JP2020000105A - 経口組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の課題は、クロロゲン酸類由来の不快味を抑制しつつ、デキストリン及び/又はデンプン由来のぬめりを低減した経口組成物を提供することにある。
(A)クロロゲン酸類
(B)デキストリン及びデンプンから選択される少なくとも1種
(C)ケンフェロール配糖体及びその誘導体から選択される少なくとも1種
を含有し、
成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が0.05〜1である、
経口組成物を提供するものである。
本明細書において「経口組成物」とは、経口摂取に供される製品をいう。経口組成物の製品形態としては、常温(20℃±15℃)において固形でも、液状でもよく、特に限定されない。液状の場合、濃縮液状、ゲル状、ゼリー状、スラリー状のいずれの形態であっても構わない。濃縮液状である場合、その固形分濃度はRTD(レディ・トゥ・ドリンク)よりも高濃度であれば適宜選択可能であり、特に限定されない。固形としては、例えば、粉末状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状等を挙げることができる。経口組成物が固形である場合、経口組成物中の固形分量は通常80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは93質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、殊更に好ましくは97質量%以上である。なお、かかる固形分量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。ここで、本明細書において「固形分量」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分の質量をいう。中でも、経口組成物の製品形態としては、固形、濃縮液状、ゼリー状が好ましく、固形、濃縮液状がより好ましく、固形が更に好ましい。固形の中では、錠状、顆粒状が好ましい。
成分(A)は、塩や水和物の形態であってもよい。塩としては生理学的に許容されるものであれば特に限定されないが、例えば、アルカリ金属塩を挙げることができる。
植物としては、成分(A)が含まれていれば特に限定されないが、例えば、ヒマワリ種子、リンゴ未熟果、コーヒー豆、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、ブドウ科植物等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。中でも、クロロゲン酸類含量等の観点から、コーヒー豆抽出物が好ましい。コーヒー豆は、生コーヒー豆でも、焙煎コーヒー豆でもよく、これらを併用することもできる。なお、コーヒー豆の豆種及び産地は、特に限定されない。
本発明においては、成分(B)としてデキストリン及びデンプンを単独で使用することも、併用することも可能であるが、成分(C)由来のぬめり低減の観点から、デキストリンが好ましい。
本発明の飲食品は、上記経口組成物を添加したものである。
経口組成物が添加される飲食品は特に限定されないが、例えば、炭酸飲料、果汁飲料、野菜ジュース、スポーツドリンク、栄養ドリンク、コーヒー飲料、ココア飲料、茶飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、豆乳飲料等の飲料一般、ヨーグルト、ゼリー、プディング、ムース、水羊羹等のデザート、アイスクリーム、ラクトアイス、アイスミルク、シャーベット等の冷菓又は氷菓、ケーキ、クッキー、ビスケット、パイ、クラッカー、スナック、チューインガム、ハードキャンディ、ソフトキャンディー、ヌガー、ゼリービーンズ、グミ、饅頭、煎餅、かき餅、あられ、羊羹等の菓子、タレ、トマトケチャップ、ソース、麺つゆ、シロップ等の調味料、クリーム、ジャム、パン、練り製品、食肉加工品、レトルト食品、缶詰、漬け物、佃煮、ふりかけ、冷凍食品等を挙げることができる。
経口組成物の添加方法としては、例えば、経口組成物の飲食品への直接添加や、水等の液体を用いて希釈してからの飲食品への添加、製品への被覆、フィリング、製造工程中の生地への混練としての使用等特に制限はなく、最終的に喫食する飲食品に経口組成物が含有されていればよい。好適な添加方法としては、飲食品に直接ふりかけて喫食する態様が挙げられる。
試料1gを精秤後、100mLの水に溶解させ、溶離液Aにて10倍希釈したものを試料溶液とした。試料溶液はメンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))で濾過し、高速液体クロマトグラフ−分光分析装置を用いて分析した。装置構成、分析条件、溶出液の濃度勾配条件は以下の通りである。
・UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ))
・カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ))
・ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ))
・オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)))
・カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV−VIS検出器設定波長:325nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液
