JP3666437B2 - 連続鋳造機におけるロールギャップ管理方法 - Google Patents

連続鋳造機におけるロールギャップ管理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続鋳造機におけるロールギャップの管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
連続鋳造機においては、タンディッシュに溜められた溶湯が、水冷ジャケットにより冷却されたモールドに流れ込み、このモールド内を通過する過程で外周部に凝固殻が形成され、次いで、モールドから出た鋳片は鋳片案内装置中に導かれ、そこで冷却されながら鋳片案内装置を通過する。
【0003】
この鋳片案内装置は、例えば、図11に示すように(特開昭53- 61526号公報参照)、各々が複数個の鋳片案内上ロール102を支持した複数の上ロールセグメント101と、上ロールセグメント101に対して鋳片通路103を隔てて配置され、各々が複数個の鋳片案内下ロール105を支持した複数の下ロールセグメント104とを具備している。
【0004】
そして、上ロールセグメント101に支持されている各鋳片案内上ロール102には、ロール位置調整装置106が連結されており、鋳片案内上ロール102は他方の鋳片案内下ロール105に対して接近及び離隔可能となっている。このロール位置調整装置106により鋳片案内ロール102、105間のロールギャップが設定されるようになっている。
【0005】
一般に、鋳片ロール間のロールギャップは、鋳造中には溶鋼静鉄圧によるロール及びロールセグメント等のたわみやガタ等により非鋳造時とは異なった値を示す。そこで、図11に示す鋳片案内装置にあっては、鋳造中に適正なロールギャップとなるように非鋳造時の鋳片案内ロール102、105間のロールギャップを設定し、次の図12及び図13に示すようなロールギャップ測定装置(特公昭56−7455号公報参照)により、鋳造前にロールギャップを測定管理している。
【0006】
図12及び図13において、ロールギャップ測定装置200は、ダミーバー205に取り付けられ、2列のロール群201,202間を各列の対応するロール203,204に接触しながら進行する誘導装置206と、誘導装置206に取り付けられた第1の検出レバー207と、第1の検出レバー207と適宜間隔のもとに配置され、誘導装置206に取り付けられた第2の検出レバー208と、これら第1及び第2の検出レバー207,208の先端に取り付けられ、2列のロール群201,202のロール203,204に接触する1対の接触子209と、これら接触子209間に介在されて接触子209間の変位を測定する変位計210とを具備している。
【0007】
そして、2列のロール群201,202のロール203,204間のギャップを測定するに際しては、誘導装置206をダミーバー205に取り付け、誘導装置206を図12に示すようにダミーバー205で押し上げながら第1及び第2のロール群201,202間を移動させればよい。このダミーバー205の押し上げあるいは押し下げは、第1及び第2のロール群201,202の一部であるピンチロールより所定の保持圧力でダミーバー205を保持しながら行われるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来のロールギャップ測定装置200によるロールギャップの測定にあっては、ロールギャップを測定する際に、ピンチロールよるダミーバー205への保持圧力によりロール及びセグメントフレームがたわむ等の理由により、ロールギャップの測定値が非鋳造時のロールギャップの設定値と異なった値となることが多い。このとき、このロールギャップの測定値が非鋳造時のロールギャップの設定値となるように、ロールギャップ値を修正すると、ピンチロールよるダミーバー205への保持圧力によるロール及びセグメントフレームのたわみ分が考慮されていないため、修正されたロールギャップ値が適正なものではなく、適正なロールギャップの管理がなされておらず、鋳片の内部割れや断欠の原因となっていた。
【0009】
