JP2016222747A - 樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法、成形体及び車両外装材料 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法、成形体及び車両外装材料 Download PDF

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Abstract

【課題】得られる成形体の耐衝撃性、透明性に優れる熱可塑性樹脂組成物を提供する。生産性に優れ、得られる成形体の耐衝撃性、透明性に優れる熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】メタクリル樹脂及びグラフト重合体を含む樹脂組成物であって、グラフト重合体が、ポリオルガノシロキサンを含むゴム層を有し、ゴム層の質量平均粒子径が、0.16μm以上であり、ゴム層の質量平均粒子径の変動係数が、20%以下である樹脂組成物。ポリオルガノシロキサンの存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物Aを含浸させた後に重合し、得られた重合体存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物Bを添加して重合を行い、質量平均粒子径が0.16μm以上のゴム層を得て、得られたゴム層存在下で、単量体組成物Cを添加して重合を行い、グラフト重合体を得て、得られたグラフト重合体をメタクリル樹脂に配合する樹脂組成物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法、成形体及び車両外装材料に関する。
メタクリル樹脂は、その優れた透明性、耐候性、硬度等から、家電材料、看板、建築材料、車両外装材料等、様々な分野で用いられている。その一方、メタクリル樹脂は、耐衝撃性に劣るという課題を有する。
メタクリル樹脂の耐衝撃性を改善する方法として、ゴム層を有するグラフト重合体を配合する方法が知られている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、オルガノシロキサン由来の繰り返し単位とn−ブチルアクリレート由来の繰り返し単位とを含むゴム層を有するグラフト重合体をメタクリル樹脂に配合する方法が提案されている。
特開平8−283359号公報 特開2002−265545号公報
しかしながら、特許文献1に提案される方法は、グラフト重合体のゴム層の質量平均粒子径が小さく、耐衝撃性の改善が十分ではない。また、特許文献2に提案される方法は、肥大化工程を有するため生産性に劣り、得られるグラフト重合体のゴム層の質量平均粒子径の変動係数が大きく(概ね30%以上)、複分散となる。
そこで、本発明の目的は、得られる成形体の耐衝撃性、透明性に優れる樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、生産性に優れ、得られる成形体の耐衝撃性、透明性に優れる樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
本発明は、メタクリル樹脂及びグラフト重合体を含む樹脂組成物であって、グラフト重合体が、ポリオルガノシロキサンを含むゴム層を有し、ゴム層の質量平均粒子径が、0.16μm以上であり、ゴム層の質量平均粒子径の変動係数が、20%以下である樹脂組成物に関する。
また、本発明は、ポリオルガノシロキサンの存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物Aを含浸させた後に重合し、得られた重合体存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物Bを添加して重合を行い、質量平均粒子径が0.16μm以上のゴム層を得て、得られたゴム層存在下で、単量体組成物Cを添加して重合を行い、グラフト重合体を得て、得られたグラフト重合体をメタクリル樹脂に配合する樹脂組成物の製造方法に関する。
また、前記樹脂組成物を成形して得られた成形体に関する。
更に、前記成形体を含む車両外装材料に関する。
本発明の樹脂組成物は、得られる成形体の耐衝撃性、透明性に優れる。
また、本発明の樹脂組成物の製造方法は、生産性に優れ、得られる成形体の耐衝撃性、透明性に優れる。
また、本発明の成形体は、耐衝撃性、透明性に優れる。
更に、本発明の車両外装材料は、耐衝撃性、透明性に優れる。
本発明の樹脂組成物は、メタクリル樹脂及びグラフト重合体を含む。
(メタクリル樹脂)
メタクリル樹脂としては、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレートと他の単量体との共重合体等が挙げられる。これらのメタクリル樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのメタクリル樹脂の中でも、成形体の透明性、耐熱性に優れることから、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50質量%以上含む共重合体が好ましく、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を70質量%以上含む共重合体がより好ましく、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を90質量%以上含む共重合体が更に好ましい。
メタクリル樹脂の製品としては、例えば、三菱レイヨン(株)製のアクリペット(商品名)、住友化学(株)製のスミペックス(商品名)等が挙げられる。
他の単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン等のメチルメタクリレート以外の(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル等のビニルエーテル;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル;エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン等のオレフィン等が挙げられる。これらの他の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの他の単量体の中でも、成形体の透明性、熱安定性に優れることから、メチルメタクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物が好ましく、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレートがより好ましい。
尚、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート又はその両方をいう。
他の単量体由来の繰り返し単位の含有率は、メタクリル樹脂本来の性能を損なわないことから、メタクリル樹脂100質量%中、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
メタクリル樹脂の製造方法としては、例えば、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等が挙げられる。これらの重合方法の中でも、生産性に優れることから、塊状重合法、懸濁重合法が好ましく、塊状重合法がより好ましく、連続塊状重合法が更に好ましい。
