JP6342043B1 - 電動機制御装置および電動機制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】3相短絡処理が実施された場合の相電流の上昇を抑制するとともに、小型化、低コスト化を図った上で、電力変換回路が直流電源から切り離された場合であってもコンデンサ端子間電圧の上昇および電動機の各相に流れる相電流の上昇を抑制し、電力変換回路や電動機の破壊を防止する。【解決手段】電力変換回路12と、スイッチング制御部9とを有する電動機制御装置1であって、スイッチング制御部9は、電力変換回路12を構成する上段側スイッチング素子14、16、18の全てもしくは下段側スイッチング素子15、17、19の全てをオンする3相短絡処理を実施する場合に、3相短絡処理を実施する前に移行期間を設け、移行期間において、3相短絡処理の実施後に3相同期電動機6の各相電流が過渡的に上昇することを抑制できるように制御する。【選択図】図2

Description

この発明は、交流電動機を駆動制御する電動機制御装置および電動機制御方法に関するものである。
従来から、走行時には交流電動機を力行運転して走行駆動トルクを発生させ、制動時には交流電動機を回生運転して回生制動トルクを発生させる交流電動機を駆動力源とする電気自動車が知られている。
電気自動車の駆動システムは、リチウムイオンバッテリーなどの二次電池による直流電源に、コンデンサと複数の半導体スイッチング素子からなるインバータが接続され、このインバータには、負荷として交流電動機が接続される。インバータは、複数の半導体スイッチング素子を所定のスイッチング周波数でオン・オフすることにより、直流電源の直流電力を所定の交流電力に変換して、負荷である交流電動機のトルクや回転数を調節する。
交流電動機は、動作状況によっては発電機として動作し、発電によって生じる回生電力を直流電源に充電する。また、交流電動機は、電気自動車の用途では、効率が良い永久磁石3相同期電動機がよく用いられる。
3相同期電動機を用いた駆動システムでは、インバータは、上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子が直列に接続された直列回路が3組、それぞれ直流電源に並列に接続されて構成されている。また、3組の直列回路のそれぞれの中点と、3相同期電動機のU相、V相、W相のそれぞれの入力とが接続される。
そして、インバータは、各相に設けられるスイッチング素子を順次オン・オフさせることにより、3相同期電動機の各相に互いに位相が120度ずつ異なる交流電力を供給し、3相同期電動機を駆動させる。以下、特に断らない限り、電動機は3相同期電動機を示している。なお、インバータの動作原理については、広く一般的であるので、ここでは説明を省略する。
電気自動車の駆動システムでは、直流電源であるバッテリを過電圧や過電流から保護するために、必要に応じてバッテリとインバータとを切り離す開閉手段が設けられる。この開閉手段の開放条件としては、電動機の回生運転時にバッテリの電圧が所定値以上になった場合、またはバッテリの消耗によりバッテリ電圧が所定値以下になった場合、あるいはバッテリに流れる電流が所定値以上になった場合、などがある。また、車両の故障や衝突などによって、開閉手段の開放が実施される場合もある。
このようなシステムでは、電動機を回生運転中に開閉手段が開放され、直流電源とインバータとが切り離されることがある。また、開閉手段を具備しないシステムであっても、直流電源とインバータとの間の電力線が断線することにより、インバータが直流電源と切り離される場合がある。
このような場合、電動機からインバータに流入する回生電力をバッテリに充電することができず、インバータのコンデンサに充電することとなる。この結果、コンデンサに過電圧がかかり、コンデンサが破損するおそれがある。
このため、インバータが直流電源と切り離された場合には、インバータの全ての半導体スイッチング素子をオフしてインバータ動作を停止させる、所謂、6スイッチ開放処理が実施される場合がある。しかしながら、この6スイッチ開放処理が実施された場合、電動機のステータコイルに蓄積された電力が、スイッチング素子に逆並列接続されたフリーホイールダイオード(FWD)を介してコンデンサを充電することになり、コンデンサ端子間電圧が急峻に上昇する場合がある。
このコンデンサ端子間電圧の上昇に備えて、コンデンサを大容量化、高耐圧化すると、コンデンサ体格の増大に繋がる。また、インバータ回路の構成部品の高耐圧化も必要となり、インバータの小型化、低コスト化の障害となる。特に、限られた車両スペースに配置する必要がある電気自動車用のインバータにとって、小型化への障害は大きな課題である。
この対策として、例えば特開2010−110099号公報(特許文献1)には、電動機からインバータに流入する回生電力を発熱させて消費する放電回路を付設し、コンデンサに過大に流入する回生電力を放電回路で消費する手法が開示されている。
また、別の対策として、例えば特開平9−47055号公報(特許文献2)には、インバータが直流電源と切り離された場合に、6スイッチ開放処理を実施せずに、インバータの上段側スイッチング素子の全てもしくは下段側スイッチング素子の全てをオンし、電動機の各相を互いに短絡させる3相短絡処理を実施することにより、コンデンサに電力を回生させない手法が開示されている。
特開2010−110099号公報 特開平9−47055号公報
しかしながら、上記従来技術には次のような課題がある。即ち、上述の通り、インバータが直流電源から切り離された場合に、インバータの全ての半導体スイッチング素子をオフしてインバータ動作を停止させると、コンデンサ端子間電圧が急峻に上昇する場合がある。このためこれに備えて、コンデンサを大容量化、高耐圧化する必要があった。その結果、コンデンサ体格の増大につながり、インバータの小型化、低コスト化の障害となっていた。
この課題に対し、特許文献1に開示された手法によれば、コンデンサ端子間電圧の上昇は抑制できるが、放電回路を付設する分、インバータ回路のサイズが大きくなる。特に、放電回路で消費すべき回生電力が大きい場合には、耐電力の大きい素子を使用して放電回路を構成する必要がある。この結果、インバータの回路規模の大型化や、価格の上昇につながる課題がある。
また、特許文献2に開示された手法によれば、コンデンサ端子間電圧の上昇は抑制できる。しかしながら、今まで電動機を駆動させるために各相に流れていた電流が瞬間的に大きくなり、スイッチング素子や電動機の耐電流量を超え、破壊されるおそれがある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、3相短絡処理が実施された場合の相電流の上昇を抑制するとともに、小型化、低コスト化を図った上で、電力変換回路が直流電源から切り離された場合であってもコンデンサ端子間電圧の上昇および電動機の各相に流れる相電流の上昇を抑制し、電力変換回路や電動機の破壊を防止することのできる電動機制御装置および電動機制御方法を得ることを目的とする。
この発明に係る電動機制御装置は、直流電力源と3相同期電動機との間に接続され、直流と3相交流との電力変換を行う電力変換回路と、前記電力変換回路を構成する半導体スイッチング素子をオン・オフ制御するスイッチング制御部と、を備え、前記3相同期電動機の駆動制御および回生制御を行う電動機制御装置であって、
前記半導体スイッチング素子は、交流1相分のアームが上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子との直列回路により構成されており、
前記スイッチング制御部は、前記上段側スイッチング素子の全てもしくは前記下段側スイッチング素子の全てをオンする3相短絡処理を実施する場合に、前記3相短絡処理を実施する前に移行期間を設け、前記移行期間において、前記3相同期電動機の各相電流が前記3相短絡処理の実施後の定常状態における各相電流に近づくように移行期間用制御指令値を設定し、前記移行期間用制御指令値に基づいて制御するものである。
