JP2016520807A5 - - Google Patents

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血液検査システム及び方法
(関連出願の相互参照)
本出願は非仮出願であり、2013年3月15日に出願された、米国特許仮出願番号第61/799,152号(その内容は本明細書において参照により組み込まれている)に対する優先権の利益を請求するものである。本出願はまた、全て2014年3月17日に出願された、米国特許出願番号第14/215,834号、同第14/216,533号、同第14/216,339号、同第14/216,811号、及び同第14/217,034号、並びに国際特許出願番号第(flowcell,autofocus,sheath fluid,dynamic range,contrast agent)にも関する。これらの出願のそれぞれの内容は参照により本明細書に組み込まれている。
本開示は、サンプル内の血球などの粒子を区別及び計量化するために、完全に、又は一部自動化した装置を使用し、流体サンプル内の粒子の撮像を含む、粒子分析のための、装置、システム、組成物、及び方法の分野に関する。本開示はまた、被験体からのサンプル内の粒子を分析するために有用な、粒子及び/又は細胞内小器官整位液(PIOAL)、この液体を生成するための方法、及びこの液体を使用して粒子を検出及び分析する方法に関する。画像に基づく生物学的な流体サンプルの分析のために有用な、組成物、システム、装置、及び方法もまた開示される。本開示の組成物、システム、装置、及び方法はまた、赤血球、網状赤血球、有核赤血球、血小板などの、生物学的流体内の粒子を検出し、数え、かつ特徴付けるため、並びに、画像及び形態学に基づく白血球弁別計数、分類、細分類、特徴付け、及び/又は分析のためにも有用である。
血球分析は、患者の健康状態の概況を把握するための、最も一般的に行われる医療検査の1つである。血液のサンプルが患者の身体から抜かれ、凝固しないように抗凝固物質を含む試験管に保存されることがある。全血サンプルは通常、赤血球(エリスロサイト)、白血球(リューコサイト)、及び血小板(スロンボサイト)を含む、3つの主要な血球のクラスを含む。各クラスは、要素のサブクラスへと更に細分類することができる。例えば、白血球(WBC)の5つの主な種類、又はサブクラスは、異なる形状及び機能を有する。白血球は、好中球、リンパ球、単球、好酸球、及び好塩基球を含み得る。赤血球の種類のサブクラスも存在する。サンプル内の粒子の外観は、病理学的状態、細胞成熟度、及び他の要因によって異なる場合がある。赤血球のサブクラスは、網状赤血球、及び有核赤血球を含み得る。
RBC、WBC、又は血小板の濃度を推定する血球計数は、手動により、又は自動分析器を使用して行うことができる。血球計数が手動で行われる場合、顕微鏡スライドに薄く塗末することにより、血液の液滴が適用される。典型的に、5種類の白血球の数又は相対量を決定するために、顕微鏡スライド上の、乾燥させ、染色した血液塗抹標本が使用されてきた。細胞又は細胞構造を染色するために、組織染料、及び染色剤が使用されてきた。例えば、Wright染色剤は組織染色剤であり、光学顕微鏡で検査するため、血液塗抹標本を染色するのに使用されてきた。完全血球計数(CBC)は、自動分析器を使用して求めることができ、ある種類のものは、粒子又は細胞が小さな管に沿った感知領域を通過する際の、インピーダンス又は動的光散乱に基いて、血液サンプル内の異なる粒子又は細胞の数を計数する。自動CBCは、別個に計数することができる、RBC、WBC、及び血小板(PLT)を含む、異なる種類細胞を識別するための、器具又は方法を利用し得る。例えば、大きな細胞のみを計数するために、最小粒径又は体積を必要とする計数技術が使用され得る。血液中の異常細胞など、ある種の細胞は、正確に計数又は識別されないことがある。互いに接着する小さな細胞が大きい細胞として誤って計数される場合がある。計数の誤りが疑われる場合、細胞を確認及び識別するために、器具の結果を手動で点検することが必要とされることがある。
自動血球計数技術は、フローサイトメトリーを伴う場合がある。フローサイトメトリーは、狭い流路をもたらすこと、並びに個別の血球の通過を感知及び計数することを含む。フローサイトメトリー法は、血液サンプル内の細胞など、流体内に懸濁した粒子を検出し、かつ粒子の種類、寸法、及び体積分布を分析して、血液サンプル内の各粒子種類の濃度、又は粒子体積を推定するために使用されてきた。流体内に懸濁された粒子を分析する好適な方法の例としては、沈殿、微視的特徴付け、インピーダンスに基づく計数、及び動的光散乱などが挙げられる。これらのツールは、試験誤差を生じ得る。一方で、粒子の種類及び濃度の正確な特徴付けは、医療診断などの用途において重要であり得る。
撮像に基づく計数技術において、観察領域を通過し得る調製されたサンプルのピクセルデータ画像が、デジタルカメラに接続された顕微鏡対物レンズを使用してキャプチャされる。ピクセル画像データが、データ処理技術を使用して分析され、またモニターに表示され得る。
フローセルを備える、自動診断システムの態様が、米国特許番号第6,825,926号(特許文献1)(Turner et al.)、及び米国特許番号第6,184,978号(特許文献2)、同第6,424,415(特許文献3)、及び同第6,590,646号(特許文献4)(全てKasdan et al.)に開示され、これらは本明細書において完全に説明されたものとして参照により組み込まれれている。
完全血球計数(CBC)、合計白血球数(WBC)、赤血球の合計細胞体積(RBC分布)、ヘモグロビンHGB(血液中のヘモグロビンの量)、平均細胞体積(MCV)(赤血球の平均体積)、MPV(平均PLT体積)、ヘマトクリット(HCT)、MCH(HGB/RBC)(赤血球当たりのヘモグロビンの平均量)、及びMCHC(HGB/HCT)(細胞中のヘモグロビンの平均濃度)を求めるために、動的光散乱又はインピーダンスを使用した自動システムが使用されてきた。白血球5部弁別計数、及び血液サンプル分析を促進するために、自動、又は一部自動プロセスが使用されてきた。
米国特許第6,825,926号明細書 米国特許第6,184,978号明細書 米国特許第6,424,415号明細書 米国特許第6,590,646号明細書
このような、現在既知の粒子分析システム及び方法、並びに関連する医療診断技術は、医師、臨床医、及び患者に利益をもたらし得るが、更なる改善が望ましい。例えば、自動システムを使用して、画像に基づくサンプル分析を行う際の、粒子及び/又は細胞内小器官整位にとって有用な、改善された方法及び組成物が引き続き要求されている。本発明の実施形態は、これらの際立った要求の少なくとも一部に対する解決法をもたらす。
本発明の実施形態は、粒子を含む調製されたサンプルを分析するための、装置、システム、組成物、及び方法に関する。いくつかの態様において、システムは、視覚的分析器であり得る分析器を含む。いくつかの態様において、装置は、視覚的分析器及びプロセッサを含む。一態様において、本開示は、高光学解像度撮像デバイスが画像をキャプチャするビューポートを有するフローセルを通じ、関心の粒子を含む液体サンプルが流される、自動粒子撮像システムに関する。いくつかの態様において、高光学解像度撮像デバイスが、デジタルカメラなどのカメラを含む。一態様において、高光学解像度撮像デバイスが対物レンズを含む。
フローセルは、調製されたサンプルなどの、サンプル流体供給源に、及び粒子源及び/又は細胞内小器官整位液(PIOAL)に連結される。システムは、流れるサンプル内の粒子の合焦画像のキャプチャを可能にする。いくつかの実施形態において、この画像は、粒子を分類及び細分類するために、自動の高効率のプロセスに使用することができる。例示的な視覚的分析器は、画像の自動分析を促進するためにプロセッサを含み得る。場合によっては、視覚的分析器は、本開示の方法において、自動の画像に基づくWBC弁別計数、又は他の血液サンプル粒子分析プロトコルをもたらすために使用され得る。場合によっては、本開示の方法は、被験者が健康であるか又は疾患、病気、異常、及び/若しくは感染を有しているかどうかを判定し、診断し、予知し、予見し、並びに/又は診断を補助し、被験者が治療に反応しているか、又はしていないかをモニタリングするために、形態学的異常を自動識別することに関する。
PIOALは、粒子の方向と実質的に平行な平面内で非球形の粒子を整位させ、これは画像の最適化を生じる。PIOALはまた、球形の細胞が、細胞内構造、小器官、又は葉を、フローの方向と実質的に平行に、位置付けする、再位置付けする、及び/又はより適切に位置付けするのを補助する。いくつかの実施形態では、血小板、網赤血球、有核RBC、並びに好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、及び芽球、前骨髄球、骨髄球、若しくは後骨髄球を含む未熟WBCを含む、WBCが粒子として計数され、分析される。
本発明の実施形態は、粒子造影剤組成物で処理された細胞内の、粒子及び/又は細胞内小器官整位に有用な、システム、方法、及びシース液組成物をもたらす。このような技術は、細胞の形態を維持する、及び/又は1つ以上の血液成分の決定を可能にする最適な画像のキャプチャをもたらさない、不利益をこうむり得る、フローサイトメトリーで使用される従来的なシース液と関連する、いくつかの困難を克服する。
いくつかの実施形態において、リボン状サンプルストリームと、シース液との間の粘度差及び/若しくは速度差、並びに/又はリボン状サンプルストリームの厚さが、狭窄化流路遷移区域によりもたらされる、幾何学的集束効果と相まって、流れている粒子に働く剪断力をもたらし、これにより粒子が視覚的分析器内の撮像プロセス全体を通じて、整位するか、又は整位された状態に留まることができる。いくつかの実施形態において、サンプルは造影強化される。いくつかの実施形態において、シース液は、最大100%の粘性剤を含み得る。別の実施形態において、シース液は、最大60%(v/v)の粘性剤を有する。使用される粘性剤の種類によって、いくつかの実施形態において、シース液は、約5〜7%、より具体的には6.5%(w/v)の濃度で、乾燥状態で市販されている、粘性剤を含み得る。
他の実施形態において、本開示は、細胞などのサンプル内の粒子、並びに脳脊髄液及び特定の状態に伴う浸出液など他の生物学的流体内の他の粒子状の特徴の、画像に基づく分析に使用され得る、シース液に関する。本開示における血液サプルにおいて使用するものとして記載される、細胞カテゴリ、及び/又はサブカテゴリは、分析され得るサンプルの種類の非限定的な例とみなされる。いくつかの実施形態において、サンプル内に存在する細胞はまた、細菌又は真菌細胞、並びに白血球、赤血球、又は血小板を含み得る。いくつかの実施形態では、組織又は吸引液から得られた粒子懸濁液が分析されてもよい。
いくつかの実施形態において、大きな幅を有する流路を確立するために、平坦な開口部を有するカニューレを通じてサンプル流体のストリームが注入され得る。シース液は、フローセルに導入され、撮像領域を通じてサンプル流体を搬送し、その後排出部に流れる。シース液はサンプル流体とは異なる粘度(例えば、より高い)を有し、任意により、リボン状サンプルストリームの注入点における異なる流量により、結果的にサンプル流体は平坦化して薄いリボン状となる。薄いリボン状のサンプル流体は、シース液と共に、狭窄化流路遷移区域を通じて搬送され、リボン状サンプルストリームを観察するために高光学解像度撮像デバイス及び光源が構成された観察ポートの前を通過する。
一実施形態において、シース液の粘度は、サンプルの粘度よりも高い場合がある。シース液の粘度、サンプル材料の粘稠度、シース液の流量、及びサンプル材料の流量が、例えば、狭窄化遷移区域によりもたらされるリボン圧縮効果と相まって調整され、有利なリボン状サンプルストリーム厚さなど、所定の寸法特性を備えるリボン状サンプルストリームのフローをもたらす。有利なリボン状サンプルストリーム厚さを維持することにより、例えば、合焦した細胞、又は合焦した細胞成分の割合が高くなる。
本開示の実施形態は少なくともその一部が、シース液に好適な量の粘性剤を追加することにより、フローセル(例えば、狭窄化遷移区域を有するフローセル)における粒子/細胞整位を大幅に改善し、かつ合焦した細胞の細胞内容物が増加し、それによりフローサイトメトリーにおいて使用される粘度度を修正していない従来的なシース液を使用した場合と比較して、フロー内の細胞の画質が高くなる、という発見に基づいている。粘性剤の追加により、細長い若しくは非球形粒子、又は赤血球(RBC)などの細胞にかかる剪断力が増加し、これによりひいては、これらの細胞がフロー方向と実質的に平行な平面整位し、画像の最適化を生じる。白血球(WBC)などの細胞に関し、これはまたフローの方向と実質的に平行な細胞内構造、小器官、又は葉の位置付け、再位置付け、及び/又はより適切な位置付けを生じる。例えば、粘性剤又は粘度差によりもたらされる剪断力に反応して圧縮又は変形可能であり得、これにより剪断力下における粒子の伸張、又は圧縮、及び整位が生じる。
フローストリームよりも直径が小さい粒子の整位は、シース液の粘度を増加させることにより得られる。これによって、これらの粒子のフロー方向と実質的に平行な平面への整位が改善される。
リボン状サンプルストリーム厚さは、サンプル流体及びシース液の相対粘度、及び流量と、例えば、フローセルの狭窄化遷移区域の幾何学的形状と相まって影響を受け得る。例えば、精密容量式ポンプを含む、サンプル供給源及び/又はシース液供給源は、リボン状サンプルストリームの寸法を最適化するため(すなわち、少なくとも撮像デバイスの視野と同等の幅である薄いリンボンとして)ために、サンプル及び/又はシース液を安定した流量で供給するように構成され得る。
例示的なシース液の実施形態は、粒子分析のためにフローセルで使用される。サンプルはシース液のストリームに包囲されて、分析装置のフローセルを通過する。検出領域を通過する際に、サンプルから情報が収集されて、分析器がサンプルに含まれる粒子/細胞を分析するのを可能にする。このような分析器でシース液を使用することにより、サンプルに含まれる細胞及び/又は粒子の正確な分類、及び細分類、並びに計数が可能となる。
本明細書において使用するとき、シース液は、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、血小板、網状赤血球、有核RBC、芽球、前骨髄細胞、骨髄細胞、及び/又は後骨髄細胞を含む、細胞及び/又はこれに関連する粒子に関する情報を得るために有用である。
本開示は、粒子分析を行うための新規の組成物及びその使用方法を提示する。特に、本開示は、サンプル中の粒子を分析するための分析器で使用する、粒子及び/又は細胞内小器官整位液(PIOAL)に関する。用語シース液及びPIOALは、本開示全体を通じて互換的に使用され得る。本開示は更に、PIOALを製造する方法、及び粒子の分析にPIOALを使用する方法を提示する。本発明のPIOALは、例えば、サンプル中の粒子を自動的に分類及び細分類するために有用である。
一態様において、本発明の実施形態は、粒子分析システムを使用して複数の粒子を撮像する方法を包含する。システムは、粘度及び形状の組み合わせによるハイドロフォーカシングにむけて構成され得る。サンプル流体粘度を有する血液流体サンプルには粒子が含まれ得る。例示的な方法は、フローセルの流路に沿ってシース液を流すことを含む場合があり、シース液は、サンプル流体粘度と、所定の粘度差の範囲内の粘度差だけ異なる、シース液粘度を有し得る。方法はまた、シース液により包囲されたサンプル流体ストリームをもたらすために、フローセル内の流動シース液に血液流体サンプルを注入することを含み得る。更に、方法は、流路サイズの縮小部を通じて撮像サイトに向けてサンプル流体ストリーム、及びシース液を流すことを含む場合があり、粘度差に関連付けられる、シース液とサンプル流体との間の相互作用により生じる粘度ハイドロフォーカシング効果と、流路サイズの縮小部に関連付けられる、シース液とサンプル流体ストリームとの間の相互作用により生じる、幾何学的ハイドロフォーカシング効果と相まって、撮像サイトにおいて複数の粒子の少なくとも一部に目標撮像状態を付与し、一方で細胞がサンプル流体ストリームから流動シース液内に延出する際に、シース液内の粘性剤がサンプル流体ストリーム内の細胞の生存性を維持し、細胞の構造及び内容を無傷なままに残すのに有効である。更に、方法は、撮像サイトにおける複数の粒子を撮像することを含み得る。場合によっては、シース液は、n=1.3330の屈折率を有する。場合によっては、シース液は、水の屈折率と同じ屈折率を有する。場合によっては、流路サイズの縮小部に関連付けられる、シース液とサンプル流体ストリームとの間の相互作用は、複数の粒子への剪断力を生じることによる、目標撮像状態を生成することに寄与する。場合によっては、目標撮像状態は、撮像サイトにおいて画像を得るために使用される、撮像デバイスの焦平面に対する、フロー内の1つ以上の目標粒子の目標配向を含む。
いくつかの実施形態によれば、撮像サイトにおける流路は、焦平面と実質的に平行な平面を画定する。場合によっては、目標配向は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標整位と対応する。場合によっては、目標整位は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子の整位と対応する。場合によっては、目標整位は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子内構造の整位と対応する。場合によっては、目標配向は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標位置と対応する。場合によっては、目標位置は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子の位置と対応する。場合によっては、目標位置は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子内構造の位置と対応する。場合によっては、目標位置が焦平面内にある。場合によっては、目標位置は焦平面からある距離にあり、この距離は位置公差と対応する。場合によっては、目標配向は、焦平面に対する目標整位、及び焦平面に対する目標位置に対応する。場合によっては、目標撮像状態は、撮像サイトにおいて画像を得るために使用される、撮像デバイスの焦平面に対する、フロー内の1つ以上の目標粒子内構造の目標配向に対応する。場合によっては、撮像サイトにおける流路は、焦平面と実質的に平行な平面を画定する。場合によっては、目標配向は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標整位と対応する。場合によっては、目標整位は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子の整位と対応する。場合によっては、目標整位は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子内構造の整位と対応する。場合によっては、目標配向は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標位置と対応する。場合によっては、目標位置は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子の位置と対応する。場合によっては、目標位置は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子内構造の位置と対応する。場合によっては、目標位置が焦平面内にある。場合によっては、目標位置は焦平面からある距離にあり、この距離は位置公差と対応する。場合によっては、目標配向は、焦平面に対する目標整位、及び焦平面に対する目標位置に対応する。場合によっては、目標撮像状態は、1つ以上の目標粒子、又は1つ以上の目標粒子内構造の、目標変形と対応する。
いくつかの実施形態によれば、血液流体サンプルの注入プロセスは、サンプル注入管を通じ、サンプル流体速度で、血液流体サンプルのストリームを方向付けることにより行われる。注入管は、流路内にポートを有し得る。ポートは、幅、厚さ、及び流路に沿って延びるフロー軸を画定し得る。サンプルストリームが、撮像サイトと隣接する撮像経路を横断する、相対する主表面を有するように、幅は厚さよりも大きい場合がある。場合によっては、フローセルの流路に沿って流れるシース液が、サンプルストリームの主表面に沿って延び、サンプル流体速度とは異なるシース液速度を有する。場合によっては、異なる速度に関連付けられる、シース液とサンプル流体との間の相互作用と、異なる粘度に関連付けられる、シース液とサンプル流体との間の相互作用と相まって、目標撮像状態がもたらされる。いくつかの実施形態によれば、複数の粒子は、赤血球、白血球、及び/又は血小板を含み得る。いくつかの実施形態によれば、複数の粒子は、粒子内構造を有する細胞を含み得る。場合によっては、粒子内構造は、細胞内構造、小器官、又は葉であり得る。
いくつかの実施形態において、シース液は、1〜10センチポアズ(cP)の粘度を有する。場合によっては、所定の粘度差は、約0.1〜約10センチポアズ(cP)の範囲の絶対値を有する。場合によっては、所定の粘度差は、約1.0〜約9.0センチポアズ(cP)の範囲の絶対値を有する。場合によっては、所定の粘度差は、約1.0〜約5.0センチポアズ(cP)の範囲の絶対値を有する。場合によっては、所定の粘度差は、約3.0センチポアズ(cP)の絶対値を有する。場合によっては、シース液の粘性剤は、グリセロール、グリセロール誘導体、エチレングリコール、プロピレングリコール(ジヒドロキシプロパン)、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、水溶性ポリマー、及び/又はデキストランを含む。場合によっては、シース液の粘性剤は、約1〜約50%(v/v)の濃度のグリセロールを含む。場合によっては、シース液の粘性剤は、グリセロール、及びポリビニルピロリドン(PVP)を含む。場合によっては、シース液の粘性剤は、5%(v/v)のグリセロール、及び1%(w/v)のグリセロール及びポリビニルピロリドン(PVP)を含む。場合によっては、シース液の粘性剤は、動作条件において、約3〜約30%(v/v)の最終濃度で存在するグリセロールを含む。場合によっては、シース液の粘性剤は、動作条件において、約30%(v/v)の最終濃度で存在するグリセロールを含む。場合によっては、シース液の粘性剤は、動作条件において、約6.5%(v/v)の最終濃度で存在するグリセロールを含む。場合によっては、シース液の粘性剤は、動作条件において、約5%(v/v)の最終濃度で存在するグリセロール、及び約1%(w/v)の濃度で存在するポリビニルピロリドン(PVP)を含む。
いくつかの実施形態によれば、撮像サイトにおける血液流体サンプルは、20〜200mm/秒の範囲内の線速度を有する。場合によっては、撮像サイトにおける血液流体サンプルは、50〜150mm/秒の範囲内の線速度を有する。場合によっては、血液流体サンプルは、撮像サイトにおいて、最大7μmのサンプルストリーム厚さ、及び500〜3000μmの範囲内のサンプルストリーム幅を有する。場合によっては、血液流体サンプルは、撮像サイトにおいて、2〜4μmの範囲のサンプルストリーム厚さ、及び1000〜2000μmの範囲のサンプルストリーム幅を有する。場合によっては、複数の粒子が、非球形の粒子のセットを含み、血液流体サンプルは、撮像サイトにおいてフローの方向を有し、非球形粒子のセットの75%超が、フローの方向と平行な平面で実質的に整位され、各整位された非球形粒子のこのような主表面は、フローの方向と平行な平面と平行である。場合によっては、複数の粒子は、非球形粒子のセットを含み、血液流体サンプルは、撮像サイトにおいてフローの方向を有し、非球形粒子のセットの少なくとも90%が、フローの方向と実質的に平行な平面から20°以内に整位されている。場合によっては、複数の粒子は粒子内構造を含み、血液流体サンプルは、撮像サイトにおいてフローの方向を有し、粒子内構造の少なくとも92%が、フローの方向と実質的に平行である。
別の態様において、本発明の実施形態は、サンプル流体粘度を有する血液流体サンプルの複数の粒子を撮像するための、システムを包含する。システムは、サンプル流体粘度と、所定の粘度差範囲内の粘度差だけ異なる、シース液粘度を有する、シース液と共に使用されるように構成され得る。例示的なシステムは、流路及びサンプル流体注入管を有する、フローセルを含む場合があり、フローセルは、流路サイズの縮小部、フローセルの流路に沿ってシース液のフローを伝えるために、フローセルの流路と流体連通するシース液投入部、及びフローセル内の流動シース液に血液流体サンプルのフローを注入するために、フローセルの注入管と流体連通する血液流体サンプル投入部を有し、シース液及びサンプル流体が、流路サイズの縮小部を通過して、撮像サイトに向かうと、粘度差に関連付けられる、シース液とサンプル流体との間の相互作用により生じる粘度ハイドロフォーカシング効果と、流路サイズの縮小部に関連付けられる、シース液とサンプル流体との間の相互作用により生じる幾何学的ハイドロフォーカシング効果と相まって、撮像サイトにおいて、複数の粒子の少なくとも一部における目標撮像状態をもたらす一方で、細胞がサンプル流体ストリームから流動シース液内に延出する際に、シース液内の粘性剤が、サンプル流体ストリーム内の細胞の生存性を保持し、細胞の構造及び内容物を無傷なまま残す。システムは、撮像サイトにおいて複数の粒子を撮像する、撮像デバイスを更に含み得る。
いくつかの実施形態によれば、目標撮像状態は、撮像サイトにおいて画像を得るために使用される、撮像デバイスの焦平面に対する、フロー内の1つ以上の目標粒子の目標配向に対応する。場合によっては、複数の粒子は、赤血球、白血球、及び血小板からなる群から選択される要素を含む。場合によっては、複数の粒子は、粒子内構造を有する細胞を含む。細胞内構造は、細胞内構造、小器官、又は葉であり得る。場合によっては、所定の粘度差は、約0.1〜約10センチポアズ(cP)の範囲の絶対値を有する。場合によっては、シース液の粘性剤は、グリセロール、グリセロール誘導体、エチレングリコール、プロピレングリコール(ジヒドロキシプロパン)、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、水溶性ポリマー、及び/又はデキストランを含む。場合によっては、シース液の粘性剤は、約1〜約50%(v/v)の濃度のグリセロールを含む。場合によっては、シース液の粘性剤は、グリセロール、及びポリビニルピロリドン(PVP)を含む。場合によっては、シース液の粘性剤は、5%(v/v)のグリセロール、及び1%(w/v)のグリセロール及びポリビニルピロリドン(PVP)を含む。
いくつかの実施形態において、複数の粒子は、非球形粒子のセットを含み、血液流体サンプルは、撮像サイトにおいてフローの方向を有し、非球形粒子のセットの少なくとも90%が、フローの方向と実質的に平行な平面から20°以内に整位されている。場合によっては、目標配向は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子の配向と対応する。粒子は、いくつかの実施形態において、赤血球、白血球、又は血小板であり得る。場合によっては、目標配向は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子内構造の配向と対応する。(例えば、粒子内構造は、細胞内構造、小器官、又は葉であり得る)場合によっては、撮像サイトにおける流路は、焦平面と実質的に平行な平面を画定する。場合によっては、目標配向は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標整位と対応する。場合によっては、目標整位は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子の整位と対応する。場合によっては、目標整位は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子内構造の整位と対応する。場合によっては、目標配向は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標位置と対応する。場合によっては、目標位置は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子の位置と対応する。場合によっては、目標位置は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子内構造の位置と対応する。場合によっては、目標位置が焦平面内にある。場合によっては、目標位置は焦平面からある距離にあり、この距離は位置公差と対応する。場合によっては、目標配向は、焦平面に対する目標整位、及び焦平面に対する目標位置に対応する。場合によっては、目標撮像サイトは、撮像サイトにおける目標変形と対応する。
いくつかの実施形態において、血液流体サンプル供給源は、血液流体サンプルに、流動シース液へのサンプル流体速度をもたらすように構成され得、シース液は、サンプル流体速度とは異なるシース液速度を有する。場合によっては、異なる速度に関連付けられる、シース液とサンプル流体との間の相互作用と、異なる粘度に関連付けられる、シース液とサンプル流体との間の相互作用と相まって、目標撮像状態がもたらされる。
いくつかの実施形態によれば、フローセルの流路は、流路サイズが変化した区域を含み、流路サイズの変化に関連付けられる、シース液とサンプル流体との間の相互作用と、異なる粘度に関連付けられる、シース液とサンプル流体との間の相互作用と相まって、目標撮像状態をもたらす。場合によっては、流路サイズの変化に関連付けられる、シース液とサンプル流体との間の相互作用が、横方向の流体圧縮力を生じることによって目標撮像状態をもたらすのに寄与する。場合によっては、複数の粒子は、赤血球、白血球、及び/又は血小板を含む。場合によっては、複数の粒子は、粒子内構造を有する細胞を含み、構造は細胞内構造、小器官、又は葉であり得る。
いくつかの実施形態によれば、所定の粘度差は、約0.1〜約10センチポアズ(cP)の範囲の絶対値を有する。場合によっては、所定の粘度差は、約1.0〜約9.0センチポアズ(cP)の範囲の絶対値を有する。場合によっては、所定の粘度差は、約1.0〜約5.0センチポアズ(cP)の範囲の絶対値を有する。場合によっては、所定の粘度差は、約3.0センチポアズ(cP)の絶対値を有する。場合によっては、シース液は、グリセロール、グリセロール誘導体、エチレングリコール、プロピレングリコール(ジヒドロキシプロパン)、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、水溶性ポリマー、及び/又はデキストランを含み得る粘性剤を含む。場合によっては、シース液は、約1〜約50%(v/v)の濃度のグリセロールを含む。
いくつかの実施形態によれば、撮像サイトにおける血液流体サンプルは、20〜200mm/秒の範囲内の線速度を有する。場合によっては、撮像サイトにおける血液流体サンプルは、50〜150mm/秒の範囲内の線速度を有する。場合によっては、血液流体サンプルは、撮像サイトにおいて、最大7μmのサンプルストリーム厚さ、及び500μm超の範囲内のサンプルストリーム幅を有する。場合によっては、血液流体サンプルは、撮像サイトにおいて、2〜4μmの範囲のサンプルストリーム厚さ、及び1000〜2000μmの範囲のサンプルストリーム幅を有する。場合によっては、複数の粒子は、非球形のセットを含み、血液流体サンプルは、撮像サイトにおいてフローの方向を有し、非球形粒子のセットの少なくとも90%が、フローの方向と平行な平面に実質的に整位され、及び/又は整位される。場合によっては、複数の粒子は、非球形のセットを含み、血液流体サンプルは、撮像サイトにおいてフローの方向を有し、非球形粒子のセットの少なくとも95%が、フローの方向と実質的に平行な平面から20°以内に整位されている。場合によっては、複数の粒子は粒子内構造を含み、血液流体サンプルは、撮像サイトにおいてフローの方向を有し、粒子内構造の少なくとも92%が、フローの方向と実質的に平行である。
別の態様において、本発明の実施形態は、粘度及び形状の組み合わせによるハイドロフォーカシング分析器を使用するための、粒子、及び細胞間小器官整位液(PIOAL)を包含する。PIOALは、PIOALにより包囲されたサンプル流体ストリームを生成するために、注入された所与の粘度の血液サンプル流体のフローを、視覚的分析器の狭窄化フローセル遷移区域へと方向付けることができる。PIOALは、血液サンプル流体の粘度よりも高い粘度を有する流体を含み得る。粘度差に関連付けられる、PIOAL流体とサンプル流体との間の相互作用により生じる粘度ハイドロフォーカシング効果と、狭窄化フローセル遷移区域に関連付けられる、PIOAL流体とサンプル流体との間の相互作用により生じる幾何学的ハイドロフォーカシング効果と相まって、視覚的分析器の撮像サイトにおいて、複数の粒子の少なくとも一部に目標撮像状態を付与し、一方で細胞がサンプル流体ストリームから流動シース液内に延出する際に、PIOAL内の粘性剤がサンプル流体ストリーム内の細胞の生存性を維持し、細胞の構造及び内容を無傷なままに残すのに有効である。場合によっては、シース液の粘性剤は、グリセロール、グリセロール誘導体、エチレングリコール、プロピレングリコール(ジヒドロキシプロパン)、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、水溶性ポリマー、及び/又はデキストランを含む。場合によっては、シース液の粘性剤は、約1〜約50%(v/v)の濃度のグリセロールを含む。場合によっては、シース液の粘性剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)を含む。場合によっては、ポリビニルピロリドン(PVP)は、1%(w/v)の濃度である。場合によっては、シース液の粘性剤は更に、グリセロールを含む。場合によっては、シース液の粘性剤は、5%(v/v)のグリセロール、及び1%(w/v)のグリセロール及びポリビニルピロリドン(PVP)を含む。場合によっては、PIOALは、約1〜10cPの粘度を有する。
更に別の態様により、本発明の実施形態は、所与の粘度のサンプルのフローを流路に方向付けるように構成された、視覚的分析器において使用するための、粒子及び細胞内小器官整位液(PIOAL)を包含する。PIOALは、サンプルの粘度よりも高い粘度を有する流体を含むことができる。PIOALは、サンプルのフローを支持し、粒子を整位させ、合焦した、流路を流れる粒子及び細胞内小器官の焦点の合った内容物を増加させ、これにより整位した粒子、及び細胞の細胞内小器官が撮像され得る。場合によっては、PIOALは更に粘性剤を含む。場合によっては、PIOALは更に、緩衝剤、pH調整剤、抗菌剤、イオン強度調節剤、及び/又はキレート剤を更に含む。場合によっては、粒子及び細胞内小器官整位液は等張性である。場合によっては、粒子及び細胞内小器官整位液は塩化ナトリウムを含む。場合によっては、塩化ナトリウムは、約0.9%の濃度で存在する。場合によっては、PIOALサンプルのpHは、動作条件において、約6.0〜約8.0である。場合によっては、PIOALサンプル混合物のpHは、動作条件において、約6.5〜7.5である。場合によっては、PIOALは、動作条件において、pHが約6.8〜7.2と調整するように、pH調整剤を含む。場合によっては、PIOAL液は、動作条件において、約1〜10センチポアズの目標粘度を有する。
更に別の態様において、本発明の実施形態は、濃縮したPIOALの原液を包含する。場合によっては、濃縮した原液は、目標の粘度を達成するために希釈することができる。場合によっては、原液の濃度は、動作条件において、PIOALの少なくとも約1.1倍〜約100倍の濃度で存在する。場合によっては、
139.粘性剤は、グリセロール、グリセロール誘導体、PVP、CMC、エチレングリコール、プロピレングリコール(ジヒドロキシプロパン)、ポリエチレングリコール、水溶性ポリマー、及びデキストランの少なくとも1つから選択される、請求項127に記載のPIOAL。場合によっては、粘性剤はグリセロールを含む。場合によっては、粘性剤は、グリセロール、及びポリビニルピロリドン(PVP)を含む。場合によっては、粘性剤は、グリセロール、及びカルボキシメチルセルロース(CMC)を含む。場合によっては、粘性剤は、グリセロール、及び硫酸デキストランを含む。場合によっては、粘性剤はグリセロール誘導体を含む。場合によっては、粘性剤はPVPを含む。場合によっては、粘性剤は、プロピレングリコール(ジヒドロキシプロパン)を含む。場合によっては、粘性剤はポリエチレングリコールを含む。場合によっては、粘性剤は水溶性デキストランを含む。場合によっては、グリセロールは、動作条件において、約1〜約50%(v/v)の最終濃度で存在する。場合によっては、グリセロールは、動作条件において、約3〜約30%(v/v)の最終濃度で存在する。場合によっては、グリセロールは、動作条件において、約30%(v/v)の最終濃度で存在する。場合によっては、グリセロールは、動作条件において、約6.5%(v/v)の最終濃度で存在する。場合によっては、動作条件において、上記グリセロールは、約5% v/vの最終濃度で存在し、PVPは、約1% w/vの濃度で存在する。場合によっては、上記PVPは、動作条件において、約1% w/vの最終濃度で存在する。場合によっては、本発明の実施形態は、本明細書において開示されるPIOALを含むキットを包含する。
別の態様において、本発明の実施形態は、サンプル流体粘度を有する血液流体サンプル内の複数の細胞を分析するための方法を包含し、この細胞は相対する主表面を有する。例示的な方法は、フローセルの流路に沿ってシース液を流すことを含み得る。シース液は、サンプル流体粘度よりも高いシース液粘度を有し得る。方法はまた、フローセル内の流動シース液内に血液流体サンプルを注入することを含み得る。複数の細胞は、主表面が撮像経路の向きに対して横方向に配向された、第1のサブセットを含み得る。方法はまた、撮像サイトにおいて、撮像経路に沿って粒子を撮像することも含み、このとき複数の細胞は主表面が撮像経路と横方向に配向された第2のサブセットを含み、第2のサブセットは第1のサブセットよりも多い。方法は更に、流路サイズの縮小部を通じて流体血液サンプル及びシース液を方向付け、これにより、異なる粘度に関連付けられる、シース液とサンプル流体との間の相互作用により、第2のサブセットが第1のサブセットよりも多くなるように、複数の細胞の少なくとも一部を再配向する、ことを含み得る。
別の態様において、本発明の実施形態は、サンプル流体粘度を有する血液流体サンプルの複数の細胞を撮像するための、システムを包含する。システムは、サンプル流体粘度よりも高いシース液粘度を有するシース液と共に使用するように構成され得、細胞は相対する主表面を有する。例示的なシステムは、流路及びサンプル流体注入管を有するフローセルと、フローセルの流路に沿ってシース液のフローを伝えるように、フローセルの流路と流体連通するシース液投入部と、フローセル内の流動シース液内に血液流体サンプルのフローを注入するために、フローセルの注入管と流体連通した血液流体サンプル投入部とを含み、複数の注入された細胞が、主表面が撮像経路の向きに対して横方向に整位された第1のサブセットを含む。場合によっては、フローセルの流路は、異なる粘度に関連付けられる、シース液と血液サンプル流体との間の相互作用が、粒子の少なくとも一部を再配向するように構成された、流路サイズが変化した区域を有し得る。システムはまた、複数の細胞の第2のサブセットの主表面が撮像経路に対して横方向に配向されている間に、撮像サイトにおける撮像経路に沿って複数の粒子を撮像する、撮像デバイスを含み得る。
一態様において、本発明は、本開示の粒子造影剤を使用してサンプル内の粒子を処理することと、フローセル及びオートフォーカス装置を含む視覚的分析装置内において染色した粒子を光で照明することと、粒子及び/又は細胞内小器官整位液(PIOAL)に包囲された粒子のデジタル画像を得ることと、画像情報に基づいてサンプル内の粒子を分析することとを含む、粒子を撮像する方法に関する。いくつかの実施形態において、粒子は、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、血小板、網状赤血球、有核赤血球(RBC)、芽球、前骨髄細胞、骨髄細胞、後骨髄細胞、赤血球(RBC)、血小板、細胞、細菌、粒子状物質、細胞集塊、又は細胞片、若しくは成分の少なくとも1つから選択される。例えば、いくつかの実施形態において、この装置は、被験者が健康であるか又は疾患、病気、異常、若しくは感染を有しているか、並びに/又は治療に反応しているかどうかを判定し、診断し、診断し、予見し、及び/又は診断を補助するのに有用な、自動の画像に基づく白血球(WBC)弁別計数、並びに形態学的異常の自動特定のために使用され得る。
一態様において、本発明の実施形態は、粘度及び形状の組み合わせによるハイドロフォーカシングにむけて構成された、粒子分析システムを使用して、粒子を撮像するための方法を包含する。粒子は、血液流体サンプルの第1及び第2のサンプル流体内に含まれ得る。例示的な方法は、粒子分析器のフローセルの流路に沿ってシース液を流すことを含み、シース液は血液流体サンプルの粘度とは異なる粘度を有し得る。場合によっては、シース液は、サンプル流体粘度と、ある粘度差だけ異なる、シース液粘度を有し、この粘度差は、所定の粘度差範囲内の値を有する。方法はまた、注入管に隣接する第1の厚さを有するサンプル流体ストリームをもたらすために、サンプル流体注入管から、フローセル内の流動シース液に、第1のサンプル流体を注入することも含み得る。フローセルの流路は、流路サイズの縮小部を有することがあり、それによりサンプル流体ストリームの厚さが、初期厚さから、画像キャプチャ部位に隣接する第2の厚さへと低減する。方法は更に、フローセルの画像キャプチャ部位で第1のサンプル流体からの第1の複数の粒子を撮像することと、第1のサンプル流体の流動シース液の中への注入を終了し、第2のサンプル流体を流動シース液の中に注入することにより、サンプル流体過渡現象を開始することとを含む。更に、方法は、フローセルの画像キャプチャ部位において、第2のサンプル流体からの第2の複数の粒子を撮像することを含み得る。第2の複数の粒子の撮像は、実質的にサンプル流体過渡現象の後、かつ第1の複数の粒子の撮像から4秒以内に行うことができる。場合によっては、流路サイズの縮小部は、近位厚さを有する近位流路部分、及び近位厚さよりも小さい遠位厚さを有する遠位流路部分により画定される。サンプル流体注入管の下流端部は、近位流路部分の遠位に位置付けられ得る。シースと血液流体サンプルとの間の粘度差と、流路サイズの縮小部と相まって、画像キャプチャ部位において第1及び第2のサンプル流体をハイドロフォーカシングし、一方で細胞がサンプル流体ストリームから流動シース液内に延出する際に、シース液内の粘性剤が第1及び第2のサンプル流体内の細胞の生存性を維持し、細胞の構造及び内容を無傷なままに残すのに有効であり得る。
いくつかの方法において、注入管は、注入管のフロー断面積のフローセルのフロー断面積に対する比、注入管のフロー断面積のフローセルの外形に対する比、又は注入管のフロー断面積のサンプルストリームのフロー断面積に対する比に基づく、内部容積を含み得る。場合によっては、流路サイズの縮小部は、サンプル流体ストリームの第1の厚さ及び第2の厚さを二分する、横方向の平面を中心にほぼ対称的な流路に沿い、半径方向内側に傾く流路の相対する壁部によって、画定され得る。場合によっては、流路サイズの縮小部の対称性は、血液流体サンプルの内の、赤血球の撮像における配向整位不良を、約20%未満に制限するために有効である。場合によっては、血液流体サンプルは、球形の粒子を有し、サンプル流体とシース液との間の粘度差は、フローセルの画像キャプチャ部位における焦平面内の球形粒子の細胞内小器官を整位させるために有効である。場合によっては、サンプル流体注入管の遠位部は、画像キャプチャサイトから軸方向の離隔距離で位置付けられており、軸方向離隔距離は、約16mm〜26mmの範囲内の値を有する。場合によっては、注入管は、約30μL未満の内部容積を有する。
いくつかの方法において、注入管は、第1のフロー断面積を有する近位部と、第2のフロー断面積を揺する遠位部とを有し、近位部のフロー断面積は、遠位部のフロー断面積の1.5倍超である。いくつかの方法において、注入管は、近位部と遠位部との間に配置された中央部を有し、中央部は第3のフロー断面積を有し、第3のフロー断面積は、第1及び第2のフロー断面積よりも大きい。
いくつかの方法において、サンプル流体注入管の遠位部は、高さ及び幅を有する放出ポートを含み、高さは幅よりも小さいことがある。場合によっては、高さは約150μmであり、幅は約1350μmである。場合によっては、高さは、約50μm〜約250μmの範囲の値を有し、幅は、約500μm〜約3000μmの範囲の値を有する。
いくつかの方法において、シース液フロー速度のサンプル流体フロー速度に対する比は約70である。場合によっては、シース液流量の、サンプル流体流量に対する比は約200である。場合によっては、シース液は、約35μL/秒の流量を有し、サンプル流体は約0.5μL/秒の流量を有する。場合によっては、サンプル流体は、画像キャプチャサイトにおいて、約20〜200mm/秒の速度を有する。場合によっては、シース液速度、及び流体サンプル速度は、注入管放出ポート付近の流路位置において異なる場合があり、シース液速度及び流体サンプル速度は、画像キャプチャサイトにおいて同じであってもよい。場合によっては、例えば、サンプル流体が注入管から出る場所において、サンプル流体ストリームの第1の厚さは約150μmである。場合によっては、例えば、サンプル流体ストリームが画像キャプチャサイトを通じて流れる場所において、サンプル流体ストリームの第2の厚さは、約2μm〜約10μmの範囲である。場合によっては、サンプル流体ストリームの第2の厚さは、約2μm〜約4μmの範囲である。場合によっては、サンプル流体ストリームの第1の厚さの、サンプル流体ストリームの第2の厚さに対する比は、約20:1〜約70:1の範囲の値を有する。場合によっては、サンプル流体ストリームの第1の厚さの、サンプル流体ストリームの第2の厚さに対する比は、約5:1〜約200:1の範囲の値を有する。場合によっては、近位流路部分の近位厚さの、遠位流路部分の遠位厚さに対する比は、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、55:1、60:1、65:1、70:1、75:1、80:1、85:1、90:1、95:1、100:1、105:1、110:1、115:1、125:1、130:1、140:1、150:1、160:1、170:1、180:1、190:1、及び200:1からなる群から選択される、形状的に薄くなる値を有する。場合によっては、フローセルは、約50:1の最小圧縮比、及び約125:1の最大圧縮比を有する。
いくつかの方法において、フローセルは、サンプル流体及びシース液が、フローセルのフローの中で、重力に逆らって流れるように、配向されている。場合によっては、フローセルは、サンプル流体及びシース液が、フローセル内で重力の方向に流れるように、配向されている。例示的な方法はまた、サンプル流体のフローから気泡を除去することを含み得る。場合によっては、第1のサンプル流体は、サンプル流体注入管から流動シース液へと第1のサンプル流体を注入した後、約1〜3秒以内に安定状態に達する。場合によっては、第1のサンプル流体は、サンプル流体注入管から流動シース液へと第1サンプル流体を注入した後、1秒未満で安定状態に達する。場合によっては、第1のサンプル流体は、サンプル流体注入管から流動シース液へと第1のサンプル流体を注入した後、約1.8秒以内に安定状態に達する。場合によっては、サンプル流体は、約2秒〜4秒の範囲の、フローセルにおける通過時間を有する。場合によっては、画像キャプチャサイトは約150μm×150μm〜400μm×400μmの視野を有する。場合によっては、第1のサンプル流体は、約50〜約150μLの範囲の体積を有する。場合によっては注入管の近位部は、サンプル吸い込み口はめあいのサンプルポートと連結されている。
別の態様において、本発明の実施形態は、血液流体サンプル内の粒子を撮像するために、粘度及び形状の組み合わせによるハイドロフォーカシングを実行する、粒子分析システムを包含する。粒子は、第1及び第2のサンプル流体内に含まれ得る。例示的なシステムは、シース液のフローを伝えるように構成された、流路を有するフローセルを含み得る。シース液は、血液流体サンプルの粘度とは異なる粘度を有し得る。場合によっては、シース液粘度は、血液流体サンプル粘度よりも大きい。場合によっては、シース液は、サンプル流体粘度と、ある粘度差だけ異なる、シース液粘度を有し、この粘度差は、所定の粘度差範囲内の値を有する。システムはまた、流路と流体連通したサンプル流体注入システムを含み得る。サンプル流体注入システムは、注入管に隣接する第1の厚さを有するサンプル流体ストリームをもたらすために、フローセル内の流動シース液に、サンプル流体を注入するように構成され得る。フローセルの流路は、流路サイズの縮小部を有することがあり、それによりサンプル流体ストリームの厚さが、初期厚さから、画像キャプチャ部位に隣接する第2の厚さへと低減する。更に、システムは、フローセルの画像キャプチャサイトにおいて、第1のサンプル流体からの第1の複数の粒子を撮像するために、画像キャプチャサイトと整位された、画像キャプチャデバイスを含み得る。更に、システムは、サンプル流体注入システム、及び画像キャプチャデバイスと連結された、プロセッサを含み得る。プロセッサは、流動シース液の中への第1のサンプル流体の注入の停止、及び流動シース液の中への第2のサンプル流体の注入により、サンプル流体のサンプル流体過渡現象を開始させ、サンプル流体過渡現象の後、第1の複数の粒子の撮像の4秒以内に、フローセルの画像キャプチャサイトにおいて、第2のサンプル流体からの第2の複数の粒子を撮像するように構成することができる。例示的なシステムにおいて、シースと血液流体サンプルとの間の粘度差と、流路サイズの縮小部と相まって、フローセルの画像キャプチャサイトにおいて第1及び第2のサンプル流体をハイドロフォーカシングさせ、一方で細胞がサンプル流体ストリームから流動シース液内に延出する際に、シース液内の粘性剤が第1及び第2のサンプル流体内の細胞の生存性を維持し、細胞の構造及び内容を無傷なままに残すのに有効である。
いくつかのシステムにおいて、注入管は、注入管のフロー断面積のフローセルのフロー断面積に対する比、注入管のフロー断面積のフローセルの外形に対する比、又は注入管のフロー断面積のサンプルストリームのフロー断面積に対する比に基づく、内部容積を含む。場合によっては、流路サイズの縮小部は、サンプル流体ストリームの第1の厚さ及び第2の厚さを二分する、横方向の平面を中心にほぼ対称的な流路に沿い、半径方向内側に傾く流路の相対する壁部によって、画定される。場合によっては、流路サイズの縮小部の対称性は、血液流体サンプルの内の、赤血球の撮像における配向整位不良を、約20%未満に制限するために有効である。場合によっては、サンプル流体注入管の遠位部は、画像キャプチャサイトから軸方向の離隔距離で位置付けられており、軸方向離隔距離は、約16mm〜26mmの範囲内の値を有する。場合によっては、注入管は、第1のフロー断面積を有する近位部と、第2のフロー断面積を揺する遠位部とを含み、近位部のフロー断面積は、遠位部のフロー断面積の1.5倍超である。場合によっては、サンプル流体は、約2秒〜4秒の範囲の、フローセルにおける通過時間を有する。場合によっては、フローセルは、シース液供給源から流路へのシース液を第1のフロー方向で受容するように構成され、第1のフロー方向は撮像サイトの流路に沿ったシース液の第2のフロー方向と垂直である。場合によっては、フローセルは、画像キャプチャデバイスのためのオートフォーカス目標を含む。
本発明の実施形態は、例示的な動的又は検出範囲拡張技術を使用して、血液流体サンプル内に存在する、細胞又は粒子を数量化するためのシステム及び方法を包含する。
例えば、例示的な実施形態は、粒子体積などのパラメータに基づく、少なくとも1つの検出範囲と関連する、不正確な粒子計数を補正するための技術を包含する。本開示において記載される装置を操作することにより、濃度及び/又は体積における検出範囲外の粒子を正確に検出及び測定することができる。
本明細書において使用するとき、本開示において作製される粒子計数器と関連する用語「検出限界」又は「検出範囲外」は、その内部においては粒子計数がより正確であり、及び/又はその外部においては粒子計数がより正確でないか、若しくは更に計数不可能であるような、範囲を包含するものと理解される。検出範囲は、検出の上限及び/又は下限を含むことがあり、典型的には最大濃度又は最小濃度と表現されるが、また場合によっては粒子が所与の正確性公差の範囲内で計数される最大又は最小頻度として表現される。したがって、本発明の実施形態は、低密度の、及び/又は多量の化学種の計数を定量化するための、並列なフローセル及びインピーダンス分析のための、システム及び方法を包含する。
検出範囲は、密度に基づく場合があり、これは局所的な濃度、及び/又は他の特定の基準を含み得る。例えば、通常のPLTよりも小さい血球又は断片などの粒子(すなわち、2μmよりも小さい直径を有する)は、粒子計数器において正確に検出及び計数するのが困難な場合がある。一般的な白血球よりも大きな異常細胞(すなわち、15μmより大きな直径を有する)は、粒子計数器において正確に検出及び計数するのが困難であり得る。加えて、高濃度のRBC及びPLTは、正確に計数するのが困難であり得る。希釈後であっても、RBC及びPLTは凝集して集塊を形成し、粒子計数器を使用して誤った粒子計数の読み取り値が得られる場合がある。更に、低濃度でサンプルに存在する一定の未熟な、又は異常な血球の正確な計数をもたらすのは困難である。
例として、いくつかの実施形態において、本明細書において記載される装置を使用することにより、測定値の検出範囲、WBCの検出上限は、(単位体積当たり、)最大300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、又は1,000,000まで拡張することができる。いくつかの実施形態において、PLTの検出下限は、μl当たり、20,000、19,000、18,000、17,000、16,000、15,000、14,000、13,000、12,000、11,000、10,000、9,500、9,000、8,500、8,000、7,500、7,000、6,500、6,000、5,500、5,000、4,500、4,000、3,500、3,000、2,500、2,000、1,500、若しくは1,000、又は500未満まで拡張することができる。
これに関連して、例示的な実施形態は、1つのチャネル内で検出される、異なるクラス(各クラスの要素も含む)の粒子を区別することにより、粒子計数器において得られる不正確な結果を補正するための技術を包含する。本明細書において開示されるように、一部の粒子は、同様の体積又は形態を有し、1つのチャネルで検出され得る。例えば、「巨大」PLT、PLT凝集体、又は集塊、及び有核RBCは、WBCを検出するように設計された1つのチャネル内で「WBC」として計数され得る。加えて、非溶解細胞、クリオグロブリン、ハインツ体、及びマラリア原虫が、「WBC」として計数されて、実際にサンプル内に存在するものよりも高いWBC計数値を生じることがある。同様に、高濃度のWBC及び巨大PLTは、「RBC」として計数されて、実際の値よりも高いRBC計数数を生じることがある。小赤血球細胞、赤血球内容物、白血球断片、塵埃粒子、溶血/破砕赤血球、及び更には電子/電気ノイズが、実際よりも高いPLT計数値を生じ得る。他方で、同じクラスの細胞の凝固及び破損、又はあるクラスの細胞と別のクラスとの混同が、粒子計数器の対応するクラスの不正確かつより低い計数値を生じることがある。
本開示の方法のいくつかの態様において、第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの粒子が、第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの粒子に適用可能な検出範囲を上回る濃度で、サンプル内に存在し、第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの粒子は、第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの粒子に適用可能な検出範囲内でサンプル内に存在する。本発明の方法の他の態様において、第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの粒子に適用可能な検出範囲を下回る濃度で、サンプル内に存在し、第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの粒子は、第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの粒子に適用可能な検出範囲内でサンプル内に存在する。他の態様において、第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの粒子は、少なくとも一種類以上の異常な血球、未熟な血球、集塊化した血球、15マイクロメートル超の直径を有する血球、及び2マイクロメートル未満の直径を有する血球を含み、第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの粒子は白血球を含む。
本開示に記載されるように装置を操作することにより、粒子計数器の1つのチャネル内で、別の種類の粒子と間違えて数えられた粒子を、別個に、かつ正確に測定することができる。例示的な方法はまた、粒子計数器において正確に検出されなかった、粒子数又は粒子濃度を決定するために使用することができる。これらの粒子は、通常の体積の範囲外の粒子、及び/又は粒子計数器において検出可能な濃度の上限若しくは下限付近、又はこれを超える濃度で存在する粒子が挙げられるがこれらに限定されない。これに関連して、特に粒子計数器及び画像分析器を含む、記載されるシステム装置を、本開示において記載される、例示的な粒子造影剤組成物及びPIOALと相まって操作することにより、粒子計数器の1つのチャネル内において別の種類の粒子と数え間違えられることのある一部の粒子を、別個にかつ正確に測定することができる。本発明の方法はまた、いくつかの例において、粒子計数器において正確に検出することができない、粒子数又は粒子濃度を決定するために使用することができる。これらの粒子は、検出範囲外の粒子、及び/又は粒子計数器において検出可能な濃度の上限又は下限付近、又はこれを超える濃度で存在する粒子が挙げられるがこれらに限定されない。
