JP2016219278A - 非水電解質二次電池用正極活物質及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質及び非水電解質二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2016219278A
JP2016219278A JP2015103740A JP2015103740A JP2016219278A JP 2016219278 A JP2016219278 A JP 2016219278A JP 2015103740 A JP2015103740 A JP 2015103740A JP 2015103740 A JP2015103740 A JP 2015103740A JP 2016219278 A JP2016219278 A JP 2016219278A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transition metal
active material
electrolyte secondary
positive electrode
lithium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015103740A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6583662B2 (ja
Inventor
勝哉 井之上
Katsuya Inoue
勝哉 井之上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GS Yuasa Corp
Original Assignee
GS Yuasa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GS Yuasa Corp filed Critical GS Yuasa Corp
Priority to JP2015103740A priority Critical patent/JP6583662B2/ja
Publication of JP2016219278A publication Critical patent/JP2016219278A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6583662B2 publication Critical patent/JP6583662B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】比表面積を適正化することにより、充放電サイクル時の容量維持率が優れた非水電解質二次電池用の「リチウム過剰型」正極活物質の提供。
【解決手段】α−NaFeO型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含む非水電解質電池用正極活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成するLiと遷移金属(Me)のモル比Li/Meが1.2〜1.5未満であり、前記遷移金属(Me)がMn及びNiを含み、前記リチウム遷移金属複合酸化物が、空間群P312又はR3−mに帰属可能なX線回折パターンを有し、CuKα線を用いたX線回折測定によるミラー指数hklにおける(003)面の回折ピークの半値幅が0.180〜0.210°であり、さらに、前記リチウム遷移金属複合酸化物のBET比表面積が2.0〜3.8m/gである非水電解質二次電池用正極活物質。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池用正極活物質及びその正極活物質を用いた非水電解質二次電池に関する。
従来、リチウム二次電池に代表される非水電解質二次電池は、正極活物質に用いるリチウム遷移金属複合酸化物として、α−NaFeO型結晶構造を有する「LiMeO型」活物質(Meは遷移金属)が検討され、LiCoOが広く実用化されていた。LiCoOを正極活物質として用いた非水電解質二次電池は、放電容量が120〜130mAh/g程度であった。
充放電サイクル性能の点でも優れる「LiMeO型」活物質が種々提案され、一部実用化されている。例えば、LiNi1/2Mn1/2やLiCo1/3Ni1/3Mn1/3は、150〜180mAh/gの放電容量を有する。
前記Meとして、地球資源として豊富なMnを用いることが望まれていた。しかし、Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.5を超える「LiMeO型」活物質は、充電に伴いα−NaFeO型からスピネル型へと構造変化が起こり、結晶構造が維持できず、充放電サイクル性能が著しく劣るという問題があった。
そこで、近年、上記のような「LiMeO型」活物質に対し、遷移金属(Me)に対するリチウムのモル比Li/Meが1を超え、マンガン(Mn)のモル比Mn/Meが0.5を超え、充電をしてもα−NaFeO構造を維持できるいわゆる「リチウム過剰型」の活物質が提案された。
特許文献1には、「組成式Li1+αMe1−α(MeはCo、Ni及びMnを含む遷移金属元素、1.2<(1+α)/(1−α)<1.6)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物を含有するリチウム二次電池用正極活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、前記Me中のCoのモル比Co/Meが0.24〜0.36であり、エックス線回折パターンを元に空間群R3−mを結晶構造モデルに用いたときに(003)面に帰属される回折ピークの半値幅が0.204°〜0.303°の範囲であることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。」(請求項1)についての発明が記載されている。
Coのモル比Co/Meについては、(0014)に「放電容量を大きくすると共に、高率放電性能をより向上させるためには、モル比Co/Meを0.24〜0.30とすることが好ましい。」と記載されている。また、(0068)、(0096)、(表1)には、この正極活物質の実施例として、共沈炭酸塩前駆体を用いて作製されたLi/Me=1.3、焼成温度850℃、Co/Me=0.26、Ni/Me=0.20、Mn/Me=0.54のリチウム遷移金属複合酸化物であって、BET比表面積が3.0m/g、(003)面に帰属される半値幅が0.213°、放電容量(0.1C)が217mAh/g、高率放電性能(1C/0.1C)が90%の実施例2、及び、Ni/Me=0.25、Mn/Me=0.49である以外は実施例2と同様のリチウム遷移金属複合酸化物であって、(003)面に帰属される半値幅が0.204°、放電容量(0.1C)が210mAh/g、高率放電性能(1C/0.1C)が90%の実施例8が記載されている。
特許文献2には、「α−NaFeO型結晶構造を有し、組成式Li1+αMe1−α(MeはCo、Ni及びMnを含む遷移金属元素、α>0)で表され、前記遷移金属元素Meに対するLiのモル比Li/Meが1.2〜1.6であるリチウム遷移金属複合酸化物を含有する非水電解質二次電池用正極活物質であって、前記遷移金属元素Me中のCoのモル比Co/Meが0.02〜0.23であり、前記遷移金属元素Me中のMnのモル比Mn/Meが0.62〜0.72であり、電位5.0V(vs.Li/Li)まで電気化学的に酸化したとき、エックス線回折図上空間群R3−mに帰属される単一相として観察されるものであることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。」(請求項1)、「前記リチウム遷移金属複合酸化物は、前記遷移金属元素Meに対するLiのモル比Li/Meが1.25〜1.40であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。」(請求項2)、「BET比表面積が0.88m/g以上であることを特徴とする請求項4に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。」(請求項4)の発明が記載されており、BET比表面積が0.88m/g以上であれば、初期効率、高率放電性能がさらに向上することが示されている(0121)。
特許文献3には、「α−NaFeO型結晶構造を有するナトリウム含有リチウム遷移金属複合酸化物の固溶体を含むリチウム二次電池用活物質であって、前記固溶体の化学組成式が、Li1+x−yNaCoNiMn2+d(0<y≦0.1、0.4≦c≦0.7、x+a+b+c=1、0.1≦x≦0.25、−0.2≦d≦0.2)を満たし、かつ、六方晶(空間群P312)に帰属可能なX線回折パターンを有し、ミラー指数hklにおける(003)面の回折ピークの半値幅が0.30°以下であり、かつ、(114)面の回折ピークの半値幅が0.50°以下であることを特徴とするリチウム二次電池用活物質。」(請求項1)の発明が記載されている。
また、(0074)〜(0078)、(0102)、(表1)には、実施例1〜31として、遷移金属の共沈水酸化物前駆体と、水酸化リチウム1水和物と、炭酸ナトリウムを種々の組成となるように混合し、1000℃で焼成したリチウム遷移金属複合酸化物について、(003)面の回折ピークの半値幅が0.19〜0.21°、BET比表面積が2.3〜2.7m/gに収束したことが示されている。
特許文献4には、「α−NaFeO型結晶構造を有し、組成式Li1+αMe1−α(MeはMn、Ni及びCoを含む遷移金属元素、0<α<1)で表され、1.250≦(1+α)/(1−α)≦1.425であるリチウム遷移金属複合酸化物を含有する非水電解質二次電池用活物質であって、CuKα管球を用いたエックス線回折図上、2θ=18.6°±1°の回折ピークの半値幅が0.20°〜0.27°又は/及び、2θ=44.1°±1°の回折ピークの半値幅が0.26°〜0.39°であり、電位5.0V(vs.Li/Li+)まで電気化学的に酸化したときに、エックス線回折図上、六方晶(空間群R3−m)に帰属される単一相として観察されるものであることを特徴とする非水電解質二次電池用活物質。」(請求項1)、「前記非水電解質二次電池用活物質は、CuKα管球を用いたエックス線回折図上、2θ=18.6°±1°の回折ピークの半値幅が0.208°〜0.247°又は/及び、2θ=44.1°±1°の回折ピークの半値幅が0.266°〜0.335°であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用活物質。」(請求項2)の発明が記載されている。
