JPH11139008A - 熱転写画像形成方法 - Google Patents

熱転写画像形成方法

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JPH11139008A
JPH11139008A JP9321946A JP32194697A JPH11139008A JP H11139008 A JPH11139008 A JP H11139008A JP 9321946 A JP9321946 A JP 9321946A JP 32194697 A JP32194697 A JP 32194697A JP H11139008 A JPH11139008 A JP H11139008A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モノカラーの熱転写画像形成物を作成する時
に、印画部の階調色差や色ムラを防止し、印画部のシャ
ドウ部からハイライト部の濃度再現性に優れた熱転写画
像形成方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 基材上に1画面当たり2つ以上の区画を
有し、かつ該区画の色相がモノカラーであり、全て同一
色相である染料層を設けた熱転写シートと、熱転写受像
シートを重ねて組み合わせて熱転写する画像形成方法に
おいて、見本画像を色変換した互いに異なる情報を用い
て、該情報と各区画を1対1に対応させ、画像形成する
ことにより、印画部の階調色差や色ムラを防止し、印画
部のシャドウ部からハイライト部の濃度再現性に優れた
モノカラー画像形成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写画像形成方法
に関し、特にモノカラーの染料層を有する熱転写シート
と、熱転写受像シートを重ねて組み合わせて熱転写し、
得られる画像形成物の転写感度が高く、階調色差や色ム
ラの発生を防止した熱転写画像形成方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写記録方法が知られて
いるが、それらの中でも、昇華転写染料を記録剤とし、
これをポリエステルフィルム等の基材シートに担持させ
た熱転写シートから、昇華染料で染着可能な被転写材、
例えば、紙やプラスチックフィルム等に染料受容層を形
成した熱転写受像シート上に昇華転写染料を熱転写し、
各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されてい
る。この場合には、加熱手段として、プリンターのサー
マルヘッドが使用され、極めて短時間の加熱によって3
色または4色の多数の加熱量が調整された色ドットを熱
転写受像シートの受容層に転移させ、該多色の色ドット
により原稿のフルカラーを再現するものである。このよ
うに形成された画像は、使用する色材が染料であること
から、非常に鮮明でかつ透明性に優れているため、得ら
れる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフ
セット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、モ
ノカラーやフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の
形成が可能である。
【0003】この昇華転写記録による高品質画像を活用
して、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷
等各種印刷の校正用の印字物として利用することが行わ
れ始めている。従来の校正用の印刷物は本刷製品と画像
等の色相を合わせるために、本刷と印刷条件を同様にし
て校正用インキで印刷し、乾燥させて手間をかけて作製
していた。ところが、上記の昇華転写記録方法によれ
ば、印刷用の版や校正用インキも必要なく、印刷する画
像の原画があれば、その画像を電気信号に変換して、熱
転写シートと熱転写受像シートを組み合わせて、熱転写
プリンターで印字して、簡単に校正用の印字物が得られ
る。また、上記の校正用の印字物にとどまらず、グラビ
ア印刷、オフセット印刷等の本刷製品の代替として、昇
華転写記録の印字物が利用され、また、遊園地やゲーム
センター等のアミューズメント用途として、セピアの色
相等のモノカラーの画像物や、葬儀等の遺影写真の代替
としてのモノカラーの画像物を昇華転写記録で作製する
ことが実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような昇華転写
記録方法で得られる印字物は、解像度と、印画部の色相
を、見本品に厳密に合わせることが要求されている。す
なわち、見本品と仕上がり状態で同じものとして見なせ
る昇華転写記録の印字物が要求されている。すなわち、
モノカラーの画像物では、印画部のシャドウ部からハイ
ライト部の、濃淡の色相に色差が生じないことと、同じ
く印画部のシャドウ部からハイライト部の高精度の濃度
再現性が要求されている。
【0005】従来のモノカラー印画物においては、Bk
単色、セピア単色等の、図5に示すようなモノカラー熱
転写シートや、図6に示すような、YMCの染料層を有
する3色熱転写シートまたはBk染料層を加えた4色熱
転写シート、更に保護層を加えた構成等の熱転写シート
が用いられる。但し、Bk単色、セピア単色等のモノカ
ラー熱転写シートでは最大印画濃度の低下が生じ、ま
た、YMC等の熱転写シートでは階調色差、色ムラ等の
問題が発生しやすい。さらに、モノカラー熱転写シート
ではハイライトの転写感度を高めると、ハイライト部以
