JP2016519173A - 組み合わされた低誘電率、高抵抗率及び光学濃度特性、ならびに、制御された電気抵抗率を有するフィラー−ポリマー組成物を含むコーティング、それから製造されるデバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

二相フィラー−ポリマー組成物を含む、高い抵抗率、低い誘電率、良好な光学濃度及び制御された電気抵抗率を有するUV硬化性コーティング、それから形成される硬化コーティング又はフィルムは、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性コーティング要素とともに記載される。これらの黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及び他の遮光性コーティング要素を有するデバイス、ならびに、これらの様々な材料及び製品の調製方法及び製造方法も記載される。

Description

本出願は2013年3月13日に出願された先行の米国仮特許出願第61/779,466号の35 U.S.C. § 119(e)に基づく利益を主張し、該出願明細書をその全体を参照により本明細書中に取り込む。
本発明は、フィラーを含むコーティング及びフィラー−ポリマー組成物中のフィラーに関する。本発明は、低い誘電率、高い抵抗率及び良好な光学濃度特性、ならびに、制御された電気抵抗率を有するフィラー−ポリマー組成物を含む紫外線(UV)光硬化性コーティング、及び、それから作られた硬化コーティング又はフィルムにさらに関する。本発明は、低い誘電率、高い抵抗率及び良好な光学濃度特性、ならびに、制御された電気抵抗率を有するフィラー−ポリマー組成物を含む黒色マトリックスにさらに関する。本発明は、低い誘電率、高い抵抗率及び良好な光学濃度特性、ならびに、制御された電気抵抗率を有するフィラー−ポリマー組成物を含む黒色カラムスペーサにさらに関する。本発明は、低い誘電率、高い抵抗率及び良好な光学濃度特性、ならびに、制御された電気抵抗率を有するフィラー−ポリマー組成物を含む、LCDデバイスのための遮光性コーティング要素にさらに関する。本発明は、また、これらの黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及び遮光性コーティング要素を有するデバイスに関する。本発明は、これらの様々な材料及び製品の調製方法及び製造方法にさらに関する。
黒色マトリックスは個々のカラーピクセルを分離することにより画像のコントラストを改良するために、カラーディスプレイにおいて使用される材料の一般名称である。電気カラーディスプレイデバイスは電気情報を画像へと変換する。液晶ディスプレイ(LCD)において、黒色マトリックスは高い遮光能力を有する薄いフィルムであることができ、そしてカラーフィルターの3つの色要素の間に形成されうる。1つの従来のLCDデバイスは薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT‐LCD)である。薄膜トランジスタ(TFT)を用いるLCDにおいて、黒色マトリックスは、また、TFTにおける反射光による光誘導電流の形成を防止することができる。LCDデバイスのCOA−TFT基材を提供するカラーフィルターオンアレイ(COA)技術も開発されている。カラーフィルターオンアレイ技術の幾つかの開発は、例えば、米国特許第7,773,177号、同第7,439,090号(B2)、同第7,436,462号(B2)及び同第6,692,983号(B1)明細書及び特許出願公開第2007/0262312号明細書(A1)に示されている。黒色マトリックスは、例えば、カラーフィルターオンアレイ(COA)−TFT構造の薄膜トランジスタ(TFT)アレイ基材上でパターン化され、TFTアレイ基板上にカラーフィルターを提供するようにレッド、グリーン及びブルーフィルター層が形成される領域を画定する。LCDのカラーフィルターの製造にインクジェット式プロセスも使用されている。インクジェット式プロセスの1つの形態において、黒色マトリックスなどの遮光性層をカラーフィルター構造のガラス基材部品上に形成しており、そして黒色マトリックスは露光及び現像プロセスを経て、黒色マトリックス上にピクセル領域を形成する。黒色マトリックス組成物は、フォトレジスト組成物などの光硬化性組成物としても提供されている。
LCDデバイスは、液晶層の厚さにより画定されるセルギャップを維持するためのインターナルスペーサを要求する。スペーシングを維持するためにボールスペーサを使用することができる。ボールスペーサは球状形態を有し、そして2つの基材の間に提供するギャップ内で移動することができる。異なる設計において、LCDデバイス中の液晶層のための一定のギャップを維持するためにカラムスペーサを使用することができる。ボールスペーサとは異なり、カラムスペーサは移動できない。カラムスペーサの層は、一般に、第一の基材又は第二の基材の上で黒色マトリックスと同様にリソグラフィー法により予備形成される。カラムスペーサを製造するための硬化性組成物はカーボンブラックなどの粒子で顔料着色されうる。このようなスペーサ設計は黒色カラムスペーサと呼ばれる。カラムスペーサは固定位置を有するので、遮光性要素、特に、黒色カラムスペーサとして使用されうる。
フィラー−ポリマー組成物を製造する際に、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCD中の他の遮光性コーティング要素などの種々の用途のためのフィラー−ポリマー組成物中で特定の電気抵抗率、例えば、表面抵抗率及び/又は体積抵抗率を有することが望ましい。電気体積(又は表面)抵抗率の望ましい範囲は特定の用途に依存し、例えば、101〜1018 Ω*cmの範囲にあることができる。幾つかの商業用ポリマーの典型的な体積抵抗率値は1012〜1018Ω*cmの範囲にある。カーボンブラックなどの良好な消光係数を有する導電性フィラーは粒子−ポリマー組成物の電気抵抗率を低下させ及び/又は良好な遮光特性を提供するために頻繁に添加される。カーボン粒子の濃度が連続導電性パスが形成される臨界値に到達するときに複合材の抵抗率の鋭い変化が起こる。
カーボンブラックなどの黒色顔料は抵抗性黒色マトリックス又はLCD中の他の遮光性コーティング要素を製造するためにポリマー組成物中に使用されてきた。しかしながら、典型的なシステムは、要求される遮光能力(例えば、1ミクロン厚さで3より大きい光学濃度(OD))及び抵抗率に関するなど、全体の特性の所望のバランスを提供することができない場合がある。有機基が結合している変性顔料もカラーフィルターのための黒色マトリックス中での使用のために開示されている。例えば、米国特許出願公開第2003−0129529号(A1)明細書は、部分的に、少なくとも1種の光重合性基及び少なくとも1種のイオン性基又はイオン化可能な基を含む、少なくとも1種のポリマー基を結合している顔料を使用して調製される黒色マトリックスに関する。また、米国特許出願公開第2002−0020318号(A1)明細書は、部分的に、少なくとも1種の有機イオン性基及び少なくとも1種の両性対イオンを結合している顔料を用いて調製される黒色マトリックスに関する。さらに、米国特許出願公開第2002−0011185号(A1)明細書は、部分的に、50〜200個の炭素を有する少なくとも1種のアルキレンもしくはアルキル基が結合している顔料及び溶媒を含む光感受性コーティングを用いて調製される黒色マトリックスに関する。
組成物又は複合材の抵抗率は、アルキル含有又は芳香族含有基がカーボンブラック上に結合される、ジアゾニウム化学の使用などによるカーボンブラックの化学官能化により影響を受けることができる。米国特許出願公開第2006/0084751号(A1)明細書は、非ポリマー有機基を用いたジアゾニウム化学によるカーボン表面の特定のタイプの化学官能化の幾つかの例を提供している。この化学官能化はフィラー−ポリマー組成物において非常に有用であり、重要な進歩であったが、カーボンブラックの化学官能化は、カーボンブラックの表面上に結合している化学有機基が高温に感受性である点で欠点を有する場合がある。例えば、150℃を超える温度では、カーボンブラック上に結合されている化学基は破壊することがあり、そのことは抵抗率性能の損失を導くことがある。幾つかのフィラー−ポリマー組成物は、高温処理で製造され又は好ましくは製造され、又は、後処理において高温に供される。黒色マトリックスの調製のための幾つかの方法において、例えば、化学官能化カーボンブラックを含有するコーティング膜は高温(例えば、コーティングのベーキング工程)に暴露される。高温処理に感受性がより低く、それゆえ、より堅牢な製造方法を提供することができる、黒色マトリックス及びその他の用途のためのフィラー−ポリマー組成物の電気抵抗率を制御するための別の溶液が存在することは有益であろう。
さらに、ポリマー組成物中の電気抵抗率及び誘電率を制御することができ、そして黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素など、様々な用途で良好な遮光特性を提供することができるフィラーが存在することも望ましい。半導体製造において、低k−誘電性物質は二酸化ケイ素と比較して小さい誘電率を有する材料である。シリコンチップにおいて一般に使用されている絶縁材料であるSiO2の誘電率は約3.9であることができる。カーボンブラックは、それ自体、典型的には、シリカよりも有意に高い誘電率を有する。示されるとおり、COA設計は薄膜トランジスタ(TFT)上に直接コーティングされうる黒色マトリックスを含む。このような構成は、開口部サイズを改良しそしてエネルギー効率を上げるのに有利であるが、薄膜トランジスタ、ゲートライン又はデータラインの間の信号干渉のために、LCDデバイスの低い性能をもたらすことがある。例えば、米国特許第7,773,177号明細書はCOAに誘導される寄生容量の性質について議論しており、そして高い誘電率を有する黒色マトリックスについての問題に関している。COA−TFT形態は容量干渉及び信号遅延を防止するために低い誘電率を示す黒色マトリックス用材料を必要とする。さらに、黒色マトリックス層は非常に抵抗性であることが必要であるが、COA−TFTが従来の設計よりも大きな厚さを有する黒色マトリックスを利用することができるので、層についての光学濃度要求は低減される。1〜2/ミクロン層厚の範囲内の光学濃度はCOA−TFT形態の目標とされる。
さらに、上述のとおり、LCDデバイスは液晶層のための一定のセルギャップを維持するためのインターナルスペーサを要求する。ボールスペーサは第一の基材及び第二の基材の間にランダムに分布しているので、整列層の品質はボールスペーサの移動により低下されうる。さらに、均一セルギャップはボールスペーサを含む大きなサイズのLCDデバイスにおいて得られないことがある。さらに、ボールスペーサは弾性であり、固定位置のままではないので、LCDデバイスが接地されたときに重大な波形現象が起こることがある。このため、均一なセルギャップがボールスペーサを用いて維持される場合には、優れたディスプレイ品質はLCDデバイスで得ることができない。他方、パターン化スペーサを用いて均一なセルギャップを得ることができる。さらに、パターン化スペーサは正確に制御されうるので、パターン化スペーサはLCDデバイスに適用されて、小さいセルギャップを形成することができる。さらに、パターン化スペーサは固定されているので、大きなサイズのLCDデバイスに容易に適用することができ、そしてLCDデバイスが接地されたときに波形現象は防止されうる。黒色カラムスペーサを使用する場合には、スペーサ組成物にとって高い電気抵抗率及び低い誘電率を維持することが重要である。というのは、より導電性及び/又は高い誘電性材料が電極及び薄膜トランジスタの付近に存在するならば、電界が歪められることがあるからである。これにより、LCDデバイスの低品質動作がもたらされるであろう。一般に、黒色カラムスペーサの誘電率は20未満とすべきであり、好ましくは10未満、より好ましくは、5未満とすべきである。
したがって、上記の欠点を克服し、そして、高い抵抗率、低い誘電率及び許容できる光学濃度特性の組み合わせ、ならびに、所望の抵抗率及び誘電率範囲を達成するように制御可能な電気特性を示すことができる良好な全体特性を有する黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDデバイスにおける他の遮光性コーティング要素を形成するのに有用なフィラー−ポリマー組成物を提供し、そして特に、導電性フィラー粒子の化学官能化のみによらない又は全くよらない方法を提供することが必要である。
本発明の特徴は、高い抵抗率、低い誘電率、許容できる光学濃度特性の組み合わせ、ならびに、制御された電気特性を有するフィラー−ポリマー組成物を含むUV−硬化性コーティングを提供することである。
本発明のさらなる特徴は、高い抵抗率、低い誘電率及び許容できる光学濃度特性の組み合わせ、ならびに、制御された電気特性を有するフィラー−ポリマー組成物を含む、硬化したコーティング又はフィルムを提供することである。
本発明のさらなる特徴は、高い抵抗率、低い誘電率及び許容できる光学濃度特性の組み合わせ、ならびに、制御された電気特性を有するフィラー−ポリマー組成物を含む、黒色マトリックスを提供することである。
本発明のさらなる特徴は、高い抵抗率、低い誘電率及び許容できる光学濃度特性の組み合わせ、ならびに、制御された電気特性を有するフィラー−ポリマー組成物を含む、黒色カラムスペーサを提供することである。
本発明のさらなる特徴は、高い抵抗率、低い誘電率及び許容できる光学濃度特性の組み合わせ、ならびに、制御された電気特性を有するフィラー−ポリマー組成物を含む、LCDにおける遮光性コーティング要素を提供することである。
本発明のさらなる特徴は、調製又は後処理のための高温に暴露されたときに、フィラー−ポリマー組成物において良好な熱安定性、ならびに、制御された電気抵抗率及び誘電率を維持することができるフィラー−ポリマー組成物を含む、UV−硬化性コーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性コーティング要素の製造方法を提供することである。
本発明のさらなる特徴は、電気抵抗率が広い範囲のフィラー装填量にわたって一貫している、フィラー−ポリマー組成物を含む、UV−硬化性コーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性コーティング要素を提供することである。
本発明の別の特徴は、UV−硬化性コーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及び他の遮光性コーティング要素を取り込んだデバイスを提供することである。
本発明のさらなる特徴は、UV−硬化性コーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及び他の遮光性コーティング要素ならびにそれらを取り込んだデバイスの製造方法を提供することである。
本発明のさらなる特徴は、二相フィラー粒子、溶媒、及び、場合により、光学分散助剤を含む分散体を提供することである。
本発明のさらなる特徴及び利点は、以下の記載に部分的に示され、そして、部分的には、記載から明らかであり、又は、本発明の実施により理解されるであろう。本発明の目的及び他の利点は、記載及び添付の特許請求の範囲に詳細に指摘される要素及び組み合わせにより実現されそして達成されうる。
これら及び他の利点を達成するために、そして本発明の目的により、本明細書中に具現化されそして広く記載されるとおり、本発明はフィラー−ポリマー組成物を含むUV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素に関する。UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性コーティング要素のフィラー−ポリマー組成物は少なくとも1種のポリマーの少なくとも1種のフィラーとの組み合わせを含むことができる。フィラーは下記の1つ以上を含む。
a)シリカ相及びカーボン相を有する、制御された量の二相フィラー、又は、
b)シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラー、ここで、前記シリカ相は制御された表面被覆量のシリカ相である、又は、
c)シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラー、ここで、前記二相フィラーは制御されたモルホロジーを有する。フィラーは任意の粒子サイズを有することができる。例えば、二相フィラーは250nm未満の平均凝集体サイズの凝集体であることができる。
本発明は、さらに、少なくとも1種のポリマー、及び、シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラーを有するポリマー組成物を含み、ここで、前記二相フィラーは露出外側表面領域を有し、そしてシリカ相は表面積基準で露出外側表面領域の約50%〜約99%を占める、UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素に関する。黒色マトリックスは、さらに、抵抗率が1010〜1016Ω/スクエアであることができ、誘電率が20未満であることができ、光学濃度が、約1ミクロンの厚さで、少なくとも約1以上であることができ、又は、これらの特性の任意の組み合わせであることができる。
