JP2023045555A - 経口用組成物 - Google Patents

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はるな 金成
Haruna Kanenari
祥子 丹羽
Sachiko Niwa
真一 小林
Shinichi Kobayashi
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Abstract

【課題】クロロゲン酸類の不快な酸味が抑制された経口用組成物を提供すること。【解決手段】次の成分(A)及び(B);(A)クロロゲン酸類、及び(B)バニリンを含有し、成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が0.005~0.35である、経口用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、経口用組成物に関する。
クロロゲン酸類は、ポリフェノールの一種であり、抗酸化作用や血圧降下作用等の生理作用を有することが報告されている。クロロゲン酸類を多く含む素材としてコーヒー豆が知られており、嗜好性をより一層高めたコーヒー製品が種々検討されている。例えば、可溶性ブラックコーヒー粉末に、コーヒー味を補う植物性フレーバーを混入させることで、若者が特に好む味に変化できることが報告されている(特許文献1)。
一方、バニリンはバニラの香りの主要成分であり、飲食品の分野においてアイスクリーム、チョコレート、キャンディ、ケーキ、リキュール等に特有の甘い香りを付与するためのフレーバーとして一般に使用されている。
特表2004-512052号公報
コーヒー豆は、焙煎度が高くなるにつれ、香りが豊かで嗜好性の高いものになる。しかし、焙煎度が高くなると、コーヒー豆中に存在するクロロゲン酸類の相当量が分解してしまう。そこで、クロロゲン酸類を最大限に利用するには、クロロゲン酸類の試薬又は焙煎度の低い浅焙煎コーヒー豆を原料として用いることが有利である。しかし、クロロゲン酸類試薬や浅焙煎コーヒー豆を原料として用いると、クロロゲン酸類の酸味が強過ぎるため、不快感ないし嫌悪感を伴い継続して摂取する上で障害となりやすい。
本発明の課題は、クロロゲン酸類の不快な酸味が抑制された経口用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、クロロゲン酸類を含有する経口用組成物に、バニリンをクロロゲン酸類に対して一定の量比で含有させることで、クロロゲン酸類の不快な酸味を抑制できることを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔7〕を提供するものである。
〔1〕次の成分(A)及び(B);
(A)クロロゲン酸類、及び
(B)バニリン
を含有し、
成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.005~0.35である、
経口用組成物。
〔2〕成分(A)の含有量が0.02質量%以上である、前記〔1〕記載の経口用組成物。
〔3〕成分(B)の含有量が0.0005質量%以上である、前記〔1〕又は〔2〕記載の経口用組成物。
〔4〕RTD型飲料組成物である、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の経口用組成物。
〔5〕インスタント飲料組成物である、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の経口用組成物。
〔6〕固形経口用組成物である、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の経口用組成物。
〔7〕バニリンを有効成分とする、クロロゲン酸類の不快な酸味抑制剤。
本発明によれば、クロロゲン酸類の不快な酸味が抑制された経口用組成物を提供することができる。
〔経口用組成物〕
本明細書において「経口用組成物」とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において専ら経口摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品等の区分に制限されるものではない。したがって、本発明の経口用組成物は、経口的に摂取される一般食品、健康食品(機能性飲食品)、保健機能食品(特定保健用食品,栄養機能食品,機能性表示食品)、医薬部外品、医薬品等を構成する飲食品を幅広く含むものを意味する。
本発明の経口用組成物は、成分(A)としてクロロゲン酸類を含有する。ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3-カフェオイルキナ酸、4-カフェオイルキナ酸及び5-カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3-フェルラキナ酸、4-フェルラキナ酸及び5-フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸を併せての総称である。本発明においては、上記6種のクロロゲン酸類のうち少なくとも1種を含有すればよい。なお、成分(A)は、塩や水和物の形態であってもよい。塩としては生理学的に許容されるものであれば特に限定されないが、例えば、アルカリ金属塩を挙げることができる。