メタクリル樹脂の質量平均分子量は、40000〜200000が好ましく、50000〜150000がより好ましい。メタクリル樹脂の質量平均分子量が40000以上であると、耐薬品性に優れる。また、メタクリル樹脂の質量平均分子量が200000以下であると、溶融成形時の流動性に優れる。
尚、本明細書において、質量平均分子量は、標準試料として標準ポリスチレンを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値とする。
(グラフト重合体)
グラフト重合体は、ポリオルガノシロキサンを含むゴム層を有する。
ゴム層を構成する材料は、成形体の耐衝撃性に優れることから、シリコーンゴムとアクリルゴムとの複合ゴム(以下、単に「複合ゴム」ということがある。)が好ましい。
複合ゴムの製造方法は、成形体の耐衝撃性に優れることから、ポリオルガノシロキサンの存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物Aを含浸させた後に重合し、架橋性単量体を含む単量体組成物Bを添加して重合する方法が好ましい。
ポリオルガノシロキサンは、単量体組成物Aとの共重合性に優れることから、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンが好ましい。
ビニル基を有するポリオルガノシロキサンの製造方法は、ジメチルシロキサン、ビニル基を有するシロキサン、必要に応じて、架橋性シロキサンを重合する方法が好ましい。
ジメチルシロキサンとしては、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。これらのジメチルシロキサンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ビニル基を有するシロキサンとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロイルオキシシラン;テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニルシロキサン;p−ビニルフェニルジメトキシメチルシラン等のビニルフェニルシラン;3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシロキサン等が挙げられる。これらのビニル基を有するシロキサンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのビニル基を有するシロキサンの中でも、単量体組成物Aとの共重合性に優れることから、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましく、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランがより好ましい。
架橋性シロキサンとしては、例えば、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン等の3官能性シロキサン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能性シロキサン等が挙げられる。これらの架橋性シロキサン1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの架橋性シロキサンの中でも、入手しやすいことから、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましく、テトラエトキシシランがより好ましい。
ビニル基を有するポリオルガノシロキサンの具体的な製造方法としては、例えば、ジメチルシロキサン、ビニル基を有するシロキサン、必要に応じて、架橋性シロキサンを含むシロキサン混合物を乳化剤と水によって乳化させたエマルションを、高速回転による剪断力で微粒子化するホモミキサー又は高圧発生機による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を用いて微粒子化した後、酸触媒を用いて高温下で重合させ、次いでアルカリ性化合物により酸を中和する方法が挙げられる。
乳化剤としては、例えば、アニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤等が挙げられる。これらの乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの乳化剤の中でも、重合安定性に優れることから、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤が好ましく、アニオン系乳化剤がより好ましい。
アニオン系乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸カルシウム等が挙げられる。これらのアニオン系乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのアニオン系乳化剤の中でも、重合安定性に優れることから、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウムが好ましく、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。
ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル等が挙げられる。これらのノニオン系乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのノニオン系乳化剤の中でも、入手しやすいことから、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
シロキサン混合物を微粒子化する方法としては、例えば、高速回転による剪断力で微粒子化するホモミキサーを用いる方法、高圧発生機による噴出力で微粒子化するホモジナイザーを用いる方法等が挙げられる。これらのシロキサン混合物を微粒子化する方法は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのシロキサン混合物を微粒子化する方法の中でも、ポリオルガノシロキサンの粒子径分布を狭くすることができることから、ホモジナイザーを用いる方法が好ましい。
酸触媒としては、例えば、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸;硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸等が挙げられる。これらの酸触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの酸触媒の中でも、乳化剤としての機能も有することから、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸がより好ましい。
酸触媒の添加方法としては、例えば、シロキサン混合物、乳化剤、水と共に混合する方法、シロキサン混合物が微粒子化したエマルションを高温の酸触媒の水溶液中に滴下する方法等が挙げられる。これらの酸触媒の添加方法の中でも、ポリオルガノシロキサンの質量平均粒子径を下げることができることから、シロキサン混合物が微粒子化したエマルションを高温の酸触媒の水溶液中に滴下する方法が好ましい。
シロキサン混合物の重合温度は、50℃〜95℃が好ましく、70℃〜90℃がより好ましい。シロキサン混合物の重合温度が50℃以上であると、生産性に優れる。また、シロキサン混合物の重合温度が95℃以下であると、生産安定性に優れる。