また、(0065)、(0071)、(0086)、(0126)(表2)には、実施例20、27として、共沈炭酸塩前駆体から作成され、18.6°±1°の回折ピークの半値幅が0.210°のリチウム遷移金属複合酸化物が記載されており、(0128)には、「エックス線回折図上2θ=18.6°±1°の回折ピークの半値幅が0.208°〜0.247°又は/及び、2θ=44.1°±1°の回折ピークの半値幅が0.266°〜0.335°の範囲にある実施例3〜5、8〜33に係るリチウム遷移金属複合酸化物を用いることにより、低温における放電容量を優れたものとすることができることがわかった。」([0128])と記載されている。
特許文献5には、「Li1+xNiCo1−y−z (式中、Mは、Mg、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Cd、Sn及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種の原子であり、xは0〜0.80の数、yは0.10〜0.90の数、zは0〜0.70の数であり、かつ、0.10≦y+z≦0.99である。)で示される化合物からなり、二次粒子の粒子径D50が3〜9μm、BET比表面積が0.3〜2.0m/g、かつ、下記式で示される粒子解砕され易さAが60〜78% A=B/C×100 (式中、Bは、2.0gの正極活物質を底面積が1.76cmの冶具に入れて、8kNの荷重を1分間かけて作製したペレット中の二次粒子の粒子径D50を表し、Cは、前記ペレット作製前の正極活物質の二次粒子の粒子径D50を表す。)であることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質」(請求項1)の発明が記載されている。
また、実施例には、BET比表面積が1.2〜2.0m/gの正極活物質が記載され、初期充放電効率と高率放電容量が向上していることが記載されている。
特開2014−44928号公報 WO2012/091015 WO2012/039413 WO2013/121654 特開2013−235786号公報
「リチウム過剰型」活物質の放電容量は、概して、「LiMeO型」活物質よりも大きなエネルギー密度を有するから、この活物質を正極に用いた非水電解質二次電池は、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車といった自動車分野への適用が検討されている。
「リチウム過剰型」活物質の自動車分野への適用に当たっては、初期効率や、放電容量、高率放電性能、低温特性、充放電サイクル性能等の向上が課題である。したがって、活物質の組成や、結晶構造、比表面積等の物理的性状が、それぞれの性能に与える影響について、種々の検討が行われていることは、先行技術文献に示されるとおりである。
「リチウム過剰型」活物質の比表面積は、「LiMeO型」活物質とは異なり、小さすぎると十分な初期効率や充放電容量が得られない。比表面積を大きくすることで、初期効率や充放電容量を向上できることが知られている。しかし、比表面積が大きいと、充放電サイクル時の容量維持率が低下する。これは、比表面積が大きいと、活物質と電解液との接触面積が大きくなるため、活物質表面からMnの溶出や電解液との副反応が促進されるためであると推察される。したがって、「リチウム過剰型」活物質を正極に用いた非水電解質電池は、初期効率や充放電容量と、充放電サイクル時の容量維持率をともに優れたものとすることは、従来困難であった。
本発明は、充放電サイクル時の容量維持率が優れた「リチウム過剰型」正極活物質を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するために、以下の手段を採用するものである。
(1)α−NaFeO型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含む非水電解質電池用正極活物質であって、
前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成するLiと遷移金属(Me)のモル比Li/Meが1.2より大きく1.5未満であり、
前記遷移金属(Me)がMn及びNiを含み、
前記リチウム遷移金属複合酸化物が、空間群P312又はR3−mに帰属可能なX線回折パターンを有し、CuKα線を用いたX線回折測定によるミラー指数hklにおける(003)面の回折ピークの半値幅が0.180〜0.210°であり、
さらに、前記リチウム遷移金属複合酸化物のBET比表面積が2.0以上3.8m/g以下である非水電解質二次電池用正極活物質。
(2)前記リチウム遷移金属複合酸化物のCuKα線を用いたX線回折測定によるミラー指数hklにおける(003)面の回折ピークの半値幅が0.190〜0.210°である前記(1)の非水電解質二次電池用正極活物質。
(3)前記リチウム遷移金属複合酸化物のCuKα線を用いたX線回折測定によるミラー指数hklにおける(114)面又は(104)面の回折ピークの半値幅に対する(003)面の回折ピークの半値幅の比が、0.731以上である前記(1)又は(2)のいずれかの非水電解質二次電池用活物質。
(4)前記リチウム遷移金属複合酸化物は、二次粒子が、平板状の一次粒子からなり、前記一次粒子は、平板方向の長さが250〜900nmである前記(1)〜(3)のいずれかの非水電解質二次電池用正極活物質。
(5)前記遷移金属(Me)がCoを含まないか、又は、前記遷移金属(Me)がCoを含み、前記Coと前記遷移金属のモル比Co/Meが0.15以下である前記(1)〜(4)のいずれかの非水電解質二次電池用活物質。
(6)前記リチウム遷移金属複合酸化物がNbを含む前記(1)〜(6)のいずれかの非水電解質二次電池用活物質。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかの非水電解質二次電池用活物質を製造する方法であって、前記遷移金属の炭酸塩前駆体を作製する工程と、前記炭酸塩前駆体と、リチウム化合物と、ニオブ化合物とを混合する工程と、前記混合した混合物を800〜900℃で焼成する工程とを含む非水電解質二次電池用活物質の製造方法。
(8)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の正極活物質を有することを特徴とする非水電解質二次電池用電極。
(9)前記(8)の正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池。
本発明によれば、初期効率や初期放電容量を維持しつつ、充放電サイクル時の容量維持率の低下を抑制することができる。
実施例1に係る正極活物質のSEM写真 実施例2に係る正極活物質のSEM写真 実施例3に係る正極活物質のSEM写真 実施例4に係る正極活物質のSEM写真 比較例1に係る正極活物質のSEM写真 比較例2に係る正極活物質のSEM写真 比較例3に係る正極活物質のSEM写真 比較例4に係る正極活物質のSEM写真 実施例及び比較例の比表面積とFWHM(003)の関係を示すグラフ 本発明に係る非水電解質蓄電素子の一実施形態を示す外観斜視図 本発明に係る非水電解質蓄電素子を複数個集合した蓄電装置を示す概念図
α−NaFeO型結晶構造を有する「リチウム過剰型」活物質を正極に用いた非水電解質電池において、充放電サイクル時の容量維持率を改善するためには、活物質と電解液との接触面積が大きくなりすぎないよう、比表面積を抑えることが必要であるが、比表面積を抑えると、充放電容量や初期効率が低下する。
そこで、本発明者は、「リチウム過剰型」正極活物質の結晶性に着目した。
α−NaFeO型結晶構造を有する「リチウム過剰型」正極活物質は、遷移金属元素の共沈前駆体とリチウム化合物とを焼成して合成されることが一般的であり、空間群P312あるいは空間群R3−mに帰属されるX線回折パターンを有する。このうち、空間群P312に帰属されるものには、CuKα管球を用いたX線回折図上、2θ=21°付近に超格子ピーク(Li[Li1/3Mn2/3]O型の単斜晶に見られるピーク)が確認される。ところが、一度でも充電を行い、結晶中のLiが脱離すると結晶の対称性が変化することにより、上記超格子ピークが消滅して、上記リチウム遷移金属複合酸化物は空間群R3−mに帰属されるようになる。空間群P312は、空間群R3−mにおける3a、3b、6cサイトの原子位置を細分化した結晶構造モデルであり、R3−mにおける原子配置に秩序性が認められるときに該P312モデルが採用される。X線回折図上の2θ=18.6°±1°の回折ピークは、空間群P312及びR3−mではミラー指数hklにおける(003)面に、2θ=44.1°±1°の回折ピークは、空間群P312では(114)面、空間群R3−mでは(104)面にそれぞれ指数付けされる。なお、「R3−m」は本来「R3m」の「3」の上にバー「−」を施して表記すべきものである。
合成時の焼成温度を高めると、結晶子が発達し、比表面積が小さくなるとともに、空間群P312での(003)面や(114)面に帰属するX線回折ピークの半値幅(以下、それぞれ、「FWHM(003)」、「FWHM(114)」という。)も小さくなることが知られている。
結晶子が発達して大きくなりすぎると、すなわち、FWHM(003)、FWHM(114)が小さすぎると、結晶子内にLiイオンが充分に拡散することができず、Liイオンの挿入・離脱反応の効率が悪くなるから、初期効率や充放電容量が低下する。
また、α−NaFeO型結晶構造では、Liイオンは、ab面に沿って挿入・離脱されるから、ab面の結晶性の指標であるFWHM(003)が大きくなりすぎても、Liイオンの挿入・離脱に支障をきたすと考えられる。
したがって、BET比表面積がある程度小さくても、FWHM(003)を適度な範囲とすることができれば、初期効率や充放電容量を維持することができる。
ab面の結晶性が適度であっても、発達しすぎた結晶子では、Liイオンが拡散し難くなるから、初期効率や高率放電性能が低下する。したがって、全方向の発達度の指標であるFWHM(114)に対する、ab面の発達度の指標であるFWHM(003)の比、即ち、FWHM(003)/FWHM(114)の値は小さすぎない方が好ましい。