成分(A)は、飲食品の分野において通常使用されているものであれば由来は特に限定されず、例えば、化学合成品でも、天然物由来品でも構わない。天然物由来品としては、例えば、植物抽出物を挙げることができる。抽出に使用される植物としては、成分(A)が含まれていれば特に限定されないが、例えば、ヒマワリ種子、リンゴ未熟果、コーヒー豆、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、ブドウ科植物が挙げられる。植物は、1種又は2種以上使用することができる。中でも、クロロゲン酸類含量の観点から、コーヒー豆が好ましい。なお、コーヒー豆の豆種、産地は特に限定されず、適宜選択することが可能であり、また豆種、産地の異なるコーヒー豆を1種又は2種以上を混合して使用することもできる。
抽出に使用するコーヒー豆の焙煎度は特に限定されないが、クロロゲン酸類含量、風味の観点から、浅焙煎コーヒー豆が好ましい。浅焙煎コーヒー豆のL値は、 クロロゲン酸類含量の観点から、25以上が好ましく、27以上が更に好ましく、また風味の観点から、55以下が好ましく、45以下がより好ましく、35以下が更に好ましい。浅焙煎コーヒー豆のL値の範囲としては、好ましくは25~55であり、より好ましくは27~45であり、更に好ましくは27~35である。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。
なお、植物抽出物の抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。また、植物抽出物は、濃縮又は乾燥してもよく、クロロゲン酸類の純度を高めるために精製しても構わない。濃縮、乾燥及び精製の各方法は、公知の方法を採用すればよい。
本発明の経口用組成物中の成分(A)の含有量は、クロロゲン酸類の強化、生理効果の観点から、0.02質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.08質量%以上が更に好ましい。また、クロロゲン酸類の不快な酸味抑制の観点から、成分(A)の含有量は、0.4質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下が更に好ましい。ここで、本明細書において、成分(A)の含有量は上記6種の合計量に基づいて定義される。なお、成分(A)が塩又は水和物の形態である場合、成分(A)の含有量は、遊離酸であるクロロゲン酸類に換算した値とする。成分(A)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、液体クロマトグラフィで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の経口用組成物は、成分(B)としてバニリンを含有する。成分(B)は、原料に由来するものでも、新たに加えられたものでもよい。また、成分(B)は、飲食品の分野において通常使用されているものであれば由来は特に限定されず、例えば、化学合成品でも、バニラ豆より抽出したものでもよい。
本発明の経口用組成物は、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.005~0.35であるが、クロロゲン酸類の不快な酸味抑制の観点から、0.015以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.04以上が更に好ましく、0.07以上がより更に好ましく、またバニリン由来の後味の苦味の抑制の観点から、0.3以下が好ましく、0.27以下がより好ましく、0.22以下が更に好ましく、0.15以下がより更に好ましい。そして、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]は、好ましくは0.015~0.3、より好ましくは0.02~0.27、更に好ましくは0.04~0.22、より更に好ましくは0.07~0.15である。
本発明の経口用組成物中の成分(B)の含有量は、クロロゲン酸類の不快な酸味抑制の観点から、0.0005質量%以上が好ましく、0.0015質量%以上がより好ましく、0.003質量%以上が更に好ましく、0.007質量%以上がより更に好ましい。また、バニリン由来の後味の苦味抑制の観点から、0.035質量%以下が好ましく、0.028質量%以下がより好ましく、0.023質量%以下が更に好ましく、0.015質量%以下がより更に好ましい。なお、成分(B)の含有量は、通常知られている分析法のうち測定試料の状況に適した分析法、例えば、GC/MS法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の経口用組成物は、成分(C)としてカフェインを含有してもよい。成分(C)は、原料に由来するものでも、新たに加えられたものでもよい。
