JP2016538405A - 深共晶溶媒及びフレーバー発生 - Google Patents

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Abstract

本発明は、フレーバー発生に関する。特に、本発明は、フレーバー組成物を調製する方法に関する。上記方法は、深共晶溶媒を調製する工程と、深共晶溶媒とフレーバー前駆体とを含む反応混合物を調製する工程と、反応混合物を加熱して芳香化合物を生成する工程とを含む。深共晶溶媒は、25℃で固体の少なくとも2種の化合物の組み合わせをベースとする液体で、水及び/又はグリセロールを、25℃で固体の化合物全てを個別に溶解するには不十分な量、又は25℃で固体の化合物全てが25℃で同時に飽和するような量で含む。フレーバー前駆体は、深共晶溶媒がベースとする25℃で固体の化合物を含んでもよい。本発明の更なる態様は、本発明の方法によって得ることができるフレーバー組成物を含む食料製品である。【選択図】なし

Description

本発明は、フレーバー発生に関する。特に、本発明は、フレーバー組成物を調製する方法に関する。本方法は、深共晶溶媒を調製する工程と、深共晶溶媒とフレーバー前駆体とを含む反応混合物を調製する工程と、反応混合物を加熱して芳香化合物を生成する工程とを含む。深共晶溶媒は、25℃で固体の少なくとも2種の化合物の組み合わせをベースとする液体で、水及び/又はグリセロールを、25℃で固体の化合物全てを個別に溶解するには不十分な量、又は25℃で固体の化合物全てが25℃で同時に飽和するような量で含む。フレーバー前駆体は、深共晶溶媒がベースとする25℃で固体の化合物を含んでもよい。本発明の更なる態様は、本発明の方法によって得ることができるフレーバー組成物を含む食料製品である。
反応フレーバーは、プロセスフレーバーと呼ばれることもあり、食肉、チョコレート、コーヒー、キャラメル、ポップコーン及びパン等の熱処理された食品で認識される芳香及び味覚特性に類似した芳香及び味覚特性を提供する複雑な構成単位である。従来、フレーバー化合物は、溶液、最も一般的には特定のpHの緩衝水系で製造されるが、エタノール、グリセロール又はプロピレングリコール、並びに例えば脂肪含有マトリックス又はエマルションでも製造される。こうしたフレーバー発生反応の背景にある複雑な化学現象は、一般的に「メイラード」化学と呼ばれる。これは、多数の文献に記載されている[M.K.Sucan et al.,「Process and Reaction Flavors」,ACS Symposium Series 2005,905,1−23]。最も一般的には、所望の主要分子(key value molecule)は、還元糖とアミノ酸とをそれぞれのマトリックス中で混合し、特定の時間加熱することによって発生する。例えば、国際公開第2008148737号は、焼いた食品を作製するために後で焼成される成分にフレーバー前駆体(アミノ酸及び還元糖)を直接添加することを記載している。
一般的に、水の活性が低い場合、メイラード化学は、フレーバー構成成分の発生に最も有効である。広範な芳香化合物を用いて反応フレーバーを作製するため、及びそれをできるだけ効率的に実施するため、水活性の低い液相を用いた数種類の方法が提案されてきた。
米国特許第3425840号は、プロリンをグリセロール又はソルビトールに溶解し、加熱して、焼きたてパンの芳香を発生することを記載している。国際公開第2005096844号では、プロセスフレーバーが、炭水化物源と窒素源との組み合わせを、少なくとも10%のα−ヒドロキシカルボン酸を含む連続液相中で加熱することによって発生している。国際公開第201173035号は、フレーバー前駆体を、構造化脂質相中で、分散極性溶媒と反応させることを記載している。欧州特許第0571031号は、モノ及び/又はジ−メチル−3(2H)−フラノンをシステイン及び/又は硫化水素と反応させる工程を含む、塩味フレーバーの調製方法を記載している。反応は、グリセロール又はプロピレングリコールのような有機極性溶媒と20%未満の水とを含む媒体中で行われる。
上記のアプローチで使用される非水性溶媒及び水活性低下成分溶媒は、食料製品への直接的な組み込みに必ずしも適するとは限らない。これらは歯ごたえ又は加工性の変化を引き起こし、それ自体が不要なフレーバーを誘発することさえある。場合によっては、使用前に反応混合物から芳香化合物を単離する必要があり、これは、プロセスの複雑さ及びコストを追加する。通常は、プロセスフレーバーを発生する際に、数種類の主要芳香化合物の混合物が生成する。生成する芳香化合物は、フレーバー前駆体材料の性質だけでなく、使用プロセス及び反応マトリックスによっても異なる。異なる芳香化合物混合物は、異なる感覚特性を提供する。所望の芳香化合物の混合物を、好ましくは食品への直接的組み込みに適した反応混合物中で、効率的に発生することができる、新たなフレーバー発生プロセスを提供する必要がある。
メイラード反応が食料品で起こるとき、食品の中の、フレーバー前駆体の濃度が高く、水等の溶媒の量が少ない、非常に局所的な領域で起こることが多い。このようなフレーバーの局所的発生の一例は、焼成中のパンの耳である。しかしながら、上記の条件は、フレーバー組成物の工業生産で再現可能に反復することが困難である。このような反応混合物の固体又は半固体の性質は、不均質で一貫性のないフレーバー発生を招く。したがって、水等の液体溶媒のレベルが低く、それにもかかわらずフレーバー反応混合物が均質であり、再現可能な結果をもたらす、フレーバー組成物の調製方法が必要である。
深共晶溶媒は、共晶混合物を調製する化合物の融点よりもはるかに低い融点を有する液体である。深共晶現象は、2003年に、塩化コリンと尿素との混合物に関して記載され[A.P.Abbott et al.,Chemical Communications,9,70−71(2003)]、最初の共晶溶媒の多くは、第四級アンモニウム塩とアミン及びカルボン酸のような水素供与体との混合物をベースとしていた。米国特許出願公開第2009/0117628号は、強い水素結合供与体及び金属塩又は窒素塩をベースとする深共晶溶媒を、酵素反応の実行にいかに使用できるかを説明している。より最近の特許である国際公開第2011/155829号は、深共晶溶媒を生物学的物質からの物質の抽出に使用する方法を記載している。国際公開第2011/155829号の深共晶溶媒は、天然の有機酸又は無機塩と、単糖、二糖、糖アルコール、アミノ酸、ジ若しくはトリアルカノール又はコリン誘導体との組み合わせを含む。国際公開第0182890号では、化粧品用途で潜在的に刺激性の酸を送達するための、種々のアミノ酸とグリコール酸と又は二糖との共晶混合物が提案されている。
米国特許第4388328号は、ソルビトール、マンニトール及びサッカリンの混合物を融解した後、この混合物を冷却し、香味剤を添加し、混合物を結晶化することによって香味剤を封入する方法を記載している。共晶の生成は、揮発性フレーバーを液体混合物中により低温で分散でき、その結果損失が低減できることを意味する。しかしながら、上記の開示には、深共晶溶媒中で芳香化合物を発生することを提案しているものはない。