したがって、FWHM(003)が適度な範囲であり、FWHM(003)/FWHM(114)が小さすぎないと、BET比表面積が比較的小さくても、初期効率や充放電容量性能に優れるといえる。
本発明者は、以上の知見に基づき、初期効率や充放電容量を維持しつつ、充放電サイクル時の容量維持率を改善するする「リチウム過剰型」正極活物質について検討したところ、Ni、Mn及び任意成分としてCoを含む共沈炭酸塩前駆体と、炭酸リチウム、酸化ニオブを適切な量で混合し、適切な条件下で焼成して得られた「リチウム過剰型」正極活物質が、大きすぎない比表面積と、適度な結晶性を有することにより、高初期効率、高放電容量を実現し、充放電サイクル時の容量低下の抑制も実現できることを突き止めた。
以下に、本発明に係る正極活物質について、詳述する。
(リチウム遷移金属複合酸化物の組成)
本発明の「リチウム過剰型」正極活物質であるリチウム遷移金属複合酸化物は、一般式Li1+αMe1−α(Meは本質的にNi、Mnよりなる遷移金属元素、α>0)で表される。高放電容量であり、高率放電性能が優れた非水電解質二次電池を得るために、Li元素と前記遷移金属元素Meの比Li/Meは、1.2より大きく1.5未満である。Li/Meが1.2以下であると、放電容量を高める効果が減衰し、また、Li/Meが1.5以上であると、充放電サイクルに伴い、α−NaFeO型結晶構造の安定性が低下する虞がある。
前記遷移金属元素におけるMnの比率Mn/Meは、0.60以上であると、放電容量を大きくできるため好ましく、Mn/Meが0.72以下であると、放電容量が大きくできるとともに、初期効率が優れる。したがって、放電容量が大きく、初期効率が優れた非水電解質二次電池を得るために、Mn/Meは0.60以上0.72以下であることが好ましい。
前記遷移金属元素は、任意成分としてCoを含んでよい。Coは初期効率を向上させる効果がある。しかし、Coが多すぎると結晶子の成長が進み、比表面積が小さくなりすぎる傾向がある。また、希少資源であることからコスト高である。したがって、遷移金属中のCoのモル比Co/Meは、0.15以下であることが好ましい。
前記遷移金属元素は、さらに、Nbを含むことが好ましい。後述する実施例にみられるように、Nbを含有すると、リチウム遷移金属複合酸化物の比表面積を調整することができる。遷移金属中のNbのモル比Nb/Meは、0.005〜0.020が好ましい。
(リチウム遷移金属複合酸化物の結晶性)
本発明のα−NaFeO型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物は、放電容量を大きくし、充放電サイクル性能を向上させるために、FWHM(003)が0.180°以上0.210°以下であることが必要である。高い初期放電容量を得るためには、FWHM(003)が0.190°以上であることがより好ましい。
また、Liイオンの挿入・離脱反応が効率的に行われ、高率放電性能を向上させるためには、FWHM(003)/FWHM(114)の値は、0.730以上であることが好ましい。
(リチウム遷移金属複合酸化物の性状)
本発明に係る正極活物質のBET比表面積は、初期効率、充放電性能が優れ、かつ充放電サイクル時の容量低下を抑制するために、2.0以上3.8m/g以下であることが必要である。また、タップ密度は、高率放電性能が優れた非水電解質二次電池を得るために、1.25g/cc以上が好ましく、1.7g/cc以上がより好ましい。
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、SEM像から求められる平板方向の長さが250〜900nmである平板状の一次粒子が焼結された二次粒子である。ab面の発達した平板状の一次粒子が二次粒子を構成していることにより、比表面積が比較的小さくても、Liイオンの挿入・離脱サイトを確保することができる。
(リチウム遷移金属複合酸化物の作製)
本発明の非水電解質二次電池用活物質は、基本的に、活物質を構成する金属元素を、目的とする活物質(酸化物)の組成通りに含有する原料を調整し、これを焼成することによって得ることができる。但し、Li原料の量については、焼成中にLi原料の一部が消失することを見込んで、1〜5%程度過剰に仕込むことが好ましい。
目的とする組成の酸化物を作製するにあたり、Liと、遷移金属(Ni,Mn,任意成分としてCo)のそれぞれの塩を混合・焼成するいわゆる「固相法」や、あらかじめ遷移金属Co,Ni,Mnを一粒子中に存在させた共沈前駆体を作製しておき、これにLi塩を混合・焼成する「共沈法」が知られている。「固相法」による合成過程では、特にMnはCo,Niに対して均一に固溶しにくいため、各元素が一粒子中に均一に分布した試料を得ることは困難である。これまで文献などにおいては固相法によってNiやCoの一部にMnを固溶(LiNi1−xMnなど)しようという試みが多数なされているが、「共沈法」を選択する方が原子レベルで均一相を得ることが容易である。そこで、後述する実施例においては、「共沈法」を採用した。
共沈前駆体を作製するにあたって、Co,Ni,MnのうちMnは酸化されやすく、Co,Ni,Mnが2価の状態で均一に分布した共沈前駆体を作製することが容易ではないため、Co,Ni,Mnの原子レベルでの均一な混合は不十分なものとなりやすい。特に本発明の組成範囲においては、Mn比率がCo,Ni比率に比べて高いので、水溶液中の溶存酸素を除去することが特に重要である。溶存酸素を除去する方法としては、酸素を含まないガスをバブリングする方法が挙げられる。酸素を含まないガスとしては、限定されるものではないが、窒素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素(CO)等を用いることができる。なかでも、後述する実施例のように、共沈炭酸塩前駆体を作製する場合には、酸素を含まないガスとして二酸化炭素を採用すると、炭酸塩がより生成しやすい環境が与えられるため、好ましい。
溶液中でCo、Ni及びMnを含有する化合物を共沈させて前駆体を製造する工程におけるpHは限定されるものではないが、前記共沈前駆体を共沈炭酸塩前駆体として作製しようとする場合には、7.5〜11とすることができる。タップ密度を大きくするためには、pHを制御することが好ましい。pHを9.4以下とすることにより、タップ密度を1.25g/cc以上とすることができ、高率放電性能を向上させることができる。さらに、pHを8.0以下とすることにより、粒子成長速度を促進できるので、原料水溶液滴下終了後の撹拌継続時間を短縮できる。
前記共沈前駆体は、MnとNiと任意成分であるCoとが均一に混合された化合物であることが好ましい。本発明においては、放電容量が大きい非水電解質二次電池用活物質を得るために、共沈前駆体を炭酸塩とすることが好ましい。
また、錯化剤を用いた晶析反応等を用いることによって、より嵩密度の大きな前駆体を作製することもできる。その際、Li源と混合・焼成することでより高密度の活物質を得ることができるので電極面積あたりのエネルギー密度を向上させることができる。
前記共沈前駆体の原料は、Mn化合物としては硫酸マンガン、硝酸マンガン、酢酸マンガン等を、Ni化合物としては、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル等を、Co化合物としては、硫酸コバルト、硝酸コバルト、酢酸コバルト等を一例として挙げることができる。
本発明においては、アルカリ性を保った反応槽に前記共沈前駆体の原料水溶液を滴下供給して共沈炭酸塩前駆体を得る反応晶析法を採用することが好ましい。ここで、中和剤としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を使用することが好ましい。
前記原料水溶液の滴下速度は、生成する共沈前駆体の1粒子内における元素分布の均一性に大きく影響を与える。特にMnは、CoやNiと均一な元素分布を形成しにくいので注意が必要である。好ましい滴下速度については、反応槽の大きさ、攪拌条件、pH、反応温度等にも影響されるが、30ml/min以下が好ましい。放電容量を向上させるためには、滴下速度は10ml/min以下がより好ましく、5ml/min以下が最も好ましい。
また、反応槽内に錯化剤が存在し、かつ一定の対流条件を適用した場合、前記原料水溶液の滴下終了後、さらに攪拌を続けることにより、粒子の自転および攪拌槽内における公転が促進され、この過程で、粒子同士が衝突しつつ、粒子が段階的に同心円球状に成長する。即ち、共沈前駆体は、反応槽内に原料水溶液が滴下された際の金属錯体形成反応、及び、前記金属錯体が反応槽内の滞留中に生じる沈殿形成反応という2段階での反応を経て形成される。従って、前記原料水溶液の滴下終了後、さらに攪拌を続ける時間を適切に選択することにより、目的とする粒子径を備えた共沈前駆体を得ることができる。
原料水溶液滴下終了後の好ましい攪拌継続時間については、反応槽の大きさ、攪拌条件、pH、反応温度等にも影響されるが、粒子を均一な球状粒子として成長させるために0.5h以上が好ましく、1h以上がより好ましい。また、粒子径が大きくなりすぎることで電池の低SOC領域における出力性能が充分でないものとなる虞を低減させるため、30h以下が好ましく、25h以下がより好ましく、20h以下が最も好ましい。
また、炭酸塩前駆体及びリチウム遷移金属複合酸化物の二次粒子の粒度分布における累積体積が50%となる粒子径であるD50を調整するための好ましい攪拌継続時間は、制御するpHによって異なる。例えば、pHを7.5〜8.2に制御した場合には、撹拌継続時間は1〜15hが好ましく、pHを8.3〜9.4に制御した場合には、撹拌継続時間は3〜20hが好ましい。
炭酸塩前駆体の粒子は、吸引ろ過して取り出す際に、原料水溶液中に含まれる余分なイオン、例えば共沈前駆体の原料に硫酸塩を用いた場合は、SO 2−イオンや不純物イオンなどを除去するために、イオン交換水で十分洗浄することが好ましい。
炭酸塩前駆体は、80℃〜100℃未満で、空気雰囲気中、常圧下で乾燥させることが好ましい。100℃以上にて乾燥を行うことで短時間でより多くの水分を除去できるが、80℃にて長時間かけて乾燥させることで、より優れた電極特性を示す活物質とすることができる。その理由は必ずしも明らかではないが、炭酸塩前駆体は比表面積が50〜100m/gの多孔体であるため、水分を吸着しやすい構造となっている。そこで、低い温度で乾燥させることによって、前駆体の状態において細孔にある程度の吸着水が残っている状態とした方が、Li塩と混合して焼成する焼成工程において、細孔から除去される吸着水と入れ替わるように、その細孔に溶融したLiが入り込むことができ、これによって、100℃で乾燥を行った場合と比べて、より均一な組成の活物質が得られるためではないかと発明者は推察している。なお、100℃にて乾燥を行って得られた炭酸塩前駆体は黒茶色を呈するが、80℃にて乾燥を行って得られた炭酸塩前駆体は肌色を呈するので、前駆体の色によって区別ができる。
