JP2016220392A - 電力変換装置 - Google Patents

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Yutaka Tajima
豊 田島
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Abstract

【課題】電動機の誘起電圧による影響を低減する電力変換装置を提供する。【解決手段】電力変換装置は、第1電源B1と、1次側が第1電源B1に接続され、2次側が第1巻線21に接続される第1インバータ11と、第1電源B1より電圧が高い第2電源B2と、1次側が第2電源B2に接続され、2次側が第2巻線22に接続される第2インバータ12と、第1電源B1から第1巻線21にのみ電力を供給する第1モードと第1電源B1から第1巻線21に電力を供給するとともに、第2電源B2から第2巻線22に電力を供給する第2モードとのいずれかにより、第1インバータ11及び第2インバータ12をそれぞれ制御する制御部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電動機に供給する電力を変換する電力変換装置に関する。
自動車の電動機に電力を供給する装置として、特許文献1に記載の装置が提案されている。特許文献1に記載の装置は、第1の電源と、第1の電源に昇圧回路を介して接続されるインバータと、昇圧回路とインバータとの間に接続される第2の電源とを備え、第1の電源から昇圧された電圧をインバータに供給する第1のモードと、第2の電源の電圧をインバータに供給する第2のモードとを切り替える。
特開2014−15113号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、走行に用いられる電動機に供給される電圧が第2の電源以上にならないため、電動機の回転数が上昇すると電動機において誘起電圧が生じ、電動機に十分な電流が流れにくくなる。
本発明は、上記問題点を鑑み、電動機の誘起電圧による影響を低減する電力変換装置を提供することを目的とする。
電力変換装置は、互いに絶縁された2重巻線を有する電動機に、それぞれ2つの系統の電源及びインバータから電力を供給し、動作モードに応じて、2つのインバータの少なくともいずれかを制御する。
本発明によれば、電動機の互いに絶縁された2重巻線に、それぞれ異なる電源及びインバータから電力を供給することにより、電動機の誘起電圧による影響を低減する電力変換装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る電力変換装置の基本的な構成を説明する回路図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る電力変換装置における第1モード及び第2モードを説明するための、電動機の回転数およびトルクの関係を示すグラフである。 図3は、本発明の実施の形態の第1変形例に係る電力変換装置を説明する回路図である。 図4は、本発明の実施の形態の第2変形例に係る電力変換装置を説明する回路図である。 図5は、本発明の実施の形態の第3変形例に係る電力変換装置を説明する回路図である。 図6は、本発明の実施の形態の第4変形例に係る電力変換装置を説明する回路図である。 図7は、本発明の実施の形態の第5変形例に係る電力変換装置を説明する回路図である。 図8は、本発明の実施の形態の第6変形例に係る電力変換装置を説明する回路図である。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(電力変換装置)
本実施の形態に係る電力変換装置は、図1に示すように、電動機2を負荷として、電動機2を駆動するために電動機2に電力を供給する。本実施の形態に係る電力変換装置は、直流電圧を交流電圧に変換し、電動機2に出力する。本実施の形態に係る電力変換装置は、例えば、電動車両に搭載され、電動機2を回転させることにより、電動車両の駆動力を発生させる。
電動機2は、複数相(U相、V相、W相)を有する交流モータである。電動機2は、第1巻線21U,21V,21Wと、第2巻線22U,22V,22Wとを有する。第2巻線22U,22V,22Wは、複数相毎に第1巻線21U,21V,21Wに対して2重に配置される。第1巻線21U,21V,21W(以下、総称する場合において単に「第1巻線21」という)のそれぞれ一端側は中性点N1において互いに接続される。第2巻線22U,22V,22W(以下、総称する場合において単に「第2巻線22」という)のそれぞれ一端側は中性点N2において互いに接続される。第1巻線21の中性点N1及び第2巻線22は、互いに電気的に接続されておらず、互いに絶縁されている。
