[0018]一般的慣習に従って、図面のうちのいくつかは、明瞭さのために単純化され得る。したがって、周知の構成および構成要素は、本開示を通じて提示される様々な概念を不明瞭にすることを回避するために、ブロック図形式で図示され得るか、または、完全に省略され得る。
[0019]装置および方法の様々な態様が、添付図面を参照して以下により完全に記載されるであろう。しかしながら、これら装置および方法は、当業者によって多くの異なる形式で具体化され、本明細書に提示されたいかなる具体的な装置または方法にも限定されるとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、この開示が十分かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝達できるように提供されている。本明細書における教示に基づいて、当業者は、本発明の範囲は、この開示において提示される他の任意の態様と独立して実施されようと、または組み合わされて実施されようと、この開示において提示されるいかなる態様をもカバーすることが意図されていることを認識するべきである。たとえば、本明細書に記載された任意の数の態様を使用して、装置が実施され得るか、または方法が実現され得る。さらに、装置または方法は、この開示において提示された他の態様に加えて、または、代わりに、他の構成および/または機能を使用して実施され得る。したがって、請求項は、この開示を通じて提示された装置および方法の様々な態様に限定されるべきではなく、請求項の文言と整合した全範囲が与えられるべきである。
[0020]「装置」という用語は、集積回路または集積回路の任意の一部(たとえば、ブロック、モジュール、構成要素、回路、要素等)、または、集積回路が他の集積回路または構成要素(たとえば、ビデオ・カード、マザーボード等)と組み合わされた任意の中間製品または任意の最終製品(たとえば、モバイル電話、携帯情報端末(PDA)、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、パーム・サイズ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、ワーク・ステーション、ゲーム・コンソール、メディア・プレーヤ等)を意味するように、広く解釈されるものとする。「方法」という用語は同様に、集積回路、またはその任意の一部、または任意の中間製品または最終製品の動作、あるいは、集積回路(またはその一部)、中間製品、または最終製品によって実行される任意のステップ、処理、アルゴリズム等、またはそれらの任意の組合せ、を意味するように広く解釈されるものとする。
[0021]「典型的な」という用語は、本明細書では、「例、事例、あるいは例示として役立つ」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的な」と記載されたあらゆる実施形態は、他の実施形態よりも好適であるとか有利であるとか解釈される必要は必ずしもない。同様に、装置または方法の「実施形態」という用語は、本発明のすべての実施形態が、記述された構成要素、構成、特徴、機能、処理、利点、利益、または、動作のモードを含むことを要求しない。
[0022]「接続された」、「結合された」、またはその任意の派生語である用語は、2つまたはそれ以上の要素間の、ダイレクトまたは非ダイレクトいずれかによる任意の接続また結合を意味し、ともに「接続された」または「結合された」2つの要素間の1つまたは複数の中間要素の存在を包含し得る。要素間の結合または接続は、物理的、論理的、またはその組合せであり得る。本明細書で使用されるように、2つの要素は、いくつかの非限定的かつ非網羅的な例として、1つまたは複数のワイヤ、ケーブルおよび/またはプリント電気接続を使用することによってのみならず、無線周波数領域、マイクロ波領域、および光(可視および非可視の両方)領域における波長を有する電磁気エネルギのような電磁気エネルギを使用することによって、ともに「接続」または「結合」されていると考慮され得る。
[0023]「信号」という用語は、データ信号、オーディオ信号、ビデオ信号、マルチメディア信号のような任意の信号を含み得る。情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表現され得る。例によって、この説明を通じて参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁気粒子、光場または光粒子、またはこれらの任意の組合せによって表現され得る。
