JP2017147806A - 電動機制御装置および電動機制御方法 - Google Patents

電動機制御装置および電動機制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インバータ回路が直流電源から切り離された場合であっても、コンデンサ端子間電圧の上昇および電動機の各相に流れる相電流の上昇を抑制し、インバータ回路や電動機の破壊を防止することができる小型の電動機制御装置を低コストで提供する。【解決手段】電力変換回路25のスイッチング素子をオンオフ制御するスイッチング制御部60は、交流電動機10からの回生電力を直流電源に回生させることが不可である電源側異常状態であるか否かを判定する電源側異常判定部62と、電源側異常判定部により電源側異常状態であると判定された場合に、判定された時点における交流電動機の電動機動作状態に応じて、上段側スイッチング素子のすべてまたは下段側スイッチング素子のすべてをオンする3相短絡処理、および電力変換回路のすべてのスイッチング素子をオフする6スイッチ開放処理の何れを実行するかを選択する回生異常対応処理選択部63と、を有している。【選択図】図1

Description

この発明は、交流電動機を駆動制御する電動機制御装置および電動機制御方法に関するものである。
従来から、交流電動機を駆動力源とする電気自動車が知られており、この電気自動車では、走行時に交流電動機を力行運転して走行駆動トルクを発生させ、制動時に交流電動機を回生運転して回生制動トルクを発生させている。
ここで、電気自動車の駆動システムは、リチウムイオンバッテリ等の二次電池からなる直流電源と、コンデンサと複数の半導体スイッチとからなり、直流電源に接続されるインバータ回路と、インバータ回路に負荷として接続された交流電動機とから構成される。
インバータ回路は、複数の半導体スイッチを所定のスイッチング周波数でオンオフすることにより、直流電源の直流電力を所定の交流電力に変換して、負荷である交流電動機のトルクや回転数を調節する。また、交流電動機は、動作状況によっては発電機として動作し、発電によって生じる回生電力を直流電源に充電する。なお、電気自動車に適用される交流電動機として、効率が良い永久磁石3相同期電動機がよく用いられる。
3相同期電動機を用いた駆動システムにおいて、インバータ回路は、上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子とが直列に接続された3組の直列回路が、それぞれ直流電源と並列に接続されて構成され、3組の直列回路のそれぞれの中点と3相同期電動機のU相、V相、W相のそれぞれの入力とが接続される。
また、インバータ回路の各相に設けられるスイッチング素子を順次オンおよびオフさせることにより、3相同期電動機の各相に互いに位相が120度ずつ異なる交流電力を供給して3相同期電動機を駆動させる。以下、特に断らない限り、電動機は3相同期電動機を指すものとする。なお、インバータ回路の動作原理については、広く一般的であるので、ここでは説明を省略する。
ここで、電気自動車の駆動システムには、直流電源であるバッテリを過電圧や過電流から保護するために、必要に応じてバッテリとインバータ回路とを切り離す開閉手段が設けられる。この開閉手段の開放条件としては、電動機の回生運転時にバッテリの電圧が所定値以上になった場合や、バッテリの消耗によりバッテリ電圧が所定値以下になった場合、バッテリに流れる電流が所定値以上になった場合等がある。また、車両の故障や衝突等によって、開閉手段が開放されることもある。
このような駆動システムでは、電動機の回生運転中に開閉手段が開放され、インバータ回路がバッテリから切り離されることがある。また、開閉手段を有しない駆動システムであっても、バッテリとインバータ回路との間の電力線が断線することにより、インバータ回路がバッテリから切り離されることがある。
このような場合、電動機からインバータ回路に流入する回生電力をバッテリに充電することができず、インバータ回路のコンデンサに充電することとなり、コンデンサに過電圧がかかってコンデンサが破損する恐れがある。
そのため、インバータ回路がバッテリから切り離された場合には、インバータ回路のすべての半導体スイッチをオフしてインバータ動作を停止させる6スイッチ開放処理が実行されることがある。ところが、この6スイッチ開放処理が実行された場合には、電動機のステータコイルに蓄積された電力が、スイッチング素子に逆並列接続されたフリーホイールダイオード(FWD)を介してコンデンサを充電することになり、コンデンサの端子間電圧が急峻に上昇することがある。
このとき、コンデンサ端子間電圧の上昇に備えてコンデンサを大容量化、高耐圧化すると、コンデンサ体格の増大につながる。また、コンデンサの高耐圧化に伴って、インバータ回路の各構成部品の高耐圧化も必要となり、インバータ回路の小型化、低コスト化の障害となる。特に、限られた車両スペースに配置する必要がある電気自動車用のインバータ回路にとって、小型化への障害は大きな課題である。
そこで、上述した課題を解決するために、電動機からインバータ回路に流入する回生電力を発熱させて消費する放電回路を付設し、コンデンサに過大に流入する回生電力を放電回路で消費する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、インバータ回路が直流電源から切り離された場合に6スイッチ開放処理を実行せず、インバータ回路の上段側スイッチング素子のすべてまたは下段側スイッチング素子のすべてをオンし、電動機の各相を互いに短絡させる3相短絡処理を実行することで、コンデンサに電力を回生させない方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−110099号公報 特開平9−47055号公報
上述したように、インバータ回路が直流電源から切り離された場合に、インバータ回路のすべての半導体スイッチをオフしてインバータ動作を停止させると、コンデンサの端子間電圧が急峻に上昇することがあり、これに備えてコンデンサを大容量化、高耐圧化する必要があった。その結果、コンデンサ体格の増大につながり、インバータ回路の小型化・低コスト化の障害となっていた。
この課題に対して、特許文献1に開示された方法によれば、コンデンサ端子間電圧の上昇は抑制できるものの、放電回路を付設する分、インバータ回路のサイズが大きくなる。特に、放電回路で消費すべき回生電力が大きいと、耐電力の大きい素子を使用して放電回路を構成する必要があり、インバータ回路の回路規模の大型化や、価格の上昇につながるという問題がある。
また、特許文献2に開示された方法によれば、コンデンサ端子間電圧の上昇は抑制できるものの、それまで電動機を駆動させるために各相に流れていた電流が瞬間的に大きくなり、スイッチング素子や電動機の耐電流量を超え、スイッチング素子や電動機が破壊される恐れがあるという問題もある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、インバータ回路が直流電源から切り離された場合であっても、コンデンサ端子間電圧の上昇および電動機の各相に流れる相電流の上昇を抑制し、インバータ回路や電動機の破壊を防止することができる小型の電動機制御装置を低コストで得ることを目的とする。
