JP6365451B2 - 棒材送り部材及び棒材供給機 - Google Patents
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しかも、棒材加工機は一般に、その機種により異なる全長の主軸を備えている。このため、棒材供給機の製造者は、棒材加工機の機種に応じた異なる全長の送り矢を製造し、それを同一機種の棒材供給機に適宜組み込まなければならず、製造の煩雑化、コストの上昇、生産管理の困難性などを招いている。
また、本発明による棒材供給機は、上記の本発明による棒材送り部材を有する棒材供給機であって、棒材送り部材の本体部に連結され、当該本体部を棒材加工機に対して前後に駆動する棒材送り部材駆動手段を有する、ことを特徴とする。
このように構成された本発明においては、棒材送り部材が伸縮可能に形成されているので、棒材送り部材を短縮させて全長を抑制することで棒材供給機の装置全長の大型化を回避できると共に、棒材加工機が備える主軸の全長に応じて棒材送り部材の伸長量を設定することにより、棒材送り部材を伸長させたときにその先端部を棒材加工機のチャック近傍まで到達させることができ、棒材加工機の機種に関わらず、単一の棒材送り部材により棒材を供給することが可能となる。
このように構成された本発明においては、伸縮用駆動手段が送りねじを回転させて伸縮部をナットと共に前後に移動させることにより棒材送り部材を伸縮させるので、棒材送り部材の伸長量を高い精度で制御することができる。
このように構成された本発明においては、棒材送り部材が棒材加工機から最も離れた後退端位置にあるときに棒材送り部材を収縮させ、棒材送り部材が後退端位置よりも前方の位置にあるときに棒材送り部材を伸長させるので、後退端位置にあるときの棒材送り部材の全長を短縮することで棒材供給機の装置全長の大型化を回避できると共に、棒材加工機が備える主軸の全長に応じて棒材送り部材の前進時の伸長量を設定することにより、棒材送り部材を伸長させたときにその先端部を棒材加工機のチャック近傍まで到達させることができ、棒材加工機の機種に関わらず、単一の棒材送り部材により棒材を供給することが可能となる。
このように構成された本発明においては、棒材加工機が棒材の加工中であり、棒材加工のために棒材を棒材加工機に向けて給送し終えた位置から棒材送り部材を後退させている時間、即ち棒材送り部材によって棒材を棒材加工機に対して給送する必要がない時間を利用して、棒材送り部材を伸長させるので、棒材加工機による棒材加工時間に影響を与えることなく棒材送り部材を伸長させることができる。
このように構成された本発明においては、棒材加工機が棒材の加工を開始する前に、棒材を棒材加工機に対して給送している間に棒材送り部材を伸長させるので、棒材加工機による棒材加工時間に影響を与えることなく棒材送り部材を伸長させることができる。
まず、図1により、本発明の実施形態による棒材供給機の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態による棒材供給機の側面図である。
棒材加工機4は、棒材Wの加工中、前後に移動する主軸台6を備えている。この主軸台6の内部には主軸線A1を中心に回転自在な主軸8が設けられ、主軸8の先端には棒材Wを把持するためのチャック10が設けられている。
また、棒材供給機2は、棒材加工機4に、主軸線A1と一致する給送軸線C1に沿って棒材Wを一本ずつ給送するようになっている。
昇降装置18は、ガイドレール12、スライダ14及び送り矢16を、ガイドレール12上に配置された棒材Wの中心軸線C2と給送軸線C1とが一致する一次送り高さ位置P1と、送り矢16の中心軸線C3と給送軸線C1とが一致する二次送り高さ位置P2との間で、一体的に昇降させる。なお、図1は、ガイドレール12、スライダ14及び送り矢16が一次送り高さ位置P1にある状態を示している。
この羽根保持部26は、一次送り用羽根部28を介してスライダ14と連結されている。即ち、スライダ14は、タイミングベルト24の回転に応じて、一次送り用羽根部28を介して羽根保持部26と一体に移動可能となっている。
また、ガイドレール12、スライダ14及び送り矢16が二次送り高さ位置P2にあるときに、送り矢16の後端部に固定された二次送り用羽根部30が、羽根保持部26と連結するようになっている。一方、ガイドレール12、スライダ14及び送り矢16が一次送り高さ位置P1にあるときには、二次送り用羽根部30は羽根保持部26と連結しないようになっている。即ち、送り矢16は、ガイドレール12、スライダ14及び送り矢16が一次送り高さ位置P1にあるときには、タイミングベルト24の回転に関わらず同じ位置に留まり、ガイドレール12、スライダ14及び送り矢16が二次送り高さ位置P2にあるときには、タイミングベルト24の回転に応じて、二次送り用羽根部30を介して羽根保持部26と一体に移動可能となっている。
