JP2016214034A - 回転電機及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転電機の組み立て工程において、グロメット21がリアフレームエンド15に取り付けられているかの確認作業を容易に行うことができる回転電機及びその製造方法を提供する。
【解決手段】リアフレームエンド15には、フレーム貫通孔15eが形成されている。また、グロメット21は、本体部21a及びフランジ部21bを有している。グロメット21は、フレーム貫通孔15eに挿入され、リアフレームエンド15においてフレーム貫通孔15eによって形成された一対の開口のうちステータコア13に対向する開口とは反対側の開口の周縁部にフランジ部21bを当接させることにより、リアフレームエンド15に取り付けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転軸に取り付けられたロータと、前記ロータの外周側に設けられたステータコアと、前記ステータコアに巻回されたステータ巻線に電気的に接続された巻線延設部と、を備える回転電機、及びその製造方法に関する。
この種の回転電機としては、下記特許文献1に見られるように、筒状のモータケース、モータケースに収容されたステータコア、第1板部、及び第2板部を備えるモータが知られている。詳しくは、第1板部は、モータケースの一端を塞ぐとともに、回転軸の一端側を回転可能に支持する部材である。第2板部は、自身に形成された貫通孔に巻線延設部を挿通させた状態で、モータケースの他端を塞ぐ部材である。ここで、第2板部に形成された貫通孔を介してステータ側へと異物が侵入するおそれがある。
異物の侵入を防止すべく、下記特許文献1に記載された回転電機は、第2板部に形成された貫通孔に挿入されることにより、第2板部に取り付けられるグロメットを備えている。グロメットは、その内部に巻線延設部を挿通させる挿通孔が形成され、端部にフランジ部を有している。ここで、モータの組み立て工程のうち、グロメットを取り付ける工程について説明すると、まず、第1板部で一端が塞がれたモータケースにステータコアが収容された状態において、グロメットのフランジ部をステータコア側に向けてグロメットの挿通孔に巻線延設部を差し込む。その後、第2板部をモータケースの他端に取り付ける。これにより、グロメットがステータ巻線と第2板部とに挟み込まれ、フランジ部が第2板部のステータコア側に当接した状態でグロメットが第2板部に取り付けられる。
特開2014−93880号公報
ここで、第2板部をモータケースの他端に取り付けると、第2板部及びモータケースによってグロメットが囲われることとなる。このため、モータの組み立て工程において、グロメットが第2板部に取り付けられているかの確認作業をしづらくなる。
本発明は、回転電機の組み立て工程において、グロメットが取り付けられているかの確認作業を容易に行うことができる回転電機及びその製造方法を提供することを主たる目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
本発明は、回転軸(11)に取り付けられたロータ(12)と、前記回転軸の一端側を回転可能に支持する第1フレームエンド(14)と、前記回転軸の他端側を回転可能に支持する第2フレームエンド(15)と、前記第1フレームエンドと前記第2フレームエンドとに挟まれた状態で前記ロータの外周側に設けられたステータコア(13)と、前記第2フレームエンドに形成され前記回転軸の中心軸線方向に延びるフレーム貫通孔(15e)に挿通され、前記ステータコアに巻回されたステータ巻線(13a)から延設された巻線延設部(13b)と、前記巻線延設部が挿通される挿通孔(22)が形成された本体部(21a)、及び前記本体部の外側に設けられたフランジ部(21b)を有し、前記フレーム貫通孔に挿入され、前記第2フレームエンドにおいて前記フレーム貫通孔によって形成された一対の開口のうち前記ステータコアに対向する第1開口とは反対側の第2開口の周縁部に前記フランジ部を当接させることにより、前記第2フレームエンドに取り付けられたグロメット(21)と、を備えることを特徴とする。