これは画像分析器から得られる情報を適用することによって得られる。全体的に、例示的な粒子造影剤組成物、及びPIOALシース液を使用して、本明細書において開示される装置を操作することにより、血球又は他の断片などの粒子を含むサンプルの分析を、粒子計数器の通常の検出範囲外である、検出範囲において行うことができる。これに関連して、本明細書において開示されるシステム及び組成物を使用して、濃度又は粒子体積などのパラメータに基づく、拡張した検出範囲において、血液流体サンプルの分析を行うことができる。拡張した検出範囲は、粒子計数器の検出範囲外であり得る。
いくつかの実施形態において、システム又は装置は粒子計数器を含み得る。他の実施形態において、この粒子計数器は、少なくとも1つの検出範囲を有する。いくつかの態様において、分析器及びプロセッサは、粒子計数器に関連付けられる試験エラーを補正するために追加的な情報をもたらし、更にサンプル内の異なるカテゴリ及び/又はサブカテゴリの粒子の正確な粒子数又は濃度を決定するように構成することができる。粒子計数器及び分析器から、粒子のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの少なくとも2つの計数値、1つ以上の比、及び分布に関する情報が得られ場合、粒子計数器による計数値、分類、及び/又は細分類のエラーが補正され得、粒子計数器により最初に報告されなかった、計数値、カテゴリ、及び/又はサブカテゴリが得られる。
本発明の実施形態は、血液検査システム及び方法が、流体血液サンプル内に存在する粒子の高品質画像を生成できるようにする、一定の合焦技術を包含する。このような高品質画像は、細胞を正確に類別するために有用な高次の区別を達成するための基礎をもたらし、高倍率及び多孔性の対物レンズを有する、光学システムの使用を可能にする。例示的な光学的整位、又は合焦技術は、粒子を搬送する薄いリボン状の流体サンプルと対応する小さな深さの視野により、高解像度の画像の生成を促進する。
場合によっては、血液検査システムは、局所的温度及び他の要因の変化を調整するために、規則的に合焦しなおしてもよい。本明細書において開示されるオートフォーカス技術は、撮像対物レンズとフローセルとの間の距離を変動させ、したがって焦点のずれた画像を生成することなどにより撮像の結果に悪影響を及ぼす、血液分析器内に存在する熱膨張又は他の要因を補完することができる。本発明の実施形態はまた、合焦のための液体若しくは溶液、又は他のユーザによる介入を必要とせずに、撮像システムを自動的に合焦させることを包含する、血液学的器具のための、オートフォーカスシステム及び方法を包含する。例えば、例示的なオートフォーカス技術は、画像中に顕れる被験体自体のコントラストの最大化に基づく技術を使用するのではなく、フローセルに対して固定された目標に初期合焦を達成することを含み得る。
本発明のいくつかの実施形態は少なくとも部分的に、フローセル内のフロー位置は、温度の変動に反応して変化しないという考察に基づいており、フローセル内のいずれかの場所の目標に合焦し、その後、固定オフセットを使用して、サンプルストリームの良好な合焦を達成することを含み得る。このような手法は、フローセルを流れる合焦溶液を使用せずに実現することができ、自動で実行することができ、ユーザに対して完全に可視である。
いくつかの実施形態によれば、液体内に懸濁された粒子を含むサンプルを撮像するための視覚的分析器に関し、装置はサンプル供給源及びPIOAL供給源に連結されたフローセルを含み、フローセルは内部流路を画定し、フローセルは、PIOALにより包囲されたリボン状サンプルストリームのフローを、フローセルの観察区域に通すように構成されている。高光学解像度撮像デバイスと関連する対物レンズが、リボン状サンプルストリームと交差する、光学軸上に配置される。対物レンズとフローセルとの間の相対距離は、光センサアレイ上でデジタル画像を解像及び収集するために、コントローラに連結された、モータ駆動装置の動作により、変動する。オートフォーカスパターン、又は撮像目標は、フローセルに対して固定された位置に設けられ、オートフォーカスパターンは、調製されたリボン状サンプルストリームの平面から所定の距離に位置する。光源は、リボン状サンプルストリーム、及びオートフォーカスパターンを照明する。少なくとも1つのデジタルプロセッサが、モータ駆動装置を操作するために連結されたコントローラと関連付けられている。プロセッサはまた、デジタル画像を分析するように構成されている。プロセッサは、合焦画像を生成するための、オートフォーカスパターンの焦点位置を決定し、その後、高光学解像度撮像デバイスをリボン状サンプルストリームに合焦させるために、焦点位置から所定の距離(例えば、変位距離)だけ対物レンズ及びフローセルを相対的に移動させる。
一態様において、本発明の実施形態は、粒子分析システムを使用して血液流体サンプル内の粒子を撮像する方法を包含する。粒子分析システムは、幾何学的ハイドロフォーカシングにむけて構成され得る。場合によっては、システムは、粘度及び形状の組み合わせによるハイドロフォーカシングにむけて構成され得る。場合によっては、サンプル流体粘度を有する血液流体サンプルには粒子が含まれ得る。例示的な方法は、粒子分析システムのフローセルの流路に沿ってシース液を流すことを含み得る。場合によっては、シース液は、サンプル流体粘度と、所定の粘度差範囲内の粘度差だけ異なる、シース液粘度を有し得る。方法はまた、血液流体サンプル流体が、フローストリームの厚さよりも大きなフローストリームの幅を備えるサンプルフローストリームとして流れるように、血液流体サンプルを、フローセル内の流動シース液に注入することを含み、サンプルフローストリームは、流路サイズの縮小部を通じ、撮像軸を横断して流れる。更に方法は、フローセルに対して固定された位置を有する撮像目標を撮像することにより、画像キャプチャデバイスを合焦させることを含み得る。更に、方法は、画像キャプチャデバイスにより、フローストリーム内の粒子を特徴付け、計数するために好適な、粒子の合焦画像を得ることを含む場合があり、ここで画像キャプチャデバイスは、変位距離を使用して、サンプルフローストリームに合焦している。いくつかの実施形態によれば、シース液と血液流体サンプルとの間の粘度差と、流路サイズの縮小部と相まって、撮像軸においてサンプルフローストリームをハイドロフォーカシングし、一方で細胞がサンプルフローストリームから流動シース液内に延出する際に、シース液内の粘性剤が、サンプルフローストリーム内の細胞の生存性を維持し、細胞の構造及び内容物を無傷なままに残すのに有効である。場合によっては、サンプルフローストリームは、撮像軸において、約2μm〜約10μmの範囲内の厚さを有する。場合によっては、流路は、撮像軸において約150μmの厚さを有する。場合によっては、撮像目標は、サンプルフローストリームと、画像キャプチャデバイスとの間に配置されたビューポート窓に位置する。場合によっては、撮像目標は、照明窓上に位置し、サンプルフローストリームは、照明窓と、画像キャプチャデバイスとの間に配置される。場合によっては、変位距離はゼロである。場合によっては、撮像目標は、照明窓とビューポート窓との間に位置する。場合によっては、取得ステップにおいて、画像キャプチャデバイスは、変位距離に基づいて、画像キャプチャデバイスの焦点距離を調整することにより、サンプルフローストリームに合焦する。
いくつかの実施形態によれば、合焦画像を得るプロセスは、変位距離を使用して、画像キャプチャデバイスと、フローセルとの間の距離を調整することを含む。場合によっては、画像キャプチャデバイスとフローセルとの間の距離を調整することは、画像キャプチャデバイスの構成要素を移動させることを含む。画像キャプチャデバイスの構成要素は、ズームレンズ、画像キャプチャデバイスのミラー、又は画像キャプチャデバイスを含むアセンブリであり得る。場合によっては、画像キャプチャデバイスとフローセルとの間の距離を調整することは、フローセルを移動させることを含む。場合によっては、画像キャプチャデバイスと、フローセルとの間の距離を調整することは、画像キャプチャデバイスの少なくとも1つの光学素子、及びフローセルを動かすことを含む。場合によっては、変位距離は、撮像目標とサンプルフローストリームとの間の、撮像軸に沿った距離である。場合によっては、変位距離は、画像キャプチャデバイスと目標との間の第1の焦点距離と、画像キャプチャデバイスとサンプルフローストリームとの間の第2の焦点との間の、距離の差である。場合によっては、方法は、試験流体サンプルをシース液内に注入して、フローセル内に試験サンプルフローストリームを形成することと、合焦した撮像目標及び画像キャプチャデバイスが第1の焦点距離を画定するように、画像キャプチャデバイスを使用して撮像目標の第1の合焦画像を得ることと、合焦した試験サンプルフローストリーム及び画像キャプチャデバイスが第2の焦点距離を画定するように、画像キャプチャデバイスを使用して、試験サンプルフローストリームの第2の合焦画像を得ることと、第1の焦点距離と第2の焦点距離との間の差を計算することによって変位距離を得ることとを含む、オートフォーカスステップを含む。場合によっては、試験流体サンプルは、同じ血液流体サンプルであり、試験サンプルフローストリームはサンプルフローストリームと同じである。場合によっては、オートフォーカスステップは、画像キャプチャデバイスに関連付けられる焦平面を確立し、焦平面は画像キャプチャデバイスに対して動かないまま存続する。場合によっては、画像キャプチャデバイスは、サンプル流体温度、シース液温度、フローセル温度、又は画像キャプチャデバイス温度などの温度を使用して、サンプルフローストリームに合焦する。場合によっては、画像キャプチャデバイスは、撮像サイト、撮像サイトの上流位置におけるフローセル温度、及び撮像サイトの下流位置におけるフローセル温度などの温度を使用して、サンプルフローストリームに合焦することができる。場合によっては、画像キャプチャデバイスは、サンプル流体の温度変化率、シース液の温度変化率、フローセルの温度変化率、又は画像キャプチャデバイスの温度変化率などの、温度変化率を使用して、サンプルフローストリームに合焦することができる。
いくつかの実施形態によれば、方法は、オートフォーカス再開始信号を検出することと、オートフォーカス再開始信号に応答してオートフォーカス及び画像取得ステップを反復することとを含み得る。場合によっては、オートフォーカス再開始信号は、温度変化、合焦品質の低減、時間間隔の経過、又はユーザ入力を含むか、これに基づく。場合によっては、画像キャプチャデバイスのサンプルフローストリームへの合焦は、画像キャプチャデバイスの温度と無関係に実行される。場合によっては、撮像目標は、画像キャプチャデバイスの撮像軸を、サンプルフローストリームに対して位置付けるのに使用する、スケールを含む。場合によっては、撮像目標は、撮像軸に対して整位された絞りを含み、撮像された粒子が絞りにより画定される開口部内に配置され、絞りの1つ以上の縁部が、オートフォーカス中に撮像される。場合によっては、画像キャプチャデバイスは、撮像軸を中心とした画像キャプチャデバイスの軸方向の回転、撮像軸に沿って延びる軸を中心とした、撮像デバイスの視野内でのフローセルの軸方向の回転、流路に沿って延びる軸を中心とした画像キャプチャデバイスのチップ回転、流路に沿って、その内部に延びる軸を中心としたフローセルのチップ回転、流路及び撮像軸を横断する軸を中心とした画像キャプチャデバイスのティルト回転、並びに/又は流路及び撮像軸を横断する軸を中心とした、画像キャプチャデバイスの視野内でのフローセルのティルト回転を行うことによって、サンプルフローストリームに合焦する。場合によっては、画像キャプチャデバイスは、フローセルの回転を行うことにより、サンプルフローストリームに合焦し、回転は、画像キャプチャデバイスの視野の中心に合わせられる。場合によっては、画像キャプチャデバイスのオートフォーカスは、複数の焦点位置から最適な焦点位置を決定することを含む。
別の態様において、本発明の実施形態は、血液流体サンプルの粒子を撮像するための方法を包含する。例示的な方法は、フローセルの流路に沿ってシース液を流すことと、血液流体サンプルがサンプルフローストリーム内に流れ、フロー厚さよりも大きなフロー幅を有するように、血液流体サンプルをフローセル内の流動シース液に注入することとを含み得る。フローセルは、関連する温度を有し得る。方法はまた、フローセルに関連付けられる温度が第1の温度にある間に、画像キャプチャデバイスを、撮像軸に沿ってフローに合焦して、第1の合焦状態とすることと、第1の合焦状態で画像キャプチャデバイスにより、フローストリーム内の粒子の第1のサブセットの第1の合焦画像を得ることとを含み得る。方法は更に、フローセルに関連付けられる温度が第1の温度から第2の温度へと変化したことを判定することと、温度変化、及びフローセル温度と所望の合焦との間の既知の関係に応じて、画像キャプチャデバイスの合焦を第1の合焦状態から第2の合焦状態へと自動的に調整することとを含み得る。更に、方法は、第2の合焦状態において、画像キャプチャデバイスにより、フローストリーム内の粒子の第2のサブセットの第2の合焦画像を得ることを含み得る。場合によっては、画像キャプチャデバイスの合焦調整は、温度変化、及びフローセルと所望の焦点との間の既知の関係を使用して、画像キャプチャデバイスとフローセルとの間の距離を調整することを含む。場合によっては、画像キャプチャデバイスの合焦調整は、温度変化、及びフローセルと所望の焦点との間の既知の関係を使用して、画像キャプチャデバイスの焦点距離を調整することを含む。場合によっては、画像キャプチャデバイスの合焦調整は、撮像軸を中心とした画像キャプチャデバイスの軸方向の回転、撮像軸に沿って延びる軸を中心とした、撮像デバイスの視野内でのフローセルの軸方向の回転、流路に沿って延びる軸を中心とした画像キャプチャデバイスのチップ回転、流路に沿って、その内部に延びる軸を中心としたフローセルのチップ回転、流路及び撮像軸を横断する軸を中心とした画像キャプチャデバイスのティルト回転、並びに/又は流路及び撮像軸を横断する軸を中心とした、画像キャプチャデバイスの視野内でのフローセルのティルト回転を行うことを含む。場合によっては、画像キャプチャデバイスは、フローセルの回転を行うことにより、サンプルフローストリームに合焦し、回転は、画像キャプチャデバイスの視野の中心に合わせられる。
別の態様において、本発明の実施形態は、血液流体サンプル内の粒子を撮像するために、幾何学的ハイドロフォーカシング、又は場合によっては、粘度及び形状の組み合わせによるハイドロフォーカシングを実行する、粒子分析システムを包含する。例示的なシステムは、注入管を有する流路、及びそれを通る撮像軸を有する撮像窓を有するフローセルを含むことができる。フローセルの流路は流路サイズの縮小部を有することができる。システムは、流路と流体連通したシース液投入部を含み得る。更に、システムは、感染管(infection tube)と流体連通する血液流体投入部を含み得る。血液流体投入部は、血液流体サンプルが、フローストリーム厚さよりも大きいフローストリーム幅を有するサンプルフローストリームの形態で流れるように、血液流体サンプルをフローセル内の流動シース液内に注入するように構成することができる。場合によっては、シース液は、血液流体サンプルの粘度よりも大きな粘度を有し得る。更に、システムは、画像キャプチャデバイス、画像キャプチャデバイスの合焦状態をフローセルに対して設定するように構成された合焦機構、及びフローセルに対する固定位置を有する撮像目標を含み得る。場合によっては、撮像目標及びサンプルフローストリームは、撮像軸に沿った変位距離を画定し得る。更に、システムはプロセッサと、変位距離を使用して、粒子を特徴付け、計数するのに好適な、画像キャプチャデバイスの合焦状態を設定するよう合焦機構を操作するために、プロセッサで実行される機械可読コードを組み込む、有形媒体を有する合焦モジュールとを含み得る。場合によっては、シース液と血液流体サンプルとの間の粘度差と、流路サイズの縮小部と相まって、撮像軸においてサンプルフローストリームをハイドロフォーカシングし、一方で細胞がサンプルフローストリームから流動シース液内に延出する際に、シース液内の粘性剤が、サンプルフローストリーム内の細胞の生存性を維持し、細胞の構造及び内容物を無傷なままに残すのに有効である。場合によっては、合焦機構は、画像キャプチャデバイスとフローセルとの間の距離を調整するように構成される駆動モータを含むことができる。場合によっては、撮像目標は、サンプルフローストリームと、画像キャプチャデバイスとの間に配置されたビューポート窓に位置する。場合によっては、撮像目標は、照明窓上に位置し、サンプルフローストリームは、照明窓と、画像キャプチャデバイスとの間に配置される。場合によっては、システムは、変位距離に基づいて、画像キャプチャデバイスの焦点距離を調整することにより、サンプルフローストリームに画像キャプチャデバイスを合焦することを含む、取得ステップを実施するように構成されている。場合によっては、システムは、変位距離を使用して、画像キャプチャデバイスと、フローセルとの間の距離を調整することによって、合焦画像を得るための取得ステップを実行するように構成される。場合によっては、システムは、フローセルを移動することにより、画像キャプチャデバイスとフローセルとの間の距離を調整するように構成される。場合によっては、システムは、試験流体サンプルをシース液内に注入して、フローセル内に試験サンプルフローストリームを形成することと、合焦撮像目標及び画像キャプチャデバイスが第1の焦点距離を画定するように、画像キャプチャデバイスを使用して撮像目標の第1の合焦画像を得ることと、合焦した試験サンプルフローストリーム及び画像キャプチャデバイスが第2の焦点距離を画定するように、画像キャプチャデバイスを使用して、試験サンプルフローストリームの第2の合焦画像を得ることと、第1の焦点距離と第2の焦点距離との間の差を計算することによって変位距離を得ることとを含む、オートフォーカスステップを実行するように構成されている。場合によっては、システムは、画像キャプチャデバイスを、サンプル流体温度、シース液温度、フローセル温度、又は画像キャプチャデバイス温度などの温度を使用して、サンプルフローストリームに合焦させるように構成される。場合によっては、システムは、オートフォーカス再開始信号を検出し、オートフォーカス再開始信号に応答してオートフォーカス及び画像取得ステップを反復するように構成されている。
別の態様において、本発明の実施形態は、血液流体サンプルの粒子を撮像するためのシステムを包含する。例示的なシステムは、注入管を備える流路、及び内部に撮像軸を備える撮像窓を有するフローセルと、流路と流体連通するシース液投入部と、注入管と流体連通する血液流体投入部とを含み得る。血液流体投入部は、血液流体サンプルが、フローストリーム厚さよりも大きいフローストリーム幅を有するサンプルフローストリームの形態で流れるように、血液流体サンプルをフローセル内の流動シース液内に注入するように構成することができる。システムはまた、画像キャプチャデバイス、フローセルに対する画像キャプチャデバイスの合焦状態を設定するように構成された合焦機構、フローセルに熱的に連結された温度センサ、プロセッサ、及び合焦モジュールを含み得る。合焦モジュールは、温度センサにより感知される温度の変化、及び温度と所望の合焦との間の既知の関係に応じて、粒子を特徴付け、計数するのに好適な、画像キャプチャデバイスの合焦状態を設定するよう合焦機構を操作するために、プロセッサで実行される機械可読コードを組み込む、有形媒体を含み得る。場合によっては、合焦機構は、画像キャプチャデバイスとフローセルとの間の距離を調整するように構成されたドライブモーターを含む。
別の態様において、本発明の実施形態は、血液流体サンプルの細胞を分析するための方法を包含する。例示的な方法は、フローセルに沿ってシース液を流すことと、血液流体サンプル流体がサンプルフローストリーム内に流れ、フロー厚さよりも広いフロー幅を有するように、血液流体サンプルをフローセル内の流動シース液に注入することとを含み得る。サンプルフローストリームは、撮像軸に沿って、フローセルの撮像窓から、第1の距離だけオフセットされ得る。方法は、フローセルに固定された撮像目標を撮像することにより、画像キャプチャデバイスをオートフォーカスすることを含み得る。撮像目標は、撮像軸に沿って、撮像窓から第2の距離に位置付けることができる。更に、方法は、画像キャプチャデバイスによりフローストリーム内の細胞を特徴付け、計数するのに好適な、細胞の合焦画像を得ることを含み得る。場合によっては、画像キャプチャデバイスは、オートフォーカスステップ、及び第1の距離と第2の距離との間の既知の関係を使用して、サンプルフローストリームに合焦することができる。
別の態様において、本発明の実施形態は、血液流体サンプルの細胞を分析するためのシステムを包含する。例示的なシステムは、注入管を有する流路、及びそれを通る撮像軸を有する撮像窓を有するフローセルを含むことができる。システムはまた、流路と流体連通したシース液投入部、及び感染管と流体連通した血液流体投入部を含み得る。血液流体投入部は、血液流体サンプルが、フローストリーム厚さよりも大きいフローストリーム幅を有するサンプルフローストリームの形態で流れるように、血液流体サンプルをフローセル内の流動シース液内に注入するように構成することができる。サンプルフローストリームは、撮像軸に沿って、フローセルの撮像窓から、第1の距離だけオフセットされ得る。システムはまた、撮像軸に沿って配向することができる、画像キャプチャデバイスを含み得る。画像キャプチャデバイスは、合焦機構を含み得る。更に、システムは、フローセルに固定された撮像目標を含み得る。撮像目標は、撮像軸に沿って、撮像窓から第2の距離にあり得る。更に、システムは、合焦機構と連結されたプロセッサを含み得る。プロセッサは、画像キャプチャデバイスを目標に合焦させることにより、及び第1の距離と第2の距離との間の既知の関係を使用して、細胞の特徴付け及び計数に十分な、フローストリーム内の粒子の合焦画像を得るように、構成され得る。
更に別の態様において、本発明の実施形態は、血液流体サンプルの細胞を分析するためのシステムを包含する。例示的なシステムは、注入管を有する流路、及びそれを通る撮像軸を有する撮像窓を有するフローセルを含むことができる。更に、システムは、流路と流体連通するシース液投入部、及び注入管と流体連通する血液流体サンプル投入部を含み得る。サンプル流体投入部は、血液流体サンプルがサンプルフローストリーム内に流れ、フロー厚さよりも大きなフロー幅を有するように、血液流体サンプルをフローセル内の流動シース液に注入するように構成され得る。更に、システムは、撮像軸に沿って配向することができる、画像キャプチャデバイスを含む場合があり、画像キャプチャデバイスは合焦機構を含み得る。システムは、フローセルに熱的に連結された温度センサと、温度センサ及び合焦機構と連結されたプロセッサとを含み得る。場合によっては、プロセッサは、温度変化、及び温度と所望の合焦との間の既知の関係に応じて、細胞を特徴付け、計数するために十分に、画像キャプチャデバイスの合焦を調整するように構成されている。
いくつかの実施形態において、視覚的分析器は、サンプル供給源、及びシース液供給源に連結されたフローセルを含み得る。フローセルは、内部流路を画定することがあり、シース液に包囲されたサンプルフローストリームを、フローセルの観察区域に通すように構成され得る。分析器はまた、リボン状サンプルストリームと交差する光学軸上に対物レンズを備える、高光学解像度撮像デバイスを含む場合があり、対物レンズとフローセルとの間の相対距離は、光センサアレイ上でデジタル画像を解像及び収集するために、モータ駆動装置の動作により変動し得る。分析器は、フローセルに対して固定位置を有するオートフォーカスパターンを含む場合があり、オートフォーカスパターンは、リボン状サンプルストリームの平面からある変位距離に位置している。変位距離は、所定であり得る。分析器はまた、リボン状サンプルストリーム、及びオートフォーカスパターンを照明するように構成された光源を含み得る。更に、分析器は、モータ駆動装置を操作し、デジタル画像を分析するために連結された、少なくとも1つのデジタルプロセッサを含み得る。プロセッサは、オートフォーカスパターンの焦点位置を決定し、高光学解像度撮像デバイス及びフローセルを、合焦位置からの変位距離をわたって相対的に移動するように構成され得、これにより高光学解像度撮像デバイスは、リボン状サンプルストリームに合焦する。いくつかの実施形態において、オートフォーカスパターンは、制限された寸法を有する形状を含み、変位距離は、リボン状サンプルストリームに合焦する際にデジタル画像において、実質的に不可視であるために、十分である。場合によっては、光学軸は、リボン状サンプルストリームと実質的に垂直である。
別の態様において、本発明の実施形態は、サンプル分析のために、視覚的分析器を合焦させる方法を包含する。例示的な方法は、フローセルに対して固定されたオートフォーカスパターンに高光学解像度撮像デバイスを合焦させることを含み、オートフォーカスパターンは、リボン状サンプルストリームから、所定の変位距離で位置し、高光学解像度撮像デバイスは、リボン状サンプルストリームと交差する光学軸上に対物レンズを備え、高光学解像度撮像デバイスと、フローセルとの間の相対距離は、モータ駆動装置の動作によって変動し、高光学解像度撮像デバイスは、光センサアレイ上でデジタル画像を解像及び収集するように構成されている。更に、方法は、高光学解像度撮像デバイスを、リボン状サンプルストリームに合焦させるために、変位距離をわたってモータ駆動装置を動作させることを含み得る。
別の態様において、本発明の実施形態は、サンプルの粒子を撮像するための方法を包含する。例示的な方法は、液体内に懸濁された粒子を含むサンプルのための視覚的分析器を準備することを含む場合があり、視覚的分析器内に粘度がより高い層状区間と低い層状区間とを有するフローが確立される。分析器は、サンプル供給源、及びサンプルの粘度よりも高い粘度を有するPIOAL供給源に連結されたフローセルを含み得る。フローセルは、内部流路を画定することがあり、PIOALに包囲されたサンプルフローストリームを、フローセルの観察区域に通すことができる。分析器はまた、リボン状サンプルストリームと交差する光学軸上に対物レンズを備える、高光学解像度撮像デバイスを含む場合があり、高光学解像度撮像デバイスとフローセルとの間の相対距離は、光センサアレイ上でデジタル画像を解像及び収集するために、モータ駆動装置の動作により変動し得る。分析器はまた、フローセルに対する固定位置を有するオートフォーカスパターンを含む場合があり、オートフォーカスパターンは、リボン状サンプルストリームの平面から所定の変位距離に位置し、光源は、リボン状サンプルストリーム及びオートフォーカスパターンを照明するように構成され、少なくとも1つのデジタルプロセッサが、モータ駆動装置を操作し、デジタル画像を分析するために連結され、プロセッサは、オートフォーカスパターンの焦点位置を決定し、高光学解像度撮像デバイス及びフローセルを、合焦位置からの変位距離をわたって相対的に移動させるように構成され、これにより高光学解像度撮像デバイスが、リボン状サンプルストリームに合焦する。場合によっては、分析器は、サンプル供給源及びPIOAL供給源に連結されたフローセルであって、フローセルは内部流路を画定し、PIOALに包囲されたサンプルフローストリームを、フローセルの観察区域に通すように構成されたフローセルと、リボン状サンプルストリームと交差する光学軸上に対物レンズを備える高光学解像度撮像デバイスと、光センサアレイ上でデジタル画像を解像及び収集するために、モータ駆動装置の動作により変動する、対物レンズとフローセルとの間の相対距離と、フローセルに対する固定位置を有するオートフォーカスパターンであって、オートフォーカスパターンは、所定のリボン状サンプルの平面から、変位距離で位置する、オートフォーカスパターンと、リボン状サンプルストリーム及びオートフォーカスパターンを照明するように構成された光源と、モータ駆動装置を操作し、デジタル画像を分析するために連結された少なくとも1つのデジタルプロセッサであって、プロセッサは、オートフォーカスパターンの合焦位置を決定し、高光学解像度撮像デバイス及びフローセルを合焦位置から変位距離をわたって、相対的に移動させ、これにより高光学解像度撮像デバイスがリボン状サンプルストリームに合焦する、プロセッサとを含み得る。
自動粒子分析システムにおいて撮像される血液流体サンプルを染色するための、粒子造影剤組成物が開示される。粒子造影剤組成物は、クリスタルバイオレット、ニューメチレンブルー、メチルグリーン、エオシンY、及びサフラニンOからなる群れから選択される、少なくとも1つの粒子造影剤を含み得る。粒子造影剤組成物は更に、界面活性剤、サポニン、第四級アンモニウム塩、非イオン性界面活性剤、洗剤、及び双極性界面活性剤からなる群から選択される透過化処理剤を含み得る。粒子造影剤は、更に、グルテルアルデヒド(gluteraldehyde)及びホルムアルデヒドからなる群から選択される固定剤を含み得る。
一実施形態において、透過化処理剤は、染色条件下において、約50mg〜約750mg/Lの濃度を生じるために十分な量で存在するサポニンであり得る。固定剤は、染色条件下において0.1%以下の濃度を生じるのに十分な量で存在する、グルテルアルデヒドであり得る。
一実施形態において、少なくとも1つの造影剤は、クリスタルバイオレット、ニューメチレンブルー、及びエオシンYを含み得る。クリスタルバイオレットとニューメチレンブルーとの比は、染色条件下において、約1:90〜1:110であり得る。エオシンYは、染色条件下において、約3μM〜約300μMの濃度を生じるのに十分な量で存在し得る。
一実施形態において、クリスタルバイオレットは、染色条件下において、約6μM〜約10μMの濃度を生じるのに十分な量で存在し得る。ニューメチレンブルーは、染色条件下において、約70μM〜約2.4mMの濃度を生じるために十分な量で存在し得る。エオシンYは、染色条件下において、約10μM〜約50μMの濃度を生じるために十分な量で存在し得る。
いくつかの実施形態において、クリスタルバイオレットは約90%以上の純度である。ニューメチレンブルーは、約70%以上の純度であり得る。エオシンYは、約80%以上の純度であり得る。
いくつかの実施形態において、クリスタルバイオレットは、染色条件下において、約7.8μMの濃度を生じるのに十分な量で存在する。ニューメチレンブルーは、染色条件下において、約735μMの濃度を生じるために十分な量で存在する。エオシンYは、染色条件下において、約27μMの濃度を生じるために十分な量で存在し得る。いくつかの実施形態において、粒子造影剤組成物は追加的に緩衝剤成分を含み得る。
自動粒子分析システムを使用して撮像される、血液流体サンプルの粒子を処理する方法が開示される。方法は、血液流体サンプルと粒子造影剤を組み合わせてサンプル混合物を得ることと、サンプル混合物を約37℃〜約60℃の温度で、90秒未満でインキュベートすることを含み得る。粒子造影剤組成物は、クリスタルバイオレット、ニューメチレンブルー、メチルグリーン、エオシンY、及びサフラニンOから選択される少なくとも1つの粒子造影剤;界面活性剤、サポニン、第四級アンモニウム塩、非イオン性界面活性剤、洗剤、及び双極性イオンからなる群から選択される透過化処理剤;並びにグルテルアルデヒド及びホルムアルデヒドからなる群から選択される固定剤を含む。
いくつかの実施形態において、粒子造影剤は、染色条件下において、クリスタルバイオレットとニューメチレンブルーとの比が、約1:1〜約1:500の比を生じるのに十分な量でクリスタルバイオレット、ニューメチレンブルーを含み得る。サポニンは、透過化処理剤は、染色条件下において、約50mg〜約750mg/Lの濃度を生じるために十分な量で含まれ得る。グルテルアルデヒドは、染色条件下において0.1%未満の濃度を生じるのに十分な量で含まれ得る。方法は、60秒未満でインキュベートされたサンプル混合物を含み得る。
いくつかの実施形態において、粒子造影剤組成物は、染色条件下において、約6μM〜約10μMの濃度を生じるのに十分な量で存在するクリスタルバイオレットを含み得る。ニューメチレンブルーは、染色条件下において、約70μM〜約2.4mMの濃度を生じるために十分な量で存在し得る。エオシンYは、染色条件下において、約10μM〜約50μMの濃度を生じるために十分な量で存在し得る。血液流体サンプルは、粒子造影剤組成物と、血液流体サンプルと粒子造影剤組成物との比が約1:2〜1:10となるように、組み合わせることができる。
いくつかの実施形態において、方法は、46℃〜約49℃で、40〜50秒にわたり、サンプル混合物を加熱することを含み得る。
いくつかの実施形態において、クリスタルバイオレットは、約90%以上の純度であり得る。ニューメチレンブルーは、約70%以上の純度であり得る。エオシンYは、約80%以上の純度であり得る。
いくつかの実施形態において、粒子造影剤は、染色条件下において、約7.8μMの濃度を生じるのに十分な量で存在するクリスタルバイオレット、染色条件下において、約735μMの濃度を生じるのに十分な量で存在するニューメチレンブルー、及び染色条件下において約27μMの濃度を生じるのに十分な量のエオシンYを含み得る。粒子造影剤組成物は更に、緩衝剤成分を含み得る。血液流体サンプルは、粒子造影剤組成物と、血液流体サンプルと粒子造影剤組成物との比が約1:3〜1:4となるように、組み合わせることができる。サンプル混合物は、約47℃まで、約45秒にわたり加熱され得る。
上記したもの及び本発明の実施形態の多くの他の特徴及び付随する利点は、下記の実施形態への参照により、付随の図と共に考慮されると、明らかとなりより理解されるだろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
粘度及び形状の組み合わせによるハイドロフォーカシングに向けて構成された、粒子分析システムを使用する、複数の粒子を撮像する方法であって、血液流体サンプルに含まれる前記粒子はサンプル流体粘度を有し、前記方法は、
フローセルの流路に沿ってシース液を流すことであって、前記シース液は、前記サンプル流体粘度と、所定の粘度差範囲内の粘度差だけ異なるシース液粘度を有する、ことと、
前記シース液により包囲されたサンプル流体ストリームをもたらすために、前記フローセル内の前記流動シース液に前記血液流体サンプルを注入することと、
流路サイズの縮小部を通じて撮像サイトに向けて前記サンプル流体ストリーム、及び前記シース液を流すことであって、前記粘度差に関連付けられる、前記シース液と前記サンプル流体との間の相互作用により生じる粘度ハイドロフォーカシング効果と、前記流路サイズの縮小部に関連付けられる前記シース液と前記サンプル流体ストリームとの間の相互作用により生じる、幾何学的ハイドロフォーカシング効果と相まって、前記撮像サイトにおいて前記複数の粒子の少なくとも一部に目標撮像状態を付与し、一方で細胞が前記サンプル流体ストリームから前記流動シース液内に延出する際に、前記サンプル流体ストリーム内の前記細胞の生存性を維持し、前記シース液内の粘性剤が、前記細胞の構造及び内容を無傷なままに残すのに有効である、ことと、
前記撮像サイトにおいて前記複数の粒子を撮像することと、
を含む、方法。
(項目2)
サンプル流体粘度を有する、血液流体サンプル内の複数の粒子を撮像するシステムであって、前記システムは、前記サンプル流体粘度と、所定の粘度差範囲内の粘度差だけ異なるシース液粘度を有するシース液と共に使用され、前記システムは、
流路及びサンプル流体注入管を有するフローセルであって、前記流路は流路サイズの縮小部を有する、フローセルと、
前記フローセルの前記流路に沿って前記シース液のフローを伝えるために、前記フローセルの前記流路と流体連通したシース液投入部と、
前記フローセル内の前記流動シース液に前記血液流体サンプルのフローを注入するために、前記フローセルの前記注入管と流体連通する血液流体サンプル投入部であって、前記シース液及び前記サンプル流体が、前記流路サイズの縮小部を通過して、撮像サイトに向かうと、前記粘度差に関連付けられる前記シース液と前記サンプル流体との間の相互作用により生じる粘度ハイドロフォーカシング効果と、前記流路サイズの縮小部に関連付けられる前記シース液と前記サンプル流体との間の相互作用により生じる幾何学的ハイドロフォーカシング効果と相まって、前記撮像サイトにおいて、前記複数の粒子の少なくとも一部における目標撮像状態をもたらす一方で、細胞が前記サンプル流体ストリームから前記流動シース液内に延出する際に、前記シース液内の粘性剤が、前記サンプル流体ストリーム内の前記細胞の生存性を保持し、前記細胞の構造及び内容物を無傷なままに残す、血液流体サンプル投入部と、
前記撮像サイトにおいて前記複数の粒子を撮像する、撮像デバイスと、
を備える、システム。
(項目3)
粘度及び形状の組み合わせによるハイドロフォーカシング分析器において使用するための粒子及び細胞内小器官整位液(PIOAL)であって、前記PIOALは前記PIOALにより包囲されたサンプル流体ストリームを生成するために、注入された所与の粘度の血液サンプル流体のフローを、前記視覚的分析器の狭窄化フローセル遷移区域へと方向付け、前記PIOALは、
前記血液サンプル流体の粘度よりも高い粘度を有する流体を含み、
前記粘度差に関連付けられる前記PIOAL流体と前記サンプル流体との間の相互作用により生じる粘度ハイドロフォーカシング効果と、前記狭窄化フローセル遷移区域に関連付けられる、前記PIOALと前記サンプル流体との間の相互作用により生じる幾何学的ハイドロフォーカシング効果と相まって、前記視覚的分析器の撮像サイトにおいて、前記複数の粒子の少なくとも一部に目標撮像状態を付与し、一方で細胞が前記サンプル流体ストリームから前記流動シース液内に延出する際に、前記PIOAL内の粘性剤が前記サンプル流体ストリーム内の前記細胞の生存性を維持し、前記細胞の構造及び内容を無傷なままに残すのに有効である、粒子及び細胞内小器官整位液(PIOAL)。
(項目4)
サンプル流体濃度を有する血液流体サンプル内の複数の細胞を分析する方法であって、前記細胞は、相対する主表面を有し、前記方法は、
フローセルの流路に沿ってシース液を流すことであって、前記シース液は前記サンプル流体粘度よりも高いシース液粘度を有する、ことと、
前記血液流体サンプルを前記フローセル内の前記流動シース液内へと注入することであって、前記複数の細胞は、主表面が撮像経路の向きに対して横方向に配向された、第1のサブセットを含む、ことと、
撮像サイトにおいて、前記撮像経路に沿って前記粒子を撮像することであって、このとき前記複数の細胞は、前記主表面が前記撮像経路と横方向に配向された第2のサブセットを含み、前記第2のサブセットは前記第1のサブセットよりも多い、ことと、
流路サイズの縮小部を通じて前記流体血液サンプル及び前記シース液を方向付け、これにより、前記異なる粘度に関連付けられる前記シース液と前記サンプル流体との間の相互作用により、前記第2のサブセットが前記第1のサブセットよりも多くなるように、前記複数の細胞の少なくとも一部を再配向する、ことと、
を含む、方法。
(項目5)
サンプル流体粘度を有する、血液流体サンプル内の複数の細胞を撮像するシステムであって、前記システムは、前記サンプル流体粘度よりも高いシース液粘度を有するシース液と共に使用され、前記細胞は、相対する主表面を有し、前記システムは、
流路、及びサンプル流体注入管を有するフローセルと、
前記フローセルの前記流路に沿って前記シース液のフローを伝えるために、前記フローセルと流体連通したシース液投入部と、
前記フローセル内の前記流動シース液内に前記血液流体サンプルのフローを注入するために、前記フローセルの前記注入管と流体連通した血液流体サンプル投入部であって、前記複数の注入された細胞が、主表面が撮像経路の向きに対して横方向に整位された、第1のサブセットを含む、血液流体サンプル投入部と、
を備え、
前記フローセルの前記流路は、前記異なる粘度に関連付けられる、前記シース液と前記血液サンプル流体との間の相互作用が、前記粒子の少なくとも一部を再配向するように構成された、流路サイズが変化した区域を有し、
前記複数の細胞の前記第2のサブセットの前記主表面が前記撮像経路に対して横方向に配向されている間に、撮像サイトにおける前記撮像経路に沿って前記複数の粒子を撮像する、システム。
(項目6)
粘度及び形状の組み合わせによるハイドロフォーカシングに向けて構成された、粒子分析システムを使用する、血液流体サンプル内に含まれる粒子を撮像する方法であって、前記方法は、
前記粒子分析器のフローセルの流路に沿ってシース液を注入することであって、前記シース液は前記血液流体サンプルの粘度とは異なる粘度を有する、ことと、
サンプル流体注入管に隣接する第1の厚さを有するサンプル流体ストリームをもたらすために、前記注入管から、前記フローセル内の前記流動シース液に、ある流量で前記血液流体サンプルを注入することであって、前記フローセルの前記流路は、流路サイズの縮小部を有し、前記サンプル流体ストリームの厚さが、初期厚さから、画像キャプチャサイトに隣接する第2の厚さへと低減する、ことと、
前記フローセルの前記画像キャプチャサイトにおいて前記サンプルの第1の複数の前記粒子を撮像することと、
を含み、
前記流路サイズの縮小部は、近位厚さを有する近位流路部分、及び前記近位厚さよりも小さい遠位厚さを有する遠位流路部分により画定され、
前記サンプル流体注入管の下流端部は、前記近位流路部分の遠位に位置付けられ、
前記シースと前記血液流体サンプルとの間の前記粘度差と、前記流路サイズの前記縮小部、及び前記サンプルの前記流量と相まって、前記サンプル内の細胞を、前記サンプル流体注入管から前記画像キャプチャサイトへと4秒以内に送達し、一方で細胞が前記サンプル流体注入管から前記画像キャプチャサイトへと移動する際に、前記細胞が前記サンプル流体ストリームから前記流動シース液内に延出するときに、前記シース液内の粘性剤が前記細胞の生存性を維持し、前記細胞の構造及び内容を無傷なままに残すのに有効である、方法。
(項目7)
血液流体サンプル内の粒子を撮像するために、粘度及び形状の組み合わせによるハイドロフォーカシングを実行する、粒子分析システムであって、前記システムは、
シース液のフローを伝えるように構成された、流路を有するフローセルであって、前記シース液は前記血液流体サンプルの粘度とは異なる粘度を有する、フローセルと、
前記注入管に隣接する第1の厚さを有するサンプル流体ストリームをもたらすために、前記流路と流体連通し、前記フローセル内の前記流動シース液に前記サンプルを注入するように構成された、サンプル流体注入システムであって、前記フローセルの前記流路は、流路サイズの縮小部を有し、前記サンプル流体ストリームの厚さが、初期厚さから、画像キャプチャサイトに隣接する第2の厚さへと低減する、サンプル流体注入システムと、
前記フローセルの前記画像キャプチャサイトにおいて、第1のサンプル流体からの複数の前記粒子を撮像するために、前記画像キャプチャサイトと整位された、画像キャプチャデバイスと、
前記サンプル流体注入システム及び前記画像キャプチャデバイスと連結されたプロセッサであって、前記プロセッサは、サンプル流量で、前記サンプル流体の前記流動シースへの注入を開始するように構成され、前記シースと血液流体サンプルとの間の前記粘度差と、流路サイズの縮小部及び前記サンプルの前記流量と相まって、前記サンプル流体注入管からの前記サンプル内の細胞を、前記画像キャプチャサイトへと4秒以内に送達し、一方で細胞が前記サンプル流体注入管から前記画像キャプチャサイトへと移動する際に、前記細胞が前記サンプル流体ストリームから前記流動シース液内に延出するときに、前記シース液内の粘性剤が前記細胞の生存性を維持し、前記細胞の構造及び内容を無傷なままに残すのに有効である、プロセッサと、
を備える、システム。
(項目8)
幾何学的ハイドロフォーカシングに向けて構成された、粒子分析システムを使用する、血液流体サンプル内の粒子を撮像する方法であって、前記血液流体サンプルに含まれる前記粒子はサンプル流体粘度を有し、前記方法は、
前記粒子分析システムのフローセルの流路に沿ってシース液を流すことと、
前記血液流体サンプル流体が、フローストリームの厚さよりも大きな幅を備えるサンプルフローストリームとして流れるように、前記血液流体サンプルを、前記フローセル内の前記流動シース液に注入することであって、前記サンプルフローストリームは、流路サイズの縮小部を通じ、かつ撮像軸を横断して流れる、ことと、
前記フローセルに対して固定位置を有する撮像目標を撮像することにより、画像キャプチャデバイスを合焦させることと、
前記画像キャプチャデバイスにより、前記フローストリーム内の粒子を特徴付け、計数するために好適な、前記粒子の合焦画像を得ることであって、前記画像キャプチャデバイスは、変位距離を使用して、サンプルフローストリームに合焦している、ことと、
を含む、方法。
(項目9)
血液流体サンプル内の粒子を撮像するために、幾何学的ハイドロフォーカシングを実行する、粒子分析システムであって、前記システムは、
注入管を備える流路、及び内部に撮像軸を備える撮像窓を有するフローセルであって、前記フローセルの前記流路は流路サイズの縮小部を有する、フローセルと、
前記流路と流体連通したシース液投入部と、
前記感染管と流体連通する血液流体投入部であって、前記血液流体投入部は、前記血液流体サンプルがサンプルフローストリーム内に流れ、フローストリーム厚さよりも大きなフローストリーム幅を有するように、前記血液流体サンプルを前記フローセル内の前記シース液に注入する、血液流体投入部と、
画像キャプチャデバイスと、
前記フローセルに対して、前記画像キャプチャデバイスの合焦状態を設定するように構成された、合焦機構と、
前記フローセルに対して固定位置を有する撮像目標であって、前記撮像目標及びサンプルフローストリームは、前記撮像軸に沿って変位距離を画定する、撮像目標と、
プロセッサと、
前記変位距離を使用して、粒子を特徴付け、計数するのに好適な、前記画像キャプチャデバイスの前記合焦状態を設定するよう前記合焦機構を操作するために、前記プロセッサで実行される機械可読コードを組み込む、有形媒体を含む合焦モジュールと、
を備える、システム。
(項目10)
血液流体サンプル内の第1の細胞種類の量を測定するための方法であって、前記サンプルは第2の細胞種類を含み、前記方法は、
第1の体積の前記サンプル内の前記第2の細胞種類の個体数を、前記第1の体積を血液学的細胞計数器に流すことにより決定することと、
厚さ及び前記厚さよりも大きな幅を有するサンプルストリームをもたらすために、フローセル内の流れるシース液内に、第2の体積の前記サンプルを注入することにより、第1の数の前記第1の細胞種類、及び第2の数の前記第2の細胞種類の画像を得ることであって、前記得られた画像は、前記サンプルストリームの前記厚さを横断する画像経路に沿って得られる、ことと、
前記得られた画像を使用して、前記第1の数の第1の細胞種類の、前記第2の数の前記第2の細胞種類に対する比を決定することと、
前記比及び前記第2の細胞種類の前記個体数を使用して、前記サンプル内の前記第1の細胞種類の細胞量を計算することと、
を含む、方法。
(項目11)
血液流体サンプル内の第1の細胞種類の量を測定するためのシステムであって、前記サンプルは第2の細胞種類を含み、前記システムは、
チャネル及び出力を有する血液学的細胞計数器であって、前記出力は、前記チャネルを通じて流れる第1の体積の前記サンプル内の、前記第2の細胞種類の個体数を示す信号を生成するために、前記チャネルに動作可能に連結される、血液学的細胞計数器と、
サンプルストリームのフローを促進するように構成されたフローセルであって、前記サンプルストリームは、第2の体積の前記サンプル、及びシース液を含み、厚さ及び前記厚さよりも大きな幅を有する、フローセルと、
第1の数の前記第1の細胞種類、及び第2の数の前記第2の細胞種類の画像を得るように構成された撮像装置であって、前記得られた画像は、前記サンプルストリームの前記厚さを横断する画像経路に沿って得られる、撮像装置と、
プロセッサと、
前記得られた画像を使用して、前記第1の数の前記第1の細胞種類の前記第2の数の前記第2の細胞種類に対する比を決定するために、前記プロセッサで実行される機械可読コードを組み込む有形媒体を含む、画像分析モジュールと、
前記比、及び前記第2の細胞種類の個体数を示す前記信号を使用して、前記サンプル内の前記第1の細胞種類の細胞量を計算するために、前記プロセッサで実行される、機械可読コードを組み込む有形媒体を含む、細胞量モジュールと、
を備える、システム。
本発明の実施形態に係る、デジタル画像処理を使用したサンプル画像分析のための、例示的なフローセル、自動焦点システム、及び高光学解像度撮像デバイスの、動作態様を示す、一部断面図であり、縮尺通りではない、概略図である。 本発明の実施形態に係る、光学ベンチ構成を示す。 本発明の実施形態に係る、光学ベンチ構成を示す。 本発明の実施形態に係る、血液分析器のブロック図である。 本発明の実施形態に係る、プロセスのフローチャートを示す。 本発明の実施形態に係る、例示的なモジュールシステムの簡略化したブロック図を提供する。 本発明の実施形態に係る、フローセルの部分を示す。 本発明の実施形態に係る、フローセルの態様を示す。 本発明の実施形態に係る、フローセルの態様を示す。 本発明の実施形態に係る、フローセルの態様を示す。 本発明の実施形態に係る、分析システムの態様を例示する。 本発明の実施形態に係る、フローセルを示す。 本発明の実施形態に係る、フローセル流路の態様を示す。 本発明の実施形態に係る、フローセル流路の態様を示す。 本発明の実施形態に係る、サンプルストリームの寸法の変化を例示する。 本発明の実施形態に係る、サンプルストリームの寸法の変化を例示する。 本発明の実施形態に係る、例示的なカニューレ又はサンプル供給管の特徴を示す。 本発明の実施形態に係る、カニューレの長手方向断面を示す。 本発明の実施形態に係る、遠位扁平区間の横断面を例示する。 本発明の実施形態に係る、中央先細状区間の横断面を例示する。 本発明の実施形態に係る、近位区間の横断面を例示する。 本発明の実施形態に係る、例示的なカニューレ又はサンプル供給管を示す。 本発明の実施形態に係る、例示的なカニューレ、又はサンプル供給管を示す。 本発明の実施形態に係る、カニューレの一部を示す。 本発明の実施形態に係る、フローセルを示す。 本発明の実施形態に係る、フローセルを示す。 本発明の実施形態に係る、フローセルの画像キャプチャサイトを流れるサンプルストリームを示す。 本発明の実施形態に係る、フローセルの画像キャプチャサイトを流れるサンプルストリームを示す。 本発明の実施形態に係る、目標撮像サイトを示す。 本発明の実施形態に係る、目標撮像サイトを示す。 本発明の実施形態に係る、目標撮像サイトを示す。 本発明の実施形態に係る、放物線状のフロープロファイルを示す。 本発明の実施形態に係る、細胞内粒子整位の態様を示す。 本発明の実施形態に係る、細胞内粒子整位の態様を示す。 本発明の実施形態に係る、PIOALシース液を使用して得られる画像と、非PIOALを使用して得られる画像の比較を示す。 本発明の実施形態に係る、標準的なシース液及び例示的なPIOAL流体を使用して得られる画像の比較を示す。 本発明の実施形態に係る、標準的なシース液及び例示的なPIOAL流体を使用して得られる画像の比較を示す。 本発明の実施形態に係る、対称なフローセルと、非対称なフローセルとにおける、PIOAL中の0%〜30%のグリセロールを使用して得られる、未整位の細胞の割合の図を示す。 本発明の実施形態に係る、フローセル内への、1つ以上のサンプル流体の注入に対応するタイムラインを示す。 本発明の実施形態に係る、いくつかの処理技術を使用して得られる結果を示す。 本発明の実施形態に係る、いくつかの処理技術を使用して得られる結果を示す。 本発明の実施形態に係る、いくつかの処理技術を使用して得られる結果を示す。 本発明の実施形態に係る、いくつかの処理技術を使用して得られる結果を示す。 本発明の実施形態に係る、フローセル法と比較した、従来的な顕微鏡湿式マウント法に基づく画像キャプチャ結果を示す。 本発明の実施形態に係る、粘度及び形状の組み合わせによるハイドロフォーカシングに向けて構成された、粒子分析システムを使用して、複数の粒子を撮像する例示的な方法の態様を示す。 本発明の実施形態に係る、例示的なフロー特性を示す。 本発明の実施形態に係る、例示的なフロー特性を示す。 本発明の実施形態に係る、血液流体サンプル内の粒子を撮像するための例示的な方法の態様を示す。 本発明の実施形態に係る、フロー歪み速度の態様を示す。 本発明の実施形態に係る、フロー歪み速度の態様を示す。 本発明の実施形態に係る、例示的なオートフォーカスの目標を示す。 本発明の実施形態に係る、オートフォーカスの目標の一部を含む、キャプチャされた画像を示す。 本発明の実施形態に係る、例示的なオートフォーカスの目標を示す。 本発明の実施形態に係る、例示的なオートフォーカスの目標を示す。 本発明の実施形態に係る、例示的なオートフォーカスの目標を示す。 本発明の実施形態に係る、オートフォーカスの中央部分の拡大図を示す。 本発明の実施形態に係る、フローセル温度センサの図を示す。 本発明の実施形態に係る、フローセル温度センサの図を示す。 本発明の実施形態に係る、フローセル温度センサの図を示す。 本発明の実施形態に係る、フローセル気泡除去技術の態様を示す。 本発明の諸実施形態に係る、血液サンプル内の粒子分析のための動的又は検出範囲の拡大を達成するためのシステム及び方法の追加の諸態様を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る、サンプルを分析するための例示的な装置を示す。 本発明の実施形態に係る、例示的な計数器又は計数モジュールの態様を示す。 本発明の実施形態に係る、血液流体サンプル中の第1の細胞種類の量を測定するためのシステム及び方法の態様を示す。 本発明の実施形態に係る、粒子を含むサンプルを分析するための方法を示す。 本発明の実施形態に係る、粒子の2つのサブカテゴリの濃度を決定する例示的な方法を例示する。 本発明の実施形態に係る、粒子のカテゴリの検出を示す。 本発明の実施形態に係る、粒子のカテゴリの検出を示す。 本発明の実施形態に係る、粒子のカテゴリの検出を示す。 本発明の実施形態に係る、粒子のカテゴリの検出を示す。 本発明の実施形態に係る撮像システム及び方法の態様を示す断面側面図を提供する。 本発明の実施形態に係る撮像システム及び方法の態様を示す断面側面図を提供する。 本発明の実施形態に係る、フローセルの断面端面図を示す。 本発明の実施形態に係る、画像キャプチャデバイスの焦点距離を示す。 本発明の実施形態に係る、オートフォーカスパターンの実施形態を示す、立面図を示す。 本発明の実施形態に係る、合焦構成を示す。 本発明の実施形態に係る、合焦構成を示す。 本発明の実施形態に係る、サンプル処理技術の態様を示す。 一実施形態に係る、粒子造影剤組成物の調整の概略図である。 一実施形態に係る、迅速な1ステップ染色プロセスのフローチャートである。 一実施形態に係る、迅速な1ステップ染色プロセスにより染色された、選択された白血球の例示的な図である。 一実施形態に係る、粒子造影剤組成物で染色されたサンプルから選択された白血球の例示的な図である。 初期実施例1に係る、染色された細胞の例示的な図である。 初期実施例2に係る、染色された細胞の例示的な図である。 初期実施例3に係る、染色された細胞の例示的な図である。 初期実施例4に係る、染色された細胞の例示的な図である。 初期実施例に係る、染色された細胞の例示的な図である。 初期実施例5に係る、染色された細胞の例示的な図である。 初期実施例6に係る、染色された細胞の例示的な図である。
本開示は、粒子を包含するサンプルを分析するための装置、システム、組成物、及び方法に関する。一実施形態において、本発明は、例えば、視覚的分析器であってもよい、分析器を備える自動粒子撮像システムに関する。いくつかの実施形態では、視覚的分析器は、画像の自動分析を促進するためのプロセッサを更に備えてもよい。
本開示によれば、液体内に懸濁された粒子を含むサンプルの画像を得るための、視覚的分析器を備えるシステムが提供される。本システムは、例えば、白血球弁別計数、分類及び細分類並びに分析を含む、赤血球、網赤血球、有核赤血球、血小板、及び白血球の検出及び定量化など、生体液内の粒子の特徴付けのために有用となり得る。他の流体からの血球の特徴付けなどのその他の同様の利用法も本発明の実施形態によって包含される。典型的には、血液流体サンプルを流動シース液内に導入し、一体化したシース液及びサンプル流体を、サンプルリボン流体フローの厚さを減少させる狭窄化流路遷移区域を用いて圧縮する。それゆえ、例えば、狭窄化遷移区域によって提供される幾何学的集束効果と相まって、細胞などの粒子を周囲の粘性シース液によって血液流体サンプル内で配向させ、及び/又は圧縮することができる。同様に、例えば、狭窄化遷移区域によって提供される幾何学的集束効果と相まった、サンプル流体とシース液との粘度差の結果として、血球内の内部の特徴を整位させ、配向させることができる。
細胞などの粒子が分類及び/又は細分類される能力、スピード及び効率を促進するためには、データ処理システムによる自動分析のための血球の鮮明な高品質画像を提供することが有利となる。本開示によれば、調製されたサンプルストリームが、フローセルの対壁間の安定した位置を有する薄いリボン状に整えられる。サンプルストリームの位置付け、及び薄いリボン形状へのその扁平化は、サンプル流体と粘度が異なり、フローチャネルの対称的な狭窄化遷移区域を通って流す、フローセル内に導入されるPIOALの層間の流動によって達成されてもよい。
血液検査−粒子分析システム
次に図面を参照すると、図1は、デジタル画像処理を用いてサンプルフローストリーム32内の微視的粒子を撮像するための構成の高光学解像度撮像デバイス24の観察区域23を通ってサンプル流体を運搬するための例示的なフローセル22を概略的に示す。フローセル22は、粒子造影剤組成物との接触、及び加熱などの処理を受けていてもよいサンプル流体の供給源25に結合される。フローセル22はまた、サンプル流体の粘度よりも大きい粘度を有する透き通ったグリセロール溶液などの、粒子及び/又は細胞内小器官整位液(PIOAL)の1つ以上の供給源27にも結合される。
サンプル流体は、サンプル供給管29の遠位端28における扁平な開口部を通じて、リボン状サンプルストリームの上方及び下方に(又はその両側に)PIOALの安定した対称的な層流を生じさせるPIOALフローが実質的に確立された地点において、フローセル22の内部に注入される。サンプルストリーム及びPIOALストリームは精密定量ポンプによって供給されてもよく、ポンプはPIOALを、注入されたサンプル流体と共に、大幅に狭窄化する流路に沿って移動させる。PIOALはサンプル流体を包囲し、流路が狭窄化する区域21内で圧縮する。それゆえ、区域21における流路厚さの減少部はサンプルストリーム32の幾何学的集束に寄与することができる。サンプル流体リボン32は包囲されてPIOALと一緒に狭窄化区域21の下流へ運搬され、例えば、CCD 48を用いて画像が収集される高光学解像度撮像デバイス24の前を通過するか、又はさもなくばその観察区域23を通過する。プロセッサ18は、入力として、CCD 48からピクセルデータを受け取ることができる。サンプル流体リボンはPIOALと一緒に排出部33へ流れる。