そこで、上記知見された前駆体の差異を定量的に評価するため、それぞれの前駆体の色相を測定し、JIS Z 8721に準拠した日本塗料工業会が発行する塗料用標準色(JPMA Standard Paint Colors)2011年度F版と比較した。色相の測定には、コニカミノルタ社製カラーリーダーCR10を用いた。この測定方法によれば、明度を表すdL*の値は、白い方が大きくなり、黒い方が小さくなる。また、色相を表すda*の値は、赤色が強い方が大きくなり、緑色が強い方(赤色が弱い方)が小さくなる。また、色相を表すdb*の値は、黄色が強い方が大きくなり、青色が強い方(黄色が弱い方)が大きくなる。
100℃乾燥品の色相は、標準色F05−20Bと比べて、赤色方向に標準色F05−40Dに至る範囲内にあり、また、標準色FN−10と比べて、白色方向に標準色FN−25に至る範囲内にあることがわかった。中でも、標準色F05−20Bが呈する色相との色差が最も小さいものと認められた。
一方、80℃乾燥品の色相は、標準色F19−50Fと比べて、白色方向に標準色F19−70Fに至る範囲内にあり、また、標準色F09−80Dと比べて、黒色方向に標準色F09−60Hに至る範囲内にあることがわかった。中でも、標準色F19−50Fが呈する色相との色差が最も小さいものと認められた。
以上の知見から、炭酸塩前駆体の色相は、標準色F05−20Bに比べて、dL,da及びdbの全てにおいて+方向であるものが好ましく、dLが+5以上、daが+2以上、dbが+5以上であることがより好ましいといえる。
本発明の非水電解質二次電池用活物質は、前記炭酸塩前駆体とLi化合物とを混合した混合粉体を熱処理することで好適に作製することができる。混合工程において、微量のNb化合物を添加することが好ましい。Nb化合物を添加することにより、比表面積の調整を行うことができる。
Li化合物としては、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム等を用いることで好適に製造することができる。但し、Li化合物の量については、焼成中にLi化合物の一部が消失することを見込んで、1〜5%程度過剰に仕込むことが好ましい。
Nb化合物としては、酸化ニオブを用いることができる。
焼成温度は、活物質の可逆容量及び充放電サイクル時の容量低下に影響を与える。
焼成温度が高すぎると、得られた活物質が酸素放出反応を伴って崩壊すると共に、主相の六方晶に加えて単斜晶のLi[Li1/3Mn2/3]O型に規定される相が、固溶相としてではなく、分相して観察される傾向がある。このような分相が多く含まれすぎると、活物質の可逆容量の減少を導き、充放電サイクル時の容量低下を起こすので好ましくない。このような材料では、X線回折図上35°付近及び45°付近に不純物ピークが観察される。従って、焼成温度は、活物質の酸素放出反応の影響する温度未満とすることが好ましい。活物質の酸素放出温度は、本発明に係る組成範囲においては、概ね1000℃以上であるが、活物質の組成によって酸素放出温度に若干の差があるので、あらかじめ活物質の酸素放出温度を確認しておくことが好ましい。特に試料に含まれるCo量が多いと前駆体の酸素放出温度は低温側にシフトすることが確認されているのでCo量は少ない方が好ましい。活物質の酸素放出温度を確認する方法としては、焼成反応過程をシミュレートするために、共沈前駆体とリチウム化合物を混合したものを熱重量分析(DTA−TG測定)に供してもよいが、この方法では測定機器の試料室に用いている白金が揮発したLi成分により腐食されて機器を痛めるおそれがあるので、あらかじめ500℃程度の焼成温度を採用してある程度結晶化を進行させた組成物を熱重量分析に供するのが良い。
一方、焼成温度が低すぎると、結晶化が十分に進まず、電極特性が低下する傾向がある。本発明においては、焼成温度は少なくとも800℃以上とすることが好ましい。十分に結晶化させることにより、結晶粒界の抵抗を軽減し、円滑なリチウムイオン輸送を促すことができる。
また、発明者らは、本発明活物質の回折ピークの半値幅を詳細に解析することで750℃までの温度で合成した試料においては格子内にひずみが残存しており、それ以上の温度で合成することでほとんどひずみを除去することができることを確認した。また、結晶子のサイズは合成温度が上昇するに比例して大きくなるものであった。よって、本発明活物質の組成においても、系内に格子のひずみがほとんどなく、かつ結晶子サイズが適度に成長した粒子とすることで良好な放電容量及び充放電サイクル性能を得られるものであった。具体的には、格子定数に及ぼすひずみ量が2%以下、かつab面方向の一次粒子の大きさが250〜900nmに成長しているような合成温度(焼成温度)及びLi/Me比組成を採用することが好ましいことがわかった。
上記のように、焼成温度は、活物質の酸素放出温度に関係するが、活物質から酸素が放出される焼成温度に至らずとも、900℃を超えると一次粒子が大きく成長することによる結晶化現象が見られる。これは、焼成後の活物質を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより確認できる。900℃を超える合成温度を経て合成した活物質は一次粒子がc軸方向にも成長しており、充放電反応中における活物質中のLiイオン移動に不利な状態となり、高率放電性能が低下する。一次粒子は、ab面の長さが250〜900nmの平板状であることがより好ましい。また、900℃を超える合成温度では、活物質の細孔容積が減少し、初期効率、高率放電性能が低下する。
したがって、初期効率、充放電容量性能を維持し、充放電サイクル時の容量維持率を向上させるために、1.2<Li/Me<1.5のリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質とする場合、焼成温度は800〜900℃とすることが好ましい。
(負極活物質)
負極活物質としては、限定されるものではなく、リチウムイオンを放出あるいは吸蔵することのできる形態のものであればどれを選択してもよい。例えば、Li[Li1/3Ti5/3]Oに代表されるスピネル型結晶構造を有するチタン酸リチウム等のチタン系材料、SiやSb,Sn系などの合金系材料リチウム金属、リチウム合金(リチウム−シリコン、リチウム−アルミニウム,リチウム−鉛,リチウム−スズ,リチウム−アルミニウム−スズ,リチウム−ガリウム,及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)、リチウム複合酸化物(リチウム−チタン)、酸化珪素の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えばグラファイト、ハードカーボン、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)等が挙げられる。
(正極・負極)
正極活物質の粉体および負極活物質の粉体は、平均粒子サイズ100μm以下であることが好ましい。特に、正極活物質の粉体は、非水電解質電池の高出力特性を向上する目的で15μm以下であることが好ましい。粉体を所定の形状で得るためには粉砕機や分級機が用いられる。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、篩や風力分級機などが、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
正極及び負極には、前記活物質の他に、導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等が、他の構成成分として含有されてもよい。
導電剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば限定されないが、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,土状黒鉛等)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、金属(銅,ニッケル,アルミニウム,銀,金等)粉、金属繊維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種またはそれらの混合物として含ませることができる。
これらの中で、導電剤としては、電子伝導性及び塗工性の観点よりアセチレンブラックが好ましい。導電剤の添加量は、正極または負極の総重量に対して0.1重量%〜50重量%が好ましく、特に0.5重量%〜30重量%が好ましい。特にアセチレンブラックを0.1〜0.5μmの超微粒子に粉砕して用いると必要炭素量を削減できるため好ましい。正極活物質に導電剤を十分に混合するために、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、遊星ボールミル等の粉体混合機を乾式、あるいは湿式で用いることが可能である。
前記結着剤としては、通常、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリエチレン,ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM),スルホン化EPDM,スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のゴム弾性を有するポリマーを1種または2種以上の混合物として用いることができる。結着剤の添加量は、正極または負極の総重量に対して1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。
フィラーとしては、電池性能に悪影響を及ぼさない材料であれば限定されない。通常、ポリプロピレン,ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、無定形シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス、炭素等が用いられる。フィラーの添加量は、正極または負極の総重量に対して添加量は30重量%以下が好ましい。
