JP2016212143A - 画像形成体及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
透明基材の表裏に形成された画像が、表裏それぞれの方向から正しく見える画像形成体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
透明基材1の一方の面に、第1の染料染着層2と、白色隠蔽層4と、第2の染料染着層5と、保護層7とを順次積層してなる画像形成体であって、
前記第1の染料染着層2に第1の画像3、第2の染料染着層5に第2の画像6がそれぞれ昇華性染料から形成され、透明基材1の一方の面から第2の画像5、他方の面から第1の画像3が観察できることを特徴とする画像形成体である。
【選択図】 図1

Description

本発明は透明基材の一方の面に二つの異なる画像が形成された画像形成体及びその製造方法に関し、特に透明基材の表裏で異なる画像が観察できる画像形成体に関する。
紙やプラスチックフィルムあるいはCD−ROMなどのディスク、ガラスプレートなど様々なものが、文字を含む画像を記録し、表示するメディアとして利用されるようになった。これらのメディアでカラー画像を形成する場合、紙であれば紙白を用いて画像の色再現を行っている。一方で、プラスチックフィルムやCD−ROMなど下地が白色でないものは、画像が下地の影響を受けないよう隠蔽層および白色層を設け、その上に画像が形成される。
このように透明フィルムの一面に画像形成を行うと、裏面からはその画像を正しく見ることはできない問題がある。例えば、電車やバスなどの車窓に添付される広告や、透明プラスチックボトルに付せられた商品ラベルなどが挙げられる。
こうした問題を解決するため、表裏に異なる印刷を施すことが考えられてきた。一つはメディアの表裏の各面から印刷する方法がある。しかし、この両面を印刷する方法は、印刷時に表裏を反転させる、もしくは印刷機構を表裏それぞれに対応して持つ印刷機を用いる必要性が生じコスト高となる欠点を有す。加えて、メディア両面に印刷されているために摩擦耐性が悪く、車窓の広告などへの適性が低い問題が挙げられる。
そこで、メディアの片面から表裏異なる画像を形成する手法が提案されている(特許文献1)。この手法は、透明な支持体上に第一の画像を形成する熱転写インク層を設け、その上に隠蔽層として金属蒸着膜を設け、その上に第二の画像を形成する熱転写インク層を設けるものである。この方法で作成した画像は、印刷面を支持体が保護するように配置することが可能となり、前記の問題を解消することができる。しかし、この手法では熱転写方式であるため、色の階調表現に乏しく、なめらかで豊かな色再現ができない欠点を有していた。
特開平10−181230号公報
本発明は、このような事情を考慮されてなされたもので、透明基材の表裏に形成された画像が、表裏それぞれの方向から正しく見える画像形成体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る発明は、透明基材の一方の面に、第1の染料染着層と、白色隠蔽層と、第2の染料染着層と、保護層とを順次積層してなる画像形成体であって、
前記第1の染料染着層に第1の画像、第2の染料染着層に第2の画像がそれぞれ昇華性染料から形成され、透明基材の一方の面から第2の画像、他方の面から第1の画像が観察できることを特徴とする画像形成体である。
また、請求項2に係る発明は、前記保護層の上に接着層を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成体である。
また、請求項3に係る発明は、前記第1の染料染着層および白色隠蔽層を構成するバインダ樹脂が同種の熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成体である。
また、請求項4に係る発明は、透明基材の一方の面に第1の染料染着層が形成された昇華性染料受容体と、支持体の一方の面に、第1の画像形成用染料層、第2の染料染着層と白色隠蔽層との積層体、第2の画像形成用染料層、保護層が面順次で形成された画像形成用媒体とを用いてサーマルヘッドにて加熱して画像を形成する画像形成方法であって、
前記昇華性染料受容体の第1の染料染着層の上面と、前記画像形成用媒体の第1の画像形成用染料層の上面とを対向させて重ね、その上からサーマルヘッドにて加熱して昇華性染料を第1の染料染着層に移行させて第1の画像を形成し、
その上に第2の染料染着層と白色隠蔽層との積層体をサーマルヘッドにて加熱して転写し、
その後、前記第2の染料染着層の上面と、前記画像形成用媒体の第2の画像形成用染料層の上面とを対向させて重ね、その上からサーマルヘッドにて加熱して昇華性染料を第2の染料染着層に移行させて第2の画像を形成し、
