JP2016225089A - 電極、電極の製造方法及び電池 - Google Patents

電極、電極の製造方法及び電池 Download PDF

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Abstract

【課題】活物質の利用率をより高める。
【解決手段】本発明の電極は、活物質粒子と、活物質粒子よりも融解温度が低くリチウムイオンを伝導可能なリチウムホウ素含有酸化物の融成物と、リチウムホウ素含有酸化物よりもリチウムイオン伝導率の高い電極内固体電解質と、が混在するものである。この電極は、活物質粒子と、活物質粒子よりも融解温度が低くリチウムイオンを伝導可能なリチウムホウ素含有酸化物と、リチウムホウ素含有酸化物よりもリチウムイオン伝導率の高い電極内固体電解質と、を備えた成形体を、リチウムホウ素含有酸化物の融解温度以上の温度で加熱して作製したものとしてもよい。この電極は、例えば、活物質粒子32及び電極内固体電解質粒子36とが、リチウムホウ素含有酸化物母材34に分散して存在した電極30としてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、電極、電極の製造方法及び電池に関する。
これまでに、本発明者らは、活物質粒子とLi3BO3とを混合し、Li3BO3を融解後固化させて全固体型リチウム二次電池の電極を作製することを提案している(特許文献1、非特許文献1参照)。こうした電極を用いることで、電池出力が増加する。
国際公開第2012/176808号パンフレット
Journal of Power Sources 238(2013)53-56
しかしながら、特許文献1や非特許文献1の電極を用いると、電池出力が増加するが、活物質の利用率が低いことがあり、活物質の利用率をより高めることが望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、活物質の利用率をより高めることを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、活物質粒子とLi3BO3との混合物に、さらに固体電解質を加え、Li3BO3を融解させて電極を作製したところ、活物質の利用率をより高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の電極は、
活物質粒子と、
前記活物質粒子よりも融解温度が低くリチウムイオンを伝導可能なリチウムホウ素含有酸化物の融成物と、
前記リチウムホウ素含有酸化物よりもリチウムイオン伝導率の高い電極内固体電解質と、
が混在するものである。
本発明の電極の製造方法は、活物質粒子と、前記活物質粒子よりも融解温度が低くリチウムイオンを伝導可能なリチウムホウ素含有酸化物と、前記リチウムホウ素含有酸化物よりもリチウムイオン伝導率の高い電極内固体電解質と、を備えた成形体を、前記リチウムホウ素含有酸化物の融解温度以上の温度で加熱して電極を作製する電極作製工程、を含むものである。
本発明の電池は、上述した電極を備えたものである。
この電極、電極の製造方法及び電池では、活物質の利用率をより高めることができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推察される。例えば、上述した全固体型リチウム二次電池の電極内では、リチウムイオンが活物質粒子からリチウムイオン伝導性を有するリチウムホウ素含有酸化物に放出され、移動することなどによって電流が流れる。電極に、活物質粒子とリチウムホウ素含有酸化物と電極内固体電解質を用いることで、電極内でのリチウムイオン伝導率がより向上し、結果として、活物質の利用率が向上すると推察される。
電極30の構造の一例を示す説明図である。 電極40の構造の一例を示す説明図である。 電極50の構造の一例を示す説明図である。 電池20の構造の一例を示す説明図である。 電池20の構造の一例を示す説明図である。 電流密度と活物質の利用率との関係を示すグラフである。
(電極)
本発明の電極は、活物質粒子と、活物質粒子よりも融解温度が低くリチウムイオンを伝導可能なリチウムホウ素含有酸化物の融成物と、リチウムホウ素含有酸化物よりもリチウムイオン伝導率の高い電極内固体電解質と、が混在している。本発明の電極は、全固体型電池の電極に適しており、全固体型電池を構成する電極外固体電解質を基材とし、この基材上に作製されたものとしてもよい。本発明の電極は、活物質粒子として正極活物質を用いた正極としてもよいし、活物質粒子として負極活物質を用いた負極としてもよい。本発明の電極は、アルカリ二次電池の電極とすることが好ましい。アルカリ二次電池のアルカリとしては、例えば、リチウム,ナトリウム,カリウムとしてもよく、このうちリチウムがより好ましい。以下では、主として、本発明の電極が全固体型リチウム二次電池の正極であり、電極外固体電解質基材上に作製されている場合について説明する。