ここに示されるように、狭窄化区域21は、近位厚さPTを有する近位流路部21a、及び遠位厚さDTを有する遠位流路部21bを有することができ、遠位厚さDTは近位厚さPTよりも小さくなるようになっている。したがって、サンプル流体は、近位部21aに対して遠位にあり、かつ遠位部21bに対して近位にあるロケーションにおいて、サンプル管29の遠位端28を通じて注入することができる。それゆえ、サンプル流体は、PIOALストリームが区域21によって圧縮されるときにPIOAL外被に入ることができる。サンプル流体注入管は、サンプル流体が流動シース液内に注入される遠位出口ポートを有し、遠位出口ポートはフローセルの流路サイズの減少部によって囲まれる。
対物レンズ46を有するデジタル高光学解像度撮像デバイス24は、リボン状サンプルストリーム32と交差する光軸に沿って方向付けられる。対物レンズ46とフローセル33との間の相対距離は、光センサアレイ上の合焦したデジタル化画像を解像して収集するために、モータ駆動装置54の作動によって可変である。
いくつかの実施形態によれば、システムは、サンプル流体リボン32をハイドロフォーカスさせるように動作することができる。用語、ハイドロフォーカス(hydrofocus)又はハイドロフォーカシング(hydrofocusing)は、シース液とサンプル流体との粘度差、フローセルの幾何学的狭窄化遷移区域、及びシース液とサンプル流体との速度差によって影響を受ける集束効果を指すことができる。サンプル流体ストリームとシース液ストリームとの速度差から流体力学的流動が生じ、それが流動リボンの厚さ及び形状に影響を及ぼす。
本開示は、リボン状サンプルストリーム32への合焦のための高光学解像度撮像デバイス24の正確な作動位置を自動的に達成するための手法を提供する。フローセル構造22は、リボン状サンプルストリーム32が、フローセル22内の観察区域23を通過するPIOALの層間の薄いリボン状のサンプル流体の流路を画定するフローセル内の固定した信頼できるロケーションを有するように構成することができる。特定のフローセルの実施形態では、PIOALのための流路の断面は、サンプルが、オリフィスにおいて長方形内腔を有する管29、又はカニューレなどの、扁平なオリフィスを通じて挿入される地点において、対称的に狭窄化する。(例えば断面積が20:1の比又は20:1〜70:1の比で幾何学的に狭窄化する)狭窄化流路は、PIOALとサンプル流体との粘度の差、及び任意選択的に、サンプルのフローと比較したPIOALの線スピードの差と共に、協働してサンプル断面を約20:1〜70:1の比で圧縮する。いくつかの実施形態では、断面厚さの比は40:1であってもよい。
一態様において、フローセル22の対称性並びにサンプル流体及びPIOALの注入の仕方によって、PIOALの2つの層間のリボン状サンプルストリーム32のためのフローセル22内の再現性のある位置が提供される。その結果、サンプル及びPIOALの固有の線速度などのプロセスばらつきは、リボン状サンプルストリームをフロー内のそのロケーションから変位させにくい。フローセル22の構造に対して、リボン状サンプルストリーム32のロケーションは安定し、再現性を有する。
しかし、フローセル22及び光学系の高光学解像度撮像デバイス24の相対位置は変化を受ける場合があり、高光学解像度撮像デバイス24とリボン状サンプルストリーム32との間の最適又は所望距離を維持し、かくして、リボン状サンプルストリーム32内に包囲された粒子の良質の合焦画像を提供するために、時折の位置調整の恩恵を受ける場合がある。いくつかの実施形態によれば、包囲された粒子の合焦画像を得るための高光学解像度撮像デバイス24とリボン状サンプルストリーム32との間の最適又は所望距離が存在し得る。まず、高光学解像度撮像デバイス24を、フローセル22に対する定位置を有するオートフォーカス目標44から最適又は所望距離に配置するように、光学素子をオートフォーカス又はその他の手法によってフローセル22に対して正確に位置付けることができる。オートフォーカス目標44とリボン状サンプルストリーム32との間の変位距離は、例えば、初期校正ステップの結果、精密に分かっている。オートフォーカス目標44にオートフォーカスした後、次に、フローセル22及び/又は高光学解像度撮像デバイス24をオートフォーカス目標44とリボン状サンプルストリーム32との間の既知の変位距離にわたって変位させる。その結果、高光学解像度撮像デバイス44の対物レンズは、包囲された粒子を包含するリボン状サンプルストリーム32に精密に合焦される。
本発明の例示的な実施形態は焦点又は撮像目標44へのオートフォーカスを含む。目標44は、高光学解像度撮像デバイス又はデジタル画像キャプチャデバイス24の光軸に沿った既知のロケーションを画定する高コントラスト図像である。目標44は、リボン状サンプルストリーム32のロケーションに対して既知の変位距離を有することができる。特に目標特徴に対しては、コントラスト測定アルゴリズムを用いることができる。一例では、高光学解像度撮像デバイス24の位置を、高光学解像度撮像デバイス又はデジタル画像キャプチャデバイスの光軸に平行な線に沿って変化させ、コントラスト図像の縁部を横断することが分かっている画像内のピクセルの線に沿って生じるピクセル輝度値の間で1つ以上の最大振幅差が見いだされる深度又は距離を見つけることができる。場合によっては、オートフォーカスパターンは、光軸に平行な線に沿って変化を有しない。この線は、モータによる制御装置がそれに沿って高光学解像度撮像デバイス24の位置を調整し、記録された変位距離を提供するように動作する線でもある。
このように、コントラストに関してあまり高度に規定されないか、又は様々な位置のどこかに配置され得る、画像間で変化し得る画像内容の外観に、参照用の距離ロケーションを決定するための基準としてオートフォーカスするか又は依存する必要はなくてよい。オートフォーカス目標44への最適又は所望の焦点のロケーションを見つけた後に、高光学解像度撮像デバイスの対物レンズ24及びフローセル22の相対位置を記録された変位距離だけ変位させ、リボン状サンプルストリーム32内の粒子のための最適又は所望の焦点位置を提供することができる。
いくつかの実施形態によれば、高光学解像度撮像デバイス24は、光源42によって照明開口部(窓)43を通してバックライトを当ててリボン状サンプルストリーム32の画像を解像することができる。図1に示される実施形態では、照明開口部43の外周がオートフォーカス目標44を形成している。しかし、目的は、リボン状サンプルストリーム32の精密に合焦された画像を、高光学解像度撮像デバイス光学素子46を通して集積電荷結合デバイスなどの感光性素子のアレイ上で収集することである。
高光学解像度撮像デバイス24及びその光学素子46は、距離50において合焦したリボン状サンプルストリーム32内の粒子の画像を解像するように構成される。この距離は、光学系の寸法、レンズの形状、及びそれらの材料の屈折率の結果であり得る。場合によっては、高光学解像度撮像デバイス24とリボン状サンプルストリーム32との間の最適又は所望距離は変化しない。他の場合では、フローセル22と高光学解像度撮像デバイス及びその光学素子46との間の距離を変化させることができる。高光学解像度撮像デバイス24及び/又はフローセル22を(例えば、撮像デバイス24とフローセル22との間の距離51を調整することによって)互いに対して近づけるか若しくは引き離すと、フローセルに対する距離50の端部における合焦点のロケーションは移動する。
本発明の実施形態によれば、合焦目標44は、リボン状サンプルストリーム32からある距離で配置することができ、この場合には、照明源42からの光のための開口部43の縁部においてフローセル22に直接固定される。合焦目標44はリボン状サンプルストリーム32から一定の変位距離52にある。多くの場合、フローセル内のリボン状サンプルストリーム32のロケーションは一定のままであるため、変位距離52は一定である。
例示的なオートフォーカス手順は、高光学解像度撮像デバイス24及びフローセル22の相対位置を、モータ54を用いて、適切な焦点距離に達するように調整し、それによって、高光学解像度撮像デバイス24をオートフォーカス目標44に合焦させることを含む。本例では、オートフォーカス目標44はフローセル内のリボン状サンプルストリーム32の後ろにある。次に、オートフォーカス手順が、光センサ上で解像された画像はオートフォーカス目標44の正確に合焦された画像になっていることを確立するまで、高光学解像度撮像デバイス24をフローセル22に向かって移動させるか、又はそれから遠ざける。次に、モータ54を作動させて高光学解像度撮像デバイス24及びフローセル22の相対位置を変位させ、高光学解像度撮像デバイスをリボン状サンプルストリーム32に合焦させる。すなわち、高光学解像度撮像デバイス24をフローセル22から精密に変位距離52の全長だけ離すことによって合焦させる。この例示的な実施形態では、撮像デバイス24が、モータ54によって焦点位置に到達するべく移動されるように示されている。他の実施形態では、フローセル22が、合焦画像を得るべく同様の手段によって移動されるか、又はフローセル22及び撮像デバイス24の両方が移動される。
もし、合焦目標44が後方の照明窓43とは反対に前方のビューポート窓上に配置されていれば、これらの移動方向は無論、逆になるであろう。その場合には、変位距離はリボン状サンプルストリーム32と前方のビューポートにおける目標44(図示せず)との間の全長になるであろう。
高光学解像度撮像デバイス24の光軸に沿ったリボン状サンプルストリーム32とオートフォーカス目標44との間の距離に等しい変位距離52は、工場校正ステップにおいて確立するか、又はユーザが確立することができる。通例、一度確立すると、変位距離52は変化しない。熱膨張変化及び振動のために、高光学解像度撮像デバイス24及びフローセル22の精密な位置を互いに対して変化させる場合があり、そのため、オートフォーカスプロセスの再開始を余儀なくさせる。しかし、目標44にオートフォーカスすると、フローセル22に対して固定し、それゆえリボン状サンプルストリーム32に対して固定した位置参照が提供される。同様に、変位距離は一定である。したがって、目標44にオートフォーカスし、高光学解像度撮像デバイス24及びフローセル22を変位距離の全長だけ変位させることによって、その結果、高光学解像度撮像デバイスはリボン状サンプルストリーム32に合焦する。
いくつかの実施形態によれば、合焦目標は、照明開口部43の周囲に印刷されるか又は取り付けられた高コントラストの円として提供される。代替的な合焦目標構成が本明細書の他の箇所において説明されている。目標44に合焦して正方形又は長方形の画像を収集すると、照明の中心の周囲に高コントラストの枠が現れる。画像内で開口部の内縁において最高コントラストが得られる位置を探すと、高光学解像度撮像デバイスは自動的に目標44の作動ロケーションにおいて合焦される。いくつかの実施形態によれば、用語「作動距離」は対物レンズとその焦平面との間の距離を指すことができ、用語「作動ロケーション」は撮像デバイスの焦平面を指すことができる。画像の最高コントラスト測度は、最も明るい白色の測定ピクセルと最も暗い黒色の測定ピクセルとが、内縁を通る線に沿って互いに隣接している。最高コントラスト測度を用いて、撮像デバイスの焦平面は目標44に対する所望の位置にあるかどうかを評価することができる。端線検出手法、画像分割、及び隣接ピクセル間の振幅の差を積分し、最も高くなる差の総和を探すことなどの、その他のオートフォーカス手法も同様に用いることができる。1つの手法では、目標44の両側の作動位置を包含する3つの距離において差の総和が算出され、結果の値を特性曲線に一致させる。最適距離は曲線上のピーク値にある。関連して、例示的なオートフォーカス手法は、異なる位置においてフローセル目標の画像を収集し、目標の画像が最もくっきりするときに最大となる指標を用いて画像を分析し、最良の焦点位置を見つけることを含むことができる。第1の(粗い)ステップの間に、オートフォーカス手法は、2.5μm間隔で収集された画像のセットから予備的な最良の位置を見つけるように動作することができる。その位置から、次に、オートフォーカス手法は0.5μm間隔で(細かい)画像の第2のセットを収集し、目標への最終的な最良の焦点位置を算出することを含むことができる。
場合によっては、合焦目標(オートフォーカスパターン)は、サンプルが現れる予定の観察領域の周辺上に存在することができる。合焦目標は、このような図15に示されるものにおける、視野内に存在するコントラストをなす図形によって画定することができることもあり得る。通例、オートフォーカス目標はフローセル上に装着するか、又はフローセルに対する定位置において強固に取り付ける。オートフォーカス目標の画像のコントラストを最大化することに応答する検出器によって制御される位置決めモータの力を受けて、装置は、リボン状サンプルストリームではなく、目標にオートフォーカスする。次に、フローセル及び/又は高光学解像度撮像デバイスを互いに対して、オートフォーカス目標とリボン状サンプルストリームとの間の距離であることが分かっている変位距離だけ変位させることによって、高光学解像度撮像デバイスの作動位置又は焦平面をオートフォーカス目標からリボン状サンプルストリームへ変位させる。その結果、リボン状サンプルストリームは、収集されたデジタル画像内で合焦して見える。
データ処理手法によって赤血球及び白血球のカテゴリ及び/又はサブカテゴリなどの粒子種類を識別するためには、1つのカテゴリ又はサブカテゴリを他のものと識別する外観を明らかにするのに十分な解像度及び鮮明度を有する微視的ピクセル画像を記録することが有利である。説明されているように、本発明の目的は、オートフォーカス手法を容易にすることである。
実用的実施形態では、装置は、図1Aに示されているもの、及び図1Bに拡大されているものなどの、光学ベンチ設備を基盤とすることができる。光学ベンチ設備は、ジンバルで支える保持具又はフローセル保持具55内に装着されたフローセル22上へ方向付けられ、高光学解像度撮像デバイス24によって得られる画像内のフローセル22の内容にバックライトを当てる照明源42を有する。保持具55はモータ駆動装置上に装着され、それにより、高光学解像度撮像デバイス24に向かう方向及びそれから遠ざかる方向に精密に移動可能となっている。保持具55はまた、高光学解像度撮像デバイス又はデジタル画像キャプチャデバイスの光学視軸に対するフローセルの精密な整位も可能にし、それにより、リボン状サンプルストリームが撮像される区域、すなわち、図1に示されるように、照明開口部43と観察ポート57との間の区域内で、リボン状サンプルストリームが、視軸に垂直な平面内を流れるようにする。合焦目標44は、例えば、高光学解像度撮像デバイス又はデジタル画像キャプチャデバイスの光軸に垂直なリボン状サンプルストリームの平面を確立するための保持具55の調整を補助することができる。
それゆえ、保持具55は、例えば、画像キャプチャデバイス24又は画像キャプチャデバイス対物レンズに対する、フローセル22の位置及び配向の非常に精密な線形調整及び角度調整を提供する。ここに示されるように、保持具55は、画像キャプチャデバイスに対する保持具及びフローセルの角度調整を容易にするための2つの枢動点55a、55bを含む。角度調整枢動点55a、55bは同じ平面内に配置され、(例えば、画像キャプチャサイトにおいて)フローセルチャネルに中心を合わせられている。これによって、フローセル位置の直線平行移動を全く生じさせずに角度を調整することが可能になっている。保持具55は、枢動点55aの軸を中心として、若しくは枢動点55bの軸を中心として、又は両方の軸を中心として回転させることができる。このような回転は、図4に示されるプロセッサ440及びフローセル制御機構442などの、プロセッサ及びフローセル移動制御機構によって制御することができる。
図1Bの参照に戻ると、画像キャプチャデバイス24及び(フローセル22を伴う)保持具55の一方又は両方は、種々の軸(例えばX、Y、Z)に沿って3次元で回転又は平行移動させることができることが分かる。それゆえ、画像キャプチャデバイスの焦点を調整するための例示的な手法は、例えば、デバイス24を、軸Xを中心として回転させることによって、撮像軸を中心とする画像キャプチャデバイス24の軸回転を実施することを含むことができる。焦点調整はまた、撮像軸に沿って延びる軸を中心とする、例えば軸Xを中心とする、撮像デバイスの視野内におけるフローセル22及び/又は保持具保持具55の軸回転によって達成することもできる。場合によっては、焦点調整は画像キャプチャデバイスのチップ回転(例えば軸Yを中心とする回転)を含んでもよい。場合によっては、焦点調整はフローセルのチップ回転(例えば軸Yを中心とする、又は枢動点55aを中心とする回転)を含んでもよい。ここに図示されるように、枢動点55aは、フローセルの流路に沿ってその内部に延びるY軸に対応する。場合によっては、焦点調整は画像キャプチャデバイスのティルト回転(例えば軸Zを中心とする回転)を含むことができる。場合によっては、焦点調整はフローセルのティルト回転(例えば軸Zを中心とする、又は枢動点55bを中心とする回転)を含んでもよい。ここに図示されるように、枢動点55bは、流路及び撮像軸を横切るZ軸に対応する。場合によっては、画像キャプチャデバイスは、回転の中心を画像キャプチャデバイスの視野内に置いて、(例えば軸Xを中心とする)フローセルの回転を実施することによって、サンプルフローストリームに合焦させることができる。本明細書に説明されている3次元回転調整は、分析器システムの1つ以上の構成要素における位置ずれに対処するために実施することができる。場合によっては、3次元回転調整は、分析器システムの1つ以上の構成要素における温度変動に対処するために実施することができる。場合によっては、分析器システムの調整は、撮像デバイス24を、軸Xに沿って平行移動させることを含んでもよい。場合によっては、分析器システムの調整は、保持具55又はフローセル22を軸、Xに沿って平行移動させることを含んでもよい。
いくつかの実施形態によれば、液体内に懸濁された粒子を包含するサンプルの画像を得るための視覚的分析器は、図1に示されるように、サンプルの供給源25及びPIOAL材料の供給源27に結合される、フローセル22を含む。図3の断面図に見られるように、フローセル22は、フロー方向(図3では右から左、又は図1では下から上)に対称的に狭窄化する内部流路を画定する。フローセル22は、PIOALによって包囲されたサンプルのフロー32を誘導し、フローセル内の観察区域、すなわち、観察ポート57の後ろの観察区域を通過させるように構成される。
図1を再び参照すると、対物レンズ46を有するデジタル高光学解像度撮像デバイス24は、リボン状サンプルストリーム32と交差する光軸に沿って方向付けられる。対物レンズ46とフローセル33との間の相対距離は、光センサアレイ上の合焦したデジタル化画像を解像して収集するために、モータ駆動装置54の動作によって可変である。
フローセル22に対して固定した位置を有するオートフォーカスパターン44は、リボン状サンプルストリーム32の平面から変位距離52に配置される。図示の実施形態では、オートフォーカスパターン(目標44)は、高光学解像度撮像デバイス24によって収集された画像内で可視のロケーションにおいてフローセル22に直接取り付けられている。別の実施形態では、目標は、フローセルの本体に一体的に直接取り付けない場合には、フローセル22及びその内部のリボン状サンプルストリーム32に対する定位置に強固に固定された部品上に保持することができる。
光源42は、定常光源とすることができるか、又は高光学解像度撮像デバイス光センサの動作に合わせて一瞬光らせるストロボとすることができ、リボン状サンプルストリーム32を照明し、更に、目標44のコントラストにも寄与するように構成される。図示の実施形態では、照明はバックライト照射からのものである。
図1Cは、例示的な血液分析器の追加の態様を示すブロック図を提供する。ここに示されるように、分析器100cは、モータ駆動装置54を作動させ、目標オートフォーカスパターン44に対する異なる焦点位置において収集された光センサアレイからのデジタル化画像を分析するために結合される少なくとも1つのデジタルプロセッサ18を含む。プロセッサ18は、オートフォーカスパターン44の焦点位置を決定するように、すなわち、目標オートフォーカスパターン44にオートフォーカスし、かくして、高光学解像度撮像デバイス24とオートフォーカスパターン44との間の最適距離を確立するように構成される。これは、画像全体に適用するか、又は少なくともオートフォーカスパターン44の縁部において適用することができる、第1の距離における画像内のコントラストのレベルを評価するためのアルゴリズムを適用することなどの、画像処理ステップによって達成することができる。プロセッサはモータ54を別の位置へ移動させ、その位置又は縁部におけるコントラストを評価し、2回以上の反復後、オートフォーカスパターン44への合焦の精度が最大になる最適距離(又はその位置へ移動させれば合焦の精度が最適化されるであろう最適距離)を決定する。プロセッサは、オートフォーカス目標オートフォーカスパターン44とリボン状サンプルストリームとの間の固定した間隔を信頼し、次に、プロセッサ18はモータ54を作動させ、高光学解像度撮像デバイス24を、リボン状サンプルストリーム32に合焦するための正しい距離へ移動させる。より具体的には、プロセッサはモータを作動させ、高光学解像度撮像デバイスとリボン状サンプルストリーム32との間の距離を、リボン状サンプルストリームが目標オートフォーカスパターン44から変位している(例えば図1に示される通りの)変位距離52だけ変位させる。こうして、高光学解像度撮像デバイスはリボン状サンプルストリームに合焦される。
モータ54は、高光学解像度撮像デバイス又はデジタル画像キャプチャデバイスによって撮像される識別する特徴、特に、血球の外観よりもいくらか小さい精密度を有する歯車付きステッピングモータを備えることができる。高光学解像度撮像デバイス24のロケーションを、光学対物レンズの位置をリボン状サンプルストリームの幅内に配置するように調整すれば、リボン状サンプルストリーム内の細胞/粒子の視像が合焦する。オートフォーカスパターン44は高光学解像度撮像デバイス又はデジタル画像キャプチャデバイスの視野の縁部に配置することができ、その理由のために、観察の邪魔にならない。
更に、高光学解像度撮像デバイスが変位距離をわたって移動され、オートフォーカスパターンが合焦しなくなると、合焦して見える特徴は、オートフォーカスパターンではなく、血球になる。図21の実施形態では、例えば、オートフォーカスパターンは視野内の図形によって規定される。図形は、有限のサイズの比較的薄い離散した形であり、したがって、変位距離だけ移動した後には、リボン状サンプルストリームに合焦されたときのデジタル化画像内に形はほぼ見えなくなる。典型的な変位距離は、例えば、血液(血球)撮像用途のために寸法が決められたフローセル内では、50〜100μmであってもよい。いくつかの実施形態では、オートフォーカス機能は高光学解像度撮像デバイスを最適焦点距離の1μm以内に維持する。
フローセルの内部輪郭並びにPIOAL流量及びサンプル流量は、サンプルがリボン状ストリームに形成されるように調整することができる。ストリームは、リボン状サンプルストリーム内に包囲される粒子とおおよそ同じ薄さとするか、又はそれらよりも更に薄くすることができる。白血球は、例えば、10μm前後の直径を有してもよい。10μm未満の厚さを有するリボン状サンプルストリームを提供することによって、リボン状サンプルストリームがシース液、すなわちPIOALによって引き伸ばされたときに、細胞を配向させることができる。驚くべきことに、より高い粘度などの、リボン状サンプルストリームと異なる粘度のPIOAL層内で狭窄化流路に沿ってリボン状サンプルストリームを引き伸ばすことは、非球状粒子をフロー方向に実質的に平行な平面に整位させ、細胞に力を加え、細胞の細胞内構造の含有物の合焦を改善する有利な傾向を有する。高光学解像度撮像デバイス24の光軸はリボン状サンプルストリームの平面に実質的に垂直(直角)である。撮像地点におけるリボン状サンプルストリームの線速度は、例えば、20〜200mm/秒であってもよい。いくつかの実施形態では、リボン状サンプルストリームの線速度は、例えば、50〜150mm/秒であってもよい。
リボン状サンプルストリームの厚さは、サンプル流体及びPIOALの相対粘度及び流量によって影響を受け得る。図1の参照に戻ると、例えば精密容積式ポンプを備える、サンプルの供給源25及び/又はPIOALの供給源27は、リボン状サンプルストリーム32の寸法を最適化するために、すなわち、高光学解像度撮像デバイス24の視野と少なくとも同じ幅の薄いリボンとして最適化するために制御可能な流量でサンプル及び/又はPIOALを提供するように構成することができる。
一実施形態において、PIOALの供給源27は、PIOALを所定の粘度で提供するように構成される。その粘度はサンプルの粘度と異なってもよく、サンプルの粘度よりも高くすることができる。PIOALの粘度及び密度、サンプル材料の粘度、PIOALの流量及びサンプル材料の流量は、リボン状サンプルストリームを、オートフォーカスパターンから変位距離に維持し、有利なリボン状サンプルストリームの厚さなどの、所定の寸法特性を有する状態に維持するように調整される。
実用的実施形態では、PIOALは、サンプルよりも高い線速度及びサンプルよりも高い粘度を有し、それにより、サンプルを平坦なリボン状に引き伸ばす。場合によっては、PIOAL粘度は最大10センチポアズに達し得る。
図1Cに示される実施形態では、光センサアレイから得られたピクセルデジタル画像の分析に用いる同じデジタルプロセッサ18を、オートフォーカス用モータ54の制御にも用いる。しかし、通常は、画像をキャプチャするたびに高光学解像度撮像デバイス24をオートフォーカスさせるわけではない。オートフォーカスプロセスは、定期的に(一日の開始時若しくはシフトの開始時に)遂行するか、又は例えば、温度若しくはその他のプロセスの変化が、対応するセンサによって検出されたときに遂行するか、又は画像分析が再合焦の潜在的必要性を検出したときに遂行することができる。場合によっては、自動オートフォーカスプロセスは約10秒の期間内に実行されてもよい。場合によっては、オートフォーカス手順は、サンプルのラック(例えばラックごとに10個のサンプル)を処理する前に実行することができる。他の実施形態では、血液画像分析は1つのプロセッサによって遂行させ、自らの光センサアレイに任意選択的に関連付けられ、固定した目標44に対するオートフォーカスのステップを処理するように構成された別個のプロセッサを有することも可能である。
デジタルプロセッサ18は、プログラムされた時間に、又はプログラムされた条件で、又はユーザの要求に応じてオートフォーカスするように構成することができ、また、画像に基づく粒子の分類及び細分類も実行するように構成される。例示的な粒子としては、細胞、白血球、赤血球及び同様のものが挙げられる。
一実施形態において、図1又は図1Cのデジタルプロセッサ18は、オートフォーカス再開始信号を検出するように構成される。オートフォーカス再開始信号は、検出された温度変化、ピクセル画像日付のパラメータによって認識される通りの合焦の質の低下、時間の経過、又はユーザ入力によってトリガすることができる。有利には、図1に示される変位距離52を再校正のために測定するという意味で再校正を行う必要はない。任意選択的に、オートフォーカスは、品質管理のため、及び又は合焦を維持するために、特定の頻度/間隔で作業の合間に再校正を行うようにプログラムすることができる。
変位距離52はフローセルごとに少しずつ異なるが、所与のフローセルについては一定のままである。画像分析器をフローセルに取り付ける際のセットアッププロセスとして、まず、変位距離を推定し、次に、オートフォーカス及び撮像の態様を実行する校正ステップの間に、フローセルのための正確な変位距離を決定し、定数としてプロセッサ18のプログラミングに入力する。
したがって、図1Dにフローチャート形式で示されるように、並びに図1及び/又は図1Cの血液分析器を参照すると、開示される方法及び装置によって行われるプロセスは、1度だけ校正を必要とするか、又はごくたまに行うだけでよい。校正は、ステップ110dにおいて指示されるように、コントラスト目標44に合焦すること、リボン状サンプルストリーム32に合焦すること、及びこれらの2つのロケーション間の光軸に沿った変位を覚えておくこと、を含むことができる。その変位は定数として覚えておくことができる。その後、モータ54を制御し、光センサアレイからの画像データを分析することによって、プロセッサ18は、ステップ120dにおいて指示されるように、目標44にオートフォーカスし、高光学解像度撮像デバイス24及び/又はフローセル22を互いに対して、覚えておいた変位距離だけ変位させる。そうすると、リボン状サンプルストリーム32は合焦し、その画像を、一定間隔で、特に、観察ポート57における観察区域を通過するリボン状サンプルストリームの部分の実質的に重複しない隣接視像を収集するために十分な間隔で、(ステップ130dにおいて指示されるように)収集し、(ステップ140dにおいて指示されるように)処理することができる。(ステップ150dにおいて指示される通りの)自己監視によって、データ異常、又は熱膨張の差のために高光学解像度撮像デバイス24及びフローセル22の相対位置を変えた可能性がある温度変化が明らかになると、このとき、(ステップ160dにおいて指示される通りの)オートフォーカスが開始され、その後、通常の動作が再開する。それゆえ、オートフォーカスプロセスは、オートフォーカス再開始信号を検出すること、並びにオートフォーカス再開始信号に応じてオートフォーカス及び画像取得ステップを繰り返すことを含んでもよい。いくつかの実施形態では、オートフォーカス再開始信号は、温度変化、合焦の質の低下、時間インターバルの経過、又はユーザ入力を含むか又はそれに基づくことができる。
リボン状サンプルストリームの線速度は、光センサアレイの画像露光時間におけるデジタル化画像の動きぶれを阻止するために、十分に制限することができる。光源は、任意選択的に、短時間に高い入射振幅を加えるために一瞬光らせるストロボ光とすることができる。オートフォーカスパターン44及び画像は同じ視野内にあるので、光源は、リボン状サンプルストリーム及びオートフォーカスパターンを同時に照明するように構成される。しかし、他の実施形態では、撮像のための視野とオートフォーカスのための視野は異なり、例えば、別々に照明し、及び/又は撮像することができる。
主題の開発技術は方法の態様及び装置の態様を有する。視覚的分析器を合焦させる方法は、デジタル高光学解像度撮像デバイス又はデジタル画像キャプチャデバイスであってもよい高光学解像度撮像デバイス24を、フローセル22に対して固定したオートフォーカスパターン44に合焦させること含む。ここで、オートフォーカスパターン44はリボン状サンプルストリーム32から変位距離52に配置される。デジタル高光学解像度撮像デバイス24は、リボン状サンプルストリーム32と交差する光軸を有する対物レンズを有する。対物レンズとフローセル22との間の相対距離はモータ駆動装置54の作動によって変化させるが、一方で、高光学解像度撮像デバイスと最適焦点の地点との間の光軸に沿った距離は既知である。デジタル高光学解像度撮像デバイスは、光センサアレイ上のデジタル化画像を解像して収集するように構成される。オートフォーカスプロセスでは、モータ駆動装置を作動させ、オートフォーカスパターンに合焦する。次に、モータ駆動装置を変位距離にわたって作動させ、それにより、高光学解像度撮像デバイスをリボン状サンプルストリームに合焦させる。
目標へのオートフォーカス及び変位距離だけの変位を用いて、リボン状サンプルストリームに合焦するために適切な距離を得ることが可能である。しかし、好都合に、オートフォーカスは画像キャプチャのたびに必要ないか又は繰り返されない。しかし、オートフォーカスは特定の条件で始められる。オートフォーカスパターンに再合焦するステップ、モータ駆動装置を変位距離にわたって作動させるステップ、及び高光学解像度撮像デバイスをリボン状サンプルストリームに再合焦させるステップを生じさせる、オートフォーカス再開始信号を検出又は生成することができる。オートフォーカス再開始信号は、例えば温度の変化の検出、合焦の質の低下、時間の経過、その他のプロセスパラメータ又はユーザ入力によって生じることができる。
図1Eは、モジュールシステム100eの個々のシステム要素が分離した又はより統合された様式でどのように実装され得るかを、大まかに図解する、例示的なモジュールシステムの簡略ブロック図である。モジュールシステム100eは、本発明の実施形態に係る、血液サンプル流体内の粒子を撮像するための粒子分析システムの一部であるか、又はそれと接続していてもよい。モジュールシステム100eは、本明細書の他の箇所で説明されるように、合焦及び撮像手法に関するデータ若しくは命令の生成、合焦及び撮像手法に関する入力の受信、並びに/又は合焦及び撮像手法に関する情報若しくはデータの処理によく適している。いくつかの例において、モジュールシステム100eは、バスサブシステム102eを介して電気的に結合する、1つ以上のプロセッサ104e、ユーザインタフェース入力装置のような1つ以上の入力装置106e、及び/又はユーザインタフェース出力装置のような1つ以上の出力装置108eを含む、ハードウェア要素を含む。場合によっては、システム100eは、ネットワークインタフェース110e、並びに/又は撮像システム142eから信号を受信し、及び/若しくは撮像システム142eへ信号を伝送することができる撮像システムインタフェース140eを含む。いくつかの例において、システム100eは、例えば、ここでは、メモリ114eの作業メモリ112e内に配置されるものとして示される、本明細書に開示する技術の1つ以上の態様を実装するように構成されるプログラムなどの、オペレーティングシステム116e、及び/又は他のコード118eのような、、ソフトウェア要素を含む。
いくつかの実施形態において、モジュールシステム100eは、本明細書に開示する様々な技術の機能性を提供する基礎プログラミング及びデータ構造体を記憶できる記憶サブシステム120eを含んでもよい。例えば、本明細書に開示する方法態様の機能性を実装するソフトウェアモジュールは、記憶サブシステム120eにおいて記憶されてもよい。これらのソフトウェアモジュールは、1つ以上のプロセッサ104eによって実行されてもよい。分散環境において、ソフトウェアモジュールは、複数のコンピュータシステム上に記憶され、複数のコンピュータシステムのプロセッサによって実行されてもよい。記憶サブシステム120eは、メモリサブシステム122e及びファイル記憶サブシステム128eを含み得る。メモリサブシステム122eは、プログラム実行中の命令及びデータの記憶のためのメインのランダムアクセスメモリ(RAM)126e、並びに固定命令を記憶する読み取り専用メモリ(ROM)124eを含む、多数のメモリを含んでもよい。ファイル記憶サブシステム128eはプログラム及びデータファイルのための永続的(不揮発性)記憶装置を提供することができ、任意に、サンプル、患者、治療、評価、又はその他データを組み入れることができる有形記憶媒体を備えてよい。ファイル記憶サブシステム128eは、ハードディスクドライブ、関連する取り外し可能媒体を伴うフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトデジタル読み取り専用メモリ(CD−ROM)ドライブ、光学ドライブ、DVD、CD−R、CD RW、固体取り外し可能メモリ、他の取り外し可能メディアカートリッジ又はディスクなどを含んでもよい。当該ドライブの1つ以上は、遠隔位置でモジュールシステム100eに結合する他のサイトの他の接続コンピュータ上に配置されてもよい。いくつかの例において、システムは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、本明細書に開示する技術又は方法の任意の態様を実施させることができる、1つ以上の一連の命令を記憶する、コンピュータ読取り可能記憶媒体又は他の有形記憶媒体を含んでもよい。本明細書に開示する技術の機能性を実装する1つ以上のモジュールはファイル記憶サブシステム128eによって記憶されてもよい。いくつかの実施形態において、ソフトウェア又はコードは、モジュールシステム100eが通信ネットワーク130eと通信することを可能にするプロトコルを提供し得る。任意で、かかる通信は、ダイヤルアップ又はインターネット接続通信を含んでもよい。
システム100eは、本発明の方法の様々な態様を実行するように構成され得るということが理解される。例えば、プロセッサ構成要素又はモジュール104eは、センサ入力装置若しくはモジュール132eから、ユーザインタフェース入力装置若しくはモジュール106eから、並びに/又は撮像システム142eから、任意選択的に、画像システムインタフェース140e及び/若しくはネットワークインタフェース110e並びに通信ネットワーク130eを介して、温度パラメータ信号及び/又はフローセル動作パラメータを受信するように構成されるマイクロプロセッサ制御モジュールであり得る。場合によっては、センサ入力装置(単数又は複数)は、血液流体サンプルの画像を得るために備えられる粒子分析システムを含むか又はその一部であってもよい。場合によっては、ユーザインタフェース入力装置(単数又は複数)106e及び/又はネットワークインタフェース110eは、画像パラメータを得るために備えられる粒子分析システムによって生成された画像パラメータ信号を受信するように構成されてもよい。場合によっては、撮像システム142eは、血液流体サンプルに関連する画像パラメータを得るために備えられる粒子分析システムを含むか又はその一部であってもよい。
また、プロセッサ要素、つまりモジュール104eは、粒子分析パラメータ信号又は画像パラメータ信号を、本明細書に開示される任意の手法によって任意に処理して、センサ出力装置、つまりモジュール136eに、ユーザインタフェース出力装置、つまりモジュール108e、ネットワークインタフェース装置、つまりモジュール110eに、撮像システムインタフェース140eに、又はこれらの任意の組み合わせに伝送するように構成することもできる。本発明の実施形態に従う装置又はモジュールのそれぞれは、プロセッサによって処理されるコンピュータ読取り可能媒体上の1つ以上のソフトウェアモジュール、若しくはハードウェアモジュール又はそれらの組み合わせを含み得る。様々な一般的に使用されるプラットフォーム、例えば、Windows(登録商標)、MacIntosh、及びUnix(登録商標)のいずれかが、一般的に使用されるプログラミング言語のいずれかと共に、本発明の実施形態を実装するために使用され得る。
ユーザインタフェース入力装置106eは、例えば、タッチパッド、キーボード、マウスのようなポインティング装置、トラックボール、グラフィックスタブレット、スキャナ、ジョイスティック、画面に組み込まれたタッチスクリーン、音声認識システムのようなオーディオ入力装置、マイク、及び他の型の入力装置を含んでもよい。ユーザ入力デバイス106eはまた、有形記憶媒体から又は通信ネットワーク130eから、本明細書に開示する方法又はその態様のいずれかを具体化するコンピュータ実行可能コードをダウンロードしてもよい。端末ソフトウェアは時々更新され端末に適切にダウンロードされ得るということが理解されるだろう。概して、用語「入力装置」は、情報をモジュールシステム100eに入力するための、様々な通常の及び固有の装置及び手段を含むことを意図する。
ユーザインタフェース出力装置106eは、例えば、表示サブシステム、プリンタ、ファックス機、又はオーディオ出力装置のような非視覚表示を含んでもよい。当該表示サブシステムは、陰極線管(CRT)、液晶画面(LCD)のような平板装置、投影装置等であってもよい。表示サブシステムは、オーディオ出力装置を介してのような非視覚表示もまた提供してもよい。概して、用語「出力装置」の使用は、モジュールシステム600からユーザに情報を出力するための、様々な通常の及び固有の装置及び手段を含むことを意図する。
バスサブシステム102eは、モジュールシステム100eの様々な構成要素及びサブシステムを意図又は所望に応じて互いに通信させるためのメカニズムを提供する。モジュールシステム100eの様々なサブシステム及び構成要素は、同じ物理的位置にある必要はないが、分散ネットワーク内の様々な位置に分散されてもよい。バスサブシステム102eは単一バスとして模式的に示されるが、バスサブシステムの代替の実施形態は複数のバスを活用してもよい。
ネットワークインタフェース110eは、外部ネットワーク130e又は他の装置へのインタフェースを提供し得る。外部通信ネットワーク130eは、相手方との通信を必要又は所望に応じて生じさせるように構成され得る。したがってそれは電子パケットをモジュールシステム100eから受信し、必要又は所望に応じて任意の情報をモジュールシステム100eに返送することができる。ここに図示されるように、通信ネットワーク130e及び/又は撮像システムインタフェース142eは、血液流体サンプルに対応する画像又は画像パラメータを得るために備えられる撮像システム142eへ情報を伝送するか、又はそこから情報を受信してもよい。
システムの内部にかかる基板通信リンクを提供することに加え、通信ネットワークシステム130eはインターネットのような他のネットワークへの接続もまた提供してもよく、有線、無線、モデム、及び/又は他の型のインタフェース接続を備え得る。
具体的な要求に従い、相当な変形が使用されてもよいということが当業者には明らかであるだろう。例えば、カスタマイズされたハードウェアもまた使用され得る、及び/又は特定の要素がハードウェア、ソフトウェア(アプレットのような高移植性ソフトウェア)、若しくは両方に実装され得る。更に、ネットワーク入力/出力装置のような他のコンピュータ装置への接続が用いられてもよい。モジュール端末システム100e自体は、コンピュータ端末、パーソナルコンピュータ、携帯型コンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、又は任意の他のデータ処理システムを含む様々な型であり得る。コンピュータ及びネットワークの変化し続ける本質により、図1Eに描写するモジュールシステムの記載は100e、本発明の1つ以上の実施形態を図解する目的のためのほんの具体的例を意図するものである。図1Eに描写したモジュールシステム100eより多い又は少ない構成要素を有し、モジュールシステムの多数の他の構成が可能である。モジュールシステム100eの任意のモジュール若しくは構成要素、又はかかるモジュール若しくは構成要素の任意の組み合わせは、本明細書に開示する粒子分析及び/又は撮像システムの実施形態の任意のものと結合するか、その内部に統合するか、又は別の方法で接続するように構成することができる。関連して、上記のハードウェア及びソフトウェア構成要素のうちの任意のものが、他の位置で使用される他の医学評価又は治療システムと、統合し得る又はそれらとのインタフェースとなるように構成され得る。
いくつかの実施形態では、モジュールシステム100eは、入力モジュールにおいて血液流体サンプルの1つ以上の画像パラメータを受信するように構成することができる。画像パラメータデータは評価モジュールへ伝送することができ、そこで、画像データの分析に基づいて診断結果又はその他の結果を予測又は決定することができる。画像又は診断データは、出力モジュールを介して、システムのユーザに対して出力することができる。場合によっては、モジュールシステム100eは、例えば、診断モジュールを用いることによって、血液流体サンプルについての診断結果を決定することができる。診断情報は、出力モジュールを介して、システムのユーザに対して出力できる。任意選択的に、診断の特定の態様は出力装置によって決定され、診断システム、又は診断システムのサブデバイスへ伝送されることができる。血液流体サンプル、又は年齢、体重、性別、治療歴、病歴、及び同様のものを含む、サンプルが得られた患者に関する様々なデータのうちのいずれかをモジュールシステム内に入力することができる。治療レジメン又は診断評価のパラメータは、かかるデータに基づいて決定され得る。
関連して、場合によっては、システムは、画像データを入力として受信するように構成されるプロセッサを含む。任意選択的に、プロセッサ、記憶媒体、又はその両方が血液又は粒子分析機械内に組み込まれてもよい。場合によっては、血液機械は、画像データ又は他の情報をプロセッサへの入力のために生成してもよい。いくつかの例において、プロセッサ、記憶媒体、又は両方がコンピュータ内に組み込まれ得、当該コンピュータは血液機械と通信し得る。いくつかの例において、プロセッサ、記憶媒体、又は両方がコンピュータ内に組み込まれ得、当該コンピュータはネットワークを経由して血液機械と遠隔通信し得る。
フローセル
図2及び図3に、フローセル22の実用的実施形態が更に示される。ここに示されるように、フローセル22は、サンプル供給源25と結合され、同様にPIOAL材料の供給源27にも結合されることができる。サンプル流体はカニューレ29を介して、例えば、カニューレ29の遠位出口ポート31を通じて、フローセル22内に注入される。通例、PIOALシース液は、それがフローセル内の曲線状チャネル区間41を通って供給源27から観察区域23に向かって移動する際には、層流状態ではない。しかし、フローセル22は、PIOALシース液が、サンプル流体が流動シース液内に導入される遠位出口ポート31を越えて流れる際には、PIOALシース液は層流であるか若しくは層流になるように、又は平坦な速度分布を呈するように、構成することができる。サンプル流体及びPIOALは、フローセル22に沿って、矢印Aによって大まかに指示される方向に流れ、その後、排出部33を経てフローセル22から出ることができる。フローセル22は、(例えば遷移区域21において)フロー方向Aに対称的に狭窄化する内部流路20を画定する。流路の対称性は、サンプルストリームの頑強な中心配置されたフローに寄与する。フローセル22は、PIOALによって包囲されたサンプルのフロー32を、フローセル内の観察区域23、すなわち、観察ポート57の後ろの観察区域23を通るように誘導するように構成される。ビューポート57に関連付けられているのはオートフォーカスパターン44である。フローセル22はまた、顕微鏡対物レンズ(図示せず)を受け入れる、又は受容するように構成される丸い又はへこんだ座部58も有する。
いくつかの実施形態によれば、オートフォーカスパターン44は、フローセル22に対して固定し、リボン状サンプルストリーム32の平面から変位距離に配置される位置を有することができる。ここに示される実施形態では、オートフォーカスパターン(目標44)は、高光学解像度撮像デバイス(図示せず)によってビューポート57を通して収集された画像内で可視のロケーションにおいてフローセル22に直接取り付けられている。フローセル22はただ1つの材料片から構築することができる。代替的に、フローセル22は、第1若しくは上部部分若しくは層22aと、第2若しくは下部部分若しくは層22bとで構築することができる。ここに示されるように、ガラス又は透明窓ガラス60が第1の部分22aに取り付けられているか又はそれと一体になっている。窓ガラス60はフローセル内のサンプル流路の少なくとも一部分を画定することができる。光源42からの光は、フローストリーム32内を流れるサンプル粒子を照明するために、オートフォーカスパターン44の開口部又は通路を通って進むことができる。
場合によっては、窓ガラス60の厚さは約150μm〜約170μmの範囲内の値を有することができる。上述したように、窓ガラス60は流路又はシース(例えばPIOAL)チャネルの一部を規定又は形成することができる。薄い窓ガラス60を用いることによって、顕微鏡対物レンズをサンプル流体リボンの非常に近くに配置し、それゆえ、流路に沿って流れる粒子の高度に拡大された画像を得ることが可能である。
図3Aは、撮像軸355と遠位遷移区域部分316との間の距離が約8.24mmである、フローセルの実施形態の態様を示す。遠位遷移区域部分316とカニューレ出口ポート331との間の距離は約12.54mmである。カニューレ出口ポート331とシース液入口301との間の距離は約12.7mmである。カニューレ出口ポート331と近位遷移区域部分318との間の距離は約0.73mmである。図3Bは、カニューレ出口ポートが、図3Aの実施形態に比べて、遷移区域に対してより遠位のロケーションへ移動された、フローセルの実施形態の態様示す。ここに示されるように、カニューレ遠位端はフローセルの狭窄化遷移区域内へ前進させられ、撮像軸355と遠位遷移区域部分316との間の距離は約16mm〜約26mmの範囲内にある。場合によっては、撮像軸355と遠位遷移区域部分316との間の距離は約21mmである。
図1の参照に戻ると、(例えば遷移区域21における)フローセル内部輪郭並びにPIOAL流量及びサンプル流量は、サンプルがリボン状ストリーム32に形成されるように調整することができる。ストリームは、リボン状サンプルストリームに包囲された粒子とおおよそ同じ薄さとすることができるか、又はそれらよりも更に薄くすることさえできる。白血球は、例えば、10μm前後の直径を有してもよい。10μm未満の厚さを有するリボン状サンプルストリームを提供することによって、リボン状サンプルストリームがシース液、すなわちPIOALによって引き伸ばされたときに、細胞を配向させることができる。驚くべきことに、より高い粘度などの、リボン状サンプルストリームと異なる粘度のPIOAL層内で狭窄化流路に沿ってリボン状サンプルストリームを引き伸ばすことは、非球状粒子をフロー方向に実質的に平行な平面に整位させ、細胞に力を加え、細胞の細胞内構造の含有物の合焦を改善する有利な傾向を有する。高光学解像度撮像デバイス24の光軸はリボン状サンプルストリームの平面に実質的に垂直(直角)である。撮像地点におけるリボン状サンプルストリームの線速度は、例えば、20〜200mm/秒であってもよい。いくつかの実施形態では、リボン状サンプルストリームの線速度は、例えば、50〜150mm/秒であってもよい。
リボン状サンプルストリームの厚さは、サンプル流体及びPIOALの相対粘度及び流量によって影響を受け得る。例えば精密容積式ポンプを備える、サンプルの供給源25及び/又はPIOALの供給源27は、リボン状サンプルストリーム32の寸法を最適化するために、すなわち、高光学解像度撮像デバイス24の視野と少なくとも同じ幅の薄いリボンとして最適化するために制御可能な流量でサンプル及び/又はPIOALを提供するように構成することができる。
一実施形態において、PIOALの供給源27は、PIOALを所定の粘度で提供するように構成される。その粘度はサンプルの粘度と異なってもよく、サンプルの粘度よりも高くすることができる。PIOALの粘度及び密度、サンプル材料の粘度、PIOALの流量及びサンプル材料の流量は、リボン状サンプルストリームを、オートフォーカスパターンから変位距離に維持し、有利なリボン状サンプルストリームの厚さなどの、所定の寸法特性を有する状態に維持するように調整される。
実用的実施形態では、PIOALは、サンプルよりも高い線速度及びサンプルよりも高い粘度を有し、それにより、サンプルを平坦なリボン状に引き伸ばす。PIOAL粘度は最大10センチポアズに達し得る。
図2及び図3も参照すると、フローセルの内部流路は、PIOAL内へのリボン状サンプルストリームの注入の地点の下流で狭窄化し、例えば最大7μmのリボン状サンプルストリーム厚さを作り出し、及び/又は内部流路は500〜3,000μmのリボン状サンプルストリーム幅を作り出す。例示的な実施形態では、図1に示されるように、フローセルの内部流路は、PIOAL内へのサンプルストリームの注入の地点の上流で狭窄化遷移区域を開始する。
別の実施形態では、内部流路は、厚さ2〜4μmのリボン状サンプルストリーム厚さを作り出すように狭窄化し、及び/又は内部流路は幅2000μmのリボン状サンプルストリームを生じさせる。これらの寸法は血液検査のために特に有用である。この場合のストリームの厚さは、弛緩状態の赤血球などの、いくつかの粒子の直径よりも小さい。その結果、それらの粒子は、識別特徴を明らかにするのに役立つ、自分のより広い寸法を撮像軸に向けるように再配向することができる。
リボン状サンプルストリームの線速度は、光センサアレイの画像露光時間におけるデジタル化画像の動きぶれを阻止するために、十分に制限することができる。光源は、任意選択的に、短時間に高い入射振幅を加えるために一瞬光らせるストロボ光とすることができる。オートフォーカスパターン44及び画像は同じ視野内にあるので、光源は、リボン状サンプルストリーム及びオートフォーカスパターンを同時に照明するように構成される。しかし、他の実施形態では、撮像のための視野とオートフォーカスのための視野は異なり、例えば、別々に照明し、及び/又は撮像することができる。
主題の開発技術は方法の態様及び装置の態様を有する。視覚的分析器を合焦させる方法は、デジタル高光学解像度撮像デバイス又はデジタル画像キャプチャデバイスであってもよい高光学解像度撮像デバイス24を、フローセル22に対して固定したオートフォーカスパターン44に合焦させること含む。ここで、オートフォーカスパターン44はリボン状サンプルストリーム32から変位距離52に配置される。デジタル高光学解像度撮像デバイス24は、リボン状サンプルストリーム32と交差する光軸を有する対物レンズを有する。対物レンズとフローセル22との間の相対距離はモータ駆動装置54の作動によって変化させるが、一方で、高光学解像度撮像デバイスと最適焦点の地点との間の光軸に沿った距離は既知である。デジタル高光学解像度撮像デバイスは、光センサアレイ上のデジタル化画像を解像して収集するように構成される。オートフォーカスプロセスでは、モータ駆動装置を作動させ、オートフォーカスパターンに合焦する。次に、モータ駆動装置を変位距離にわたって作動させ、それにより、高光学解像度撮像デバイスをリボン状サンプルストリームに合焦させる。
本方法は更に、リボン状サンプルストリームをリボン形状に形成することを更に含むことができる。リボン形状は、高光学解像度撮像デバイスの光軸がリボン状サンプルストリームに対して実質的に直角になるように、すなわちリボン状ストリームの平面に垂直になるように示される。
図4は、血液流体サンプル内の粒子を撮像するためのシステム400の態様を示す。ここに示されるように、システム400は、サンプル流体注入システム410、フローセル420、及び画像キャプチャデバイス430、及びプロセッサ440を含む。フローセル420は、シース液の流れを、任意選択的にサンプル流体と組み合わせて、送出する流路422を提供する。いくつかの実施形態によれば、サンプル流体注入システム410はカニューレ若しくは管412を含むか、又はそれと結合させることができる。サンプル流体注入システム410は、(例えば、サンプル流体入口402を介して)流路422と流体連通していることができ、サンプル流体ストリーム428を提供するために、サンプル流体424をカニューレ412の遠位出口ポート413を通じてフローセル420内の流動シース液426内に注入するように動作することができる。例えば、プロセッサ440は、プロセッサによって実行されると、サンプル流体注入システム410に、サンプル流体424を流動シース液426内に注入させるように構成されるコンピュータアプリケーションを有する記憶媒体を含むか、又はそれと共同して動作してもよい。ここに示されるように、シース液426はシース液注入システム450によって(例えばシース液入口401を経由して)フローセル420内に導入することができる。例えば、プロセッサ440は、プロセッサによって実行されると、シース液注入システム450に、シース液426をフローセル420内に注入させるように構成されるコンピュータアプリケーションを有する記憶媒体を含むか、又はそれと共同して動作してもよい。図4に示されるように、カニューレ412の遠位出口ポート413は、狭窄化遷移区域419の長さに沿った中心ロケーションに位置付けることができる。場合によっては、遠位出口ポートは、遷移区域419の先頭(近位部)により近づけて位置付けることができる。場合によっては、遠位出口ポートは、遷移区域419の終端(遠位部)により近づけて位置付けることができる。場合によっては、遠位出口ポート413は、例えば、(遠位出口ポート331が狭窄化遷移区域に対して近位に配設される)図3Aに示されるように、遷移区域419の完全に外側に位置付けることができる。
サンプル流体ストリーム428は、注入管412に隣接して第1の厚さT1を有する。フローセルの流路422は流路サイズの減少部を有し、それにより、サンプル流体ストリーム428の厚さは初期の厚さT1から画像キャプチャサイト432に隣接して第2の厚さT2へ減少する。画像キャプチャデバイス430は、フローセル420の画像キャプチャサイト432において第1のサンプル流体からの第1の複数の粒子を撮像するために、画像キャプチャサイト432と位置合わせされる。
プロセッサ440は、サンプル流体注入器システム410、画像キャプチャデバイス430、及び任意選択的にシース液注入システム450と結合される。プロセッサ440は、流動シース液426内への第1のサンプル流体の注入を終了し、流動シース液426内への第2のサンプル流体の注入を始め、それにより、サンプル流体過渡状態が開始されるように構成される。例えば、プロセッサ440は、プロセッサによって実行されると、サンプル流体注入システム410に、第2のサンプル流体を流動シース液426内に注入させ、それにより、サンプル流体過渡状態が開始されるようにするように構成されるコンピュータアプリケーションを有する記憶媒体を含むか、又はそれと共同して動作してもよい。
更に、プロセッサ440は、サンプル流体過渡状態の後、及び第1の複数の粒子の撮像の4秒以内に、フローセル420の画像キャプチャサイト432における第2のサンプル流体からの画像第2の複数の粒子のキャプチャを開始するように構成される。例えば、プロセッサ440は、プロセッサによって実行されると、画像キャプチャデバイス430に、サンプル流体過渡状態の後、及び第1の複数の粒子の撮像の4秒以内に、フローセル420の画像キャプチャサイト432における第2のサンプル流体からの画像第2の複数の粒子のキャプチャを開始させるように構成されるコンピュータアプリケーションを有する記憶媒体を含むか、又はそれと共同して動作してもよい。
