JP2016524691A - 血小板同種抗原タイピング及び血小板抗体試験 - Google Patents

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Abstract

本発明はヒト血小板上のヒト血小板同種抗原(HPAs)を検出する方法、HPAsに対するヒト抗体を検出する方法及び該方法を行うための診断試験デバイスに関する。【選択図】なし

Description

本発明はヒト血小板上のヒト血小板同種抗原(Human Platelet Alloantigens;HPAs)を検出する方法、HPAsに対するヒト抗体を検出する方法及び該方法を行うための診断試験デバイスに関する。
輸血は全世界で日常的な療法である。通例、全血ではなく血液の特定の成分のみが輸血される。血液は液体部分及び細胞部分からなる。液体部分は血漿と呼ばれ、多数のタンパク質を含有する。血漿は新鮮若しくは凍結全血漿、又は血漿から生化学的手段によって精製された血漿成分の形で治療剤として使用され、特定の治療剤として与えられる。それぞれの例は、静注免疫グロブリン(IVIG)等の免疫グロブリン又は血液凝固因子である。血液の細胞画分には赤血球、白血球及び血小板という3タイプの細胞が含まれる。赤血球輸血は血液バンクの治療用細胞製剤の大半を占め、濃厚血小板(platelet Concentrates)がそれに続くが、その数は濃厚赤血球(red cell concentrates)のおよそ10分の1である。
血液製剤は個々のドナーから得られ、徹底した診断検査に供される。細胞の表面抗原はドナーによって異なるため、第1の群の試験はこれらの抗原を決定することである。これらは既知の血液型であり、主要抗原ABO及び30種を超える他の微量抗原が既知であり、記載されている。さらに、血清及び/又は血漿がこれらの抗原に対する抗体について試験される。通常行われる第2の群の試験は、ドナー血液における感染性疾患の有無についての試験である。これは治療用輸血が病原因子を保有しないことを確かめるためである。これらの試験は一般にHIV、HBV、HCVに対する抗体についての血漿スクリーニング、ToRCHパネル試験、及び病原体特異的なタンパク質についての血漿抗原試験、例えばHIV p24抗原試験等の抗体試験の組合せによって行われる。特定の国のスクリーニングプラクティスに応じて、抗原試験及び抗体試験を増幅法、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いたDNA/RNA増幅に基づくウイルス核酸についての核酸試験によって補うことができる。
治療用血小板については、全ての血清学的及びABO血液型試験を濃厚赤血球と同様に行う。しかしながら、血小板は血液型抗原だけでなく、その表面上に付加的な追加の抗原を保有する。これらの抗原はヒトによって異なり、適合しないヒト個体に輸血した場合に同種免疫を引き起こす。患者におけるこれらの同種抗原及びこれらの同種抗原に対する抗体についての検査は通常は行われていない。この理由は、同種抗原を決定するのに好適な診断検査並びに抗体検出に好適な実際的方法及び試験の欠如である。
血小板同種抗原は血小板の膜糖タンパク質の二対立遺伝子多型(biallelic polymorphisms)から生じる。これらの多型は主要な生物学的結果を有しない糖タンパク質において単一アミノ酸変化を起こす。しかしながら、不適合血小板の輸血時には同種免疫が起こり、下記の臨床症状が生じる可能性がある。同種免疫の別の発生源は、妊婦が胎児の不適合の血小板に由来する同種抗原に対する予防接種を受けた場合の妊娠時にも見られる。血小板に対する同種抗体は臨床症状を生じる一発生源であるが、血小板減少症を生じる血小板に対する自己抗体も存在する。
血小板同種抗原はよく研究されたタンパク質であり、関連同種抗原のほとんどが記載されている。HPA−1〜HPA−15を表すHPAの一般的命名法が存在する。より一般的な対立遺伝子を「a」、あまり一般的でない対立遺伝子を「b」と指定することが慣例となっている。既知の全てのHPAの中でも、HPA−1a及びHPA−5b抗原が最も免疫原性の同種抗原であり、合わせて白色人種における臨床例の95%超を占める。アジア集団においては、HPA−4同種免疫が関連のある問題である。他の抗血小板糖タンパク質抗体も存在するが、それほど多くはない。血液バンクについては、HPA−1a及びHPA−5b陰性の濃厚血小板を提供することは抗血小板抗体に起因する3つの症状、すなわち新生児同種免疫血小板減少症(NAIT)、血小板不応状態(PR)又は輸血後紫斑病(PTP)のうち1つを有する患者のより良好な治療の機会を与えることから意味がある。
現在の血小板抗原タイピング(antigen typing:抗原判定)は患者及び選択された血小板ドナーについてのみ行われる。研究所では通例、自家製の遺伝子型決定アッセイ及び表現型検査アッセイが用いられる。最も顕著な血小板同種抗原はHPA−1a及びHPA−5bである。少数のHPA−1aタイピング試験が表現型検査によって行われているが、このアプローチは広くは用いられていない。表現型検査アッセイが見られない理由の1つは、血小板表現型を決定するのに好適なモノクローナルタイピング試薬の欠如及び表現型検査の長期にわたる退屈な手順である。現在、HPA−1aタイピング用のモノクローナル抗体は1つしか存在せず、日常的業務には広く適合していない。
血小板の血液バンクスクリーニングは、第1にレシピエント患者に対する安全性の改善によって利益を生み、第2に間違った患者へのコストの大きい血小板製剤の不適当な無用の献血を回避するという2つの主な利点を有する。
血小板抗体診断はNAIT、PR及びPTP等の血小板抗体に起因する疾患を有する患者の血液サンプルに対して行われる。血小板抗原のモノクローナル抗体固定化(Monoclonal Antibody Immobilization of Platelet Antigen;MAIPA)アッセイ又は血小板免疫蛍光試験(Platelet Immune Fluorescence Test;PIFT)等の現行の血小板抗体試験は複雑な細胞試験であるため、利用可能な市販のin vitro診断(IVD)製品は非常に少数である。専門的な血小板研究所のみが自家製の診断検査を用いてこれらの試験を行っている。通常の血液バンクは一般にこれらの試験を行っていないため、これらの専門研究所が他の血液バンクに対して血小板免疫学のサービスを提供している。
したがって、本発明の根底にある技術的課題はヒト血小板上のヒト血小板同種抗原(HPA)を検出する方法、血小板抗原に対するヒト抗体を検出する方法及び該方法を行うための診断試験デバイスを提供することである。上記方法は簡単に行われ、コスト効率がよく、短時間で結果をもたらすものとされる。
上記の技術的課題の解決は、特許請求の範囲において特徴付けられる実施の形態によって達成される。
特に、第1の側面では、本発明はサンプル中に含有されるヒト血小板上の少なくとも1つのヒト血小板同種抗原(HPA)を検出する第1の方法に関し、これは、
(a)少なくとも抗体が結合した少なくとも1つの表面を提供する工程であって、該抗体が検出対象の上記少なくとも1つのHPAを保有する糖タンパク質に対するものである工程と、
(b)上記サンプル中に含有される血小板を溶解し、該血小板の膜タンパク質を可溶化する工程と、
(c)上記表面と工程(b)の溶解及び可溶化した上記サンプルとを接触させる工程であって、該サンプル中に含有されるそれぞれの糖タンパク質を、工程(a)の上記抗体への特異的結合によって上記表面に固定化する工程と、
(d)上記表面と蛍光標識抗体とを接触させる工程であって、該抗体が検出対象の上記少なくとも1つのHPAに対するものであり、該抗体、上記サンプル中に含有されるそれぞれの糖タンパク質、及び工程(a)の上記抗体が表面結合複合体を形成する工程と、
(e)上記表面結合複合体を光源のエバネッセント場によって励起する工程と、
(f)上記表面結合複合体から発される蛍光を測定する工程と、
(g)上記少なくとも1つのHPAを、工程(f)において測定される上記発された蛍光に基づいて検出する工程と、
を含む。
この側面では、「検出」という用語は特に限定されず、対象のHPAの定性的測定のみを含むものではなく、その定量的決定を明白に含むものである。この関連で、「定性的」とは本明細書で使用される場合、特定のサンプルにおける対象のHPAの有無の決定を意味し、「定量的」という用語は本明細書で使用される場合、特定のサンプルにおける検出対象のHPAの含量又は量の測定を意味する。
本発明の上記の第1の方法によって検出されるHPAは特に限定されず、当該技術分野で既知である。少なくとも1つのHPAはHPA−1a、HPA−1b、HPA−2a、HPA−2b、HPA−3a、HPA−3b、HPA−4a、HPA−4b、HPA−5a、HPA−5b、HPA−6a、HPA−6b、HPA−7a、HPA−7b、HPA−8a、HPA−8b、HPA−9a、HPA−9b、HPA−10a、HPA−10b、HPA−11a、HPA−11b、HPA−12a、HPA−12b、HPA−13a、HPA−13b、HPA−14a、HPA−14b、HPA−15a及びHPA−15bからなる群から選択されるのが好ましい。より好ましくは、少なくとも1つのHPAはHPA−1a、HPA−1b、HPA−3a、HPA−3b、HPA−4a、HPA−4b、HPA−5a及びHPA−5bからなる群から選択される。更により好ましくは、少なくとも1つのHPAはHPA−1a及びHPA−5bからなる群から選択される、すなわちHPA−1a及び/又はHPA−5bを検出する。
本発明の上記の第1の方法によると、少なくとも1つのHPAが検出される。このため、2以上のHPA、例えば2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上のHPAを検出することもできる。これらの実施の形態では、それに応じた数の表面を工程(a)において供給する、例えば2つのHPAを検出する場合、2つの表面を供給する。さらに、工程(a)において供給した全ての表面を工程(c)及び(d)において接触させ、検出対象のHPAに対するそれぞれの蛍光標識抗体を工程(d)において使用する。さらに、全ての表面結合複合体を工程(e)において励起し、工程(f)において測定し、それぞれのHPAの全てを工程(g)において検出する。
本発明の上記の第1の方法において分析するサンプルは、血小板を含有する又は含有する疑いがあるサンプルである限りにおいて特に限定されない。上記サンプルは、例えばバフィーコート又は濃厚血小板等の血小板を含有する抗凝固処理全血又はそれに由来する血液製剤であるのが好ましい。
上で規定される本発明の第1の方法によると、抗凝固処理全血は好ましくは最終試験において例えば10%超、例えば25%超、33%超、50%超又は更には80%超の濃度で使用され得る。
しかしながら驚くべきことに、本発明の上記の第1の方法において抗凝固処理全血サンプルを使用して、信頼性の高い優れた試験結果を得ることが可能である。全血サンプルを最終試験において25%を超える濃度で使用すると、望ましくない生化学的相互作用のために非特異的シグナルが生じる可能性があることが明らかである。しかしながら予想外なことに、非常に低い生化学的バックグラウンドが観察され、依然として特異的かつ選択的に血小板糖タンパク質を検出することが可能であった。更により重要なことには、本発明の上記の第1の方法によって、互いに1つの単一アミノ酸多型しか異ならない糖タンパク質を高い感度で検出及び区別することが可能であることに留意されたい。さらに、溶解全血溶液、すなわちヘモグロビン、赤血球及び他の血液細胞に由来する細胞質タンパク質、並びに多量のヒト血漿タンパク質中の大過剰の潜在的フルオロフォアの存在下であっても特異的シグナルをもたらす試験の能力は驚くべきものである。全血サンプルの任意の成分に起因する自己蛍光シグナルは観察されない。4℃で保管した場合に全血中で生じる生物学的分解プロセスがアッセイシグナルに顕著な影響を与えないことも注目に値する。4℃で1年超にわたって保管した血液サンプルはアッセイに使用することができ、正確な結果をもたらす。これが更に、保管及び経年時の自己蛍光現象の欠如及び血小板糖タンパク質の安定性も示される。
「表面を接触させる」又は「上記表面を接触させる」という用語は、この側面において使用される場合、例えば抗体、ブロッキング剤、抗体−抗原複合体又は本発明の方法において生じ得る他の複合体で飽和した表面の接触に関することを意図する。例えば上記の第1の方法の工程(c)では表面が抗体及び任意にブロッキング剤で飽和しており、したがって実際には接近可能でないため、サンプルが実際には表面ではなく、表面に結合した工程(a)の抗体又は任意にブロッキング剤と接触することが当業者には理解される。しかしながら上記の用語は、表面を見るだけで、任意の所与の時点で該表面に実際に何が結合するかを知ることになる本発明に取り組む実践者の巨視的観点を反映するために選ばれる。