この発明に係る電動機制御装置は、直流電源と交流電動機との間に接続され、直流電源の直流電力を交流電力に変換して交流電動機を駆動制御する電動機制御装置であって、交流1相分のアームが上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子との直列回路により構成された電力変換回路と、電力変換回路の直流側の電圧を平滑化するコンデンサと、電力変換回路のスイッチング素子をオンオフ制御するスイッチング制御部と、を備え、スイッチング制御部は、交流電動機からの回生電力を直流電源に回生させることが不可である電源側異常状態であるか否かを判定する電源側異常判定部と、電源側異常判定部により電源側異常状態であると判定された場合に、判定された時点における交流電動機の電動機動作状態に応じて、上段側スイッチング素子のすべてまたは下段側スイッチング素子のすべてをオンする3相短絡処理、および電力変換回路のすべてのスイッチング素子をオフする6スイッチ開放処理の何れを実行するかを選択する回生異常対応処理選択部と、を有するものである。
この発明に係る電動機制御装置によれば、電力変換回路のスイッチング素子をオンオフ制御するスイッチング制御部は、交流電動機からの回生電力を直流電源に回生させることが不可である電源側異常状態であるか否かを判定する電源側異常判定部と、電源側異常判定部により電源側異常状態であると判定された場合に、判定された時点における交流電動機の電動機動作状態に応じて、上段側スイッチング素子のすべてまたは下段側スイッチング素子のすべてをオンする3相短絡処理、および電力変換回路のすべてのスイッチング素子をオフする6スイッチ開放処理の何れを実行するかを選択する回生異常対応処理選択部と、を有している。
そのため、インバータ回路が直流電源から切り離された場合であっても、コンデンサ端子間電圧の上昇および電動機の各相に流れる相電流の上昇を抑制し、インバータ回路や電動機の破壊を防止することができる小型の電動機制御装置を低コストで得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置が搭載された駆動システムを示すブロック構成図である。 (a)、(b)は、この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置において、3相短絡処理実行後の相電流最大値と電動機の回転速度との依存関係を説明するために実験で計測した波形を示す説明図である。 この発明の実施の形態2に係る電動機制御装置が搭載された駆動システムを示すブロック構成図である。
以下、この発明に係る電動機制御装置および電動機制御方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
一般に、モータとも称される電動機は、電力を駆動力に変換して力行運転するものであるが、そのままの構造で駆動力を電力に逆変換して回生運転することが可能である。また、ジェネレータとも称される発電機は、駆動力を電力に変換して回生運転するものであるが、そのままの構造で電力を駆動力に逆変換して力行運転することが可能である。
すなわち、電動機と発電機とは、基本的に同一構造であり、どちらも力行運転および回生運転が可能である。そこで、この明細書では、電動機および発電機の双方の機能を持つ回転電機を単に電動機と称する。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置を図1および図2に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置が搭載された駆動システムを示すブロック構成図である。図1では、インバータ回路に直流電力を供給するとともに回生電力で充電されるバッテリ等の直流電源、および制御対象の3相同期電動機を含んで図示している。
図1において、電動機制御装置80は、電力開閉器70を介して直流母線1a、1bにより直流電源90と接続され、駆動電力や回生電力を直流電源90と授受する。また、電動機制御装置80は、交流母線2aにより電動機10と接続され、駆動電力や回生電力を電動機10と授受する。
また、電動機10には、電動機の回転角を検出する回転角センサ30が設けられている。なお、電動機10は、負荷を回転駆動するとともに、負荷の回転エネルギーを電気エネルギーとして回生可能な電動機であり、例えば永久磁石3相交流同期モータや3相ブラシレスモータが使用される。
また、電動機制御装置80は、インバータ回路20とスイッチング制御部60とで構成されている。インバータ回路20は、電源入力側の直流母線1a、1b間に接続されたコンデンサ21と、インバータ回路20の直流母線電圧を検出する電圧検出部24と、複数のスイッチング素子で構成され、直流/交流の電力変換をする電力変換回路25と、交流母線2aに流れる電動機10の電流を検出する電動機電流検出部26とを備えている。
コンデンサ21は、直流母線電圧のリップルを抑制する機能や、インバータ回路20の電源インピーダンスを低下させてインバータ回路20の交流電流駆動能力を向上させる機能、サージ電圧を吸収する機能等を有している。また、電圧検出部24は、直流母線電圧を分圧抵抗等によりスイッチング制御部60で読み込める電圧に分圧し、スイッチング制御部60に直流母線電圧情報を出力する。
電力変換回路25は、一般的によく知られている6つのスイッチング素子をフルブリッジ接続したインバータである。すなわち、図1に示すように、スイッチング素子31、32、スイッチング素子33、34、スイッチング素子35、36は、それぞれ互いに直列に接続され、直流電源90に並列に接続されている。
また、スイッチング素子31、32の中点は電動機10のU相の入力と接続され、スイッチング素子33、34の中点は電動機10のV相の入力と接続され、スイッチング素子35、36の中点は電動機10のW相の入力と接続されている。
ここで、直流電源90の正極側、すなわち直流母線1aに接続されるスイッチング素子31、33、35を上段側スイッチング素子と称し、直流電源の負極側、すなわち直流母線1bに接続されるスイッチング素子32、34、36を下段側スイッチング素子と称する。
スイッチング素子は、例えば図1に示すようなMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)や、MOSFET以外にもIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等が用いられる。
なお、スイッチング素子の各MOSFETには、直流電源90の負極側から正極側へ向かう方向、すなわち下段側から上段側へ向かう方向を順方向として、並列にフリーホイールダイオード(FWD)が設けられている。
電動機電流検出部26は、交流母線2aを流れる電動機電流を検出するものであり、電流を電圧に変換して電動機電流情報をスイッチング制御部60に出力する。図1では、シャント抵抗により電流を検出する構成を示している。なお、電動機電流検出部26は、ホール素子等を用いた電流センサとしてもよい。
電力開閉器70は、直流電源90と電動機制御装置80との電力授受を制御するものである。具体的には、電力開閉器70は、電動機10の回生運転時に直流電源90の電圧が設定値以上になった場合や、直流電源90の消耗等により直流電源90の電圧が設定値以下になった場合、直流電源90に流れる電流が設定値以上になった場合、車両の故障や衝突が検出された場合等に、図示しない上位のシステムにより開放状態に制御される。なお、電力開閉器70は、スイッチング制御部60により制御される構成としてもよい。
また、回転角センサ30は、レゾルバやエンコーダ等により電動機10のロータ回転角を検出するものである。回転角センサ30で検出されたロータ回転角は、スイッチング制御部60に出力される。
