JP2017110907A - 応力検知方法、樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握するための応力検知方法を提供する。また、前記応力検知方法に用いる樹脂組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)と、応力を負荷させた際の密度の低下率が熱可塑性樹脂(A)とは異なる樹脂(B)と、を含む樹脂組成物を成形し、得られた成形体の白化した部分について応力が負荷された部分と判断する、応力検知方法。前記応力検知方法に用いる、熱可塑性樹脂(A)と、応力を負荷させた際の密度の低下率が熱可塑性樹脂(A)とは異なる樹脂(B)と、を含む樹脂組成物。
【選択図】 図1
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)と、応力を負荷させた際の密度の低下率が熱可塑性樹脂(A)とは異なる樹脂(B)と、を含む樹脂組成物を成形し、得られた成形体の白化した部分について応力が負荷された部分と判断する、応力検知方法。前記応力検知方法に用いる、熱可塑性樹脂(A)と、応力を負荷させた際の密度の低下率が熱可塑性樹脂(A)とは異なる樹脂(B)と、を含む樹脂組成物。
【選択図】 図1
Description
本発明は、応力検知方法、樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂は、家電材料、看板、建築材料、車両材料等、様々な分野で広く用いられている。このような熱可塑性樹脂は、各種成形方法により所望の形状に成形し、成形体として用いられる。その成形方法は、加熱により溶融し、所望の形状を構築し、冷却することで、所望の形状の成形体を得る、という方法が一般的である。
前述のように加熱・冷却を経て成形体を得る場合、樹脂内部に熱収縮による残留応力が生じる場合がある。この残留応力が、成形体の反りや変形の原因となる。そのため、残留応力を低減する成形条件等を確立するため、成形体の残留応力を把握するための様々な方法が提案されている。
例えば、非特許文献1及び非特許文献2には、光弾性法、X線応力測定法、環境応力亀裂法、加熱収縮法、逐次削除法により応力を把握する方法が開示されている。また、特許文献1には、穿孔法により応力を把握する方法が開示されている。
例えば、非特許文献1及び非特許文献2には、光弾性法、X線応力測定法、環境応力亀裂法、加熱収縮法、逐次削除法により応力を把握する方法が開示されている。また、特許文献1には、穿孔法により応力を把握する方法が開示されている。
プラスチックス Vol.55 No.8(2004)
構造工学ハンドブック 丸善(2004)
しかしながら、非特許文献1、非特許文献2、特許文献1に開示されている応力を把握する方法は、それぞれ課題を有する。光弾性法は、特殊な光学測定装置が必要で、容易に測定することができない。X線応力測定法は、結晶性の材料にしか適用できない。環境応力亀裂法、加熱収縮法、逐次削除法、穿孔法は、破壊試験であると共に、測定や解析に時間を要する。
そこで、本発明の目的は、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握するための応力検知方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、前記応力検知方法に用いる樹脂組成物及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、前記応力検知方法に用いる樹脂組成物及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、熱可塑性樹脂(A)と、応力を負荷させた際の密度の低下率が熱可塑性樹脂(A)とは異なる樹脂(B)と、を含む樹脂組成物を成形し、得られた成形体の白化した部分について応力が負荷された部分と判断する、応力検知方法に関する。
また、本発明は、前記応力検知方法に用いる、熱可塑性樹脂(A)と、応力を負荷させた際の密度の低下率が熱可塑性樹脂(A)とは異なる樹脂(B)と、を含む樹脂組成物に関する。
更に、前記樹脂組成物の製造方法であって、ポリオルガノシロキサン存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物(b1)を含浸させた後に重合し、得られた重合体存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物(b2)を添加して重合を行い、ゴム層を得て、得られたゴム層存在下で、単量体組成物(b3)を添加して重合を行い、グラフト重合体を得る、樹脂組成物の製造方法に関する。
本発明の応力検知方法は、成形体の応力の有無を簡易に判別することができる。
また、本発明の樹脂組成物は、成形することで成形体の応力の有無を簡易に判別することができる。
更に、本発明の樹脂組成物の製造方法は、得られる樹脂組成物を成形することで成形体の応力の有無を簡易に判別することができる。
また、本発明の樹脂組成物は、成形することで成形体の応力の有無を簡易に判別することができる。
更に、本発明の樹脂組成物の製造方法は、得られる樹脂組成物を成形することで成形体の応力の有無を簡易に判別することができる。
(応力検知方法)
本発明の応力検知方法は、熱可塑性樹脂(A)と、応力を負荷させた際の密度の低下率が熱可塑性樹脂(A)とは異なる樹脂(B)と、を含む樹脂組成物を成形し、得られた成形体の白化した部分について応力が負荷された部分と判断するものである。
本発明の応力検知方法は、熱可塑性樹脂(A)と、応力を負荷させた際の密度の低下率が熱可塑性樹脂(A)とは異なる樹脂(B)と、を含む樹脂組成物を成形し、得られた成形体の白化した部分について応力が負荷された部分と判断するものである。
熱可塑性樹脂(A)と樹脂(B)とを含む樹脂組成物は、成形した際に、応力が負荷されない状態では透明であり、応力が負荷された状態では白化する樹脂の組み合わせが好ましい。
応力が負荷されない状態で成形体が透明であるためには、熱可塑性樹脂(A)の屈折率nAと樹脂(B)の屈折率nBとの差を小さくする必要があり、その屈折率差は、0.02以下が好ましく、0.01以下がより好ましい。屈折率差が0.02以下であると、応力が負荷されない部分は透明のままで、応力が負荷された部分は白化し、応力を有する部分が3次元的に特定することができる。
応力が負荷された状態で成形体が白化するためには、熱可塑性樹脂(A)と樹脂(B)の一方の樹脂が、応力を負荷させた際に密度を低下させる樹脂で、他方の樹脂が、応力を負荷させても密度を低下させない樹脂であればよい。すなわち、熱可塑性樹脂(A)と樹脂(B)とで、応力を負荷させた際の密度の低下率に差があることで、応力が負荷されて密度が変化した部分について光が散乱し、白色に見える。樹脂の密度は、透過型顕微鏡により確認することができる。
応力を判別する成形体に成形する方法は、特に限定されず、射出成形、加圧成形等が挙げられるが、成形体内で応力の分布が大きくなり、応力の有無を判別する必要性が特に高いことから、射出成形が好ましい。
(熱可塑性樹脂(A))
熱可塑性樹脂(A)は、透明性の高い樹脂であれば特に限定されず、例えば、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂等の塩素含有樹脂;ポリスチレン、(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリレート−スチレン−アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン樹脂等のスチレン樹脂;ポリメチルメタクリレート等のメタクリル樹脂;ポリアミド系樹脂;(変性)ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの熱可塑性樹脂(A)の中でも、透明性に優れ、応力による白化部分の視認性に優れることから、スチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましく、より透明性に優れ、より応力による白化部分の視認性に優れることから、メタクリル樹脂がより好ましい。
尚、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート又はその両方をいう。