また、この発明に係る電動機制御方法は、直流電力源と3相同期電動機との間に接続され、直流と3相交流との電力変換を行う電力変換回路を構成する半導体スイッチング素子をオン・オフ制御して前記3相同期電動機を制御する電動機制御方法であって、
前記半導体スイッチング素子は、交流1相分のアームが上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子との直列回路で形成されており、かつ、前記上段側スイッチング素子の全てもしくは前記下段側スイッチング素子の全てをオンする3相短絡処理を実施する場合に、前記3相短絡処理を実施する前に移行期間を設け、前記移行期間において、前記3相同期電動機の各相電流が前記3相短絡処理の実施後の定常状態における各相電流に近づくように制御するものである。
この発明によれば、3相短絡処理を実施する場合に、3相短絡処理を実施する前に移行期間を設け、この移行期間において、3相短絡処理実施後に3相同期電動機の各相電流が過渡的に上昇することを抑制できるように制御する構成を備えている。この結果、3相短絡処理が実施された場合の相電流の過渡的な上昇を抑制するとともに、小型化、低コスト化を図った上で、電力変換回路が直流電源から切り離された場合であってもコンデンサ端子間電圧の上昇および電動機の各相に流れる相電流の上昇を抑制し、電力変換回路や電動機の破壊を防止することができる。
この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置のシステム構成図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置のスイッチング制御部の機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置の3相短絡処理指令生成部による処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置のコンデンサ端子間電圧および相電流の上昇を抑制する効果を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る電動機制御装置のスイッチング制御部の機能ブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る電動機制御装置の3相短絡処理指令生成部による処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る電動機制御装置のコンデンサ端子間電圧および相電流の上昇を抑制する効果を示す図である。
以下、この発明に係る電動機制御装置および電動機制御方法の好適な実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
一般に、電動機(モータ)は、電力を駆動力に変換して力行運転するものであるが、そのままの構造で駆動力を電力に逆変換して回生運転することが可能である。また、発電機(ジェネレーター)は、駆動力を電力に変換して発電するものであるが、そのままの構造で電力を駆動力に逆変換して力行運転することが可能である。
すなわち、電動機と発電機は、基本的に同一構造であり、どちらも力行運転と回生運転が可能である。この明細書では、電動機と発電機の双方の機能を持つ回転電機を、単に電動機と言うことにする。
実施の形態1.
図1から図4は、この発明の実施の形態1に係る電動機制御装置を説明する図で、図1は、電動機制御装置のシステム構成図である。説明の都合上、この図1では、インバータ回路に直流電力を供給するとともに、回生電力で充電されるバッテリなどの直流電源および制御対象の3相同期電動機を含んで図示している。
図1において、電動機制御装置1は、電力開閉器2を介して直流母線3a、3bにより直流電源4と接続され、駆動電力および回生電力を直流電源4と授受する。また、電動機制御装置1は、交流母線5により電動機6と接続され、駆動電力および回生電力を電動機6と授受する。また、電動機6は、電動機6の回転角を検出する回転角センサ7を備えている。なお、電動機6は、負荷を回転駆動するとともに、負荷の回転エネルギーを電気エネルギーとして回生可能な電動機である。従って、この電動機6としては、永久磁石3相交流同期モータや3相ブラシレスモータが使用される。
電動機制御装置1は、インバータ回路8とスイッチング制御部9を備えて構成されている。インバータ回路8は、電源入力側の直流母線3a、3b間に接続されたコンデンサ10、インバータ回路8の直流母線電圧を検出する電圧検出回路11、後述する複数のスイッチング素子で構成され直流/交流の電力変換をする電力変換回路12、および交流母線5に流れる電動機6の電流値を検出する電動機電流検出回路13を備えている。
電力変換回路12のスイッチング素子は、例えば、図1に示すようなMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、あるいは、MOSFET以外にも、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などが用いられる。
電力変換回路12は、一般的によく知られている6つのスイッチング素子をフルブリッジ接続したインバータである。すなわち、図1に示すように、U相用のスイッチング素子14、15、V相用のスイッチング素子16、17、およびW相用のスイッチング素子18、19は、それぞれ互いに直列に接続され、直流電源4に並列に接続されている。
また、スイッチング素子14、15の中点は、電動機6のU相の入力と接続され、スイッチング素子16、17の中点は、電動機6のV相の入力と接続され、スイッチング素子18、19の中点は、電動機6のW相の入力と接続されている。
ここで、直流電源4の正極側(直流母線3a)に接続されるスイッチング素子14、16、18を上段側スイッチング素子と称し、直流電源4の負極側(直流母線3b)に接続されるスイッチング素子15、17、19を下段側スイッチング素子と称す。
なお、各スイッチング素子14、15、16、17、18,19には、直流電源の負極側から正極側へ向かう方向(下段側から上段側へ向かう方向)を順方向として、並列にフリーホイールダイオード(FWD)が備えられている。
電力開閉器2は、直流電源4と電動機制御装置1の電力授受を制御するものである。電力開閉器2は、電動機6の回生運転時に直流電源4の電圧が予め設定された値以上になった場合、直流電源4の消耗などにより直流電源4の電圧が予め設定された値以下となった場合、直流電源4に流れる電流が予め決められた値以上になった場合、あるいは車両の故障や衝突が検出された場合、などに、図示しない上位のシステムにより開放状態に制御される。なお、電力開閉器2は、スイッチング制御部9により制御される構成としても何ら問題ない。
インバータ回路8のコンデンサ10は、直流母線電圧のリップルを抑制する働き、インバータ回路8の電源インピーダンスを低下させてインバータ回路8の交流電流駆動能力を向上させる働き、サージ電圧を吸収する働き、などがある。
電圧検出回路11は、直流母線電圧を分圧抵抗などによりスイッチング制御部9で読み込める電圧に分圧し、スイッチング制御部9に直流母線電圧情報を出力する。
電動機電流検出回路13は、交流母線5を流れる電動機電流値を検出するものであり、電流値を電圧に変換してスイッチング制御部9に出力する。図1では、シャント抵抗13a、13b、13cにより電流値を検出する構成を示している。なお、電動機電流検出回路13は、ホール素子などを用いた電流センサとしてもよい。
回転角センサ7は、レゾルバやエンコーダなどにより電動機6のロータ回転角を検出するものである。検出されたロータ回転角は、スイッチング制御部9に出力される。なお、ロータ回転角θmは、電動機6の永久磁石の極対数を基に、電気角θeに換算される。
スイッチング制御部9は、電動機制御装置1の全体の制御を司るものであり、図示しないマイクロコントローラや駆動回路などから構成される。図2は、実施の形態1に係るスイッチング制御部9の機能ブロック図である。スイッチング制御部9は、正常時用電流指令生成部9a、三相二相変換部9b、電流制御部9c、二相三相変換部9d、デューティ変換部9e、PWM信号生成部9f、3相短絡処理指令生成部9g、電源側異常判定部9h、電流指令選択部9i、および角速度演算部9jで構成されている。