活物質は、正極活物質としてもよい。正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などが挙げられる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、Li(1-x)MnO2(0<x<1など、以下同じ)、Li(1-x)Mn24などのリチウムマンガン複合酸化物、Li(1-x)CoO2などのリチウムコバルト複合酸化物、Li(1-x)NiO2などのリチウムニッケル複合酸化物、LiV23などのリチウムバナジウム複合酸化物、V25などの遷移金属酸化物などが挙げられる。これらのうちで、リチウムの遷移金属複合酸化物、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiV23などがより好ましい。なお、例示する化学式には、化学量論組成のものに限定する意図はなく、一部が欠損していてもよいし、過剰でもよいし、元素の一部が他の元素に置換されていてもよい(以下同じ)。
活物質は、酸化物系の活物質が好ましい。酸化物系の活物質は、塑性変形が生じにくく、活物質同士の密着性や電極内固体電解質や電極外固体電解質との密着性を外圧によって高めることが困難な場合が多い。このため、活物質として酸化物系のものを用いた場合に、本発明の適用の意義が高い。
リチウムホウ素含有酸化物は、活物質粒子よりも融解温度が低くリチウムイオン伝導性を有するものである。リチウムホウ素含有酸化物としては、Li3BO3を用いてもよく、リチウムやホウ素のほかに、例えば、C,Al,Si,Ga,Ge,In,Snのうち少なくとも1種以上の元素を含むものを用いてもよい。こうした元素は、リチウムの一部を置換していてもよいし、ホウ素の一部を置換していてもよいし、両方を置換していてもよい。両方を置換する場合、同種の元素で置換してもよいし、異種の元素で置換してもよい。
リチウムを置換する元素は4配位をとる元素(C,Al,Si,Ga,Ge,In,Snなど)であることが好ましい。Li3BO3では、リチウムは4配位をとるため、4配位をとる元素はリチウムを置換しやすいからである。また、リチウムを置換する元素は4配位のときのイオン半径がLi+(4配位)のイオン半径と近いことが好ましい。イオン半径が近ければ、元素の置換が容易と考えられるからである。リチウムを置換する元素はリチウムよりも価数が大きくなるものが好ましい。リチウムよりも価数が大きくなる元素でリチウムを置換した場合、組成の電荷を補償するため、リチウムに欠陥が導入され、リチウムイオンの伝導経路が増加するからである。
ホウ素を置換する元素は3配位をとる元素(C,Al,Si,Ga,Ge,In,Snなど)であることが好ましい。Li3BO3では、ホウ素は3配位をとるため、3配位をとる元素はホウ素を置換しやすいからである。また、ホウ素を置換する元素は3配位のときのイオン半径がB3+(3配位)のイオン半径と近いことが好ましい。イオン半径が近ければ、元素の置換が可能と考えられるからである。ホウ素を置換する元素はホウ素よりも価数が大きくなるものが好ましい。ホウ素よりも価数が大きくなる元素でホウ素を置換した場合、組成の電荷を補償するため、欠陥が導入される。なお、この場合、ホウ素よりも蒸気圧の高いリチウムが欠損することで欠陥が導入されることにより、リチウムイオンの伝導経路が増加する。
リチウムホウ素含有酸化物は、例えば、Li+ s(B1-t,Atu+2- wで表されるものとしてもよい。式中、AはC,Al,Si,Ga,Ge,In,Snのうち少なくとも1種以上の元素であり、tは0≦t<1を満たし、uは(B1-t,At)の平均価数であり、s,u,vはs+u=v/2の関係式を満たす。リチウムホウ素含有酸化物は、例えば、Li2+xx1-x3(式中、xは0<x≦1を満たす)で表されるものとしてもよい。このようにホウ素を炭素で置換したものは、イオン導電率が増加するため、好適である。xは0.1≦x≦0.6を満たすことが好ましく、0.2≦x≦0.4を満たすことがより好ましい。イオン導電率がより大きくなるからである。
リチウムホウ素含有酸化物は、活物質粒子よりもリチウムイオン伝導率が高いことが好ましい。リチウムホウ素含有酸化物は、活物質粒子や電極内固体電解質、電極外固体電解質の融解温度を下げ、融解しやすくする機能を有するものでもよい。このようなものであれば、リチウムホウ素含有酸化物の融解及び固化に際し、活物質粒子や電極内固体電解質、電極外固体電解質をも融解及び固化させることによって、活物質粒子と電極内固体電解質や電極外固体電解質とが直接に接する界面をより増加させることができるからである。また、リチウムホウ素含有酸化物は、焼結助剤としての機能を有するものでもよい。このようなものであれば、活物質粒子同士や活物質粒子と電極内固体電解質や電極外固体電解質との焼結性を高めることによって、リチウムイオンの伝導率をより高めることができるからである。