従って、本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、ロールギャップ測定におけるロールギャップの設定値を鋳造中の溶鋼静鉄圧に相当する圧力及び各セグメントへのダミーバー挿入時のダミーバー保持圧力を考慮して適切な値に設定することにより、適正なロールギャップの管理を行うことができ、鋳片の内部割れや断欠の発生回数を減少させることができる連続鋳造機におけるロールギャップの管理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、本発明のうち請求項1に係る連続鋳造機におけるロールギャップ管理方法は、鋳片の品質から決定される鋳造中の各ロール間のロールギャップの基準値Xi を決定する工程と、鋳造中の溶鋼静鉄圧に相当する圧力をオフラインにて各セグメントに負荷し、該各セグメントにおける各ロール間のロールギャップの拡大量αi を測定する工程と、前記各セグメントへのダミーバー挿入時のダミーバー保持圧力をオフラインにて前記各セグメントに負荷し、前記各セグメントにおける各ロール間のロールギャップの拡大量βi を測定する工程と、前記ダミーバーに設置されたロールギャップ測定装置によるロールギャップの測定における前記各ロール間のロールギャップ設定値Yi を下式により設定する工程と、前記ロールギャップ設定値Yi を前記ロールギャップ測定装置により測定された値と比較し、前記ロールギャップ設定値Yi と前記ロールギャップ測定装置により測定された値との差が所定のしきい値以内となるように前記ロールギャップ設定値Yi を修正する工程とを含むことを特徴としている。
【0011】
i =Xi −αi +βi
但し、i はモールドに最も近い側のロール番号を1とした場合の各ロールのロール番号である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る連続鋳造機におけるロールギャップ管理方法が適用される鋳片案内装置の所定のセグメントを示し、(A)は概略側面図、(B)は(A)の1B−1B線に沿った断面図である。
【0013】
連続鋳造機においては、タンディッシュに溜められた溶湯が、水冷ジャケットにより冷却されたモールドに流れ込み、このモールド内を通過する過程で外周部に凝固殻が形成され、次いで、モールドから出た鋳片は鋳片案内装置中に導かれ、そこで冷却されながら鋳片案内装置を通過する。
この鋳片案内装置は、鋳片通路1に沿って連続して設けられた複数のセグメント2で構成され、各セグメント2は、図1(A)に示すように、鋳片通路1を隔てて配置された複数の鋳片案内下ロール3及び複数の鋳片案内上ロール4を有している。鋳片案内下ロール3及び鋳片案内上ロール4は、互いに対向するように鋳片通路1に沿って所定ピッチで配置されている。そして、各鋳片案内下ロール3は、図1(B)に示すように、1対の支持部材3a,3bにより固定側フレーム5に対して回転可能に支持されている。また、各鋳片案内上ロール4は、1対の支持部材(図示せず)により自由側フレーム6に対して回転可能に支持されている。自由側フレーム6は、固定側フレーム5に複数のコラム7により連結され、固定側フレーム5に対して上下方向に移動可能となっている。鋳片案内下ロール3及び鋳片案内上ロール4間のロールギャップ値は、自由側フレーム6を固定側フレーム5に対して上下動させることにより調整される。
【0014】
また、各セグメントの自由側フレーム6側には、1つのピンチロール8が設けられている。このピンチロール8は、図1(A)にあっては、入側(左側)から3番目の鋳片上案内ロール4と入側から5番目の鋳片案内上ロール4との間であって入側から4番目の鋳片案内下ロール3に対向するように設けられている。そして、ピンチロール8は、図1(B)に示すように、1対の支持部材9a,9bにより昇降フレーム10に対して回転可能に支持され、昇降フレーム10は、2本の油圧シリンダ11に連結されていて自由側フレーム6に対して昇降可能となっている。ピンチロール8は、油圧シリンダ11によって昇降し、鋳片通路1を通過する鋳片(図示せず)及びダミーバー(図示せず)に押し付けられてこれら鋳片及びダミーバーに引き抜き力を伝達するものである。
【0015】
次に、ダミーバーに設置されたロールギャップ測定装置によるロールギャップの測定について説明する。
各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップを測定するに際しては、先ず、オフラインにて鋳片の品質から決定される鋳造中の各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップの基準値Xi を決定する。ここで、i は鋳片案内ロール3,4のロール番号で、モールドに最も近い鋳片案内ロール3,4のロール番号を1とし、それに隣接する鋳片案内ロール3,4のロール番号を2とし、以後連続番号で表される。