本実施の形態に係る電力変換装置は、第1電源B1と、第1インバータ11と、第2電源B2と、第2インバータ12と、制御部3とを備える。第1電源B1及び第2電源B2は、それぞれ蓄電池等の直流電圧源から構成される。第2電源B2は、第1電源B1より電圧が高い。第1電源B1の正極と負極との間には、第1電源B1の直流電圧における高調波を除去するキャパシタC1が接続される。第2電源B2の正極と負極との間には、第2電源B2の直流電圧における高調波を除去するキャパシタC2が接続される。
第1インバータ11は、第1電源B1からの直流電圧を交流電圧に変換する。第1インバータ11は、6つのスイッチング素子Q11〜Q16から構成されるフルブリッジ回路である。スイッチング素子Q11〜Q16は、例えば、逆耐電圧を有する絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)から構成される。スイッチング素子Q11〜Q16それぞれの両端間には、還流ダイオードD11〜D16が接続される。還流ダイオードD11〜D16は、スイッチング素子Q11〜Q16に対してそれぞれ逆並列に接続される。
スイッチング素子Q11,Q12と、スイッチング素子Q13,Q14と、スイッチング素子Q15,Q16とは、第1電源B1の正極と負極との間にそれぞれ直列に接続される。スイッチング素子Q11,Q12の間の接点L1は、第1巻線21Uに接続される。スイッチング素子Q13,Q14の間の接点L2は、第1巻線21Vに接続される。スイッチング素子Q15,Q16の間の接点L3は、第1巻線21Wに接続される。このように、第1インバータ11は、1次側が第1電源B1に接続され、2次側が第1巻線21に接続される。
第2インバータ12は、第2電源B2からの直流電圧を交流電圧に変換する。第2インバータ12は、6つのスイッチング素子Q21〜Q26から構成されるフルブリッジ回路である。スイッチング素子Q21〜Q26は、例えば、IGBTから構成される。スイッチング素子Q21〜Q26それぞれの両端間には、還流ダイオードD21〜D26が接続される。還流ダイオードD21〜D26は、スイッチング素子Q21〜Q26に対してそれぞれ逆並列に接続される。
スイッチング素子Q21,Q22と、スイッチング素子Q23,Q24と、スイッチング素子Q25,Q26とは、第2電源B2の正極と負極との間にそれぞれ直列に接続される。スイッチング素子Q21,Q22の間の接点M1は、第2巻線22Uに接続される。スイッチング素子Q23,Q24の間の接点M2は、第2巻線22Vに接続される。スイッチング素子Q25,Q26の間の接点M3は、第2巻線22Wに接続される。このように、第2インバータ12は、1次側が第2電源B2に接続され、2次側が第2巻線22に接続される。
制御部3は、本実施の形態に係る電力変換装置の動作モードとして、第1モード及び第2モードを有する。第1モードは、第1電源B1から第1インバータ11を介して第1巻線21にのみ電力を供給する動作モードである。第2モードは、第1電源B1から第1インバータ11を介して第1巻線21に電力を供給するとともに、第2電源B2から第2インバータ12を介して第2巻線22に電力を供給する動作モードである。制御部3は、第1モード及び第2モードのいずれかにより、第1インバータ11及び第2インバータ12をそれぞれ制御する。
制御部3は、例えば、中央演算処理装置(CPU)、メモリ及び入出力部を備えるマイクロコントローラや、スイッチング素子Q11〜Q16、Q21〜Q26に駆動信号を出力する駆動回路等を用いて実現される。例えば、マイクロコントローラに予めインストールされたコンピュータプログラムをCPUが実行することにより、制御部3が本実施の形態に係る電力変換装置において必要な制御を行う。
スイッチング素子Q11〜Q16及びスイッチング素子Q21〜Q26の各ゲート電極は、制御部3に接続され、制御部3から駆動信号を入力される。第1インバータ11は、制御部3からの駆動信号に応じて、スイッチング素子Q11〜Q16それぞれをオン・オフすることにより、第1電源B1の直流電圧を交流電圧に変換して第1巻線21に出力する。第1巻線21に交流電圧が入力されることにより、電動機2は回転し、電動車両を駆動させる。