さらに、本発明は、少なくとも1種のポリマー及び露出外側表面領域を有する二相フィラーを有するポリマー組成物を含み、ここで、前記二相フィラーはOANが約50cc/100gフィラー〜200cc/100gフィラーであり、シリカ含有分が二相フィラーの質量基準で約10wt%〜約90wt%であり、そしてシリカ相は表面積基準で露出外側表面領域の約50%〜約95%を占める、UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素に関する。
本発明は、さらに、少なくとも1種のポリマー及び少なくとも1種のフィラーを含むポリマー組成物を含み、例えば、前記フィラーはOAN価が少なくとも約65cc/100gフィラーであり、フィラー−ポリマー組成物の電気抵抗率は全フィラー−ポリマー組成物の質量%基準で5〜35wt%の装填量で、2桁以下の大きさで変化する、UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素に関する。UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素中に使用されるフィラーはシリカ相及びカーボン相を有する二相フィラーであることができ、又は、それを含むことができる。
また、本発明は、本発明のフィラー−ポリマー組成物を含む、UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素の1つ以上を含む製品又は物品に関する。該製品又は物品は液晶デバイスなどであることができ、又は、それを含むことができる。
本発明は、さらに、少なくとも1種の硬化性ポリマーを、ビヒクル及び示した少なくとも1種のフィラーと合わせて、硬化性フィラー−ポリマー組成物を提供すること、(ii)前記硬化性フィラー−ポリマー組成物を基材上に適用し、硬化性コーティングを形成すること、及び、(iii)前記コーティングを画像様に硬化させ、硬化コーティングを形成すること、及び、(iv)前記硬化コーティングを現像しそして乾燥すること、を含む、UV−硬化コーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素の製造方法に関する。
本発明は、二相フィラー、溶媒、及び、場合により分散助剤を含む液体分散体に関する。
本発明は、さらに、(i)少なくとも1種の二相フィラーをビヒクル(溶媒)及び、場合により、分散助剤と合わせること、(ii)グラインディング、衝撃、又は、同様の衝突作用を提供することができる装置を用いた高せん断混合、例えば、水平媒体ミル、垂直媒体ミル、例えば、アトライタ、ボールミル、ハンマーミル、ピンディスクミル、流体エネルギーミル、ジェットミル、流体ジェットミル、衝突ジェットミル、ロータステータ、ペレタイザー、ホモジナイザー、ソニケータ、キャビテータなどの手段により、混合物を粒子サイズの減少に供することを含む、二相フィラー、溶媒、及び、場合により分散助剤を含む、分散体の製造方法に関する。
上記の一般記載及び下記の詳細な説明の両方は例示かつ説明のみであり、特許請求されるとおりの本発明のさらなる説明を提供することが意図されるものと理解されるべきである。
本出願中に取り込まれそしてその一部を構成する添付の図面は本発明の特徴の幾つかを例示し、そして、記載とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。
二相シリカカーボンブラックフィラー粒子の高解像度TEM画像(200,000×)である。表面シリカマントルは矢印で示されている。 二相シリカカーボンブラックフィラー粒子の低解像度TEM画像(10,000×)である。 二相フィラー濃度(wt%)の関数としてのアクリルポリマーフィルムの表面抵抗率(Ω/スクエア)を示すグラフであり、シリカ表面被覆率:■−85%、●−50%、▲−30%、▼−0%である。サンプル0%はカーボンブラック(Vulcan 7H, Cabot Corporation製)を指し、この研究に使用される二相フィラーと同様のOANを有した。 シリカ表面被覆率、対応する二相粒子構造及びコーティング及び複合材の電気抵抗率を制御するための二相フィラーの好ましい使用との関係を示すグラフである: ▲−高抵抗率範囲(>1012Ω/スクエア)、●−中抵抗率範囲(108〜1012Ω/スクエア)、■−抵抗率範囲の下端(<108Ω/スクエア)。図3中の二相フィラーA〜Nを表1に示す。 図3及び表1に示す幾つかの二相フィラー(二相フィラーA、I、G、L、D)の二相フィラー装填量と比較したアクリル系ポリマーフィルムの体積電気抵抗率(Ω−cm)を示すグラフである。これらの二相粒子の合計硫黄含有分は300ppm未満である。 空気の存在下における粒子質量損失の熱重量測定曲線を示すグラフである(最初の25wt%損失が示されている):a−酸化カーボンブラック、b−カーボンブラック、c−二相フィラー(サンプルN)。 本出願の方法を示すフローチャートである。 本出願の例による、黒色マトリックス層を含む液晶ディスプレイデバイスの模式図である。 黒色カラムスペーサ及び黒色マトリックス層を含む液晶ディスプレイデバイスの模式図である。 本出願の例による、シリカ表面被覆率が50%及び90%である二相フィラーについてのフィルム中の粒子濃度(wt%)の関数としての、1ミクロン(μm)に正規化したフィルムの光学濃度(OD)を示し、そして、比較のために示されている、同様のモルホロジーを有するカーボンブラックの結果を示す。 本出願の例による、シリカ表面被覆率が50%及び90%である二相シリカ−カーボンブラック粒子を含むフィルムの光学濃度vs表面抵抗率(SR、Ω/スクエア)のプロットを示し、そして、比較のために示されている、同様のモルホロジーを有するカーボンブラックの結果を示す。 幾つかの粒子濃度(wt%)で様々なタイプのカーボンブラック及び二相フィラーを含むポリエチレンフィルムの1MHzで測定した誘電率を示すグラフである。
本発明は、高い抵抗率、低い誘電率及び良好な光学濃度特性の組み合わせを有する1種以上のフィラー−ポリマー組成物を含むUV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCD黒色マトリックスにおける他の遮光性要素に関する。本発明は、さらに、制御された電気抵抗率、誘電率又はその両方などの制御された電気特性を有する1種以上のフィラー−ポリマー組成物を含むUV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素に関する。本発明において、電気抵抗率は、フィラー−ポリマー組成物から形成されたUV−硬化性コーティング、それから形成された硬化したコーティング又はフィルム、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性要素の表面電気抵抗率が106〜1016Ω/スクエア(Ohm/スクエア又はΩ/スクエア)又はそれ以上、例えば、108〜1016Ω/スクエア、又は、1010〜1016Ω/スクエア、1010〜1015Ω/スクエア、又は、1010〜1014Ω/スクエア、1011〜1016Ω/スクエア、又は、1011〜1015Ω/スクエア、又は、1011〜1014Ω/スクエア、又は、1012〜1016Ω/スクエア、又は、1012〜1015Ω/スクエア、又は、1012〜1014Ω/スクエア、又は、1014〜1016 Ω/スクエア、又は、他の制御量であることができるように制御されうる。電気抵抗率は、例えば、体積抵抗率及び/又は表面抵抗率であることができる。電気抵抗率は、本出願のUV−硬化性コーティング、硬化したコーティング又はフィルム、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素を形成するのに使用されうるフィラー及びポリマーを含む組成物に関するものである。
本出願のUV−硬化性コーティング、硬化したコーティング又はフィルム、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素の驚くべき特徴は、その成分として使用される二相粒子中にシリカが存在することが、粒子遮光能力に悪影響を及ぼす可能性があるが、二相粒子のシリカ表面ドメインはUV−硬化性コーティング、硬化したコーティング又はフィルム、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素に対して適切な光学濃度をなおも提供するとともに、抵抗率及び誘電率を制御する方法を提供することである。本明細書中に提供される例により示されるとおり、高い抵抗率及び適切な光学濃度は50%以上のシリカ表面被覆率を有する二相粒子を用いて達成されうる。同一のモルホロジーを有する従来のカーボンブラックは導電性であり過ぎる。シリカ−カーボンブラック二相粒子を含むUV−硬化性コーティングは、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及び他の遮光性コーティング要素の用途で高い表面電気抵抗率及び光学濃度の両方を示すことができる。さらに、二相粒子及びポリマーを含むこれらのUV−硬化性コーティングは、低誘電率フィルム材料を形成することができる。例えば、シリカ表面被覆率が50%以上である二相フィラー粒子は、低誘電率層、例えば、20未満、又は、15未満、又は、10未満、又は、1〜20未満、又は、5〜20未満、又は、10〜20未満、又は、その他の値の誘電率を有するフィルムを提供するためにフィラー−ポリマー組成物中に使用されうる。本発明の目的で、そして別段の断りのないかぎり、誘電率のすべての値は1MHzで測定されている。これらの二相フィラー製品を含む、UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング又はフィルム、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素は、適切な色特性(例えば、光学濃度)をさらに提供することができる。二相フィラーは1ミクロン(μm)厚あたりに1以上、又は、1ミクロン厚あたりに1.1以上、又は、1ミクロン厚あたりに1.3以上、又は、1ミクロン厚あたりに1.5以上、又は、1ミクロン厚あたりに1.7以上、又は、1ミクロン厚あたりに1.9以上、又は、それより高い値などの光学濃度を有するコーティングを提供するようにフィラー−ポリマー組成物中に使用されうる。別の言い方をすると、提供される光学濃度値は1ミクロン厚を有するコーティングの測定値を基準とし、又は、コーティングの1ミクロンの増分を基準とする。これらの光学濃度値は本発明のコーティングの硬化性形態、硬化した形態又はこれらの両方に適用しうる。
本出願のUV−硬化性コーティング、硬化したコーティング又はフィルム、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素中に使用されるポリマー組成物中のフィラーはシリカ相及びカーボン相を含む二相フィラーであることができる。二相フィラー−ポリマー組成物は、高い電気抵抗率を有する層、コーティング又はフィルムの形態などの複合材を製造するために使用でき、該複合材は黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素を製造する際に使用される。黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及び他の遮光性コーティング要素は、例えば、二相フィラー及びポリマーを含むコーティングフィルムにより調製でき、ここで、二相フィラーは高温(例えば、ベーキング工程)に暴露されたときに、良好な熱安定性を有する。二相フィラーの良好な熱安定性(黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性コーティング要素において電気及びカラー機能を提供する)は、特に、より攻撃的なベーキング条件又は幾つかの温度サイクルを使用する場合に、非常に有用である。黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティング要素は粒子が装填されているので、ベーキング工程の間のその表面組成の小さい変化であっても、抵抗率性能に変動をもたらすことがある。UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング又はフィルム、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性要素を調製するための堅牢な製造方法は、本出願の二相フィラーを含むフィラー−ポリマー組成物を用いて提供されうる。本発明は、また、これらの黒色マトリックスを有するカラーフィルターオンアレイ、及び、これらのカラーフィルターオンアレイを含む液晶デバイスに関する。黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素を追加の加熱に暴露することができるこれらのデバイス中の他の部品を提供するために使用される処理工程はより良好に許容されうる。
示した良好な全体の性能及び/又は制御された電気抵抗率を有するフィラー−ポリマー組成物を有するUV−硬化性コーティング、硬化したコーティング又はフィルム、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける遮光性コーティング要素を提供するのに、少なくとも1種のポリマーは、少なくとも1種のフィラーと合わせて、フィラー−ポリマー組成物を形成することができる。少なくとも1種のポリマーを少なくとも1種のフィラーと組み合わせるときに、組成物の調製は、フィラー−ポリマー組成物を形成するために使用されるフィラーの特性/特徴/パラメータの1つ以上に基づいて、少なくとも1種のフィラーを選択/選ぶ/使用することを含む:
a)シリカ相及びカーボン相を有する、制御された量(例えば、装填量)の二相フィラー、又は、
b)シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラー、ここで、前記シリカ相は制御された表面被覆量のシリカ相である、又は、
c)シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラー、ここで、前記二相フィラーは制御されたモルホロジー(例えば、制御された表面積及び/又は構造、ここで、表面積は、例えば、ヨウ素価(I2価)として表現され、そして構造はオイル吸収価(oil absorption number)(OAN)として表現されうる)を有する、又は、
d)a)、b)及びc)の任意の組み合わせ。
a)、b)及び/又はc)のフィラーは、一般に、本明細書中で「二相フィラー」と呼ばれる。
本発明は、また少なくとも1種のフィラーa)、b)、c)又はそれらの任意の組み合わせと、少なくとも1種のポリマーとの示された組み合わせを含む、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素において使用されるフィラーポリマー組成物中でインピーダンス及び誘電率を制御するための方法に関する。
本出願の黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける遮光性要素は液晶又は他のカラーディスプレイデバイスの基材上にフィラー−ポリマー組成物のパターン化薄膜として提供されうる。黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素中に存在するときに、フィラー−ポリマー組成物のパターン化薄膜形態は、例えば、コーティング可能でかつ硬化可能な分散体形態のフィラー−ポリマー組成物から形成されうる。組成物のコーティング可能でかつ硬化可能な分散体形態は、フィラー及びポリマーに加えて、揮発性溶媒などのビヒクルをさらに含むことができる。場合により、分散助剤は、二相フィラーの配合物中への分散を促進するために存在しうる。ポリマーは熱硬化及び/又は触媒硬化可能なポリマーであることができ、例えば、硬化性アクリル系樹脂又は他の硬化性樹脂であることができる。
本発明は、さらに、黒色マトリックスを含むカラーフィルターオンアレイ(COA)に関する。COAはより良好な開口比及びより高いエネルギー効率を有するLCDを製造するために使用されうる。COA設計は黒色マトリックスを含み、該黒色マトリックスは薄膜トランジスタ(TFT)上に直接的に被覆されうる。COA―TFT形態では、LCDにおける容量干渉及び信号遅延を防止するために、黒色マトリックスが低い誘電率及び高い電気抵抗率を示す材料であることを必要とする。これらの考慮点を見ると、低誘電率及び高抵抗粒子は黒色マトリックスにおける使用のために良好な光学濃度を提供し、それは本出願のフィラー−ポリマー組成物において使用される二相フィラーにより提供されうる。