まず、正常時用電流指令生成部9aには、電動機6が発生すべきトルク指令値Trq*が、スイッチング制御部9の上位の図示しない制御装置あるいは制御プログラムから入力される。そして、正常時用電流指令生成部9aは、このトルク指令値Trq*に対して、正常時用d軸電流指令値Id1*、正常時用q軸電流指令値Iq1*を決定する。
ここで、d軸は電動機の磁極位置(磁束)の方向、q軸は電気的にd軸に直交する方向を示しており、d−q軸座標系を構成する。磁石を有する電動機のロータが回転すると、d−q軸座標系も回転するものである。
三相二相変換部9bには、電動機電流検出回路13からU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwが入力され、回転角センサ7から電気角θeが入力される。そして、三相二相変換部9bは、座標変換により、U相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwを、d軸電流検出値Idおよびq軸電流検出値Iqに変換する。
なお、本実施の形態1では、電動機電流検出回路13で検出される電流は、3つの相電流Iu、Iv、Iwであるが、2つの相電流が分かれば、残りの相電流は求めることができる。従って、電動機電流検出回路13は、相電流Iu、Iv、Iwのうち、2つの相電流を検出する構成としてもよい。
電源側異常判定部9hには、電圧検出回路11から直流母線電圧Vpnが入力される。そして、電源側異常判定部9hは、直流母線電圧Vpnに基づいて、電源側異常状態であるか否かを判定し、電源側異常判定結果Errを生成する。
角速度演算部9jは、回転角センサ7から電気角θeが入力され、電気角θeを時間微分することにより、電気角速度ωを算出する。
3相短絡処理指令生成部9gには、角速度演算部9jから電気角速度ωが入力され、三相二相変換部9bからd軸電流検出値Id、q軸電流検出値Iqが入力され、電源側異常判定部9hから電源側異常判定結果Errが入力される。そして、3相短絡処理指令生成部9gは、これらの入力に基づいて、後述するように、3相短絡移行モード指令SPRE、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*、3相短絡処理指令S3PSを生成する。
電流指令選択部9iには、正常時用電流指令生成部9aから正常時用d軸電流指令値Id1*、正常時用q軸電流指令値Iq1*が入力され、3相短絡処理指令生成部9gから3相短絡移行モード指令SPRE、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*が入力される。そして、電流指令選択部9iは、3相短絡移行モード指令SPREに基づいて、正常時用d軸電流指令値Id1*と移行期間用d軸電流指令値Id2*のどちらかを選択してd軸電流指令値Id*を生成し、正常時用q軸電流指令値Iq1*と移行期間用q軸電流指令値Iq2*のどちらかを選択してq軸電流指令値Iq*を生成する。
より具体的には、電流指令選択部9iは、3相短絡移行モード指令SPREが移行禁止モードである場合には、d軸電流指令値Id*として正常時用d軸電流指令値Id1*を選択し、q軸電流指令値Iq*として正常時用q軸電流指令値Iq1*を選択する。一方、電流指令選択部9iは、3相短絡移行モード指令SPREが移行許可モードである場合には、d軸電流指令値Id*として移行期間用d軸電流指令値Id2*を選択し、q軸電流指令値Iq*として移行期間用q軸電流指令値Iq2*を選択する。
電流制御部9cには、電流指令選択部9iからd軸電流指令値Id*、q軸電流指令値Iq*が入力され、三相二相変換部9bからd軸電流検出値Id、q軸電流検出値Iqが入力される。そして、電流制御部9cは、d軸電流指令値Id*とd軸電流検出値Idとのd軸電流偏差、およびq軸電流指令値Iq*とq軸電流検出値Iqとのq軸電流偏差を演算する。さらに、電流制御部9cは、それぞれの電流偏差に対して、比例・積分制御演算によって、d軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*を算出する。
二相三相変換部9dには、電流制御部9cからd軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*が入力され、回転角センサ7から電気角θeが入力される。そして、二相三相変換部9dは、これらの入力に基づいて、静止座標系の3相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を演算する。
デューティ変換部9eには、二相三相変換部9dから3相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*が入力され、電圧検出回路11から直流母線電圧Vpnが入力される。そして、デューティ変換部9eは、これらの入力に基づいて、デューティ指令値Du、Dv、Dwを算出する。
PWM信号生成部9fには、デューティ変換部9eから各相のデューティ指令値Du、Dv、Dwが入力され、3相短絡処理指令生成部9gから3相短絡処理指令S3PSが入力される。そして、PWM信号生成部9fは、これらの入力に基づいて、電力変換回路12の各スイッチング素子14〜19へのオン・オフ制御信号を演算し、電力変換回路12へオン・オフ制御信号UH、UL、VH、VL、WH、WLを出力する。
より具体的には、PWM信号生成部9fは、3相短絡処理指令S3PSが3相短絡不実施指令である場合には、各相のデューティ指令値Du、Dv、Dwに応じた各スイッチング素子14〜19へのオン・オフ制御信号UH、UL、VH、VL、WH、WLを出力する。
一方、PWM信号生成部9fは、3相短絡処理指令S3PSが3相短絡実施指令である場合には、電力変換回路12の上段側スイッチング素子14、16、18の全て、もしくは下段側スイッチング素子15、17、19の全て、のどちらか一方をオンする3相短絡状態となるように、各スイッチング素子14〜19へのオン・オフ制御信号UH、UL、VH、VL、WH、Wを出力する。
電力変換回路12のスイッチング素子14〜19は、それぞれ、スイッチング制御部9から入力されるオン・オフ制御信号UH、UL、VH、VL、WH、WLにより、オン・オフ動作する。この結果、電力変換回路12は、直流電力を交流電力に変換し、電動機6に供給するとともに、電動機6が回生状態において発生する回生電力を直流電源4に充電する。
実施の形態1に係る電動機制御装置1の技術的特徴は、スイッチング制御部9に3相短絡処理指令生成部9gおよび電流指令選択部9iを有し、電源側異常状態である場合に、3相短絡移行モード指令SPRE、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*、3相短絡処理指令S3PSを生成する構成を備え、3相短絡処理を実施する前に移行期間を設け、この移行期間において、3相短絡処理の実施後に3相同期電動機の各相電流が過渡的に上昇することを抑制できる制御指令値を生成する点にある。
以下に、実施の形態1に係る電動機制御装置1の特徴である3相短絡処理指令生成部9gおよび電流指令選択部9iの動作について詳細に説明する。
まず、電源側異常判定部9hは、電圧検出回路11から入力された直流母線電圧Vpnに基づいて、回生電力を直流電源4に回生することが不可か否かを判定する。さらに、電源側異常判定部9hは、この判定結果を電源側異常判定結果Errとして、3相短絡処理指令生成部9gに出力する。
具体的には、電源側異常判定部9hは、直流母線電圧Vpnが予め定められた所定値以上である場合に、回生電力を直流電源4に回生不可である電源側異常状態と判定する。一方、電源側異常判定部9hは、それ以外の場合には電源側正常状態と判定する。
これにより、電源側異常判定部9hは、以下の2ケースで例示されるような回生電力を直流電源4に回生できない場合に、電源側異常状態と判定できる。