熱可塑性樹脂(A)は、透明性の高い樹脂であれば特に限定されず、例えば、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂等の塩素含有樹脂;ポリスチレン、(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリレート−スチレン−アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン樹脂等のスチレン樹脂;ポリメチルメタクリレート等のメタクリル樹脂;ポリアミド系樹脂;(変性)ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの熱可塑性樹脂(A)の中でも、透明性に優れ、応力による白化部分の視認性に優れることから、スチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましく、より透明性に優れ、より応力による白化部分の視認性に優れることから、メタクリル樹脂がより好ましい。
尚、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート又はその両方をいう。
熱可塑性樹脂(A)の全光線透過率は、60%〜95%が好ましく、80%〜93%がより好ましい。熱可塑性樹脂(A)の全光線透過率が60%以上であると、応力による白化部分の視認性に優れる。また、熱可塑性樹脂(A)の全光線透過率が93%以下であると、熱可塑性樹脂(A)の生産性に優れる。
尚、本明細書において、全光線透過率は、ISO13468−1に準拠して測定した値とする。
尚、本明細書において、全光線透過率は、ISO13468−1に準拠して測定した値とする。
熱可塑性樹脂(A)のヘイズは、0.01%〜10%が好ましく、0.1%〜3%がより好ましい。熱可塑性樹脂(A)のヘイズが0.01%以上であると、熱可塑性樹脂(A)の生産性に優れる。また、熱可塑性樹脂(A)のヘイズが10%以下であると、応力による白化部分の視認性に優れる。
尚、本明細書において、ヘイズは、ISO14782に準拠して測定した値とする。
尚、本明細書において、ヘイズは、ISO14782に準拠して測定した値とする。
熱可塑性樹脂(A)の屈折率nAは、汎用樹脂を用いることができ、生産性に優れることから、1.40〜1.60が好ましく、1.45〜1.55がより好ましい。
尚、本明細書において、屈折率は、ISO13468に準拠し、23℃でナトリウムD線を用い、アッベ屈折計により測定した値とする。
尚、本明細書において、屈折率は、ISO13468に準拠し、23℃でナトリウムD線を用い、アッベ屈折計により測定した値とする。
(メタクリル樹脂)
メタクリル樹脂としては、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレートと他の単量体との共重合体等が挙げられる。これらのメタクリル樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのメタクリル樹脂の中でも、透明性に優れ、応力による白化部分の視認性に優れることから、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50質量%以上含む共重合体が好ましく、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を70質量%以上含む共重合体がより好ましく、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を90質量%以上含む共重合体が更に好ましい。
メタクリル樹脂としては、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレートと他の単量体との共重合体等が挙げられる。これらのメタクリル樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのメタクリル樹脂の中でも、透明性に優れ、応力による白化部分の視認性に優れることから、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を50質量%以上含む共重合体が好ましく、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を70質量%以上含む共重合体がより好ましく、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を90質量%以上含む共重合体が更に好ましい。
メタクリル樹脂の製品としては、例えば、三菱レイヨン(株)製のアクリペット(商品名)、住友化学(株)製のスミペックス(商品名)等が挙げられる。
他の単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン等のメチルメタクリレート以外の(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル等のビニルエーテル;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル;エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン等のオレフィン等が挙げられる。これらの他の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの他の単量体の中でも、成形体の熱安定性、透明性に優れ、応力による白化部分の視認性に優れることから、メチルメタクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物が好ましく、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレートがより好ましい。
他の単量体由来の繰り返し単位の含有率は、メタクリル樹脂本来の性能を損なわないことから、メタクリル樹脂100質量%中、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
メタクリル樹脂の製造方法としては、例えば、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等が挙げられる。これらの重合方法の中でも、生産性に優れることから、塊状重合法、懸濁重合法が好ましく、塊状重合法がより好ましく、連続塊状重合法が更に好ましい。
メタクリル樹脂の質量平均分子量は、40000〜200000が好ましく、50000〜150000がより好ましい。メタクリル樹脂の質量平均分子量が40000以上であると、耐薬品性に優れる。また、メタクリル樹脂の質量平均分子量が200000以下であると、溶融成形時の流動性に優れる。
尚、本明細書において、質量平均分子量は、標準試料として標準ポリスチレンを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値とする。
尚、本明細書において、質量平均分子量は、標準試料として標準ポリスチレンを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値とする。
(樹脂(B))
樹脂(B)は、熱可塑性樹脂(A)との組み合わせにより応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすいことから、グラフト重合体が好ましい。
樹脂(B)は、熱可塑性樹脂(A)との組み合わせにより応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすいことから、グラフト重合体が好ましい。
グラフト重合体は、熱可塑性樹脂(A)との組み合わせにより応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすいことから、ポリオルガノシロキサンを含むゴム層を有することが好ましい。
ゴム層を構成する材料は、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすいことから、シリコーンゴムとアクリルゴムとの複合ゴム(以下、単に「複合ゴム」ということがある。)が好ましい。