電極内固体電解質は、リチウムホウ素含有酸化物よりもリチウムイオン伝導率の高いものである。電極内固体電解質は、酸化物系の無機固体電解質であることが好ましく、ガーネット型リチウムイオン伝導性酸化物が好ましい。
電極内固体電解質は、リチウム、ランタン及びジルコニウムを含むガーネット型リチウムイオン伝導性酸化物であることが好ましい。このうち、ジルコニウムと異なる元素であり酸素と6配位をとることが可能な遷移元素及び第12族〜第15族に属する典型元素のうちの少なくとも1種以上の元素M1を含むものが好ましく、さらに、ランタンと異なる元素でありアルカリ土類金属及びランタノイド元素のうち少なくとも1種以上の元素M2を含むものとしてもよい。
ガーネット型リチウムイオン伝導性酸化物は、基本組成Li5+xLa3ZrxM12-x12(式中、M1は、Sc,Ti,V,Y,Nb,Hf,Ta,Al,Si,GaおよびGeからなる群より選ばれた1種類以上の元素,xは1.4≦x<2)で表されるものとしてもよい。こうしたものでは、リチウムイオン伝導率が高く、電極のリチウムイオン伝導率をより高めることができる。また、xが1.6≦x≦1.95を満たせば伝導率がより高く、好ましい。更に、xが1.65≦x≦1.9を満たせば、伝導率がほぼ極大となるため、一層好ましい。なお、基本組成Li5+xLa3ZrxM12-x12で表されるガーネット型リチウムイオン伝導性酸化物の詳細は、例えば、特開2010−202499号公報などに記載されている。
ガーネット型リチウムイオン伝導性酸化物は、基本組成LiXLa3-YM2YZr2-ZM1X12(式中、M2は、Sr,Ba,Ca,MgおよびYからなる群より選ばれた1種類以上の元素であり、M1は、Sc,Ti,V,Y,Nb,Hf,Ta,Al,Si,GaおよびGeからなる群より選ばれた1種類以上の元素であり、Xは、(La3-YM2Y)の平均価数をa、(Zr2-ZM1Z)の平均価数をbとしたとき、X=24−3×a−2×bを満たし、且つ0<Y≦1.0,0<Z≦1.0を満たす)で表されるものとしてもよい。こうしたものでは、リチウムイオン伝導率の低下できるだけ抑えると共に、ガーネット型リチウムイオン伝導性酸化物の製造時の焼成エネルギーをより低減することができる。なお、基本組成LiXLa3-YM2YZr2-ZM1X12で表されるガーネット型リチウムイオン伝導性酸化物の詳細は、例えば、特開2013−32259号公報などに記載されている。
電極内固体電解質としては、上述したもの以外にも、種々の無機固体電解質を用いることができる。無機固体電解質としては、例えば、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく知られている。なかでも、Li4SiO4、Li4SiO4−LiI−LiOH、xLi3PO4−(1−x)Li4SiO4、Li2SiS3、Li3PO4−Li2S−SiS2、硫化リン化合物などが挙げられる。電極内固体電解質は、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
電極内固体電解質は、リチウムホウ素含有酸化物よりも融解温度が高いことが好ましい。電極内固体電解質は、単独の粒子として存在してもよいし、活物質粒子の表面に粒子状及び層状の少なくとも一方で複合化されて存在するものとしてもよいし、その両方としてもよい。複合化とは、活物質粒子から電極内固体電解質が離脱しない程度に、活物質粒子表面に電極内固体電解質を固定化することをいう。
電極は、活物質粒子や電極内固体電解質がリチウムホウ素含有酸化物母材(リチウムホウ素含有酸化物が融解後固化した融成物)に分散した電極であることが好ましい。こうしたものでは、活物質粒子同士の間や活物質粒子と電極内固体電解質との間にリチウムイオンの伝導性を有するリチウムホウ素含有酸化物母材が存在することで、活物質粒子同士の間や、活物質粒子と電極内固体電解質との間のリチウムイオンの伝導経路をより確保しやすい。
電極は、活物質粒子の粒子径をd1、電極内固体電解質粒子の粒子径をd3とすると、d3/d1の値が、1/1以下であることが好ましく、1/2以下がより好ましく、1/5以下がさらに好ましい。下限は特に限定されないが、例えば、1/100以上や1/50以上としてもよい。活物質粒子の粒子径d1は、例えば、0.1μm以上10μm以下としてもよく、0.5μm以上5μm以下としてもよく、1μm以上3μm以下としてもよい。0.1μm以上であれば、比較的容易に製造できる。10μm以下であれば、活物質の内部まで十分に充放電に利用でき、活物質の利用率をより高めることができる。電極内固体電解質粒子の粒子径d3は、例えば、0.01μm以上5μm以下としてもよく、0.03μm以上3μm以下としてもよく、0.05μm以上2μm以下としてもよい。なお、活物質粒子を10個以上確認できる大きさの視野をSEMで観察し、その視野における、活物質粒子の粒子径の平均値を粒子径d1とし、電極内固体電解質の粒子径の平均値を粒子径d3とする。各粒子の粒子径は、内接円直径と外接円直径の平均値とする。