[0024]「第1の」、「第2の」等のような指定を使用する本明細書における要素に対するいずれの参照も、一般に、これら要素の量または順序を制限しない。むしろ、これら指定は、本明細書において、2つまたはそれ以上の要素または要素の事例を区別する便利な方法として使用される。したがって、第1の要素および第2の要素への参照は、2つのみの要素が適用され得ることも、または、第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことも、意味していない。また、そうではないと述べられていないのであれば、これら要素のセットは、1つまたは複数の要素を備え得る。さらに、説明または請求項において使用されている「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」という形式の用法は、「AまたはBまたはCまたはこれら要素の任意の組合せ」を意味する。
[0025]本明細書で使用されるように、「a」、「an」、および「the」という単数形は、文脈が、そうではないと明確に示していないのであれば、複数形を含むことが意図される。「備える」、「備えている」、「含む」、および/または「含んでいる」という用語は、本明細書で使用されている場合、述べられた特徴、完全体、ステップ、動作、要素、および/または、構成要素の存在を明示するか、または、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、および/または、これらのグループの存在または追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
[0026]集積回路のスキャンおよび機能テストに関連する様々な態様が、提示されるであろう。しかしながら、当業者であれば容易に認識するであろうが、そのような態様は、集積回路および他の装置のための他のテスト手順に拡張され得る。具体的なテスト手順への任意の参照を与えることは、集積回路または装置をテストするための例示的な態様が広範なアプリケーションを有しているという理解の下、そのような態様を例示することのみ意図されている。
[0027]「通過」または「通過回路」という用語、または、回路、ブロック、モジュール、要素、集積回路部等を通過する信号を記述するために使用される任意の用語またはフレーズは、ダイレクトな接続に限定されるとは解釈されないものとする。そのような用語またはフレーズはまた、1つまたは複数の中間要素との非ダイレクトな接続を含むものとする。例によれば、通過回路は、任意の数のバッファ、インバータ、遅延、増幅器、減衰器等を信号経路に含み得る。通過回路は、別の信号との多重化または切換の可能性無しで信号を通過させるすべての回路を包含するものとする。
[0028]図1は、集積回路の例を例示するブロック図である。集積回路100は、任意の適切な装置の一部として動作するように構成され得る。1つの実施形態では、集積回路100は、モバイル電話、携帯情報端末(PDA)、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、パーム・サイズ・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、セット・トップ・ボックス、ナビゲーション・デバイス、ワーク・ステーション、ゲーム・コンソール、メディア・プレーヤ、または他の任意の適切なデバイスのような遠隔通信デバイスの一部として動作するように構成され得る。集積回路100は、ワイヤード・チャネルまたはワイヤレス・チャネルによる通信をサポートするように構成され得る。ワイヤレス・チャネルのケースでは、集積回路100は、例によって、符号分割多元接続(CDMA)システム、マルチ・キャリアCDMA(MCCDMA)システム、広帯域CDMA(W−CDMA(登録商標))システム、高速パケット接続(HSPA、HSPA+)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、シングル・キャリアFDMA(SC−FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、または、他の多元接続技術を含む、任意の適切な多元接続技術をサポートするように構成され得る。集積回路100はさらに、例によって、ロング・ターム・エボリューション(LTE(登録商標))、エボリューション・データ・オプティマイズド(EV−DO)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、ユニバーサル地上無線接続(UTRA)、グローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))、エボルブドUTRA(E−UTRA)、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、フラッシュ−OFDM、Bluetooth(登録商標)、または他の任意の適切なエア・インターフェース規格を含む任意の適切なエア・インターフェース規格をサポートするように構成され得る。集積回路100によってサポートされている実際のエア・インターフェース規格および多元接続技術は、具体的なアプリケーション、および、システムに課せられている全体的な設計制約に依存するであろう。