L値が上記範囲内である焙煎コーヒー豆から得られた抽出物は、成分(A)と成分(C)との質量比[(A)/(C)]が通常1以上であり、焙煎コーヒー豆に特有の焙煎香がなく、コーヒー風味が感じられず、通常の焙煎コーヒー豆抽出物とは全く異なるものである。しかも、クロロゲン酸類に富むものの、クロロゲン酸類の酸味が強いため、経口摂取する際に不快感を伴いやすい。したがって、本発明の効果を十分に享受するうえで、クロロゲン酸類源として、成分(A)と成分(C)との質量比[(A)/(C)]が1以上である焙煎コーヒー豆を使用することが好ましく、より好適な態様としては、質量比[(A)/(C)]が、好ましくは2以上、更に好ましくは4以上である焙煎コーヒー豆を使用することが好ましい。また、成分(C)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、液体クロマトグラフィで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の経口用組成物は、所望により、甘味料、酸味料、アミノ酸、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、香料、果汁、植物エキス、エステル、色素、乳化剤、乳成分、ココアパウダー、調味料、植物油脂、酸化防止剤、保存料、pH調整剤、ゲル化剤、担体等の添加剤を1種又は2種以上を含有することができる。添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
本発明の経口用組成物は、常温(20℃±15℃)において、液状でも、固形状でもよく、適宜の形態を採り得る。
本発明の経口用組成物の好適な態様としては、例えば、以下において説明する飲料組成物、固形経口用組成物を挙げることができる。
飲料組成物の製品形態としては、例えば、RTD(レディ・トゥ・ドリンク)型飲料組成物、インスタント飲料組成物を挙げることができる。本明細書において「RTD(レディ・トゥ・ドリンク)型飲料組成物」とは、希釈せずにそのまま飲用可能な飲料をいう。また、「インスタント飲料組成物」とは、液体にて希釈溶解して飲料として飲用に供される還元食品をいう。
RTD型飲料組成物の形態としては、例えば、液体、濃縮液状、ゲル状、ゼリー状を挙げることができる。形態が濃縮液状、ゲル状、ゼリー状である場合、容器に備え付けられた吸い口やストローから飲料組成物を吸引できればよく、その固形分濃度は特に限定されない。
RTD型飲料組成物のpH(20℃)は、クロロゲン酸類の不快な酸味抑制の観点から、好ましくは3以上であり、より好ましくは3.5以上であり、更に好ましくは4以上であり、また好ましくは7以下であり、より好ましくは6.5以下であり、更に好ましくは6以下である。なお、pHは、20℃に温度調整をしてpHメータにより測定するものとする。
RTD型飲料組成物は、茶飲料でも、非茶飲料でもよい。非茶飲料としては、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、茶飲料、果汁飲料、野菜飲料、乳飲料、アルコール飲料を挙げることができる。
RTD型飲料組成物は、容器詰飲料組成物でもよい。容器としては通常の包装容器であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等が挙げられる。
RTD型飲料組成物が容器詰飲料組成物である場合、加熱殺菌済でもよい。加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されない。
インスタント飲料組成物は、常温(20℃±15℃)において、固形でも、濃縮液状でもよく、特に限定されない。固形としては、例えば、粉末状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状等を挙げることができる。
希釈に使用する液体は、所定の用法にしたがって還元飲料を調製できれば特に限定されず、例えば、水、炭酸水、牛乳、豆乳等が挙げられ、液体の温度は問わない。
希釈倍率は、所定の用法にしたがえばよいが、例えば、インスタント飲料組成物の形態が固形の場合、質量換算にて、通常20~600倍であり、好ましくは30~500倍であり、より好ましくは50~250倍であり、更に好ましくは70~200倍である。また、インスタント飲料組成物の形態が液体の場合、質量換算にて、通常1.5~100倍であり、好ましくは1.5~50倍であり、より好ましくは1.8~30倍であり、更に好ましくは2~10倍である。なお、所定の用法にしたがってインスタント飲料組成物を希釈して調製された還元飲料は、当該還元飲料中の成分(A)及び成分(B)の各含有量、質量比[(B)/(A)]並びにpHについて、上記において説明したRTD型飲料組成物と同一の構成を具備することができる。
インスタント飲料組成物は、例えば、瓶等に容器詰し飲用する際にカップ1杯分をスプーン等で計量するもの、1杯分を収容したカップタイプ、カップ1杯分毎に小分け包装したスティックタイプ等とすることができる。また、濃縮液状である場合、例えば、カップ1杯分毎に小分け包装したポーションタイプの希釈飲料等とすることができる。なお、容器内及び包材内は窒素ガスを充填してもよく、また包材は酸素透過性の低いものが品質維持の点で好ましい。
固形経口用組成物は、そのまま経口摂取可能な固形食品である。その形態としては、例えば、粉末状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状を挙げることができる。固形経口用組成物中の固形分量は、通常80質量%以上であり、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは93質量%以上であり、更に好ましくは95質量%以上であり、殊更に好ましくは97質量%以上である。なお、かかる固形分量の上限は特に限定されず、100質量%であっても構わない。ここで、本明細書において「固形分量」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分の質量をいう。