(1)電力開閉器2が開放状態中に電動機6が回生動作することで、回生電力がコンデンサ10に蓄電され、コンデンサ10の両端電圧、すなわち直流母線電圧が通常動作ではなり得えない高電圧状態となっている場合。
(2)電力開閉器2が導通状態であっても、直流電源4が通常動作ではなり得ない高電圧状態である場合。
電源側異常判定結果Errが電源側正常状態である場合には、何ら問題なく電動機6を力行運転および回生運転できる状態である。そこで、この場合には、3相短絡処理指令生成部9gは、後述する方法で3相短絡移行モード指令SPREとして移行禁止モードを生成し、電流指令選択部9iに対して出力する。また、後述する方法で3相短絡処理指令S3PSとして3相短絡不実施指令を生成し、PWM信号生成部9fに対して出力する。
電流指令選択部9iは、前述の通り、3相短絡移行モード指令SPREが移行禁止モードである場合には、d軸電流指令値Id*として正常時用d軸電流指令値Id1*を選択し、q軸電流指令値Iq*として正常時用q軸電流指令値Iq1*を選択する。
PWM信号生成部9fは、3相短絡処理指令S3PSが3相短絡不実施指令である場合には、インバータ駆動で広く一般的に実施される三角波比較方式などにより、各相のデューティ指令値Du、Dv、Dwに応じた各スイッチング素子14〜19へのオン・オフ制御信号を出力する。三角波比較方式は、公知であるので詳細な説明は省略する。
上述の動作により、何ら問題なく電動機6を力行運転および回生運転できる状態である場合には、正常時に実施される通常の制御によりインバータが駆動される。
一方、電源側異常判定結果Errが電源側異常状態である場合には、直流電源4に回生電力を回生できない状態である。そこで、この場合には、3相短絡処理指令生成部9gは、後述する方法で、3相短絡移行モード指令SPREとして移行許可モードを生成するとともに、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*を生成し、電流指令選択部9iに対して出力する。また、後述する方法で、3相短絡処理指令S3PSとして3相短絡実施指令を生成し、PWM信号生成部9fに対して出力する。
電流指令選択部9iは、前述の通り、3相短絡移行モード指令SPREが移行許可モードである場合には、d軸電流指令値Id*として移行期間用d軸電流指令値Id2*を選択し、q軸電流指令値Iq*として移行期間用q軸電流指令値Iq2*を選択する。
PWM信号生成部9fは、3相短絡処理指令S3PSが3相短絡実施指令である場合には、上段側スイッチング素子14、16、18をオンし、下段側スイッチング素子15、17、19をオフするように、電力変換回路12へオン・オフ制御信号を出力する。
なお、3相短絡するスイッチング素子は、上段側スイッチング素子14、16、18ではなく、下段側スイッチング素子15、17、19としてもなんら問題ない。すなわち、PWM信号生成部9fは、上段側スイッチング素子14、16、18をオフし、下段側スイッチング素子15、17、19をオンするように、電力変換回路12へオン・オフ制御信号を出力するようにしてもよい。
ここで、以下に、3相短絡処理指令生成部9gにおける3相短絡移行モード指令SPRE、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*、3相短絡処理指令S3PSの生成方法を図3のフローチャートを用いて詳述する。
最初のステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す)において、3相短絡処理指令生成部9gは、3相短絡実施中であるか否かを判断する。そして、3相短絡実施中である場合(S101:YES)には、S102の処理に移行し、3相短絡処理指令生成部9gは、3相短絡状態を継続するように、3相短絡処理指令S3PSとして3相短絡実施指令を生成する。なお、3相短絡実施指令が生成された場合、3相短絡移行モード指令SPREによらず3相短絡処理が実施されることとなるため、S102では、3相短絡移行モード指令SPREは移行許可モードあるいは移行禁止モードのどちらを生成しても問題ない。図3のフローチャートでは、3相短絡移行モード指令SPREとして移行許可モードを生成した場合を示している。
一方、3相短絡実施中でない場合(S101:NO)には、3相短絡処理指令生成部9gは、S103の処理へ移行する。
S103に進んだ場合には、3相短絡処理指令生成部9gは、3相短絡移行期間中であるか否かを判断する。そして、3相短絡移行期間中である場合(S103:YES)には、S104の処理に移行する。一方、3相短絡移行期間中でない場合(S103:NO)には、S105の処理に移行する。
S105に進んだ場合には、3相短絡処理指令生成部9gは、電源側異常判定部9hから入力された電源側異常判定結果Errが電源側異常状態であるか否かを判断し、電源側異常判定結果Errが電源側異常状態である場合(S105:YES)には、S104の処理へ移行する。一方、電源側異常判定結果Errが電源側異常状態でない場合(S105:NO)には、3相短絡処理を実施する必要がない状態であるため、S106の処理に移行し、3相短絡移行モード指令SPREとして移行禁止モードを生成し、3相短絡処理指令S3PSとして3相短絡不実施指令を生成する。
S104に進んだ場合には、3相短絡処理指令生成部9gは、3相短絡処理の実施後に電動機6の各相電流が過渡的に上昇することを抑制できる移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*を後述する方法で設定し、S107の処理へ移行する。
ここで、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*の設定方法を詳細に説明する。本願の発明者は、3相短絡処理の実施後に電動機6の各相電流が過渡的に上昇することを抑制するには、3相短絡処理を実施する前に電動機6に流れるd軸電流およびq軸電流を、3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値Id3ps、およびq軸電流値Iq3psに近づけておくことが効果的な方法であることを明らかにした。なお、3相短絡処理を実施する前に電動機6に流れるd軸電流およびq軸電流を、3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値Id3psおよびq軸電流値Iq3psに近づけておくことは、3相短絡処理を実施する前に電動機6の各相電流を、3相短絡処理の実施後の定常状態における各相電流に近づけておくことと等価である。
そこで、移行期間用d軸電流指令値Id2*には、後述する方法で演算する3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値Id3psを設定し、移行期間用q軸電流指令値Iq2*には、後述する方法で演算する3相短絡処理の実施後の定常状態におけるq軸電流値Iq3psを設定する。
ここで、3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値Id3psおよびq軸電流値Iq3psの演算方法を説明する。まず、電動機の電圧方程式は、d軸電圧Vd、q軸電圧Vq、d軸電流Id、q軸電流Iq、電動機の電機子巻線抵抗R、電動機のd軸インダクタンスLd、電動機のq軸インダクタンスLq、電動機のd軸電機子鎖交磁束数Φm、電動機の回転速度ωにより、次式(1)のように表される。
Figure 0006342043
3相短絡処理の実施後の定常状態は、上式(1)においてd軸電圧Vd、q軸電圧Vqが0となる状態であり、3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値Id3ps、q軸電流値Iq3psを用いて、次式(2)のように表される。
Figure 0006342043
上式(2)より、3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値Id3psおよびq軸電流値Iq3psは、次式(3)(4)のように表される。
Figure 0006342043