スイッチング制御部60は、電動機制御装置全体の制御を司るもので、マイクロコントローラや駆動回路等から構成され、スイッチング制御信号生成部61、電源側異常判定部62および回生異常対応処理選択部63を有している。
スイッチング制御信号生成部61は、電力変換回路25を構成する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を生成する。また、電源側異常判定部62は、電動機10からの回生電力を直流電源90に回生させることが不可である電源側異常状態であるか否かを判定する。
回生異常対応処理選択部63は、電源側異常判定部62により電源側異常状態であると判定された場合に、判定された時点における電動機10の電動機動作状態に応じて、電力変換回路25の上段側スイッチング素子のすべてまたは下段側スイッチング素子のすべてをオンする3相短絡処理、および電力変換回路25のすべてのスイッチング素子をオフする6スイッチ開放処理の何れを実行するかを選択する。
具体的には、電源側異常判定部62は、電圧検出部24から入力された直流母線電圧情報をもとに電源側異常状態であるか否かを判定し、判定結果を回生異常対応処理選択部63に出力する。
また、回生異常対応処理選択部63は、回転角センサ30から電動機10の回転角情報、電源側異常判定部62から電源側異常状態判定結果が入力され、これらの入力情報から電源側異常状態であると判定された場合に3相短絡処理か6スイッチ開放処理の何れかを選択し、回生異常対応処理指令としてスイッチング制御信号生成部61に出力する。
スイッチング制御信号生成部61は、電圧検出部24から直流母線電圧情報、回転角センサ30から電動機10の回転角情報、電動機電流検出部26から電動機電流情報、回生異常対応処理選択部63から回生異常対応処理指令が入力され、これらの入力情報と外部から入力される電動機10のトルク指令値や電流指令値に従い、電力変換回路25の各スイッチング素子へのオンオフ制御信号を演算し、電力変換回路25へオンオフ制御信号を出力する。
スイッチング素子31〜36は、それぞれスイッチング制御信号生成部61からのオンオフ制御信号によりオンオフ動作し、直流電力を交流電力に変換し電動機10に供給するとともに、電動機10が回生状態において発生する回生電力を直流電源90に充電する。
ここで、この発明の実施の形態1に係る電動制御装置の特徴とする点は、スイッチング制御部60に回生異常対応処理選択部63を設け、電源側異常状態であると判定された場合に、電動機10の回転角情報に基づいて3相短絡処理を実行するか、6スイッチ開放処理を実行するかを選択して実行する点である。
この構成により、インバータ回路20が直流電源90から切り離された場合であっても、コンデンサ端子間電圧の上昇の抑制と電動機10の相電流の上昇の抑制とを両立することができる。以下に、この構成によりコンデンサ端子間電圧の上昇の抑制と電動機10の相電流の上昇の抑制とを両立することができる理由と、より詳細な構成を説明する。
上述したように、電動機10の回生運転中に電力開閉器70が開放されたり、直流電源90とインバータ回路20との間の電力線が断線したりすることにより、インバータ回路20が直流電源90から切り離されると、電動機10からインバータ回路20に流入する回生電力を直流電源90に充電することができず、インバータ回路20のコンデンサ21に充電することとなり、コンデンサ21に過電圧がかかってコンデンサ21が破損する恐れがある。
そのため、インバータ動作を停止させる6スイッチ開放処理を実行する方法がある。しかしながら、この6スイッチ開放処理が実行された場合には、電動機10のステータコイルに蓄積された電力が、スイッチング素子に逆並列接続されたフリーホイールダイオード(FWD)を介してコンデンサ21を充電することになり、コンデンサ21の端子間電圧が急峻に上昇することがある。
なお、このコンデンサ21の端子間電圧の上昇は、電動機10の回転速度が高くなるほど大きくなる傾向がある。すなわち、電動機10の誘起電圧は、回転速度と比例関係にあり、回転速度が高くなるほど電動機10の誘起電圧が高くなるため、この誘起電圧に起因するコンデンサ21への回生電力が増加し、コンデンサ21の端子間電圧の上昇が大きくなる。
一方、別の方法として、インバータ回路20の上段側スイッチング素子のすべてまたは下段側スイッチング素子のすべてをオンし、電動機10の各相を互いに短絡させる3相短絡処理を実行することで、コンデンサ21に電力を回生させない方法がある。しかしながら、3相短絡処理を実行すると、電動機10の各相が互いに小さい抵抗を介して接続される状態となるため、各相を流れている相電流がそれぞれ瞬間的に大きくなる。
ここで、本願の発明者は、この3相短絡処理後に増大する相電流の最大値が電動機10の回転速度に応じて変化し、回転速度が低くなるほど3相短絡処理後に増大する相電流の最大値が大きくなることを実験により明らかにした。
図2は、この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置において、3相短絡処理実行後の相電流最大値と電動機の回転速度との依存関係を説明するために実験で計測した波形を示す説明図である。具体的には、回生動作中の電動機10を3相短絡処理したときに流れる電動機10の相電流波形を計測したものである。
図2(a)、(b)は、3相短絡処理実行前の相電流の大きさが同じであり、電動機10の回転速度について、(a)が(b)よりも小さい条件で回生駆動しているものであり、それぞれ時刻T1で3相短絡処理を実行したものである。図2の(a)、(b)において、3相短絡処理後の相電流の大きさ、特に最大値を比較すると、回転速度が小さい(a)の方が明らかに大きくなる。
したがって、電動機10の回転速度が大きい場合は、6スイッチ開放処理を実行したときのコンデンサ端子間電圧の上昇は大きくなるが、3相短絡処理を実行したときの相電流の最大値は小さくなる。一方、電動機10の回転速度が小さい場合は、6スイッチ開放処理を実行したときのコンデンサ端子間電圧の上昇は小さくなるが、3相短絡処理を実行したときの相電流の最大値は大きくなる。
そこで、この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置では、上述したように、回生異常対応処理選択部63は、回転角センサ30から電動機10の回転角情報、電源側異常判定部62から電源側異常状態判定結果が入力され、これらの入力情報から電源側異常状態であると判定された場合に3相短絡処理か6スイッチ開放処理の何れかを選択し、回生異常対応処理指令としてスイッチング制御信号生成部61に出力する。
より詳細には、回生異常対応処理選択部63は、電源側異常状態であると判定された場合に、回転角情報により演算した電動機10の回転速度が3相短絡実行回転速度よりも小さいときは6スイッチ開放処理を選択し、電動機10の回転速度が3相短絡実行回転速度よりも大きいときは3相短絡処理を選択する。
ここで、3相短絡実行回転速度は、3相短絡処理を実行した場合に増大する相電流の最大値が、過電流閾値よりも小さくなる回転速度の下限値に設定される。また、過電流閾値は、一般の電動機制御装置で設定されるように、電動機10およびインバータ回路構成部品の耐電流を超えない電流値に設定される。
また、この3相短絡実行回転速度で6スイッチ開放処理を実行した場合に上昇するコンデンサ端子間電圧の最大値が、過電圧閾値よりも小さくなるようにコンデンサ21が選定される。過電圧閾値は、一般の電動機制御装置で設定されるように、コンデンサ21およびインバータ回路構成部品の耐電圧を超えない電圧値に設定される。
