JP2016218140A - 感光性樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】高屈折率の層間絶縁膜を形成可能な感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】2以上の芳香環を有する縮合炭化水素化合物を縮合させた重合体(A)と感光剤(B)とを含有する感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物およびその用途に関する。
IPS(In−Plane Swiching)方式等の液晶表示装置では、薄膜トランジスタ(TFT)素子のアレイ基板において、TFTアレイ素子と透明画素電極との間に、感光性樹脂組成物から形成された層間絶縁膜が設けられている(例えば、特許文献1参照)。近年の省エネルギー化は、液晶表示装置においても求められている。液晶表示装置の省エネルギー化は、例えば、バックライトからの光を効率よく取り出すことにより進められている。
バックライトからの光を効率よく取り出すためには、バックライトからの光が通過する各部材の界面で、反射や干渉により光が減衰しない設計が必要である。ところで、TFTアレイ素子および透明画素電極に用いられる材料は、基本的に屈折率が高い。したがって、TFTアレイ素子と層間絶縁膜との界面、および透明画素電極と層間絶縁膜との界面で、光が減衰しないようにするためには、層間絶縁膜を、TFTアレイ素子および透明画素電極と同程度の高屈折率の部材とする必要がある。
特開2001−354822号公報
本発明は、高屈折率の層間絶縁膜を形成可能な感光性樹脂組成物、前記組成物から形成される、層間絶縁膜等の樹脂膜、前記樹脂膜の製造方法、および前記樹脂膜を有する電子部品を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を有する感光性樹脂組成物を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[6]に関する。
[1]式(A1)で表される構造単位(A1)および式(A2)で表される構造単位(A2)から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する重合体(A)と、感光剤(B)とを含有する感光性樹脂組成物。
Figure 2016218140
[式(A1)中、RA1は、炭素数1〜20のアルキレン基、または炭素数6〜30のアリーレン基であり、EWGA1は2価の電子求引性基であり;式(A2)中、RA2は、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜30のアリール基であり、EWGA2は1価の電子求引性基であり;式(A1)〜(A2)中、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または有機基であり、R2およびR3のうち少なくとも1つは水素原子であり;R4およびR5は、芳香環に結合する基であり、それぞれ独立に、−OR2および−OR3以外の基であり;aは0〜2m+3の整数であり;bは0〜2n+3の整数であり;mおよびnはそれぞれ独立に0〜5の整数であり;*1および*2は芳香環に結合する結合手である。]
[2]重合体(A)が、構造単位(A1)および構造単位(A2)を合計で50質量%以上含有する、前記[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]感光剤(B)が、ナフトキノンジアジド化合物である前記[1]または[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から得られる樹脂膜。
[5]基板上に、前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の樹脂塗膜を形成する工程、前記樹脂塗膜を露光する工程、およびアルカリ性現像液により前記露光後の樹脂塗膜を現像する工程を有する、パターン化樹脂膜の製造方法。
[6]前記[4]に記載の樹脂膜を有する電子部品。
本発明によれば、高屈折率の層間絶縁膜を形成可能な感光性樹脂組成物、前記組成物から形成される、層間絶縁膜等の樹脂膜、前記樹脂膜の製造方法、および前記樹脂膜を有する電子部品を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について好適態様も含めて説明する。
[感光性樹脂組成物]
本発明の感光性樹脂組成物(以下「本発明の組成物」ともいう)は、以下に説明する重合体(A)と、感光剤(B)とを含有する。特定構造を有する重合体(A)を含有する前記組成物を用いることにより、高屈折率の樹脂膜を形成することができる。
〔重合体(A)〕
重合体(A)は、式(A1)で表される構造単位(A1)および式(A2)で表される構造単位(A2)から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する。
Figure 2016218140
式(A1)および(A2)中の各記号について、以下に説明する。
A1は、炭素数1〜20のアルキレン基、または炭素数6〜30のアリーレン基である。アルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜4であり、具体的には、メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基が挙げられる。アリーレン基の炭素数は、好ましくは6〜18、より好ましくは6〜12であり、具体的には、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、メチルフェニレン基、エチルフェニレン基が挙げられる。