以上を整理すると、S104では、3相短絡処理指令生成部9gは、次式(5)(6)に示すように、移行期間用d軸電流指令値Id2*には、電動機の電機子巻線抵抗R、電動機のd軸インダクタンスLd、電動機のq軸インダクタンスLq、電動機のd軸電機子鎖交磁束数Φm、電動機の回転速度ωにより演算される3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値Id3psを設定し、移行期間用q軸電流指令値Iq2*には、電動機の電機子巻線抵抗R、電動機のd軸インダクタンスLd、電動機のq軸インダクタンスLq、電動機のd軸電機子鎖交磁束数Φm、電動機の回転速度ωにより演算される3相短絡処理の実施後の定常状態におけるq軸電流値Iq3psを設定する。
Figure 0006342043
なお、上式(5)(6)で演算に用いた電動機の電機子巻線抵抗R、電動機のd軸インダクタンスLd、電動機のq軸インダクタンスLq、電動機のd軸電機子鎖交磁束数Φmは、電動機6によって決まる既知の値である。また、電動機の回転速度ωは角速度演算部9jから入力される値である。
S107に進んだ場合には、3相短絡処理指令生成部9gは、三相二相変換部9bからから入力されたd軸電流検出値Idが、S104で設定された移行期間用d軸電流指令値Id2*の近傍であり、かつ、三相二相変換部9bから入力されたq軸電流検出値Iqが、S104で設定された移行期間用q軸電流指令値Iq2*の近傍であるか否かを判断する。
そして、d軸電流検出値Idが、移行期間用d軸電流指令値Id2*の近傍であり、かつ、q軸電流検出値Iqが、移行期間用q軸電流指令値Iq2*の近傍である場合(S107:YES)には、3相短絡処理の実施後に電動機6の各相電流が過渡的に上昇することを抑制できる状態であるため、S102の処理に移行し、3相短絡処理指令S3PSとして3相短絡実施指令を生成する。なお、3相短絡実施指令が生成された場合、3相短絡移行モード指令SPREによらず3相短絡処理が実施されることとなるため、S102では、3相短絡移行モード指令SPREは移行許可モードあるいは移行禁止モードのどちらを生成しても問題ない。図3のフローチャートでは、3相短絡移行モード指令SPREとして移行許可モードを生成した場合を示している。
一方、d軸電流検出値Idが、移行期間用d軸電流指令値Id2*の近傍であり、かつ、q軸電流検出値Iqが、移行期間用q軸電流指令値Iq2*の近傍ではない場合(S107:NO)には、3相短絡への移行期間を継続する必要がある状態であるため、S108の処理に移行し、3相短絡移行モード指令SPREとして移行許可モードを生成し、3相短絡処理指令S3PSとして3相短絡不実施指令を生成する
以上の図3のフローチャートに従って、3相短絡処理指令生成部9gが、3相短絡移行モード指令SPRE、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*、3相短絡処理指令S3PSを生成することにより、電源側異常状態でない場合には通常制御を継続するように移行禁止モードおよび3相短絡不実施指令を生成し、電源側異常状態である場合には、3相短絡処理の実施後に電動機6の各相電流が過渡的に上昇することを抑制できる移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*を設定した上で移行許可モードを生成し、電動機6の各相電流が過渡的に上昇することを抑制できる状態で3相短絡実施指令を生成することができる。
以上の実施の形態1による効果を示す図として、実施の形態1を適用した場合のコンデンサ端子間電圧および相電流の挙動を、従来技術である6スイッチ開放処理を適用した場合および従来技術である移行期間を設けずに3相短絡処理を適用した場合と対比して図4に示す。図4に示されるように、本実施の形態1により、コンデンサ端子間電圧の上昇を、6スイッチ開放処理を適用した場合よりも抑制しつつ、3相短絡処理を実施した時の相電流の過渡的な上昇を、移行期間を設けずに3相短絡処理を適用した場合よりも抑制することができる。
以上のように、実施の形態1に係る電動機制御装置1によれば、3相短絡処理を実施する場合に、3相短絡処理を実施する前に移行期間を設け、この移行期間において、3相短絡処理の実施後に3相同期電動機の各相電流が過渡的に上昇することを抑制制御できる構成を備えている。より詳細には、移行期間において、d軸電流およびq軸電流が3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値およびq軸電流値に近づくように制御した後に、3相短絡処理を実施させる構成を備えている。この結果、3相短絡処理を実施した場合の相電流の過渡的な上昇を抑制することができる。
また、電源側異常状態と判定されたときに3相短絡処理を実施する構成としている。この結果、インバータが直流電源から切り離された場合のコンデンサ端子間電圧の上昇を抑制するために3相短絡処理を実施する場合においても、電動機6の相電流の過渡的な上昇を抑制することができる。
すなわち、実施の形態1によれば、インバータが直流電源から切り離された場合のコンデンサ端子間電圧の上昇、および電動機6の各相に流れる相電流の過渡的な上昇を抑制できる。この結果、インバータや電動機6の破壊を防止する電動機制御装置1を小型、低コストで実現することができる。
なお、上述した実施の形態1では、3相短絡処理指令生成部9gにて移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*を設定する処理として、上式(5)(6)を用いる処理について説明した(S104)。しかしながら、この発明は、このような処理に限定されるものではなく、本質的に同等の算出方法であれば、特に、上式(5)(6)に限定されるものではない。
例えば、一般的に電動機の電機子巻線抵抗Rは無視できるほど小さいことから、上式(5)(6)における電機子巻線抵抗Rを0とおいて近似した次式(7)(8)を用いて、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*を設定する処理としても良い。
Figure 0006342043
このような処理を採用した場合には、3相短絡処理指令生成部9gは、上式(5)(6)を用いる場合と比較して、簡単な処理で、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*を設定することができる。
また、例えば、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*は、3相短絡処理の実施後の各相電流の過渡的な上昇が過大とならない限りにおいて、上式(5)(6)で求められる移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*から所定範囲内の値に設定される処理としてもなんら問題ない。
また、実施の形態1では、3相短絡処理指令生成部9gにて、d軸電流検出値Idが移行期間用d軸電流指令値Id2*の近傍であり、かつ、q軸電流検出値Iqが移行期間用q軸電流指令値Iq2*の近傍である場合に移行期間を終了する処理について説明した(S107)。しかしながら、この発明は、このような処理に限定されるものではなく、移行期間用制御指令値に電流が追従したことを判定できる処理であれば、特に限定されるものではない。
例えば、3相短絡処理指令生成部9gは、その他の処理として、d軸電流検出値Idが移行期間用d軸電流指令値Id2*の近傍である場合に移行期間を終了する処理としても良いし、q軸電流検出値Iqが移行期間用q軸電流指令値Iq2*の近傍である場合に移行期間を終了する処理としても良い。また、d軸電流検出値Idが移行期間用d軸電流指令値Id2*の近傍であるか、もしくは、q軸電流検出値Iqが移行期間用q軸電流指令値Iq2*の近傍である場合に移行期間を終了する処理としても良い。
また、実施の形態1では、スイッチング制御部9の電源側異常判定部9hが、電圧検出回路11から入力された直流母線電圧情報をもとに電源側異常状態であるか否かを判定する構成について説明した。しかしながら、電源側異常判定部9hは、このような構成に限定されるものではない。