第2インバータ12は、制御部3からの制御信号に応じて、スイッチング素子Q21〜Q26それぞれをオン・オフすることにより、第2電源B2の直流電圧を交流電圧に変換して第2巻線22に出力する。第2インバータ12は、第2モードにおいて、制御部3の制御に応じてスイッチング素子Q21〜Q26が全てオフ状態となることにより、第2巻線22への電力の供給を停止している。
制御部3は、電動車両の速度、換言すれば電動機2の回転数に応じて、第1モード及び第2モードを切り替える。図2に示すように、一般的な電動機のトルクTは、回転数Nの上昇に伴い、誘起電圧が増大して電動機に電流が流れにくくなることにより低下する。制御部3は、回転数N及びトルクTが比較的大きくない領域G1における電動車両の走行(電動機2の回転)を、電動車両の通常走行時として、第1モードを選択する。また、制御部3は、回転数N及び(短時間の)トルクTが比較的大きい領域G2における電動車両の走行(電動機2の回転)を、電動車両の高速走行時として、第2モードを選択する。
制御部3は、初期状態において第1モードで制御を行い、電動機2の回転数Nが所定の閾値以上となる場合において、動作モードを第1モードから第2モードに移行する。第2モードにおいて、電動機2は、第1電源B1から第1巻線21に供給された電力と、第2電源B2から第2巻線22に供給された電力とを合わせた電力により駆動される。第2電源B2が第1電源B1より電圧が高いため、第1巻線21及び第2巻線22に供給された電力は、電動機2に生じる誘起電圧に打ち勝つ。よって、本実施の形態に係る電力変換装置によれば、電動機2の誘起電圧による影響を確実に低減することができる。
また、本実施の形態に係る電力変換装置によれば、第1電源B1及び第1インバータ11の間、第2電源B2及び第2インバータ12の間に、昇圧回路が存在しない。よって、本実施の形態に係る電力変換装置は、電動車両の通常走行時(電動機2の低速駆動時)等にまで昇圧回路に電流が流れることによる不要な損失が生じることを防止することができる。
第1巻線21及び第2巻線22は、互いに電気的に接続されていない。電動機2は、第1巻線21及び第2巻線22それぞれにより発生する磁束が合成されることにより駆動力を得る。このため、電動機2は、第2モードにおいて、本実施の形態に係る電力変換装置における悪影響なく駆動される。すなわち、本実施の形態に係る電力変換装置によれば、第1電源B1及び第2電源B2の電圧の整合、第1インバータ11及び第2インバータ12の間のスイッチングのタイミング等を考慮することが必要ない。
このように、電動機2では、互いに異なる系統の第1電源B1及び第1インバータ11と、第2電源B2と及び第2インバータ12とから、それぞれ供給された電力により発生する磁束が合成される。このため、本実施の形態に係る電力変換装置によれば、設計上の必要な定格を、第1電源B1及び第1インバータ11と、第2電源B2と及び第2インバータ12と合わせた定格とすることができる。よって、第1電源B1、第1インバータ11、第2電源B2、第2インバータ12、電動機2は、容量が無駄に増大することにより装置が大型化することがなく、省スペース化に寄与することができる。
また、第1インバータ11及び第2インバータ12は、制御部3による制御に応じて、電動機2において発生した電力を調整し、第1電源B1及び第2電源B2に回生することができる。本実施の形態に係る電力変換装置によれば、第1巻線21及び第2巻線22が互いに絶縁されているため、第1インバータ11又は第2インバータ12は、他方の回生動作に影響を受けずに回生の開始及び停止を行うことができる。
或いは、本実施の形態に係る電力変換装置は、例えば、第1電源B1から第1巻線21に電力を供給しながら、第2巻線22から第2電源B2に電力を回生するようにしてもよい。このため、本実施の形態に係る電力変換装置は、外部から充電可能な電源又はハイブリッド車等の発電機に接続される電源が、第1電源B1及び第2電源B2のいずれか一方であっても、他方の電源に電力を回生することができる。
(第1変形例)
本実施の形態の第1変形例に係る電力変換装置は、図3に示すように、還流ダイオードD11〜D16の代わりに、スイッチング素子Q31〜Q36を有する点において、図1に示す電力変換装置と異なる。スイッチング素子Q31〜Q36(第2スイッチング素子)は、スイッチング素子Q11〜Q16(第1スイッチング素子)にそれぞれ逆並列に接続される。スイッチング素子Q31〜Q36は、例えば、逆耐電圧を有するIGBTから構成される。