【0016】
次いで、鋳造中の溶鋼静鉄圧に相当する圧力をオフラインにて各セグメント2に負荷し、各セグメント2における各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップの拡大量(溶鋼静鉄圧によるロールギャップ拡大量)αi を測定する。ここで、iは前述のi と同様に鋳片案内ロール3,4のロール番号を表す。
このように、鋳造中の溶鋼静鉄圧に相当する圧力をオフラインにて各セグメント2に負荷した場合の各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップの拡大量αi を測定するのは、各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップがαi だけ拡大することにより、鋳造中の各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップの基準値Xi に狂いが生じるためである。
【0017】
ここで、各セグメントに負荷荷重を負荷した場合には、各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップが負荷荷重の大きさに応じて拡大すると共に、ロールギャップの拡大量がセグメント毎に異なることが下記の実験にて検証されている。この実験においては、例として、モールドに最も近い1番目のセグメントとこの1番目のセグメントから数えて4番目のセグメントに負荷荷重を負荷した場合のそれぞれのセグメントにおけるロールギャップの平均拡大量を測定した。
【0018】
図2は、実験に使用される1番目及び4番目のセグメントのロールギャップの拡大量測定装置を示している。図2において、ロールギャップの拡大量測定装置21は、鋳片通路22を隔てて配置された7個の鋳片案内下ロール23及び6個の鋳片案内上ロール24を有している。鋳片案内下ロール23及び鋳片案内上ロール24は、互いに対向するように鋳片通路22に沿って所定ピッチで配置されている。そして、各鋳片案内下ロール23は、1対の支持部材(図示せず)により固定側フレーム25に対して回転可能に支持され、各鋳片案内上ロール24は、1対の支持部材(図示せず)により自由側フレーム26に対して回転可能に支持されている。固定側フレーム25及び自由側フレーム26は、複数のガイドポスト29により連結されている。また、入側から3番目の鋳片案内上ロール24と入側から5番目の鋳片案内上ロール24との間であって入側左から4番目の鋳片案内下ロール23に対向するようにピンチロール27が設けられている。そして、入側から1番目、4番目(ピンチロール27)、及び7番目の鋳片案内ロール23,24間には、ロールギャップ拡大量測定計28が連結されている。
【0019】
このロールギャップ測定装置21において、入側から2番目、3番目、5番目、及び6番目の鋳片案内上ロール24を負荷荷重が0〜120ton/seg の範囲でジャッキアップした。このときの入側から1番目、4番目、及び7番目の鋳片案内ロール23,24間のロールギャップの平均拡大量を図3に示す。図3は入側から2番目、3番目、5番目、及び6番目の鋳片案内上ロールに対する負荷荷重と入側から1番目、4番目、及び7番目の鋳片案内ロール間のロールギャップの平均拡大量との関係を示すグラフである。
【0020】
図3を参照すると、モールドに最も近い1番目のセグメントのロールギャップの平均拡大量、4番目のセグメントのロールギャップの平均拡大量とも負荷荷重に略比例して大きくなることが理解される。また、1番目のセグメントのロールギャップの平均拡大量は、4番目のセグメントのロールギャップの平均拡大量と比べて比例定数が大きく、1番目のセグメントのロールギャップの平均拡大量と4番目のセグメントのロールギャップの平均拡大量とが異なっていることが理解される。この理由は、セグメント毎に剛性が異なっているためと考えられる。
【0021】
そして、各セグメント2における各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップの拡大量αi を測定した後、各セグメント2へのダミーバー挿入時のダミーバー保持圧力をオフラインにて各セグメント2に負荷し、各セグメント2における各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップの拡大量(ダミーバー挿入圧によるロールギャップ拡大量)βi を測定する。ここで、iは前述のi と同様に鋳片案内ロール3,4のロール番号を表す。