本発明の目的は、現況技術を改良し、フレーバー組成物の調製のための改善された方法を提供する、又は少なくとも有用な代替策を提供することである。本明細書内の先行技術文献を参照することはいずれも、かかる先行技術が周知であるか、又は当分野で共通の一般的な認識の一部を形成しているということを認めたものである、と考慮されるべきではない。本明細書中で使用する場合、単語「を含む」「を含んでいる」、及び類似の単語は、限定的又は全ての意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは「を含むが、これらに限定されない」ことを意味することを目的としている。本発明の目的は、独立請求項の主題によって達成される。従属請求項は更に、本発明の着想を発展させる。
本発明は、第1の態様において、
a)深共晶溶媒を調製する工程と、
b)深共晶溶媒とフレーバー前駆体とを含む反応混合物を調製する工程と、
c)上記反応混合物を加熱して芳香化合物を生成する工程と、
を含み、上記深共晶溶媒は、25℃で固体の少なくとも2種の化合物の組み合わせをベースとする液体で、水及び/又はグリセロールを、25℃で固体の化合物全てを個別に溶解するには不十分な量、又は25℃で固体の化合物全てが25℃で同時に飽和するような量で含み、上記フレーバー前駆体は、上記の25℃で固体の化合物を含んでもよい、フレーバー組成物を調製するための方法を提供する。本発明の更なる態様は、本発明の方法によって得られるフレーバー組成物を含む食料製品である。
驚くべきことに、深共晶混合物は、フレーバー前駆体を反応させるための溶媒として使用できることが、本発明者によって見出された。製造された芳香化合物の特性は、水のような従来の溶媒系で得られるものとは異なる。例えば、キシロースとシステインとを、塩化ナトリウム及びフルクトースをベースとする予め調製した深共晶溶媒中で反応させると、同じ構成成分(塩化ナトリウム及びフルクトースを含む)を単に水に溶解して反応させた場合よりも高いレベルの芳香化合物(例えば、フルフラール)を有する、著しく異なる揮発特性を生じた。この深共晶溶媒の例で反応から得られるフレーバー組成物は、増強されたアーモンド様及び乳様の香調を有した。
本発明者は、深共晶溶媒を含む反応混合物を調製することで、より再現可能な結果が得られることも見出した。例えば、組成物を全く同量のリンゴ酸、β−アラニン、水酸化ナトリウム、キシロース、システイン及び水と反応させると、異なる芳香特性が生じ、リンゴ酸及びβ−アラニンから深共晶溶媒を予め調製した場合、全ての構成成分を単に一緒に混合した場合よりも、はるかに変動性が少なかった。
実施例1の反応混合物の加熱前(上)及び加熱後(下)の写真を示す。 実施例1の香味付けしたウエハース中の2−アセチル−1−ピロリン、2−アセチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリジン(2−アセチル−3,4,5,6−THP)及び2−アセチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン(2−アセチル−1,4,5,6−THP)の相対定量を示す。y軸は、内部標準のピーク面積に対する化合物のピーク面積の比である。 実施例1の香味付けしたウエハース中の2−メチルピラジンの相対定量を示す。y軸は、内部標準のピーク面積に対する化合物のピーク面積の比である。 実施例2の反応混合物を加熱することによって発生した揮発性化合物の相対定量を示す。y軸は、内部標準のピーク面積に対する化合物のピーク面積の比である。 実施例3の反応混合物を加熱することによって発生した揮発性化合物の相対定量を示す。y軸は、内部標準のピーク面積に対する化合物のピーク面積の比である。 実施例4の反応混合物を加熱することによって発生した揮発性化合物の相対定量を示す。y軸は、内部標準のピーク面積に対する化合物のピーク面積の比である。 実施例4のREF−MA_meat及びMA−1_meatについて、3回の反復試験から計算した、揮発分濃度の濃度変動性(%)を示す。 実施例5のNa−Fru/REF及びNa−Fru/DESについて、3回の反復試験から計算した、揮発分濃度の濃度変動性(%)を示す。 深共晶溶媒から生成した反応混合物(DES6)及び同じ構成成分で溶液として調製された反応混合物(DIL6)中の残留ラムノースを%単位で示す。
本発明は、一部には、a)深共晶溶媒を調製する工程と、b)深共晶溶媒とフレーバー前駆体とを含む反応混合物を調製する工程と、c)反応混合物を加熱して芳香化合物を生成する工程と、を含むフレーバー組成物を調製するための方法に関し、上記深共晶溶媒は、25℃で固体の少なくとも2種の化合物の組み合わせをベースとする液体で、水及び/又はグリセロールを、25℃で固体の化合物全てを個別に溶解するには不十分な量、又は25℃で固体の化合物全てが25℃で同時に飽和するような量で含み、上記フレーバー前駆体は、上記の25℃で固体の化合物を含んでもよい。
フレーバー組成物は、例えば、食品に添加したときに、芳香及び食味を提供する組成物である。成分の混合物の熱処理によって得られるフレーバー組成物は、一般的にプロセスフレーバー又は反応フレーバーと呼ばれる。フレーバー組成物は、それ自体は芳香ではないが、更に加工したとき、例えば、焼成中に芳香を発生する分子を含んでもよい。
深共晶溶媒は液体である。本発明に関して、これは、深共晶溶媒が標準大気圧下、25℃で液体であることを意味する。深共晶溶媒は、共晶混合物を調製する化合物の融点よりもはるかに低い融点を有し、例えば、深共晶溶媒は、共晶混合物を調製する化合物の融点よりも少なくとも20℃低い融点、例えば、共晶混合物を調製する化合物の融点よりも少なくとも50℃低い融点を有してもよい。本発明のプロセスにおいて、深共晶溶媒は、25℃で固体の少なくとも2種の化合物の組み合わせをベースとする。「25℃で固体」という用語は、従来使用されており、標準大気圧において実質的に純粋な状態の化合物を指す。フレーバー前駆体を固体中に均一に分散することは、粉末形態であっても極めて困難であることから、25℃で固体であるこれらの物質は、通常は、フレーバー発生に適したマトリックスとみなされない。不均一な分散の結果、不均質で変動性のある芳香特性が発生する。しかし、少なくとも2種の固体が組み合わされて深共晶溶媒を調製する場合、深共晶溶媒の流動性が、フレーバー前駆体を均質に溶解又は分散するのに好適な媒体を提供する。驚くべきことに、反応混合物が深共晶溶媒を含むフレーバー発生プロセスによって製造される芳香化合物の特性は、同じ構成成分で深共晶溶媒を調製しない場合とは異なり、更に、水のような従来の溶媒系で得られるものとは異なる。これらの芳香特性の違いは、望ましい、特異なフレーバー組成物につながることから、有利である。
液体構成成分、例えば、水又はグリセロールは、本発明の深共晶溶媒中に存在してもよい。しかしながら、これらの液体構成成分は、一般的に少量で存在する。例えば、液体構成成分は、25℃で固体の化合物全てを個別に溶解するには不十分な量で存在してもよく、又は液体構成成分は、25℃で固体の化合物全てが同時に飽和するような量で存在してもよく、溶解度は25℃で評価される。例えば、40gの水、72.6gのプロリン及び23gのラムノースからなる深共晶溶媒において、72.6gのプロリンは25℃で20gの水に完全には溶解しないことから、40gの水は全ての化合物を個別に溶解するには不十分である。更なる例として、20gの水、7.2gの塩化ナトリウム及び73gのフルクトースからなる深共晶溶媒において、7.2g塩化ナトリウム及び73gのフルクトースは、25℃で20gの水に同時に飽和する。
液体構成成分は、25℃で固体の化合物のいずれかを個別に溶解するには不十分な量で存在してもよく、この溶解度は25℃で評価される。例えば、24gの水、33gのリンゴ酸及び43gのβ−アラニンからなる深共晶溶媒において、33gのリンゴ酸及び43gのβ−アラニンのいずれも25℃で24gの水に個別に完全には溶解しないことから、24gの水は、化合物のいずれかを個別に溶解するには不十分である。均質な液体を生成できるのは、24gの水、33gのリンゴ酸及び43gのβ−アラニンを全て組み合わせた場合のみであり、これは深共晶溶媒の一例である。
