JP2016226095A - 回転電機制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリア周波数に依存する交流回転電機の電力損失を、定常的に調節することができる回転電機制御装置を提供する。【解決手段】回転電機制御装置において、PWM制御に用いられるキャリア波のキャリア周波数を設定するキャリア周波数設定手段を備え、キャリア周波数設定手段は、スイッチング素子の素子温度Tcが変更許可温度Tp以下である場合に、素子温度Tcが目標素子温度に近づくように、PWM制御におけるキャリア周波数を変更する周波数変更制御を実行する。【選択図】図9

Description

本発明は、複数のスイッチング素子を備えて直流電源と交流回転電機との間で電力変換を行うインバータを制御する回転電機制御装置に関するものである。
上記のような回転電機制御装置について、下記の特許文献1に記載された回転電機制御装置が知られている。特許文献1の技術では、磁石温度が閾値を超えたときに、交流回転電機を流れる電流に重畳するリプル電流を低減させるようにスイッチング素子のキャリア周波数を変更し、交流回転電機の電力損失を低減して、磁石温度の上昇を抑制するように構成されている。
特開2010−93982号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、磁石温度がある程度上昇して初めて交流回転電機の電力損失を低減するように動作するため、過熱による交流回転電機の減磁を抑制することは可能であると考えられるが、磁石温度が通常の範囲内にあるときには、キャリア周波数を変更するように構成されていない。そのため、特許文献1の技術では、磁石温度が通常の範囲内にあるときに、交流回転電機の電力損失を低減して、交流回転電機の冷却負荷を低減することができない。そのため、交流回転電機の冷却機構の小型化や簡素化を十分に図ることができず、低コスト化を十分に図ることができない課題があった。
加えて、交流回転電機は、熱容量が大きく熱的な時定数も大きくなるため、一度温度が上がると下がりにくいという特徴がある。そのため、冷却機構の小型化や簡素化を図るには、交流回転電機の温度が上昇する前に、交流回転電機の電力損失を定常的に低減して、交流回転電機の温度が上昇しないようにすることが重要である。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、キャリア周波数に依存する交流回転電機の電力損失を、定常的に調節することができる回転電機制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る回転電機制御装置は、複数のスイッチング素子を備えて直流電源と交流回転電機との間で電力変換を行うインバータを制御する回転電機制御装置であって、前記複数のスイッチング素子をPWM制御によりオンオフ制御するPWM制御手段と、前記スイッチング素子の素子温度を検出する素子温度検出手段と、前記素子温度の目標素子温度を設定する目標素子温度設定手段と、前記PWM制御に用いられるキャリア波のキャリア周波数を設定するキャリア周波数設定手段と、を備え、前記キャリア周波数設定手段は、前記素子温度に基づいて設定した制御用素子温度が予め設定した変更許可温度以下である場合に、前記制御用素子温度が前記目標素子温度に近づくように前記キャリア周波数を変更する周波数変更制御を実行するものである。
キャリア周波数を増加させることより、キャリア周波数に依存する交流回転電機の電力損失を減少させ、交流回転電機の発熱量を減少させることができる。一方で、キャリア周波数を増加させると、キャリア周波数に依存するスイッチング素子の電力損失が増加し、スイッチング素子の発熱量が増加する。本発明に係る回転電機制御装置によれば、制御用素子温度が変更許可温度以下である場合に、周波数変更制御により、制御用素子温度が目標素子温度に近づくようにキャリア周波数を変更して、交流回転電機の発熱量を適切に変化させることができる。よって、素子温度が変更許可温度を超えない範囲内で、キャリア周波数に依存する交流回転電機の電力損失を、定常的に調節することでき、交流回転電機の冷却機構の冷却負荷を適切に調節することができるため、冷却機構の小型化や簡素化を図ることができる。
本発明の実施の形態1に係るインバータの回路構成図及び回転電機制御装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る回転電機制御装置のハードウェア構成図である。 本発明の実施の形態1に係るPWM制御を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態1に係るPWM制御手段のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置における目標素子温度の設定を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係るキャリア周波数と回転電機損失の関係特性を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係るキャリア周波数と回転電機損失及びインバータ損失との関係特性を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係るインバータ損失とインバータ許容損失との損失差に基づくキャリア周波数の設定を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る回転電機制御装置の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る周波数変更制御の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る周波数変更制御の挙動を説明するタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2に係るインバータの回路構成図及び回転電機制御装置のブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る回転電機損失と回転電機許容損失との損失差に基づくキャリア周波数の設定を説明するための図である。 本発明の実施の形態2に係る回転電機制御装置の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る周波数変更制御の処理を示すフローチャートである。
実施の形態1.
実施の形態1に係る回転電機制御装置1について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係るインバータ40の回路構成図及び回転電機制御装置1のブロック図であり、図2は、回転電機制御装置1に係るハードウェア構成図である。
交流回転電機200は、非回転部材に固定されたステータと、当該ステータの径方向内側に配置され、非回転部材に対して回転可能に支持されたロータと、を備えている。交流回転電機200は、直流交流変換を行うインバータ40を介して、蓄電装置などからなる直流電源300に電気的に接続される。そして、交流回転電機200は、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能と、を果たすことが可能とされている。すなわち、交流回転電機200は、インバータ40を介して直流電源300からの電力供給を受けて力行し、或いは外部から伝達される回転駆動力により発電し、発電された電力は、インバータ40を介して直流電源300(蓄電装置)に蓄電される。
本実施の形態では、交流回転電機200は、永久磁石式同期回転電機とされており、ステータに各相の巻線が巻装され、ロータに永久磁石が設けられている。
インバータ40は、直流電源300と交流回転電機200との間で電力変換を行う直流交流変換装置である。蓄電装置などの直流電源300から供給された直流電力を三相の交流電力に変換して交流回転電機200の三相の巻線Cu、Cv、Cwに供給すると共に、交流回転電機200が発電した交流電力を直流電力に変換して直流電源300に供給するように構成されている。