電極は、活物質粒子の体積をv1、リチウムホウ素含有酸化物の体積をv2、電極内固体電解質の体積割合をv3とすると、リチウムイオン伝導性材料(リチウムホウ素含有酸化物及び電極内固体電解質)の体積割合、すなわち、(v2+v3)×100/(v1+v2+v3)の値が、2体積%以上70体積%以下であることが好ましく、5体積%以上60体積%以下がより好ましく、10体積%以上50体積%以下がより好ましい。リチウムイオン伝導性材料を2体積%以上とすれば電極中でのリチウムイオンの移動が円滑に行われ、70体積%以下とすれば電極中の活物質粒子が少なくなり過ぎない。また、リチウムホウ素含有酸化物の体積割合、すなわち、v2×100/(v1+v2+v3)の値が1体積%以上60体積%以下であることが好ましく、3体積%以上50体積%以下がより好ましく、5体積%以上40体積%以下がより好ましい。リチウムホウ素含有酸化物が1体積%以上であれば、リチウムホウ素含有酸化物と活物質粒子や電極内固体電解質、電極外固体電解質との接触面が多くなり、リチウムイオンの移動がより円滑に行われる。また、60体積%以下であれば電極中の活物質粒子や電極内固体電解質が少なくなり過ぎない。
図1〜3に、本発明の電極の一例の概略図を示す。図1に示す電極30では、活物質粒子32及び電極内固体電解質粒子36とが、単独の粒子として、リチウムホウ素含有酸化物母材34に分散して存在している。図2に示す電極40では、活物質粒子42の表面に電極内固体電解質粒子46が複合化された複合粒子48が、リチウムホウ素含有酸化物母材44に分散して存在している。図3に示す電極50では、活物質粒子52の表面に電極内固体電解質層56が複合化された複合粒子が、リチウムホウ素含有酸化物母材54に分散して存在している。
電極は、電極外固体電解質に密着していることが好ましい。ここで「密着」とは、点接触ではなく、二次元的、又は、三次元的に接触(接合)していることをいう。「密着」しているか否かは、例えば、走査型電子顕微鏡を用いて5000倍の倍率で断面を観察したときに、点接触をしているか否かにより確認することができる。
電極や電極が形成された電極外固体電解質では、活物質粒子、電極内固体電解質及び電極外固体電解質が、変質したり、反応生成物を生じてないことが好ましい。例えば、電極や電極外固体電解質を、CuKα線を用いてXRD測定した場合、リチウムホウ素含有酸化物と、活物質、電極内固体電解質及び電極外固体電解質のうちの1以上との反応生成物のピークが確認されないことが好ましい。また、活物質と電極内固体電解質及び電極外固体電解質のうちの1以上との反応生成物のピークや、電極内固体電解質と電極外固体電解質との反応生成物のピークも確認されないことが好ましい。このようなものであれば、リチウムイオンの伝導率を低減させるような変質層や第三相の生成が抑制されていると考えられる。
(電極の製造方法)
本発明の電極の製造方法は、活物質粒子と、活物質粒子よりも融解温度が低くリチウムイオンを伝導可能なリチウムホウ素含有酸化物と、リチウムホウ素含有酸化物よりもリチウムイオン伝導率が高く電極内固体電解質と、を備えた成形体を、前記リチウムホウ素含有酸化物の融解温度以上の温度で加熱して電極を作製する電極作製工程、を含む。
本発明の電極の製造方法は、例えば、(a)原料準備工程、(b)成形体作製工程、(c)電極作製工程、を含むものとしてもよい。
(a)原料準備工程
この工程では、活物質粒子と、リチウムホウ素含有酸化物と、電極内固体電解質と、を準備する。活物質粒子、リチウムホウ素含有酸化物及び電極内固体電解質の材質については、上述したのと同様であるため、説明を省略する。
この工程では、例えば、活物質粒子、リチウムホウ素含有酸化物粒子、電極内固体電解質粒子を別個に準備してもよい。この場合、活物質粒子の粒子径をD1、リチウムホウ素含有酸化物の粒子径をD2、電極内固体電解質粒子の粒子径をD3とすると、D2/D1の値が、1/1以下となるものを用いることが好ましく、1/2以下がより好ましく、1/5以下がさらに好ましく、1/10以下が一層好ましい。D2/D1の値が1/1以下となるものを用いれば、活物質粒子の表面にリチウムホウ素含有酸化物の粒子をより均一に存在させることができる。下限は特に限定されないが、例えば、1/100以上や1/50以上としてもよい。また、D3/D1の値が、1/1以下となるものを用いることが好ましく、1/2以下がより好ましく、1/5以下がさらに好ましい。下限は特に限定されないが、例えば、1/100以上や1/50以上としてもよい。また、D2/D3の値が、1/1以下となるものを用いることが好ましく、1/2以下がより好ましい。下限は特に限定されないが、例えば、1/10以上や1/5以上としてもよい。
