JP2016215216A - 鋳片支持ロールのロール間隔調整方法 - Google Patents

鋳片支持ロールのロール間隔調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋳片を支持する際の鋳片支持ロールR1の間隔FS1を基準B1の距離により近づけることを可能とする鋳片支持ロールのロール間隔調整方法を提供する。【解決手段】ロールセグメント15は、相対する1対のフレーム16L,16Rと、それらの相対する面に取り付けられたロールを1組として構成される鋳片支持ロールR1と、フレーム16L,16Rを結ぶタイロッド17と、を有する。ロールセグメント15で鋳片を支持するときのタイロッド17の伸びによる鋳片支持ロールR1の間隔の拡大量X1(=X1L+X1R)を求める。鋳型に最も近い組である鋳片支持ロールR1が取り付けられている位置でのフレーム16L,16Rの撓みによる鋳片支持ロールR1の間隔の拡大量Y1(=Y1L+Y1R)を求める。鋳造中における鋳片支持ロールR1の間隔の基準B1を予め定める。鋳片支持ロールR1の間隔を、基準B1から、拡大量Y1と拡大量X1との合算値を減算して算出される距離とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、連続鋳造機で鋳造される鋳片を支持するために用いられるロールセグメント中の各組の鋳片支持ロールの間隔を調整する方法に関する。
連続鋳造機では、タンディッシュに溜められた溶鋼を、冷却されている鋳型に流入させ、鋳型内壁近傍に凝固シェルを形成させ鋳片を形成し、鋳型から該鋳片を引き抜く。鋳型から引き抜かれた鋳片は、鋳片案内装置中に導かれ、該鋳片案内装置で冷却されながら、凝固が完了して鋳造されることになる。鋳片案内装置には、2個で組を構成し、鋳片の鋳造方向に複数組並列して配置される鋳片支持ロールや、該鋳片支持ロールを複数組有するロールセグメントがある。
ロールセグメントは、相対する板状の1対のフレームと、該1対のフレームの相対する面に回転可能に取り付けられる鋳片支持ロールと、1対のフレームを結ぶタイロッドと、を有する。ロールセグメントは、例えば、鋳片に凝固遅れが生じて凝固シェルが薄くなって破れ、その破れた部分から溶鋼が流出するブレークアウトなどの漏鋼トラブルが発生した場合に、鋳片支持ロールに漏鋼した溶鋼が付着する。その場合、鋳片支持ロールを交換する必要がある。ロールセグメントに設けられた複数の鋳片支持ロールは1度の作業で交換可能なので、特に、鋳片の凝固が完了する位置及びその前に配置されている。
鋳片支持ロールの間隔は、凝固シェルに加える荷重を最適なものとし、バルジングや鋳片の内部割れを防止するために重要な管理項目である。鋳片を支持するときの各組の鋳片支持ロールRiの間隔FSiには、鋳片支持ロールが配置されている位置に応じて、鋳片の温度効果に伴う熱収縮などの鋳片の品質で決定される基準Biがあり、間隔FSiを基準Biの距離とすることが望ましい。なお、添え字iは、鋳片の鋳造方向において、鋳型に最も近い組の鋳片支持ロールの番号を1とした場合の各組の鋳片支持ロール番号を表す。
但し、ロールセグメントで鋳片を支持していないオフラインの状態で、各組の鋳片支持ロールの間隔Siを基準Biの距離としても、鋳片中の溶鋼の静圧(溶鋼静圧)によって、ロールセグメントで鋳片を支持している間の間隔FSiは拡大するので、間隔FSiを基準Biの距離に調整することは容易ではない。そこで、特許文献1には、ロールセグメント中の各組の鋳片支持ロールRiに掛かる鋳造中の溶鋼静圧に相当する圧力を考慮して、鋳造中の溶鋼静圧に相当する圧力をオフライン状態の各組の鋳片支持ロールRiに負荷した際に、間隔Siにおいて拡大する分の距離αiを求め、前記基準Biから距離αiを減算して、オフライン時の間隔Siを補正する旨が記載されている。
特開2003−112240号公報