外の階調部で見本品と比較して、階調濃度が変化し、階
調色差も生じる。
【0006】また、特公平6−71827、特公平4−
75832及び特開平4−226790には、転写画像
の濃度を向上させたり、ドット再現性を向上させる記録
方法が記載されているが、全て一度転写した画像と同一
画像ないし、部分的にオーバーラップした画像を重ね転
写する方法であり、モノカラーの画像物に対して、印画
部のシャドウ部の濃度向上は図れるが、印画部のシャド
ウ部からハイライト部の、濃淡の色相に色差が生じやす
い、すなわち階調色差や色ムラが発生するという問題が
ある。したがって、本発明は、上記従来技術の問題点を
解決し、モノカラーの熱転写画像形成物を作成する時
に、印画部の階調色差や色ムラを防止し、印画部のシャ
ドウ部からハイライト部の濃度再現性に優れた熱転写画
像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の熱転写
画像形成方法は、基材上に1画面当たり2つ以上の区画
を有し、かつ該区画の色相がモノカラーであり、全て同
一色相である染料層を設けた熱転写シートと、熱転写受
像シートを重ねて組み合わせて熱転写するもので、見本
画像を色変換した互いに異なる情報を用いて、該情報と
各区画の染料層を1対1に対応させて、画像形成するこ
とを特徴とする。また、前記の色変換した互いに異なる
情報が、見本画像をRGBの各フィルターで、色変換し
て三原色RGBの色信号を得て、該信号データを印刷色
YMCのデータに変換した情報であることが好ましい。
さらに、前記の染料層が、1画面当たり2つ以上の区画
を有し、該区画の塗布量が異なることが好ましい。
【0008】
【作用】本発明では、基材上に1画面当たり2つ以上の
区画を有し、かつ該区画の色相がモノカラーであり、全
て同一色相である染料層を設けた熱転写シートと、熱転
写受像シートを重ねて組み合わせて熱転写する画像形成
方法において、見本画像を色変換した互いに異なる情報
を用いて、該情報と各区画を1対1に対応させて、画像
形成することにより、印画部の階調色差や色ムラを防止
し、印画部のシャドウ部からハイライト部の濃度再現性
に優れたモノカラー画像形成物が得られる。また、前記
の色変換した互いに異なる情報が、見本画像をRGBの
各フィルターで、色変換して三原色RGBの色信号を得
て、該信号データを印刷色YMCのデータに変換した情
報であることが望ましく、上記の同一色相染料層は塗布
量を通常のモノカラーフィルムよりも少なくすることが
でき、すなわちシャドー部は3画面分の染料が転写され
るため、充分な印画濃度を保て、さらにハイライト部は
低転写エネルギーでも染料の転写が容易に行われて、結
果としてハイライト部からシャドウ部までの階調表現が
豊かな印画物が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の熱転写画像形成方
法で、発明の実施の形態について詳述する。 (熱転写画像形成方法)本発明の熱転写画像形成方法は
基材上に1画面当たり2つ以上の区画を有し、かつ該区
画の色相がモノカラーであり、全て同一色相である染料
層を設けた熱転写シートと、熱転写受像シートを重ねて
組み合わせて熱転写するもので、見本画像を色変換した
互いに異なる情報を用いて、該情報と各区画の染料層を
1対1に対応させて、画像形成することを特徴としてい
る。
【0010】好ましい例として、図1に示すように、ま
ず見本画像(転写される画像の見本となるもの)をRG
Bの各フィルターで、色分解して三原色RGBの色信号
を得て、その信号データが印刷色YMCのデータ(情
報)に変換され、YのデータはYに対応する区画の染料
層から熱転写受像シートに転写され、MのデータはMに
対応する区画の染料層から熱転写受像シートに転写さ
れ、そしてCのデータはCに対応する区画の染料層から
熱転写受像シートに転写されて、モノカラーの画像形成
物が得られる。尚、YMCの熱転写後に必要に応じて、
すなわち画像の耐候性能や指紋や薬品等に対する耐久性
を向上させる場合は、画像形成された受容層の上に転写
性保護層を熱転写することができる。上記の転写される
画像の見本となる見本画像は、印刷色YMCに色変換可
能であることが求められるので、フルカラーでもモノカ
ラーでもよい。但し、YMCに色変換できない特色
(金、銀等)が混合されている場合、その特色の着色転
写層を有する熱溶融型や昇華型の熱転写シートを使用す
ることもできる。
【0011】また、本発明の熱転写画像形成方法は、前
記の染料層が、1画面当たり2つ以上の区画を有し、該
区画の塗布量が異なることが好ましい。すなわち、例え
ば、前記の染料層が、画像のRGB/YMCの各フィル
ターで分色した情報を印画する3区画の構成である場
合、例えばYに対応する区画の染料層の塗布量を1μm
程度とすると、Mは0.8μm程度、Cは0.6μm程
度と、塗布量を減少させていくことで、階調色差や色ム
ラを防止した高濃度のグレーの色相の印画物が得られ
る。この場合、モノカラーとしてグレーの色相を有する
染料層には、例えばY染料、M染料及びC染料が混合し
て添加されていて、特にY染料がM染料及びC染料と比
べて、転写感度が高く、比較的低温でも転写しやすい場
合、Yに対応する染料構成成分の割合を、MとCの対応
する染料構成成分の割合よりも少なくして、Yに対応す
る区画での染料転写感度を落として、他の染料とのバラ
ンスをとるものである。したがって、上記のように、モ
ノカラーの染料層に色相の異なる染料が混合されてい
て、その染料の転写感度が異なる場合に、染料層中の各
染料の構成成分比を変えることが行われる。