シロキサン混合物の重合を停止させる方法は、生産性に優れることから、反応液を冷却し、アルカリ性化合物により酸を中和する方法が好ましい。
アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水溶液等が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのアルカリ性化合物の中でも、強アルカリ性であることから、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
中和後のpHは、取り扱い性に優れることから、6〜8が好ましい。
ポリオルガノシロキサンは、成形体の耐衝撃性に優れることから、粒子であることが好ましい。
ポリオルガノシロキサンの質量平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.04μm〜0.09μmがより好ましい。ポリオルガノシロキサンの質量平均粒子径が0.01μm以上であると、成形体の耐衝撃性に優れる。また、ポリオルガノシロキサンの質量平均粒子径が0.1μm以下であると、成形体の透明性に優れる。
尚、本明細書において、質量平均粒子径は、標準試料としてポリスチレン粒子を用い、キャピラリー式粒度分布計を用いて測定した値とする。
単量体組成物A中の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の架橋性単量体等が挙げられる。これらの単量体組成物A中の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの単量体組成物A中の単量体の中でも、成形体の耐衝撃性に優れることから、炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート、芳香族ビニル、架橋性単量体が好ましく、炭素数1〜8のアルキルアクリレート、芳香族ビニル、架橋性単量体がより好ましい。
炭素数1〜8のアルキルアクリレートの中でも、成形体の耐衝撃性に優れることから、n−ブチルアクリレートが好ましい。
芳香族ビニルの中でも、成形体の耐衝撃性に優れることから、スチレンが好ましい。
架橋性単量体の中でも、成形体の耐衝撃性に優れることから、アリルメタクリレートが好ましい。
単量体組成物B中の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の架橋性単量体等が挙げられる。これらの単量体組成物B中の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの単量体組成物B中の単量体の中でも、成形体の耐衝撃性に優れることから、炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート、芳香族ビニル、架橋性単量体が好ましく、炭素数1〜8のアルキルアクリレート、芳香族ビニル、架橋性単量体がより好ましい。
炭素数1〜8のアルキルアクリレートの中でも、成形体の耐衝撃性に優れることから、n−ブチルアクリレートが好ましい。
芳香族ビニルの中でも、成形体の耐衝撃性に優れることから、スチレンが好ましい。
架橋性単量体の中でも、成形体の耐衝撃性に優れることから、アリルメタクリレートが好ましい。
単量体組成物Aと単量体組成物Bは、単量体種類やその含有率が同一であってもよく、異なってもよい。
複合ゴムの具体的な製造方法としては、例えば、ポリオルガノシロキサンの存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物Aを一括添加して含浸させた後に、重合開始剤を添加して高温下で単量体組成物Aを重合し、次いで架橋性単量体を含む単量体組成物Bを一定速度で連続的に滴下して添加して、単量体組成物Bを重合する方法が挙げられる。
単量体組成物の添加方法は、シリコーンゴムとアクリルゴムとの複合化ができ、肥大化工程を経ることなくゴム層の質量平均粒子径を上げることができることから、単量体組成物Aを一括添加し、単量体組成物Bを滴下して添加する方法が好ましい。
重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸化合物;過塩素酸化合物、過ホウ酸化合物、過酸化物と還元性スルホキシ化合物との組み合わせたレドックス系開始剤等が挙げられる。これらの重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの重合開始剤の中でも、生産安定性に優れることから、過酸化物と還元性スルホキシ化合物との組み合わせたレドックス系開始剤が好ましい。
これらの重合開始剤は、単量体組成物Aの重合に限らず、単量体組成物Bの重合、単量体組成物Cの重合にも用いることができる。
ゴム層の質量平均粒子径やゴム層の質量平均粒子径の変動係数を制御するために、複合ゴムの製造に乳化剤を用いてもよい。
乳化剤としては、例えば、アニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤等が挙げられる。これらの乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの乳化剤の中でも、重合安定性に優れることから、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤が好ましく、アニオン系乳化剤がより好ましい。
アニオン系乳化剤としては、例えば、オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム等のカルボン酸塩;アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸カルシウム等のリン酸エステル塩等が挙げられる。これらのアニオン系乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのアニオン系乳化剤の中でも、耐金属腐食性に優れることから、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸カルシウムが好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウムがより好ましい。
ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル等が挙げられる。これらのノニオン系乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのノニオン系乳化剤の中でも、入手しやすいことから、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
ゴム層の質量平均粒子径は、0.16μm以上であり、0.16μm〜0.50μmが好ましく、0.18μm〜0.40μmがより好ましく、0.20μm〜0.30μmが更に好ましい。ゴム層の質量平均粒子径が0.16μm以上であると、成形体の耐衝撃性に優れる。また、ゴム層の質量平均粒子径が0.50μm以下であると、成形体の外観に優れる。
ゴム層の質量平均粒子径の変動係数は、20%以下であり、1%〜20%が好ましく、2%〜15%がより好ましく、3%〜12%が更に好ましい。ゴム層の質量平均粒子径の変動係数が1%以上であると、生産性に優れる。また、ゴム層の質量平均粒子径の変動係数が20%以下であると、成形体の耐衝撃性に優れる。
ゴム層の質量平均粒子径は、単分散であっても、複分散であってもよいが、樹脂組成物の溶融時の流動性に優れることから、単分散が好ましい。
グラフト重合体は、メタクリル樹脂との相溶性に優れることから、ゴム層の外周にグラフト層を有するものが好ましい。