上記発明では、回転軸の一端側が回転可能に第1フレームエンドによって支持され、回転軸の他端側が回転可能に第2フレームエンドによって支持されている。そして、回転軸に取り付けられたロータの外周側に、第1フレームエンドと第2フレームエンドとに挟まれた状態でステータコアが設けられている。そして、第2フレームエンドには、回転軸の中心軸線方向に貫通するフレーム貫通孔が形成されている。フレーム貫通孔には、ステータコアに巻回されたステータ巻線から延設された巻線延設部が挿通されている。
ここで、第2フレームエンドに形成されたフレーム貫通孔を介して、例えばステータコア側へと異物が侵入する懸念がある。そこで上記発明では、フレーム貫通孔に巻線延設部を挿通させた状態で、異物の侵入を防止するためのグロメットが第2フレームエンドに取り付けられている。詳しくは、グロメットは、巻線延設部が挿通される挿通孔が形成された本体部、及び本体部の外側に設けられたフランジ部を有している。グロメットは、フレーム貫通孔に挿入され、第2フレームエンドにおいてステータコア側とは反対側に形成された上記第2開口の周縁部にフランジ部を当接させることにより、第2フレームエンドに取り付けられている。
これにより、第1フレームエンドと第2フレームエンドとにステータコアが挟まれた状態で第1,第2フレームエンド及びステータコアが組み立てられる場合であっても、グロメットが第2フレームエンドに取り付けられているかの確認作業を容易に行うことができる。
モータの断面図。 リアフレームエンドに係止されていない状態のグロメットの断面図。 モータの組み立て工程の一部を示す図。 リアフレームエンドをフロント側から見た図。 その他の実施形態にかかるモータの組み立て工程の一部を示す図。
以下、本発明にかかる回転電機を具体化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。回転電機としてのモータは、例えば車載電動パワーステアリング用のモータとして用いられる。モータは、例えば車両の車室内に配置される。
図1に示すように、モータ10は、回転軸11、ロータ12、ステータコア13、フロントフレームエンド14(「第1フレームエンド」に相当)、及びリアフレームエンド15(「第2フレームエンド」に相当)を備えている。ロータ12は、回転軸11に固定されており、回転軸11と一体となって回転する。本実施形態において、ロータ12は、永久磁石を有している。
ステータコア13は、円環状をなしている。ステータコア13の内周側には、ロータ12が配置されている。本実施形態において、ステータコア13は、複数の金属板が積層されることにより構成されている。ステータコア13には、ステータ巻線13aが巻回されている。
フロントフレームエンド14は、導電性材料にて形成され、略円板状のフロント本体部14aを有している。また、フロントフレームエンド14は、フロント本体部14aの外縁部からフロント本体部14aと交差する方向に延び、先端部がステータコア13の外縁部に当接する略円環状のフロント周壁部14bを有している。フロント本体部14aは、その中心貫通孔に固定されたフロント軸受16を介して、回転軸11のフロント側を回転可能に支持している。
リアフレームエンド15は、導電性材料にて形成され、回転軸11の中心軸線X方向において、ロータ12に対してフロントフレームエンド14とは反対側に配置されている。リアフレームエンド15は、リア本体部15aを有している。リア本体部15aは、円板状をなし、その中心貫通孔に固定されたリア軸受17を介して、回転軸11のリア側を回転可能に支持している。
また、リアフレームエンド15は、中心軸線X方向にステータコア13側に延び、先端部がステータコア13の外縁部に当接する円環状のリア周壁部15bを有している。リア周壁部15bの内周面とステータ巻線13aとは、電気的絶縁性を確保するために離されている。リア周壁部15bの外径は、ステータコア13の外径よりも大きくされ、リア周壁部15bの内径は、ステータコア13の外径よりも小さくされている。リア周壁部15bにより、ステータコア13とリアフレームエンド15との間に空間が形成されている。