本発明は、さらに、二相フィラー、硬化性ポリマー及びビヒクルを含む硬化性コーティング組成物を基材上に適用して、硬化性コーティングを形成すること、該硬化性コーティングを画像様に硬化して、硬化したコーティングを形成すること、及び、硬化したコーティングを現像しそして乾燥することにより、UV−硬化コーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素を形成する方法に関する。
黒色マトリックスを形成するために使用される、示されたフィラー−ポリマー組成物の硬化性コーティング形態は、例えば、揮発性ビヒクル、硬化性ポリマー及び少なくとも1種の示された二相フィラーa)、b)、c)又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。ビヒクルは、水性ビヒクル又は非水性ビヒクルのいずれかであることができる。水性及び非水性ビヒクルの両方は使用されうるが、液体ビヒクルは、幾つかの用途では、好ましくは非水性ビヒクルであることができる。例としては、酢酸ブチル、エチルセルソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エステル、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、ジメチルアセトアミド及びそれらの混合物を含む非水性ビヒクルが挙げられる。水性溶媒も添加されてよく、例えば、該溶媒としては、水及び水溶性アルコールが挙げられる。ビヒクルは室温で流体であることができ、それは、被覆された組成物を高温でベーキングするなどにより、コーティング後にフィラー−ポリマー組成物からの除去のために選択的に揮発されうるる。
硬化性ポリマーは当該技術分野で知られている任意の樹脂であることができる。例えば、樹脂はアクリル系樹脂又はメタクリル系樹脂であることができる。樹脂は、例えば、エポキシビスフェノールA樹脂又はエポキシノボラック樹脂であることができる。樹脂は、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂又はゼラチンであることができる。これらの樹脂の組み合わせは使用されてよい。樹脂のさらなる例は下記に示される。樹脂は、様々な既知の方法により硬化されうるものであり、例えば、任意の放射線源、例えば、赤外線又は紫外線、又は、熱硬化との組み合わせを含む。硬化性コーティング組成物は光感受性であることができる(すなわち、化学線に暴露しそしてそれを吸収することによるなど、放射線照射により硬化されうる)。樹脂が放射線照射により硬化可能であるときに、硬化性コーティング組成物は光開始剤をさらに含むことができ、該光開始剤はそれぞれの色素とともに光を吸収したときにラジカルを生成する。光感受性樹脂のための従来の光開始剤は使用されてよく、例えば、この点で、任意の有効量で使用される。また、アクリレート、メタクリレート、エポキシド又はスチレンなどのモノマーは含まれてよい。硬化性コーティング組成物は、最小量の追加の成分(添加剤及び/又は共溶媒)及び処理工程を用いて形成されうる。しかしながら、分散助剤、界面活性剤及び共溶媒などの添加剤は含まれてよい。例えば、エポキシビスフェノールA又はエポキシノボラックなどの光感受性樹脂を使用するときに、光開始剤も添加されうる。モノマー及び/又はオリゴマーは添加されうる。
硬化性コーティング組成物は、例えば、高せん断混合を用いることを含めて、当業者に知られた任意の方法を用いて形成されうる。さらに、組成物は、ミルベースなどの二相フィラーの分散体を用いて調製されうる。例えば、硬化性コーティング組成物を配合するのに、二相フィラーの合計量は硬化性コーティング組成物の合計質量の約1wt%〜約60wt%、又は、約3wt%〜約50wt%、又は、約4wt%〜約35wt%、又は、約5wt%〜約25wt%、又は、他の量であることができる。二相フィラーの合計量は、コーティング組成物が硬化性コーティングを形成し、次いで、硬化されるように使用されるときに、得られる硬化コーティングは硬化コーティングの合計質量を基準として、約1wt%以上、又は、5wt%以上、又は、約10wt%以上、又は、約15wt%以上、又は、約20wt%以上、又は、約30wt%以上、又は、約40wt%以上、又は、約50wt%以上の合計の二相フィラーを含み、又は、硬化コーティングの合計質量を基準として、約1wt%〜約80wt%、又は、約50wt%〜約80wt%、又は、約1wt%〜約50wt%、又は、約1wt%〜約40wt%、又は、約1wt%〜約30 wt%、又は、約5wt%〜約50wt%、又は、約5wt%〜約40wt%、又は、約5wt%〜約35wt%、又は、約 10wt%〜約50wt%、又は、約10wt%〜約40wt%、又は、約 10wt%〜約30wt%、又は、約15wt%〜約35wt%、又は、約20wt%〜約40wt%、又は、その他の量の合計の二相フィラーを含むことができる。硬化性コーティング組成物を配合するために使用されるフィラー及びビヒクルを含むブレンド中のポリマー含有分はポリマーのタイプなどにより、変更可能であり、例えば、約5〜約95wt%、又は、10wt%〜約90 wt%、又は、15wt%〜約80wt%、又は、約20wt%〜70wt%、又は、約25wt%〜約60wt%、又は、他の値で変更可能である。フィラー及びポリマーを含むブレンド中のビヒクル(例えば、溶媒)含有分は約0〜約90wt%、又は、1wt%〜約95wt%、又は、5wt%〜約75wt%、又は、約10wt%〜50wt%、又は、他の値で変更可能である。フィラー及びポリマーを含む硬化コーティング又はフィルム中のポリマー含有分は、例えば、硬化コーティングの合計質量を基準として、約99wt%〜約20wt%、又は、約50wt%〜約20wt%、又は、約95wt%〜約50wt%、又は、約95wt%〜約60wt%、又は、約95wt%〜約65wt%、又は、約90wt%〜約70wt%、又は、約85wt%〜約65wt%、又は、約80wt%〜60wt%、又は、他の量のポリマーを含むことができる。
フィラー−ポリマー組成物の追加の成分としては、米国特許出願公開第2011/0009551号及び同第2012/0092598号明細書に記載されるものなどが挙げられ、それらの明細書の全体を参照により本明細書中に取り込む。カーボンブラック及び又は他のタイプの黒色顔料又はさらには黒色顔料とは異なる有色顔料は、例えば、ポリマー組成物中の二相フィラーと組み合わせて使用でき、但し、意図する用途のための全体の着色顔料の要求性能特性を損なわない量で使用される。黒色顔料及び有色顔料の代表的な例は、例えば、上記の特許出願公開公報に提供されており、そしてそれを参照することができる。このようなカーボンブラック及び顔料は多くの源から粉末又はプレスケークの形態のいずれかで市販されており、その源としては、例えば、Cabot Corporation、BASF Corporation、Engelhard Corporation及びSun Chemical Corporationなどが挙げられる。少なくとも1種のカーボンブラック及び/又は着色剤又は顔料混合物と二相フィラーをさらに組み合わせるフィラー−ポリマー組成物において、本明細書中に記載の二相フィラーは、フィラー−ポリマー組成物中に、約1wt%以上、約5wt%以上、約10wt%以上、約20wt%以上、約30wt%以上、約40wt%以上、約50wt%以上、約60wt%以上、約70wt%以上、約80wt%以上、約90wt%以上、約95wt%以上、又は、100%、又は、約1wt%〜約100%、又は、約5wt%〜約95 wt%、又は、約10wt%〜約90wt%、又は、約20wt%〜約80wt%、又は、約30wt%〜約70wt%、又は、約50wt%〜約100wt%の全フィラー(存在するフィラーの質量%)を含むことができる。示されるとおり、二相フィラーはフィラー−ポリマー組成物中に使用される全フィラーのうちの主要なタイプ(≧50%)又は唯一のタイプであることができる。
フィラー、ポリマー、ビヒクル及び任意の他の添加剤のブレンドを形成するために使用することができる高せん断混合装置は、当該技術分野で知られており、例えば、グラインディング、衝撃、又は、同様の衝突作用を提供することができる装置、例えば、水平媒体ミル、垂直媒体ミル、例えば、アトライタ、ボールミル、ハンマーミル、ピンディスクミル、流体エネルギーミル、ジェットミル、流体ジェットミル、衝突ジェットミル、ロータステータ、ペレタイザー、ホモジナイザー、ソニケータ、キャビテータなどが挙げられる。
さらに、フィラー−ポリマー組成物を形成するために使用することができるポリマーに関して、ポリマーは上記以外の1種以上の任意のポリマーであることができる。例えば、さらに上記のポリマーに加えて、ポリマーは、代替的に又は追加的に、フィラーと組み合わせて使用できる任意の他の熱可塑型もしくは熱硬化型ポリマーであることができ、それにより、UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサコーティング又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素を形成することができる。好ましくは、ポリマーはアクリル系ポリマー又はメタクリル系ポリマーであるが、主として、黒色マトリックスにおける意図した用途によるであろう。
フィラー−ポリマー組成物を形成するポリマーは、1種以上のフィラーと組み合わせる前に予備形成されても、又は、1種以上のポリマーは1種以上のフィラーの存在下にその場で形成されてもよい。1種以上のポリマーを形成するために任意の重合技術を用いることができ、例えば、乳化重合、懸濁重合、ラジカル重合などである。
一般に、製品を製造するために特に使用される、任意の既知のポリマー又はポリマーの組み合わせは、電気抵抗率、誘電率を制御すること、及び、制御された抵抗率及び誘電率を有する製品を製造することに関して、本発明から利益を得ることができる。
フィラー及びポリマーは、ブレンディング、混合、押出などの従来の技術を用いて調合されうる。
フィラーに関して、使用される少なくとも1種のフィラーは二相フィラーである。二相フィラーはシリカ相及びカーボン相を有する。シリカ相は連続であるか又は不連続であることができ、そしてカーボン相は連続であるか又は不連続であることができることは理解されるべきである。さらに、用語「二相フィラー」はシリカ相及びカーボン相の存在を指すが、シリカ相は多相シリカ相であることができ、及び/又は、カーボン相は多相カーボン相であることができることは理解されるべきである。図1Aは、二相フィラーの1つの例を示す高解像度TEM写真である。図1A中の矢印はフィラーのシリカ相マントル又はシリカ相表面被覆物の例を指している。図1Bは90%シリカ表面被覆率を有する二相粒子の低解像度TEM画像である。画像から明らかなとおり、二相フィラーの凝集体構造はカーボンブラックのものと似ている。
二相フィラーにおいて、ケイ素の酸化物又は炭化物などのシリコン含有種、例えば、シリカ相は、フィラーの内在部分としてフィラーの少なくとも一部分を通して分布されている。同様に、カーボン相はフィラーの内在部分としてフィラーの少なくとも一部分を通して分布されている。カーボン相は、本質的に、フィラー中のカーボン相として存在するカーボンブラック領域である。従来のカーボンブラックは、凝集体の形態で存在し、各凝集体は炭素である単一相からなる。この相は、グラファイト結晶及び/又は非晶性カーボンの形態で存在することがあり、そして、通常、2つの形態の混合物である。カーボンブラック凝集体は、シリカなどのシリコン含有種をカーボンブラック凝集体の表面の少なくとも一部分の上で堆積させることにより変性されうる。結果はシリカ被覆カーボンブラックとして記載されうる。これは二相フィラーとは異なる。
二相フィラーとして本明細書中に記載される材料は、被覆され又は別のやり方で変性されたカーボンブラック凝集体でなく、実際には、2つの相を有する異なる種類の凝集体を表す。1つの相はカーボンであり、それはなおも、グラファイト結晶及び/又は非晶性炭素として存在し、一方、第二の相はシリカである(そして可能性としては他のシリコン含有種である)。このようにして、二相フィラーのシリコン含有種は凝集体の内在部分であり、凝集体の少なくとも一部分を通して分布されている。二相フィラーが表面上にシリコン含有種が堆積された、予備形成された単一相カーボンブラック凝集体からなる上記のシリカ被覆カーボンブラックとは非常に異なるものと理解されるであろう。このようなカーボンブラックは表面処理され、それにより、例えば、米国特許第6,929,783号明細書に記載されるとおり、カーボンブラック凝集体の表面上にシリカ官能基を配置することができる。本出願において使用されうる様々なタイプの二相フィラー又はシリコン処理カーボンブラックの製造方法及びそれを含有する様々な組成物は、米国特許第7,199, 176号、同第6,709,506号、同第6,686,409号、同第6,534,569号、同第6,469,089号、同第6,448,309号、同第6,364,944号、同第6,323,273号、同第6,211,279号、同第6,169,129号、同第6,057,387号、同第6,028,137号、同第6,008,272号、同第5,977,213号、同第5,948,835号、同第5,919,841号、同第5,904,762号、同第5,877,238号、同第5,869,550号、同第5,863,323号、同第5,830,930号、同第5,749,950号、同第5,747,562号及び同第5,622,557号明細書ならびに米国特許出願公開第2002/0027110号明細書に記載されており、それらすべての全体を参照により本出願で本明細書中に取り込む。
カーボン−シリカ二相粒子は、シリコン含有化合物の存在下でのカーボンブラックの製造により製造されうる。典型的には、カーボンブラックは燃焼ゾーン、収束直径ゾーン、狭められた直径のフィードストックインジェクション及び反応ゾーンを含む、段階炉反応器中で製造される。高温燃焼ガスは、空気、酸素又はそれらの混合物などの適切な酸化剤ストリームと液体又はガス燃料を接触することにより燃焼ゾーンで発生される。酸化剤ストリームは予備加熱し、それにより、高温燃焼ガスの発生を促進することができる。天然ガス、水素、メタン、アセチレン、アルコール又は灯油を含む任意の容易に燃焼可能なガス、蒸気又は液体ストリームは燃焼ゾーンで酸化剤と接触して、高温燃焼ガスを形成するように使用されうる。好ましくは、高い炭素含有分を有する燃料、例えば、炭化水素、触媒クラッキング操作からの石油精製油、ならびに、コーキング及びオレフィン製造操作副生成物は、燃焼ゾーンで燃焼される。酸化剤/燃料の比は使用される燃料のタイプにより変更される。例えば、天然ガスを使用するときに、酸化剤/燃料の比は約10:1〜約1000:1であることができる。一旦生成されると、高温燃焼ガスストリームは反応ゾーンで反応器中に向けられる。カーボンブラックフィードストックストリームは注入ゾーンにて反応器中に導入される。典型的には、フィードストックはフィードストックの最適な分配のために設計されたノズルを通した高温燃焼ガスストリーム中に注入される。1つ又は2つの流体ノズルを用いて、フィードストックを噴霧化することができる。カーボンブラックは、その後、フィードストック及び高温燃焼ガスが混合されるときに反応ゾーンにおいて熱分解又は部分燃焼により製造される。その後、反応ゾーンの下流に配置されているクエンチゾーンにおいて、水などの冷却流体を、形成されたカーボンブラック粒子を含む、ガスストリーム中にスプレイする。クエンチを用いて、反応速度を低下させ、そしてカーボンブラック粒子を冷却する。クエンチストリームは反応ゾーンから所定の距離で配置され、或いは、複数のクエンチストリームを、反応器全体に配置されうる。カーボンブラックが十分に冷却された後に、製品は従来の方法によって分離されそして回収される。ガスストリームからのカーボンブラックの分離は、集塵機、サイクロンセパレータ、バッグフィルターなどの従来の手段、又は、当業者に知られている他の手段により容易に行われる。
カーボン−シリカ二相粒子は、揮発性シリコン含有化合物をクエンチゾーンの上流点でカーボンブラック反応器中に導入することにより製造されうる。好ましくは、シリコン含有化合物はカーボンブラック反応器温度で揮発性である。適切なシリコン含有化合物の非限定的な例としては、テトラエトキシオルトシリケート(TEOS)、シラン(例えば、アルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン及びアリール−アルキルアルコキシシラン)、シリコーンオイル、ポリシロキサン及び環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMTS)、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン及びヘキサメチルシクロトリシロキサン)、及び、シラザン(例えば、ヘキサメチルジシラザン)が挙げられる。適切なシランの例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ジエチルプロピルエトキシシラン、及び、ハロゲンオルガノシラン、例えば、テトラクロロシラン、トリクロロメチルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルエチルジクロロシラン、ジメチルエチルクロロシラン及びジメチルエチルブロモシランが挙げられる。揮発性化合物以外に、必ずしも揮発性でない分解性シリコン含有化合物を用いて、シリコン処理したカーボンブラックを生じることもできる。シリカ処理されたカーボンブラックを生じさせるために使用できる他の適切なシリコン含有化合物としては、タイプD3、D4及びD5の環状ポリシロキサン、及び、ポリシロキサン又はシリコーンオイルが挙げられ、それらの多くは当該技術分野でよく知られている。これらの化合物の有用性は、揮発性及び/又は分解性により容易に決定されうる。低分子量シリコン含有化合物は好ましい。