複合ゴムの製造方法は、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすいことから、ポリオルガノシロキサン存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物(b1)を含浸させた後に重合し、得られた重合体存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物(b2)を添加して重合を行う方法が好ましい。
複合ゴムの製造方法は、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすいことから、ポリオルガノシロキサン存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物(b1)を含浸させた後に重合し、得られた重合体存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物(b2)を添加して重合を行う方法が好ましい。
ポリオルガノシロキサンは、単量体組成物(b1)との共重合性に優れることから、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンが好ましい。
ビニル基を有するポリオルガノシロキサンの製造方法は、ジメチルシロキサン、ビニル基を有するシロキサン、必要に応じて、架橋性シロキサンを重合する方法が好ましい。
ビニル基を有するポリオルガノシロキサンの製造方法は、ジメチルシロキサン、ビニル基を有するシロキサン、必要に応じて、架橋性シロキサンを重合する方法が好ましい。
ジメチルシロキサンとしては、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。これらのジメチルシロキサンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ビニル基を有するシロキサンとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロイルオキシシラン;テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニルシロキサン;p−ビニルフェニルジメトキシメチルシラン等のビニルフェニルシラン;3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシロキサン等が挙げられる。これらのビニル基を有するシロキサンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのビニル基を有するシロキサンの中でも、単量体組成物(b1)との共重合性に優れることから、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましく、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランがより好ましい。
架橋性シロキサンとしては、例えば、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン等の3官能性シロキサン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能性シロキサン等が挙げられる。これらの架橋性シロキサン1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの架橋性シロキサンの中でも、生産性に優れることから、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましく、テトラエトキシシランがより好ましい。
ビニル基を有するポリオルガノシロキサンの具体的な製造方法としては、例えば、ジメチルシロキサン、ビニル基を有するシロキサン、必要に応じて、架橋性シロキサンを含むシロキサン混合物を乳化剤と水によって乳化させたエマルションを、高速回転による剪断力で微粒子化するホモミキサー又は高圧発生機による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を用いて微粒子化した後、酸触媒を用いて高温下で重合させ、次いでアルカリ性化合物により酸を中和する方法が挙げられる。
乳化剤としては、例えば、アニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤等が挙げられる。これらの乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの乳化剤の中でも、重合安定性に優れることから、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤が好ましく、アニオン系乳化剤がより好ましい。
アニオン系乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸カルシウム等が挙げられる。これらのアニオン系乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのアニオン系乳化剤の中でも、重合安定性に優れることから、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウムが好ましく、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。
ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル等が挙げられる。これらのノニオン系乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのノニオン系乳化剤の中でも、生産性に優れることから、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
シロキサン混合物を微粒子化する方法としては、例えば、高速回転による剪断力で微粒子化するホモミキサーを用いる方法、高圧発生機による噴出力で微粒子化するホモジナイザーを用いる方法等が挙げられる。これらのシロキサン混合物を微粒子化する方法は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのシロキサン混合物を微粒子化する方法の中でも、ポリオルガノシロキサンの粒子径分布を狭くすることができることから、ホモジナイザーを用いる方法が好ましい。
酸触媒としては、例えば、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸;硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸等が挙げられる。これらの酸触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの酸触媒の中でも、乳化剤としての機能も有することから、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸がより好ましい。
酸触媒の添加方法としては、例えば、シロキサン混合物、乳化剤、水と共に混合する方法、シロキサン混合物が微粒子化したエマルションを高温の酸触媒の水溶液中に滴下する方法等が挙げられる。これらの酸触媒の添加方法の中でも、ポリオルガノシロキサンの質量平均粒子径を下げることができることから、シロキサン混合物が微粒子化したエマルションを高温の酸触媒の水溶液中に滴下する方法が好ましい。
シロキサン混合物の重合温度は、50℃〜95℃が好ましく、70℃〜90℃がより好ましい。シロキサン混合物の重合温度が50℃以上であると、生産性に優れる。また、シロキサン混合物の重合温度が95℃以下であると、生産安定性に優れる。
シロキサン混合物の重合を停止させる方法は、生産性に優れることから、反応液を冷却し、アルカリ性化合物により酸を中和する方法が好ましい。
アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水溶液等が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのアルカリ性化合物の中でも、強アルカリ性であることから、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
