JP5800392B2 - 連鋳鋳片の軽圧下方法 - Google Patents

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本発明は、連続鋳造される鋳片の凝固末期に鋳片の偏析を防止するために実施される連鋳鋳片の軽圧下方法に関する。なお、本明細書では、連鋳鋳片を単に鋳片ともいう。
連続鋳造設備は、図14に示すように、溶鋼1を鋳型2に注入し、この鋳型2で冷却して凝固させながら得られた鋳片10を、鋳型2の下部に配置した複数のロール3をフレーム4に支持した複数のロールセグメント5で構成された鋳片支持構造を介して湾曲支持しながら搬出する構造を有している。
また、連続鋳造設備においては、図14及び図15に示すように、鋳片10の偏析を防止するため凝固末期に、複数の軽圧下セグメント6より軽圧下が実施される。この軽圧下セグメント6においては、シリンダ7による軽圧下によって圧下反力を受けることにより、ロール8及びフレーム9が変形し、ロール間隔が数mm程度広がる。そのため、例えばロール一対あたり圧下量が1mm程度の軽圧下を行う場合、適正な圧下量設定ができず、ロール及びフレームの変形が原因で圧下量不足を生じ、偏析改善効果が不十分であったり、圧下し過ぎにより内部割れが発生したりしていた。
その対策としては、特許文献1に、鋳片実圧下量とフレーム変形量とロール変形量の合計にてロールの圧下量を設定する軽圧下方法が開示されている。
しかし、図14及び図15に示す軽圧下セグメント6においては、約1000℃の鋳片を軽圧下することから、その鋳片の輻射熱を受けてフレーム9が熱膨張する。このフレーム9の熱膨張の問題は、上記特許文献1では考慮されていない。
そこで、本願発明者は、先に特願2011−084615号において、フレームの熱膨張量を補正することが可能な軽圧下方法を提案した。
ただし、この軽圧下方法を実機で試したところ、フレームの熱膨張量を補正しない場合に比べ適正な軽圧下を行うことができ、偏析改善及び内部割れの防止に一定の効果は見られるものの、依然として偏析及び内部割れの問題が発生した。すなわち、フレームの熱膨張量を補正するだけでは、軽圧下における高精度なロール間隔制御及び正確な圧下勾配は実現できず、その改善が必要であることがわかった。
特開平05−008004号公報
本発明が解決しようとする課題は、連続鋳造設備において実施する軽圧下において、高精度なロール間隔制御及び正確な圧下勾配を実現するための熱膨張量補正方法を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明は、軽圧下に使用するロールを冷却するための冷却水経路の冷却水入側温度と冷却水出側温度を計測し、その温度差(冷却水入出温度差)に基づき熱膨張補正量を求め、ロールの圧下量を補正することを基本思想とする。
この基本思想は、上記特願2011−084615号と同じであるが、上記特願2011−084615号では熱膨張としてフレームの熱膨張のみを考慮していたのに対し、本発明ではフレームの熱膨張に加えて連鋳鋳片の熱膨張も考慮する。
連鋳鋳片の熱膨張を考慮する必要がある理由は、以下のとおりである。
図14を参照して説明すると、連続鋳造開始時において軽圧下セグメント6には鋳片10は存在せず、その後、鋳片10が軽圧下セグメント6を通過する。このため、軽圧下セグメント6(フレーム9)は鋳片10からの受熱により時間経過とともに温度上昇する。一方、軽圧下セグメント6へ最初に到達する鋳片10の温度は、上記のとおり軽圧下セグメント6に抜熱されるため低下するが、時間経過により軽圧下セグメント6(フレーム9)の温度上昇は徐々に飽和していくため、鋳片10からの抜熱量は徐々に減少し、その結果、軽圧下セグメント6へ到達する鋳片10の温度は徐々に上昇する。すなわち、軽圧下セグメント6(フレーム9)の温度が時間経過により上昇するのに伴い、軽圧下セグメント6を通過する鋳片10の温度も時間経過により上昇し、軽圧下セグメント6の位置における鋳片10の熱膨張量が時間経過により増大する。
そこで、本発明ではフレームの熱膨張に加え鋳片の熱膨張も考慮して熱膨張量補正値を求めることとした。具体的には本発明は、以下の第1から第4の軽圧下方法を提供する。
その第1の軽圧下方法は、
「連鋳鋳片の凝固末期に、フレームに支持された上下一対のロールをn個並列させたロール群を通過させて連鋳鋳片を軽圧下する連鋳鋳片の軽圧下方法において、
予め、前記上下一対のロールが配置されたロール配置位置毎に設けた冷却水経路の冷却水入側温度と冷却水出側温度との温度差(冷却水入出温度差)と、前記フレームの上下方向熱膨張量及び連鋳鋳片の上下方向熱膨張量を合算した熱膨張量合算値との関係を求めておき、