直流電源300には、充放電可能な蓄電装置(例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、電気二重層キャパシタ)が用いられる。なお、直流電源300には、直流電圧を昇圧したり降圧したりする直流電力変換器であるDC−DCコンバータが備えられてもよい。DC−DCコンバータは、スイッチング素子や巻線などから構成される。この場合は、回転電機制御装置1は、DC−DCコンバータのスイッチング素子もスイッチング制御するように構成されてもよい。
インバータ40は、複数のスイッチング素子41を備えている。スイッチング素子41には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などの電力用半導体素子が用いられる。インバータ40は、正極側電線42と負極側電線43との間に2つのスイッチング素子41が直列接続された直列回路が、三相各相(U相、V相、W相)の巻線Cu、Cv、Cwに対応して3セット設けられたブリッジ回路に構成されている。すなわち、合計6つのスイッチング素子41a、41b、41c、41d、41e、41fが備えられている。具体的には、各相の直列回路において、正極側のスイッチング素子41のコレクタ端子は、正極側電線42に接続され、正極側のスイッチング素子41のエミッタ端子は、負極側のスイッチング素子41のコレクタ端子に接続され、負極側のスイッチング素子41のエミッタ端子は、負極側電線43に接続されている。正極側のスイッチング素子41と負極側のスイッチング素子41との接続点は、対応する相の巻線に接続される。なお、正極側電線42が、直流電源300の正極に接続され、負極側電線43が直流電源300の負極に接続される。
インバータ40は、各スイッチング素子41に逆並列接続されたフリーホイールダイオード44を備えており、本例では、6つのスイッチング素子41a、41b、41c、41d、41e、41fのそれぞれに対応して、合計6つのフリーホイールダイオード44a、44b、44c、44d、44e、44fが備えられている。
インバータ40は、平滑コンデンサ45を備えている。平滑コンデンサ45は、正極側電線42と負極側電線43との間に接続されており、正極側電線42と負極側電線43との間の直流電圧(システム電圧)を平滑化する。
インバータ40は、複数のスイッチング素子41を駆動するゲート駆動回路46を備えている。ゲート駆動回路46は、複数のスイッチング素子41のそれぞれに対応して複数(本例では6つ)備えられている。各スイッチング素子41の制御端子であるゲート端子は、対応するゲート駆動回路46に接続されている。各ゲート駆動回路46は、回転電機制御装置1からフォトカプラ等を介して伝達された、各スイッチング素子41のオン指令又はオフ指令(後述するインバータ制御信号Uu、Uv、Uw)に応じて、対応するスイッチング素子41に対してオン電圧信号又はオフ電圧信号を出力して、スイッチング素子41をオン状態又はオフ状態にさせる。
インバータ40は、スイッチング素子41(及びフリーホイールダイオード44)の素子温度Tを検出するための素子温度センサ47を備えている。素子温度センサ47は、検出対象のスイッチング素子41及びフリーホイールダイオード44に近接して配置されている。素子温度センサ47の出力信号は、回転電機制御装置1に入力される。本実施の形態では、複数の素子温度センサ47が備えられており、各素子温度センサ47は、近接配置されたスイッチング素子41の素子温度Tを検出する。本例では、2つの素子温度センサ47a、47bが備えられている。第一素子温度センサ47aは、正極側電線42に接続された3つの正極側のスイッチング素子41a、41c、41eのいずれか1つ(本例ではU相の41a)の素子温度T1(以下、第一素子温度T1と称す)を検出可能にされ、第二素子温度センサ47bは、負極側電線43に接続された3つの負極側のスイッチング素子41b、41d、41fのいずれか一つ(本例ではU相の41b)の素子温度T2(以下、第二素子温度T2と称す)を検出可能にされている。
インバータ40から交流回転電機200の巻線に流れる電流Iを検出するための電流センサ50が備えられている。電流センサ50は、インバータ40と各相の巻線Cu、Cv、Cwとをつなぐ電線上に複数(例えば、3つ又は2つ)備えられている。電流センサ50の出力信号は、回転電機制御装置1に入力される。
インバータ40は、正極側電線42及び負極側電線43との間の電圧(システム電圧)を検出するための電圧センサ48を備えている。電圧センサ48の出力信号は、回転電機制御装置1に入力される。
ロータの回転速度及び回転角度(磁極位置)を検出するための回転速度センサ51が備えられている。回転速度センサ51は、ロータの回転軸に取り付けられている。回転速度センサ51として、レゾルバ、又はロータリエンコーダなどが用いられる。回転速度センサ51の出力信号は、回転電機制御装置1に入力される。
回転電機制御装置1は、インバータ40を制御することにより、交流回転電機200の制御を行う制御装置である。回転電機制御装置1は、PWM制御手段30、素子温度検出手段31、目標素子温度設定手段32、及びキャリア周波数設定手段33を備えている。PWM制御手段30は、複数のスイッチング素子41をPWM制御によりスイッチング制御する。素子温度検出手段31は、スイッチング素子41の素子温度Tを検出する。目標素子温度設定手段32は、素子温度Tの目標素子温度Ttを設定する。キャリア周波数設定手段33は、PWM制御に用いられるキャリア波のキャリア周波数Fcを設定する。このような構成において、キャリア周波数設定手段33は、素子温度Tに基づいて設定した制御用素子温度Tcが予め設定した変更許可温度Tp以下である場合に、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttに近づくようにキャリア周波数Fcを変更する周波数変更制御を実行するように構成されている。
回転電機制御装置1が備えるPWM制御手段30、素子温度検出手段31、目標素子温度設定手段32、及びキャリア周波数設定手段33等の各機能は、回転電機制御装置1が備えた処理回路により実現される。具体的には、回転電機制御装置1は、図2に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等の演算処理装置15(コンピュータ)、演算処理装置15とデータのやり取りする記憶装置14、演算処理装置15に外部の信号を入力する入力インターフェイス回路16(以下、単に入力回路16と称す)、及び演算処理装置15から外部に信号を出力する出力インターフェイス回路17(以下、単に出力回路17と称す)等を備えている。
記憶装置14として、演算処理装置15からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(Random Access Memory)や、演算処理装置15からデータを読み出し可能に構成されたROM(Read Only Memory)等が備えられている。入力回路16は、各種のセンサやスイッチが接続され、これらセンサやスイッチの出力信号を演算処理装置15に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路17は、ゲート駆動回路46等の電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置15から制御信号を出力する駆動回路やフォトカプラ等を備えている。本実施の形態では、入力回路16には、素子温度センサ47、電圧センサ48、電流センサ50、及び回転速度センサ51等が接続されている。出力回路17には、インバータ40(ゲート駆動回路46)等が接続されている。
そして、回転電機制御装置1が備えるPWM制御手段30、素子温度検出手段31、目標素子温度設定手段32、及びキャリア周波数設定手段33等の各機能は、演算処理装置15が、ROM等の記憶装置14に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置14、入力回路16、及び出力回路17等の回転電機制御装置1の他のハードウェアと協働することにより実現される。