[0029]集積回路100は、第1の集積回路部102および第2の集積回路部104とともに図示されているが、追加の集積回路部を有し得る。典型的な実施形態では、第1の集積回路部102は、ベースバンド・プロセッサであり得る。そして、第2の集積回路部104は、ワイヤレス・モデムであり得る。ワイヤレス・モデムは、ワイヤレス・チャネルを介した送信のために、ベースバンド・プロセッサによって生成されたデータを用いて1つまたは複数のキャリア信号を変調し、ベースバンド・プロセッサによるさらなる処理のためのデータを復元するために、遠隔装置からワイヤレス・チャネルを介して受信された1つまたは複数のキャリア信号を復調するためのトランシーバ機能を提供し得る。
[0030]図2は、集積回路の第1および第2の集積回路部の例を例示するブロック図である。第1の集積回路部102は、バス・アーキテクチャで実施されるベースバンド・プロセッサである。バス・アーキテクチャは、具体的なアプリケーションおよび全体的な設計制約に依存して、任意の数の相互接続バスおよびブリッジをサポートし得る。バス202は、プロセッサ204、メモリ・コントローラ206、メモリ208、および、図示されていないタイミング・ソース、電圧調節器、電力管理回路等のような他の様々な回路を含む、コア・プロセッサ203内の様々な回路を、ともにリンクするために使用される。バス202はまた、コア・プロセッサ203を、一般にI/Oインターフェース210、テストモジュール212、および他の図示されていないサポート回路によって代表される様々なI/Oインターフェースへリンクする。
[0031]プロセッサ204は、バスの管理、および、メモリ208に記憶された、または、I/Oインターフェース210を介してオフ・チップ・メモリから取得された、ソフトウェアの実行を含む一般的な処理を担当する。プロセッサ204は、1つまたは複数の汎用プロセッサおよび/または特別目的プロセッサを用いて実施され得る。例は、ソフトウェア・プログラムを実行し得るマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ、および他の回路を含む。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはその他で称されているかに関わらず、任意の命令を意味すると広く解釈されるものとする。メモリ208は、例によって、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、SDRAM(シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、フラッシュ・メモリ、または他の任意の適切な記憶媒体、またはこれらの任意の組合せ、を含み得る。ソフトウェアは、プロセッサ204によって実行された場合、ベースバンド・プロセッサに対して様々な機能を実行させるための命令を含む。ソフトウェアは、トリガ・イベントが生じた場合、ハード・ドライブまたは他の不揮発性ストレージから、メモリ208へロードされ得る。ソフトウェア・モジュールの実行中、プロセッサ204は、アクセス速度を増加させるために、命令のうちのいくつかをキャッシュにロードし得る。その後、プロセッサ204による実行のために、1つまたは複数のキャッシュ・ラインが、汎用レジスタ・ファイルへロードされ得る。あるいは、または、それに加えて、プロセッサ204は、例によって、1つまたは複数のFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)、PLD(プログラマブル・ロジック・デバイス)、コントローラ、ステート・マシン、ゲート・ロジック、ディスクリート・ハードウェア構成要素、または他の任意の適切な回路、またはこれらの任意の組合せのような専用ハードウェアを用いて実施され得る。
[0032]I/Oインターフェース210は、ベースバンド・プロセッサをデータ・ソース/シンク232へインターフェースするために使用され得る。データ・ソース/シンク232は、装置内または装置外のいずれかにある、ホスト・コンピュータまたは他のシステムであり得る。I/Oインターフェース210は、データ・ソース/シンク232への、2つのワイヤ接続、イーサネット(登録商標)接続、他のいくつかの適切な接続をサポートするように構成され得る。いくつかの典型的な実施形態では、データ・ソース/シンク2323は、キーパッド、マウス、ジョイスティック、ディスプレイ等のようなユーザ・インターフェースを含み得る。