グラフト重合体の製造方法は、構造の安定性に優れることから、ゴム層を得た後、単量体組成物Cを添加して重合する方法が好ましい。
単量体組成物C中の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル等が挙げられる。これらの単量体組成物C中の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの単量体組成物C中の単量体の中でも、メタクリル樹脂との相溶性に優れることから、炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート、芳香族ビニル、シアン化ビニルが好ましく、炭素数1〜8のアルキルメタクリレート、炭素数1〜8のアルキルアクリレートがより好ましい。
炭素数1〜8のアルキルメタクリレートの中でも、成形体の透明性に優れることから、メチルメタクリレートが好ましい。
炭素数1〜8のアルキルアクリレートの中でも、成形体の耐熱性に優れることから、メチルアクリレートが好ましい。
単量体組成物Cの添加方法は、グラフト重合体の質量平均粒子径やグラフト重合体の質量平均粒子径の変動係数を制御することができることから、滴下して添加する方法が好ましい。
グラフト重合体の質量平均粒子径やグラフト重合体の質量平均粒子径の変動係数を制御するために、単量体組成物Cの重合時に乳化剤を用いてもよい。
乳化剤は、前述した複合ゴムの製造に用いる乳化剤と同様の乳化剤を用いることができる。
グラフト重合体の分子量やグラフト化率を調整するために、単量体組成物Cの重合時に連鎖移動剤を用いてもよい。
連鎖移動剤としては、例えば、1−ブタンチオール、1−オクタンチオール、2−オクタンチオール、tert−ドデカンチオール等の硫黄化合物;α―メチルスチレン二量体等が挙げられる。これらの連鎖移動剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの連鎖移動剤の中でも、低臭性に優れることから、1−オクタンチオール、2−オクタンチオールが好ましく、1−オクタンチオールがより好ましい。
ゴム層とグラフト層の含有率は、グラフト重合体100質量%中、ゴム層50質量%〜95質量%、グラフト層5質量%〜50質量%が好ましく、ゴム層60質量%〜80質量%、グラフト層20質量%〜40質量%がより好ましい。ゴム層が50質量%以上、グラフト層が50質量%以下であると、成形体の耐衝撃性に優れる。また、ゴム層が95質量%以下、グラフト層が5質量%以上であると、メタクリル樹脂とグラフト重合体との相溶性に優れ、成形体の透明性に優れる。
ポリオルガノシロキサンの含有率は、グラフト重合体100質量%中、0.1質量%〜0.6質量%が好ましく、0.15質量%〜0.5質量%がより好ましい。ポリオルガノシロキサンの含有率が0.1質量%以上であると、成形体の耐衝撃性に優れる。また、ポリオルガノシロキサンの含有率が0.6質量%以下であると、ゴム層の質量平均粒子径を上げることができる。
炭素数1〜8のアルキルアクリレート(n−ブチルアクリレート)由来の繰り返し単位及び芳香族ビニル(スチレン)由来の繰り返し単位の合計の含有率は、グラフト重合体100質量%中、50質量%以上が好ましく、50質量%〜90質量%がより好ましく、60質量%〜80質量%が更に好ましい。炭素数1〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位及び芳香族ビニル由来の繰り返し単位の合計の含有率が50質量%以上であると、成形体の耐衝撃性に優れる。また、炭素数1〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位及び芳香族ビニル由来の繰り返し単位の合計の含有率が90質量%以下であると、メタクリル樹脂との相溶性に優れる。
グラフト重合体のラテックスを粉体化する方法としては、例えば、噴霧乾燥法、凝固法等が挙げられる。これらのグラフト重合体のラテックスを粉体化する方法の中でも、粉体の取り扱い性に優れることから、凝固法が好ましい。
噴霧乾燥法は、重合体のラテックスを乾燥機中に微小液滴状に噴霧し、これに乾燥用加熱ガスをあてて乾燥する方法である。
微小液滴を発生する方法としては、例えば、回転円盤型式、圧力ノズル式、二流体ノズル式、加圧二流体ノズル式等が挙げられる。これらの微小液滴を発生する方法の中でも、生産安定性に優れることから、加圧二流体ノズル式が好ましい。
乾燥用加熱ガスの温度は、生産性に優れることから、110℃〜200℃が好ましく、120℃〜180℃がより好ましい。
噴霧乾燥機の容量は、実験室で用いるような小規模な容量であっても、工業的に用いるような大規模な容量であってもよい。
噴霧乾燥の際のブロッキングや嵩比重等の粉体特性を向上させるために、重合体のラテックスに、シリカ等の添加剤を添加して噴霧乾燥してもよい。
凝固法は、凝固剤を溶解した熱水中に重合体のラテックスを投入し、グラフト重合体を塩析又は酸析した後、固化することにより分離し、次いで分離した湿潤状の重合体を脱水し、更に、圧搾脱水機や熱風乾燥機等を用いて乾燥する方法である。
凝固剤としては、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム等の無機塩;硫酸等の酸等が挙げられる。これらの凝固剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用する場合、水に不溶性の塩を形成しない組み合わせを選択することが好ましい。
凝固剤水溶液の濃度は、0.1質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。凝固剤水溶液の濃度が0.1質量%であると、重合体の粉体を安定して得ることができる。また、凝固剤水溶液の濃度が20質量%以下であると、重合体中に残存する凝固剤の量を少なくすることができる。
重合体のラテックスを凝固剤水溶液に接触させる方法としては、例えば、凝固剤水溶液を攪拌しながら、その中に重合体のラテックスを連続的に添加して一定時間保持する方法、凝固剤水溶液と重合体のラテックスとを一定の比率で攪拌しながら連続的に注入して接触させ、凝析された重合体と水とを含む混合物を容器から連続的に抜き出す方法等が挙げられる。これらの重合体のラテックスを凝固剤水溶液に接触させる方法の中でも、生産性に優れることから、凝固剤水溶液と重合体のラテックスとを一定の比率で攪拌しながら連続的に注入して接触させ、凝析された重合体と水とを含む混合物を容器から連続的に抜き出す方法が好ましい。
凝固剤水溶液の量は、重合体のラテックス100質量部に対して、10質量部〜500質量部が好ましく、100質量部〜400質量部がより好ましい。凝固剤水溶液の量が10質量部以上であると、凝固性に優れる。また、凝固剤水溶液の量が500質量部以下であると、生産性に優れる。
重合体のラテックスを凝固剤水溶液に接触させる際の温度は、生産安定性に優れることから、30℃〜100℃が好ましく、45℃〜90℃がより好ましい。
乾燥温度や乾燥時間等の乾燥条件は、得られたグラフト重合体によって、適宜設定すればよい。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物は、メタクリル樹脂、グラフト重合体、必要に応じて、他の添加剤を混合することで得られる。
メタクリル樹脂の含有率は、樹脂組成物100質量%中、50質量%〜90質量%が好ましく、55質量%〜85質量%がより好ましい。メタクリル樹脂の含有率が50質量%以上であると、樹脂組成物の溶融時の流動性に優れ、成形体の透明性に優れる。また、メタクリル樹脂の含有率が90質量%以下であると、成形体の耐衝撃性に優れる。