深共晶溶媒は、25℃で固体の少なくとも2種の化合物の組み合わせをベースとしてもよく、更に、水及び/又はグリセロールを、25℃で固体の化合物全てを個別に溶解するには不十分な量で含んでもよい。深共晶溶媒は、25℃で固体の少なくとも2種の化合物の組み合わせをベースとしてもよく、更に、水及び/又はグリセロールを、25℃で固体の化合物のいずれかを個別に溶解するには不十分な量で含んでもよい。深共晶溶媒は、25℃で固体の少なくとも2種の化合物の組み合わせをベースとしてもよく、更に、水及び/又はグリセロールを、25℃で固体の化合物全てが25℃で同時に飽和するような量で含んでもよい。深共晶溶媒は、25℃で固体の少なくとも2種の化合物、水及び/又はグリセロールからなってもよく、その場合、水とグリセロールとの総量は、25℃で固体の化合物のいずれかを個別に溶解するには不十分であるか、又は25℃で固体の化合物全てが25℃で同時に飽和する。
深共晶溶媒は、25℃で固体の少なくとも2種の化合物の組み合わせを含み、かつ水及び/又はグリセロールを、25℃で固体の化合物全てを個別に溶解するには不十分な量、又は25℃で固体の化合物全てが25℃で同時に飽和するような量で含む、液体であってもよい。例えば、深共晶溶媒は、25℃で固体の少なくとも2種の化合物を含み、25℃で液体の構成成分が深共晶溶媒の1重量%を超えるレベルで存在せず、但し、深共晶溶媒は、水及び/又はグリセロールを、25℃で固体の化合物全てを個別に溶解するには不十分な量で、又は25℃で固体の化合物全てが25℃で同時に飽和するような量で含む、液体であってもよい。更なる例として、深共晶溶媒は、25℃で固体の少なくとも2種の化合物の組み合わせの液体からなってもよく、更に、25℃で固体の化合物全てを個別に溶解するには不十分な量、又は25℃で固体の化合物全てが25℃で同時に飽和するような量の水及び/又はグリセロールからなってもよい。
深共晶溶媒中の水及び/又はグリセロールは、深共晶溶媒の50重量%未満、例えば、35重量%未満、更なる例では深共晶溶媒の25重量%未満であってもよい。例えば、深共晶溶媒は、25℃で固体の少なくとも2種の化合物、水及び/又はグリセロールからなってもよく、その際水とグリセロールとの総量は、0〜50重量%、例えば、0〜35重量%、更なる例では0〜25重量%である。
反応混合物を加熱して芳香化合物を生成する工程は、反応を加速する。得られる芳香特性は、加熱の温度及び時間によって変動するであろう。本発明の方法において、反応混合物は、60〜180℃の温度に加熱されてもよい。反応混合物は、0.1〜8時間にわたって加熱されてもよい。本発明の方法の1つの利点は、低レベルの液体溶媒(例えば、水)を用いて、フレーバー前駆体の良好な溶解性を得ることができ、濃縮されたフレーバー組成物がもたらされることである。低レベルの液体溶媒を使用する従来方法では、フレーバー前駆体を溶解又は融解するために高温を使用しなければならない。深共晶溶媒を用いると、アミノ酸及び還元糖のようなフレーバー前駆体を、低レベルの液体溶媒又は液体溶媒なしで、より容易に溶解でき、より低い反応温度の使用が可能になる。メイラード化合物を発生する場合、その揮発性から、低温が望ましい。短い加熱時間及び低い温度は、所望の芳香化合物の損失(「ストリップオフ」」呼ばれることもある)を避ける。反応混合物は、60〜140℃の温度で、0.1〜2時間にわたって加熱されてもよい。好ましくは、反応混合物は、密封容器内、又は揮発分を捕獲して反応に戻すことができる容器内で加熱される。
深共晶溶媒は、当該技術分野において既知の方法のいずれかで調製されてもよい。例えば、25℃で固体の化合物を固体状態(例えば、粉末として)直接混合した後、穏やかに加熱して、融解及び完全均質化を達成し、その後冷却してもよく、得られる深共晶溶媒は25℃で液体のままである。追加の液体構成成分、例えば、水又はグリセロールを、共晶生成を加速するために化合物に添加してもよい。水の場合、25℃で固体の化合物の混合物を高湿環境に置き、混合物の液化が観察されるまで、水を吸収させてもよい。これは、深共晶溶媒の調製に必要な最小限の量の水を組み込むという利点を有する。実験室規模で、これは、所望の深共晶溶媒を調製する組成物を特定するための単純な方法を提供する。深共晶溶媒は、水の存在なしで調製して、フレーバー前駆体の発生に使用することができるが、実際には、通常の食品グレードの調製プロセスでは、ごく少量の水は不可避である。
深共晶溶媒はまた、1つの化合物、好ましくは最も融点が低い化合物を、融解するまで加熱することによって調製されてもよい。その後、融解した第1の構成成分に、後続の構成成分を混合又は溶解することができる。冷却すると、深共晶溶媒は25℃で液体のままである。この方法は、大規模調製により適している。
熱安定性でない化合物の場合、又は均質化プロセスが非常に時間を要する場合、25℃で固体の化合物を水に溶解し、加熱した後、水の一部又は全部を減圧下での蒸発によって除去し、深共晶溶媒が残るようにしてもよい。
本発明の方法のフレーバー前駆体は、当該技術分野において周知のもの、例えば、メイラード反応に関与するフレーバー前駆体である。メイラード反応は、最も一般的には、アミノ基、例えば、アミノ酸、ペプチド又はタンパク質と、糖のカルボニル基との反応として知られており、種々の揮発分及び不揮発分を生成する複雑な反応経路を辿る。フレーバー前駆体は、反応可能な組み合わせ、例えば、2種のアミノ酸又は2種の糖ではなく、1種のアミノ酸と1種の糖とで提供されなければならないことは当業者には明らかであろう。
深共晶溶媒が、それ自体がフレーバー前駆体である化合物をベースとする場合、その化合物が反応に関与して芳香化合物を生成してもよい。深共晶溶媒が、25℃で固体の少なくとも2種の化合物をベースとし、その少なくとも2種はフレーバー前駆体である場合、更なるフレーバー前駆体を添加する必要がない場合がある。フレーバー前駆体は、効果的には、深共晶溶媒自体として、深共晶溶媒中に提供されてもよい。深共晶溶媒の構成成分の1種だけがフレーバー前駆体である場合、反応混合物を生成するために、少なくとも1種の追加のフレーバー前駆体が必要となる場合がある。フレーバー前駆体は、1種以上のフレーバー前駆体を深共晶溶媒に添加することによって、深共晶溶媒に提供されてもよい。深共晶溶媒がベースとする25℃で固体の少なくとも2種の化合物は、フレーバー前駆体であってもなくてもよい。フレーバー前駆体は、2種以上のフレーバー前駆体を深共晶溶媒に添加することによって、深共晶溶媒に提供されてもよい。例えば、フレーバー組成物を調製するための方法は、深共晶溶媒を調製する工程と、深共晶溶媒を任意追加のフレーバー前駆体と共に加熱して芳香化合物を生成する工程と、を含んでもよく、深共晶溶媒の構成成分にフレーバー前駆体がない場合に限り、少なくとも2種のフレーバー前駆体を深共晶溶媒と共に加熱し、深共晶溶媒の1種の構成成分がフレーバー前駆体である場合、少なくとも1種の追加のフレーバー前駆体を深共晶溶媒と共に加熱するが、深共晶溶媒の2種の構成成分がフレーバー前駆体である場合、深共晶溶媒と共に加熱する追加のフレーバー前駆体の添加は任意選択であり、その際深共晶溶媒は25℃で固体の少なくとも2種の化合物の組み合わせをベースとする。