いくつかの実施形態では、プロセッサ440は、プロセッサによって実行されると、フローセル移動制御機構442に、例えば、画像キャプチャデバイス430に対する、フローセル420の位置を調整させるように構成されるコンピュータアプリケーションを有する記憶媒体を含むか、又はそれと共同して動作してもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ440は、プロセッサによって実行されると、画像キャプチャデバイス移動制御機構444に、例えば、フローセル420に対する、画像キャプチャデバイス430の位置を調整させるように構成されるコンピュータアプリケーションを有する記憶媒体を含むか、又はそれと共同して動作してもよい。移動制御機構442、444は、フローセル及び画像キャプチャデバイスにおける移動をそれぞれ容易にし、作り出す、モータ、ジンバル、及びその他の機械的機能を含んでもよい。場合によっては、フローセル制御機構442及び/又は画像キャプチャデバイス制御機構444は、フローセルに対する画像キャプチャデバイスの、モータによる自動化された合焦を提供する高精度ステッパモータ制御部を含んでもよい。図1に示されるように、プロセッサは画像キャプチャデバイス24の移動を制御することができる。同様に、図1Bに示されるように、プロセッサはフローセル保持具55の移動を制御することができる。
それゆえ、本発明の実施形態は、血液流体サンプル内の粒子を撮像するための粘度と形状の組み合わせによるハイドロフォーカシングを実行する粒子分析システムを包含する。例示的なシステムは、注入管を有する流路、及びそれを通る撮像軸を有する撮像窓を有するフローセルを含むことができる。フローセルの流路は流路サイズの減少部を有することができる。更に、分析器システムは、流路と流体連通したシース液投入部、及び注入管と流体連通した血液流体投入部を含むことができる。血液流体投入部は、血液流体サンプルが、フローストリーム厚さよりも大きいフローストリーム幅を有するサンプルフローストリームの形態で流れるように、血液流体サンプルをフローセル内の流動シース液内に注入するように構成することができる。シース液は、血液流体サンプルの粘度よりも大きい粘度を有することができる。加えて、分析器システムは、画像キャプチャデバイス、及びフローセルに対する画像キャプチャデバイスの焦点状態を確立する合焦機構を含むことができる。更に、システムは、フローセルに対して固定した位置を有する撮像目標を含むことができ、撮像目標及びサンプルフローストリームは、撮像軸に沿った変位距離を画定する。システムは、プロセッサと、変位距離を用いて粒子の特徴付け及び計数に適した画像キャプチャデバイスの焦点状態を設定するべく合焦機構を作動させるためにプロセッサ上で実行される機械可読コードを組み入れた有形媒体を有する合焦モジュールと、を含むこともできる。シース液と血液流体サンプルとの粘度差は、流路サイズの減少部と相まって、血液流体サンプル内の細胞の生存力を保持しつつ撮像軸において第1のサンプル流体及び第2のサンプル流体をハイドロフォーカスさせるために効果を発揮することができる。場合によっては、合焦機構は、画像キャプチャデバイスとフローセルとの間の距離を調整するように構成される駆動モータを含むことができる。
場合によっては、分析器システム400は、図4に示されるように、フローセル420と熱的に結合された温度又は熱センサ448を含んでもよい。合焦モジュールは、プロセッサに動作的に関連付けられてもよく、温度センサによって検知された温度変化、及び温度と所望の焦点との間の既知の関係に応じて、粒子の特徴付け及び計数に適した画像キャプチャデバイスの焦点状態又は焦平面を設定するべく合焦機構(例えばフローセル制御機構442又は画像キャプチャデバイス制御機構444)を操作するためにプロセッサ上で実行される機械可読コードを組み入れた有形媒体を含むことができる。
したがって、本発明の実施形態は、サンプル流体粘度を有する血液流体サンプル424内の複数の粒子を撮像するためのシステム400を包含する。システム400は、所定の粘度差範囲内の粘度差だけサンプル流体粘度と異なるシース液粘度を有するシース液426と共に用いることができる。システム400は、流路422及びサンプル流体注入管412を有するフローセル420を含むことができる。流路422は、流路サイズの縮小部、すなわち狭窄化遷移区域を有することができる。更に、システム400は、フローセル420の流路422に沿ってシース液のフローを送出するためにフローセル420の流路422と流体連通したシース液投入部401を含むことができる。システム400はまた、血液流体サンプルのフロー又はストリーム428をフローセル420内の流動シース液428内に注入するためにフローセル420の注入管412と流体連通した血液流体サンプル投入部402を含むこともできる。例えば、サンプル流体424は、カニューレ412の遠位出口ポート423を出て流動シース液426の外被内に入り、その内部にサンプルリボン428を形成することができる。
シース液426が、サンプル流体424から形成されるサンプル流体リボン428と共に、流路サイズの縮小部419を通って撮像サイト432に向かって流れると、粘度差に関連付けられるシース液426とサンプル流体424との相互作用によって引き起こされる粘性ハイドロフォーカシング効果が、流路サイズの縮小部に関連付けられるシース液426とサンプル流体424との相互作用によって引き起こされる幾何学的ハイドロフォーカシング効果と相まって、撮像サイト432における複数の粒子のうちの少なくとも一部における目標撮像状態を提供する。ここに示されるように、システム400はまた、撮像サイト432における複数の粒子を撮像する撮像デバイス430も含む。
図4Aに示されるフローセルの実施形態において示されるように、(例えば遷移区域419aにおける)流路サイズの減少部は、流路422aの対向壁421a、423aによって規定され得る。対向壁421a、423aは、流路422aに沿って半径方向内側へ、サンプル流体ストリーム428aを二等分する横断面451aを中心として概ね対称に角度付けることができる。平面451aは、サンプルストリーム428aがカニューレ又はサンプル注入管412aの遠位部427aを出るロケーションにおける、サンプルストリームが第1の厚さT1を有する場所で、サンプルストリーム428aを二等分することができる。同様に、平面451aは、サンプルストリーム428aが画像キャプチャサイト432aを通るロケーションにおける、サンプルストリームが第2の厚さT2を有する場所でサンプルストリーム428aを二等分することができる。いくつかの実施形態によれば、第1の厚さT1は約150μmの値を有し、第2の厚さT2は約2μmの値を有する。このような場合には、サンプルリボンストリームの圧縮比は75:1になる。いくつかの実施形態によれば、第1の厚さT1は約50μm〜約250μmの範囲内の値を有し、第2の厚さT2は約2μm〜約10μmの範囲内の値を有する。サンプルストリーム流体がフローセルを通って流れるにつれて、リボンは、加速して引き伸ばされながら、薄化する。フローセルの2つの特徴がサンプル流体リボンの薄化に寄与することができる。第1に、シース液外被とサンプル流体リボンとの速度差が、リボンの厚さを縮小するように機能することができる。第2に、遷移区域の先細状の幾何形状が、リボンの厚さを縮小するように機能することができる。図4Aに示されるように、カニューレ412aの遠位出口ポート413aは、狭窄化遷移区域419aの長さに沿った中心ロケーションに位置付けることができる。場合によっては、遠位出口ポートは、遷移区域419aの先頭(近位部415a)により近づけて位置付けることができる。場合によっては、遠位出口ポートは、遷移区域419aの終端(遠位部416a)により近づけて位置付けることができる。場合によっては、遠位出口ポート413aは、例えば、(遠位出口ポート331が狭窄化遷移区域に対して近位に配設される)図3Aに示されるように、遷移区域419aの完全に外側に位置付けることができる。
図4Aに(並びに図4及び図4B−1に)示されるように、遷移区域419aは近位部(415a)及び遠位部(416a)における角度の変わり目によって規定されることができる。代わりに、遷移区域419aは、近位部(415a)及び遠位部(416a)において、図1、図3、図3A、図3B、及び図4B−2に示される通りの滑らか又は曲線状の変わり目と同様の、滑らか又は曲線状の変わり目を呈することができることも理解されたい)。
通例、第1の厚さT1はサンプル粒子のサイズよりもはるかに大きく、それゆえ、粒子はサンプルリボンストリーム内に完全に包含される。しかし、第2の厚さT2は一部のサンプル粒子のサイズよりも小さくてもよく、それゆえ、それらの粒子はサンプル流体から周囲のシース液内へ延出してもよい。図4Aに示されるように、サンプルリボンストリームは、それがカニューレを出て画像キャプチャサイトに向かって移動する際に、概ね、同じ平面に沿って流れることができる。
フローセルは、遠位カニューレ部427aと画像キャプチャサイト432aとの間の離隔距離430aを提供することもできる。いくつかの実施形態によれば、サンプル流体注入管412aの遠位部427aは、画像キャプチャサイト432aから軸方向離隔距離430aに位置付けることができる。ここでは、軸方向離隔距離432aは約21mmの値を有する。場合によっては、軸方向離隔距離430aは約16mm〜約26mmの範囲内の値を有する。
カニューレ出口ポートと画像キャプチャサイトとの間の軸方向離隔距離430aは、液が出口ポートから画像キャプチャサイトへ移動する際のサンプル流体のための通過時間に影響を与えることができる。例えば、比較的より短い軸方向離隔距離430aはより短い通過時間に寄与することができ、比較的より長い軸方向離隔距離430aはより長い通過時間に寄与することができる。
流路遷移区域419aに対する、又は流路遷移区域419aの近位部415aに対するカニューレ遠位部427aにおける出口ポートの位置もまた、液が出口ポートから画像キャプチャサイトへ移動する際のサンプル流体のための通過時間を推論することができる。例えば、シース液は、近位部415aにおいては比較的より遅いスピードを有し、近位部415aと遠位部416aとの間のロケーションにおいては比較的より速いスピードを有してもよい。それゆえ、遠位部427aにおけるカニューレ出口ポートが近位部415aに位置付けられる場合には、サンプル流体が画像キャプチャサイトに到達するために要する時間量はより長くなることになる。これは、移動距離がより長いためだけでなく、カニューレ遠位ポートを出た後のサンプル流体の初期スピードが(より遅いシース液スピードのために)より遅いためでもある。言い換えれば、サンプル流体がフローセルの(例えば近位部415a付近の)より厚い部分内に長く存在するほど、サンプルが画像キャプチャサイトに到達するのに要する時間は長くなる。逆に、遠位部427aにおけるカニューレ出口ポートが近位部415aに対して遠位に(例えば、図4Aに示されるように、近位部415aと遠位部416aとの間の中心ロケーションに)位置付けられる場合には、サンプル流体が画像キャプチャサイトに到達するために要する時間量はより短くなることになる。これは、移動距離がより短いためだけでなく、カニューレ遠位ポートを出た後のサンプル流体の初期スピードが(より速いシース液スピードのために)より速いためでもある。本明細書の他の箇所で説明されているように、シース液は、遷移区域419aを通って流れる際に、区域419aの断面積の狭窄化のために、加速される。
いくつかの実施形態によれば、より短い通過時間を用いることで、より多くの時間を画像キャプチャサイトにおける画像収集のために利用可能である。例えば、カニューレ遠位端から撮像領域までの通過時間の期間が短くなるほど、特定の量の時間内にサンプルをより多く処理することが可能になり、関連して、特定の量の時間内の画像(例えば1分ごとの画像)をより多く得ることが可能になる。
カニューレ遠位部427aの出口ポートを画像キャプチャサイト432aにより近接して位置付けることに関連付けられる利点があるとはいえ、ポートとキャプチャサイトとの間にはいくらかの距離を維持することも望ましい。例えば、図3に示されるように、撮像デバイスの光学対物レンズ又は前方レンズはフローセル22の座部58内に位置付けることができる。カニューレの出口ポート31が座部58に近すぎる場合には、このとき、サンプル流体は、シース液内に注入された後に、画像キャプチャサイトにおける所望の撮像特性を提供するために十分に安定化されない場合がある。同様に、先細状の領域が、画像キャプチャデバイス対物レンズを受容する座部58の位置付けに支障を来さないように、先細状遷移領域21を観察区域23から一定の距離離して維持することが望ましい場合がある。
図4Aを引き続き参照すると、サンプル流体注入管412aの下流端部427aは流路遷移区域419aの近位部415aに対して遠位に位置付けることができる。関連して、サンプル流体注入管412aの下流端部427aは流路遷移区域419aの遠位部416aに対して近位に位置付けることができる。それゆえ、いくつかの実施形態によれば、サンプル流体は遷移区域419a内のロケーションにおいて注入カニューレ412aからフローセル内へ注入することができる。
いくつかの実施形態によれば、(例えば流路遷移区域419aにおける)流路サイズの減少部の対称性は、血液流体サンプル内の粒子整位不良を抑制するように機能する。例えば、このような対称性は、血液流体サンプル内の赤血球撮像配向整位不良を約20%未満に抑制するために有効となり得る。
いくつかの実施形態によれば、本明細書に開示されている方法は、血球数分析の間の標識率をサンプルの30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%又は5%未満にするように可能である。
いくつかの実施形態によれば、画像キャプチャサイト432aは約150μm×150μm〜400μm×400μmの視野433aを有する。場合によっては、画像キャプチャサイト432aは約275μm×275μmの視野433aを有する。場合によっては、視野は、長さ掛ける幅を用いて定義することができる。表面積として表す場合には、275μm×275μmの視野は75,625μmの面積を有する。いくつかの実施形態によれば、視野は撮像デバイス対物レンズ及びその倍率によって決定することができる。場合によっては、視野は、収集光学素子(例えば対物レンズ、チューブレンズ、及びカメラ)によって撮像される場(エリア)の範囲に対応することができる。場合によっては、視野は画像キャプチャサイトにおける透明なエリアの観察ポートよりもはるかに小さい。
図4A−1及び図4A−2は、サンプルストリームがカニューレ出口ポートから画像キャプチャサイトへ移動する際のサンプルストリームに対するハイドロフォーカシングの効果を示す。図4A−1に示されるように、サンプルストリームは約150μmの高さH(S)及び約1350μmの幅W(S)を有することができる。更に、PIOALシースストリームは約6000μmの高さH(P)及び約4000μmの幅W(P)を有することができる。ハイドロフォーカシングの後では、図4A−2に示されるように、サンプルストリームは約2μmの高さH(S)及び約1350μmの幅W(S)を有することができる。更に、PIOALシースストリームは約150μmの高さH(P)及び約4000μmの幅W(P)を有することができる。一実施形態において、カニューレ出口におけるPIOALシースストリームの断面積は画像キャプチャサイト付近の断面積よりも40倍大きい。
いくつかの実施形態によれば、画像キャプチャサイトにおけるフローセルチャネルの断面を決定することが有用となり得る。これは、図4A−2に示されるように、約150μmのPIOALシースストリーム高さH(P)及び約4000μmの幅W(P)に対応することができる。また、画像キャプチャサイトにおけるフローセルを通って流れる一体化したサンプル流体及びシース液の体積流量を決定することも有用となり得る。断面積及び流量が分かれば、画像キャプチャサイトにおける一体化したサンプル流体及びシース液の速度を決定することが可能である。
いくつかの実施形態によれば、フローセルを通るサンプル流体及びシース液のフローは平行板プロファイルモデルを用いて近似することができる。関連して、(例えば図4A−2に示される通りの)サンプル流体ストリームの中心における流量は、一体化したサンプル及びシース液ストリームの平均流量の約1.5倍になり得る。
いくつかの実施形態によれば、カニューレ出口におけるサンプルフローの断面積(例えば図4A−1におけるW(S)×H(S))は、撮像サイトにおけるサンプルフローの断面積(例えば図4A−2におけるW(S)×H(S))よりも40倍大きい。撮像領域におけるシース液の体積流量は約45μL/秒になり得る。撮像領域におけるサンプル流体の体積流量は約0.232μL/秒になり得る。場合によっては、撮像サイトにおける一体化したシースストリーム及びサンプルストリームの断面積は600,000μmになる。場合によっては、撮像サイトにおける平均フローストリーム速度は75mm/秒になる。
流量又は流速は、鮮明な合焦した細胞画像を生じさせる速度として決定することができる。例示的な流量及び流速は、撮像サイトにおいて一定のサンプルフローストリームリボン形状又は特性を達成することが観察された2つのサンプルの流量に基づいて発見された。例えば、約75mm/秒(又は20〜200mm/秒の範囲内)の流量では、細胞は、連続した画像内に細胞の重複が存在するほどにゆっくり流れすぎることもなく、細胞は、ゴースト効果(ぼけた画像)が生じるほどに速く流れすぎることもない。関連して、過度に高い流量を回避することによって、より多くの試薬及びサンプルを節約することが可能になる。いくつかの実施形態によれば、体積流量(ポンプ速度)又はカニューレの形状のどちらかを変化させることによって、最適又は所望の線速度を達成することができる。
画像キャプチャ区域を通るサンプルストリームの流速は、フローセル機能に対する画像キャプチャデバイスの性能にも関連し得る。例えば、サンプルストリームがもし急速に流れすぎる場合には、サンプル内に包含された粒子の鮮明な画像を得ることが困難になる場合がある(例えば、画像キャプチャデバイスのシャッタースピードが遅すぎるために、ぼけた画像を生成してしまう場合がある)。同様に、サンプルストリームがゆっくり流れすぎる場合には、画像キャプチャデバイスは同じ粒子の連続画像を得てしまう場合がある(例えば、2度の画像キャプチャの際に同じ粒子がキャプチャコマ内に残ってしまう)。いくつかの実施形態では、サンプルリボンの速度は画像キャプチャ速度に対して(例えば、様々なフローセル動作パラメータのうちのいずれかを調整することによって)調節することができ、そのため、コマキャプチャの合間のフローは最小限に抑えられ、それゆえ、サンプルのうちの高い割合が撮像される。
いくつかの実施形態によれば、粒子分析システム及び関連構成要素は、シース液及び流体サンプルがフローセルを流れる際に、シース液は45μL/sのシース液体積流量で流れることができ、流体サンプルは0.232μL/s(又は0.2〜0.35μL/sの範囲内)の流体サンプル体積流量で流れることができるように構成することができる。場合によっては、シース液流量の、サンプル流体流量に対する比は約200である。場合によっては、シース液流量の、サンプル流体流量に対する比は約70〜200の範囲内の値を有する。場合によっては、シース液流量の、サンプル流体流量に対する比は約193である。場合によっては、シース液流量の、サンプル流体流量に対する比は約70である。場合によっては、シース液体積の、フローセル内を流れる流体サンプル体積に対する比は25:1〜250:1の範囲内にあることができる。
いくつかの実施形態によれば、システム及び関連構成要素は、シース液及び流体サンプルがフローセル420を流れる際に、シース液は撮像領域の前で75mm/秒のシース液速度で流れることができ、流体サンプルは撮像領域の前で130mm/秒の流体サンプル速度で流れることができるように構成することができる。場合によっては、シース液体積の、フローセル内を流れる流体サンプル体積に対する比は100:1〜200:1の範囲内にあることができる。
場合によっては、フローセルは約50:1の最小圧縮比及び約125:1の最大圧縮比を有することができる。場合によっては、最小圧縮比は約30:1又は20:1であることができる。この圧縮比は、図4A−1を図4A−2と比較した場合のフローストリーム厚さの比H(S):H(S)を指す。この圧縮比は、幾何学的圧縮(例えば、図4A−1を図4A−2と比較した場合のシース液厚さの比H(P):H(P)であり、また、図4Aに示されるフローセル狭窄化先細状遷移区域419aの寸法にも概ね対応し得る)と、流体力学的圧縮(例えば、同様に速度の差にも対応する)との組み合わせによって影響を受け得る。いくつかの実施形態によれば、幾何学的圧縮比は約40:1である。
遷移区域に対応する流路サイズの減少部は、近位厚さ若しくは高さを有する近位流路部、並びに近位厚さ若しくは高さよりも小さい遠位厚さ若しくは高さを有する遠位流路部によって画定することができる。例えば、図4B−1及び図4B−2の部分図に示されるように、流路の遷移区域419bは近位部415bと遠位部416bとの間の長さLを有することができる。ここで、近位部415bは近位高さ417bを有し、遠位部416bは遠位高さ418bを有する。図4B−2に示されるように、及び本明細書の他の箇所において述べられているように、遷移区域の形状又は輪郭は曲線状又は滑らかにすることができ、例えば、S字曲線、シグモイド曲線、又は正接曲線の形状で提供することができる。いくつかの実施形態によれば、近位高さ417bは約6000μmの値を有する。場合によっては、近位高さ417bは約3000μm〜約8000μmの範囲内の値を有する。いくつかの実施形態によれば、遠位高さ418bは約150μmの値を有する。場合によっては、遠位高さ418bは約50μm〜約400μmの範囲内の値を有する。
遷移区域419aの幾何形状は、第1の流路境界403bと二等分横断面451bとの間の第1の角度α1、及び第2の流路境界404bと二等分横断面451bとの間の第2の角度α2を与えることができる。場合によっては、角度α1は約45度であり、角度α2は約45度である。場合によっては、角度α1は約10度〜約60度の範囲内の値を有する。場合によっては、角度α2は約10度〜約60度の範囲内の値を有する。いくつかの実施形態によれば、角度α1及びα2は同じ値を有する。角度α1及びα2は、層流を維持するか、又はサンプル流体が近位部415bから遠位部416bへ移動する際のサンプル流体の乱流を最小限に抑えるように選択することができる。これは結果として、横断面451bに沿ったサンプル内の粒子の整位を向上させることができる。図4Aを参照して上述したように、遠位境界及び近位境界、あるいは遷移区域の部分は、折れ曲がる代わりに、曲線状又は滑らかであってもよい。
図4Cは、本発明の実施形態に係る例示的なカニューレ又はサンプル供給管400cの特徴を示す。ここで、カニューレは長さLを有する。図4Dはカニューレ400dの長手方向断面を示す。ここに示されるように、カニューレ400dは、遠位扁平区間410d、中央先細状区間420d、及び近位管状部430dを含む。図4C−1に示されるように、例示的なカニューレ又はサンプル供給管400c−1は遠位部410c−1及び近位部430c−1を有することができる。場合によっては、遠位部410c−1は約1.359mmの長さ及び約1.43mmの幅を有する。場合によっては、遠位端の出口ポートは約1.359mmの出口幅W(E)を有する。いくつかの実施形態によれば、カニューレは、図4C及び図4Dに示されているものと異なる内部流路幾何形状を有してもよい。例えば、図4D−1に示されているように、カニューレ400d−1は、拡大された流動エリア断面を有する先細状中央区間を含まない。図4D−1に示されるように、カニューレ400d−1は、遠位区間410d−1、先細になる内径を有する中央先細状区間420d−1、及び近位区間430d−1を有する。中央区間420d−1の先細になる内径に対応して、410d−1の内断面積は430d−1の内断面積よりも小さい。
本発明の実施形態に係る血液検査システムは、約150μLの体積を有する血液サンプルを処理することができる。吸引される血液体積は約120〜150μLであることができる。場合によっては、サンプル管内の最小利用可能血液体積は、自動サンプリングモードの場合には約500μLであり、手動サンプリングモードの場合には約250μLである。図4Dに示されるカニューレ又は注入管400dは約13uLの内容積を有する。いくつかの実施形態によれば、カニューレ又は注入管は約30uL未満の内容積を有する。
図4Eは遠位扁平区間410eの横断面図を示す。ここに示されるように、遠位区間410eは、サンプルストリームが流れる、内幅W(I)及び内部高さH(I)を有する。更に、遠位区間410eは外幅W(O)及び外部高さH(O)を有する。図4D及び図4Eに、これらを組み合わせて捉えて示されるように、サンプル流体注入管の遠位部410eは、高さH(I)及び幅W(I)を有する放出ポートPを有する。ここで、高さH(I)は幅W(I)よりも小さい。いくつかの実施形態によれば、遠位部410eの放出ポートPの高さH(I)(又は遠位部410dの内部高さ)は約150μmの値を有することができる。場合によっては、高さH(I)は約50μm〜約250μmの範囲内にあることができる。いくつかの実施形態によれば、遠位部410eの放出ポートPの幅W(I)(又は遠位部410dの内幅)は約1350μmの値を有することができる。場合によっては、幅は約1194μmである。場合によっては、幅W(I)は約500μm〜約3000μmの範囲内の値を有することができる。場合によっては、遠位扁平区間410dは、管又は導管に型締め力を加えることによって製作することができる。
図4Fは中央先細状区間420fの横断面図を示す。ここに示されるように、中央先細状区間420fは、サンプルストリームが流れる内径D(I)を有する。更に、中央先細状区間420fは外径D(O)を有する。図4Gは近位区間430gの横断面図を示す。ここに示されるように、近位区間430gは、サンプルストリームが流れる内径D(I)を有する。更に、遠位区間430gは外径D(O)を有する。
図4Dに示されるように、注入管又はカニューレ400dは、第1のフロー断面積(例えば、図4Gに示されるπ(D/2))を有する近位部430d、第1のフロー断面積よりも小さい第2のフロー断面積(例えば、図4Eに示されるW(I)H(I))を有する遠位部410d、及び近位部430dと遠位部410dとの間に配設される第3の部分420dを有することができる。第3の部分420dは、第1及び第2のフロー断面よりも大きい第3のフロー断面(例えば、図4Fに示されるπ(D/2))を有することができる。場合によっては、近位部430gの外径D(O)は約1067μmであり、近位部430gの内径D(I)は約813μmである。
いくつかの実施形態によれば、注入管の近位部はサンプル吸い込み口はめあいのサンプルポートと結合させることができる。例えば、図4Hに示されるように、カニューレ400hの近位部405hはサンプル吸い込み口はめあい420hの出口においてサンプルポート410hに直接結合させることができる。
血液流体サンプル内の粒子を撮像するためのシステムのフローセルは、重力の力の方向に対して任意の所望の角度又は方向に配向させることができる。例えば、フローセルは上向きの方向に配向させることができ、それにより、フローセル内を流れる流体(例えば、任意選択的にサンプル流体と一体になった、シース液)は重力の力に逆らって上向きの方向に移動することができる。同様に、フローセルは下向きの方向に配向させることができ、それにより、フローセル内を流れる流体(例えば、任意選択的にサンプル流体と一体になった、シース液)は重力の力によって下向きの方向に移動することができる。図4Iは、上向きの方向に配向され、そのため、フローセル420i内を流れるサンプル流体424i及びシース液426iは重力Gに逆らって流れる、フローセル420iを示す。図4Jは、下向きの方向に配向され、そのため、フローセル420j内を流れるサンプル流体424j及びシース液426jは重力Gに逆らって流れるのではなく、逆に重力Gによって流れる、フローセル420jを示す。
図4Kに示されるように、フローセル420kの画像キャプチャサイト432kを通って流れるサンプルストリームリボンRは約2μmの厚さTを有することができる。場合によっては、サンプルストリームリボンの厚さTは最大約3μmであることができる。通例、リボン内には、サンプルストリーム厚さよりも小さい細胞又は粒子が包含されることになる。典型的な赤血球(RBC)は両凹の円板として存在することができ、約6.2μm〜約8.2μmの直径Dを有することができる。更に、典型的な赤血球は、約2μm〜約2.5μmの最大厚さT1、及び約0.8μm〜約1μmの最小厚さT2を有することができる。場合によっては、赤血球は最大約3μmの厚さを有することができる。典型的なヒト血小板はサイズにばらつきがあり得、約2μmの厚さ又は直径も有し得る。ここでは原寸に比例して示されていないが、フローセルは、画像キャプチャサイトにおいて、約150μmの値を有する流路厚さFを画定することができる。場合によっては、流路厚さFは50μm〜400μmの値を有する。この流路厚さFは、図4B−1及び図4B−2に示される遠位部461bの遠位高さ418bにも対応することができる。
図4Kに示されるように、サンプル流体ストリームの厚さTの、粒子(赤血球)の厚さに対する比は約1:1である。いくつかの実施形態によれば、画像キャプチャサイトにおけるサンプル流体ストリームの厚さTの、粒子のうちの1つのサイズに対する比は0.25〜25の範囲内にある。場合によっては、厚さTは0.5μm〜5μmの範囲内の値を有することができる。シース液とサンプル流体との粘度差は、フローセル内におけるリボンサンプルストリームの所望の位置付けを達成するように選択することができる。
サンプルリボンRの流体とシース液との粘度差は、サンプルストリーム内の粒子、例えば赤血球、をフローの方向に沿って整位又は配向させるように機能することができる。そのように整位されると、図4Kに示されるように、血球の主表面はカメラの方に向いているので、撮像デバイス又はカメラは、赤血球が丸く見えるように赤血球の画像を得ることができる。このように、赤血球は、フローに対して低い抵抗を示す整位の姿勢をとる。それゆえ、シース液及びサンプル流体の相対的な粘度特性は、赤血球のうちの高い割合又は多数がカメラの方を向くことに寄与することができ、かくして、粒子分析システムの評価能力を高める。
いくつかの実施形態によれば、シース液の粘度特性は血液流体サンプル内の粒子整位不良を抑制するように機能する。例えば、粘度差は、血液流体サンプル内の赤血球撮像配向整位不良を約10%未満に抑制するために有効となり得る。すなわち、サンプル内の100個の赤血球のうち90個以上の赤血球を、それらの主表面が撮像デバイスの方を向くように整位させることができる。対称的な狭窄化遷移区域は20%の値を提供することができる。本明細書の他の箇所において説明されているように、例えば図4Rを参照すると、対称的な狭窄化フローセル遷移区域及び粘性シース液を有するフローセルを含む分析器構成から得られた整位結果を、対称的な狭窄化フローセル遷移区域を有するが粘性シース液の使用は伴わないフローセルを含む分析器構成から得られた整位結果と比較することが可能である。粘性シース液の使用は、正しく整位されていない細胞の割合を低下させることができる。いくつかの実施形態によれば、シース液は水の屈折率(すなわちn=1.3330)と同様の屈折率を有する。場合によっては、シース液は約89%の含水量を有する。粘度差の結果として観察される整位効果に加えて、左右相称の先細状遷移区域の結果としての整位効果も観察される。場合によっては、左右相称の(すなわち対称的な)先細状遷移区域は、非対称的な先細状遷移区域設計に比較して、粒子の整位に2倍有効であることが観察される。
赤血球の効率のよい整位は診断の改善に寄与することができる。場合によっては、撮像された赤血球の形状を用いて、サンプルを得た患者は特定の生理的状態又は病気を有しているかどうかを判定することができる。例えば、鎌状赤血球症の患者は、異常な(すなわち鎌の形状の)形状を有する血球を示す。それゆえ、整位した赤血球の高品質画像を得ることによって、正確な診断を確実にすることが可能になる。赤血球のその他の形状変化、例えば、薄い周辺領域及び大きな平らな中心領域を有し、それによって赤血球は自転車のタイヤの外形を有するように見える赤血球も、本整位手法を用いて効果的に撮像することができる。同様に、小さな中心部、及び厚い周辺領域を有し、それにより赤血球はトラックのタイヤの外形を有するように見える赤血球も、診断目的のために撮像することができる。本明細書に開示されている改善された撮像手法はまた、ヘモグロビン含有量、鉄含有量、及び同様のものなどの、他の赤血球特性の評価にも有用である。
いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、シース液の粘度とサンプル流体の粘度との粘度差は修正放物線分布を作り出すと考えられている。この分布は概ね放物線状であり、加速が増大するフローの中心領域に対応する中心隆起を有し、中心隆起はサンプル粒子又は粒子内小器官の整位に寄与する。いくつかの実施形態によれば、シースとサンプルリボンとの速度差、及び粘度差は剪断力を発生し、小器官又は細胞内粒子の整位を増進する。シース液放物線分布の例示的な態様が、同時係属中の米国特許出願第________号に説明されている。同出願の内容は本明細書において参照により組み込まれている。
白血球は通例、赤血球及び血小板よりも大きい。例えば、例示的な好中球及び好酸球は約10μm〜約12μmの直径を有することができる。例示的な好塩基球は約12μm〜約15μmの直径を有することができる。例示的なリンパ球(小)は約7μm〜約8μmの直径を有することができ、例示的なリンパ球(大)は約12μm〜約15μmの直径を有することができる。例示的な単球は約12μm〜約20μmの直径を有することができる。フローセルを通過する際のシース液と流体サンプルリボンとの間の相互作用を含む粒子分析システムの構成は、図4Lに指示されるように、白血球が画像キャプチャサイト432lを通って移動する際に白血球を圧縮するように機能することができる。それゆえ、例えば、白血球(WBC)の中心部はサンプル流体リボンR内に位置付けられることができ、白血球の周辺部はシース液内に位置付けられることができる。それゆえ、白血球がリボンによってフローセルを通って輸送されるにつれて、白血球の両側はシース液内へ延出することができる。図4Kに関して上述した通りのサンプルストリームリボンRの厚さT及び流路の厚さFのための数値又は範囲は図4Lにも同様に適用可能である。
いくつかの実施形態によれば、シース液とサンプル流体との粘度差は、白血球などの細胞内に存在する小器官又はその他の細胞内の特徴を整位させるように機能することができる。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、シース液とサンプル流体との粘度差に関連付けられる剪断力が、細胞内の特徴を整位させるように白血球に作用し得ると考えられている。場合によっては、シース液とサンプル流体との速度差に関連付けられる剪断力がこのような整位に寄与し得る。これらの整位効果は、粒子とサンプル流体リボンとのサイズの差によっても影響を受ける場合がある。例えば、粒子の部分がサンプル流体リボンから周囲のシース液内へ延出する場合には、粘度の差に関連付けられる剪断力が細胞内の特徴の整位に顕著な効果を及ぼし得る。
図4Lに示されるように、白血球などの細胞の部分はシース液内へ延出することができる。本発明の実施形態は、シース液組成物であって、細胞がそのシース液に曝されたときに、細胞を溶解又は寸断しないか、又はさもなくば外側の細胞膜の完全性を損なわない、シース液組成物を包含する。細胞膜又は細胞壁がサンプル流体リボンとシース液外被との間の界面を横切るか、あるいはさもなくばサンプル流体ストリームから流動シース液内へ延出したときに、細胞の構造(例えば形状)及び含有物(例えば核)を無傷のまま残すために、シース液内の粘性剤はサンプル流体ストリーム内の細胞の生存力を保持するように機能することができる。
多くの場合、細胞又は粒子がフローセルに沿ってサンプル流体リボン内を流れるにつれて細胞又は粒子に作用する圧縮力が存在する。それゆえ、細胞は、狭窄化遷移区域の結果として細胞が圧縮状態にあるか、又はさもなくば圧縮力を受ける間に、シース液と接触する場合がある。シース液の粘性剤は、圧縮された細胞を、それらが薄いサンプル流体リボンから現れ、粘性シース液に曝されたときに、少なくとも、細胞が画像キャプチャサイトに到達するまでは、寸断又は破壊されないように保護するように機能することができる。それゆえ、シース液の粘性剤組成物は細胞保護剤として機能することができ、同時に、粒子又は粒子内含有物の整位も向上させる。
図4K及び図4Lを参照すると、場合によっては、細胞又は粒子の部分は薄いサンプル流体リボンRから周囲のシース液内へ延出することがある。同時係属中の米国特許出願第____号に説明されているように、シース液は、シース液が細胞又は粒子を分断するか又は溶解させるのを抑止又は阻止する細胞保護剤を含有してもよい。例えば、シース液は、細胞がシース液の化学的環境に曝されたときに、細胞壁の構造的完全性を保存する細胞保護剤を含有してもよい。同様に、細胞保護剤はまた、細胞が、フローセル幾何形状、並びにサンプル流体とシース液との速度及び/若しくは粘度の差によって引き起こされる何らかの剪断力を経験したときに、細胞壁の構造的完全性を保存するように機能してもよい。関連して、保護剤は、サンプル流体とシース液との速度の差から生じる力から細胞又は粒子を保護することができる。このように、細胞は、それらが画像キャプチャサイトに到達するときに、それらの生存力を保持する。
剪断力はサンプル流体リボンとシース液外被との間の界面において大きくなり得る。いくつかの実施形態によれば、フローセル流路内のフローは放物線状のフロー分布によって特徴付けることができる。図4L−1は、放物線状のフロー分布400l−1a及び400l−1bの例示的な態様を示す。上のパネルにおける放物線分布400l−1aは、本発明の特定のフローセルの実施形態内のフローにおいて見いだされる(例えば、シース液フローストリームに包囲されたサンプル流体フローストリームとの粘度差がほとんど又は全くない場合の)典型的な速度分布である。見ての通り、フローストリームの中心部において最も高い線速度が観察され、フローセル壁の近くでより遅い線速度が観察される。分布400l−1aは、シース液とサンプル流体との間にわずかな粘度差を有するフローストリームにおいて観察することもできる。シースとフローストリームとの間に高い粘度差がある場合には、分布400l−1bに示されるように、増幅した線速度を有する局所的な中心領域が存在する、中心隆起が観察される。いくつかの実施形態によれば、サイズが十分に大きい粒子は、このような粒子が単一の流体相内(すなわちシース液外被内、又は代替的にサンプル流体リボン内のいずれか)に完全に包含されている場合でさえ、いくらかの量の剪断力を受けることになる。
場合によっては、シース液の速度はサンプル流体の速度と異なってもよい。例えば、シース液は80mm/秒で移動してもよく、サンプル流体は60mm/秒で移動してもよい。それゆえ、場合によっては、サンプル流体は、周囲の外被のシース液スピードよりも遅いサンプル流体スピードで遠位カニューレポートを出る。それゆえ、シース液は、カニューレの流路に沿ってサンプル流体を引っ張るように機能することができ、かくして、サンプル流体を加速し、サンプル流体リボンの厚さを縮小する。サンプル流体リボンは全体の体積及び質量を維持する。そのため、その移動が速くなるにつれて、それは薄くなっていく。いくつかの実施形態によれば、シース液及びサンプル流体はどちらも画像キャプチャサイトにおいて約20〜200mm/秒の速度を有する。
通例、サンプル流体がカニューレ出口ポートから画像キャプチャサイトへ移動するにつれて、サンプル流体の速度は増加する。場合によっては、画像キャプチャサイトにおけるサンプル流体の速度は、カニューレ遠位部におけるカニューレポートを出る際のサンプル流体の速度の40倍になる。いくつかの実施形態によれば、サンプルリボンの断面積の減少は速度の増加に対して線形である。いくつかの実施形態によれば、カニューレ出口におけるシース速度がサンプルリボン速度よりも高い場合には、これもまた撮像領域における最終的なサンプルリボン速度を増加させることになる。
シース液は、サンプル流体リボンに対して、及びサンプル流体リボン内の粒子に対して大きな剪断力を加えるように機能することができる。いくらかの力はフローの方向に平行であり、粒子は、フローの方向に直角である力に遭遇する場合もある。多くの場合、シース液及びサンプル流体が画像キャプチャサイト又は区域に接近するにつれて、シース液及びサンプル流体は同じ速度又はその付近の速度で移動していく。それゆえ、画像キャプチャサイトを通過する際のシース液とサンプル流体との間の境界又は界面は、遠位カニューレ出口ポートにおける、又は先細状遷移区域における境界又は界面に比較して、より低い剪断力を呈してもよい。例えば、先細状遷移区域においては、シース液外被とサンプル流体リボンとの間の境界又は界面は過渡期にあることができ、そのため、最初はより遅く、より厚いサンプルリボンは、より速く、より薄くなっていき、サンプル流体内の粒子はより整位していく。言い換えれば、剪断力は先細状遷移区域において顕著であってよく、画像キャプチャサイトに向かって消失することができる。画像キャプチャサイトにおける剪断力は放物線分布によって表現することができ、先細状遷移区域における剪断力よりもはるかに低くなり得る。それゆえ、細胞又は粒子は、それらが遷移区域を通過する際にはより高い剪断力を経験し、それらが画像キャプチャサイトを通過する際にはより低い剪断力を経験することができる。いくつかの実施形態によれば、シース液とサンプル流体との粘度差は赤血球を整位させ、その結果、合焦させることができる。いくつかの実施形態によれば、シース液とサンプル流体との粘度差は白血球小器官を整位させ、その結果、合焦させることができる。関連して、ストリームの幾何学的狭窄化及びシース液とサンプル流体との速度差の結果として、整位して合焦した細胞成分及び小器官成分の向上した撮像結果を得ることができる。
本明細書の他の箇所において述べられているように、並びに図4K及び図4Lを参照すると、シース液及びサンプル流体Rがフローセルの流路サイズの縮小部又は遷移区域を通って撮像サイト432k又は432lに向かって流れるにつれて、シース液粘度とサンプル流体粘度との粘度差に関連付けられるシース液とサンプル流体Rとの間の相互作用によって引き起こされる粘性ハイドロフォーカシング効果が、流路サイズの縮小部又は遷移区域に関連付けられるシース液とサンプル流体Rとの間の相互作用によって引き起こされる幾何学的ハイドロフォーカシング効果と相まって、撮像サイト432k又は432lにおける複数の粒子の少なくとも一部における目標撮像状態を提供する。
場合によっては、目標撮像状態は、撮像サイトにおける焦平面Fに対する目標配向である。例えば、図4K−1に示されるように、粒子(RBC)は焦平面Fから少し離れて変位していることができる。場合によっては、目標配向は、撮像サイト432k−1における焦平面Fに対する目標粒子配向を含む。粒子は、赤血球、白血球、又は血小板などの、血球であることができる。ここに示されるように、撮像サイト432k−1における流路は、焦平面Fに実質的に平行であるか、又はそれと同一平面上にあるP平面を画定することができる。場合によっては、粒子の一部分は焦平面Fに沿って位置付けられてもよいが、それにもかかわらず、粒子の中心部はそうでなく焦平面Fからずれていてもよい。場合によっては、目標配向は、撮像サイト432k−1における焦平面Fに対する目標位置を含む。例えば、目標位置は、粒子の少なくとも一部分が焦平面Fに沿って配されるような粒子の位置付けを含んでもよい。場合によっては、目標位置は、粒子と焦平面Fとの間の距離が一定の閾値を超えないようにする粒子の位置付けを含んでもよい。場合によっては、目標位置は、撮像サイト432k−1における焦平面Fに対するものである目標粒子位置を含む。場合によっては、目標位置は焦平面Fから距離D以下とされる。ここで、距離Dは位置公差に対応する。シース液とサンプル流体との粘度差は、フローセル内のリボンサンプルストリームの(例えば、流路平面P及び/又は焦平面Fに対する)所望の位置付けを達成するように選択することができる。場合によっては、粘度差は、位置公差D以下にある目標粒子位置を達成するように選択することができる。
場合によっては、焦平面Fは、図4K−2に指示される通りの厚さ又は被写界深度を有し、粒子(RBC)は焦平面厚さに対する目標撮像状態を有する。例えば、粒子のための目標位置は焦平面F内にあるか、又は少なくとも部分的に焦平面F内にあることができる。場合によっては、高光学解像度撮像デバイス又はカメラは約7μmの被写界深度又は焦平面厚さを有することができる。場合によっては、被写界深度又は焦平面厚さは、約2μm〜約10μmの範囲を有する値を有する。場合によっては、カメラの被写界深度は画像キャプチャサイトにおけるサンプルリボン厚さとほぼ同じか又はそれに等しい。
場合によっては、目標配向は撮像サイトにおける焦平面Fに対する目標整位を含むことができる。例えば、目標整位は、粒子によって規定される平面が、図4K−3に示される通りの画像キャプチャサイト432k−3における焦平面Fに対して一定の角度αを超えないように、焦平面Fに対して整位されることを指示することができる。場合によっては、目標撮像状態は、サンプル内の正しく整位していない粒子の数又は割合の限度を含むことができる。例えば、シース液とサンプル流体Rとの粘度の差は、血液流体サンプル内の赤血球撮像配向整位不良を約10%未満に抑制するために有効となり得る。すなわち、サンプル内の100個の赤血球のうち90個以上の赤血球を、それらの主表面が(図4K−1及び図4K−2に示されるように)撮像デバイスの方を向くように、又はそれらの90個以上のRBCの整位が、フローの方向に実質的に平行な平面から20度以内であるように(例えば、RBC整位角度αが20度以下であるように)整位させることができる。本明細書の他の箇所において説明されているように、場合によっては、RBCなどの非球状粒子のうちの少なくとも92%を、フローの方向に実質的に平行な平面内に整位させることができる。場合によっては、RBCなどの非球状粒子のうちの少なくとも75%〜95%を実質的に整位させることができる。すなわち、フローの方向に実質的に平行な平面から20度以内に整位させることができる(例えば、整位角度αは20度以下である)。いくつかの実施形態によれば、特定の粒子(例えば、赤血球及び/又は血小板)のうちの90%以上を撮像デバイスの撮像軸に対して横方向に配向させることができる。
場合によっては、本発明の実施形態は、シース液又は粒子及び細胞内小器官整位液(PIOAL)などの、本明細書に記載されている通りの血液検査システムと共に使用するための組成物を含む。このようなシース液又はPIOALは、粘度と形状の組み合わせによるハイドロフォーカシングを行う視覚的分析器における使用に適している。PIOALは、視覚的分析器の狭窄化フローセル遷移区域を通る所与の粘度の血液サンプル流体のフローを誘導するか又は容易にするように機能することができる。PIOALは、サンプルの粘度よりも高い粘度を有する流体を含むことができる。粘度差に関連付けられるPIOAL液とサンプル流体との間の相互作用によって引き起こされる粘性ハイドロフォーカシング効果は、狭窄化フローセル遷移区域に関連付けられるPIOAL液とサンプル流体との間の相互作用によって引き起こされる幾何学的ハイドロフォーカシング効果と相まって、血液サンプル流体内の細胞の生存力を保持しつつ視覚的分析器の撮像サイトにおける複数の粒子のうちの少なくとも一部における目標撮像状態を提供するために有効となり得る。
図4Mは、葉410mなどの内部小器官を有する例示的な好中球400m(白血球の一種)を示す。サンプル流体とシース液との粘度差の結果として、内部小器官は、図4Nにおいて指示されるように、細胞内で整位させることができる。それゆえ、細胞内小器官は、画像キャプチャデバイス430mを用いて、小器官が互いに重なり合うことなく、効果的に撮像することができる。すなわち、図4Mに示されるように葉が互いに積み重なる代わりに、画像キャプチャデバイスの撮像軸又は光軸から見ると、図4Nに示されるように、葉は整位し、隣り合って並んでいる。それゆえ、葉は、キャプチャされた撮像されたものの内でより効果的に視覚化することができる。内部小器官の整位は、サンプル流体とシース液との粘度差の驚くべき予想外の結果である。したがって、粘度差、流体力学的流動、及び幾何学的圧縮の特徴を用いて、細胞の整位及び合焦に対応する改善された撮像結果が達成される。
本明細書の他の箇所において述べられているように、並びに図4M及び図4Nを参照すると、シース液及びサンプル流体Rがフローセルの流路サイズの縮小部又は遷移区域を通って画像キャプチャデバイス430m又は430nの撮像サイトに向かって流れるにつれて、シース液粘度とサンプル流体粘度との粘度差に関連付けられるシース液とサンプル流体Rとの間の相互作用によって引き起こされる粘性ハイドロフォーカシング効果が、流路サイズの縮小部又は遷移区域に関連付けられるシース液とサンプル流体Rとの間の相互作用によって引き起こされる幾何学的ハイドロフォーカシング効果と相まって、撮像サイトにおける複数の粒子の少なくとも一部における目標撮像状態を提供する。いくつかの実施形態によれば、目標撮像状態は撮像状態の分布に対応してもよい。
場合によっては、目標撮像状態は、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子内構造配向(例えば整位及び/又は位置)を含むことができる。例えば、図4Nに示されるように、内部構造410m(例えば細胞内構造、小器官、葉、又は同様のもの)を焦平面Fに対して配向させることができる。場合によっては、目標整位は、図4K−3に示される粒子整位関係と同様の、撮像サイトにおける焦平面Fに対する目標粒子内構造整位を含む。場合によっては、目標位置は、図4K−1に示される粒子位置関係と同様の、撮像サイトにおける焦平面に対する目標粒子内構造位置を含む。場合によっては、粒子内構造の目標配向は、焦平面に対する目標整位、及び同様に焦平面に対する目標位置の両方を含むことができる。場合によっては、目標撮像状態は撮像サイトにおける目標変形を含むことができる。例えば、図4Nに示されるように、粒子400mは、図4Mに示される粒子形状に比較して、圧縮された形状を有する。それゆえ、フローセルの作用は粒子形状に対する側面圧縮効果を生み出すことができることが分かる。関連して、粒子内の特徴は、粒子自身の形状が圧縮されるのに従い、位置的又は方向的に配向されることができる(例えば焦平面F及び/又はリボン流平面に対して整位されることができる)。いくつかの実施形態によれば、シース液とサンプル流体との速度差はフローストリーム内の摩擦を生み出すことができ、シース液とサンプル流体との粘度差はその流体力学的摩擦を増幅することができる。
様々な血液検査又は血液粒子分析手法はいずれも、フローセルを通って流れるサンプル流体の画像を用いて実行することができる。多くの場合、画像分析は、特定の細胞若しくは粒子パラメータを決定すること、あるいは特定の細胞若しくは粒子の特徴を測定、検出、又は評価することを含むことができる。例えば、画像分析は、細胞若しくは粒子サイズ、細胞核の特徴、細胞質の特徴、細胞内小器官の特徴、並びに同様のものを評価することを含むことができる。関連して、分析手法は、白血球(WBC)分類を含む、特定の計数若しくは類別方法又は診断試験を包含することができる。場合によっては、フローセルを用いて得られた画像はWBC 5分類試験を支援することができる。場合によっては、フローセルを用いて得られた画像はWBC 9分類試験を支援することができる。関連して、図4を参照すると、プロセッサ440は、プロセッサによって実行されると、システム400に、画像キャプチャデバイスから得られた画像に基づいて異なる種類の細胞を弁別させるように構成されるコンピュータアプリケーションを有する記憶媒体を含むか、又はそれと共同して動作することができる。例えば、種々の細胞(例えば、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、後骨髄球、骨髄球、前骨髄球、及び芽球)を弁別するための診断又は試験手法を用いることができる。
本明細書において提供される実施例は単なる例示の目的のためのものにすぎない。本発明はこれらの実施例に限定されず、むしろ、本明細書において提供される教示の結果として明らかになる全ての変形例を包含する。
本明細書に記載されている実験の以前には、本明細書に開示されている通りの粒子の整位及び細胞内含有物の再位置付けのためのPIOALを含む開発及び使用法を可能にする公開されたプロトコルは存在しなかった。これは、体液(例えば血液)サンプル内の粒子の画像ベースの分析並びに弁別分類及び細分類のために有用である。本明細書に開示されている方法及び組成物は任意選択的に、全血塗抹標本上で見られるWright染色された細胞によく似た、白血球染色、網赤血球染色及び血小板染色を達成するために適切な仕方で粒子を染色すること及び/又は溶解させることができる。
本明細書に記載されている例示的な組成物は、比較的低い血液対試薬希釈率で染色が生じることを可能にし、染色は急速に(例えば30秒以内に)生じることができる。所望の場合には、例示的な方法は、赤血球溶解を達成するために、熱と組み合わせた界面活性剤の使用を採用することができる。例示的な配合は、RBC完全性を保持し、それにもかかわらずWBC、網赤血球及び血小板染色効果を達成するように変更することができる。
本開示の態様及び実施形態は、特定のPIOAL組成物は、画像ベースの粒子/細胞分析を実行するために用いると、細胞を整位させ、細胞内構造を再位置付けする予想外の特性を有するという、驚くべき予想外の発見に基づく。
例として、いくつかの例示的なPIOAL配合及びその使用法が開発された。以下は、所望の特性を有するPIOAL配合のいくつかの見本である。
図4Oは、PIOALを用いて得た画像対非PIOALシース液を用いて得た画像の比較を示す。PIOALの使用は、葉、細胞質、及び/又は顆粒などのより合焦した細胞含有物を生じさせた。本例では、粘性剤(約30%グリセロール)を含むPIOALを用いてサンプルを処理した。pHは約6.8〜7.2のpHに調整し、サンプル混合物は(0.9%塩化ナトリウム)によって等張性にした。ここに示される結果は、細胞及び細胞内小器官を整位させるために画像分析器上で用いた例示的なPIOALの有効性を実証している。
図4P及び図4Qは、標準的なシース液を用いて得た画像(図Pの上及び下のパネル)対例示的なPIOAL液を用いて得た画像(図4Qの上及び下のパネル)の比較を示す。ここに示されるように、PIOALの使用は、例えば、赤血球の主表面を、カメラ又は撮像デバイスの方を向くように配向させることによって、改善されたRBC整位を生じさせた。(図1に示される通りの例示的な目標44への)機器合焦プロトコルを用いてサンプルを分析し、視覚的分析器によって目標を合焦させた。次に、合焦システムを変位距離52だけずらし、その結果、リボン状サンプルストリーム内の粒子が合焦した。血液サンプルは、サンプル希釈剤を用いて前もって希釈した。サンプルはカニューレを通り、フローセルの流路に沿って流れ、それにより、PIOAL又は(対照における)標準的なシースの2つの層に挟まれたリボン状サンプルストリーム(例えば厚さ2ミクロン)を作り出した。次に、視覚的分析器は、分析に用いるためのリボン状サンプルストリーム内の粒子の合焦画像を(例えば、約60コマ毎秒で)生成する。血液サンプルは被検者から得られ、血液分析器による分析のために処理される。標準的なシース液又はPIOALを用いてサンプルが処理される間に、フローセル内のRBCの画像をキャプチャする。撮像データ(例えば4P及び4Q)に基づき、相対的割合は、整位されたRBCの数の大幅な改善を実証している。この結果は、PIOALは、本明細書に説明されている集束機器/プロトコルを用いたリボン状サンプルストリーム内を流れる間のRBC整位の割合の増大に効果があることを実証した。
PIOALの実装は、対称的なフローセル及び非対称的なフローセル内において、使用するグリセロール(gly)のレベルの増加に基づき整位の改善をもたらすことも観察された。
図4Rにおけるチャートは、PIOAL内0%〜30%のグリセロールを用いて得られた、整位していない細胞の割合を示し、対称的なフローセルを用いた場合と非対称的なフローセルを用いた場合を対比して示す。PIOAL内30%のグリセロール及び対称的なフローセルを用いる結果、正しく整位していない細胞の割合はわずか8%に低下する。PIOAL内にグリセロールを用いず、かつ非対称的なセルを用いると、正しく整位していない細胞の割合は87%に増大したことに留意されたい。それゆえ、このチャートは、粒子(例えばRBC)の整位に対するグリセロールの割合及びフローセルの幾何形状の効果を実証している。対称的なフローセル幾何形状又は非対称的なフローセル幾何形状のどちらを用いても、グリセロールの添加は、正しく整位していないRBC細胞の割合を減少させる。整位していないRBCの%は、非対称的なセルでは87%から15%へ低下し、対称的な細胞では46%から8%へ低下した。このように、チャートは、対称的な狭窄化フローセル遷移区域及び粘性シース液を有するフローセルを含む分析器構成から得られた整位不良の結果(8%)と、対称的な狭窄化フローセル遷移区域を有するが粘性シース液の使用を伴わないフローセルを含む分析器構成から得られた整位不良の結果(46%)との比較を提供する。
これらの結果は、特定のPIOAL組成物は、画像ベースの粒子/細胞分析を実行するために用いると、細胞を整位させ、細胞内構造を再位置付けする予想外の特性を有するという、驚くべき予想外の発見の証拠を提供する。
例として、いくつかの例示的なPIOAL配合及びその使用法が開発された。以下は、所望の特性を有するPIOAL配合のいくつかの見本である。PIOALは希釈剤及び少なくとも1つの粘度調節剤を含む。
例示的なPIOAL配合Aは、300mLグリセロールと、9.84g硫酸ナトリウム、4.07g塩化ナトリウム、0.11gプロカインHCl、0.68g第一りん酸カリウム、0.71g第二りん酸ナトリウム、及び1.86gEDTA二ナトリウムを含有する、1Lに対するQS(適量(quantity sufficient)、又は最終体積を1Lにする量)の希釈剤とを有する、30%(v/v)グリセロール溶液を含む。初期混合物に続き、1Lに対するQSの脱イオン水を加え、同時に水酸化ナトリウムを用いてpHを7.2に調整した。
例示的なPIOAL配合Bは、65mLグリセロールと、9.84g硫酸ナトリウム、4.07g塩化ナトリウム、0.11gプロカインHCl、0.68g第一りん酸カリウム、0.71g第二りん酸ナトリウム、及び1.86g EDTA二ナトリウムを含有する、1Lに対するQSの好適な例示的な希釈剤とを有する、6.5%(v/v)グリセロール溶液を含む。初期混合物に続き、1Lに対するQSの脱イオン水を加え、同時に水酸化ナトリウムを用いてpHを7.2に調整した。
例示的なPIOAL配合Cは、50mLグリセロール、10g PVP(MW:360,000)、シグマPBS粉末1包、pH 7.4(0.01Mリン酸緩衝生理食塩水、0.138M塩化ナトリウム、0.0027M塩化カリウム)、及び1Lに対するQSの脱イオン水を有する、1% PVP(w/v)を加えた5%グリセロール(v/v)緩衝溶液を含む。