本発明の上記の第1の方法において提供される表面は、特に限定されず、当該技術分野で既知の材料で作られる。かかる材料は好ましくはガラス又はプラスチック、好ましくはポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート及び/又はこれらのプラスチックの混合物及びブレンド等のプラスチックである。原則として、可視範囲の光を基本的に吸収しない任意のプラスチックが好適である。一実施の形態では、プラスチックは例えば散乱光に起因する発光を取り除くために明るい青色に染色されていてもよい。上記の表面は例えばキュベット、又はマイクロタイタープレート若しくは試験カートリッジのウェルのような凹形容器の内部であるのが好ましい。かかるキュベット、マイクロタイタープレート及び試験カートリッジは射出成形によって安価に得ることができ、好ましくは1μl〜400μl、特に好ましくは5μl〜100μl、最も好ましくは10μl〜40μlの液体の反応容量を有する。キュベット、マイクロタイタープレート又は試験カートリッジは一体となっているのが好ましい。この関連で、「試験カートリッジ」という表現は特に限定されず、本発明の上記の第1の方法の工程(a)の抗体が結合し、それぞれの溶液又は反応物と接触し得る表面を与えるために使用することができる任意の物体を含む。例えば試験カートリッジは、特定の測定要件に対して予め調整した多数の完全に分離した測定ウェルを含む使い捨て(one-way disposable)測定カートリッジであり得る。
この側面で使用される場合、「結合した」という用語は、工程(a)の抗体が吸収(直接吸収)によって表面に付着していることを意味するのが好ましい。しかしながら、該抗体は架橋要素、例えば更なる抗体又は抗原等のタンパク質を介して表面に結合していてもよい。上記抗体は共有結合によって表面に結合していてもよい。これは例えばカルボジイミドでの変換によるアクリレート表面を用いて生じさせることができる。さらに、本発明の意味における「結合した」という用語は表面又は別のリガンドへの付着を含み、例えばイオン相互作用、極性相互作用又は非極性相互作用に基づく相互作用のような共有相互作用及び非共有相互作用の両方を含む。
この側面では、工程(a)の抗体を通常の方法によって表面上に配置することができる。例えば、上記抗体を表面上にコーティングすることができる。この工程の後、表面を好ましくは別の溶液で処理され、上記抗体に付着していない表面上の部位は例えば別のタンパク質又はデタージェント(detergent:洗浄剤)等の化学化合物によってブロッキングされているか又はブロッキングされる。
本発明の上記の第1の方法によると、工程(a)の抗体は複合体を形成することができ、この複合体は該抗体に加えて、工程(d)の蛍光標識抗体及び検出対象のHPAを保有する糖タンパク質を少なくとも含む。工程(a)の抗体が表面に結合することで、検出対象のHPAを保有する糖タンパク質を含む複合体が表面に「固着し」、すなわち表面に固定され、フルオロフォアを含有する工程(d)の抗体でマーキングすることによって同時に検出することができる。
本発明の上記の第1の方法の工程(a)の抗体は、少なくとも1つの検出対象のHPAを保有する糖タンパク質に対する限りにおいて、すなわち該糖タンパク質に特異的に結合する限りにおいて特に限定されない。好適な抗体は当該技術分野で既知であり、例えば市販のものであり得る。かかる抗体はそのアイソタイプ又は起源に関して特に限定されない。この関連で例示的な抗体は例えばネズミ(mirine)IgG抗体であり得る。この点において対象の糖タンパク質は当該技術分野で既知であり、特にgpIIbIIIa、gpIaIIa、gpIbIX及びHLA/β−2−ミクログロブリンを含む。この点において使用することができる特定の抗体はモノクローナル抗gpIIbIIIa抗体RFGP56及びモノクローナル抗gpIaIIa抗体AK7である。他の好適な抗体は例えば抗gpIIbIIIaクローンP2 Immuntech又は抗gpIaIIaクローンGi9及びY418である。当業者であれば多くのより好適な抗体を見出すことができる。
さらに、本発明の上記の第1の方法の工程(d)の蛍光標識抗体は、検出対象のHPAに対する限りにおいて、すなわち該HPAに特異的に結合する限りにおいて特に限定されない。好適な抗体はそのアイソタイプ及び起源に関して特に限定されず、当該技術分野で既知である。さらに、上記抗体の蛍光標識は、光源のエバネッセント場によって励起された場合に蛍光を発することができる限りにおいて特に限定されない。好適な蛍光標識は当該技術分野で既知である。好ましい実施の形態では、上記蛍光標識はアロフィコシアニン(allo-phycocyanine;APC)である。
本発明の上記の第1の方法の好ましい実施の形態では、工程(a)の抗体及び工程(d)の抗体は異なる特異性を有する、すなわち異なるエピトープに結合する。
本発明の上記の第1の方法の特定の実施の形態では、工程(a)の抗体及び工程(d)の抗体は交換することができる、すなわち工程(a)の抗体は少なくとも1つの検出対象のHPAに対するものであり、工程(d)の蛍光標識抗体は少なくとも1つの検出対象のHPAを保有する糖タンパク質に対するものである。この特定の実施の形態では、上記抗体及び蛍光標識は上で規定した通りである。
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語はそれぞれの抗体自体のみを指すものではなく、該抗体の任意のフラグメント及び誘導体も、該フラグメントが同じエピトープに特異的に結合する能力を保持する限りにおいて含む。それぞれのフラグメントはFabフラグメント、F(ab’)フラグメント又はF(ab’)フラグメントであり得る。さらに、抗体又は抗体フラグメントの代わりに、エピトープに特異的に結合する能力を有する任意の他の巨大分子を使用することができる。かかる巨大分子としては、例えばヌクレオチドアプタマー、ペプチドアプタマー、ナノボディ、アフィボディ(affibodies)、アンチカリン、DARPin、フィロマー(phylomers)、AdNectin及びプロテインAが挙げられる。
本発明の上記の第1の方法によると、工程(b)でサンプル中に含有される血小板を溶解し、該血小板の膜タンパク質を可溶化する。溶解及び可溶化のための方法及び作用物質は特に限定されず、当該技術分野で既知である。これらとしては、例えばTween 20(ポリソルベート20;ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)又はNP40(ノニルフェノキシポリエトキシルエタノール)等の好適な濃度の界面活性剤による上記血小板の処理が挙げられる。
本発明の概略的な実施の形態によると、(コーティングした)血小板をパパイン又はブロメライン等の特異的な酵素で処理して、抗原エピトープのアベイラビリティを改善することができる。例えば本発明によると、血小板を(例えば低浸透圧により)溶解し、続いてパパイン及び/又はブロメラインで少なくとも部分的に消化して抗原アベイラビリティを改善し、更には単に血小板でコーティングした膜を得るために血小板由来の細胞質タンパク質を分解及び除去することができる。
本発明の更なる概略的な実施の形態によると、血小板を本発明の方法のいずれかにおいて使用する前にデタージェントで処理しない。これは血小板糖タンパク質の重要なエピトープがデタージェントによって破壊されるのを有利に防ぐ。このため本発明によると、上及び以下で規定される方法において未変性(native)血小板抗原を用いるのが概して好ましい。
本発明の上記の第1の方法では、工程(c)及び(d)は続けて又は同時に行うことができる。特に、好ましい実施の形態では、工程(d)の蛍光標識抗体は工程(b)において形成される溶解及び可溶化溶液中に含有され、そのためそれぞれの溶液を表面と接触させることで工程(c)及び(d)を同時に行うことができる。
好ましい実施の形態によると、本発明の上記の第1の方法は3回以上、より好ましくは2回以上の液体操作工程を必要としない。この関連で、「液体操作工程」という表現は本明細書で使用される場合、概して作用部位から及び/又は作用部位へと液体を移動、除去又は添加する任意の工程を含む。例えば本発明による液体操作工程は、例えばピペット操作によって液体をキュベット、マイクロタイタープレート若しくは試験カートリッジのウェルへと添加すること、又は液体をかかるウェルから取り出すことを含む。さらに、別の好ましい実施の形態によると、本発明の上記の第1の方法は任意の洗浄工程を含まない。
特に、本発明の第1の方法は好ましくは工程(d)の蛍光標識抗体等の過剰な反応物を含有する容量を除去する、及び/又は工程(a)の抗体及び/又は測定対象の複合体が結合した表面を洗浄する任意の工程を必要としない。これにより、本発明の上記の第1の方法は有利に加速して所望の測定結果が迅速に得られ、この方法を行う際の廃液の蓄積及び操作上の誤りが回避される。
この関連で、本発明の更なる実施の形態では、上で規定した第1の方法は一工程方法である。本発明によると、「一工程」方法とは、複合体形成反応を1回のみ行うことを意味し、これは概して所望の測定結果を得るために操作者が1回のみ又は多くとも2回の液体操作工程を行う必要がある。このため、最初の複合体形成後のより多くの試薬の添加等の更なる反応工程が有利に回避される。
さらに、本発明の更なる実施の形態は液体撹拌を含まない上で規定した方法に関する。この関連で、「液体撹拌」という表現は特に限定されず、自然拡散を除く液体中で生じる任意のタイプの撹拌を含む。例えば、本発明の意味における液体撹拌は振盪、ポンピング、かき混ぜ、超音波撹拌等を含む。自然発生的な拡散を除く任意の液体撹拌を回避することで、この方法を単純かつ効果的に行うことができ、これによりそれぞれの撹拌デバイスを含む複雑な技術的構成が回避される。
上で規定される第1の方法の更なる実施の形態によると、工程(g)において決定される結果は工程(c)の開始から30分以内、好ましくは20分以内、より好ましくは10分以内に得られる。本発明によると、定性的又は定量的な結果は溶解及び可溶化したサンプル並びに工程(d)の蛍光標識抗体を含有する溶液を工程(a)の抗体が結合した表面と接触させてから30分以内、好ましくは20分以内、より好ましくは10分以内に得られる。好ましくは、結果は9分以内、8分以内又は7分以内に得られる。更なる例としては6分以内、5分以内又は4分以内の期間が挙げられる。
本発明の上記の第1の方法の更なる実施の形態によると、工程(e)の前に、上記表面を工程(d)の抗体の蛍光標識の吸収域及び/又は発光域において吸収する少なくとも1つの色素(dye)と接触させる。本発明によると容量中のフルオロフォア、すなわち表面結合複合体の一部でないフルオロフォアの励起は、表面と接触して配置される溶液に該フルオロフォアの吸収域及び/又は発光域で吸収を有する少なくとも1つの色素が添加されている場合に抑制することができる。容量に添加した色素の吸収は上記フルオロフォアの吸収域及び/又は発光域と調和する。個々の一色素又は色素の混合物を使用することができる。フルオロフォアの吸収域は概して使用する光源の波長と相関する。色素がこの特別な範囲に吸収極大を有する必要はなく、吸収スペクトルのショルダーは十分である可能性がある。例えば、APC又はCy5のようなフルオロフォアを使用する場合、使用される色素は例えばBrilliant Blue FCFのように600nm〜700nmの間に吸収を有し得る。この点において使用することができる色素の別の例はBrilliant Black BNである。添加する色素の濃度は溶液中の各々の色素の吸収係数及び放射光の周波数の両方に応じて異なる。色素の濃度は、透過光が基本的に表面から0.1mm以内で90%超の吸光度(absorbance)の程度まで吸収され得るように色素に応じて調整することができる。
本発明の上記の第1の方法の工程(e)〜(g)によると、該方法の工程(a)〜(d)で生成する表面結合複合体を光源のエバネッセント場によって励起し、該複合体から発される蛍光を測定し、少なくとも1つの対象のHPAを測定される発された蛍光に基づいて検出し、陽性の蛍光シグナルは上記複合体の存在、ひいては少なくとも1つの対象のHPAの存在を示す。
この関連で「光源」という用語は本明細書で使用される場合、特に限定されず、エバネッセント場を生じ、工程(d)の抗体に結合したフルオロフォアを励起するのに適した任意の光源を含む。例えば、単色光を光源として使用してもよい。好ましくはフルオロフォアの発光を妨げず、好ましくは色素の吸収バンドと交差する波長を有する光を使用するものとする。635nmの波長の光を発するレーザーが光源として特に好ましい。
本発明の上記の第1の方法は、欧州特許第1079226号、欧州特許第1204856号及び欧州特許第1371967号に記載されるように、結合したフルオロフォアのエバネッセント場励起を用いて生体分子を分析し、結合事象をリアルタイムに直接測定する新たな技術に基づくものである。このエバネッセント場バイオセンサーの機能原理は、表面結合分析物と溶液中のリガンドとの非共有相互作用による相互作用である。溶液中のリガンドは蛍光分子に共有結合する。蛍光分子の好ましい励起は例えばレーザーダイオードによって生じるようなコヒーレント光であり、続いて発された光子を検出する。これに好適なフルオロフォアは例えばCy5、Alexa色素、Dylight又は集光性タンパク質アロフィコシアニン(APC)である。