特許文献1に記載されているロールセグメントにおける鋳片支持ロールのロール間隔を調整する方法では、鋳造中の溶鋼静圧に相当する圧力を再現する際に、鋳片を支持していないオフラインの状態の鋳片支持ロールにジャッキで荷重を与えている。この方法により鋳片の内部割れは減少する。しかし、この方法では、荷重が与えられている状況が鋳造時とは異なり、高温の雰囲気下でのロール間隔の拡大量が考慮されておらず、ロールセグメントで鋳片を支持している間の間隔FSiを基準Biに近づける方法としては、更に改善できる余地がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋳片を支持する際の鋳片支持ロールRiの間隔FSiを基準Biの距離により近づけることを可能とする鋳片支持ロールのロール間隔調整方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
相対する板状の1対のフレームと、該1対のフレームの相対する面に回転可能に取り付けられたロールを1組として構成され、連続鋳造機の鋳型から引き抜かれる鋳片を支持する鋳片支持ロールであって、前記組が鋳片の鋳造方向に複数並列して配置された鋳片支持ロールRiと、前記1対のフレームを結ぶタイロッドと、を有するロールセグメントにおける各組の鋳片支持ロールRiの間隔を調整する方法であって、前記ロールセグメントで鋳片を支持するときの前記タイロッドの伸びによる前記鋳片支持ロールRiの間隔の拡大量Xiを求め、前記フレームの撓みによる前記鋳片支持ロールRiの間隔の拡大量Yiを求め、鋳造中における前記各組の鋳片支持ロールRiの間隔についての基準Biを予め定め、前記鋳片を支持していない時の前記各組の鋳片支持ロールRiの間隔Siを、前記基準Biから、前記拡大量Yiと前記拡大量Xiとの合算値を減算して算出される距離とすることを特徴とする鋳片支持ロールのロール間隔調整方法。
ここで、添え字iは、鋳片の鋳造方向において前記鋳型に最も近い組の鋳片支持ロールの番号を1とした場合の各組の鋳片支持ロール番号を表す。
本発明では、鋳片を支持する際の溶鋼静圧や鋳片から受ける熱を起因としたフレームの撓みやタイロッドの伸びを考慮して、オフライン時などの鋳片を支持していない状態の各組の鋳片支持ロールRiの間隔Siを調整しているので、鋳片を支持している間の鋳片支持ロールRiの間隔FSiを基準Biの距離により近づけることが可能となっている。これにより、鋳片の内部割れの発生をより確実に抑えることができる。
垂直型連続鋳造機を示す図である。 図1に示すロールセグメントの側面図である。 図2に示すロールセグメントの平面図である。 オフライン時の鋳片支持ロールR1のロール間隔Siを調整した後の状態を示す図である。 実施例における鋳片の内部割れ指数を示すグラフである。
本発明は、相対する板状の1対のフレームと、該1対のフレームの相対する面に回転可能に取り付けられたロールを1組として構成され、該組が鋳片の鋳造方向に複数並列して配置されている鋳片支持ロールRiと、1対のフレームを結ぶタイロッドと、を有するロールセグメントで高温の鋳片を支持している間に、オフライン時などの鋳片を支持していない状態で基準Biの距離と設定されていた各組の鋳片支持ロールRiの間隔Siを、前記基準Biから、ロールセグメントで鋳片を支持する際に拡張する分の距離を減算した距離としておくことを主眼としている。すなわち、本発明は、鋳片を支持していない時の各組の鋳片支持ロールRiの間隔Siを、前記基準Biから、ロールセグメントで鋳片を支持する際のタイロッドの伸びに起因する鋳片支持ロールRiの拡大量Xiとフレームの撓みに起因する拡大量Yiとの合算値を減算した距離とするものである。
鋼の連続鋳造工程で鋳造される鋳片をロールセグメントで支持する垂直型連続鋳造機を示す図1を参照して、本発明の実施形態の一例を説明する。垂直型連続鋳造機1は、鋳型5と、該鋳型5の上方に設置されるタンディッシュ2と、鋳型5の下方に複数並べて配置される鋳片支持ロール6と、ロールセグメント15と、を有する。図示は省略してあるが、タンディッシュ2の上方には、溶鋼9を収容する取鍋が設置され、該取鍋の底部からタンディッシュ2に溶鋼9が注入される。タンディッシュ2の底部には、スライディングノズル3が取り付けられた浸漬ノズル4が設置され、タンディッシュ2内に溶鋼9を所定量滞在させた状態で、浸漬ノズル4を介して溶鋼9が鋳型5に注入される。鋳型5には冷却水路が形成されており、該冷却水路に冷却水を通過させている。これにより、鋳型5の内面から溶鋼9が抜熱され凝固し凝固シェル11が形成され、該凝固シェル11が引き抜かれ、溶鋼9からなる未凝固層12を内部に有する鋳片10が形成される。