リアフレームエンド15は、さらに、リア周壁部15bよりも回転軸11側において、リア本体部15aのステータコア13とは反対側から中心軸線X方向にステータコア13とは反対側に向かって延びるヒートシンク部15cを有している。これにより、リアフレームエンド15のステータコア13とは反対側には、中心軸線Xに沿って延びる立ち上がり部が形成されている。ヒートシンク部15cには、ステータ巻線13aへの通電制御を行う制御基板18が、その板面をヒートシンク部15cの基板載置部に当接させた状態で設けられている。制御基板18は、中心軸線Xと直交する方向において、ヒートシンク部15cよりも外側にはみ出して配置されている。
なお本実施形態では、金属材料の鋳造等により、リア本体部15a、リア周壁部15b、及びヒートシンク部15cが継ぎ目なく一体形成されている。
フロントフレームエンド14とリアフレームエンド15とによってステータコア13を挟んだ状態において、フロントフレームエンド14とリアフレームエンド15とに形成されたボルト孔にスルーボルト等の図示しない締結具が挿通され、フロントフレームエンド14とリアフレームエンド15とが締結具によって固定される。これにより、ステータコア13、フロントフレームエンド14及びリアフレームエンド15が一体化されている。なお、リアフレームエンド15をフロント側から見た図を図4に示し、図4にリアフレームエンド15に形成されたボルト孔15dを示す。
制御基板18は、電気的絶縁性を有する材料によって構成されている。本実施形態において、制御基板18には、モータ10を交流モータとして駆動させるべく、ステータ巻線13aの通電制御用のインバータ等が設けられている。詳しくは、制御基板18の一対の板面のうちリアフレームエンド15側の板面には、ステータ巻線13aに通電するための半導体素子等の電子部品19が実装されている。電子部品には、通電によって発電するパワー素子(例えばMOSFET)等の発熱部品が含まれる。
ヒートシンク部15cを備えることにより、リアフレームエンド15は、制御基板18に実装された発熱部品の熱を外部に放出したり、発熱部品の熱を一時的に蓄積したりするヒートシンクの役割も果たしている。
リア本体部15aの外周面の一部には、制御基板18を囲う有底筒状のカバー20が取り付けられている。本実施形態では、ステータコア13の外周面がカバー20に囲われず外部に露出している。このため、フロントフレームエンド14、リアフレームエンド15、及びカバー20が、モータ10内への水等の侵入を防止するモータケースの役割を果たしている。
制御基板18とステータ巻線13aとは、リアフレームエンド15のフレーム貫通孔15eに挿通された巻線延設部13bによって電気的に接続されている。巻線延設部13bは、ステータ巻線13aから中心軸線X方向に沿って延びるように形成されている。巻線延設部13bは、モータ10の相数に対応した数だけ設けられている。本実施形態では、モータ10として3相のものを2系統用いており、巻線延設部13bの数が6つとされている。
フレーム貫通孔15eは、リア本体部15aのステータコア13に対向する部分に形成された貫通孔である。また、フレーム貫通孔15eは、リア周壁部15bよりも回転軸11側に形成されている。本実施形態では、リア周壁部15bの内周面にフレーム貫通孔15eが連続するようにしてフレーム貫通孔15eが形成されている。ここで、カバー20及びリアフレームエンド15によって囲われた第1の空間から、フレーム貫通孔15eを介して、ステータコア13及びリアフレームエンド15によって囲われた第2の空間へと異物が侵入するおそれがある。また、第2の空間からフレーム貫通孔15eを介して第1の空間へと異物が侵入するおそれもある。このため、フレーム貫通孔15eにグロメット21を挿入することにより、グロメット21をリアフレームエンド15に取り付けている。
グロメット21は、電気的絶縁性を有する材料にて形成され、本実施形態では、樹脂(例えば合成樹脂)やゴムにて継ぎ目なく一体形成されている。なお本実施形態では、巻線延設部13bが6つあるにもかかわらず、図4に示すように、フレーム貫通孔15eが2つしかリアフレームエンド15に形成されていない。これは、図中破線にて示す3つの巻線延設部13bに対応するグロメット21が一体成型されているためである。