スイッチング素子Q31〜Q36は、電圧が低い第1電源B1側の第1インバータ11により回生を行う場合において、制御部3の制御信号に応じてオン・オフすることにより、第1電源B1に供給する電力を調整することができる。よって、第1電源B1及び第2電源B2が、共に回生された電力により充電される場合、第1電源B1側の影響で電圧が高い第2電源B2を十分に充電しにくいという事態を低減することができる。
また、スイッチング素子Q31〜Q36により、第1電源B1が発電機に接続され、電動機2を介して第2電源B2に電力を回生する場合、確実に第2電源B2を充電することが容易になる。なお、スイッチング素子Q31〜Q36は、第1インバータ11が電力変換動作を行う際に全てオン状態とされることにより、還流ダイオードD11〜D16と同じ機能を果たし、第1インバータ11の動作に特段の影響を与えない。
(第2変形例)
本実施の形態の第2変形例に係る電力変換装置は、図4に示すように、1次側が第1電源B1に接続され、2次側が第2電源B2に接続された昇圧回路4を更に備える点等において、図1に示す電力変換装置と異なる。昇圧回路4は、例えば、デュアルアクティブブリッジ回路等の双方向DC−DCコンバータである。昇圧回路4は、第1電源B1の直流電圧を昇圧し、蓄電池である第2電源B2に出力する。制御部3は、第1モード及び第2モードと独立した、第1電源B1から昇圧回路4を介して第2電源B2に電力を供給する充電モードにより、昇圧回路4を制御する。
昇圧回路4は、1次側端子P11,P12と、2次側端子P21,P22と、キャパシタC3,C4と、第1ブリッジ回路41と、トランス42と、第2ブリッジ回路43とを備える。1次側端子P11,P12は、第1電源B1の正極及び負極にそれぞれ接続される。2次側端子P21,P22は、第2電源B2の正極及び負極にそれぞれ接続される。キャパシタC3は、1次側端子P11,P12の間に接続される。
第1ブリッジ回路41は、4つのスイッチング素子Q41〜Q44から構成されるフルブリッジ回路である。1次側端子P11,P12の間には、スイッチング素子Q41,Q42と、スイッチング素子Q43,Q44とが、それぞれ直列に接続される。スイッチング素子Q41,Q42の間の接点と、スイッチング素子Q43,Q44の間の接点との間に、トランス42の1次側コイルが接続される。スイッチング素子Q41〜Q44それぞれの両端間には、還流ダイオードD41〜D44がスイッチング素子Q41〜Q44に対して逆並列に接続されている。スイッチング素子Q41〜Q44は、制御部3の制御信号に応じてオン・オフし、第1電源B1の直流電圧を交流電圧に変換してトランス42に出力する。
トランス42は、第1ブリッジ回路41が出力する交流電圧を1次側コイルから入力し、1次側及び2次側コイルの巻線比に応じて、2次側コイルに伝達して、第2ブリッジ回路43に出力する。トランス42は、1次側と2次側とが直流的に絶縁されている。
第2ブリッジ回路43は、4つのスイッチング素子Q45〜Q48から構成されるフルブリッジ回路である。2次側端子P21,P22の間には、スイッチング素子Q45,Q46と、スイッチング素子Q47,Q48とが、それぞれ直列に接続される。スイッチング素子Q45,Q46の間の接点と、スイッチング素子Q47,Q48の間の接点との間に、トランス42の2次側コイルが接続される。スイッチング素子Q45〜Q48それぞれの両端間には、還流ダイオードD45〜D48がスイッチング素子Q45〜Q48に対して逆並列に接続されている。スイッチング素子Q45〜Q48は、制御部3の制御信号に応じてオン・オフし、トランス42が出力する交流電圧を整流し、2次側端子P21,P22から出力する。2次側端子P21,P22から第2電源B2に出力される直流電圧は、2次側端子P21,P22の間に接続されるキャパシタC4により平滑化されるようにしてもよい。
本実施の形態の第2変形例に係る電力変換装置によれば、昇圧回路4を備えることにより、第1電源B1からの電圧を昇圧し、第2電源B2に出力することにより、第2電源B2の充電を確実に行うことができる。昇圧回路4の容量は、電動機2の高速駆動時に第2電源B2から供給する電流容量分でよい。上述のように、電力変換装置の定格は、第1巻線21側と、第2巻線22側とを合わせた定格とすることができるため、昇圧回路4は小型化されることができる。
第2モードにおける第2電源B2が出力する電力や継続時間等の要求により、昇圧回路4から第2電源B2に永続的に電流を流す必要がない場合も想定される。この場合、昇圧回路4は、第2モード以外の時間も含めて第2電源B2を充電できるだけの容量でよく、更に昇圧回路4の小容量化、小型化及び低コスト化が可能である。また、昇圧回路4は、第2電源B2の高電圧充電を容易かつ確実に行うことができるため、第1インバータ11は、第1変形例にようにスイッチング素子Q31〜Q36を備える必要なく、安価な従来品を適用することができる。