図示は省略しているが、鋳造方向に隣り合う鋳片支持ロール6の間隙には、スプレーノズルが配置された二次冷却帯が、鋳型5の直下から鋳造方向に沿って複数設置されている。スプレーノズルから噴霧される冷却水によって、鋳片10は、引き抜かれながら冷却されるようになっている。鋳片10が、鋳片支持ロール6で搬送されて、複数の二次冷却帯を通過している間に、凝固シェル11が適切に冷却され、未凝固層12の凝固が進み、鋳片10の凝固が完了する。鋳片10の凝固が完了する位置を凝固完了位置13と呼ぶ。
凝固完了位置13より下流では、鋳片支持ロール6は、鋳片10が湾曲するように、複数配置されている。図1では、鋳片10の湾曲部に1組の鋳片支持ロール6を複数配置してあるが、連続鋳造機1によっては、鋳片10の下面側に1本のベンディングロールが搬送方向に複数並列するように、ベンディングロールを設定してもよい。湾曲部の終点より下流では、鋳片支持ロール6は、湾曲している鋳片10を直状に矯正するように、鋳片支持ロール6が複数配置されている。更に、下流では、複数の搬送ロール7が設置され、この搬送ロール7の上方には、鋳片10を切断するための鋳片切断機8が配置されている。鋳片10は、鋳片切断機8によって、所定の長さの鋳片10aに切断される。
鋳型5の出口から凝固完了位置13までの範囲では、ロールセグメント15が設置されている。ロールセグメント15は、相対する板状の1対のフレーム16L,16Rと、それらの相対する面に取り付けられるロールを1組とし、該組が鋳造方向に複数並列して配置されている鋳片支持ロールRiと、を有する。鋳片支持ロールRiは、鋳片支持ロール6と同じものであり、鋳片支持ロールRiで鋳片10を挟んで支持しながら搬送する。例えば、ブレークアウトなどの漏鋼トラブルが発生したときに、鋳片支持ロールRiを交換する必要が生じる。1基のロールセグメント15を交換するだけで、ロールセグメント15に取り付けられている全ての鋳片支持ロール6を1回の作業で交換可能で、交換が容易となる。よって、ロールセグメント15は、特に、鋳型5の出口から凝固完了位置13までの範囲に配置されている。
なお、鋳片支持ロールRiの添え字iは、鋳片の鋳造方向において、1基のロールセグメント15において、鋳型5に最も近い組の鋳片支持ロール6の番号を1とした場合の各組の鋳片支持ロール番号を表し、例えば、図1に示す符号R1とは、鋳造方向において下流方向に鋳型5から2番目のロールセグメント15における、鋳型5に最も近い(鋳型側から1番目の)組の鋳片支持ロール6を表している。
図1における1基のロールセグメント15の側面を図2に示す。1対のフレーム16L及びフレーム16Rの相対する面には、ロールチョック21を介して5組の鋳片支持ロールR1〜R5が取り付けられている。ロールセグメント15は、1対のフレーム16L及びフレーム16Rと、更に、該フレーム16L及びフレーム16Rを貫通してこれらを結ぶタイロッド17を有している。タイロッド17にはウオームジャッキ19が設置され、該ウオームジャッキ19とフレーム16Rとの間に皿バネ18が設置されている。鋳片支持ロールR1〜R5を回転可能に保持しているロールチョック21は、板状のシム22を挟んだ状態で、ビス21aなどの取付具でフレーム16Lあるいはフレーム16Rに固定されている。
ウオームジャッキ19を動かして、フレーム16L及びフレーム16Rとの間隔を狭めたり広げたりすることができ、鋳片10を支持している状態での鋳片支持ロールR1〜R5の間隔FS1〜FS5を一括して調整できる。また、鋳片支持ロールR1〜R5の各組を保持するロールチョック21を、フレーム16L及びフレーム16Rから外し、適宜、シム22を複数枚追加したり、該シム22の厚みを変更するなどして、間隔FS1〜FS5の各々を適宜変更することができる。なお、オフライン時や連続鋳造の停止時などの鋳片を支持していない状態での鋳片支持ロールR1〜R5の間隔S1〜S5(S1は図5参照)を変更することで、鋳片10を支持している状態での間隔FS1〜FS5を調整できる。