以下、回転電機制御装置1の各機能について詳細に説明する。
回転電機制御装置1は、電流検出手段37を備えている。電流検出手段37は、インバータ40から交流回転電機200の巻線に流れる電流Iを検出する。電流検出手段37は、回転電機制御装置1に入力される電流センサ50の出力信号に基づいて、各相の巻線に流れる電流Iを検出するように構成されている。
回転電機制御装置1は、回転速度検出手段38を備えている。回転速度検出手段38は、交流回転電機200の回転速度を検出する。回転速度検出手段38は、回転速度センサ51の出力信号に基づいて、ロータの回転速度及び回転角度(磁極位置)を検出する。
回転電機制御装置1は、電圧検出手段39を備えている。電圧検出手段39は、直流電源300からインバータ40に供給される入力電圧(システム電圧)を検出する。電圧検出手段39は、回転電機制御装置1に入力される電圧センサ48の出力信号に基づいて、入力電圧(システム電圧)を検出するように構成されている。
PWM制御手段30は、複数のスイッチング素子41をPWM制御によりスイッチング制御する。ここで、PWM制御は、パルス幅変調(Pulse Width Modulation)制御である。PWM制御手段30は、図3のタイムチャートに示すように、PWM制御において、キャリア周波数Fcのキャリア波と、各相の交流電圧指令信号との比較により、各相のスイッチング素子41をオン又はオフさせる矩形パルス波のデューティ比を変化させる。
PWM制御手段30は、交流回転電機200の巻線を流れる電流Iが電流指令値に近づくようにPWM制御を行う電流フィードバック制御を行うように構成されている。本実施の形態では、PWM制御手段30は、ベクトル制御法を用いた電流フィードバック制御を行うように構成されている。
ベクトル制御では、ロータに備えられた磁石のN極の向き(磁極位置)にd軸を定め、これより電気角でπ/2進んだ方向にq軸をとり、ロータの電気角での回転に同期して回転するd軸及びq軸からなるdq軸回転座標系が設定される。図4に示すように、PWM制御手段30は、目標電流をdq軸回転座標系で設定する。PWM制御手段30は、変換手段61により電流センサ50により検出した各相の巻線に流れる三相電流Iu、Iv、Iwを、磁極位置に基づいて三相二相変換及び回転座標変換を行って、dq軸回転座標系で表した二相電流Id、Iqに変換する。そして、PWM制御手段30は、電流フィードバック手段62により、二相電流Id、Iqが二相電流指令値Ido、Iqoに近づくように、交流回転電機200に印加する電圧の指令信号をdq軸回転座標系で表した二相電圧指令信号Vd、Vqを、PI制御等により変化させる電流フィードバック制御を行う。その後、PWM制御手段30は、変換機63により、二相電圧指令信号Vd、Vqを、磁極位置に基づいて、固定座標変換及び二相三相変換を行って、三相それぞれの巻線への交流電圧指令信号である三相交流電圧指令信号Vu、Vv、Vwに変換する。PWM制御手段30は、PWM信号生成手段64により、図3に示すように、三相交流電圧指令信号Vu、Vv、Vwのそれぞれと、システム電圧の振動幅を有し、キャリア周波数Fcで振動するキャリア波(三角波)とを比較し、交流電圧指令信号がキャリア波を上回った場合は、矩形パルス波をオンさせ、交流電圧指令信号がキャリア波を下回った場合は、矩形パルス波をオフさせる。PWM制御手段30は、三相各相の矩形パルス波を、三相各相のインバータ制御信号Uu、Uv、Uwとしてインバータ40に出力する。
素子温度検出手段31は、スイッチング素子41の素子温度Tを検出する。本実施の形態では、素子温度検出手段31は、回転電機制御装置1に入力される素子温度センサ47の出力信号に基づいて、素子温度Tを検出するように構成されている。本実施の形態では、複数の素子温度センサ47の出力信号が回転電機制御装置1に入力されるように構成されており、素子温度検出手段31は、複数の素子温度センサ47の出力信号のそれぞれに基づいて複数の素子温度Tを検出するように構成されている。本例では、素子温度検出手段31は、第一素子温度センサ47aの出力信号に基づいて、第一素子温度T1を検出し、第二素子温度センサ47bの出力信号に基づいて、第二素子温度T2を検出する。
目標素子温度設定手段32は、素子温度Tの目標素子温度Ttを設定する。目標素子温度設定手段32は、温度センサによりインバータ40の周囲温度Taを検出できるように構成されていれば、図5に示すように、周囲温度Taが高いほど、目標素子温度Ttを低く設定するように構成されてもよい。これは、周囲温度Taが高いほど、インバータ40の冷却効率が悪くなり、素子温度Tが高くなりやすいためである。但し、インバータ40の冷却機構によっては周囲温度Taの影響を受け難くい場合があるので、その場合は、目標素子温度Ttを固定値としても良い。
キャリア周波数設定手段33は、PWM制御に用いられるキャリア波のキャリア周波数Fcを設定する。キャリア周波数設定手段33は、制御用素子温度Tcが、予め設定した変更許可温度Tp以下である場合に、素子温度Tが目標素子温度Ttに近づくようにキャリア周波数Fcを変更する周波数変更制御を実行するように構成されている。
キャリア周波数Fcを増加させることより、キャリア周波数Fcに依存する交流回転電機200の電力損失を減少させ、交流回転電機200の発熱量を減少させることができる。一方で、キャリア周波数Fcを増加させると、キャリア周波数Fcに依存するスイッチング素子41等のインバータ40の電力損失が増加し、スイッチング素子41の発熱量が増加する。上記の構成によれば、制御用素子温度Tcが変更許可温度Tp以下である場合に、周波数変更制御により、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttに近づくようにキャリア周波数Fcを変更して、交流回転電機200の発熱量を適切に変化させることができる。よって、素子温度Tが変更許可温度Tpを超えない範囲内で、交流回転電機200の冷却機構の冷却負荷を適切に調節することができるため、冷却機構の構成を適切化することができる。
キャリア周波数設定手段33は、制御用素子温度Tcが変更許可温度Tpより大きい場合に、キャリア周波数Fcを予め設定した周波数に設定する周波数固定制御を実行するように構成されている。この構成によれば、制御用素子温度Tcが変更許可温度Tpより大きい場合に、キャリア周波数Fcが増加されることを防止でき、素子温度が高温になってスイッチング素子41の耐久性が悪化することを抑制できる。キャリア周波数設定手段33は、図7に示すように、キャリア周波数Fcを、回転電機損失Lmとインバータ損失Liの合計損失が最小となるキャリア周波数Fc_aに設定してもよい。
本実施の形態では、キャリア周波数設定手段33は、周波数変更制御において、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttよりも低い場合に、キャリア周波数Fcを増加させるように構成されている。制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttよりも低い場合に、キャリア周波数Fcを増加させることにより、交流回転電機200の電力損失を減少させ、交流回転電機200の発熱量を減少させることができる。よって、交流回転電機200の冷却機構の冷却負荷を減少させることができ、冷却機構の小型化や簡略化を行うことができる。一方、キャリア周波数Fcを増加させると、スイッチング素子41の電力損失が増加し、素子温度Tが上昇するが、制御用素子温度Tcが変更許可温度Tp以下である場合に、キャリア周波数Fcが増加されるので、素子温度Tが変更許可温度Tpを超えないようにでき、スイッチング素子41の耐久性が悪化することを抑制できる。
目標素子温度設定手段32は、目標素子温度Ttを、スイッチング素子41の定格温度Tj_max以下に設定するように構成されている。この構成によれば、制御用素子温度Tcが定格温度Tj_max以下の目標素子温度Ttに近づくように、キャリア周波数Fcを変更させることができ、温度上昇によりスイッチング素子41の耐久性が悪化することをより確実に抑制できる。また、変更許可温度Tpは、スイッチング素子41の定格温度Tj_max以下に設定されている。目標素子温度設定手段32は、目標素子温度Ttを変更許可温度Tp以下に設定するように構成されている。