本発明の方法で加熱されて芳香化合物を生成する反応混合物は、深共晶溶媒と任意選択のフレーバー前駆体とからなってもよく、深共晶溶媒の構成成分にフレーバー前駆体がない場合に限り、少なくとも2種のフレーバー前駆体を深共晶溶媒と共に加熱し、深共晶溶媒の1種の構成成分がフレーバー前駆体である場合、少なくとも1種の追加のフレーバー前駆体を深共晶溶媒と共に加熱するが、深共晶溶媒の2種の構成成分がフレーバー前駆体である場合、深共晶溶媒と共に加熱する追加のフレーバー前駆体の添加は任意選択である。
本発明の方法によって調製されるフレーバー組成物は、2008年12月16日付欧州議会及び理事会規則の、規則(EC)No1334/2008の定義による「サーマルプロセスフレーバリング」(thermal process flavouring)であってもよい。
本発明の方法による25℃で固体の少なくとも2種の化合物は、アミノ酸;6個以下の炭素を有する有機酸;単糖又は二糖;12個以下の炭素を有する糖アルコール;塩化コリン;ベタイン;カルニチン;ナトリウム、カリウム、マグネシウム又はカルシウムの可食の塩;リボヌクレオチド;及び尿素からなる群から選択されてもよく、但し、上記2種の化合物の両方がナトリウム、カリウム、マグネシウム又はカルシウムの可食の塩ではないか、又は両方がリボヌクレオチドではない。例えば、25℃で固体の少なくとも2種の化合物は、2種のアミノ酸;アミノ酸と6個以下の炭素を有する有機酸;アミノ酸と単糖又は二糖;アミノ酸と12個以下の炭素を有する糖アルコール;アミノ酸と塩化コリン;アミノ酸とカルニチン;アミノ酸とベタイン;アミノ酸と尿素;アミノ酸と金属塩;アミノ酸とリボヌクレオチド;2種の6個以下の炭素を有する有機酸;6個以下の炭素を有する有機酸と単糖又は二糖;6個以下の炭素を有する有機酸と12個以下の炭素を有する糖アルコール;6個以下の炭素を有する有機酸と塩化コリン;6個以下の炭素を有する有機酸とベタイン;6個以下の炭素を有する有機酸とカルニチン;6個以下の炭素を有する有機酸と尿素;6個以下の炭素を有する有機酸と金属塩;6個以下の炭素を有する有機酸とリボヌクレオチド;2種の単糖又は二糖;単糖又は二糖と12個以下の炭素を有する糖アルコール;単糖又は二糖と塩化コリン;単糖又は二糖とカルニチン;単糖又は二糖とベタイン;単糖又は二糖と尿素;単糖又は二糖と金属塩;単糖又は二糖とリボヌクレオチド;2種の12個以下の炭素を有する糖アルコール;12個以下の炭素を有する糖アルコールと塩化コリン;12個以下の炭素を有する糖アルコールとカルニチン;12個以下の炭素を有する糖アルコールとベタイン;12個以下の炭素を有する糖アルコールと尿素;12個以下の炭素を有する糖アルコールと金属塩;12個以下の炭素を有する糖アルコールとリボヌクレオチド;塩化コリンと尿素;塩化コリンと金属塩;塩化コリンとリボヌクレオチド;尿素と金属塩;尿素とリボヌクレオチド;又は金属塩とリボヌクレオチドを含んでもよい。アミノ酸は、遊離形態であっても塩としてでもよい。
深共晶溶媒は、他のモル比も観察されるが、多くの場合、等モルで存在する2種の構成成分を含む。本発明の方法の深共晶溶媒は、25℃で固体の2種の化合物を含んでいてもよく、その2種の構成成分は、1:1〜8:1、例えば、1:1〜4:1の範囲のモル比で存在する。
本発明の方法の深共晶溶媒は、アミノ酸と6個以下の炭素を有する有機酸;アミノ酸と単糖又は二糖;又はアミノ酸と12個以下の炭素を有する糖アルコールの組み合わせをベースとしてもよい。12個以下の炭素を有する糖アルコールで25℃で固体のものの例としては、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール及びマルチトールが挙げられる。糖アルコールは、一般式H(HCHO)n+1Hを有し、一般式H(HCHO)HCOを有する糖とは異なる。
本発明の方法の深共晶溶媒は、単糖又は二糖と12個以下の炭素を有する糖アルコールとの組み合わせをベースとしてもよい。本発明の方法の深共晶溶媒は、金属塩と単糖、二糖又は12個以下の炭素を有する糖アルコールとの組み合わせをベースとしてもよい。例えば、本発明の方法の深共晶溶媒は、塩化ナトリウムとフルクトースとの組み合わせ、塩化ナトリウムとスクロースとの組み合わせ、塩化カルシウムとスクロースとの組み合わせ、塩化カリウムとグルコースとの組み合わせ、リン酸二水素ナトリウムとフルクトースとの組み合わせ、炭酸水素ナトリウムとラムノースとの組み合わせ、塩化マグネシウムとマルチトールとの組み合わせ、リン酸二水素ナトリウムとキシリトールとの組み合わせ、又はリン酸二水素ナトリウムとソルビトールとの組み合わせをベースとしてもよい。好ましくは、深共晶溶媒は、食品への使用に好適かつ安全な物質からなる。
本発明の方法の深共晶溶媒は、β−アラニンとリンゴ酸との組み合わせ;ベタインとラムノースとの組み合わせ;ラムノースとソルビトールとの組み合わせ;ラムノースとプロリンとの組み合わせ;キシロースとシステインとの組み合わせ;ソルビトールとプロリンとの組み合わせ;ソルビトールとリシンとの組み合わせ;ソルビトールとシステインとの組み合わせ;キシリトールとプロリン;キシリトールとリシンとの組み合わせ、又は塩化ナトリウムとフルクトースとの組み合わせをベースとしてもよい。本発明に関して、ベタインは、トリメチルグリシンを指し、グリシンベタインと呼ばれることもある。
本発明の方法の深共晶溶媒は、水と25℃で固体の少なくとも2種の化合物とからなる液体であってもよく、25℃で固体の化合物のうち2種は、β−アラニンとリンゴ酸;ベタインとラムノース;ラムノースとプロリン;ソルビトールとプロリン;塩化ナトリウムとフルクトース;β−アラニンとソルビトール;ベタインとスクロース;ベタインとソルビトール;塩化コリンとスクロース及び塩化コリンとソルビトールからなる群から選択され、上記の水は25℃で固体の2種の化合物を個別に溶解するには不十分な量、又は25℃で固体の2種の化合物が25℃で同時に飽和するような量で存在する。例えば、深共晶溶媒は、47gのβ−アラニンと、149gのソルビトールと、60gの水とを混合して液体を生成することによって生成されてもよい。文献値から、60gの水には約33gのβ−アラニンしか溶解せず、したがってβ−アラニンの水への溶解性は、47gのβ−アラニンが60gの水に溶解するほど十分に高くない。しかしながら、ソルビトールの存在下では、混合物が液体、すなわち深共晶溶媒を調製することができる。この深共晶溶媒の融点は、−40℃未満であることから、深共晶溶媒を調製する化合物の最も低い融点よりも少なくとも40℃低い(水0℃、ソルビトール95℃及びβ−アラニン207℃)。本発明の方法のフレーバー前駆体は、少なくとも1種のポリオールを、アミノ酸、アミノ酸誘導体及びペプチドからなる群から選択される少なくとも1種のアミノ化合物と共に含んでもよい。アミノ酸誘導体は、アミノ酸化合物からいくつかの化学プロセスによって誘導される化合物である。アミノ酸誘導体の一例は、フェニルアラニンのβ−ヒドロキシル化誘導体である、ジヒドロキシフェニルアラニンである。少なくとも1種のアミノ化合物は、アミノ酸であってもよい。
少なくとも1種のアミノ化合物は、グリシン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、リシン、セリン、トレオニン、プロリン、チロシン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、ジヒドロキシフェニルアラニン、タウリン、チアミン、カルノシン及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。かかるアミノ化合物は、ポリオールと反応したときにある範囲の芳香を発生し、可食であることから、フレーバー前駆体として特に好適である。