グロメット21は、本体部21a及びフランジ部21bを有している。本体部21aには、巻線延設部13bを挿通するための挿通孔22が形成されている。フランジ部21bは、本体部21aの外側に設けられた鍔状の部分である。本実施形態では、フランジ部21bが、挿通孔22の延びる方向において本体部21aの中間に設けられている。また本実施形態では、フランジ部21bが、本体部21aの全周に渡って設けられている。
挿通孔22が延びる方向において、フランジ部21bに対して本体部21aの一方の側には、環状の突出部21cが複数(2つ)設けられている。また、挿通孔22の延びる方向において、フランジ部21bに対して本体部21aの他方の側は、延出部21dとされている。
グロメット21は、突出部21cが圧縮された状態でフレーム貫通孔15eに挿入され、リアフレームエンド15においてフレーム貫通孔15eによって形成された一対の開口のうち、ステータ巻線13aに対向する第1開口とは反対側の第2開口の周縁部にフランジ部21bを当接させることにより、リアフレームエンド15に取り付けられている。すなわち、フランジ部21bは、リアフレームエンド15の制御基板18側の端面における第2開口の周縁部に当接されている。
本体部21aは、フレーム貫通孔15eの第1開口側に突出している。これにより、グロメット21は、第1開口から第2開口まで連続してリアフレームエンド15と巻線延設部13bとの間に介在している。本体部21aの第1開口側の突出部分には、第1開口の周縁部に引っ掛かる引っ掛かり部21eが設けられている。引っ掛かり部21eは、フランジ部21bが第2開口の周縁部に当接した状態において、ステータ巻線13aに当接しないように設けられている。
ここで本実施形態では、モータ10の温度変化や振動等により、引っ掛かり部21eが第1開口の周縁部から抜け、グロメット21が巻線延設部13bに沿って制御基板18側にずれた場合であっても、グロメット21がフレーム貫通孔15eから抜けないような構成を採用している。具体的には、中心軸線X方向において、フランジ部21bがリア本体部15aに当接する部分から、フランジ部21bから最も離れた突出部21cまでの距離を第1距離L1とする。また、中心軸線X方向において、延出部21dの先端から、制御基板18のリアフレームエンド15側の板面までの距離を第2距離L2とする。この場合において、「L2<L1」の関係を満たすように、中心軸線X方向において、フランジ部21bがリア本体部15aに当接する部分から、延出部21dの先端までの距離が設定されている。
続いて図2を用いて、グロメット21に形成された挿通孔22について説明する。ここで図2は、グロメット21がリアフレームエンド15に取り付けられておらず、また、巻線延設部13bが挿通されていない状態におけるグロメット21の断面図である。なお図2には、巻線延設部13bを破線にて示した。
延出部21dの先端部における挿通孔22は、その断面積が巻線延設部13bの断面積よりも小さい縮径部22aとされている。縮径部22aは、巻線延設部13bを保持しつつ、巻線延設部13bとグロメット21との隙間を無くす又は隙間を小さくするためのものである。また、挿通孔22のうち縮径部22aよりも引っ掛かり部21e側は、縮径部22aから引っ掛かり部21e側に向かうに連れて、中心軸線Xを中心に拡径する拡径部22bとされている。拡径部22bは、グロメット21の引っ掛かり部21e側から挿入された巻線延設部13bを縮径部22aまで案内するためのものである。
続いて図3を用いて、本実施形態にかかるモータ10の組み立て工程の一部について説明する。
まず、図3(a)に示すように、回転軸11、ロータ12、ステータコア13及びフロントフレームエンド14の組立品を、フロント側を鉛直下向きにした状態とする。そして、この組立品の上方から組立品に向かってリアフレームエンド15を移動させることにより、フレーム貫通孔15eに巻線延設部13bを挿通させる。
続いて、図3(b)に示すように、フレーム貫通孔15eに巻線延設部13bが挿通された状態で、グロメット21の挿通孔22に巻線延設部13bを挿通させながらグロメット21をリアフレームエンド15の第2開口側からフレーム貫通孔15eに挿入する。これにより、グロメット21をリアフレームエンド15に取り付ける。
