JPH07118457A - ゴム組成物およびそれを用いるスチールコードとの加硫接着方法 - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いるスチールコードとの加硫接着方法

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JPH07118457A
JPH07118457A JP26138293A JP26138293A JPH07118457A JP H07118457 A JPH07118457 A JP H07118457A JP 26138293 A JP26138293 A JP 26138293A JP 26138293 A JP26138293 A JP 26138293A JP H07118457 A JPH07118457 A JP H07118457A
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rubber
steel cord
weight
rubber composition
cobalt
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JP26138293A
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Naoki Inui
直樹 乾
Hironobu Iyama
浩暢 井山
Kyoko Tsuta
京子 蔦
Hideo Nagasaki
英雄 長崎
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴムに特定の化合物を配合することにより、
スチールコードとの加硫接着における接着性およびゴム
の硬度を改良する。 【構成】 天然ゴムなどのゴム成分(A)100重量部
あたり、(B)D−フルクトースやラクトースなどの炭
水化物を0.5〜10重量部、(C)メトキシ化メチロー
ルメラミン樹脂を0.5〜10重量部、および(D)カル
ボン酸コバルト塩をコバルト量として0.05〜1重量部
配合して、ゴム組成物を得る。また、このゴム組成物を
スチールコードとの接触下で加硫して、両者を接着す
る。 【効果】 スチールコードとの接着性が向上し、また高
硬度のゴムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スチールコードとの接
触下で加硫接着するのに好適なゴム組成物に関するもの
である。さらに詳しくは、スチールコードと加硫接着す
る際の接着性能に優れ、かつ高い硬度と動的変形時にお
ける高い弾性率を示すゴム組成物に関するものである。
本発明はまた、かかるゴム組成物を用いてスチールコー
ドと加硫接着する方法に関するものでもある。
【0002】
【従来の技術】自動車タイヤ、コンベヤー用ベルト、ホ
ースなどには通常、製品の強度や耐久性を向上し、維持
するために、補強材として真鍮メッキや亜鉛メッキなど
のメッキ処理したスチールコードが広く使用されてい
る。これらスチールコードで補強する必要のあるゴム製
品においては、ゴムとスチールコードとの接着がしばし
ば問題となっている。そこで従来より、ゴムの加工工程
において接着剤を他の各種配合剤とともに配合する方法
が採用されている。かかる接着系として、有機コバルト
化合物を添加する方法、レゾルシンのようなホルムアル
デヒド受容体を添加する方法、さらには両者を組み合わ
せる方法などが知られている。これらのなかでも、レゾ
ルシンのようなホルムアルデヒド受容体を配合する方法
は、ゴムと補強材を強固に加硫接着せしめること、また
ゴムの硬度を向上させることから、広く採用されてい
る。
【0003】この方法は、ホルムアルデヒド受容体およ
び加熱によりホルムアルデヒドを発生するホルムアルデ
ヒド発生剤を、加工段階にあるゴムに配合して、得られ
る未加硫ゴムとスチールコードとを加硫時に接着させる
ものである。このようなホルムアルデヒド受容体とし
て、レゾルシンやm−アミノフェノールのようなm−置
換フェノール類を用いる方法、m−置換フェノール類と
ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドのようなアルデヒ
ド類との縮合物を用いる方法、m−置換フェノール類と
ともに他のモノ置換フェノール類をアルデヒド類と反応
させた縮合物を用いる方法などが知られている。
【0004】これらのうち、ホルムアルデヒド受容体と
してm−置換フェノール類、特にレゾルシンを用いる方
法は、加硫ゴムの硬度を向上させ、ゴム自体を強靱(タ
フ)にすることができるとともに、動的変形状態にある
ゴムに高い弾性率と低い損失係数を与え、動的にも優れ
た靱性付与効果を有することから、従来より広く使用さ
れていた。しかしながら、レゾルシンはゴムへの分散性
が悪いため、ゴム製品製造工程において原料ゴムに配合
する際、高温にて混練する必要があるが、高温での混練
によりレゾルシンが著しく昇華し、環境衛生上好ましく
ないばかりでなく、加工設備や製品に付着し、また廃ガ
スによる製造工場周辺の大気汚染を引き起こすなど、大
きな社会問題となっていた。さらには、レゾルシンを配
合した未加硫ゴムにおいては、レゾルシンがゴム表面に
ブルームし、したがって未加硫ゴム間の接着性の低下を
招くこと、また老化後の接着性、特に温水中で老化した
あとの接着性が低下することなどの欠点も有していた。
【0005】これらの欠点のうち分散性を改良する手段
として、例えば特公昭 45-27463 号公報、特公昭 47-76