中和後のpHは、取り扱い性に優れることから、6〜8が好ましい。
アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水溶液等が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのアルカリ性化合物の中でも、強アルカリ性であることから、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
中和後のpHは、取り扱い性に優れることから、6〜8が好ましい。
ポリオルガノシロキサンは、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすいことから、粒子であることが好ましい。
ポリオルガノシロキサンの質量平均粒子径は、0.01μm〜0.3μmが好ましく、0.04μm〜0.1μmがより好ましい。ポリオルガノシロキサンの質量平均粒子径が0.01μm以上であると、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすい。また、ポリオルガノシロキサンの質量平均粒子径が0.3μm以下であると、成形体の透明性に優れ、応力による白化部分の視認性に優れる。
尚、本明細書において、質量平均粒子径は、標準試料としてポリスチレン粒子を用い、キャピラリー式粒度分布計を用いて測定した値とする。
ポリオルガノシロキサンの質量平均粒子径は、0.01μm〜0.3μmが好ましく、0.04μm〜0.1μmがより好ましい。ポリオルガノシロキサンの質量平均粒子径が0.01μm以上であると、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすい。また、ポリオルガノシロキサンの質量平均粒子径が0.3μm以下であると、成形体の透明性に優れ、応力による白化部分の視認性に優れる。
尚、本明細書において、質量平均粒子径は、標準試料としてポリスチレン粒子を用い、キャピラリー式粒度分布計を用いて測定した値とする。
単量体組成物(b1)中の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の架橋性単量体等が挙げられる。これらの単量体組成物A中の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの単量体組成物(b1)中の単量体の中でも、生産性に優れることから、炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート、芳香族ビニル、架橋性単量体が好ましく、炭素数1〜8のアルキルアクリレート、芳香族ビニル、架橋性単量体がより好ましい。
炭素数1〜8のアルキルアクリレートの中でも、乳化重合に適していることから、n−ブチルアクリレートが好ましい。
芳香族ビニルの中でも、乳化重合に適していることから、スチレンが好ましい。
架橋性単量体の中でも、乳化重合に適していることから、アリルメタクリレートが好ましい。
炭素数1〜8のアルキルアクリレートの中でも、乳化重合に適していることから、n−ブチルアクリレートが好ましい。
芳香族ビニルの中でも、乳化重合に適していることから、スチレンが好ましい。
架橋性単量体の中でも、乳化重合に適していることから、アリルメタクリレートが好ましい。
単量体組成物(b2)中の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の架橋性単量体等が挙げられる。これらの単量体組成物(b2)中の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの単量体組成物(b2)中の単量体の中でも、生産性に優れることから、炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート、芳香族ビニル、架橋性単量体が好ましく、炭素数1〜8のアルキルアクリレート、芳香族ビニル、架橋性単量体がより好ましい。
炭素数1〜8のアルキルアクリレートの中でも、乳化重合に適していることから、n−ブチルアクリレートが好ましい。
芳香族ビニルの中でも、乳化重合に適していることから、スチレンが好ましい。
架橋性単量体の中でも、乳化重合に適していることから、アリルメタクリレートが好ましい。
炭素数1〜8のアルキルアクリレートの中でも、乳化重合に適していることから、n−ブチルアクリレートが好ましい。
芳香族ビニルの中でも、乳化重合に適していることから、スチレンが好ましい。
架橋性単量体の中でも、乳化重合に適していることから、アリルメタクリレートが好ましい。
単量体組成物(b1)と単量体組成物(b2)は、単量体種類やその含有率が同一であってもよく、異なってもよい。
複合ゴムの具体的な製造方法としては、例えば、ポリオルガノシロキサンの存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物(b1)を一括添加して含浸させた後に、重合開始剤を添加して高温下で単量体組成物(b1)を重合し、次いで架橋性単量体を含む単量体組成物(b2)を一定速度で連続的に滴下して添加して、単量体組成物(b2)を重合する方法が挙げられる。
単量体組成物の添加方法は、シリコーンゴムとアクリルゴムとの複合化ができ、肥大化工程を経ることなくゴム層の質量平均粒子径を上げることができることから、単量体組成物(b1)を一括添加し、単量体組成物(b2)を滴下して添加する方法が好ましい。
重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸化合物;過塩素酸化合物、過ホウ酸化合物、過酸化物と還元性スルホキシ化合物との組み合わせたレドックス系開始剤等が挙げられる。これらの重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの重合開始剤の中でも、生産安定性に優れることから、過酸化物と還元性スルホキシ化合物との組み合わせたレドックス系開始剤が好ましい。
これらの重合開始剤は、単量体組成物(b1)の重合に限らず、単量体組成物(b2)の重合、単量体組成物(b3)の重合にも用いることができる。
これらの重合開始剤は、単量体組成物(b1)の重合に限らず、単量体組成物(b2)の重合、単量体組成物(b3)の重合にも用いることができる。
重合安定性を維持するために、複合ゴムの製造に乳化剤を用いてもよい。
乳化剤としては、例えば、アニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤等が挙げられる。これらの乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの乳化剤の中でも、重合安定性に優れることから、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤が好ましく、アニオン系乳化剤がより好ましい。
乳化剤としては、例えば、アニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤等が挙げられる。これらの乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの乳化剤の中でも、重合安定性に優れることから、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤が好ましく、アニオン系乳化剤がより好ましい。
アニオン系乳化剤としては、例えば、オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム等のカルボン酸塩;アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸カルシウム等のリン酸エステル塩等が挙げられる。これらのアニオン系乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのアニオン系乳化剤の中でも、耐金属腐食性に優れることから、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸カルシウムが好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウムがより好ましい。
ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル等が挙げられる。これらのノニオン系乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのノニオン系乳化剤の中でも、入手しやすいことから、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
ゴム層の質量平均粒子径は、0.10μm〜0.50μmが好ましく、0.15μm〜0.40μmがより好ましい。ゴム層の質量平均粒子径が0.10μm以上であると、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすい。また、ゴム層の質量平均粒子径が0.50μm以下であると、成形体の外観に優れる。
ゴム層の質量平均粒子径の変動係数は、1%〜20%が好ましく、2%〜15%がより好ましい。ゴム層の質量平均粒子径の変動係数が1%以上であると、生産性に優れる。また、ゴム層の質量平均粒子径の変動係数が20%以下であると、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすい。
ゴム層の質量平均粒子径は、単分散であっても、複分散であってもよいが、樹脂組成物の溶融時の流動性に優れることから、単分散が好ましい。
グラフト重合体は、メタクリル樹脂との相溶性に優れることから、ゴム層の外周にグラフト層を有するものが好ましい。
グラフト重合体の製造方法は、構造の安定性に優れることから、ゴム層を得た後、単量体組成物(b3)を添加して重合する方法が好ましい。
グラフト重合体の製造方法は、構造の安定性に優れることから、ゴム層を得た後、単量体組成物(b3)を添加して重合する方法が好ましい。
単量体組成物(b3)中の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル等が挙げられる。これらの単量体組成物(b3)中の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの単量体組成物(b3)中の単量体の中でも、メタクリル樹脂との相溶性に優れることから、炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート、芳香族ビニル、シアン化ビニルが好ましく、炭素数1〜8のアルキルメタクリレート、炭素数1〜8のアルキルアクリレートがより好ましい。
炭素数1〜8のアルキルメタクリレートの中でも、成形体の透明性に優れ、応力による白化部分の視認性に優れることから、メチルメタクリレートが好ましい。
炭素数1〜8のアルキルアクリレートの中でも、成形体の熱安定性に優れることから、メチルアクリレートが好ましい。
炭素数1〜8のアルキルメタクリレートの中でも、成形体の透明性に優れ、応力による白化部分の視認性に優れることから、メチルメタクリレートが好ましい。
炭素数1〜8のアルキルアクリレートの中でも、成形体の熱安定性に優れることから、メチルアクリレートが好ましい。
単量体組成物(b3)の添加方法は、重合安定性に優れることから、滴下して添加する方法が好ましい。
重合安定性を維持するために、単量体組成物(b3)の重合時に乳化剤を用いてもよい。
乳化剤は、前述した複合ゴムの製造に用いる乳化剤と同様の乳化剤を用いることができる。
乳化剤は、前述した複合ゴムの製造に用いる乳化剤と同様の乳化剤を用いることができる。
グラフト重合体の分子量やグラフト化率を調整するために、単量体組成物(b3)の重合時に連鎖移動剤を用いてもよい。
連鎖移動剤としては、例えば、1−ブタンチオール、1−オクタンチオール、2−オクタンチオール、tert−ドデカンチオール等の硫黄化合物;α―メチルスチレン二量体等が挙げられる。これらの連鎖移動剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの連鎖移動剤の中でも、低臭性に優れることから、1−オクタンチオール、2−オクタンチオールが好ましく、1−オクタンチオールがより好ましい。
連鎖移動剤としては、例えば、1−ブタンチオール、1−オクタンチオール、2−オクタンチオール、tert−ドデカンチオール等の硫黄化合物;α―メチルスチレン二量体等が挙げられる。これらの連鎖移動剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの連鎖移動剤の中でも、低臭性に優れることから、1−オクタンチオール、2−オクタンチオールが好ましく、1−オクタンチオールがより好ましい。
ゴム層とグラフト層の含有率は、グラフト重合体100質量%中、ゴム層50質量%〜95質量%、グラフト層5質量%〜50質量%が好ましく、ゴム層60質量%〜80質量%、グラフト層20質量%〜40質量%がより好ましい。ゴム層が50質量%以上、グラフト層が50質量%以下であると、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすい。また、ゴム層が95質量%以下、グラフト層が5質量%以上であると、メタクリル樹脂とグラフト重合体との相溶性に優れ、成形体の透明性に優れ、応力による白化部分の視認性に優れる。
ポリオルガノシロキサンの含有率は、グラフト重合体100質量%中、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.15質量%〜0.3質量%がより好ましい。ポリオルガノシロキサンの含有率が0.1質量%以上であると、生産性に優れる。また、ポリオルガノシロキサンの含有率が10質量%以下であると、成形体の透明性に優れ、応力による白化部分の視認性に優れる。
炭素数1〜8のアルキルアクリレート(n−ブチルアクリレート)由来の繰り返し単位及び芳香族ビニル(スチレン)由来の繰り返し単位の合計の含有率は、グラフト重合体100質量%中、50質量%以上が好ましく、50質量%〜90質量%がより好ましく、60質量%〜80質量%が更に好ましい。炭素数1〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位及び芳香族ビニル由来の繰り返し単位の合計の含有率が50質量%以上であると、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすい。また、炭素数1〜8のアルキルアクリレート由来の繰り返し単位及び芳香族ビニル由来の繰り返し単位の合計の含有率が90質量%以下であると、メタクリル樹脂との相溶性に優れる。
グラフト重合体のラテックスを粉体化する方法としては、例えば、噴霧乾燥法、凝固法等が挙げられる。これらのグラフト重合体のラテックスを粉体化する方法の中でも、粉体の取り扱い性に優れることから、凝固法が好ましい。
噴霧乾燥法は、重合体のラテックスを乾燥機中に微小液滴状に噴霧し、これに乾燥用加熱ガスをあてて乾燥する方法である。
微小液滴を発生する方法としては、例えば、回転円盤型式、圧力ノズル式、二流体ノズル式、加圧二流体ノズル式等が挙げられる。これらの微小液滴を発生する方法の中でも、生産安定性に優れることから、加圧二流体ノズル式が好ましい。
乾燥用加熱ガスの温度は、生産性に優れることから、110℃〜200℃が好ましく、120℃〜180℃がより好ましい。
乾燥用加熱ガスの温度は、生産性に優れることから、110℃〜200℃が好ましく、120℃〜180℃がより好ましい。
噴霧乾燥機の容量は、実験室で用いるような小規模な容量であっても、工業的に用いるような大規模な容量であってもよい。
噴霧乾燥の際のブロッキングや嵩比重等の粉体特性を向上させるために、重合体のラテックスに、シリカ等の添加剤を添加して噴霧乾燥してもよい。
噴霧乾燥の際のブロッキングや嵩比重等の粉体特性を向上させるために、重合体のラテックスに、シリカ等の添加剤を添加して噴霧乾燥してもよい。
凝固法は、凝固剤を溶解した熱水中に重合体のラテックスを投入し、グラフト重合体を塩析又は酸析した後、固化することにより分離し、次いで分離した湿潤状の重合体を脱水し、更に、圧搾脱水機や熱風乾燥機等を用いて乾燥する方法である。
凝固剤としては、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム等の無機塩;硫酸等の酸等が挙げられる。これらの凝固剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用する場合、水に不溶性の塩を形成しない組み合わせを選択することが好ましい。