正極及び負極は、前記主要構成成分(正極においては正極活物質、負極においては負極材料)、およびその他の材料を混練し合剤とし、N−メチルピロリドン,トルエン等の有機溶媒又は水に混合させた後、得られた混合液をアルミニウム箔等の集電体の上に塗布し、または圧着して50℃〜250℃程度の温度で、2時間程度加熱処理することにより好適に作製される。前記塗布方法については、例えば、アプリケーターロールなどのローラーコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレード方式、スピンコーティング、バーコータ等の手段を用いて任意の厚さ及び任意の形状に塗布することが好ましいが、これらに限定されるものではない。
(非水電解質)
本発明に係る非水電解質二次電池に用いる非水電解質は、限定されるものではなく、一般にリチウム電池等への使用が提案されているものが使用可能である。非水電解質に用いる非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
非水電解質に用いる電解質塩としては、例えば、LiClO4,LiBF4,LiAsF6,LiPF6,LiSCN,LiBr,LiI,Li2SO4,Li210Cl10,NaClO4,NaI,NaSCN,NaBr,KClO4,KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCF3SO3,LiN(CF3SO22,LiN(C25SO22,LiN(CF3SO2)(C49SO2),LiC(CF3SO23,LiC(C25SO23,(CH34NBF4,(CH34NBr,(C254NClO4,(C254NI,(C374NBr,(n−C494NClO4,(n−C494NI,(C254N−maleate,(C254N−benzoate,(C254N−phthalate、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム等の有機イオン塩等が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。
さらに、LiPF6又はLiBF4と、LiN(C25SO22のようなパーフルオロアルキル基を有するリチウム塩とを混合して用いることにより、さらに電解質の粘度を下げることができるので、低温特性をさらに高めることができ、また、自己放電を抑制することができ、より好ましい。
また、非水電解質として常温溶融塩やイオン液体を用いてもよい。
非水電解質における電解質塩の濃度としては、高い電池特性を有する非水電解質電池を確実に得るために、0.1mol/l〜5mol/lが好ましく、さらに好ましくは、0.5mol/l〜2.5mol/lである。
(セパレータ)
セパレータとしては、優れた高率放電性能を示す多孔膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。非水電解質電池用セパレータを構成する材料としては、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を挙げることができる。
セパレータの空孔率は強度の観点から98体積%以下が好ましい。また、充放電特性の観点から空孔率は20体積%以上が好ましい。
また、セパレータは、例えばアクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルメタアクリレート、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーと電解質とで構成されるポリマーゲルを用いてもよい。非水電解質を上記のようにゲル状態で用いると、漏液を防止する効果がある点で好ましい。
さらに、セパレータは、上述したような多孔膜や不織布等とポリマーゲルを併用して用いると、電解質の保液性が向上するため好ましい。即ち、ポリエチレン微孔膜の表面及び微孔壁面に厚さ数μm以下の親溶媒性ポリマーを被覆したフィルムを形成し、前記フィルムの微孔内に電解質を保持させることで、前記親溶媒性ポリマーがゲル化する。
前記親溶媒性ポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデンの他、エチレンオキシド基やエステル基等を有するアクリレートモノマー、エポキシモノマー、イソシアナート基を有するモノマー等が架橋したポリマー等が挙げられる。該モノマーは、電子線(EB)照射、又は、ラジカル開始剤を添加して加熱若しくは紫外線(UV)照射を行うこと等により、架橋反応を行わせることが可能である。
(その他の構成要素)
その他の電池の構成要素としては、端子、絶縁板、電池ケース等があるが、これらの部品は従来用いられてきたものをそのまま用いて差し支えない。
(非水電解質二次電池の構成)
図1に、本発明に係る非水電解質二次電池の一実施形態である矩形状のリチウム二次電池1の外観斜視図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図1に示す非水電解質二次電池1は、電極群2が電池容器3に収納されている。電極群2は、正極活物質を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して捲回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。
本発明に係る非水電解質二次電池の形状については特に限定されるものではなく、円筒型電池、角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。
(蓄電装置の構成)
本発明は、上記の非水電解質二次電池を複数個集合した蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図2に示す。図2において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の非水電解質二次電池1を備えている。前記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
(リチウム遷移金属複合酸化物の合成)
<実施例1>
硫酸コバルト7水和物6.74g、硫酸ニッケル6水和物10.5g及び硫酸マンガン5水和物32.7gを秤量し、これらの全量をイオン交換水200mlに溶解させ、Co:Ni:Mnのモル比が12:20:68となる1.0Mの硫酸塩水溶液を作製した。一方、2Lの反応槽に750mlのイオン交換水を注ぎ、COガスを30minバブリングさせることにより、イオン交換水中にCOを溶解させた。反応槽の温度を50℃(±2℃)に設定し、攪拌モーターを備えたディスクタービン翼を用いて、邪魔板付きの反応槽内を1000rpmの回転速度で攪拌しながら、前記硫酸塩水溶液を3ml/minの速度で滴下した。ここで、滴下の開始から終了までの間、1.0Mの炭酸ナトリウム及びアンモニアを含有する水溶液を適宜滴下することにより、反応槽中のpHが常に8.0(±0.05)、アンモニア濃度が0.5g/Lを保つように制御した。滴下終了後、反応槽内の攪拌をさらに3h継続した。攪拌の停止後、12h以上静置した。
次に、吸引ろ過装置を用いて、反応槽内に生成した共沈炭酸塩の粒子を分離し、さらにイオン交換水を用いて粒子に付着しているナトリウムイオンを洗浄除去し、電気炉を用いて、空気雰囲気中、常圧下、80℃にて乾燥させた。その後、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、共沈炭酸塩前駆体を作製した。
前記共沈炭酸塩前駆体3.0gに、炭酸リチウム1.3g及び酸化ニオブ0.03gを加え、瑪瑙製自動乳鉢を用いて十分混合し、Li:(Co,Ni,Mn):Nbのモル比が1.4:0.995:0.005である混合粉体を調製した。ペレット成型機を用いて、6MPaの圧力で成型し、直径25mmのペレットとした。ペレット成型に供した混合粉体の量は、想定する最終生成物の質量が2.4gとなるように換算して秤量した。前記ペレット1個を全長約100mmのアルミナ製ボートに載置し、箱型電気炉(型番:AMF20)に設置し、空気雰囲気中、常圧下、常温から870℃まで10時間かけて昇温し、870℃で4h焼成した。前記箱型電気炉の内部寸法は、縦10cm、幅20cm、奥行き30cmであり、幅方向20cm間隔に電熱線が入っている。焼成後、ヒーターのスイッチを切り、アルミナ製ボートを炉内に置いたまま自然放冷した。この結果、炉の温度は5時間後には約200℃程度にまで低下するが、その後の降温速度はやや緩やかである。一昼夜経過後、炉の温度が100℃以下となっていることを確認してから、ペレットを取り出し、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、実施例1に係るリチウム遷移金属複合酸化物Li1.4Ni0.199Co0.119Mn0.677Nb0.0052+zを作製した。ここで、前記組成式から化学量論的に計算されるzの値は0.4であるが、α−NaFeO型結晶構造を有している限りzの値は必ずしも化学量論比通りでなくてよい。以下の実施例においても同様である。
<実施例2>
実施例1と同じ前駆体を用い、Li:(Co,Ni,Mn):Nbのモル比が1.4:0.990:0.010である混合粉体を調製した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2に係るリチウム遷移金属酸化物Li1.4Ni0.198Co0.119Mn0.673Nb0.0102+zを作製した。
<実施例3>
実施例1と同じ前駆体を用い、Li:(Co,Ni,Mn):Nbのモル比が1.4:0.985:0.015である混合粉体を調製した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3に係るリチウム遷移金属酸化物Li1.4Ni0.197Co0.118Mn0.670Nb0.0152+zを作製した。
<実施例4>
実施例1と同じ前駆体を用い、Li:(Co,Ni,Mn):Nbのモル比が1.4:0.980:0.020である混合粉体を調製した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例4に係るリチウム遷移金属酸化物Li1.4Ni0.196Co0.118Mn0.667Nb0.0202+zを作製した。
<比較例1>