グラフト重合体の含有率は、樹脂組成物100質量%中、10質量%〜50質量%が好ましく、15質量%〜45質量%がより好ましい。グラフト重合体の含有率が10質量%以上であると、成形体の耐衝撃性に優れる。また、グラフト重合体の含有率が50質量%であると、樹脂組成物の溶融時の流動性に優れ、成形体の透明性に優れる。
他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、離型剤、顔料や染料等の着色剤等が挙げられる。これらの他の添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の添加剤の含有率は、メタクリル樹脂本来の性能を損なわないことから、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
混合方法としては、例えば、押出成形機を用いた溶融混練、2本ロールを用いた混練等が挙げられる。これらの混合方法の中でも、連続生産性に優れることから、押出成形機を用いた溶融混練が好ましい。
溶融混練の温度は、180℃〜280℃が好ましく、200℃〜260℃がより好ましい。混練温度が180℃以上であると、生産性に優れる。また、混練温度が280℃以下であると、熱分解を抑制することができる。
(成形体)
本発明の成形体は、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる。
成形方法としては、例えば、射出成形、押出成形、加圧成形等が挙げられる。また、得られた成形体を、更に、圧空成形や真空成形等の二次成形してもよい。
成形温度や成形圧力等の成形条件は、適宜設定すればよい。
成形体のシャルピー衝撃強度は、耐衝撃性に優れることから、4.0kJ/m以上が好ましく、5.0kJ/m以上がより好ましい。
尚、本明細書において、シャルピー衝撃強度は、ISO179/1eAに準拠し、23℃の条件で測定した値とする。
本発明の成形体は、耐衝撃性、透明性に優れることから、例えば、洗面化粧台、浴槽、水洗便器等の住宅設備向け材料;建築材料;車両等の内外装材料等に用いられ、特に、車両外装材料に好適である。
車両外装材料としては、例えば、メーターカバー、ドアミラーハウジング、ピラーカバー(サッシュカバー)、ライセンスガーニッシュ、フロントグリル、フォグガーニッシュ、エンブレム等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(質量平均粒子径評価)
ゴム層の重合が完了した直後のラテックスを抽出し、約3質量%まで水で希釈した。希釈したラテックス0.1mlを試料とし、粒度分布計(機種名「CHDF2000型」、MATEC社製)を用い、ゴム層の質量平均粒子径を測定した。具体的には、専用の粒子分離用キャピラリー式カートリッジ、キャリア液を用い、液性をほぼ中性、流速1.4ml/分、圧力を約4000psi、温度35℃の条件とした。標準粒子径物質として、粒子径既知の単分散ポリスチレン(DUKE社製)を20nm〜800nmの範囲で合計12点用いた。
得られた粒子径分布のピークが1つのものを単分散、ピークが2つ以上のものを複分散とした。また、変動係数は、ゴム層の質量平均粒子径の測定結果の標準偏差をゴム層の質量平均粒子径で除し、100をかけた値(%)とした。
(耐衝撃性評価)
実施例・比較例で得られた樹脂組成物のペレットについて、シリンダー温度250℃の条件で、射出成形機(機種名「EC20PNII」、東芝機械(株)製)を用いて射出成形し、ISO294記載の多目的試験片タイプA1の成形体を得た。得られた成形体を長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmのVノッチ付試験片に加工し、ISO179/1eAに準拠して、温度23℃の条件で、シャルピー衝撃強度を測定し、以下のように評価した。
A:5.0kJ/m以上
B:4.0kJ/m以上5.0kJ/m未満
C:4.0kJ/m以上未満
(透明性評価)
実施例・比較例で得られた樹脂組成物のペレットについて、シリンダー温度250℃の条件で、射出成形機(機種名「EC20PNII」、東芝機械(株)製)を用いて射出成形し、長さ50mm、幅50mm、厚さ3mmの成形体を得た。得られた成形体について、ヘイズメータ(機種名「NDH4000」、日本電色工業(株)製)を用い、全光線透過率とヘイズを測定した。
全光線透過率は、ISO13468−1に準拠して測定し、以下のように評価した。
A:90%以上
B:80%以上90%未満
C:80%未満
ヘイズは、ISO14782に準拠して測定し、以下のように評価した。
A:2.0%未満
B:2.0%以上5.0%未満
C:5.0%以上
(成分の略称)
実施例中で用いる各成分について、以下に略称を示す。
DMC:環状オルガノシロキサン混合物(DMC(商品名)、信越シリコーン(株)製)
MPMDMS:3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
MMA:メチルメタクリレート
BA:n−ブチルアクリレート
ST:スチレン
AMA:アリルメタクリレート
MA:メチルアクリレート
n−OM:n−オクチルメルカプタン
t−BH:t−ブチルハイドロパーオキサイド
CHP:クメンハイドロパーオキサイド
FE:硫酸第一鉄七水和物
EDTA:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
SFS:ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
RS:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルナトリウム(フォスファノールRS610NA(商品名)、東邦化学(株)製)
DBSH:ドデシルベンゼンスルホン酸
DBSNa:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
DW:脱イオン水
[製造例1]ポリオルガノシロキサンラテックス(S1)の製造
DMC98.04質量部及びMPMDMS1.96質量部を混合し、オルガノシロキサン混合物100質量部を得た。得られたオルガノシロキサン混合物にDBSNa0.68質量部を溶解したDW313質量部を添加し、ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌した後、300kg/cmの圧力でホモジナイザーに2回通し、安定な予備混合エマルションを得た。温度計、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、DBSH14質量部及びDW92質量部を添加し、DBSH水溶液を調製した。調製したDBSH水溶液を85℃に加熱した状態で、得られた予備混合エマルション全量を8時間に亘って滴下した。滴下終了後、温度を2時間維持し冷却した。次いで、得られた反応物を5%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ポリオルガノシロキサンラテックス(S1)を得た。
[製造例2]ポリオルガノシロキサンラテックス(S2)の製造
温度計、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、DBSH10質量部及びDW92質量部を添加し、DBSH水溶液を調製した。調製したDBSH水溶液を85℃に加熱した状態で、製造例1で得られた予備混合エマルション全量を4時間に亘って滴下した。滴下終了後、温度を2時間維持し冷却した。次いで、得られた反応物を5%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ポリオルガノシロキサンラテックス(S2)を得た。