A1における上記アリーレン基は、単環でも多環でもよく、また縮合環であってもよく、環が直接結合で連結した構造または環が2価の基を介して連結した構造も含むものとする。環が連結した前記構造としては、フェニレン基をPhで表すと、例えば、−Ph−Ph−(環が直接結合で連結した例)、−Ph−CH2−Ph−(環が2価の基を介して連結した例)が挙げられる。
EWGA1は、2価の電子求引性基であり、例えば、−C(=O)NR6−、−C(=O)−、−SO2−、炭素数1〜4のパーハロアルキレン基、炭素数6〜12のパーハロアリーレン基、パーハロアルキル基置換アリーレン基が挙げられる。これらの中でも、−C(=O)NR6−が好ましい。
6は、水素原子、アルキル基、アリール基、またはこれらの置換誘導体であり、水素原子以外の前記基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、メチルフェニル基等の炭素数6〜18のアリール基、およびこれらの置換誘導体である、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基等のハロゲン化アリール基、トリフルオロメチルフェニル基、ビス(トリフルオロメチル)フェニル基等のハロゲン化アルキル基置換アリール基が挙げられる。R6は、好ましくは水素原子またはフェニル基である。
A2は、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜30のアリール基である。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜4であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。アリール基の炭素数は、好ましくは6〜18、より好ましくは6〜12であり、具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、1−フェナントリル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基が挙げられる。
A2における上記アリール基は、単環でも多環でもよく、また縮合環であってもよく、環が直接結合で連結した構造または環が2価の基を介して連結した構造も含むものとする。環が連結した前記構造としては、フェニレン基をPh1、フェニル基をPh2で表すと、例えば、−Ph1−Ph2(環が直接結合で連結した例)、−Ph1−CH2−Ph2(環が2価の基を介して連結した例)が挙げられる。
EWGA2は、1価の電子求引性基であり、例えば、炭素数1〜4のパーハロアルキル基、炭素数6〜12のパーハロアリール基、パーハロアルキル基置換アリール基、ハロゲン原子、アシル基、アルキルスルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基が挙げられる。
パーハロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等のパーフルオロアルキル基、パークロロアルキル基、パーブロモアルキル基が挙げられる。パーハロアリール基およびパーハロアルキル基置換アリール基としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基、ビス(トリフルオロメチル)フェニル基が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。アシル基としては、例えば、アセチル基が挙げられる。アルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基が挙げられる。
上記電子求引性基の中でも、熱安定性の観点から、パーフルオロアルキル基、パーハロアリール基およびパーハロアルキル基置換アリール基が好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基およびビス(トリフルオロメチル)フェニル基がより好ましい。
2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または有機基であり、R2およびR3のうち少なくとも1つは水素原子である。解像性の観点から、R2およびR3はいずれも水素原子であることが好ましい。重合体(A)は、芳香環上の特定部位に−OR2および−OR3を有することから、解像性に優れ、高屈折率な樹脂膜を形成することができる。前記有機基としては、例えば、アルキル基等の炭化水素基、アセチル基等のアシル基が挙げられる。
4およびR5は、芳香環に結合する基であり、それぞれ独立に、−OR2および−OR3以外の基であり、例えば、アルキル基およびアリール基等の炭化水素基、ハロゲン原子が挙げられる。
aは0〜2m+3の整数、すなわち0以上2m+3以下の整数であり、bは0〜2n+3の整数、すなわち0以上2n+3以下の整数である。一実施態様では、a=b=0である。
mおよびnは、それぞれ独立に0〜5の整数であり、高屈折率な樹脂膜を形成できることから、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0または1である。ここで、式(A1)および(A2)中の芳香環は、例えば、mが0の場合はベンゼン環を示し、mが1の場合はナフタレン環を示し、mが2の場合はアントラセン環を示す。nについても同様である。