また、先端部38は、ロッド部36の内筒部44の前端に固定されるジョイント部50と、このジョイント部50の前端に回転可能に連結された前端部52とを備えている。前端部52の前端面は平面状に形成されており、この前端面が棒材Wの後端面に当接することにより、送り矢16が棒材Wを後方から押すようになっている。
また、図3に示すように、ナット62が送りねじ54の先端まで前進した場合、内筒部44の前端の位置は外筒部42の前端から最も前進した位置となっており、このときにロッド部36の長さは最も長くなっている。以下の説明では、この状態を送り矢16の最大伸長状態と呼ぶ。
図9に示すように、伸長した送り矢16によって棒材Wが棒材加工機4に向かって押し出され、棒材Wの先端が棒材加工機4のストッパに接触すると、ステップS13において、コントローラ32は、チャック10を閉じることを指示する信号を棒材加工機4へ出力する。これを受けて、棒材加工機4は、チャック10を閉じて棒材Wを把持し、製品の加工を開始する。
その結果、送り矢16の先端が、ステップS12において送り矢16を棒材加工機4に向かって前進させている間に、棒材供給処理の開始前に予め設定された前進端位置まで到達していない場合、ステップS10に戻る。以降、ステップS14において、送り矢16の先端が、棒材供給処理の開始前に予め設定された前進端位置まで到達したと判定されるまで、ステップS10乃至S14の処理を繰り返す。
しかしながら、棒材Wの加工中、送り矢16を1回で必要な長さまで伸長させるようにしてもよい。具体的には、図12に示した第1実施形態の第1変形例による棒材供給処理では、ステップS27において、送り矢16の先端が、ステップS25で送り矢16を棒材加工機4に向かって前進させている間に伸長開始位置に到達したと判定した場合、ステップS30に進み、コントローラ32は、送り駆動装置20により送り矢16を棒材加工機4に対して所定量後退させると共に、伸縮機構40により送り矢16を伸長させる。このときの送り矢16の伸長量としては、例えば送り駆動装置20により送り矢16を前進させると共に伸縮機構40により送り矢16を伸長させることによって、棒材加工機4が最後の製品を加工した後、チャック10に保持されている残材がチャック10の前方へ排出されるまで残材を前進させることが可能な長さ(即ちステップS15における最終伸長量)が設定される。また、送り矢16の後退量は、例えば、送り矢16の伸長量よりも長く設定されており、結果として送り矢16の先端が棒材Wの後端から所定量後退するようになっている。
次に、ステップS34に進み、コントローラ32は、送り矢16の先端が、ステップS32において送り矢16を棒材加工機4に向かって前進させている間に、棒材供給処理の開始前に予め設定された前進端位置まで到達したか否かを判定する。
その結果、送り矢16の先端が、ステップS32において送り矢16を棒材加工機4に向かって前進させている間に、棒材供給処理の開始前に予め設定された前進端位置まで到達していない場合、ステップS35に進み、コントローラ32は、送り駆動装置20により送り矢16を棒材加工機4に対して所定量後退させ、その後、ステップS31に戻る。以降、ステップS34において、送り矢16の先端が、棒材供給処理の開始前に予め設定された前進端位置まで到達したと判定されるまで、ステップS31乃至S35の処理を繰り返す。
一方、送り矢16の先端が、ステップS32において送り矢16を棒材加工機4に向かって前進させている間に、棒材供給処理の開始前に予め設定された前進端位置まで到達した場合、ステップS36に進み、コントローラ32は、送り駆動装置20により送り矢16を棒材加工機4に対して所定量後退させる。
このように、ステップS30において送り矢16を1回で最終伸長量まで伸長させているので、その後の各ステップでは、送り矢16自体の前後移動のみによって送り矢16の先端の位置を制御している。
次に、ステップS48に進み、コントローラ32は、送り駆動装置20により送り矢16を棒材加工機4に対して所定量後退させる。次いで、棒材加工機4が製品の加工を終了した後、ステップS49において、棒材加工機4は、チャック10を開く。
上述した本発明の第1実施形態では、送り矢16の前端部52の前端面が平面状に形成されており、この前端面が棒材Wの後端面に当接することにより、送り矢16が棒材Wを後方から押すようになっていると説明したが、本発明の第2実施形態では、送り矢16の前端部52が棒材Wの後端部を把持するようにしている。
このフィンガーチャック66の前端部には、棒材Wの後端部が差し込まれる前端開口部が形成されている。
次に、ステップS68において、コントローラ32は、チャック10を閉じることを指示する信号を棒材加工機4へ出力する。これを受けて、棒材加工機4は、チャック10を閉じて棒材Wを把持し、製品の加工を開始する。
