JPH04331188A - 熱転写記録用シート及び熱転写記録方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は熱転写記録用シート及び
熱転写記録方法に係る。特に、被記録紙として汎用の普
通紙を使用することが出来る昇華型熱転写記録用シート
及び熱転写記録方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、熱転写記録方法としては、色
素を含有する色材層を有する熱転写記録用シートを、色
素を染着する受像層を有する受像体を各層が対向するよ
うに重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱手段により熱
転写記録用シートの背面から加熱し、色素を受像体上に
転写させる方法が、一般的によく知られ、よく使われて
いる。しかしながら、この記録方法によると、被記録紙
が、特定の受像層を有する受像紙に限られ、簡便性やコ
スト面等において、少なからず、利用し難かった。

【０００３】そこで、昇華型熱転写記録用シート上に熱
転写性受像層を設け被記録紙として汎用の普通紙を使用
することができるように工夫された昇華型熱転写記録用
シートが提案されている（例えば、特開昭６１−８６２
８９号公報参照）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
特殊紙を用いずに一般に市販されている汎用の普通紙を
被記録紙として使用すると通常被記録紙の白色度が不十
分であるため、下地の紙の色の影響を受け、画像の色再
現性が十分でない難点があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者等は、特殊紙を
用いなければ、被記録紙の色の影響を受け、画像の色再
現性が劣るという難点を克服して普通紙上においても優
れた色再現性と鮮明な画像を得るべく鋭意検討した結果
、前記熱転写受像層に白色隠ぺい層と透明染着層の少く
とも二層の構造を保持せしめることによって、色再現性
に優れ、かつインク転写濃度の高い鮮明な画像が得られ
ることを見出して本発明に到達した。

【０００６】本発明の目的は幅広い範囲の普通紙上で色
再現性の優れた転写記録を可能にする熱転写記録用シー
トを提供することにあり、本発明の他の目的は幅広い範
囲の普通紙上でインク転写濃度の優れた転写記録を可能
にする熱転写記録用シートを提供することである。また
本発明の更に他の目的は、熟練した技術を要さない簡便
な方法で色再現性に優れ、かつ、インク転写濃度の優れ
た熱転写記録を行うことを可能にする熱転写記録用シー
トを提供することにある。

【０００７】さらに本発明の別の目的は受像層転写工程
の存在にも拘らず、簡便かつ短時間内に幅広い範囲の普
通紙上へ色再現性に優れ、かつ、インク転写濃度の優れ
た熱転写記録を行う方法及びそのための熱転写用記録シ
ートを提供することにある。

【０００８】しかして、本発明のかかる目的は基材上に
気化性または熱拡散性色素を含有する色材層と、熱によ
り被記録紙上に転写可能な受像層を有し、前記受容層は
少くとも透明受容層と白色隠ぺい層が基材側から順次積
層された構成を有する熱転写記録用シート、並びにかか
る熱転写記録用シートの色材層及び受像層側に被記録紙
を対接せしめ該受像層を加熱して受像層を被記録紙に移
行させ、次いで該移行した受像層上に、色材層中の色素
を熱転写させる熱転写記録方法によって、容易に達成さ
れる。

【０００９】以下、本発明を詳細に説明する。

【００１０】本発明において、受像層中の白色隠ぺい層
は、白色顔料とバインダー樹脂とを主成分として形成す
ることが好ましいが、白色顔料とバインダーとの配合比
は通常１：０．１〜２０重量比、好ましくは１：０．５
〜５重量比である。この白色顔料としては、酸化チタン
、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどがあ
げられる。また、白色度を補う目的で各種蛍光増白剤の
添加も有効である。バインダー樹脂としては、一般に熱
可塑性樹脂として知られている樹脂が使用できる。

【００１１】本発明において受像層中の透明受容層に用
いられる樹脂としては、飽和ポリエステル、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、酢酸セルロース、ポリビニルアセタール樹脂、ポ
リビニルフェニルアセタール樹脂、塩化ビニル樹脂、塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアリレート樹脂
、ＡＳ樹脂または上記の架橋体など気化性または熱拡散
性色素に対し染着性を有する樹脂があげられる。

【００１２】本発明においては、これらの各層は基本的
には基材表面側からまず透明受容層、次いで白色隠ぺい
層が順次積層された二層構造を構成することによって受
像層を構成するが、本発明はこれに限らず、基材表面と
透明受容層の間、透明受容層と白色隠ぺい層の間、及び
白色隠ぺい層の表面等に何らかの目的もしくは必要に応
じて他の層を追加構成することも可能である。例えば受
像層と基材との熱転写時の剥離性を容易とするため、基
材表面にシリコーン系などの剥離剤の下引き層を設ける
ことも有効である。