続いて、図3(c)に示すように、制御基板18を巻線延設部13bに電気的に接続する。本実施形態では、制御基板18を巻線延設部13bにはんだ付けによって電気的に接続する。続いて、図3(d)に示すように、リア本体部15aの外周面の一部にカバー20を取り付ける。
以上詳述した本実施形態の効果について説明する。
リアフレームエンド15をステータコア13に組み付けた後、グロメット21をリアフレームエンド15の第2開口側からフレーム貫通孔15eに挿入することにより、グロメット21をリアフレームエンド15に取り付けた。このため、モータ10の組み立て工程において、グロメット21がリアフレームエンド15に取り付けられているかの確認作業を容易に行うことができる。
フレーム貫通孔15eと対向する位置に制御基板18を配置するとともに、中心軸線X方向に沿ってステータ巻線13aから延びる巻線延設部13bを制御基板18に電気的に接続した。この構成では、グロメット21が巻線延設部13bに沿って制御基板18側にずれ得る。特に本実施形態では、リアフレームエンド15をヒートシンクとして機能させるべくリアフレームエンド15にヒートシンク部15cを備え、ヒートシンク部15cに制御基板18を設けた。このため、リアフレームエンド15の中心軸線X方向の寸法が大きくなり、フレーム貫通孔15eの第2開口と制御基板18との離間距離が長くなる。したがって、グロメット21が制御基板18側にずれることにより、グロメット21がフレーム貫通孔15eから抜けるおそれが大きい。そこで本実施形態では、グロメット21に延出部21dを設けた。そして上記第2距離L2が上記第1距離L1よりも短くなるように、中心軸線X方向において、フランジ部21bがリア本体部15aに当接する部分から、延出部21dの先端までの距離を設定した。これにより、グロメット21が巻線延設部13bに沿って制御基板18側にずれた場合であっても、グロメット21がフレーム貫通孔15eから抜けることを回避でき、異物の侵入を防止できる。
フランジ部21bがリアフレームエンド15の第2開口の周縁部に当接した状態において、延出部21dの先端部が制御基板18の板面から離れるようにした。これにより、縮径部22aの機能が損なわれることを回避できる。つまり、巻線延設部13bとグロメット21との隙間を無くすためにグロメット21に縮径部22aが形成されている。縮径部22aを延出部21dの先端部側のみに形成したのは、挿通孔22に巻線延設部13bを挿通させる場合の荷重を減らすためである。
ここで、本実施形態とは異なり、温度変化や振動等によってグロメット21が制御基板18側にずれることを回避すべく、フランジ部21bがリアフレームエンド15の第2開口の周縁部に当接した状態において、延出部21dの先端部を制御基板18の板面に当接させる構成を採用することも考えられる。ただし、この場合、延出部21dの先端部は、制御基板18から熱負荷を受けやすくなる。熱負荷としては、例えば、組み立て工程において、巻線延設部13bに制御基板18をはんだ付けする場合の熱負荷が考えられる。延出部21dの先端部に熱負荷が作用すると、縮径部22aの形状が変化し得る。この場合、巻線延設部13bとグロメット21との隙間が大きくなり、縮径部22aが果たすべき機能が損なわれるおそれがある。そこで、フランジ部21bがリアフレームエンド15の第2開口の周縁部に当接した状態において、延出部21dの先端部が制御基板18の板面に当接しないようにした。これにより、縮径部22aの機能が損なわれることを回避できる。
本体部21aをフレーム貫通孔15eの第1開口側に突出させた。これにより、リアフレームエンド15と巻線延設部13bとを的確に絶縁することができる。
リアフレームエンド15のリア周壁部15bにより、ステータコア13とリアフレームエンド15とによって囲われる第2の空間を形成した。この構成では、モータ10の小型化を図る観点から、リア周壁部15bに極力近づけた位置にフレーム貫通孔15eを形成することが望ましい。しかしながら、この場合、リアフレームエンド15の第1開口の周縁部においてフランジ部21bが当接する座面を確保できなくなる。これに対し、リア本体部15aの制御基板18側には、フランジ部21bの座面が確保されている。このため、リア周壁部15bによりステータコア13とリアフレームエンド15とによって囲われる第2の空間が形成される構成では、フレーム貫通孔15eの第2開口側からグロメット21を挿入できるメリットが大きい。