活物質粒子の粒子径D1は、例えば、0.1μm以上10μm以下としてもよく、0.5μm以上5μm以下としてもよく、1μm以上3μm以下としてもよい。0.1μm以上であれば、比較的容易に製造できる。10μm以下であれば、活物質の内部まで十分に充放電に利用でき、活物質の利用率のより高い電極を製造できる。リチウムホウ素含有酸化物粒子の粒子径D2は、例えば、0.01μm以上5μm以下としてもよく、0.03μm以上3μm以下としてもよく、0.05μm以上1μm以下としてもよい。0.01μm以上であれば、比較的容易に製造できる。5μm以下であれば、活物質粒子表面にリチウムホウ素含有酸化物の粒子をより均一に分散できる。電極内固体電解質粒子の粒子径D3は、例えば、0.01μm以上5μm以下としてもよく、0.03μm以上3μm以下としてもよく、0.05μm以上2μm以下としてもよい。なお、粒子径D1,D2,D3は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用い測定した、メディアン径D50を示すものとする。
この工程では、例えば、活物質粒子の表面に、電極内固体電解質を、粒子状及び層状の少なくとも一方で複合化した複合粒子と、リチウムホウ素含有酸化物粒子を準備してもよい。複合化するとは、その後の工程等で各粒子が離脱しない程度に、活物質粒子表面に電極内固体電解質を固定化することをいう。このとき、活物質粒子表面に粒子状に分散して固定化してもよいし、層状に固定化してもよいし、その両方でもよい。また、活物質粒子表面の全体に固定化してもよいし、一部に固定化してもよい。
活物質粒子表面に電極内固体電解質を複合化するには、両者を機械的に複合化してもよいし、活物質粒子表面に電極内固体電解質を化学的に生成させて複合化してもよいが、機械的に複合化するのが好ましい。機械的に複合化するとは、原料に対して圧縮やせん断、衝撃などの機械的作用を加えることで原料同士を結合するものとしてもよく、圧縮、せん断及び衝撃の力を作用させて原料同士を結合するのがより好ましい。機械的に複合化するにあたり、メカノケミカル反応を利用してもよい。機械的に複合化するには、ボールミルなどの粉砕機を用いてもよい。また、粒子複合化装置、例えば、ホソカワミクロン社製「ノビルタ」「メカノフュージョン」「ナノクリエータ」、奈良機械製作所社製の「ハイブリダイゼーションシステム」「ミラーロ」、などを用いてもよい。複合化は、乾式で行ってもよいし、湿式で行ってもよい。複合化に用いる活物質粒子や電極内固体電解質粒子の粒子径は、上述したD1,D3と同様としてもよい。また、リチウムホウ素含有酸化物の粒子径は、上述したD2と同様としてもよい。
この工程では、活物質粒子の体積をV1、リチウムホウ素含有酸化物の体積をV2、電極内固体電解質の体積割合をV3とすると、リチウムイオン伝導性材料(リチウムホウ素含有酸化物及び電極内固体電解質)の体積割合、すなわち、(V2+V3)×100/(V1+V2+V3)の値が、2体積%以上70体積%以下となるような割合で準備することが好ましく、5体積%以上60体積%以下がより好ましく、10体積%以上50体積%以下がより好ましい。リチウムイオン伝導性材料を2体積%以上とすれば電極中でのリチウムイオンの移動が円滑に行われ、70体積%以下とすれば電極中の活物質粒子が少なくなり過ぎない。また、リチウムホウ素含有酸化物の体積割合、すなわち、V2×100/(V1+V2+V3)の値が1体積%以上60体積%以下となるような割合で準備することが好ましく、3体積%以上50体積%以下がより好ましく、5体積%以上40体積%以下がより好ましい。リチウムホウ素含有酸化物を1体積%以上とすれば、リチウムホウ素含有酸化物と活物質粒子や電極内固体電解質、電極外固体電解質との接触面が多くなり、リチウムイオンの移動がより円滑に行われる。また、60体積%以下とすれば電極中の活物質粒子や電極内固体電解質が少なくなり過ぎない。
(b)成形体作製工程
この工程では、原料準備工程で得られた原料を成形して成形体を作製する。原料の成形にあたり、電極外固体電解質上に原料を成形するのが好ましい。原料は、バインダーや溶媒等を添加してペースト状にして(以下、原料ペーストとも称する)形成してもよい。バインダーとしては、エチルセルロースやメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系のものや、ブチラール系樹脂、アクリル系樹脂などの各種バインダーを用いることができる。溶媒としては、ターピオネールやアセトン、トルエンなどの有機溶剤などを用いることができる。原料ペーストは、複合粒子、バインダー、溶媒などをトリロールミル、ポットミル等を用いる通常のペーストの製造方法を用いて混合することにより得ることができる。電極外固体電解質上に原料ペーストを形成する方法としては、例えば、ディスペンサー、ディピング、スプレーなどの公知の液状体供給手法のほか、ドクターブレード法や、スクリーン印刷、メタルマスク印刷などの印刷手法を用いることができる。このうち、スクリーン印刷であれば厚みやパターンを高精度に制御できるため、好ましい。また、メタルマスク印刷によれば、厚みを持って原料ペーストを形成しやすく、このため、形状制御が容易になる。
