JP2020000105A - 経口組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】クロロゲン酸類由来の不快味を抑制しつつ、デキストリン及び/又はデンプン由来のぬめりを低減した経口組成物を提供すること。【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C);(A)クロロゲン酸類(B)デキストリン及びデンプンから選択される少なくとも1種(C)ケンフェロール配糖体及びその誘導体から選択される少なくとも1種を含有し、成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が0.05〜1である、経口組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、経口組成物に関する。
クロロゲン酸類は、ポリフェノールの一種であり、抗酸化作用や血圧降下作用等の生理作用を有することから、クロロゲン酸類を含有する飲食品が多数上市されている。
一方、でんぷん及びデキストリンは、炭水化物の一種であり、デキストリンは、通常でんぷんを原料として酸処理や加熱処理を行い、部分的に加水分解することにより製造されている。でんぷん及びデキストリンは、食品分野において、例えば、食物繊維源、賦形剤、結合剤、滑沢剤等として利用され(特許文献1)、吸湿性や分散性、賦形性等製造物性の面で優れることから、顆粒剤や錠剤の製造にも多用されている。また、デキストリンは、ポリフェノールの苦渋味のマスキング剤としても利用されている(特許文献2)。
更に、ケンフェロール配糖体は、アグリコンであるケンフェロールの水酸基に糖が付加した化合物である。例えば、ケンフェロール配糖体の一種であるアストラガリンは、柿の葉や桑の葉に含まれ、抗アレルギー作用を有することが知られている。このような生理作用に着目し、アストラガリンの飲食品への応用が検討されており、例えば、アストラガリンに、果糖、ガラクトース、乳糖及びブドウ糖からなる群から選ばれる糖の1種又は2種以上を配合することで、アストラガリンの吸収性が向上するとの報告がある(特許文献3)。
特開2008−99681号公報 特開2006−67895号公報 特開2002−291441号公報
クロロゲン酸類は有用な物質であるが、収斂味といった不快味を有するため継続して摂食するうえで障害となりやすい。本発明者らは、クロロゲン酸類の不快味を抑制するために、デキストリン及び/又はデンプンを添加したところ、クロロゲン酸類の不快味を抑制できるものの、口腔内にデキストリン及び/又はデンプン由来のぬめりが発生することが判明した。
本発明の課題は、クロロゲン酸類由来の不快味を抑制しつつ、デキストリン及び/又はデンプン由来のぬめりを低減した経口組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、クロロゲン酸類と、デキストリン及び/又はデンプンに、ケンフェロール配糖体又はその誘導体を、デキストリン及び/又はデンプンに対して特定の量比で含有させることで、意外なことに、クロロゲン酸類由来の不快味を抑制しつつ、デキストリン及び/又はデンプン由来のぬめりが低減された経口組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類
(B)デキストリン及びデンプンから選択される少なくとも1種
(C)ケンフェロール配糖体及びその誘導体から選択される少なくとも1種
を含有し、
成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が0.05〜1である、
経口組成物を提供するものである。
本発明はまた、経口組成物を添加してなる飲食品を提供するものである。
本発明によれば、クロロゲン酸類と、デキストリン及び/又はデンプンを含有しながらも、クロロゲン酸類由来の不快味を抑制しつつ、デキストリン及び/又はデンプン由来のぬめりが低減された経口組成物経口組成物を提供することができる。
<経口組成物>
本明細書において「経口組成物」とは、経口摂取に供される製品をいう。経口組成物の製品形態としては、常温(20℃±15℃)において固形でも、液状でもよく、特に限定されない。液状の場合、濃縮液状、ゲル状、ゼリー状、スラリー状のいずれの形態であっても構わない。濃縮液状である場合、その固形分濃度はRTD(レディ・トゥ・ドリンク)よりも高濃度であれば適宜選択可能であり、特に限定されない。固形としては、例えば、粉末状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状等を挙げることができる。経口組成物が固形である場合、経口組成物中の固形分量は通常80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは93質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、殊更に好ましくは97質量%以上である。なお、かかる固形分量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。ここで、本明細書において「固形分量」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分の質量をいう。中でも、経口組成物の製品形態としては、固形、濃縮液状、ゼリー状が好ましく、固形、濃縮液状がより好ましく、固形が更に好ましい。固形の中では、錠状、顆粒状が好ましい。