スイッチング制御信号生成部61は、回生異常対応処理選択部63から3相短絡処理または6スイッチ開放処理の回生異常対応処理指令が入力されない場合は、広く一般的なインバータ回路駆動制御を実行する。
簡単には、図示しない車両ECU等の他の制御装置からCAN(Controller Area Network)等を介して電動機10の目標トルクや目標電流が入力され、電圧検出部24から入力される直流母線電圧情報、回転角センサ30から入力される電動機10の回転角情報、電動機電流検出部26から入力される電動機電流情報を用いて電流フィードバック制御を実行し、電動機10の目標トルクや目標電流が得られるよう電力変換回路25の各スイッチング素子へのオンオフ制御信号を演算し、電力変換回路25へオンオフ制御信号を出力する。なお、電流フィードバック制御については、公知であるのでここでは詳細な説明は省略する。
一方、スイッチング制御信号生成部61は、回生異常対応処理選択部63から回生異常対応処理指令として3相短絡処理が入力された場合は、上段側スイッチング素子31、33、35をオンし、下段側スイッチング素子32、34、36をオフするよう電力変換回路25へオンオフ制御信号を出力する。
なお、スイッチング制御信号生成部61は、回生異常対応処理選択部63から回生異常対応処理指令として3相短絡処理が入力された場合に、上段側スイッチング素子31、33、35をオフし、下段側スイッチング素子32、34、36をオンするよう電力変換回路25へオンオフ制御信号を出力するようにしてもよい。
また、スイッチング制御信号生成部61は、回生異常対応処理選択部63から回生異常対応処理指令として6スイッチ開放処理が入力された場合は、スイッチング素子31〜36のすべてをオフするよう電力変換回路25へオンオフ制御信号を出力する。
このような構成とすることで、3相短絡処理を実行したときの相電流の最大値が大きく、電動機10およびインバータ回路構成部品の破壊のおそれがある電動機10の回転速度が小さい電動機動作状態では、6スイッチ開放処理をすることになり、3相短絡処理実行によって上昇する相電流によって電動機10およびインバータ回路構成部品が破壊されることを防止することができる。
また、6スイッチ開放処理を実行したときのコンデンサ21への回生エネルギー流入が大きい電動機10の回転速度が大きい電動機動作状態では、3相短絡処理をすることになり、6スイッチ開放処理実行によって上昇するコンデンサ端子間電圧によってコンデンサ21およびインバータ回路構成部品が破壊されることを防止することができる。
言い換えると、6スイッチ開放処理を実行する電動機動作状態は、コンデンサ21への回生エネルギー流入が小さくなる電動機10の回転速度が小さい電動機動作状態に限られるため、コンデンサ容量は比較的小さい回生エネルギー流入に耐えられる小さい容量でよく、その結果、コンデンサ体格を小さいものにできる。
次に、この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置の動作を説明する。まず、電源側異常判定部62は、電圧検出部24から入力された直流母線電圧に基づいて、回生電力を直流電源90に回生させることが不可である電源側異常状態であるか否かを判定する。具体的には、電源側異常判定部62は、直流母線電圧があらかじめ定められた設定値以上である場合に、回生電力を直流電源90に回生不可である電源側異常状態であると判定し、それ以外の場合は電源側正常状態であると判定する。
これにより、電力開閉器70の開放状態において電動機10が回生動作することで回生電力がコンデンサ21に蓄電され、コンデンサ21の両端電圧すなわち直流母線電圧が通常動作では生じえない高電圧状態になっている場合や、電力開閉器70が導通状態であっても直流電源90が通常動作では生じえない高電圧状態になっている場合等、回生電力を直流電源90に回生できないときに電源側異常状態であると判定することができる。
電源側異常判定部62により電源側正常状態であると判定された場合には、何ら問題なく電動機10を力行運転および回生運転できる状態であり、回生異常対応処理選択部63は、スイッチング制御信号生成部61に対して、回生異常対応処理指令を出力しない。スイッチング制御信号生成部61は、回生異常対応処理選択部63から回生異常対応処理指令が入力されない場合は、広く一般的なインバータ回路駆動制御を実行する。
簡単には、図示しない車両ECU等の他の制御装置からCAN等を介して電動機10の目標トルクや目標電流が入力され、電圧検出部24から入力される直流母線電圧情報、回転角センサ30から入力される電動機10の回転角情報、電動機電流検出部26から入力される電動機電流情報を用いて電流フィードバック制御を実行し、電動機10の目標トルクや目標電流が得られるよう電力変換回路25の各スイッチング素子へのオンオフ制御信号を演算し、電力変換回路25へオンオフ制御信号を出力する。なお、電流フィードバック制御については、公知であるのでここでは詳細な説明は省略する。
電源側異常判定部62により電源側異常状態であると判定された場合には、直流電源90に回生電力を回生できない状態であるため、回生異常対応処理選択部63は、後述する方法で3相短絡処理または6スイッチ開放処理を選択し、回生異常対応処理指令としてスイッチング制御信号生成部61に出力する。
スイッチング制御信号生成部61は、回生異常対応処理選択部63から回生異常対応処理指令として3相短絡処理が入力された場合は、上段側スイッチング素子31、33、35をオンし、下段側スイッチング素子32、34、36をオフするよう電力変換回路25へオンオフ制御信号を出力する。
なお、スイッチング制御信号生成部61は、回生異常対応処理選択部63から回生異常対応処理指令として3相短絡処理が入力された場合に、上段側スイッチング素子31、33、35をオフし、下段側スイッチング素子32、34、36をオンするよう電力変換回路25へオンオフ制御信号を出力するようにしてもよい。
また、スイッチング制御信号生成部61は、回生異常対応処理選択部63から回生異常対応処理指令として6スイッチ開放処理が入力された場合は、スイッチング素子31〜36のすべてをオフするよう電力変換回路25へオンオフ制御信号を出力する。
以下に、電源側異常判定部62により電源側異常状態であると判定された場合における、回生異常対応処理選択部63による回生異常対応処理指令の生成方法について詳細に説明する。
回生異常対応処理選択部63は、電源側異常状態であると判定された場合に、回転角センサ30から入力された電動機10の回転角情報により演算した電動機10の回転速度が3相短絡実行回転速度よりも小さいときは6スイッチ開放処理を選択し、電動機10の回転速度が3相短絡実行回転速度よりも大きいときは3相短絡処理を選択して、回生異常対応処理指令を生成する。
ここで、3相短絡実行回転速度は、3相短絡処理を実行した場合に増大する相電流の最大値が、過電流閾値よりも小さくなる回転速度の下限値に設定される。また、過電流閾値は、一般の電動機制御装置で設定されるように、電動機10およびインバータ回路構成部品の耐電流を超えない電流値に設定される。
また、この3相短絡実行回転速度で6スイッチ開放処理を実行した場合に上昇するコンデンサ端子間電圧の最大値が、過電圧閾値よりも小さくなるようにコンデンサ21が選定される。過電圧閾値は、一般の電動機制御装置で設定されるように、コンデンサ21およびインバータ回路構成部品の耐電圧を超えない電圧値に設定される。なお、3相短絡実行回転速度は、あらかじめ実験等により求められた値がメモリに記憶される。