(c)電極作製工程
この工程では、成形体作製工程で得られた成形体を、リチウムホウ素含有酸化物の融解温度以上の温度で加熱して、電極を作製する。リチウムホウ素含有酸化物を一旦融解させることで、活物質粒子や電極内固体電解質とリチウムホウ素含有酸化物との密着性や、電極と電極外固体電解質との密着性を高めることができる。加熱温度は、リチウムホウ素含有酸化物と、活物質粒子、電極内固体電解質及び電極外固体電解質のうちのいずれかと、が化合物を生成する温度のうち、最も低い温度未満の温度が好ましい。こうした温度で加熱することで、リチウムイオン伝導率を低下させるような第三相の生成を抑制できる。加熱温度は、活物質粒子や電極内固体電解質、電極外固体電解質の変質が生じない温度であることが好ましい。こうした温度で加熱することで、リチウムイオン伝導率を低下させるような第三相や変質層の生成をより抑制できる。なお、活物質粒子や電極内固体電解質、電極外固体電解質の変質が生じない温度は、活物質粒子や電極内固体電解質、電極外固体電解質の合成時の処理温度に基づいて定めてもよい。合成時の処理温度よりも低温であれば変質が生じにくいと考えられるからである。加熱温度は、600℃を超え900℃以下が好ましく、650℃以上800℃以下がより好ましく、670℃以上780℃以下がさらに好ましい。600℃を超える温度であれば、リチウムホウ素含有酸化物が十分に融解する。900℃以下であれば、リチウムイオン伝導率を低下させるような第三層や変質層の生成をより抑制できる。加熱時間は、例えば1分以上24時間以下としてもよいし、10分以上12時間以下としてもよいし、30分以上6時間以下としてもよい。加熱時の雰囲気は特に限定されないが、大気雰囲気や酸化性雰囲気であることが好ましい。このような雰囲気では、Li3BO3の構造から酸素の脱離を抑制できるし、活物質粒子や電極内固体電解質、電極外固体電解質などが酸化物である場合に、これらからの酸素の脱離を抑制できる。このため、リチウムホウ素含有酸化物や活物質粒子、電極内固体電解質、電極外固体電解質の変質が生じにくく、また、反応生成物が生じにくいからである。電極作製工程では、成形体を加熱後冷却してもよい。
(電池)
本発明の電池は、上述した電極を備えている。この電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在する電極外固体電解質とを備えた全固体型リチウム電池としてもよく、正極として、上述した電極を備えていてもよい。
負極は、負極活物質を有している。負極活物質としては、リチウム、リチウム合金、スズ化合物などの無機化合物、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素質材料、導電性ポリマーなどが挙げられる。このうち、リチウム合金が、電極外固体電解質との界面抵抗を低減でき、好ましい。リチウム合金としては、Mg,Al,Si,In,Ag及びSnのうち少なくとも1以上の添加元素を含むリチウム合金がより好ましく、Alを含むものやInを含むものなどがより好ましい。特に、Inを含むものでは、添加されている原子数がより少なくても、電極外固体電解質と負極との界面抵抗をより低減することができ、好ましい。
正極及び負極は集電体を有していてもよい。集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。
電極外固体電解質は、電極内固体電解質と同種の材質としてもよいし、異種の材質としてもよい。電極外固体電解質の材質は、電極内固体電解質で説明した各種無機固体電解質のほか、有機固体電解質などとしてもよい。有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリホスファゼン、ポリエチレンスルフィド、ポリヘキサフルオロプロピレンなどやこれらの誘導体が挙げられる。
電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、こうした電池を複数直列に接続して電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。