実施例1と同じ前駆体を用い、Li:(Co,Ni,Mn)のモル比が1.4:1.0である混合粉体を調製した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1に係るリチウム遷移金属酸化物Li1.4Ni0.200Co0.120Mn0.6802+zを作製した。
<比較例2>
実施例1と同じ前駆体を用い、Li:(Co,Ni,Mn):Siのモル比が1.4:0.990:0.010である混合粉体を調製した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2に係るリチウム遷移金属酸化物Li1.4Ni0.198Co0.119Mn0.673Si0.0102+zを作製した。
<比較例3>
実施例1と同じ前駆体を用い、Li:(Co,Ni,Mn):Zrのモル比が1.4:0.995:0.005である混合粉体を調製した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2に係るリチウム遷移金属酸化物Li1.4Ni0.199Co0.119Mn0.677Zr0.0052+zを作製した。
<比較例4>
焼成温度を920℃とした以外は比較例1と同様の方法で、比較例4に係るリチウム遷移金属複合酸化物Li1.4Ni0.200Co0.120Mn0.6802+zを作製した。
(比表面積測定)
前記実施例及び比較例に係るリチウム遷移金属複合酸化物について、ユアサアイオニクス社製比表面積測定装置(商品名:MONOSORB)を用いて、一点法により、活物質に対する窒素吸着量(m)を求めた。得られた吸着量(m)を活物質質量(g)で除した値をBET比表面積とした。測定に当たって、液体窒素を用いた冷却によるガス吸着を行った。また、冷却前に120℃、15分の予備加熱を行った。また、測定試料の投入量は、0.5g±0.01gとした。
(半値幅の測定)
前記実施例及び比較例に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、次の条件及び手順に沿って半値幅の測定を行った。なお、本願明細書において、半値幅の測定は、次の条件及び手順に沿って行うものとする。
X線回折装置(Rigaku社製、型名:MiniFlex II)を用いて粉末X線回折測定を行った。線源はCuKα、加速電圧及び電流はそれぞれ30kV及び15mAとした。サンプリング幅は0.01deg、スキャンスピードは5.0deg/分、発散スリット幅は0.625deg、受光スリット幅は開放、散乱スリットは8.0mmとした。得られたX線回折データについて、Kα2に由来するピークを除去せず、前記X線回折装置の付属ソフトである「PDXL」を用いて、X線回折図上2θ=18.6°±1°に存在する(003)面の回折ピーク及び2θ=44.1°±1°に存在する(114)面の回折ピークについて半値幅を決定し、FWHM(003)と、FWHM(003)/FWHM(114)の値を記録した。
(走査型電子顕微鏡観察)
前記実施例、及び比較例に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、次の条件および手順に沿って走査型電子顕微鏡(SEM)観察を行った。なお、本願明細書において、SEM観察は、次の条件及び手順に沿って行うものとする。
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、型名:JSM−T200)を用いて、SEM観察を行った。前記実施例、及び比較例に係るリチウム遷移金属複合酸化物の一部をカーボンテープに付着させ、SEM観察に供するため、Ptスパッタリング処理を行った。SEM観察時の加速電圧は15kVとした。SEM観察は、任意に粒子(二次粒子)を選択し、20,000倍にてその二次粒子表面の任意の箇所を撮影した。この作業を二次粒子30個に対して行い、一次粒子の観察を行った。
二次粒子を十分拡大させた状態で行ったSEM観察の結果、実施例1〜4における二次粒子を構成する一次粒子は平面的な形状を有することを特徴とする平板状であった。表示スケールを用いて一次粒子の平面的に発達した面の長軸方向の長さを測定した。各実施例1〜4の一次粒子の長軸方向の長さは、250〜900nmであった。これに対して、比較例1〜4における一次粒子は、粒径50〜200nmの平面的な形状を有しない塊状であった。
(非水電解質二次電池の作製)
前記実施例及び比較例に係るリチウム遷移金属複合酸化物をそれぞれリチウム二次電池用正極活物質として用いて、以下の手順で非水電解質二次電池を作製した。
N−メチルピロリドンを分散媒とし、活物質、アセチレンブラック(AB)及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)が質量比90:5:5の割合で混練分散されている塗布用ペーストを作製した。該塗布ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔集電体の片方の面に塗布し、正極板を作製した。なお、全ての実施例及び比較例に係る非水電解質二次電池同士で試験条件が同一になるように、一定面積当たりに塗布されている活物質の質量及び塗布厚みを統一した。
正極の単独挙動を正確に観察する目的のため、対極、即ち負極には金属リチウムをニッケル箔集電体に密着させて用いた。ここで、非水電解質二次電池の容量が負極によって制限されないよう、負極には十分な量の金属リチウムを配置した。
電解液として、エチレンカーボネート(EC)/エチルメチルカーボネート(EMC)/ジメチルカーボネート(DMC)が体積比6:7:7である混合溶媒に濃度が1mol/lとなるようにLiPFを溶解させた溶液を用いた。セパレータとして、ポリアクリレートで表面改質したポリプロピレン製の微孔膜を用いた。外装体には、ポリエチレンテレフタレート(15μm)/アルミニウム箔(50μm)/金属接着性ポリプロピレンフィルム(50μm)からなる金属樹脂複合フィルムを用い、正極端子及び負極端子の開放端部が外部露出するように電極を収納し、前記金属樹脂複合フィルムの内面同士が向かい合った融着代を注液孔となる部分を除いて気密封止し、前記電解液を注液後、注液孔を封止して、非水電解質二次電池を作製した。
(初期充放電試験)
以上の手順にて作成された非水電解質二次電池は、25℃の下、初回充放電工程に供した。充電は、電流0.1CmA、電圧4.6Vの定電流定電圧充電とし、充電終止条件は電流値が1/50に減衰した時点とした。放電は、電流0.1CmA、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。この充放電を1サイクル行った。ここで、充電後及び放電後にそれぞれ10分の休止過程を設けた。このときの放電電気量を「初期放電容量(mAh/g)」として記録し、このサイクルにおける充電電気量に対する放電電気量の百分率を「初期効率(%)」として記録した。
(充放電サイクル試験)
25℃環境下において10サイクルの充放電サイクル試験を行った。充電は、電流0.1CmAの定電流充電とし、充電終止電圧は4.45Vとした。放電は、電流0.1CmAの定電流放電とし、放電終止電圧は2.0Vとした。ここで充電後及び放電後にそれぞれ10分の休止期間を設けた。この充放電サイクル試験の1サイクル目の放電容量に対する10サイクル目の放電容量の割合を算出し、「容量維持率(%)」として記録した。
前記実施例及び比較例に係るリチウム遷移金属複合酸化物をそれぞれ非水電解質二次電池用正極活物質として用いた非水電解質二次電池の試験結果を表1に示す。
焼成温度を870℃とした比較例1の結果と焼成温度を920℃とした比較例4の結果を比べると、焼成温度を高くすることによって、BET比表面積がある程度小さくなり、容量維持率が96%と若干向上するが、初期放電容量及び初期効率が低下していることがわかる。
焼成温度を870℃とし、焼成時にSi又はZrを適用した比較例2,3では、BET比表面積が、それぞれ5.4m/g、6.8m/gと比較例1より小さくなっているが、容量維持率が向上せず、初期放電容量、初期効率も比較例1より低下している。
焼成温度を870℃とし、焼成時にNbを適用した実施例1〜4では、遷移金属中のNbの割合が0.5%、1.0%、1.5%、2.0%と増加するに従って、比較例1に比べて、BET比表面積が3.8m/g、2.8m/g、2.3m/g、2.0m/gと小さくなり、10サイクル後の容量維持率がそれぞれ96.4%、96.9%、97.2%、96.9%と向上している。
このうち、遷移金属中のNbの割合を1.5%以下とした実施例1〜3では、初期放電容量が実施例4よりも優れる。
その原因は、詳細は不明であるが、FWHM(003)が0.200以上であるため、結晶子内にLiイオンが十分に拡散することができ、挿入・離脱反応の効率が高いためであると推察される。
図9に前記実施例及び比較例の比表面積とFWHM(003)の関係を示す。
図9から、実施例では、FWHM(003)が比較例と同程度に維持されながらも、BET比表面積を小さくすることに成功していることがわかる。したがって、本発明の活物質では、BET比表面積が小さい割には、FWHM(003)が大きく、適度な結晶子の大きさと、ab面の結晶度を保っており、Liイオンの挿入・離脱が起こり易いと推察される。
また、表1から、実施例では、BET比表面積が小さい割には、FWHM(003)/FWHM(114)の値が0.731以上と小さすぎないこともわかるから、本発明の活物質は、全方向に比べてab面が比較的発達しているといえる。このことは、実施例に係る活物質の二次粒子を構成している一次粒子が、平板状の大きな結晶子であることを示すSEM観察の結果と一致する。ab面は、Liイオンが挿入・離脱する面であるから、本発明の活物質は、Liイオンが出入りする面積比率が大きく、BET比表面積が比較的小さくても、放電容量を維持できると推察される。
本発明のリチウム遷移金属複合酸化物を含む正極活物質を用いることにより、初期効率、充放電容量が優れ、充放電サイクル時の容量低下の抑制された非水電解質二次電池を提供することができるので、この二次電池は、ハイブリッド自動車用、電気自動車用として有用である。
1 非水電解質二次電池
2 電極群
3 電池容器
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置

Claims (9)

  1. α−NaFeO型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含む非水電解質電池用正極活物質であって、