【0012】本発明の熱転写画像形成方法は、モノカラ
ーの熱転写画像形成物を作成するものであり、モノカラ
ーの色相は具体的には、セピア、グリーン、パープル、
グレー等が挙げられる。また、熱転写画像形成時の熱エ
ネルギーの付与手段は、従来公知の熱付与手段はいずれ
も使用でき、例えば、サーマルプリンター(例えば日立
製作所製、ビデオプリンターVY−100)等の記録装
置によって、記録時間をコントロールすることにより、
5〜100mJ/mm2 程度の熱エネルギーを付与する
ことによって所期の目的を十分に達成することができ
る。
【0013】(熱転写シート)本発明の画像形成方法
は、熱転写シートと熱転写受像シートを重ねて組み合わ
せて熱転写するものであり、ここで熱転写シートの説明
を行う。熱転写シートは、基材上に1画面当たり2つ以
上の区画を有し、かつ該区画の色相がモノカラーであ
り、全て同一色相である染料層を設けたものである。例
えば、図2に示すように、基材上に1画面当たり3つの
区画の染料層1、1’、1”を設け、該区画の色相がモ
ノカラーであり、全て同一色相である。そして、染料層
1、1’、1”が面順次に繰り返し塗り分けられてい
る。
【0014】図3は、本発明の熱転写シートの他の実施
形態を示す平面図であり、基材上に1画面当たり3つの
区画の染料層1、1’、1”を設け、該区画は同一色相
でモノカラーであり、また染料層1の先頭部に検知マー
ク3を設けている。そして、染料層1、1’、1”が面
順次に繰り返し塗り分けられている。図4は、本発明の
熱転写シートの他の実施形態を示す平面図であり、基材
上に1画面当たり2つの区画の染料層1、1’を設け、
かつ同一基材上に転写性保護層2が設けられていて、各
染料層1、1’と転写性保護層2とが面順次に繰り返し
塗り分けられていて、各染料層1、1’と転写性保護層
2とが互いに一定の幅の余白4の間隔が空いていて、染
料層1、1’の先頭部には検知マーク3が設けられてい
る。
【0015】さらに、図示はしないが、染料層を有する
同一基材上に転写性受容層や、転写性接着層を設けるこ
とができる。画像形成する受像シートに、予め受容層が
形成されている場合は必要ないが、受像シートの基材が
普通紙等の場合、転写性受容層を熱転写して、熱転写受
像シートを作成することができる。転写性接着層は、転
写性受容層を用いる場合に、受像シートの基材と受容層
との中間層として使用することが好ましい。つまり、受
像シートの基材に転写性接着層のみを先に転写した後、
その上に画像形成済の受容層を転写する場合と、画像形
成済の受容層上に転写性接着層を転写した後、受容層と
共に受像シートの基材に転写する場合(再転写タイプ、
または中間転写媒体タイプ)とがある。
【0016】上記の転写性保護層、転写性受容層や、転
写性接着層は、染料層を有する同一基材上に設けても、
または染料層を有する基材とは別の基材上に設けてもよ
い。但し、同一基材上に各層を設けた方が、熱転写プリ
ンターの搬送系が単純であり、好ましい。尚、染料層を
有する基材とは別の基材上に設ける場合は、熱転写シー
トを取り替えてプリンターに設置したり、サーマルヘッ
ドを複数設けて、染料層を転写するサーマルヘッドと、
染料層以外の転写性保護層や転写性受容層を転写するサ
ーマルヘッドを分けて、熱転写シートの搬送供給系も別
個に設けることも可能である。
【0017】(基材)熱転写シート基材は、従来公知の
ある程度の耐熱性と強度を有するものであれば、いずれ
のものでもよく、例えば、0.5〜50μm、好ましく
は3〜10μm程度の厚さの紙、各種加工紙、ポリエス
テルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、
ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィ
ルム、セロファン等であり、特に好ましいものは、ポリ
エステルフィルムである。上記のような基材は、必要に
応じて、その基材の一方または両方の面に、プライマー
処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。この処理に
よって、基材上に設ける層との接着性を向上したり、基
材自体の帯電防止をしたりして、機能を付加させること
ができる。
【0018】(染料層)本発明の熱転写シートは、基材
上に染料層を設け、該染料層が1画面当たり2つ以上の
区画を有して、かつ該区画の色相がモノカラーであり、
全て同一色相であることを特徴としている。熱転写シー
トの染料層1、1’、1”は、適当な溶剤中に染料、バ
インダー樹脂及び、その他の任意成分を加えて、各成分
を溶解又は分散させて、グラビア印刷法、スクリーン印
刷法等の形成手段により、前記の基材上に塗布し、乾燥
して、形成される。
【0019】使用する染料は、従来公知の熱転写シート
に使用される染料はいずれも本発明に有効に使用可能で
あり、特に限定されない。例えば、幾つかの好ましい染
料としては、赤色染料として、MS Red G、Ma
crolex Red Vioret R、Ceres
Red 7B、Samaron Red HBSL、
Resolin Red F3BS等が挙げられ、又、
黄色の染料としては、ホロンブリリアントイエローS−
6GL、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等
が挙げられ、又、青色染料としては、カヤセットブルー
714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリア
ントブルーS−R、MSブルー100等が挙げられる。
同一の染料層で色相の異なる染料を混合する場合は、印