例示的なPIOAL配合Dは、16g PVP(MW:360,000)、及びシグマPBS粉末1包、pH 7.4(0.01Mリン酸緩衝生理食塩水、0.138M塩化ナトリウム、0.0027M塩化カリウム)、並びに1Lに対するQSの脱イオン水を有する、1.6% PVP(w/v)溶液を含む。
処理量
図5は、フローセルにおける1つ以上のサンプル流体の注入に対応するタイムライン500を示す。ここに示されるように、ステップ510において指示されるように、フローセル内への第1のサンプル流体の注入を開始することができる。その後、ステップ515において指示されるように、フローセル内において第1のサンプル流体からの粒子を撮像することができる。いくつかの実施形態によれば、第1のサンプル流体は約5μL〜約150μLの範囲内の体積を有することができる。場合によっては、撮像領域における流量は0.232μL/秒(又は0.2μL/秒〜0.35μL/秒の範囲内)である。20秒の撮像の間に、流量値は5μL〜15μLの範囲内になり得る。ステップ520において指示されるように、第1のサンプル流体の注入を終了させることができ、ステップ530において指示されるように、フローセル内への第2のサンプル流体の注入を開始することができる。第1のサンプル流体注入の終了及び第2のサンプル流体注入の開始の結果として、ステップ535において指示されるように、サンプル流体過渡状態を開始することができる。その後、ステップ445において指示されるように、フローセル内のサンプル流体過渡状態は消失することができる。ステップ550において指示されるように、フローセル内において第2のサンプル流体からの粒子を撮像することができる。ステップ560において指示されるように、第2のサンプル流体の注入を終了させることができる。場合によっては、注入及び流動手順は約18℃〜約40℃の範囲内の温度で実行される。
通例、サンプルが注入される際、及び注入が終了される際に、シース液のストリームはフローセル内を流れたままになっている。それゆえ、いくつかの実施形態によれば、サンプル流体の注入が流動シース内へパルス状に行われる間に、シース液の継続的フローが維持される。シース液の継続的フローは、サンプル流体がフローセルに沿って流れる際の、サンプル流体におけるリボン形状の保存に寄与することができる。
いくつかの実施形態によれば、ステップ550に関連付けられる画像キャプチャは、ステップ515に関連付けられる画像キャプチャの4秒以内に実行することができる。いくつかの実施形態によれば、第1のサンプル流体注入と第2のサンプル流体注入との間の(例えば、ステップ510とステップ530との間の)時間は約30秒である。関連して、いくつかの実施形態によれば、第1及び第2のサンプル流体の撮像開始の間の(例えば、ステップ515の開始とステップ550の開始との間の)時間は約30秒である。このように、1時間当たり120のサンプル流体を処理することが可能である。場合によっては、画像キャプチャデバイスは180コマ毎秒(FPS:frames per second)のフレームレートで動作し、したがって、複数の個別の連続した画像又はコマを高い頻度又は速度で生成する。ここに示されるように、撮像ステップ(例えば515又は550)の持続時間は15秒とすることができ、したがって、1つのサンプル流体当たり2,700枚の画像を生成する。
場合によっては、第1のサンプル流体は、サンプル流体注入管から流動シース液内への第1のサンプル流体の注入(例えばステップ510)の後に、約1〜3秒以内に安定化状態に達する。場合によっては、第1のサンプル流体は、サンプル流体注入管から流動シース液内への第1のサンプル流体の注入(例えばステップ510)の後に、1秒未満以内に安定化状態に達する。フローセル内へのサンプルの注入は2ステップのプロセスであることができる。本実施形態によれば、第1のステップは、全ての希釈剤をカニューレの外へ追い出す高速の押し出しであり、最初の押し出し後は、サンプルの流量を大幅に低下させる。通過時間は、サンプル(例えば、細胞)が撮像フロー条件(より遅いサンプル流量)の下でカニューレ出口から撮像領域まで移動するのに要する時間として定義することができる。場合によっては、第1のサンプル流体は、サンプル流体注入管から流動シース液内への第1のサンプル流体の注入(例えばステップ510)から約1.8秒以内に安定化状態に達する。場合によっては、サンプル流体は、約2〜4秒の範囲内のフローセル内の(例えばカニューレ出口ポートから画像キャプチャサイトまでの)通過時間を有する。
いくつかの実施形態によれば、フローが安定化するか、又はカニューレの遠位出口ポートから撮像領域まで移動するのに約5秒要する。場合によっては、画像キャプチャ持続時間は約20秒であることができる。
本発明の実施形態に係る血液検査システムは、約150μLの体積を有する血液サンプルを処理することができる。吸引される血液体積は約120〜150μLであることができる。場合によっては、サンプル管内の最小利用可能血液体積は、自動サンプリングモードの場合には約500μLであり、手動サンプリングモードの場合には約250μLである。図4Dに示されるカニューレ又は注入管400dは約13uLの内容積を有する。いくつかの実施形態によれば、カニューレ又は注入管は約30uL未満の内容積を有する。血液サンプルの体積は、画像収集を始める前にカニューレをフラッシュするために有効であり、そのため、サンプルフローが安定でない期間が長くなるのを回避することができる。例えば、約13uLの内容積を有するカニューレの使用は、約2〜3秒のサンプルフロー不安定期間に対応し得る。いくつかの実施形態によれば、カニューレ内容積はサンプルフローの安定性に影響を与えなくてもよい。いくつかの実施形態によれば、最初の高速のサンプル押し出しが、カニューレの内部の全ての希釈剤と置き換わるには不十分である場合には、カニューレ内容積はサンプルリボン自体の内部の細胞濃度安定性に影響を与える可能性がある。関連して、カニューレは、サンプルの合間に少量の希釈剤を用いて短時間で洗浄することができる。このように、高品質画像のキャプチャを容易にする安定したサンプルフローを達成し、同時に、キャリーオーバーの少ない、高い処理量を達成することが可能である。いくつかの実施形態によれば、高い内容積を有するカニューレは、管路及びカニューレ内の全ての希釈剤を追い出すためにサンプルの大量の初期高速押し出しを必要とする場合がある。本発明の実施形態は、利用可能なサンプル体積が少なく、より少量の押し出しをより短時間で遂行することができる血液検査の用途に適した、より内部カニューレ容積の小さい実装形態を包含する。
いくつかの実施形態によれば、血液検査システムは、血液流体サンプルからの画像取得を迅速化するために、過渡状態、及び連続サンプル相互汚染を抑制するように構成することができる。
細胞構造、含有物、及び整位
いくつかの実施形態によれば、白血球の染色及び可視化を達成するためには、サンプル内の赤血球を溶解させ、染色剤が白血球と合体することを可能にするべく、白血球を透過処理することが役に立つ。多くの場合、細胞に対する形態の変化をほとんど又は全く伴わない白血球の染色剤を得ることが望ましい。更に、多くの場合、Wright染色に似た染色特性を得ることが望ましい。加えて、多くの場合、高い赤血球整位度(例えば、目標>90%)を得ることが望ましい。
図5Aは、グルタルアルデヒドを含まない染色剤配合を用いて得られた結果を示す。フローセル内で遭遇する剪断力の結果、細胞はばらばらに壊れていることが観察された。核の良好な染色は達成されたが、核そのものは変形したように見え、細胞膜は損傷を受けているように見えた。要するに、撮像するときに、細胞は、細胞含有物及び構造に対する分断のために、破壊されているように見えた。
図5Bは、グルタルアルデヒドを含む染色剤配合を用いて得られたWBCの結果を示す。ここに示されるように、細胞膜は無傷であり、細胞は円形である。それゆえ、(例えば、図5Aに示される)グルテルアルデヒドを用いない染色剤のバージョンはWBCの衰弱をもたらすことが観察された。図5BではWBCはより無傷であるが、核の部分は損傷を受けている。
図5Bの画像を得るために用いたシース液(PIOAL)は30%グリセロールを含んでいた。対照的に、図5Cの画像を得るために用いたシース液(PIOAL)は6.5%グリセロールを含んでいた。より低いグリセロール濃度は、核がほとんど変化しない、より良好な形態をもたらした。それゆえ、図5Cにおける細胞膜は図5Bにおける細胞膜よりもいっそう無傷であることが観察された。図5Cにおけるより低いグリセロール濃度は、粘度差を縮小し、それにより、剪断力を低下させるように機能することができる。過度の剪断力が存在する場合には、その力は細胞膜を破壊することができる。グリセロールは、細胞に適合しないいくつかの特性を有し得るため、より高いグリセロール濃度もまた細胞膜を破壊し得る。それゆえ、図5Aに示される核に対する損傷は、シース液内の30%グリセロールの結果であり得ると結論づけることが可能である。
しかし、図5Cに示されるようにグリセロール濃度を6.5%に下げると、サンプル流体内の赤血球の整位度は落ちることが観察された。
赤血球内の整位の改善を得ようとして種々の代替的なPIOAL配合を用いたが、これらの代替的な配合は満足な結果を提供しなかった。例えば、いくつかの異なる増粘剤を試したが、それらの多くは、より高い30%グリセロール配合のものと同様の振る舞いを見せ、そのため、細胞含有物は損傷を受けた。
ポリビニルピロリドン(PVP)及び5%グリセロールを粘性剤成分として用いることによって、30%グリセロール配合の粘度と一致する粘度を有し(及びそれゆえ改善された整位結果が達成される)、核を破壊する負の効果を伴わないシース液を得ることが可能であることが発見された。図5Dは、5%グリセロール及び1% PVPを有するPIOALを用いて得られた結果を示す。それゆえ、シース液内の粘性剤は、例えば、細胞がフローセルを流れ、流動シース液に曝されたときに、細胞の構造及び含有物を無傷のまま残し、サンプル流体ストリーム内の細胞の生存力を保持することが分かる。いくつかの実施形態によれば、グリセロールの濃度の割合は(v/v)を用いて表され、PVPの濃度の割合は(w/v)を用いて表される。
図5Eは、本発明の実施形態に係るフローセル手法(右列)と比較した、伝統的な顕微鏡湿式マウント法(左列)に基づく画像キャプチャ結果を示す。湿式マウント手順は画像鮮明度及び品質のための目標水準と考えることができる。本明細書に開示されている通りに設計されたシース液及びフローセルを含む手法は、湿式マウント手順のものと同等な画像鮮明度及び品質の達成に有効であることが観察された。
いくつかの実施形態によれば、サンプル流体とシース液との粘度差が特定の閾値を超えると、フローストリームリボンは分裂し得る。いくつかの実施形態によれば、グリセロールを60%で包含するシース液を用いると、フローストリームリボンの分裂が観察された。
方法
図6は、本発明の実施形態に係る粘度と形状の組み合わせによるハイドロフォーカシングのために構成された粒子分析システムを用いて複数の粒子を撮像するための例示的な方法600の態様を示す。粒子は、サンプル流体粘度を有する血液流体サンプル610内に含まれることができる。ここに示されるように、本方法は、ステップ630において指示されるように、シース液620をフローセルの流路に沿って流すことを含むことができる。シース液620は、所定の粘度差範囲内の粘度差だけサンプル流体粘度と異なるシース液粘度を有することができる。本方法はまた、ステップ630において指示されるように、シース液によって包囲されるサンプル流体ストリームを提供するために、血液流体サンプル610をフローセル内の流動シース液内に注入することを含むこともできる。更に、本方法は、ステップ640において指示されるように、サンプル流体ストリーム及びシース液を流路サイズの縮小部を通って撮像サイトに向かって流すことを含むことができる。サンプルストリーム及びシース液が流路サイズの縮小部又は狭窄化遷移区域を通過する際に、粘度差に関連付けられるシース液とサンプル流体ストリームとの相互作用によって引き起こされる(ステップ650に示される通りの)粘性ハイドロフォーカシング効果は、流路サイズの縮小部に関連付けられるシース液とサンプル流体ストリームとの相互作用によって引き起こされる(ステップ660において示される通りの)幾何学的ハイドロフォーカシング効果と相まって、ステップ670おいて示されるように、撮像サイトにおける複数の粒子のうちの少なくとも一部における目標撮像状態を提供するために効果を発揮し、その一方で、シース液内の粘性剤は、細胞がサンプル流体ストリームから流動シース液内へ延出したときに細胞の構造及び含有物を無傷のまま残し、サンプル流体ストリーム内の細胞の生存力を保持する。方法はまた、ステップ680おいて示されるように、撮像サイトにおいて複数の粒子を撮像することを含んでよもよい。
図6A及び図6Bは、剪断力、側面圧縮、配向、粘度差、シース液とサンプル流体との間の相対運動、及び同様のものに関する例示的なフローストリーム特性を示す。
図6Cは、本発明の実施形態に係る、血液流体サンプル内の粒子を撮像するための例示的な方法6000の態様を示す。ここに示されるように、血液サンプル6010は粒子を含み、粒子を包含する第1のサンプル流体6012及び粒子を包含する第2のサンプル流体6014などの、1つ以上のサンプル流体に分けることができる。本方法は、ステップ6020において指示されるように、シース液をフローセルの流路に沿って流すことを含むことができる。更に、本方法は、ステップ6030において指示されるように、注入管に隣接して第1の厚さを有するサンプル流体ストリームを提供するために、第1のサンプル流体6012をサンプル流体注入管からフローセル内の流動シース液内に注入することを含むことができる。フローセルの流路は流路サイズの減少部を有することができ、それにより、サンプル流体ストリームの厚さは初期の厚さから画像キャプチャサイトに隣接して第2の厚さへ減少する。方法6000は、ステップ6040において指示されるように、フローセルの画像キャプチャサイトにおいて第1のサンプル流体からの第1の複数の粒子を撮像することを更に含んでもよい。
方法6000は、サンプル流体過渡状態を開始することを含むこともできる。例えば、サンプル流体過渡状態は、流動シース液内への第1のサンプル流体の注入を終了させ、ステップ6050において指示されるように、第2のサンプル流体を流動シース液内に注入することによって開始させることができる。更に、方法6000は、ステップ6060において指示されるように、フローセルの画像キャプチャサイトにおいて第2のサンプル流体からの第2の複数の粒子を撮像することを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、第2の複数の粒子の撮像は、実質的にサンプル流体過渡状態の後、及び第1の複数の粒子の撮像の4秒以内に実行することができる。
剪断歪み速度
図7及び図8は、本発明の実施形態に係る、フローセル内の特定のフロー条件についての剪断歪み速度値の態様を示す。これらの図面のそれぞれにおいては、30%グリセロールシース液を用いる。場合によっては、粘度は2.45×10−3の値を有することができる。剪断応力値は、粘度値に歪み速度値を乗算することによって得られる積に等しくなることができる。図7に関して、サンプルは0.3μL/秒の流量を有することができ、シース液は21μL/秒の流量を有することができる。図8に関して、サンプルは1μL/秒の流量を有することができ、シース液は70μL/秒の流量を有することができる。これらの図のそれぞれにおいて、フローは、中心(C)の方でより低い歪み値を呈し、周辺(P)の方でより高い歪み値を呈することが分かる。このような歪み値は、いくつかの実施形態では、非対称的なフローセル構成に対応することができる。
図7に示されるように、いくつかの実施形態によれば、フローストリームの中心(C)部分の方のより低い歪み速度は約500(1/s)以下の値を有することができ、フローストリームの周辺(P)の方のより高い歪み速度は約3000(1/s)以上の値を有することができる。図8に示されるように、いくつかの実施形態によれば、フローストリームの中心(C)部分の方のより低い歪み速度は約1000(1/s)以下の値を有することができ、フローストリームの周辺(P)の方のより高い歪み速度は約9000(1/s)以上の値を有することができる。
それゆえ、より低いサンプル流体速度及びシース液速度(例えば図7)はより低い歪み速度に対応し、より高いサンプル流体速度及びシース液速度(例えば図8)はより高い歪み速度に対応することが分かる。本発明の実施形態は、種々の粘度値、種々の歪み速度値、及び/又は種々の剪断応力値に対応するサンプル流体及び/又はシース液の使用を包含することを理解されたい。
オートフォーカス目標
PIOALはフローセル内に導入されることができ、サンプルを運搬して撮像領域を通過し、その後、排出部へと向かう。サンプル流体のストリームは、相当な幅を有する流路を確立するために扁平開口部を有するカニューレを通じて注入することができる。例えば、PIOALは、サンプル流体よりも比較的高い粘度、適当な密度を有することができ、サンプルの注入の地点における流量は、サンプル流体が薄いリボン形状に扁平化するようになされる。サンプル流体のリボンはPIOALと共に運搬され、リボン状サンプルストリームを観察するために高光学解像度撮像デバイス及び光源が配置された観察ポートの前を通過する。
リボン状サンプルストリームはPIOALと共に運搬され、リボン状サンプルストリームを観察するために高光学解像度撮像デバイス及び光源(例えば、UV光源、可視光源、又はIR光源)が配置された観察ポートの前を通過する。高光学解像度撮像デバイス及び光源は、血球などの粒子のバックライトを当てた画像を得るために、フローセルの反対側に設置することができる。高光学解像度撮像デバイスはフローセル内の観察ポートを通してサンプルのピクセルデータ画像をキャプチャする。例えば、高光学解像度撮像デバイスは、実質的なすき間又は重複を生じることなくリボン状サンプルストリームの区間が撮像されるようにサンプル流速に合わせた繰り返し速度で画像をキャプチャする。
本発明の実施形態は、フローセルを通って流れるリボン状サンプルストリーム画像を収集するためのシステムの設計及び動作において実装される数多くの独自の構造的特徴及び機能的特徴を提供する。例示的な実施形態は、粒子及び/又は細胞の種類が互いに識別されることを可能にする、血球などの種々の粒子の異なる特徴を明らかにするために十分な鮮明度及び解像度を有する、粒子の十分に合焦した画像を得るように構成される。
リボン状サンプルストリームを合焦させるために、高光学解像度撮像デバイスとリボン状サンプルストリームとの間の距離は、リボン状サンプルストリームが高光学解像度撮像デバイスから光軸に沿って所望距離(例えば、焦点距離)にあるように設定することができる。
焦点距離は、光センサアレイ上の画像を解像するために用いられる高光学解像度撮像デバイスのレンズの特性、すなわち、レンズ素子の材料、形状及び寸法及び光軸に沿ったそれらの構成及び配置によって規定される特性である。撮像されるサンプルの領域の寸法、及びサンプル内で合焦する被写界深度は、レンズ構成によって決定される。
開口部調整及びズーム調整が可能であるが、簡単にする目的のために、本開示における一部の実施例は、リボン状サンプルストリーム内の粒子への高光学解像度撮像デバイスの合焦は単に、高光学解像度撮像デバイス及びフローセル内のリボン状サンプルストリームを、正しい距離、すなわち、リボン状サンプルストリーム内の粒子の光センサアレイ(例えば、電荷結合素子アレイ)上の合焦画像を解像する距離、に相対的に位置付けることのみを必要とするようになっている。高光学解像度撮像デバイスは、静止画像又はビデオ画像を表示及び/又は処理及び/又は伝送のために記録又は伝送するカメラを含んでもよい。
一態様において、フローセルの対称性並びにサンプル流体及びPIOALの注入の仕方によって、PIOAL内のリボン状サンプルストリームのためのフローセル内の再現性のある位置が提供される。しかし、フローセル及び高光学解像度撮像デバイスの相対位置は変化を受けやすく、高光学解像度撮像デバイスとリボン状サンプルストリームとの間の最適距離を維持し、かくして、良質の合焦画像を提供するために、時折の位置調整を必要とする。
本発明の実施形態は、リボン状サンプルストリームと高光学解像度撮像デバイスとの間の距離を非常に正確に設定することによってサンプルの確実に合焦した画像を提供するためのオートフォーカスデバイス/装置を組み込む血液及び/又はその他の生体液のための自動視覚的分析器システム及び方法を包含する。一態様において、本明細書に開示されているオートフォーカスシステムの実施形態は、リボン状サンプルストリームと高光学解像度撮像デバイスとの間の距離を非常に正確に設定し、サンプルの確実に合焦した画像をキャプチャすることができる。いくつかの実施形態では、良好な合焦結果を達成する距離を確立するためのアルゴリズムが用いられる。
目的は、PIOALのフロー内に包囲されたリボン状サンプルストリームのための安定した再現性の高い位置を提供するフローセルを、高光学解像度撮像デバイスとリボン状サンプルストリームとの間の最適距離を維持する高光学解像度撮像デバイス及びオートフォーカスデバイス/装置と組み合わせて用い、かくして良質の合焦画像を提供することである。
本明細書においては、このような装置及び方法が開示され、クレームされている。フローセル内の再現性のあるリボン状サンプルストリーム位置を生み出すことが見いだされた、対称的なフローセルが提供される。リボン状サンプルストリームへの合焦を維持するために、合焦はリボン状サンプルストリームに対する高光学解像度画像デバイスの精密に正しい相対位置を設定することを含む。
好都合に、フローセル及び/又は高光学解像度画像デバイスは、オートフォーカスプロセスにおいて、高コントラストパターンなどのオートフォーカスパターン、又は同様の合焦目標、好ましくは、縁部などのはっきりとコントラストをなす特徴を有する平面目標を用いて、互いに対して移動させることができる。オートフォーカスパターンはフローセルに対する定位置に固定され、サンプル自体の代わりに合焦対象として用いられる。リボン状サンプルストリームは、オートフォーカスパターンから高光学解像度撮像デバイスの光軸に平行な線に沿って固定距離にある薄いリボンである。オートフォーカスパターンとリボン状サンプルストリーム位置との間の変位距離は一定の距離であり、この距離は最初に決定され、オートフォーカス手順内にプログラムされる。その後の例示的な手法は、オートフォーカスパターンにオートフォーカスし、次に、高光学解像度画像デバイス及び/又はフローセルを互いに対して既知かつ一定の所定の距離だけ変位させることであり、その結果、高光学解像度画像デバイスとリボン状サンプルストリームのロケーションとの間の距離は、リボン状サンプルストリームの良質の合焦画像を提供するための最適距離になる。例えば、まず、オートフォーカスアルゴリズムが高光学解像度撮像デバイスの位置を、リボン状サンプルストリームから固定距離に配置されたオートフォーカスパターンに合焦させる。オートフォーカスパターンに合焦した後に、プロセッサはモータ駆動装置を固定距離にわたって作動させ、それにより、リボン状サンプルストリームを高光学解像度撮像デバイスの焦点に合わせる。
例示的な高光学解像度画像デバイスは、粒子の視覚的特徴を解像するために十分な詳細を提供するために十分な倍率及び解像度で粒子を明らかにする画像をキャプチャする能力を有する、対物レンズ及び関連付けられたピクセル画像センサを備える。特定の実施形態では、倍率は少なくとも2倍高く(それゆえ、撮影した各画像ごとに2倍の画像領域を提供する)、それにより、伝統的な血液分析器に比較してそれぞれの粒子についてのより詳細な情報を生成する。
PIOAL流路は、リボン状サンプルストリームの上方及び下方に等量のPIOALが流れるように、対称的に配置することができ、これによって、リボン状サンプルストリームは、オートフォーカスパターンから高光学解像度撮像デバイスの光軸に平行な線に沿って固定距離に薄いリボンとして引き伸ばされて配置される。一実施形態において、オートフォーカスパターンは、後方照明源からの光を入れる開口部の周囲に不透明な枠を含み、オートフォーカスパターンの距離はオートフォーカス制御装置によって容易かつ明確に照準される。次に、高光学解像度撮像デバイスをフローセルに対して相対的に所定の一定の変位距離にわたって変位させることによって、リボン状サンプルストリームを合焦させる。サンプルの画像内容に直接オートフォーカスする必要はない。ただし、更なるオートフォーカスもあり得る。
自動合焦構成は、ある範囲の距離にわたって合焦の質の1つ以上の尺度を評価し、最適距離を探すプロセッサからの制御信号に応じて、光軸に沿ったフローセル及び高光学解像度撮像デバイスの相対位置を調整するモータ駆動装置を含む。例えば、プロセッサはコントラストの尺度を評価し、モータ駆動装置をオートフォーカスのために作動させてもよい。通常動作時、プロセッサはモータ駆動装置を作動させて目標にオートフォーカスし、次に、高光学解像度撮像デバイスとフローセルとの間の距離を目標からの記録された変位だけ調整し、リボン状サンプルストリームを合焦させる。デバイスがリボン状サンプルストリームを同じ仕方で移動させ続け、熱膨張又は同様の交絡因子が生じない限り、リボン状サンプルストリームの画像は合焦した状態を保つことになる。
目標とフローセル内のリボン状サンプルストリーム位置との間の変位距離を決定し、記録するために、予備的なセットアップ又は校正プロセスを用いることができる。正確な変位距離はフローセルによって少しずつ異なり得るが、目標及び試験用リボン状サンプルストリームに交互に数回オートフォーカスし、平均の結果を、フローセルに関連付けられた定数として記録することなどによる、予備的な試験によって確立される。
それに応じて、調製された血液サンプル又は別の種類のサンプルなどの撮像対象のサンプルは、規定された流路に沿ってフローセル内の観察区域を通るように誘導される。PIOAL流路は好ましくは対称的であり、サンプルは、サンプルが包囲されるPIOALフローの中心において注入される。サンプル、及びPIOALなどのシース材料の流量並びに粘度及び密度特性は、フローセルの輪郭と共に協働し、リボン状サンプルストリームを、再現性のある位置において観察区域を常に通って流れる平坦なリボンに形成する。
サンプルは高光学解像度撮像デバイスのカメラ構成要素によって撮像されてもよく、本明細書に記載されている通りのオートフォーカスプロセスを含む、少なくとも一部自動化された画像分析プロセスによって分析されるために収集されたデジタル画像。
1つの目的は、特定の疾患に関連付けられてもよい、本明細書に記載されている通りの血液サンプル及びその他の生体サンプル内の血球などの粒子の識別、分類、細分類及び/又は計数である。一態様において、本開示の粒子造影剤組成物を、本明細書において、フロー内の細胞の驚異的に高品質の合焦画像を提供する方法において説明されている分析器などの視覚的分析器と組み合わせることができる。細胞は自動的にキャプチャされ、処理されてもよい。
画像は、自動的な画像ベースのWBC弁別計数、並びに被検者は健康であるのか、それとも病気、疾患、異常及び/若しくは感染症を有しているのかの判定、診断、予知、予測、及び/若しくはその診断の支援、並びに/又は被検者は治療に反応があるのか、それとも反応がないのかの判定若しくは監視に有用な形態学的異常の自動識別を可能にする。本開示においては、血液サンプル内の細胞カテゴリ計数及び/又はサブカテゴリ計数が、分析することができる流体の種類の非限定例として用いられている。
一態様において、本発明の組成物と共に使用するための画像分析器は、リボン状サンプルストリームと光学系の高光学解像度撮像デバイスとの間の距離を非常に正確に設定することによって、サンプルの確実に合焦した画像をキャプチャすることができる。いくつかの実施形態では、視覚的分析器を、本発明の組成物、及び良好な合焦結果を達成することができる前記距離を確立するためのアルゴリズムと組み合わせて用いることができる。サンプルはフローセル内に配置され、観察ポートを通した観察を可能にするために照明される。個々の細胞又は粒子は、キャプチャされたピクセルデータ画像内において鮮明に見え、特質が明らかになるほど十分に特徴が詳細に見える。特質は、次に、細胞のカテゴリ及びサブカテゴリを互いと識別するために、既知のパラメータと比較され、対比される。
目的は、フローセルを、本明細書に説明されている例示的な粒子造影剤組成物、及び粒子認識のために最適な品質及び詳細の画像を提供する例示的なPIOALと組み合わせて用いることである。加えて、PIOAL及び装置は、PIOALのフロー内に包囲されたリボン状サンプルストリームのための安定した再現性の高い位置を提供する。これは、高光学解像度撮像デバイス及び、リボン状サンプルストリームまでの高光学解像度撮像デバイスの最適距離を維持するオートフォーカスデバイス/装置と相まって、良質の合焦画像を提供する。
オートフォーカス目標
図1の参照に戻ると、粒子撮像システムは、フローセル22に対して固定されるオートフォーカスパターン又は目標44を含むことができる。オートフォーカス目標44は、フローセルを通って流れる血液流体粒子の合焦画像を達成するために用いることができる。
図9Aは、本発明の実施形態に係る例示的なオートフォーカス目標900を示す。ここに示されるように、目標900は、不透明な環状の帯910並びに透明な中心若しくは開口部920を含む。動作時、撮像デバイスは帯910に合焦し、開口部を通して画像をキャプチャする。本明細書の他の箇所、及び同時係属中の米国特許出願第____号に説明されているように、画像キャプチャプロセスは、まず帯910に合焦すること(若しくはオートフォーカスすること)と、次に、開口部920を通して画像を得る前に画像キャプチャデバイスとサンプル流体ストリームとの間の距離を調整することと、を含むことができる。したがって、帯910は、画像キャプチャデバイスのオートフォーカスシステムが検出し、合焦することができる目標を呈示することができ、目標の特定の部分(例えば、縁部又は区間)は画像内に含まれることができる。場合によっては、目標は、中心開口部を有するクロム円板として提供することができる。例示的な目標には、約0.5mmの直径を有し、フローセルに接着又は固定される、中心ピンホールを設けることができる。中心ピンホール又は開口部920のサイズは、図9Bに示されるように、不透明な環状の帯910の4つの縁部部分930のみが、キャプチャされた画像940内に見えるように選択することができる。それゆえ、環状の帯910は細胞画像のキャプチャの邪魔にならない(例えば、光は、サンプル粒子を照明するために開口部920を通過することができ、視野は環状の帯によって実質的に妨げられない)。このように、帯910は画像の隅部にのみ現れる。
図10は、本発明の実施形態に係る例示的なオートフォーカス目標1000を示す。目標1000は、帯若しくは枠1010並びに中心開口部1020を含む。図11は、本発明の実施形態に係る別の例示的なオートフォーカス目標1100を示す。目標1100は、帯若しくは枠1110並びに中心開口部1120を含む。いくつかの実施形態によれば、オートフォーカス目標1100は、上部及び下部に黒色の50ピクセルを有する画像を提供する。場合によっては、オートフォーカス目標1100は約65.3μmのフローセルフォーカスオフセット(FCFO:flowcell focus offset)を提供する。FCFOの態様が、同時係属中の米国特許出願第_____号に更に説明されている。同出願の内容は本明細書において参照により組み込まれている。
図12Aは、本発明の実施形態に係る例示的なオートフォーカス目標1200を示す。目標1200は郵便受けのデザインとして呈示され、第1若しくは上部の枠1210並びに第2若しくは下部の枠1220を含む。目標1200はまた、第1の枠と第2の枠との間の開口部又は透明な通路1230も含む。いくつかの実施形態によれば、目標は約4mmの直径を有し、郵便受けの高さは265μmである。場合によっては、上部及び下部の枠は半円として存在することができ、酸化クロムなどの溶着金属又は何らかの他の不透明材料を用いて作製することができる。
図12Bはオートフォーカス目標1200の中心部の近接図を示す。ここに示されるように、第1の枠1210は、0値を中心とした負/正の数字目盛を含む。第2の枠1220は同様の目盛を含む。場合によっては、目盛の増分は100μmである。いくつかの実施形態によれば、目盛は、撮像デバイス又はカメラの視野の中心をサンプルストリーム上に合わせることができるようにフローセルの位置特定を容易にするために用いることができる。ここに示されるように、サンプルストリーム1240は第1及び第2の枠の目盛に直角の方向に流れる。合焦プロトコルの一部として、画像キャプチャデバイスは、枠1210、1220上にある数字又はその他の文字若しくは撮像可能な対象に合焦するように動作することができる。
本発明の実施形態は、粒子分析システムの使用に関連付けられる熱ドリフトに対処するための手法を包含する。このような熱的効果はさもなくば、撮像デバイスを用いて得られる画像の品質を損なう場合がある。図13Aは、熱センサ1370、反射板1380、及びオートフォーカス目標1344を有するフローセル1320の部分側面図を示す。粒子分析システムの動作中に、熱的効果がサンプルストリームを撮像デバイスの焦点の外へゆっくりドリフトさせる場合がある。例えば、熱的効果は、ランプからやって来る放射熱によるフローセルの熱膨張によって生じ得る。更に、熱的効果は、伝導加熱及び放射加熱によるフローセル及び光学ベンチアセンブリ(OBA:optical bench assembly)アセンブリの熱膨張によって生じ得る。いくつかの実施形態では、OBAの一部の構成要素は膨張することができ、これが合焦誤差に寄与する場合がある。例えば、このような構成要素としては、カメラ24を一体に保持する金属板、フローセルを保持するか若しくはそれに接続される金属板、又はフローセル及びカメラ24の双方を一体に保持する金属板が挙げられてもよい。図13Bは、熱センサ1370及びオートフォーカス目標1344を有するフローセル1320の部分斜視図を示す。更に、図13Cは、熱センサ1370、反射板1380、及びオートフォーカス目標1344を有するフローセル1320の別の斜視図を示す。
図13Bは、熱センサ1370並びにオートフォーカス若しくは撮像目標1344を有するフローセル1320の部分斜視図を示す。本発明のいくつかの実施形態によれば、分析器に関連付けられた熱センサによって検知された温度を利用して画像キャプチャデバイスをサンプルフローストリームに合焦させることができる。例えば、温度は、サンプル流体温度、シース液温度、フローセル温度、又は画像キャプチャデバイス温度に対応することができる。場合によっては、温度はフローセルの撮像サイトにおける温度である。場合によっては、温度は撮像サイトの下流のロケーションにおける温度である。場合によっては、温度は撮像サイトの上流のロケーションにおける温度である。本発明のいくつかの実施形態によれば、分析器に関連付けられる温度変化速度を利用して画像キャプチャデバイスをサンプルフローストリームに合焦させることができる。例えば、温度変化速度は、サンプル流体温度変化速度、シース液温度変化速度、フローセル温度変化速度、又は画像キャプチャデバイス温度変化速度に対応する。
図13Cは、熱センサ1370、反射板1380、並びにオートフォーカス若しくは撮像目標1344を有するフローセル1320の別の斜視図を示す。反射板1380は、フローセル1320によって吸収される熱の量を低減又は抑制するように機能することができる。例えば、反射板1380は、図13Aに指示されるように、フラッシュランプ1342によって放射された熱を遮ることができる。それゆえ、反射板1380はランプの熱衝撃を最小限に抑えることができる。反射板1342は、ランプによって発生されるグレア及び光散乱を低減することもでき、かくして、画像品質の改善をもたらす。熱センサ1370は、正確な温度読み値を得ることができるように、流体フローチャネルの近くに、画像キャプチャサイトに隣接して位置付けられる。温度センサからの情報は、画像キャプチャデバイスをサンプル流体リボンストリームに合焦させるために用いることができる。本明細書に開示されている例示的なオートフォーカス手法は、分析器の特定の要素内で生じる温度変動に基づくことができる。
図13Dに示されるように、フローセル1320dは、ポート又は通気孔1301dであって、それを通じて気泡1302dが放出又は除去されてもよい、ポート又は通気孔1301dを有する流路1322dを含むことができる。ここに示されているように、フローストリームから気泡1302dを抜き取るために、管1303dであって、それを通じて負圧を与えることができる、管1303dをポート1301dと接触させることができる。このような気泡除去機構はフローセル内の流動流体から気泡を除去するために好適であり、気泡又は微小気泡がフローセルの内部で引っかかるか又は行き詰まるのを阻止するように動作することができる。
いくつかの実施形態によれば、血液流体サンプル内の粒子を撮像するための方法は、シース液をフローセルの流路に沿って流すことと、血液流体サンプルをフローセル内の流動シース液内に、血液流体サンプルがサンプルフローストリーム内でフローストリーム厚さよりも大きいフローストリーム幅で流れるように、注入することと、を含んでもよく、そのため、フローセルは、関連付けられる温度を有する。更に、本方法は、フローセルに関連付けられる温度が第1の温度である間に、画像キャプチャデバイスを撮像軸に沿ってフローストリームに合焦させ、第1の焦点状態にすることと、第1の焦点状態における画像キャプチャデバイスを用いてフローストリーム内の粒子の第1のサブセットの第1の合焦画像を取得することと、を含んでもよい。加えて、本方法は、フローセルに関連付けられる温度が第1の温度から第2の温度への変化を経験したと判定することと、温度変化、及びフローセル温度と所望の焦点との間の既知の関係に応じて画像キャプチャデバイスの焦点を第1の焦点状態から第2の焦点状態へ自動的に調整することと、を含んでもよい。なお更に、本方法は、第2の焦点状態における画像キャプチャデバイスを用いてフローストリーム内の粒子の第2のサブセットの第2の合焦画像を取得することを含んでもよい。
場合によっては、画像キャプチャデバイスの焦点を調整するプロセスは、温度変化、及びフローセル温度と所望の焦点との間の既知の関係を用いて画像キャプチャデバイスとフローセルとの間の距離を調整することを含む。場合によっては、画像キャプチャデバイスの焦点を調整するプロセスは、温度変化、及びフローセル温度と所望の焦点との間の既知の関係を用いて画像キャプチャデバイスの焦点距離を調整することを含む。
動的範囲の拡大
図14は、本発明の実施形態に係る、血液サンプル内の粒子分析のための動的又は検出範囲の拡大を達成するためのシステム及び方法の追加の態様を示すブロック図である。ここに示されるように、モータ駆動装置54を作動させ、目標オートフォーカスパターン44に対する異なる焦点位置において収集された光センサアレイからのデジタル化画像を分析するために、少なくとも1つのデジタルプロセッサ18が結合される。プロセッサ18は、オートフォーカスパターン44の焦点位置を決定するように、すなわち、目標オートフォーカスパターン44にオートフォーカスし、かくして、高光学解像度撮像デバイス24とオートフォーカスパターン44との間の最適距離を確立するように構成される。これは、画像全体に適用するか、又は少なくともオートフォーカスパターン44の縁部において適用することができる、第1の距離における画像内のコントラストのレベルを評価するためのアルゴリズムを適用することなどの、画像処理ステップによって達成することができる。プロセッサはモータ54を別の位置へ移動させ、その位置又は縁部におけるコントラストを評価し、2回以上の反復後、オートフォーカスパターン44への合焦の精度が最大になる最適距離(又はその位置へ移動させれば合焦の精度が最適化されるであろう最適距離)を決定する。プロセッサは、オートフォーカス目標オートフォーカスパターン44とリボン状サンプルストリームとの間の固定した間隔を信頼し、次に、プロセッサ18はモータ54を作動させ、高光学解像度撮像デバイス24を、リボン状サンプルストリーム32に合焦するための正しい距離へ移動させる。より具体的には、プロセッサはモータを作動させ、高光学解像度撮像デバイスとリボン状サンプルストリーム32との間の距離を、リボン状サンプルストリームが目標オートフォーカスパターン44から変位している変位距離52(図1参照)だけ変位させる。こうして、高光学解像度撮像デバイスはリボン状サンプルストリームに合焦される。
いくつかの実施形態によれば、視覚的分析器17は図1の例示的な分析器17である。視覚的分析器17は、少なくとも1つのフローセル22と、デジタルカメラなどの撮像センサを有する高光学解像度撮像デバイスなどの少なくとも1つの撮像デバイス24と、を備えることができる。視覚的分析器17はまたサンプル注入器29を備えることもできる。サンプル注入器29は、サンプル12を少なくとも1つのフローセル22内に提供するように構成される。フローセル22は、例えば、フロー方向に対称的に狭窄化する内部PIOAL流路を画定する。フローセル22は、サンプルのフロー32を誘導し、フローセル22内の観察区域を通過させるように構成される。
図14は、説明されている通りのデジタル撮像のオートフォーカス及びその他の態様を示す。このような手法は、撮像を基盤としないか、又はことによると説明されている実施形態ほど画像に関連しない、フローサイトメータとしても知られるコールター血球計数器などの血球装置と併用することができる。このような計数器は、流体内の血球及び粒子を検出し、計数することで知られているが、普通は撮像によるものではない。その種の計数器内には、流体内に包囲された粒子のフローを運搬するためのフローセルが配置される。フローセルは狭窄化し、流路内の粒子を強制的に1列縦隊にする。流路にまたがる1対の電極又はその他の検出器が、電気インピーダンスのパルス状の変化、又は細胞が通過する際の光源と光検出器との間の光路の遮断の検出によって、計数を生成する。
フローサイトメータは、視覚的計数器内で実際に撮像することができる細胞の数よりもはるかに多い、多数の細胞又はその他の粒子を計数することができるため、有利である。しかし、フローサイトメータは、細胞同士を種類によって識別すること、又は正常細胞と異常細胞の識別を可能にすること、又は血小板凝集塊などの集団化した細胞をばらばらの血球と識別することについては、同じほど有効ではない。分析器、例えば、説明されている通りの視覚的分析器、を動作させることによって、リボン状サンプルストリームの統計的に有意な数の画像コマを通じて、血球種類の分布又は比率を測定することができる。視覚的分析器から決定された比率又はその関数は血球計数に適用され、細胞種に関する区別はあまりないか又は全く区別はないものではあるが、サイトメータによって計数されたより大きな血球数に適用され、両方の種類の分析器の固有の利点を利用した正確な総血球数が提供される。
いくつかの実施形態によれば、粒子計数は、アルゴリズム、例えば、粒子計数の比率に基づくアルゴリズム、を適用することによって推論することができる。図14は、血液分析に適合された例示的な装置を示す。いくつかの実施形態では、粒子計数器15及び視覚的分析器17は、並列以外に、直列に接続されてもよい。粒子計数器15は、例えば、流体内の血球及び粒子を検出して計数する、コールター血球計数器であってもよい。その種の計数器内には、流体内に包囲された粒子のフローを運搬するための流路(図示せず)が配置される。流路は狭窄化し、流路内の粒子を強制的に1列縦隊にする。流路にまたがる1対の電極又はその他の検出器が、電気インピーダンスのパルス状の変化、又は細胞が通過する際の光源と光検出器との間の光路の遮断の検出によって、計数を生成する。粒子計数器15は、多数の細胞又はその他の粒子を計数するように構成される。しかし、粒子計数器15は、細胞のサブカテゴリ内の要素同士を識別すること、及び/又は正常細胞と異常細胞を識別すること、又は血小板凝集塊などの集団化した細胞をばらばらの血球と識別することができない場合があり得る。
視覚的分析器17はまた、希釈剤、透過化処理剤、粒子分類及び/又は細分類のための視覚的相違を生み出すために有効な造影剤のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの化学物質を提供するように構成される少なくとも1つの接触チャンバ25を備えることもできる。例えば、図1及び図14を参照して示されるように、接触させたサンプルをサンプル注入器29を通じてフローセル内に導入し、シース又は細胞内小器官整位試薬を注入器27から導入する。希釈剤は、サンプルを好適な濃度に希釈するために用いることができる。造影剤及び/又は透過化処理剤は、粒子を分類及び/又は細分類するための視覚的相違を生み出すために用いられる。PIOALは、特定の種類の細胞又は細胞構造を、撮像をより良好にするための方向に整位させるために用いられる。いくつかの実施形態では、まず、少なくとも1つの化学物質を、サンプルに接触するために加えることができ、その後、処理したサンプルを視覚的分析器17上に提供する。少なくとも1つの化学物質の少なくとも添加によるサンプルの処理は室温で実行することができる。いくつかの実施形態では、このような処理は、10、15、20、25、30、35、36、37、38、38、39、40、45、46、47、48、49又は50℃などの温度で実行することができる。選択された温度における処理は、視覚的分析器17とは別個のインキュベータ内、又は温度制御された視覚的分析器17上で遂行することができる。
いくつかの実施形態では、視覚的分析器は、サンプルを造影剤並びに/又は透過化処理剤若しくは界面活性剤と接触させるための造影剤注入器を有してもよい。他の実施形態では、サンプルを、視覚的分析器内への注入前に造影剤、透過化処理剤と接触させてもよい。他の実施形態では、サンプルを、造影剤及び/又は透過化処理剤と接触している間に、制御された温度で制御されたとき間、加熱するための加熱要素を包含する視覚的分析器。視覚的分析器はまた、加熱ステップの後にサンプル混合物を冷却するための冷却要素を有してもよい。血液流体サンプルを処理するために用いることができる例示的な造影剤組成物及び方法が、同時係属中の米国特許出願第________号に開示されている。同出願の内容は本明細書において参照により組み込まれている。
説明されている通りの視覚的分析器17を動作させることによって、リボン状サンプルストリームの統計的に有意な数の画像コマを通じて、細胞カテゴリ及び/又はサブカテゴリ内の細胞の比率をプロセッサ18によって決定することができる。視覚的分析器17から決定された比率は血球計数に適用され、細胞カテゴリ及び/若しくはサブカテゴリ内の要素に関する区別はあまりないか又は全く区別はないものではあるが、粒子計数器15によって計数されたより大きな血球数に適用され、粒子計数器15及び視覚的分析器17の両方の固有の利点を利用した正確な総血球数が提供される。
正確な結果を提供することに加えて、粒子計数器15及び視覚的分析器17を備える装置は分析のスピードの改善に大きな利点をもたらす。図14では、異なる血球の計数の正確な結果を、ディスプレイ63を通じて出力することができる。分析プロセスの最中に、操作者は端末65を通じてプロセッサ18と対話してもよい。以前には、造影剤を含むスライドを作り、それを操作者が顕微鏡下で調べることによって、最大で結果の約25%〜30%を手作業で見直していた。それに比べて、いくつかの実施形態によれば、本発明の装置を用いる例示的な方法は、粒子計数器上におけるCBC、並びに血球の分類及び/若しくは細分類を含む。本開示に説明されている通りの装置を動作させることによって、画像は視覚的分析器上で見直すことができ、サンプルは手作業の見直しをあまり頻繁に必要としなくなる。
モータ54は、高光学解像度撮像デバイス又はデジタル画像キャプチャデバイスによって撮像される識別する特徴、特に、血球の外観よりもいくらか小さい精密度を有する歯車付きステッピングモータを備えることができる。高光学解像度撮像デバイス24のロケーションを、光学対物レンズの位置をリボン状サンプルストリームの幅内に配置するように調整すれば、リボン状サンプルストリーム内の細胞/粒子の視像が合焦する。オートフォーカスパターンは高光学解像度撮像デバイス又はデジタル画像キャプチャデバイスの視野の縁部に配置することができ、その理由のために、観察の邪魔にならない。
更に、高光学解像度撮像デバイスが変位距離にわたって移動され、オートフォーカスパターンが合焦しなくなると、合焦して見える特徴は、オートフォーカスパターンではなく、血球になる。いくつかの実施形態によれば、オートフォーカスパターンは視野内の図形によって画定することができる。図形は、有限のサイズの比較的薄い離散した形であり、したがって、変位距離だけ移動した後には、リボン状サンプルストリームに合焦されたときのデジタル化画像内に形はほぼ見えなくなる。典型的な変位距離は、例えば、血液(血球)撮像用途のために寸法が決められたフローセル内では、50〜100μmであってもよい。いくつかの実施形態では、オートフォーカス機能は高光学解像度撮像デバイスを最適焦点距離の1μm以内に維持する。
フローセルの内部輪郭並びにPIOAL流量及びサンプル流量は、サンプルがリボン状ストリームに形成されるように調整することができる。ストリームは、リボン状サンプルストリーム内に包囲される粒子とおおよそ同じ薄さとするか、又はそれらよりも更に薄くすることができる。白血球は、例えば、10μm前後の直径を有してもよい。10μm未満の厚さを有するリボン状サンプルストリームを提供することによって、リボン状サンプルストリームがシース液、すなわちPIOALによって引き伸ばされたときに、細胞を配向させることができる。驚くべきことに、より高い粘度などの、リボン状サンプルストリームと異なる粘度のPIOAL層内で狭窄化流路に沿ってリボン状サンプルストリームを引き伸ばすことは、非球状粒子をフロー方向に実質的に平行な平面に整位させ、細胞に力を加え、細胞の細胞内構造の含有物の合焦を改善する有利な傾向を有する。高光学解像度撮像デバイス24の光軸はリボン状サンプルストリームの平面に実質的に垂直(直角)である。撮像地点におけるリボン状サンプルストリームの線速度は、例えば、20〜200mm/秒であってもよい。いくつかの実施形態では、リボン状サンプルストリームの線速度は、例えば、50〜150mm/秒であってもよい。
リボン状サンプルストリームの厚さは、サンプル流体及びPIOALの相対粘度及び流量によって影響を受け得る。例えば精密容積式ポンプを備える、サンプルの供給源25及び/又はPIOALの供給源27は、リボン状サンプルストリーム32の寸法を最適化するために、すなわち、高光学解像度撮像デバイス24の視野と少なくとも同じ幅の薄いリボンとして最適化するために制御可能な流量でサンプル及び/又はPIOALを提供するように構成することができる。
一実施形態において、PIOALの供給源27は、PIOALを所定の粘度で提供するように構成される。その粘度はサンプルの粘度と異なってもよく、サンプルの粘度よりも高くすることができる。PIOALの粘度及び密度、サンプル材料の粘度、PIOALの流量及びサンプル材料の流量は、リボン状サンプルストリームを、オートフォーカスパターンから変位距離に維持し、有利なリボン状サンプルストリームの厚さなどの、所定の寸法特性を有する状態に維持するように調整される。
実用的実施形態では、PIOALは、サンプルよりも高い線速度及びサンプルよりも高い粘度を有し、それにより、サンプルを平坦なリボン状に引き伸ばす。PIOAL粘度は最大10センチポアズに達し得る。
図14に示される実施形態では、光センサアレイから得られたピクセルデジタル画像の分析に用いる同じデジタルプロセッサ18を、オートフォーカス用モータ54の制御にも用いる。しかし、画像をキャプチャするたびに高光学解像度撮像デバイス24をオートフォーカスさせるわけではない。オートフォーカスプロセスは、定期的に遂行するか、又は例えば、温度若しくはその他のプロセスの変化が、対応するセンサによって検出されたときに遂行するか、又は画像分析が再合焦の潜在的必要性を検出したときに遂行することができる。他の実施形態では、血液画像分析は1つのプロセッサによって遂行させ、自らの光センサアレイに任意選択的に関連付けられ、固定した目標44に対するオートフォーカスのステップを処理するように構成された別個のプロセッサを有することも可能である。
図14では、少なくとも1つの前記デジタルプロセッサ18は、プログラムされた時間に、又はプログラムされた条件で、又はユーザの要求に応じてオートフォーカスするように構成され、また、画像に基づく粒子の分類及び細分類も実行するように構成される。例示的な粒子としては、細胞、白血球、赤血球及び同様のものが挙げられる。
一実施形態において、少なくとも1つの前記デジタルプロセッサ18は、オートフォーカス再開始信号を検出するように構成される。オートフォーカス再開始信号は、検出された温度変化、ピクセル画像日付のパラメータによって認識される通りの合焦の質の低下、時間の経過、又はユーザ入力によってトリガすることができる。有利には、変位距離52を再校正のために測定するという意味で再校正を行う必要はない。任意選択的に、オートフォーカスは、品質管理のため、及び又は合焦を維持するために、特定の頻度/間隔で作業の合間に再校正を行うようにプログラムすることができる。
変位距離52はフローセルごとに少しずつ異なるが、所与のフローセルについては一定のままである。画像分析器をフローセルに取り付ける際のセットアッププロセスとして、まず、変位距離を推定し、次に、オートフォーカス及び撮像の態様を実行する校正ステップの間に、フローセルのための正確な変位距離を決定し、定数としてプロセッサ18のプログラミングに入力する。
図15を参照すると、粒子を包含するサンプル12を分析するための例示的な装置10は、いくつかの実施形態に係る、少なくとも1つの検出範囲を有する粒子計数器15、分析器17、及びプロセッサ18を含む。図15のブロック図は例示の目的のためのものである。粒子計数器15、分析器17、及びプロセッサ18は互いに接続されてもよく、又は接続されなくてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは分析器及び/又は粒子計数器に結合されてもよい。他の実施形態では、プロセッサは分析器及び/又は粒子計数器の構成要素であってもよい。
粒子計数器15は少なくとも1本のチャネルを備え、粒子の少なくとも1つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリのための粒子計数を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、粒子計数器15は、粒子の異なるカテゴリ及び/又はサブカテゴリのための少なくとも2本のチャネルを備える。いくつかの実施形態では、粒子は、サンプルの電気インピーダンス又は光散乱を検知することを通じて計数される。好適な粒子計数器15の例としては、限定するものではないが、フローサイトメータが挙げられる。いくつかの実施形態では、検出は、異なる物理特性に応じて、複数のチャネルのそれぞれにおいて、同時か又は順次かのいずれかで行われてもよい。
分析器17は、粒子の異なるカテゴリ及び/若しくはサブカテゴリ並びにそれぞれのカテゴリ及び/若しくはサブカテゴリの対応する要素を弁別するように構成される。好適な分析器17の例としては、限定するものではないが、ピクセルデータをキャプチャすることができ、ピクセルファイル内に表された特質を区別するようにプログラムされる、視覚的分析器、デジタルカメラ、又は任意のその他のピクセルデータ分析器が挙げられる。プロセッサ18及び分析器17は、粒子の2つのカテゴリ又は2つの対応するサブカテゴリの計数の比率の決定などのアルゴリズムを適用し、このような比率を、粒子計数器15の少なくとも1本のチャネルにおいて得られた粒子の少なくとも1つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリの粒子計数に適用するように構成される。データ分析の後に、プロセッサ18は、出力20において、サンプル12内の粒子のそれぞれのカテゴリ及びそれぞれの対応するサブカテゴリの濃度の正確な大きさを提供する。
いくつかの実施形態では、サンプル12内において、少なくとも粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに適用可能な検出範囲外の濃度で存在することができ、それに対して、少なくとも粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは、粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに適用可能な検出範囲内の濃度で存在する。粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの濃度は粒子計数器15上で決定される。第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの、粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに対する比率は分析器17上で決定される。第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリ内の粒子の濃度は、少なくとも部分的には、プロセッサ18上で、このような比率を粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの濃度に適用することによって、算出される。
いくつかの実施形態では、粒子計数器15の少なくとも1本のチャネルにおいて検出された粒子のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは粒子の少なくとも2つの種別を含むことができる。更に、粒子のそれぞれの種別は複数のサブクラスを含んでもよい。粒子計数器15は、例えば、所定のサイズ範囲に基づく、1つ以上の選択基準を満たす複数の粒子を検出し、その粒子計数を提供するように構成される。選択基準は粒子の少なくとも2つの種別の要素を包含する。分析器17及びプロセッサ18は、粒子の少なくとも2つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリの要素を識別するようにプログラムされる。少なくとも2つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリにわたるそれぞれのその要素の分布がプロセッサ18上で決定される。プロセッサ18はこのような分布を用いて、粒子計数器15上で得られた少なくとも2つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリのうちの少なくとも1つの要素についての粒子計数を補正する。
より具体的には、装置10は、サンプル内の、RBC、WBC、PLT、及びその他の血球を含む各種の血球、芽細胞、若しくは細菌細胞、ウィルス粒子、寄生生物、寄生虫性嚢胞を含む、嚢胞、結晶、又はそれらの断片若しくはその他の細胞片を同定し、定量化するために用いることができる。