電池の構造は、特に限定されないが、例えば図4や図5に示す構造が挙げられる。図4の電池20は、電極外固体電解質10と、電極外固体電解質10の片面に形成された正極12と、電極外固体電解質10のもう片面に形成された負極14とを有する。正極12は、電極外固体電解質10とは反対側に集電体13を備えている。負極14は電極外固体電解質10とは反対側に集電体15を備えている。一方、図5の電池20は、電極外固体電解質10と、電極外固体電解質10の片面に形成された正極12と、電極外固体電解質10のもう片面にポリマー電解質層16を介して形成された負極14とを有する。正極12は、活物質粒子と、電極内固体電解質と、活物質粒子及び電極内固体電解質よりも融解温度が低くリチウムイオンを伝導可能なリチウムホウ素含有酸化物の融成物と、が混在するものである。
以上説明した電極、電極の製造方法及び電池では、活物質の利用率をより高めることができる。また、高電流密度化が可能となる。こうした効果が得られる理由は以下のように推察される。例えば、全固体型リチウム二次電池に本発明の電極を用いた場合、電極内では、活物質粒子からリチウムイオン伝導性材料に放出され、それが電極外固体電解質まで移動することによって電流が流れる。ここで、リチウムホウ素複合酸化物のリチウムイオン伝導率(導電率)は、10-6S/cmレベルであるが、リチウムホウ素複合酸化物の他にさらに電極内固体電解質を含むものとすることで、リチウムイオン伝導率を高めることができ、結果として、活物質利用率が向上し、また、高電流密度化が可能となると推察される。これにより、電池の大電流化や、出力密度の向上などが期待される。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、活物質が正極活物質である場合について主に説明したが、負極活物質としてもよい。負極活物質としては、リチウムイオンと遷移金属元素とを含む酸化物、リチウム合金、シリコン、シリコン合金、スズ化合物などの無機化合物、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素質材料、導電性ポリマーなどが挙げられる。リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物としては、Li4Ti512のようなリチウムチタン複合酸化物などが挙げられる。この場合、電池の正極としては、上述した正極活物質を含む正極を用いればよい。
上述した実施形態では、電極は、電極外固体電解質を基材として用い、基材上に作製したものとしたが、基材を用いなくてもよいし、電極外固体電解質以外の基材を用いてもよい。基材を用いない場合、電極の製造方法の成形体作製工程において、複合粒子は、ペースト状にする代わりに、バインダーや溶媒等を添加して坏土状にして形成してもよい。なお、電極と電極外固体電解質との密着性をより高める観点からは、電極外固体電解質を基材として用いることが好ましい。
上述した実施形態では、電極の製造方法は、原料準備工程、成形体作製工程及び電極作製工程を含むものとしたが、原料準備工程を省略して別途用意した原料を成形体作製工程で用いてもよいし、成形体作製工程を省略して別途用意した成形体を電極作製工程で用いてもよい。
上述した実施形態では、電池は、全固体型リチウム二次電池としたが、こうしたものに限定されない。例えば、電池は、液体を含んでいてもよい。また、一次電池としてもよい。
以下には、本発明の電極及び電池を具体的に作製した例について説明する。なお、実験例1〜3が本発明の実施例に相当し、実験例4が比較例に相当する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
[実験例1]
活物質粒子としてのLiCoO2粒子(以下LCO粒子と記す。粒子径1.7μm)と、リチウムホウ素含有酸化物としてのLi2.20.20.83粒子(以下LBCO粒子と記す。粒子径0.1μm)と電極内固体電解質としてのLi6.8La2.95Ca0.05Zr1.75Nb0.2512(以下LLZCN粒子と記す。粒子径0.16μm)と、を乳鉢混合した。体積比率はLCO:LLZCN:LBCO=54:16:30とし、混合粒子中のリチウムイオン伝導性材料(LLZCNとLBCOとの合計)の体積割合を46体積%とした。この混合粒子にバインダ(日新化成製、ECビヒクル)を加え、混練することによりLCO+LLZCN+LBCOペーストを作製した。このペーストをスクリーン印刷機によりLi6.75La3Zr1.75Nb0.2512で表されるガーネット基材上に印刷して、760℃、1hの熱処理条件で焼き付けることにより正極を形成した。その後、裏面にLi蒸着して負極を形成することにより、実験例1の全固体電池を作製した。
[実験例2]
LLZCN粒子の粒子径を0.16μmから1.0μmに変更した以外は実験例1と同様に実験例2の全固体電池を作製した。
[実験例3]