生化学的反応はELISAウェルと形態及び寸法が同様であり、付加的な光学的実体(optical entity)を底部に有する小ウェルにおいて行われる。ELISAと同様に、バイオセンサーウェル及びその光学的底部部分は例えばポリスチレンのような熱可塑性材料の射出成形によって作製される。ELISA法とエバネッセントバイオセンサー法との大きな違いは溶液中のリガンドの標識である。ELISAでは標識は酵素であり、エバネッセント技術ではリガンドは蛍光分子で標識される。結合したフルオロフォア、すなわちエバネッセント表面に固定化された分析物に結合する溶液中の蛍光性リガンドの測定は、エバネッセント場励起原理を用いて、結合した蛍光標識リガンドの特異的な励起によって達成される。結合したフルオロフォアの選択的な励起は光学的構成を用いた光のエバネッセント場によって起こり、ウェルの底部に位置するおよそ200nm厚の液体層の特異的な励起が生じ、結合表面上の溶液中に過剰に存在する蛍光標識リガンドを励起しない。エバネッセント場に存在する蛍光標識リガンドのみが励起され、光子を放出する。この方法は可溶性リガンドと固定化リガンドとの結合反応のリアルタイムでの観察を可能にする。
in vitro診断検査に用いられる大抵の免疫アッセイは、バイオマーカーの結果を得るためにインキュベーション時間、洗浄、二次若しくは三次試薬又は溶液の添加を含む長く単調な手順を有するが、エバネッセントバイオセンサーはin vitro診断アッセイを短時間で行うことを可能にする。ELISAの自動化又はビーズベースの免疫アッセイについての複雑なコストのかかる計装は、エバネッセントバイオセンサーを診断用途に用いる場合に要求されず、必要とされない。
関連する側面では、本発明は、少なくとも工程(a)の抗体が結合した少なくとも1つの表面を含む本発明による上記の第1の方法を行うための第1の診断試験デバイスに関する。
この側面では、表面、工程(a)の抗体、工程(b)において使用される好適な溶解剤及び可溶化剤、並びに工程(d)の蛍光標識抗体は上で規定した通りである。さらに、上で与えられる定義は本発明のこの側面にも適用される。
好ましくは本発明の上記の第1の診断試験デバイスはキュベット、マイクロタイタープレート又は試験カートリッジの形態であり、好ましくはガラス又はプラスチック、好ましくはポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート及び/又はこれらのプラスチックの混合物及びブレンド等のプラスチックで作られる。原則として、可視範囲の光を基本的に吸収しない任意のプラスチックが好適である。一実施の形態では、プラスチックは例えば散乱光に起因する発光を取り除くために明るい青色に染色されていてもよい。プラスチックキュベット、マイクロタイタープレート及び試験カートリッジは射出成形によって安価に得ることができ、好ましくは1μl〜400μl、特に好ましくは5μl〜100μl、最も好ましくは10μl〜40μlの反応容量を有する。本発明のキュベット、マイクロタイタープレート又は試験カートリッジは一体となっているのが好ましい。
この関連で、「試験カートリッジ」という表現は特に限定されず、工程(a)の抗体が結合し、それぞれの溶液又は反応物と接触し得る表面を与えるために使用することができる任意の物体を含む。例えば試験カートリッジは、特定の測定要件に対して予め調整した多数の完全に分離した測定ウェルを含む使い捨て測定カートリッジであり得る。
この関連で、典型的な試験カートリッジは多数のウェルを有し、多数のアッセイを並行して行うことができる。それぞれの例としては、試験の性能を制御するための陽性及び陰性の内部対照を任意に含む、幾つかの同種抗原の同時のタイピングが挙げられる。別の例は1つ又は複数の同種抗原のタイピング及び検量線の同時の確立であり得る。
別の態様では、本発明は、サンプル中のヒト血小板同種抗原(HPA)に対するヒト抗体を検出する第2の方法であって、
(a)少なくともヒト血小板又は血小板膜画分が結合した少なくとも1つの表面を供給する工程であって、該血小板又は血小板膜画分上に存在する対象の上記HPAが既知である工程と、
(b)上記表面と上記サンプルとを接触させる工程であって、上記サンプル中に含有される上記血小板又は血小板膜画分上に存在する上記HPAに対するヒト抗体を、工程(a)の上記血小板又は血小板膜画分への特異的結合によって上記表面上に固定化する工程と、
(c)上記表面と蛍光標識検出剤とを接触させる工程であって、該検出剤が上記血小板又は血小板膜画分上に存在する上記HPAに対するヒト抗体に特異的に結合し、該検出剤、上記サンプル中に含有されるそれぞれのヒト抗体、及び工程(a)の上記ヒト血小板又は血小板膜画分が表面結合複合体を形成する工程と、
(d)上記表面結合複合体を光源のエバネッセント場によって励起する工程と、
(e)上記表面結合複合体から発される蛍光を測定する工程と、
(f)上記血小板又は血小板膜画分上に存在する上記HPAに対するヒト抗体を、工程(e)において測定される上記発された蛍光に基づいて検出する工程と、
を含む、方法に関する。
この態様では、「検出」という用語は特に限定されず、対象のHPAに対するヒト抗体の定性的測定のみを含むものではなく、その定量的決定を明白に含むものである。この関連で、「定性的」とは本明細書で使用される場合、特定のサンプルにおける対象の抗体の有無の決定を意味し、「定量的」という用語は本明細書で使用される場合、特定のサンプルにおける検出対象の抗体の含量又は量の測定を意味する。
本発明の上記の第2の方法による検出対象の抗体は特に限定されず、HPAに対する任意の抗体を含む。上記HPAはHPA−1a、HPA−1b、HPA−2a、HPA−2b、HPA−3a、HPA−3b、HPA−4a、HPA−4b、HPA−5a、HPA−5b、HPA−6a、HPA−6b、HPA−7a、HPA−7b、HPA−8a、HPA−8b、HPA−9a、HPA−9b、HPA−10a、HPA−10b、HPA−11a、HPA−11b、HPA−12a、HPA−12b、HPA−13a、HPA−13b、HPA−14a、HPA−14b、HPA−15a及びHPA−15bからなる群から選択されるのが好ましい。より好ましくは、上記HPAはHPA−1a、HPA−1b、HPA−3a、HPA−3b、HPA−4a、HPA−4b、HPA−5a及びHPA−5bからなる群から選択される。更により好ましくは、上記HPAはHPA−1a及びHPA−5bからなる群から選択される、すなわちHPA−1a及び/又はHPA−5bに対する抗体を検出する。
本発明の上記の第2の方法によると、1つのHPA又はそれ以上のHPAに対する抗体、例えば異なるHPAに対する2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上の抗体が検出される。これらの実施の形態では、それに応じた数の表面を工程(a)において供給する、例えば2つのHPAに対する抗体を検出する場合、2つの表面を供給する。さらに、工程(a)において供給した全ての表面を工程(b)及び(c)において接触させる。さらに、全ての表面結合複合体を工程(d)において励起し、工程(e)において測定し、それぞれの抗体の全てを工程(f)において検出する。
この関連で、本発明の上記の第2の方法は多重方法として行うことができる、すなわち2つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ又はそれ以上の異なる血小板又は血小板膜画分を、例えば全てのHPA又は血小板同種抗原がカバーされ得るように表面上の異なる位置にコーティングすることができる。例えば本発明によると、単一マイクロチップを、対象の全てのHPAをカバーするような血小板又はそのフラグメントの選択を用いる、上で規定される第2の方法に使用することができ、これによりサンプル中の抗HPA抗体の簡単かつ迅速な決定が可能となる。
本発明の上記の第2の方法において分析されるサンプルは、HPAに対する抗体を含有する又は含有する疑いがあるサンプルである限りにおいて特に限定されない。該サンプルは血漿及び血清からなる群から選択されるのが好ましい。
「表面を接触させる」又は「上記表面を接触させる」という用語は、この側面において使用される場合、例えば血小板若しくは血小板膜画分、ブロッキング剤、血小板−抗体複合体又は本発明の方法において生じ得る他の複合体で飽和した表面の接触に関することを意図する。例えば上記の第2の方法の工程(b)では表面がヒト血小板又は血小板膜画分及び任意にブロッキング剤で飽和しており、したがって実際には接近可能でないため、サンプルが実際には表面ではなく、表面に結合した工程(a)のヒト血小板若しくは血小板膜画分又は任意にブロッキング剤と接触することが当業者には理解される。しかしながら上記の用語は、表面を見るだけで、任意の所与の時点で該表面に実際に何が結合するかを知ることになる本発明に取り組む実践者の巨視的観点を反映するために選ばれている。
本発明の上記の第2の方法において準備される表面は、特に限定されず、当該技術分野で既知の材料で作られる。好ましくはかかる材料はガラス又はプラスチック、好ましくはポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート及び/又はこれらのプラスチックの混合物及びブレンド等のプラスチックである。原則として、可視範囲の光を基本的に吸収しない任意のプラスチックが好適である。一実施の形態では、プラスチックは例えば散乱光に起因する発光を取り除くために明るい青色に染色されていてもよい。上記の表面は例えばキュベット、又はマイクロタイタープレート若しくは試験カートリッジのウェルのような凹形容器の内部であるのが好ましい。かかるキュベット、マイクロタイタープレート及び試験カートリッジは射出成形によって安価に得ることができ、好ましくは1μl〜400μl、特に好ましくは5μl〜100μl、最も好ましくは10μl〜40μlの反応容量を有する。キュベット、マイクロタイタープレート又は試験カートリッジは一体となっているのが好ましい。この関連で、「試験カートリッジ」という表現は特に限定されず、本発明の上記の第2の方法の工程(a)のヒト血小板又は血小板膜画分が結合し、それぞれの溶液又は反応物と接触し得る表面を与えるために使用することができる任意の物体を含む。例えば試験カートリッジは、特定の測定要件に対して予め調整した多数の完全に分離した測定ウェルを含む使い捨て測定カートリッジであり得る。
この側面で使用される場合、「結合した」という用語は、工程(a)のヒト血小板又は血小板膜画分が吸収(直接吸収)によって表面に付着していることを意味するのが好ましい。しかしながら、該ヒト血小板又は血小板膜画分は架橋要素、例えば抗体、例えばgpVI又はβ−2−ミクログロブリン等の通常の血小板表面抗原に対する抗体のようなタンパク質を介して表面に結合していてもよい。別の可能性は血小板又は血小板膜画分をビオチン化し、それらをアビジン又はストレプトアビジンでコーティングした表面に結合することであり得る。上記ヒト血小板又は血小板膜画分は共有結合によって表面に結合していてもよい。これは例えばカルボジイミドでの変換によるアクリレート表面を用いて生じさせることができる。さらに、本発明の意味における「結合した」という用語は表面又は別のリガンドへの付着を含み、例えばイオン相互作用、極性相互作用又は非極性相互作用に基づく相互作用のような共有相互作用及び非共有相互作用の両方を含む。
この側面では、工程(a)のヒト血小板又は血小板膜画分を通常の方法によって表面上に配置することができる。例えば、上記ヒト血小板又は血小板膜画分を表面上にコーティングすることができる。この工程の後、表面を好ましくは別の溶液で処理し、上記ヒト血小板又は血小板膜画分に付着していない表面上の部位が例えばタンパク質によってブロッキングされているか又はブロッキングされる。
本発明の上記の第2の方法によると、工程(a)の血小板又は血小板膜画分は複合体を形成することができ、この複合体は上記血小板又は血小板膜画分に加えて、工程(c)の蛍光標識検出剤及び検出対象のHPAに対するヒト抗体を少なくとも含む。工程(a)の血小板又は血小板膜画分が表面に結合することで、上記複合体が表面に「固着し」、すなわち表面に固定され、フルオロフォアを含有する工程(c)の蛍光標識検出剤でマーキングすることによって同時に検出することができる。
本発明の上記の第2の方法の工程(a)のヒト血小板又は血小板膜画分は、該血小板又は血小板膜画分上に存在する対象のHPAが既知であるヒト血小板又は血小板膜画分が使用される限りにおいて特に限定されない。例としては、HPA−1aに対する抗体を検出する場合、HPA−1a陽性のヒト血小板又は血小板膜画分を工程(a)において使用する必要がある。既知のHPAを保有するヒト血小板又は血小板膜画分を得る方法は特に限定されず、当該技術分野で既知である。血小板膜画分を生成する一方法は例えば血小板を例えば化学的及び/又は機械的に溶解し、膜画分をその溶解性に基づいて水性バッファー中で精製することである。代替手段は膜をその密度に基づいて例えば超遠心分離による重力場での沈降によって精製することである。膜を調製する別の方法はスクロース密度遠心分離である。この方法では、固体スクロースを低張細胞溶解物に好ましくは70%の濃度まで添加する。次いで、混合物を好ましくは超遠心分離機で遠心分離し、膜をスクロース溶液上に浮遊させる。膜を浮遊させる最小スクロース濃度は35%であり、これにより70%スクロース溶解物を55%スクロースクッション及び55%クッションの上の35%クッションと重層することによって段階勾配を得ることができる。代替手段は、小膜状リポソームを超音波処理及び/又はフレンチプレスによって生成し、続いて任意にサイジング工程を行うことである。この関連で、「血小板膜画分」という用語は本明細書で使用される場合、幾つかの実施の形態では血小板由来リポソームを包含する。血小板由来リポソームを生成する又は得る手段は特に限定されず、当該技術分野で既知である。