フランジ部21bがリアフレームエンド15の第2開口の周縁部に当接した状態において、引っ掛かり部21eがステータ巻線13aに当接しないようにした。ステータ巻線13aは通電されることにより発熱する。このため、引っ掛かり部21eがステータ巻線13aに当接されていると、引っ掛かり部21eの形状が変化したり、引っ掛かり部21eが劣化したりすることにより、引っ掛かり部21eをリア本体部15aに引っ掛ける力が低下する懸念がある。そこで、引っ掛かり部21eがステータ巻線13aに当接しないようにすることにより、引っ掛かり部21eの形状が変化すること等を回避できる。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・先の図3で説明した工程に代えて、図5に示す工程を採用することもできる。詳しくは、図5(a)に示すように、グロメット21をフレーム貫通孔15eの第2開口側から挿入することにより、グロメット21をリアフレームエンド15に取り付ける。続いて、図5(b)に示すように、リアフレームエンド15に取り付けられたグロメット21の挿通孔22に巻線延設部13bを挿通させる。その後、先の図3(c),(d)に示した工程を行う。
・上記実施形態において、延出部21dや引っ掛かり部21eは、グロメット21に必須ではない。
・上記発熱部品は、制御基板18に限らず、ヒートシンク部15cに設けられていてもよい。
・上記実施形態において、グロメットが巻線延設部13bの1つずつに対して設けられていてもよい。
・上記実施形態において、グロメットのうちフレーム貫通孔15eに挿入される被挿入部全体が圧縮された状態で、グロメットがフレーム貫通孔15eに挿入されていてもよい。
・ステータコア13、フロントフレームエンド14及びリアフレームエンド15を一体化する手法としては、スルーボルト等の締結具によって固定する手法に限らない。
・モータとしては、電動パワーステアリング用のモータに限らず、パワーウィンドウやワイパー用のモータ等、他の用途のモータであってもよい。
10…モータ、11…回転軸、12…ロータ、13…ステータコア、13a…ステータ巻線、13b…巻線延設部、14…フロントフレームエンド、15…リアフレームエンド、21…グロメット。

Claims (9)

  1. 回転軸(11)に取り付けられたロータ(12)と、
    前記回転軸の一端側を回転可能に支持する第1フレームエンド(14)と、
    前記回転軸の他端側を回転可能に支持する第2フレームエンド(15)と、
    前記第1フレームエンドと前記第2フレームエンドとに挟まれた状態で前記ロータの外周側に設けられたステータコア(13)と、
    前記第2フレームエンドに形成され前記回転軸の中心軸線方向に延びるフレーム貫通孔(15e)に挿通され、前記ステータコアに巻回されたステータ巻線(13a)から延設された巻線延設部(13b)と、
    前記巻線延設部が挿通される挿通孔(22)が形成された本体部(21a)、及び前記本体部の外側に設けられたフランジ部(21b)を有し、前記フレーム貫通孔に挿入され、前記第2フレームエンドにおいて前記フレーム貫通孔によって形成された一対の開口のうち前記ステータコアに対向する第1開口とは反対側の第2開口の周縁部に前記フランジ部を当接させることにより、前記第2フレームエンドに取り付けられたグロメット(21)と、を備えることを特徴とする回転電機。
  2. 前記第2フレームエンドの前記ステータコア側とは反対側に設けられ、前記ステータ巻線の通電制御を行う制御基板(18)を備え、
    前記制御基板は、前記フレーム貫通孔に対向する位置に配置され、
    前記巻線延設部は、前記制御基板と前記ステータ巻線とを電気的に接続し、
    前記フランジ部は、前記挿通孔の延びる方向において前記本体部の中間に設けられ、
