JP2016221639A - 棒材供給機及び棒材供給方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】棒材(W)を棒材加工機(4)に供給する棒材供給機(2)は、棒材の後端部を把持するフィンガーチャック(12b)を備える、棒材を棒材加工機に対して移動させるための送り矢(12)と、送り矢を棒材加工機に対して前後に駆動するモータ(16)と、棒材加工機による棒材の加工中、棒材の撓みを除くため、棒材に対して引張力を与えるように、送り矢を棒材加工機から後退させる方向にモータを制御するコントローラ(46)と、を有する。
【選択図】図5
Description
また、棒材加工開始時に棒材の撓みを除去できたとしても、主軸移動型棒材加工機の主軸台と連動して棒材送り部材を移動させる際に、送り部材用無端部材や棒材送り部材の慣性モーメントや機械的な遊びにより、棒材送り部材の動きを主軸台の動きに完全に追随させることができず、それによって棒材に撓みが生じる場合もある。
このように構成された本発明においては、棒材送り部材を棒材加工機に向かって付勢する従来の棒材供給機とは異なり、駆動制御手段は、棒材の加工中、棒材送り部材を棒材加工機から後退させる方向に駆動手段を制御するので、棒材の加工が行われている間、棒材の後端部が棒材送り部材によって棒材加工機から離れる方向に引っ張られ続ける。これにより、棒材の撓みを常に除去した状態で加工を行うことができる。
このように構成された本発明においては、棒材加工機の主軸と連動して棒材送り部材を移動させる際に、送り部材用伝動装置及び/又は連動手段の慣性モーメントや機械的な遊びにより棒材送り部材の動きが主軸の動きに完全に追随していない場合でも、棒材の加工が行われている間、棒材送り部材によって棒材の後端部を棒材加工機から離れる方向に引っ張り続けることにより、棒材の撓みを常に除去した状態で加工を行うことができる。
このように構成された本発明においては、主軸固定型棒材加工機に棒材を供給する場合においても、棒材の撓みを常に除去した状態で加工を行うことができる。
より好ましくは、把持部材の外径は、フィンガーチャックケースの中空部の内径よりも小さく、把持部材の外周面とフィンガーチャックケースの中空部の内周面との間に所定の隙間が形成されるようになっている。また、把持部材の長手方向の長さは、フィンガーチャックケースの中空部内における把持部材の長手方向の移動を規制する前端部と後端部との距離よりも短く、フィンガーチャックケースの中空部内において把持部材の前後に所定の隙間が形成されるようになっている。
このように構成された本発明においては、把持部材の外周面とフィンガーチャックケースの中空部の内周面との間に所定の隙間が形成されていることにより、把持部材がフィンガーチャックケースの中空部内で棒材と共に回転可能となっているので、棒材を高速回転させた場合においても、その高速回転に十分追随して把持部材を回転させることができ、棒材にねじれが生じることを防止できる。また、把持部材の前後に所定の隙間が形成されているので、棒材が棒材加工機から棒材送り部材に向かって押し戻されたとしても、棒材の後端を把持した把持部材がフィンガーチャックケースの中空部内において所定の隙間の分だけ後方へ移動することができ、棒材に撓みが生じることを抑制できる。
このように構成された本発明においては、把持部材の開口部の前端側の内径は、フィンガーチャックケースの開口部の後端側の内径よりも大きいので、フィンガーチャックケースの開口部を介して把持部材の開口部に棒材を差し込むときに、把持部材の前端部が棒材に干渉することを防止できる。
まず、図1乃至図4により、本発明の実施形態による棒材供給機の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態による棒材供給機の斜視図であり、図2は、本発明の実施形態による送り矢の概略側面図であり、図3は、本発明の実施形態によるフィンガーチャックの詳細を示す図であり、図4は、本発明の実施形態による連動手段の詳細を示す図である。
更に、チャックジョイント20の前端部20cから中空部20a内に回転軸24が挿入され、この回転軸24の後端面が最前方の鋼球20bの前端部に当接するようになっている。回転軸24の外径はチャックジョイント20の中空部20aの内径よりも小さく、回転軸24が中空部20a内で自由に回転可能となっている。回転軸24がチャックジョイント20の中空部20aに挿入された状態において、チャックジョイント20の内周面に形成された突起部20dが回転軸24の外周面に形成された凹部24aに嵌まり込むことにより、回転軸24がチャックジョイント20から離脱することなく回転可能となっている。
チャックジョイント20の前端部20cから突出した回転軸24は、フィンガーチャックケース26の後端部26aから中空部26b内に挿入される。回転軸24がフィンガーチャックケース26の中空部26bに挿入された状態において、フィンガーチャックケース26の円筒壁面に形成されたピン孔26cと、回転軸24の前端部近傍に形成されたピン孔24bとを貫通するように固定ピン30を挿通することにより、フィンガーチャックケース26が回転軸24に固定される。