・溶離液B:アセトニトリル
時間(分) 溶離液A(体積%) 溶離液B(体積%)
0.0 100% 0%
10.0 100% 0%
15.0 95% 5%
20.0 95% 5%
22.0 92% 8%
50.0 92% 8%
52.0 10% 90%
60.0 10% 90%
60.1 100% 0%
70.0 100% 0%
・3−カフェオイルキナ酸 5.3分
・5−カフェオイルキナ酸 8.8分
・4−カフェオイルキナ酸 11.6分
・3−フェルオイルキナ酸 13.0分
・5−フェルオイルキナ酸 19.9分
・4−フェルオイルキナ酸 21.0分
上記保持時間と一致したピークの面積値から、クロロゲン酸類の定量を行った。
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ−質量分析装置(Waters, Acquity/Xevo G2-XS QTOF― MS)を用い、カラム〔Waters, AcQuity UPLC BEH Shield RP18(2.lmmφ ×10011Hl,1.7μm)〕を装着し、カラム温度40℃にてグラディエント法により行う。移動相C液はギ酸を0.1質量%含有する水溶液、D液はアセトニトリル溶液とし、流速は0.2mL/分、試料注入量は50μLの条件で行う。なお、質量分析装置及び溶離液のグラディエントの条件は、以下のとおりである。
・イオン化方法 :ESI(Negative)
・キャピラリー電圧: 2.0kV
・イオン源温度 :150℃
時間(分) C液濃度(体積%) D液濃度(体積%)
0 90% 10%
10 5% 95%
25 5% 95%
・ポプルニン :463
・アストラガリン :446
・エピメシドC :515
(1)定量法
試料、及び各濃度の標準溶液1.5mLに、1N−NaOH水溶液を250μLと0.5MのPMP(3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン)−メタノール溶液を500μL加え、70℃で30分加熱する。得られた溶液に対し、1N−HCl水溶液を250μLにて中和し、5mLのクロロホルムを加え分配し、水層を測定試料とする。上記操作により得られた測定試料について、高速液体クロマトグラフ質量分析を用い、下記条件にて測定する。
・HPLC装置:型式ACQUITY UPLC、Waters製
・MS装置 :型式SYNAPT G2−S HDMS型、Waters製
・イオン化 :ESI
・質量範囲 :m/z 100−2500
・カラム :型式Unison UK−C18 UP(2.0×100mm,3μm),インタクト社製
・移動相 :E液:ギ酸0.05%水溶液、F液:アセトニトリル(%F=15→90)
・流量 :0.6mL/min
・注入量 :1μL
(I)分析は、デキストリンに含まれているぶどう糖、麦芽糖などの還元糖分をぶどう糖として定量する場合に適用し、次の手順にしたがって行う。
・水分の定量
・レイン・エイノン法による還元糖分の定量
・ぶどう糖として計算した還元糖の含有率(DE値、%)の計算
(II-A)試料の調製
(II-1)標準転化糖溶液
スクロース(試薬)4.75gを正確に量り取り、90mLの水を使用して500mL容メスフラスコに移し入れる。これに塩酸(比重1.18)5mLを加え、20〜30℃で3日間放置した後、水を加えて定容し、冷暗所に保存する。その50mLを200mL容メスフラスコにとり、フェノールフタレインを指示薬として1mol/L水酸化ナトリウム溶液で中和した後、水を加えて定容する。これを転化糖溶液としてフェーリング溶液の力価の標定に用いる。
(II-2)メチレンブルー溶液
1%メチレンブルー1gを水に溶かして100mLとする。
(II-3)フェーリング溶液
A液:硫酸銅(CuSO4・5H2O)34.639gを水に溶かして500mLとし、2日間放置後ろ過する。
B液:酒石酸カリウムナトリウム(KNaC4H4O6・4H2O)173gと水酸化ナトリウム50gを水に溶かして500mLとし、これを2日間放置後ろ過する。
フェーリング溶液A液5.0mL及びB液5mLを200mL容三角フラスコにとり、50mL容ビュレットを用いて標準転化糖溶液19.5mLを加える。電熱器上で2分間沸騰させた後、メチレンブルー溶液4滴を加え、沸騰しながら標準転化糖溶液を滴下し、青色が消失したところを終点とする。滴定は沸騰し始めてから3分以内に終了する。この滴定を3回行い、平均値を求める。但し、3回の平均値を滴定値とするが、各滴定値の差は0.1mL以内とする。また、力価の小数点以下第4位を四捨五入し、1±0.02の範囲内に収める。
分析試料は、試料の性状に応じて、次により調製する。
(III-1)液体試料
液体中に結晶又は塊状物が析出している場合には、密閉容器に入れ、60〜70℃の水浴に浸漬して溶解し、よく振り混合した後、室温に冷却する。
(III-2)固体試料
粉末又は結晶状とし、塊がある場合には砕き、よく混合する。
水分の定量は、試料の性状により、次の方法で行う。
(IV-1)液体試料
乾燥助剤として、予め秤量瓶に海砂を約15g取り、ガラス棒とともに105℃の乾燥機中で乾燥して恒量を求める。次に、前記(III)で調製した均一試料を固形分として約2gに相当する量を正確に量り取り、必要があれば少量の水を全体が浸るまで加え、時々ガラス棒でかき混ぜながら水浴上で加熱して大部分の水を揮散させる。更に、105℃の乾燥機内で時々かき混ぜ、ほとんど乾燥するまで乾かした後、真空乾燥機に移し、70℃で4時間乾燥する。デシケータ中で室温まで放冷した後、重量を量る。1時間ずつ真空乾燥を繰り返して恒量を求める。減量が、2mg以下の変化になった時を恒量に達したとみなす。