キャリア周波数設定手段33は、周波数変更制御において、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttよりも高い場合に、キャリア周波数Fcを減少させるように構成されている。この構成によれば、素子温度Tが目標素子温度Ttよりも高い場合は、キャリア周波数Fcを減少させて、スイッチング素子41の発熱量を減少させ、素子温度Tを目標素子温度Ttに向けて低下させることができる。よって、素子温度Tの上昇によりスイッチング素子41の耐久性が悪化することをより確実に抑制できる。
キャリア周波数設定手段33は、複数の素子温度センサ47により検出された複数の素子温度Tに基づいて制御用素子温度Tcを設定するように構成されている。本実施の形態では、キャリア周波数設定手段33は、複数の素子温度Tの内、最も高温の素子温度Tを制御用素子温度Tcに設定するように構成されている。この構成によれば、周波数変更制御により、複数のスイッチング素子41の一部が高温になり、耐久性が悪化することを抑制できる。本例では、正極側の第一素子温度センサ47aにより検出された第一素子温度T1、及び負極側の第二素子温度センサ47bにより検出された第二素子温度T2のいずれか高い方が、制御用素子温度Tcに設定される。交流回転電機200の動作状況等に応じて、正極側のスイッチング素子41の発熱量と負極側のスイッチング素子41の発熱量との間にばらつきが生じたとしても、素子温度が高くなった側のスイッチング素子41の耐久性が悪化することを抑制できる。
キャリア周波数設定手段33は、制御用素子温度Tcが変更許可温度Tp以下である場合であって、更に、複数の素子温度Tにおける最高温度と最低温度との温度差が予め設定された判定温度差Tth以下である場合に、周波数変更制御を実行するように構成されている。この構成によれば、最高温度と最低温度との温度差が判定温度差Tthよりも大きくなるような異常な状態で、周波数変更制御が実行されることを防止して、キャリア周波数Fcが異常に変動することを抑制することができる。本例では、キャリア周波数設定手段33は、第一素子温度T1と第二素子温度T2と温度差が、判定温度差Tth以下であるか否かを判定するように構成されている。
また、キャリア周波数設定手段33は、制御用素子温度Tcが変更許可温度Tp以下である場合であって、更に、電流Iが予め設定した判定電流Ithより大きい場合に、周波数変更制御を実行するように構成されている。交流回転電機200に流れる電流Iが大きい場合は、交流回転電機200の発熱量が大きくなり、交流回転電機200の冷却機構の冷却負荷が大きくなる。電流Iが判定電流Ithより大きい場合に、周波数変更制御を実行して、交流回転電機200の電力損失を低減し、冷却機構の冷却負荷を軽減させることができる。
本実施の形態では、回転電機制御装置1は、インバータ40の現在の電力損失であるインバータ損失Liを演算するインバータ損失演算手段34と、インバータ40に許容される電力損失であるインバータ許容損失Lipを演算するインバータ許容損失演算手段35と、を備えている。インバータ損失Liにはスイッチング素子41の電力損失及びフリーホイールダイオード44の電力損失が含まれる。
そして、キャリア周波数設定手段33は、周波数変更制御において、インバータ損失Li及びインバータ許容損失Lipに基づき、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttに近づくようにキャリア周波数Fcを変更するように構成されている。ここで、キャリア周波数設定手段33は、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttよりも低く、インバータ損失Liがインバータ許容損失Lipを下回っている場合に、図8に示すように、インバータ損失Liとインバータ許容損失Lipとの差ΔLi(以下、損失差ΔLiと称す)が大きいほど、キャリア周波数Fcを大きくするように構成されている。
インバータ損失Liは、キャリア周波数Fcの増加に従って増加することから、損失差ΔLiが大きいほど、キャリア周波数Fcを大きくさせても、インバータ損失Liをインバータ許容損失Lip以下に収めることができる。
本実施の形態では、インバータ損失演算手段34は、電流Iに基づいて、インバータ損失Liを演算するように構成されている。インバータ損失演算手段34は、電流Iとインバータ損失Liとの関係特性が予め記憶された特性マップを用い、電流Iに基づいてインバータ損失Liを演算する。インバータ損失演算手段34は、電流Iが増加するほど、インバータ損失Liを増加させる。インバータ損失演算手段34は、周波数変更制御によりキャリア周波数Fcを変更する場合は、電流I及びキャリア周波数Fcとインバータ損失Liとの関係特性が予め記憶された特性マップを用い、電流I及びキャリア周波数Fcに基づいて、インバータ損失Liを演算するように構成されてもよい。図7に示すように、インバータ損失演算手段34は、キャリア周波数Fcが増加するほど、インバータ損失Liを増加させる。或いは、インバータ損失演算手段34は、温度センサによりインバータ40の冷却媒体温度Twを検出できるように構成されていれば、Li=(T−Tw)/Rthの式を用い、冷却媒体温度Tw、電力用半導体素子と冷媒との間の予め設定した熱抵抗Rth、及び素子温度Tに基づいて、インバータ損失Liを演算するように構成されてもよい。
インバータ許容損失演算手段35は、実測値等に基づいて予め設定した固定値をインバータ許容損失Lipに設定するように構成されている。或いは、インバータ許容損失演算手段35は、温度センサによりインバータ40の冷却媒体温度Twを検出できるように構成されていれば、Lip=(Tj_max−Tw)/Rthの式を用い、冷却媒体温度Tw、電力用半導体素子と冷媒との間の予め設定した熱抵抗Rth、及び定格温度Tj_maxに基づいて、インバータ許容損失Lipを演算するように構成されてもよい。
キャリア周波数設定手段33は、図8に示すような、損失差ΔLiとキャリア周波数Fcとの関係が予め記憶されたマップを用い、損失差ΔLiに基づいて、キャリア周波数Fcを変更するように構成されている。
キャリア周波数設定手段33は、周波数変更制御において、キャリア周波数Fcを、予め設定した上限周波数以下に上限制限するように構成されている。上限周波数は、演算処理装置15の処理能力等に基づいて決定される。また、キャリア周波数設定手段33は、周波数変更制御において、キャリア周波数Fcを、予め設定した下限周波数以上に下限制限するように構成されている。下限周波数は、交流回転電機200の制御性、応答性に基づいて決定される。
以上で説明した、実施の形態1に係る回転電機制御装置1が備えるPWM制御手段30、素子温度検出手段31、目標素子温度設定手段32、及びキャリア周波数設定手段33等の処理を、図9及び図10に示すフローチャートのように構成することができる。図9及び図10のフローチャートの処理は、演算処理装置15が記憶装置14に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行することにより、例えば一定時間毎に実行される。
図9のフローチャートについて説明する。まず、ステップS201で、目標素子温度設定手段32は、温度センサの出力信号に基づき、インバータ40の周囲温度Taを検出する。ステップS202で、目標素子温度設定手段32は、目標素子温度Ttを設定する。本実施形態では、目標素子温度設定手段32は、インバータ40の周囲温度Taに基づき、周囲温度Taが高いほど、目標素子温度Ttを低く設定する。ステップS203で、素子温度検出手段31は、第一スイッチング素子41aの第一素子温度T1を検出する。ステップS204で、素子温度検出手段31は、第二スイッチング素子41bの第二素子温度T2を検出する。ステップS205で、電流検出手段37は、インバータ40から交流回転電機200の巻線に流れる電流Iを検出する。