更に、フィンガーチャックケース26の中空部26bには、複数(例えば2個)の鋼球32が回転軸24の前端面から長手方向に沿って直列に並ぶように収容されている。これらの鋼球32の外径はフィンガーチャックケース26の中空部26bの内径よりも小さく、鋼球32が中空部26b内で自由に回転可能となっている。
また、フィンガーチャックケース26の前端部には、棒材Wの後端部を中空部26b内へ受け入れるための前端開口部26dが形成されており、この前端開口部26dは、内径が前方に向かって拡大するテーパ状に形成されている。
図3に詳細に示すように、弾性フィンガーチャック28の前端部には、棒材Wの後端部が差し込まれる前端開口部28aが形成されており、この前端開口部28aは、内径が前方に向かって拡大するテーパ状に形成されている。この弾性フィンガーチャック28の前端部28bの外径は、フィンガーチャックケース26の前端開口部26dの最小内径(即ち前端開口部26dの後端部の内径)よりも大きく、これにより、フィンガーチャックケース26の中空部26b内における弾性フィンガーチャック28の前方への移動が規制される。また、弾性フィンガーチャック28の前端開口部28aの前端側の内径は、フィンガーチャックケース26の前端開口部26dの後端側の内径よりも大きい。これにより、フィンガーチャックケース26の前端開口部26dを介して弾性フィンガーチャック28の前端開口部28aに棒材Wを差し込むときに、弾性フィンガーチャック28の前端部28bが棒材Wに干渉しないようになっている。
極細(例えば直径1mm未満)の棒材Wを加工中に高速回転(例えば30000rpm)させた場合、この棒材Wと共にフィンガーチャック本体22全体が回転する構造では、フィンガーチャック本体22の慣性モーメントにより、棒材Wの回転に対してフィンガーチャック本体22の回転に遅れが生じ、棒材Wにねじれを生じさせてしまう。しかしながら、本実施形態では、軽量で慣性モーメントの小さい弾性フィンガーチャック28がフィンガーチャックケース26の中空部26b内で棒材Wと共に回転可能となっているので、棒材Wの高速回転に十分追随することができ、棒材Wにねじれが生じることを防止できる。
そして、棒材加工機4のバイト8がストッパ位置に突出すると共に、チャック10が開いた旨の信号が棒材加工機4からコントローラ46に入力されると、コントローラ46は棒材供給処理を開始する。
棒材Wが送り矢12によって棒材加工機4に向かって押し出され、棒材Wの先端が棒材加工機4のバイト8に接触すると、棒材加工機4は、チャック10を閉じて棒材Wを把持すると共に、チャック10を閉じた旨の信号をコントローラ46に出力する。
コントローラ46は、送り矢12を棒材加工機4に向かって前進させる際、棒材Wの先端が棒材加工機4のバイト8に接触したときに棒材Wの先端がバイト8から離れない程度の弱い付勢力で送り矢12を前進させるようにモータ16を制御する。これにより、棒材Wの先端が棒材加工機4のバイト8に接触し、チャック10が閉じて棒材Wが把持された状態では、棒材Wに撓みが生じないようにしている。
そして、チャック10を閉じた旨の信号が入力されると、ステップS3に進み、コントローラ46は、電磁クラッチ44をONとし、変換用プーリー54を駆動軸58に連結する。これにより、主軸台6と送り矢12とが連動可能となる。
棒材Wの加工が終了すると、棒材加工機4は、チャック10を開いて棒材Wを解放すると共に、チャック10を開いた旨の信号をコントローラ46に出力する。
その後、ステップS10に進み、コントローラ46は、モータ16を停止させ、棒材供給処理を終了する。その後、新しい棒材Wが棒材供給機2に供給される度に、上記の棒材供給処理を繰り返し実行する。
例えば、棒材Wの加工開始時(棒材供給処理のステップS1)において、棒材Wを送り矢12によって棒材加工機4に向かって給送するために、正転方向にトルクを発生するようにモータ16を制御したにもかかわらず、棒材Wの給送に必要な距離よりも送り矢12の移動距離が小さい場合、送り矢12の移動不良としてアラームを発生する。
あるいは、棒材Wの加工中に電磁クラッチ44がOFFとされた場合(棒材供給処理のステップS8)、棒材Wの先端はストッパ位置のバイト8に当接しているので、通常であればモータ16によりトルクを発生させても送り矢12は移動しない。それにも関わらず、送り矢12が所定の閾値以上移動した場合には、送り矢12の異常(例えばフィンガーチャック12bからの棒材Wの脱落)が発生したと考えられるので、アラームを発生する。
また、電磁クラッチ44がONとされている場合において、コントローラ46が送り矢12の移動距離を監視し、その移動距離に基づき、電磁クラッチ44の滑り等の異常を報知するアラームを発生するようにしてもよい。
また、ステップS7において正転方向にトルクを発生するようにモータ16を制御し、ステップS8において電磁クラッチ44をOFFとすると説明したが、このステップS7とS8の順序を入れ替えてもよい。