[製造例3]ポリオルガノシロキサンラテックス(S3)の製造
DMC95質量部及びMPMDMS5質量部を混合し、オルガノシロキサン混合物100質量部を得た。得られたオルガノシロキサン混合物にDBSNa0.68質量部を溶解したDW310質量部を添加し、ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌した後、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT−25(機種名)、IKA社製)を用いて12000rpmで5分間乳化処理を行い、安定な予備混合エマルションを得た。温度計、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、DBSH30質量部及びDW90質量部を添加し、DBSH水溶液を調製した。調製したDBSH水溶液を90℃に加熱した状態で、得られた予備混合エマルション全量を4時間に亘って滴下した。滴下終了後、温度を2時間維持し冷却した。次いで、得られた反応物を5%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ポリオルガノシロキサンラテックス(S3)を得た。
[製造例4]ポリオルガノシロキサンラテックス(S4)の製造
DBSH水溶液をDBSH14質量部及びDW90質量部とした以外は、製造例3と同様に操作し、ポリオルガノシロキサンラテックス(S4)を得た。
[製造例5]グラフト重合体(P1)の製造
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコを水浴内に設置し、DW996質量部を添加した。ポリオルガノシロキサンラテックス(S1)2.40質量部(ポリオルガノシロキサンラテックス(S1)2.40質量部中、ポリオルガノシロキサン成分0.40質量部)及び表1に示す単量体組成物Aを添加し、セパラブルフラスコに窒素気流を通じて窒素置換を行った。液温を50℃に昇温させ、FE0.000099質量部、EDTA0.00030質量部、SFS0.16質量部をDW5.0質量部に溶解させた重合触媒水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させた。その後、液温を80℃に昇温させ、90分間保持した。
次いで、SFS0.12質量部をDW5.0質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物B1を70分に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で90分間保持し、ゴム層のラテックスを得た。得られたゴム層の質量平均粒子径、変動係数、分散を、表2に示す。
次いで、得られたゴム層のラテックスに、SFS0.60質量部をDW5.0質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物Cを70分間に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で90分間保持し、グラフト重合体のラテックスを得た。
次いで、プラスチック容器に1.0質量%の酢酸カルシウム水溶液300質量部を添加し、液温を55℃に昇温させ、得られたグラフト重合体のラテックスを10分に亘って滴下した。滴下終了後、95℃に昇温させ、5分間保持した。その後、25℃まで冷却し、DWで洗浄しながら遠心脱水(回転速度1800rpm、1分間)し、湿潤状のグラフト重合体を得て、更に、75℃で24時間乾燥させて、グラフト重合体(P1)の粉体を得た。
[製造例6]グラフト重合体(P2)の製造
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコを水浴内に設置し、DW145質量部を添加した。ポリオルガノシロキサンラテックス(S1)3.01質量部(ポリオルガノシロキサンラテックス(S1)3.01質量部中、ポリオルガノシロキサン成分0.50質量部)及び表1に示す単量体組成物Aを添加し、セパラブルフラスコに窒素気流を通じて窒素置換を行った。液温を50℃に昇温させ、FE0.000025質量部、EDTA0.000075質量部、SFS0.30質量部をDW1.3質量部に溶解させた重合触媒水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させた。その後、液温を80℃に昇温させ、90分間保持した。
次いで、表1に示す単量体組成物B1を315分に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で60分間保持し、ゴム層のラテックスを得た。得られたゴム層の質量平均粒子径、変動係数、分散を、表2に示す。
次いで、得られたゴム層のラテックスに、SFS0.15質量部をDW1.3質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物Cを90分間に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で60分間保持し、グラフト重合体のラテックスを得た。
次いで、製造例5と同様に凝固操作を行い、グラフト重合体(P2)の粉体を得た。
[製造例7]グラフト重合体(P3)の製造
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコを水浴内に設置し、DW250質量部を添加した。ポリオルガノシロキサンラテックス(S1)1.20質量部(ポリオルガノシロキサンラテックス(S1)1.20質量部中、ポリオルガノシロキサン成分0.20質量部)及び表1に示す単量体組成物Aを添加し、セパラブルフラスコに窒素気流を通じて窒素置換を行った。液温を50℃に昇温させ、FE0.000025質量部、EDTA0.000075質量部、SFS0.050質量部をDW1.3質量部に溶解させた重合触媒水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させた。その後、液温を80℃に昇温させ、90分間保持した。
次いで、SFS0.15質量部をDW0.63質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物B1を210分に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で90分間保持した。その後、SFS0.15質量部をDW0.63質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物B2を210分に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で90分間保持し、ゴム層のラテックスを得た。得られたゴム層の質量平均粒子径、変動係数、分散を、表2に示す。
次いで、得られたゴム層のラテックスに、SFS0.15質量部をDW1.3質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物Cを150分間に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で60分間保持し、グラフト重合体のラテックスを得た。
次いで、製造例5と同様に凝固操作を行い、グラフト重合体(P3)の粉体を得た。
[製造例8]グラフト重合体(P4)の製造