40号公報、米国特許第 2,746,898号明細書などにより、
レゾルシンとホルムアルデヒドとの縮合物が提案され
た。こうしたレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂は、ゴ
ムへの分散性においてある程度の改良を示すものの、加
硫ゴムの硬度や動的変形状態における弾性率および損失
係数がレゾルシンを用いた場合に比べて劣る点、また樹
脂中に未反応のレゾルシンが多く残存するため、加工中
にレゾルシンが蒸散またはブルームして接着性不良を起
こしやすい点などの問題が依然として残っていた。さら
には、こうしたレゾルシン樹脂は潮解しやすく、したが
って樹脂を製造後保存する際に空気中の水分を吸収して
固化するという、貯蔵上あるいは取扱上の問題も有して
いた。
【0006】そこで、樹脂の潮解性や固化性を改良すべ
く、例えば特公昭 52-26275 号公報や特公昭 56-37902
号公報などにより、レゾルシン、アルキルフェノールお
よびホルムアルデヒドからなる三成分系共縮合物や、レ
ゾルシンとホルムアルデヒドの縮合物およびアルキルフ
ェノールとホルムアルデヒドの縮合物からなる混合物が
提案された。これらのアルキルフェノール含有レゾルシ
ン系樹脂は、従来のレゾルシン樹脂を用いた場合に得ら
れる接着性やゴム物性と同等あるいはそれ以上の効果を
示し、かつ従来のレゾルシン樹脂の欠点であった潮解性
や固化性を改良するものである。しかしながら、これら
アルキルフェノール含有レゾルシン系樹脂においても、
未反応のレゾルシンが依然としてある程度残存するた
め、それの昇華が環境衛生上問題であること、さらには
加硫ゴムの強度および強靱化の観点からすると、レゾル
シンを用いた場合に比べて、硬度が劣り、また動的変形
における弾性率や損失係数も必ずしも十分でなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはかかる事
情に鑑み、公知のレゾルシン、レゾルシン樹脂、アルキ
ルフェノール含有レゾルシン系樹脂が有していた欠点を
解決すべく、種々研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。
【0008】したがって本発明の目的の一つは、保存時
に潮解性や固化性を示さず、かつゴムへの混練や加硫と
いった加工工程において蒸散性を示さない配合剤を配合
してなり、スチールコードとの初期接着性および、湿熱
または温水老化後であってもあまり接着性能の低下をき
たさないゴム組成物を提供することにある。
【0009】本発明の別の目的は、加硫ゴムの硬度を向
上させ、ゴム自体を強靱化するとともに、動的変形状態
において高い弾性率と低い損失係数を示し、動的強靱化
効果にも優れるゴム組成物を提供することにある。
【0010】本発明のさらなる目的は、かかるゴム組成
物を用いてスチールコードと加硫接着する方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム、ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジ
エン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴムおよび
ハロゲン化ブチルゴムから選ばれるゴムに、(B)炭水
化物、(C)メトキシ化メチロールメラミン樹脂、およ
び(D)カルボン酸コバルト塩を含有してなるゴム組成
物を提供するものである。
【0012】本発明はまた、前記ゴム(A)に前記成分
(B)〜(D)を配合し、スチールコードとの接触下で
加硫することにより、ゴムとスチールコードとを接着す
る方法を提供する。
【0013】本発明において適用されるゴム(A)は、
天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム、ブタジエン
ゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエン共
重合ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴムおよびハロゲ
ン化ブチルゴムから選ばれ、それぞれ単独のゴムからな
るものであっても、また2種以上のゴムのブレンド物で
あってもよい。これらのなかでも、天然ゴム、スチレン
ブタジエン共重合ゴムおよびブタジエンゴムのいずれか
単独または、それらの2種以上の組合せが好ましく用い
られる。
【0014】成分(B)の炭水化物としては、例えば、
ジヒドロキシアセトン、D−リボース、D−キシロー
ス、D−グルコース、D−フルクトース、D−マンノー
ス、D−ガラクトース、D−エリトロース、α−D−キ
シロピラノース、α−L−アラビノピラノースのような
単糖類、D−マンニトール、D−ソルビトールのような
糖アルコール、マルトース、セロビオース、ラクトー
ス、スクロースのような少糖類、デンプン、グリコーゲ
ン、セルロースのような多糖類が挙げられる。なかで
も、ペントース、ヘキソース、およびそれらの糖アルコ
ールから選ばれる単糖類、または加水分解によりそれら
のいずれかを生じる少糖類もしくは多糖類が好ましく、
とりわけアルドヘキソースもしくはケトヘキソース、ま
たは加水分解によりそれらのいずれかを生じる少糖類も
しくは多糖類が好ましい。炭水化物の配合量は、ゴム1
00重量部あたり、0.5〜10重量部の範囲である。以
下、ゴム100重量部あたりの配合成分の重量部をphr
の単位で表す。