冷却水入出温度差をロール配置位置毎に計測し、
前記ロール配置位置毎の冷却水入出温度差から、1番目のロール配置位置からn番目のロール配置位置に至るまでの範囲における冷却水入出温度差を表す回帰式を求め、
前記回帰式により、各ロール配置位置での冷却水入出温度差を演算して補正冷却水入出温度差とし、
前記各ロール配置位置での補正冷却水入出温度差と、前記予め求めておいた冷却水入出温度差と熱膨張量合算値との関係とから、各ロール配置位置での熱膨張量補正値を求め、
前記各ロール配置位置での熱膨張量補正値に基づき、各ロールの圧下量を補正することを特徴とする連鋳鋳片の軽圧下方法。」である。
このように、実測による冷却水入出温度差の回帰式を求め、その回帰式により補正冷却水入出温度差を求めることで、個別の冷却水入出温度差のバラツキの影響を抑えることができ、各ロールの圧下量を正確に制御できる。更に、熱膨張量としてフレームの上下方向熱膨張量及び連鋳鋳片の上下方向熱膨張量を合算した熱膨張量合算値を求め、この熱膨張量合算値を使用して各ロールの圧下量を補正するようにしたことで、高精度なロール間隔制御及び正確な圧下勾配を実現可能となる。
第2の軽圧下方法は、
「連鋳鋳片の凝固末期に、フレームに支持された上下一対のロールをn個並列させたロール群を通過させて連鋳鋳片を軽圧下する連鋳鋳片の軽圧下方法において、
前記n個の上下一対のロールをm個(1<m<n)のロールグループに分け、
予め、前記ロールグループが配置されたロールグループ配置位置毎に設けた冷却水経路の冷却水入側温度と冷却水出側温度との温度差(冷却水入出温度差)と、前記フレームの上下方向熱膨張量及び連鋳鋳片の上下方向熱膨張量を合算した熱膨張量合算値との関係を求めておき、
冷却水入出温度差をロールグループ配置位置毎に計測し、
前記ロールグループ配置位置毎の冷却水入出温度差から、1番目のロール配置位置からn番目のロール配置位置に至るまでの範囲における冷却水入出温度差を表す回帰式を求め、
前記回帰式により、各ロール配置位置での冷却水入出温度差を計算して補正冷却水入出温度差とし、
前記各ロール配置位置での補正冷却水入出温度差と、前記予め求めておいた冷却水入出温度差と熱膨張量合算値との関係とから、各ロール配置位置での熱膨張量補正値を求め、
前記各ロール配置位置での熱膨張量補正値に基づき、各ロールの圧下量を補正することを特徴とする連鋳鋳片の軽圧下方法。」である。
この第2の軽圧下方法では、ロールを複数のロールグループに分け、そのロールグループ配置位置毎に冷却水入出温度差を求めるようにしている。したがって、冷却水入出温度差をロール配置位置毎に求める場合に比べ、冷却水経路の冷却水入側温度及び冷却水出側温度を計測する温度センサの個数を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。
第3の軽圧下方法は、
「連鋳鋳片の凝固末期に、フレームに支持された上下一対のロールをn個並列させたロール群を通過させて連鋳鋳片を軽圧下する連鋳鋳片の軽圧下方法において、
前記n個の上下一対のロールをm個(1<m<n)のロールグループに分け、
予め、前記ロールグループが配置されたロールグループ配置位置毎に設けた冷却水経路の冷却水入側温度と冷却水出側温度との温度差(冷却水入出温度差)と、前記フレームの上下方向熱膨張量及び連鋳鋳片の上下方向熱膨張量を合算した熱膨張量合算値との関係を求めておき、
冷却水入出温度差をロールグループ配置位置毎に計測し、
前記ロールグループ配置位置毎の冷却水入出温度差から、1番目のロールグループ配置位置からm番目のロールグループ配置位置に至るまでの範囲における冷却水入出温度差を表す回帰式を求め、
前記回帰式により、各ロールグループ配置位置での冷却水入出温度差を計算して補正冷却水入出温度差とし、
前記各ロールグループ配置位置での補正冷却水入出温度差と、前記予め求めておいた冷却水入出温度差と熱膨張量合算値との関係とから、各ロールグループ配置位置での熱膨張量補正値を求め、
前記各ロールグループ配置位置での熱膨張量補正値に基づき、各ロールグループの圧下量を補正することを特徴とする連鋳鋳片の軽圧下方法。」である。
この第3の軽圧下方法は、上記第2の軽圧下方法の変形であり、上記第2の軽圧下方法では、ロールの圧下量の補正をロール毎に行うが、第3の軽圧下方法では、ロールグループ毎に行う。ロールグループ配置位置間で冷却水入出温度差が小さい(回帰式の傾きが小さい)場合は、圧下量の補正をロールグループ毎に行っても、ロールの圧下量は実用レベルにおいて正確に制御できる。
第4の軽圧下方法は、
「連鋳鋳片の凝固末期に、フレームに支持された上下一対のロールをn個並列させたロール群を通過させて連鋳鋳片を軽圧下する連鋳鋳片の軽圧下方法において、