本発明の経口組成物は、成分(A)としてクロロゲン酸類を含有する。ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルオイルキナ酸、4−フェルオイルキナ酸及び5−フェルオイルキナ酸のモノフェルオイルキナ酸を併せての総称である。本発明においては上記6種のうち少なくとも1種を含有すればよい。
成分(A)は、塩や水和物の形態であってもよい。塩としては生理学的に許容されるものであれば特に限定されないが、例えば、アルカリ金属塩を挙げることができる。
成分(A)としては、市販の試薬を用いてもよいが、成分(A)を豊富に含む植物の抽出物を使用することもできる。なお、成分(A)として植物抽出物を用いる場合、植物抽出物の抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
植物としては、成分(A)が含まれていれば特に限定されないが、例えば、ヒマワリ種子、リンゴ未熟果、コーヒー豆、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、ブドウ科植物等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。中でも、クロロゲン酸類含量等の観点から、コーヒー豆抽出物が好ましい。コーヒー豆は、生コーヒー豆でも、焙煎コーヒー豆でもよく、これらを併用することもできる。なお、コーヒー豆の豆種及び産地は、特に限定されない。
本発明の経口組成物は、固形分中の成分(A)の含有量が、生理活性の観点から、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましく、15質量%以上が殊更に好ましく、また成分(A)由来の不快味抑制の観点から、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、22質量%以下が更に好ましい。かかる成分(A)の範囲としては、経口組成物の固形分中に、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは7〜25質量%、更に好ましくは10〜25質量%、殊更に好ましくは15〜22質量%である。ここで、本明細書において、成分(A)の含有量は上記6種の合計量に基づいて定義される。なお、成分(A)が塩又は水和物である場合、成分(A)の含有量は、遊離酸であるクロロゲン酸類に換算した値とする。成分(A)の分析は、例えば、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の分析法を挙げることができる。
本発明の経口組成物は、成分(B)としてデキストリン及びデンプンから選択される少なくとも1種を含有する。ここで、本明細書において「デキストリン」とは、でんぷん分解物の一種であり、でんぷんを酸処理又は加熱処理して部分的に加水分解し低分子化した化合物である。デキストリンは、糖がグリコシド結合によって重合した分子構造を有しており、グリコシド結合は、鎖状に結合していても、環状に結合していても、これらの混合物であっても構わない。糖の結合方式としては、α−1,4結合、α−1,6結合、β−1,2結合、β−1,3結合、β−1,4結合、β−1,6結合等が挙げられ、単一の結合方式のみでも、2種以上の結合方式でも構わない。
本発明においては、成分(B)としてデキストリン及びデンプンを単独で使用することも、併用することも可能であるが、成分(C)由来のぬめり低減の観点から、デキストリンが好ましい。
また、成分(B)は、本発明の効果を享受しやすい点から、デキストロース当量(DE値)が、0以上が好ましく、3以上が更に好ましく、そして50以下が好ましく、40以下がより好ましく、35以下が更に好ましく、30以下が殊更に好ましい。かかるDE値の範囲としては、好ましくは0〜50であり、より好ましくは0〜40であり、更に好ましくは0〜35であり、殊更に好ましくは3〜30である。なお、でんぷんのデキストロース当量(DE値)は、0である。また、デキストロース当量(DE値)は、通常知られているデキストロースの測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の経口組成物は、固形分中の成分(B)の含有量が、成分(A)由来の不快味抑制の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、また成分(B)由来のぬめり低減の観点から、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましく、25質量%以下が殊更に好ましい。成分(B)の含有量の範囲としては、経口組成物の固形分中に、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%、更に好ましくは15〜30質量%、殊更に好ましくは15〜25質量%である。なお、成分(B)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、液体クロマトグラフィで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の経口組成物は、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が、成分(A)由来の不快味抑制の観点から、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、0.3以上が更に好ましく、0.4以上が更に好ましく、0.6以上がより更に好ましく、0.8以上が殊更に好ましく、また成分(B)由来のぬめり低減の観点から、5.0以下が好ましく、4.0以下がより好ましく、3.0以下が更に好ましく、2.5以下が更に好ましく、2.0以下がより更に好ましく、1.5以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.1〜5.0、より好ましくは0.2〜4.0、更に好ましくは0.3〜3.0、殊更に好ましくは0.4〜2.5、殊更に好ましくは0.6〜2.0、殊更に好ましくは0.8.〜1.5である。