画時のエネルギーによって昇華する染料の色相が変化し
ないように、染料を選定する必要がある。すなわち、色
相の異なる染料を同一の染料層で混合する場合、温度変
化による昇華する量の変動が同じような染料を使用する
必要がある。
【0020】上記の如き熱移行性染料を担持するための
バインダー樹脂としては、従来公知のものがいずれも使
用でき、好ましいものを例示すれば、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセル
ロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロ
ース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹
脂、ポリエステル等が挙げられる。
【0021】また、印画時の受容層との離型性を高める
為に、アクリル系、ビニル系、ポリエステル系、ポリウ
レタン系、ポリアミド系又はセルロース系樹脂の主鎖に
グラフト結合したポリシロキサンセグメント、フッ化炭
素セグメント、及び長鎖アルキルセグメントから選ばれ
る少なくとも1種の離型性セグメントを有するグラフト
コポリマーを、熱移行性染料を担持するためのバインダ
ー樹脂としてもよい。本発明の熱転写シートは、染料層
が、画像のRGB/YMCの各フィルターで分色した情
報を印画する3区画の構成であることが好ましい。すな
わち、染料層が、画像(転写される画像の見本となるも
の)をRGBの各フィルターで、色分解して三原色RG
Bの色信号を得て、その信号データが印刷色YMCのデ
ータに変換され、YのデータはYに対応する区画の染料
層から熱転写受像シートに転写され、MのデータはMに
対応する区画の染料層から熱転写受像シートに転写さ
れ、そしてCのデータはCに対応する区画の染料層から
熱転写受像シートに転写される。
【0022】染料層の塗工厚は、乾燥状態で0.2μm
乃至5μm、好ましくは、0.4μm乃至2μmが適当
である。本発明の熱転写シートは、前記の染料層が、1
画面当たり2つ以上の区画を有し、該区画の塗布量が異
なることが好ましく、例えば、前記の染料層が、画像の
RGB/YMCの各フィルターで分色した情報を印画す
る3区画の構成である場合、Yの対応する区画の染料層
の塗布量を1μm程度とし、M、Cに対応する染料層の
塗布量を0.8μm、0.6μm程度にして、印画部の
階調色差や色ムラを防止した高濃度のグレーの色相の印
画物が得られる。
【0023】この場合、モノカラーとしてグレーの色相
を有する染料層には、例えばY染料、M染料及びC染料
が混合して添加されていて、特にY染料がM染料及びC
染料と比べて、転写感度が高く、比較的低温でも転写し
やすいので、Yに対応する染料の構成成分の割合をMと
Cの対応する染料の構成成分の割合よりも少なくして、
Yに対応する区画での染料転写感度を落として、他との
バランスをとるものである。したがって、上記のよう
に、モノカラーの染料層に色相の異なる染料が混合され
ていて、その染料の転写感度が異なる場合に、各染料の
構成成分比を変えることが行われる。
【0024】(転写性保護層)本発明の熱転写シート
は、同一基材上に染料層と転写性保護層2を設けること
ができる。転写性保護層2は画像形成された受容層の上
に転写して、画像の耐候性能や指紋や薬品等に対する耐
久性を向上させるものである。転写性保護層2は少なく
ともバインダー樹脂から構成され、基材と適当な剥離性
をもち、受容層の上に転写された後は受容層の表面保護
層として所望の物性を有する樹脂組成物を選定する。一
般的には、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸
セルロース等のセルロース誘導体、ポリメタリル酸メチ
ル、ポリメタリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等の
アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル重合体
の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、アミノアルキッド樹脂等の熱硬化型樹脂を転
写性保護層として用いることができる。
【0025】画像形成された印画物に対して、耐摩擦
性、耐薬品性、耐汚染性が特に要求される場合は、転写
性保護層樹脂として電離放射線硬化型樹脂を用いること
もできる。また、より耐擦過性を向上させるため、前記
の樹脂に滑剤、汚染防止のための界面活性剤、耐候性能
を向上させるための紫外線吸収剤、酸化防止剤等を加え
てもよい。転写性保護層は、前記基材の上に、前記バイ
ンダー樹脂に適宜添加剤を加え、水または有機溶剤等の
溶媒に溶解または分散させたインキを、バーコーター、
グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の公知の方法で、
塗布して形成することができる。その塗工量は、塗工乾
燥後で0.1〜20μmが好ましい。
【0026】(転写性受容層)また、本発明の熱転写シ
ートは、同一基材上に染料層と転写性受容層3を設ける
ことができる。転写性受容層3は、少なくともバインダ
ー樹脂から成り、必要に応じて離型剤等の各種添加剤を
加えてもよい。バインダー樹脂は昇華性染料が染着しや
すいものを用いることが好ましい。具体的には、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリアクリルエステル等のビニル系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の
ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド
系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビ
ニル系モノマーとの共重合体、アイオノマー、セルロー
ス誘導体等が挙げられる。これらの中でも、ビニル系樹
脂及びポリエステル系樹脂が特に好ましく用いられる。
【0027】さらに、転写性受容層は印画時の染料層と
の熱融着を防止するため、前記のバインダー樹脂に離型
剤を添加することが好ましい。離型剤としては、シリコ
ーンオイル、リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系化
合物等を用いることができ、この中でも特に変性シリコ
ーンオイルを添加し、硬化させたものが好ましい。該離
型剤の添加量は転写性受容層を形成するバインダー樹脂
100重量部に対して、0,2〜30重量部が好まし
い。転写性受容層は前記基材上に、前記のバインダー樹
脂に離型剤等の必要な添加剤を加え、水または有機溶剤
等の溶媒に溶解または分散させたインキを、バーコータ
ー、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を
用いた リバースロールコーティング法等の公知の方法
で、塗布して形成することができる。その塗工量は、塗
工乾燥後で0.1〜10μm程度が好ましい。
【0028】(転写性接着層)本発明の熱転写シート
は、同一基材上に染料層と転写性受容層と、さらに転写
性接着層を設けることができる。転写性接着層は、普通
紙等の受像シートの基材との接着性が良好である材料が
用いられる。基材に応じて適当な材料を選択する必要が
あるが、一般的には熱可塑性樹脂、天然樹脂、ゴム、ワ
ックス等を用いることができる。例えば、エチルセルロ
ース、酢酪酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリス
チレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン共重合
体、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレ
ート、ポリエチルアクリレート等のアクリル系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、
ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、アイオノマー、エチレンアクリル酸共重
合体、エチレンアクリル酸エステル共重合体等の合成樹
脂や、粘着付与剤としてのロジン、ロジン変性マレイン
酸樹脂、エステルゴム、ポリイソブチレンゴム、ブチル
ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリルニ
トリルゴム、ポリアミド樹脂、ポリ塩素化オレフィン等
が挙げられる。前記の材料の1種または2種以上よりな
る組成物から転写性接着層を構成することができる。転
写性接着層の厚さは、被転写体との接着性能が良好にな
るように決定されるが、通常は乾燥時で0.1〜20μ
mが好ましい。転写性接着層の基材から剥離性能を制御
するために、特に図示しないが、基材と転写性接着層と
の間に離型層を設けてもよい。
【0029】(検知マーク)本発明の熱転写シートで
は、図3、4に示すような熱転写画像形成の開始位置を
示す検知マーク3を設けることができる。検知マーク3
の形状や色は、検知器(センサー)によって検出可能で
あればよく、限定されるものではない。形状において
は、図3のように1本線のストライプや、図4のように
1本線と2本線のストライプを混合して使用したり、熱
転写シートの全巾にわたらない、部分的な位置に四角
形、丸形等が挙げられる。但し、検知マーク3は、熱転
写画像形成の開始位置を示すものであるため、1区画に
相当する長さ毎に検知マーク3を形成する、すなわち、
面順次に設けられている染料層や転写性保護層、転写性
受容層、転写性接着層の全ての先頭位置に検知マーク3
を形成したり、または面順次の単位の最初の区画のみ
や、一定の層にのみ、検知マークを形成したりすること
ができる。
【0030】検知マークの色は、検知器で検出可能であ
ればよく、例えば、光透過型検知器であれば、隠蔽性の
高い銀色、黒色等が挙げられる。また、光反射型検知器
であれば、反射性の高い金属光沢の色調等が挙げられ
る。但し、光反射型検知器を使用する場合は、検知マー
クが色材層で覆われていては、検知マーク表面の反射特
性が損なわれるため、基材シートの上に色材層と検知マ
ークがこの順に積層され、検知マークが熱転写シートの
最表面に存在することが必要である。検知マークの形成
方法は、グラビア印刷やオフセット印刷等の公知の印刷
方式により形成したり、蒸着フィルムの転写箔でホット
スタンプで設けたり、裏面に粘着剤付きの着色フィル
ム、蒸着フィルムを貼り付けることもでき、特に限定さ
れるものではない。
【0031】(背面層)本発明の熱転写シートは基材の
裏面に背面層を設けることができる。基材の裏面に設け
られている背面層は、サーマルヘッド等の加熱デバイス
と基材との熱融着を防止し、走行を滑らかに行う目的で
設けられる。この背面層に用いる樹脂としては、例え
ば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セル
ロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセル
ロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポ
リビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル
酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミ
ド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル
系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ク
マロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天
然又は合成樹脂の単体又は混合物が用いられる。背面層
の耐熱性をより高めるために上記の樹脂のうち、水酸基
系の官能基を有している樹脂を使用して、架橋剤として
ポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とするこ
とが好ましい。
【0032】さらに、サーマルヘッドとの摺動性を付与
するために、背面層に固形あるいは液状の離型剤又は滑
剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤又は滑剤
としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィン
ワックス等の各種ワックス類、高級脂肪酸アルコール、
オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチ
オン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活
性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその
誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シ
リカ等の無機化合物の微粒子等を用いることができる。
背面層に含有される滑剤の量は5〜50重量%、好まし
くは10〜30重量%程度である。このような背面層の
厚みは0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μ
m程度とすることができる。
【0033】(受像シート)上記の熱転写シートを用い
て、画像を形成するために使用する受像シートは、その
受像面が前記の染料に対して染料受容性を有するもので
あれば、いかなるものでもよく、又、染料受容性を有し
ない紙、金属、ガラス、合成樹脂等である場合には、そ
の少なくとも一方の表面に染料受容層を形成すれば良
い。染料受容層を形成しなくてもよい被転写体として
は、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン
化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等
のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピ
レン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体
系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセ
ルロース系樹脂、ポリカーボネート等からなる繊維、織
布、フィルム、シート、成形物等が挙げられる。特に、
好ましいものは、ポリ塩化ビニルからなるシート、又は
フィルムで、単層でも複層のラミネート構成でもよい。
【0034】本発明では紙、金属、ガラスその他の非染
着性の被転写体であっても、その記録面に上記の染着性
の樹脂の溶液または分散液を塗布および乾燥させるか、
あるいはそれらの樹脂フィルムをラミネートすることに
より、受像シートとすることができる。さらに、上記の
染着性のある被転写体であっても、その表面にさらに染
着性の良い樹脂から、上記のように染料受容層を形成し
てもよい。このようにして形成する染料受容層は、単独
の材料からでも、また、複数の材料から形成してもよ
く、さらに本発明の目的を妨げない範囲で各種の添加剤
を包含させてもよいのは当然である。
【0035】受容層を形成するには、上記に記載した樹
脂、各種の添加剤を適当な溶剤により、溶解又は分散さ
せて、受容層形成用インキを調製し、これを、上記の被
記録材の表面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン
印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等
の形成手段により塗布し、乾燥して、形成することがで
きる。以上の受像シートは予め受容層を形成する場合で
あり、普通紙等の受像シートの基材シートに転写性受容
層を熱転写して形成することも可能であるが、前に転写
性受容層は説明したので、ここでは省略する。
【0036】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を
詳述する。尚、文中、部または%とあるのは、特に断り
のない限り重量基準である。 (実施例1)基材として、背面に耐熱処理を施した6μ
m厚のポリエチレンテレフタレートに、図2に示すよう
に、下記組成により、ミヤバーを用いて、染料層1、
1’、1”を設けて、実施例1で使用する熱転写シート
を用意した。尚、染料層1は下記組成の染料層塗工液A
を用いて、塗布量が乾燥時で0.8g/m2 とし、染料
層1’は下記組成の染料層塗工液Bを用いて、塗布量が