【0022】
このように、各セグメント2へのダミーバー挿入時のダミーバー保持圧力をオフラインにて各セグメント2に負荷した場合の各セグメント2における各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップの拡大量βi を測定するのは、各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップがβi だけ拡大することにより、鋳造中の各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップの基準値Xi に狂いが生じるためである。
【0023】
ここで、各セグメント2におけるダミーバーを保持するピンチロール8に所定の負荷荷重を負荷した場合には、各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップがそれぞれ異なる量だけ拡大されることが下記の実験にて検証されている。この実験においては、例として、モールド側から数えて4番目のセグメントにおけるピンチロールに所定の負荷荷重を負荷した場合の各鋳片案内ロール間のロールギャップの拡大量を測定した。
【0024】
図4は実験に使用される4番目のセグメントのロールギャップの拡大量測定装置を示している。図4において、ロールギャップの拡大量測定装置31は、鋳片通路32を隔てて配置された6個の鋳片案内下ロール33及び5個の鋳片案内上ロール34を有している。鋳片案内下ロール33及び鋳片案内上ロール34は、互いに対向するように鋳片通路32に沿って所定ピッチで配置されている。そして、各鋳片案内下ロール33は、1対の支持部材(図示せず)により固定側フレーム35に対して回転可能に支持され、各鋳片案内上ロール34は、1対の支持部材(図示せず)により自由側フレーム36に対して回転可能に支持されている。固定側フレーム35及び自由側フレーム36は、複数のガイドポスト39により連結されている。また、入側から2番目の鋳片上案内ロール34と入側から4番目の鋳片案内上ロール34との間であって入側から3番目の鋳片案内下ロール33に対向するようにピンチロール37が設けられている。そして、入側から1番目、4番目、及び6番目の鋳片案内ロール33,34間には、ロールギャップ拡大量測定計38が連結されている。
【0025】
このロールギャップ測定装置31において、ピンチロール37に負荷荷重を55ton かけてジャッキアップした。このときの入側から1番目、4番目、及び6番目の鋳片案内ロール33,34間のロールギャップの拡大量を図5に示す。
図5を参照すると、入側から1番目の鋳片案内ロール33,34間のロールギャップの拡大量は0.87mm、4番目についての拡大量は0.70mm、6番目についての拡大量は0.51mmであることが理解される。このように、入側から1番目のロールから6番目のロールにかけてロールギャップの拡大量が減少しているのは、ピンチロール37の取付位置がセグメントの中心よりも入側に偏っているため、反力で自由側フレーム36が撓んだときに自由側フレーム36の入側が大きく撓んでいると考えられるからである。
【0026】
そして、各セグメント2における各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップの拡大量βi を測定した後、各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップ設定値Yi を、図6の概念図に示すように、下式により計算する。
i =Xi −αi +βi
但し、i は前述のi と同様に鋳片案内ロール3,4のロール番号を表す。
【0027】
そして、この計算されたロールギャップ設定値Yi に基づき、各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップをロールギャップ設定値Yi に設定し、図12及び図13に示すロールギャップ測定装置200とほぼ同様の構成のロールギャップ測定装置を用いてオンラインにて各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップを測定する。
【0028】