上述した動作により、直流母線電圧から直流電源90に回生電力を回生できない状態を判定し、直流電源90に回生電力を回生できない状態である場合に、電動機10の回転速度に応じて回生異常対応処理を適切に選択できるので、コンデンサ端子間電圧の上昇の抑制と電動機10の相電流の上昇の抑制とを両立することができる。
詳細には、3相短絡処理を実行したときの相電流の最大値が大きく、電動機10およびインバータ回路構成部品の破壊のおそれがある電動機10の回転速度が小さい電動機動作状態では、6スイッチ開放処理をすることになり、3相短絡処理実行によって上昇する相電流によって電動機10およびインバータ回路構成部品が破壊されることを防止することができる。
また、6スイッチ開放処理を実行したときのコンデンサ21への回生エネルギー流入が大きい電動機10の回転速度が大きい電動機動作状態では、3相短絡処理をすることになり、6スイッチ開放処理実行によって上昇するコンデンサ端子間電圧によってコンデンサ21およびインバータ回路構成部品が破壊されることを防止することができる。
言い換えると、6スイッチ開放処理を実行する電動機動作状態は、コンデンサ21への回生エネルギー流入が小さくなる電動機10の回転速度が小さい電動機動作状態に限られるため、コンデンサ容量は比較的小さい回生エネルギー流入に耐えられる小さい容量でよく、その結果、コンデンサ体格を小さいものにできる。
以上のように、実施の形態1によれば、直流電源90に回生電力を回生できない状態である場合に、3相短絡実行時の相電流の最大値が大きく、電動機10の回転速度が小さい電動機動作状態では6スイッチ開放処理を実行し、6スイッチ開放処理実行時のコンデンサ21への回生エネルギー流入が大きい電動機10の回転速度が大きい電動機動作状態では3相短絡処理を実行するので、コンデンサ端子間電圧の上昇の抑制と電動機10の相電流の上昇の抑制とを、放電回路を付設することなく両立でき、回生運転中にインバータ回路20と直流電源90とが切り離されたときであっても、破損しない電動機制御装置を小型、低コストで実現することができる。
なお、上記実施の形態1では、3相短絡実行回転速度は、3相短絡処理を実行した場合に増大する相電流の最大値が過電流閾値よりも小さくなる回転速度の下限値に設定されると説明としたが、3相短絡実行回転速度で6スイッチ開放処理を実行した場合に上昇するコンデンサ端子間電圧の最大値が過電圧閾値よりも小さくなる回転速度であれば、上記下限値よりも大きい回転速度に設定してもよい。
また、上記実施の形態1では、スイッチング制御部60の電源側異常判定部62は、電圧検出部24から入力された直流母線電圧情報をもとに電源側異常状態であるか否かを判定すると説明したが、その他の構成として、例えば図示しない車両ECU等外部の制御装置から電力開閉器70の開放状態が通信され、電力開閉器70が開放状態である場合に電源側異常状態であると判定してもよい。
なお、電力変換回路25のスイッチング素子は、どのような素子を用いてもよいが、例えばワイドバンドギャップ半導体を用いることができる。ワイドバンドギャップ半導体としては、例えば炭化珪素、窒化ガリウム系材料またはダイヤモンド等により形成されたものがある。
このようなワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子で構成されたインバータ回路は、従来のシリコンSiによって形成されたスイッチング素子で構成されたインバータ回路と比較して、高耐電圧、低損失であり、高周波駆動が可能である特徴がある。以下、ワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子で構成されたインバータ回路をワイドバンドギャップインバータ回路と称し、シリコンSiによって形成されたスイッチング素子で構成されたインバータ回路をSiインバータ回路と称する。
したがって、ワイドバンドギャップインバータ回路を用いた電動機制御装置では、Siインバータ回路を用いた電動機制御装置と比較して、スイッチング素子が高耐電圧であるため、コンデンサ端子間電圧の上限電圧に対してスイッチング素子からの制約は緩和され、6スイッチ開放処理実行時のコンデンサ端子間電圧の上昇は比較的許容される。すなわち、3相短絡実行回転速度で6スイッチ開放処理を実行した場合に上昇するコンデンサ端子間電圧の許容される最大値が比較的大きくなり、よりコンデンサ容量を小さなものとでき、コンデンサ体格を小さくすることができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る電動機制御装置を図3に基づいて詳細に説明する。図3は、この発明の実施の形態2に係る電動機制御装置が搭載された駆動システムを示すブロック構成図である。図3では、インバータ回路に直流電力を供給するとともに回生電力で充電されるバッテリ等の直流電源、および制御対象の3相同期電動機を含んで図示している。
図3において、電動機制御装置80は、上述した実施の形態1と同様に、インバータ回路20とスイッチング制御部60とで構成されているが、インバータ回路20に直流母線電流検出部27が付加され、スイッチング制御部60に回生モード判定部64が付加されている。
また、電源側異常判定部62および回生異常対応処理選択部63への入力信号が実施の形態1のものとは若干異なっている。なお、その他の構成は、実施の形態1の図1と同じであるので、図中において、図1と同一または相当する部分については同一符号を付して説明を省略する。
直流母線電流検出部27は、直流電源90と電力変換回路25との間を流れる直流母線電流を検出するものであり、電流を電圧に変換して直流母線電流情報をスイッチング制御部60に出力する。図3では、シャント抵抗により電流を検出する構成を示している。なお、直流母線電流検出部27は、ホール素子等を用いた電流センサとしてもよい。
回生モード判定部64は、直流母線電流検出部27から入力される直流母線電流情報をもとに電動機10が回生状態であるか否かを判定し、回生モード判定結果として電源側異常判定部62に出力する。
電源側異常判定部62は、電圧検出部24から入力された直流母線電圧情報、回生モード判定部64から入力された回生モード判定結果をもとに電源側異常状態であるか否かを判定し、判定結果を回生異常対応処理選択部63に出力する。
また、回生異常対応処理選択部63は、回転角センサ30から電動機10の回転角情報、電源側異常判定部62から電源側異常状態判定結果、電動機電流検出部26から電動機電流情報が入力され、これらの入力情報から電源側異常状態であると判定された場合に3相短絡処理か6スイッチ開放処理の何れかを選択し、回生異常対応処理指令としてスイッチング制御信号生成部61に出力する。
ここで、この発明の実施の形態2に係る電動制御装置の特徴とする点は、スイッチング制御部60に回生異常対応処理選択部63を設け、電源側異常状態であると判定された場合に、電動機10の回転角情報および電動機電流情報に基づいて3相短絡処理を実行するか、6スイッチ開放処理を実行するかを選択して実行する点である。
この構成により、インバータ回路20が直流電源90から切り離された場合であっても、コンデンサ端子間電圧の上昇の抑制と電動機10の相電流の上昇の抑制とを両立することができる。以下に、この構成によりコンデンサ端子間電圧の上昇の抑制と電動機10の相電流の上昇の抑制とを両立することができる理由と、より詳細な構成を説明する。