図15Aは、本発明の実施形態に係る、例示的な計数器又は計数モジュール1500aの態様を示す。このような計数器は、WBC、RBC、及びPLT細胞計数、並びにヘモグロビン測定のための、様々な機械的機能、並びに電子測定機能及び光度測定機能を制御するか、又は実行するように動作することができる。代表的な計数器を用いて、CBC分析用にサンプルを調製し、開口槽アセンブリ(例えばWBC槽1510a及びRBC槽1520a)を介して、CBCパラメータ測定値を生成することができる。いくつかの実施形態によれば、図15の計数器15は図15Aの計数器1500aによって代表させることができる。同様に、いくつかの実施形態によれば、図14の計数器15は図15Aの計数器1500aによって代表させることができる。いくつかの実施形態によれば、図16の計数器722は図15Aの計数器1500aによって代表させることができる。
血液の細胞成分(例えば赤血球、白血球、及び血小板)は、電気インピーダンス法を用いて数えることができる。例えば、吸引された全血サンプルを2つの一定分量に分け、等張性希釈剤と混合できる。第1希釈液をRBC開口槽1520aに送達してよく、第2液をWBC開口槽1510aに送達してよい。RBCチャンバでは、RBC及び血小板の両方を数え、細胞が検出開口部を通過する際の電気インピーダンスによって区別できる。例えば、2〜20fLの粒子は血小板として計数され、36fLを超えるものはRBCとして計数することができる。WBCチャンバ処理において、RBC溶解試薬をWBC希釈一定分量に加え、RBCを溶解してヘモグロビンを遊離でき、その後、WBC槽の検出開口部のインピーダンスによってWBCを計数できる。ある場合には、槽は複数の開口部を備えてよい。したがって、例えば、血球算出法で使用される血球数は、RBC 3口開口槽を用いて得ることができる。
代表的なCBCサンプル調製法は、サンプル取得及びサンプル送達の2つのプロセスを含んでよい。サンプル取得は、165μLの患者サンプルを吸引し、血液サンプリング弁(BSV)に誘導するときに起こり得る。BSVは、患者サンプルの一定量を処理試薬と共に2つの三口開口槽への送達のために誘導するように動作することができる。患者サンプル及び処理試薬は、円形のデザインと相まって、気泡を混入せずにサンプル及び試薬を十分に混合することを可能にする角度で開口槽の底部に送達することができる。続いて、サンプルを測定及び分析用に調製できる。いくつかの実施形態によると、WBC槽では、6.0mL(±1.0%)の希釈剤及び28μLのサンプルを、1.08mL(±1.0%)のD×H細胞溶解液と合わせ、最終希釈率を1:251としてよい。いくつかの実施形態によると、RBC槽では、10mL(±1.0%)の希釈剤及び1.6μLのサンプルを合わせ、最終希釈率を1:6250としてよい。患者サンプル及び試薬を混合した後、細胞数及び細胞体積の測定のため、開口部に真空及び開口部電流を印加してよい。RBC及びPLTの計数には、開口部付近の細胞の再循環を防ぐため、スイープフローの適用を含んでもよい。特定の実施形態では、RBC及びPLTのデータ取得は、最大20秒まで、WBCについては最大10秒までであってよい。特定の実施形態では、開口部アセンブリによって生成される全アナログパルスは、プリアンプカードによって増幅され、その後AD変換とパラメータ抽出のため、CBC信号調整分析器カードに送られてよい。いくつかの実施形態によると、システムを用いて、各細胞イベントについて複数のパラメータを測定でき、デジタルパラメータ抽出プロセスを用いて、時間、体積(振幅及びパルス幅を含むパルス属性)、計数及び計数率、並びに待ち時間などのデジタル測定値を提供できる。このような測定値は、パルス編集、同時通過補正、計数決定、WBC、RBC及びPLTについてのヒストグラムの生成、ヒストグラム決定、パターン分析、及び干渉補正、並びに同様のもののために使用することができる。
図16は、本発明の実施形態に係る、血液流体サンプル内の第1の細胞種の量を測定するためのシステム及び方法であって、サンプルは第2の細胞種も含む、システム及び方法の態様を示す。ここに示されるように、方法700は、血液流体サンプル710からサンプルの第1の体積720及びサンプルの第2の体積730を得ることを含むことができる。ステップ724において指示されるように、本方法は、第1の体積を血液細胞計数器722内に流すことによって、サンプルの第1の体積720内の第2の細胞種の個体数を決定することを含んでもよい。多くの場合、細胞計数器722は、サンプル内に十分な量の電気的に識別可能な種類の細胞が存在するときには、細胞の正確な計数に適し、細胞種の量が一定の限度又は閾値を超えるときには、適さない。細胞計数器は、血液サンプル内の赤血球、又はその他の成分(例えば大型成分)の総数を短時間で計数するために用いられてもよい。場合によっては、細胞計数器は、血液内の白血球とその他の成分(例えば大型成分)とを区別するとき、又はいくつかの異なる種が存在し得るが、それぞれの数は比較的少ないときに、課題に直面する場合がある。
更に、方法700は、ステップ732において指示されるように、厚さ、及び厚さよりも大きい幅を有するサンプルストリームを提供するために、サンプルの第2の体積730を、フローセル内を流れるシース液内に注入することによって、第1の種類の細胞の第1の数及び第2の細胞種の第2の数の画像を取得することを含んでもよい。取得される画像は、サンプルストリームの厚さを横断する画像経路に沿って取得される。場合によっては、画像取得732は、図14及び/又は図15に示される通りの分析器17を用いて実行することができる。場合によっては、分析器は、血液流体サンプル内の白血球、巨大血小板、及びその他の大型成分を効率的に区別することができる。しかし、このような分析器を、サンプル内の完全な粒子計数を得るために用いるときには、課題がある場合がある。更に、場合によっては、分析器を、特定の計数(例えば全赤血球の計数)を得るために用いることは望ましくない場合がある。これは、このような計数手順は、計数を得ることに加えて、粒子の特徴付けを実行することも同様に含む場合があるためである。いくつかの実施形態によれば、分析器は、分析器を通って処理されるサンプルのうちのほんの何割か又は一部のための画像を得るために用いられる。
図16に示されるように、方法700は、ステップ738において指示されるように、取得された画像を用いて、第1の細胞種の第1の数734の、第2の細胞種の第2の数736に対する比を決定することを含んでもよい。方法はまた、ステップ740において指示されるように、比738及び第2の細胞種724の個体数を用いてサンプル内の第1の細胞種の細胞量の大きさを算出することも含む。
いくつかの実施形態によれば、ステップ740において算出される細胞量の大きさは、血液流体サンプル710内の第1の細胞種についての細胞濃度である。場合によっては、ステップ740において算出される細胞量の大きさは、血液流体サンプル710内の第1の細胞種についての細胞計数である。場合によっては、細胞計数器722は、第1の細胞種の計数に関連付けられる第1の精度、及び第2の細胞種を計数することに関連付けられる第2の精度を有する。ここで、第2の精度は第1の精度よりも優れているか、又はそれよりも高い。場合によっては、(例えば図19A及び19B参照)血液細胞計数器722は所望の精度範囲を有し、所望の精度範囲は、第1の体積720内の細胞の最小個体数から第1の体積720内の細胞の最大個体数の間にわたる。ここで、ステップ724において決定される体積内の第2の細胞種の個体数は所望の精度範囲内にあり、ステップ740において算出されるサンプルの第1の細胞種の細胞量の大きさは所望の精度範囲外にある。
図16に更に示されるように、(及び図19A及び図19Bを引き続き参照すると)方法は任意選択的に、第1の体積を血液細胞計数器722内に流す結果として、サンプルの第1の体積内の第1の細胞種の個体数を決定すること726を含んでもよい。第1の体積内の第1の細胞種の決定された個体数726は第1の細胞種のための所望の精度範囲よりも高いか又は低い場合があり、また、ステップ740において算出される通りの第1の細胞種の細胞量の大きさと異なる場合もある。場合によっては、(例えば図19A)、第1の細胞種の決定された個体数726は0個である。場合によっては、(例えば図19B)、第1の細胞種の決定された個体数726は0個よりも大きい。
本発明のいくつかの実施形態によれば、血液細胞計数器722は、第2の種類の細胞が細胞計数器を通って流れるのに応じた電気インピーダンスの変化を検出するセンサ機構を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、血液細胞計数器722は、第2の種類の細胞が細胞計数器を通って流れるのに応じた光路の遮断を検出するセンサ機構を含む。
場合によっては、血液細胞計数器722は、第1の細胞種のための最小検出可能濃度限界及び最大検出可能濃度限界、並びに第2の細胞種のための最小検出可能濃度限界及び最大検出可能濃度限界を有する。第2の細胞種の決定された個体数724は、第2の細胞種のための最小限界よりも高く、かつ最大限界よりも低い、第2の細胞種について検出された濃度パラメータに基づき得る。第1の細胞種は、第1の細胞種のための最小限界よりも低いか、又は最大限界よりも高いかのいずれかの濃度で存在し得る。
場合によっては、血液細胞計数器722は、第1の細胞種のための最小検出可能体積限界及び最大検出可能体積限界、並びに第2の細胞種のための最小検出可能体積限界及び最大検出可能体積限界を有する。第2の細胞種の決定された個体数724は、第2の細胞種のための最小限界よりも高く、かつ最大限界よりも低い、第2の細胞種について検出された体積パラメータに基づき得る。第1の細胞種は、第1の細胞種のための最小限界よりも低いか、又は最大限界よりも高いかのいずれかの体積パラメータで存在し得る。
場合によっては、血液細胞計数器722は、第1の細胞種のための最小検出可能サイズ限界及び最大検出可能サイズ限界、並びに第2の細胞種のための最小検出可能サイズ限界及び最大検出可能体積サイズを有する。第2の細胞種の決定された個体数724は、第2の細胞種のための最小限界よりも高く、かつ最大限界よりも低い、第2の細胞種について検出されたサイズパラメータに基づき得る。第1の細胞種は、第1の細胞種のための最小限界よりも低いか、又は最大限界よりも高いかのいずれかのサイズパラメータで存在し得る。
本発明のいくつかの実施形態によれば、(図13b、c参照)、サンプルの第1の体積内の第2の細胞種の個体数724の決定は、第1の細胞種の細胞及び第2の細胞種の細胞を一緒にグループ化することを含む。場合によっては、方法はまた、比及び第2の細胞種の個体数を用いてサンプル内の第2の細胞種の細胞量の大きさを算出することを含んでもよい。場合によっては(例えば、図19Dに示されるように)、サンプルの第1の体積内の第2の細胞種の個体数724の決定は、第1の細胞種の細胞及び第2の細胞種の細胞を一緒にグループ化することと、血液細胞計数器722内に第1の体積を流す結果としてサンプルの第1の体積内の第1の細胞種の個体数を決定すること726と、を含む。ステップ740において算出される通りのサンプル内の第1の細胞種の細胞量の大きさは、比738、第2の細胞種の個体数724、及び第1の細胞種の個体数726を用いることができる。
他の態様では、例えば、図17並びに/又は図19A及び図19Bに示されるように、粒子を包含するサンプルを分析するための方法が提供される。このような方法では、図17の方法70内のステップ72において指示されるように、サンプルを、検出限界を有する粒子計数器上に提供する。少なくとも粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに適用可能な検出範囲外の濃度でサンプル内に存在することができ、少なくとも粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは、粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに適用可能な検出範囲内でサンプル内に存在する。ステップ74において指示されるように、サンプル内の粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの濃度を粒子計数器上で決定する。ステップ76において指示されるように、サンプルを分析器上にも提供し、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリ対粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの比率を決定する。ステップ78において指示されるように、次に、少なくとも部分的には、比率を粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの濃度に適用することによって、第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリ内の粒子の濃度を算出することができる。図19Aは、検出範囲を下回るサンプル内の粒子の検出を示し、図19Bは、検出範囲を上回ってサンプル内に存在する粒子の検出を示す。
したがって、図17は、いくつかの実施形態に係る、粒子計数器上の検出範囲外の濃度でサンプル内に存在する、粒子の第1のカテゴリの濃度を決定する例示的な方法70を示す。ステップ72において、図15及び図17も参照すると、サンプル12を、少なくとも1つの検出範囲を有する粒子計数器15上に提供する。サンプル12は、流体内に分散していてもよい粒子を含む。いくつかの実施形態では、粒子の第1のカテゴリは、粒子の第1のカテゴリに適用可能な検出範囲の上限を上回る濃度でサンプル内に存在する。粒子の第2のカテゴリは、粒子の第2のカテゴリに適用可能な検出範囲内でサンプル内に存在する。例えば、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリはWBCを含むことができる。粒子の第2のカテゴリは血小板を含むことができる。
いくつかの実施形態では、粒子の第1のカテゴリは、粒子の第1のカテゴリに適用可能な検出可能範囲の下限を下回る濃度でサンプル内に存在する。粒子の第2のカテゴリは、粒子の第2のカテゴリに適用可能な検出範囲内でサンプル内に存在する。例えば、粒子の第1のカテゴリは血小板を含む。粒子の第2のカテゴリは白血球を含む。
図17のステップ74において、サンプル12内の粒子の第2のカテゴリの濃度を粒子計数器15上で決定する。粒子計数器は少なくとも1本のチャネルを備えることができる。いくつかの実施形態では、粒子の第2のカテゴリはチャネルのうちの1本において測定される。いくつかの実施形態では、粒子計数器は少なくとも2本のチャネルを備えることができる。粒子の第1のカテゴリは、濃度が、粒子の第1のカテゴリに適用可能な検出範囲内にある場合には、もう一方のチャネルにおいて計数することができる。
図17のステップ76において、サンプル12を(例えば、図14又は図15に示される通りの)視覚的分析器17などの分析器上に提供し、粒子の第1のカテゴリの、粒子の第2のカテゴリに対する比率を決定する。いくつかの実施形態では、視覚的分析器17は、上述した通りの撮像デバイスに接続されるフローセル22を備える。粒子の第1のカテゴリの、粒子の第2のカテゴリに対する比率は,本明細書に記載されている方法に従って決定することができる。例えば、希釈剤、透過化処理剤、及び造影剤のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの化学物質をサンプルに導入してもよい。血液流体サンプルの処理に用いることができる例示的な化学物質、組成物、造影剤、及び関連組成物が、同時係属中の米国特許出願第____号に説明されている。同出願の内容は本明細書において参照により組み込まれている。造影剤は、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリと第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリとを弁別する視覚的相違を生み出すために有効となり得る。いくつかの実施形態では、図14に示される調製されたサンプル12Bを少なくとも1つのフローセル22に加えることができる。調製されたサンプル12Bの粒子の画像をキャプチャする。視覚的分析器17であることができる分析器及び/又はプロセッサ18によって画像分析を実行する。次に、リボン状サンプルストリームの複数の画像を分析することによって、粒子の第1のカテゴリの、粒子の第2のカテゴリに対する比率を決定する。
図17のステップ78において、次に、(例えば、図15に示される通りの)プロセッサ18によって、少なくとも部分的には、比率を粒子の第2のカテゴリの濃度に適用することによって、第1のカテゴリ内の粒子の濃度を算出することができる。
本開示はまた、粒子を包含するサンプルを分析するための方法も提供する。図18は、いくつかの実施形態に係る、粒子計数器によって識別することができない粒子の2つのサブカテゴリの濃度を決定する例示的な方法80を示す。ステップ82において、サンプル(例えば、図15のサンプル12)を粒子計数器(例えば、図15の粒子計数器15)上に提供する。粒子計数器は、識別したいと望む粒子の少なくとも2つのカテゴリ又はサブカテゴリによって満たされる検出基準を有する。粒子計数器からの結果はこれらのカテゴリ又はサブカテゴリを図18のステップ84における単独の計数内に包含する。
ステップ86において、サンプルを分析器(視覚的分析器など)上に提供し、粒子の第1のカテゴリ又はサブカテゴリの、粒子の第2のカテゴリ又はサブカテゴリに対する比率を決定する。いくつかの実施形態では、例えば、図14及び/又は図15に示されるように、視覚的分析器17は、撮像デバイスに接続されるフローセル22を含む。
粒子の第1のカテゴリ又はサブカテゴリの、粒子の第2のカテゴリ又はサブカテゴリに対する比率は、本明細書に記載されている方法に従って決定することができる。希釈剤、透過化処理剤、及び造影剤のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの化学物質をサンプルに導入する。造影剤は、第1のカテゴリ又はサブカテゴリを粒子の第2のカテゴリ又はサブカテゴリと弁別する粒子分類及び細分類のための視覚的相違を生み出すために有効である。図14に示されるように、いくつかの実施形態では、調製されたサンプル12Bを少なくとも1つのフローセル22に加えることができる。調製されたサンプル12Bの粒子の画像をキャプチャする。視覚的分析器及び/又はプロセッサ18によって画像分析を実行する。次に、複数の画像を分析することによって、粒子の少なくとも第1のサブカテゴリの、粒子の第2のサブカテゴリに対する比率を決定する。
図18のステップ88において、次に、図14又は図15に示されるように、プロセッサ18によって、少なくとも部分的には、比率を、粒子計数器から得られた単独の計数(例えば、図18のステップ84)に適用することによって、第1のカテゴリ又はサブカテゴリ内の粒子の濃度を算出することができる。
いくつかの実施形態では、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに適用可能な検出範囲の上限を上回る濃度でサンプル内に存在する。粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは、粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに適用可能な検出範囲内でサンプル内に存在する。例えば、粒子の第1のカテゴリは白血球を含む。粒子の第2のカテゴリは血小板を含む。図19Bに示されているように、本開示の分析器からの粒子計数は、粒子濃度、体積及び/又はサイズなどの、粒子計数器によって用いられる少なくとも1つの検出範囲に関連付けられる不正確な粒子計数を補正するために用いることができる。本開示に説明されているように装置を運用することによって、検出範囲の上限を上回る量で存在する粒子を正確に検出し、測定することができる。
いくつかの実施形態では、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは、図19Aに示されるように、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに適用可能な何らかのパラメータ、例えば濃度、の検出可能範囲の下限未満でサンプル内に存在する。粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは、粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに適用可能な検出範囲内でサンプル内に存在する。図19Aに示されているように、本開示の分析器からの2つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリ内の粒子計数の比率は、少なくとも1つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリについての粒子計数器からの不正確な計数を補正するために用いることができる。本開示に説明されているように装置を運用することによって、粒子計数器によって検出されない、検出範囲限界未満で存在する粒子を正確に測定することができる。
図19Aに示されるように、粒子計数器はカテゴリ2についての粒子計数を提供する。分析器はカテゴリ1及び2についての粒子計数の比率を提供する。比率掛けるカテゴリ2についての粒子計数を乗算することによって、プロセスはカテゴリ1についての粒子計数に到達する。粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは、例えば、血小板を含んでもよい。粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは白血球を含む。いくつかの実施形態によれば、本明細書に開示されている動的又は検出範囲拡大システム及び方法は、サンプル内に包含される血小板の数が少ないときに、正確な血小板計数を得るために用いることができる。
いくつかの実施形態では、分析器は、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの、粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに対する比率を決定するために、撮像デバイスと、撮像デバイスに接続されるフローセルと、を含む。希釈剤、透過化処理剤、造影剤のうちの少なくとも1つをサンプルに導入する。少なくとも1つの化学物質は、粒子の第1及び第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリを弁別する視覚的相違を生み出すために有効である。このような比率を決定するステップにおいて、サンプルを、いくつかの実施形態において存在する少なくとも1つのフローセルに加える。計数又は比率の統計的に有意な推定を提供するために、サンプルの粒子の複数の画像をキャプチャする。次に、粒子の第1及び第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリのそれぞれの内の粒子を計数することによって、粒子の少なくとも第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの、粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに対する比率を決定する。
別の態様では、図18及び/又は図19Dに示されるように、粒子計数器上で得られた粒子計数を補正するために、粒子を包含するサンプルを分析するための方法80が提供される。例えば、本開示の分析器からの結果、例えば、相対計数は、粒子計数器によって用いられる検出基準又は基準群のみによって弁別することができない粒子のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの正確な粒子計数を得るために用いることができる。
図19Cに示される別の実施形態では、計数器は複数の粒子についての実質的に正確な計数を提供してもよい。複数の粒子は少なくとも2つのサブカテゴリの要素を包含するが、計数はサブカテゴリ同士を識別しない。少なくとも2つのサブカテゴリの要素のそれぞれの分布は分析器上で決定することができる。サブカテゴリの分布は各々のサブカテゴリの計数の、全体に対する比率である。プロセッサは、少なくとも2つのサブカテゴリの要素を識別するようにプログラムされる。分析器からの分布及び粒子計数器からの総粒子計数を用いることによって、例えば、図19Cに示されるように、次に、プロセッサによって、要素のそれぞれの分布を用いることによって、少なくとも2つのサブカテゴリのうちの少なくとも1つの要素についての粒子計数を決定することができる。
いくつかの実施形態によれば、図19Dに示されるように、サンプルには粒子の2つのカテゴリが存在してもよい。この状況では、カテゴリは、複数のカテゴリ及び/又は複数のサブカテゴリの可能性を含むと解釈されてもよい。本開示に説明されているように装置を運用することによって、粒子の少なくとも1つの追加のカテゴリからの少なくとも一部の要素が粒子計数器によって粒子の第1のカテゴリの要素として不正確に分類又は細分類された粒子の計数に対して、補正を行うことができる。このような方法では、複数の粒子についての計数は、粒子計数器上で、その粒子計数を提供するための所定の範囲、例えば、サイズ及び/又は体積範囲、を用いて決定することができる。所定の範囲は、粒子の第1のカテゴリの要素、及び粒子の少なくとも第2のカテゴリの少なくとも一部の要素を粒子計数内で一緒にグループ化する。装置の1本のチャネルにおいて粒子の別のカテゴリとして不正確に計数された1つ以上のカテゴリ又はサブカテゴリ内のそれらの粒子は、サンプル内の粒子の第1のカテゴリ及び粒子の少なくとも第2のカテゴリにわたる粒子の分布を識別するように構成された分析器を用いて、別々に正確に測定することができる。カテゴリ及び/又はサブカテゴリの分布は、各々のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの計数の、全体に対する比率である。次に、プロセッサは分布を用いて、粒子の第1のカテゴリ並びに少なくとも第2のカテゴリ及び/若しくはサブカテゴリの要素についての粒子計数を算出する。この実施形態では、図19Dに示されているように、本開示の装置及び方法並びにそれぞれのカテゴリ及び/若しくはサブカテゴリ内の粒子の計数を補正することができる。
図19Dに示されるように、粒子計数器は、2つのカテゴリを含む実質的に正確な総計数を提供してもよい。この計数は、カテゴリ1及び2についての推定的な計数を含んでもよい。しかし、粒子計数器はカテゴリ2の少なくとも1つの要素を誤ってカテゴリ1と類別している点で、推定的な計数は不正確である。分析器は、粒子計数器で用いるよりも小さなサンプルに基づいてカテゴリ1及び2についての粒子計数の分布を提供するが、分析器は正確な分布を生成する。プロセッサはこの情報を用いて、両カテゴリについての正確な計数に到達する。この同じプロセスは、粒子の2つを超えるカテゴリ及び/又はサブカテゴリを包含するサンプルのために用いることができる。
例えば、同様のサイズ又は形態を有する異なる粒子カテゴリ又はサブカテゴリの要素は、粒子計数器によって正確に分類又は細分類されない場合がある。例えば、「巨大」PLT、PLT凝集体、凝集塊、複数の血小板及び有核RBCはWBCとして誤って計数される場合があり、その結果、サンプル内に実際に存在するよりも高いWBC計数を生じさせる。別の例として、小球性赤血球、細胞片、アーチファクト、及び更には電子的ノイズが血小板として誤って計数される場合があり、その結果、PLTの不正確に高い計数を生じさせる。
いくつかの実施形態では、分析器は、撮像デバイス及びフローセルを備える視覚的分析器である。一例として、希釈剤、透過化処理剤、造影剤のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの化学物質をサンプルに導入する。少なくとも1つの化学物質は、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリと第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリとを弁別する視覚的相違を生み出すために有効である。このような分布を決定するステップにおいて、サンプルを、いくつかの実施形態において存在する少なくとも1つのフローセルに加える。
粒子の少なくとも2つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリの要素のそれぞれの分布を決定するステップにおいて、サンプルの少なくとも一部を少なくとも1つのフローセル内に加える。少なくとも1つの化学物質は、粒子のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの要素を弁別する視覚的相違を生み出すために有効である。サンプルの粒子の複数の撮像をキャプチャする。計数又は比率の統計的に有意な推定を提供するために、サンプルの粒子の複数の画像をキャプチャする。次に、粒子の第1及び第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリのそれぞれの内の粒子を計数することによって、粒子の少なくとも第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの、粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに対する比率を決定する。
サンプルの粒子の複数の画像に基づいて、粒子のカテゴリ及び/若しくはサブカテゴリ内の粒子の2つ以上のサブカテゴリのそれぞれの要素の比率、並びに/又は粒子の第1のカテゴリ及び/若しくはサブカテゴリの要素の、粒子の少なくとも1つの他のカテゴリ及び/若しくはサブカテゴリの要素に対する比率を決定することができる。次に、粒子のそれぞれのカテゴリ及び/又はサブカテゴリについての計数又は濃度値を算出、推定、推論及び/又は導出することができる。一例として、分析器からの粒子のそれぞれのサブカテゴリの比率、及び粒子計数器からのカテゴリ内の粒子の総数の計数に基づいて粒子のサブカテゴリの濃度を決定することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのサブカテゴリの要素は、白血球、血小板、及び赤血球のサブカテゴリからなる群から選択される少なくとも1種類の粒子を含む。
したがって、いくつかの実施形態では、本方法は、分析器及び/又はプロセッサからのサンプルの粒子の複数の画像に基づいて、粒子計数器の粒子の1つのカテゴリに適用可能な検出範囲外の濃度で存在する粒子の1つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリ内の粒子の計数の、粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに適用可能な検出範囲内にある粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリ内の粒子の計数に対する比率を決定することを更に含む。次に、比率を、粒子計数器上で得られた粒子計数に適用することによって、粒子計数器の検出範囲外の粒子のカテゴリ及び/又はサブカテゴリのサンプル内の濃度を決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに適用可能な検出範囲限界の上限を上回る濃度でサンプル内に存在する。粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは、粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに適用可能な粒子計数器の検出範囲内で(検出範囲の上限以下かつ下限以上で)サンプル内に存在する。粒子計数器によって用いられる検出基準又は基準群が、第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの粒子を少なくとも第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの粒子と共にグループ分けすることによって粒子を誤って分類する別の例として、第1及び第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリについての粒子計数を、視覚的分析器及び/又はプロセッサからのサンプルの粒子の複数の画像から決定された粒子の比率から補正することができる。
測定の検出範囲は、図15における粒子計数器15上のみでは限られている場合がある。例えば、粒子計数器15上では、WBCのための上部検出限界は100,000〜200,000毎μLよりも低い場合があり得る。PLTのための下部検出限界は10,000毎μLよりも高い場合があり得る。本明細書に記載されている装置を用いることによって、測定の有効検出範囲を拡大させることができ、例えば、いくつかの実施形態では、WBCのための上部検出限界を、約300,000、350,000、400,000、410,000、420,000、430,000、440,000、450,000、460,000、470,000、480,000、490,000、500,000、510,000、520,000、530,000、540,000、550,000、560,000、570,000、580,000、590,000、600,000、610,000、620,000、630,000、640,000、650,000、660,000、670,000、680,000、690,000、700,000、710,000、720,000、730,000、740,000、750,000、760,000、770,000、780,000、790,000、800,000、810,000、820,000、830,000、840,000、850,000、860,000、870,000、880,000、890,000、900,000、910,000、920,000、930,000、940,000、950,000、960,000、970,000、980,000、990,000、若しくは1,000,000、1,000,000、1,010,000、1,020,000、1,030,000、1,040,000、1,050,000、1,060,000、1,070,000、1,080,000、1,090,000、1,100,000、1,110,000、1,120,000、1,130,000、1,140,000、1,150,000、1,160,000、1,170,000、1,180,000、若しくは約1,190,000、細胞毎μL、又はそれらの値のうちの2つの間の任意の範囲まで上方へ拡大させることができる。いくつかの実施形態では、PLTのための下部検出限界を、10,000、9,500、9,000、8,500、8,000、7,500、7,000、6,500、6,000、5,500、5,000、4,500、4,000、3,500、3,000、2,500、2,000、1,500若しくは1,000、又は500、400、300、200、若しくは100細胞毎μLまで下方へ拡大させることができる。
分析器は好ましくは、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの、粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリに対する比率を決定するように動作可能な視覚的分析器17を含む。この実施形態では、上述した通りの比率は、視覚的分析器17上で撮影されたサンプル内の粒子の複数の画像を分析することによって決定することができる。
視覚的分析器17は、粒子分類及び細分類のための視覚的相違を生み出すために、サンプルに、希釈剤、透過化処理剤、及び/又は造影剤のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの化学物質を導入するように構成することができる。このような視覚的相違は少なくとも2つのカテゴリの要素を弁別する。サンプルの粒子の画像をキャプチャする。視覚的分析器17及びプロセッサ18は、サンプルの粒子の画像間の区別を行うことによって、粒子のそれぞれのカテゴリ又はサブカテゴリの比率を決定するように構成される。次に、粒子のそれぞれのカテゴリ又はサブカテゴリの濃度を算出する。例えば、WBC、巨大PLT及びNRBCの正確な結果を決定することができる。粒子計数器上では、同様のサイズ又は形態のために、巨大PLT及びNRBcはWBCとして計数される。上述のように装置を運用することによって、巨大PLT及びnRBCの粒子計数又は濃度を正確に報告することができる。
いくつかの実施形態では、サンプルは、サイズが粒子計数器15の検出サイズ範囲外にある粒子を含み得る。視覚的分析器17及びプロセッサ18は、サンプルの粒子の画像に基づいて、粒子を検出し、検出サイズ範囲外の粒子の、粒子計数器15の検出サイズ範囲内の粒子に対する比率を決定するように構成される。次に、粒子計数器15の検出サイズ範囲外の粒子のカテゴリ及びサブカテゴリの濃度を算出することができる。
一般的に、粒子を包含するサンプルを分析するための方法は、粒子計数器上で得られた粒子計数を補正するために提供される。例示的な方法は、例えば、図14及び図15に示されるように、粒子計数器15上では粒子の同じカテゴリ及び/又はサブカテゴリに入る、対応するサブカテゴリを含む、粒子の異なるカテゴリを弁別するために用いることができる。本方法は、粒子計数器15において得られた粒子計数を補正するために用いることができる。いくつかの実施形態では、例えば、粒子の第1のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは、1つ以上の種類の異常血球、未熟血球、凝集塊化した血球、又は異常サイズの血球を含む。粒子の第2のカテゴリ及び/又はサブカテゴリは白血球を含む。本明細書に記載されているように装置を運用することによって、サブカテゴリ内の粒子を分析器によって識別することができ、粒子計数器から得られた粒子のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの計数を補正することができる。
サンプル又はその一部を粒子計数器15上に提供して粒子を検出し、粒子の少なくとも2つのカテゴリのサブカテゴリを包含する可能性がある1つ以上の選択基準に基づく粒子計数を提供する。例えば、粒子計数器からのWBCカテゴリと称されるものは少量の巨大PLT及びNRBCも含む可能性がある。粒子計数器からのそのカテゴリは、粒子計数器によって識別することができない白血球のサブカテゴリを更に含み得る。これらの誤分類を解決し、及び/又は識別されていないWBCサブカテゴリを細分類するために、以下において説明されるように、サンプルの別の部分も視覚的分析器上で分析されてよい。
図14に示される通りの分析器17上では、少なくとも2つのサブカテゴリ又はカテゴリのそれぞれの分布を決定することができる。このような分布は相対計数の数値比、比率及び/又はその他の関数の形で提示することができる。いくつかの実施形態では、このような分布は、本明細書に開示されている方法に従って、フローセル22及び撮像デバイス24を備える視覚的分析器17上で決定することができる。説明されているように、サンプルの一部であってもよいサンプル12Aを少なくとも1つのフローセル22に加える。希釈剤、透過化処理剤、造影剤のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの化学物質をサンプル12Aに導入する。希釈剤、透過化処理剤、及び/又は造影剤のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの化学物質は、粒子の少なくとも2つのカテゴリを弁別し、粒子の少なくとも1つのカテゴリの少なくとも2つのサブカテゴリを弁別する視覚的相違を生み出すために有効である。サンプル12Bの粒子の複数の画像をキャプチャする。視覚的分析器17及び/又はプロセッサ18上で画像分析を実行する。
いくつかの実施形態では、プロセッサ18は、少なくとも2つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリの要素を識別するようにプログラムされる。サンプルの粒子の複数の画像に基づいて、粒子の少なくとも2つのサブカテゴリ又はカテゴリのそれぞれの内の粒子の計数の比率を決定することができる。次に、サブカテゴリのそれぞれの分布を用いることによって、粒子計数器15から得られた少なくとも2つのカテゴリの少なくとも1つのサブカテゴリについての粒子計数をプロセッサ18上で補正することができる。粒子のそれぞれのサブカテゴリの比率、及び粒子計数器から得られた粒子のカテゴリの粒子計数に基づいて、粒子のそれぞれのサブカテゴリの濃度をプロセッサ18上で算出することができる。
いくつかの実施形態によれば、本明細書に開示されている方法はまた、粒子計数器15上の検出範囲外の1つ以上の種類の粒子を弁別するために用いることもできる。例えば、これらの粒子は、大きすぎるか又は小さすぎるために粒子計数器15上では検出することができない血球又はその他の断片であり得る。視覚的分析器17上では、サンプルの粒子の複数の画像に基づいて、粒子計数器上では検出範囲外の1つの種類の粒子の計数の、粒子計数器の検出範囲内の別の種類の粒子に対する比率を決定することができる。次に、少なくとも部分的に、比率を、粒子計数器15上で得られた粒子計数に適用することによって、サンプル内の検出範囲外の種類の粒子の濃度を決定することができる。
合焦画像
図20A及び図20Bは、本発明の実施形態に係る撮像システム及び方法の態様を示す断面側面図を提供する。図20Aを参照すると、血液分析器などの粒子分析システム1400aは、例えば、同時係属中の米国特許出願第_____号に説明されているものなどのフローセル及び粘性シース液手法を用いて、粘度と形状の組み合わせによるハイドロフォーカシングのために構成することができる。同出願の内容は本明細書において参照により組み込まれている。粒子分析システムを用いて血液流体サンプル内の粒子を撮像するための例示的な方法は、シース液1410aを粒子分析システムのフローセル1430aの流路1420aに沿って流すことを含むことができる。流路1420aは、少なくとも部分的に、フローセルの対向するフローセル壁1422a、1424aによって画定することができる。シース液1410aは、血液流体サンプルの粘度と異なる粘度を有することができる。撮像方法は、血液流体サンプル流体がサンプルフローストリーム1440a内を流れるように、血液流体サンプルをフローセル1430a内の流動シース液1410a内に注入することを更に含むことができる。サンプルフローストリーム1440aは、フローストリーム厚さよりも大きいフローストリーム幅を有することができる。サンプルフローストリーム1440aはまた、流路サイズの減少部を通って流れ、撮像軸1450aを横切ることもできる。図20Aの図では、フローの方向は左から右である。
加えて、撮像方法は、フローセル1430aに対して固定した位置を有する撮像目標1470aを撮像することによって画像キャプチャデバイス1460aを合焦させることを含むことができる。例えば、ここに図示されるように、撮像目標1470aは、フローセルの照明窓1480aに対して固定した位置を有することができる。場合によっては、撮像目標1470aは窓1480a内に埋め込むか、又はその上に固定することができる。方法はまた、画像キャプチャデバイス1460aを用いてサンプル流体の粒子(例えば、少なくとも部分的にフローストリーム1440a内に配される粒子1490a)の合焦画像を取得することを含むこともできる。合焦画像は粒子の特徴付け及び計数に適している。
画像キャプチャデバイス1460aは、変位距離を用いてサンプルフローストリーム1440aに合焦させることができる。例えば、変位距離は、サンプルフローストリーム1440aと撮像目標1470aとの間の距離Dに対応することができる。シース液1410aと血液流体サンプルとの粘度差は、流路サイズの減少部と相まって、血液流体サンプル内の細胞の生存力を保持しつつ、サンプルフローストリーム1440a内のサンプル流体を撮像軸1450aにおいてハイドロフォーカスさせるために効果を発揮する。例えば、粘度差に関連付けられるシース液1410aとサンプル流体ストリーム1440aとの相互作用によって引き起こされる粘性ハイドロフォーカシング効果は、流路サイズの縮小に関連付けられるシース液1410aとサンプル流体ストリーム1440aとの相互作用によって引き起こされる幾何学的ハイドロフォーカシング効果と相まって、撮像軸1450aにおける流体サンプルの粒子のうちの少なくとも一部における目標撮像状態を提供するために効果を発揮することができ、その一方で、シース液1410a内の粘性剤は、細胞がサンプル流体ストリーム1440aから流動シース液1410a内へ延出したときに細胞の構造及び含有物を無傷のまま残し、サンプル流体ストリーム1440a内の細胞の生存力を保持する。
画像キャプチャデバイス1460aは、変位距離を用いてサンプルフローストリーム1440aに合焦させているので、画像キャプチャデバイス1460aは、撮像軸1450aにおける、又は撮像軸1450aに関連付けられる画像キャプチャサイトにおけるサンプルフローストリーム1440a内の粒子又は細胞の画像を得ることができる。場合によっては、粒子は、照明源又はランプ1426aを用いて照明することができる。粒子が撮像軸1450aに接近する際、粒子が撮像軸1450aを横切る際、及び/又は粒子が撮像軸1450aから流れ去る際に、サンプルフローストリーム1440aの画像を得ることができる。
図20Bは、撮像目標1470bが、フローセル1430bのビューポート窓1482bに対して固定した位置を有する、代替的なフローセル構成の態様を示す。例えば、撮像目標1470bは窓1482b内に埋め込むか、又はその上に固定することができる。ここに示されるように、撮像方法は、フローセル1430bに対して固定した位置を有する撮像目標1470bを撮像することによって画像キャプチャデバイス1460bを合焦させることを含むことができる。更に、画像キャプチャデバイス1460bは、変位距離を用いてサンプルフローストリーム1440bに合焦させることができる。例えば、変位距離は、サンプルフローストリーム1440bと撮像目標1470bとの間の距離Dに対応することができる。
図20Cは、オートフォーカス又は撮像目標のための種々の代替的な設置ロケーションを示すフローセル1430cの断面端面図を示す。例えば、撮像目標1472cはフローセル1430cのビューポート窓1482cに配置することができる。任意選択的に、撮像目標1474cはフローセル1430cの照明窓1480cに配置することができる。更に任意選択的に、撮像目標1476cは側方のフローセル壁(例えば1432c及び/又は1434c)内に配置することができる。画像キャプチャデバイス1460cは、変位距離を用いて、シース液1410c内に包囲されているサンプルフローストリーム1440cに合焦させることができる。いくつかの実施形態では、変位距離は、撮像軸1450cに沿った、サンプルフローストリーム1440c(若しくはフローストリーム1440cによって規定される中心平面1441c)とビューポート窓撮像目標1472cとの間の距離D1に対応するか、又はそれによって画定することができる。いくつかの実施形態では、変位距離は、撮像軸に沿った、サンプルフローストリーム1440a(若しくは中心平面1441c)と照明窓撮像目標1476cとの間の距離D2に対応するか、又はそれによって画定することができる。いくつかの実施形態では、変位距離は、撮像軸に沿った、サンプルフローストリーム1440a(若しくは中心平面1441c)とフローセル側壁撮像目標1474cとの間の距離D3に対応するか、又はそれによって画定することができる。場合によっては、距離D3は0よりも大きい値を有する。場合によっては、距離D3は0の値を有する。すなわち、この場合には、サンプルフローストリーム1440a(又は中心平面1441c)は撮像目標1474cと同一平面上にある。場合によっては、距離D1、距離D2、又は距離D3に基づいて算出されない変位距離を定義することが可能である。例えば、変位距離は、フローセル又は血液分析器の製造元によって提供される所定の数又は値であってもよい。
いくつかの実施形態によれば、サンプルフローストリーム1440cは撮像軸において約2μm〜約10μmの範囲内の厚さT1を有することができる。場合によっては、流路又はシース液1410cは撮像軸において約150μmの厚さT2を有することができる。ここに示されるように、撮像目標1472cは、サンプルフローストリーム1440cと画像キャプチャデバイス1460cとの間に配設されるビューポート窓1482c上に配置することができる。場合によっては、撮像目標(例えば1474c)は照明窓1480cとビューポート窓1482cとの間に配置することができる。本明細書の他の箇所において説明されているように、合焦画像を取得するプロセスは、変位距離を用いて画像キャプチャデバイス1460cとフローセル1430cとの間の距離を調整することを含むことができる。場合によっては、本明細書の他の箇所において説明されているように、合焦画像を取得するプロセスは、変位距離を用いて画像キャプチャデバイス1460cの焦点距離を調整することを含むことができる。場合によっては、合焦画像を取得するプロセスは、画像キャプチャデバイス1460cとフローセル1430cとの間の距離を調整することを含むことができ、距離を調整するプロセスは、フローセル1430cを、例えば、画像キャプチャデバイス1460cにより近い位置へ、又は画像キャプチャデバイス1460cからより遠い位置へ移動させることを含む。
図20Dに示されるように、画像キャプチャデバイス1460dの第1の焦点距離は、(例えば、撮像軸1450dに沿った)画像キャプチャデバイス1460dと撮像目標1470dとの間の距離D1に対応することができ、画像キャプチャデバイス1460dの第2の焦点距離は、(例えば、撮像軸1450dに沿った)画像キャプチャデバイス1460dとサンプルフローストリーム1440d(又はサンプルフローストリームによって規定される中心平面)との間の距離D2に対応することができる。場合によっては、撮像目標は、例えば、図20Cに示されるように、フローセル内の別のロケーション内に配置されてもよい。いくつかの実施形態によれば、変位距離は、第1の焦点距離(又は距離D1)と第2の焦点距離(又は距離D2)との間の距離差に対応することができる。この変位距離(例えば、D1とD2との差)を用いて、画像キャプチャデバイス1460dをサンプルフローストリーム1440dに合焦させることができる。
図21は、例えば、照明孔若しくは窓上、観察口若しくは窓上、又は別のフローセルロケーションに配置することができる、オートフォーカスパターン(又は撮像目標)の実施形態を示す正面図を示す。高光学解像度撮像デバイスの距離又は位置をリボン状サンプルストリームに対して移動させるにつれて目標は薄れることができる。図9〜図12Bに示されるように、撮像又は合焦目標(オートフォーカスパターン)は、サンプルが現れることになっている観察領域の周辺上に存在することができる。図21の参照に戻ると、合焦目標は、視野内に存在するコントラストをなす図形によって画定することができることも可能であることが分かる。
撮像デバイスがオートフォーカスパターン(目標)に合焦しているときには(図21におけるパネルB)、デバイスによって撮像された図形は境界がはっきりとし、本明細書に記載されている通りのオートフォーカスのために、すなわち、矢印として示される線などの、図形を横断する線に沿って配置される隣接ピクセル間において、図形が振幅の最高のコントラストを作り出す目標と撮像デバイスとの間の距離を探すために用いることができる。パネルBに示される焦点構成は、図22Aに示される類似の焦点構成に対応する。図22Aに示されるように、画像キャプチャデバイスの焦平面はオートフォーカス目標と一致し、それゆえ、画像キャプチャデバイスは、オートフォーカス目標の鮮鋭な画像を得る位置にある。
図21の参照に戻ると、例えば、対物レンズの作動距離、又は対物レンズとその焦平面との間の距離を調整することによって、作動ロケーション(例えば、撮像デバイスの焦平面)をオートフォーカスパターンから離すと(図21におけるオートフォーカスパターンの左及び右に示される、パネルA及びCに図示)、合焦目標図形は今度は焦点から外れ、高光学解像度撮像デバイスがリボン状サンプルストリームに合焦する位置では、合焦目標図形はもはや全く認識できなくなる(図21におけるパネルD参照)。パネルDに示される焦点構成は、図22Bに示される類似の焦点構成に対応することができる。図22Bに示されているように、画像キャプチャデバイスの焦平面はサンプル流体ストリームと一致し、それゆえ、画像キャプチャデバイスは、サンプルフローストリーム内の粒子の鮮鋭な画像を得る位置にある。図22Aの焦平面は図22Bの焦平面から距離Dだけ隔たっている。図22Bに示されるように、画像キャプチャデバイスを距離D、移動させることによって、焦平面も距離D、移動させ、それゆえ、焦平面をオートフォーカス目標からサンプルフローストリームへ移動させることが可能である。場合によっては、画像キャプチャデバイスをフローセルに対する定位置に維持しつつ、画像キャプチャデバイスの焦点距離を内部的に調整することによって、焦平面をオートフォーカス目標からサンプルフローストリームへ移動させることができる。場合によっては、フローセルに対する画像キャプチャデバイスの位置の調整と組み合わせて、画像キャプチャデバイスの焦点距離を内部的に調整することによって、焦平面をオートフォーカス目標からサンプルフローストリームへ移動させることができる。オートフォーカス図形は、照明開口部若しくは窓上、又は観察ポート若しくは窓であって、それを通して高光学解像度撮像デバイスが方向付けられる、観察ポート若しくは窓の前部若しくは後部上、又は目標を撮像のために定位置に保持するべくフォトセルに取り付けた固定具など、見える範囲内にあり、フローセルに対して固定した任意のロケーションに設けることができる。
いくつかの実施形態によれば、高光学解像度撮像デバイスが変位距離にわたって移動され、オートフォーカスパターンが合焦しなくなると、合焦して見える特徴は、オートフォーカスパターンではなく、血球になる。図21の実施形態では、オートフォーカスパターンは視野内の図形によって規定される。図形は、有限のサイズの比較的薄い離散した形であり、したがって、変位距離だけ移動した後には、リボン状サンプルストリームに合焦されたときのデジタル化画像内に形はほぼ見えなくなる。典型的な変位距離は、例えば、血液(血球)撮像用途のために寸法が決められたフローセル内では、50〜100μmであってもよい。いくつかの実施形態では、オートフォーカス機能は高光学解像度撮像デバイスを最適焦点距離の1μm以内に維持する。
したがって、図21において説明される機能は、変位距離を決定するための例示的な手法を提供する。例えば、変位距離を決定する方法は、フローセル内の試験サンプルフローストリームを形成するために試験流体サンプルをシース液内に注入すること、及び画像キャプチャデバイスを用いて撮像目標の第1の合焦画像を得ることを含むオートフォーカスプロセスを含んでもよい。第1の合焦画像は図21におけるパネルBに対応することができ、この場合、合焦した撮像目標及び画像キャプチャデバイスは第1の焦点距離を画定する。ここに図示されるように、画像キャプチャデバイスの焦平面又は作動距離/ロケーションは撮像目標に位置付けられる。オートフォーカスプロセスはまた、画像キャプチャデバイスを用いて試験サンプルフローストリームの第2の合焦画像を得ることも含むことができる。第2の合焦画像は図21におけるパネルDに対応することができ、この場合、合焦した試験サンプルフローストリーム及び画像キャプチャデバイスは第2の焦点距離を画定する。ここに図示されるように、画像キャプチャデバイスの焦平面又は作動距離/ロケーションは撮像目標に位置付けられる。オートフォーカスプロセスは、第1の焦点距離と第2の焦点距離との差を算出することによって変位距離を得ることを更に含んでもよい。場合によっては、試験流体サンプルは血液流体サンプルと同じであり、試験サンプルフローストリームはサンプルフローストリームと同じである。場合によっては、オートフォーカスプロセスは、画像キャプチャデバイスに関連付けられた焦平面を確立し、焦平面は画像キャプチャデバイスに対して動かないまま存続する。場合によっては、画像キャプチャデバイスをオートフォーカスさせるプロセスは、複数の焦点位置の中から最適の焦点位置を決定することを含む。
いくつかの実施形態によれば、画像キャプチャデバイスは、温度データを用いずにサンプルフローストリームに合焦させることができる。例えば、画像キャプチャデバイスをサンプルフローストリームに合焦させるプロセスは画像キャプチャデバイスの温度とは無関係に実行することができる。場合によっては、撮像目標は、画像キャプチャデバイスの撮像軸をサンプルフローストリームに対して位置決めする際に使用するための(例えば、図12Bに示される通りの)目盛を含むことができる。場合によっては、撮像目標は、撮像軸に対して整位される絞りを含むことができ、それにより、撮像される粒子は、絞りによって規定される開口内に配され、オートフォーカス時には絞りの1つ以上の縁部部分が撮像されるようにする。
例示的な実施形態では、オートフォーカス手法はフローセルの位置をサンプルストリームの最適焦点位置から±1μm以内に特定することができる。場合によっては、実施形態は、別個の合焦用液体若しくは溶液又は任意のユーザ介入を必要とせずに撮像システムを自動的に合焦させることができるオートフォーカス手法を包含する。例示的なオートフォーカス手法はまた、撮像デバイス対物レンズとフローセルとの間の距離の変動を生じさせ得るずれ又は熱膨張などの、最適に達しない合焦性能の機械的原因に対処することもできる。場合によっては、フローセル内のサンプルフローのロケーションは非常に安定し、温度に依存しなくなり得ることが観察された。それゆえ、例示的な撮像手法は、フローセル内の撮像目標に合焦し、固定したオフセットを用いてサンプルストリームへの最適合焦を達成することを含むことができる。