*1および*2は、芳香環に結合する結合手である。mおよびnが1以上の場合、前記結合手は、いずれのベンゼン核に結合していてもよい。例えばmおよびnが1である場合、前記結合手は、ナフタレン環中のいずれのベンゼン核に結合していてもよいが、前記結合手は、−OR2および−OR3が結合していないベンゼン核に結合していることが好ましい。
構造単位(A1)は、式(A11)で表される構造単位(A11)が好ましい。
Figure 2016218140
式(A11)中、RA1、R2〜R6、a、b、mおよびnは、それぞれ式(A1)において説明した同一記号と同義であり、qは0または1である。
重合体(A)は、式(A3)で表される構造単位(A3)および式(A4)で表される構造単位(A4)から選ばれる少なくとも1種の構造単位をさらに有してもよい。
Figure 2016218140
式(A3)および(A4)中の各記号について、以下に説明する。
A1、RA2、EWGA1およびEWGA2は、それぞれ式(A1)および(A2)中の同一記号と同義である。
Arは、それぞれ独立にアリーレン基である。アリーレン基としては、例えば、炭素数6〜18、好ましくは6〜12のアリーレン基が挙げられ、具体的には、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、メチルフェニレン基、エチルフェニレン基が挙げられる。
7は、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−CONH−、−COO−、アルカンジイル基、またはハロゲン化アルカンジイル基である。また、R7は、−O−R71−O−(R71はアルカンジイル基またはハロゲン化アルカンジイル基である)で表される2価の基であってもよい。アルカンジイル基およびハロゲン化アルカンジイル基の炭素数は、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜6である。
<重合体(A)の製造方法>
重合体(A)は、例えば、式(a1)で表される化合物(a1)および式(a2)で表される化合物(a2)から選ばれる少なくとも1種と、式(a3)で表される化合物(a3)と、必要に応じて式(a4)で表される化合物(a4)とを、超強酸の存在下で重縮合させることで、得ることができる。
Figure 2016218140
式(a1)中、RA1およびEWGA1は、それぞれ式(A1)中の同一記号と同義であり、式(a2)中、RA2およびEWGA2は、それぞれ式(A2)中の同一記号と同義である。式(a3)中、R2〜R5、a、b、mおよびnは、それぞれ、式(A1)および(A2)中の同一記号と同義である。式(a4)中、ArおよびR7は、式(A3)および(A4)中の同一記号と同義である。
上記方法では、活性ケトン種に対して超強酸を作用させることで生じた活性カルボカチオンが、アリール化合物に対して親電子攻撃を行うことで直接的に炭素−炭素結合を形成しながら重合体を生成すると考えられる。例えば、式(a3)中の2つの芳香環炭素が、式(a1)または(a2)中の活性カルボニル炭素と結合して、重合体が形成され、式(a4)中の2つの水素原子にそれぞれ結合する芳香環炭素が、式(a1)または(a2)中の活性カルボニル炭素と結合して、重合体が形成される。
上記方法を用いることで、ワンポット合成が可能であり、また、副生物としては水のみであり、アルカリ金属塩や有機金属化合物等の触媒残渣のない重合体を合成することができる。
上記方法の反応条件および反応機構の詳細については、Macromolecules 2001, 34, 1122-1124、Macromolecules 2004, 37, 6227-6235、Macromolecules 2005, 38, 6005-6014、Macromolecules 2008, 41, 8504-8512、Macromolecules 2012, 45, 6774-6780、Macromolecules 2010, 43, 6968-6979、Macromolecules 2004, 37, 5140-5141、Chem. Commun., 2004, 1030-1031の記載を参照することができる。
化合物(a1)としては、例えば、式(a11)で表される化合物(a11)が挙げられる。
Figure 2016218140
式(a11)中、RA1およびR6は、それぞれ式(A1)において説明した同一記号と同義であり、qは0または1である。
化合物(a1)としては、例えば、イサチン、N−フェニルイサチン、N−[m−(トリフルオロメチル)フェニル]イサチン、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]イサチン、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2016218140
化合物(a2)としては、例えば、ペンタフルオロフェニルメチルケトン、トリフルオロメチルメチルケトン、2,2,2−トリフルオロアセトフェノンが挙げられる。
化合物(a3)としては、例えば、1,1’−ビ−2−ナフトール、ビフェニル−2,2−ジオールが挙げられる。
化合物(a4)としては、例えば、ジフェノキシメタン、1,2−ジフェノキシエタン、1,3−ジフェノキシプロパン、1,4−ジフェノキシブタン、1,8−ジフェノキシオクタン等のジフェノキシアルカン;ジフェニルエーテル;1,2−ジフェニルエタン、1,3−ジフェニルプロパン、1,4−ジフェニルブタン、1,8−ジフェニルオクタン等のジフェニルアルカンが挙げられる。