シリコン含有化合物はカーボンブラックフィードストックと予備混合され、そしてフィードストック注入ゾーンを通して反応器中に導入されることができる。或いは、シリコン含有化合物はフィードストック注入ゾーンから上流又は下流のいずれかで、別々に反応器中に導入されうる。しかしながら、シリコン含有化合物はクエンチゾーンの上流に導入される。揮発時に、そして高い反応器温度への暴露時に、シリコン含有化合物は反応ゾーン内で分解し、そしてカーボン−シリカ二相粒子を形成し、それにより、シリカはカーボンブラックの内在部分となる。シリコン含有化合物が、フィードストックとともに実質的に同時に導入されるならば、シリカ含有領域はカーボンブラック凝集体の少なくとも一部分を通して分布されていることができる。シリコン含有化合物は、或いは、カーボンブラック形成が開始した後であるが、クエンチを受ける前のポイントで、反応ゾーンに導入することができる。このような事態において、シリカ又はシリコン含有種がカーボンブラック凝集体の表面又はその付近に主として存在するカーボン−シリカ二相粒子を得ることができる。
本発明において有用なカーボン−シリカ二相粒子において、限定するわけではないが、SiO2などの酸化ケイ素を含む、シリコン又はシリコン含有種は、カーボンブラックの内在部分としてカーボンブラック凝集体の少なくとも一部分を通して分布されうる。カーボン−シリカ二相粒子中のケイ素濃度は、例えば、反応器中へのシリコン含有化合物の流速により決定されうる。カーボンブラック凝集体は、ペレットへと成形でき、ここで、ペレットは本明細書中に記載のとおりのコーティング及びデバイスで使用されうる。カーボンブラックをペレット化するための一般に知られている技術又はその他はペレットを製造するために適用されうる。
二相フィラーは主としてフィラーの凝集体表面でシリコン含有領域(例えば、シリカ領域)を含むことができるが、なおも、フィラーの一部分であることができ、及び/又は、二相フィラーはフィラーの全体に分布されているシリコン含有領域(例えば、シリカ領域)を含むことができる。二相フィラーは酸化されていてよい。二相フィラーは約0.1%〜約90%質量%、又はそれ以上のシリカを二相フィラーの質量を基準として含むことができる。これらの量は、すべて二相フィラーの質量を基準として、約0.5wt%〜約50wt%、約2wt%〜約45wt%、約5wt%〜約40wt%、約10wt%〜約45wt%、約15wt%〜約45 wt%、約20wt%〜約50wt%、約0.5wt%〜約25wt%、又は、約2wt%〜約15wt%のケイ素であることができる。さらなる例示の量を下記に提供する。
二相フィラーは、場合により、二相フィラーの表面上にシリカ相の少なくとも一部分を有する。別の言い方をすると、二相フィラーは露出した外側表面を有し、シリカ相の少なくとも一部分は、場合により、二相フィラーの該露出表面上に存在している。シリカ相である露出表面被覆の量は変更可能である。二相フィラーの露出表面領域上に存在しているシリカ相の量は表面積基準で100%未満であることができる。別の言い方をすると、二相フィラーの露出表面領域の表面積の少なくとも0.1%はカーボン相であることができる。二相フィラーの露出表面領域上のシリカ相の表面被覆量は、例えば、0.1%〜99.9%、1%〜99%、5%〜95%、5%〜90%、5%〜85%、5%〜80%、5%〜75%、5%〜70%、5%〜65%、5%〜60%、5%〜55%、5%〜50%、50%〜99.9%、50%〜95%、50%〜90%、50%〜85%、50%〜80%、50%〜75%、50%〜70%、50%〜65%表面積の範囲であることができる。二相フィラーの露出表面領域の一部分であるシリカ相の表面被覆率は以下のもの:1%〜5%、5%〜10%、10%〜15%、15%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%であることができ、ここで、百分率は二相フィラーの合計露出表面積を基準とする%表面積である。示されるとおり、黒色マトリックスに適する高い抵抗率及び光学濃度は、例えば、シリカ被覆率が50%以上、又は、55%以上、又は、60%以上、又は、65%以上、又は、70%以上、又は、75%以上、又は、80%以上、又は、85%以上、又は、90%以上、又は、50%〜95%又はそれ以上、又は、50%〜90%、又は、50%〜85%、又は、50%〜80%、又は、50%〜75%、又は、50%〜70%、又は、55%〜90%、又は、60%〜90%、又は、65%〜90%、又は、70%〜90%、又は、他の値である二相粒子で達成されうる。シリカ被覆率の量を決定するために使用されうる試験は、論文タイトル"New Generation Carbon-Silica Dual Phase Filler Part I. Characterization And Application To Passenger Tire" Rubber Chemistry And Technology, Vol 75(2), pp. 247-263 (2002)に提供されており、それを参照により本明細書中に取り込む。
二相フィラーはヨウ素価及び/又はOAN価などに関して種々のモルホロジーを有することができる。OAN価は少なくとも50cc/100gフィラーであることができ、例えば、50〜約200cc/100gフィラーであることができる。ヨウ素価は200mg/g以下であることができ、例えば、5〜200 mg/gであることができる。二相フィラーは、OANが50cc/100gフィラー〜200cc/100gフィラーであることができる。二相フィラーはOANが60〜140cc/100gフィラーであることができる。二相フィラーはOANが141〜200cc/100gフィラーであることができる。OANはASTM D2414に基づいて測定され、その全体を参照により本明細書中に取り込む。ヨウ素価は、例えば、ASTM標準D1510に基づいて測定することができる。
場合により、二相フィラーは一次粒子サイズが50nm以下であることができ、例えば、5nm〜50nm、6nm〜45nm、7nm〜40nm、8nm〜40nm、10nm〜35nm、5nm〜30nm、5nm〜25nm、5nm〜20nm、5nm〜15nm、又は、5nm〜10nmであることができる。この一次粒子サイズは平均一次粒子サイズであることができる。
本発明において、二相フィラーは、平均凝集体サイズが250nm未満、例えば、249nm〜30nm、200nm〜30nm、150nm〜30 nm、100nm〜30 nmなどである粒子を含み、から本質的になり、又は、からなる。粒子は融着した一次粒子の凝集体、又は、融着した一次粒子の複合クラスターであることができる。粒子は、この凝集体又は複合体クラスターであることができ、そしてこれらのサイズ範囲のいずれかを有することができる。場合により、二相フィラーは平均凝集体サイズが250nm未満であり、そして一次粒子サイズが50nm以下である、融着した一次粒子を含むことができる。一次粒子サイズは50nm以下、45nm以下、例えば、5nm〜50nm、6nm〜45nm、7nm〜40nm、8nm〜40nm、10nm〜35nm、5nm〜30nm、5nm〜25nm、5nm〜20nm、5nm〜15nm又は5nm〜10nmであることができる。一次粒子サイズは平均一次粒子サイズであることができる。平均凝集体サイズ及び平均一次粒子サイズは、例えば、ASTM試験"Standard Test Method for Carbon Black- Morphological Characterization of Carbon Black Using Electron Microscopy"により決定されうる。
場合により、二相フィラーは、温度上昇5℃/分で空気中にて120℃〜450℃の温度に供するときに、1wt%未満の質量損失を有することができる。wt%損失は二相フィラーの質量を基準として0.1wt%〜0.99wt%、例えば、0.1wt%〜0.95wt%、又は、0.5〜0.9wt%であることができる。
二相フィラーは、二相フィラー中の合計シリカ相の量が二相フィラーの質量を基準として、1wt%〜90wt%又はそれ以上の範囲であることができる。シリカ相は5wt%〜90wt%、又は、10wt%〜90wt%、又は、10wt%〜85wt%、又は、10wt%〜80wt%、又は、10wt%〜75wt%、又は、10wt%〜70wt%、又は、15%〜90wt%、又は、15wt%〜80 wt%、又は、20wt%〜90wt%、又は、20wt%〜75wt%、又は、25wt%〜90wt%、又は、25wt%〜70wt%、又は、30wt%〜90wt%、又は、30wt%〜65wt%、又は、35wt%〜65wt%、又は、40wt%〜85wt%、又は、50wt%〜80wt%などの量で存在することができる。二相フィラー中のシリカの質量%は空気の存在下に行われる600℃での熱重量分析による知ることができる。
全体の二相フィラー中に種々の量のシリカ相の質量%と、シリカ相の種々の量の露出表面積の任意の組み合わせは、所望の表面積を達成するために十分なシリカ相が存在するかぎり可能である。
二相フィラーの残りの量は、シリカ相でないならば、一般にカーボン相である。微量の他の成分及び/又は不純物は、典型的には、カーボンブラックフィードストック中に見られ、及び/又は、シリカフィードストックは二相フィラー中に存在しうる。
上記のとおり、本発明に使用される二相フィラーは二相フィラーの露出表面上に所定の量のシリカ相を有することができる。上記のとおり、二相フィラーは、例えば、本明細書中に提供される構造、特に、OAN価により示される構造に関するモルホロジーを有することができる。
さらに、フィラー−ポリマー組成物中の二相フィラーの量はいかなる量でもよく、例えば、フィラー−ポリマー組成物の合計質量を基準として1wt%〜50wt%である。示されるとおり、二相フィラーの装填レベルはすべてフィラー−ポリマー組成物の合計質量を基準として、5wt%〜40wt%、5wt%〜35wt%、10wt%〜30wt%、15wt%〜35wt%、20wt%〜40wt%、又は、その他の量の範囲であることができる。
これらの変数、装填レベル、シリカ相の露出表面積、及び、二相フィラーのモルホロジーの任意の組み合わせは本発明で使用されてよい。
二相フィラーは、高い表面電気抵抗率、低い誘電率を有することができ、そして、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティングにおいて使用されるために高い又は少なくとも十分な光学濃度特性を有することができ、その特性はこれらのフィラーの粒子が装填されるポリマー材料又はそれから製造されるコーティングにうまく移行されうる。フィラー−ポリマー組成物中の電気抵抗率を制御して、所望の抵抗率を得る/提供することができる能力を提供するのに有意性を有するという相関は本発明において開発/実現された。
本発明において、1つの態様として、コーティング、又は、コーティング(例えば、硬化コーティング)を含むデバイスは、a)「制御された」量の二相フィラー、b)「制御された」表面被覆量のシリカ相、及び/又は、c)制御されたモルホロジーを有する二相フィラーを含む。用語「制御された」は、本発明のコーティングにおける所望の表面及び/又は体積抵抗率が得られる又はダイアルインされるように、量及び/又はモルホロジーを(本明細書中に記載されるとおりに)選択又は利用することを指す。例えば、a)〜c)の1つ以上を制御し又は利用することにより、本発明のコーティングは、所望の表面抵抗率、例えば、106〜1016Ω/スクエアのいずれかを得ることができる。本発明は、ここで、所望の抵抗率を提供するためにコーティング中で選択され、選ばれ又は使用されうるa)及びb)の量の種々の範囲を提供し、二相フィラーのモルホロジーの種々の範囲を提供する。
特に、フィラー−ポリマー組成物中に存在する二相フィラーの量(例えば、装填レベル)を制御することにより、電気抵抗率は制御されうる。これは、例示的に、図2及び図4に示されており、ここで、二相フィラー装填量がポリマーフィラー組成物/複合材中で0%から30%に増加するときに、ログスケールで示される、組成物/複合材の表面抵抗率及び体積抵抗率が低下することが理解されうる。同様の粒子構造及び表面積を有する、比較として使用される従来の純粋なカーボンブラックである「0%」と特定されるフィラーを除いて、種々の二相フィラーは表面上に(%表面積基準で)種々の量のシリカ相を有する種々の二相フィラーであったが留意される。このため、この関係を考慮して、フィラー−ポリマー組成物における表面及び体積抵抗率を制御することができる。
場合により、1種よりも多くのフィラーを使用して、黒色マトリックス用途のための特定の電気抵抗率を達成することができ、それは各フィラーの量及び二相フィラーにより寄与される抵抗率に基づくことができる。さらに、場合により、本発明の任意の態様において、二相フィラーでない追加のフィラー、例えば、従来のカーボンブラックを使用することができる。例えば、図2を参照すると、従来のカーボンブラックと1種以上の二相フィラーとの組み合わせは、フィラー−ポリマー組成物における所望の電気抵抗率を達成する。示されるとおり、本明細書中に記載の二相フィラーは、フィラー−ポリマー組成物中に、全フィラーの1wt%以上、5wt%以上、10wt%以上、20wt%以上、30wt%以上、40wt%以上、50wt%以上、60wt%以上、70wt%以上、80wt%以上、90wt%以上、95wt%以上、又は、100%(存在するフィラーの質量%)を占めることができる。
さらに、二相フィラー上のシリカ相の表面被覆量はパーコレーション挙動を変化させ、それゆえ、フィラー−ポリマー組成物中の電気抵抗率を所望の抵抗率範囲に正確に制御することができる能力を有する。より詳細には、制御された表面積量(シリカ相に関する)が高いほど、図2(表面抵抗率)及び図4(体積抵抗率)から明らかなとおり、フィラー−ポリマー組成物中の電気抵抗率が高くなる。例えば、図2を参照すると、露出表面でのシリカ相の量が高いほど、すなわち、二相フィラーの表面上のシリカ相の%表面積が高いほど、ほぼ一定の粒子モルホロジーでの電気抵抗率が高くなる。図2から判るように、同様の粒子モルホロジーを有し、シリカ相を有しない従来のカーボンブラックは複合材の抵抗率のより急な低下及び種々の装填レベルにわたる最低の表面抵抗率を示した。二相フィラーの露出表面領域がシリカ相である量が表面抵抗率を制御することができる能力を有することを理解すると、このことは、また、フィラー−ポリマー組成物中の全体の電気抵抗率を制御するための1つの方法でもある。
フィラー−ポリマー組成物における電気抵抗率を制御するための第三の方法は、二相フィラーのモルホロジーを選択/制御することによる方法である。図3及び表1(下記)に示されるとおり、典型的には、フィラーのヨウ素価が高いほど、OANが高いほど、体積抵抗率を低くするのに寄与することができる。さらに、図4に示される結果は、より低いOAN(サンプルG vs.サンプルI)を有する二相フィラーを選択することにより、二相フィラーを含む複合材のパーコレーションの開始を延ばす実用的な方法を示す。図4は、フィラー装填量の関数としてのフィラー−ポリマー複合材のパーコレーション曲線を示す。二相粒子の全モルホロジーを表1に示す。示されるとおり、これらの二相フィラー粒子の全硫黄含有分は300ppm未満である。パーコレーションの開始を延ばす開示の方法の別の実用的な意味は、シリカ被覆による粒子構造効果を補うことである。例えば、二相フィラー「L」はフィラー「D」より高い粒子構造を有するが(図4、表1)、より高いシリカ被覆率のために(75%vs.54%のシリカによる表面被覆率)、サンプル「D」と同様の粒子濃度で同様の体積抵抗率を示した。表1において、粒子の全面積(BET)及び外部面積(STSA)はASTM試験D6556−10 "Standard Test Method for Carbon Black-Total and External Surface Area by Nitrogen Adsorption"により決定できる。表1中のカラム「標的抵抗率範囲」は典型的なフィラー装填率(20〜30wt%)でのポリマー複合材又はコーティングにおける特定の抵抗率範囲を達成するためのシリカカーボンブラック二相フィラー粒子を選択する例を提供する。ここで、用語「高抵抗率」はそれぞれ1012Ω/スクエア又は1012Ω・cmを超える電気表面抵抗率又は体積抵抗率を指し、用語「中抵抗率」はそれぞれ108〜1012Ω/スクエア又は108〜1012Ω・cmである電気表面抵抗率又は体積抵抗率を指し、最後に、「導電性」又は「低抵抗率」はそれぞれ108Ω/スクエア又は108Ω・cm未満の電気表面抵抗率又は体積抵抗率を指す。