電源側異常判定部9hは、その他の構成として、例えば、図示しない車両ECUなど外部の制御装置から電力開閉器2の開放状態が通信され、電力開閉器2が開放状態である場合に、電源側異常状態と判定してもよい。
また、電力変換回路12のスイッチング素子14〜19は、どのような素子を用いてもよいが、例えば、ワイドバンドギャップ半導体を用いることができる。ワイドバンドギャップ半導体としては、例えば、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、ダイヤモンドなどにより形成されたものが挙げられる。
このようなワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子で構成されたワイドバンドギャップインバータは、従来のSi(シリコン)によって形成されたスイッチング素子で構成されたSiインバータと比較して、高耐電圧、低損失であり、高周波駆動が可能である特徴がある。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る電動機制御装置を図5から図7に基づいて詳細に説明する。実施の形態2に係る電動機制御装置は、図1に示す実施の形態1のシステム構成と同様に、インバータ回路8とスイッチング制御部9で構成されている。ただし、実施の形態2は、実施の形態1と比較して、スイッチング制御部9の機能ブロック構成が一部異なっており、また、3相短絡処理指令生成部9gの処理が一部異なっている。そこで、この相違点を中心に、以下に説明する。
図5は、実施の形態2に係るスイッチング制御部9の機能ブロック図である。図5に示すように、実施の形態2に係るスイッチング制御部9の機能ブロックにおいては、実施の形態1における図2に示した機能ブロック図と比較すると、3相短絡処理指令生成部9gに関して、三相二相変換部9bからのd軸電流検出値Id、q軸電流検出値Iqの入力が削除されている点が異なる。
また、3相短絡処理指令生成部9gでの3相短絡移行モード指令SPRE、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*、3相短絡処理指令S3PSの生成方法が、実施の形態1と異なる。その他の構成や動作は、実施の形態1と同じであるので、実施の形態1と同一符号を付与し、説明を省略する。ここでは、実施の形態1と異なるスイッチング制御部9について、詳細に説明する。
図5に示すスイッチング制御部9は、正常時用電流指令生成部9a、三相二相変換部9b、電流制御部9c、二相三相変換部9d、デューティ変換部9e、PWM信号生成部9f、3相短絡処理指令生成部9g、電源側異常判定部9h、電流指令選択部9i、および角速度演算部9jで構成される。
ここで、正常時用電流指令生成部9a、三相二相変換部9b、電流制御部9c、二相三相変換部9d、デューティ変換部9e、PWM信号生成部9f、電源側異常判定部9h、電流指令選択部9i、および角速度演算部9jは、実施の形態1と同一であるので、説明を省略する。
実施の形態2に係る電動機制御装置1の3相短絡処理指令生成部9gは、角速度演算部9jから電気角速度ωが入力され、電源側異常判定部9hから電源側異常判定結果Errが入力される。そして、3相短絡処理指令生成部9gは、これらの入力に基づいて、後述するように、3相短絡移行モード指令SPRE、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*、3相短絡処理指令S3PSを生成する。
実施の形態2に係る電動機制御装置1の技術的特徴は、スイッチング制御部9に3相短絡処理指令生成部9gおよび電流指令選択部9iを有し、電源側異常状態である場合に、3相短絡移行モード指令SPRE、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*、3相短絡処理指令S3PSを生成する構成を備え、3相短絡処理を実施する前に移行期間を設け、移行期間において、3相短絡処理の実施後に3相同期電動機の各相電流が過渡的に上昇することを抑制できる制御指令値を生成する点にある。
以下に、実施の形態2に係る電動機制御装置1の特徴である3相短絡処理指令生成部9gの動作について詳細に説明する。なお、電流指令選択部9iの動作は、実施の形態1と同じであるので説明を省略する。
また、3相短絡処理指令生成部9gの動作において、実施の形態1と異なるのは、3相短絡移行モード指令SPRE、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*、3相短絡処理指令S3PSの生成方法である。従って、以下では、実施の形態1と重複する説明は省略し、3相短絡処理指令生成部9gにおける3相短絡移行モード指令SPRE、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*、3相短絡処理指令S3PSの生成方法を図6のフローチャートを用いて詳述する。
図6のフローチャートにおいて、実施の形態1の図3のフローチャートとの相違点はS104とS107のみである。従って、実施の形態1と重複するステップの説明は省略し、S104とS107の処理を説明する。
S104に進んだ場合には、3相短絡処理指令生成部9gは、3相短絡処理の実施後に電動機6の各相電流が過渡的に上昇することを抑制できる移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*を後述する方法で設定し、S107の処理へ移行する。
ここで、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*の設定方法を詳細に説明する。実施の形態1で説明したように、本願の発明者は、3相短絡処理の実施後に電動機6の各相電流が過渡的に上昇することを抑制するには、3相短絡処理を実施する前に電動機6に流れるd軸電流およびq軸電流を、3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値Id3ps、およびq軸電流値Iq3psに近づけておくことが効果的な方法であることを明らかにした。
また、本願の発明者は、3相短絡処理の実施後に電動機6の各相電流が過渡的に上昇することを抑制しつつ、コンデンサ端子間電圧の上昇を極力抑制するには、移行期間用d軸電流指令値Id2*を3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値Id3psよりも負の方向に大きくすることが効果的な方法であることを明らかにした。
そこで、移行期間用d軸電流指令値Id2*には、実施の形態1で説明した方法で演算する3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値Id3psよりも負の方向に大きな値を設定し、移行期間用q軸電流指令値Iq2*には、実施の形態1で説明した方法で演算する3相短絡処理の実施後の定常状態におけるq軸電流値Iq3psを設定する。
以上を整理すると、S104では、3相短絡処理指令生成部9gは、次式(9)(10)に示すように、移行期間用d軸電流指令値Id2*には、電動機の電機子巻線抵抗R、電動機のd軸インダクタンスLd、電動機のq軸インダクタンスLq、電動機のd軸電機子鎖交磁束数Φm、電動機の回転速度ωにより演算される3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値Id3psよりも負の方向に大きな値を設定し、移行期間用q軸電流指令値Iq2*には、電動機の電機子巻線抵抗R、電動機のd軸インダクタンスLd、電動機のq軸インダクタンスLq、電動機のd軸電機子鎖交磁束数Φm、電動機の回転速度ωにより演算される3相短絡処理の実施後の定常状態におけるq軸電流値Iq3psを設定する
Figure 0006342043
なお、上式(6)で演算に用いた電動機の電機子巻線抵抗R、電動機のd軸インダクタンスLd、電動機のq軸インダクタンスLq、電動機のd軸電機子鎖交磁束数Φmは、電動機6によって決まる既知の値である。また、電動機の回転速度ωは角速度演算部9jから入力される値である。また、αは予め定められた所定値である。