さらに、本発明の上記の第2の方法の工程(c)の蛍光標識検出剤は、上記血小板又は血小板膜画分上に存在するHPAに対するヒト抗体に特異的に結合することができる限りにおいて特に限定されない。
特定の一実施の形態では、上記検出剤はヒト抗体に対する蛍光標識抗体である。この実施の形態では上記抗体は特に限定されず、好適な抗体は当該技術分野で既知であり、例えば市販のものであり得る。かかる抗体はそのアイソタイプ又は起源に関して特に限定されない。この関連で例示的な抗体は例えばネズミIgG抗体であり得る。さらに、この実施の形態では上記抗体の蛍光標識は、光源のエバネッセント場によって励起された場合に蛍光を発することができる限りにおいて特に限定されない。好適な蛍光標識は当該技術分野で既知である。好ましい実施の形態では、上記蛍光標識はアロフィコシアニン(APC)である。
この関連で本発明の全態様に関して、驚くべきことに、例えば1ml当たり5μg〜20μgというむしろ高い濃度で存在する可溶性蛍光標識リガンドはIgG等の免疫グロブリンの2つの結合部位に結合せず、ひいては免疫グロブリンを不活性化せず、期待シグナルを低減又は消失させることがない。この影響が低いIgG濃度で特に予想されるという予想に反して、かかる問題は観察されなかった。したがって有利なことに、例えば溶液1ml当たり0.1μg〜200μg、1μg〜100μg又は2μg〜50μg(例えば1ml当たり約10μg)というむしろ高い濃度で標識抗原を使用することが可能であり、例えば1ml当たり1ng〜1500ng、10ng〜1000ng若しくは20ng〜500ng、又はそれ以下(例えば1ml当たり約100ng以下)という顕著に低い濃度であってもIgGを検出することができる。
別の特定の実施の形態では、上記検出剤は、蛍光標識血小板又は血小板膜画分であり、該血小板又は血小板膜画分が工程(a)の上記血小板又は血小板膜画分と同じHPAを保有する。前者は、蛍光標識されている以外は工程(a)の血小板又は血小板膜画分と同一であるのが好ましい。この実施の形態では、上記血小板又は血小板膜画分の蛍光標識は、光源のエバネッセント場によって励起された場合に蛍光を発することができる限りにおいて特に限定されない。好適な蛍光標識は当該技術分野で既知である。好ましい実施の形態では、上記蛍光標識は血小板膜と結合する親油性蛍光色素、例えばカルボシアニン誘導体である。好適な親油性色素及び血小板の標識化方法は特に限定されず、当該技術分野で既知である。例示的な色素はebiosienceのCellVue色素シリーズ又はMolecular Probesから入手可能な色素である。代替的には、血小板を、血小板表面抗原に対する蛍光標識抗体を介して、又は血小板若しくは血小板膜画分のビオチン化及び蛍光標識アビジン若しくはストレプトアビジンとの相互作用を介して、標識することができる。
この関連で、本発明の上記の第2の方法では、全て共通して物理的プロセス又はデタージェントの可溶化活性によって変性されていない未変性糖タンパク質が存在する、血小板若しくは血小板フラグメント又は血小板由来リポソームが主に使用されることに留意することが重要である。これは特に、本質的にコンフォメーションの制限された形態で存在することが多く、物理的処理、結合事象又は更にはデタージェント処理等の活性化の際にコンフォメーションが変化し、続いて不活性化血小板上に存在する抗原としてのその機能及び特徴の点で異なる形態の未変性糖タンパク質となる血小板糖タンパク質について重要である。
本発明の上記の第2の方法の工程(c)の検出剤との関連で使用される場合、「抗体」という用語はそれぞれの抗体自体のみを指すものではなく、該抗体の任意のフラグメント及び誘導体も、該フラグメントが同じエピトープに特異的に結合する能力を保持する限りにおいて含む。それぞれのフラグメントはFabフラグメント、F(ab’)フラグメント又はF(ab’)フラグメントであり得る。さらに、抗体又は抗体フラグメントの代わりに、エピトープに特異的に結合する能力を有する任意の他の巨大分子を使用することができる。かかる巨大分子としては、例えばヌクレオチドアプタマー、ペプチドアプタマー、ナノボディ、アフィボディ、アンチカリン、DARPin、フィロマー、AdNectin及びプロテインAが挙げられる。
本発明の上記の第2の方法において検出されるHPAに対するヒト抗体は特に限定されず、好ましくはIgG抗体、IgA抗体、IgE抗体及びIgM抗体からなる群から選択される。この関連で、上記方法によって検出される抗体は主に同種抗体である。このように、療法は工程(a)の適切な血小板を選ぶことによって指向することができる。しかしながら、上記抗体は工程(a)で示される同種抗原プロファイルと関連しない自己抗体であってもよい。それぞれの自己抗体が、通例妊娠により生じる予め形成された抗HPA−1a抗体が発展して自己抗体となるPTPの原因となる。
本発明の上記の第2の方法では、工程(b)及び(c)は続けて又は同時に行うことができる。特に、好ましい実施の形態では、表面を接触させる前に工程(c)の蛍光標識検出剤を任意に希釈したサンプルと合わせることができ、それぞれの溶液を表面と接触させる場合に工程(b)及び(c)を同時に行う。したがって、工程(b)及び(c)を同時に行うためには、表面を任意に希釈したサンプルと接触させるだけでよい。
好ましい実施の形態によると、本発明の上記の第2の方法は3回以上、より好ましくは2回以上の液体操作工程を必要としない。この関連で、「液体操作工程」という表現は本明細書で使用される場合、概して作用部位から及び/又は作用部位へと液体を移動、除去又は添加する任意の工程を含む。例えば本発明による液体操作工程は、例えばピペット操作によって液体をキュベット、マイクロタイタープレート若しくは試験カートリッジのウェルへと添加すること、又は液体をかかるウェルから取り出すことを含む。さらに、別の好ましい実施の形態によると、本発明の上記の第2の方法は任意の洗浄工程を含まない。
特に、本発明の第2の方法は好ましくは工程(c)の蛍光標識検出剤等の過剰な反応物を含有する容量を除去する、及び/又は工程(a)の血小板又は血小板膜画分及び/又は測定対象の複合体が結合した表面を洗浄する任意の工程を必要としない。これにより、本発明の上記の第2の方法は有利に加速して所望の測定結果が迅速に得られ、この方法を行う際の廃液の蓄積及び操作上の誤りが回避される。
この関連で、本発明の更なる実施の形態では、上で規定した第2の方法は一工程方法である。本発明によると、「一工程」方法とは、概して所望の測定結果を得るために操作者が1回のみ又は多くとも2回の液体操作工程を行う必要がある複合体形成反応を1回のみ行うことを意味する。このため、最初の複合体形成後のより多くの試薬の添加等の更なる反応工程が有利に回避される。
さらに、本発明の更なる実施の形態は液体撹拌を含まない上で規定した方法に関する。この関連で、「液体撹拌」という表現は特に限定されず、自然拡散を除く液体中で生じる任意のタイプの撹拌を含む。例えば、本発明の意味における液体撹拌は振盪、ポンピング、かき混ぜ、超音波撹拌等を含む。自然発生的な拡散を除く任意の液体撹拌を回避することで、この方法を単純かつ効果的に行うことができ、これによりそれぞれの撹拌デバイスを含む複雑な技術的構成が回避される。
上で規定される第2の方法の更なる実施の形態によると、工程(f)において決定される結果は工程(b)の開始から30分以内、好ましくは20分以内、より好ましくは10分以内に得られる。本発明によると、定性的又は定量的な結果はサンプル及び工程(c)の蛍光標識検出剤を含有する溶液を工程(a)の血小板又は血小板膜画分が結合した表面と接触させてから30分以内、好ましくは20分以内、より好ましくは10分以内に得られる。好ましくは、結果は9分以内、8分以内又は7分以内に得られる。更なる例としては6分以内、5分以内又は4分以内の期間が挙げられる。
本発明の上記の第2の方法の更なる実施の形態によると、工程(d)の前に、上記表面を工程(c)の検出剤の蛍光標識の吸収域及び/又は発光域において吸収する少なくとも1つの色素と接触させる。本発明によると容量中のフルオロフォア、すなわち表面結合複合体の一部でないフルオロフォアの励起は、表面と接触して配置される溶液に該フルオロフォアの吸収域及び/又は発光域で吸収を有する少なくとも1つの色素が添加されている場合に抑制することができる。容量に添加した色素の吸収は上記フルオロフォアの吸収域及び/又は発光域と調和する。個々の一色素又は色素の混合物を使用することができる。フルオロフォアの吸収域は概して使用する光源の波長と相関する。色素がこの特別な範囲に吸収極大を有する必要はなく、吸収スペクトルのショルダーは十分である可能性がある。例えば、APC又はCy5のようなフルオロフォアを使用する場合、使用される色素は例えばBrilliant Blue FCFのように600nm〜700nmの間に吸収を有し得る。この点において使用することができる色素の別の例はBrilliant Black BNである。添加する色素の濃度は溶液中の各々の色素の吸収係数及び放射光の周波数の両方に応じて異なる。色素の濃度は、透過光が基本的に表面から0.1mm以内で90%超の吸光度の程度まで吸収され得るように色素に応じて調整することができる。
本発明の上記の第2の方法の工程(d)〜(f)によると、該方法の工程(a)〜(c)で生成する表面結合複合体を光源のエバネッセント場によって励起し、該複合体から発される蛍光を測定し、対象のHPAに対するヒト抗体を測定される発された蛍光に基づいて検出し、陽性の蛍光シグナルは上記複合体の存在、ひいては対象のHPAに対するヒト抗体の存在を示す。
この関連で「光源」という用語は本明細書で使用される場合、特に限定されず、エバネッセント場を生じ、工程(c)の検出剤に結合したフルオロフォアを励起するのに適した任意の光源を含む。例えば、単色光を光源として使用してもよい。好ましくはフルオロフォアの発光を妨げず、好ましくは色素の吸収バンドと交差する波長を有する光を使用するものとする。635nmの波長の光を発するレーザーが光源として特に好ましい。
本発明の上記の第2の方法は、欧州特許第1079226号、欧州特許第1204856号及び欧州特許第1371967号に記載されるように、結合したフルオロフォアのエバネッセント場励起を用いて生体分子を分析し、結合事象をリアルタイムに直接測定する新たな技術に基づくものである。このエバネッセント場バイオセンサーの機能原理は、表面結合分析物と溶液中のリガンドとの非共有相互作用による相互作用である。溶液中のリガンドは蛍光分子に共有結合する。蛍光分子の好ましい励起は例えばレーザーダイオードによって生じるようなコヒーレント光であり、続いて発された光子を検出する。これに好適なフルオロフォアは例えばCy5、Alexa色素、Dylight又は集光性タンパク質アロフィコシアニン(APC)である。
生化学的反応はELISAウェルと形態及び寸法が同様であり、付加的な光学的実体を底部に有する小ウェルにおいて行われる。ELISAと同様に、バイオセンサーウェル及びその光学的底部部分は例えばポリスチレンのような熱可塑性材料の射出成形によって作製される。ELISA法とエバネッセントバイオセンサー法との大きな違いは溶液中のリガンドの標識である。ELISAでは標識は酵素であり、エバネッセント技術ではリガンドは蛍光分子で標識される。結合したフルオロフォア、すなわちエバネッセント表面に固定化された分析物に結合する溶液中の蛍光性リガンドの測定は、結合した蛍光標識リガンドのエバネッセント場励起原理を用いた特異的な励起によって達成される。結合したフルオロフォアの選択的な励起は、ウェルの底部に位置するおよそ200nm厚の液体層の特異的な励起を生じ、結合表面上の溶液中に過剰に存在する蛍光標識リガンドを励起しない光学的構成を用いた光のエバネッセント場によって起こる。エバネッセント場に存在する蛍光標識リガンドのみが励起され、光子を放出する。この方法は可溶性リガンドと固定化リガンドとの結合反応のリアルタイムでの観察を可能にする。
in vitro診断検査に用いられる大抵の免疫アッセイは、バイオマーカーの結果を得るためにインキュベーション時間、洗浄、二次若しくは三次試薬又は溶液の添加を含む長く単調な手順を有するが、エバネッセントバイオセンサーはin vitro診断アッセイを短時間で行うことを可能にする。ELISAの自動化又はビーズベースの免疫アッセイについての複雑なコストのかかる計装は、エバネッセントバイオセンサーを診断用途に用いる場合に要求されず、必要とされない。
関連の側面では、本発明は、本発明による上記の第2の方法を行うための第2の診断試験デバイスであって、少なくとも工程(a)のヒト血小板又は血小板膜画分が結合した少なくとも1つの表面を含み、該血小板又は血小板膜画分上に存在するHPAが既知である、第2の診断試験デバイスに関する。
この側面では、表面、工程(a)のヒト血小板又は血小板膜画分、及び工程(c)の蛍光標識検出剤は上で規定した通りである。さらに、上で与えられる定義は本発明のこの側面にも適用される。