実施の形態1の説明で上述したように、インバータ回路20が直流電源90から切り離された場合において、電動機10の回転速度が大きい場合は、6スイッチ開放処理を実行したときのコンデンサ端子間電圧の上昇は大きくなるが、3相短絡処理を実行したときの相電流の最大値は小さくなる。一方、電動機10の回転速度が小さい場合は、6スイッチ開放処理を実行したときのコンデンサ端子間電圧の上昇は小さくなるが、3相短絡処理を実行したときの相電流の最大値は大きくなる。
また、3相短絡処理実行前に電動機10に流れていた相電流が大きいほど、3相短絡処理を実行したときの相電流の最大値は大きくなる傾向がある。すなわち、3相短絡処理前の相電流は、3相短絡処理実行後はインバータ回路と電動機の間で還流することになるため、その結果、3相短絡処理実行前の相電流が大きければ、3相短絡処理実行後の相電流の最大値も大きくなる。
そこで、この発明の実施の形態2に係る電動機制御装置では、上述したように、回生異常対応処理選択部63は、回転角センサ30から電動機10の回転角情報、電源側異常判定部62から電源側異常状態判定結果、電動機電流検出部26から電動機電流情報が入力され、これらの入力情報から電源側異常状態であると判定された場合に3相短絡処理か6スイッチ開放処理の何れかを選択し、回生異常対応処理指令としてスイッチング制御信号生成部61に出力する。
より詳細には、回生異常対応処理選択部63は、電源側異常状態であると判定された場合に、回転角情報により演算した電動機10の回転速度が3相短絡実行回転速度よりも小さいときは6スイッチ開放処理を選択し、電動機10の回転速度が3相短絡実行回転速度よりも大きいときは3相短絡処理を選択する。
ここで、3相短絡実行回転速度は、3相短絡処理を実行した場合に増大する相電流の最大値が、過電流閾値よりも小さくなる回転速度の下限値に設定される。また、この3相短絡実行回転速度は、電源側異常判定部62により電源側異常状態であると判定されたときの相電流の大きさに応じて設定される。
なお、電源側異常状態であると判定されたときの相電流の大きさは、電動機電流検出部26から入力される電動機電流情報を用いて演算される。また、過電流閾値は、一般の電動機制御装置で設定されるように、電動機10およびインバータ回路構成部品の耐電流を超えない電流値に設定される。
また、この3相短絡実行回転速度で6スイッチ開放処理を実行した場合に上昇するコンデンサ端子間電圧の最大値が、過電圧閾値よりも小さくなるようにコンデンサ21が選定される。過電圧閾値は、一般の電動機制御装置で設定されるように、コンデンサ21およびインバータ回路構成部品の耐電圧を超えない電圧値に設定される。
スイッチング制御信号生成部61は、上述した実施の形態1と同一の構成を有し、電力変換回路25へオンオフ制御信号を出力する。
このような構成とすることで、3相短絡処理を実行したときの相電流の最大値が大きく、電動機10およびインバータ回路構成部品の破壊のおそれがある電動機10の回転速度が小さい電動機動作状態では、6スイッチ開放処理をすることになり、3相短絡処理実行によって上昇する相電流によって電動機10およびインバータ回路構成部品が破壊されることを防止することができる。
また、6スイッチ開放処理を実行したときのコンデンサ21への回生エネルギー流入が大きい電動機10の回転速度が大きい電動機動作状態では、3相短絡処理をすることになり、6スイッチ開放処理実行によって上昇するコンデンサ端子間電圧によってコンデンサ21およびインバータ回路構成部品が破壊されることを防止することができる。
言い換えると、6スイッチ開放処理を実行する電動機動作状態は、コンデンサ21への回生エネルギー流入が小さくなる電動機10の回転速度が小さい電動機動作状態に限られるため、コンデンサ容量は比較的小さい回生エネルギー流入に耐えられる小さい容量でよく、その結果、コンデンサ体格を小さいものにできる。
さらに、3相短絡実行回転速度を、電源側異常判定部62により電源側異常状態であると判定されたときの相電流の大きさに応じて設定するので、より正確な3相短絡処理実行後の相電流の最大値に合わせて回生異常対応処理を選択することができ、より適切に電動機動作状態に応じた処理を選択することができる。
次に、この発明の実施の形態2に係る電動機制御装置の動作を説明する。まず、回生モード判定部64が直流母線電流検出部27から入力された直流母線電流に基づいて、電動機10が回生状態であるか否かを判定し、回生モード判定結果として電源側異常判定部62に出力する。具体的には、回生モード判定部64は、電流の正負を図3に示す向きとすると、直流母線電流が+のときに回生状態であると判定し、直流母線電流が−のときに力行状態であると判定する。
また、電源側異常判定部62は、電圧検出部24から入力された直流母線電圧、回生モード判定部64から入力された回生モード判定結果に基づいて、回生電力を直流電源90に回生させることが不可である電源側異常状態であるか否かを判定する。具体的には、電源側異常判定部62は、直流母線電圧があらかじめ定められた設定値以上であり、かつ回生モード判定結果が回生状態である場合に、回生電力を直流電源90に回生不可である電源側異常状態であると判定し、それ以外の場合は電源側正常状態であると判定する。
これにより、電力開閉器70の開放状態において電動機10が回生動作することで回生電力がコンデンサ21に蓄電され、コンデンサ21の両端電圧すなわち直流母線電圧が通常動作では生じえない高電圧状態になっている場合や、電力開閉器70が導通状態であっても直流電源90が通常動作では生じえない高電圧状態になっている場合等、回生電力を直流電源90に回生できないときに電源側異常状態であると判定することができる。
電源側異常判定部62により電源側正常状態であると判定された場合には、何ら問題なく電動機10を力行運転および回生運転できる状態であり、回生異常対応処理選択部63は、スイッチング制御信号生成部61に対して、回生異常対応処理指令を出力しない。スイッチング制御信号生成部61は、回生異常対応処理選択部63から回生異常対応処理指令が入力されない場合は、広く一般的なインバータ回路駆動制御を実行する。
簡単には、図示しない車両ECU等の他の制御装置からCAN等を介して電動機10の目標トルクや目標電流が入力され、電圧検出部24から入力される直流母線電圧情報、回転角センサ30から入力される電動機10の回転角情報、電動機電流検出部26から入力される電動機電流情報を用いて電流フィードバック制御を実行し、電動機10の目標トルクや目標電流が得られるよう電力変換回路25の各スイッチング素子へのオンオフ制御信号を演算し、電力変換回路25へオンオフ制御信号を出力する。なお、電流フィードバック制御については、公知であるのでここでは詳細な説明は省略する。
電源側異常判定部62により電源側異常状態であると判定された場合には、直流電源90に回生電力を回生できない状態であるため、回生異常対応処理選択部63は、後述する方法で3相短絡処理または6スイッチ開放処理を選択し、回生異常対応処理指令としてスイッチング制御信号生成部61に出力する。
スイッチング制御信号生成部61は、回生異常対応処理選択部63から回生異常対応処理指令として3相短絡処理が入力された場合は、上段側スイッチング素子31、33、35をオンし、下段側スイッチング素子32、34、36をオフするよう電力変換回路25へオンオフ制御信号を出力する。
なお、スイッチング制御信号生成部61は、回生異常対応処理選択部63から回生異常対応処理指令として3相短絡処理が入力された場合に、上段側スイッチング素子31、33、35をオフし、下段側スイッチング素子32、34、36をオンするよう電力変換回路25へオンオフ制御信号を出力するようにしてもよい。