4 主軸移動型棒材加工機
6 主軸台
8 バイト(ストッパ)
10 チャック
12 送り矢(棒材送り部材)
12b フィンガーチャック(把持手段)
14 送り部材用伝動装置
16 モータ(駆動手段)
18 連動手段
22 フィンガーチャック本体
26 フィンガーチャックケース
26b 中空部
26d 前端開口部
28 弾性フィンガーチャック(把持部材)
28a 前端開口部
28b 前端部
34 送り部材用プーリー
36 送り部材用タイミングベルト
42 回転運動変換手段
44 電磁クラッチ(切替手段)
46 コントローラ(駆動制御手段)
W 棒材
Claims (7)
- 棒材を棒材加工機に供給する棒材供給機であって、
棒材の後端部を把持する把持手段を備える、棒材を前記棒材加工機に対して移動させるための棒材送り部材と、
前記棒材送り部材を前記棒材加工機に対して前後に駆動する駆動手段と、
前記棒材加工機による棒材の加工中、棒材の撓みを除くため、棒材に対して引張力を与えるように、前記棒材送り部材を前記棒材加工機から後退させる方向に前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、
を有することを特徴とする棒材供給機。 - 前記棒材加工機は主軸移動型棒材加工機であり、
前記駆動手段によって回転駆動され、その回転運動を直線運動に変換して前記棒材送り部材を前記主軸移動型棒材加工機に対して前進又は後退させる送り部材用伝動装置と、
前記主軸の移動を回転運動に変換する回転運動変換手段と、前記送り部材用伝動装置に対する前記回転運動変換手段による回転運動の伝達及び遮断を切り替える切替手段とを備え、棒材加工中、前記主軸の移動を前記回転運動変換手段により回転運動に変換して前記切替手段を介して前記送り部材用伝動装置に伝達することにより、前記棒材送り部材を前記主軸移動型棒材加工機の主軸の動きと連動させるための連動手段とを有し、
前記駆動制御手段は、前記切替手段により前記回転運動変換手段から前記送り部材用伝動装置へ回転運動が伝達されているときに、棒材の撓みを除くため、棒材に対して引張力を与えるように、前記棒材送り部材を前記棒材加工機から後退させる方向に前記駆動手段を制御する、請求項1に記載の棒材供給機。 - 前記棒材加工機は主軸固定型棒材加工機である、請求項1に記載の棒材供給機。
- 前記把持手段は、棒材の後端部を受け入れ可能な中空部を有するフィンガーチャックケースと、前記フィンガーチャックケースの前記中空部内に、前記棒材の後端部を把持するための円筒形の把持部材とを備え、前記把持部材は、前記棒材送り部材の長手方向軸線を中心として回転自在、且つ、前記フィンガーチャックケースの前記中空部内で前記長手方向に移動可能に設けられている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の棒材供給機。
- 前記フィンガーチャックケースの前端部には、棒材の後端部を前記中空部内へ受け入れるための開口部が形成され、前記把持部材の前端部には、棒材の後端部が差し込まれる開口部が形成されており、前記把持部材の前記開口部の前端側の内径は、前記フィンガーチャックケースの前記開口部の後端側の内径よりも大きい、請求項4に記載の棒材供給機。
- 棒材供給機によって棒材を棒材加工機に供給する棒材供給方法であって、
前記棒材供給機の棒材送り部材の把持手段によって棒材の後端部を把持するステップと、
棒材を前記棒材送り部材によって前進させ、前記棒材加工機に設けられたストッパに対して付勢するステップと、
前記棒材加工機のチャックによって棒材を把持するステップと、
前記チャックによって棒材を把持した後、前記棒材加工機による棒材の加工中、棒材の撓みを除くため、棒材に対して引張力を与えるように、前記棒材送り部材を前記棒材加工機から後退させる方向に、前記棒材送り部材の駆動手段を制御するステップと、
を有することを特徴とする棒材供給方法。 - 前記棒材加工機は主軸移動型棒材加工機であり、
前記棒材供給機は、
前記駆動手段によって回転駆動され、その回転運動を直線運動に変換して前記棒材送り部材を前記主軸移動型棒材加工機に対して前進又は後退させる送り部材用伝動装置と、
前記主軸の移動を回転運動に変換する回転運動変換手段と、前記送り部材用伝動装置に対する前記回転運動変換手段による回転運動の伝達及び遮断を切り替える切替手段とを備え、棒材加工中、前記主軸の移動を前記回転運動変換手段により回転運動に変換して前記切替手段を介して前記送り部材用伝動装置に伝達することにより、前記棒材送り部材を前記主軸移動型棒材加工機の主軸の動きと連動させるための連動手段とを有し、
前記チャックによって棒材を把持した後、前記切替手段により前記回転運動変換手段から前記送り部材用伝動装置へ回転運動が伝達されているときに、前記棒材送り部材を前記棒材加工機から後退させる方向に前記駆動手段を制御する、請求項6に記載の棒材供給方法。
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