[0033]I/Oインターフェース210はまた、ベースバンド・プロセッサを、第2の集積部104へインターフェースするために使用され得る。この例において、第2の集積部104は、送信チャネルおよび受信チャネルをベースバンド・プロセッサへ接続するために、自身のI/Oインターフェース252を有するワイヤレス・モデムである。送信チャネルは、デジタル・アナログ(D/A)変換器256によってアナログ信号へ変換される前に、デジタル・ベースバンド信号のための様々な処理を提供するデジタル送信回路254を含む。D/A変換器256からのアナログ信号は、ワイヤレス・チャネルを介した送信のために、アナログ信号を、1つまたは複数の高周波数キャリアへ変調するためのミキシング(すなわち、アップ・コンバージョン)、フィルタリング、および増幅からなる様々なステージを提供するワイヤレス送信機258へ提供される。
[0034]受信チャネルは、ワイヤレス・チャネルを介して遠隔装置から、1つまたは複数の変調された高周波数キャリアを受信するように構成されたワイヤレス受信機260を含む。ワイヤレス受信機260は同様に、キャリアを復調し、遠隔装置から送信されたアナログ信号を復元するためのミキシング(すなわち、ダウン・コンバージョン)、フィルタリング、および増幅からなる様々なステージを提供する。ワイヤレス受信機260によって復元されたアナログ信号は、ベースバンド・プロセッサへ提供される前に、アナログ・デジタル(A/D)変換器262によってデジタル信号に変換され、デジタル受信回路264によって処理される。
[0035]様々なテスト機能が、集積回路100に組み込まれ得る。後により詳しく記述されるように、第1の集積回路部102におけるテストモジュール212は、集積回路100のスキャンおよび機能テストの両方を可能にするために使用され得る。これらのテストは、集積回路100が装置に搭載される前および/または後に実行され得る。この開示の目的のために、「スキャンテスト」は、テストパターンが、第1の集積回路部102へ提供された場合、集積回路100の製造処理中にもたらされた欠陥を外部テスト機器234が検出することを可能にする自動テストパターン生成(ATPG)処理を参照する。「機能テスト」は、テストパターンが、第1の集積回路部102へ提供された場合、外部テスト機器234が集積回路上のハード・マクロ(HM)が適切に機能しているか否かを決定することを可能にする処理を参照する。HMは、機能ユニット(たとえば、プロセッサ、グラフィックス等)、メモリ等である。
[0036]スキャンテストは、ジョイントテストアクション・グループ(JTAG)、または他のいくつかの適切な専門用語として知られているテストプロトコルおよびテストメカニズムを使用して実行され得る。JTAGは、IEEE規格1149.1の下で標準化されている。スキャンテスト中、テストモジュール212は、第1の集積回路部102内のI/Oインターフェースのみならず、第2の集積回路部104に存在する同様のテストモジュール266に信号を送り得る。これに応答して、第1の集積回路部102内のI/Oインターフェース210は、データ・ソース/シンク232からコア・プロセッサ203を切断し、外部テスト機器234からコア・プロセッサ203へ入力テスト信号を提供し、コア・プロセッサ203から戻された出力テスト信号を読み取り得る。第2の集積回路部104におけるテストモジュール266は、I/Oインターフェース252に、コア・プロセッサ203からデジタル送信回路254およびデジタル受信回路260を切断させ、第1の集積回路部102におけるI/Oインターフェース210を介して外部テスト機器234から受信された入力テスト信号を受信させ、これら入力テスト信号をデジタル送信回路254およびデジタル受信回路260へ提供させ、デジタル送信回路254およびデジタル受信回路260から戻された出力テスト信号を読み取らせ、出力テスト信号をI/Oインターフェース210へ転送させ得る。コア・プロセッサ203からの出力テスト信号と、デジタル送信回路254およびデジタル受信回路260からの出力テスト信号とが、I/Oインターフェース210によって外部テスト機器234へ提供され得る。出力テスト信号が、入力テスト信号に対して期待される出力と一致する場合、外部テスト機器234は、集積回路100に製造欠陥がないという表示を提供し得る。一方、出力テスト信号が、入力テスト信号に対して期待されているものとは異なるのであれば、外部テスト機器234は、集積回路100に欠陥があるという表示を提供し得る。好適には、外部テスト機器は、高い確実性で欠陥を検出するように、入力テスト信号の適切な範囲をカバーするために、広範囲のテストパターンを提供するように構成される。