本発明の経口組成物は、成分(C)としてケンフェロール配糖体を含有する。ここで、本明細書において「ケンフェロール配糖体」とは、下記式(1)に示すケンフェロールの3位又は7位の水酸基に糖が付加した化合物をいう。また、本明細書において「ケンフェロール配糖体の誘導体」とは、ケンフェロールの3位の水酸基にグルコースが付加した化合物に、8位の水素原子に官能基が付加したエピメドシドC及びアムレンシンである。
Figure 2020000105
ケンフェロール配糖体の構成糖としては特に限定されないが、例えば、グルコース、ガラクトース、ラムノース、キシロース、アラビノース、アピオース等の単糖、ルチノース、ネオヘスペリドース、ソフォロース、サンブビオース、ラミナリビオース等の二糖、ゲンチオトリオース、グルコシルルチノース、グルコシルネオヘスペリドース等の三糖、又はこれらの混合物等を挙げることができる。中でも、かかる構成糖としては、本発明の効果を享受しやすい点から、グルコースが好ましい。
成分(C)としては、本発明の効果を享受しやすい点から、ケンフェロールモノ配糖体及びその誘導体から選択される少なくとも1種が好ましく、ケンフェロールモノグルコシド及びその誘導体から選択される少なくとも1種がより好ましく、ポプルニン、アストラガリン及びエピメドシドCから選択される少なくとも1種が更に好ましい。ここで、本明細書において「ケンフェロールモノ配糖体」とは、ケンフェロールの3位又は7位の水酸基に糖が1個付加した化合物であり、また「ケンフェロールモノグルコシド」とは、ケンフェロールの3位又は7位の水酸基にグルコースが1個付加した化合物である。
本発明の経口組成物は、固形分中の成分(C)の含有量が、成分(B)由来のぬめり低減の観点から、0.2質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が更に好ましく、2.5質量%以上がより更に好ましく、3質量%以上が殊更に好ましく、また成分(C)由来の苦味抑制の観点から、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましく、5質量%以下が殊更に好ましい。成分(C)の含有量の範囲としては、経口組成物の固形分中に、好ましくは0.2〜20質量%、より好ましくは0.5〜15質量%、更に好ましくは1.5〜7質量%、より更に好ましくは2.5〜7質量%、殊更に好ましくは3〜5質量%である。なお、成分(C)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、液体クロマトグラフで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の経口組成物は、成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が、成分(B)由来のぬめり低減の観点から、0.08以上が好ましく、0.12以上がより好ましく、0.15以上が更に好ましく、0.17以上が殊更に好ましく、また成分(C)由来の苦味抑制の観点から、0.8以下が好ましく、0.45以下がより好ましく、0.35以下が更に好ましく、0.3以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(C)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.08〜0.8、より好ましくは0.12〜0.45、更に好ましくは0.15〜0.35、殊更に好ましくは0.17〜0.3である。
本発明の経口組成物は、成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が0.05〜1であるが、成分(B)由来のぬめり低減の観点から、0.08以上が好ましく、0.12以上がより好ましく、0.15以上が更に好ましく、0.17以上が殊更に好ましく、また成分(C)由来の苦味抑制の観点から、0.8以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.5以下が更に好ましく、0.3以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(C)/(B)]の範囲としては、好ましくは0.08〜0.8、より好ましくは0.12〜0.6、更に好ましくは0.15〜0.5、殊更に好ましくは0.17〜0.3である。
本発明の経口組成物は、所望により、酸味料、甘味料、アミノ酸、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、香料、果汁、植物エキス、エステル、色素、乳化剤、乳成分、ココアパウダー、調味料、植物油脂、酸化防止剤、保存料、pH調整剤、品質安定剤、花蜜エキス等の添加剤を1種又は2種以上を含有することができる。添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