    前記本体部のうち、前記挿通孔の延びる方向において前記フランジ部に対して一方の側は、前記フレーム貫通孔に挿入される被挿入部とされ、他方の側は、前記フレーム貫通孔に挿入されない延出部(21d)とされ、
    前記被挿入部において前記フレーム貫通孔の内周面と当接する部分のうち前記フランジ部から最も離れた部分から、前記フランジ部が前記第2開口の周縁部に当接する部分までの距離が、前記制御基板の前記第2フレームエンド側の板面から前記延出部の先端までの距離よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 通電によって発熱する発熱部品を備え、
    前記第2フレームエンドは、前記中心軸線方向において前記フランジ部との当接部から前記制御基板までの間に、前記発熱部品が発生する熱を逃がすヒートシンク部(15c)を有していることを特徴とする請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記グロメットが前記第2フレームエンドに取り付けられていない状態において、前記挿通孔は、前記延出部の先端部の前記挿通孔が、その断面積が前記巻線延設部の断面積よりも小さい縮径部(22a)とされ、前記縮径部よりも前記第1開口側となる部分が、前記縮径部の断面積よりも大きい拡径部(22b)とされ、
    前記延出部は、前記フランジ部が前記第2開口の周縁部に当接した状態において、前記延出部の先端部が前記制御基板の板面から離れていることを特徴とする請求項2又は3に記載の回転電機。
  5. 前記本体部は、前記フレーム貫通孔の前記第1開口側に突出し、その突出部分に前記第1開口の周縁部に引っ掛かる引っ掛かり部(21e)をさらに有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 前記第2フレームエンドの前記ステータコア側とは反対側に設けられ、前記ステータ巻線の通電制御を行う制御基板(18)と、
    前記第2フレームエンドの外周面の一部に取り付けられ、前記制御基板を囲うカバー(20)と、を備え、
    前記巻線延設部は、前記制御基板と前記ステータ巻線とを電気的に接続し、
    前記ステータコアは、その外周面が前記カバーに囲われず外部に露出するように設けられ、
    前記第2フレームエンドは、前記ステータコア側に延び、先端部が前記ステータコアの外縁部に当接する周壁部(15b)を有し、
    前記周壁部により、前記ステータコアと前記第2フレームエンドとによって囲われるような空間が形成され、
    前記フレーム貫通孔は、前記周壁部よりも前記回転軸側に形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転電機。
  7. 前記グロメットは、前記フランジ部が前記第2開口の周縁部に当接した状態において、前記本体部の前記ステータコア側の先端部が前記ステータ巻線に当接しないように設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転電機。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転電機の製造方法であって、
    前記フレーム貫通孔に前記巻線延設部を挿通させる工程と、
    前記フレーム貫通孔に前記巻線延設部が挿通された状態で、前記グロメットの前記挿通孔に前記巻線延設部を挿通させながら前記グロメットを前記第2開口側から前記フレーム貫通孔に挿入することにより、前記グロメットを前記第2フレームエンドに取り付ける工程と、を備えていることを特徴とする回転電機の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転電機の製造方法であって、
    前記第2フレームエンドにおいて前記第2開口側から前記グロメットを前記フレーム貫通孔に挿入することにより、前記グロメットを前記第2フレームエンドに取り付ける工程と、
    前記第2フレームエンドに取り付けられた前記グロメットの前記挿通孔に前記巻線延設部を挿通させる工程と、を備えていることを特徴とする回転電機の製造方法。
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