[0037]図3は、スキャンテスト能力を備えた第1の集積回路部の例を例示するブロック図である。この例において、集積回路100は、スキャンテスト入力パッド302およびスキャンテスト出力パッド304を備える、第2の集積回路部102のための1対のアクセス可能なスキャンテストパッドを含む。スキャンテストパッド302およびスキャンテストパッド304は、汎用I/Oパッドまたは他の適切なテストパッドであり得る。スキャンテストパッド302およびスキャンテストパッド304は、第1の集積回路部102をテストするためのスキャンテストパッド(図示せず)と分離され得るか、または、他の実施形態では、切換、時間共有、または他のメカニズムを利用する第1の集積回路部102と第2の集積回路部104との間で共有され得る。スキャンテストパッド302およびスキャンテストパッド304は、外部テスト機器が第1の集積回路部102に接続されることを可能にする。
[0038]第1の集積回路部102はまた、ダイ・ツー・ダイ(D2D)スキャンテスト出力306およびD2Dスキャンテスト入力308を備える1対のD2Dスキャンテストパッドを含む。これらD2Dスキャンテストパッドは、集積回路100へのアクセス可能な外部ではない。むしろ、これらは、第2の集積回路部104のための対応するD2Dスキャンテストパッドとの内部接続を提供する。第2の集積回路部104のためのD2Dスキャンテストパッドは、D2Dスキャンテスト入力パッド310およびD2Dスキャンテスト出力パッド312を含む。
[0039]スキャンテストモードの間、外部テスト機器234は、集積回路100上のテストパッドをスキャンするために接続され得る。外部テスト機器234は、スキャンテスト入力パッド302へ、入力テスト信号とともにモード制御信号を提供し得る。モード制御信号は、集積回路100がテスト中であることを示すインジケーションをテストモジュール212へ提供する。モード制御信号に応答して、テストモジュール212は、第1の集積回路部102におけるI/Oインターフェース210と、第2の集積回路部104におけるテストモジュール266との両方にシグナルし得る。I/Oインターフェース212は、スキャンテスト入力パッド302からの入力テスト信号を、第1の集積回路部102を通過させてD2Dスキャンテスト出力パッド306へ提供するための手段として働く通過回路を含む。入力テスト信号はその後、第1の集積回路部102におけるD2Dスキャンテスト出力パッド306と、第2の集積回路部104におけるD2Dスキャンテスト入力パッド310との間の接続によって、第2の集積回路部104へ送信され得る。
[0040]デジタル送信回路254およびデジタル受信回路260(図2参照)によって生成された出力テスト信号は、第2の集積回路部104におけるD2Dスキャンテスト出力パッド312と、第1の集積回路部102におけるD2Dスキャンテスト入力パッド308との間の接続によって、第1の集積回路部102へ提供され得る。入力テスト信号と同様な方式で、I/Oインターフェース210は、D2Dスキャンテスト入力パッド308からの出力テスト信号を、第1の集積回路部102を通過させてスキャンテスト出力パッド304へ提供するための手段として働く通過回路を含む。その後、出力テスト信号は、スキャンテスト出力パッド304による処理のために、外部テスト機器234へ送信され得る。
[0041]図4は、第1の集積回路部のためのスキャンテストパッド接続の例を例示する概略図である。以前に議論されたように、第1の集積回路部102は、第2の集積回路部104(図3参照)のためのスキャンテストをサポートするために、4つのスキャンテストパッド302、304、306、および308を使用する。各スキャンテストパッドは、4つの接続、入力、出力、および出力イネーブル、および信号制御モードをサポートする。図3に関連して以前に議論されたスキャンテストモードの実施をサポートするために、スキャンテストパッドは、以下のように接続され得る。
[0042]スキャンテスト入力パッド302のための入力接続は、I/Oインターフェース210を介してD2Dスキャンテスト出力パッド306の出力接続へ結合されている。以前に記述されたように、外部テスト機器からのテスト信号入力は、第1の集積回路部を通過して、この経路に沿って第2の集積回路部へ伝送される。スキャンテスト入力パッド302はまた、テストモジュール212の入力に結合されたその信号制御モード接続をも有しており、これによって、外部ソースは、集積回路100に対して、スキャンテストモードを強制することが可能となる。テストモジュール212からの出力は、第2の集積回路部104(図3参照)をスキャンテストモードに強制するために、D2Dスキャンテスト出力パッド306の信号制御モード接続に結合される。スキャンテスト入力パッド302は、テスト信号のための入力として働くので、出力および出力イネーブル接続が接地され得る。D2Dスキャンテスト出力パッド306は、テスト信号のための出力として働くので、出力および出力イネーブル接続が、フローティング、すなわち、高状態に引き上げられ得る。すべての接続についての出力および出力イネーブル接続の極性は、他の実施形態では、反転され得る。