鋳片支持ロールRi(R1〜R5)の間隔FSi(FS1〜FS5)は、凝固シェル11に加える荷重を最適なものとし、バルジングや鋳片の内部割れ及び鋳片の中心偏析を防止するためには重要な管理項目である。ロールセグメントで鋳片を支持している間における各組の鋳片支持ロールRiの間隔FSiは、鋳片支持ロール6が配置されている位置に応じて、鋳片10の品質で決定される基準Biの距離となることが望ましい。基準Biは、鋳型寸法や冷却水量、鋳込速度等の種々の操業パラメーターから算出される鋳片の凝固収縮量を補償するよう決定される。また、図2では、間隔FS1〜FS5が全て同一であるように示してあるが、間隔FS1〜FS5はそれぞれ異なる場合が多い。
鋳造中、ウオームジャッキ19は、未凝固層を有する鋳片10の溶鋼静圧によってセルフロックされており、これにより、鋳片支持ロールR1〜R5を介してフレーム16R,16L及びタイロッド17は、鋳片10のバルジング力に抗している。また、タイロッド17に設置された皿バネ18に所定の荷重以上の負荷荷重が作用しない場合には、該皿バネ18は収縮せずに一定の高さを呈しているが、所定の負荷荷重が作用した場合に収縮し始め、所定の負荷荷重を超えた以降は負荷荷重に比例して収縮するように構成されている。図2では省略してあるが、ロールセグメント15で鋳片10を支持している間、フレーム16L,16Rは撓み、撓みに伴いタイロッド17は伸びることとなるが、ウオームジャッキ19のロックや皿バネ18の収縮によって、フレーム16L,16Rの撓み及びタイロッド17の伸びをある程度抑え、ロールセグメント15の形状を維持している。なお、図2では、ロールセグメント15として、皿バネ18をタイロッド17に設置してある形態を示してあるが、必ずしも皿バネ18をタイロッド17に設置する必要はない。
図2に示したロールセグメントの平面図を図3に示す。図3では、説明を簡略化するために、鋳片支持ロールR1〜R5のうちR1のみの鋳片支持ロールを示してある。また、図3において、(a)には、鋳片を支持していないオフライン時のロールセグメント15を示し、鋳片支持ロールR1の間隔S1を基準B1の距離とした状態を示しており、(b)には、間隔S1が基準B1の距離と設定された状態で、鋳片を支持した場合における鋳片支持ロールR1の状態を示してあるが、鋳片10を省略してある。
ロールセグメント15で鋳片を支持した場合には、図3(b)に示すように、フレーム16L,16Rは、鋳片10の溶鋼静圧によって、鋳片支持ロールR1が押されて、タイロッド17が取り付けられた部位を固定端として、鋳片支持ロールR1とは逆方向に突出するように撓み、加えて、撓むフレーム16L,16Rに引っ張られてタイロッド17が、鋳片側に突出するように、タイロッド17が湾曲して伸びることになる。タイロッド17は湾曲して、温度が高い鋳片10に近づくことにもなり、鋳片10からの熱によって、鋳片10が更に伸び易くなる。
更には、紙面左側のフレーム16Lの撓みによって、鋳片支持ロールR1が取り付けられている位置で鋳片支持ロールR1が移動する。図3(a)及び(b)と比べるとわかるように、フレーム16Lの撓みによる間隔の拡大量は距離Y1Lであり、紙面右側のフレーム16Rの撓みによる鋳片支持ロールR1の間隔の拡大量は距離Y1Rである。よって、フレーム16L,16Rの撓みによる1組の鋳片支持ロールR1の間隔の拡大量Y1は距離(Y1L+Y1R)となる。また、タイロッド17の伸びに起因する、フレーム16Lに取り付けられた鋳片支持ロールR1の間隔の拡大量は距離X1Lであり、フレーム16Rに取り付けられた鋳片支持ロールR1の間隔の拡大量は距離X1Rである。タイロッド17の伸びによる1組の鋳片支持ロールR1の間隔の拡大量X1は距離(X1L+X1R)となる。
鋳片を支持していない時のロールセグメント15において鋳片支持ロールR1の間隔S1を基準B1の距離に設定していた状態で鋳片を支持した場合の鋳片支持ロールR1の間隔FS1は、フレーム16L,16Rの撓みとタイロッド17の伸びとによって、基準B1から、1組の鋳片支持ロールR1の間隔の拡大量の合計(X1+Y1)分増加する。合計分を考慮して、本発明では、鋳片を支持していない時のロールセグメント15において、鋳片支持ロールR1の間隔S1を、基準B1から合計分(X1+Y1)を減算して算出される距離とすることによって、実際にロールセグメント15で鋳片を支持した場合、鋳片支持ロのFS1が基準B1の距離となる。