《超強酸》
超強酸は、上述の重縮合反応の触媒として用いる。
超強酸とは、100%硫酸よりも強い酸性度を有する酸であり、超酸ともいう。
超強酸としては、例えば、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロフェニル酢酸、フルオロスルホン酸、クロロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、炭素数2以上のパーフルオロアルカンスルホン酸(例えば、C25SO3H、C49SO3H、C511SO3H、C613SO3H、およびC817SO3H)、ペンタフルオロフェニルスルホン酸、ペンタフルオロプロピオン酸が挙げられる。
また、超強酸とともに、メタンスルホン酸等の強酸を使用してもよい。
触媒の好適例としては、トリフルオロメタンスルホン酸を単独で使用する例、トリフルオロメタンスルホン酸と、メタンスルホン酸およびトリフルオロ酢酸から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせて使用する例が挙げられる。
超強酸は、化合物(a1)および化合物(a2)の合計1モルに対して、通常0.01〜100モル、好ましくは0.1〜50モルの量で用いることができる。
《溶媒》
上記超強酸または上記重縮合反応に対して不活性な溶媒を用いることができる。不活性溶媒としては、例えば、メシチレン等の芳香族炭化水素(上記重縮合反応で反応する化合物を除く);塩化メチレン、ヘキサクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素(上記重縮合反応で反応する化合物を除く);炭素数4〜12のn−アルカン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等の酢酸アルキルエステルが挙げられる。
《反応条件》
重縮合の反応条件は、以下が好ましい。
化合物(a3)および化合物(a4)の合計量は、化合物(a1)および化合物(a2)の合計1モルに対して、通常は0.5〜1.5モル、好ましくは0.9〜1.1モル、より好ましくは0.95〜1.05モルである。
反応時の反応液温度は、好ましくは−50〜150℃、より好ましくは−30〜50℃、より好ましくは室温(23℃程度)である。反応時間は、好ましくは0.1〜8時間、より好ましくは0.1〜4時間である。
反応終了後は、得られた重合体(A)は、公知の方法で精製することができる。
<重合体(A)の構成・物性>
重合体(A)において、構造単位(A1)および構造単位(A2)の合計含有量は、通常は50質量%以上、好ましくは60質量%以上である。前記構造単位の含有量が前記範囲にあると、重合体(A)を含有する感光性樹脂組成物が解像性に優れ、高屈折率な樹脂膜を形成できる。
重合体(A)において、構造単位(A1)、(A2)、(A3)および(A4)の合計100モル%に対し、構造単位(A1)および構造単位(A2)の合計含有量は、通常は50モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上である。
各構造単位の含有量は、H−NMRにて測定することができる。
重合体(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定した、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000、さらに好ましくは5,000〜40,000である。また、分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは8以下、より好ましくは5以下である。分子量は、例えば超強酸の使用量により調節することができる。
重合体(A)は、示差走査熱量法(DSC;昇温速度20℃/分)で測定したガラス転移温度(Tg)が、好ましくは150〜450℃、より好ましくは200〜400℃である。また、重合体(A)は、熱重量分析法(TGA;昇温速度10℃/分)で測定した熱分解温度(5%重量減少温度)が、好ましくは350℃以上、より好ましくは400℃以上である。上限値は特に限定されないが、例えば550℃である。
重合体(A)のガラス転移温度または熱分解温度が上記範囲にあると、当該重合体を含有する感光性樹脂組成物からなる樹脂膜は、高い耐熱性を示す。このため、前記樹脂膜は、液晶表示装置における層間絶縁膜として好適に使用することができる。
本発明の組成物中の重合体(A)濃度は、重合体(A)の分子量にもよるが、通常は10〜90質量%、好ましくは10〜80質量%である。組成物中の重合体(A)濃度が前記範囲にあると、厚膜化可能で、ピンホールが生じにくく、表面平滑性に優れる膜を形成することができる。
〔感光剤(B)〕
本発明の組成物は、感光剤(B)を含有する。感光剤(B)としては、例えば、感光性酸発生剤、光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
<感光性酸発生剤>
感光性酸発生剤は、光照射を含む処理により酸を発生する化合物である。本発明の組成物から形成される樹脂塗膜に対する露光処理を含む処理によって、感光性酸発生剤に基づき露光部に酸が発生し、この酸の作用に基づき露光部のアルカリ水溶液への溶解性が変化する。
本発明の組成物は、ネガ型またはポジ型のいずれであってもよい。感光性酸発生剤の種類は、ネガ型の組成物またはポジ型の組成物に応じて、適宜選択することができる。