固形経口用組成物の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、飴、キャンディー、ガム、チョコレート、クッキーパン等の菓子類;サプリメント等の健康・美容・栄養補助食品;散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ等の医薬品、医薬部外品等を挙げることができる。中でも、サプリメント、散剤、錠剤、顆粒剤が好ましい。固形経口用組成物は、例えば、1回摂取分を小分け包装することが可能であり、小分け包装は、アルミ蒸着フィルム等を材質とする包装材料で包装することができる。
中でも、経口用組成物としては、飲料組成物が好ましく、RTD型飲料組成物、インスタント飲料組成物が更に好ましい。
本発明の経口用組成物は、常法にしたがって製造することが可能であり、適宜の方法を採り得る。例えば、成分(A)、成分(B)及び必要に応じて他の成分を、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が上記範囲内となるように混合して製造することができる。成分(A)、成分(B)及び他の成分の混合順序は特に限定されず、任意の順序で添加することができる。混合方法としては、撹拌、震盪等の適宜の方法を採用することが可能であり、混合装置を使用しても構わない。なお、濃縮液状である場合、例えば、常圧にて溶媒の蒸発を行う常圧濃縮法、減圧にて溶媒の蒸発を行う減圧濃縮法、膜分離により溶媒を除去する膜濃縮法等の公知の濃縮方法を採用することができる。
固形経口用組成物の場合、公知の造粒法により造粒物としてもよい。造粒方法としては、例えば、噴霧造粒、流動層造粒、圧縮造粒、転動造粒、撹拌造粒、押出造粒、粉末被覆造粒等が挙げられる。なお、造粒条件は、造粒方法により適宜選択することができる。また、錠剤とする場合には、湿式打錠及び乾式打錠のいずれでもよく、公知の圧縮成形機を使用することができる。
〔クロロゲン酸類の不快な酸味抑制剤〕
本発明の不快な酸味抑制剤は、(B)バニリンを有効成分とするものであり、過度に感じられるクロロゲン酸類の酸味の抑制に専ら用いられる。
本発明の不快な酸味抑制剤は、(A)クロロゲン酸類と共存させればよく、その場合、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]を上記範囲内に制御することが好ましい。
また、本発明の不快な酸味抑制剤は、成分(A)のみならず、成分(A)を含有する経口製品に適用することができる。
経口製品としては、経口摂取可能なものであれば特に限定されず、液状でも、固形状でもよい。例えば、成分(A)を含有する、飲食品、医薬品又は医薬部外品等を挙げることができる。中でも、飲食品が好ましい。
飲食品としては、例えば、成分(A)を含有する飲料又はインスタント飲料、成分(A)を含有する食品を挙げることができる。なお、飲食品は、飲食品の種類に応じて、常法にしたがって製造することができる。
医薬品及び医薬部外品の剤型は特に限定されず、例えば、経口投与用製剤が挙げられ、例えば、液剤、シロップ剤等の公知の剤型を採用することができる。また、製剤化の際は、公知の添加剤を配合することができる。なお、医薬品及び医薬部外品は、常法にしたがって製造することができる。
なお、経口製品中の成分(A)及び成分(B)の各含有量、質量比[(B)/(A)]については、上記において説明したとおりである。
1.クロロゲン酸類及びカフェインの分析
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV-VIS検出器:SPD-20A((株)島津製作所)
・カラムオーブン:CTO-20AC((株)島津製作所)
・ポンプ:LC-20AD((株)島津製作所)
・オートサンプラー:SIL-20AC((株)島津製作所)
・カラム:Cadenza CD-C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV-VIS検出器設定波長:325nm(クロロゲン酸類)、270nm(カフェイン)
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:50mM酢酸、0.1mM 1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液
・溶離液B:アセトニトリル
濃度勾配条件(体積%)
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
・3-カフェオイルキナ酸 : 5.3min
・5-カフェオイルキナ酸 : 8.8min
・4-カフェオイルキナ酸 :11.6min
・3-フェルラキナ酸 :13.0min
・5-フェルラキナ酸 :19.9min
・4-フェルラキナ酸 :21.0min
ここで求めたarea%から5-カフェオイルキナ酸(東京化成工業社)を標準物質とし、クロロゲン酸類の含有量(質量%)を求めた。
・カフェイン :19.1min
ここで求めたarea%からカフェイン(富士フィルム和光純薬)を標準物質とし、カフェインの含有量(質量%)を求めた。
2.バニリンの分析