さらに、第2の画像を形成した第2の染料染着層の全面に前記画像形成用媒体の保護層を重ね合わせて、サーマルヘットにて加熱して保護層を積層させることを特徴とする画像形成方法である。
本発明の請求項1によれば、透明基材の一方の面に白色隠蔽層を介して、その上下にそれぞれ個別の第1の画像と第2の画像を有することから、透明基材の他方の面側からは第1の画像、一方の面側から第2の画像とを観察することができる。また、第1と第2の画像を異なるように形成することで、透明基材の表裏で異なる画像が観察でき、新しい意匠性を有する画像形成体を提供することができる。さらには、画像形成に昇華性染料を用いることで画像に諧調表現を付与することができ、より表現力に幅のある優れた意匠性を有する画像形成体を提供することができる。
また、請求項2によれば、前記保護層の上に接着層を設けることにより、透明な被転写体に容易に貼り合わせることができ、例えば透明な被転写体が曲面を有する構造体に対しても表裏で異なる画像を表示することができる。
また、請求項3によれば、前記第1の染料染着層および白色隠蔽層を構成するバインダ樹脂が同種の熱可塑性樹脂を含むことにより、サーマルヘッドによる加熱転写で前記第1の染料染着層と白色隠蔽層との相溶性が増し、2層間の密着性が向上する。これにより高い信頼性を有する画像形成体を提供することができる。
また、請求項4によれば、透明基材の一方の面に第1の染料染着層が形成された昇華性染料受容体と、支持体の一方の面に、第1の画像形成用染料層、第2の染料染着層と白色隠蔽層との積層体、第2の画像形成用染料層、保護層が面順次で形成された画像形成用媒体とを用いることで、第1の染料染着層への画像形成、白色隠蔽層の形成、第2の染料染着層への画像形成、更には保護層の形成まで、サーマルヘッドによりこれらの全ての工程を容易に行うことが出来る。
上記で説明したように本発明によれば、透明基材の表裏に形成された画像が、表裏それぞれの方向から正しく見える画像形成体及びその製造方法を提供することができる。
本発明の画像形成体の一実施形態を示す断面概略図である。 本発明の画像形成体の一実施形態を示す断面概略図である。 (a)本発明に係る昇華性染料受容体の一実施形態を示す断面概略図である。(b)本発明に係る画像形成用媒体の一実施形態を示す断面概略図である。 本発明の画像形成体の製造工程の一実施形態を示す断面概略図である。
以下、図に基づき本発明を具体的に説明する。
本発明に係る画像形成体は図1に示すように、透明基材1の一方の面に第1の染料染着層2と、白色隠蔽層4と、第2の染料染着層5と、保護層7とを順次積層してなる画像形成体であって、前記第1の染料染着層2に第1の画像3、前記第2の染料染着層5に第2の画像6がそれぞれ昇華性染料から形成され、透明基材1の一方の面側から第2の画像6、他方の面側から第1の画像3が観察されることを特徴としている。
また、本発明の画像形成体は図2に示すように、前記保護層7の上に接着層8を設けることで透明な被転写体に容易に貼り合わせることができ、例えば、透明な被転写体が曲面を有する構造体に対しても表裏で異なる画像を表示することができる。
本発明に係る画像形成体は、図3に示す昇華性染料受容体10と画像形成用媒体20とから形成される。その製造方法については図4に基づき後述する。
(昇華性染料受容体)
本発明に係る昇華性染料受容体10は図3(a)に示すように、透明基材1の上に第1の染料染着層2が形成されてなるものである。
本発明に用いられる透明基材1としては、光透過性に加えて、サーマルヘッドによる加熱加工に耐える耐熱性や機械的強度を有するものであれば特に限定するものではない。例えば、ガラス、ポリエステル、ポリアリレート、ポリウレタン、ポリイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、アクリル等の合成樹脂が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム)が好ましい。
また、第1の染料染着層2としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルエステル等のビニルポリマー、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等からなる層が挙げられる。特に、好ましいものは、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体の層である。
(画像形成用媒体)
本発明に係る画像形成用媒体20は図3(b)に示すように、基材11の一方の面に、第1の画像形成用染料層、第2の染料染着層と白色隠蔽層との積層体、第2の画像形成用染料層、保護層が面順次で形成されてなるものである。この他に、画像形成位置を決めるための各層に関するセンサーマーク(図示していない。)が形成されている。