凝固剤水溶液の濃度は、0.1質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。凝固剤水溶液の濃度が0.1質量%であると、重合体の粉体を安定して得ることができる。また、凝固剤水溶液の濃度が20質量%以下であると、重合体中に残存する凝固剤の量を少なくすることができる。
凝固剤水溶液の濃度は、0.1質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。凝固剤水溶液の濃度が0.1質量%であると、重合体の粉体を安定して得ることができる。また、凝固剤水溶液の濃度が20質量%以下であると、重合体中に残存する凝固剤の量を少なくすることができる。
重合体のラテックスを凝固剤水溶液に接触させる方法としては、例えば、凝固剤水溶液を攪拌しながら、その中に重合体のラテックスを連続的に添加して一定時間保持する方法、凝固剤水溶液と重合体のラテックスとを一定の比率で攪拌しながら連続的に注入して接触させ、凝析された重合体と水とを含む混合物を容器から連続的に抜き出す方法等が挙げられる。これらの重合体のラテックスを凝固剤水溶液に接触させる方法の中でも、生産性に優れることから、凝固剤水溶液と重合体のラテックスとを一定の比率で攪拌しながら連続的に注入して接触させ、凝析された重合体と水とを含む混合物を容器から連続的に抜き出す方法が好ましい。
凝固剤水溶液の量は、重合体のラテックス100質量部に対して、10質量部〜500質量部が好ましく、100質量部〜400質量部がより好ましい。凝固剤水溶液の量が10質量部以上であると、凝固性に優れる。また、凝固剤水溶液の量が500質量部以下であると、生産性に優れる。
重合体のラテックスを凝固剤水溶液に接触させる際の温度は、生産安定性に優れることから、30℃〜100℃が好ましく、45℃〜90℃がより好ましい。
乾燥温度や乾燥時間等の乾燥条件は、得られたグラフト重合体によって、適宜設定すればよい。
凝固剤水溶液の量は、重合体のラテックス100質量部に対して、10質量部〜500質量部が好ましく、100質量部〜400質量部がより好ましい。凝固剤水溶液の量が10質量部以上であると、凝固性に優れる。また、凝固剤水溶液の量が500質量部以下であると、生産性に優れる。
重合体のラテックスを凝固剤水溶液に接触させる際の温度は、生産安定性に優れることから、30℃〜100℃が好ましく、45℃〜90℃がより好ましい。
乾燥温度や乾燥時間等の乾燥条件は、得られたグラフト重合体によって、適宜設定すればよい。
樹脂(B)の屈折率nBは、汎用単量体を用いることができ、生産性に優れることから、1.40〜1.60が好ましく、1.45〜1.55がより好ましい。
(樹脂組成物)
樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、応力を負荷させた際の密度の低下率が熱可塑性樹脂(A)とは異なる樹脂(B)とを含む。
樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、応力を負荷させた際の密度の低下率が熱可塑性樹脂(A)とは異なる樹脂(B)とを含む。
熱可塑性樹脂(A)の含有率は、樹脂組成物100質量%中、70質量%〜99質量%であり、75質量%〜98質量%が好ましく、80質量%〜97質量%がより好ましい。熱可塑性樹脂(A)の含有率が70質量%以上であると、樹脂組成物の生産性に優れる。また、熱可塑性樹脂(A)の含有率が99質量%以下であると、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすい。
樹脂(B)の含有率は、樹脂組成物100質量%中、1質量%〜30質量%であり、2質量%〜25質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましい。樹脂(B)の含有率が1質量%以上であると、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握しやすい。また、樹脂(B)の含有率が30質量%以下であると、樹脂組成物の生産性に優れる。
樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と樹脂(B)以外にも、他の添加剤を含んでもよい。
他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、離型剤、顔料や染料等の着色剤等が挙げられる。これらの他の添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の添加剤の含有率は、熱可塑性樹脂(A)本来の性能を損なわないことから、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、離型剤、顔料や染料等の着色剤等が挙げられる。これらの他の添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の添加剤の含有率は、熱可塑性樹脂(A)本来の性能を損なわないことから、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)、樹脂(B)、必要に応じて、他の添加剤を混合して得られる。
混合方法としては、例えば、押出成形機を用いた溶融混練、2本ロールを用いた混練等が挙げられる。これらの混合方法の中でも、連続生産性に優れることから、押出成形機を用いた溶融混練が好ましい。
溶融混練の温度は、180℃〜280℃が好ましく、200℃〜260℃がより好ましい。混練温度が180℃以上であると、生産性に優れる。また、混練温度が280℃以下であると、熱分解を抑制することができる。
混合方法としては、例えば、押出成形機を用いた溶融混練、2本ロールを用いた混練等が挙げられる。これらの混合方法の中でも、連続生産性に優れることから、押出成形機を用いた溶融混練が好ましい。
溶融混練の温度は、180℃〜280℃が好ましく、200℃〜260℃がより好ましい。混練温度が180℃以上であると、生産性に優れる。また、混練温度が280℃以下であると、熱分解を抑制することができる。
本発明の応力検知方法は、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握できることから、成形条件(温度、負荷する圧力、金型や流路の形状等)の最適化検討等に有用である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(質量平均粒子径評価)
ゴム層の重合が完了した直後のラテックスを抽出し、約3質量%まで水で希釈した。希釈したラテックス0.1mlを試料とし、粒度分布計(機種名「CHDF2000型」、MATEC社製)を用い、ゴム層の質量平均粒子径を測定した。具体的には、専用の粒子分離用キャピラリー式カートリッジ、キャリア液を用い、液性をほぼ中性、流速1.4ml/分、圧力を約4000psi、温度35℃の条件とした。標準粒子径物質として、粒子径既知の単分散ポリスチレン(DUKE社製)を20nm〜800nmの範囲で合計12点用いた。
変動係数は、ゴム層の質量平均粒子径の測定結果の標準偏差をゴム層の質量平均粒子径で除し、100をかけた値(%)とした。
ゴム層の重合が完了した直後のラテックスを抽出し、約3質量%まで水で希釈した。希釈したラテックス0.1mlを試料とし、粒度分布計(機種名「CHDF2000型」、MATEC社製)を用い、ゴム層の質量平均粒子径を測定した。具体的には、専用の粒子分離用キャピラリー式カートリッジ、キャリア液を用い、液性をほぼ中性、流速1.4ml/分、圧力を約4000psi、温度35℃の条件とした。標準粒子径物質として、粒子径既知の単分散ポリスチレン(DUKE社製)を20nm〜800nmの範囲で合計12点用いた。
変動係数は、ゴム層の質量平均粒子径の測定結果の標準偏差をゴム層の質量平均粒子径で除し、100をかけた値(%)とした。
(屈折率測定)
実施例・比較例で用いた原材料の屈折率を、アッベ屈折計((株)島津製作所製)を用いて、23℃でナトリウムD線により測定した。
実施例・比較例で用いた原材料の屈折率を、アッベ屈折計((株)島津製作所製)を用いて、23℃でナトリウムD線により測定した。