ステップS206で、キャリア周波数設定手段33は、第一素子温度T1と第二素子温度T2の大きさを比較して、T1>T2の場合はステップS207へ進み、制御用素子温度Tcに第一素子温度T1を代入し、それ以外の場合はステップS208へ進み、制御用素子温度Tcに第二素子温度T2を代入する。
ステップS209では、キャリア周波数設定手段33は、第一素子温度T1と第二素子温度T2と温度差|T1−T2|が判定温度差Tth以下であるか否かを判定し、判定温度差Tth以下である場合はステップS210へ進み、それ以外の場合はステップS213へ進む。ステップS210では、キャリア周波数設定手段33は、制御用素子温度Tcが変更許可温度Tp以下であるか否かを判定し、変更許可温度Tp以下である場合はステップS211へ進み、それ以外の場合はステップS213へ進む。本例では、変更許可温度Tpは、定格温度Tj_maxの値に設定されている。ステップS211では、キャリア周波数設定手段33は、電流Iが予め設定した判定電流Ithより大きいか否かを判定し、判定電流Ithより大きい場合はステップS212へ進み、それ以外の場合はステップS213へ進む。ステップS212では、キャリア周波数設定手段33は、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttに近づくようにキャリア周波数Fcを変更する周波数変更制御を実行する。周波数変更制御については、図10のフローチャートを用いて後述する。ステップS213では、キャリア周波数設定手段33は、キャリア周波数Fcを予め設定した周波数に設定する周波数固定制御を実行する。
ステップS214では、キャリア周波数設定手段33は、上記のように、キャリア周波数Fcの上下限制限を行う。そして、ステップS215では、キャリア周波数設定手段33は、設定したキャリア周波数FcをPWM制御手段30に出力する。そして、PWM制御手段30は、上記のように、キャリア周波数設定手段33から伝達されたキャリア周波数Fcのキャリア波を用いたPWM制御により、複数のスイッチング素子41をスイッチング制御する。
次にステップS212における周波数変更制御の処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS401では、電流検出手段37は、インバータ40から交流回転電機200の巻線に流れる電流Iを検出する。なお、ステップS205で取得した電流Iを用いてもよい。ステップS402では、インバータ損失演算手段34は、上記のように、インバータ40の現在の電力損失であるインバータ損失Liを演算する。ステップS403では、インバータ許容損失演算手段35は、上記のように、インバータ40に許容される電力損失であるインバータ許容損失Lipを演算する。ステップS404では、キャリア周波数設定手段33は、インバータ損失Liとインバータ許容損失Lipとの損失差ΔLiを算出する。ステップS405では、キャリア周波数設定手段33は、図8に示すように、損失差ΔLiが大きいほど、キャリア周波数Fcを大きくする。
次に、本実施の形態に係るキャリア周波数可変処理について、図11のタイミングチャートを用いて説明する。キャリア周波数設定手段33は、時間t1までは、電流Iが判定電流Ithより小さいため、キャリア周波数固定制御を行っている(図11a)。電流Iが一定のため、インバータ損失Liも一定で推移し(図11b)、インバータ許容損失Lipも一定で推移し(図11c)、インバータ損失Liとインバータ許容損失Lipとの損失差ΔLiも一定で推移する(図11d)。
但し、時間t1まではキャリア周波数固定制御が行われているため、キャリア周波数Fcは予め設定された固定値(例えば10kHz)となっている(図11e)。また、時間t1までは、素子温度Tも一定となり(図11f)、冷却媒体温度Twも一定となり(図11g)、回転電機温度Tmも一定(図11h)で推移している。
時間t1で、電流Iが増加して、判定電流Ithを超えたため、時間t1以降はキャリア周波数変更制御を行う(図11a)。電流Iが増加した分インバータ損失Liが増加し(図11b)、時間t1の時点では冷却媒体温度Twは増加しないので(図11g)、インバータ許容損失Lipは変化しない(図11c)。そのため、時間t1で、損失差ΔLiはΔL1まで低下する(図11d)。図8に示す、損失差ΔLiに応じたキャリア周波数Fcの設定マップに従って、時間t1でキャリア周波数FcがFc1まで増加される(図11e)。キャリア周波数Fc1は、時間t1における条件で駆動し続ければ、素子温度Tが目標素子温度Ttに収束するキャリア周波数に予め設定されている。そのため、素子温度Tが収束している時間t2において素子温度Tは目標素子温度Ttになっている(図11f)。なお、本例では、目標素子温度Tt及び変更許可温度Tpは、定格温度Tj_maxの値に設定されている。
時間t1から時間t2の期間において、インバータ損失Liは次第に減少していく(図11b)。これは、時間t1でインバータ損失Liが増加したことにより、インバータ40の発熱量が増加し、冷却媒体温度Twが次第に増加していくことで(図11g)、インバータ許容損失Lipが次第に減少していき(図11c)、その結果、損失差ΔLiも次第に減少して(図11d)、損失差ΔLiに基づいて設定されるキャリア周波数Fcが次第に減少するからである(図11e)。時間t2の時点では、キャリア周波数FcはFc2にまで低下している(図11e)。
時間t1から時刻t2の期間でも、本実施の形態とは異なり、キャリア周波数固定制御を継続した場合のインバータ損失Li、キャリア周波数Fc、素子温度T、及び、回転電機温度Tmの挙動を破線で示している。素子温度Tについては、キャリア周波数変更制御を実行する方が、キャリア周波数固定制御を実行するよりも高くなっているが、回転電機温度Tmはキャリア周波数変更制御を実行する方が、キャリア周波数固定制御を実行するよりも低くなっている。これは、図6及び図7に示すように、キャリア周波数Fcが増加することにより、キャリア周波数に依存する交流回転電機200の電力損失が減少するためである。
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る回転電機制御装置1について図面を参照して説明する。図12は、本実施の形態に係るインバータ40の回路構成図及び回転電機制御装置1のブロック図である。
なお、上記の実施の形態1と同様の部分は、説明を省略する。
本実施の形態では、交流回転電機200は、永久磁石式同期回転電機又は磁界巻線式同期回転電機とされており、ステータに各相の巻線が巻装され、ロータに永久磁石又は電磁磁石が設けられる。交流回転電機200には、交流回転電機200の巻線温度(又は磁石温度)を検出するための温度センサ52が備えられている。回転電機制御装置1は、温度センサ52の出力信号に基づいて、交流回転電機200の巻線温度(又は磁石温度)(以下、回転電機温度Tmと称す)を検出する回転電機温度検出手段71を備えている。交流回転電機200が永久磁石式同期回転電機である場合は、温度センサ52は、少なくとも交流回転電機200のステータ巻線に取り付けられ、回転電機温度検出手段71は、当該温度センサ52の出力信号に基づいて、巻線温度(回転電機温度Tm)を検出する。交流回転電機200が磁界巻線式同期回転電機である場合は、温度センサ52は、少なくとも交流回転電機200の界磁巻線に取り付けられ、回転電機温度検出手段71は、当該温度センサ52の出力信号に基づいて、巻線温度(回転電機温度Tm)を検出する。
PWM制御手段30は、交流回転電機200に出力させるトルクである要求トルクTxに基づいて電流指令値(本例では、二相電流指令値Ido、Iqo)を演算し、交流回転電機200の巻線を流れる電流Iが電流指令値に近づくように、PWM制御を行うように構成されている。要求トルクTxは、回転電機制御装置1外部の制御装置から指令されるように構成されている。なお、実施の形態1も、PWM制御手段30は、要求トルクTxに基づいて電流指令値を演算するように構成されてもよい。