前記n個の上下一対のロールをm個(1≦m<n)のロールグループにグループ化し、
予め、前記ロールグループが配置されたロールグループ配置位置毎に設けた冷却水経路の冷却水入側温度と冷却水出側温度との温度差(冷却水入出温度差)と、前記フレームの上下方向熱膨張量及び連鋳鋳片の上下方向熱膨張量を合算した熱膨張量合算値との関係を求めておき、
冷却水入出温度差をロールグループ配置位置毎に計測し、
前記ロールグループ配置位置毎の冷却水入出温度差と、前記予め求めておいた冷却水入出温度差と熱膨張量合算値との関係とから、各ロールグループ配置位置での熱膨張量補正値を求め、
各ロールグループ配置位置での熱膨張量補正値に基づき、各ロールグループの圧下量を補正することを特徴とする連鋳鋳片の軽圧下方法。」である。
この第4の軽圧下方法では、実測による冷却水入出温度差に基づく回帰式を使用しない。ただし、第4の軽圧下方法において冷却水入出温度差はロールグループ配置位置毎に計測されるから、そのロールグループに属するロールのロール配置位置毎の冷却水入出温度差は平均された値となり、個別の冷却水入出温度差のバラツキの影響を抑えることができる。ロールグループ内のロール配置位置間で冷却水入出温度差が小さい場合は、このようにロールグループ内の冷却水入出温度差の平均値を用いても、ロールの圧下量は実用レベルにおいて正確に制御できる。
本発明においては、上述の熱膨張量補正に加え、軽圧下時の圧下反力によるロール及びフレームの変形量を加味して各ロール又は各ロールグループの圧下量を補正するようにしてもよい。この場合、本発明では、予め、ロール毎又はロールグループ毎に軽圧下する鋳片の軽圧下時の上限と下限からなる圧下反力適正範囲を求めておき、連鋳鋳片の軽圧下時の圧下反力が前記下限を下回った場合はロール又はロールグループの圧下量を増加させ、圧下反力が前記上限を上回った場合はロール又はロールグループの圧下量を減少させ、各々適正圧下力範囲になるようにロール又はロールグループの圧下量を制御する。
本発明によれば、軽圧下に使用するロールを冷却するための冷却水経路の冷却水入側温度と冷却水出側温度を計測し、その温度差(冷却水入出温度差)に基づき熱膨張量補正値を求め、ロールの圧下量を補正する。更に、上記熱膨張量補正値を求めるにあたって、熱膨張量としてフレームの上下方向熱膨張量及び連鋳鋳片の上下方向熱膨張量を合算した熱膨張量合算値を求め、この熱膨張量合算値を使用して熱膨張量補正値を求める。したがって、各ロールの圧下量を正確に制御でき、軽圧下において正確な圧下勾配を実現することができる。これにより、高品質な鋳片を安定して製造することができる。
また、軽圧下時の圧下反力によるロール及びフレームの変形量を加味して各ロール又は各ロールグループの圧下量を補正することで、より正確な圧下勾配を実現することができる。
連続鋳造設備において軽圧下を行うロール群の一実施形態を模式的に示す。 本発明による熱膨張量補正の基本原理を示す。 熱膨張量補正値の求め方を概念的に示す。 熱膨張量合算値の計測方法を概念的に示す。 ロール配置位置毎の冷却水入出温度差ΔTiをロール番号順にプロットした例を示す。 図5のロール配置位置毎の冷却水入出温度差ΔTiに基づく回帰式を示す。 連続鋳造設備において軽圧下を行うロール群の他の実施形態を模式的に示す。 ロールグループ配置位置毎の冷却水入出温度差ΔTjをロール番号順にプロットした例とその回帰式を示す。 圧下反力を演算する機器構成を概念的に示す。 圧下反力(Pi)と変位(λm_i)の関係を概念的に示す。 熱膨張量の計測結果の例を示す。 ロール間隔の制御例を概念的に示す。 鋳片の品質の評価結果を示す。 連続鋳造設備を示す。 連続鋳造設備における軽圧下セグメントを示す。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1は、連続鋳造設備において軽圧下を行うロール群の一実施形態を模式的に示す。同図においてロール群は、フレーム9に支持された上下一対のロール8を8個並列させて構成されている。各ロール8の圧下量は、シリンダ7によりロール(上側のロール)位置を制御することで制御される。
図1の実施形態では、上下一対のロール8が配置されたロール配置位置毎に独立して冷却水経路11が設けられている。冷却水経路11は各フレーム9内を巡り、ロール配置位置(上下一対のロール8)毎にこれを冷却する。各冷却水経路11の入側及び出側には温度センサ11a,11bが設置されており、その温度センサ11a,11bにより各冷却水経路11の冷却水入側温度Ti_inと冷却水出側温度Ti_outが計測される。ここで、iは、ロール群の上流から順に付されたロール番号であり、以下も同じである。図1の実施形態はi=1,2,・・・,8となる。