図2及び4に示される抵抗率データ、及び、図3に示される二相フィラーの高、中又は低抵抗率分類により反映されるものを得るために、フィラーを含むアクリル系ポリマーフィルムを、以下の例1でアクリル系ポリマーフィルムサンプルを調製するために使用されるものとして記載されたのと同一の方法及び装置を用いて、すべてのそれぞれのフィルムサンプルについて同様に調製した。図1〜3に示した又はさもなければ応用可能な体積抵抗率又は表面抵抗率を、例1に示したのと同一のやり方で測定した。図3中の異なる二相フィラーに割り当てられる抵抗率分類は実施に典型的に使用される粒子装填量(20〜30wt%)でアクリルフィルムに対して行った抵抗率測定に基づいた。
この追加の関係は、UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティング要素において使用されるフィラー−ポリマー組成物中の所望の電気抵抗率を、その所望の標的範囲値に制御するのを支援することができるが、このタイプの制御は、使用されるならば、好ましくは、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素における用途の組成物の高抵抗率特性を阻害しないように使用される。
例えば、図3に見られるように、より高次の構造を有する二相粒子は同様の電気的性能を示すために、シリカによる、より高い程度の表面被覆率を必要とする。より高いシリカ被覆率及びより高次構造の粒子を有するコーティングの電気性能はより低次の構造及びより低いシリカ被覆率を有する二相粒子とほぼ適合されうる。それゆえ、適切なシリカ表面被覆率を有する二相粒子を選択すること(例えば、図3を参照されたい)、又は、所望の構造を有する二相粒子を選択すること、又は、その両方の組み合わせにより、ポリマー複合材の電気特性を制御することができる。電気抵抗率を調節するための手段としての二相粒子の濃度については上記に議論した。上記のとおり、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素における使用のために、フィラー−ポリマー組成物中の所望の電気抵抗率を「ダイアルイン」するために、これらの特性/特徴/パラメータのいずれか1つ、いずれか2つ又は3つすべてを用いることができる。これらの特徴を使用することにより、フィラー−ポリマー組成物中での所望の電気抵抗率を達成することができ、そして光学濃度などの他の重要な特性を調節する機会を有する。例えば、黒色マトリックス及び黒色カラムスペーサでは、より高い電気抵抗率を提供することができる。
本発明は、150℃以上、200℃以上、又は、300℃以上、又は、他の値の処理温度又は後処理温度を要求するポリマー組成物中で特に有用である。本出願のフィラー−ポリマー組成物は黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素の製造において、コーティングされたフィラー−ポリマー組成物に施されるベーキング工程の間など、又は、UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ、他の遮光性コーティング要素又はそれを取り込んだデバイスを製造するのに使用される他の処理工程又は後処理工程の間などで、このような高温処理温度に暴露されうる。空気の存在下での二相フィラーの熱重量分析を図5に示す。500℃以下での二相フィラーの評価可能な質量損失はなかった。逆に、化学結合された、又は、物理的に吸着された有機もしくはポリマー部分を有するカーボンブラック又は酸化カーボンブラックは150℃の低い温度で、結合された又は吸着された官能基を失い始めることはよく知られている。結果として、このような化学結合された又は吸着された基がフィラー−ポリマー複合材の抵抗率(又は、他の性能パラメータ)を制御することの利点は、一旦、フィラー−ポリマー配合物又は複合材が高温に供されると、実現されず又は完全には実現されない。本発明は、適切な二相フィラーを使用/選択することによりこの欠点を克服し、そしてフィラー含有ポリマー配合物又はフィラー−ポリマー複合材を150℃(又はそれ以上)に供し、及び/又は、組成物をポリマー分解が起こりうる温度までに供された後においても、良好な熱安定性及び所望の及び/又は一貫した電気抵抗率を達成する。UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティング要素は本出願の二相フィラー−ポリマー組成物を含むコーティングフィルムを用いて調製でき、ここで、二相フィラーは、UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティング要素を製造するプロセスの間に高温に暴露されるときに(例えば、ベーキング工程)、及び/又は、幾つかの温度サイクルに暴露されるときに、良好な熱安定性を有する。有用な電気抵抗率及びカラー特性をも提供しながら、二相フィラーの良好な熱安定性を提供することができる。本出願のフィラー−ポリマー組成物はより過酷なベーキング工程又は他のより高温の処理条件の使用を可能にすることができる。これにより、UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素のより堅牢で及び/又は高速の製造方法が提供されうる。熱可塑性成分、熱硬化型成分などのポリマー及び樹脂の例は上記され、ここでも同様に適用されるが、上記に限定されない。アクリル系樹脂は、例えば、使用でき、及び/又は、硬化性である他の樹脂は使用されうる。ポリマーの選択は、UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素における意図された用途に大きく依存するであろう。
したがって、本発明は、UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素のための本明細書(上記又は下記)のポリマー組成物を含み、ここで、フィラー−ポリマー組成物の電気抵抗率はフィラー−ポリマー組成物中に存在するポリマーの熱安定性温度までの温度でフィラー−ポリマー組成物の熱処理又は後処理時に維持される。フィラー−ポリマー組成物の電気抵抗率はフィラー−ポリマー組成物の熱処理又は後処理時に維持されることができる。
特定の例として、黒色マトリックスにおける使用のためのポリマー組成物は、少なくとも1種のポリマー及び少なくとも1種の二相フィラーを含んで形成でき、それは合計硫黄量が約10000ppm以下であり、約5000ppm以下であり、500ppm又は300ppm以下である。ポリマーは上記に示すとおりの任意の1種以上のポリマーであることができる。例えば、図4はフィラー装填量の関数としてのフィラーポリマー複合材のパーコレーション曲線を示し、ここで、硫黄含有分は300ppm未満である。
場合により、二相フィラー(本発明の任意の実施形態又は態様において)は結合された少なくとも1種の化学基、例えば、1種以上のシラン、又は、Siを含む1種以上の化学基、又は、ジアゾニウム化学による表面変性基、又は、他の化学基、又は、それらの任意の組み合わせを有することができる。二相フィラー上に場合により結合されうる化学基は、任意の結合手段によることができ、例えば、共有結合、吸着、水素結合などである。一般に、異なる表面処理剤は粒子表面のカーボン及びシリカ部分と異なるように反応することができる。
例えば、カーボン−シリカ二相粒子は、化学基、例えば、有機基を優先的に表面のカーボン部分に結合するように変性されうる。このような変性カーボン−シリカ二相粒子は当業者に知られている方法により調製されうる。このような変性カーボン−シリカ二相粒子は、例えば、米国特許第5,554,739号、同第5,707,432号、同第5,837,045号、同第5,851,280号、同第5,885,335号、同第5,895,522号、同第5,900,029号、同第5,922,118号、同第6,042,643号、同第6,337,358号、同第6,350,519号、同第6,368,239号、同第6,372,820号、同第6,551,393号及び同第6,664,312号明細書、国際特許出願公開第WO99/23174号明細書及び米国特許出願公開第2006/0211791号明細書に開示の方法により調製されうる。このような方法において、カーボン−シリカ二相粒子に結合される有機基又は他の材料及びカーボン−シリカ二相粒子は組み合わされる。亜硝酸塩及び酸の水溶液は、その後、別々に又は一緒に添加されて、ジアゾニウム反応を起こし、ジアゾニウム塩を生成し、該ジアゾニウム塩はカーボン−シリカ二相粒子のカーボン表面と反応する。ジアゾニウム塩のこの生成は、好ましくは、カーボン−シリカ二相粒子とともに現場で行われる。ジアゾニウム反応において、第一級アミン基はジアゾニウム塩を介して反応して、窒素ガス又は他の副生成物を生成し、その後、それは有機基を顔料上に結合させることができるであろう。変性カーボン−シリカ二相粒子の他の調製方法としては、有機基を含む試薬と、利用可能な官能基を有するカーボン−シリカ二相粒子を反応させることが挙げられる。このような変性カーボン−シリカ二相粒子は上記の文献に記載の方法を用いて調製することもできる。
カーボン−シリカ二相粒子がそれに結合された少なくとも1種の有機基を有するときには、有機基は、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はヘテロアリール基であることができる。有機基は置換されていても又は置換されていなくてもよい。脂肪族基は炭化水素系基であり、1〜約20個の炭素原子を含んでよく、飽和であってよく(すなわち、アルキル基)、又は、1個以上の不飽和部位を含んでよい(すなわち、アルケニル及び/又はアルキニル基)。脂肪族基は枝分かれであっても又は枝分かれでなくてもよく、そして非環式でも又は環式でもよい。適切な非環式脂肪族基の非限定的な例としては、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基が挙げられる。適切な環式脂肪族基の非限定的な例としては、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなど)及びシクロアルケニル基(例えば、シクロペンテニル及びシクロヘキセニル)が挙げられる。用語「芳香族基」は、当該技術分野で一般に理解されているとおり、置換されていない又は置換されている芳香族炭素環式基を指し、そしてフェニル及びナフチル基が挙げられる。用語「複素環式」は、本明細書中に使用されるときに、O, N又はSから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む、単環式もしくは二環式の5−もしくは6−員環式系及びそれらの組み合わせを指す。複素環式基は任意の適切な複素環式基であることができ、脂肪族複素環式基、芳香族複素環式基又はそれらの組み合わせであってよい。芳香族複素環式基は、本明細書中でヘテロアリール基と呼ぶ。複素環式基は単環式複素環式基又は二環式複素環式基であることができる。適切な二環式複素環式基としては、C6〜C10アリール環に縮合した単環式複素環が挙げられる。複素環式基が二環式複素環式基であるときには、両方の環系は脂肪族又は芳香族であることができ、又は、1つの環系が芳香族であることができ、他方の環系が脂肪族であることができ、例えば、ジヒドロベンゾフランであることができる。適切なヘテロアリール基の非限定的な例としては、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾチアゾリニル及びキナゾリニルが挙げられる。
代替的に又は加えて、カーボン−シリカ二相粒子は、シリカ処理剤などの、シリカ表面と優先的に結合する薬剤で処理されうる。シリカ処理剤は任意の適切なシリカ処理剤であることができ、そしてカーボン−シリカ二相粒子の表面に共有結合されることができ、又は、非共有結合コーティングとして存在することができ、該コーティングは表面のカーボン部分をも被覆することができる。典型的には、シリカ処理剤はカーボン−シリカ二相粒子のシリカ含有相に共有結合又は非共有結合のいずれかにより結合される。シリカ処理剤は疎水化性シランを含むことができる。例えば、シリカ処理剤は式:R4-nSiXn(nは1〜3であり、各Rは水素、C1〜C18アルキル基、C3〜C18ハロアルキル基又はC6〜C14芳香族基から独立して選択され、そして各Xは独立して、C1〜C18アルコキシ基又はハロである)の化合物であることができる。シリカ処理剤は官能化シランを含むことができる。官能化シランはアクリレート、メタクリレート、アミノ、無水物、エポキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、硫黄、ビニル、イソシアネートから選ばれる少なくとも1つの官能基又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
シリカ処理剤はシリコーン流体であることができる。シリコーン流体は、非官能化シリコーン流体又は官能化シリコーン流体であることができる。有用な非官能化シリコーン流体の非限定的な例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、フェニルメチルシロキサンコポリマー、フルオロアルキルシロキサンコポリマー、ポリアルキレンオキシド変性シリコーン、D3、D4及びD5のタイプの環状ポリシロキサンなどが挙げられる。官能化シリコーン流体は、例えば、ビニル、水素化物、シラノール、アミノ又はエポキシから選ばれる官能基を含むことができる。シリカ処理剤はシラザンを含むことができ、例えば、シリカ処理剤はヘキサメチルジシラザン、オクタメチルトリシラザン、環状シラザンなどを含むことができる。
代替的に又は加えて、二相フィラー粒子のカーボンブラック相は、二相フィラー粒子を、硝酸、オゾン、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウムなどの当該技術分野で知られているような少なくとも1種の酸化剤と接触させることによるカーボン相の酸化により変性されていてよい。
二相フィラーは任意の構造を有してよく、例えば、二相フィラーはOANが約50cc/l00gフィラー〜約200cc/100gフィラー、OANが140cc/100gフィラー、OANが50〜140cc/100gフィラー、又は、OANが141〜200cc/100gフィラーであることができ、又は、異なるOANを有する種々の二相フィラーの任意の組み合わせであることができる。
さらに、本発明では、黒色マトリックスにおける使用のためのフィラー−ポリマー組成物は5〜35wt%(フィラー−ポリマー組成物の質量を基準として)の装填量で電気抵抗率が2桁以下で変化する電気抵抗率を有することができる。フィラーのOAN価は約50g/100gフィラー以上であることができ、本明細書中で上述したOAN価のいずれかを含むことができる。この桁数は2以下、1.7以下、1.5以下、1.4以下、1.2以下、1以下、0.8以下、0.6以下、0.4以下、又は、0.2以下、例えば、0.1〜2、又は、0.5〜1.5などであることができる。装填レベルの範囲にわたる一貫した電気抵抗率を維持する能力は、抵抗性フィラー−ポリマー組成物を形成するときに最終使用者に有意な利点を提供する。このことは、例えば、図2及び4(アクリル複合材)の上部に示され、種々の装填レベルにわたる電気抵抗率(表面及び体積の両方)の若干の変化を有し、約2桁以下である。例えば、これは二相フィラー、例えば、シリカ相被覆率が70%を超え、80%を超え、85%を超え、80%〜95%などである二相フィラーを用いて達成されうる。このことは、より低いシリカ表面被覆率及びより低次の粒子構造の組み合わせを用いて達成されうる。それゆえ、本発明のフィラー−ポリマー組成物は、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性コーティング要素のための複合材及び組成物、ならびにそれを含む製品又はデバイスを電気抵抗性とすることができる。
図2に示すように、従来のカーボンブラックに基づく複合材の抵抗率はフィラー−ポリマー複合材中の狭い範囲のカーボン装填量で劇的に低下した。本発明の方法は、本明細書中に記載のとおりであり、高いシリカ表面被覆率を有するものを含むことができる二相フィラーを使用/選択することによりこの問題を克服する。例えば、二相フィラーモルホロジーにより、約50%以上又は80%以上のシリカ表面被覆率は黒色マトリックスにおける最終の組成物又は複合材中の広い範囲のフィラー濃度にわたって電気抵抗率を維持し、非常に広い範囲のフィラー装填量にわたって1又は2桁未満の電気抵抗率の変化を達成するのに十分であることが発見された。場合により、フィラー−ポリマー組成物の安定な電気抵抗率はフィラーを全く含まない同一のポリマー(フィラーポリマー組成物における)の電気抵抗率と実質的に同一であることさえでき、ニートポリマー(フィラーを含まない)と比較して2桁未満であることができる。このことは、従来のカーボンブラック(同一の表面積及び構造を有する)に基づく最終組成物が約10wt%のフィラー濃度で浸透しそして二相フィラー及び/又はニートポリマーに基づくものよりも約9桁低い体積抵抗率を有することからして、特に印象的である。このように、本発明は、様々なフィラー装填量であっても、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素のための最終組成物又は複合材における電気抵抗率の正確な制御を可能にする。さらに、本発明は、広い範囲のフィラー量を有する高抵抗性複合材の配合を可能にする。このことは、コーティング層の光学濃度がフィラー粒子の量及びその消光特性により決定されるので、適切な遮光性を有する黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素を得るために重要である。