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコを水浴内に設置し、DW125質量部を添加した。ポリオルガノシロキサンラテックス(S1)1.20質量部(ポリオルガノシロキサンラテックス(S1)1.20質量部中、ポリオルガノシロキサン成分0.20質量部)及び表1に示す単量体組成物Aを添加し、セパラブルフラスコに窒素気流を通じて窒素置換を行った。液温を50℃に昇温させ、FE0.000025質量部、EDTA0.000075質量部、SFS0.10質量部をDW0.50質量部に溶解させた重合触媒水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させた。その後、液温を80℃に昇温させ、90分間保持した。
次いで、SFS0.30質量部をDW1.0質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物B1(ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌した後、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT−25(機種名)、IKA社製)を用いて12000rpmで5分間乳化処理)を200分に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で120分間保持した。その後、SFS0.30質量部をDW1.0質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物B2(単量体組成物B1と同様に乳化処理)を200分に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で120分間保持し、ゴム層のラテックスを得た。得られたゴム層の質量平均粒子径、変動係数、分散を、表2に示す。
次いで、得られたゴム層のラテックスに、表1に示す単量体組成物Cを120分間に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で60分間保持し、グラフト重合体のラテックスを得た。
次いで、製造例5と同様に凝固操作を行い、グラフト重合体(P4)の粉体を得た。
[製造例9]グラフト重合体(P5)の製造
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコを水浴内に設置し、DW250質量部を添加した。ポリオルガノシロキサンラテックス(S1)0.60質量部(ポリオルガノシロキサンラテックス(S1)0.60質量部中、ポリオルガノシロキサン成分0.10質量部)及び表1に示す単量体組成物Aを添加し、セパラブルフラスコに窒素気流を通じて窒素置換を行った。液温を50℃に昇温させ、FE0.000025質量部、EDTA0.000075質量部、SFS0.020質量部をDW1.3質量部に溶解させた重合触媒水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させた。その後、液温を80℃に昇温させ、90分間保持した。
次いで、SFS0.13質量部をDW0.63質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物B1を300分に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で90分間保持した。その後、SFS0.13質量部をDW0.63質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物B2を300分に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で90分間保持し、ゴム層のラテックスを得た。得られたゴム層の質量平均粒子径、変動係数、分散を、表2に示す。
次いで、得られたゴム層のラテックスに、SFS0.20質量部をDW1.3質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物Cを120分間に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で60分間保持し、グラフト重合体のラテックスを得た。
次いで、製造例5と同様に凝固操作を行い、グラフト重合体(P5)の粉体を得た。
[製造例10]グラフト重合体(P6)の製造
ポリオルガノシロキサン(ポリオルガノシロキサンラテックス(S2)1.51質量部中、ポリオルガノシロキサン成分0.25質量部)及び単量体組成物を表1のように変更した以外は、製造例8と同様に操作を行い、グラフト重合体(P6)の粉体を得た。
[製造例11]グラフト重合体(P7)の製造
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコを水浴内に設置し、DW250質量部を添加した。ポリオルガノシロキサンラテックス(S2)0.30質量部(ポリオルガノシロキサンラテックス(S2)0.30質量部中、ポリオルガノシロキサン成分0.05質量部)及び表1に示す単量体組成物Aを添加し、セパラブルフラスコに窒素気流を通じて窒素置換を行った。液温を50℃に昇温させ、FE0.000025質量部、EDTA0.000075質量部、SFS0.050質量部をDW1.3質量部に溶解させた重合触媒水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させた。その後、液温を80℃に昇温させ、90分間保持した。
次いで、SFS0.20質量部をDW0.63質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物B1を210分に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で90分間保持した。その後、SFS0.20質量部をDW0.63質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物B2を210分に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で90分間保持し、ゴム層のラテックスを得た。得られたゴム層の質量平均粒子径、変動係数、分散を、表2に示す。
次いで、得られたゴム層のラテックスに、SFS0.15質量部をDW1.3質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物Cを150分間に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で60分間保持し、グラフト重合体のラテックスを得た。
次いで、製造例5と同様に凝固操作を行い、グラフト重合体(P7)の粉体を得た。
[製造例12]グラフト重合体(P8)の製造
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコを水浴内に設置し、DW194質量部を添加した。ポリオルガノシロキサンラテックス(S3)5.00質量部(ポリオルガノシロキサンラテックス(S3)5.00質量部中、ポリオルガノシロキサン成分0.99質量部)を添加し、セパラブルフラスコに窒素気流を通じて窒素置換を行った。
次いで、液温を80℃に昇温させ、FE0.000025質量部、EDTA0.000075質量部、SFS0.30質量部をDW1.0質量部に溶解させた重合触媒水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物B1を180分に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で60分間保持し、ゴム層のラテックスを得た。得られたゴム層の質量平均粒子径、変動係数、分散を、表2に示す。