驚くべきことに、また予想外に、エバネッセント場の幾何学的寸法及び典型的な血小板の寸法を考慮すると、エバネッセント場の高さが200nmであり、検知表面のコーティングに使用される血小板の直径が1μm〜4μmであっても、シグナルを観察することができる。コーティングされた血小板及び血小板膜のごく少数がエバネッセント場内にあり、したがって吸収の結果として蛍光シグナルを発することができる一方で、2μm〜3μmの血小板及び血小板表面抗原の大部分がエバネッセント場外にある。これにより、生物学的分析物の寸法に対するシステムのむしろ高い安定性が示される。さらに予想に反して、細胞/微生物(例えばレジオネラ菌及びサルモネラ菌等の細菌)の全体及び/又は大細胞フラグメントを本発明のアッセイにおいて使用することが効果的に可能である。これによりはるかに容易なサンプル調製が可能となり、許容可能な分析物に関してより多用途のシステムが提供される。
さらに、コーティングされた血小板及び血小板フラグメントが、ELISA試験の標識として一般に使用される酵素であるペルオキシダーゼ及びホスファターゼ等の酵素及び酵素活性に富んでいることにも留意すべきである。これらの内因性酵素は酵素標識由来のシグナルと重なり、望ましくないバックグラウンドシグナルを生じる。しかしながら、(例えば波長635nmでの)エバネッセント励起を用いた蛍光検出により、これらの汚染酵素に起因する任意の問題が全て回避される。
本発明の上記の第2の診断試験デバイスはキュベット、マイクロタイタープレート又は試験カートリッジの形態であり、好ましくはガラス又はプラスチック、好ましくはポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート及び/又はこれらのプラスチックの混合物及びブレンド等のプラスチックで作られる。原則として、可視範囲の光を基本的に吸収しない任意のプラスチックが好適である。一実施の形態では、プラスチックは例えば散乱光に起因する発光を取り除くために明るい青色に染色されていてもよい。プラスチックキュベット、マイクロタイタープレート及び試験カートリッジは射出成形によって安価に得ることができ、好ましくは1μl〜400μl、特に好ましくは5μl〜100μl、最も好ましくは10μl〜40μlの反応容量を有する。本発明のキュベット、マイクロタイタープレート又は試験カートリッジは一体となっているのが好ましい。
この関連で、「試験カートリッジ」という表現は特に限定されず、工程(a)のヒト血小板又は血小板膜画分が結合し、それぞれの溶液又は反応物と接触し得る表面を与えるために使用することができる任意の物体を含む。例えば試験カートリッジは、特定の測定要件に対して予め調整した多数の完全に分離した測定ウェルを含む使い捨て測定カートリッジであり得る。
この関連で、典型的な試験カートリッジは多数のウェルを有し、多数のアッセイを並行して行うことができる。
本発明の更なる概略的な実施の形態によると、上述の血小板コーティング試験カートリッジは、該コーティング試験カートリッジに対してスクロース洗浄工程を用い、続いて任意に風乾工程をおこなうことによって保存される。驚くべきことに、この手順により極めてロバストな試験がもたらされる。
別の態様では、本発明は、サンプル中のヒト血小板同種抗原(HPA)に対するヒト抗体を検出する第3の方法であって、
(a)少なくとも1回の血小板抗原のモノクローナル抗体固定化(MAIPA)アッセイを行い、対象のHPAを保有する少なくとも1つの血小板糖タンパク質、該少なくとも1つの血小板糖タンパク質に対する少なくとも1つの抗体、及び上記HPAに対する対象のヒト抗体で作られる少なくとも1つの3分子複合体を生成する工程であって、該ヒト抗体が上記サンプル中に含有される工程と、
(b)上記少なくとも1つの血小板糖タンパク質に対する少なくとも1つの抗体に対する抗体が少なくとも結合した少なくとも1つの表面を供給する工程と、
(c)上記表面と上記3分子複合体とを接触させる工程であって、該3分子複合体を工程(b)の上記抗体への特異的結合によって該表面に固定化する工程と、
(d)上記表面とヒト抗体に対する蛍光標識抗体とを接触させる工程であって、該蛍光標識抗体、上記3分子複合体及び工程(b)の上記抗体が表面結合複合体を形成する工程と、
(e)上記表面結合複合体を光源のエバネッセント場によって励起する工程と、
(f)上記表面結合複合体から発される蛍光を測定する工程と、
(g)上記HPAに対するヒト抗体を、工程(f)において測定される上記発された蛍光に基づいて検出する工程と、
を含む、方法に関する。
この側面では、「検出」という用語は特に限定されず、対象のHPAに対するヒト抗体の定性的測定のみを含むものではなく、その定量的決定を明白に含むものである。この関連で、「定性的」とは本明細書で使用される場合、特定のサンプルにおける対象の抗体の有無の決定を意味し、「定量的」という用語は本明細書で使用される場合、特定のサンプルにおける検出対象の抗体の含量又は量の測定を意味する。
本発明の上記の第3の方法による検出対象の抗体は特に限定されず、HPAに対する任意の抗体を含む。上記HPAはHPA−1a、HPA−1b、HPA−2a、HPA−2b、HPA−3a、HPA−3b、HPA−4a、HPA−4b、HPA−5a、HPA−5b、HPA−6a、HPA−6b、HPA−7a、HPA−7b、HPA−8a、HPA−8b、HPA−9a、HPA−9b、HPA−10a、HPA−10b、HPA−11a、HPA−11b、HPA−12a、HPA−12b、HPA−13a、HPA−13b、HPA−14a、HPA−14b、HPA−15a及びHPA−15bからなる群から選択されるのが好ましい。より好ましくは、上記HPAはHPA−1a、HPA−1b、HPA−3a、HPA−3b、HPA−4a、HPA−4b、HPA−5a及びHPA−5bからなる群から選択される。更により好ましくは、上記HPAはHPA−1a及びHPA−5bからなる群から選択される、すなわちHPA−1a及び/又はHPA−5bに対する抗体を検出する。
本発明の上記の第3の方法によると、1つのHPA又はそれ以上のHPAに対する抗体、例えば異なるHPAに対する2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上の抗体が検出される。これらの実施の形態では、2回以上のMAIPAアッセイを工程(a)において行い、それに応じた数の表面を工程(b)において供給する、例えば2つのHPAに対する抗体を検出する場合、2つの表面を供給する。さらに、工程(b)において準備した全ての表面を工程(c)及び(d)において接触させる。さらに、全ての表面結合複合体を工程(e)において励起し、工程(f)において測定し、それぞれの抗体の全てを工程(g)において検出する。
MAIPAアッセイは自己抗体の検出にも有用であり、これも本発明の範囲内である。患者血小板を、単にマウスモノクローナル抗体で感作した後、3分子複合体を洗浄及び可溶化することによって結合ヒトIgGについて検査する。
代替的には、1つの血小板糖タンパク質に対する1つの抗体だけでなく、それぞれの数の血小板糖タンパク質に対する2つ、3つ、4つ又はそれ以上の抗体を使用するMAIPAアッセイを工程(a)において行うことができる。例としては、gpIIbIIIa、gpIaIIa、gpIbIX及びHLA/β−2−ミクログロブリンに対する抗体を1回の反応で使用することができ、該抗体、全てのそれぞれの糖タンパク質及び該糖タンパク質上に存在するHPAに対するサンプル中に含有される全てのヒト抗体の3分子複合体が1回の反応で形成される。そして、これらの3分子複合体を本発明の上記の第3の方法において更に分析することができる。
この関連で、MAIPAアッセイ及び該アッセイを用いてそれぞれの3分子複合体を生成する方法は特に限定されず、当該技術分野で既知である。好ましくは、上記MAIPAアッセイは、
(a1)ヒト血小板又は血小板膜画分と、少なくとも1つのHPAを保有する少なくとも1つの血小板糖タンパク質に対する少なくとも1つの抗体とを接触させる工程と、
(a2)上記ヒト血小板又は血小板膜画分とサンプルとを接触させる工程であって、該サンプル中に含有される上記HPAに対するヒト抗体を該HPAに結合する工程と、
(a3)血小板を使用する場合に該血小板を溶解する工程と、
(a4)上記少なくとも1つの血小板糖タンパク質、上記ヒト抗体及び工程(a1)の上記抗体で作られる少なくとも1つの3分子複合体を可溶化する工程と、
を含む。
この関連で、血小板の溶解及び少なくとも1つの3分子複合体の可溶化は、本発明の第1の方法で血小板の溶解及び膜タンパク質の可溶化について上記されるように行うことができる。
さらに、好ましい実施の形態では、工程(a1)の抗体及び工程(a2)のヒト抗体は異なる特異性を有する、すなわち異なるエピトープに結合する。
本発明の上記の第3の方法において分析されるサンプルは、HPAに対する抗体を含有する又は含有する疑いがあるサンプルである限りにおいて特に限定されない。該サンプルは血漿及び血清からなる群から選択されるのが好ましい。
「表面を接触させる」又は「上記表面を接触させる」という用語は、この側面において使用される場合、例えば抗体、ブロッキング剤又は本発明の方法において生じ得る複合体で飽和した表面の接触に関することを意図する。例えば上記の第3の方法の工程(c)では表面が抗体及び任意にブロッキング剤で飽和しており、したがって実際には接近可能でないため、3分子複合体が実際には表面ではなく、表面に結合した工程(b)の抗体又は任意にブロッキング剤と接触することが当業者には理解される。しかしながら上記の用語は、表面を見るだけで、任意の所与の時点で該表面に実際に何が結合するかを知ることになる本発明に取り組む実践者の巨視的観点を反映するために選ばれている。
本発明の上記の第3の方法において供給される表面は、特に限定されず、当該技術分野で既知の材料で作られる。好ましくはかかる材料はガラス又はプラスチック、好ましくはポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート及び/又はこれらのプラスチックの混合物及びブレンド等のプラスチックである。原則として、可視範囲の光を基本的に吸収しない任意のプラスチックが好適である。一実施の形態では、プラスチックは例えば散乱光に起因する発光を取り除くために明るい青色に染色されていてもよい。上記の表面は例えばキュベット、又はマイクロタイタープレート若しくは試験カートリッジのウェルのような凹形容器の内部であるのが好ましい。かかるキュベット、マイクロタイタープレート及び試験カートリッジは射出成形によって安価に得ることができ、好ましくは1μl〜400μl、特に好ましくは5μl〜200μl、最も好ましくは10μl〜40μlの反応容量を有する。キュベット、マイクロタイタープレート又は試験カートリッジは一体となっているのが好ましい。この関連で、「試験カートリッジ」という表現は特に限定されず、本発明の上記の第3の方法の工程(b)の抗体が結合し、それぞれの溶液又は反応物と接触し得る表面を与えるために使用することができる任意の物体を含む。例えば試験カートリッジは、特定の測定要件に対して予め調整した多数の完全に分離した測定ウェルを含む使い捨て測定カートリッジであり得る。
この側面で使用される場合、「結合した」という用語は、工程(b)の抗体が吸収(直接吸収)によって表面に付着していることを意味するのが好ましい。しかしながら、該抗体は架橋要素、例えば更なる抗体又は抗原等のタンパク質を介して表面に結合していてもよい。上記抗体は共有結合によって表面に結合していてもよい。これは例えばカルボジイミドでの変換によるアクリレート表面を用いて生じさせることができる。さらに、本発明の意味における「結合した」という用語は表面又は別のリガンドへの付着を含み、例えばイオン相互作用、極性相互作用又は非極性相互作用に基づく相互作用のような共有相互作用及び非共有相互作用の両方を含む。
この側面では、工程(b)の抗体を通常の方法によって表面上に配置することができる。例えば、上記抗体を表面上にコーティングすることができる。この工程の後、表面を好ましくは別の溶液で処理し、上記抗体に付着していない表面上の部位が例えば別のタンパク質によってブロッキングされているか又はブロッキングされる。
本発明の上記の第3の方法によると、工程(b)の抗体は複合体を形成することができ、この複合体は該抗体に加えて、工程(a)で生成する3分子複合体及び工程(d)の蛍光標識抗体を少なくとも含む。工程(b)の抗体が表面に結合することで、工程(a)で生成する3分子複合体を含む複合体が表面に「固着し」、すなわち表面に固定され、フルオロフォアを含有する工程(d)の抗体でマーキングすることによって同時に検出することができる。
本発明の上記の第3の方法の工程(b)の抗体は、上記少なくとも1つの血小板糖タンパク質に対する少なくとも1つの抗体に対する限りにおいて、すなわち該抗体に特異的に結合する限りにおいて特に限定されない。好適な抗体は当該技術分野で既知であり、例えば市販のものであり得る。かかる抗体はそのアイソタイプ又は起源に関して特に限定されない。この関連で例示的な抗体は例えばネズミIgG抗体であり得る。
さらに、本発明の上記の第3の方法の工程(d)の蛍光標識抗体は、ヒト抗体に対する限りにおいて、すなわち該ヒト抗体に特異的に結合する限りにおいて特に限定されない。好適な抗体はそのアイソタイプ又は起源に関して特に限定されず、当該技術分野で既知である。さらに、上記抗体の蛍光標識は、光源のエバネッセント場によって励起された場合に蛍光を発することができる限りにおいて特に限定されない。好適な蛍光標識は当該技術分野で既知である。好ましい実施の形態では、上記蛍光標識はアロフィコシアニン(APC)である。