PWM制御手段30は、制御用素子温度Tcが、目標素子温度Ttに対して予め設定した判定範囲内にあり、且つ、回転電機温度Tmが、予め設定した判定温度Tm_thよりも高い場合に、電流指令値を上限制限するように構成されている。制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttに対して判定範囲内にあり、目標素子温度Ttに近い場合は、素子温度Tに余裕がないため、キャリア周波数Fcを増加させることで、回転電機損失Lmを十分に低減させることができない。このような場合でも、電流指令値を上限制限することで、電流Iを低下させ、回転電機損失Lmを低減させることができると共に、発熱による交流回転電機200の減磁を抑制することができる。
本実施の形態では、PWM制御手段30は、制御用素子温度Tcが変更許可温度Tpより大きく、且つ、回転電機温度Tmが判定温度Tm_thよりも高い場合に、電流指令値を上限制限するように構成されている。この場合は、キャリア周波数Fcを増加させることができないので、回転電機損失Lmを低減させるためには、電流指令値を上限制限する必要がある。判定温度Tm_thは、固定値とされてもよいし、交流回転電機200の動作点(回転速度、出力トルク)に応じて変化されてもよい。また、回転電機温度Tmが磁石温度とされる場合であって、磁石温度を直接センシングできない場合は、巻線温度や交流回転電機200の冷却媒体温度から磁石温度を推定してもよい。冷却媒体は、水又は油とされる。温度センサ52を全ての相の巻線(U相、V相、W相)に取り付けて、それらの温度センサ52の出力信号に基づいて巻線温度を検出するように構成されてもよい。なお、交流回転電機200の巻線としては、ステータ巻線、ロータ巻線、界磁巻線等がある。
本実施の形態では、1つの素子温度センサ47が備えられている。素子温度センサ47は、いずれか1つのスイッチング素子41(本例では負極側のU相の41b)の素子温度Tを検出可能にされている。素子温度検出手段31は、1つの素子温度Tを検出するように構成されている。
本実施の形態では、回転電機制御装置1は、上記の実施の形態1のインバータ損失演算手段34及びインバータ許容損失演算手段35に代えて、回転電機損失演算手段36及び回転電機許容損失演算手段70を備えている。回転電機損失演算手段36は、交流回転電機200の現在の電力損失である回転電機損失Lmを演算する。回転電機許容損失演算手段70は、交流回転電機200に許容される電力損失である回転電機許容損失Lmpを演算する。
そして、キャリア周波数設定手段33は、周波数変更制御において、回転電機損失Lm及び回転電機許容損失Lmpに基づき、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttに近づくようにキャリア周波数Fcを変更するように構成されている。ここで、キャリア周波数設定手段33は、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttよりも低く、回転電機損失Lmが回転電機許容損失Lmpを上回っている場合に、図13に示すように、回転電機損失Lmと回転電機許容損失Lmpとの損失差ΔLm(絶対値)が小さいほど、キャリア周波数Fcを大きくするように構成されている。
回転電機損失Lmは、図6及び図7に示すように、キャリア周波数Fcの増加に従って減少することから、回転電機損失Lmが回転電機許容損失Lmpに近く、損失差ΔLiが小さいほど、キャリア周波数Fcを大きくさせて、回転電機損失Lmを減少させることができる。よって、交流回転電機200の発熱量を減少させることができ、交流回転電機200の冷却機構の小型化や簡略化を行うことができる。
本実施の形態では、回転電機損失演算手段36は、電流Iに基づいて、回転電機損失Lmを演算するように構成されている。回転電機損失演算手段36は、電流Iと回転電機損失Lmとの関係特性が予め記憶された特性マップを用い、電流Iに基づいて回転電機損失Lmを演算する。回転電機損失演算手段36は、電流Iが増加するほど、回転電機損失Lmを増加させる。回転電機損失演算手段36は、周波数変更制御によりキャリア周波数Fcを変更する場合は、電流I及びキャリア周波数Fcと回転電機損失Lmとの関係特性が予め記憶された特性マップを用い、電流I及びキャリア周波数Fcに基づいて、回転電機損失Lmを演算するように構成されてもよい。図6及び図7に示すように、回転電機損失演算手段36は、キャリア周波数Fcが増加するほど、回転電機損失Lmを減少させる。或いは、回転電機損失演算手段36は、温度センサにより交流回転電機200の冷却媒体温度Twmを検出できるように構成されていれば、Lm=(Tm−Twm)/Rthの式を用い、冷却媒体温度Twm、交流回転電機200と冷媒との間の予め設定した熱抵抗Rth、及び回転電機温度Tmに基づいて、回転電機損失Lmを演算するように構成されてもよい。
回転電機許容損失演算手段70は、実測値等に基づいて予め設定した固定値を回転電機許容損失Lmpに設定するように構成されている。或いは、回転電機許容損失演算手段70は、温度センサにより交流回転電機200の冷却媒体温度Twmを検出できるように構成されていれば、Lmp=(Tm_max−Twm)/Rthの式を用い、冷却媒体温度Twm、電力用半導体素子と冷媒との間の予め設定した熱抵抗Rth、及び交流回転電機200の定格温度Tm_maxに基づいて、回転電機許容損失Lmpを演算するように構成されてもよい。
キャリア周波数設定手段33は、図13に示すような、損失差ΔLmとキャリア周波数Fcとの関係が予め記憶されたマップを用い、損失差ΔLmに基づいて、キャリア周波数Fcを変更するように構成されている。
以上で説明した、実施の形態2に係る回転電機制御装置1が備えるPWM制御手段30、素子温度検出手段31、目標素子温度設定手段32、及びキャリア周波数設定手段33等の処理を、図14及び図15に示すフローチャートのように構成することができる。図14及び図15のフローチャートの処理は、演算処理装置15が記憶装置14に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行することにより、例えば一定時間毎に実行される。
図14のフローチャートについて説明する。まず、ステップS1001で、実施の形態1と同様に、目標素子温度設定手段32は、温度センサの出力信号に基づき、インバータ40の周囲温度Taを検出する。そして、ステップS1002で、目標素子温度設定手段32は、目標素子温度Ttを設定する。本実施形態では、目標素子温度設定手段32は、インバータ40の周囲温度Taに基づき、周囲温度Taが高いほど、目標素子温度Ttを低く設定する。ステップS1003で、素子温度検出手段31は、1つのスイッチング素子41の素子温度Tを検出する。ステップS1004で、電流検出手段37は、インバータ40から交流回転電機200の巻線に流れる電流Iを検出する。ステップS1005で、回転電機温度検出手段71は、上記のように、回転電機温度Tmを検出する。
ステップS1006で、キャリア周波数設定手段33は、素子温度Tが設定された制御用素子温度Tcが変更許可温度Tp以下であるか否かを判定し、変更許可温度Tp以下である場合はステップS10007へ進み、それ以外の場合はステップS1008へ進む。本例では、変更許可温度Tpは、定格温度Tj_maxに設定されている。ステップS1007では、キャリア周波数設定手段33は、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttに近づくようにキャリア周波数Fcを変更する周波数変更制御を実行する。周波数変更制御については、図15のフローチャートを用いて後述する。
ステップS1008では、キャリア周波数設定手段33は、キャリア周波数Fcを予め設定した周波数に設定する周波数固定制御を実行する。ステップS1009で、PWM制御手段30は、回転電機温度Tmが判定温度Tm_thよりも高いか否かを判定し、高い場合はステップS1010へ進み、それ以外の場合はステップS1011に進む。ステップS1010では、PWM制御手段30は、電流指令値を上限制限する。