本発明の方法のフレーバー前駆体に含まれる少なくとも1種のポリオールは、還元糖であってもよい。還元糖は、アルデヒド基を有するか、溶液中で異性によりアルデヒド基を生成できる任意の糖である。還元糖としては、アルドース及びケトース、例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン、アラビノース、キシロース、リボース、マンノース、エリトロース、トレオース、及びガラクトースが挙げられる。本発明の方法のフレーバー前駆体に含まれる少なくとも1種のポリオールは、アルカンポリオールであってもよい。アルカンポリオールは、プロリンのようなアミノ化合物と反応して、芳香を生成することが知られている[米国特許第3425840号]。好適なアルカンポリオールとしては、例えば、グリセロール、エリスリトール、キシリトール、リビトール、ソルビトール、ズルシトール、マンニトール、イソマルト、マルチトール及びラクチトールが挙げられる。本発明の方法のフレーバー前駆体に含まれる少なくとも1種のポリオールは、グリセロール;ソルビトール;グルクロン酸;5−ケト−グルコン酸;ガラクツロン酸;イズロン酸;マルトデキストリン;グルコースシロップ;ラムノース;キシロース;グルコース;フルクトース;スクロース;ラクトース;マルトース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
上述のように、フレーバー前駆体は、深共晶溶媒がベースとする25℃で固体の化合物を含んでもよい。例えば、深共晶溶媒は、ラムノース、フルクトース、リシンHCl及びグリシンを含んでもよい。
上述のように、固体構成成分から深共晶溶媒を調製することで、芳香発生に関して、より再現性の高い結果が得られる。驚くべきことに、この利点は、加熱前の反応混合物に、更なる液体構成成分を添加したときにも生じる。液体溶媒が深共晶溶媒に添加された反応混合物は、全体組成は同じであるが、反応混合物が深共晶溶媒から形成されていない反応混合物よりも再現性の高い結果をもたらすことがある。フレーバー組成物の製造における変動性は、製品の品質及び一貫性に大きな影響を与えることから、より再現性の高い芳香を発生することができることは有益である。本発明の方法において、液体溶媒は、加熱前に反応混合物に添加されてもよく、この液体溶媒は、水、グリセロール、エタノール、ポリエチレングリコール又はこれらの混合物からなる群から選択される。液体溶媒は、水又はグリセロールであってもよい。
液体溶媒が深共晶溶媒に添加された反応混合物は、同じ全体組成を有する反応混合物であるが、その反応混合物が深共晶溶媒から調製されていない場合よりも低粘度の組成物をもたらすことがある。フレーバー組成物を製品に使用するとき、粘稠性が低いことは、フレーバー組成物を別の物質に組み込むことを、溶媒で希釈する必要なく、より容易にすることから、有利である。溶媒で希釈することは、フレーバーの影響を低減すると考えられる。
いくつかの芳香は、好ましくは、塩基性条件下で発生し、したがって、本発明の方法の反応混合物は、更にアルカリを含んでもよい。アルカリは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム又は亜硫酸水素ナトリウムであってもよい。アルカリは、リン酸水素二ナトリウムであってもよい。アルカリは、リン酸緩衝液(NaHPO/NaHPO)のような、緩衝溶液に含まれてもよい。反応混合物中に硫黄化合物を提供することは、特定の芳香、特に肉様の芳香の発生にとって重要となる場合がある。システイン等のいくつかのアミノ酸は既に硫黄を含有するが、更なる硫黄含有化合物を添加することが有利となることがある。本発明の方法のフレーバー前駆体は、硫黄供給源、例えば、硫化アンモニウムを更に含んでもよい。
本発明の一態様は、本発明の方法によって得ることができるフレーバー組成物を含む食料製品である。本発明の方法によって調製されるフレーバー組成物は、好ましくは、全てが食品グレードの構成成分から作製される。フレーバー組成物を食品に使用する前に、非食品グレードの物質、例えば、非食品グレードの溶媒を除去する必要がないことは有利である。フレーバー組成物の調製に深共晶溶媒を使用することによって、フレーバー組成物が非常に濃縮されてもよい。例えば、フレーバー組成物が低レベルの水を有してもよい。フレーバー組成物は、例えば、押出成形したドッグフードに噴霧される味物質として、完成した食品に直接添加されてもよく、あるいは、フレーバー組成物は、更に加工される半製品に一成分として組み込まれてもよく、例えば、焼成前のウエハース生地に添加されてもよい。フレーバー組成物は、食品の更なる加工中に、追加的な芳香化合物を発生してもよい。本発明の食料製品は、ベーカリー製品、ペットフード、乳製品、菓子製品、シリアル製品(例えば、朝食用シリアル)又は料理用製品であってもよい。料理用製品は通常、台所に用意される、又は台所で使用する食品成分である。本発明のフレーバー組成物を含み得る料理用製品としては、スープ、ソース、ブイヨン、液体調味料、及び調理した食事が挙げられる。乳製品は例えば、牛乳系粉末、アイスクリーム、チーズ、発酵乳、及びヨーグルトであってよい。
当業者は、本明細書にて開示した本発明のあらゆる特徴を自由に組み合わせることができることを理解するであろう。特に、本発明の方法に関して記載された特徴を本発明の製品と組み合わせてよく、逆もまた同様である。更に、本発明の異なる実施形態のために記載された特徴を組み合わせてもよい。周知の同等物が特定の特徴に存在する場合、かかる同等物は、本明細書で具体的に表されるかのように組み込まれる。本発明の更なる利点及び特徴は、図及び非限定例から明らかである。
実施例1:プロリン、ラムノース及びソルビトールをベースとする深共晶溶媒を使用した、香味付けされたウエハースの調製。
深共晶溶媒反応混合物
プロリンとソルビトールとからなる深共晶溶媒を、約3.63gのプロリン(Ajinomoto、0.031mol)を5.5gのソルビトール(Aldrich、0.030mol)と共に2gの水の中で撹拌することによって調製した。NMRを使用して、液体中のプロリンとソルビトールとのモル比を決定した。H NMR(360.13MHz)スペクトルを、広帯域多核z軸勾配プローブヘッドを取付けたBruker DPX−360分光計で記録した。ケミカルシフト(ppm)は、内部標準(TMS又はTSP)を基準として表される。プロリン及びソルビトール由来のプロトンを積分することによって、モル比を計算した。液体は、50/50のモル比のプロリン及びソルビトールからなり、HOが18%の深共晶溶媒であった。深共晶溶媒の臭いを嗅いで、深共晶溶媒調製のプロセスの間に、芳香の変化がなかったことを確認した。5.5gのソルビトール及び3.63gのプロリンのいずれも、2gの水に溶解しないことに注意されたい。液体の共焦混合物が調製されるのは、組み合わせた場合のみである。
ラムノースとプロリンとからなる深共晶溶媒を、2.3gのラムノース(Merck、0.014mol)を7.26gのプロリン(Ajinomoto、0.063mol)と共に、4gの水の中で1日間撹拌することによって調製した。得られた液体を秤量して、水の取込量を決定し、上記のようにNMRによってモル比を決定した。液体は、18/82のモル比のラムノース及びプロリンからなり、HOが29.50%の深共晶溶媒であった。深共晶溶媒の臭いを嗅いで、このプロセスの間に、芳香の変化がなかったことを確認した。プロリンは、上記の量の水に単独では溶解しなかったことに注意されたい(25℃における最大溶解度を超える濃度)。液体の共焦混合物が調製されるのは、組み合わせた場合のみである。
