であることが好ましい。環部分から1番目の原子が酸素原子であるAとしては、例えば、−O−A'、−O−CO−A''で表わされる基が挙げられ、また、環部分から2番目の原子が酸素原子であるAとしては、例えば、−CH−O−A''、−CH−O−CO−A'''で表わされる基が挙げられ、ここで、A'は炭素数6〜30のヒドロカルビル基、A''は炭素数5〜29のヒドロカルビル基、A'''は炭素数4〜28のヒドロカルビル基であることが好ましく、また、A'、A''及びA'''は炭素数12〜24のヒドロカルビル基であることが更に好ましい。
また、上記式(1)中、X、X、X及びXはそれぞれ独立して−OH又は−R(ここで、−Rは−H又は−CHOHである)であり、但し、X、X、X及びXのうち少なくとも3つは−OHである。X、X、X及びXの3つ以上が−OHであることで、ゴム組成物を、スチールコードを被覆する被覆ゴムに用いた場合のスチールコードとの接着性が更に向上し、また、X、X、X及びXの3つが−OHである場合、放置安定性が特に良好となる。
上記式(1)で表わされる化合物の中でも、下記式(2)又は式(3):
Figure 2017002152
Figure 2017002152
で表わされる化合物が更に好ましく、上記式(2)で表わされる化合物が特に好ましい。
なお、式(2)及び式(3)中、nは自然数であり、11〜23の範囲が好ましい。
前記変性環状ポリオール化合物として、上記式(2)又は式(3)で表わされる化合物を配合することで、上述したスチールコードとの接着性及び放置安定性が十分に高くなることに加えて、耐破壊性を大幅に向上させることができ、また、上記式(2)で表わされる化合物を配合することで、放置安定性が特に良好となる。
前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物は、特に限定されるものではないが、例えば、ソルビット、ソルビタン、グルコース、フルクトース等のポリオール化合物に、オクタノール、デカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール等の脂肪族アルコールや、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸を反応させることで得られる。
前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物の例として、具体的には、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート等のエステル化合物、オクチル−β−D−グルコピラノシド、デシル−β−D−グルコピラノシド、ドデシル−β−D−グルコピラノシド、テトラデシル−β−D−グルコピラノシド、ヘキサデシル−β−D−グルコピラノシド等のエーテル化合物が挙げられる。
これら化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物の配合量は、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜3質量部の範囲が好ましく、1〜3質量部の範囲が更に好ましい。前記変性環状ポリオール化合物の配合量が前記ゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上であれば、ゴム組成物の耐破壊性やスチールコードとの接着性が十分に高く、また、3質量部以下であれば、スチールコードを被覆する被覆ゴムに用いた場合の放置安定性が大幅に向上する。
上記スチールコード被覆用ゴム組成物は、更に有機酸コバルト塩を含有することが好ましい。ゴム組成物が有機酸コバルト塩を含有することで、ゴム組成物のスチールコードに対する接着性が更に向上する。該有機酸コバルト塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト等が挙げられる。また、該有機酸コバルト塩は、有機酸の一部をホウ酸等で置き換えた複合塩でもよく、かかる複合塩として、具体的には、マノボンド(商標:OMG製)等が挙げられる。
ここで、前記有機酸コバルト塩の配合量は、前記ゴム成分100質量部に対して、コバルト量として0.03〜1質量部の範囲が好ましい。有機酸コバルト塩の配合量がゴム成分100質量部に対してコバルト量として0.03質量部以上であると、ゴム組成物とスチールコードとの接着性が十分に向上し、また、1質量部以下であると、ゴム組成物の耐老化性も十分に良好となる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物には、前記ゴム成分、変性環状ポリオール化合物、有機酸コバルト塩の他、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、充填剤、軟化剤、ステアリン酸、老化防止剤、酸化亜鉛(亜鉛華)、加硫促進剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合してもよい。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物の製造方法に特に制限はなく、例えば、バンバリーミキサーやロール等を用いて、ゴム成分に、変性環状ポリオール化合物と共に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出し等することにより製造することができる。
<スチールコード−ゴム複合体>
本発明のスチールコード−ゴム複合体は、スチールコードと、該スチールコードを被覆する被覆ゴムと、を具え、該被覆ゴムに、上述したスチールコード被覆用ゴム組成物を用いたことを特徴とする。本発明のスチールコード−ゴム複合体においては、スチールコードと被覆ゴムとの間の接着性が良好で、放置安定性も良好である上、被覆ゴムの耐破壊性に優れる。
本発明のスチールコード−ゴム複合体に用いるスチールコードは、被覆ゴムとの接着を良好にするために黄銅、亜鉛、或いはこれらにニッケルやコバルトを含有する金属でメッキ処理されていることが好ましく、黄銅メッキ処理されていることが特に好ましい。また、該スチールコードのサイズ、撚り数、撚り条件等は、スチールコード−ゴム複合体の用途、目的に応じて適宜選択される。
<タイヤ>
本発明のタイヤは、上記のスチールコード−ゴム複合体を具えることを特徴とする。なお、本発明のタイヤは、上記のスチールコード−ゴム複合体を、ベルト、カーカスとして具えることが好ましく、ベルトとして具えることが特に好ましい。本発明のタイヤは、上記のスチールコード−ゴム複合体を具え、スチールコードと被覆ゴムとの間の接着性が良好である上、被覆ゴムの耐破壊性が優れているため、タイヤとしての耐破壊性にも優れる。