図2は、本発明による熱膨張量補正の基本原理を示す。ヒューマンマシンインタフェース(HMI)により入力されたロール位置入力値δo_iに対して、熱膨張量補正値λt_iを加味してロール位置指令値δiを求め、このロール位置指令値δiに基づき各ロール8の位置を制御し、圧下量を制御する。なお、実際のロール位置はセンサによって計測されており、その計測されたロール位置がロール位置指令値δiに基づくロール位置と異なる場合は、その偏差に応じてロール位置入力値δo_iを補正する、いわゆるフィードバック制御を行う。
熱膨張量補正値λt_iを求めるには、概念的には図3に示すように、予め、冷却水経路11の冷却水入側温度Ti_inと冷却水出側温度Ti_outとの温度差(冷却水入出温度差ΔTi)と、フレーム9の上下方向熱膨張量(λf_i)と鋳片の上下方向熱膨張量(λb_i)を合算した熱膨張量合算値(λ_i)との関係を求めておく。
熱膨張量合算値(λ_i)は、図4に示すようにインロッドセンサ12によって実測することができる。インロッドセンサ12は、上下一対のロール8のうち上下動する上側のロール(以下「上ロール」という。)8aの位置及びその変位を検出できるように、シリンダ7の内部に配置されている。熱膨張量合算値(λ_i)の計測にあたっては、上ロール8aにより一定圧力で鋳片10を押し付けた状態で連続鋳造を行い、インロッドセンサ値(上ロール8aの位置)の時間変化を計測すると同時に、冷却水入出温度差ΔTiの時間変化を計測する(このとき軽圧下は実施しない。)。このインロッドセンサ値の時間変化は、フレーム9の上下方向熱膨張量(λf_i)と鋳片10の上下方向熱膨張量(λb_i)の総和、つまり本発明でいう熱膨張量合算値(λ_i)である。したがって、このインロッドセンサ12で計測した熱膨張量合算値(λ_i)と、これと同時に計測した冷却水入出温度差ΔTiとにより、図3の関係を求めることができる。
一方、先に説明した特願2011−84615号では熱膨張としてフレーム9の上下方向熱膨張量(λf_i)のみを計測し、鋳片10の上下方向熱膨張量(λb_i)は考慮されていない。したがって、上記特願2011−84615号では、鋳片10の上下方向熱膨張量(λb_i)の分だけ熱膨張量補正値に誤差が生じる。よって、より高精度なロール間隔制御及びより正確な圧下勾配を実現するためには、フレーム9の上下方向熱膨張量(λf_i)と鋳片10の上下方向熱膨張量(λb_i)の両者を補正する必要がある。なお、鋳片10の上下方向熱膨張量(λb_i)は、上ロール軸受箱13と下ロール軸受箱14との間に設置したリニアセンサ15の時間変化を計測することにより求めることができる。また、フレーム9の上下方向熱膨張量(λf_i)は、熱膨張量合算値(λ_i)から鋳片10の上下方向熱膨張量(λb_i)を差し引くことにより求めることができる。
本発明では、熱膨張量合算値(λ_i)を使用した上記図3の関係と、実際に計測された冷却水入出温度差ΔTiとから熱膨張量補正値λt_iを求める。すなわち、上記図3の関係において、実際に計測された冷却水入出温度差ΔTiに対応する熱膨張量合算値(λ_i)が熱膨張量補正値λt_iである。ただし、個別の冷却水入出温度差ΔTiから直接に熱膨張量補正値λt_iを求めると、その熱膨張量補正値が各ロール配置位置でバラついてしまう。これは、ロール配置位置毎のロール外径の加工誤差、ロール摩耗によるロール径差、ロールの熱変形量差等により、各ロール配置位置におけるロール8と鋳片の接触状態にバラツキが生じるためである。
そこで、本発明では、上述の熱膨張量補正値(冷却水入出温度差ΔTi)のバラツキを抑えるために、個別の冷却水入出温度差ΔTiに対して回帰処理あるいは平均化処理を行う。
以下、その実施の形態を説明する。
まず、図1の実施形態のように、ロール配置位置毎に冷却水入出温度差ΔTiを求める場合について説明する。
この場合、ロール配置位置毎の冷却水入出温度差ΔTiをロール番号順にプロットすると図5のようになる。このように、ロール配置位置毎の冷却水入出温度差ΔTiにはバラツキがあるが、本実施形態では、図6に示すように、1番目のロール配置位置からn番目(本実施形態ではn=8)のロール配置位置に至るまでの範囲における冷却水入出温度差を表す回帰式を求める。そして、この回帰式により、各ロール配置位置での冷却水入出温度差を演算して補正冷却水入出温度差ΔTi_revを求める。すなわち、本実施形態における回帰式は最小自乗法により、ΔTi_rev=A×i+B(A,Bは定数、iはロール番号)となり、この回帰式にロール番号を入れることで、各ロール配置位置での補正冷却水入出温度差ΔTi_revが得られる。