基材11は、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求されるので、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアル
コール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、およびコンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類等を単独で又は組み合わされた複合体として使用可能である。中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮するとポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、その厚さは、操作性、加工性を考慮し、2〜50μmの範囲のものが使用可能であるが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2〜12μm程度のものが好ましい。
また図3には示していないが、基材11の他方の面(第2の染料染着層5等が形成される面の反対側)には耐熱層を設けることが好ましい。耐熱層は、例えば、離型性や滑り性を付与する機能性添加剤、バインダによって構成され、必要に応じて硬化剤で硬化させることもできる。この耐熱層の厚みは用いる材料構成にもよるが、0.1〜2μm程度が好ましい。耐熱層の一例を挙げると、アクリルオリゴマーの紫外線硬化物、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド等の合成樹脂に、シリコーンオイルなどの離型剤を添加したもの、シリコーンを共重合したものを挙げることができる。また、必要に応じてフィラーを添加しても問題なく、添加するフィラーの一例としては、シリコーンパウダー、シリカ及び各種レジンパウダーを挙げることができる。
第1の画像形成用染料層及び第2の画像形成用染料層は、通常、フルカラーの階調表現をするために、昇華性染料を含むインクを用いて、印刷法によりイエロー、マゼンタ、シアンの3色の領域に区分されて面順次に形成される。この第1及び第2の染料染着層は、少なくとも昇華性染料とバインダによって構成され、厚みは1μm程度(乾燥厚)が適当である。なお、黒色はこの3色をそれぞれ重なるように転写することで表すことができる。
本発明に用いられる前記昇華性染料は、例えばイエロー(Y)成分としては、ソルベントイエロー56、16、30、93、33、ディスパースイエロー201、231、33等が挙げられる。また、マゼンタ(M)成分としては、C。I。ディスパースレッド60、C.I.ディスパースバイオレット26、C.I.ソルベントレッド27、あるいはC.I.ソルベントレッド19等が挙げられる。また、シアン(C)成分としては、C.I.ディスパースブルー354、C.I.ソルベントブルー63、C.I.ソルベントブルー36、あるいはC.I.ディスパースブルー24等が挙げられる。
また、前記バインダとしては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等が使用できる。さらに、硬化性樹脂としてはフェノール、メラミン、エポキシ、イソシアネート、グリオキザール樹脂等の反応性樹脂が使用できる。
次に、白色隠蔽層4について説明する。白色隠蔽層4は図3には記載してないが、画像の下地となる白色層と、2つの重なり合う画像(図1に示す第1の画像3と第2の画像6)の干渉を防ぐ隠蔽層とで構成される。
前記白色層は、主に白色顔料とバインダ樹脂から構成されている。白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。尚、酸化チタンは、ルチル型酸化チタンとアナターゼ型酸化チタンがあるが、いずれのものでもよい。また、白色層には添加剤として充填剤を用いることができ、例えば、シリカ、アルミナ、クレイ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機充填剤、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子(プラスチックピグメント)があげられる。
バインダ樹脂としては、いずれの樹脂を用いてもよく、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂又はこれらの一部架橋樹脂が挙げられる。中でも、第1の染料染着層2および第2の染料染着層5との密着性を向上させることを目的に、染料染着層に用いた樹脂と同様の塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体が好ましい。