感光性酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物、キノンジアジド基を有する化合物が挙げられる。以下、キノンジアジド基を有する化合物を「キノンジアジド化合物(B2)」ともいい、これ以外の前記例示の感光性酸発生剤を「酸発生剤(B1)」ともいう。
酸発生剤(B1)は、光照射により、酸を形成する化合物である。酸発生剤(B1)および後述する架橋剤(C)を含有する組成物から得られる樹脂塗膜に対して光照射することで、発生する前記酸が架橋剤(C)等に作用して架橋構造が形成され、アルカリ難溶な膜となる。光照射により前記膜がアルカリ易溶の状態からアルカリ難溶の状態に変化することを利用することにより、ネガ型のパターンが形成される。
キノンジアジド化合物(B2)は、光照射および水との接触処理により、キノンジアジド基が分解してカルボキシル基を生じる化合物である。キノンジアジド化合物(B2)を含有する組成物から得られる樹脂塗膜は、アルカリ性現像液に対して難溶な膜である。光照射により前記膜がアルカリ難溶の状態からアルカリ易溶の状態になることを利用することにより、ポジ型のパターンが形成される。
《酸発生剤(B1)》
酸発生剤(B1)は、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等のオニウム塩化合物;ハロアルキル基含有複素環式化合物、ハロアルキル基含有炭化水素化合物等のハロゲン含有化合物;β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物およびこれらの化合物のα−ジアゾ化合物等のスルホン化合物;アルキルスルホン酸エステル類、ハロアルキルスルホン酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類、イミノスルホネート類等のスルホン酸化合物;スルホンイミド化合物;ジアゾメタン化合物が挙げられる。
酸発生剤(B1)は1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、感光剤(B)として酸発生剤(B1)を用いる場合、酸発生剤(B1)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.3〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜5質量部である。
酸発生剤(B1)の含有量が前記下限値以上であると、露光部の硬化が充分となり、耐熱性が向上しやすい。酸発生剤(B1)の含有量が前記上限値以下であると、露光光に対する透明性が低下することなく、解像度が高いパターン化樹脂膜が得られやすい。
《キノンジアジド化合物(B2)》
キノンジアジド化合物(B2)としては、例えば、ナフトキノンジアジド化合物が挙げられ、具体的には、フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物と、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル化合物が挙げられる。
キノンジアジド化合物(B2)としては、例えば、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2',4'−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エタンから選ばれる化合物と、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル化合物が挙げられる。
キノンジアジド化合物(B2)は1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、感光剤(B)としてキノンジアジド化合物(B2)を用いる場合、キノンジアジド化合物(B2)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部、さらに好ましくは15〜35質量部である。
キノンジアジド化合物(B2)の含有量が前記下限値以上であると、未露光部の残膜率が向上し、マスクパターンに忠実な像が得られやすい。キノンジアジド化合物(B2)の含有量が前記上限値以下であると、パターン形状に優れた樹脂膜が得られやすく、製膜時の発泡も防止できる傾向にある。
<光ラジカル重合開始剤>
感光剤(B)として光ラジカル重合開始剤を用い、架橋剤(C)として後述する多官能(メタ)アクリル酸エステル等の重合性炭素−炭素二重結合含有化合物を用いることで、ネガ型の感光特性を発揮する材料を得ることができる。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ビイミダゾール化合物、アルキルフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、トリアジン化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物が挙げられる。
本発明の組成物において、感光剤(B)として光ラジカル重合開始剤を用いる場合、当該開始剤の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。
〔架橋剤(C)〕
本発明の組成物は、架橋剤(C)を含有してもよい。架橋剤(C)を用いることで、感光性樹脂組成物から形成される樹脂膜の絶縁性、耐薬品性および耐熱性を向上させることができる。