乾燥時で0.6g/m2、染料層1”は下記組成の染料
層塗工液Cを用いて、塗布量が乾燥時で0.4g/m2
である。
【0037】染料層塗工液A イエロー分散染料 1.00部 (C.I.ディスパースイエロー201) マゼンタ分散染料 2.20部 (C.I.ディスパースレッド60) シアン分散染料 5.00部 (C.I.ソルベントブルー63:日本化薬(株)) ポリビニルブチラール(エスレックBL−3:積水化学工業製) 6.00部 トルエン 35部 メチルエチルケトン 35部
【0038】染料層塗工液B イエロー分散染料 1.00部 (C.I.ディスパースイエロー201) マゼンタ分散染料 2.20部 (C.I.ディスパースレッド60) シアン分散染料 5.00部 (C.I.ソルベントブルー63:日本化薬(株)) ポリビニルブチラール(エスレックBL−3:積水化学工業製) 6.00部 トルエン 42.9部 メチルエチルケトン 42.9部
【0039】染料層塗工液C イエロー分散染料 1.00部 (C.I.ディスパースイエロー201) マゼンタ分散染料 2.20部 (C.I.ディスパースレッド60) シアン分散染料 5.00部 (C.I.ソルベントブルー63:日本化薬(株)) ポリビニルブチラール(エスレックBL−3:積水化学工業製) 6.00部 トルエン 50部 メチルエチルケトン 50部
【0040】以上の熱転写シートを下記条件の熱転写受
像シートと組み合わせて、市販の熱転写プリンターを用
いて、評価用画像(階調画像)を形成した。また、画像
形成時の印加情報は、フルカラー印画物情報、すなわち
画像を色分解した三原色RGBの色信号から印刷色YM
Cのデータに変換した情報により画像形成を行った。 熱転写受像シート 基材としての合成紙(王子油化株式会社製ユポFPG1
50)の一面に、グラビア版を用いたリバースコーティ
ング法にて、下記組成の受容層塗工液を、塗布量が乾燥
時4.5g/m2 で塗布、乾燥させて熱転写受像シート
を作製した。
【0041】受容層用塗工液 ポリエステル樹脂(Viron600:東洋紡績(株)) 4.0部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 6.0部 (#1000A:電気化学工業(株)) アミノ変性シリコーンオイル 0.2部 (X−22−3050C:信越化学工業(株)) エポキシ変性シリコーンオイル 0.2部 (X−22−3000E:信越化学工業(株)) メチルエチケトン 44.8部 トルエン 44.8部
【0042】(実施例2)実施例1で使用した同様の基
材上に、図3に示すように、ミヤバーを用いて、染料層
1、1’、1”を設け、さらに下記組成の検知マーク3
を染料層1の先頭部に設けて、実施例2で使用する熱転
写シートを用意した。尚、染料層1、1’、1”の塗工
液は全て実施例1の染料層塗工液Cと同様のものを使用
し、塗布量は染料層1、1’、1”全て乾燥時で0.4
g/m2 である。検知マーク用塗工液 カーボンブラック 8.0部 ウレタン樹脂(HMS−20:日本ポリウレタン(株)) 15.0部 メチルエチルケトン 38.5部 トルエン 38.5部
【0043】以上の実施例2の熱転写シートを実施例1
で使用した熱転写受像シートと同じものと組み合わせ
て、市販の熱転写プリンターを用いて、評価用画像(階
調画像)を形成した。また、画像形成時の印加情報は、
フルカラー印画物情報、すなわち画像を色分解した三原
色RGBの色信号から、印刷色YMCのデータに変換し
た情報により画像形成を行った。
【0044】(実施例3)実施例1で使用した同様の基
材上に、図3に示すように、ミヤバーを用いて、染料層
1、1’、1”を設け、さらに実施例2で用いた検知マ
ーク用塗工液により検知マーク3を設けて、実施例3で
使用する熱転写シートを用意した。尚、染料層1、
1’、1”の塗工液は全て実施例1の染料層塗工液Aと
同様のものを使用し、塗布量は全て乾燥時で0.8g/
2 である。
【0045】以上の実施例3の熱転写シートを実施例1
で使用した熱転写受像シートと同じものと組み合わせ
て、市販の熱転写プリンターを用いて、評価用画像(階
調画像)を形成した。但し、画像形成時の印加情報は、
フルカラー印画物情報、すなわち画像を色分解した三原
色RGBの色信号から、印刷色YMCのデータに変換し
た情報により画像形成を行った。
【0046】(比較例1)実施例1で使用した同様の基
材上に、図5に示すように、ミヤバーを用いて、染料層
1を設け、さらに実施例2で用いた検知マーク用塗工液
により検知マーク3を設けて、比較例1で使用する熱転
写シートを用意した。尚、染料層1の塗工液は上記の実
施例の染料層塗工液Cと同様のものを使用し、塗布量は
乾燥時で0.4g/m2 である。
【0047】以上の比較例1の熱転写シートを実施例1
で使用した熱転写受像シートと同じものと組み合わせ
て、市販の熱転写プリンターを用いて、評価用画像(階
調画像)を形成した。但し、画像形成時の印加情報は、
モノカラー印画物情報、すなわち画像を単色に色変換し
た濃淡階調の情報で、その同一情報を3回重ねて、画像
形成を行った。
【0048】(比較例2)実施例1で使用した同様の基
材上に、図6に示すように、ミヤバーを用いて、染料層
Y、M、Cを設けて、比較例2で使用する熱転写シート
を用意した。尚、染料層Y、M、Cの塗工液は下記の組
成であり、塗布量は乾燥時でY、M、C全て0.5g/
2 である。染料層Y用塗工液 イエロー分散染料 2.61部 (C.I.ディスパースイエロー6G:バイエル(株)) ポリビニルブチラール(エスレックBX−1:積水化学工業) 20部 トルエン 30部 メチルエチルケトン 30部