S107に進んだ場合には、3相短絡処理指令生成部9gは、移行期間が予め定められた所定時間以上経過したか否かを判断する。
そして、移行期間が予め定められた所定時間以上経過した場合(S107:YES)には、3相短絡処理の実施後に電動機6の各相電流が過渡的に上昇することを抑制できる状態であるため、S102の処理に移行し、3相短絡処理指令S3PSとして3相短絡実施指令を生成する。なお、3相短絡実施指令が生成された場合、3相短絡移行モード指令SPREによらず3相短絡処理が実施されることとなるため、S102では、3相短絡移行モード指令SPREは移行許可モードあるいは移行禁止モードのどちらを生成しても問題ない。図6のフローチャートでは、3相短絡移行モード指令SPREとして移行許可モードを生成した場合を示している。
一方、移行期間が予め定められた所定時間以上経過していない場合(S107:NO)には、3相短絡への移行期間を継続する必要がある状態であるため、S108の処理に移行し、3相短絡移行モード指令SPREとして移行許可モードを生成し、3相短絡処理指令S3PSとして3相短絡不実施指令を生成する
以上の図6のフローチャートに従って、3相短絡処理指令生成部9gが、3相短絡移行モード指令SPRE、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*、3相短絡処理指令S3PSを生成することにより、電源側異常状態でない場合には通常制御を継続するよう移行禁止モードおよび3相短絡不実施指令を生成し、電源側異常状態である場合には、3相短絡処理の実施後に電動機6の各相電流が過渡的に上昇することを抑制できる移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*を設定した上で移行許可モードを生成し、電動機6の各相電流が過渡的に上昇することを抑制できる状態で3相短絡実施指令を生成することができる。
以上の実施の形態2に係る電動機制御装置1による効果を示す図として、実施の形態2を適用した場合のコンデンサ端子間電圧および相電流の挙動を、従来技術である6スイッチ開放処理を適用した場合および従来技術である移行期間を設けずに3相短絡処理を適用した場合と対比して図7に示す。図7に示されるように、実施の形態2に係る電動機制御装置1により、コンデンサ端子間電圧の上昇を、6スイッチ開放処理を適用した場合よりも抑制しつつ、3相短絡処理を実施した時の相電流の過渡的な上昇を、移行期間を設けずに3相短絡処理を適用した場合よりも抑制することができる。また、実施の形態1と比較して、コンデンサ端子間電圧の上昇をより抑制することができる。
以上のように、実施の形態2によれば、3相短絡処理を実施する場合に、3相短絡処理を実施する前に移行期間を設け、移行期間において、3相短絡処理の実施後に3相同期電動機の各相電流が過渡的に上昇することを抑制できるように制御することができる構成を備えている。より詳細には、移行期間において、d軸電流を3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値よりも負の方向に大きく、q軸電流を3相短絡処理の実施後の定常状態におけるq軸電流値に近づくよう制御した後に、3相短絡処理を実施させる構成を備えている。この結果、3相短絡処理を実施した場合の相電流の過渡的な上昇を抑制することができる。
また、電源側異常状態と判定されたときに3相短絡処理を実施する構成としている。この結果、インバータが直流電源から切り離された場合のコンデンサ端子間電圧の上昇を抑制するために3相短絡処理を実施する場合においても、電動機6の相電流の過渡的な上昇を抑制することができる。
すなわち、実施の形態2によれば、インバータが直流電源から切り離された場合のコンデンサ端子間電圧の上昇、および電動機6の各相に流れる相電流の過渡的な上昇を抑制できる。この結果、インバータや電動機6の破壊を防止する電動機制御装置1を小型、低コストで実現することができる。
特に、実施の形態2によれば、移行期間において、d軸電流を3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値に制御する方法の実施の形態1に比較して、移行期間において、d軸電流を3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値よりも負の方向に大きな値に制御する。この結果、実施の形態2に係る電動機制御装置1は、実施の形態1に係る電動機制御装置1と比較して、移行期間中のコンデンサ端子間電圧の上昇をより抑制することができる。
また、特に、実施の形態2によれば、d軸電流検出値およびq軸電流検出値と移行期間用制御指令値とに基づいて移行期間を終了するかどうかを判断する方法の実施の形態1に比較して、移行期間が所定時間以上経過したかどうかにより移行期間を終了するかどうかを判断する。この結果、実施の形態2に係る電動機制御装置1は、実施の形態1に係る電動機制御装置1と比較して、d軸電流検出値およびq軸電流検出値へのノイズの影響を受けることなく、移行期間を終了するかどうかを判断することができる。なお、所定時間は、d軸電流およびq軸電流が移行期間用制御指令値に追従できるように、電流制御の時定数より大きな時間に設定されることが好ましい。
なお、上述した実施の形態2では、3相短絡処理指令生成部9gにて移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*を設定する処理として、上式(9)(10)を用いる処理について説明した(S104)。しかしながら、この発明は、このような処理に限定されるものではなく、本質的に同等の算出方法であれば、特に、上式(9)(10)に限定されるものではない。
例えば、一般的に電動機の電機子巻線抵抗Rは無視できるほど小さいことから、上式(9)(10)における電機子巻線抵抗Rを0とおいて近似した次式(11)(12)を用いて、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*を設定する処理としても良い。
Figure 0006342043
このような処理を採用した場合には、3相短絡処理指令生成部9gは、上式(9)(10)を用いる場合と比較して、簡単な処理で、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*を設定することができる。
また、例えば、移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*は、3相短絡処理の実施後の各相電流の過渡的な上昇が過大とならない限りにおいて、上式(9)(10)で求められる移行期間用d軸電流指令値Id2*、移行期間用q軸電流指令値Iq2*から所定範囲内の値に設定される処理としてもなんら問題ない。
また、実施の形態2では、3相短絡処理指令生成部9gにて移行期間用d軸電流指令値Id2*を設定する処理として、上式(9)(10)に示すように3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値Id3psから所定値α分だけ負の方向に大きな値に設定する処理としたが、このような処理に限定されるものではない。例えば、d軸電流指令値として取り得る範囲の中で最も負の方向に大きな値を移行期間用d軸電流指令値Id2*に設定する処理としても良い。
このような処理を採用した場合には、3相短絡処理指令生成部9gは、上式(9)(10)を用いる場合と比較して、コンデンサ端子間電圧の上昇をより抑制する効果が得られる。
なお、上述した実施の形態1あるいは2は、あくまで一実施の形態であり、この発明が適用できるものであれば、実地の形態1あるいは2に何ら限定されない。例えば、実施の形態1あるいは2では、直流電源4と電動機制御装置1を直接接続している。しかしながら、直流電源4と電動機制御装置1との間に昇圧や降圧を行うDC/DCコンバータを配置する構成としてもよい。また、交流電源の交流電力を直流電力に変換する整流器や、AC/DCコンバータを介して交流電源と接続される構成としてもよい。