3種の反応混合物を調製した後、密閉容器内で120℃で1時間加熱し、続いて室温まで冷却した。3種の混合物は:
参照試料REF:プロリン(273mg)及びラムノース(27mg)を、ソルビトール(9843mg)及び水(Vittel、1640mg)に加えた。
試料DES:840mgのDES(深共晶溶媒)のプロリン/ソルビトール(モル比50/50、18%のHO)及びラムノース(27mg)を、ソルビトールシロップ(10%の水、10473mg)及び水(Vittel、442mg)に加えた。
試料DES:578mgのDES(深共晶溶媒)のプロリン/ソルビトール(モル比50/50、18%のHO)及び158mgのDESのラムノース/プロリン(モル比18/82、29.50%のHO)を、ソルビトールシロップ(10%の水、9985mg)及び水(Vittel、491mg)に加えた。
試料REFの構成成分は、加熱前に溶解しなかった(図1参照)。反応混合物DES及びDESは、加熱前でも液体であり、したがって、REFよりも均質であった。室温に戻した後、試料DES及びDESは、試料REFよりも粘稠性が低いことが観察された。フレーバー組成物を製品に使用するとき、粘稠性が低いことは、フレーバー組成物を別の物質に組み込むことを、溶媒で希釈する必要なく、より容易にすることから、有利である。溶媒で希釈することは、フレーバーの影響を低減すると考えられる。
ウエハース
上記で調製したフレーバー組成物を含有する一連のウエハースを製造した。ウエハース生地を作製するため;小麦粉、糖、及び1つまみの塩をHobartミキサー(プラネタリ−アクションの泡だて器使用)内で1分間混合した。並行して、融解したヤシ油を40℃に加熱した水(Vittel)と混合し、得られた混合物を、小麦粉/糖の混合物が入ったHobartミキサーに、撹拌しながら2分間かけてゆっくりと添加した。別の、予め反応させたフレーバー組成物を、上記の生地に組み込み、その後焼成して、下記の異なる試験試料を作製した。40gの生地を、鉄製のウエハース焼型(寸法18×18cm、Hebenstreit−ドイツ)に流し込んだ。焼成条件は、180℃で90秒間であった。
試験及び参照ウエハースは、下記の配合表に従って作製した:
Figure 2016538405
揮発性化合物分析用ウエハース試料の調製
2gのウエハース(全形ウエハースからカットした小片)を、20mLシリル化ガラスバイアルに入れ、小さな乳棒を用いて手で粉砕した。1mLの飽和NaCl溶液及び0.5μLの1−ペンタノールのMeOH溶液(0.5g/L)を添加し、相対定量の内部標準として使用した。
ウエハース試料の揮発分分析
試料バイアルを、オートサンプラーによってGerstelインキュベータに送り、30℃で15分間撹拌して試料を平衡化した。30℃で、SPMEファイバをバイアルに導入することによってヘッドスペースをサンプリングした(SPMEファイバ PDMS−DVB、65μm、23ゲージニードル、Supelco N°57345−U)。10分間の吸着後、ファイバを注入口内へ移し、スプリットレスモードで250℃で5分間、揮発性化合物を脱着してクロマトグラフィーカラムに移した。3分後、インジェクタスプリット比を50に増大し、ファイバ内を空にした。長さ30m、内径0.25mm及びフィルム厚0.25μmのHP−5MSカラム(Agilent N°19091S−433)でGC分離を実施した。オーブン(Agilent Technologies 7890A GCオーブン)温度プログラムは、30℃で3分、その後6℃/分で240℃まで加熱し、15分間保持であった。GCは、EI/TIC(70eV)モードで運転するMS(Agilent Technologies 5975C)質量選択検出器と組み合わせた。
図2及び3は、香味付けしたウエハース内の揮発性化合物の量を示す。ラムノース/プロリン及びソルビトール/プロリンの深共晶溶媒から調製された試験ウエハースは、参照ウエハースと比較して、異なる芳香活性分子がより大量に発生した。こうした化合物としては、ピラジン並びに焙煎及び焼成した芳香に大いに寄与するプロリンから特異的に発生する主要芳香分子が挙げられる。
ウエハース試料の官能評価
参照ウエハース及び試験ウエハースの官能評価を、10名の官能試験員で実施した。官能試験員は、それぞれのウエハースの芳香、香味及び歯ごたえを記述するように求められた。官能試験結果を下の表に示す:
Figure 2016538405
参照ウエハース及び試験ウエハースは、官能試験員によってはっきりと異なると確認された。ビスケット及び焙煎した香味は、試験ウエハースの方が強く認識された。
実施例2:リンゴ酸及びβ−アラニンをベースとする深共晶溶媒を用いたフレーバー組成物。
リンゴ酸、β−アラニン及び水からなる深共晶溶媒を、9gのリンゴ酸(Sigma、0.067mol)と12gのβ−アラニン(Sigma、0.135mol)とを乳鉢内で混合することによって調製した。この粉末を、湿度98%のチャンバ内に7日間保管した(KSO飽和水溶液を入れたDuranデシケータ)。深共晶溶媒の臭いを嗅いで、このプロセスの間に、芳香の変化がなかったことを確認した。得られた液体を秤量して、水の取込量を決定し、NMRによって上記のようにモル比を決定した。液体は、リンゴ酸及びβ−アラニン(モル比33/67)からなり、23.9重量%の水を有する深共晶溶媒であった。リンゴ酸及びβ−アラニンのいずれも、それ自体では上記の量の水に溶解しないことに注意する。液体の共焦混合物が調製されるのは、組み合わせた場合のみである。
3種の反応混合物を調製した後、密閉容器内で120℃で1時間加熱し、続いて室温まで冷却した。3種の混合物は:
参照試料(REF−MA):リンゴ酸(326mg)、β−アラニン(435mg)、プロリン(100mg)及びグルコース(Merck、150mg)をグリセロール(3000mg)及び水(Vittel、1239mg)に加えた。
試料MA−1:DESのリンゴ酸/β−アラニン(モル比33/67、23.9重量%のHO、1000mg)、プロリン(100mg)及びグルコース(150mg)を、グリセロール(3000mg)及び水(Vittel、1000mg)に加えた。
試料MA−2:DESのリンゴ酸/β−アラニン(モル比33/67、23.9重量%のHO、1000mg)、プロリン(100mg)及びグルコース(150mg)を、グリセロール(3000mg)に加えた。
この密閉容器を室温まで冷却した後、各フレーバーマトリックスの試料を組成物全体に調和させ、フレーバー系の揮発特性を比較し、媒体による偏りを避けることができるようにした。続いて、10μLの1−ペンタノールのMeOH溶液(0.5g/L)を添加し、相対定量の内部標準として使用した。
揮発分分析を、実施例1と同様に実施した。図4は、フレーバー組成物中の揮発性化合物の量を示す。β−アラニン及びリンゴ酸の深共晶溶媒から調製した反応混合物は、参照REF−MAと比較して、異なる芳香活性分子の発生を招いた。これらの化合物は、ピラジン並びに焙煎及び焼成した芳香に大いに寄与するプロリンから特異的に発生する主要芳香分子を包含した。
実施例3:ラムノース及びベタインをベースとする深共晶溶媒を用いたフレーバー組成物。