そして、得られた補正冷却水入出温度差ΔTi_revに基づき、図3の関係から、各ロール配置位置での熱膨張量補正値λt_i_revを求め、各ロールの圧下量を制御する。
なお、本実施形態の場合、図3の関係は、ロール配置位置毎に個別に求めることを基本とするが、ある特定(一又は複数)のロール配置位置で求めた関係を他のロール配置位置で使用するようにしてもよいし、複数のロール配置位置で求めた関係を平均して使用することもできる。
図7は、連続鋳造設備において軽圧下を行うロール群の他の実施形態を模式的に示す。この実施形態では、8個のロール8を4個ずつの2つのロールグループI,IIに分け、ロールグループI,IIが配置されたロールグループ配置位置毎に冷却水経路11を設けている。すなわち、各ロールグループ配置位置において、冷却水経路11の入側から供給される冷却水は、そのロールグループ内の各ロール8用に分配され、その後合流して出側から排出される。
各冷却水経路11の入側及び出側には温度センサ11a,11bが設置されており、その温度センサにより各冷却水経路11の冷却水入側温度Tj_inと冷却水出側温度Tj_outが計測される。ここで、jは、上流から順に付されたロールグループ番号であり、以下も同じである。図7の実施形態はj=1,2となる。
本実施形態では、上記の冷却水入側温度Tj_inと冷却水出側温度Tj_outとから、冷却水入出温度差ΔTjを求める。この冷却水入出温度差ΔTjは、各ロールグループI,II内の各ロール8のロール配置位置での冷却水入出温度差ΔTi’が平均化された値となる。
以下、図7の実施形態のように、ロールグループ配置位置毎に冷却水入出温度差ΔTjを求める場合において、各ロール配置位置での熱膨張量補正値λt’_i_revを求める方法を説明する。
図8に示すように、ロールグループ配置位置毎の冷却水入出温度差ΔTjをロール番号に沿ってプロットする。ロールグループ配置位置毎の冷却水入出温度差ΔTjは、上述のとおりそのロールグループ内の各ロール8のロール配置位置での冷却水入出温度差ΔTi’が平均化された値であるから、ロール番号に沿ってプロットする際には、図8のように各ロールグループI,IIの中央位置にプロットする。次に、プロットされたロールグループ配置位置毎の冷却水入出温度差ΔTjから、1番目のロール配置位置からn番目(本実施形態ではn=8)のロール配置位置に至るまでの範囲における冷却水入出温度差を表す回帰式を求める。そして、この回帰式により、各ロール配置位置での冷却水入出温度差を演算して補正冷却水入出温度差ΔTi’_revを求める。すなわち、本実施形態における回帰式は最小自乗法により、ΔTi’_rev=A’×i+B’(A’,B’は定数、iはロール番号)となり、この回帰式にロール番号を入れることで、各ロール配置位置での補正冷却水入出温度差ΔTi’_revが得られる。後は、得られた補正冷却水入出温度差ΔTi’_revに基づき、図3の関係から、各ロール配置位置での熱膨張量補正値λt’_i_revを求め、各ロールの圧下量を制御する。
なお、本実施形態においても、図3の関係はロール配置位置毎に個別に求めてもよいが、ロールグループ内の各ロール配置位置で求めた関係を平均して使用してもよく、ロールグループ内の特定のロール配置位置での関係を同一グループ内の他のロール配置位置で使用するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ロールグループ配置位置毎の冷却水入出温度差ΔTjから、1番目のロール配置位置からn番目のロール配置位置に至るまでの範囲における冷却水入出温度差を表す回帰式を求めたが、ロールグループ配置位置毎の冷却水入出温度差ΔTjから、1番目のロールグループ配置位置からm番目(1<m<n)のロールグループ配置位置に至るまでの範囲における冷却水入出温度差を表す回帰式を求め、ロールグループ単位で熱膨張量補正値λt_jを求め、ロールグループ単位でその圧下量を補正するようにしてもよい。すなわち、1ロールグループ内の各ロールの圧下量を同一の熱膨張量補正値λt_jで補正する。ロールグループ配置位置間で冷却水入出温度差ΔTjの差が小さい(回帰式の傾きが小さい)場合は、圧下量の補正をロールグループ毎に行っても、ロールの圧下量は実用レベルにおいて正確に制御できる。この場合、図3の関係としては、ロールグループ内の各ロール配置位置で求めた関係を平均して使用してもよく、ロールグループ内の特定のロール配置位置での関係を代表させて使用するようにしてもよい。