本発明のタイヤは、適用するタイヤの種類や部材に応じ、上述したスチールコード−ゴム複合体(所謂、トリート)や、未加硫のゴム組成物を用いて成形後に加硫して製造することができるが、その製造方法に特に限定は無い。
なお、本発明のタイヤは、空気入りタイヤでも、ソリッドタイヤでもよく、空気入りタイヤの場合、タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<ゴム組成物の調製>
表1に示す配合処方で、通常のバンバリーミキサーを用いて、混練を行って、ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物に対して、下記の方法で、引裂き強さ、初期接着性、放置安定性を評価した。結果を表1に示す。
<引裂き強さ>
試験片としては、トラウザ形試験片を準備し、JIS K−6252に準拠して、引裂き試験を行い、試験片が切断に至るまでの最大引裂き力を求め、比較例1を100として指数で表示した。指数値が大きい程、耐亀裂性が高く、耐破壊性に優れることを示す。
<初期接着性>
スチールコードを上下からそれぞれゴム組成物で被覆し、145℃で30分間加硫して、ゴム組成物とスチールコードとを接着させた。このようにして、厚さ1mmのゴムシートにスチールコードが埋設された、スチールコード−ゴム複合体を得た。その後、ASTM D 2229に準拠して、加硫直後の各サンプルからスチールコードを引き抜き、スチールコードに付着しているゴムの被覆率を目視観察にて0〜100%で決定し、初期接着性の指標とした。結果は、数値(%)が大きい程、初期接着性に優れていることを示す。
<放置安定性>
スチールコードを上下からそれぞれゴム組成物で被覆して、トリートを作製し、該トリートを40℃、80%RHの恒温恒湿槽に7日間放置後、145℃で45分間加硫して、ゴム組成物とスチールコードとを接着させた。このようにして、厚さ1mmのゴムシートにスチールコードが埋設された、スチールコード−ゴム複合体を得た。その後、ASTM D 2229に準拠して、加硫直後の各サンプルからスチールコードを引き抜き、スチールコードに付着しているゴムの被覆率を目視観察にて0〜100%で決定し、放置後の接着性の指標とした。結果は、数値(%)が大きい程、放置後の接着性が高いことを示し、また、初期接着性からの変化率が小さい程、放置安定性に優れていることを示す。
Figure 2017002152
*1 カーボンブラック: HAF、東海カーボン製、商品名「SEAST300」
*2 加硫促進剤: 大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーDZ」、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
*3 老化防止剤: 大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
*4 コバルト脂肪酸塩: OMG製、商品名「マノボンドC」、有機酸のコバルト塩の該有機酸の一部をホウ酸で置き換えた複合塩、コバルト含有量=22.0質量%
*5 ソルビタンモノラウレート: 花王株式会社製、商品名「レオドール SP−L10」、式(2)で表わされ、nが10である化合物
*6 ソルビタンモノステアレート: 花王株式会社製、商品名「レオドール AS−10V」、式(2)で表わされ、nが16である化合物
*7 ソルビタンモノオレエート: 花王株式会社製、商品名「レオドール AO−10V」、式(1)で表わされ、X、X及びXが−OHで、Xが−Hで、Aが−CH−O−CO−C1733である化合物
*8 オクチル−β−D−グルコピラノシド: 和光純薬工業株式会社製、式(3)で表わされ、nが7である化合物
*9 フルクトース: 和光純薬工業製
表1に示す実施例の結果より、ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物を配合して調製したゴム組成物は、スチールコードを被覆する被覆ゴムに用いた場合において、スチールコードとの接着性が良好で、放置安定性も良好である上、耐破壊性に優れることが分かる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、スチールコード−ゴム複合体の被覆ゴムに利用できる。また、本発明のスチールコード−ゴム複合体は、タイヤに利用でき、本発明のタイヤは、各種車輌向けのタイヤとして利用できる。

Claims (6)

  1. ゴム成分と、ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物と、を含むことを特徴とする、スチールコード被覆用ゴム組成物。
  2. 前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物が、下記式(1):
    Figure 2017002152
    [式中、Aは炭素数6〜30のヒドロカルビルエステル基又は炭素数6〜30のヒドロカルビルエーテル基であり、X、X、X及びXはそれぞれ独立して−OH又は−R(ここで、−Rは−H又は−CHOHである)であり、但し、X、X、X及びXのうち少なくとも3つは−OHである]で表わされる化合物である、請求項1に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  3. 前記式(1)中のAのヒドロカルビル基部分の炭素数が12〜24である、請求項2に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  4. 前記ヒドロカルビル基を有する環状ポリオール化合物の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜3質量部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  5. スチールコードと、該スチールコードを被覆する被覆ゴムと、を具え、
    前記被覆ゴムに、請求項1〜4のいずれか一項に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いたことを特徴とする、スチールコード−ゴム複合体。
  6. 請求項5に記載のスチールコード−ゴム複合体を具えることを特徴とする、タイヤ。
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