[0043]D2Dスキャンテスト入力パッド308のための入力接続は、I/Oインターフェース210を介して、スキャンテスト出力モード304の出力接続へ結合される。以前に記述されたように、デジタル送信回路254およびデジタル受信回路260(図2参照)からのテスト信号出力は、第1の集積回路部を通過して、この経路に沿って外部テスト機器へ伝送される。スキャンテスト入力パッド308とスキャンテスト出力パッド304との両方に関する信号制御モード接続が使用されていないので、そのため、フローティングのままにされ、あるいは高状態に引き上げられ得る。D2Dスキャンテスト入力パッド308は、出力テスト信号のための入力として働くので、出力および出力イネーブル接続が接地され得る。スキャンテスト出力パッド304は、テスト信号のための出力として働くので、出力および出力イネーブル接続が、フローティングあるいは、高状態に引き上げられ得る。信号制御モード、出力および出力イネーブル接続の極性は、他の実施形態では反転され得る。
[0044]機能テストは、任意の適切なテストプロトコルおよびテストメカニズムを使用して実行され得る。図2に戻って示すように、1つの典型的な実施形態では、外部テスト機器234が、集積回路102のデータ・パッドへ接続され、そうではない場合には、通常動作中、同じデータ・パッドが、データ・ソース/シンク232へ接続されるであろう。この構成によって、入力テスト信号は、外部テスト機器232によって第1の集積回路部102へ提供され、出力テスト信号を生成するためにプロセッサ・コア203によって処理され得る。出力テスト信号は、その後、集積回路100上のデータ・パッドを介してI/Oインターフェース210によって外部テスト機器234へ返信され得る。
[0045]第2の集積回路部104のための機能テストをサポートするために、集積回路100上の個別の機能テストパッドが提供され得る。図5は、機能テスト能力を備えた集積回路の例を例示するブロック図である。この例において、集積回路100は、機能テスト入力パッド502および機能テスト出力パッド504を備える1対のアクセス可能な機能テストパッドを含む。機能テストパッド502および機能テストパッド504は、汎用I/Oパッドまたは他の適切なテストパッドであり得る。機能テストパッド502および機能テストパッド504は、外部テスト機器が、第1の集積回路部102に接続されることを可能にする。
[0046]第1の集積回路部102はまた、D2Dデータ出力506およびD2Dデータ入力を備える1対のD2Dデータ・パッドを含む。これらのD2Dデータ・パッドは、集積回路100へのアクセス可能な外部ではない。むしろ、これらは、第2の集積回路部104のための対応するD2Dデータ・パッドとの内部接続を提供する。第2の集積回路部104のためのD2Dデータ・パッドは、D2Dデータ入力パッド510およびD2Dデータ出力パッド512を含む。以下により詳細に記述される方式で、I/Oインターフェース210は、切換機能を提供し得る。切換機能は、通常動作中、プロセシング・コア203と第2の集積回路部104との間のデータ交換を提供し、また、機能テストモード中、外部テスト機器234と第2の集積回路部104との間のテスト信号の交換を提供する。
[0047]機能テストモード中、外部テスト機器234は、集積回路100上の機能テストパッドに接続され得る。外部テスト機器234は、モード制御信号および入力テスト信号を、機能テスト入力パッド502へ提供し得る。入力テスト信号とともにモード制御信号は、I/Oインターフェース210内のマルチプレクサ514へ提供され得る。マルチプレクサ514は、機能テスト入力パッドから第2の集積回路部104へ入力テスト信号を提供するための手段として働く。さらに具体的には、マルチプレクサ514は、第2の集積回路部104への出力を、コア・プロセッサ203からのデータと、外部テスト機器234からの入力テスト信号との間で切り換える。モード制御信号は、選択入力をマルチプレクサ514に送るために使用され得る。典型的な実施形態では、モード制御信号が通常動作を示す場合、プロセッサ・コア203によって生成されたデータが、第2の集積回路部104へ提供され、モード制御信号がテストを示す場合、外部テスト機器234によって生成された入力テスト信号が、第2の集積回路部104へ提供され得る。