また、白色層には上記のバインダ樹脂と白色顔料の他に、蛍光増白剤を添加することができる。蛍光増白剤は、スチルベンゼン系、ピラゾリン系等蛍光増白効果のある従来公知の化合物が使用できる。白色層は、白色顔料(必要に応じて加えた充填剤も合計分)とバインダ樹脂との固形分比、すなわち、P/V(Pigment/Vehicle)比と、白色層6の厚さを調整することにより、適度の白色度と隠蔽性をもたせることができる。上記の白色顔料とバインダ樹脂とのP/V比を、0.5〜2.0程度とし、白色層の厚さを乾燥状態で0.5〜2.0μm程度とすることが好ましい。
前記隠蔽層は、カーボンブラックやAl顔料等の隠蔽性を有する顔料と、バインダを主成分として構成される塗工液を塗布することで形成することができる。顔料としては、カーボンブラックや酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等のAl顔料が隠蔽性が高く好ましく用いられ、その他には、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、二酸化珪素、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレイ、焼成カオリン、ブロンズパウダー等の無機顔料、スチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、フタロシアニン、フタロシアニンの金属塩等の有機顔料が挙げられる。
また、バインダ樹脂としては特に限定するものではないが、例えば、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
隠蔽層を形成するための塗工液には、前記顔料とバインダの他に必要に応じて添加剤を加えることができる。また、塗工する方法としては従来公知の方法、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等を用いることができ、塗工量としては乾燥時で2〜30μm程度が好ましい。
第2の染料染着層としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルエステル等のビニルポリマー、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等からなる層が挙げられる。特に、好ましいものは、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体の層である。
保護層7は、第2の画像6が形成された染料染着層5の全面に形成され、紫外線等からの耐久性を付与するものである。また、同時に、熱転写法というプロセスにより被転写体上に形成される必要があるため、一般的には、紫外線吸収等の保護層としての本来的な性能と同時に被転写体への接着性を兼ね備えることが必要である。
保護層7は、紫外線吸収剤等の機能性添加剤とバインダ樹脂によって構成される。
機能性添加剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ベンゾエート、トリアジン系に代表される紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系に代表される光安定剤、ヒンダードフェノール系に代表される酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等を挙げることができる。
バインダ樹脂としては、熱溶融性があれば特に限定されるものではないが、一例を挙げると、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類である。中でも、アクリル系樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂が好適である。
また、保護層7を複数の層からなる積層体で構成して、基材から容易に剥離して被転写体へ転写させる剥離機能を持たせることもできる。この剥離機能を付与する剥離層の構成材料としては、例えば、離型性や滑り性を付与する機能性添加剤、バインダ樹脂等が用いられ、層の厚みは、0.3〜3μm程度(乾燥厚)が適当である。
次に、本発明に係る画像形成体の製造方法について、図4に基づき以下に説明する。
本発明の画像形成体は、一般の昇華型プリンタに見られるサーマルヘッドの熱エネルギーを用いて、染料を染料染着層に転写することで得られる。
図4(a)に示すように、先ず、透明基材1の一方の面に第1の染料染着層2を形成する。形成方法としては、第1の染料染着層2を形成するためのインク組成物を公知の塗工方法にて、例えば、グラビアコート法にて塗工、乾燥して昇華性染料受容体10を作製する。