(応力検知性能評価)
実施例・比較例で得られた樹脂組成物のペレットについて、シリンダー温度250℃の条件で、射出成形機(機種名「EC20PNII」、東芝機械(株)製)を用いて射出成形し、ISO294記載の多目的試験片タイプA1の成形体を得た。得られた成形体を、金型から取り出した直後に15℃の水中に入れ、15分間保持する処理を行った。
処理後の成形体について、以下のように目視で評価した。
○:成形体中の応力を有する部分が白化した。
×:成形体中に白化する部分が確認されなかった。
実施例・比較例で得られた樹脂組成物のペレットについて、シリンダー温度250℃の条件で、射出成形機(機種名「EC20PNII」、東芝機械(株)製)を用いて射出成形し、ISO294記載の多目的試験片タイプA1の成形体を得た。得られた成形体を、金型から取り出した直後に15℃の水中に入れ、15分間保持する処理を行った。
処理後の成形体について、以下のように目視で評価した。
○:成形体中の応力を有する部分が白化した。
×:成形体中に白化する部分が確認されなかった。
(透明性評価)
実施例・比較例で得られた樹脂組成物のペレットについて、シリンダー温度250℃の条件で、射出成形機(機種名「EC20PNII」、東芝機械(株)製)を用いて射出成形し、長さ50mm、幅50mm、厚さ3mmの成形体を得た。得られた成形体について、ヘイズメータ(機種名「NDH4000」、日本電色工業(株)製)を用い、全光線透過率とヘイズを測定した。全光線透過率は、ISO13468−1に準拠して測定し、ヘイズは、ISO14782に準拠して測定した。
実施例・比較例で得られた樹脂組成物のペレットについて、シリンダー温度250℃の条件で、射出成形機(機種名「EC20PNII」、東芝機械(株)製)を用いて射出成形し、長さ50mm、幅50mm、厚さ3mmの成形体を得た。得られた成形体について、ヘイズメータ(機種名「NDH4000」、日本電色工業(株)製)を用い、全光線透過率とヘイズを測定した。全光線透過率は、ISO13468−1に準拠して測定し、ヘイズは、ISO14782に準拠して測定した。
(原材料)
実施例・比較例で用いた各原材料を、以下に示す。
熱可塑性樹脂(A1):「アクリペットVH」(商品名、三菱レイヨン(株)製、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を95質量%以上含むメタクリル樹脂、屈折率1.492)
樹脂(B1):後述する製造例1で製造したグラフト重合体(屈折率1.490)
樹脂(B2):「メタブレンS−2001」(商品名、三菱レイヨン(株)製、ポリオルガノシロキサンを含むグラフト重合体、屈折率1.464)
樹脂(B3):「メタブレンW−377」(商品名、三菱レイヨン(株)製、ポリオルガノシロキサンを含まないグラフト重合体、屈折率1.490)
実施例・比較例で用いた各原材料を、以下に示す。
熱可塑性樹脂(A1):「アクリペットVH」(商品名、三菱レイヨン(株)製、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を95質量%以上含むメタクリル樹脂、屈折率1.492)
樹脂(B1):後述する製造例1で製造したグラフト重合体(屈折率1.490)
樹脂(B2):「メタブレンS−2001」(商品名、三菱レイヨン(株)製、ポリオルガノシロキサンを含むグラフト重合体、屈折率1.464)
樹脂(B3):「メタブレンW−377」(商品名、三菱レイヨン(株)製、ポリオルガノシロキサンを含まないグラフト重合体、屈折率1.490)
(成分の略称)
実施例・比較例で用いた各成分について、以下に略称を示す。
DMC:環状オルガノシロキサン混合物(「DMC」(商品名)、信越シリコーン(株)製)
MPMDMS:3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
MMA:メチルメタクリレート
BA:n−ブチルアクリレート
ST:スチレン
AMA:アリルメタクリレート
MA:メチルアクリレート
n−OM:n−オクチルメルカプタン
t−BH:t−ブチルハイドロパーオキサイド
CHP:クメンハイドロパーオキサイド
FE:硫酸第一鉄七水和物
EDTA:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
SFS:ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
RS:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルナトリウム(「フォスファノールRS610NA」(商品名)、東邦化学(株)製)
DBSH:ドデシルベンゼンスルホン酸
DBSNa:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
DW:脱イオン水
実施例・比較例で用いた各成分について、以下に略称を示す。
DMC:環状オルガノシロキサン混合物(「DMC」(商品名)、信越シリコーン(株)製)
MPMDMS:3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
MMA:メチルメタクリレート
BA:n−ブチルアクリレート
ST:スチレン
AMA:アリルメタクリレート
MA:メチルアクリレート
n−OM:n−オクチルメルカプタン
t−BH:t−ブチルハイドロパーオキサイド
CHP:クメンハイドロパーオキサイド
FE:硫酸第一鉄七水和物
EDTA:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
SFS:ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
RS:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルナトリウム(「フォスファノールRS610NA」(商品名)、東邦化学(株)製)
DBSH:ドデシルベンゼンスルホン酸
DBSNa:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
DW:脱イオン水
[製造例1]樹脂(B1)の製造
DMC98.04質量部及びMPMDMS1.96質量部を混合し、オルガノシロキサン混合物100質量部を得た。得られたオルガノシロキサン混合物にDBSNa0.68質量部を溶解したDW313質量部を添加し、ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌した後、300kg/cm2の圧力でホモジナイザーに2回通し、安定な予備混合エマルションを得た。温度計、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、DBSH14質量部及びDW92質量部を添加し、DBSH水溶液を調製した。調製したDBSH水溶液を85℃に加熱した状態で、得られた予備混合エマルション全量を8時間に亘って滴下した。滴下終了後、温度を2時間維持し冷却した。次いで、得られた反応物を5%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ポリオルガノシロキサンラテックスを得た。
DMC98.04質量部及びMPMDMS1.96質量部を混合し、オルガノシロキサン混合物100質量部を得た。得られたオルガノシロキサン混合物にDBSNa0.68質量部を溶解したDW313質量部を添加し、ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌した後、300kg/cm2の圧力でホモジナイザーに2回通し、安定な予備混合エマルションを得た。温度計、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、DBSH14質量部及びDW92質量部を添加し、DBSH水溶液を調製した。調製したDBSH水溶液を85℃に加熱した状態で、得られた予備混合エマルション全量を8時間に亘って滴下した。滴下終了後、温度を2時間維持し冷却した。次いで、得られた反応物を5%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ポリオルガノシロキサンラテックスを得た。