【0049】染料層M用塗工液 マゼンタ分散染料(KC−27:コニカ(株)) 1.77部 ポリビニルブチラール(エスレックBX−1:積水化学工業) 20部 トルエン 30部 メチルエチルケトン 30部
【0050】染料層C用塗工液 シアン分散染料 3.31部 (C.I.ソルベントブルー63:日本化薬(株)) ポリビニルブチラール(エスレックBX−1:積水化学工業) 20部 トルエン 30部 メチルエチルケトン 30部
【0051】以上の比較例2の熱転写シートを実施例1
で使用した熱転写受像シートと同じものと組み合わせ
て、市販の熱転写プリンターを用いて、評価用画像(階
調画像)を形成した。但し、画像形成時の印加情報は、
フルカラー印画物情報、すなわち画像を色分解した三原
色RGBの色信号から、印刷色YMCのデータに変換し
た情報により画像形成を行った。
【0052】上記の実施例及び比較例で作成した画像形
成物について、各最大濃度とハイライト部のインキ発色
感度を調べた。評価方法は以下の通りである。 (最大濃度)各画像形成物の最大濃度部の濃度を米国マ
クベス社製のデンシトメーターRD−918にて測定し
た。 (発色感度)各画像形成物のハイライト部のインキ発色
感度を目視にて評価した。その評価の判断基準は以下の
とおりである。 ○:ハイライト部の濃度及び階調再現性が優れている。 △:ハイライト部の濃度及び階調再現性がほぼ良好であ
る。 ×:ハイライト部の濃度及び階調再現性が良くない。
【0053】以上の結果を下記の表1に示す。
【表1】
【0054】上記の結果の通り、実施例の熱転写画像形
成方法ではフルカラー印画物情報により画像形成して、
最大濃度が1.45〜1.80と高めであり、またハイ
ライト部のインキ発色感度が良好である。但し、実施例
1では、染料層の1画面を構成する各区画の塗布量が、
印画始めの区画より後の区画にかけて、漸次減少してい
て、実施例2、3は染料層の1画面を構成する各区画の
塗布量が同一であるが、実施例1が最も画像濃度が高か
った。それに対し、比較例1の熱転写画像形成方法では
モノカラー印画物情報により、画像形成して、最大濃度
が1.20と低めである。また比較例2の熱転写画像形
成方法ではフルカラー印画物情報ではあるが、熱転写シ
ートがモノカラーの染料層ではなく、Y、M、Cの染料
層を用いたので、ハイライト部のインキ発色感度が良く
ない。
【0055】
【発明の効果】したがって、本発明の熱転写画像形成方
法は、基材上に1画面当たり2つ以上の区画を有し、か
つ該区画の色相がモノカラーであり、全て同一色相であ
る染料層を設けた熱転写シートと、熱転写受像シートを
重ねて組み合わせて熱転写するものであり、見本画像を
色変換した互いに異なる情報を用いて、該情報と各区画
を1対1に対応させて、画像形成する。さらに、好まし
くは前記の色変換した互いに異なる情報が、見本画像を
RGBの各フィルターで、色変換して三原色RGBの色
信号を得て、該信号データを印刷色YMCのデータに変
換した情報であることにより、さらに、前記の染料層
が、1画面当たり2つ以上の区画を有し、1画面を構成
する各区画の塗布量が、印画始めの区画より後の区画に
かけて、漸次減少していることにより、印画部の階調色
差や色ムラを防止し、印画部のシャドウ部からハイライ
ト部の濃度再現性に優れたモノカラー画像形成物が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写画像形成方法の1つの実施形態
を示すフローチャートである。
【図2】本発明の熱転写シートの1つの実施形態を示す
平面図である。
【図3】本発明の熱転写シートの他の実施形態を示す平
面図である。
【図4】本発明の熱転写シートの他の実施形態を示す平
面図である。
【図5】従来の熱転写シートの例を示す平面図である。
【図6】従来の熱転写シートの例を示す平面図である。
【符号の説明】
1、1’、1” 染料層(モノカラー) 2 転写性保護層 3 検知マーク 4 余白

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に1画面当たり2つ以上の区画を
    有し、かつ該区画の色相がモノカラーであり、全て同一
    色相である染料層を設けた熱転写シートと、熱転写受像
    シートを重ねて組み合わせて熱転写する画像形成方法に
    おいて、見本画像を色変換した互いに異なる情報を用い
    て、該情報と各区画の染料層を1対1に対応させて、画
    像形成することを特徴とする熱転写画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記の色変換した互いに異なる情報が、
    見本画像をRGBの各フィルターで、色変換して三原色
    RGBの色信号を得て、該信号データを印刷色YMCの
    データに変換した情報であることを特徴とする上記の請
    求項1に記載する熱転写画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記の染料層が、1画面当たり2つ以上
    の区画を有し、1画面を構成する各区画の塗布量が、印
    画始めの区画より後の区画にかけて、漸次減少している
    ことを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写画像
    形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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