ステップS1011では、キャリア周波数設定手段33は、上記のように、キャリア周波数Fcの上下限制限を行う。そして、ステップS1012では、キャリア周波数設定手段33は、設定したキャリア周波数FcをPWM制御手段30に出力する。そして、PWM制御手段30は、上記のように、キャリア周波数設定手段33から伝達されたキャリア周波数Fcのキャリア波を用いたPWM制御により、複数のスイッチング素子41をスイッチング制御する。
次にステップS1007における周波数変更制御の処理について、図15のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1101では、電流検出手段37は、インバータ40から交流回転電機200の巻線に流れる電流Iを検出する。なお、ステップS1004で取得した電流Iを用いてもよい。ステップS1102では、回転電機損失演算手段36は、上記のように、交流回転電機200の現在の電力損失である回転電機損失Lmを演算する。ステップS1103では、回転電機許容損失演算手段70は、上記のように、交流回転電機200に許容される電力損失である回転電機許容損失Lmpを演算する。ステップS1104では、キャリア周波数設定手段33は、回転電機損失Lmと回転電機許容損失Lmpとの損失差ΔLmを算出する。ステップS1105では、キャリア周波数設定手段33は、図13に示すように、損失差ΔLmが小さいほど、キャリア周波数Fcを大きくする。
〔その他の実施の形態〕
最後に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する各実施の形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施の形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の各実施の形態においては、ゲート駆動回路46がインバータ40に備えられている場合を例に説明した。しかし、ゲート駆動回路46は、回転電機制御装置1に備えられてもよい。また、PWM制御手段30が、インバータ40に備えられてもよい。
(2)上記の各実施の形態においては、キャリア周波数設定手段33は、周波数変更制御において、インバータ損失Liとインバータ許容損失Lipとの損失差ΔLiが大きいほど、キャリア周波数Fcを大きくする、或いは回転電機損失Lmと回転電機許容損失Lmpとの損失差ΔLmが小さいほど、キャリア周波数Fcを大きくすることにより、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttに近づくようにキャリア周波数Fcを変更するように構成されている場合を例に説明した。しかし、キャリア周波数設定手段33は、周波数変更制御において、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttに近づくようにキャリア周波数Fcを変更すれば、どのような演算方法により行われてもよい。例えば、キャリア周波数設定手段33は、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttに近づくように、フィードバック制御によりキャリア周波数Fcを変更してもよい。この場合は、キャリア周波数設定手段33は、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttを下回っていれば、キャリア周波数Fcを次第に増加させ、制御用素子温度Tcが目標素子温度Ttを上回っていれば、キャリア周波数Fcを次第に減少させればよい。
或いは、キャリア周波数設定手段33は、キャリア周波数設定手段33は、周波数変更制御において、交流回転電機200に出力させるトルクである要求トルク及び交流回転電機200の回転速度に応じてキャリア周波数Fcを設定するマップを用いて、キャリア周波数Fcを設定するように構成されてもよい。
(3)上記の各実施の形態においては、キャリア周波数設定手段33は、制御用素子温度Tcが変更許可温度Tp以下である場合であって、更に、電流Iが判定電流Ithより大きい場合に、周波数変更制御を実行するように構成されている場合を例に説明した。しかし、回転電機制御装置1は、交流回転電機200の出力トルクを検出するトルク検出手段を備え、キャリア周波数設定手段33は、制御用素子温度Tcが変更許可温度Tp以下である場合であって、更に、交流回転電機200の回転速度が予め設定した判定回転速度より大きい、又は交流回転電機200の出力トルクが予め設定した判定トルクよりも大きい場合に、周波数変更制御を実行するように構成されてもよい。
(4)上記の各実施の形態においては、Si半導体材料を用いたスイッチング素子41が備えられている場合を例に説明した。しかし、スイッチング素子41は、シリコンよりもバンドギャップが広い非Si半導体材料を用いてもよく、非Si半導体材料は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、及びダイヤモンドのいずれかでもよい。非Si半導体材料を用いることで、キャリア周波数Fcを高めることができ、キャリア周波数Fcの変更範囲を拡大することが可能となる。キャリア周波数Fcを高めることは回転電機損失の低減につながるため、更なる交流回転電機200の冷却機構の小型化や簡素化を図ることができ、交流回転電機200を低コスト化することが可能となる。
(5)上記の実施の形態1においては、素子温度センサが2つ設けられ、上記の実施の形態2においては、素子温度センサが1つ設けられている場合を例に説明した。しかし、素子温度センサは、例えば、全てのスイッチング素子41に対応して設けられるなど、任意の数だけ、素子温度を検出可能な個所に設けられてもよい。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
この発明は、複数のスイッチング素子を備えて直流電源と交流回転電機との間で電力変換を行うインバータを制御する回転電機制御装置に好適に利用することができる。
1:回転電機制御装置、30:PWM制御手段、31:素子温度検出手段、32:目標素子温度設定手段、33:キャリア周波数設定手段、34:インバータ損失演算手段、35:インバータ許容損失演算手段、36:回転電機損失演算手段、37:電流検出手段、38:回転速度検出手段、39:電圧検出手段、40:インバータ、41:スイッチング素子、44:フリーホイールダイオード、45:平滑コンデンサ、46:ゲート駆動回路、47:素子温度センサ、48:電圧センサ、50:電流センサ、51:回転速度センサ、52:温度センサ、70:回転電機許容損失演算手段、71:回転電機温度検出手段、200:交流回転電機、300:直流電源、Fc:キャリア周波数、I:電流、Ith:判定電流、Lip:インバータ許容損失、Li:インバータ損失、Lm:回転電機損失、Lmp:回転電機許容損失、T:素子温度、T1:第一素子温度、T2:第二素子温度、Tc:制御用素子温度、Tj_max:定格温度、Tm:回転電機温度、Tp:変更許可温度、Tt:目標素子温度、Tth:判定温度差、Tx:要求トルク

Claims (20)

  1. 複数のスイッチング素子を備えて直流電源と交流回転電機との間で電力変換を行うインバータを制御する回転電機制御装置であって、
    前記複数のスイッチング素子をPWM制御によりオンオフ制御するPWM制御手段と、
    前記スイッチング素子の素子温度を検出する素子温度検出手段と、
    前記素子温度の目標素子温度を設定する目標素子温度設定手段と、
    前記PWM制御に用いられるキャリア波のキャリア周波数を設定するキャリア周波数設定手段と、を備え、
    前記キャリア周波数設定手段は、前記素子温度に基づいて設定した制御用素子温度が予め設定した変更許可温度以下である場合に、前記制御用素子温度が前記目標素子温度に近づくように前記キャリア周波数を変更する周波数変更制御を実行する回転電機制御装置。
  2. 前記キャリア周波数設定手段は、前記周波数変更制御において、前記制御用素子温度が前記目標素子温度よりも低い場合に、前記キャリア周波数を増加させる請求項1に記載の回転電機制御装置。