次いで、温度計、窒素導入管、冷却管及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコを水浴内に設置し、DW250質量部を添加した。ポリオルガノシロキサンラテックス1.20質量部(ポリオルガノシロキサンラテックス1.20質量部中、ポリオルガノシロキサン成分0.20質量部)、BA4.03質量部、ST0.92質量部、AMA0.05質量部及びt−BH0.02質量部を添加し、セパラブルフラスコに窒素気流を通じて窒素置換を行った。液温を50℃に昇温させ、FE0.000025質量部、EDTA0.000075質量部、SFS0.050質量部をDW1.3質量部に溶解させた重合触媒水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させた。その後、液温を80℃に昇温させ、90分間保持した。
次いで、SFS0.15質量部をDW0.63質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、BA26.16質量部、ST5.98質量部、AMA0.26質量部、CHP0.10質量部及びRS0.07質量部を混合した単量体混合物を210分に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で90分間保持した。その後、SFS0.15質量部をDW0.63質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、BA26.16質量部、ST5.98質量部、AMA0.26質量部、CHP0.10質量部及びRS0.07質量部を混合した単量体混合物を210分に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で90分間保持し、ゴム層のラテックスを得た。得られたゴム層の質量平均粒子径は0.23μm、変動係数は7%であった。
次いで、得られたゴム層のラテックスに、SFS0.15質量部をDW1.3質量部に溶解させた還元剤水溶液を添加し、MMA28.80質量部、MA1.20質量部、n−OM0.15質量部、t−BH0.10質量部及びRS0.08質量部を混合した単量体混合物を150分間に亘って滴下した。滴下終了後、80℃で60分間保持し、グラフト重合体のラテックスを得た。
次いで、プラスチック容器に1.0質量%の酢酸カルシウム水溶液300質量部を添加し、液温を55℃に昇温させ、得られたグラフト重合体のラテックスを10分に亘って滴下した。滴下終了後、95℃に昇温させ、5分間保持した。その後、25℃まで冷却し、DWで洗浄しながら遠心脱水(回転速度1800rpm、1分間)し、湿潤状のグラフト重合体を得て、更に、75℃で24時間乾燥させて、グラフト重合体である樹脂(B1)の粉体を得た。
[実施例1〜3、比較例1〜4]
熱可塑性樹脂(A)と樹脂(B)とを、表1に示す割合で配合し、この配合物100質量部に対し、リン系酸化防止剤0.1質量部(「アデカスタブ2112」(商品名)、(株)ADEKA製)及びフェノール系酸化防止剤0.5質量部(「AO−60」(商品名)、(株)ADEKA製)を配合し、外径30mmφの二軸スクリュー型押出機(「PCM−30型」(機種名)、(株)池貝製、L/D=25)に供給し、シリンダー温度250℃、ダイ温度250℃で溶融混練して、樹脂組成物のペレットを得た。
得られた樹脂組成物のペレットを用い、各種評価を行った。評価結果を、表1に示す。
また、実施例1の応力検知性能評価で用いた処理後の成形体の写真を図1に、実施例3の応力検知性能評価で用いた処理後の成形体の写真を図2に、比較例1の応力検知性能評価で用いた処理後の成形体の写真を図3に、比較例2の応力検知性能評価で用いた処理後の成形体の写真を図4に示す。尚、背景を黒色としたため、黒色部分が透明の部分、白色部分が白化した部分である。
熱可塑性樹脂(A)と樹脂(B)とを、表1に示す割合で配合し、この配合物100質量部に対し、リン系酸化防止剤0.1質量部(「アデカスタブ2112」(商品名)、(株)ADEKA製)及びフェノール系酸化防止剤0.5質量部(「AO−60」(商品名)、(株)ADEKA製)を配合し、外径30mmφの二軸スクリュー型押出機(「PCM−30型」(機種名)、(株)池貝製、L/D=25)に供給し、シリンダー温度250℃、ダイ温度250℃で溶融混練して、樹脂組成物のペレットを得た。
得られた樹脂組成物のペレットを用い、各種評価を行った。評価結果を、表1に示す。
また、実施例1の応力検知性能評価で用いた処理後の成形体の写真を図1に、実施例3の応力検知性能評価で用いた処理後の成形体の写真を図2に、比較例1の応力検知性能評価で用いた処理後の成形体の写真を図3に、比較例2の応力検知性能評価で用いた処理後の成形体の写真を図4に示す。尚、背景を黒色としたため、黒色部分が透明の部分、白色部分が白化した部分である。
表や図面からも分かるように、実施例1〜3で得られた樹脂組成物は、応力検知性能を有した。特に、実施例1〜2で得られた樹脂組成物を用いた成形体は、透明性が高いため、透明の部分と白色の部分とのコントラストが明確で、応力を有する部分がより明確であった。
一方、比較例1〜4で得られた樹脂組成物は、応力検知性能を有さなかった。
一方、比較例1〜4で得られた樹脂組成物は、応力検知性能を有さなかった。
本発明の応力検知方法は、応力の有無を簡易に判別でき、応力の発生しやすい部分を把握できることから、成形条件(温度、負荷する圧力、金型や流路の形状等)の最適化検討等に有用である。
Claims (13)
- 熱可塑性樹脂(A)と、
応力を負荷させた際の密度の低下率が熱可塑性樹脂(A)とは異なる樹脂(B)と、
を含む樹脂組成物を成形し、
得られた成形体の白化した部分について応力が負荷された部分と判断する、
応力検知方法。 - 前記熱可塑性樹脂(A)が、メタクリル樹脂である、請求項1に記載の応力検知方法。
- 前記樹脂(B)が、グラフト重合体である、請求項1又は2に記載の応力検知方法。
- 前記グラフト重合体が、ゴム層を有し、
前記ゴム層が、ポリオルガノシロキサンを含む、
請求項3に記載の応力検知方法。 - 前記グラフト重合体中のポリオルガノシロキサンの含有率が、0.1質量%〜3.0質量%である、請求項4に記載の応力検知方法。
- 前記樹脂組成物中の前記熱可塑性樹脂(A)の含有率が、70質量%〜99質量%であり、
前記樹脂組成物中の前記樹脂(B)の含有率が、1質量%〜30質量%である、
請求項1〜5のいずれかに記載の応力検知方法。 - 前記熱可塑性樹脂(A)の屈折率nAと前記樹脂(B)の屈折率nBとの差が、0.02以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の応力検知方法。
- 成形方法が、射出成形である、請求項1〜7のいずれかに記載の応力検知方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の応力検知方法に用いる、熱可塑性樹脂(A)と、応力を負荷させた際の密度の低下率が熱可塑性樹脂(A)とは異なる樹脂(B)と、を含む樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂(A)が、メタクリル樹脂である、請求項9に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂(B)が、グラフト重合体である、請求項9又は10に記載の樹脂組成物。
- 請求項11に記載の樹脂組成物の製造方法であって、
ポリオルガノシロキサン存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物(b1)を含浸させた後に重合し、
得られた重合体存在下で、架橋性単量体を含む単量体組成物(b2)を添加して重合を行い、ゴム層を得て、
得られたゴム層存在下で、単量体組成物(b3)を添加して重合を行い、グラフト重合体を得る、
樹脂組成物の製造方法。 - 単量体組成物(b1)が、n−ブチルアクリレート、スチレン及びアリルメタクリレートを含み、
単量体組成物(b2)が、n−ブチルアクリレート、スチレン及びアリルメタクリレートを含み、
単量体組成物(b3)が、メチルメタクリレート及びメチルアクリレートを含む、
請求項12に記載の樹脂組成物の製造方法。
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