架橋剤(C)としては、例えば、活性メチレン基含有架橋剤が挙げられ、具体的には、ポリメチロール化メラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン等のメラミン系架橋剤;ポリメチロール化グリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル等のグリコールウリル系架橋剤;グアナミンをメチロール化した化合物、および当該化合物中の活性メチロール基の全部または一部をアルキルエーテル化またはアセトキシ化した化合物等のグアナミン系架橋剤が挙げられ、その他、メチロール基含有フェノール化合物、アルキルメチロール基含有フェノール化合物、アセトキシメチル基含有フェノール化合物が挙げられる。
例えばネガ型の場合、感光剤(B)由来の酸に基づき活性メチレン基が重合体(A)に含まれる芳香環と求核反応し、架橋反応が進行する。
また、架橋剤(C)としては、例えば、オキシラン環含有化合物、オキセタン環含有化合物、イソシアネート基含有化合物(ブロック化されたものを含む。)、オキサゾリン環含有化合物、アルデヒド基含有フェノール化合物を挙げることもできる。
また、架橋剤(C)としては、例えば、多官能(メタ)アクリル酸エステル等の重合性炭素−炭素二重結合含有化合物を挙げることもできる。例えば、感光剤(B)として光ラジカル重合開始剤を用い、架橋剤(C)として重合性炭素−炭素二重結合含有化合物を用いることで、ネガ型の感光性材料を得ることができる。
本発明の組成物において、架橋剤(C)を用いる場合の前記(C)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部、さらに好ましくは15〜30質量部である。架橋剤(C)の含有量が前記範囲にあると、感度および解像性に優れた組成物が得られ、また絶縁性に優れた樹脂膜が得られる傾向にある。
〔その他の添加剤〕
本発明の組成物には、感光性樹脂組成物から形成される樹脂膜と基板との密着性を向上させるため、密着助剤をさらに含有させることができる。密着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましい。
本発明の組成物には、露光により感光剤(B)から発生する酸の樹脂塗膜中での拡散を抑制するために、酸拡散抑制剤を用いることができる。酸の拡散を抑制することで、感光性樹脂組成物の解像性を向上させることができる。酸拡散抑制剤としては、国際公開第2009/051088号などに記載の、レジスト組成物で通常用いられる化合物が挙げられる。
本発明の組成物には、その他、架橋微粒子、レベリング剤、界面活性剤、増感剤、無機フィラー、クエンチャー等の各種添加剤を、本発明の目的および特性を損なわない範囲で含有させることができる。
〔溶剤〕
本発明の組成物は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤を用いることで、前記組成物の取扱い性を向上させたり、粘度および保存安定性を調節したりすることができる。
溶剤としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ブチルカルビトール等のカルビトール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
が挙げられる。
これらの中でも、乳酸エステル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ケトン類、ラクトン類、アミド類が好ましく;乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドンがより好ましい。
溶剤は1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔感光性樹脂組成物の調製方法〕
本発明の組成物は、各成分を均一に混合することにより調製できる。また、ゴミを取り除くために、各成分を均一に混合した後、得られた混合物をフィルター等で濾過してもよい。
[樹脂膜およびその製造方法]
本発明の樹脂膜は、例えば上述の感光性樹脂組成物から形成される。前記組成物を用いることにより、屈折率が高い樹脂膜を得ることができる。さらに、耐熱性、絶縁性および解像度の樹脂膜を得ることができる。
したがって、本発明の組成物は、回路基板(半導体素子)、半導体パッケージまたは表示素子等の電子部品が有する、表面保護膜、層間絶縁膜および平坦化膜等の樹脂膜の形成材料や、高密度実装基板用絶縁膜材料として好適に用いることができる。特に、本発明の組成物からなる樹脂膜は、液晶表示装置等の表示装置が有するTFTアレイ基板において、TFTアレイ素子と透明画素電極との間に設けられる層間絶縁膜として好適である。
本発明の樹脂膜の製造例を以下に示す。この製造例は、基板上に、本発明の組成物の樹脂塗膜を形成する工程(塗膜形成工程)、前記樹脂塗膜を露光する工程(露光工程)、および、アルカリ性現像液により前記露光後の樹脂塗膜を現像して、ネガ型の場合は非露光部を、ポジ型の場合は露光部を溶解・除去することにより、基板上に所望のパターンを形成する工程(現像工程)を有する。前記製造例は、必要に応じて、前記パターンを加熱処理する工程(加熱工程)を有する。
[1]塗膜形成工程
塗膜形成工程では、例えば、前記組成物を、最終的に得られる樹脂膜の膜厚が例えば0.1〜100μmとなるように、基板上に塗布する。これをオーブンやホットプレートを用いて、通常、50〜140℃で10〜360秒間加熱する。このようにして、基板上に樹脂塗膜を形成する。
基板としては、例えば、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、ガラス基板、石英基板、セラミックス基板、アルミ基板、およびこれらの基板の表面に半導体チップを有する基板が挙げられる。