また、本発明の経口組成物は、必要に応じて許容される担体を含有することができる。例えば、賦形剤(例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース等の単糖類、スクロース、ラクトース、ラクトース、パラチノース等の二糖類、マルチトール、キシリトール、ソルビトール、還元パラチノース等の糖アルコール);結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン、メチルセルロース、硬化油等);崩壊剤(例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等);滑沢剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化ケイ素等);嬌味剤(例えば、ステビア等);オリゴ糖、寒天、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、希釈剤等の担体が挙げられる。なお、担体の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することが可能である。
本発明の経口組成物の具体例としては、例えば、インスタント飲料;濃縮飲料;乳飲料、ヨーグルト、チーズ等の乳製品;ゼリー、スナック、ビスケット、米菓等の菓子の飲食品が挙げられ、健康食品(栄養機能食品、特定保健用食品、栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント等)、医薬品、医薬部外品とすることもできる。なお、インスタント飲料又は濃縮飲料とは、液体に希釈溶解して飲料として飲用に供されるものをいい、液体は飲料に還元できれば特に限定されない。例えば、水、炭酸水、牛乳、豆乳等が挙げられ、液体の温度は問わない。また、健康食品、医薬品、又は医薬部外品である場合の剤型としては、例えば、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、散剤、丸剤、チュアブル剤、トローチ剤等が挙げられる。中でも、経口組成物としては、インスタント飲料、濃縮飲料、ゼリー食品、顆粒剤、錠剤が好ましく、インスタント飲料、濃縮飲料、顆粒剤が更に好ましい。
また、経口組成物がインスタント飲料である場合、例えば、瓶等に容器詰し飲用する際にカップ1杯分をスプーン等で計量するもの、1杯分を収容したカップタイプ、カップ1杯分毎に小分け包装したスティックタイプ等とすることができる。また、経口組成物が濃縮飲料である場合、例えば、カップ1杯分毎に小分け包装したポーションタイプの希釈飲料等が挙げられる。なお、カップの容量は30〜320mLであることが好ましく、また小分け包装の内容量はカップ容量に適合するように適宜設定することが可能である。中でも、本発明の効果を享受しやすい点から、カップ1杯分毎に小分け包装したものが好ましく、例えば、スティック包装したもの、ピロー包装したものを挙げることができる。小分け包装は、アルミ蒸着フィルム等を材質とする包装材料で包装することができる。なお、容器内及び包材内は窒素ガスを充填してもよく、また包材は酸素透過性の低いものが品質維持の点で好ましい。
本発明の経口組成物は、常法にしたがって製造することが可能であり、適宜の方法を採り得る。例えば、成分(A)、成分(B)及び成分(C)、必要に応じて担体及び/又は添加剤を、成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が上記範囲内となるように混合して製造することができる。成分(A)、成分(B)及び成分(C)の混合順序は特に限定されず、任意の順序で添加しても、3者を同時に添加してもよい。混合方法としては、撹拌、震盪等の適宜の方法を採用することが可能であり、混合装置を使用しても構わない。混合装置の混合方式は、容器回転型でも、容器固定型でもよい。容器回転型として、例えば、水平円筒型、V型、ダブルコーン型、立方体型等を採用することができる。また、容器固定型として、例えば、リボン型、スクリュー型、円錐形スクリュー型、パドル型、流動層型、フィリップスブレンダ−等を採用することができる。また、公知の造粒法により造粒物としてもよい。造粒方法としては、例えば、噴霧造粒、流動層造粒、圧縮造粒、転動造粒、撹拌造粒、押出造粒、粉末被覆造粒等が挙げられる。なお、造粒条件は、造粒方法により適宜選択することができる。また、錠剤とする場合には、湿式打錠及び乾式打錠のいずれでもよく、公知の圧縮成形機を使用することができる。更に、濃縮液状である場合、例えば、常圧にて溶媒の蒸発を行う常圧濃縮法、減圧にて溶媒の蒸発を行う減圧濃縮法、膜分離により溶媒を除去する膜濃縮法等の公知の濃縮方法を採用することができる。
<飲食品>
本発明の飲食品は、上記経口組成物を添加したものである。
経口組成物が添加される飲食品は特に限定されないが、例えば、炭酸飲料、果汁飲料、野菜ジュース、スポーツドリンク、栄養ドリンク、コーヒー飲料、ココア飲料、茶飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、豆乳飲料等の飲料一般、ヨーグルト、ゼリー、プディング、ムース、水羊羹等のデザート、アイスクリーム、ラクトアイス、アイスミルク、シャーベット等の冷菓又は氷菓、ケーキ、クッキー、ビスケット、パイ、クラッカー、スナック、チューインガム、ハードキャンディ、ソフトキャンディー、ヌガー、ゼリービーンズ、グミ、饅頭、煎餅、かき餅、あられ、羊羹等の菓子、タレ、トマトケチャップ、ソース、麺つゆ、シロップ等の調味料、クリーム、ジャム、パン、練り製品、食肉加工品、レトルト食品、缶詰、漬け物、佃煮、ふりかけ、冷凍食品等を挙げることができる。