ラムノース、ベタイン(トリメチルグリシン)及び水からなる深共晶溶媒を、10.5gのラムノース一水和物(Merck、0.057mol)と10.5gのベタイン(Sigma、0.089mol)とを乳鉢内で混合することによって調製した。この粉末を、湿度98%のチャンバ内に9日間保管した(KSO飽和水溶液を入れたDuranデシケータ)。深共晶溶媒の臭いを嗅いで、このプロセスの間に、芳香の変化がなかったことを確認した。得られた液体を秤量して、水の取込量を決定し、NMRによって上記のようにモル比を決定した。この液体は、ラムノース及びベタイン(モル比39/61)からなり、31重量%の水を有する深共晶溶媒であった。ラムノース及びベタインのいずれも、それ自体では上記の量の水に溶解しないことに注意されたい。液体の共焦混合物が調製されるのは、組み合わせた場合のみである。
2種の反応混合物を調製した後、密閉容器内で120℃で1時間加熱し、続いて室温まで冷却した。2種の混合物は:
参照試料(REF−BR):ラムノース(345mg)、ベタイン(345mg)、プロリン(100mg)及びグルコース(150mg)を水(Vittel、1310mg)に加えた。
試料BR−1:DESのラムノース/ベタイン(モル比39/61、31重量%のHO、1000mg)、プロリン(100mg)及びグルコース(150mg)を、水(Vittel、1000mg)に加えた。
フレーバー組成物を、実施例2のように分析した。図5は、フレーバー組成物で実施した揮発分分析結果を要約している。ラムノース及びベタインの深共晶溶媒から調製した反応混合物(試料BR−1)は、参照REF−BRと比較して、異なる芳香活性分子の発生を招いた。これらの化合物は、ピラジン並びに焙煎及び焼成した芳香に大いに寄与するプロリンから特異的に発生する主要芳香分子を包含した。
実施例4:リンゴ酸及びβ−アラニンをベースとする深共晶溶媒を用いた塩味のフレーバー組成物。
上記の実施例のように、3種の反応混合物を調製、加熱及び分析した。
参照試料(REF−MA_meat):リンゴ酸(654mg)、β−アラニン(872mg)、NaOH(Merck、50mg)、キシロース(Sigma、450mg)及びシステイン(Fluka、176mg)を、水(Vittel、2480mg)に加えた。
試料MA−1_meat:DESのリンゴ酸/β−アラニン(モル比33/67、24重量%のHO、2000mg)、NaOH(50mg)、キシロース(450mg)及びシステイン(176mg)を水(Vittel、2000mg)に加えた。
試料MA−2_meat:NaOH(50mg)、キシロース(450mg)及びシステイン(176mg)を、DESのリンゴ酸/β−アラニン(モル比33/67、24重量%のH2O、2000mg)に加えた。
図6は、得られたフレーバー組成物で実施した揮発分分析の結果を示す。このプロセスを、参照及びMA−1_meatについて繰返し、3回の反復試験を得た。図7は、揮発分濃度に関するフレーバー系の変動性を示す。リンゴ酸及びβ−アラニンの深共晶溶媒から調製した反応混合物、MA−1_meatは、3回の反復試験で、深共晶溶媒が形成されなかった反応混合物よりも一貫性のある芳香特性をもたらした。
実施例5:塩化ナトリウム及びフルクトースをベースとする深共晶溶媒を用いた塩味のフレーバー組成物。
塩化ナトリウム、フルクトース及び水からなる深共晶溶媒を、7.2gの塩化ナトリウム(Merck、0.123mol)を72.7gのフルクトース(Sigma、0.400mol)及び水(20g)と共に1日間撹拌することによって調製した。得られた液体は、塩化ナトリウム及びフルクトース(モル比23.55/76.45)からなり、20重量%の水を有する深共晶溶媒であった。塩化ナトリウム及びフルクトースは、この深共晶溶媒中で同時に水に飽和することに注意されたい。
3種の反応混合物を調製した後、密閉容器内で120℃で1時間加熱し、続いて室温まで冷却した。3種の混合物は:
参照資料Na−Fru:NaCl(144mg)、フルクトース(1455mg)、キシロース(Sigma、450mg)及びシステイン(Fluka、176mg)を水(Vittel、2440mg)に加えた。
試料Na−Fru_DES:DESのNaCl/フルクトース(モル比23.55/76.45、20重量%のHO、2000mg)、キシロース(450mg)及びシステイン(176mg)を水(Vittel、2000mg)に加えた。
試料Na−Fru_DES_2:キシロース(450mg)及びシステイン(176mg)を、DESのNaCl/フルクトース(モル比23.55/76.45、20重量%のHO、2000mg)に加えた。
フレーバー組成物を、実施例2のように分析した。下の表に、フレーバー組成物で実施した揮発分分析結果を要約する。Na−Fru_DES_2は、系内のフルフラール、5−メチル−2−フルフラール及びチエノ−3,2b−チオフェンの濃度がはるかに高い、非常に異なる揮発特性を示す。試料Na−FruとNa−Fru_DESとの間に、揮発分濃度に関して有意な差はなかったが、参照試料Na−Fruの方が、揮発分濃度に関してフレーバー系の変動性が高く、Na−Fru_DESの方が一貫性のある芳香特性をもたらした(図8)。
Figure 2016538405
3種の反応混合物を、訓練を受けていない人のグループが嗅ぐことによって評価した。参照試料Na−Fruは、強く焼いた臭い、Na−Fru_DESは焼いた鶏肉、Na−Fru_DES_2は乳様で甘いアーモンド様の臭いとして知覚された。
実施例6:深共晶溶媒の事前調製の効果
0.57gのラムノース、1.69gのフルクトース、1.18gのリシンHCl、0.47gのグリシン、0.106gのリン酸水素二ナトリウム及び2gの水を組み合わせることによって、深共晶溶媒を調製した。構成成分を、Ultraturax撹拌機を用いて、均質液体が生成するまで混合した。0.47gのグリシンは2gの水に個別に溶解しないことを考慮して、25℃におけるグリシンの最大溶解度が213g/Lであることが確認されたことから、この液体は深共晶溶媒であった。ラムノース、フルクトース、リシン及びグリシンは深共晶溶媒がベースとする25℃で固体の化合物であるだけでなく、フレーバー前駆体でもあることから、追加のフレーバー前駆体を添加しなかった。したがって、深共晶溶媒の調製は、深共晶溶媒とフレーバー前駆体とを含む反応混合物の調製としても作用する。0.8gの水を3.2gのヒマワリ油と共に0.547gの反応混合物に添加した後、密閉容器内で120℃で加熱し、次いで室温に冷却した(試料DES6)。ヒマワリ油は、生成した油溶性の芳香化合物を捕獲するために使用される。(深共晶溶媒反応混合物は油に溶解しなかった)。
比較のため、同じ構成成分(0.57gのラムノース、1.69gのフルクトース、1.18gのリシンHCl、0.47gのグリシン、0.106gのリン酸水素二ナトリウム)を10.8gの水と混合して水溶液を作製した。全ての構成成分は、上記の量の水に個別に溶解できることから、深共晶溶媒を調製する工程はなかった。1.347gの上記溶液を、3.2gのヒマワリ油と組み合わせて、密閉容器内で120℃で加熱し、次いで室温に冷却した(試料DIL6)。上記の2種の混合物、DES6及びDIL6は、水を含めて、全く同じ量の構成成分を含有しており、その調製方法のみが異なっていた。