LCO粒子(粒子径1.7μm)にノビルタによってN2中、3000rpmで25分間処理することにより、LLZCN粒子(粒子径0.16μm)を複合化した複合粒子を作製した。この複合粒子と、LBCO粒子(粒子径0.07μm)とを乳鉢混合した。体積比率は実験例1と同様LCO:LLZCN:LBCO=54:16:30とし、混合粒子中のリチウムイオン伝導性材料の体積割合を46体積%とした。この混合粒子に実験例1と同様にバインダを加え、混練することによりLCO+LLZCN+LBCOペーストを作製した。このペーストを用いた以外は実験例1と同様に実験例3の全固体電池を作製した。
[実験例4]
LCO粒子(粒子径1.7μm)とLBCO粒子(粒子径0.07μm)を乳鉢混合した。混合粒子中のリチウムイオン伝導性材料(LBCO)の体積割合は46体積%とした。この混合粉末に実験例1と同様にバインダを加え、混練することによりLCO+LBCOペーストを作製した。このペーストを用いた以外は実験例1と同様に実験例4の全固体電池を作製した。
[充放電試験]
実験例1〜4の電池を用いて、充放電試験を行った。具体的には、高い電流密度から順に放電させていき、最小電流密度まで放電した時の放電容量を測定した。そして、測定した放電容量の、正極活物質の放電容量の理論値に対する割合を、活物質の利用率として算出した。
[実験結果]
実験例1〜4の電池の利用率の放電容量の電流密度依存を図6に示す。図6からわかるように全放電電流密度において、活物質粒子とリチウムホウ素含有酸化物と電極内固体電解質(LLZCN粒子)を含む実験例1〜3では、電極内固体電解質を含まない実験例4よりも活物質の利用率が高くなった。また、高電流密度(500μA/cm2以上など)でも作動していた。また、電極内固体電解質を含む実験例1〜3のうち、活物質粒子とリチウムホウ素含有酸化物と電極内固体電解質とを乳鉢で混合した実験例1,2では、予め活物質粒子と電極内固体電解質とをノビルタにより複合化した実験例3よりも活物質の利用率が高くなった。この理由は明らかではないが、例えば、実験例3ではノビルタによる複合化によって活物質粒子と電極内固体電解質との界面に何らかのダメージが入ったためと推察された。また、実験例1,2のうち、粒子径0.16μmの電極内固体電解質を用いた実験例1では、粒子径1μmの電極内固体電解質を用いた実験例2よりも活物質の利用率が高くなった。このことから、電極内固体電解質の粒子径は小さいことが好ましいことがわかった。
本発明は、電池産業の分野に利用可能である。
10 電極外固体電解質、12 正極、13 集電体、14 負極、15 集電体、16 ポリマー電解質層、20 電池、30 電極、32 活物質粒子、34 リチウムホウ素含有酸化物母材、36 電極内固体電解質粒子、40 電極、42 活物質粒子、44 リチウムホウ素含有酸化物母材、46 電極内固体電解質粒子、48 複合粒子、50 電極、52 活物質粒子、54 リチウムホウ素含有酸化物母材、56 電極内固体電解質層、58 複合粒子。

Claims (8)

  1. 活物質粒子と、
    前記活物質粒子よりも融解温度が低くリチウムイオンを伝導可能なリチウムホウ素含有酸化物の融成物と、
    前記リチウムホウ素含有酸化物よりもリチウムイオン伝導率の高い電極内固体電解質と、
    が混在する、電極。
  2. 前記電極内固体電解質は、単独の粒子として存在するか、前記活物質粒子の表面に粒子状及び層状の少なくとも一方で複合化されて存在するか、の少なくとも一方で存在する、請求項1に記載の電極。
  3. 前記リチウムホウ素含有酸化物は、Li2+xx1-x3(式中、xは0<x≦1を満たす)である、請求項1又は2に記載の電極。
  4. 前記電極内固体電解質は、リチウム、ランタン及びジルコニウムを含むガーネット型酸化物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極。
  5. 前記活物質粒子はリチウムコバルト複合酸化物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極。
  6. 活物質粒子と、前記活物質粒子よりも融解温度が低くリチウムイオンを伝導可能なリチウムホウ素含有酸化物と、前記リチウムホウ素含有酸化物よりもリチウムイオン伝導率の高い電極内固体電解質と、を備えた成形体を、前記リチウムホウ素含有酸化物の融解温度以上の温度で加熱して電極を作製する電極作製工程、を含む、電極の製造方法。
  7. 請求項6に記載の電極の製造方法であって、
    前記電極作製工程の前に、電極外固体電解質上に前記成形体を成形する成形体作製工程を含む、電極の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極を備えた、電池。
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