[0048]I/Oインターフェース210はまた、デマルチプレクサ516を含み得る。デマルチプレクサ516は、第2の集積回路部104から機能テスト出力パッドへテスト信号出力を提供するための手段として働く。さらに具体的には、デマルチプレクサ516は、第2の集積回路部104からの入力を、コア・プロセッサ203と外部テスト機器234との間で切り換える。モード制御信号は、選択入力をデマルチプレクサ516に送るために使用され得る。典型的な実施形態では、第2の集積回路部104からの入力は、モード制御信号が通常動作を示す場合、プロセッサ・コア203へ提供され、モード制御信号がテストを示す場合、外部テスト機器234へ提供され得る。
[0049]図6は、集積回路をテストするための方法の例を例示するフロー図である。この開示において以前に詳細に記述されたように、集積回路は、外部テスト機器に接続され得る入力パッドおよび出力パッドを含み得る。テストパッドは、GPIOパッドまたは他の適切なテストパッドであり得る。集積回路はまた、第1の回路を有する第1の集積回路部と、第1の回路とは異なる第2の回路を有する第2の集積回路部とを含み得る。第1の集積回路部および第2の集積回路部は、異なるウエハ上で製造され、単一のパッケージへカプセルされ得る。
[0050]図6に移って示すように、第1の集積回路部および第2の集積回路部は、ブロック602においてテストモードに入る。第1の集積回路部は、入力パッドにおいて受信された1つまたは複数の制御信号に応答して、1つまたは複数の制御信号を、第2の集積回路部へ提供することによって、第2の集積回路部を、テストモードに入らせる。テストモードは、スキャンテストモード、機能テストモード、または他のいくつかの適切なテストモードであり得る。
[0051]ブロック604では、第1の集積回路部は、入力パッドにおいて受信された入力テスト信号を、第2の集積回路部へ提供する。以前に議論されたように、入力テスト信号は、第1の集積回路部における通過回路、マルチプレクサ、または他の適切な手段によって、第2の集積回路部へ提供され得る。
[0052]ブロック606では、第2の集積回路部は、入力テスト信号に応答して、出力テスト信号を生成する。
[0053]ブロック608では、第1の集積回路部は、第2の集積回路部からの出力テスト信号を、出力パッドへ提供する。以前に議論されたように、出力テスト信号は、第1の集積回路部における通過回路、デマルチプレクサ、または他の適切な手段によって、出力パッドへ提供され得る。
[0054]集積回路のテストのコンテキストで記述されたブロックのいなかる具体的な順序または階層も、集積回路をテストするための方法の例を提供するために提示されていることが理解される。設計優先度に基づいて、ブロックの具体的な順序または階層は、本発明の範囲内にありながら、再構築され得ることが理解される。
[0055]集積回路をテストすることの様々な態様が、スキャンテストまたは機能テストのいずれかを実行することに関連して上述された。スキャンテストのいくつかの態様が、テストパッドと第2の集積回路部との間にテスト信号を提供するために、通過回路を有する第1の集積回路部を有する集積回路を用いて記述された。また、機能テストのいくつかの態様が、テストパッドと第2の集積回路部との間にテスト信号を提供するために、マルチプレクサ回路およびデマルチプレクサ回路を有する第1の集積回路部を有する集積回路と関連して記述された。しかしながら、当業者は容易に理解するであろうが、第1の集積回路部を介してテスト信号を伝送するために記述された様々な方法は、必ずしも、記述された典型的な実施形態に限定される必要はない。例によって、スキャンテストのために本明細書に記述された第1の集積回路部における通過回路は、集積回路の他の実施形態では、機能テストまたは他のテストのために使用され得る。同様に、機能テストのために本明細書に記述された第1の集積回路部におけるマルチプレクス回路およびデマルチプレクス回路は、集積回路の他の実施形態では、スキャンテストまたは他のテストのために使用され得る。
[0056]以前の説明は、当業者が、本開示の全範囲を十分に理解できるようにするために提供されている。本明細書に開示された様々な典型的な実施形態に対する修正が、当業者に容易に明らかになるであろう。したがって、請求項は、本明細書に記述された開示の様々な態様に限定されるべきではなく、請求項の文言と整合した全範囲が与えられるべきである。当業者に周知であるか、または、後に周知になるべき本開示を通じて記載された様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的な等価物が、参照によって本明細書に明確に組み込まれており、請求項に含められていると意図される。さらに、本明細書で開示されたいずれも、このような開示が請求項において明示的に述べられているかに関わらず、公衆に対して放棄されたものとは意図されていない。請求項のどの要素も、「〜ための手段」というフレーズを用いて、または、方法請求項の場合、「〜ためのステップ」というフレーズを用いて明確に記載されていないのであれば、米国特許法第112条(f)の規定の下で解釈されるべきではない。