【００１３】本発明の受像層の形成方法としては、通常
用いられている方法から任意に選ぶことが出来、例えば
、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッド
コーター、エアドクターコーター、ダイコーターなどを
用いる方法（これらの詳細は原崎勇次著「コーティング
方式」、槇書店１９７７年発行参照）などによる重ね塗
り法が用いられるが、特に好ましくは、グラビア印刷方
式による二版塗工があげられる。

【００１４】基材としては、従来この種の熱転写記録用
シートの基材として使われているポリエステル、ポリア
ミド等のシートが適宜使用できる。基材上に形成せしめ
る受容層の厚さは乾燥膜厚として通常０．１〜２０μｍ
、好ましくは１〜１０μｍである。また、白色隠ぺい層
の厚さは乾燥膜厚として０．５〜２０μｍ、好ましくは
２〜１０μｍである。

【００１５】なお、本発明の受像層とともに用いる熱転
写記録用の色材層に使用される気化性または熱拡散性色
素としては、アゾ系、アントラキノン系、ニトロ系、ス
チリル系、ナフトキノン系、キノフタロン系、アゾメチ
ン系、クマリン系、縮合多環系、などの種々の非イオン
性の色素が用いられる。一般に感熱転写においては、こ
れらの色素を用いてイエロー、マゼンタ、シアンの３色
もしくはこれに黒色を加えた４色の色材層が基材上に個
別にかつ順次繰返し設定される。従って本発明において
、受像層は最も典型的には各色一組の色材層群毎に隣接
した一領域に繰返し設定されるが、各色の色材層及び受
像層の領域の出現の態様は場合に応じて変形を採用して
も良い。

【００１６】また、本発明の熱転写記録用シートを用い
た場合、被記録紙は特に限定されず、汎用のセルロース
繊維から成る普通紙を用いることができる。

【００１７】本発明の熱転写記録方法においては、まず
、熱転写記録用シートの受像層部分をサーマルヘッド等
の加熱により、所望範囲を被記録紙上に移行させ、被記
録紙の基体上に、白色隠ぺい層及び透明受容層を順次積
層した受像層を形成させる。該移行した受像層上に、熱
転写記録用シートの色材層を重ね合わせ、サーマルヘッ
ド等の加熱により色素を熱転写することにより、記録物
が形成できる。

【００１８】以上、本発明の熱転写記録用シートとして
、カラーシートの一部に少くとも白色隠ぺい層と透明着
色層を積層した受像層を設けたカラーシートを用いる場
合について述べた。この方法によれば、カラーシートと
一体になっているので余分の操作が不要であり、また、
普通紙に転写される受像層を画像部分のみに限定するこ
とも極めて簡便に可能であるので好適である。しかし、
本発明はこれに限らず、受像層を全面転写してもよく、
更には、本発明の白色隠ぺい層と透明着色層を積層した
受像層のみが塗布された受像層シートとこれとは別個の
色材層を有するカラーシートを併用して受像層の転写と
画像の転写を別個の操作で行う方式を採用することも可
能である。

【００１９】

【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本実施例は本発明を何等限定するものではない。 実施例−１ （ａ）受像層部の作製 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂（商品名：ＵＣＲＡ
−ＶＹＨＤ、ユニオンカーバイド社製）２０重量部、ト
ルエン６０重量部および離型剤としてアミノ変形シリコ
ーン（商品名：ＫＦ−３９３、信越化学工業株式会社製
）１．０重量部よりなる透明受容層形成用塗工液（Ｒ−
１）および、飽和ポリエステル樹脂（商品名：バイロン
−２００、東洋紡績製）１５重量部、酸化チタン（商品
名：Ｒ−５８０、石原産業株式会社製）１５重量部およ
びトルエン６０重量部よりなる白色隠ぺい層形成用塗工
液（Ｒ−２）をグラビア印刷機にてインキ塗工面の背面
が耐熱滑性加工された二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム（４．５μｍ厚）に順次重ね塗りし、乾燥
後の膜厚が透明受容層５μｍ、白色隠ぺい層１０μｍの
受像層塗工部を作製した。

【００２０】（ｂ）色材層部の作製 上記受像層の塗工部に隣接して イエロー色材層塗布液：　　下記構造式（Ａ）で表され
るイエロー系色素５重量部、ポリカーボネート樹脂１０
重量部、トルエン８５重量部からなる塗布液（Ｃ−１）
。

【００２１】

【化１】

【００２２】マゼンタ色材層塗布液：　　下記構造式（
Ｂ）で表されるマゼンタ系色素５重量部、ポリカーボネ
ート樹脂１０重量部、トルエン８５重量部からなる塗布
液（Ｃ−２）。

【００２３】

【化２】

【００２４】シアン色材層塗布液：　　下記構造式（Ｃ
）で表されるシアン系色素５重量部、ポリカーボネート
樹脂１０重量部、トルエン８５重量部からなる塗布液（
Ｃ−３）。