次に、別と作製した図3(b)に示す画像形成用媒体20を用いて、第1の画像形成用染料層9aと昇華性染料受容体10の第1の染料染着層2とを対向させて重ね、サーマルヘッドにて、昇華性染料受容体10の第1の染料染着層2上に第1の画像3を形成(染着)する。
次に、図4(c)に示すように、第1の画像3を形成した第1の染料染着層2の全面に(透明基材1の画像形成領域)、画像形成用媒体20の白色隠蔽層4と第2の染料染着層5との積層体を、サーマルヘッドにて白色隠蔽層4を下層として熱転写する。この時、基材11との剥離を容易にするために、基材11と第2の染料染着層5との間に剥離層を設けてもよい。
このようにして形成された白色隠蔽層4は、400〜700nmの波長領域における透過率が20%以下であることが好ましく、これによって、白色隠蔽層4の下側に形成された第1の画像は白色隠蔽層4の上側から見えなくなる。
次に、図4(d)に示すように、透明基材1の上に形成した第2の染料染着層5に画像形成用媒体20の第2の画像形成用染料層9bを対向させて重ね、サーマルヘッドにて、第2の染料染着層5上に第2の画像6を形成(染着)する。
次に、図4(e)に示すように、上記で形成した第2の画像を含めた全面(透明基材1
の画像形成領域)に、サーマルヘッドにより熱転写した保護層7を形成して本発明の画像形成体を製造することができる。このようにして製造された画像形成体は、白色隠蔽層4の介在により、透明基材1の他方の面側からは第1の画像3が、一方の面側から第2の画像が、それぞれの画像を阻害することなく独立して観察することができる。
上記で説明したように本発明は、透明基材1上の第1の染料染着層2に昇華性染料を染着させて第1の画像3を形成し、その全面あるいは選択的に白色隠蔽層4および第2の染料染着層5を転写し、再び昇華性染料を染着させて第2の画像6を形成し、さらに保護層7形成することで、透明基材上に反射光を利用した、表裏で異なる画像が観察できる画像形成体及びその製造方法である。
これにより、反射光を利用して見る画像においては白色隠蔽層を介し表裏で異なる画像の形成を、従来の昇華型プリンタの構成を大きく変えることなく実現することが可能となり、透明基材を利用した多彩な印刷物の形成を容易に、さらには透明基材を利用した意匠の展開を広げることができるようになる。
本発明は、反射光を利用して見る画像においては白色隠蔽層を介し表裏で異なる画像を観察することができ、表裏で意匠性の異なる間仕切りボードとしての機能を有する内装材や外装材に利用できる。
1…透明基材
2…第1の染料染着層
3…第1の画像
4…白色隠蔽層
5…第2の染料染着層
6…第2の画像
7…保護層
8…接着層
9a…第1の画像形成用染料層
9b…第2の画像形成用染料層
10…昇華性染料受容体
11…基材
20…画像形成用媒体

Claims (4)

  1. 透明基材の一方の面に、第1の染料染着層と、白色隠蔽層と、第2の染料染着層と、保護層とを順次積層してなる画像形成体であって、
    前記第1の染料染着層に第1の画像、第2の染料染着層に第2の画像がそれぞれ昇華性染料から形成され、透明基材の一方の面から第2の画像、他方の面から第1の画像が観察できることを特徴とする画像形成体。
  2. 前記保護層の上に接着層を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成体。
  3. 前記第1の染料染着層および白色隠蔽層を構成するバインダ樹脂が同種の熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成体。
  4. 透明基材の一方の面に第1の染料染着層が形成された昇華性染料受容体と、支持体の一方の面に、第1の画像形成用染料層、第2の染料染着層と白色隠蔽層との積層体、第2の画像形成用染料層、保護層が面順次で形成された画像形成用媒体とを用いてサーマルヘッドにて加熱して画像を形成する画像形成方法であって、
    前記昇華性染料受容体の第1の染料染着層の上面と、前記画像形成用媒体の第1の画像形成用染料層の上面とを対向させて重ね、その上からサーマルヘッドにて加熱して昇華性染料を第1の染料染着層に移行させて第1の画像を形成し、
    その上に第2の染料染着層と白色隠蔽層との積層体をサーマルヘッドにて加熱して転写し、
    その後、前記第2の染料染着層の上面と、前記画像形成用媒体の第2の画像形成用染料層の上面とを対向させて重ね、その上からサーマルヘッドにて加熱して昇華性染料を第2の染料染着層に移行させて第2の画像を形成し、
    さらに、第2の画像を形成した第2の染料染着層の全面に前記画像形成用媒体の保護層を重ね合わせて、サーマルヘットにて加熱して保護層を積層させることを特徴とする画像形成方法。
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