本発明の上記の第3の方法の特定の実施の形態では、工程(b)の抗体及び工程(d)の抗体は交換することができる、すなわち工程(b)の抗体はヒト抗体に対するものであり、工程(d)の蛍光標識抗体は少なくとも1つの糖タンパク質に対する少なくとも1つの抗体に対するものである。この特定の実施の形態では、上記抗体及び蛍光標識は上で規定した通りである。
本発明の上記の第3の方法の上記の工程(b)、(d)及び(a1)の抗体との関連で使用される場合、「抗体」という用語はそれぞれの抗体自体のみを指すものではなく、該抗体の任意のフラグメント及び誘導体も、該フラグメントが同じエピトープに特異的に結合する能力を保持する限りにおいて含む。それぞれのフラグメントはFabフラグメント、F(ab’)フラグメント又はF(ab’)フラグメントであり得る。さらに、抗体又は抗体フラグメントの代わりに、エピトープに特異的に結合する能力を有する任意の他の巨大分子を使用することができる。かかる巨大分子としては、例えばヌクレオチドアプタマー、ペプチドアプタマー、ナノボディ、アフィボディ、アンチカリン、DARPin、フィロマー、AdNectin及びプロテインAが挙げられる。
本発明の上記の第3の方法において検出されるHPAに対するヒト抗体は特に限定されず、好ましくはIgG抗体、IgA抗体、IgE抗体及びIgM抗体からなる群から選択される。
本発明の上記の第3の方法では、工程(c)及び(d)は続けて又は同時に行うことができる。特に、好ましい実施の形態では、表面を接触させる前に工程(d)の蛍光標識抗体を工程(a)において形成される少なくとも1つの3分子複合体を含有する溶液と合わせることができ、それぞれの溶液を表面と接触させる場合の工程(c)及び(d)を同時に行う。したがって、工程(c)及び(d)を同時に行うためには、表面を工程(a)において形成される少なくとも1つの3分子複合体を含有する溶液と接触させるだけでよい。
好ましい実施の形態によると、本発明の上記の第3の方法は3回以上、より好ましくは2回以上の液体操作工程を必要としない。この関連で、「液体操作工程」という表現は本明細書で使用される場合、概して作用部位から及び/又は作用部位へと液体を移動、除去又は添加する任意の工程を含む。例えば本発明による液体操作工程は、例えばピペット操作によって液体をキュベット、マイクロタイタープレート若しくは試験カートリッジのウェルへと添加すること、又は液体をかかるウェルから取り出すことを含む。さらに、別の好ましい実施の形態によると、本発明の上記の第3の方法は任意の洗浄工程を含まない。
特に、本発明の第3の方法は好ましくは工程(d)の蛍光標識抗体等の過剰な反応物を含有する容量を除去する、及び/又は工程(b)の抗体及び/又は測定対象の複合体が結合した表面を洗浄する任意の工程を必要としない。これにより、本発明の上記の第3の方法は有利に加速して所望の測定結果が迅速に得られ、この方法を行う際の廃液の蓄積及び操作上の誤りが回避される。
この関連で、本発明の更なる実施の形態では、上で規定した第3の方法は一工程方法である。本発明によると、「一工程」方法とは、概して所望の測定結果を得るために操作者が1回のみ又は多くとも2回の液体操作工程を行う必要がある複合体形成反応を1回のみ行うことを意味する。このため、最初の複合体形成後のより多くの試薬の添加等の更なる反応工程が有利に回避される。
さらに、本発明の更なる実施の形態は液体撹拌を含まない上で規定した方法に関する。この関連で、「液体撹拌」という表現は特に限定されず、自然拡散を除く液体中で生じる任意のタイプの撹拌を含む。例えば、本発明の意味における液体撹拌は振盪、ポンピング、かき混ぜ、超音波撹拌等を含む。自然発生的な拡散を除く任意の液体撹拌を回避することで、この方法を単純かつ効果的に行うことができ、これによりそれぞれの撹拌デバイスを含む複雑な技術的構成が回避される。
上で規定される第3の方法の更なる実施の形態によると、工程(g)において決定される結果は工程(c)の開始から30分以内、好ましくは20分以内、より好ましくは10分以内に得られる。本発明によると、定性的又は定量的な結果はサンプル及び工程(d)の蛍光標識抗体を含有する溶液を工程(b)の抗体が結合した表面と接触させてから30分以内、好ましくは20分以内、より好ましくは10分以内に得られる。好ましくは、結果は9分以内、8分以内又は7分以内に得られる。更なる例としては6分以内、5分以内又は4分以内の期間が挙げられる。
本発明の上記の第3の方法の更なる実施の形態によると、工程(e)の前に、上記表面を工程(d)の抗体の蛍光標識の吸収域及び/又は発光域において吸収する少なくとも1つの色素と接触させる。本発明によると容量中のフルオロフォア、すなわち表面結合複合体の一部でないフルオロフォアの励起は、表面と接触して配置される溶液に該フルオロフォアの吸収域及び/又は発光域で吸収を有する少なくとも1つの色素が添加されている場合に抑制することができる。容量に添加した色素の吸収は上記フルオロフォアの吸収域及び/又は発光域と調和する。個々の一色素又は色素の混合物を使用することができる。フルオロフォアの吸収域は概して使用する光源の波長と相関する。色素がこの特別な範囲に吸収極大を有する必要はなく、吸収スペクトルのショルダーは十分である可能性がある。例えば、APC又はCy5のようなフルオロフォアを使用する場合、使用される色素は例えばBrilliant Blue FCFのように600nm〜700nmの間に吸収を有し得る。この点において使用することができる色素の別の例はBrilliant Black BNである。添加する色素の濃度は溶液中の各々の色素の吸収係数及び放射光の周波数の両方に応じて異なる。色素の濃度は、透過光が基本的に表面から0.1mm以内で90%超の吸光度の程度まで吸収され得るように色素に応じて調整することができる。
本発明の上記の第3の方法の工程(e)〜(g)によると、該方法の工程(a)〜(d)で生成する表面結合複合体を光源のエバネッセント場によって励起し、該複合体から発される蛍光を測定し、対象のHPAに対するヒト抗体を測定される発された蛍光に基づいて検出し、陽性の蛍光シグナルは上記複合体の存在、ひいては対象のHPAに対するヒト抗体の存在を示す。
この関連で「光源」という用語は本明細書で使用される場合、特に限定されず、エバネッセント場を生じ、工程(d)の抗体に結合したフルオロフォアを励起するのに適した任意の光源を含む。例えば、単色光を光源として使用してもよい。好ましくはフルオロフォアの発光を妨げず、好ましくは色素の吸収バンドと交差する波長を有する光を使用するものとする。635nmの波長の光を発するレーザーが光源として特に好ましい。
本発明の上記の第3の方法は、欧州特許第1079226号、欧州特許第1204856号及び欧州特許第1371967号に記載されるように、結合したフルオロフォアのエバネッセント場励起を用いて生体分子を分析し、結合事象をリアルタイムに直接測定する新たな技術に基づくものである。このエバネッセント場バイオセンサーの機能原理は、表面結合分析物と溶液中のリガンドとの非共有相互作用による相互作用である。溶液中のリガンドは蛍光分子に共有結合する。蛍光分子の好ましい励起は例えばレーザーダイオードによって生じるようなコヒーレント光であり、続いて発された光子を検出する。これに好適なフルオロフォアは例えばCy5、Alexa色素、Dylight又は集光性タンパク質アロフィコシアニン(APC)である。
生化学的反応はELISAウェルと形態及び寸法が同様であり、付加的な光学的実体を底部に有する小ウェルにおいて行われる。ELISAと同様に、バイオセンサーウェル及びその光学的底部部分は例えばポリスチレンのような熱可塑性材料の射出成形によって作製される。ELISA法とエバネッセントバイオセンサー法との大きな違いは溶液中のリガンドの標識である。ELISAでは標識は酵素であり、エバネッセント技術ではリガンドは蛍光分子で標識される。結合したフルオロフォア、すなわちエバネッセント表面に固定化された分析物に結合する溶液中の蛍光性リガンドの測定は、結合した蛍光標識リガンドのエバネッセント場励起原理を用いた特異的な励起によって達成される。結合したフルオロフォアの選択的な励起は、ウェルの底部に位置するおよそ200nm厚の液体層の特異的な励起を生じ、結合表面上の溶液中に過剰に存在する蛍光標識リガンドを励起しない光学的構成を用いた光のエバネッセント場によって起こる。エバネッセント場に存在する蛍光標識リガンドのみが励起され、光子を放出する。この方法は可溶性リガンドと固定化リガンドとの結合反応のリアルタイムでの観察を可能にする。
in vitro診断検査に用いられる大抵の免疫アッセイは、バイオマーカーの結果を得るためにインキュベーション時間、洗浄、二次若しくは三次試薬又は溶液の添加を含む長く単調な手順を有するが、エバネッセントバイオセンサーはin vitro診断アッセイを短時間で行うことを可能にする。ELISAの自動化又はビーズベースの免疫アッセイについての複雑なコストのかかる計装は、エバネッセントバイオセンサーを診断用途に用いる場合に要求されず、必要とされない。
関連の側面では、本発明は、少なくとも工程(b)の抗体が結合した少なくとも1つの表面を含む本発明による上記の第3の方法を行うための第3の診断試験デバイスに関する。
この側面では、表面、工程(b)の抗体及び工程(d)の蛍光標識抗体は上で規定した通りである。さらに、上で与えられる定義は本発明のこの側面にも適用される。
本発明の上記の第3の診断試験デバイスはキュベット、マイクロタイタープレート又は試験カートリッジの形態であり、好ましくはガラス又はプラスチック、好ましくはポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート及び/又はこれらのプラスチックの混合物及びブレンド等のプラスチックで作られる。原則として、可視範囲の光を基本的に吸収しない任意のプラスチックが好適である。一実施の形態では、プラスチックは例えば散乱光に起因する発光を取り除くために明るい青色に染色されていてもよい。プラスチックキュベット、マイクロタイタープレート及び試験カートリッジは射出成形によって安価に得ることができ、好ましくは1μl〜400μl、特に好ましくは5μl〜200μl、最も好ましくは10μl〜40μlの反応容量を有する。本発明のキュベット、マイクロタイタープレート又は試験カートリッジは一体となっているのが好ましい。
この関連で、「試験カートリッジ」という表現は特に限定されず、工程(a)の抗体が結合し、それぞれの溶液又は反応物と接触し得る表面を与えるために使用することができる任意の物体を含む。例えば試験カートリッジは、特定の測定要件に対して予め調整した多数の完全に分離した測定ウェルを含む使い捨て測定カートリッジであり得る。
この関連で、典型的な試験カートリッジは多数のウェルを有し、多数のアッセイを並行して行うことができる。
最後の側面では、本発明は、サンプル中の(i)サンプル中に含有されるヒト血小板上の少なくとも1つのヒト血小板同種抗原(HPA)、及び(ii)ヒト血小板同種抗原(HPA)に対するヒト抗体を同時検出する第4の方法であって、
(a)本発明の上記の第1の方法を行う工程と、
(b)本発明の上記の第2又は第3の方法を行う工程と、
を含む、方法に関する。
この側面では、上記方法について上に示す全ての好ましい実施の形態及び定義が適用される。
本願では、エバネッセントバイオセンサー技術に基づく抗体アッセイのための診断血小板抗原タイピングの方法及び試験を記載した。本発明は、わずか1回又は2回の単純な操作で行われ、10分以内に結果をもたらす血小板表現型検査アッセイ及び抗体アッセイを提供する。本発明は精緻な計装、又は実践者側での血小板免疫学の深い知識を必要としない。アッセイフォーマットは独自の製品であり、10分以内にエンドユーザーに結果を与えるものである。幾つかの実施の形態によるアッセイを行うためには、利用者はサンプルを添加し、バイオセンサーリーダーで測定するだけでよい。これが唯一必要とされる手作業の工程であり、洗浄及びピペット操作等の任意の更なる操作なしに結果を利用可能である。