オフライン時の鋳片支持ロールR1の間隔S1を、基準B1から前記合計分(X1+Y1)を減算して算出される距離とした状態のロールセグメントを図4に示す。図4では、鋳片支持ロールR1のみのオフライン時の間隔S1を示してあるが、鋳片支持ロールR2〜R5(図2参照)の各々で取り付けられている位置において、フレーム16L,16Rの撓みに起因する鋳片支持ロールR2〜R5の拡大量Y2〜Y5を求めれば、オフライン時の間隔S1で求めた場合と同様に、間隔S2〜S5についてもオフライン時の設定値を求めることができる。
実際の鋳造時におけるタイロッド17の伸びによる鋳片支持ロールRiの間隔の拡大量は、鋳片10(図1参照)をロールセグメント15で支持したときのタイロッド17の伸び量を測定することで得ることができる。図示は省略してあるが、フレーム16L,16Rに貫通孔を形成し、該貫通孔でタイロッド17を露出させ、露出しているタイロッド17の部位に歪みゲージを取り付け、該歪みゲージでタイロッド17の伸び量を測定できる。これにより、歪みゲージは、フレーム16L,16Rで覆われることになり、鋳片10からの熱による測定誤差を最小限にすることができる。また、FEM解析によって、鋳造される高熱の鋳片10をロールセグメント15で支持するときのタイロッド17の伸び量を算出しておいてもよい。
また、鋳片10をロールセグメント15で支持したときの鋳片支持ロールRiの各々が取り付けられている位置でのフレーム16L,16Rの撓み量を測定することで、フレーム16L,16Rの撓みによる鋳片支持ロールRiの間隔の拡大量Yiを得ることができる。例えば、光学式センサーによって、鋳片10をロールセグメント15で支持したときの任意の位置でのフレーム16L,16Rの撓み量を測定することができる。
前述の通り、タイロッド17の伸びを測定しておけば、鋳片支持ロールRiの各々がフレーム16L,16Rに取り付けられた位置での鋳片支持ロールRiの間隔の拡大量Xiを得ることができる。タイロッド17は、フレーム16L,16Rに比べて、曲げや伸びについて鋳片からの輻射の影響を受け易い。鋳片支持時の伸びをタイロッドに歪みゲージを貼り付け、実際に鋳込んでいる時に、タイロッドの伸びを測定することが重要となる。フレームは、ロールの背後に位置し、鋳片からの輻射の影響が小さく、鋳片支持状態とオフラインの状態とで撓み量は大きく変わらない。ところが、タイロッドはフレームよりも鋳片からの輻射の影響を受けるので、伸び量は大きく変わる。よって、鋳片支持状態とオフラインの状態とで伸び量が大きく変わることになり、ロールRiの間隔Siを補正するに際して、鋳片10を支持する際の高温雰囲気下でのタイロッド17の伸びに起因する間隔の拡大量を把握しておくことが有効となる。
また、FEM解析によって、鋳造される高熱の鋳片10をロールセグメント15で支持した条件での任意の位置でのフレーム16L,16Rの撓み量及びタイロッド17の伸びによるフレーム16L,16Rの間隔の拡大量を算出してもよい。FEM解析では、操業条件に基づいて、ロールが受ける分布荷重を算出し、セグメントフレームに作用する荷重を設定する。また、実機の設置方法及びセグメント構造から決定されると拘束条件を与えて解析を行う。鋳片からの荷重はロール軸受を介してセグメントフレームに伝わることから、セグメントフレームの軸受座面に最大撓みが発生する。このフレーム軸受座の変位をフレーム撓みとタイロッドの伸びに起因する間隔の拡大量の合算値(Xi+Yi)として採用してもよい。
本実施形態では、ロールセグメント15は、5組の鋳片支持ロール6が鋳造方向に並列して配置されて構成されているが、特に、ロールセグメント15に設置される鋳片支持ロール6の組数は特に限定されるものではない。また、図1に示す垂直型連続鋳造機1においては、ロールセグメントは4基配置されているが、この基数は特に限定されるものではない。
上記実施形態では、垂直型連続鋳造機1で用いられるロールセグメント15の構成を説明してあるが、本発明は、垂直型連続鋳造機で用いられるロールセグメントが有する鋳片支持ロールのロール間隔の調整に限定されるものではなく、例えば、湾曲型連続鋳造機で用いられるロールセグメントが有する鋳片支持ロールのロール間隔の調整に適用することもできる。