(第3変形例)
本実施の形態の第3変形例に係る電力変換装置は、図5に示すように、第2電源B2として、キャパシタCB2を備える点において、図4に示す電力変換装置と異なる。一般に、リチウムイオンバッテリのような化学反応による蓄電池は、短時間での急激な放電によりバッテリ自体の劣化が加速される可能性がある。一般にキャパシタは、大電流放電に対する耐性が高い。
本実施の形態の第3変形例に係る電力変換装置によれば、キャパシタCB2は、第2モードにおいて急激に大電流を放電する場合であっても、劣化の懸念がなく確実に第2インバータ12に電流を供給できる。また、第1インバータ11及び第2インバータ12の出力が電流で合成されないため、キャパシタCB2は、第1電源B1の電圧に整合させる必要がなく、充放電状態で電圧が変わるキャパシタであっても、装置に影響を及ぼさない。
キャパシタCB2は、第1電源B1がリチウムイオンバッテリの場合等、第1電源B1では対応し難い高電圧化を容易且つ安価に達成でき、電動機2が高速駆動する場合であっても確実に電流を流すことができる。なお、リチウムイオンバッテリで高電圧化しようとすると高コスト化の懸念がある。
また、制御部3は、電動機2に急激に大電流を供給する必要がある場合、キャパシタCB2から先に電力を第2巻線22供給するようにしてもよい。これにより、第1電源B1の劣化を防止することができる。なお、本実施の形態の第3変形例に係る電力変換装置は、車両の駆動状態に関わらず、キャパシタCB2から昇圧回路4を介して第1電源B1を充電することができる。よって、キャパシタCB2は、電化を蓄えた状態のまま放置され、放電されることを防止することができる。
(第4変形例)
本実施の形態の第4変形例に係る電力変換装置は、図6に示すように、電圧を出力する給電装置のコネクタと接続可能な充電ポート5を備える点において、図5に示す電力変換装置と異なる。充電ポート5は、給電装置のコネクタの端子と接触する端子T1,T2と、端子T1とキャパシタCB2の正極側との間に接続され、電流の逆流を防止するダイオードDとを備える。
充電ポート5は、第2電源B2としてのキャパシタCB2に接続される。充電ポート5は、給電装置から入力した電力をキャパシタCB2に供給することにより、キャパシタCB2に対して短時間の急速充電を容易に行うことができる。この場合も、キャパシタCB2及び第1インバータ11は互いに絶縁されているため、スイッチング素子Q11〜Q16及び還流ダイオードD11〜D16等の半導体素子のオン抵抗を増加させる必要がない。キャパシタCB2は、急激な充電に対する耐性が高いため、劣化の懸念を低減する。また、キャパシタCB2は、充電時間が短時間であっても、高電圧大電流で充電されることにより、車両の航続時間を向上することができ、利便性が増す。
或いは、本実施の形態の第4変形例に係る電力変換装置は、充電ポート5から入力された電圧により電動機2を駆動し、第1インバータ11を回生された電力により、第1電源B1を充電するようにしてもよい。これにより、給電装置から入力される高電圧により、第1電源B1までも充電されることができる。
(第5変形例)
本実施の形態の第5変形例に係る電力変換装置は、図7に示すように、第2インバータ12が還流ダイオードD21〜D26を備えない点において、図5に示す電力変換装置と異なる。すなわち、本実施の形態の第5変形例に係る電力変換装置が備える第2インバータ12は、2次側から1次側に電力を伝達しない。
本実施の形態の第5変形例に係る電力変換装置によれば、電動機2からの回生時に第1インバータ11を介して、第1電源B1を確実に充電することができる。特に、第2電源B2としてのキャパシタCB2が放電後であり、電圧が低下している場合であっても、キャパシタCB2の電圧の影響なく第1電源B1を充電することができる。
(第6変形例)
本実施の形態の第6変形例に係る電力変換装置は、図8に示すように、スイッチング素子Q11〜Q16の代わりに、それぞれ電界効果トランジスタ(FET)であるスイッチング素子Q51〜Q56を備え、スイッチング素子Q21〜Q26がそれぞれIGBTである点において、図7に示す電力変換装置と異なる。
一般に、FETは、電流が流れ始める電圧である立ち上がり電圧が0であり、オン損失が小さいという特徴がある。また、IGBTは、立ち上がり電圧が0でなく、オン損失が大きいが、比較的大電流を流せることに加え、安価という特徴がある。