いくつかの実施形態によれば、撮像システム上で用いられる顕微鏡対物レンズは0.75の開口数を有し、±0.5μmの理論的な被写界深度(DoF)を生じさせる。いくつかの実験的試行では、最適焦点から±1.25μmにおいて良好な画像品質を得ることができることが観察された。また、実際的又は実験的な被写界深度は理論的な被写界深度と異なり得ることも観察された。例えば、いくつかの実験的試行では、被写界深度は2.5〜3μm前後であることが観察された。いくつかの実験的研究に基づき、フローセルの位置を±1.25μm以内に特定するためのオートフォーカス性能が良好な画像品質を確実にすることができると決定された。いくつかの実施形態では、オートフォーカスシステムは、フローセルの位置をサンプルストリームの最適焦点位置から±1μm以内に特定するように動作することができる。いくつかの実験的試行では、本明細書に開示されている通りのオートフォーカス手法はフローセル内の目標の位置を0.3μm未満の標準偏差で繰り返し見つけることができることが観察された。場合によっては、試験的なオートフォーカスシステムの実行は、優れた再現性(標準偏差≦0.23μm)を実証し、サンプルストリームの焦点位置を、±1μmの位置公差以内である、最適化された測定基準位置から<0.6μm以内に決定することができた。様々な温度条件における追加のオートフォーカス試験実行もまた、優れた位置特定性能(例えば、及び最適焦点位置の必要な±1μmの公差以内のフローセル位置特定)を示した。自動分析器システムにおけるこの正確度は、本明細書の他の箇所において開示されているように薄いリボンフローストリーム内を流れる血液流体サンプルから粒子の高品質画像を、標準的な試験室条件に対応する動作温度範囲にわたって一貫して確実に得るためによく適している。
図23は、本発明の実施形態に係るサンプル処理方法2300の態様を示す。ここに示されるように、サンプル処理方法は、ステップ2305において指示されるように、サンプルを剪断弁内に吸引することを含んでもよい。このステップはCBCモジュールによって実行することができる。方法はまた、ステップ2310において示されるように、サンプル及び試薬を反応チャンバ内に一定量ずつ供給することを含んでよもよい。このステップは、CBCモジュール及び第1の流体素子システム(例えばBBL1流体素子)によって実行することができる。更に、方法はまた、ステップ2315において指示されるように、反応混合物を所望の温度で所望の期間(例えば、47.5℃で40秒間)インキュベートすることを含んでもよい。方法はまた、ステップ2320において指示されるように、クエンチ剤を反応チャンバ内に一定量ずつ供給することと、ステップ2325において指示されるように、反応混合物を撮像調製部内に吸引することと、ステップ2330において指示されるように、気体/液体界面を剪断し、サンプルをフローセル内に押し出すことと、を含んでよもよい。いくつかの実施形態によれば、ステップ2315、2320、2325、及び2330は流体素子システム(例えばBBL流体素子)によって実行することができる。いくつかの実施形態によれば、方法は、ステップ2335において指示されるように、画像を収集することを含んでもよい。例えば、撮像収集プロセスは、5000〜7000コマを収集することを含んでもよく、画像はビデオファイル内に記憶することができる。場合によっては、ステップ2335はビデオシステム(例えばBBLビデオ)によって実行することができる。加えて、方法は、ステップ2340において指示されるように、画像集を生成するコマごとの斑点抽出を実行することと、ステップ2345において指示されるように、5分類又はその他の診断結果ファイルを生成することと、ステップ2350において指示されるように、それぞれの斑点/細胞を類別することと、を含んでもよい。場合によっては、ステップ2340、2345、及び2350は、血液自動粒子認識(APR:automated particle recognition)ソフトウェアを用いたオフライン処理によって実行することができる。
PIOALは好適な粘度及び密度を有し、サンプルのフローセルへの導入の地点における流量は、サンプル流体が薄いリボン状に扁平化するような流量とされる。リボン状サンプルストリームはPIOALと共に運搬され、リボン状サンプルストリームの観察を可能にするために対物レンズ及び光源が配置された観察ポートの前を通過する。サンプル流体は、PIOALの流路が対称的に狭窄化する地点において導入される、例えば、注入される。その結果、サンプル流体ストリームは扁平化し、薄いリボン状に引き伸ばされる。本開示のPIOALはシース液として本開示のいずれかの視覚的分析器と共に用いられてよい。一実施形態において、PIOALは、サンプル流体を排出部に向かって押し流すために、フローセルの端部内に導入することができる。
観察区域内のリボン状サンプルストリームの寸法はPIOAL流路の幾何学的薄化、並びにサンプル流体及びPIOALの線速度差によって影響を受け、その結果、リボン状サンプルストリームの薄化及び引き伸ばしが生じる。サンプルの、PIOALに対する初期線速度差は0.5:1〜5:1に及んでもよい。PIOAL流路断面は、約10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、55:1、60:1、65:1、70:1、75:1、80:1、85:1、90:1、95:1、100:1、105:1、110:1、115:1、125:1、130:1、140:1、150:1、160:1、170:1、180:1、190:1、又は200:1の率で奥行きを縮小することによって、薄化されてもよい。一実施形態において、幾何学的薄化は40:1である。一実施形態において、幾何学的薄化は30:1である。考慮される因子は、フローセル内の通過時間、サンプル処理量の所望速度、粒子サイズに相当するリボン状サンプルストリーム厚さの達成、粒子及び小器官の整位の達成、粒子の含有物の合焦の達成、動作限界値以内での圧力、流量、及び粘度のバランス、リボン状サンプルストリーム厚さの最適化、所望の線速度の達成、製造可能性の考慮事項、並びに必要とされるサンプル及びPIOALの体積である。
カニューレの長さ及び容積並びに断面の扁平化は、サンプルフロー不安定の期間を短縮するように選択されてもよく、それにより、処理量を高める。いくつかの実施形態では、フロー不安定の期間は、約3、2.75、2.5、2.25、2、1.75、1.5 1.25秒未満、又は約1秒未満であってもよい。カニューレ容積が小さくなると、サンプルを流す合間にカニューレを洗浄するために必要な時間及び希釈剤の体積も減少してよい。いくつかの実施形態では、フローセル内の通過時間は、1、2、3、若しくは4秒、又はそれらの時間のうちの任意の2つの間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、通過時間は4、3又は2秒未満であってもよい。
サンプル流体及びPIOALの粘度及び流量並びにフローセルの輪郭は、PIOALフローがサンプルフローを扁平化して引き伸ばし、画像キャプチャサイトに対応する信頼できるロケーションにおいて観察区域を常に通過する平坦なリボン状にするように構成される。サンプル流体ストリームの流体フロー厚さはおおよそ2〜3μmに圧縮されてもよい。いくつかの血球種は、ストリーム厚さよりも大きい直径を有する。フローの方向に平行な方向の剪断力によって、高光学解像度撮像デバイスの焦平面内の撮像条件下における粒子の画像投影の増進がもたらされ、並びに/又は粒子内構造、例えば、細胞内構造、小器官若しくは葉の、フローの方向に実質的に平行になる位置付け、再位置付け、及び/若しくはより良好な位置付が引き起こされる。高光学解像度撮像デバイス被写界深度は最大7μm、例えば、1〜4μmである。
リボン状サンプルストリームが一緒に運搬されるPIOALのフロー断面は、観察ポートであって、それを通して対物レンズが方向付けられる、観察ポートの前の観察区域を通じて一定である。対物レンズは高光学解像度撮像デバイス又はデジタル画像キャプチャデバイスの対物部品であってもよい。リボン状サンプルストリームは、フローセル内の既知かつ再現性のある位置において、例えば、フローセルの2つの壁から既知かつ再現性のある距離の所で観察区域を横切る経路をたどり、下流に排出される。
リボン状サンプルストリームが観察ポートの前の観察区域を通って運搬される際に、サンプル内の粒子からの光学情報が分析器内の検出部によって検出され、それにより、サンプル内に包含されている粒子/細胞からのデータを生成する。この分析器の使用は、サンプル内に包含されている細胞並びに/又は粒子のキャプチャ、処理、分類及び細分類並びに計数を可能にする。PIOAL液体は、粘度調節剤、緩衝剤、pH調整剤、抗菌剤、イオン強度調節剤、界面活性剤、及び/又はキレート剤の添加によって調製することができる。本開示における分析器の例示的な機能構成要素及び/又は機能は、例えば、画像分析からのデータを取得し、及び/又は処理する能力、サンプル染色処理、画像処理、及び/若しくは粒子画像同定、計数、並びに/又は分類及び細分類を含むことができる。
一実施形態において、本開示は、PIOAL内への適当な量の粘性剤の添加によって、フローセル内の粒子/細胞の整位は著しく向上し、整位した細胞、若しくは合焦した細胞成分の割合の増大、並びに流動内の細胞及び/若しくは粒子の画像の高品質化がもたらされるという驚くべき予想外の発見に基づいていた。粘度差は、狭窄化遷移区域の幾何学的集束効果と相まって、整位及び合焦の結果の改善を達成することができる。粘性剤の添加はRBCのような細胞に対する剪断力を増大させ、これにより、フロー方向に実質的に平行な平面内の細胞の整位が改善し、その結果、画像の最適化がもたらされる。これはまた、フローの方向に実質的に平行な、細胞内構造、小器官又は葉などの粒子内構造の位置付け、再位置付け、及び/又はより良好な位置付けも生じさせ、その結果、画像の最適化がもたらされる。粘性剤は、細胞の整位不良、一般的に、限定するものではないが、フローストリームよりも直径が小さい細胞の整位不良も低減する。
フローストリームよりも直径が小さい細胞、例えば、赤血球の整位は、例えば、PIOALの粘度を増大させることによって、又は流動スピード比を増大させることによって得られてもよい。これは、(例えば、図4Kに示されるように)フローの方向及び焦平面FPに平行なRBCの整位をもたらす。いくつかの実施形態では、PIOALの粘度を増大させることによってRBC整位不良の低減及び/又はRBC整位の増大が達成される。
リボン状サンプルストリームの厚さは、サンプル流体及びPIOALの相対粘度及び流量によって影響を受け得る。例えば、精密容積式ポンプを備える、サンプルの供給源及び/又はPIOALの供給源は、リボン状サンプルストリームの寸法を最適化するために、すなわち、高光学解像度撮像デバイス又はデジタル画像キャプチャデバイスの視野と少なくとも同じ幅の薄いリボンとして最適化するために制御可能な流量でサンプル及び/又はPIOALを提供するように構成することができる。
リボン状サンプルストリームが一緒に運搬されるPIOALのフロー断面は、観察ポートであって、それを通して高光学解像度撮像デバイスが方向付けられる、観察ポートの前の観察区域を通じて一定である。リボン状サンプルストリームは、フローセルの前壁及び後壁のうちのいずれかから既知かつ再現性のある距離の所で観察区域を横切る経路をたどり、その下流に排出される。
本開示は、リボン状サンプルストリームへの合焦のための高光学解像度撮像デバイスの正確な作動位置を自動的に達成するための手法を提供する。フローセル構造は、リボン状サンプルストリームが、フローセルの内の観察区域を通過するPIOALの層間の薄いリボン状のサンプル流体の流路を画定するフローセルの壁の間の固定した再現性のあるロケーションを有するように構成される。開示されているフローセルの実施形態では、例えば、図1〜図4Gでは、PIOALのための流路の断面は遷移区域において対称的に狭窄化することができ、サンプルは、オリフィスにおいて長方形内腔を有する管などの扁平なオリフィスを通じて挿入することができる。(例えば、断面積が20:1〜40:1の比で幾何学的に狭窄化する)狭窄化流路は、サンプルのフローに比較して任意選択的により大きなPIOALの線速度にも起因して、協働してサンプル断面を約20:1〜70:1の比で扁平化する。いくつかの実施形態によれば、比は、10:1〜100:1の範囲内、50:1〜100:1の範囲内、70:1〜80:1の範囲内にあることができる。いくつかの実施形態によれば、比は75:1である。効果的に、流量、粘度、及び幾何形状の組み合わせにより、サンプルは薄いリボン状に形成される。(例えば断面積が40:1の比又は20:1〜70:1の比で幾何学的に狭窄化する)狭窄化流路と、サンプルのフローと比較した線スピードの差とは、協働してサンプル断面を約20:1〜70:1の比で圧縮する。いくつかの実施形態では、断面厚さの比は40:1であってもよい。いくつかの実施形態では、断面厚さの比は30:1であってもよい。
その結果、サンプル及びPIOALの固有の線速度などのプロセスばらつきは、リボン状サンプルストリームをフロー内のそのロケーションから変位させにくい。フローセルの構造に対して、リボン状サンプルストリームのロケーションは安定し、再現性を有する。
別の態様では、本発明は、本発明の粒子造影剤組成物を含むキットに関する。キットは、本明細書に記載されている方法のうちのいずれかに係る粒子造影剤組成物の使用に関する指示を包含してもよい。キットは粒子及び/又は細胞内小器官整位液(PIOAL)を含んでよもよい。キットは、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、血小板、網赤血球、有核RBC、芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球、細菌、真菌、原生生物、原生動物、又は寄生生物などの粒子の画像ベースの同定のためのプログラム可能記憶媒体及び関連ソフトウェアを包含してもよい。キットは、等張緩衝剤及び/又は希釈剤を含んでもよい、1つ以上の緩衝剤を含んでもよい。キット及び又は緩衝剤は、界面活性剤、pH調整剤、及び/又は抗菌剤を更に含んでもよい。他の実施形態では、キットは洗浄液又はフラッシング液を含んでもよい。キットは陽性対照及び陰性対照のための標準物質を含んでもよい。いくつかの実施形態では、標準物質は標準の染色細胞試薬を含んでもよい。キットは、キットの成分を移すための使い捨ての微量ピペット、先端又は管などの使い捨て用品を含んでもよい。キットは、これらのキット構成要素のうちのいずれか1つ、又はそのうちの2つ以上のいずれかの組み合わせを包含してもよい。
血液サンプル内の血球の区別は、本発明の実施形態が特によく適している代表的な用途である。サンプルは、自動化された手法によって調製され、薄いリボン状サンプルストリームとして高光学解像度撮像デバイスに提示され、リボン状サンプルストリームが視野を横切って流れる間に定期的に撮像される。粒子(血球など)の画像は、細胞又は粒子を同定及び計数するために、ピクセル画像データのプログラムされた処理手法を用いて、もっぱら自動的に、又は人間の補助をわずかに用いて、互いに識別され、分類、細分類、及び計数されることができる。記憶して粒子の異常又は重要な特徴の場合に利用することができる細胞画像に加えて、出力データは、記録されたサンプル画像内で識別された細胞又は粒子のそれぞれの特定のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの出現の計数を含む。
それぞれの画像内で見つかった異なる粒子の計数は更に処理することができ、例えば、サンプル全体内における識別されたカテゴリ及び/又はサブカテゴリのそれぞれの細胞の正確で統計的に有意な比を累算するために用いられる。視覚的区別のために用いられるサンプルは希釈することができるが、それぞれのカテゴリ及び/又はサブカテゴリ内の細胞の割合は、特に、多数の画像が処理された後には、希釈されたサンプル内に表される。
本明細書に開示されている装置、組成物、及び方法は、サンプル内の細胞を視覚的相違に基づいて区別し、定量化するために有用である。サンプルは、生体サンプル、例えば、制限なく、血液、血清、骨髄、洗浄液、体腔液、滲出液、脳脊髄液、胸水、腹水、及び羊水を含む、白血球を含む体液サンプルであることができる。いくつかの実施形態では、サンプルは、固形組織サンプル、例えば、細胞懸濁液を作成するために処理された生検サンプルであることができる。サンプルは、糞便サンプルを処理することから得られる懸濁液であってもよい。サンプルは、細胞培養サンプルなどの、粒子を含む試験室サンプル又は生産ラインサンプルであってもよい。用語、サンプルは、患者若しくは試験室から得られるサンプル又はそのいくらかの割合、部分若しくは一定分量に言及するために用いられてもよい。サンプルは、いくつかのプロセスにおいて希釈するか、部分に分割するか、又は染色することができる。
一態様において、本開示のシステム、組成物及び方法はフロー内の細胞の驚異的に高品質の画像を提供する。一態様において、視覚的分析器を本開示の方法で用いて、自動化された画像ベースのWBC弁別計数を提供することができる。特定の実施形態では、本開示の方法は、被検者は健康であるのか、それとも病気、疾患、異常及び/若しくは感染症を有しているのか、並びに/又は治療に反応があるのか、それとも反応がないのかの判定、診断、予知、予測、及び/又はその診断の支援のための形態学的特徴及び/又は異常を含む、視覚的相違の自動識別に関する。いくつかの実施形態では、システムは粒子計数器を更に含んでもよい。用途は、血液サンプルなどの、流体サンプル内の細胞の分類及び/若しくは細分類、並びに計数を含む。追加の種類の粒子及び/又は他の流体サンプル内の粒子を計数するための他の同様の使用法も想到される。本発明のシステム、組成物、及び方法は、任意の好適な自動粒子認識アルゴリズムを用いた画像のリアルタイムの分類及び細分類並びに観察のために用いることができる。それぞれのサンプルについてのキャプチャ画像は、後日に観察するために記憶することができる。
別の態様では、本発明の装置、組成物、及び方法は、驚異的により正確な画像ベースの細胞分類及び細分類並びに標識を提供し、これにより、現在の自動分析器を用いた場合の手作業の見直しの割合に比較して手作業の見直しの割合は低下する。システム、組成物、及び方法は手作業の見直しの割合を低下させ、手作業の見直しを機器上で実行することを可能にする。加えて、本開示のシステム、組成物、及び方法はまた、自動分析中に、手作業の見直しを必要とするものとして標識されるサンプルの割合も低下させる。
本開示は更に、CBC並びに画像ベースの拡張された白血球百分率及び画像ベースの拡張された血小板計数を獲得し、それにより、血小板を計数するための有効検出範囲を拡げるために、完全血球計数(CBC)計数器を視覚的分析器などの分析器と組み合わせるためのシステム、方法及び組成物に関する。
したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、粒子、例えば、血球を包含するサンプルを分析するための装置及び方法を提供する。本開示によれば、液体内に懸濁された粒子を含むサンプルの画像を得るための視覚的分析器が提供される。いくつかの実施形態では、視覚的分析器はフローセル及びオートフォーカス構成要素を備える。目的の粒子を包含する液体サンプルを、ビューポートを有するフローセル内に流し、対物レンズに結合されたカメラがビューポートを通して粒子のデジタル画像をキャプチャする。本発明の実施形態を用いて実施することができる例示的なオートフォーカス手法が、同時係属中の米国特許出願第____号に開示されている。同出願の内容は本明細書において参照により組み込まれている。フローセルは、本明細書に記載されているように、希釈され、及び/若しくは処理された血液サンプル若しくはその他の体液サンプルなどの、サンプル流体の供給源、並びに透き通ったシース液、若しくは粒子及び/若しくは細胞内小器官整位液(PIOAL)の供給源に結合される。
一実施形態において、装置はまた、少なくとも1つの検出範囲を有する粒子計数器、並びに分析器、及びプロセッサも備える。分析器及びプロセッサは、粒子計数器に関連付けられる計数、分類、及び細分類の誤りを補正し、サンプル内の粒子の異なるカテゴリ及び/又はサブカテゴリの正確な粒子計数又は濃度を更に決定するための追加の情報を提供するように構成される。
本開示は、画像ベースのサンプル分析を行う際の粒子及び/又は細胞内小器官の整位のために有用な方法及び組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、完全血球計数(CBC)と、例えば、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、網赤血球、有核RBC、芽球、前骨髄球、骨髄球、若しくは後骨髄球を含む、WBC、RBC、及び/若しくは血小板などの細胞種を同定して計数すること、並びにWBC計数及び形態、赤血球(RBC)計数及び形態並びに血小板(PLT)計数及び形態のための画像ベースの情報を提供することができる、画像ベースの拡張された白血球(WBC)弁別と、を実行する能力を有する、計数及び撮像を組み合わせたシステムのための方法及び組成物に関する。
他の実施形態では、本開示は、本明細書に記載されている通りの粒子の画像ベースの分析に用いることができるPIOALに関する。本開示においては、血液サンプル内の細胞カテゴリ計数及び/又はサブカテゴリ計数が、分析することができるサンプルの種類の非限定例として用いられている。いくつかの実施形態では、サンプル内に存在する細胞はまた、細菌若しくは真菌細胞、並びに白血球、赤血球及び/若しくは血小板を含んでもよい。いくつかの実施形態では、組織又は吸引液から得られた粒子懸濁液が分析されてもよい。
血液サンプル内の血球の区別は、主題が特によく適している例示的な用途である。サンプルは、自動化された手法によって調製され、リボン状サンプルストリームとして高光学解像度撮像デバイスに提示され、サンプルが視野を横切って流れる間に定期的に撮像される。粒子(血球など)の画像は、細胞又は粒子を同定及び計数するために、ピクセル画像データのプログラムされた処理手法を用いて、もっぱら自動的に、又は人間の補助をわずかに用いて、互いに識別され、分類、細分類、及び/又は計数されることができる。記憶して異常又は重要な特徴の場合に利用することができる細胞画像に加えて、出力データは、記録されたサンプル画像内で識別された細胞又は粒子のそれぞれの特定のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの出現の計数を含む。それぞれの画像内で見つかった異なる粒子の計数は更に処理することができ、例えば、サンプル全体内における識別されたカテゴリ及び/又はサブカテゴリのそれぞれの細胞の正確で統計的に有意な比率又はその関数を累算するために用いられる。視覚的区別のために用いられるサンプルは高度に希釈することもできるが、それぞれのカテゴリ及び/又はサブカテゴリ内の細胞の割合は、特に、多数の画像が処理された後には、希釈されたサンプルについての分布内に表される。
いくつかの態様では、サンプルは、自動化された仕方で提示され、撮像され、分析される。血液サンプルの場合には、サンプルは好適な希釈剤又は食塩溶液を用いて大幅に希釈されてもよく、それにより、希釈していないか又は希釈度がより低いサンプル内であればいくつかの細胞の姿が他の細胞によって隠され得る程度が低減される。細胞は、一部の細胞の外観のコントラストを高める薬剤によって、例えば、細胞膜を透過性にする透過化処理剤、並びに顆粒及び核などの特徴内に付着し、それらを明らかにするための組織染色剤を用いて、処理することができる。いくつかの実施形態では、網赤血球、有核赤血球、及び血小板を含む粒子を計数し、特徴付けるため、並びに白血球の弁別、特徴付け及び分析のために、サンプルの一定分量を染色することが望ましい場合がある。他の実施形態では、赤血球を包含するサンプルはフローセルへの導入及び撮像の前に希釈されてもよい。
いくつかの実施形態によれば、サンプルの希釈、透過化及び組織染色のためのサンプル調製装置及び方法の詳細は、一般的に、1つ以上のプログラム可能コントローラによって作動させる精密ポンプ及び弁を用いて達成され、本開示の中心をなすものではない。プログラム可能制御装置に関する、米国特許第7,319,907号などの、International Remote Imaging Systems,Inc.に譲渡された特許に実施例を見いだすことができる。同様に、特定の細胞カテゴリ及び/又はサブカテゴリを相対サイズ及び色などのそれらの特質によって識別するための手法を、白血球に関連する米国特許第5,436,978号に見いだすことができる。これらの特許の開示は本明細書において参照により組み込まれている。いくつかの実施形態によれば、サンプル調製手法は、同時係属中の米国特許出願第____号に説明されているものなどの染色、溶解、透過化、及びその他の処理様式を含んでもよい。同出願の内容は、本明細書において参照により組み込まれている。
用語、高光学解像度撮像デバイスは、形態学的特徴及び/又は変化を弁別するために十分な視覚的相違を有する粒子画像を得る能力を有するデバイスを含むことができる。例示的な高光学解像度撮像デバイスは、例えば、0.46μmなどの、例えば、0.4〜0.5μmを含む、1μm以下の光学解像度を有するデバイスを含むことができる。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物及び/又は方法のうちのいずれかで得られる画像はデジタル化画像であってもよい。いくつかの実施形態では、得られる画像は顕微鏡画像である。特定の実施形態では、画像は手動で得られてもよい。他の実施形態では、画像を得るための手順の少なくとも一部は自動化されている。いくつかの実施形態では、画像は、フローセルと、高光学解像度撮像デバイス又はデジタル画像キャプチャデバイスとを備え、任意選択的にオートフォーカス機能を有する視覚的分析器を用いて得られてもよい。
一実施形態において、画像は、細胞の細胞基質、細胞核及び/又は核成分に関する情報を提供する。一実施形態において、画像は、細胞の粒状成分及び/又はその他の形態学的特徴に関する情報を提供する。一実施形態において、画像は、細胞の細胞基質、核成分及び/又は粒状成分に関する情報を提供する。粒状及び/又は核の画像及び/又は特徴は、単独か又は互いに組み合わせるかの両方で、細胞の分類及び細分類のための決定力を持つ。
本発明の方法の一態様において、粒子造影剤組成物と接触させ、及び/又は撮像する細胞は、有核赤血球である。更に別の態様では、本発明の方法は、a)赤血球の一部の撮像、及びb)撮像された赤血球の形態の判定を含む、画像ベースの赤血球分類及び細分類を実行するための方法に関する。本明細書で使用するとき、赤血球(RBC)は、例えば、正常若しくは異常赤血球、網赤血球、有核赤血球、並びに/又はマラリア感染細胞を含むことができる。いくつかの実施形態では、撮像は、粒子計数器、視覚的分析器及びプロセッサを備える装置などの本開示の装置を用いて実行される。
本明細書で使用するとき、例示的な完全血球計数(CBC)は、患者の血液サンプル内の粒子及び/又は細胞に関する情報を提供する医師又はその他の医療専門家によって通例要求される検査パネルを含むことができる。血流内を循環する例示的な細胞は概ね、限定するものではないが、例えば、白血球(white blood cell)(例えば、白血球(leukocyte))、赤血球(red blood cell)(例えば、赤血球(erythrocyte))、及び血小板(platelet)(例えば、血小板(thrombocyte))を含む、3つの種類に類別することができる。
本明細書で使用するとき、異常に高いか又は低い計数は、病気、障害、及び/又は疾患の存在を指示している場合がある。それゆえ、CBCは、患者の全身の健康状態の概要を提供することができるため、医療において一般的に行われている血液試験の1つである。その結果、CBCは年に1度のの健康診断の際に日常的に行われている。
本明細書で使用するとき、通例、瀉血専門医が被検者から血液サンプルを採取する。一般的に、血液は、その凝固を阻止するために抗凝血剤(例えば、EDTA、時によってクエン酸塩)を通例包含する試験管内に吸入される。次に、サンプルは試験室へ輸送される。時により、サンプルは、自動計数器による即時処理のために指の刺し傷からパスツールピペットを用いて吸入される。一実施形態において、粒子画像は、粒子がシース液又はPIOAL内に包囲されている間に取得される。特定の実施形態では、血液サンプルは、患者の血液のサンプルを用いて調製したスライド上で顕微鏡下で観察されてもよい(血液塗抹標本、又は末梢血液塗抹標本)。特定の実施形態では、完全血球計数は自動分析器によって実行される。
本明細書で使用するとき、一般的に、血液分析器は細管を通じてごく少量の検体を吸引することができる。センサは、管を通過する細胞の計数及び/又は数を検出することができ、細胞の種類を同定することができる。例示的なセンサは、光(例えば、可視光、UV光又はIR光)及び/又は電気インピーダンスの検出器を含んでもよい。例示的な検出パラメータは、サイズ、体積、及び/又は細胞特徴を含んでもよい。特定の実施形態では、センサは、約200nm〜約10000nmに及ぶ波長スペクトル内の可視光及び非可視光を検出することができる。特定の実施形態では、センサは約380nm〜約760nmの波長を検出することができる。
本明細書で使用するとき、血球数のデータ/パラメータは、例えば、総赤血球、ヘモグロビン−血液中のヘモグロビン量、ヘマトクリット値又は血中血球容積(PCV:packed cell volume)、平均赤血球容積(MCV:mean corpuscular volume)−赤血球の平均容積(貧血症は、この値が、期待される正常範囲を上回るのかそれとも下回るのかに基づいて、小球性か又は大球性として類別される。MCVに影響を与え得るその他の条件として、サラセミア、網赤血球増加症及びアルコール中毒症がある)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH:mean corpuscular hemoglobin)−赤血球1個当たりの平均ヘモグロビン量、ピコグラム単位、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC:mean corpuscular hemoglobin concentration)−細胞内の平均ヘモグロビン濃度、赤血球分布幅(RDW:red blood cell distribution width)−RBC個体数の細胞容積のばらつき、総白血球、好中性顆粒球(細菌感染を指示する場合があり、通例、急性ウィルス感染時に増大する)を含むことができる。核の分葉化した(segmented)外観のために、好中球は時として「seg」と呼ばれる。あまり成熟していない好中球の核は分葉化していないが、帯状(band)又は細長い形状を有する。あまり成熟していない好中球−最近骨髄から血流内へ放出されたもの−は「band」として知られる。血球数についてのその他のデータ/パラメータは、例えば、リンパ球(例えば、腺熱などの一部のウィルス感染と共に、及び慢性リンパ性白血病(CLL:chronic lymphocytic leukemia)時に増加するか、又はHIV感染によって減少する)、単球(細菌感染、結核、マラリア、ロッキー山脈紅斑熱、単球性白血病、慢性潰瘍性大腸炎及び限局性腸炎時に増加する場合がある、好酸性顆粒球(例えば、寄生虫感染、喘息、又はアレルギー反応時に増加する)、好塩基性顆粒球(例えば、白血病又はリンパ腫などの骨髄関係の疾患時に増加するを含むこともできる。
本明細書で使用するとき、血球数のデータ/パラメータはまた、例えば、血小板数、血液中のそれらのサイズ並びにサイズの範囲に関する情報、平均血小板体積(MPV:mean platelet volume)−血小板の平均サイズの測定値を含む、血小板に関連付けられるデータを含むこともできる。
本発明の方法の別の態様では、粒子造影剤組成物と接触させ、及び/又は撮像される細胞は、マラリア感染細胞、異型リンパ球などの、異常細胞である。本発明のいくつかの態様では、細胞は、疾患、病気、感染及び/又は症候群の同定、予測、診断、予知、又は診断の支援に用いることができる異常細胞である。
本発明の方法の別の態様では、細胞は血小板である。
別に明示的に指示されないかぎり、本開示における「粒子(particle)」又は「粒子群(particles)」への言及は、流体内に分散したあらゆる個別又は有形の物体を包含すると理解されることになる。本明細書で使用するとき、「粒子」は、生体液内の全ての(例えば、画像及び/又はその他の測定可能パラメータによって)測定可能な成分及び検出可能な成分を含むことができる。粒子は任意の物質、任意の形状及び任意のサイズのものである。特定の実施形態では、粒子は細胞を含むことができる。粒子の例は、限定するものではないが、血球、芽細胞、上皮、幹細胞、腫瘍細胞を含む、細胞、若しくは細菌、寄生生物、又は上述のもののうちのいずれかの断片若しくは生体液内のその他の断片を含む。血球は、生体液内に潜在的に存在する任意の正常細胞若しくは異常細胞、成熟細胞若しくは未熟細胞を含む、任意の血球、例えば、赤血球(RBC)、白血球(WBC)、血小板(PLT)及びその他の細胞であってよい。要素はまた未熟細胞又は異常細胞も含む。未熟WBCは、後骨髄球、骨髄球、前骨髄球及び芽球を含んでもよい。成熟RBCに加えて、RBCの要素は有核RBC(NRBC)及び網赤血球を含んでもよい。PLTは「巨大」PLT及びPLT凝集塊を含んでもよい。血球及び有形成分については本開示の他の箇所において更に説明されている。
例示的な粒子は、例えば、球状粒子及び非球状粒子を含む、生体液サンプル内の有形成分を含むことができる。特定の実施形態では、粒子は非球状成分を含むことができる。非球状成分の画像投影は高光学解像度撮像デバイスの焦平面内で最大化させることができる。特定の実施形態では、非球状粒子は高光学解像度撮像デバイスの焦平面内に整位される(フローの方向に実質的に平行な平面内に整位される)。いくつかの実施形態では、血小板、網赤血球、有核RBC、並びに好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、及び芽球、前骨髄球、骨髄球、若しくは後骨髄球を含む未熟WBCを含む、WBCが粒子として計数され、分析される。
本明細書で使用するとき、検出可能及び測定可能な粒子パラメータは、例えば、サイズ、形状、対称性、輪郭及び/又はその他の特徴の視覚的指数及び/又は非画像ベースの指数を含むことができる。
他の実施形態では、本開示は、例えば、本発明のキットを用いて、例えば、1)視覚的分析器内で粒子を光によって照明すること、2)PIOAL内に包囲されているサンプル粒子のデジタル化画像を得ること、及び3)画像情報に基づいて粒子を包含するサンプルを分析すること、を含む方法で粒子を撮像するための方法に関する。他の実施形態では、本方法は、処理されたサンプルを照明する前に、粒子を包含するサンプルを粒子造影剤組成物と接触させることを更に含んでもよい。
一実施形態において、分析される粒子は球状粒子、非球状粒子のうちの少なくとも1つ、又は両方を含む。別の実施形態では、粒子は少なくとも1つの球状粒子を含む。更に別の実施形態では、粒子は少なくとも1つの非球状粒子を含む。別の実施形態では、非球状粒子、又は非球状成分を有する粒子の画像投影は、フロー方向に実質的に平行な平面内で最大化される。粒子は、例えば、WBC、RBC、及び/又は血小板であってもよい。一実施形態において、非球状粒子のうちの少なくとも50%が、フローの方向に実質的に平行な平面内に整位される。別の態様では、フローセル内における本発明のPIOALの使用によって、非球状粒子のうちの少なくとも90%が、フローの方向に実質的に平行な平面内に整位されることが可能になる。
PIOAL内に包囲されたリボン状サンプルストリームの厚さよりも小さい細胞が流れると、その結果、それらの細胞はフローの方向に平行に整位される。本開示の一実施形態において、非球状粒子のうちの少なくとも92%が、フローの方向に実質的に平行な平面内に整位される。更に別の実施形態では、非球状粒子のうちの少なくとも90%が、フローの方向に実質的に平行な平面整位される。別の実施形態では、粒子のうちの少なくとも75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%又は少なくとも95%が実質的に、すなわち、フローの方向に実質的に平行な平面から20度以内に、整位される。別の実施形態では、非球状粒子及び/又は球状粒子の割合がフローの方向に実質的に平行な平面内で整位され、列挙した割合のうちの任意の2つの間の任意の範囲、例えば、少なくとも75〜85%、75〜80%、及び75〜92%などのその他の範囲であってもよい。
WBCなどの、PIOAL内に包囲されたサンプル内のより大きな細胞が流れる結果として生じるフローの方向に平行な方向の剪断力は、核構造、細胞基質構造若しくは顆粒又はその他の細胞内成分若しくは構造の、フローの方向に平行な平面のより近くへの位置付け、再位置付け、及び/又はより良好な位置付けを生じさせる。
一実施形態において、非球状粒子は赤血球を含む。本発明の別の態様では、球状粒子は白血球又は有核赤血球を含む。
本発明の方法の一実施形態において、粒子は非球状粒子である。一実施形態において、分析される粒子は球状粒子、非球状粒子のうちの少なくとも1つ、又は両方を含む。別の実施形態では、粒子は少なくとも1つの球状粒子を含む。更に別の実施形態では、粒子は少なくとも1つの非球状粒子を含む。別の実施形態では、非球状粒子、又は非球状成分を有する粒子の画像投影は、フローの方向に実質的に平行な平面内で最大化される。粒子は、例えば、網赤血球及び有核RBCを含む、RBC、血小板、並びに/又は好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、若しくは芽球、前骨髄球、骨髄球、若しくは後骨髄球を含む未熟WBCを含む、WBCであってもよい。一実施形態において、非球状粒子のうちの少なくとも50%が、フローの方向に実質的に平行な平面内に整位される。別の態様では、フローセル内における本発明のPIOALの使用によって、非球状粒子のうちの少なくとも90%が、フローの方向に実質的に平行な平面内に整位されることが可能になる。
本開示の一実施形態において、画像断面は、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、又は芽球、前骨髄球、骨髄球、若しくは後骨髄球を含む未熟WBCを含む、WBC内の弁別染色された核構造、弁別染色された細胞基質構造又は弁別染色された顆粒のうちの少なくとも1つを含む。別の実施形態では、球状粒子及び/又は非球状粒子のうちの少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%又は少なくとも95%が、高光学解像度撮像デバイスの焦平面又は被写界深度内に核構造、細胞基質構造又は顆粒を有する。
本発明の方法のいくつかの実施形態では、画像情報は粒子の画像断面である。いくつかの態様では、画像断面は、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、又は芽球、前骨髄球、骨髄球、若しくは後骨髄球を含む未熟WBCを含む、WBC内の弁別染色された核構造、弁別染色された細胞基質構造又は弁別染色された顆粒のうちの少なくとも1つを含む。
一実施形態において、本発明の方法は、フロー内の粒子及び粒子含有物のうちの高い割合が合焦した、細胞の驚異的に高品質の画像を提供する。画像は、自動化された画像ベースのWBC弁別、並びに被検者は健康であるのか、それとも病気、疾患、異常若しくは感染症を有しているのか、並びに/又は治療に反応があるのか、それとも反応がないのかの判定、診断、予知、予測、若しくはその診断の支援に有用な形態学的異常の自動識別を可能にする。
別の態様では、本発明の組成物及び方法は、より正確な画像ベースの細胞分類及び細分類並びに標識を提供し、これにより、現在の分析器に比較して手作業の見直しの割合は大きく低下する。
本明細書で使用するとき、例示的な白血球(WBC)は、例えば、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、メタミエロサイ、骨髄球、前骨髄球及び芽球を含む未熟顆粒球、並びに異常白血球を含むことができる。本明細書で使用するとき、赤血球(RBC)は、例えば、正常若しくは異常赤血球、網赤血球、並びに有核赤血球を含むことができる。
本明細書で使用するとき、粘性剤は粘性剤又は粘度調節剤を含むことができる。例示的な粘性剤/粘度調節剤は、サンプルの粘度と異なる特性粘度を有し、そのため、PIOALと粘性剤が混合されると、PIOALの粘度は、粒子の整位を最大化するように変更され、又は及び/又は増大される。特定の実施形態では、リボン状サンプルストリームとPIOALとの粘度差及び/又はスピード差は、流動中の粒子に作用する剪断力を発生させることができ、それにより、整位不良を低減し、及び/又は粒子を整位させる。
本明細書で使用するとき、粒子造影剤組成物は、被検者からのサンプル内の粒子を分析するための視覚的分析器内の粒子及び/又は細胞内小器官整位液(PIOAL)と組み合わせて使用するように適合させることができる。例示的なPIOALは、一例として、被検者からのサンプル内の異なる種類の粒子の自動認識のための方法において有用である。
別の態様では、細胞は、画像を得る際に、PIOAL内に包囲されていてもよい。好適な例示的な細胞内小器官整位液が本明細書に記載されている。
一実施形態において、本開示は、視覚的分析器において使用するためのPIOALに関する。特定の実施形態では、PIOALは、緩衝剤;pH調整剤;緩衝剤;粘性剤/粘度調節剤;イオン強度調節剤、界面活性剤、キレート剤、及び/又は抗菌剤のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
一態様において、PIOALは2つ以上の粘性剤/粘度調節剤を含んでもよい。
一態様において、本発明のPIOALは約1〜約10センチポアズの粘度を有してもよい。一実施形態において、本発明のPIOALは粘性剤/粘度調節剤を含んでもよい。一実施形態において、PIOALは最大100%の粘性剤を含む。
本明細書で使用するとき、粘性剤及び/又は粘度調節剤は、光学的透明性を含む、撮像システムにおける使用のために適切な光学特性を有し、約1〜約10センチポアズの粘度を達成するために好適な任意の物質を含むことができる。一般的に、粘性剤又は粘度調節剤は非毒性で生体適合性があり、細胞構造及び含有物を実質的に無傷のまま残す。粘性剤及び/又は粘度調節剤は、グリセロール、グリセロール誘導体、エチレングリコール、プロピレングリコール(ジヒドロキシプロパン)、ポリエチレングリコール、水溶性ポリマー及び/又はデキストランのうちの少なくとも1つを含んでもよい。一態様において、PIOAL内の粘性剤/粘度調節剤はグリセロールであってもよい。一例として、一態様において、PIOAL内の粘性剤/粘度調節剤はグリセロール誘導体であってもよい。一例として、一態様において、PIOAL内の粘性剤/粘度調節剤はポリビニルピロリドン(PVP)であってもよい。別の例として、PIOAL内の粘性剤/粘度調節剤はエチレングリコールであってもよい。別の例として、PIOAL内の粘性剤/粘度調節剤はプロピレングリコール(ジヒドロキシプロパン)であってもよい。別の例として、PIOAL内の粘性剤/粘度調節剤はポリエチレングリコールであってもよい。別の例として、PIOAL内の粘性剤/粘度調節剤は水溶性ポリマー又はデキストランであってもよい。他の態様では、PIOAL内の粘性剤/粘度調節剤は、グリセロール、グリセロール誘導体、エチレングリコール、プロピレングリコール(ジヒドロキシプロパン)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール、水溶性ポリマー又はデキストランのうちの2つ以上を含んでもよい。粘性剤/粘度調節剤は、光学的透明性を含む、撮像システムにおける使用のために適切な光学特性を有し、約1〜約10センチポアズの粘度を提供するために好適な任意の薬剤を含んでもよい。
本明細書で使用するとき、他の例示的な粘性剤/粘度調節剤は、例えば、アカシア、トラガカント、アルギン酸、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、ゼラチン、セルロース、アルギン酸塩、デンプン、糖類、デキストラン;ゼラチン;デキストロース、フルクトース;ポリデキストロース;デキストラン;ポリデキストラン;単糖類;及び多糖類などの糖類(及び誘導体)などの、天然親水コロイド(及び誘導体);グリセロール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルデンプン(ヘタスターチ)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)などの、半合成親水コロイド(及び誘導体);ポリビニルアルコール(PVA)及び/又はカーボポール(登録商標)などの、合成親水コロイド(及び誘導体)、を含むことができる。その他の細胞適合性粘性剤/粘度調節剤もこの目的のために有用と考えられる。
別の態様では、PIOAL内の粘性剤/粘度調節剤は、PIOALの約1〜約50%(v/v)の濃度で存在するグリセロールであってもよい。一例として、一実施形態において、粘性剤/粘度調節剤はPIOAL内に約5.0%〜約8.0%(v/v)の濃度で存在してもよい。別の態様では、粘性剤/粘度調節剤は約6.5%(v/v)の濃度で存在してもよい。一実施形態において、粘性剤/粘度調節剤は、約6.5%(v/v)の濃度で存在するグリセロールである。
更に別の実施形態では、PIOALは、約30%(v/v)の濃度で存在するグリセロール粘性剤/粘度調節剤を含むことができる。
別の態様では、PIOAL内の粘性剤/粘度調節剤は、約0.5〜約2.5%(w/v)の濃度で存在するPVPであってもよい。一例として、一実施形態において、粘性剤/粘度調節剤PVPはPIOAL内に約1.0〜約1.6%(w/v)の濃度で存在してもよい。一実施形態において、PVPは約1.0%(w/v)の濃度で存在する。
別の態様では、PIOAL内の粘性剤/粘度調節剤はPVP及びグリセロールであってもよい。一例として、一実施形態において、グリセロールは、PIOAL内に約1%(w/v)のPVPと組み合わせて約5%(v/v)の濃度で存在してもよい。
一実施形態において、本発明のPIOALは、粒子を撮像するための視覚的分析器において用いられてもよい。一態様において、視覚的分析器は、対称的な流路を有するフローセル、及びオートフォーカス構成要素を備える。
グリセロールなどの粘性剤及び/又は粘度調節/調整剤がPIOAL内に含まれてもよい。粘性剤、又は粘度調節剤は、導入されると、PIOALの粘度を所望の範囲に適切に調整することができる。PIOALの粘度を十分に増大させ、フロー内の細胞の高品質撮像を可能にする好適な光学特性を有する任意の好適な粘性剤が用いられてよい。PIOALは、細胞及び/又は細胞構造を、フローの方向に実質的に平行である単一の平面内に整位させるために好適な粘度を有することになり、それにより、部分的に、粒子の合焦した含有物を増加させる。
PIOALは本開示のいずれかの分析器と共に用いられてもよい。
本明細書で使用するとき、用語「グリセロール」は、グリセロール、及びグリセロールの誘導体(以下、グリセロール誘導体と呼ばれる)を包含する。グリセロール誘導体の例としては、チオグリセロール、ポリグリセロール、及び同様のものが挙げられる。ポリグリセロールの使用可能な例としては、ジグリセロール、ポリグリセリン#310(阪本薬品工業株式会社)、ポリグリセリン#750(阪本薬品工業株式会社)、ポリグリセリン#500(阪本薬品工業株式会社)、及び同様のものが挙げられる。
別の実施形態では、本開示のPIOALはpH調整剤を更に含む。一態様において、PIOAL及び/又はサンプルの最終pHは約6.0〜約8.0である。別の態様では、PIOAL及び/又はサンプルの最終pHは約6.6〜約7.4である。一態様において、PIOALの最終pHは、調製されたサンプル12B(図8参照)と同じpHであってもよい。
例示的なpH調整剤は、例えば、酸(例には、有機酸及び鉱酸がある)、塩基(例には、有機塩基、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物がある)を含むことができる。例示的な有機酸は、酢酸、乳酸、ギ酸、クエン酸、シュウ酸、及び尿酸を挙げることができる。例示的な鉱酸としては、例えば、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸、臭化水素酸及び過塩素酸を挙げることができる。例示的な有機塩基としては、例えば、ピリジン、メチルアミン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ヒスチジン、ホスファゼン、及びカチオンの水酸化物を挙げることができる。例示的なアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物としては、例えば、水酸化カリウム(KOH)、水酸化バリウム(Ba(OH))、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化ストロンチウム(Sr(OH))、水酸化カルシウム(Ca(OH))、水酸化リチウム(LiOH)、及び水酸化ルビジウム(RbOH)を挙げることができる。
いくつかの実施形態では、緩衝剤を用いて、PIOALのpHは、好ましくは約6.0〜約8.5、より好ましくは約7.0〜約8.0に維持される。いくつかの実施形態では、PIOALのpHを調整するために緩衝剤をPIOALに添加することが望ましい。任意の好適な緩衝剤又は緩衝剤群が、その薬剤又は薬剤群がPIOALのpHを適当な範囲に調整するかぎり、用いられてよい。このような緩衝剤の例としては、PBS、Goodの緩衝剤(具体的には、トリス緩衝液、MES、ビス−トリス、ADA、PIPES、ACES、MOPSO、BES、MOPS、TES、HEPES、DIPSO、TAPSO、POPSO、HEPPSO、EPPS、トリシン、ビシン、TAPS、及び同様のもの)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、ベローナルナトリウム−HCl、コリジン−HCl、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−マレイン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−HClが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、又は組み合わせて用いられてもよい。
別の実施形態では、本発明のPIOALは、結果として生じる配合のイオン強度を調整するためのイオン強度調節剤を含む。例示的なイオン強度調節剤としては、Li、Na、K、Mg++、Ca++、Cl、Br、HCO 、硫酸塩、ピロ硫酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩(例えば、ピロリン酸カリウム)、クエン酸塩、カコジル酸塩又はその他の好適な塩が挙げられる。一実施形態において、PIOALは等張性であってもよい。
界面活性剤がPIOALに添加されてもよい。界面活性剤の種類は、それらがPIOALの他の成分に適合し、リボン状サンプルストリーム、及びサンプル内の粒子に適合しているかぎり、特に限定されない。界面活性剤は、例えば、陽イオン活性剤、陰イオン活性剤、非イオン活性剤、及び両性界面活性剤を含んでもよい。例示的な界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤、(例えば、ニッサンノニオンNS−240(日油株式会社、登録商標))、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル型界面活性剤(例えば、レオドールTW−0120(花王株式会社、登録商標))、ポリオール共重合体(例えば、PLURONIC F−127、F−123、F−109、F−87、F−86、F−68、T−1107、T−1102(BASF Corporation、登録商標))、MEGA−8、スクロースモノカプラート、デオキシBIGCHAP、n−オクチル−β−D−チオグルコシド、n−ノニル−β−D−チオマルトシド、n−ヘプチル−β−D−チオグルコシド、n−オクチル−β−D−チオグルコシド、CHAPS、CHAPSO、及び同様のものが挙げられ、用いられてもよい。他の界面活性剤としては、サンプル及びリボン状サンプルストリーム適合濃度におけるトリトンX−100及びTween 20が挙げられる。
PIOAL内の界面活性剤の濃度は好ましくは、サンプル内の細胞などの粒子が影響を受けず、及び/又は実質的に無傷のまま残る濃度レベルである。具体的には、濃度は好ましくは、5〜5000mg/L、より好ましくは100〜3000mg/Lである。
分析器を用いて、サンプル内に包含された粒子を分析すると、リン酸アンモニウム、リン酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの非結晶塩がサンプル内に沈殿する場合がある。これらの非結晶塩を溶解するためにキレート剤がPIOALに添加されてもよい。キレート剤の添加は、非結晶塩を溶解することだけでなく、PIOALの酸化を抑止することも可能にする。キレート剤の使用可能例としては、EDTA塩、CyDTA、DHEG、DPTA−OH、EDDA、EDDP、GEDTA、HDTA、HIDA、メチル−EDTA、NTA、NTP、NTPO、EDDPO、及び同様のものが挙げられる。PIOAL内のキレート剤の濃度は0.05〜5g/Lの範囲内が好ましい。
別の実施形態では、PIOALは1つ以上の抗菌剤を更に含んでもよい。いくつかの態様では、抗菌剤は、例えば、殺真菌作用を有する物質(殺真菌剤)及び/又は殺菌作用を有する物質(殺菌剤)であってもよい。特定の実施形態では、好適な抗菌剤は、例えば、パレベン、イソチアゾリノン、フェノール類、酸性保存剤、ハロゲン化化合物、クオータニア、及びアルコールを含むことができる。例示的なパラベンとしては、パラベン及びパラベン塩を挙げることができる。例示的なイソチアゾリノンとしては、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、ベンズイソチアゾリノンプロクリン150、プロクリン200、プロクリン300、及びプロクリン950を挙げることができる。例示的なフェノールの種類としては、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、及びフェネチルアルコールを挙げることができる。例示的な酸性保存剤としては、デヒドロ酢酸、安息香酸、ソルビン酸、サリチル酸、ギ酸、プロピオン酸を挙げることができる。例示的なハロゲン化化合物としては、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、クロロアセトアミド、クロロブタノール、クロロキシレノール、クロルフェネシン、ジクロロベンジルアルコール、ヨードプロピニルブチルカルバメート、メチルジブロモグルタロニトリルを挙げることができる。例示的なクオータニアとしては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、ヘキサミジンジイセチオネート、及びポリアミノプロピルビグアニドを挙げることができる。例示的なアルコールとしては、エチルアルコール及びイソプロピルアルコールを挙げることができる。それらの例としては、トリアジン抗菌剤、チアゾール殺菌剤(例えば、ベンゾイソチアゾロン等)、ピリチオン、ピリジン殺菌剤(例えば、1−ヒドロキシピリジン−2−チオナトリウム等)、2−フェノキシエタノール、及び同様のものが挙げられる。具体的には、Proxel GXL(Avecia)、TOMICIDE S(エーピーアイコーポレーション)、及び同様のものが用いられてもよい。殺菌剤及び/又は殺真菌剤はPIOALの安定性の向上に役立つ。
一実施形態において、抗菌剤の濃度は0.01%〜0.5%(w/v)であってもよい。濃度は0.03〜0.05%(w/v)であってもよい。
本実施形態においてPIOALを使用する分析器を用いて分析を受けるサンプルは特に限定されない。生体から得られたサンプル(生体サンプル)が普通用いられる。代替的に、それらのサンプルは使用のために希釈すること、精製すること、造影剤と接触させること、又は同様のことができる。具体的には、このようなサンプルの例は、血液、精液、脳脊髄液、及び同様のものを含んでもよい。サンプルは、組織サンプル由来の粒子懸濁液を含んでよもよい。本実施形態におけるPIOALは、粒子(赤血球、白血球、細菌、等)を分析する際に、好適に用いられる。
本発明のPIOALは、粒子を撮像する視覚的分析器において用いられてもよい。一態様において、視覚的分析器は、有利なリボン状サンプルストリーム厚さなどの、所定の寸法特性を有するリボン状サンプルストリームの流動を維持する能力を有するフローセルを備える。いくつかの実施形態では、フローセルは対称的な流路を有し、オートフォーカス構成要素と組み合わせて用いられてもよい。
本開示は、1)サンプルを粒子造影剤組成物と接触させることと、2)調製された粒子を照明することと、3)PIOAL内に包囲されたリボン状サンプルストリーム内の粒子のデジタル化画像を得ることと、4)粒子を分類又は細分類するために画像情報を分析することと、を含む、粒子を撮像するための方法に関する。いくつかの実施形態では、粒子は、例えば、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、網赤血球、有核RBC、芽球、前骨髄球、骨髄球、若しくは後骨髄球、細胞、細菌、寄生生物、粒子状物質、細胞凝集塊、細胞成分、並びに未熟顆粒球を含む、WBC、RBC、並びに/又は血小板のうちの少なくとも1つであってもよい。いくつかの実施形態では、血小板、網赤血球、有核RBC、並びに好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、及び芽球、前骨髄球、骨髄球、若しくは後骨髄球を含む未熟WBCを含む、WBCが粒子画像情報に基づいて計数され、分析される。
いくつかの実施形態では、視覚的分析器は、対称的若しくは非対称的な流路を有するフローセル、並びにオートフォーカス構成要素を備える。
一般的態様では、例示的なPIOAL及びその使用法は、研究所及び/又は医学研究室にある自動分析器と組み合わせて用いると、有用である。例示的な自動分析器は、例えば、ヒト体液サンプルを含む、多数の生体サンプル内の異なる有形成分及び/又はその他の特性を、人間の補助を最小限に抑えて迅速に測定するために設計された機器である。例示的な自動分析器としては、例えば、例として、完全血球計数(CBC)決定を実行することができる、血液分析器及び/又は細胞計数器を挙げることができる。例示的な分析器はサンプルを、単独で、数回に分けて、又は連続的に処理することができる。