ロールギャップの測定結果を図7及び図8に示す。図7は、各ロール番号におけるロールギャップ設定値Yi 及び各ロール番号におけるロールギャップ測定値の双方を示すグラフ、図8は、各ロール番号におけるロールギャップ測定値の各ロール番号におけるロールギャップ設定値Yi に対する差を示すグラフである。
図7及び図8を参照すると、各ロール番号におけるロールギャップ測定値の各ロール番号におけるロールギャップ設定値Yi に対する差は、ほぼ±0.5mmの範囲内に収まっており、上式により計算したロールギャップ設定値Yi が適正であることが理解される。
【0029】
オンラインにて各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップを測定した後、ロールギャップ設定値Yi を前記ロールギャップ測定装置により測定された値と比較し、ロールギャップ設定値Yi とロールギャップ測定装置により測定された値との差が所定のしきい値以内となるようにロールギャップ設定値Yi を修正する。
【0030】
即ち、図8において、例えば、しきい値を±0.5mmに決定すれば、しきい値±0.5mmを逸脱するロール番号のロールギャップ設定値Yi を、しきい値±0.5mm以内となるように修正する。すると、ロールギャップ設定値Yi とロールギャップ測定装置により測定された値との差がしきい値±0.5mmとなる。
【0031】
このように設定されたロールギャップ設定値Yi で各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップを設定し、その状態で鋳片が鋳片通路1内を冷却されながら通過すると、各鋳片案内ロール3,4間のロールギャップが基準値Xi に近似した値の状態で鋳片が鋳片通路1内を通過することになり、鋳片の内部割れや断欠の発生を著しく抑制することができることになる。
【0032】
この理由は、ロールギャップ測定におけるロールギャップ設定値Yi を鋳造中の溶鋼静鉄圧に相当する圧力及び各セグメントへのダミーバー挿入時のダミーバー保持圧力を考慮して適切な値に設定しているからである。
【0033】
【実施例】
本発明の効果を検証するため、ロールギャップ設定値をYi =Xi −αi +βi (本発明例)とした場合と、ロールギャップ設定値をYi =Xi (比較例1)、Yi =Xi −αi (比較例2)とした場合とについて、それぞれ連続鋳造を行い、鋳片の内部割れ状況と、断欠発生状況について調査した。
【0034】
鋳片の内部割れ指数とロールギャップ設定値との関係を図9に、断欠発生指数とロールギャップ設定値との関係を図10に示す。
図9を参照すると、ロールギャップ設定値をYi =Xi (比較例1)とした場合の鋳片の内部割れ指数が1.0、Yi =Xi −αi (比較例2)とした場合の鋳片の内部割れ指数が0.3であるのに対して、ロールギャップ設定値をYi =Xi −αi +βi (本発明例)とした場合の鋳片の内部割れ指数が0.03と大きく減少していることが理解される。即ち、比較例1の場合に鋳片の内部割れが1.0回起こるのに対して本発明例の場合に鋳片の内部割れが0.03回起こっていることになる。
【0035】
また、図10を参照すると、ロールギャップ設定値をYi =Xi (比較例1)とした場合の断欠発生指数が1.0、Yi =Xi −αi (比較例2)とした場合の断欠発生指数が0.58であるのに対して、ロールギャップ設定値をYi =Xi −αi +βi (本発明例)とした場合の断欠発生指数が0.08と大きく減少していることが理解される。即ち、比較例1の場合に断欠の発生が1.0回起こるのに対して本発明例の場合に断欠の発生が0.08回起こっていることになる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1に係る連続鋳造機におけるロールギャップ管理方法によれば、ダミーバーに設置されたロールギャップ測定装置によるロールギャップの測定における各ロール間のロールギャップ設定値Yi を、鋳片の品質から決定される鋳造中の各ロール間のロールギャップの基準値Xi と、鋳造中の溶鋼静鉄圧に相当する圧力をオフラインにて各セグメントに負荷し、その際の各セグメントにおける各ロール間のロールギャップの拡大量αi と、各セグメントへのダミーバー挿入時のダミーバー保持圧力をオフラインにて各セグメントに負荷し、その際の各セグメントにおける各ロール間のロールギャップの拡大量βi とを考慮してYi =Xi −αi +βi で設定するので、適正なロールギャップの管理を行うことができ、鋳片の内部割れ及び断欠の発生回数を著しく減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連続鋳造機におけるロールギャップ管理方法が適用される鋳片案内装置の所定のセグメントを示し、(A)は概略側面図、(B)は(A)の1B−1B線に沿った断面図である。