また、スイッチング制御信号生成部61は、回生異常対応処理選択部63から回生異常対応処理指令として6スイッチ開放処理が入力された場合は、スイッチング素子31〜36のすべてをオフするよう電力変換回路25へオンオフ制御信号を出力する。
以下に、電源側異常判定部62により電源側異常状態であると判定された場合における、回生異常対応処理選択部63による回生異常対応処理指令の生成方法について詳細に説明する。
回生異常対応処理選択部63は、電源側異常状態であると判定された場合に、回転角センサ30から入力された電動機10の回転角情報により演算した電動機10の回転速度が3相短絡実行回転速度よりも小さいときは6スイッチ開放処理を選択し、電動機10の回転速度が3相短絡実行回転速度よりも大きいときは3相短絡処理を選択して、回生異常対応処理指令を生成する。
ここで、3相短絡実行回転速度は、3相短絡処理を実行した場合に増大する相電流の最大値が、過電流閾値よりも小さくなる回転速度の下限値に設定される。また、この3相短絡実行回転速度は、電源側異常判定部62により電源側異常状態であると判定されたときの相電流の大きさに応じて設定される。
なお、電源側異常状態であると判定されたときの相電流の大きさは、電動機電流検出部26から入力される電動機電流情報を用いて演算される。また、過電流閾値は、一般の電動機制御装置で設定されるように、電動機10およびインバータ回路構成部品の耐電流を超えない電流値に設定される。
また、この3相短絡実行回転速度で6スイッチ開放処理を実行した場合に上昇するコンデンサ端子間電圧の最大値が、過電圧閾値よりも小さくなるようにコンデンサ21が選定される。過電圧閾値は、一般の電動機制御装置で設定されるように、コンデンサ21およびインバータ回路構成部品の耐電圧を超えない電圧値に設定される。なお、3相短絡実行回転速度は、あらかじめ実験等により求められた値が相電流に応じて設定された2次元マップとしてメモリに記憶される。
上述した動作により、直流母線電流により電動機10の回生状態を判定し、直流母線電圧があらかじめ定められた設定値以上であり、かつ回生モード判定結果が回生状態である場合に、直流電源90に回生電力を回生できない状態であると判定することで、回生異常対応処理が必要な状態を正確に判定することができる。すなわち、不要に回生異常対応処理を実行することがない。
また、上述した動作により、直流電源90に回生電力を回生できない状態である場合に、電動機10の回転速度および電源側異常状態と判定されたときの相電流の大きさに応じて回生異常対応処理を適切に選択できるので、コンデンサ端子間電圧の上昇の抑制と電動機10の相電流の上昇の抑制とを両立することができる。
詳細には、3相短絡処理を実行したときの相電流の最大値が大きく、電動機10およびインバータ回路構成部品の破壊のおそれがある電動機10の回転速度が小さい電動機動作状態では、6スイッチ開放処理をすることになり、3相短絡処理実行によって上昇する相電流によって電動機10およびインバータ回路構成部品が破壊されることを防止することができる。
また、6スイッチ開放処理を実行したときのコンデンサ21への回生エネルギー流入が大きい電動機10の回転速度が大きい電動機動作状態では、3相短絡処理をすることになり、6スイッチ開放処理実行によって上昇するコンデンサ端子間電圧によってコンデンサ21およびインバータ回路構成部品が破壊されることを防止することができる。
言い換えると、6スイッチ開放処理を実行する電動機動作状態は、コンデンサ21への回生エネルギー流入が小さくなる電動機10の回転速度が小さい電動機動作状態に限られるため、コンデンサ容量は比較的小さい回生エネルギー流入に耐えられる小さい容量でよく、その結果、コンデンサ体格を小さいものにできる。
さらに、3相短絡実行回転速度を、電源側異常判定部62により電源側異常状態であると判定されたときの相電流の大きさに応じて設定するので、より正確な3相短絡処理実行後の相電流の最大値に合わせて回生異常対応処理を選択することができ、より適切に電動機動作状態に応じた処理を選択することができる。
以上のように、実施の形態2によれば、直流電源90に回生電力を回生できない状態で、かつ電動機が回生状態である場合に、3相短絡実行時の相電流の最大値が大きく、電動機10の回転速度が小さい電動機動作状態では6スイッチ開放処理を実行し、6スイッチ開放処理実行時のコンデンサ21への回生エネルギー流入が大きい電動機10の回転速度が大きい電動機動作状態では3相短絡処理を実行するので、コンデンサ端子間電圧の上昇の抑制と電動機10の相電流の上昇の抑制とを、放電回路を付設することなく両立でき、回生運転中にインバータ回路20と直流電源90とが切り離されたときであっても、破損しない電動機制御装置を小型、低コストで実現することができる。
なお、上記実施の形態2では、3相短絡実行回転速度は、電源側異常判定部62により電源側異常状態であると判定されたときの相電流の大きさに応じて設定され、電源側異常状態であると判定されたときの相電流の大きさは、電動機電流検出部26から入力される電動機電流情報を用いて演算されると説明したが、電源側異常状態であると判定されたときの相電流の大きさは、必ずしも電動機電流検出部26から得る必要はない。
すなわち、相電流の大きさは、例えば、図示しない車両ECU等外部の制御装置から入力される電動機10のトルク指令値や電流指令値を用いて演算したものでもよい。これにより、電動機電流検出部26から得られる電動機電流情報にノイズが重畳する場合や、検出遅れ時間が大きい場合等、電動機電流検出部26を用いることが適していない場合にも対応することができる。
なお、上記実施の形態1、2はあくまで一例であり、本発明が適用できるものであれば上述した実施の形態に何ら限定されない。例えば、上記実施の形態1、2では、直流電源90と電動機制御装置80とを直接接続していたが、直流電源90と電動機制御装置80との間に昇圧や降圧を行うDC/DCコンバータを配置する構成としてもよいし、交流電源の交流電力を直流電力に変換する整流器やAC/DCコンバータを介して交流電源と接続される構成としてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、コンデンサ21に回生電力を充電しない回生異常対応処理として3相短絡処理を選択したが、その代わりに、電動機10の駆動状況に応じて上段側スイッチング素子31、33、35のうちの2つ、または下段側スイッチング素子32、34、36のうちの2つのスイッチング素子をともにオンさせる構成としてもよい。また、上記実施の形態1、2では、電動機は3相同期電動機としたが、2相または4相以上の電動機を対象としてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、電気自動車を例に挙げて説明したが、エンジンと電動機とを併用するハイブリット車両に適用してもよいし、さらには車両に限定されるものではない。
以上、この発明の実施の形態を記述したが、この発明は実施の形態に限定されるものではなく、種々の設計変更を行うことが可能であり、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1a、1b 直流母線、2a 交流母線、10 電動機、20 インバータ回路、21 コンデンサ、24 電圧検出部、25 電力変換回路、26 電動機電流検出部、27 直流母線電流検出部、30 回転角センサ(回転速度検出部)、31〜36 スイッチング素子、60 スイッチング制御部、61 スイッチング制御信号生成部、62 電源側異常判定部、63 回生異常対応処理選択部、64 回生モード判定部、70 電力開閉器、80 電動機制御装置、90 直流電源。