経口組成物の添加方法としては、例えば、経口組成物の飲食品への直接添加や、水等の液体を用いて希釈してからの飲食品への添加、製品への被覆、フィリング、製造工程中の生地への混練としての使用等特に制限はなく、最終的に喫食する飲食品に経口組成物が含有されていればよい。好適な添加方法としては、飲食品に直接ふりかけて喫食する態様が挙げられる。
経口組成物の添加量は飲食品の種類により適宜選択可能であるが、飲食品100質量部に対し、経口組成物を固形分換算で通常0.01〜30質量部、好ましくは0.03〜20質量部、更に好ましくは0.05〜15質量部、殊更に好ましくは0.1〜10質量部である。
1.クロロゲン酸類の分析
試料1gを精秤後、100mLの水に溶解させ、溶離液Aにて10倍希釈したものを試料溶液とした。試料溶液はメンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))で濾過し、高速液体クロマトグラフ−分光分析装置を用いて分析した。装置構成、分析条件、溶出液の濃度勾配条件は以下の通りである。
装置構成
・UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ))
・カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ))
・ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ))
・オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)))
・カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))
分析条件
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV−VIS検出器設定波長:325nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液
・溶離液B:アセトニトリル
溶出液の濃度勾配条件
時間(分) 溶離液A(体積%) 溶離液B(体積%)
0.0 100% 0%
10.0 100% 0%
15.0 95% 5%
20.0 95% 5%
22.0 92% 8%
50.0 92% 8%
52.0 10% 90%
60.0 10% 90%
60.1 100% 0%
70.0 100% 0%
標準品を用いてクロロゲン酸類の保持時間を確認したところ、以下の通りであった。
・3−カフェオイルキナ酸 5.3分
・5−カフェオイルキナ酸 8.8分
・4−カフェオイルキナ酸 11.6分
・3−フェルオイルキナ酸 13.0分
・5−フェルオイルキナ酸 19.9分
・4−フェルオイルキナ酸 21.0分
上記保持時間と一致したピークの面積値から、クロロゲン酸類の定量を行った。
2.ケンフェロール配糖体の分析
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ−質量分析装置(Waters, Acquity/Xevo G2-XS QTOF― MS)を用い、カラム〔Waters, AcQuity UPLC BEH Shield RP18(2.lmmφ ×10011Hl,1.7μm)〕を装着し、カラム温度40℃にてグラディエント法により行う。移動相C液はギ酸を0.1質量%含有する水溶液、D液はアセトニトリル溶液とし、流速は0.2mL/分、試料注入量は50μLの条件で行う。なお、質量分析装置及び溶離液のグラディエントの条件は、以下のとおりである。
質量分析装置の条件
・イオン化方法 :ESI(Negative)
・キャピラリー電圧: 2.0kV
・イオン源温度 :150℃
濃度勾配条件
時間(分) C液濃度(体積%) D液濃度(体積%)
0 90% 10%
10 5% 95%
25 5% 95%
ポプルニン、アストラガリン、エピメシドCの標準品をメタノールで溶解させて、段階希釈し、標品を調製する。所定濃度の標品を上記記載の条件で測定し、リテンションタイムの測定を行う。定量は標準品の標品から各成分に起因するイオンのピーク強度で検量線を作成し、検量線と試料のピーク強度から算出する。なお、ポプルニン、アストラガリン、エピメシドCの定量には以下のm/zのイオンピークを用いる。
・ポプルニン :463
・アストラガリン :446
・エピメシドC :515
3.デキストリン及びでんぷんの分析
(1)定量法
試料、及び各濃度の標準溶液1.5mLに、1N−NaOH水溶液を250μLと0.5MのPMP(3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン)−メタノール溶液を500μL加え、70℃で30分加熱する。得られた溶液に対し、1N−HCl水溶液を250μLにて中和し、5mLのクロロホルムを加え分配し、水層を測定試料とする。上記操作により得られた測定試料について、高速液体クロマトグラフ質量分析を用い、下記条件にて測定する。
分析条件
・HPLC装置:型式ACQUITY UPLC、Waters製
・MS装置 :型式SYNAPT G2−S HDMS型、Waters製
・イオン化 :ESI
・質量範囲 :m/z 100−2500
・カラム :型式Unison UK−C18 UP(2.0×100mm,3μm),インタクト社製