例えば、棒材加工機4が、主軸台6が前後に移動する主軸移動型棒材加工機である場合、コントローラ32は、棒材加工機4のチャック10が閉じており製品の加工が行われている間、棒材Wの加工に応じて前進する主軸台6に追従して送り矢16を前進させる。
また、棒材加工機4が、主軸台6が固定された主軸固定型棒材加工機である場合、コントローラ32は、棒材加工機4が製品の加工を終了してチャック10が開いた後に、送り矢16を棒材加工機4に対して前進させることによって棒材Wを前進させる。
以降、送り矢16の先端が、棒材供給処理の開始前に予め設定された前進端位置まで到達するまで、棒材加工機4のチャック10の開閉と送り矢16の前進とを繰り返す。
次に、ステップS71において、棒材加工機4は、チャック10を開く。
次に、ステップS72において、コントローラ32は、送り駆動装置20により送り矢16を棒材加工機4から最も離れた後退端位置まで後退させると共に、伸縮機構40により送り矢16を基本状態まで収縮させる。これにより、送り矢16の前端部52のフィンガーチャック66に把持された残材は、棒材供給機2まで引き戻され、廃棄される。その後、コントローラ32は棒材供給処理を終了する。
4 棒材加工機
6 主軸台
8 主軸
10 チャック
12 ガイドレール
14 スライダ
16 送り矢
18 昇降装置
20 送り駆動装置
22 駆動用モータ
24 タイミングベルト
26 羽根保持部
28 一次送り用羽根部
30 二次送り用羽根部
32 コントローラ
34 後端部
36 ロッド部
38 先端部
40 伸縮機構
42 外筒部
44 内筒部
46 溝
48 突起部
50 ジョイント部
52 前端部
54 送りねじ
56 伸縮用モータ
58 プーリー
60 ベルト
62 ナット
66 フィンガーチャック
A1 主軸線
C1 給送軸線
C2 ガイドレール上に配置された棒材の中心軸線
C3 送り矢の中心軸線
P1 一次送り高さ位置
P2 二次送り高さ位置
W 棒材
Claims (6)
- 棒材供給機において棒材を棒材加工機に向けて給送するための棒材送り部材であって、 前記棒材供給機の棒材送り部材駆動手段に連結され、当該棒材送り部材駆動手段により前記棒材加工機に対して前後に駆動される本体部と、
前記本体部から前記棒材加工機に対して前進及び後退可能な伸縮部と、
前記棒材送り部材に設けられ、前記伸縮部を前記本体部に対して伸縮させるための伸縮機構と、を備え、
前記本体部が前記棒材送り部材駆動手段により前記棒材加工機に対して前後に駆動され、前記伸縮部が前記伸縮機構により前記本体部から前記棒材加工機に対して前進及び後退することにより、前記伸縮部は、前記棒材送り部材駆動手段による駆動距離よりも長い距離を、前記棒材加工機に対して前進及び後退可能となっている、
ことを特徴とする棒材送り部材。 - 前記伸縮機構は、前記伸縮部に取り付けられたナットと、前記本体部に設けられ、前記棒材送り部材の長手方向軸線に沿って延びる棒状の送りねじと、前記送りねじを回転させる伸縮用駆動手段とを有し、前記ナットは前記送りねじと螺合しており、前記伸縮用駆動手段によって前記送りねじが回転されて、前記伸縮部が前記本体部に対して伸縮する、ことを特徴とする請求項1に記載の棒材送り部材。
- 請求項1又は2に記載の棒材送り部材を有する棒材供給機であって、
前記棒材送り部材の本体部に連結され、当該本体部を前記棒材加工機に対して前後に駆動する棒材送り部材駆動手段を有する、ことを特徴とする棒材供給機。 - 前記伸縮機構は、前記棒材送り部材が前記棒材加工機から最も離れた後退端位置にあるときに当該棒材送り部材を収縮させ、前記棒材送り部材が前記後退端位置よりも前方の位置にあるときに当該棒材送り部材を伸長させるように制御される、ことを特徴とする請求項3に記載の棒材供給機。
- 前記棒材加工機による棒材加工中、前記棒材送り部材駆動手段は、前記棒材送り部材が棒材加工のために棒材を前記棒材加工機に向けて給送し終えた位置から当該棒材送り部材を後退させるように制御され、且つ、前記伸縮機構は、前記棒材送り部材を伸長させるように制御される、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の棒材供給機。
- 前記伸縮機構は、前記棒材送り部材駆動手段が前記本体部を前記棒材加工機に対して前進させて棒材を前記棒材加工機に向けて給送している間に、前記伸縮部を前記本体部から前記棒材加工機に対して前進させて前記棒材送り部材を伸長させるように制御される、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の棒材供給機。
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