また、本発明では上述の回帰式を使用せずに、ロールグループ配置位置毎の冷却水入出温度差ΔTjから直接、図3の関係より、ロールグループ単位で熱膨張量補正値λt_jを求め、ロールグループ単位でその圧下量を補正するようにしてもよい。すなわち、1ロールグループ内の各ロールの圧下量を同一の熱膨張量補正値λt_jで補正する。ロールグループ配置位置毎の冷却水入出温度差ΔTjは、そのロールグループに属するロール配置位置毎の冷却水入出温度差が平均された値であるから、必ずしも回帰式を使用しなくとも、個別の冷却水入出温度差のバラツキの影響を抑えることができる。ロールグループ内のロール配置位置間で冷却水入出温度差ΔTjの差が小さい場合は、このようにロールグループ内の冷却水入出温度差の平均値を用いても、ロールの圧下量は実用レベルにおいて正確に制御できる。なお、このように回帰式を使用しない場合は、ロールグループの数は1(m=1)であってもよい。
また、以上の実施形態では、回帰式を求める場合、一次式による最小自乗法を使用したが、回帰の手法はこれに限定されず、多次曲線を始めあらゆる曲線による回帰を行ってもよい。
さらに、以上の実施形態では、ロール番号を用いて回帰式を整理したが、これは、鋳片の移動方向のロール間距離(ロールピッチ)が同一であることを前提としている。ただし、ロールピッチは、それを部分的に変更する場合もあり、必ずしもロール番号のみで回帰式を整理すべきものではなく、軽圧下用のロールの最上流ロール(1番目のロール)からi番目ロールまでの距離などを用いて回帰式を整理しても、全く問題はない。
またさらに、以上の実施形態では、軽圧下装置として図1及び図7においてくし歯フレーム型軽圧下装置を示したが、本発明の適用がくし歯フレーム型軽圧下装置に限定されないことは当業者に自明であり、セグメント型軽圧下装置やスタンド型軽圧下装置にも本発明は適用できる。
次に、本発明において付加的に実施できる、圧下反力によるロール及びフレームの変形を加味したロール又はロールグループの圧下量の補正方法を説明する。
図9は、圧下反力を演算する機器構成を概念的に示す。同図において、軽圧下用シリンダのヘッド(H)側に設けた圧力計PT1と、ロッド側(R)に設けた圧力計PT2により、ヘッド(H)側の圧力(P)、ロッド側の圧力(P)がそれぞれ測定される。測定した圧力は変換器で信号に変換され、入力信号が制御装置に取り込まれて圧下反力が演算される。
具体的には、軽圧下用シリンダのヘッド(H)側の直径をD、ロッド(R)の直径をDとすると、上記圧力計PT1で測定したヘッド(H)側の圧力(P)及び上記圧力計PT1で測定したロッド(R)側の圧力(P)より、圧下反力(Pi)は次式により演算される。
P=π/4×{D ×P−(D −D )×P
この圧下反力(Pi)から、予め測定しておいた圧下反力(Pi)と変位(Δi)との関係(図10参照)より、補正値(ミル剛性補正値)λm_iを求める。なお、軽圧下装置の各構成部品は、すべて弾性域の変形であるため、圧下反力(Pi)と変位(Δi)は、図10に示すように比例関係にあり、オフラインテストにより各ロールにおける圧下反力(Pi)と変位(Δi)の関係を測定しておく。
このようにして得られたミル剛性補正値λm_iに基づき、先に示した図2において、ロール位置入力値δo_iに対して、熱膨張量補正値λt_iと共にミル剛性補正値λm_iを加味してロール位置指令値δiを求め、このロール位置指令値δiに基づき各ロールの位置を制御し、圧下量を制御する。なお、ロール毎でなく、ロールグループ毎に圧下量を制御する場合も、上述と同じ要領でロール位置指令値δjを求める。
この制御は、図9に示した制御装置で実行される。また、この制御装置には、予め求められた、軽圧下する鋳片の軽圧下時の圧下反力適正範囲(圧下力上限および圧下力下限)がロール毎又はロールグループ毎に記憶されている。上記式により演算された圧下反力が適正範囲を下回った場合はロールの圧下量を増加させ、圧下反力が適正範囲を上回った場合はロールの圧下量を減少させ、各々適正圧下力範囲になるようにロール又はロールグループの圧下量を制御する。
このような制御を行うのは、以下の理由による。実際の連鋳鋳片の軽圧下において、複数のロール間を通過する連鋳鋳片の形状は、種々の操業条件により、逐次変化する。この場合、連鋳鋳片の形状が、例えば、鋼種、操業引き抜き速度、冷却条件等に起因して数mm小さくなった場合、シリンダの位置制御による軽圧下の方法では、必要圧下量に対して未達となる。最悪の場合、鋳片が圧下されない場合も生ずる。また、連鋳鋳片の形状が例えば、鋼種、操業引き抜き速度、冷却条件等に起因して数mm大きくなった場合、シリンダの位置制御による軽圧下の方法では、必要圧下量に対して過剰となる。最悪の場合、圧下し過ぎにより内部割れなどが生ずる。このような問題を解消するため、本発明では上述のように、圧下反力適正範囲に基づく圧下量の制御を行う。