・移動相 :E液:ギ酸0.05%水溶液、F液:アセトニトリル(%F=15→90)
・流量 :0.6mL/min
・注入量 :1μL
(2)デキストロース当量
(I)分析は、デキストリンに含まれているぶどう糖、麦芽糖などの還元糖分をぶどう糖として定量する場合に適用し、次の手順にしたがって行う。
・水分の定量
・レイン・エイノン法による還元糖分の定量
・ぶどう糖として計算した還元糖の含有率(DE値、%)の計算
(II)試料の調製及び力価の標定
(II-A)試料の調製
(II-1)標準転化糖溶液
スクロース(試薬)4.75gを正確に量り取り、90mLの水を使用して500mL容メスフラスコに移し入れる。これに塩酸(比重1.18)5mLを加え、20〜30℃で3日間放置した後、水を加えて定容し、冷暗所に保存する。その50mLを200mL容メスフラスコにとり、フェノールフタレインを指示薬として1mol/L水酸化ナトリウム溶液で中和した後、水を加えて定容する。これを転化糖溶液としてフェーリング溶液の力価の標定に用いる。
(II-2)メチレンブルー溶液
1%メチレンブルー1gを水に溶かして100mLとする。
(II-3)フェーリング溶液
A液:硫酸銅(CuSO4・5H2O)34.639gを水に溶かして500mLとし、2日間放置後ろ過する。
B液:酒石酸カリウムナトリウム(KNaC4H4O6・4H2O)173gと水酸化ナトリウム50gを水に溶かして500mLとし、これを2日間放置後ろ過する。
(II-B)フェーリング溶液の力価の標定
フェーリング溶液A液5.0mL及びB液5mLを200mL容三角フラスコにとり、50mL容ビュレットを用いて標準転化糖溶液19.5mLを加える。電熱器上で2分間沸騰させた後、メチレンブルー溶液4滴を加え、沸騰しながら標準転化糖溶液を滴下し、青色が消失したところを終点とする。滴定は沸騰し始めてから3分以内に終了する。この滴定を3回行い、平均値を求める。但し、3回の平均値を滴定値とするが、各滴定値の差は0.1mL以内とする。また、力価の小数点以下第4位を四捨五入し、1±0.02の範囲内に収める。
Figure 2020000105
〔式中、Aは、消費した標準転化糖溶液の量(mL)を示す。〕
(III)試料の調製
分析試料は、試料の性状に応じて、次により調製する。
(III-1)液体試料
液体中に結晶又は塊状物が析出している場合には、密閉容器に入れ、60〜70℃の水浴に浸漬して溶解し、よく振り混合した後、室温に冷却する。
(III-2)固体試料
粉末又は結晶状とし、塊がある場合には砕き、よく混合する。
(IV)水分の定量
水分の定量は、試料の性状により、次の方法で行う。
(IV-1)液体試料
乾燥助剤として、予め秤量瓶に海砂を約15g取り、ガラス棒とともに105℃の乾燥機中で乾燥して恒量を求める。次に、前記(III)で調製した均一試料を固形分として約2gに相当する量を正確に量り取り、必要があれば少量の水を全体が浸るまで加え、時々ガラス棒でかき混ぜながら水浴上で加熱して大部分の水を揮散させる。更に、105℃の乾燥機内で時々かき混ぜ、ほとんど乾燥するまで乾かした後、真空乾燥機に移し、70℃で4時間乾燥する。デシケータ中で室温まで放冷した後、重量を量る。1時間ずつ真空乾燥を繰り返して恒量を求める。減量が、2mg以下の変化になった時を恒量に達したとみなす。
(IV-2)固体試料
前記(III)で調製した均一試料約2gを予め恒量にした秤量瓶に正確に量り取り、真空乾燥機で70℃、4時間乾燥する。次に、デシケータ中で室温まで放冷した後、重量を量る。更に、1時間ずつ真空乾燥を繰り返して、減量が2mg以下の変化になった時を恒量に達したとみなす。
(IV-3)水分の計算
試料中の水分は、次式により算出する。数値は小数点以下第2位を四捨五入する。
Figure 2020000105
〔式中、W0は試料の採取量(g)を示し、W1は乾燥後の試料の重量(g)を示す。〕
(V)DE値の定量
(V-1)検液の調製
前記(III)で調製した均一試料約10gを正確に量り取り、水に溶かして500mL容メスフラスコに移し入れ、水を加えて容定し検液とする。
(V-2)滴定操作
フェーリング溶液A液5.0mL及びB液5mLを200mL容三角フラスコに採り、50mL容ビュレットを用いて、(V-1)で調製した検液15mLを加え、(II-B)の要領にしたがって滴定し、これを予備滴定とする。更に同様にして、予備滴定で得た滴定数より約1mL少ない量の検液を加え、(II-B)の要領にしたがって滴定する。ここで得た検液の消費量にフェーリング溶液の力価を乗じ、この数値から表1に示すレイン・エイノン糖量表(ぶどう糖)を用いて還元糖濃度(DE値,mg/100mL)をぶどう糖として求める。
(V-3)DE値の計算
試料の乾燥状態におけるぶどう糖として計算したDE値は、次式により算出する。数値は、小数点以下第2位を四捨五入する。
Figure 2020000105
〔式中、
Sは、表1に示すレイン・エイノン糖量表(ぶどう糖)を用いて求めた検液100mL中のぶどう糖量(mg)を示し、
Mは、(IV)で秤量した試料の水分(%)を示し、
Sは、(V-1)で秤量した試料の採取量(g)を示す。〕
Figure 2020000105
実施例1〜6、比較例1及び参考例1
表2に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。その結果を表2に示す。なお、得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
官能評価1