次いで、得られたゴム層のラテックスに、SFS0.2質量部をDW1.0質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物Cを90分間に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で60分間保持し、グラフト重合体のラテックスを得た。
次いで、製造例5と同様に凝固操作を行い、グラフト重合体(P8)の粉体を得た。
[製造例13]グラフト重合体(P9)の製造
ポリオルガノシロキサン(ポリオルガノシロキサンラテックス(S4)5.00質量部中、ポリオルガノシロキサン成分0.99質量部)を表1のように変更した以外は、製造例12と同様に操作を行い、グラフト重合体(P9)の粉体を得た。
[製造例14]グラフト重合体(P10)の製造
温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコを水浴内に設置し、DW553質量部を添加した。ポリオルガノシロキサンラテックス(S1)2.67質量部(ポリオルガノシロキサンラテックス(S1)2.67質量部中、ポリオルガノシロキサン成分0.44質量部)及び表1に示す単量体組成物Aを添加し、セパラブルフラスコに窒素気流を通じて窒素置換を行った。液温を50℃に昇温させ、FE0.000055質量部、EDTA0.00016質量部、SFS0.11質量部をDW2.8質量部に溶解させた重合触媒水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させた。その後、液温を80℃に昇温させ、90分間保持した。
次いで、SFS0.18質量部をDW2.8質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物B1を240分に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で90分間保持し、ゴム層のラテックスを得た。得られたゴム層の質量平均粒子径、変動係数、分散を、表2に示す。
次いで、得られたゴム層のラテックスに、SFS0.33質量部をDW2.8質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、表1に示す単量体組成物Cを70分間に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で60分間保持し、グラフト重合体のラテックスを得た。
次いで、製造例5と同様に凝固操作を行い、グラフト重合体(P10)の粉体を得た。
[製造例15]グラフト重合体(P11)の製造
ポリオルガノシロキサンを添加せず、単量体組成物を表1のように変更した以外は、製造例8と同様に操作を行い、グラフト重合体(P11)の粉体を得た。
[実施例1〜8、比較例1〜4]
メタクリル樹脂(アクリペットVH(商品名)、三菱レイヨン(株)製)及びグラフト重合体を表2に示す割合で配合し、この配合物100質量部に対し、リン系酸化防止剤0.1質量部(アデカスタブ2112(商品名)、(株)ADEKA製)及びフェノール系酸化防止剤0.5質量部(AO−60(商品名)、(株)ADEKA製)を配合し、外径30mmφの二軸スクリュー型押出機(PCM−30型(機種名)、(株)池貝製、L/D=25)に供給し、シリンダー温度250℃、ダイ温度250℃で溶融混練して、樹脂組成物のペレットを得た。評価結果を、表2に示す。
実施例1〜8で得られた成形体は、透明性、耐衝撃性に優れた。
一方、比較例1〜5で得られた成形体は、耐衝撃性に劣った。
本発明の成形体は、耐衝撃性、透明性に優れることから、例えば、洗面化粧台、浴槽、水洗便器等の住宅設備向け材料;建築材料;車両等の内外装材料等に用いられ、特に、車両外装材料に好適である。

Claims (13)

  1. メタクリル樹脂及びグラフト重合体を含む樹脂組成物であって、
    グラフト重合体が、ポリオルガノシロキサンを含むゴム層を有し、
    ゴム層の質量平均粒子径が、0.16μm以上であり、
    ゴム層の質量平均粒子径の変動係数が、20%以下である、樹脂組成物。
  2. ゴム層の質量平均粒子径が、0.18μm以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. ゴム層の質量平均粒子径が、単分散である、請求項1又は2のいずれかに記載の樹脂組成物。
  4. グラフト重合体中の炭素数1〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位及び芳香族ビニル由来の繰り返し単位の合計の含有率が、50質量%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. アルキルアクリレートが、n−ブチルアクリレート、
    芳香族ビニルが、スチレンである、請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. グラフト重合体中のポリオルガノシロキサンの含有率が、0.1質量%〜0.6質量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 樹脂組成物中のグラフト重合体の含有率が、10質量%〜50質量%である、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. ポリオルガノシロキサンの存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物Aを含浸させた後に重合し、
    得られた重合体存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物Bを添加して重合を行い、質量平均粒子径が0.16μm以上のゴム層を得て、
    得られたゴム層存在下で、単量体組成物Cを添加して重合を行い、グラフト重合体を得て、
    得られたグラフト重合体をメタクリル樹脂に配合する、
    樹脂組成物の製造方法。
  9. 単量体組成物Aが、n−ブチルアクリレート、スチレン及びアリルメタクリレートを含み、
    単量体組成物Bが、n−ブチルアクリレート、スチレン及びアリルメタクリレートを含み、
    単量体組成物Cが、メチルメタクリレート及びメチルアクリレートを含む、請求項8に記載の樹脂組成物の製造方法。
  10. 請求項8又は9に記載の樹脂組成物の製造方法により得られた樹脂組成物。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物を成形して得られた成形体。
  12. ISO179/1eAに準拠して温度23℃で測定したシャルピー衝撃強度が、4.0kJ/m以上である、請求項11に記載の成形体。
  13. 請求項11又は12に記載の成形体を含む車両外装材料。
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JPH01190746A (ja) * 1988-01-25 1989-07-31 Mitsubishi Rayon Co Ltd 耐衝撃性樹脂組成物
JP2015093927A (ja) * 2013-11-12 2015-05-18 ユーエムジー・エービーエス株式会社 グラフト共重合体、および熱可塑性樹脂組成物

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