さらに、二相フィラーを含む複合材の誘電特性は二相フィラー粒子のシリカ被覆率により制御されることが驚くべきことに判った。詳細には、より高いシリカ被覆率フィラーを含むフィラー−ポリマー複合材は、複合材の誘電率を実質的に低下させるのに有効であった。高い抵抗性で、光学濃度が高いコーティングを製造する二相フィラー粒子の能力とともに、この発見は、次世代黒色マトリックス、カラーフィルターオンアレイ(COA)設計、黒色スペーサ及びLCDにおける他の遮光性コーティング要素の要求によりもたらされる材料上の課題を克服する機会を切り開く。本明細書中に提供された例に示されるとおり、シリカ−カーボンブラック二相フィラーを用いて、高い電気抵抗率、低い誘電率及び十分な光学濃度を有するコーティングを製造することができる。
本発明では、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性コーティング要素におけるUV−硬化性フィルム及び硬化したフィルムを形成するためのフィラー‐ポリマー組成物において使用される従来の又は任意成分としての追加の成分の1つ以上は、例えば、従来から使用されている量で、ここで使用されうる。
本発明の黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティング要素を形成するために使用されるUV−硬化性コーティング組成物は、例えば、上記の二相フィラー、ポリマー、及び、硬化性フィルムを形成するコーティング中で使用されうる安定な分散体を提供するためのビヒクルを用いて調製できる。場合により、少なくとも1種の適切な分散助剤は、配合物中に添加されて、二相フィラーの分散体を凝集体レベルにすることができる。これにより、改良された電気特性のバランス、例えば、高表面抵抗率及び/又は低誘電率、及び/又は高光学濃度、又は、これらの任意の組み合わせを含む、改良された全体特性及び性能を有するUV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティング要素を調製することが可能になる。表面抵抗率は絶縁性材料の表面に沿った漏れ電流に対する抵抗の尺度であり、例えば、ASTM法D257−93に規定される方法を含む、当該技術分野で知られている様々な技術を用いて測定されうる。体積抵抗率はASTM D−257を用いて決定されうる。例えば、Keithley Application Note Number 314 "Volume and Surface Resistivity Measurements of Insulating Materials Using the Model 6517A Electrometer/High Resistivity Meter"は表面抵抗率及び体積抵抗率の測定を詳細に記載している。光学濃度(OD)は材料の不透明性の尺度であり、典型的には、デンシトメータを用いて測定される。ODはフィルムの厚さを含む、幾つかの要因に依存する。光学濃度はX-RITE 361T デンシトメータ(X-RITE, Grand Rapids, MI, U.S.A.)を用いて測定されうる。本発明のコーティングは、上記の電気抵抗率を有することができ、それは本発明の硬化性、硬化した又は、両方の形態のコーティングに適用できる。本発明のコーティングは、1μmのコーティング厚あたりに約1以上の光学濃度を有することができ、約1012Ω/スクエア以上、又は、1013Ω/スクエア以上、又は、1014Ω/スクエア以上、又は、1015Ω/スクエア以上、又は、約1012Ω/スクエア〜約1016Ω/スクエア、又は、約1012Ω/スクエア〜約1015Ω/スクエア、又は、約1012Ω/スクエア〜約1014Ω/スクエア、又は、他の値の表面抵抗率を有することができる。これらの光学濃度値は、本発明の硬化性、硬化した、又は、両方の形態のコーティングに適用できる。本発明のコーティングは、例えば、表面抵抗率に関する上記の範囲の値と同一であるか、又は、他の値(例えば、1ミクロンのコーティング厚あたり)である体積抵抗率を有することができる。本発明のコーティングは、コーティングの用途によって、例えば、1〜250ミクロン(μm)厚さ、又は、10〜100ミクロン厚さ、又は、20〜50ミクロン厚さ、又は、1〜4ミクロン厚さ、又は、他の厚さを含む、より厚いフィルム厚さで同様の電気特性(例えば、抵抗率)を有することができる。本発明は、変性有機黒色顔料を含む、硬化性コーティング組成物、硬化性コーティング及び硬化したコーティングならびにそれから形成された黒色マトリックスにも関する。これらの製品を含むUV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性コーティング要素は上記のとおりの表面抵抗率及び/又は光学濃度を有することができる。黒色マトリックスは20未満、又は、19未満、又は、18未満、又は、17未満、又は、16未満、又は、15未満、又は、14未満、又は、13未満、又は、12未満、又は、11未満、又は、10未満、又は、5未満、又は、1〜20未満、又は、5〜20未満、又は、10〜20未満、又は、5〜15、又は、他の値の誘電率kを有することができる。これらの誘電率値は本発明の硬化性、硬化した、又は、両方の形態のコーティングに適用できる。誘電率測定は、例えば、1296A Dielectric Interfaceと相補されるSolartron 1260A Impedance/Gain-phase Analyzer (FRA) (Solartron Analytical) で測定されうる。黒色マトリックス用途のためのコーティングの誘電率を決定するためにキャパシタンス測定を行う、注目の周波数は100Hz〜1MHzの範囲であることができる。20未満のより特定の誘電率の選択は、トランジスタタイプのLCDデバイス上のカラーフィルターにおいて使用される黒色マトリックス上に有機層が形成されるかどうかなどの要因を考慮することができる。例えば、このようなLCDデバイスにおける黒色マトリックス上に有機層が形成されていない場合に、20未満の誘電率を使用することができ、一方、デバイスにおける信号遅延又は他の問題を最小限に抑制するためなど、黒色マトリックス上に有機層が形成されている場合には、誘電率を10未満となるように選択することができる。
本発明は、さらに、UV−硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティング要素の製造方法に関する。例えば、図6に例示されるとおり、方法は、一般に、プロセスフロー(600)により示され、ここで、それはUV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティングを製造するために使用することができる。この方法は、二相フィラー、ポリマー及びビヒクルをブレンドして、硬化性フィラー−ポリマーコーティング組成物を形成すること(601)、その後、硬化性フィラー−ポリマーコーティング組成物を基材上に適用し、基材上に硬化性コーティングを形成すること(602)、得られた硬化性コーティングを画像状に硬化させること(603)、及び、硬化したコーティングを現像及び乾燥させて、UV硬化コーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティングを形成すること(604)の工程を含むことができる。工程601の代わりに、ビヒクル及び任意成分の分散助剤を含む二相フィラーの分散体を最初に作り、その後、硬化性ポリマー及び他の添加剤と調合することができる。分散助剤は、溶媒又は水性媒体中の顔料/粒子の分散性を高めることができる添加剤である。ポリマー系分散助剤は、通常、有機溶媒中に使用される。これらのポリマー分散助剤は、通常、顔料表面と相互作用する顔料親和性基を有する。ポリマー分散助剤は長鎖ポリマーを含むことができ、該長鎖ポリマーは溶媒中で可溶性であり、そのため、顔料粒子の立体安定化性を提供する。一般的に使用される分散助剤としては、例えば、BYK Chemieからの Disperbyk(登録商標)-161及びDisperbyk(登録商標)-163、Lubrizol Ltd.からのSolsperse(登録商標)24000, Solsperse(登録商標) 37500, Solsperse(登録商標) 35100が挙げられる。UV−硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティングは本明細書の上記及び実施例において記載されるような硬化性コーティング組成物又は他のフィラー−ポリマー組成物から調製されうる。表面抵抗率及び光学濃度は、例えば、黒色マトリックス材料のための重要な特性であることができる。本発明のUV−硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティングが、例えば、本発明の硬化したコーティングを形成するために使用することができる、本発明の硬化性フィラー−ポリマーコーティング組成物から形成されうるので、UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティングはコーティングに関係して上記したような性能特性(表面抵抗率及び光学濃度)を有することができる。本発明の記載のコーティング中の二相フィラーの合計量は上記の値を含むことができる。単一のタイプの又は1つよりも多くのタイプの二相フィラーは、UV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティング中に使用される任意のポリマー組成物中に使用されうる。
本発明は、さらに、本明細書中に記載のとおりのUV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティングを含む液晶ディスプレイデバイスに関する。本発明は、さらに、本明細書中に記載のとおりの黒色マトリックスとの組み合わせで使用されうるカラーフィルターに関する。カラーフィルターは、当該技術分野で知られている任意の方法を用いて、特に、上記のような黒色マトリックス部品の形成を含む方法を用いて形成することができる。本出願では、ディスプレイデバイスのピクセルに要求される色に対応する色の顔料を使用することができる。本発明は、また、基材上に形成された少なくとも1つの薄膜トランジスタ(TFT)アレイ、及び、該アレイの上に直接的に配置されている赤外線もしくは近赤外線透明層を含み、該赤外線もしくは近赤外線透明層が上記のような黒色マトリックスを含むことができる、カラーフィルターオンアレイ(COA)構造に関する。本発明は本明細書中に示すとおりのカラーフィルターオンアレイ構造を含む液晶ディスプレイデバイスにも関する。
例えば、図7Aを参照すると、黒色マトリックス部品を取り込んだ、カラーフィルターオンアレイ(COA)技術により製造することができる、本発明による液晶デバイス700は示されている。カラーフィルター721は活性デバイスアレイ基材710(例えば、TFTアレイ基材)上に形成されている。カラーフィルター721は黒色マトリックス724及び複数のカラーフィルター薄膜726を含む。一般的に言えば、カラーフィルター薄膜領域726の材料はレッド、ブルー又はグリーンの樹脂であることができる。液晶層730はカラーフィルター721と対向透明絶縁性基材720との間に配置されている。パターン化電極715は層730に面している対向基材720の側に提供されうる。カラーフィルター721は、例えば、当該技術分野で知られているようなリソグラフィー法、インクジェット印刷又はれらの技術の組み合わせを用いて、活性デバイス基材710上に形成されうる。例えば、黒色マトリックス724はパターン化ネガティブ光感受性黒色樹脂層として形成でき、そしてカラーフィルター領域726はパターン化光感受性カラーフィルター層領域として及び/又はインクジェット印刷により形成されうる。活性デバイスアレイ基材710(例えば、TFTアレイ基材)の設計及び作製は従来のとおりであることができ、本明細書中に記載のような黒色マトリックス組成物を用いて製造されるカラーフィルターとの組み合わせで使用されるのに適する任意の形態であることができる。このようなデバイス中及びデバイスとともに従来から使用されている図示されてない他の部品は液晶デバイス中に含まれてよい。表面変性有機黒色顔料及び任意成分のカーボンブラックを含む黒色マトリックスをTFTアレイ上に含むカラーフィルターの形成は、例えば、米国特許第7,773,177号(B2)、同第7,439,090号(B2)、同第7,436,462号(B2)及び同第6,692,983号(Bl)ならびに米国特許出願公開第2007/0262312号(A1)及び同第2011/0005063号(A1)明細書に開示されそして示されているようなプロセス工程及び構成を用いて提供でき、それらの全体を参照により本明細書中に取り込む。
図7Bを参照すると、例えば、黒色カラムスペーサ及び黒色マトリックスを用いて製造されうる本発明による液晶デバイス701は示されている。スペーサ740は各ピクセル領域において形成され、薄膜トランジスタ750上に配置されている。スペーサ740は黒色マトリックス760と同一の材料を含むことができ、黒色マトリックス760と同一の方法で形成することができる。カラムスペーサが黒色であるときに、それを黒色カラムスペーサとも呼ぶ。各スペーサ750及び黒色マトリックス760は同一の材料を含むことができ、そして対向基材770は薄膜トランジスタ750が外側から認識されるのを防止するために別個の黒色マトリックスを要求しないであろう。結果として、製造工程数は低減でき、そしてアレイ基材780及び対向基材770の間の整合不良は防止されうる。層790は液晶層を示し、795はカラーフィルターであり(例えば、レッド(R)、ブルー(B)又はグリーンカラーフィルター)、CHはコンタクトホールであり、そしてPAはピクセル領域である。LCD701の他の部品は記載の米国特許出願公開第2011/0005063号(A1)明細書に示すようなものを挙げることができる。
本発明は任意の順序及び/又は任意の組み合わせで以下の態様/実施形態/特徴を含む。
1.本発明は、少なくとも1種のポリマー及び少なくとも1種のフィラーを含む、フィラー−ポリマー組成物を含むUV−硬化性コーティングであって、前記フィラーは、
a)シリカ相及びカーボン相を有する、制御された量の二相フィラー、又は、
b)シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラー、ここで、前記シリカ相は制御された表面被覆量のシリカ相である、又は、
c)シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラー、ここで、前記二相フィラーは制御されたモルホロジーを有する、又は、
d)a)、b)及びc)の任意の組み合わせ、
を含む、UV−硬化性コーティングに関する。
2.硬化したコーティングは黒色マトリックスである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
3.硬化したコーティングは黒色カラムスペーサである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
4.硬化したコーティングはLCDデバイス中の遮光性コーティング要素の構成要素である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様記載のコーティング。
5.前記二相フィラーは一次粒子が融着したものを含み、平均凝集体サイズが250nm未満であり、平均一次粒子サイズが50nm以下である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
6.二相フィラーは空気中にて5℃/分の温度上昇で120℃〜450℃の温度に供したときに、1質量%未満の損失量である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
7.前記フィラー−ポリマー組成物の前記電気抵抗率は、前記少なくとも1種のポリマーの熱安定性温度以下の温度で前記フィラー−ポリマー組成物を熱処理又は後処理したときに維持されている、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
8.前記制御された量は1wt%フィラー装填量〜40wt%フィラー装填量から選択される量である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
9.前記コーティングは表面抵抗率が106〜1016Ω/スクエアである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