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られたインスタント粉末飲料1gを、それぞれ常温(25℃)の水40mLで溶解して還元飲料を調製し、各還元飲料を飲用したときの「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」について、専門パネル3名が官能試験を行った。官能試験は、各パネリストが「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」の評価基準を、下記の評価基準とすることに合意したうえで実施した。そして、専門パネル3名が協議により最終評点を決定した。
クロロゲン酸類由来の収斂味の評価基準
クロロゲン酸類由来の収斂味は、飲用後にクロロゲン酸類由来の収斂味が後味として残るか否かを観点に、参考例1の還元飲料のクロロゲン酸類由来の収斂味の評点を「1」とし、実施例3の還元飲料のクロロゲン酸類由来の収斂味の評点を「5」として評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
5:収斂味がない
4:収斂味がわずかにある
3:弱い収斂味がある
2:やや強い収斂味がある
1:強い収斂味がある
デキストリン/でんぷん由来のぬめりの評価基準
デキストリン/でんぷん由来のぬめりは、飲用後にデキストリン/でんぷん由来のぬめりが後味として残るか否かを観点に、比較例1の還元飲料のデキストリン/でんぷん由来のぬめりの評点を「2」とし、実施例3の還元飲料のデキストリン/でんぷん由来のぬめりの評点を「5」として評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
5:ぬめりがない
4:ぬめりがわずかにある
3:弱いぬめりがある
2:やや強いぬめりがある
1:強いぬめりがある
Figure 2020000105
実施例7及び比較例2
表3に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、官能評価1と同一基準にて実施した。その結果を、参考例1の結果とともに表3に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
Figure 2020000105
実施例8及び比較例3
表4に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、官能評価1と同一基準にて評価することを合意したうえで実施した。その結果を、参考例1の結果とともに表4に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
Figure 2020000105
実施例9及び参考例2
表5に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、官能評価1と同一基準にて評価することを合意したうえで実施した。その結果を表5に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
Figure 2020000105
実施例10、比較例4及び参考例3
表6に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、参考例3の還元飲料のクロロゲン酸類由来の収斂味の評点を「1」とし、比較例4の還元飲料のデキストリン/でんぷん由来のぬめりの評点を「1」とすること以外は、官能評価1と同一基準にて評価することを合意したうえで実施した。その結果を表6に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
Figure 2020000105
実施例11〜13
表7に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、官能評価1と同一基準にて評価することを合意したうえで実施した。その結果を、実施例3の結果とともに表7に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
Figure 2020000105
実施例14、15
表8に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、官能評価1と同一基準にて評価することを合意したうえで実施した。その結果を、実施例3の結果とともに表8に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
Figure 2020000105
実施例16及び比較例5
実施例3及び比較例1で得られた経口組成物を、それぞれ20質量%のエタノール水溶液を添加し、撹拌した。次いで、押出造粒機(DALTON製、スリット径1mm)を用いて押出造粒を行い、乾燥して、円柱状の顆粒剤をそれぞれ得た。次いで、得られた顆粒剤を、ふりかけ(のりたま、丸美屋食品工業)にそれぞれ混合してふりかけを調製した。実施例3の経口組成物から得られた顆粒剤を添加したふりかけを実施例16のふりかけとし、比較例1の経口組成物から得られた顆粒剤を添加したふりかけを比較例5のふりかけとする。
次に、得られたふりかけについて専門パネル3名による官能評価を行った。官能評価は、ふりかけ5gを白米100gに均一にふりかけ、喫食したときの「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」について、官能評価1と同一の5段階で評価することに合意したうえで実施した。その結果、専門パネル3名から、実施例16のふりかけは、比較例5のふりかけに比べて「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」がなく、ふりかけ本来の味を損なわず喫食できたとの評価を得た。