なお、以上の実施形態では、圧下反力を軽圧下用シリンダのヘッド側及びロッド側に設けた圧力計により測定した圧力を基に演算したが、圧下反力は、ロール若しくはロールグループの架台又は軽圧下スタンドに設けたロードセルにより検出することもできる。ロードセルにより検出された信号は、例えば図9の変換器で信号に変換され、入力信号が制御装置に取り込まれて圧下反力が演算される。
以下、本発明による連鋳鋳片の軽圧下の例(実施例1)を示す。また、比較例として、鋳片の熱膨張を考慮していない上記特願2011−084615号による軽圧下の例(比較例1)、熱膨張の補正を全く行わない軽圧下の例(比較例2)及び軽圧下を行わない例(比較例3)も示す。
まず、実施例1及び比較例1について、先に説明した図4の方法による熱膨張量の計測結果を示す。実施例1では、図4のインロッドセンサ12により上下方向熱膨張量(λf_i)と鋳片10の上下方向熱膨張量(λb_i)の総和である熱膨張量合算値(λ_i)を計測し、比較例1では図4の上ロール軸受箱13と下ロール軸受箱14との間に設置したリニアセンサ15により計測される鋳片10の上下方向熱膨張量(λb_i)を、インロッドセンサ12により計測される熱膨張量合算値(λ_i)から差し引くことにより、フレーム9の上下方向熱膨張量(λf_i)を算出した。
その結果を図11に示す。図11からわかるように、鋳造開始から3時間後には冷却水入出温度差ΔTは10℃となり、このときの熱膨張量合算値(λ)は2mm、鋳片10の上下方向熱膨張量(λb)は1.3mmであった。すなわち、このときのフレーム9の上下方向熱膨張量(λf)はλ−λb=0.7mmであることがわかった。実施例1ではこの鋳片の上下方向熱膨張量(λb)も含めてロールの圧下量を補正するが、比較例1では鋳片の上下方向熱膨張量(λb)が考慮されないので、その分(1.3mm)、ロールの圧下量を適正に補正することができない。
このことを概念的に示すと図12のとおりである。図12において曲線Lは、軽圧下無しでのロール間隔、すなわち図4の方法で計測した熱膨張量合算値を示す。実施例1では、この曲線Lに基づいて軽圧下時のロール間隔の補正を行うので、常に適正な軽圧下量(図12の例では1mm)を実現することができる。これに対して、比較例1では、鋳片の熱膨張量に基づく補正が行われないので、鋳片の熱膨張量の分だけ過圧下となる。例えば、鋳造開始から3時間後では、鋳片の熱膨張量である1.3mmの過圧下となる。一方、熱膨張の補正を全く行わない比較例2では、鋳造開始当初は未圧下状態となり、時間の経過とともに過圧下状態となる。
図13は、実施例1及び比較例1〜3により鋳造した鋳片の品質として、中心偏析度及び内部割れの有無を調査した結果を示す。鋼種は軸受鋼、鋳片は350×450mmのブルーム鋳片、軽圧下の目標量は1mm/1ロール×10段とした。
図13からわかるように、実施例1では、内部割れは発生せず中心偏析も改善された。これに対して、比較例1では、比較例2及び3に比べ中心偏析は改善されるものの内部割れが発生した。比較例2では、軽圧下を行わない比較例3に比べ中心偏析は改善されるものの内部割れが発生した。比較例3では、中心偏析が顕著に発生した。
以上のとおり、実施例1では、内部割れは発生せず中心偏析も改善されていることから、本発明の軽圧下方法により、高精度なロール間隔制御及び正確な圧下勾配が実現されていることがわかる。
1 溶鋼
2 鋳型
3 ロール
4 フレーム
5 ロールセグメント
6 軽圧下セグメント
7 シリンダ
8 下ロール
9 フレーム
10 鋳片
11 冷却水経路
11a,11b 温度センサ
12 インロッドセンサ
13 上ロール軸受箱
14 下ロール軸受箱
15 リニアセンサ

Claims (7)

  1. 連鋳鋳片の凝固末期に、フレームに支持された上下一対のロールをn個並列させたロール群を通過させて連鋳鋳片を軽圧下する連鋳鋳片の軽圧下方法において、
    予め、前記上下一対のロールが配置されたロール配置位置毎に設けた冷却水経路の冷却水入側温度と冷却水出側温度との温度差(冷却水入出温度差)と、前記フレームの上下方向熱膨張量及び連鋳鋳片の上下方向熱膨張量を合算した熱膨張量合算値との関係を求めておき、
    冷却水入出温度差をロール配置位置毎に計測し、
    前記ロール配置位置毎の冷却水入出温度差から、1番目のロール配置位置からn番目のロール配置位置に至るまでの範囲における冷却水入出温度差を表す回帰式を求め、
    前記回帰式により、各ロール配置位置での冷却水入出温度差を演算して補正冷却水入出温度差とし、
    前記各ロール配置位置での補正冷却水入出温度差と、前記予め求めておいた冷却水入出温度差と熱膨張量合算値との関係とから、各ロール配置位置での熱膨張量補正値を求め、
    前記各ロール配置位置での熱膨張量補正値に基づき、各ロールの圧下量を補正することを特徴とする連鋳鋳片の軽圧下方法。