(IV-2)固体試料
前記(III)で調製した均一試料約2gを予め恒量にした秤量瓶に正確に量り取り、真空乾燥機で70℃、4時間乾燥する。次に、デシケータ中で室温まで放冷した後、重量を量る。更に、1時間ずつ真空乾燥を繰り返して、減量が2mg以下の変化になった時を恒量に達したとみなす。
(IV-3)水分の計算
試料中の水分は、次式により算出する。数値は小数点以下第2位を四捨五入する。
(V-1)検液の調製
前記(III)で調製した均一試料約10gを正確に量り取り、水に溶かして500mL容メスフラスコに移し入れ、水を加えて容定し検液とする。
(V-2)滴定操作
フェーリング溶液A液5.0mL及びB液5mLを200mL容三角フラスコに採り、50mL容ビュレットを用いて、(V-1)で調製した検液15mLを加え、(II-B)の要領にしたがって滴定し、これを予備滴定とする。更に同様にして、予備滴定で得た滴定数より約1mL少ない量の検液を加え、(II-B)の要領にしたがって滴定する。ここで得た検液の消費量にフェーリング溶液の力価を乗じ、この数値から表1に示すレイン・エイノン糖量表(ぶどう糖)を用いて還元糖濃度(DE値,mg/100mL)をぶどう糖として求める。
(V-3)DE値の計算
試料の乾燥状態におけるぶどう糖として計算したDE値は、次式により算出する。数値は、小数点以下第2位を四捨五入する。
DSは、表1に示すレイン・エイノン糖量表(ぶどう糖)を用いて求めた検液100mL中のぶどう糖量(mg)を示し、
Mは、(IV)で秤量した試料の水分(%)を示し、
Sは、(V-1)で秤量した試料の採取量(g)を示す。〕
表2に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。その結果を表2に示す。なお、得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られたインスタント粉末飲料1gを、それぞれ常温(25℃)の水40mLで溶解して還元飲料を調製し、各還元飲料を飲用したときの「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」について、専門パネル3名が官能試験を行った。官能試験は、各パネリストが「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」の評価基準を、下記の評価基準とすることに合意したうえで実施した。そして、専門パネル3名が協議により最終評点を決定した。
クロロゲン酸類由来の収斂味は、飲用後にクロロゲン酸類由来の収斂味が後味として残るか否かを観点に、参考例1の還元飲料のクロロゲン酸類由来の収斂味の評点を「1」とし、実施例3の還元飲料のクロロゲン酸類由来の収斂味の評点を「5」として評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
5:収斂味がない
4:収斂味がわずかにある
3:弱い収斂味がある
2:やや強い収斂味がある
1:強い収斂味がある
デキストリン/でんぷん由来のぬめりは、飲用後にデキストリン/でんぷん由来のぬめりが後味として残るか否かを観点に、比較例1の還元飲料のデキストリン/でんぷん由来のぬめりの評点を「2」とし、実施例3の還元飲料のデキストリン/でんぷん由来のぬめりの評点を「5」として評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
5:ぬめりがない
4:ぬめりがわずかにある
3:弱いぬめりがある
2:やや強いぬめりがある
1:強いぬめりがある
表3に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、官能評価1と同一基準にて実施した。その結果を、参考例1の結果とともに表3に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
表4に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、官能評価1と同一基準にて評価することを合意したうえで実施した。その結果を、参考例1の結果とともに表4に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
表5に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、官能評価1と同一基準にて評価することを合意したうえで実施した。その結果を表5に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
表6に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、参考例3の還元飲料のクロロゲン酸類由来の収斂味の評点を「1」とし、比較例4の還元飲料のデキストリン/でんぷん由来のぬめりの評点を「1」とすること以外は、官能評価1と同一基準にて評価することを合意したうえで実施した。その結果を表6に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
表7に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、官能評価1と同一基準にて評価することを合意したうえで実施した。その結果を、実施例3の結果とともに表7に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
表8に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、官能評価1と同一基準にて評価することを合意したうえで実施した。その結果を、実施例3の結果とともに表8に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