バニリンの分析試料10mLをGC用ヘッドスペースバイアル(20mL)に採取し、塩化ナトリウム3gを添加した。バイアルに攪拌子を入れて密栓し、スターラーで30分間撹拌しながら、SPMEファイバー(シグマアルドリッチ社製,50/30μm、DVB/CAR/PDMS)に含有成分を吸着させた。吸着後、SPMEファイバーを注入口で加熱脱着し、GC/MS測定を行った。分析機器は、Agilent 7890A/5975Cinert(アジレント・テクノロジー社製)を使用した。
分析条件は次のとおりである。
・カラム :TC-WAX(長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μmm)
・カラム温度:40℃(3mh)→ 20℃/mh→ 250℃
・カラム圧力:定流量モード(31kPa)
・カラム流量:lmL/min(He)
・注入口温度:260℃
・注入方式 :スプリットレス
・検出器 :MS
・イオン源温度:230℃
・イオン化方法:EI(70eV)
・スキャン範囲:SCAN
・ゲイン :1729V0039
購入試薬をエタノールで溶解させて、段階希釈し、標品を調製した。所定濃度の標品を試料に添加し、試料単体と同様にSPMEファイバーに吸着させ、GC/MS測定を行った。なお、定量にはm/z151のイオンのピーク面積を用いた。
製造例1
クロロゲン酸製剤の製造
L29の焙煎コーヒー豆(産地:ベトナム)を粉砕し、円筒状抽出搭(内径160mm×高さ660mm)6本に、1搭当たりの充填量が4.2kgとなるように充填した。次いで、150℃の熱水を1段目の抽出搭の下部から上部へ送液した。次いで、1段目の抽出搭上部から排出されたコーヒー抽出液を、2段目の抽出搭下部から上部へ送液した。この操作を3段目以降の抽出塔についても繰り返し行い、6段目の抽出搭の上部から排出されたコーヒー抽出液を、速やかに冷却するとともに回収した。抽出は全て0.3MPaの加圧下、流速20mL/minで行った。得られた抽出液をロータリーエバポレーター(N-1100V型、東京理科器械(株)社製)を用い、30torr、50℃にて減圧加熱濃縮し、Brix10の濃縮組成物を得た。続いて、円筒状のカラム(内径72mm×高さ100mm)に活性炭(白鷺WH2C LSS、日本エンバイロケミカルズ製)100g加え、80℃、10分間殺菌した後に、上記Brix10の濃縮組成物2.0kgを、25℃、流量64.0mL/minにて送液し、カラム出口より最終的な採液量として2.4kgの活性炭処理液を得た。得られた処理液を、スプレードライヤーを用いて乾燥し、粉末状のクロロゲン酸類製剤を得た。
得られたクロロゲン酸製剤のクロロゲン酸類の含有量は10質量%であった。
実施例1~9及び比較例1~4
表1に示す各成分を均一に混合して飲料を調製した。得られた飲料について分析を行い、次の官能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、表1中、「クロロゲン酸製剤」とは、製造例1で得られたクロロゲン酸製剤であり、「クロロゲン酸試薬」とは、東京化成工業社製のクロロゲン酸試薬である。
官能評価
各実施例及び比較例で得られた飲料を飲用したときの「不快な酸味」及び「後味の苦味」について、専門パネル3名が下記の評価基準とすることに合意したうえで官能試験を実施した。そして、各専門パネルが決定した評点に基づいて、協議により最終評点を決定した。なお、「後味」とは、JIS Z 8144:2004に記載の「口内に残る感覚」をいう。
不快な酸味の評価基準
比較例1の飲料の不快な酸味を評点「1」とし、実施例6の飲料の不快な酸味を評点「3」として、下記の基準にしたがって行った。
評点5:感じられない
4:感じられないとまではいえない
3:弱く感じる
2:やや強く感じる
1:強く感じる
後味の苦味の評価基準
比較例2の飲料の後味の苦味を評点「1」とし、実施例8の飲料の後味の苦味を評点「3」として、下記の基準にしたがって行った。
評点5:感じられない
4:感じられないとまではいえない
3:弱く感じる
2:やや強く感じる
1:強く感じる
Figure 2023045555000001
表1から、クロロゲン酸類含有する経口用組成物に、バニリンをクロロゲン酸類に対して一定の量比で含有させることで、クロロゲン酸類の不快な酸味を低減できることがわかる。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)及び(B);
    (A)クロロゲン酸類、及び
    (B)バニリン
    を含有し、
    成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が0.005~0.35である、経口用組成物。
  2. 成分(A)の含有量が0.02質量%以上である、請求項1記載の経口用組成物。
  3. 成分(B)の含有量が0.0005質量%以上である、請求項1又は2記載の経口用組成物。
  4. RTD型飲料組成物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の経口用組成物。
  5. インスタント飲料組成物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の経口用組成物。
  6. 固形経口用組成物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の経口用組成物。
  7. バニリンを有効成分とする、クロロゲン酸類の不快な酸味抑制剤。
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