【図2】各セグメントに負荷荷重を負荷する実験に使用される、モールドに最も近い1番目のセグメントとこの1番目のセグメントから数えて4番目のセグメンのロールギャップの拡大量測定装置の概略側面図である。
【図3】図2の1番目及び4番目のセグメントのロールギャップ拡大量測定装置において、入側から2番目、3番目、5番目、及び6番目の鋳片案内上ロールに対する負荷荷重と入側から1番目、4番目、及び7番目の鋳片案内ロール間のロールギャップの平均拡大量との関係を示すグラフである。
【図4】各セグメントにおけるダミーバーを保持するピンチロールに所定の負荷荷重を負荷する実験に使用される4番目のセグメントのロールギャップの拡大量測定装置の概略側面図である。
【図5】図4のロールギャップの拡大量測定装置において、ピンチロールに負荷荷重を55ton かけたときの入側から1番目、4番目、及び6番目の鋳片案内ロール3間のロールギャップの拡大量を示すグラフである。
【図6】各ロール番号におけるロールギャップ設定値Yi の設定概念図である。
【図7】各ロール番号におけるロールギャップ設定値Yi 及び各ロール番号におけるロールギャップ測定値の双方を示すグラフである。
【図8】各ロール番号におけるロールギャップ測定値の各ロール番号におけるロールギャップ設定値Yi に対する差を示すグラフである。
【図9】鋳片の内部割れ指数とロールギャップ設定値との関係を示すグラフである。
【図10】断欠発生指数とロールギャップ設定値との関係を示すグラフである。
【図11】従来の連続鋳造機における鋳片案内装置の概略側面図である。
【図12】従来のロールギャップ測定装置の概略側面図である。
【図13】図12に示すロールギャップ測定装置の主要部の拡大側面図である。
【符号の説明】
1 鋳片通路
2 セグメント
3 鋳片案内下ロール
3a,3b 支持部材
4 鋳片案内上ロール
5 固定側フレーム
6 自由側フレーム
7 コラム
8 ピンチロール
9a,9b 支持部材
10 昇降フレーム
11 油圧シリンダ
21,31 ロールギャップの拡大量測定装置
22,32 鋳片通路
23,33 鋳片案内下ロール
24,34 鋳片案内上ロール
25,35 固定側フレーム
26,36 自由側フレーム
27,37 ピンチロール
28,38 ロールギャップ拡大量測定計
29,39 ガイドポスト
101 上ロールセグメント
102 鋳片案内上ロール
103 鋳片通路
104 下ロールセグメント
105 鋳片案内下ロール
106 ロール位置調整装置
200 ロールギャップ測定装置
201,202 ロール群
203,204 ロール
205 ダミーバー
206 誘導装置
207 第1の検出レバー
208 第2の検出レバー
209 接触子
210 変位計

Claims (1)

  1. 鋳片の品質から決定される鋳造中の各ロール間のロールギャップの基準値Xi を決定する工程と、
    鋳造中の溶鋼静鉄圧に相当する圧力をオフラインにて各セグメントに負荷し、該各セグメントにおける各ロール間のロールギャップの拡大量αi を測定する工程と、
    前記各セグメントへのダミーバー挿入時のダミーバー保持圧力をオフラインにて前記各セグメントに負荷し、前記各セグメントにおける各ロール間のロールギャップの拡大量βi を測定する工程と、
    前記ダミーバーに設置されたロールギャップ測定装置によるロールギャップの測定における前記各ロール間のロールギャップ設定値Yi を下式により定する工程と、
    前記ロールギャップ設定値Yi を前記ロールギャップ測定装置により測定された値と比較し、前記ロールギャップ設定値Yi と前記ロールギャップ測定装置により測定された値との差が所定のしきい値以内となるように前記ロールギャップ設定値Yi を修正する工程とを含むことを特徴とする連続鋳造機におけるロールギャップ管理方法。
    i =Xi −αi β i
    但し、iはモールドに最も近い側のロール番号を1とした場合の各ロールのロール番号である。
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