本実施の形態の第6変形例に係る電力変換装置は、電動車両に必要な最大定格出力が第1電源B1及び第2電源B2で分担されるため、スイッチング素子Q51〜Q56として、比較的電流に制限があるFETを適用することができる。第1インバータ11のスイッチング素子Q51〜Q56としてFETを用いることにより、オン損失を低減させ、消費電力量を低減させることができる。これにより、電動車両の航続距離が向上される。また、スイッチング素子Q21〜Q26としてIGBTを適用することにより、第2インバータ12は、製造コストが低減されるとともに、電動機2に大電流を供給することができるようになる。
上記のように、本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。例えば、各変形例に記載の各構成を相互に応用した構成等、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
B1 第1電源
B2 第2電源
N1 中性点
N2 中性点
Q11〜Q16 スイッチング素子(第1スイッチング素子)
Q21〜Q26 スイッチング素子(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)
Q31〜Q36 スイッチング素子(第2スイッチング素子)
Q51〜Q56 スイッチング素子 (電界効果トランジスタ)
B2 キャパシタ
2 電動機
3 制御部
4 昇圧回路
5 充電ポート
11 第1インバータ
12 第2インバータ
21,21U,21V,21W 第1巻線
22,22U,22V,22W 第2巻線

Claims (7)

  1. 複数相を有する第1巻線と、前記複数相毎に前記第1巻線に対して2重に配置された第2巻線とを有し、前記第1巻線の中性点及び前記第2巻線の中性点が互いに絶縁された電動機に電力を供給する電力変換装置であって、
    第1電源と、
    1次側が前記第1電源に接続され、2次側が前記第1巻線に接続される第1インバータと、
    前記第1電源より電圧が高い第2電源と、
    1次側が前記第2電源に接続され、2次側が前記第2巻線に接続される第2インバータと、
    前記第1電源から前記第1インバータを介して前記第1巻線にのみ電力を供給する第1モードと、前記第1電源から前記第1インバータを介して前記第1巻線に電力を供給するとともに、前記第2電源から前記第2インバータを介して前記第2巻線に電力を供給する第2モードとのいずれかにより、前記第1インバータ及び前記第2インバータをそれぞれ制御する制御部と
    を備えることを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記第1インバータは、複数の第1スイッチング素子と、前記複数の第1スイッチング素子に逆並列にそれぞれ接続され、それぞれ逆耐電圧を有する第2スイッチング素子とを有するフルブリッジ回路から構成されることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 1次側が前記第1電源に接続され、2次側が前記第2電源に接続された昇圧回路を更に備え、
    前記第2電源は、蓄電池であり、
    前記制御部は、前記第1モード及び前記第2モードと独立した、前記第1電源から前記昇圧回路を介して前記第2電源に電力を供給する充電モードにより、前記昇圧回路を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
  4. 前記第2電源は、キャパシタであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 給電装置から入力した電力を前記キャパシタに供給する充電ポートを更に備えることを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記第2インバータは、2次側から1次側に電力を伝達しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記第1インバータは、複数の電界効果トランジスタから構成されるフルブリッジ回路であり、
    前記第2インバータは、複数の絶縁ゲートバイポーラトランジスタから構成されるフルブリッジ回路であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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