以上の通り、本発明では、鋳片を支持する際の鋳片から受ける熱を起因としたフレームの撓みやタイロッドの伸びを考慮して、オフライン時の各組の鋳片支持ロールRiの間隔Siを調整しているので、鋳片を支持しているロールセグメント中の鋳片支持ロールRiの間隔FSiをより基準Biの距離に近づけることが可能となっている。これにより、鋳片の内部割れの発生をより確実に抑えることができる。
本発明の効果を検証するために、図1に示す垂直型連続鋳造機1を用いて鋼の連続鋳造を複数回行った。半分の操業では、垂直型連続鋳造機1で用いた全てのロールセグメント15中で、オフライン時の各組の鋳片支持ロールRiの間隔Siを基準Biから、実施形態で説明した間隔の拡大量Yiと拡大量Xiとの合算値を減算して算出される距離とした(本発明例:鋳片の熱によるタイロッドの伸びによる間隔Siの拡大量を考慮)。本発明例以外の残り半分の操業では、鋳造中の溶鋼静圧に相当する圧力をオフライン状態の各組の鋳片支持ロールRiに負荷した際に、間隔Siにおいて拡大する分の距離αiを求め、また、各セグメントのダミーバー挿入時のダミーバー保持圧力をオフラインにて前記各セグメントに負荷し、各組の鋳片支持ロールRiの拡大量βiを測定し、前記基準Biから距離αiを減算した値に拡大量βiを加算して得られた値を、オフライン時の間隔Siとした以外は本発明例と同様に鋼の連続鋳造を行った(比較例:鋳片の熱によるタイロッドの伸びによる間隔Siの拡大量を考慮せず)。
本発明例及び比較例のいずれにおいても、得られた鋳片を研磨し、酸洗処理を行って、目視で鋳片の内部割れの個数を測定した。比較例で得られた鋳片で測定された個数を1とした場合における本発明例の鋳片内部割れの個数の指数を図5に示す。本発明例の鋳片の内部割れ指数は0.3となり、比較例よりも、鋳片を支持しているロールセグメント中の鋳片支持ロールRiの間隔FSiをより基準Biの距離に近づけて、鋳片の内部割れを効果的に防げたことがわかる。
1 垂直型連続鋳造機
2 タンディッシュ
3 スライディングノズル
4 浸漬ノズル
5 鋳型
6 鋳片支持ロール
7 搬送ロール
8 鋳片切断機
9 溶鋼
10 鋳片
10a 鋳片(切断後)
11 凝固シェル
12 未凝固層
13 凝固完了位置
15 ロールセグメント
16L フレーム(紙面左側)
16R フレーム(紙面右側)
17 タイロッド
18 皿バネ
19 ウオームジャッキ
21 ロールチョック
21a ビス(取付具)
22 シム
Ri ロールセグメント中の各組の鋳片支持ロール
R1 ロールセグメントにおいて鋳型に1番目に近い組の鋳片支持ロール
Si 鋳片を支持していない時の各組の鋳片支持ロールのロール間隔
FSi 鋳片支持時の各組の鋳片支持ロールのロール間隔
Bi 各組の鋳片支持ロールのロール間隔の基準

Claims (1)

  1. 相対する板状の1対のフレームと、
    該1対のフレームの相対する面に回転可能に取り付けられたロールを1組として構成され、連続鋳造機の鋳型から引き抜かれる鋳片を支持する鋳片支持ロールであって、前記組が鋳片の鋳造方向に複数並列して配置された鋳片支持ロールRiと、
    前記1対のフレームを結ぶタイロッドと、を有するロールセグメントにおける各組の鋳片支持ロールRiの間隔を調整する方法であって、
    前記ロールセグメントで鋳片を支持するときの前記タイロッドの伸びによる前記鋳片支持ロールRiの間隔の拡大量Xiを求め、前記フレームの撓みによる前記鋳片支持ロールRiの間隔の拡大量Yiを求め、
    鋳造中における前記各組の鋳片支持ロールRiの間隔についての基準Biを予め定め、
    前記鋳片を支持していない時の前記各組の鋳片支持ロールRiの間隔Siを、前記基準Biから、前記拡大量Yiと前記拡大量Xiとの合算値を減算して算出される距離とすることを特徴とする鋳片支持ロールのロール間隔調整方法。
    ここで、添え字iは、鋳片の鋳造方向において前記鋳型に最も近い組の鋳片支持ロールの番号を1とした場合の各組の鋳片支持ロール番号を表す。
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