  3. 前記キャリア周波数設定手段は、前記周波数変更制御において、前記交流回転電機に出力させるトルクである要求トルク及び前記交流回転電機の回転速度に応じて前記キャリア周波数を設定する予め設定されたマップを用いて、前記キャリア周波数を設定する請求項1又は2に記載の回転電機制御装置。
  4. 前記インバータの現在の電力損失であるインバータ損失を演算するインバータ損失演算手段と、
    前記インバータに許容される電力損失であるインバータ許容損失を演算するインバータ許容損失演算手段と、を備え、
    前記キャリア周波数設定手段は、前記周波数変更制御において、前記インバータ損失及び前記インバータ許容損失に基づき、前記制御用素子温度が前記目標素子温度に近づくように前記キャリア周波数を変更し、
    前記制御用素子温度が前記目標素子温度よりも低く、前記インバータ損失が前記インバータ許容損失を下回っている場合に、前記インバータ損失と前記インバータ許容損失との差が大きいほど、前記キャリア周波数を大きくする請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  5. 前記交流回転電機の現在の電力損失である回転電機損失を演算する回転電機損失演算手段と、
    前記交流回転電機に許容される電力損失である回転電機許容損失を演算する回転電機許容損失演算手段と、を備え、
    前記キャリア周波数設定手段は、前記周波数変更制御において、前記回転電機損失及び前記回転電機許容損失に基づき、前記制御用素子温度が前記目標素子温度に近づくように前記キャリア周波数を変更し、
    前記制御用素子温度が前記目標素子温度よりも低く、前記回転電機損失が前記回転電機許容損失を上回っている場合に、前記回転電機損失と前記回転電機許容損失との差が小さいほど、前記キャリア周波数を大きくする請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  6. 前記キャリア周波数設定手段は、前記周波数変更制御において、前記キャリア周波数を、予め設定した上限周波数以下に上限制限する請求項1から5のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  7. 前記キャリア周波数設定手段は、前記周波数変更制御において、前記キャリア周波数を、予め設定した下限周波数以上に下限制限する請求項1から6のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  8. 前記目標素子温度設定手段は、前記目標素子温度を、前記スイッチング素子の定格温度以下に設定する請求項1から7のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  9. 前記交流回転電機の磁石温度を検出する回転電機温度検出手段を備え、
    前記PWM制御手段は、前記交流回転電機に出力させるトルクである要求トルクに基づいて電流指令値を演算し、前記交流回転電機の巻線を流れる電流が前記電流指令値に近づくように、前記PWM制御を行い、
    前記制御用素子温度が、前記目標素子温度に対して予め設定した判定範囲内にあり、且つ、前記磁石温度が、予め設定した判定温度よりも高い場合に、前記電流指令値を上限制限する請求項1から8のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  10. 前記交流回転電機の巻線温度を検出する回転電機温度検出手段を備え、
    前記PWM制御手段は、前記交流回転電機に出力させるトルクである要求トルクに基づいて電流指令値を演算し、前記交流回転電機の巻線を流れる電流が前記電流指令値に近づくように、前記PWM制御を行い、
    前記制御用素子温度が、前記目標素子温度に対して予め設定した判定範囲内にあり、且つ、前記巻線温度が、予め設定した判定温度よりも高い場合に、前記電流指令値を上限制限する請求項1から8のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  11. 前記回転電機温度検出手段は、少なくとも前記交流回転電機のステータ巻線に取り付けられた温度センサの出力信号に基づいて、前記巻線温度を検出する請求項10に記載の回転電機制御装置。
  12. 前記交流回転電機は、界磁巻線式同期回転電機であり、
    前記回転電機温度検出手段は、少なくとも前記交流回転電機の界磁巻線に取り付けられた温度センサの出力信号に基づいて、前記巻線温度を検出する請求項10に記載の回転電機制御装置。
  13. 前記素子温度検出手段は、複数の素子温度センサの出力信号のそれぞれに基づいて複数の前記素子温度を検出し、
    前記キャリア周波数設定手段は、複数の前記素子温度に基づいて前記制御用素子温度を設定する請求項1から12のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  14. 前記素子温度検出手段は、複数の素子温度センサの出力信号のそれぞれに基づいて複数の前記素子温度を検出し、
    前記キャリア周波数設定手段は、複数の前記素子温度の内、最も高温の前記素子温度を前記制御用素子温度に設定する請求項1から12のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  15. 前記素子温度検出手段は、複数の素子温度センサの出力信号のそれぞれに基づいて複数の前記素子温度を検出し、
    前記キャリア周波数設定手段は、複数の前記素子温度に基づいて前記制御用素子温度を設定し、前記制御用素子温度が前記変更許可温度以下である場合であって、更に、複数の前記素子温度における最高温度と最低温度との温度差が予め設定された判定温度差以下である場合に、前記周波数変更制御を実行する請求項1から12のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  16. 前記インバータから前記交流回転電機の巻線に流れる電流を検出する電流検出手段を備え、
    前記キャリア周波数設定手段は、前記制御用素子温度が前記変更許可温度以下である場合であって、更に、前記電流が予め設定した判定電流より大きい場合に、前記周波数変更制御を実行する請求項1から15のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  17. 前記交流回転電機の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記交流回転電機の出力トルクを検出するトルク検出手段と、を備え、
    前記キャリア周波数設定手段は、前記制御用素子温度が前記変更許可温度以下である場合であって、更に、前記交流回転電機の回転速度が予め設定した判定回転速度より大きい、又は前記交流回転電機の出力トルクが予め設定した判定トルクよりも大きい場合に、前記周波数変更制御を実行する請求項1から16のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  18. 前記直流電源から前記インバータに供給される入力電圧を検出する電圧検出手段を備え、
    前記目標素子温度設定手段は、前記入力電圧が高いほど、前記目標素子温度を高くし、
    前記キャリア周波数設定手段は、前記周波数変更制御において、前記制御用素子温度が前記目標素子温度よりも低い場合には、前記キャリア周波数を増加させる請求項1から17のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  19. 前記スイッチング素子は、シリコンよりもバンドギャップが広い非Si半導体材料を用いている請求項1から18のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  20. 前記非Si半導体材料は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、及びダイヤモンドのいずれかである請求項19に記載の回転電機制御装置。
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