実施例3及び比較例1で得られた経口組成物を、それぞれ20質量%のエタノール水溶液を添加し、撹拌した。次いで、押出造粒機(DALTON製、スリット径1mm)を用いて押出造粒を行い、乾燥して、円柱状の顆粒剤をそれぞれ得た。次いで、得られた顆粒剤を、ふりかけ(のりたま、丸美屋食品工業)にそれぞれ混合してふりかけを調製した。実施例3の経口組成物から得られた顆粒剤を添加したふりかけを実施例16のふりかけとし、比較例1の経口組成物から得られた顆粒剤を添加したふりかけを比較例5のふりかけとする。
次に、得られたふりかけについて専門パネル3名による官能評価を行った。官能評価は、ふりかけ5gを白米100gに均一にふりかけ、喫食したときの「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」について、官能評価1と同一の5段階で評価することに合意したうえで実施した。その結果、専門パネル3名から、実施例16のふりかけは、比較例5のふりかけに比べて「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」がなく、ふりかけ本来の味を損なわず喫食できたとの評価を得た。
実施例3及び比較例1で得られた経口組成物を用いて、実施例16と同様の操作により顆粒剤を調製した。次いで、得られた顆粒剤1gを、コーヒーフレーバー(コーヒーコートンAA15235、小川香料株式会社製)を0.15質量%含有する85℃の熱水100gにそれぞれ添加し、コーヒー飲料を調製した。実施例3の経口組成物から得られた顆粒剤を添加したコーヒー飲料を実施例17のコーヒー飲料とし、比較例1の経口組成物から得られた顆粒剤を添加したコーヒー飲料を比較例6のコーヒー飲料とする。
次に、得られたコーヒー飲料について専門パネル3名による官能評価を行った。官能評価は、コーヒー飲料を飲用したときの「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」について、官能評価1と同一の5段階で評価することに合意したうえで実施した。その結果、専門パネル3名から、実施例17のコーヒー飲料は、比較例6のコーヒー飲料に比べて「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」がなく、コーヒー本来の香りを損なわず飲用できたとの評価を得た。
実施例3及び比較例1で得られた経口組成物を用いて、実施例16と同様の操作により顆粒剤を調製した。次いで、得られた顆粒剤1gを、寒天(かんてんクック、伊那食品工業株式会社製)0.3質量%を含有する、80℃の熱水100gにそれぞれ添加し、撹拌しながら溶解させてゼリー原液を調製した。得られたゼリー原液40gを容器(スチロール樹脂製プラスチックカップ、容量:70mL、取り出し口内径:5cm)に流し入れ、冷蔵庫で10℃以下に冷却してゼリー食品を得た。実施例3の経口組成物から得られた顆粒剤を添加したゼリー食品を実施例18のゼリー食品とし、比較例1の経口組成物から得られた顆粒剤を添加したゼリー食品を比較例7のゼリー食品とする。
次に、得られたゼリー食品について専門パネル3名による官能評価を行った。官能評価は、ゼリーを小さじのスプーンで3gすくい取った後、口腔内に含み、舌で唾液と混ぜて完全に消滅したときの「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」について、官能評価1と同一の5段階で評価することに合意したうえで実施した。その結果、専門パネル3名から、実施例18のゼリー食品は、比較例7のゼリー食品に比べて「クロロゲン酸類由来の収斂味」及び「デキストリン/でんぷん由来のぬめり」が感じられなかったとの評価を得た。
Claims (8)
- 次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類
(B)デキストリン及びデンプンから選択される少なくとも1種
(C)ケンフェロール配糖体及びその誘導体から選択される少なくとも1種
を含有し、
成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が0.05〜1である、
経口組成物。 - 固形分中の成分(A)の含有量が5〜30質量%である、請求項1記載の経口組成物。
- 固形分中の成分(B)の含有量が5〜40質量%である、請求項1又は2記載の経口組成物。
- 固形分中の成分(C)の含有量が0.2〜20質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の経口組成物。
- 成分(C)がケンフェロールモノ配糖体及びその誘導体から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の経口組成物。
- 成分(C)がケンフェロールモノグルコシド及びその誘導体から選択される少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の経口組成物。
- 成分(C)がポプルニン、アストラガリン及びエピメドシドCから選択される少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の経口組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の経口組成物を添加してなる、飲食品。
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