10.前記コーティングは表面抵抗率が1012〜1016Ω/スクエアである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
11.前記シリカ相の前記制御された表面被覆量は約50%〜約99%であり、そしてより高い制御された表面被覆量は前記コーティングにより高い電気抵抗率を提供する、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
12.前記コーティングは誘電率が20未満である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
13.前記コーティングは、約1ミクロンの厚さで測定して、光学密度が少なくとも約1以上である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
14.前記シリカ相は前記二相フィラーの質量を基準として10wt%〜約90wt%の量で存在する、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
15.前記二相フィラーは少なくとも1種の化学基が結合している、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
16.前記二相フィラーは少なくとも1種のシランが結合している、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
17.本発明は、少なくとも1種のポリマー、及び、シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラーを含む、ポリマー組成物を含む、UV−硬化性コーティングであって、前記二相フィラーは、露出外側表面領域を有し、前記シリカ相は表面積基準で前記露出外側表面領域の約50〜約99%を占め、前記コーティングは抵抗率が1010〜1016Ω/スクエアであり、誘電率が20未満であり、光学濃度が、約1ミクロンの厚さで、少なくとも約1以上である、UV−硬化性コーティングに関する。
18.硬化したコーティングは黒色マトリックスである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
19.硬化したコーティングは黒色カラムスペーサである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
20.硬化したコーティングはLCDデバイス中の遮光性要素の構成要素である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
21.前記シリカ相は表面積基準で前記露出外側表面領域の50%〜90%である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
22.前記シリカ相は表面積基準で前記露出外側表面領域の50%〜80%である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
23.前記シリカ相は表面積基準で前記露出外側表面領域の50〜70%である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
24.前記ポリマーは少なくとも1種の硬化性ポリマーである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
25.前記二相フィラーは少なくとも1種の化学基が結合している、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
26.前記少なくとも1種の化学基はシランである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
27.前記二相フィラーはOANが50〜140cc/100gフィラーである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
28.前記二相フィラーはOANが141〜200cc/100gフィラーである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
29.本発明は、a)少なくとも1種のポリマー、及び、
b)露出外側表面領域を有する少なくとも1種の二相フィラー、
を含む、ポリマー組成物を含む、UV−硬化性コーティングであって、
前記二相フィラーはOANが50cc/100g〜200cc/100gフィラーであり、シリカ含有分率が10wt%〜90wt%であり、前記シリカ相は表面積基準で前記露出外側表面領域の約50%〜約99%を占める、UV−硬化性コーティングに関する。
30.硬化したコーティングは黒色マトリックスである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
31.硬化したコーティングは黒色カラムスペーサである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
32.硬化したコーティングはLCDデバイス中の遮光性要素の構成要素である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
33.前記ポリマー組成物は硬化した組成物を含む、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
34.前記コーティングは表面抵抗率が1010〜1016Ω/スクエアである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
35.前記コーティングは誘電率が20未満である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
36.前記コーティングは、約1ミクロンの厚さで、光学密度が少なくとも約1以上である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
37.本発明は、a)少なくとも1種のUV−硬化性ポリマー、及び、
b)露出外側表面領域を有する少なくとも1種の二相フィラー、
を含む、UV−硬化性コーティングであって、
前記二相フィラーはOANが約50〜約200cc/100gフィラーであり、シリカ含有分率が10wt%〜90wt%であり、前記シリカ相は表面積基準で前記露出外側表面領域の約50%〜約99%を占め、電気抵抗率はポリマー組成物中で5wt%〜35wt%の装填レベルにわたって2桁以下のオーダーで変化する、UV−硬化性コーティングに関する。
38.硬化したコーティングは黒色マトリックスである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
39.硬化したコーティングは黒色カラムスペーサである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
40.硬化したコーティングはLCDデバイス中の遮光性要素の構成要素である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
41.前記ポリマー組成物の電気抵抗率、及び、前記少なくとも1種のポリマーを含み、いかなるフィラーも含まないポリマー組成物の電気抵抗率は前記装填レベルにわたって2桁以下のオーダーで変化する、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のコーティング。
42.任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のUV−硬化性コーティングの硬化物を含む、液晶デバイス。
43.任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載の硬化コーティングを含む、黒色マトリックス。
44.任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載の硬化コーティングを含む、黒色カラムスペーサ。
45.任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載の硬化コーティングを含む、LCDデバイス中の遮光性コーティング要素の構成要素。
46.任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載の硬化コーティングを含む、液晶デバイス。
47.(i)少なくとも1種のポリマーを、少なくとも1種のフィラー及びビヒクルと合わせて、UV−硬化性フィラー−ポリマー組成物を提供すること、ここで、前記フィラーは、
a)シリカ相及びカーボン相を有する、制御された量の二相フィラー、又は、
b)シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラー、ここで、前記シリカ相は制御された表面被覆量のシリカ相である、又は、
c)シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラー、ここで、前記二相フィラーは制御されたモルホロジーを有する、又は、
d)a)、b)及びc)の任意の組み合わせ、
を含む、
(ii)前記硬化性フィラー−ポリマー組成物を基材上に適用し、UV−硬化性コーティングを形成すること、及び、
(iii)前記コーティングを画像様に硬化させ、硬化コーティングを形成すること、及び、
(iv)前記硬化コーティングを現像しそして乾燥すること、
を含む、UV−硬化コーティングの製造方法に関する。
48.前記硬化コーティングは黒色マトリックスである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のUV−硬化コーティングの製造方法。
49.前記コーティングは黒色カラムスペーサである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のUV−硬化コーティングの製造方法。
50.前記コーティングはLCDデバイス中の遮光性要素の構成要素である、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載のUV−硬化コーティングの製造方法。
51.本発明はa)少なくとも1種の溶媒、
b)露出外側表面領域を有する、少なくとも1種の二相フィラー、ここで、前記シリカ相は表面積基準で前記露出外側表面領域の約10%〜約99%を占める、及び、
c)場合により、分散助剤、
を含む、分散体に関する。
52.前記溶媒はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである、任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載の分散体。
53.任意の先行又は後続の実施形態/特徴/態様に記載の分散体を含む、UV硬化性コーティング。
本発明は文及び/又は段落中に示されるとおりの上記及び/又は下記のこれらの様々な特徴又は実施形態の任意の組み合わせを含むことができる。本明細書中に開示の特徴の任意の組み合わせは本発明の一部と考えられ、組み合わせ可能な特徴に関して限定は意図されない。
本発明は以下の実施例によりさらに明確化され、該実施例は本発明の例示であることが意図される。
[例1]
ポリマー−フィラー配合物を黒色マトリックスの形成における使用のために評価した。様々な二相粒子を含むコーティングの電気特性及び該電気特性を調節することができる能力を評価するために幾つかのアクリル配合物を調製した。85%シリカ被覆率、50%シリカ被覆率及び30%シリカ被覆率を有する二相粒子を、市販のカーボンブラック(Vulcan(登録商標) 7H, Cabot Corporation)とともに選択し、該カーボンブラックは比較研究のために同様のモルホロジーを有した(OANは125mL/100gであった)。市販のカーボンブラックは0%シリカ被覆率を有した。
各フィラーサンプルでは、ポリマー複合材はDSM NeoResinsからのアクリル樹脂NeoCryl B-814を用いて調製した。メチルエチルケトン(MEK)を溶媒として用いた。幾つかの実験において、NeoCryl B-814アクリル樹脂をJoncryl 611アクリル樹脂(Johnson Polymersから市販)で置き換えた。
MEK溶媒分散体(ミルベース)をScandexペイントシェーカーにおいて調製した。所望の質量比の二相フィラー粒子/アクリル樹脂を有するレットダウン分散体を調製し、3ミルドローダウンバーでスチールQ−プレート上に被覆した。フィルムを最初にフード中で空気乾燥し、次いで、120℃で炉乾燥した。
体積及び抵抗率測定値を、ETS抵抗プローブ803Bを備えたKeithley 6517エレクトロメータを用いて、ASTM D257-93に記載の手順により得た。抵抗を測定するための電圧は5Vであった。表面抵抗率値はコンピュータから直接的に取った。
図2は、得られたアクリルフィルムの表面電気抵抗率を描き、粒子の装填量とは独立した標的電気抵抗率を有するフィルムを製造することができる、本明細書中に提案された方法の能力を示す。別の言い方をすると、フィラー上のシリカ相表面被覆の量は抵抗率を制御した。これらの結果は、二相フィラー−ポリマー組成物が高い電気抵抗率、及び、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性コーティング要素を形成するのに応用することができる他の特性を有する複合材フィルムを製造するために使用されうることをさらに示す。
[例2]
熱重量分析研究をカーボンブラック、表面酸化カーボンブラック及び約85%表面積がシリカ相である二相フィラーに対して行った。図5は空気の存在下における熱重量分析の結果を描く。理解されうるように、酸化カーボンブラックは200℃という早期から質量損失を開始し、約500℃で質量損失が急激に加速し(燃焼)、従来のカーボンブラックは約500℃まで安定し、次いで、急な質量損失となり、一方、二相フィラーは300℃、450℃及び少なくとも550℃を含む様々な高温で熱的に安定であった。二相粒子の質量損失の急な加速点は約600℃であった。
[例3]
本例では、本出願のシリカ−カーボンブラック二相粒子の評価をミルベースの調製、レットダウン及びコーティング形成工程を含む標準方法を用いて行った。
50%シリカ被覆率及び90%シリカ被覆率を有する二相粒子を、カーボンブラックとともに選択し、該カーボンブラックは比較研究のために同様のモルホロジーを有した(OANは140mL/100gであり、BET表面積は130m2/gであった)。
端的には、成分を2mmガラスビーズとともに4時間、Scandex SO-400上でミリングすることにより、PGMEA溶媒中のJoncryl 611アクリル樹脂(Johnson Polymersから市販)を含む粒子のミルベースを調製した。得られた分散体をガラス媒体からろ過し、さらなるJoncryl 611及びPGMEAでレットダウンして、粒子濃度が乾燥基準で5〜30wt%の範囲となる一連の配合物を製造した。30分間のさらなる混合の後に、最終配合物をガラスウエハ上にスピンコートし、そして100℃でベーキングした。得られたフィルムの光学及び電気特性を測定した。
詳細には、X-Rite 361Tトランスミッションデンシオメータを用いて光学濃度を測定し、そしてフィルム厚さをKLA Tencor Alpha Step 500表面プロフィオメータを用いて測定した。コーティングの表面抵抗率をKeithley Model 6517エレクトロメータ/高抵抗メータを用いて測定した。
図8はコーティング中の粒子濃度の関数としての、1ミクロンに標準化したフィルムの光学濃度を示す。図9は二相シリカ−カーボンブラック粒子を含むコーティングの光学濃度vs表面抵抗率のプロットを示す。同様のモルホロジーを有するカーボンブラックの結果を比較のために示す。
図8に示すように、二相粒子中のシリカの存在は粒子消光に負の影響を及ぼすが、シリカ表面ドメインは、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ及びLCDにおける他の遮光性コーティング要素における使用のために提供される十分な色機能をもって、抵抗率を制御するための手段を提供する。図9は、シリカ表面被覆率が50%以上である二相粒子で高い抵抗率及び良好な光学濃度を達成することができることを示す。同一のモルホロジーを有する従来のカーボンブラックを含むコーティングは導電性であり過ぎた。これらの結果は、シリカ−カーボンブラック二相粒子を含むコーティングは高い表面電気抵抗率及び十分な光学濃度の両方を示すことを実証した (例えば、図9の破線でハイライトした領域を参照されたい)。同一の粒子モルホロジーを有する従来のカーボンブラックは所望の性能範囲の外側にあった。これらのコーティングは、また、従来のカーボンブラックを含むコーティングと比較して、高い体積抵抗率を有するであろうことが期待される。これらの例は硬化性でない樹脂を使用しているが、光感受性もしくは熱感受性樹脂などの硬化性樹脂を使用しても同様の性能となることが期待されるであろう。それゆえ、これらのコーティングはUV−硬化性コーティング、硬化したコーティング、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又は他の遮光性コーティング要素として使用されうる。