組成物の塗布方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法が挙げられる。
[2]露光工程
露光工程では、所望のマスクパターンを介して、例えばコンタクトアライナー、ステッパーまたはスキャナーを用いて、上記樹脂塗膜に対して露光を行う。露光光としては、紫外線、可視光線などが挙げられ、通常、波長200〜500nmの光(例:i線(365nm))を用いる。露光光の照射量は、感光性樹脂組成物中の各成分の種類、含有量、樹脂塗膜の厚さなどによって異なるが、露光光にi線を使用する場合、露光量は通常10〜10,000mJ/cm2である。
また、ネガ型の感光性樹脂組成物を用いる場合は、架橋反応をより進めるため、露光後に加熱処理を行うことが好ましい。以下、この処理を「PEB処理」ともいう。PEB条件は、感光性樹脂組成物中の各成分の種類、含有量および樹脂塗膜の厚さなどによって異なるが、通常70〜150℃、好ましくは80〜120℃で、1〜60分間程度である。
[3]現像工程
現像工程では、アルカリ性現像液により前記樹脂塗膜を現像して、ネガ型の場合は非露光部を、ポジ型の場合は露光部を溶解・除去することにより、基板上に所望のパターンを形成する。
現像方法としては、例えば、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法が挙げられる。現像条件は、通常、現像液の温度が20〜40℃で現像処理時間が1〜10分間程度である。
アルカリ性現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等のアルカリ性化合物を、1〜10質量%濃度となるように水に溶解させたアルカリ性水溶液が挙げられる。前記アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性の有機溶剤および界面活性剤などを適量添加することもできる。なお、アルカリ性現像液で樹脂塗膜を現像した後は、水で洗浄し、乾燥してもよい。
[4]加熱工程
必要に応じて、例えば絶縁膜としての特性を充分に発現させるため、加熱によりパターンをさらに硬化させる。加熱条件は特に限定されないが、樹脂膜の用途に応じて、例えば100〜300℃の温度で30分〜10時間程度加熱する。硬化を充分に進行させたり、パターン形状の変形を防止したりするため、多段階で加熱することもできる。
以上のようにして、樹脂膜を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物を用いることにより、D線(589nm)での屈折率(nD)が、好ましくは1.6以上、より好ましくは1.6〜1.8、さらに好ましくは1.65〜1.75の、パターン化されていてもよい樹脂膜を形成することができる。前記屈折率は、実施例に記載の条件で測定することができる。
[電子部品]
本発明によれば、上記感光性樹脂組成物から形成された樹脂膜を有する電子部品、例えば表面保護膜、層間絶縁膜および平坦化膜から選択される1種以上の樹脂膜を有する、回路基板(半導体素子)、半導体パッケージまたは表示素子等の電子部品を製造することができる。特に、液晶表示装置等の表示装置が有するTFTアレイ基板において、TFTアレイ素子と透明画素電極との間に、上述の樹脂膜からなる層間絶縁膜を有する電子部品が好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は前記実施例に限定されない。以下の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」の意味で用いる。
1.重合体の物性の測定方法
1−1.重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mn/Mw)の測定方法
重合体の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mn/Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、下記条件下で測定した。
・カラム:東ソー社製カラムの「TSKgel αM」および
「TSKgel α2500」を直列に接続
・溶媒:臭化リチウムおよびリン酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン
・温度:40℃
・検出方法:屈折率法
・標準物質:ポリスチレン
・GPC装置:東ソー製、装置名「HLC−8020−GPC」
1−2.構造解析
重合体の構造解析は、H−NMRにより、下記条件下で行った。
・装置:JEOL社製、装置名「ECP−400P」
・重溶媒:重クロロホルム、重メタノールおよび重水から、
重合体の溶解性のもっとも高い重溶媒を選択した。
1−3.ガラス転移温度(Tg)、熱分解温度(Td5)
重合体のガラス転移温度(Tg)は、Rigaku社製8230型DSC測定装置を用いて、昇温速度20℃/分にて測定した。また、重合体の5%重量減少温度を、熱重量分析法(TGA)で、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分にて測定し、これを重合体の熱分解温度(Td5)とした。
2.重合体の合成
[合成例1]重合体A1の合成
撹拌機、窒素導入管付き三方コックを取り付けた、窒素雰囲気下の300mLの3つ口フラスコに、イサチン2.94g(20mmol)、1,1’−ビ−2−ナフトール5.73g(20mmol)、および塩化メチレン30mLを添加した。