【0015】成分(C)のメトキシ化メチロールメラミ
ン樹脂は、通常ゴム工業において使用されているメラミ
ンとホルムアルデヒドとメタノールの縮合物であること
ができる。例えば、ヘキサキス(メトキシメチル)メラ
ミン、ペンタキス(メトキシメチル)メチロールメラミ
ンなどが適用できる。メトキシ化メチロールメラミン樹
脂の配合量は、0.5〜10phr の範囲であり、好ましく
は1〜6phr 程度の範囲である。メトキシ化メチロール
メラミン樹脂の配合量が0.5 phr未満では、補強材との
接着性能およびゴムの硬度向上にあまり効果的でなく、
一方、その量が10phr より多くなると、ゴムの破断伸
びや、熱老化後の引張強さおよび引張応力の保持率が低
下するので好ましくない。
【0016】本発明におけるもう一つの必須成分(D)
であるカルボン酸コバルト塩は、脂肪族または芳香族カ
ルボン酸のコバルト塩であることができ、例えば、ナフ
テン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コ
バルト、p−ヒドロキシ安息香酸コバルト、p−アミノ
安息香酸コバルトなどを包含する。なかでも、ナフテン
酸コバルトまたはステアリン酸コバルトが好ましく用い
られる。カルボン酸コバルト塩の配合量は、コバルト量
として0.05〜1phr の範囲である。
【0017】このようなゴム(A)および成分(B)〜
(D)を含む組成物は、スチールコードとの加硫接着に
おいて有効である。接着されるスチールコードとして
は、真鍮(黄銅)メッキされたスチールコード、亜鉛メ
ッキされたスチールコードなどが例示される。これらの
いずれかで補強されるゴムであればよいが、もちろん2
種以上のスチールコードを用いてもよい。
【0018】また本発明のゴム組成物は、必要に応じて
さらに充填剤を含むことができる。充填剤としては、通
常ゴム工業において使用されている各種のもの、例えば
カーボンブラック、無水シリカ、含水シリカなどの無機
充填剤が挙げられる。なかでもカーボンブラックを配合
するのが好ましく、通常ゴム工業において使用されてい
る種類のもの、例えばSAF、ISAF、HAF、FE
F、SRF、GPF、MTなどが使用できる。充填剤の
配合量は、補強性やゴムの硬度、発熱性、動的耐久性な
どの観点より、20〜150phr の範囲が好ましい。さ
らには、カーボンブラックとは別に、またはカーボンブ
ラックとともに、接着性向上のため含水シリカを配合す
るのも好ましい。含水シリカを用いる場合の配合量は、
5〜40phr の範囲が好ましい。
【0019】本発明においてはまた、ゴム工業で通常使
用されている各種ゴム薬品、例えば老化防止剤、酸化防
止剤、オゾン劣化防止剤、加硫剤、架橋剤、加硫促進
剤、リターダー、しゃっ解剤、軟化剤、石油樹脂、フェ
ノール樹脂、滑剤、可塑剤、粘着付与剤などを、必要に
応じて併用してもよいことはいうまでもない。
【0020】とりわけベンゾチアゾール系加硫促進剤、
例えば2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチア
ジル ジスルフィドまたはN−アルキル置換ベンゾチア
ジルスルフェンアミドを配合して加硫することにより、
接着性の向上が期待されるので、かかるベンゾチアゾー
ル系加硫促進剤は好ましく用いられる。N−アルキル置
換ベンゾチアジルスルフェンアミドにおいてN−位に置
換するアルキル基は、1個または2個であることがで
き、2個のアルキル基が置換した場合は、窒素原子とと
もに環、例えばモルホリン環を形成していてもよい。N
−位に置換するアルキル基は、直鎖状のほか、分岐状ま
たは環状であることができる。N−アルキル置換ベンゾ
チアジルスルフェンアミドの具体例としては、N−シク
ロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N
−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、
N−アミル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N
−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンア
ミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジル
スルフェンアミドなどが挙げられる。加硫促進剤、特に
ベンゾチアゾール系加硫促進剤を用いる場合の配合量
は、0.1〜4phr の範囲が好ましい。また、イオウを配
合して加硫するのが好ましく、ここでは特に不溶性イオ
ウを用いるのが好ましい。イオウを使用する場合の配合
量は、4〜9phrの範囲が好ましい。
【0021】かくして配合された本発明のゴム組成物
は、タイヤの各種部材やその他のゴム製品、特にスチー
ルコードで補強される部材に適用した場合に、優れた効
果を発揮する。例えばこのゴム組成物を、タイヤ、特に
ビード部やカーカス部のようなスチールコードで補強さ
れる部分に適用し、タイヤ業界で通常行われている方法
により、成形、加硫工程を経て、タイヤが製造される。
【0022】スチールコードとの接触下で加硫するにあ
たっては、ベースゴムの種類や各種配合剤の種類によっ
て異なる適切な条件が採用される。加硫条件自体は、従
来から一般に採用されているものでよく、本発明におい
て特に制限されるものではない。
【0023】
【実施例】次に、本発明について実施例をもって詳述す