[例4]
本例では、異なる露出表面積量のシリカ相及び2種のカーボンブラックを有する二相フィラーに関して誘電率を測定した。本研究に使用したVulcan(登録商標) XC-72及びRegal(登録商標) 330はCabot Corporationからの市販のカーボンブラックであった。カーボンブラックの油吸収価(OAN)はそれぞれ175及び74mL/100gであった。二相シリカカーボンブラック粒子「E」及び「N」を本研究で使用した。これらの粒子のモルホロジー特性を表1に特定する。
一連のポリエチレン系複合材を、選択された粒子と低密度ポリエチレンを、120℃及び60rpmで操作しているブラベンダーローラブレードミキサー中でブレンドすることにより調製した。各複合材を120℃、10000PSIでホットプレスし、450ミクロン厚のフィルムとした。フィルムを、サンプルホルダーを構成する2つの平面電極の間のサンプルホルダー(Solartron Analyticalによるモデル12962A)中に直接入れた。誘電率測定を1296A Dielectric Interfaceと相補されるSolartron 1260A Impedance/Gain-phase Analyzer (FRA) (Solartron Analytical) で行った。
図10は様々な粒子を含むフィラー入りポリエチレン系複合材の1MHzで測定した誘電率を示すグラフである。Vulcan XC-72及びRegal(登録商標) 330カーボンブラックは未処理であり、そしてシリカ表面被覆を有しない。フィラー濃度の関数としての市販のカーボンブラックで得られた誘電率結果は"Dielectric Behavior of Carbon Black Filled Polymer Composites", Polymer Engineering and Science, 1986, vol. 26, p. 1568-1573に示されるように、文献に公開されているものと一貫していた。両方の二相フィラーは研究濃度範囲内でより低い誘電率値を示した。見られるとおり、誘電率はフィラー装填量、ならびに、二相フィラーの表面上の露出シリカ相の量に基づいて制御されうる。高シリカ被覆粒子は複合材の誘電率を低減するのにより有効であった。これらの例は硬化していない樹脂を使用しているが、もし、光感受性もしくは熱感受性樹脂などの硬化性樹脂/硬化した樹脂を使用したとしても、例えば、黒色マトリックス、黒色カラムスペーサ又はLCDにおける他の遮光性要素を形成するためのUV−硬化性コーティングを使用したとしても、同様の性能が得られることが期待されるであろう。
[例5]
本例において、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)中の二相粒子の分散体を調製し、黒色フォトレジスト及び黒色マトリックスコーティングを製造するために使用した。
2つのペレット化二相粒子(「O」及び「P」と呼ぶ)を本研究に選択した。両方の粒子は同様のBET表面積(それぞれ138m2/g及び133m2/g)及びSTSA面積(それぞれ113m2/g及び117m2/g)を有したが、異なるシリカ表面被覆率(それぞれ72%及び50%)を有した。粒子「O」の油吸収価(OAN)は100ml/100gであり、一方、「P」のOANは70ml/100gであった。「O」及び「P」のシリカ含有分は対応して45.7wt%及び27.3wt%であった。
二相粒子のミルベースを調製するために、20gのSolsperse 37500 (Lubrizol Ltd. の酢酸n−ブチル中40wt%の活性形分散剤)を60gのPGMEA中に溶解した。得られた溶液を20gの二相粒子及び100gの2mmガラスビーズと混合した。混合物を実験室シェーカー (Lau GmbHのモデル: Disperser DAS 200) 中で2時間振とうした。プロセスが完了した後に、ガラスビーズを分離し、そして得られた分散体を分析し、粒子が良好に分散されたことを確認した。例えば、PGMEA中20wt%粒子P分散体の粘度はブルックフィールドレオメータ(モデル: DV-III Ultra Programmable Rheometer)により測定して10rpmで11cPであった。動的光散乱法(モデル: Nanotrac(商標)252)を用いて、ミルベース中の粒子サイズ(Mv)を決定した。二相粒子P分散体の報告値は156nmであった。両方のデータセットは二相粒子がミルベース中に良好に分散されたことを示した。
黒色フォトレジストを製造するために、二相粒子のミルベースをMiphoto A フォトポリマー(Miwon Chemical, Korea)に添加した。二相粒子/フォトポリマーの比は、異なる粒子量の配合物を製造するために変更した。必要ならば、PGMEAを添加して、溶液を希釈した。得られた黒色フォトレジストをガラスウエハ上にスピンさせ、そして110℃で90秒間ソフトベークし、次いで、220℃で20分間ハードべークした。コーティングの光学濃度をX-RITE 361Tデンシオメータ (X-RITE, Grand Rapids, MI, U.S.A.)を用いて測定した。得られたコーティング中の二相粒子装填量及び対応する光学濃度、厚さの結果、ならびに、正規化光学濃度(OD/マイクロメートル(μm))を表2に報告する。明らかなとおり、標的光学濃度(OD約1〜2/μm)を有する硬化性コーティングを製造することができる。
出願人は本開示中のすべての引用文献の全内容を具体的に取り込む。さらに、量、濃度又は他の値又はパラメータを範囲、好ましい範囲、又は、上限の好ましい値のリスト及び下限の好ましい値のリストとして示されているときに、範囲が別々に開示されているかに関係なく、あらゆる上限値又は好ましい値及び下限値又は好ましい値のあらゆる組により形成されるすべての範囲を具体的に開示しているものと理解されるべきである。数値範囲が本明細書中に引用されている場合に、特に指示がないかぎり、範囲はその端点及びその範囲内のすべての整数及び分数を含むことが意図される。本発明の範囲は、範囲を規定しているときに、記載した特定の値に限定されることが意図されない。
本発明の他の実施形態は本明細書の考察及び本明細書中に開示された本発明の実施から当業者に明らかであろう。本明細書及び実施例は例示のみと考えられ、そして本発明の真の範囲及び精神は以下の特許請求の範囲及びその均等物により示されることが意図される。

Claims (54)

  1. 少なくとも1種のポリマー及び少なくとも1種のフィラーを含む、フィラー−ポリマー組成物を含むUV−硬化性コーティングであって、前記フィラーは、
    a)シリカ相及びカーボン相を有する、制御された量の二相フィラー、又は、
    b)シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラー、ここで、前記シリカ相は制御された表面被覆量のシリカ相である、又は、
    c)シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラー、ここで、前記二相フィラーは制御されたモルホロジーを有する、又は、
    d)a)、b)及びc)の任意の組み合わせ、
    を含む、UV−硬化性コーティング。
  2. 前記コーティングは、硬化後に、黒色マトリックスである、請求項1記載のコーティング。
  3. 前記コーティングは、硬化後に、黒色カラムスペーサである、請求項1記載のコーティング。
  4. 前記コーティングは、硬化後に、LCDデバイス中の遮光性コーティング要素の構成要素である、請求項1記載のコーティング。
  5. 前記二相フィラーは一次粒子が融着したものを含み、平均凝集体サイズが250nm未満であり、平均一次粒子サイズが50nm以下である、請求項1記載のコーティング。
  6. 前記二相フィラーは空気中にて5℃/分の温度上昇で120℃〜450℃の温度に供したときに、1質量%未満の損失量である、請求項1記載のコーティング。
  7. 前記フィラー−ポリマー組成物の前記電気抵抗率は、前記少なくとも1種のポリマーの熱安定性温度以下の温度で前記フィラー−ポリマー組成物を熱処理又は後処理したときに維持されている、請求項1記載のコーティング。
  8. 前記制御された量は1wt%フィラー装填量〜40wt%フィラー装填量から選択される量である、請求項1記載のコーティング。
  9. 前記コーティングは表面抵抗率が106〜1016Ω/スクエアである、請求項1記載のコーティング。
  10. 前記コーティングは表面抵抗率が1012〜1016Ω/スクエアである、請求項1記載のコーティング。
  11. 前記シリカ相の前記制御された表面被覆量は約50%〜約99%であり、そしてより高い制御された表面被覆量は前記コーティングにより高い電気抵抗率を提供する、請求項1記載のコーティング。
  12. 前記コーティングは誘電率が20未満である、請求項1記載のコーティング。
  13. 前記コーティングは、約1ミクロンの厚さで測定して、光学密度が少なくとも約1以上である、請求項1記載のコーティング。
  14. 前記シリカ相は前記二相フィラーの質量を基準として10wt%〜約90wt%の量で存在する、請求項1記載のコーティング。
  15. 前記二相フィラーは少なくとも1種の化学基が結合している、請求項1記載のコーティング。
  16. 前記二相フィラーは少なくとも1種のシランが結合している、請求項1記載のコーティング。
  17. 少なくとも1種のポリマー、及び、シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラーを含む、ポリマー組成物を含む、UV−硬化性コーティングであって、前記二相フィラーは、露出外側表面領域を有し、前記シリカ相は表面積基準で前記露出外側表面領域の約50%〜約99%を占め、前記コーティングは抵抗率が1010〜1016Ω/スクエアであり、誘電率が20未満であり、光学濃度が、約1ミクロンの厚さで、少なくとも約1以上である、UV−硬化性コーティング。
  18. 前記コーティングは、硬化後に、黒色マトリックスである、請求項17記載のコーティング。
  19. 前記コーティングは、硬化後に、黒色カラムスペーサである、請求項17記載のコーティング。
  20. 前記コーティングは、硬化後に、LCDデバイス中の遮光性要素の構成要素である、請求項17記載のコーティング。
  21. 前記シリカ相は表面積基準で前記露出外側表面領域の50〜90%である、請求項17記載のコーティング。
  22. 前記シリカ相は表面積基準で前記露出外側表面領域の50〜80%である、請求項17記載のコーティング。
  23. 前記シリカ相は表面積基準で前記露出外側表面領域の50〜70%である、請求項17記載のコーティング。
  24. 前記ポリマーは少なくとも1種の硬化性ポリマーである、請求項17記載のコーティング。
  25. 前記二相フィラーは少なくとも1種の化学基が結合している、請求項17記載のコーティング。
  26. 前記少なくとも1種の化学基はシランである、請求項25記載のコーティング。
  27. 前記二相フィラーはOANが50〜140cc/100gフィラーである、請求項17記載のコーティング。
  28. 前記二相フィラーはOANが141〜200cc/100gフィラーである、請求項17記載のコーティング。
  29. a)少なくとも1種のポリマー、及び、
    b)露出外側表面領域を有する少なくとも1種の二相フィラー、
    を含む、ポリマー組成物を含む、UV−硬化性コーティングであって、
    前記二相フィラーはOANが50cc/100g〜200cc/100gフィラーであり、シリカ含有率が10wt%〜90wt%であり、前記シリカ相は表面積基準で前記露出外側表面領域の約50%〜約99%を占める、UV−硬化性コーティング。
  30. 前記コーティングは、硬化後に、黒色マトリックスである、請求項29記載のコーティング。
  31. 前記コーティングは、硬化後に、黒色カラムスペーサである、請求項29記載のコーティング。
  32. 前記コーティングは、硬化後に、LCDデバイス中の遮光性要素の構成要素である、請求項29記載のコーティング。
  33. 前記ポリマー組成物は硬化した組成物を含む、請求項29記載のコーティング。
  34. 前記コーティングは表面抵抗率が1010〜1016Ω/スクエアである、請求項29記載のコーティング。
  35. 前記コーティングは誘電率が20未満である、請求項29記載のコーティング。
  36. 前記コーティングは、約1ミクロンの厚さで、光学密度が少なくとも約1以上である、請求項29記載のコーティング。
  37. a)少なくとも1種のUV−硬化性ポリマー、及び、
    b)露出外側表面領域を有する少なくとも1種の二相フィラー、
    を含む、UV−硬化性コーティングであって、
    前記二相フィラーはOANが約50〜約200cc/100gフィラーであり、シリカ含有率が10wt%〜90wt%であり、前記シリカ相は表面積基準で前記露出外側表面領域の約50%〜約99%を占め、電気抵抗率はポリマー組成物中で5wt%〜35wt%の装填レベルにわたって2桁以下のオーダーで変化する、UV−硬化性コーティング。
  38. 前記コーティングは、硬化後に、黒色マトリックスである、請求項37記載のコーティング。
  39. 前記コーティングは、硬化後に、黒色カラムスペーサである、請求項37記載のコーティング。
  40. 前記コーティングは、硬化後に、LCDデバイス中の遮光性要素の構成要素である、請求項37記載のコーティング。
  41. 前記ポリマー組成物の電気抵抗率、及び、前記少なくとも1種のポリマーを含み、いかなるフィラーも含まないポリマー組成物の電気抵抗率は、前記装填レベルにわたって2桁以下のオーダーで変化する、請求項37記載のコーティング。
  42. 請求項1、17、29又は37のいずれか1項記載のUV−硬化性コーティングを含む、液晶デバイス。
  43. 請求項1、17、29又は37のいずれか1項記載のコーティングの硬化物を含む、黒色マトリックス。
  44. 請求項1、17、29又は37のいずれか1項記載のコーティングの硬化物を含む、黒色カラムスペーサ。
  45. 請求項1、17、29又は37のいずれか1項記載のコーティングの硬化物を含む、LCDデバイス中の遮光性コーティング要素の構成要素。
  46. 請求項1、17、29又は37のいずれか1項記載のコーティングの硬化物を含む、液晶デバイス。
  47. (i)少なくとも1種のポリマーを、少なくとも1種のフィラー及びビヒクルと合わせて、UV−硬化性フィラー−ポリマー組成物を提供すること、ここで、前記フィラーは、
    a)シリカ相及びカーボン相を有する、制御された量の二相フィラー、又は、
    b)シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラー、ここで、前記シリカ相は制御された表面被覆量のシリカ相である、又は、
    c)シリカ相及びカーボン相を有する二相フィラー、ここで、前記二相フィラーは制御されたモルホロジーを有する、又は、
    d)a)、b)及びc)の任意の組み合わせ、
    を含む、
    (ii)前記硬化性フィラー−ポリマー組成物を基材上に適用し、UV−硬化性コーティングを形成すること、及び、
    (iii)前記コーティングを画像様に硬化させ、硬化コーティングを形成すること、及び、
    (iv)前記硬化コーティングを現像しそして乾燥すること、
    を含む、UV−硬化コーティングの製造方法。
  48. 前記硬化コーティングは黒色マトリックスである、請求項47記載のUV−硬化コーティングの製造方法。
  49. 前記コーティングは黒色カラムスペーサである、請求項47記載のUV−硬化コーティングの製造方法。
  50. 前記コーティングはLCDデバイス中の遮光性要素の構成要素である、請求項47記載のUV−硬化コーティングの製造方法。
  51. a)少なくとも1種の溶媒、
    b)露出外側表面領域を有する、少なくとも1種の二相フィラー、ここで、シリカ相は表面積基準で前記露出外側表面領域の約10%〜約99%を占める、及び、
    c)場合により、分散助剤、
    を含む、分散体。
  52. 前記溶媒はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである、請求項51記載の分散体。
  53. 請求項51記載の分散体を含む、UV硬化性コーティング。
  54. 請求項1、17、29又は37のいずれか1項記載のUV−硬化性コーティングの硬化物を含む、硬化コーティング。
JP2016501573A 2013-03-13 2014-03-12 組み合わされた低誘電率、高抵抗率及び光学濃度特性、ならびに、制御された電気抵抗率を有するフィラー−ポリマー組成物を含むコーティング、それから製造されるデバイス及びその製造方法 Active JP6173556B2 (ja)

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