続いて、トリフルオロメタンスルホン酸14.9g(99.5mmol)を加え、撹拌を開始し、23℃で10分間反応させた。
反応終了後に反応液をメタノールに投じて再沈殿させ、ろ別によりろ物(残渣)を単離した。得られたろ物を60℃で一晩真空乾燥し、下記式(1)で表される構造単位を有する白色粉末の重合体A1を得た。
重合体A1のMwは25,000、Mw/Mnは2.7、Tgは350℃以上、Td5は462℃であった。
Figure 2016218140
[合成例2〜5]重合体A2〜A5の合成
表1に示した原料モノマーを用いたこと以外は合成例1と同様にして、下記式(2)で表される構造単位を有する白色粉末の重合体A2、前記式(1)で表される構造単位と下記式(3)で表される構造単位とを有する白色粉末の重合体A3、前記式(1)で表される構造単位と下記式(4)で表される構造単位とを有する白色粉末の重合体A4、および前記式(3)で表される構造単位と下記式(5)で表される構造単位とを有する白色粉末の重合体A5を得た。
Figure 2016218140
Figure 2016218140
3.感光性樹脂組成物の製造および評価
[実施例1]
合成例1で合成した重合体A1を100部と、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エタンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸との縮合物(モル比=1.0:2.0)を30部と、溶剤としてシクロヘキサノンを400部と、を均一に混合し、メンブランフィルターで異物を除去し、実施例1の感光性樹脂組成物を製造した。
[実施例2〜5]
表2に示す重合体を用いた以外は実施例1と同様に、感光性樹脂組成物を製造した。
[評価]
D線(589nm)での屈折率(nD)を、以下の手法にて評価した。ガラス基板上にスピンナーを用いて、上記実施例で得られた感光性樹脂組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして平均膜厚30μmの塗膜を形成した。膜厚は、触針式膜厚計により測定した。このガラス基板をホットプレート上で200℃、60分間加熱した。得られた樹脂膜の23℃1気圧下における屈折率をMetricon社の「プリズムカプラ モデル2010」にて測定した。屈折率は、408nm、633nmおよび828nmの3波長にて測定し、Cauchyの式を用いてD線(589nm)での屈折率(nD)を求めた。
解像性を、以下の手法にて評価した。シリコン基板上にスピンナーを用いて、上記実施例で得られた感光性樹脂組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして平均膜厚3.0μmの塗膜を形成した。膜厚は、触針式膜厚計により測定した。得られた塗膜に幅10μmのライン・アンド・スペースパターンのパターンマスクを介して、水銀ランプによって紫外線(100mJ/cm2)を照射した。次いでテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38質量%水溶液よりなる現像液を用い、現像処理を25℃で60秒間行った後、超純水で流水洗浄を1分間行った。このとき、幅10μmのライン・アンド・スペースパターンを形成できた場合を「良」と評価した。
Figure 2016218140

Claims (6)

  1. 式(A1)で表される構造単位(A1)および式(A2)で表される構造単位(A2)から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する重合体(A)と、
    感光剤(B)と
    を含有する感光性樹脂組成物。
    Figure 2016218140
    [式(A1)中、RA1は、炭素数1〜20のアルキレン基、または炭素数6〜30のアリーレン基であり、EWGA1は2価の電子求引性基であり;式(A2)中、RA2は、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜30のアリール基であり、EWGA2は1価の電子求引性基であり;
    式(A1)〜(A2)中、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または有機基であり、R2およびR3のうち少なくとも1つは水素原子であり;R4およびR5は、芳香環に結合する基であり、それぞれ独立に、−OR2および−OR3以外の基であり;aは0〜2m+3の整数であり;bは0〜2n+3の整数であり;mおよびnはそれぞれ独立に0〜5の整数であり;*1および*2は芳香環に結合する結合手である。]
  2. 重合体(A)が、構造単位(A1)および構造単位(A2)を合計で50質量%以上含有する、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 感光剤(B)が、ナフトキノンジアジド化合物である請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から得られる樹脂膜。
  5. 基板上に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の樹脂塗膜を形成する工程、前記樹脂塗膜を露光する工程、およびアルカリ性現像液により前記露光後の樹脂塗膜を現像する工程を有する、パターン化樹脂膜の製造方法。
  6. 請求項4に記載の樹脂膜を有する電子部品。
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