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。以下の例中、添加量ないしは含有量を表す%
および部は、特にことわりがないかぎり、それぞれ重量
%および重量部である。これらの実施例においては、成
分(B)の炭水化物ないしはホルムアルデヒド受容体と
して、以下のものを用いた。
【0024】B1 : D−フルクトース B2 : D−キシロース B3 : D−グルコース B4 : D−ガラクトース B5 : D−マンニトール B6 : ラクトース B7 : マルトース B8 : デンプン
【0025】実施例1〜8 〈配合処方〉 天然ゴム(RSS#1) 100 部 HAFカーボンブラック(N330) 45 部 ステアリン酸 3 部 含水ケイ酸(日本シリカ工業(株)製 Nipsil AQ ) 10 部 亜 鉛 華 5 部 老化防止剤 2 部 (2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物) 供試化合物:成分(B) 2 部 加硫促進剤 0.7部 (N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド) イ オ ウ 4 部 メトキシ化メチロールメラミン樹脂:成分(C) 4 部 (住友化学工業(株)製 Sumikanol 507 ) ナフテン酸コバルト(コバルト含量11%):成分(D) 2 部
【0026】バンバリーミキサーとして(株)東洋精機
製作所製の600mlラボプラストミルを用い、オイルバ
ス温度150℃で、上記配合処方に基づき、天然ゴム、
カーボンブラック、ステアリン酸、含水シリカ、亜鉛
華、老化防止剤および供試化合物(B)を投入し、50
rpm のミキサー回転数で15分間混練した。混練時のゴ
ム温度は140〜165℃であった。
【0027】次にこの配合物をオープンミルに移し、5
0〜70℃の温度で、上記配合処方に示した加硫促進
剤、イオウ、成分(C)のメトキシ化メチロールメラミ
ン樹脂および成分(D)のナフテン酸コバルトを添加
し、混練した。
【0028】混練後の試料の一部から、接着性試験用に
真鍮メッキされたスチールコードを埋め込んで試験片を
作成し、加硫プレスにより150℃で25分間加硫し
た。また引張物性試験、硬度試験および動的粘弾性試験
用の試験片を作成し、150℃で25分間加硫した。そ
れぞれの試験は以下の方法により行い、結果を表1に示
した。
【0029】接着性試験 加硫前のゴム組成物を真鍮メッキされたスチールコード
と接触させて加硫したときの接着性を、ASTM D 2138 に
記載のHテスト法で評価した。接着性試験の結果は、1
2個のテストピースの平均値で示した。
【0030】引張物性試験 JIS K 6301 に準拠し、ダンベル状3号試験片を用い、
引張強さ、破断伸び、および引張応力としてM300 を測
定した。
【0031】硬度試験 JIS K 6301 に準拠し、厚さ12.7 mm 、半径14.5 mm
の直円柱試料を用いて、スプリング式硬さ試験機(A
型)にて硬度を測定した。硬度が大きいほど剛性に優れ
ることを意味する。
【0032】動的粘弾性試験 (株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用
い、初期荷重100g、振動数10Hz、動的歪振幅率
0.067%の条件で、20℃および60℃における動的
弾性率E′と損失係数 tanδを測定した。 動的弾性率
は、値が大きいほど動的状態における強靱化効果が大き
いことを意味し、損失係数は、値が小さいほど動的状態
におけるヒステリシスロスが小さく、耐発熱性に優れる
ことを意味する。
【0033】
【表1】 実施例1〜8の結果 ─────────────────────────────────── 実施 成分 接着力 硬度 引張物性 粘 弾 性 特 性 例 (B) 引張 破断 M300 20℃ 60℃ No. 強さ 伸び ────── ────── (kg) (kgf/ (%) (kgf/ E′ tanδ E′ tanδ cm2) cm2) ─────────────────────────────────── 1 B1 27.5 79 250 520 127 42.8 0.074 28.0 0.078 2 B2 27.5 77 251 550 117 35.9 0.075 22.9 0.080 3 B3 27.6 77 249 540 121 41.3 0.068 26.5 0.077 4 B4 27.3 76 251 530 131 42.1 0.068 27.4 0.079 5 B5 27.6 78 260 520 135 46.3 0.067 30.3 0.077 6 B6 28.2 81 241 470 139 49.6 0.066 33.3 0.073 7 B7 28.5 81 242 480 139 51.4 0.062 37.4 0.067 8 B8 28.6 81 243 480 143 42.1 0.068 28.1 0.079 ─────────────────────────────────── E′:107 dyn/cm2
【0034】比較例1 成分(B)、(C)および(D)を省略した以外は、実
施例1〜8と同様の実験を行った。結果は表2に示し
た。
【0035】比較例2〜7 成分(C)および(D)の一種または二種を省略した以
外は、実施例1または6と同様の実験を行った。結果は
表2に示した。
【0036】