抗原タイピングアッセイ及び抗体検出アッセイの試験フォーマットを示す図である。(A)抗原タイピングアッセイのアッセイフォーマット。抗糖タンパク質抗体(a)をウェルの底部のセンサー表面に固定化する。サンプルに由来する血小板膜糖タンパク質(b)を、一工程アッセイにおいてフルオロフォア(星印)で共有結合的に修飾された糖タンパク質対立遺伝子特異的試薬(c)と結合する。(B)一工程及び二工程抗体アッセイのアッセイフォーマット。糖タンパク質(d)を保有する血小板(a)をセンサー表面に固定化し、患者サンプル中の抗体(b)と反応させる。これらを蛍光抗免疫グロブリン抗体(c)で検出する。(C)代替的な一工程及び二工程抗体アッセイのアッセイフォーマット。糖タンパク質(d)を保有する血小板(a)をセンサー表面に固定化し、患者サンプル中の抗体(b)と反応させる。これらを同じ糖タンパク質(d)を保有する蛍光標識血小板(c)で検出する。 MAIPAベースアッセイのアッセイスキームを示す図である。MAIPAアッセイは、血小板とヒト血漿由来の抗糖タンパク質抗体及びIgGとを結合する細胞アッセイパート(A)並びに検出パート(B)を有する。(A)血小板糖タンパク質(b)を有する血小板(a)を分析対象のヒト血漿サンプル(e)と接触させる。ヒト抗血小板抗体(d)の結合が起こり、抗血小板抗体が低減又は枯渇した血清(f)が残る。過剰なヒト血漿を手作業で洗い流す。続いて、血小板表面上の上記糖タンパク質に結合する検査対象の血小板糖タンパク質に対するモノクローナル抗体(c)を添加する。通例、4つの異なる糖タンパク質に対する4回の反応をgpIIbIIIa、gpIaIIa、gpIbIX及びHLA/β−2−ミクログロブリンに対するモノクローナル抗体を用いて行う。複合体が形成された後、(b)及び(c)が相互作用し、過剰な非結合モノクローナル抗体(c)を手作業で洗い流す。溶解バッファーを含有するデタージェントを使用することで、糖タンパク質特異的抗体(c)、血小板糖タンパク質(b)及びヒト免疫グロブリン(d)からなる3分子複合体を可溶化する。(B)一工程エバネッセントアッセイにおける3分子複合体(b)、(c)、(d)の検出。抗マウスIgG抗体(g)をバイオセンサーウェルの底部に固定化し、3分子分析物複合体(b)、(c)、(d)とインキュベートし、抗ヒト免疫グロブリンフルオロフォアコンジュゲート(h)で検出する。 HPA−1aタイピングアッセイによって得られる結果を示す図である。HPA−1a陽性及びHPA−1a陰性の血液サンプルを、市販のHPA−1aタイピングアッセイ(DiaMed,Cressier FR,Switzerland)(OD 630nm、x軸)及び本発明によるエバネッセントバイオセンサーアッセイ(蛍光dC cps、y軸)の両方で試験した。 HPA−5bタイピングアッセイによって得られる結果を示す図である。既知のHPA−5b陽性及びHPA−5b陰性の血液サンプルを、本発明によるエバネッセントバイオセンサーアッセイ(蛍光dC cps、y軸)で試験した。 ELISAベースMAIPAアッセイ及び本発明のMAIPAアッセイを示す図である。図5は、ELISA検出シグナル(x軸の光学密度OD 630nm)及び本発明によるエバネッセントバイオセンサー結果(y軸の蛍光dc cps)のいずれかによるMAIPAアッセイの比較を示す。 ELISAベースMAIPAアッセイ及び本発明のMAIPAアッセイを示す図である。図6は、4つの糖タンパク質を個々のチューブ及び本発明によるエバネッセントバイオセンサーMAIPAで試験するMAIPAアッセイの比較を示す。エバネッセントバイオセンサー試験については、4つの個々の血小板糖タンパク質gpIIbIIIa、gpIaIIa、gpIbIX及びHLAと反応する4つの異なるモノクローナル抗体を1つのチューブで合わせ、全ての考え得る同種抗原を表す血小板のプールと結合させた。検出を先に記載したようにエバネッセントバイオセンサーで行う。ELISA検出シグナル(x軸の光学密度OD 630nm)及びバイオセンサー結果(y軸の蛍光dc cps)。 二工程抗体アッセイを示す図である。図1Bに示すスキームに従って行った二工程抗体アッセイの結果。HPA−1a陽性又はHPA−1a陰性の表現型を有する血小板(各々の2つのサンプル)をバイオセンサー表面にコーティングし、様々な濃度の希釈抗ヒトHPA−1aモノクローナル抗体と反応させた。ウェルを洗浄し、結合したヒト化抗HPA−1a抗体を二次抗ヒトIgGフルオロフォアコンジュゲートで検出する。x軸に抗HPA−1a濃度、y軸に蛍光dC cpsとして観察されたシグナルを示す。 二工程抗体アッセイを示す図である。図8は図1Bに示すスキームに従い、図7に示す例と本質的に同一の二工程抗体アッセイの結果を示す。6つのヒト血漿サンプルを、エバネッセントバイオセンサーにコーティングしたHPA−1a陽性の血小板及びHPA−1a陰性の血小板に対して試験した。x軸は個々の血漿を示し、得られるシグナルをy軸にプロットする。 一工程抗体アッセイを示す図である。図9は洗浄工程を省略し、図7に示す二工程アッセイを一工程アッセイとして行う同一のアッセイフォーマットを示す。HPA1a+5b+血小板、HPA1a−5b−血小板及び0と示す非コーティング対照の3回のコーティングを行った。得られるシグナルをy軸に蛍光dc cpsとして示す。 トキソプラズマ症(Toxoplasmose)抗体に対する二重抗原抗体サンドイッチアッセイを示す図である。この試験はトキソプラズマ症抗原をバイオセンサー表面にコーティングすることによって行い、トキソプラズマ症抗原の別のアリコートを溶液中のAPCで標識する。IgGは生体機能的であり、一方のアームが結合したトキソプラズマ症抗原と反応し、個々のIgGの他方のアームがAPC標識抗原と反応する。このため、カートリッジの形成とともにシグナルが生じる。驚くべきことに、これは一工程アッセイとして作用する。トキソプラズマ症抗体標準の滴定をx軸、10分の蛍光シグナルをy軸に示す。必要に応じて約5IUに下がった感度が見られる。
本発明を以下の実施例によって更に説明するが、これに限定されるものではない。
実施例1:
HPA−1aタイピングアッセイ
HPA−1aエバネッセントバイオセンサー試験を、抗gpIIbIIIa抗体コーティング表面(抗gpIIbIIIaモノクローナル抗体RFGP56)、1部のEDTA抗凝固処理血、及びアロフィコシアニン(APC)にコンジュゲートした抗HPA−1a特異的抗体を含有する2部の検出混合物を反応させることによって行う。
エバネッセントバイオセンサーチップをRFGP56のPBS溶液でコーティングする。コーティングを、RFGP56原液(stock solution)を10μg/mlのPBS溶液まで希釈し、この溶液30μlを各ウェルに添加し、室温で2時間インキュベートすることによって行う。次いで、コーティング溶液を除去し、ウェルをPBSで3回洗浄し、最後に50μlのブロッキング溶液をウェルに添加する。ブロッキング溶液はBSAの1%PBS溶液であり、0.25%Tween20を含有する。ブロッキングは室温でおよそ1時間であり、ブロッキング溶液を除去し、測定対象のサンプル溶液を添加することによって終了させる。1部のEDTA血を4.5%BSA、3%スクロース、15mM EDTA、0.08%Tween20、0.9%NP40、0.75%PEG6000、1.5%PVPK90、0.2mg/mlのIIR及び0.06%Brilliant Black BNを添加したPBSバッファー中7.5μg/mlの抗HPA−1a APCを含有する2部の検出バッファーと混合した。25μlの混合物をコーティングウェルに入れ、蛍光を欧州特許第1079226号、欧州特許第1204856号、欧州特許第1371967号に記載のエバネッセントバイオセンサー機器及びデバイスを用い、10分間にわたってリアルタイムで測定した。
測定された光子の増加は整数として与えられ、1つの特定のウェルについて反応の最初の10分間に計数された光子の増加である。1つのウェルにおいて測定された光子の増加は、0秒時から600秒時までの光子の変化とし、測定単位カウント毎秒(又は「cps」と省略される)を用いる「デルタカウント値」(dc)として与えられる。1つの特定のウェルから放出される光子を一定の時間間隔の生化学的反応において測定し、各測定は1秒間であるが、測定点に10ミリ秒〜20秒の間の任意の値を使用してもよい。測定された光子をグラフのy軸にx軸の時間に対してプロットし、この手順を各ウェルについて個別に行う。次いで、線形回帰曲線をリーダー機器のソフトウェアによって作成し、10分間の観察時間当たりの光子の平均増加を自動的に算出する。
1秒間に測定される光子数である23099カウント毎秒(cps)のdcは、10分間の測定中にこの特定のウェルについて測定された光子の数が23099cps増加していることを意味する。経時的な光子の増加であるdc(cps)は、ここではサンプル中の分析物の量の尺度である。
比較のために、血液サンプルをDiaMed(Cressier FR,Switzerland)のHPA−1aタイピングアッセイによって分析した。図3に示す結果は、x軸にOD630nmとしてDiaMedのHPA−1aタイピングアッセイによる結果、y軸にエバネッセントバイオセンサーで得られる蛍光結果をプロットすることによって得られる。既知の表現型を有する200個を超える血液サンプルを試験したが、不一致は観察されなかった。
実施例2:
HPA−5bタイピングアッセイ
本発明によるエバネッセントバイオセンサーシステムを用いた単純なHPA−5bタイピングアッセイを、抗gpIaIIa抗体コーティング表面(抗gpIaIIaモノクローナル抗体AK7)、1部のETDA抗凝固処理血、及びアロフィコシアニン(APC)にコンジュゲートした抗HPA−5b特異的抗体を含有する2部の検出混合物を反応させることによって行う。方法及びバッファーはHPA−1aタイピングについての実施例1と同じであった。
HPA 5a及び5bについて既知の表現型を有する100個を超える血液サンプルを試験し、結果を図4に示す。HPA−5aa陰性血小板とHPA−5ab陽性血小板との間に明らかな解離が見られた。既知の表現型とエバネッセントバイオセンサーアッセイによって得られる結果との間に不一致は観察されなかった。HPA−5bb及びHPA5aa血小板を用いた試験によってアッセイの特異性を確認する。
実施例3:
エバネッセント検出を用いたMAIPAアッセイ
MAIPAアッセイは、図2Aに略述されるような抗糖タンパク質抗体及び検出対象のヒト血漿又は血清由来の抗体で血小板を感作する細胞アッセイパートと、図2Bに示される検出パートとを有する。
血小板糖タンパク質(b)を有する血小板(a)を、検査対象の血小板糖タンパク質に対するモノクローナル抗体(c)と反応させる。通例、4つの異なる糖タンパク質に対する4回の反応をgpIIbIIIa、gpIaIIa、gpIbIX及びHLA/β−2−ミクログロブリンに対するモノクローナル抗体を用いて行う。(b)及び(c)の相互作用によって複合体が形成された後、分析対象のヒト血漿又は血清サンプル(e)を添加すると、ヒト抗HPA抗体(d)の結合が起こり、抗血小板抗体が低減又は枯渇した血清(f)が残る。過剰なヒト血漿を手作業で洗い流す。溶解バッファーを含有するデタージェントを使用することで、糖タンパク質特異的抗体(c)、血小板糖タンパク質(b)及びヒト免疫グロブリン(d)で作られる3分子複合体を可溶化する。
次いで、3分子複合体(b)、(c)、(d)の検出を本発明による一工程エバネッセントアッセイにおいて行う。抗マウスIgG抗体(g)を実施例1に記載のように10μg/mlでバイオセンサーウェルの底部に固定化し、過剰な試薬を洗い流し、続いてブロッキング工程を行う。次いでコーティングされた抗体の安定性を改善するために、ウェルをPBSで2回洗浄し、続いて2%スクロース溶液で2回洗浄する。次いで、バイオセンサーウェルを風乾し、使用するまで乾かしておく。試験を行うために、抗体でコーティングした血小板を2%BSA、0.25%PVP、10mM Hepes、0.9%NaCl、0.5%Triton、0.09%NaNを含有するバッファーで可溶化する。次いで、溶解物に0.04%Brilliant Black BN及び5μg/mlの抗ヒトIgG APCコンジュゲート(Jackson)を添加し、蛍光バイオセンサー機器において10分間測定する。
100個を超える血清サンプルを、ELISA検出を用いた従来のMAIPA又は本発明によるエバネッセントバイオセンサー検出によって行われる400個をはるかに上回る個々の測定点で測定した。x軸に確立されたMAIPAアッセイによる結果、y軸にエバネッセントバイオセンサーによって得られる蛍光結果をプロットした図5に結果を示す。2つの方法の相関は0.84であり、検出方法間の不一致は観察されない。
実施例4:
エバネッセント検出を用いたMAIPAアッセイ − 一チューブMAIPA
MAIPAアッセイでは通常4つの個々のチューブが使用され、各チューブに血小板糖タンパク質特異的モノクローナル抗体を添加する、すなわちチューブ1に抗gpIIbIIIa抗体を使用し、チューブ2に抗gpIaIIa抗体を使用し、チューブ3に抗gpIbIX抗体を使用し、第4のチューブに抗HLA抗体を使用する。エンドユーザーは4つの個々のアッセイを用いた抗体スクリーニング試験を行う必要がある。複雑さを低減するために、アッセイを単一チューブ抗体スクリーニングアッセイとして行い、血小板のプールに4つの糖タンパク質特異的モノクローナル抗体のプールを添加し、結合を本発明によるエバネッセントバイオセンサーアッセイによって分析した。方法及びバッファーはその他の点では実施例3に与えるものと同一であった。
100個の血清サンプルを、ELISA検出を用いた従来のMAIPA又は本発明によるエバネッセントバイオセンサー検出によって測定した。x軸に確立されたMAIPAアッセイによる結果、y軸にエバネッセントバイオセンサーによって得られる蛍光結果をプロットした図6に結果を示す。2つの方法の相関は0.84であり、2つの検出方法間の不一致は観察されない。4回の個々のチューブ反応及びELISA検出を用いた従来のMAIPAと比較して、新たな方法では4つ全てのモノクローナル抗体を含む単一のチューブ及び得られる3分子複合体のエバネッセント検出を用いる。この新たな方法の利点は、同一の感度でのアッセイの細胞パート及び検出パートの高度に低減された作業負荷である。これにより今回、従来のMAIPAに必要とされるものの3分の1の時間、必要とされるものの4分の1の操作工程及び取扱い手順のはるかに低減された複雑さで行われる、エバネッセントバイオセンサー検出の改良された単一チューブMAIPAが可能となる。このため新たなフォーマットは、抗血小板抗体の抗体スクリーニング試験として好適である。