【００２５】

【化３】 の３色の塗工液を〔図１〕に示す順に塗工、乾燥し、乾
燥膜厚がそれぞれ約１μｍの色材層を有する色材層塗工
部を作製した。

【００２６】（ｃ）転写記録試験 上記の昇華型熱転写記録用シートのインキ塗布面を坪量
２００ｇの上質紙（神崎製紙製）と重ね、６ドット／ｍ
ｍの発熱抵抗体密度を有する部分グレース型ラインサー
マルヘッドを使用して、受像層転写後にその上に色材層
を転写する操作を下記条件で各色毎に行ない、記録物を
得た。

【００２７】普通紙は通常イエローを帯びているため、
マゼンタやシアンの単色にイエロー成分が余分に乗り、
画像の色が黄色くくすんでしまうことが多い。そのため
、マゼンタ、シアン中のイエロー成分濃度、及び、各色
毎の転写濃度を測定し、後記表１に示した。 記録ライン密度　　　　　　　　　　　　　　６ライン
／ｍｍサーマルヘッド印加電力　　　　　　０．２０Ｗ
サーマルヘッド印加パルス幅 受像層転写時：　　６ｍ秒 色材層転写時：　　４および６ｍ秒

【００２８】実施例−２ 実施例−１（ｃ）で用いた坪量２００ｇの上質紙の代わ
りに、官製はがきを用いた以外は実施例−１と同様の方
法で試験を行い、その結果を後記の表１に示した。

【００２９】比較例−１ 実施例−１で用いた受像層の代わりに、白色隠べい層（
Ｒ−２）を用いず、透明受容層（Ｒ−１）のみを、乾燥
膜厚を１５μｍとした以外は実施例−１と同様の方法に
より昇華型熱転写用記録シートを作製し、試験を行い、
その結果を後記の表１に示した。

【００３０】比較例−２ 実施例−２で用いた受像層の代わりに、白色隠ぺい層（
Ｒ−２）を用いず、透明受容層（Ｒ−１）のみを、乾燥
膜厚を１５μｍとした以外は実施例−１と同様の方法に
より昇華型熱転写用記録シートを作製し、試験を行い、
その結果を後記の表１に示した。

【００３１】比較例−３ 実施例−１で用いた受像層の代わりに、透明受容層中に
白色顔料を配合した下記の白色受像層（Ｒ−３）を用い
、乾燥膜厚を１５μｍとした以外は実施例−１と同様の
方法により昇華型熱転写記録シートを作製し、試験を行
い、その結果を後記の表１に示した。

【００３２】本比較例は、透明受容層全体に白色隠ぺい
材を分散させた例であるが、マゼンタ、シアンのイエロ
ー成分そのものの濃度の点では実施例−１より良好であ
るが、転写濃度の点については、著しく実施例−１より
劣っており、このため、本比較例では、深みのある高濃
度の画像が得られない。

【００３３】（Ｒ−３）配合処方 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂（商品名：ＵＣＲＡ
−ＶＹＨＤ、ユニオンカーバイド社製）１５重量部、酸
化チタン（商品名：Ｒ−５８０、石原産業株式会社製）
１５重量部、アミノ変性シリコーン（商品名：ＫＦ−３
９３、信越化学工業株式会社製）１．０重量部よりなる
塗工液（Ｒ−３）

【００３４】

【表１】

【００３５】

【発明の効果】本発明の熱転写記録用シートは、得られ
る記録物が下地の色の影響を受けないため、幅広い範囲
の普通紙の使用が可能で、色再現性とインク転写濃度の
優れた転写記録を得ることが出来る。また一方、一般に
シートの小巻の際、受像層側への色材層側からの色素汚
染（裏移り）が発生するが、この汚染の影響を白色層が
隠ぺいする役目も果たすことから、汚染の影響を受け難
い優れた転写記録を得ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例にて作成した熱転写記録用シートを示す
模式図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　基材上に気化性または熱拡散性色素を
   含有する色材層と、熱により被記録紙上に転写可能な受
   像層を有し、該受像層は、少くとも透明受容層と白色隠
   ぺい層が基材側から順次積層された構成を有することを
   特徴とする熱転写記録用シート。
2. 【請求項２】　　基材上に気化性または熱拡散性色素を
   含有する色材層と、熱により被記録紙上に転写可能な受
   像層を有し、該受像層は少なくとも透明受容層と白色隠
   ぺい層が基材側から順次積層された構成を有する熱転写
   記録用シートの色材層及び受像層側に被記録紙を対接せ
   しめ、該受像層を加熱して受像層を被記録紙に移行させ
   、次いで、該移行した受像層上に、色材層中の色素を熱
   転写させることを特徴とする熱転写記録方法。