【表2】 比較例1〜7の結果 ──────────────────────────────────── 比較 成分 接着力 硬度 引張物性 粘 弾 性 特 性 例 (B)-(D) 引張 破断 M300 20℃ 60℃ No. 強さ 伸び ────── ────── (kg) (kgf/ (%) (kgf/ E′ tanδ E′ tanδ cm2) cm2) ──────────────────────────────────── 1 無添加 21.0 68 272 500 136 13.8 0.120 9.2 0.108 2 B1のみ 24.4 69 261 510 136 19.8 0.113 12.0 0.108 3 B1+C 22.5 72 253 510 130 30.9 0.085 21.7 0.086 4 B1+D 25.0 72 256 520 133 25.9 0.102 15.4 0.106 5 B6のみ 24.4 70 267 520 140 17.9 0.121 11.5 0.109 6 B6+C 22.4 72 262 520 137 33.0 0.077 21.8 0.082 7 B6+D 25.1 72 253 520 132 26.8 0.099 16.5 0.104 ──────────────────────────────────── 成分(C):メトキシ化メチロールメラミン樹脂 成分(D):ナフテン酸コバルト E′ :107 dyn/cm2
【0037】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は、混練や加硫など
の加工工程において蒸散性を示さない化合物を配合して
なり、しかもスチールコードとの接着性能に優れる。ま
た、加硫ゴムの硬度が高く、ゴムが強靱化されるととも
に、動的変形状態において高い弾性率と低い損失係数を
示し、動的にも優れた強靱化効果を有する。 したがっ
て、このゴム組成物をスチールコードで補強される部材
に適用して加硫接着を行うことにより、高品位の製品が
得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/04 KDA 5/098 7242−4J //(C08L 21/00 61:28) 5:00 (72)発明者 長崎 英雄 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)天然ゴム、スチレンブタジエン共重
    合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニ
    トリルブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ブチ
    ルゴムおよびハロゲン化ブチルゴムから選ばれるゴム1
    00重量部に、(B)炭水化物を0.5〜10重量部、
    (C)メトキシ化メチロールメラミン樹脂を0.5〜10
    重量部、および(D)カルボン酸コバルト塩をコバルト
    量として0.05〜1重量部含有してなることを特徴とす
    るゴム組成物。
  2. 【請求項2】成分(B)の炭水化物が、ペントース、ヘ
    キソースおよびそれらの糖アルコールから選ばれる単糖
    類、または加水分解によりそれらのいずれかを生じる少
    糖類もしくは多糖類である請求項1記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】成分(B)の炭水化物が、アルドヘキソー
    スまたは、加水分解によりそれを生じる少糖類もしくは
    多糖類である請求項2記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】成分(B)の炭水化物が、ケトヘキソース
    または、加水分解によりそれを生じる少糖類もしくは多
    糖類である請求項2記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】成分(D)のカルボン酸コバルト塩が、ナ
    フテン酸コバルトまたはステアリン酸コバルトである請
    求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 【請求項6】さらに、カーボンブラックを20〜150
    重量部含有する請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組
    成物。
  7. 【請求項7】さらに、含水シリカを5〜40重量部含有
    する請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 【請求項8】スチールコードとの接触下で加硫されてい
    る請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. 【請求項9】(A)天然ゴム、スチレンブタジエン共重
    合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニ
    トリルブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ブチ
    ルゴムおよびハロゲン化ブチルゴムから選ばれるゴム
    に、(B)炭水化物、(C)メトキシ化メチロールメラ
    ミン樹脂、および(D)カルボン酸コバルト塩を配合
    し、スチールコードとの接触下で加硫することを特徴と
    するゴムとスチールコードとの接着方法。
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