実施例17及び比較例6
実施例3及び比較例1で得られた経口組成物を用いて、実施例16と同様の操作により顆粒剤を調製した。次いで、得られた顆粒剤1gを、コーヒーフレーバー(コーヒーコートンAA15235、小川香料株式会社製)を0.15質量%含有する85℃の熱水100gにそれぞれ添加し、コーヒー飲料を調製した。実施例3の経口組成物から得られた顆粒剤を添加したコーヒー飲料を実施例17のコーヒー飲料とし、比較例1の経口組成物から得られた顆粒剤を添加したコーヒー飲料を比較例6のコーヒー飲料とする。
次に、得られたコーヒー飲料について専門パネル3名による官能評価を行った。官能評価は、コーヒー飲料を飲用したときの「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」について、官能評価1と同一の5段階で評価することに合意したうえで実施した。その結果、専門パネル3名から、実施例17のコーヒー飲料は、比較例6のコーヒー飲料に比べて「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」がなく、コーヒー本来の香りを損なわず飲用できたとの評価を得た。
実施例18及び比較例7
実施例3及び比較例1で得られた経口組成物を用いて、実施例16と同様の操作により顆粒剤を調製した。次いで、得られた顆粒剤1gを、寒天(かんてんクック、伊那食品工業株式会社製)0.3質量%を含有する、80℃の熱水100gにそれぞれ添加し、撹拌しながら溶解させてゼリー原液を調製した。得られたゼリー原液40gを容器(スチロール樹脂製プラスチックカップ、容量:70mL、取り出し口内径:5cm)に流し入れ、冷蔵庫で10℃以下に冷却してゼリー食品を得た。実施例3の経口組成物から得られた顆粒剤を添加したゼリー食品を実施例18のゼリー食品とし、比較例1の経口組成物から得られた顆粒剤を添加したゼリー食品を比較例7のゼリー食品とする。
次に、得られたゼリー食品について専門パネル3名による官能評価を行った。官能評価は、ゼリーを小さじのスプーンで3gすくい取った後、口腔内に含み、舌で唾液と混ぜて完全に消滅したときの「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」について、官能評価1と同一の5段階で評価することに合意したうえで実施した。その結果、専門パネル3名から、実施例18のゼリー食品は、比較例7のゼリー食品に比べて「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」が感じられなかったとの評価を得た。
表2〜8から、(A)クロロゲン酸類、並びに(B)デキストリン及びデンプンから選択される少なくとも1種に対し、(C)ケンフェロール配糖体及びその誘導体から選択される少なくとも1種を含有させ、(B)デキストリン及びデンプンから選択される少なくとも1種と、(C)ケンフェロール配糖体及びその誘導体との質量比[(C)/(B)]を特定範囲内に制御することで、クロロゲン酸類由来の不快味を抑制しつつ、デキストリン及び/又はデンプン由来のぬめりが低減された経口組成物が得られることがわかる。また、実施例16〜18の結果から、本発明の経口組成物を飲食品に添加しても飲食品本来の風味を損なわないことから、食品添加剤として使用できることが確認された。

Claims (8)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C);
    (A)クロロゲン酸類
    (B)デキストリン及びデンプンから選択される少なくとも1種
    (C)ケンフェロール配糖体及びその誘導体から選択される少なくとも1種
    を含有し、
    成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が0.05〜1である、
    経口組成物。
  2. 固形分中の成分(A)の含有量が5〜30質量%である、請求項1記載の経口組成物。
  3. 固形分中の成分(B)の含有量が5〜40質量%である、請求項1又は2記載の経口組成物。
  4. 固形分中の成分(C)の含有量が0.2〜20質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の経口組成物。
  5. 成分(C)がケンフェロールモノ配糖体及びその誘導体から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の経口組成物。
  6. 成分(C)がケンフェロールモノグルコシド及びその誘導体から選択される少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の経口組成物。
  7. 成分(C)がポプルニン、アストラガリン及びエピメドシドCから選択される少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の経口組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の経口組成物を添加してなる、飲食品。
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