    前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成するLiと遷移金属(Me)のモル比Li/Meが1.2より大きく1.5未満であり、
    前記遷移金属(Me)がMn及びNiを含み、
    前記リチウム遷移金属複合酸化物が、空間群P312又はR3−mに帰属可能なX線回折パターンを有し、CuKα線を用いたX線回折測定によるミラー指数hklにおける(003)面の回折ピークの半値幅が0.180〜0.210°であり、
    さらに、前記リチウム遷移金属複合酸化物のBET比表面積が2.0以上3.8m/g以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
  2. 前記リチウム遷移金属複合酸化物のCuKα線を用いたX線回折測定によるミラー指数hklにおける(003)面の回折ピークの半値幅が0.190〜0.210°であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  3. 前記リチウム遷移金属複合酸化物のCuKα線を用いたX線回折測定によるミラー指数hklにおける(114)面又は(104)面の回折ピークの半値幅に対する(003)面の回折ピークの半値幅の比が、0.731以上である請求項1又は請求項2のいずれかに記載の非水電解質二次電池用活物質。
  4. 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、二次粒子が、平板状の一次粒子からなり、前記一次粒子は、平板方向の長さが250〜900nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  5. 前記遷移金属(Me)がCoを含まないか、又は、
    前記遷移金属(Me)がCoを含み、
    前記Coと前記遷移金属のモル比Co/Meが0.15以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質二次電池用活物質。
  6. 前記リチウム遷移金属複合酸化物がNbを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解質二次電池用活物質。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解質二次電池用活物質を製造する方法であって、
    前記遷移金属の炭酸塩前駆体を作製する工程と、
    前記炭酸塩前駆体と、リチウム化合物と、ニオブ化合物とを混合する工程と、
    前記混合した混合物を800〜900℃で焼成する工程と
    を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用活物質の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の正極活物質を有することと特徴とする非水電解質二次電池用電極。
  9. 請求項8に記載の正極と、負極と、非水電解質とを備えたことを特徴とする非水電解質二次電池。
JP2015103740A 2015-05-21 2015-05-21 非水電解質二次電池用正極活物質及び非水電解質二次電池 Active JP6583662B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015103740A JP6583662B2 (ja) 2015-05-21 2015-05-21 非水電解質二次電池用正極活物質及び非水電解質二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015103740A JP6583662B2 (ja) 2015-05-21 2015-05-21 非水電解質二次電池用正極活物質及び非水電解質二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016219278A true JP2016219278A (ja) 2016-12-22
JP6583662B2 JP6583662B2 (ja) 2019-10-02

Family

ID=57579096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015103740A Active JP6583662B2 (ja) 2015-05-21 2015-05-21 非水電解質二次電池用正極活物質及び非水電解質二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6583662B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6443589B2 (ja) * 2016-12-26 2018-12-26 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質前駆体
JP2019021426A (ja) * 2017-07-12 2019-02-07 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質前駆体、非水系電解質二次電池用正極活物質、非水系電解質二次電池用正極活物質前駆体の製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法
WO2020188863A1 (ja) 2019-03-15 2020-09-24 Basf戸田バッテリーマテリアルズ合同会社 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極、及び非水電解質二次電池
WO2020188864A1 (ja) 2019-03-15 2020-09-24 Basf戸田バッテリーマテリアルズ合同会社 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極、及び非水電解質二次電池
US11152616B2 (en) 2016-07-14 2021-10-19 Gs Yuasa International Ltd. Lithium transition metal composite oxide, transition metal hydroxide precursor, method for producing transition metal hydroxide precursor, method for producing lithium transition metal composite oxide, positive active material for nonaqueous electrolyte secondary battery, electrode for nonaqueous electrolyte secondary battery, nonaqueous electrolyte secondary battery and energy storage apparatus
WO2023281960A1 (ja) * 2021-07-06 2023-01-12 株式会社Gsユアサ 正極、蓄電素子及び蓄電装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012039413A1 (ja) * 2010-09-22 2012-03-29 株式会社Gsユアサ リチウム二次電池用活物質、リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池
WO2012121220A1 (ja) * 2011-03-07 2012-09-13 旭硝子株式会社 リチウムイオン二次電池用の正極活物質およびその製造方法
JP2014044928A (ja) * 2012-08-03 2014-03-13 Gs Yuasa Corp リチウム二次電池用正極活物質、その製造方法、リチウム二次電池用電極、リチウム二次電池
WO2015001631A1 (ja) * 2013-07-03 2015-01-08 株式会社日立製作所 リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池及びこれらの製造方法
JP2015015230A (ja) * 2013-06-06 2015-01-22 株式会社Gsユアサ 非水電解質二次電池用活物質、その活物質の製造方法、非水電解質二次電池用電極、非水電解質二次電池、及び蓄電装置
JP2015072801A (ja) * 2013-10-03 2015-04-16 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質および非水系電解質二次電池

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012039413A1 (ja) * 2010-09-22 2012-03-29 株式会社Gsユアサ リチウム二次電池用活物質、リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池
WO2012121220A1 (ja) * 2011-03-07 2012-09-13 旭硝子株式会社 リチウムイオン二次電池用の正極活物質およびその製造方法
JP2014044928A (ja) * 2012-08-03 2014-03-13 Gs Yuasa Corp リチウム二次電池用正極活物質、その製造方法、リチウム二次電池用電極、リチウム二次電池
JP2015015230A (ja) * 2013-06-06 2015-01-22 株式会社Gsユアサ 非水電解質二次電池用活物質、その活物質の製造方法、非水電解質二次電池用電極、非水電解質二次電池、及び蓄電装置
WO2015001631A1 (ja) * 2013-07-03 2015-01-08 株式会社日立製作所 リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池及びこれらの製造方法
JP2015072801A (ja) * 2013-10-03 2015-04-16 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質および非水系電解質二次電池