  2. 連鋳鋳片の凝固末期に、フレームに支持された上下一対のロールをn個並列させたロール群を通過させて連鋳鋳片を軽圧下する連鋳鋳片の軽圧下方法において、
    前記n個の上下一対のロールをm個(1<m<n)のロールグループに分け、
    予め、前記ロールグループが配置されたロールグループ配置位置毎に設けた冷却水経路の冷却水入側温度と冷却水出側温度との温度差(冷却水入出温度差)と、前記フレームの上下方向熱膨張量及び連鋳鋳片の上下方向熱膨張量を合算した熱膨張量合算値との関係を求めておき、
    冷却水入出温度差をロールグループ配置位置毎に計測し、
    前記ロールグループ配置位置毎の冷却水入出温度差から、1番目のロール配置位置からn番目のロール配置位置に至るまでの範囲における冷却水入出温度差を表す回帰式を求め、
    前記回帰式により、各ロール配置位置での冷却水入出温度差を計算して補正冷却水入出温度差とし、
    前記各ロール配置位置での補正冷却水入出温度差と、前記予め求めておいた冷却水入出温度差と熱膨張量合算値との関係とから、各ロール配置位置での熱膨張量補正値を求め、
    前記各ロール配置位置での熱膨張量補正値に基づき、各ロールの圧下量を補正することを特徴とする連鋳鋳片の軽圧下方法。
  3. 連鋳鋳片の凝固末期に、フレームに支持された上下一対のロールをn個並列させたロール群を通過させて連鋳鋳片を軽圧下する連鋳鋳片の軽圧下方法において、
    前記n個の上下一対のロールをm個(1<m<n)のロールグループに分け、
    予め、前記ロールグループが配置されたロールグループ配置位置毎に設けた冷却水経路の冷却水入側温度と冷却水出側温度との温度差(冷却水入出温度差)と、前記フレームの上下方向熱膨張量及び連鋳鋳片の上下方向熱膨張量を合算した熱膨張量合算値との関係を求めておき、
    冷却水入出温度差をロールグループ配置位置毎に計測し、
    前記ロールグループ配置位置毎の冷却水入出温度差から、1番目のロールグループ配置位置からm番目のロールグループ配置位置に至るまでの範囲における冷却水入出温度差を表す回帰式を求め、
    前記回帰式により、各ロールグループ配置位置での冷却水入出温度差を計算して補正冷却水入出温度差とし、
    前記各ロールグループ配置位置での補正冷却水入出温度差と、前記予め求めておいた冷却水入出温度差と熱膨張量合算値との関係とから、各ロールグループ配置位置での熱膨張量補正値を求め、
    前記各ロールグループ配置位置での熱膨張量補正値に基づき、各ロールグループの圧下量を補正することを特徴とする連鋳鋳片の軽圧下方法。
  4. 連鋳鋳片の凝固末期に、フレームに支持された上下一対のロールをn個並列させたロール群を通過させて連鋳鋳片を軽圧下する連鋳鋳片の軽圧下方法において、
    前記n個の上下一対のロールをm個(1≦m<n)のロールグループにグループ化し、
    予め、前記ロールグループが配置されたロールグループ配置位置毎に設けた冷却水経路の冷却水入側温度と冷却水出側温度との温度差(冷却水入出温度差)と、前記フレームの上下方向熱膨張量及び連鋳鋳片の上下方向熱膨張量を合算した熱膨張量合算値との関係を求めておき、
    冷却水入出温度差をロールグループ配置位置毎に計測し、
    前記ロールグループ配置位置毎の冷却水入出温度差と、前記予め求めておいた冷却水入出温度差と熱膨張量合算値との関係とから、各ロールグループ配置位置での熱膨張量補正値を求め、
    各ロールグループ配置位置での熱膨張量補正値に基づき、各ロールグループの圧下量を補正することを特徴とする連鋳鋳片の軽圧下方法。
  5. 軽圧下時の圧下反力によるロール及びフレームの変形量を加味して各ロール又は各ロールグループの圧下量を補正するようにしており、この際、予め、ロール毎又はロールグループ毎に軽圧下する連鋳鋳片の軽圧下時の上限と下限からなる圧下反力適正範囲を求めておき、連鋳鋳片の軽圧下時の圧下反力が前記下限を下回った場合はロール又はロールグループの圧下量を増加させ、圧下反力が前記上限を上回った場合はロール又はロールグループの圧下量を減少させ、各々適正圧下力範囲になるようにロール又はロールグループの圧下量を制御する請求項1〜4のいずれかに記載の連鋳鋳片の軽圧下方法。
  6. 圧下反力を、軽圧下用のシリンダーに設けた圧力計により測定した圧力を基に演算することにより検出する請求項5に記載の連鋳鋳片の軽圧下方法。
  7. 圧下反力を、ロール若しくはロールグループの架台、又は軽圧下スタンドに設けたロードセルにより検出する請求項5に記載の連鋳鋳片の軽圧下方法。
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