一態様において、例示的な分析器/システムは、1つ以上の選択基準を満たす複数の粒子を検出し、それらの粒子計数を提供するように構成される自動粒子計数器を備える。ここで、選択基準は前記粒子内の少なくとも2つのカテゴリの要素を包含する。計数器の構成要素を含んでもよいプロセッサを備えてもよい分析器を、少なくとも2つのカテゴリの粒子を識別するようにプログラムする。分析器を用いて粒子のそれぞれの分布を決定する。プロセッサは分布を用いて、少なくとも2つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリのうちの少なくとも1つの要素についての粒子計数を補正する。いくつかの実施形態では、粒子計数器は、体積、サイズ、形状、及び/又はその他の基準に基づく所定の範囲に基づいて少なくとも1つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリの粒子の粒子計数を提供するように構成される少なくとも1本のチャネルを備える。例えば、少なくとも1つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリの要素は、白血球(WBC)、赤血球(RBC)、巨大血小板(PLT)、及び有核赤血球(NRBC)のサブカテゴリからなる群から選択される少なくとも1種類の粒子を含む。粒子計数器上では、同様のサイズ又はその他の測定特性のために、巨大PLT及びNRBCなどの細胞はWBCとして計数される場合がある。本明細書に記載されているように装置を運用することによって、巨大PLT及びNRBCの粒子計数又は濃度を正確に測定することができる。
サンプルは、例えば、体液サンプル、血液、血清、脳脊髄液、胸水、腹水、唾液、精液、涙、汗、乳汁、羊水、洗浄液、骨髄アシレート、体腔液、滲出液を含む、分離され、及び/又は調製された生体サンプル、あるいは被検者から得られたその他のサンプル(例えば、細胞懸濁液を作成するために処理された生検サンプル、又は粒子を含む試験室サンプル若しくは生産ラインサンプル)であることができる。いくつかの実施形態では、サンプルは、固形組織サンプル、例えば、細胞懸濁液を作成するために処理された生検サンプルであることができる。サンプルは、糞便サンプルを処理することから得られる懸濁液であってもよい。サンプルは、細胞培養サンプルなどの、粒子を含む、試験室サンプル、化学サンプル、工業サンプル又は生産ラインサンプルであってもよい。用語、サンプルは、患者若しくは試験室から得られるサンプル又はそのいくらかの割合、部分若しくは一定分量に言及するために用いられてもよい。サンプルは、いくつかのプロセスにおいて、希釈するか、部分に分割するか、又は造影剤を用いて処理することができる。
本明細書に開示されている方法は、哺乳類、例えば、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、サル)、ウマ、ウシ若しくはその他の家畜、イヌ、ネコ若しくはペットとして飼われるその他の哺乳類、ラット、マウス、若しくはその他の実験動物;鳥類、例えば、ニワトリ;爬虫類、例えば、ワニ;魚類、例えば、サケ及びその他の養殖種;並びに両生類を含む、広範囲の生物からのサンプルに適用可能である。
サンプルは任意の通常の方法、例えば、排泄、摘出、採取、吸引、又は生検、によって得ることができる。サンプルは、健康であると考えられる被検者からのもの、例えば、定期健康診断の一部として収集されるサンプルであることができる。サンプルはまた、障害を有する被検者、障害のリスクがある被検者、又は障害を有する疑いがある被検者からのものであることもできる。障害は、病気、遺伝的異常、感染、けが又は未知の原因の結果であり得る。代替的に、又は追加的に、方法は、障害の治療の最中の被検者の監視に有用であり得る。治療及び/又は療法に対する非反応性の兆候が生じた場合には、臨床医は代替薬又は補助剤を選ぶことができる。被検者の状態及び、特定の障害がある場合にはそれに依存して、サンプルは、毎日、毎週、毎月、又は毎年1回(若しくは2回、3回、等)収集することができる。
粒子はサンプルによって異なり得る。粒子は、生体細胞、例えば、血球、芽細胞、幹細胞、腫瘍細胞又はそれらの断片であることができる。いくつかの実施形態では、粒子は感染病原体、例えば、ウィルス又は細菌、であることができる。
本開示においてなされる「血球」への言及は、生体液内に潜在的に存在する任意の正常細胞又は異常細胞、成熟細胞又は未熟細胞、例えば、赤血球(RBC)、白血球(WBC)、血小板(PLT)及びその他の細胞、を包含すると理解されることになる。一般的に、正常なRBC、PLT、及びWBCはそれぞれ、6〜8μm、2〜3μm、及び8〜15μmの範囲内の粒子直径を有する。正常なRBC、PLT及びWBCはそれぞれ、正常な患者からの全血サンプル内に、3.9〜5.7×1012細胞/L、1.4〜4.5×1011細胞/L、3.5〜11×109細胞/Lのおおよその濃度範囲内で存在する。Barbara J.Bain,Blood Cells,A Practical Guide,4th ed.,Blackwell Publishing,2007,34〜36を参照されたい。
「有形成分」への言及は、生体液サンプル内に存在する非流体成分を包含すると理解されることになる。有形成分は、例えば、赤血球(RBC)、白血球(WBC)及び血小板(PLT)を含む科学的類別又は生理機能に基づく血球の種別、WBC凝集塊、成熟リンパ球、及び単球、好中球、好酸球、好塩基球などの未熟白血球を含む、白血球のサブクラスを含む。本明細書において使用するための「有形成分」はまた、微生物、細菌、真菌、寄生生物、若しくはそれらの断片又はその他の細胞片などの粒子も含むことになる。WBCの主要要素は、限定するものではないが、好中球、リンパ球、単球、好酸球、及び好塩基球を含む。要素はまた未熟細胞又は異常細胞も含む。例えば、未熟WBCは、後骨髄球、骨髄球、前骨髄球を含んでもよい。成熟RBCに加えて、RBCの要素は有核RBC(NRBC)及び網赤血球を含んでもよい。PLTは、普通のPLT、及びサイズが普通のWBCのものに近い「巨大」PLTを含んでもよい。本開示においてなされる粒子のカテゴリ及び/又はサブカテゴリの「要素(member)」又は「要素群(members)」への言及は、粒子のカテゴリ又はサブカテゴリ内の個々の粒子を包含すると理解されることになる。
別に明示的に指示されないかぎり、本開示においてなされる粒子の「カテゴリ」への言及は、サイズ、形状、きめ、又は色などの測定、検出又は導出される少なくとも1つの検出基準を用いて検出された粒子のグループを包含すると理解されることになる。いくつかの実施形態では、本開示の装置によって計数される粒子の少なくとも1つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリの要素は、同じ種類の有形成分であることになる。
このような粒子は「チャネル」内で検出されてもよい。本開示においてなされる「チャネル」への言及は、信号源に結合され、少なくとも1つのチャネル検出基準を満たす粒子の検出の多少によって変化する出力を提供する検出器を備える粒子計数器の一部分を包含すると理解されることになる。例えば、チャネル検出基準は粒子のサイズ又は体積に基づくことができる。いくつかの実施形態では、粒子計数器内のチャネルの数は1本である。いくつかの他の実施形態では、粒子計数器内のチャネルの数は2本以上である。
粒子計数器の1本のチャネル内で検出される粒子の1つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリは、粒子の異なる種別及びサブクラス、並びに2つ以上のサブクラス内の粒子のグループ化した要素を含む場合がある。本開示においてなされる粒子の「カテゴリ」への言及は、サイズ、形状、きめ、又は色などの測定、検出又は導出される基準に対応する粒子のグループ化を包含すると理解されることになる。いくつかの実施形態では、本開示の装置によって計数される粒子の少なくとも1つのカテゴリ及び/又はサブカテゴリの要素は、同じ種類の有形成分であることになる。
本明細書で使用するとき、「整位(alignment)」は部分的に、球状粒子及び/又は非球状粒子の整位によって特徴付けることができる。例えば、非球状粒子などの粒子は、フローの方向に実質的に平行な平面内に整位されてもよい。特定の実施形態では、非球状粒子の整位は、粒子の配向によって特徴付けられる高光学解像度撮像デバイスの焦平面内の撮像条件下での非球状粒子の画像投影を増大させる。球状粒子などの粒子は、粒子及び細胞の合焦した粒子内含有物の量が増加してもよく、これは、粒子の分類及び細分類のための視覚的相違を生み出すために有効となる。球状粒子などの粒子の粒子内構造は、フローの方向に実質的に平行になるように位置付けられ、再位置付けされ、及び/又はより良好に位置付けられてもよい。例えば、細胞内構造、小器官又は葉も、フローの方向に実質的に平行になるように位置付けられ、再位置付けされ、及び/又はより良好に位置付けられてよい。
本開示においてなされる粒子の「種別(class)」への言及は、科学的類別に基づく粒子のグループを包含すると理解されることになる。例えば、全血サンプル内には、RBC、WBC及びPLTを含む、血球の3つの主要種別が存在する。
本開示においてなされる粒子の「要素(member)」又は「要素群(members)」への言及は、粒子の1つのカテゴリ又はサブカテゴリ内の粒子を包含すると理解されることになる。例えば、血球のそれぞれのカテゴリはサブカテゴリ又は要素に更に分けることができる。WBCの主要要素は、限定するものではないが、好中球、リンパ球、単球、好酸球、及び好塩基球を含む。要素はまた未熟細胞又は異常細胞も含む。例えば、未熟WBCは、後骨髄球、骨髄球、及び前骨髄球を含んでもよい。成熟RBCに加えて、RBCの要素は有核RBC(NRBC)及び網赤血球を含んでもよい。PLTは、普通のPLT、及びサイズが普通のWBCのものに近い「巨大」PLTを含んでもよい。
「未熟細胞」への言及は、特定の発達段階、例えば、骨髄の内部における段階、又は骨髄からの放出直後であるが、成熟細胞への完全な発達前の段階、における細胞を包含すると理解されることになる。
「異常細胞」への言及は、不正規の形態学的特徴を有する細胞、又は特定の病気若しくは疾患に関連付けられる細胞、あるいは場合によっては特定の病気又は疾患に関連付けられることがある、関連する不正規性を包含すると理解されることになる。特定の病気の例としては、限定するものではないが、赤血球増加症、多血症、貧血症、赤芽球減少症、白血球増加症、白血球減少症、リンパ球増加症、リンパ球減少症、顆粒球増加症、顆粒球減少症若しくは無顆粒球症、好中球増加症、好中球減少症、好酸球増加症、好酸球減少症、好塩基球増加症、好塩基球減少症、血小板増加症、血小板減少症、並びに汎血球減少症が挙げられる。細胞の種別は血流内で増加又は減少する場合がある。条件によっては、正規の白血球よりもはるかに大きい異常細胞が血液サンプル内に少濃度で存在する。サイズ、形状、色、及び/又は細胞内構造のばらつきは特定の病気又は疾患に関連付けられる場合がある。
本開示においてなされる粒子の「計数」又は「粒子計数」への言及は、粒子計数器の1本のチャネルから得られる粒子の数を包含すると理解されることになる。本開示においてなされる粒子の種別又は要素の「濃度」への言及は、単位体積当たり(例えば、1リットル当たり)、又は既知の体積のサンプル当たりの粒子の数を意味すると理解されることになる。例えば、粒子計数器は、粒子のカテゴリについての計数又は濃度若しくはその他の計数に基づく関数を提供してもよく、それに対して、視覚的分析器は、粒子のそれぞれのカテゴリ又はサブカテゴリについての計数、濃度、比若しくはその他の濃度に基づくパラメータを提供してもよい。
本開示においてなされる「比」への言及は、粒子の2つのカテゴリ/サブカテゴリ、種別又は要素の任意の量比及び/又は比率を包含すると理解されることになる。このような比の例としては、限定するものではないが、粒子の濃度、重さによる比、及び/又は数による比が挙げられる。通例、比は、1つのカテゴリ、種別又は要素の計数の、別のこのようなカテゴリ、種別又は要素の計数に対する数値的割合に関係する。いくつかの実施形態では、重みを付けた計数、又は重みを付け、及び/若しくは比例した比を用いる決定が行われてもよい。
それゆえ、本発明の実施形態は、例えば、電気的識別が難しい可能性があり得る細胞を分析するために、又は細胞の正確な電子的計数を得ることを難しくする量で存在する細胞を分析するために、例えば、電子的細胞計数及び写真による細胞撮像手法を組み合わせた、ハイブリッドシステム及び方法を包含する。
本開示はまた、サンプル内に視覚的相違を速やかに生み出すための驚くべき予想外の粒子造影剤組成物にも関する。粒子造影剤組成物は自動フローサイトメトリーシステムにおいて特に有用になり得る。粒子造影剤組成物は、粒子造影剤、透過化処理剤、及び定着剤の組み合わせで構成される。一実施形態において、粒子造影剤組成物は、クリスタルバイオレット、ニューメチレンブルー、サポニン、及びグルタルアルデヒドの混合物である。驚異的に有効な実施形態では、染色条件下において、クリスタルバイオレットは、約7.8μMの濃度を生じさせるのに十分な量で存在し、ニューメチレンブルーは、約735μMの濃度を生じさせるのに十分な量で存在し、サポニンは、約50mg/L〜約750mg/Lの濃度を生じさせるのに十分な量で存在し、組成物は、約27μMの濃度を生じさせるのに十分な量で存在するエオシンYを更に含み、グルタルアルデヒドは、0.1%以下の濃度を生じさせるのに十分な量で存在する。
これらの実例は、ここに記載されている全体的な主題を読者に紹介するために与えられており、開示される概念の範囲を限定するように意図されてはいない。以下の節は図面を参照しながら種々の追加の特徴及び例を説明する。図面では、同様の符号は同様の要素を指示し、例示的な実施形態を説明するために方向の説明が用いられているが、例示的な実施形態と同様に、本開示を限定するために用いられるべきではない。本明細書における図内に含まれる要素は原寸に比例して描かれていない場合がある。
本発明の粒子造影剤組成物は、血液流体サンプルに加えられると、標準的な血液塗抹標本染色剤を用いて処理した血液塗抹標本のものと同様の、特に、Wright染色液を用いた血液塗抹標本染色と同様の、このようなサンプル内の細胞の染色を生じさせる。Wright染色液は、血球種(例えばWBC)の弁別を容易にする組織染色剤である。それは主として、光学顕微鏡下で調べられる末梢血塗抹標本及び骨髄吸引液を染色するために用いられる。細胞遺伝学では、それは、症候群及び病気の診断を容易にするべく染色体を染色するために用いられる。緩衝Wright染色液、Wright−Giemsa染色液、及び緩衝Wright−Giemsa染色液として知られる関連染色液が存在する。Wright染色プロセスはアルコール溶媒を必要とするため、この染色手順は生細胞に対して破壊性があり、実質的に無傷の細胞は得られない。より濃い着色を生み出すMay−Grunwald染色液も実行するのに長い時間を要する。
本発明の態様及び実施形態は、例えば、染色剤/染料組成物を含む、特定の粒子造影剤組成物、及び/又はそれらの組み合わせは、血液分析などの、自動化された画像ベースのサンプル分析を実行するために用いると、予想外の特性及び有効性を有するという驚くべき予想外の発見に基づく。
本明細書に開示されている組成物及び方法は様々な種類の血液撮像システムと共に用いることができる。特に、本明細書に記載されている組成物及び方法は、フローセル分析などの、画像ベースのサンプル分析に用いることができる。このようなフローセル分析の一例としては、伝統的な周知のフローサイトメトリーの方法を挙げることができる。加えて、本明細書に記載されている組成物及び方法は、以下においてに簡潔に説明され、2014年3月17日に出願された、「Flowcell Systems And Methods For Particle Analysis In Blood Samples」、出願番号第__/___、___号、及び2014年3月17日に出願された、「Hematology Systems and Methods」、出願番号第PCT________、と題する同時出願の出願に更に説明されている、フローセル分析システム及び方法と共に有利に用いることができる。これらの出願はどちらも本明細書において参照により組み込まれている。
粒子造影剤組成物
図A1は、一実施形態に係る、粒子造影剤組成物の調整の概略図である。ブロック208において、粒子造影剤202、透過化処理剤204、及び固定剤206が組み合わされて、粒子造影剤組成物210を形成する。一実施形態において、粒子造影剤202、透過化処理剤204、及び固定剤206が同時に組み合わされる。他の実施形態において、粒子造影剤202、透過化処理剤204、及び固定剤206の1つが、粒子造影剤202、透過化処理剤204、及び固定剤206の別の1つと組み合わされ、これがその後、粒子造影剤202、透過化処理剤204、及び固定剤206の残りの1つと組み合わされる(順不同)。ブロック208における組み合わせは、順不同で、いずれかの好適な方法で行われ得る。
別の実施形態において、透過化処理剤204及び固定剤206の一方が、粒子造影剤組成物210に含まれない。更に別の実施形態において、ブロック208において、追加的な材料が、粒子造影剤組成物210の一部として組み合わされ、これは以下でより詳細に記載される。
粒子造影剤組成物210はキットの一部として提供されてもよい。粒子造影剤組成物210は、事前に調製されたものとして、又は組み合わされるべき1つ以上の成分として提供され得る。
粒子造影剤
粒子造影剤202は、Wright染色剤と同様ものなど、視認可能な区別を生じることができる、いずれかの造影剤であり得る。このような造影剤の例としては、アルシアンブルー及びアルシアンブルー86(PAS中性、及び酸性粘液物質)、アリザリンレッドS、アルーラレッドAC(アゾダイ赤色染色剤#40)、アナリンブルー(シュウ酸により強化された繊毛)、オーラミンO、アズールB、アズールC、ビスマルクブラウン、ブリリアントブルーFCF(クマシーブルー)、ブリリアントクレシルブルー、ブリリアントグリーン、カルミウム(カルミン酸及びカリウムミョウバンからなるレッドヌクレア染色剤)、コンゴレッド、クロロゾルブラックE(ヌクレイブラック(nuclei black)、サイトーグレー、グリコーゲンピンク)、酢酸クレシルバイオレット、ダローレッド、エオシンブルーイッシュ、エリスロシンB(赤色染色剤#3)、エチルエオシン、ファストグリーンFCF(緑色染色剤#3)、フクシンベーシック(Fuchin basic)(核及び鞭毛)、フルオレセイン−(マーキュロクロム)、ギームザ−末梢血スメア、ハリスヘマトキシリン−退行性核染色剤、インジゴカルミン(青色染色剤#2)、ヤーヌスグリーンB(ミトコンドリア)、ジェンナー染色剤−(末梢血スメア)、ライトグリーンSFイエローイッシュ、マックニール−(テトラクローム血液染色剤)、マラカイトグリーン、メチルオレンジ、マルチウスイエロー、マイヤーのヘマトキシリン−進行性各染色剤、メチルバイオレット2B、メテナミンシルバー−過ヨウ素酸、メチレンバイオレット、メイ・グリュンワルド血液学的染色剤、MTT−ホルマザン染色剤、ムシカルミン−原発腫瘍染色剤、ニュートラルレッド、ニグロシン、ナイルブルーA、ヌクレアファストレッドC.I.、60760、ナフトールAS(Napthal AS)、ニトロブルーテトラゾリウム−ファストホルマザン染色剤、オレンジG、オレンジII、オルセイン、パパニコロー染色剤EAS−ブリリアント細胞質染色、パラローザニリン、パラローザナリン、過ヨウ素酸−シッフ染色法(PAS、特異的炭水化物染色剤)、フロキシン(Phyloxine)B、プロタルゴールS、ピロニンB、ピロニンY、レサズリン、ロマノフスキー−ギームザ、ローズベンガル、サフラニンO、スーダンブラックB、スーダンIII(アルファナフトール染色剤、骨髄顆粒を備える)、スーダンIV−染色剤トリグリセリド、タルトラジン(アゾ染色剤イエロー#5)、チオニン染色剤メタクロマチン、トリフェニルテトラゾリウム、TTC−ホルマザンレッド染色剤、トルイジンブルーO、Wright染色剤(従来敵な血液スメアのための、固定剤、緩衝剤、及び染色剤)、及びWrightギームザが挙げられる。
かなりの努力及び実験により、以下でより詳細に記載されるように、クリスタルバイオレット、ニューメチレンブルー、サフラニンO、エオシンY、及びメチルグリーンの少なくとも1つを含む、粒子造影剤202を使用して、粒子造影剤組成物210内で驚くほど有効な結果が達成され得ることが発見された。粒子造影剤202は、画像に基づく分類、及び細分類のために、生存し、及び/又は実質的に無傷な細胞を染色するために有効な量で添加される。粒子造影剤202は、上記の粒子造影剤の2つ以上のいずれかの組み合わせであり得る。粒子造影剤202は、生存し、及び/実質的に無傷な細胞の「Wright様式」に染色した画像を効果的に得るように選択することができる。
一実施形態において、粒子造影剤202はクリスタルバイオレットを含む。クリスタルバイオレットは、染色条件下において、約1μM〜約100μMを達成するのに十分な量で存在し得る。本明細書において使用するとき、用語「染色条件下」とは、成分がサンプルと混合されるときのことを指す。クリスタルバイオレットは、染色条件下において、約6μM〜約10μMを達成するのに十分な量で存在し得る。クリスタルバイオレットは、染色条件下において、約7.8μMを達成するのに十分な量で存在し得る。クリスタルバイオレットは、染色条件下において、ほぼ7.8μMを達成するのに十分な量で存在し得る。クリスタルバイオレットは、少なくとも90%の純度であり得る。クリスタルバイオレットは、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、又は98%の純度まで精製され得る。クリスタルバイオレットは、少なくとも99%の純度であり得る。粒子造影剤202は、クリスタルバイオレットのみであってもよく、又は1つ以上の追加的な粒子造影剤と組み合わされたクリスタルバイオレットであってもよい。
一実施形態において、粒子造影剤202はニューメチレンブルーを含む。ニューメチレンブルーは、染色条件下において、約70μM〜約2.4mMを達成するために十分な量で存在し得る。ニューメチレンブルーは、染色条件下において、約500μM〜約950mMを達成するために十分な量で存在し得る。ニューメチレンブルーは、染色条件下において、約735mMを達成するために十分な量で存在し得る。ニューメチレンブルーは、染色条件下において、ほぼ735mMを達成するために十分な量で存在し得る。ニューメチレンブルーは、少なくとも70%の純度まで精製され得る。ニューメチレンブルーは、少なくとも71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の純度まで精製され得る。ニューメチレンブルーは、少なくとも100%の純度まで精製され得る。
いくつかの実施形態において、粒子造影剤202が、クリスタルバイオレット及びニューメチレンブルーの両方を含むときに、驚くほど有効な結果が達成される。クリスタルバイオレットとニューメチレンブルーとの比は、約1:1〜約1:500(モル/モル)であり得る。クリスタルバイオレットとニューメチレンブルーとの比は、約1:50〜約1:160(モル/モル)であり得る。クリスタルバイオレットとニューメチレンブルーとの比は、約1:90〜約1:110(モル/モル)であり得る。
一実施形態において、粒子造影剤202は、エオシンYを含む。エオシンYは、染色条件下において、約3μM〜約300μmを達成するために十分な量で存在し得る。エオシンYは、染色条件下において、約10μM〜約50μMを達成するのに十分な量で存在し得る。エオシンYは、染色条件下において、約27μMを達成するのに十分な量で存在し得る。エオシンYは、染色条件下において、ほぼ27μMを達成するのに十分な量で存在し得る。エオシンYは、少なくとも80%の純度であり得る。エオシンYは、少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の純度まで精製され得る。エオシンYは、少なくとも100%の純度まで精製され得る。
いくつかの実施形態において、粒子造影剤202が、クリスタルバイオレット、ニューメチレンブルー、及びエオシンYの組み合わせであり、それぞれが、上記の濃度及び純度の組み合わせを有するとき、驚くほど有効な結果が達成された。いくつかの実施形態において、粒子造影剤202は、具体的に、約7.8μMを達成するのに十分な量で存在するクリスタルバイオレット、約735μMを達成するのに十分な量で存在するニューメチレンブルー、及び約27μMを達成するのに十分な量で存在するエオシンYである。いくつかの実施形態において、粒子造影剤202は、具体的に、約7.8μMを達成するのに十分な量で存在する少なくとも99%純度のクリスタルバイオレット、約735μMを達成するのに十分な量で存在する少なくとも99%純度のニューメチレンブルー、及び約27μMを達成するのに十分な量で存在する少なくとも99%純度のエオシンYである。
一実施形態において、粒子造影剤202は、サフラニンOを含む。サフラニンOは、染色条件下において、約1μM〜約100μmを達成するために十分な量で存在し得る。サフラニンOは、染色条件下において、約3μM〜約30μMを達成するのに十分な量で存在し得る。サフラニンOは、染色条件下において、約9μMを達成するのに十分な量で存在し得る。サフラニンOは、染色条件下において、ほぼ9μMを達成するのに十分な量で存在し得る。サフラニンOは、少なくとも80%の純度であり得る。サフラニンOは、少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の純度まで精製され得る。サフラニンOは、少なくとも100%の純度であり得る。
一実施形態において、粒子造影剤202はメチルグリーンを含む。メチルグリーンは、染色条件下において、約0.1g/Lを達成するために十分な量で存在し得る。メチルグリーンは、染色条件下において、ほぼ0.1g/Lを達成するために十分な量で存在し得る。メチルグリーンは、少なくとも80%の純度であり得る。メチルグリーンは、少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の純度まで精製され得る。メチルグリーンは、少なくとも100%の純度であり得る。
いくつかの実施形態において、粒子造影剤202は、撮像のために提示される際に,サンプル内の粒子の細胞内容物の特徴を強調することにより、粒子内に視覚的相違を生じるために有効な量で、クリスタルバイオレット、ニューメチレンブルー、サフラニンO、エオシンY、及びメチルグリーンの1つ以上を含む。粒子造影剤202は、好中球、リンパ球、単球、好酸球、及び好塩基球、並びに網状赤血球、有核赤血球、血小板、芽球、前骨髄細胞、骨髄細胞、後骨髄細胞、又は細胞片の細胞内構造を強調及び/又は染色するために十分な量で存在する。可視化可能な、又は視覚的相違は、いずれかの光源(例えば、紫外線、可視光、赤外線)を使用して、可視化可能な、ないしは別の方法で検出可能であり得る、いずれかの粒子又は粒子内構造を含み得る。
粒子造影剤組成物210が、2つ以上の粒子造影剤202を含む実施形態において、各粒子造影剤202の量は、粒子造影剤202が、粒子の分類及び細分類のための視覚的相違を生成する上で、別個の、競合、及び/又は増強効果を有するかどうかによって、適切に調整することができる。
透過化処理剤
いくつかの実施形態において、透過化処理剤204は、界面活性剤を含み得る。いくつかの実施形態において、透過化処理剤204は、サポニンを含み得る。別の実施形態において、透過化処理剤204は、第四級アンモニウム塩、非イオン性界面活性剤、及び双極性界面活性剤の少なくとも1つを含み得る。透過化処理剤は、粒子造影剤202の細胞内容物へのアクセス可能性を増加させるために、細胞の透過性を変更することができる。透過化処理剤は、迅速な1ステップ染色手順を可能にするために十分な量で選択され、含まれ得る。
非イオン性界面活性剤、の例としては、(1)ポリエチレングリコール又はポリオキシエチレンエタノールへとエーテル化した直鎖脂肪族疎水性物質を含む、ポリオキシエチレンアルキル又はアリルエーテル(ポリエトキシレート)(例えば、Brij(登録商標)35)、(2)ポリエチレングリコールへとエーテル化した分岐鎖脂肪族/芳香族(例えば、オクチルフェノール)疎水性物質(例えば、Triton X(登録商標)−100)、(3)ポリエチレングリコールへとエーテル化した直鎖脂肪族/芳香族(例えば、n−ノニルフェノール)疎水性物質(例えば、Igepal(登録商標)C089、及び(4)ポリエチレングリコールにエーテル化した直鎖脂肪族(例えば、カルボン酸)疎水性物質(例えば、Myrj(登録商標)53)などが挙げられる。非イオン性ポリオキシエチレンアルキル、又はアリルエーテル(ポリエトキシレート)界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル(Brij(登録商標)30)、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(Brij(登録商標)35)、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル(Brij(登録商標)52)、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(Brij(登録商標)58)、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(Brij(登録商標)72)、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル(Brij(登録商標)76)、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル(Brij(登録商標)78)、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル(Brij(登録商標)92)、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル(Brij(登録商標)96)、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル(Brij(登録商標)98)、ポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテル(Brij(登録商標)721)、ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル(Brij(登録商標)700)などが挙げられる。非イオン性界面活性剤の更なる例としては、Triton X(登録商標)−100(非還元、又は還元)、Triton(登録商標)X−114(非還元、又は還元)、Triton X(登録商標)−165、及びTriton X(登録商標)−305(非還元及び還元)などが挙げられる。
ある実施形態において、透過化処理剤204は、染色条件において、約0.10g/L〜約0.20g/Lの濃度を生じるのに十分な量でBrij(登録商標)35を含み得る。Brij(登録商標)35は、染色条件下において、約0.10g/L〜約0.16g/Lの濃度を生じるために十分な量で存在し得る。Brij(登録商標)35は、約0.12g/L〜約0.14g/Lの濃度を生じるために十分な量で存在し得る。
双極性界面活性剤の例としては、TDAPS(テトラデシルジメチルアンモニオプロパンスルホン酸)、CHAPSO(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸)、アルキルN、約12〜16個の炭素原子を有するN−ジメチルNオキシド、ラウリルジメチルアミンN−オキシド(LO)、DDAPAS(N−ドデシル−N、N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホン酸)などが挙げられる。
いくつかの実施形態において、透過化処理剤204は、赤血球を溶解させるのに十分な剤を含む。いくつかの実施形態において、透過化処理剤204は、網状赤血球、又は有核赤血球以外の赤血球を溶解させるのに十分な剤を含む。いくつかの実施形態において、透過化処理剤204は、白血球、網状赤血球、有核赤血球、血小板、及び他の細胞が実質的に無傷なままに残る一方で赤血球を溶解させるのに十分な剤を含む。いくつかの実施形態において、透過化処理剤204は、粒子造影剤202によるアクセスを促進するために、白血球、網状赤血球、有核赤血球、及び/血小板の要素及び/又は核膜を、透過性及び/又は多孔質とする。
いくつかの実施形態において、透過化処理剤204は、粒子造影剤202がサンプル内の細胞に入れるようにするために必要な孔又は開口部を迅速に形成することができるように選択される。
かなりの努力及び実験により、Ft.Lauderdale,FloridaのClinical Diagnostic Solutions(CDS)から入手可能な5PD−Lyticを含む、透過化処理剤204を使用して、粒子造影剤組成物210のいくつかの実施形態において、驚くほど有効な結果が達成され得ることが発見された。5PD−Lyticはサポニンを含む。5PD−Lyticは一般的に米国特許番号第6,632,676号に記載され、本明細書において参照により組み込まれている。
かなりの努力及び実験により、染色条件下において、約10mg/L〜約1000mg/Lの濃度を生じるのに十分な量でサポニンを含む透過化処理剤204を使用して、粒子造影剤組成物210のいくつかの実施形態で驚くほど有効な結果が達成され得ることが発見された。いくつかの実施形態において、サポニンは約50mg/L〜約750mg/Lの濃度を生じるのに十分な量で存在する。いくつかの実施形態において、サポニンは第四級アンモニウム置換サポニンエーテルであり得る。
定着剤
いくつかの実施形態において、固定剤206は、染色及び撮像の間に赤血球が分解しないことを確実にするように選択され得る。いくつかの実施形態において、固定剤206は、他の細胞又は細胞構造が分解しないことを確実にし得る。固定材の例としては、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、架橋剤、等張食塩水内のアンモニアピクレート(例えば、メチレンブルー染色のため)、エチルアルコール、メタノール(例えば、室温−20℃、又は−70℃)、Heidenhain’s Susa−HgCl、NaClトリクロール酢酸、ホルマリン;ブアンピクリル酸、ホルマリン、酢酸;Dubosq−Brazil−ブアン(80% EtOHを有する);カルノア−EtOH、クロロホルム、酢酸;ツェンカー−HgCl2、KCrO、NaSO、HO;アセトカルミン、Gatensby’s−クロム酸、オスミウムテトロキシド、NaCl;ベイカー−ホルマリン、CaCl;スミス−KCr、ホルマリン、酢酸;1%メチルグリーン、1%酢酸;フェノール、ホルマリン、グリセロール、ジェンティアンバイオレット(Genetian violet);シャウディン−HgCl、EtOH、酢酸;シャンピー−クロム酸、KCrO、OsO;フレミング−クロム酸、OsO4、酢酸;ホルモル−銀−ホルムアルデヒド、AgNO;ストレック組織固定剤−ブロノポール、ジアゾリジニル尿素、ZnSO、7HO、クエン酸ナトリウム、PBS内の1%イミダゾリジニル尿素;グリオキサール;グリオフィックス、Prefer、Safefix、ヒストチョイス;グライダント−ヒダントイン;ジメチロール尿素;ヒドロキシメチルグリシナートナトリウム;カルノフスキー;昇汞(B−5);オランド(Hollande);などが挙げられる。加えて、好適な例示的な固定剤は、以下のいずれかを単独で、又は組み合わせて含んでもよい。
いくつかの実施形態において、固定剤206は、酸化剤、水銀、ピクレート、ヘペスグルタミン酸緩衝液媒介有機溶媒保護効果(HOPE)固定剤、水溶性保存薬であり得る。酸化剤の例としては、二クロム酸カリウム、クロム酸、過マンガン酸カリウムなどが挙げられる。水銀の例としては、B−5、ツェンカー固定剤などが挙げられる。水溶性保存薬の例としては、メチルパラベン、プロピルパラベン、ジメチルオルレア、2−ピリジンチオール−1−オキシド、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムなどが挙げられる。
かなりの努力及び実験により、グルテルアルデヒド及びホルムアルデヒドの少なくとも一方を含む、透過化処理剤206を使用して、粒子造影剤組成物210のいくつかの実施形態において、驚くほど有効な結果が達成され得ることが発見された。
いくつかの実施形態において、0.1重量%以下のグルテルアルデヒドを含む、固定剤206を使用して、驚くほど有効な結果が達成され得る。
追加の成分
いくつかの実施形態において、任意の追加的な成分212は、任意に、ブロック208において、粒子造影剤組成物210と組み合わされてもよい。追加的な成分212の例としては、緩衝剤成分、粘度修正剤、抗菌剤、浸透性調整剤、イオン強度調節剤、界面活性剤、キレート剤などが挙げられる。いくつかの実施形態において、粒子造影剤組成物210がリン酸緩衝生理食塩水を含む際に、驚くほど有効な結果が達成され得る。
例示的な粘度調節剤としては、天然ヒドロコロイド(及び誘導体)、例えば、カラギーナン、イナゴマメゴム、グアーガム、及びゼラチン;糖類(及び誘導体)、例えば、デキストロース、フルクトース、ポリデキストロース、デキストラン、ポリデキストラン、サッカライド、及びポリサッカライド;半合成ヒドロコロイド(及び誘導体)例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース:合成ヒドロコロイド(及び誘導体)、例えば、Carbopol(登録商標);粘度類(及び誘導体)、例えば、ベントナイト、及びVeegum(登録商標)が挙げられる。
迅速な、1ステップ染色プロセス
図A2は、一実施形態に係る、迅速な1ステップ染色プロセス300のフローチャートである。迅速な、1ステップ染色プロセス300は、いくつかのサブステップを含む場合があるが、用語「1ステップ」は、染色手順中に、サンプルが多数の異なる溶液に導入される必要がないことを指すものとして使用される。粒子造影剤組成物210は、図A1を参照して先に記載されたように、ブロック302で調製される。任意により、いくつかの実施形態において、いずれかの粒子造影剤202などの成分が、ブロック306において精製され得る。粒子造影剤202を精製することにより、サンプルと接触した際に形成される沈殿物の量を低減することができ、これにより背景が弱められ、画像に基づく血液サンプル分析の結果が改善されて、画像若しくはスライドの更なる点検、又は手動での顕微鏡の調製の必要性が低下する。
ブロック308において、粒子造影剤組成物210が、サンプルと組み合わされる。粒子造影剤組成物210は、一緒に混合することを含む、任意の好適な方法によりサンプルと組み合わせることができる。ブロック308における組み合わせは、サンプルを、一定量の粒子造影剤組成物210で希釈することを含み得る。サンプルは、粒子造影剤組成物210で希釈することができる。希釈量は、画像に基づく分析の間に、フレーム当たり最適数の細胞をもたらすように選択され得る。希釈量は、画像に基づく分析の間に、フレーム当たり最適数の白血球をもたらすように選択され得る。希釈量は、他のいずれかの画像によらない分析のための、最適な体積をもたらすように、別様に選択されてもよい。
かなりの努力及び実験により、粒子造影剤組成物210のサンプルに対する、2:1〜20:1の比を使用する、粒子造影剤組成物210のいくつかの実施形態において、驚くほど有効な結果が達成され得ることが発見された。粒子造影剤組成物210のサンプルに対する比は、約3:1〜約10:1であり得る。粒子造影剤組成物210のサンプルに対する比は、約3:1〜約4:1であり得る。粒子造影剤組成物210のサンプルに対する比は、約3:1又は約4:1であり得る。いくつかの実施形態において、粒子造影剤組成物210のサンプルに対する、ほぼ3:1又はほぼ4:1の比を使用して、驚くほど効果的な結果が達成され得る。
40mLの5PD−Lytic、及び50mLのリン酸緩衝生理食塩水を有する粒子造影剤を使用し、粒子造影剤組成物210のサンプルに対する希釈比を10:1とすることにより、驚くほど有効な結果が達成され得る。40mLの5PD−Lytic、追加のサポニン、及び40mLのリン酸緩衝生理食塩水を有する粒子造影剤を使用し、粒子造影剤組成物210のサンプルに対する希釈比を5:1とすることにより、驚くほど有効な結果が達成され得る。40mLの5PD−Lytic、追加のサポニン、及び36mLのリン酸緩衝生理食塩水を有する粒子造影剤を使用し、粒子造影剤組成物210のサンプルに対する希釈比を4:1とすることにより、驚くほど有効な結果が達成された。
いくつかの実施形態において、サンプルは、インキュベートに関して下記に記載の温度のいずれかなど、高温で粒子造影剤組成物210と組み合わされる。
本明細書において使用するとき、サンプル及び粒子造影剤組成物210の組み合わせは、サンプル混合物と称される。
ブロック310において、サンプル混合物は、一定の温度で一定の時間にわたってインキュベートされる。インキュベーションは、細胞又はその内部構造の透過性を増加させることができ、粒子造影剤202が細胞又は細胞構造により良好に浸透できるようにする。インキュベーションの時間及び温度は、粒子造影剤組成物210がサンプルに適切に浸透し、これを固定し、かつ染色することを可能にするように選択され得る。インキュベーションの時間及び温度は、赤血球を溶解させる一方で、白血球、血小板、及び有核赤血球が実質的に無傷なままに残ることを確実にするように、選択され得る。
かなりの努力及び実験により、約37℃〜約60℃の温度で、約1〜60秒にわたり、サンプル混合物をインキュベートする、粒子造影剤組成物210のいくつかの実施形態において、驚くほど有効な結果が達成され得ることが発見された。サンプル混合物は、約46℃〜約49℃の温度まで加熱することができる。サンプル混合物は、40〜50秒間インキュベートすることができる。サンプル混合物は、最大1時間インキュベートすることができる。いくつかの実施形態において、サンプル混合物を約48℃で約45秒間にわたりインキュベートすることにより、驚くほど有効なな結果を達成することができる。いくつかの実施形態において、サンプル混合物を約47℃で約45秒間にわたりインキュベートすることにより、驚くほど有効なな結果を達成することができる。
いくつかの実施形態において、ブロック308における組み合わせ、及びブロック310におけるインキュベートは、サンプル混合物が撮像設備内で処理され、撮像設備のラインを洗浄及び/又は清浄化するために必要な時間とほぼ同じが、より少ない時間で完了する。このように、第1のサンプル混合物は、第2のサンプル混合物が組み合わされ、インキュベートされる間に撮像することができる。一度第1のサンプル混合物が撮像され、撮像設備は清浄化されると、第2のサンプル混合物が即座に撮像され得る。
別の実施形態において、ブロック308における組み合わせ、及びブロック310におけるインキュベートは、サンプル混合物が撮像設備内で処理され、撮像設備のラインを洗浄及び/又は清浄化するために必要な時間の2倍未満の時間で完了する。このように、第1のサンプル混合物が撮像される間、第2のサンプル混合物は撮像に備えることができ、第3のサンプル混合物、及び第4のサンプル混合物には、組み合わせ及びインキュベートのプロセスを行うことができる。一度第1のサンプル混合物が撮像され、撮像設備は清浄化されると、第2のサンプル混合物が即座に撮像され得る。第3のサンプル混合物は、組み合わせ及びインキュベートを完了し得る一方で、第4のサンプル混合物が依然として組み合わせ及びインキュベート中であってもよい。一度第2のサンプル混合物が撮像され、撮像設備が清浄化されると、第3のサンプル混合物が即座に撮像され、同時に第4のサンプル混合物の組み合わせ及びインキュベートの完了に入り、第5のサンプル混合物の組み合わせ及びインキュベートが始まる。
プロセスは無限に、連続的にサンプルの混合の撮像を続けることができる。 かなり
の努力及び実験により、粒子造影剤組成物210のいくつかの実施形態と、粒子造影剤組成物210とサンプルとのいくつかの組み合わせ方法と、サンプル混合物のいくつかのインキュベート方法の組み合わせにより、驚くほど有効な結果が達成され得ることが発見された。
特に、染色条件下において、90%以上の純度のクリスタルバイオレットを約7.8μM、染色条件下において、70%以上の純度のニューメチレンブルーを約735μM、染色条件下において、80%以上の純度のエオシンYを約27μM、染色条件下において、事前に処理したサポニンを約50mg/L〜約750mg/Lで、染色条件下において、グルテルアルデヒドを約0.1%以下で、含む粒子造影剤組成物210を使用して、驚くほど有効な結果が達成され得、このとき粒子造影剤210は、サンプルと、粒子造影剤210のサンプルに対する比が約3:1〜約4:1になるように組み合わされ、生じるサンプル混合物は、約48℃で約45秒間にわたりインキュベートされる。
一定の有効な粒子造影剤組成物210、及び染色手順は、生存し及び/又は実質的に無傷な細胞の「Wright様式」に染色した画像を、非アルコールベースの溶媒系中の染色剤を使用して、自動の視覚的分析器で効果的に得ることを可能にする。いくつかの有効な粒子造影剤組成物210、及び染色手順は、様々な細胞成分、核葉、及び粒状構造が明確に区別可能となるように、サンプルの迅速な染色を可能にする。いくつかの効果的な粒子造影剤組成物210、及び染色手順は、超生体染色に好適である。いくつかの効果的な粒子造影剤組成物210、及び染色手順は、粒子の分類及び細分類のための視覚的相違を生成する。いくつかの効果的粒子造影剤組成物210、及び染色手順は、血清、脳脊髄液、胸膜液、関節液、精液、腹膜液、羊水、洗浄液、骨髄吸引液、浸出液、排泄物、又は血液サンプルにおける粒子の細胞内容物の特徴を強調するのに有効である。いくつかの有効な粒子造影剤組成物210、及び染色手順は、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、血小板、網状赤血球、有核赤血球、芽球、前骨髄細胞、骨髄細胞、後骨髄細胞、円柱、細菌、上皮細胞、及び/又は寄生生物を染色するために有効である。いくつかの効果的な粒子造影剤組成物210、及び染色手順は、例えば、細胞中の一次顆粒及び二次加硫の差別的な染色をもたらし、例えば、一次顆粒及び二次顆粒の差別的な染色又は強調に基づいて、未熟な顆粒細胞の細分類及びその細胞齢の決定を補助することによって、粒子の分類及び細分類のための視覚的相違を生成するために有効である。いくつかの有効な粒子造影剤組成物210、及び染色手順は、赤血球、網状赤血球、有核赤血球、及び血小板の計数及び特徴付けのために、これに加えて白血球弁別計数、及び白血球特徴付け及び分析のための、視覚的相違を生成するのに有効である。いくつかの有効な粒子造影剤組成物210、及び染色手順は、生きている及び/若しくは生存可能な細胞、並びに/又は実質的な無傷なままの構造を有する細胞における視覚的相違を生じるために有効である。いくつかの有効な粒子造影剤組成物210、及び染色手順は、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、加えて網状赤血球、有核赤血球、血小板、芽球、前骨髄細胞、骨髄細胞、後骨髄細胞、又は細胞片の細胞内構造を染色するために有効である。
本明細書において記載される、いくつかの有効な粒子造影剤組成物210、及び染色手順により可能となる迅速な染色は、手動又は半自動の撮像及び/又は分析手順と共に使用することができる。
かなりの努力及び実験により、様々な細胞成分、核葉、及び顆粒状構造を示し、これらの粒子及び/又は細胞の特徴を視覚的に区別することができる、生きている及び/又は実質的に無傷な細胞の「Wright様式」の染色画像を生成することができる(発明者の知る限りでは、初めて)、非アルコールベースの溶媒系内に粒子造影剤組成物を含む、粒子造影剤組成物210のいくつかの実施形態によって、驚くほど有効な結果が達成され得ることが見出された。
かなりの努力及び実験により、表A1に記載される粒子造影剤組成物210を使用するときに、驚くほど有効な結果が達成され得ることが発見され、ここで作業用染色試薬は、40mLのニューメチルブルーと、5mLのクリスタルバイオレットを混合することにより作製される。
表A1
図A3は、表A1に説明される粒子造影剤組成物210で染色され、上記の迅速な1ステップ染色手順を使用して染色されるサンプルから選択されるは白血球の例示的な図である。白血球は無傷であり、Wright染色の染色特徴を示す。様々な種類の白血球(例えば、好中球、リンパ球、単球、好酸球、及び好塩基球)は視覚的に区別可能である。
いくつかの実施形態において、本開示の粒子造影剤組成物によって染色される細胞の特徴が表A2に記される。
表A2
いくつかの実施形態において、染色剤/染料組成物は、安定性、貯蔵の容易性、廃棄、及び/又は毒性の制限をもたらすように、配合される。
図4Aは、一実施形態による粒子造影剤組成物210で染色されたサンプルからの選択された白血球の例示的な図である(湿式マウント撮像、及び自動フロー撮像により撮像された細胞を含む)。
早期実験
下記の実施例に関連して記載されるように、上記の実施形態を生じるため、多くの染色組成物及び方法が試験され、かつ修正された。
早期実施例1において、2ステップ染色方法が存在し、粒子造影剤組成物のサンプル及び早期実施形態が組み合わされて、47.5℃で40秒にわたりインキュベートされ、その後サンプル混合物にクエンチ剤が適用された。粒子造影剤組成物は、Coulter LH Series Dilutent、Coulter Lyse S III diff Lytic Reagent、Coulter LH Series Pak Reagent Kit、及びCoulter LH Series RETIC PAK
Reagent Kitを含んだ。結果が図A5に記載される。
実施例1の後の、早期実施例2において、実施例1の2ステップ染色方法を1ステップ染色方法に替えた。図A6において、実施例1の結果と比較してより良い好塩基球の結果が得られた。
早期実施例3において、グルテルアルデヒドを含まない粒子造影剤組成物は、フローセル内の剪断力により崩壊する、弱化した白血球を生じた。損傷を受けた粘膜を呈する実施例3の結果の画像が図A7に示される。
実施例3の後の早期実施例4において、グルテルアルデヒドが、粒子造影剤組成物に添加された。白血球膜は実施例4においてより無傷であったが、核膜は依然として損傷を受けていた。グリセロールを低減するためにPIOALに対して調整を行った後、図A8に示されるように、白血球の形態は撮像中にほぼ変化しなかった。
図9に示されるように、ニューメチルブルー及びクリスタルバイオレットの粒子造影剤組成物を使用た、二染色剤染色による早期実施形態において、好酸球(これは若干不安定であり、好中球と区別するのが容易でない場合があった)を除いてほとんどの細胞が良好に区別可能であった。続く実施例5及び6において、第3の粒子造影剤組成物が、粒子造影剤組成物に添加された。
実施例5において、メチルグリーンは、粒子造影剤組成物に添加された。メチルグリーンは好酸球をより良好に染色するのを補助したが、細胞の核はここでは所望の紫ではなく、青色で染色された。図A10は、核が青色に染色されているが、顆粒状の細部が失われている、実施例5の画像を表す。
実施例6において、粒子造影剤組成物内において、第3の粒子造影剤として、メチルグリーンの代わりにエオシンYが使用された。図A11において観察されるように、エオシンYは、紫色に染色された核、及び僅かにオレンジ色に光る、一貫した顆粒状の染色部を保持した。
上記の実験、及び追加の実験により、開示される実施形態及び請求される実施形態が、好ましい結果をもたらすことが判定された。
本明細書に記載される計算、つまり演算はそれぞれ、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアを有するコンピュータ又はその他プロセッサを用いて実行されてよい。様々な方法ステップはモジュールによって実行されてよく、モジュールは、本明細書に記載される方法ステップを実行するために配置される、任意の広範なデジタル及び/又はアナログデータ処理ハードウェア及び/又はソフトウェアを備えてよい。データ処理ハードウェアを任意に備えるモジュールは、これらに伴って適当な機械プログラミングコードを有することによって、これらのステップのうち1つ以上を実行するのに適しており、2つ以上のステップ(又は2つ以上のステップの部分)に対するモジュールは、任意の広範な統合処理及び/又は分散処理アーキテクチャにおいて、単一のプロセッサボードに組み込まれている、又は、異なるプロセッサボードに分かれている。これらの方法及びシステムは、多くの場合、上記方法ステップを実行するための命令を伴う、コンピュータ可読なコードを組み込む有形媒体を利用するだろう。好適な有形媒体は、メモリ(揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含む)、記憶媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、テープなどへの磁気記録、CD、CD−R/W、CD−ROM、DVDなどといった光学式メモリ、又は任意のその他デジタル若しくはアナログ記憶媒体)などを含んでよい。
本開示で論じた全ての特許、特許公開、特許出願、雑誌論文、書籍、技術文献などは、それらの全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれている。
図に描写する又は上述する構成要素の異なる配置が、示していない又は記載していない構成要素及びステップと同様に可能である。同様に、いくつかの特徴及び部分的組み合わせが有益であり、他の特徴及び部分的組み合わせへの参照なしに用いられてもよい。本発明の実施形態は制限的でなく例示的な目的のために記載されており、代替の実施形態が本特許の読者に明らかになるだろう。特定の場合では、方法ステップ又は操作が異なる順序で実施、つまり実行されてよく、あるいは、操作を追加、削除、又は変更してもよい。本発明の特定の態様では、ある要素若しくは構造を提供するため、又は、ある機能を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素と置き換えてよく、複数の構成要素を単一の構成要素と置き換えてよいことが理解され得る。かかる置換が本発明の特定の実施形態の実行に有効でない場合を除き、かかる置換は本発明の範囲内であるとみなされる。したがって、本発明は上記又は図に描写の実施形態に制限されず、下記の請求項の範囲から逸脱することなく様々な実施形態及び修正が生じ得る。

Claims (10)

  1. サンプル流体粘度を有する血液流体サンプル内の複数の細胞を分析する方法であって、前記複数の細胞は、相対する主表面を有し、前記方法は、
    フローセルの流路に沿ってシース液を流すことであって、前記シース液は前記サンプル流体粘度よりも高いシース液粘度を有する、ことと、
    注入点において、前記血液流体サンプルを前記フローセル内の前記ース液内へと注入することであって、前記注入点において、前記複数の細胞のうちの第1の数の細胞が、主表面を撮像経路の向きに対して横方向に配向されている、ことと、
    撮像サイトにおいて、前記撮像経路に沿って前記複数の細胞を撮像することであって、このとき、前記撮像サイトにおいて、前記複数の細胞のうちの第2の数の細胞が、前記主表面を前記撮像経路に対して横方向に配向されており、前記第2の数の細胞は前記第1の数の細胞よりも多い、ことと、
    流路サイズの縮小部を通じて前記血液流体サンプル及び前記シース液を方向付け、これにより、なる粘度に関連付けられる前記シース液と前記血液流体サンプルの間の相互作用により、前記第2の数の細胞が前記第1の数の細胞よりも多くなるように、前記複数の細胞の少なくとも一部を再配向する、ことと、
    を含む、方法。
  2. 前記シース液の速度は、前記血液流体サンプルの速度よりも大きい、請求項1に記載の方法。
  3. 前記血液流体サンプル内の細胞は、前記注入点から前記撮像サイトに4秒以内に送達される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記シース液内の粘性剤は、前記細胞が前記血液流体サンプルから前記ース液内に延出するときに、前記血液流体サンプル内の細胞の生存性を維持し、前記細胞の構造及び内容を無傷なままに残す、請求項1に記載の方法。
  5. 前記血液流体サンプルは、出口ポートを通して前記注入点において注入され、
    前記出口ポートは、高さおよび幅を有し、
    前記高さは、前記幅より小さく、
    前記出口ポートは、前記撮像サイトにおいて形成されるリボン状血液サンプルストリームをもたらす、請求項1に記載の方法。
  6. サンプル流体粘度を有する、血液流体サンプル内の複数の細胞を撮像するシステムであって、前記システムは、前記サンプル流体粘度よりも高いシース液粘度を有するシース液と共に使用され、前記複数の細胞は、相対する主表面を有し、前記システムは、
    流路、及びサンプル流体注入管を有するフローセルと、
    前記フローセルの前記流路に沿って前記シース液のフローを伝えるために、前記フローセルと流体連通したシース液投入部と、
    注入点において、前記フローセル内の前記ース液内に前記血液流体サンプルのフローを注入するために、前記フローセルの前記サンプル流体注入管と流体連通した血液流体サンプル投入部であって、前記複数の胞のうちの第1の数の細胞が、主表面を撮像経路の向きに対して横方向に整位されている、血液流体サンプル投入部と、
    を備え、
    前記フローセルの前記流路は、なる粘度に関連付けられる、前記シース液と前記血液流体サンプルとの間の相互作用が、前記複数の細胞の少なくとも一部を再配向するように構成された、流路サイズが変化した区域を有し、
    撮像サイトにおいて前記撮像経路に沿って前記複数の細胞を撮像し、このとき、前記撮像サイトにおいて、前記複数の細胞のうちの第2の数の細胞が、前記主表面を撮像経路の向きに対して横方向に配向されており、前記第2の数の細胞は前記第1の数の細胞よりも多い、システム。
  7. 前記シース液の速度は、前記血液流体サンプルの速度よりも大きい、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記血液流体サンプル内の細胞は、前記注入点から前記撮像サイトに4秒以内に送達される、請求項6に記載のシステム。
  9. 前記シース液内の粘性剤は、前記細胞が前記血液流体サンプルから前記ース液内に延出するときに、前記血液流体サンプル内の細胞の生存性を維持し、前記細胞の構造及び内容を無傷なままに残す、請求項6に記載のシステム。
  10. 前記血液流体サンプルは、出口ポートを通して前記注入点において注入され、
    前記出口ポートは、高さおよび幅を有し、
    前記高さは、前記幅より小さく、
    前記出口ポートは、前記撮像サイトにおいて形成されるリボン状血液サンプルストリームをもたらす、請求項6に記載のシステム。
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