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11152616B2 (en) 2016-07-14 2021-10-19 Gs Yuasa International Ltd. Lithium transition metal composite oxide, transition metal hydroxide precursor, method for producing transition metal hydroxide precursor, method for producing lithium transition metal composite oxide, positive active material for nonaqueous electrolyte secondary battery, electrode for nonaqueous electrolyte secondary battery, nonaqueous electrolyte secondary battery and energy storage apparatus
JP6443589B2 (ja) * 2016-12-26 2018-12-26 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質前駆体
JPWO2018123995A1 (ja) * 2016-12-26 2018-12-27 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質前駆体
US11316155B2 (en) 2016-12-26 2022-04-26 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Cathode active material precursor for non-aqueous electrolyte secondary battery
JP2019021426A (ja) * 2017-07-12 2019-02-07 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質前駆体、非水系電解質二次電池用正極活物質、非水系電解質二次電池用正極活物質前駆体の製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法
KR20210107850A (ko) 2019-03-15 2021-09-01 가부시키가이샤 지에스 유아사 비수전해질 이차전지용 양극 활물질, 비수전해질 이차전지용 양극, 및 비수전해질 이차전지
JPWO2020188863A1 (ja) * 2019-03-15 2020-09-24
KR20210107851A (ko) 2019-03-15 2021-09-01 가부시키가이샤 지에스 유아사 비수전해질 이차전지용 양극 활물질, 비수전해질 이차전지용 양극, 및 비수전해질 이차전지
WO2020188864A1 (ja) 2019-03-15 2020-09-24 Basf戸田バッテリーマテリアルズ合同会社 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極、及び非水電解質二次電池
EP3910707A4 (en) * 2019-03-15 2022-03-23 Basf Toda Battery Materials LLC ACTIVE MATERIAL OF NON-AQUEOUS ELECTROLYTE SECONDARY BATTERY POSITIVE ELECTRODE, NON-AQUEOUS ELECTROLYTE SECONDARY BATTERY POSITIVE ELECTRODE AND NON-AQUEOUS ELECTROLYTE SECONDARY BATTERY
EP3910708A4 (en) * 2019-03-15 2022-03-30 Basf Toda Battery Materials LLC POSITIVE ELECTRODE ACTIVE MATERIAL FOR SECONDARY CELL WITH ANHYDROUS ELECTROLYTE, POSITIVE ELECTRODE FOR SECONDARY CELL WITH ANHYDROUS ELECTROLYTE AND SECONDARY CELL WITH ANHYDROUS ELECTROLYTE
WO2020188863A1 (ja) 2019-03-15 2020-09-24 Basf戸田バッテリーマテリアルズ合同会社 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極、及び非水電解質二次電池
JP7241162B2 (ja) 2019-03-15 2023-03-16 Basf戸田バッテリーマテリアルズ合同会社 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極、及び非水電解質二次電池
WO2023281960A1 (ja) * 2021-07-06 2023-01-12 株式会社Gsユアサ 正極、蓄電素子及び蓄電装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6583662B2 (ja) 2019-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6825559B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質、その製造方法、非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池
JP6428996B2 (ja) リチウム二次電池用混合活物質、リチウム二次電池用電極、及びリチウム二次電池
JP6044809B2 (ja) 非水電解質二次電池用活物質、非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池
JP6497537B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用電極、リチウム二次電池
JP6471693B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池
JP6090661B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質、その正極活物質の前駆体、リチウム二次電池用電極、リチウム二次電池
JP6175763B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質、その正極活物質の製造方法、リチウム二次電池用電極、及びリチウム二次電池
JP6583662B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質及び非水電解質二次電池
JP5871187B2 (ja) 非水電解質二次電池用活物質、その活物質の製造方法、非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池
JP6083505B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質、その正極活物質の製造方法、リチウム二次電池用電極、及びリチウム二次電池
JP2018073481A (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質、その製造方法、非水電解質二次電池用正極、及び非水電解質二次電池
JP2019149222A (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質、遷移金属水酸化物前駆体、遷移金属水酸化物前駆体の製造方法、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池
JP6274536B2 (ja) リチウム二次電池用混合活物質の製造方法、リチウム二次電池用電極の製造方法及びリチウム二次電池の製造方法
JP6611074B2 (ja) リチウム二次電池用混合活物質、リチウム二次電池用正極、及びリチウム二次電池
CN109618555B (zh) 锂过渡金属复合氧化物、过渡金属氢氧化物前体及它们的制造方法
JP6460575B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用電極、及びリチウム二次電池
JP2016015298A (ja) リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用電極、リチウム二次電池及び蓄電装置
JP6834363B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池
JP2018152256A (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極、非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法
JP6474033B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用電極、及びリチウム二次電池
JP6387054B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質、その製造方法及びリチウム二次電池
JP2019149371A (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質、正極活物質の製造に用いる前駆体の製造方法、正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極、及び非水電解質二次電池
JP2018077965A (ja) 非水電解質二次電池用活物質、非水電解質二次電池用活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6583662

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150