揮発分分析を、GC−MS/SPME(固相マイクロ抽出)を用いて実施した:反応試料バイアルを、オートサンプラーによってGerstelインキュベータに送り、30℃で15分間撹拌して試料を平衡化した。30℃で、SPMEファイバをバイアルに導入することによってヘッドスペースをサンプリングした(SPMEファイバ ポリジメチルシロキサン/ジビニルベンゼンPDMS−DVB、65μm、23ゲージニードル、Supelco N°57345−U)。10分間の吸着後、ファイバを注入口内へ移し、スプリットレスモードで250℃で5分間、揮発性化合物を脱着してクロマトグラフィーカラムに移した。インジェクタには内径0.75mmのライナー(Supelco)を取付けた。長さ30m、内径0.25mm及びフィルム厚0.25μmのDB−1701HP−5MSカラム(Agilent N°1220732)でGC分離を実施した。オーブン(Agilent Technologies 6890A GCオーブン)温度プログラムは、30℃で3分、その後6℃/分で240℃まで加熱し、15分間保持であった。GCは、EI/TIC(70eV)モードで運転するMS(Agilent Technologies 5973)質量選択検出器と組み合わせた。
Figure 2016538405
上記の2種の混合物の組成は同一であるが、DES6では追加の水を加える前に深共晶が調製することで、反応混合物を加熱したときに、より多くのフレーバー分子が生成したことがわかる。
上記の異なる混合物の反応の進行を、異なる加熱時間後に残ったラムノースの量を測定することによってモニタリングした。ラムノースは次のようにして測定した:1mLの反応媒体を採取し、ペンタンで抽出する(8mL×3)ことによって油を除去した。水層を、8℃で、3400回/分で20分間遠心分離した。次いで、得られた溶液を希釈した(100mLに45μL)。残留ラムノースを、Dionex製ICS−5000イオンクロマトグラフィーシステム(Thermo Fisher Scientific,81 Wyman Street Waltham,MA 02454,US)にAS−50オートサンプラー、OH−溶離液ジェネレータ、サプレッサー、カラムオーブン及び電気伝導度検出器を取付けて使用した、高性能イオン交換クロマトグラフィーによって定量した。カラムは、いずれもDionexから購入したCarbopac(PA1、2×250mm)とガードカラム(2×50mm)との組み合わせであった。溶離液は、脱イオン水であり、溶離液ジェネレータ(KOHカートリッジEGCIII)によってヒドロキシド(OH−)が生成され、薄膜を通して流れに放出された(0.4mL/分)。溶出は、20mM[OH−]固定で0〜49分間の均一濃度溶出であった。ラムノースは、保持時間を対応する参照標準と比較することによって同定し、検量線を用いて定量した。
120℃で種々の時間後の残留ラムノース(%)を図9に示す。追加の水を添加する前に深共晶溶媒を調製した反応混合物では、直接水溶液として生成した混合物と比較して、ラムノースがより短時間で反応したことがわかる。ラムノースは、例えば、キャラメルの香調の発生に寄与する主要フレーバー活性分子であるフラノールの前駆体であることから、ラムノースの反応を加速することは有益である。

Claims (14)

  1. a)深共晶溶媒を調製する工程と、
    b)前記深共晶溶媒とフレーバー前駆体とを含む反応混合物を調製する工程と、
    c)前記反応混合物を加熱して芳香化合物を生成する工程と、
    を含み、前記深共晶溶媒は、25℃で固体の少なくとも2種の化合物の組み合わせをベースとする液体であって、水及び/又はグリセロールを、前記25℃で固体の化合物全てを個別に溶解するには不十分な量、又は前記25℃で固体の化合物全てが25℃で同時に飽和するような量で含み、前記フレーバー前駆体は、前記25℃で固体の化合物を含んでもよい、フレーバー組成物を調製する方法。
  2. 前記25℃で固体の少なくとも2種の化合物が、アミノ酸;6個以下の炭素を有する有機酸;単糖又は二糖;12個以下の炭素を有する糖アルコール;塩化コリン;ベタイン;カルニチン;ナトリウム、カリウム、マグネシウム又はカルシウムの可食の塩;リボヌクレオチド;及び尿素からなる群から選択され、但し、前記2種の化合物の両方がナトリウム、カリウム、マグネシウム又はカルシウムの可食の塩ではないか、又は両方がリボヌクレオチドではない、請求項1に記載の方法。
  3. 前記深共晶溶媒が、アミノ酸と6個以下の炭素を有する有機酸との組み合わせ;アミノ酸と単糖又は二糖との組み合わせ;又は、アミノ酸と12個以下の炭素を有する糖アルコールとの組み合わせをベースとする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記深共晶溶媒が、単糖又は二糖と12個以下の炭素を有する糖アルコールとの組み合わせをベースとする、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記深共晶溶媒が、金属塩と、単糖、二糖又は12個以下の炭素を有する糖アルコールとの組み合わせをベースとする、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記深共晶溶媒が、β−アラニンとリンゴ酸との組み合わせ;ベタインとラムノースとの組み合わせ;ラムノースとソルビトールとの組み合わせ;ラムノースとプロリンとの組み合わせ;キシロースとシステインとの組み合わせ;ソルビトールとプロリンとの組み合わせ;ソルビトールとリシンとの組み合わせ;ソルビトールとシステインとの組み合わせ;キシリトールとプロリンとの組み合わせ;キシリトールとリシンとの組み合わせ、又は塩化ナトリウムとフルクトースとの組み合わせをベースとする、請求項1に記載の方法。
  7. 前記フレーバー前駆体が、少なくとも1種のポリオールを、アミノ酸、アミノ酸誘導体及びペプチドからなる群から選択される少なくとも1種のアミノ化合物と共に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記アミノ化合物が、グリシン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、リシン、セリン、トレオニン、プロリン、チロシン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、ジヒドロキシフェニルアラニン、タウリン、チアミン、カルノシン及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ポリオールが還元糖である、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記ポリオールが、グリセロール;ソルビトール;グルクロン酸;5−ケト−グルコン酸;ガラクツロン酸;イズロン酸;マルトデキストリン;グルコースシロップ;ラムノース;キシロース;グルコース;フルクトース;スクロース;ラクトース;マルトース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項7又は8に記載の方法。
  11. 液体溶媒が加熱前に前記反応混合物に添加され、前記液体溶媒が、水、グリセロール、エタノール、ポリエチレングリコール又はこれらの混合物から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記反応混合物が更にアルカリを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法によって得ることができるフレーバー組成物を含む食料製品。
  14. 前記食料製品が、ベーカリー製品、ペットフード、乳製品、菓子製品、シリアル製品又は料理用製品である、請求項13に記載の食料製品。
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