また、実施の形態1あるいは2では、電気自動車への適用を例として説明したが、エンジンと電動機を併用するハイブリット車両に適用してもよい。さらには、この発明に係る電動機制御装置は、その適用対象が車両に限定されるものでもない。
上述したように、この発明は、実施の形態1あるいは2に限定されるものではなく、種々の設計変更を行うことが可能であり、その発明の範囲内において、実施の形態1あるいは2を自由に組み合わせたり、適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1 電動機制御装置、2 電力開閉器、3a、3b 直流母線、4 直流電源、5 交流母線、6 電動機、7 回転角センサ、8 インバータ回路、9 スイッチング制御部、9a 正常時用電流指令生成部、9b 三相二相変換部、9c 電流制御部、9d 二相三相変換部、9e デューティ変換部、9f PWM信号生成部、9g 3相短絡処理指令生成部、9h 電源側異常判定部、9i 電流指令選択部、9j 角速度演算部、10 コンデンサ、11 電圧検出回路、12 電力変換回路、13 電動機電流検出回路、14〜19 スイッチング素子

Claims (15)

  1. 直流電力源と3相同期電動機との間に接続され、直流と3相交流との電力変換を行う電力変換回路と、
    前記電力変換回路を構成する半導体スイッチング素子をオン・オフ制御するスイッチング制御部と、を備え、
    前記3相同期電動機の駆動制御および回生制御を行う電動機制御装置であって、
    前記半導体スイッチング素子は、交流1相分のアームが上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子との直列回路により構成されており、
    前記スイッチング制御部は、前記上段側スイッチング素子の全てもしくは前記下段側スイッチング素子の全てをオンする3相短絡処理を実施する場合に、
    前記3相短絡処理を実施する前に移行期間を設け、前記移行期間において、前記3相同期電動機の各相電流が前記3相短絡処理の実施後の定常状態における各相電流に近づくように移行期間用制御指令値を設定し、前記移行期間用制御指令値に基づいて制御することを特徴とする電動機制御装置。
  2. 前記移行期間用制御指令値は、
    前記3相同期電動機の永久磁石の磁束方向をd軸、前記d軸と電気的に直交する方向をq軸としたd−q軸座標系上でのd軸電流およびq軸電流を制御するd軸電流指令値およびq軸電流指令値であり、前記3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値およびq軸電流値に基づいて設定されていることを特徴とする請求項に記載の電動機制御装置。
  3. 前記移行期間用制御指令値は、
    前記d軸電流指令値として前記3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値が設定され、前記q軸電流指令値として前記3相短絡処理の実施後の定常状態におけるq軸電流値が設定されていることを特徴とする請求項に記載の電動機制御装置。
  4. 前記移行期間用制御指令値は、
    前記d軸電流指令値として前記3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値から所定範囲内の値が設定され、前記q軸電流指令値として前記3相短絡処理の実施後の定常状態におけるq軸電流値から所定範囲内の値が設定されていることを特徴とする請求項に記載の電動機制御装置。
  5. 前記移行期間用制御指令値は、
    前記d軸電流指令値として前記3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値より負の方向に大きな値が設定され、前記q軸電流指令値として前記3相短絡処理の実施後の定常状態におけるq軸電流値から所定範囲内の値が設定されていることを特徴とする請求項に記載の電動機制御装置。
  6. 前記移行期間用制御指令値は、
    前記d軸電流指令値として取り得る範囲の中で最も負の方向に大きな値が設定されていることを特徴とする請求項に記載の電動機制御装置。
  7. 前記スイッチング制御部は、
    前記3相同期電動機の永久磁石の磁束方向をd軸、前記d軸と電気的に直交する方向をq軸としたd−q軸座標系上でのd軸電流およびq軸電流に関し、
    前記移行期間におけるd軸電流検出値およびq軸電流検出値と、前記移行期間用制御指令値とに基づいて前記移行期間を終了することを特徴とする請求項からのいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  8. 前記スイッチング制御部は、
    前記移行期間におけるd軸電流検出値と前記移行期間用制御指令値のd軸電流指令値の偏差が所定範囲内であり、かつ、前記移行期間におけるq軸電流検出値と前記移行期間用制御指令値のq軸電流指令値の偏差が所定範囲内である場合に、前記移行期間を終了することを特徴とする請求項に記載の電動機制御装置。
  9. 前記スイッチング制御部は、
    前記移行期間を予め設定された所定時間が経過後に終了することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  10. 前記所定時間は、
    前記スイッチング制御部の制御時定数より大きな時間であることを特徴とする請求項に記載の電動機制御装置。
  11. 前記3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値およびq軸電流値は、
    前記3相同期電動機のd軸インダクタンスおよびq軸インダクタンスと、前記3相同期電動機の回転速度と、前記3相同期電動機のd軸電機子鎖交磁束数と、前記3相同期電動機の電機子巻線抵抗値と、に基づいて演算されることを特徴とする請求項から10のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  12. 前記3相短絡処理の実施後の定常状態におけるd軸電流値およびq軸電流値は、
    前記3相同期電動機のd軸インダクタンスと、前記3相同期電動機のd軸電機子鎖交磁束数と、に基づいて演算されることを特徴とする請求項から10のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  13. 前記スイッチング制御部は、
    前記3相同期電動機からの回生エネルギーを前記直流電力源に回生することが不可である電源側異常状態であるかを判定する電源側異常判定部を有し、
    前記電源側異常判定部により電源側異常状態と判定した場合に、前記3相短絡処理を実施することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
  14. 前記電源側異常判定部は、前記電力変換回路の直流母線電圧があらかじめ設定された閾値以上となった場合に前記電源側異常状態と判定することを特徴とする請求項13に記載の電動機制御装置。
  15. 直流電力源と3相同期電動機との間に接続され、直流と3相交流との電力変換を行う電力変換回路を構成する半導体スイッチング素子をオン・オフ制御して前記3相同期電動機を制御する電動機制御方法であって、
    前記半導体スイッチング素子は、交流1相分のアームが上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子との直列回路で形成されており、かつ、前記上段側スイッチング素子の全てもしくは前記下段側スイッチング素子の全てをオンする3相短絡処理を実施する場合に、
    前記3相短絡処理を実施する前に移行期間を設け、前記移行期間において、前記3相同期電動機の各相電流が前記3相短絡処理の実施後の定常状態における各相電流に近づくように制御することを特徴とする電動機制御方法。
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