実施例5:
HPA−1a抗体アッセイ
本発明によるエバネッセントバイオセンサーシステムを用いた単純なHPA−1a抗体アッセイを、血小板でコーティングしたバイオセンサー表面と抗HPA−1aモノクローナル抗体とを反応させることによって行い、過剰な非結合抗HPA−1a抗体を洗い流した後、結合抗HPA−1a画分の検出を二次抗ヒトIgG APC標識抗体を用いて行う。
血小板によるバイオセンサーのコーティングは、血小板をPBS中で3回洗浄した後、PBS中1μl当たり約150000の洗浄した血小板をPBS中、室温で1時間コーティングすることによって行う。これに続いて3回のPBS洗浄、及び10mM NaClを含む10mMリン酸バッファー中での室温で1時間の低張溶解を行う。次いで、PBSによる3回の洗浄、及び37℃で1時間のパパインによる部分プロテアーゼ消化(ID-Papain、DiaMed,Cressier,Switzerland)を行い、続いてPBSによる3回の洗浄の後、PBS中3%BSAで1時間のブロッキング工程を行う。ウェルをPBSで3回、1%スクロースで2回洗浄した後、風乾させると、すぐに使える状態となる。
結合アッセイでは、10mM EDTAを含有するウシ胎仔血清(FCS)で希釈した様々な量の抗HPA−1aモノクローナル抗体をバイオセンサー表面上で10分間試験し、ウェルをPBSで3回洗浄し、結合した抗HPA−1a IgGを10mM EDTAを添加したFCS 1ml当たり5μgの抗ヒトIgG APC(Jackson)IgGによって検出する。測定はエバネッセントバイオセンサーを用いた10分間の実施例1と同様である。
図7に示す結果はx軸に抗HPA 1a抗体の濃度、y軸にエバネッセントバイオセンサーによって得られる蛍光dc cpsでの蛍光結果をプロットすることによって得られる。血小板遺伝子型1a及び1bに関する特異性は正確である。低濃度で線形用量応答曲線が観察され、1μg/mlを超える抗体濃度でプラトーに達する。
センサー表面への血小板の固定化は多くの異なる固定化技術によって達成することができる。例えば物理的吸収による直接コーティングが可能であり、他の可能性は例えば抗gpIIbIIIaクローンRFGP56等の抗血小板表面タンパク質抗体をコーティングすること、又は無傷全血小板をビオチン化することにより血小板表面タンパク質のビオチン化を生じさせ、続いてアビジンバイオセンサー表面に結合することである。デキストランコーティング及び共有結合、又はポリ−L−リシンコーティングに続く静電結合及び/又は共有結合は、この点における技術的可能性のほんの一例である。抗HPA−5b又は抗血小板自己抗体等の他の抗血小板抗体を、同じ方法を用いて検出することができる。
実施例6:
ヒト血漿サンプルを用いたHPA−1a抗体アッセイ
実施例5に記載のHPA−1a抗体アッセイの性能を、少数のヒト血清を用いて更に評価した。アッセイ作成及び試験方法及びバッファーは実施例5に記載した通りである。エバネッセントバイオセンサーシステムを、血小板でコーティングしたバイオセンサー表面と抗HPA−1aモノクローナル抗体とを反応させることによって実行し、過剰な非結合抗HPA−1a抗体を洗い流した後、結合抗HPA−1a画分の検出を二次抗ヒトIgG APC標識抗体を用いて行う。
結合アッセイでは6つの異なるヒト血漿の1%希釈物を、HPA1a陽性又はHPA1a陰性血小板でコーティングした血小板コーティングバイオセンサーと結合するその能力について試験した。ヒト血漿サンプルは4つの陰性ヒト血漿、並びにLyon EFS platelet reference laboratory(Lyon France)による陽性対照及び陰性対照であり、陽性血漿ではMAIPAのODは0.7、陰性血漿ではODは0.1未満である。この0.1というODはMAIP陽性のカットオフ値であるか、又はカットオフ値より7倍強いシグナルである。
図8は、HPA−1a陽性血小板と強く反応し、HPA−1a陰性血小板に対してはバックグラウンド反応しか有しない抗HPA−1a陽性血清を示す。シグナル対ノイズ比はMAIPAの結果と同様である。HPA1a陰性対照血清及び他の陰性血清は、バックグラウンドレベルを超える任意の反応を生じなかった。
実施例7:
HPA−1a抗体の一工程抗体アッセイ
血小板抗体アッセイを行う上での利便性を更に改善するために、血小板バイオセンサーを上記のように血小板をウェルにコーティングし、乾燥させることによって作製した。
次いで、1部の血漿を10mM EDTAを添加した200部のFCSに取ることで実施例6の標識ヒト血漿Mを希釈することによってアッセイを行った。2つのサンプルを調製し、第1のサンプルには血漿Mを使用し、第2のサンプルには抗ヒトHPA−1a抗体をスパイクした。抗ヒトIgG APC(Jackson)を最終濃度20μg/mlまで添加し、混合物を血小板コーティングバイオセンサーによって分析した。HPA1a陽性血小板、HPA1a陰性血小板、並びにバイオセンサー及び機器バックグラウンドの陰性対照として空の非コーティングウェルの3つの異なるコーティングをこのアッセイに使用した。混合物をウェルにピペット注入し、上記の実施例で概説されるようにエバネッセントバイオセンサー機器において10分間測定し、結果を記録した。
図9にはスパイクした血漿Mを用いるHPA1a+血小板でコーティングしたバイオセンサーのシグナルのみを示し、スパイクしていない血漿Mは陰性の結果をもたらした。HPA1a陰性血小板バイオセンサー及びバイオセンサー単独は、バックグラウンドシグナルのみを生じた。これにより、一工程抗体アッセイでの本発明によるエバネッセントバイオセンサー試験の感度及び特異性が確認される。HPA−1a同種抗原タイピングの例によって、エバネッセント法が全ての血小板同種抗原タイピング及び抗体試験に好適であることが実証された。
実施例8(参照例)
トキソプラズマ症についての一工程二重抗原抗体アッセイを、トキソプラズマを細胞培養物中で増殖させ、培養物由来の抗原を反復超音波処理及び遠心分離工程(DiaMed Eurogen,Turnhout,Belgium)によって精製することによって行う。抗原は粒状物(particular matter)の形態であり、そのまま使用する。1アリコートを10μg/mlでバイオセンサーチップのコーティングに使用する。第2のアリコートを記載のようにAPCで標識する。2部の抗トキソプラズマ症IgG標準を取り、トリス緩衝1%カゼイン、3%BSA及び0.9%Tween 20及び10μg/mlのトキソプラズマ症抗原−APCを含む1部の3倍濃縮検出ミックスと混合することによって試験を行う。この混合物をトキソプラズマ症抗原でコーティングしたウェルに移し、測定する。結果を図10に示す。

Claims (13)

  1. サンプル中に含有されるヒト血小板上の少なくとも1つのヒト血小板同種抗原(HPA)を検出する方法であって、
    (a)少なくとも抗体が結合した少なくとも1つの表面を供給する工程であって、該抗体が検出対象の前記少なくとも1つのHPAを保有する糖タンパク質に対するものである工程と、
    (b)前記サンプル中に含有される血小板を溶解し、該血小板の膜タンパク質を可溶化する工程と、
    (c)前記表面と工程(b)の溶解及び可溶化した前記サンプルとを接触させる工程であって、該サンプル中に含有されるそれぞれの糖タンパク質を、工程(a)の前記抗体への特異的結合によって前記表面に固定化する工程と、
    (d)前記表面と蛍光標識抗体とを接触させる工程であって、該抗体が検出対象の前記少なくとも1つのHPAに対するものであり、該抗体、前記サンプル中に含有されるそれぞれの糖タンパク質、及び工程(a)の前記抗体が表面結合複合体を形成する工程と、
    (e)前記表面結合複合体を光源のエバネッセント場によって励起する工程と、
    (f)前記表面結合複合体から発される蛍光を測定する工程と、
    (g)前記少なくとも1つのHPAを、工程(f)において測定される前記発された蛍光に基づいて検出する工程と、
    を含む、方法。
  2. 前記HPAがHPA−1a及び/又はHPA−5bである、請求項1に記載の方法。
  3. 2つ以上のHPAを検出する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法を行うための診断試験デバイスであって、少なくとも工程(a)の抗体が結合した少なくとも1つの表面を備える、診断試験デバイス。
  5. サンプル中のヒト血小板同種抗原(HPA)に対するヒト抗体を検出する方法であって、
    (a)少なくともヒト血小板又は血小板膜画分が結合した少なくとも1つの表面を供給する工程であって、該血小板又は血小板膜画分上に存在する対象の前記HPAが既知である工程と、
    (b)前記表面と前記サンプルとを接触させる工程であって、前記サンプル中に含有される前記血小板又は血小板膜画分上に存在する前記HPAに対するヒト抗体を、工程(a)の前記血小板又は血小板膜画分への特異的結合によって前記表面上に固定化する工程と、
    (c)前記表面と蛍光標識検出剤とを接触させる工程であって、該検出剤が前記血小板又は血小板膜画分上に存在する前記HPAに対するヒト抗体に特異的に結合し、該検出剤、前記サンプル中に含有されるそれぞれのヒト抗体、及び工程(a)の前記ヒト血小板又は血小板膜画分が表面結合複合体を形成する工程と、
    (d)前記表面結合複合体を光源のエバネッセント場によって励起する工程と、
    (e)前記表面結合複合体から発される蛍光を測定する工程と、
    (f)前記血小板又は血小板膜画分上に存在する前記HPAに対するヒト抗体を、工程(e)において測定される前記発された蛍光に基づいて検出する工程と、
    を含む、方法。
  6. 前記HPAがHPA−1a及び/又はHPA−5bである、請求項5に記載の方法。
  7. 工程(c)の前記蛍光標識検出剤が、
    (i)ヒト抗体に対する蛍光標識抗体、及び、
    (ii)蛍光標識血小板又は血小板膜画分、ここで該血小板又は血小板膜画分は工程(a)の前記血小板又は血小板膜画分と同じHPAを保有する、
    からなる群から選択される、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法を行うための診断試験デバイスであって、少なくともヒト血小板又は血小板膜画分が結合した少なくとも1つの表面を含み、該血小板又は血小板膜画分上に存在するHPAが既知である、診断試験デバイス。
  9. サンプル中のヒト血小板同種抗原(HPA)に対するヒト抗体を検出する方法であって、
    (a)少なくとも1回の血小板抗原のモノクローナル抗体固定化(MAIPA)アッセイを行い、対象のHPAを保有する少なくとも1つの血小板糖タンパク質、該少なくとも1つの血小板糖タンパク質に対する少なくとも1つの抗体、及び前記HPAに対する対象のヒト抗体で作られる少なくとも1つの3分子複合体を生成する工程であって、該ヒト抗体が前記サンプル中に含有される工程と、
    (b)前記少なくとも1つの血小板糖タンパク質に対する少なくとも1つの抗体に対する抗体が少なくとも結合した少なくとも1つの表面を供給する工程と、
    (c)前記表面と前記3分子複合体とを接触させる工程であって、該3分子複合体を工程(b)の前記抗体への特異的結合によって該表面に固定化する工程と、
    (d)前記表面とヒト抗体に対する蛍光標識抗体とを接触させる工程であって、該蛍光標識抗体、前記3分子複合体及び工程(b)の前記抗体が表面結合複合体を形成する工程と、
    (e)前記表面結合複合体を光源のエバネッセント場によって励起する工程と、
    (f)前記表面結合複合体から発される蛍光を測定する工程と、
    (g)前記HPAに対するヒト抗体を、工程(f)において測定される前記発された蛍光に基づいて検出する工程と、
    を含む、方法。
  10. 前記HPAがHPA−1a及び/又はHPA−5bである、請求項9に記載の方法。
  11. HPAに対する2つ以上のヒト抗体を検出する、請求項5〜7、9及び10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 請求項9及び10、並びに請求項9及び10に従属する限りにおいて請求項11のいずれか一項に記載の方法を行うための診断試験デバイスであって、少なくとも1つの血小板糖タンパク質に対する少なくとも1つの抗体に対する抗体が少なくとも結合した少なくとも1つの表面を備える、診断試験デバイス。
  13. サンプル中の、(i)サンプル中に含有されるヒト血小板上の少なくとも1つのヒト血小板同種抗原(HPA)、及び(ii)ヒト血小板同種抗原(HPA)に対するヒト抗体を同時検出する方法であって、
    (a)請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法を行う工程と、
    (b)請求項5〜7及び9〜11のいずれか一項に記載の方法を行う工程と、
    を含む、方法。
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