この発明に係る電動機制御装置は、直流電源と交流電動機との間に接続され、直流電源の直流電力を交流電力に変換して交流電動機を駆動制御する電動機制御装置であって、交流1相分のアームが上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子との直列回路により構成された電力変換回路と、電力変換回路の直流側の電圧を平滑化するコンデンサと、電力変換回路のスイッチング素子をオンオフ制御するスイッチング制御部と、を備え、スイッチング制御部は、交流電動機からの回生電力を直流電源に回生させることが不可である電源側異常状態であるか否かを判定する電源側異常判定部と、電源側異常判定部により電源側異常状態であると判定された場合に、判定された時点における交流電動機の電動機動作状態に応じて、上段側スイッチング素子のすべてまたは下段側スイッチング素子のすべてをオンする3相短絡処理、および電力変換回路のすべてのスイッチング素子をオフする6スイッチ開放処理の何れを実行するかを選択する回生異常対応処理選択部と、を有し、前記交流電動機の回転速度を検出する回転速度検出部をさらに備え、前記回生異常対応処理選択部は、少なくとも前記交流電動機の回転速度に基づいて前記3相短絡処理および前記6スイッチ開放処理の何れを実行するかを選択するものである。

Claims (15)

  1. 直流電源と交流電動機との間に接続され、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換して前記交流電動機を駆動制御する電動機制御装置であって、
    交流1相分のアームが上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子との直列回路により構成された電力変換回路と、
    前記電力変換回路の直流側の電圧を平滑化するコンデンサと、
    前記電力変換回路のスイッチング素子をオンオフ制御するスイッチング制御部と、を備え、
    前記スイッチング制御部は、
    前記交流電動機からの回生電力を前記直流電源に回生させることが不可である電源側異常状態であるか否かを判定する電源側異常判定部と、
    前記電源側異常判定部により電源側異常状態であると判定された場合に、判定された時点における前記交流電動機の電動機動作状態に応じて、前記上段側スイッチング素子のすべてまたは前記下段側スイッチング素子のすべてをオンする3相短絡処理、および前記電力変換回路のすべてのスイッチング素子をオフする6スイッチ開放処理の何れを実行するかを選択する回生異常対応処理選択部と、を有する
    電動機制御装置。
  2. 前記交流電動機の回転速度を検出する回転速度検出部をさらに備え、
    前記回生異常対応処理選択部は、少なくとも前記交流電動機の回転速度に基づいて前記3相短絡処理および前記6スイッチ開放処理の何れを実行するかを選択する
    請求項1に記載の電動機制御装置。
  3. 前記交流電動機の相電流を検出する相電流検出部をさらに備え、
    前記回生異常対応処理選択部は、少なくとも前記交流電動機の回転速度および相電流に基づいて前記3相短絡処理および前記6スイッチ開放処理の何れを実行するかを選択する
    請求項2に記載の電動機制御装置。
  4. 前記回生異常対応処理選択部は、前記回転速度が3相短絡実行回転速度よりも小さいときは前記6スイッチ開放処理を選択し、前記回転速度が前記3相短絡実行回転速度よりも大きいときは前記3相短絡処理を選択する
    請求項2または請求項3に記載の電動機制御装置。
  5. 前記3相短絡実行回転速度は、前記3相短絡処理実行した場合に増大する前記交流電動機の相電流の最大値が、過電流閾値よりも小さくなる回転速度に設定される
    請求項4に記載の電動機制御装置。
  6. 前記3相短絡実行回転速度は、前記3相短絡処理実行した場合に増大する前記交流電動機の相電流の最大値が、過電流閾値よりも小さくなる回転速度の下限値に設定される
    請求項5に記載の電動機制御装置。
  7. 前記過電流閾値は、前記交流電動機および前記電力変換回路の構成部品の耐電流を超えない電流値に設定される
    請求項5または請求項6に記載の電動機制御装置。
  8. 前記3相短絡実行回転速度は、前記電源側異常判定部により電源側異常状態であると判定された時点における前記交流電動機の相電流の大きさに応じて設定される
    請求項4から請求項7までの何れか1項に記載の電動機制御装置。
  9. 前記3相短絡実行回転速度で前記6スイッチ開放処理を実行した場合に上昇する前記電力変換回路の直流母線電圧の最大値が、過電圧閾値よりも小さくなるように前記コンデンサが選定されている
    請求項4から請求項8のいずれか1項に記載の電動機制御装置。
  10. 前記過電圧閾値は、前記コンデンサおよび前記電力変換回路の構成部品の耐電圧を超えない電圧値に設定される
    請求項9に記載の電動機制御装置。
  11. 前記電源側異常判定部は、前記電力変換回路の直流母線電圧があらかじめ定められた設定値以上となった場合に、電源側異常状態であると判定する
    請求項1から請求項10までの何れか1項に記載の電動機制御装置。
  12. 前記スイッチング制御部は、前記交流電動機が回生状態であるか否かを判定する回生モード判定部をさらに有し、
    前記電源側異常判定部は、前記電力変換回路の直流母線電圧があらかじめ定められた設定値以上となり、かつ前記回生モード判定部により回生状態であると判定された場合に、電源側異常状態であると判定する
    請求項1から請求項10までの何れか1項に記載の電動機制御装置。
  13. 前記回生異常対応処理選択部は、前記3相短絡処理実行した場合に増大する前記交流電動機の相電流の最大値が、過電流閾値よりも大きくなるときには6スイッチ開放処理を選択し、それ以外の場合には3相短絡処理を選択する
    請求項1から請求項12までの何れか1項に記載の電動機制御装置。
  14. 前記電力変換回路のスイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体により形成されている
    請求項1から請求項13までの何れか1項に記載の電動機制御装置。
  15. 直流電源と交流電動機との間に接続され、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換して前記交流電動機を駆動制御する電動機制御装置であって、交流1相分のアームが上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子との直列回路により構成された電力変換回路と、前記電力変換回路の直流側の電圧を平滑化するコンデンサと、を備えたものにおいて実行される電動機制御方法であって、
    前記交流電動機からの回生電力を前記直流電源に回生させることが不可である電源側異常状態であるか否かを判定する電源側異常判定ステップと、
    前記電源側異常判定ステップにより電源側異常状態であると判定された場合に、判定された時点における前記交流電動機の電動機動作状態に応じて、前記上段側スイッチング素子のすべてまたは前記下段側スイッチング素子のすべてをオンする3相短絡処理、および前記電力変換回路のすべてのスイッチング素子をオフする6スイッチ開放処理の何れを実行するかを選択する回生異常対応処理選択ステップと、を有する
    電動機制御方法。
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